JP2010101280A - 駆動回路内蔵圧電ポンプ及び駆動回路 - Google Patents

駆動回路内蔵圧電ポンプ及び駆動回路 Download PDF

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Abstract

【課題】ポンプ駆動時における騒音を低減するとともに、ハウジング内部に好適に収納可能な駆動回路の回路規模を維持することができる駆動回路内蔵圧電ポンプを提供すること
【解決手段】直流低電圧信号aから、ミクロ矩形波の集合体であり、時間軸方向に沿って分割された正弦波デジタル信号cを生成するデジタル信号生成部520は、正弦波デジタル信号cの周波数をA[Hz]とし、正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数をBとしたときに、1/(A×B)で規定される階段周期C[sec]が50以下となる分割数で、正弦波デジタル信号cを時間軸方向に沿って分割する。
【選択図】図5

Description

本発明は、駆動回路内蔵圧電ポンプ及び駆動回路に関する。
駆動回路内蔵圧電ポンプは、単一のハウジング内に、表裏の少なくとも一面にポンプ室を形成する圧電振動子と、この圧電振動子に高電圧駆動信号を印加して振動させることによりポンプ室内に液体を給排してポンプ作用を得る駆動回路を有する駆動基板とを収納したものである(特許文献1、2)。
高電圧駆動信号の信号波形はアナログ波形である理想的な正弦波であることが好ましいが、実際には理想正弦波の実現は難しく、電源で生成された直流低電圧信号を増幅した直流高電圧信号と、同じく電源で生成された直流低電圧信号をコンバート(DAC)した正弦波デジタル信号を合成(昇圧)した擬似正弦波が用いられる。
特願2007−175905号 特願2008−183144号
しかしながら、図9に示すように、上記正弦波デジタル信号は、あくまでも微細なミクロ矩形波(デジタル出力)の集合体に過ぎず、理想的な正弦波(アナログ出力)とは厳密には異なる。このため可聴帯域である高調波成分が含まれ、圧電ポンプ駆動時には圧電振動子の振動による騒音(例えば、30dBA以上)が発生してしまう。この騒音は、理論的には、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った分割数を増やす(ミクロ矩形波の刻み量を小さくする)ことにより、低減することができる。
その一方で、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った分割数をむやみに増やすことは、駆動回路の回路規模が増大する等の諸問題を引き起こし、単一のハウジング内に駆動回路を収納できず、UL規格の取得及び安全上の観点等から好ましくない。具体的には、時間軸方向に沿った分割数(分解能)と駆動回路に設ける抵抗の数は比例関係にあり、例えば、時間軸方向に沿った分割数を倍増させると、それに応じて駆動回路中の抵抗数も倍増してしまう(分割数の増加と駆動回路の増大の関係については後で詳述する)。
このように、駆動回路内蔵圧電ポンプは、ポンプ駆動時における騒音を低減したいという要望と、ハウジング内部に好適に収納可能な駆動回路の回路規模を維持したいという要望の、内蔵型特有の2つの要望を有しており、従来の駆動回路内蔵圧電ポンプは、この2つの要望の双方に応えることができる構成という観点からは十分なものではなかった。
本発明は、上記の問題意識に基づいてなされたものであり、ポンプ駆動時における騒音を低減するとともに、ハウジング内部に好適に収納可能な駆動回路の回路規模を維持することができる駆動回路内蔵圧電ポンプを提供することを目的とする。
本発明者らは、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数、特に、この分割数と正弦波デジタル信号の周波数とにより導かれる「階段周期」に着目した鋭意研究の成果として、本発明をするに至った。
本明細書で「階段周期」とは、正弦波デジタル信号の周波数をA[Hz]とし、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数をBとしたときに、1/(A×B)で規定される数値C[μsec]を意味する。階段周期C[μsec]は、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った分割間隔(分割ピッチ)と表現することもできるし、正弦波デジタル信号を構成するミクロ矩形波の刻み量と表現することもできる。
そして、本発明者は、ポンプ駆動時における騒音を飛躍的に低減でき、且つ適正な回路規模を維持できる階段周期を見出し、この階段周期を実現する駆動回路を設計した。具体的には、階段周期C[μsec]を50以下とすることが、騒音の問題と回路規模の問題に対して極めて有効であることが判明した。
即ち、本発明の駆動回路内蔵圧電ポンプは、単一のハウジング内に、表裏の少なくとも一面にポンプ室を形成する圧電振動子と、該圧電振動子に高電圧駆動信号を印加して振動させることにより上記ポンプ室内に液体を給排してポンプ作用を得る駆動回路を有する駆動基板とを収納した駆動回路内蔵圧電ポンプにおいて、上記駆動回路は、直流低電圧信号を生成する電源と、上記直流低電圧信号を増幅して直流高電圧信号を生成する増幅部と、上記直流低電圧信号から、ミクロ矩形波の集合体であり、時間軸方向に沿って分割された正弦波デジタル信号を生成するデジタル信号生成部と、上記直流高電圧信号と正弦波デジタル信号を合成(昇圧)して高電圧駆動信号を生成する高電圧制御部とを有し、上記デジタル信号生成部は、正弦波デジタル信号の周波数をA[Hz]とし、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数をBとしたときに、1/(A×B)で規定される階段周期C[sec]が50以下となる分割数で、正弦波デジタル信号を時間軸方向に沿って分割することを特徴とする。
また、上記デジタル信号生成部は、正弦波デジタル信号の周波数A[Hz]に応じて、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数Bを設定する分割数設定部と、該分割数設定部により設定された分割数Bに従って、直流低電圧信号を正弦波デジタル信号にDA変換するDAC部とを有する。
本発明の駆動回路は、直流低電圧信号を生成する電源と、上記直流低電圧信号を増幅して直流高電圧信号を生成する増幅部と、上記直流低電圧信号から、ミクロ矩形波の集合体であり、時間軸方向に沿って分割された正弦波デジタル信号を生成するデジタル信号生成部と、上記直流高電圧信号と正弦波デジタル信号を合成して高電圧駆動信号を生成する高電圧制御部とを有し、上記デジタル信号生成部は、正弦波デジタル信号の周波数A[Hz]に応じて、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数Bを設定する分割数設定部と、該分割数設定部により設定された分割数Bに従って、直流低電圧信号を正弦波デジタル信号にDA変換するDAC部とを有する。
本発明によれば、デジタル信号生成部が、正弦波デジタル信号の周波数をA[Hz]とし、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数をBとしたときに、1/(A×B)で規定される階段周期C[sec]が50以下となる分割数で、正弦波デジタル信号を時間軸方向に沿って分割するので、正弦波デジタル信号の高調波成分が除去されてポンプ駆動時の騒音を低減することができる一方、分割数増加に伴う回路規模の増大が抑制され駆動回路をハウジング内に好適に収納することができる。
図1〜図4は、本発明の一実施の形態に係る駆動回路内蔵圧電ポンプ(以下単に「圧電ポンプ」という)100の構成を示す図である。
圧電ポンプ100は、圧電振動子10と、ハウジング20と、駆動基板50を備えている。ハウジング20は、アッパハウジング20Aと、メインハウジング20Bと、ロアハウジング20Cからなり、メインハウジング20Bには、アッパハウジング20A側に開口させて円形凹部41が形成され、ロアハウジング20C側に開口させて駆動基板収納凹部(以下単に「基板収納凹部」という)51が形成されている(図2、図4)。円形凹部41周縁には、Oリング収納環状溝41aが同心に形成されている。
圧電振動子10は、円形の金属性シム(以下単に「シム」という)11と、このシム11の上面(アッパハウジング20A側の面)に設けられた円形の圧電体12を有しており、圧電振動子10とアッパハウジング20Aの間に大気室Aが形成され、圧電振動子10とメインハウジング20Bの間にポンプ室Pが形成されている。尚、シム11の上面と下面にそれぞれ圧電体を設けたバイモルフ型の圧電振動子とすることもできる。
シム11は、厚さ30μm〜300μm程度のステンレス又は42アロイ等からなる導電性金属板である。圧電体12は、表裏両面に電極が形成された厚さ50μm〜300μm程度のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zr,Ti)O3)等からなり、その表裏方向に分極処理が施されている。圧電体12の表裏面に高電圧駆動信号(交番電界)が与えられると、圧電体12の一方の面が伸びて他方の面が縮むサイクルが繰り返され、シム11(圧電振動子10)が振動する。
圧電振動子10には、圧電体12の表面周縁部に、環状金属板18に半径方向に突出させて一体形成された配線接続突起18cに第1リード線14が接続されている。また、シム11に半径方向に突出させて一体に形成した配線接続突起11cには、第2リード線15が接続されている。
メインハウジング20BのOリング収納環状溝41aには、Oリング27が挿入され、円形凹部41内には、圧電振動子10が挿入されている。そして、圧電振動子10の周縁上にゴム製の環状ガイド28を介在させてメインハウジング20B上にアッパハウジング20Aを被せることにより、圧電振動子10が液密に挟着支持されている。
メインハウジング20Bには、円形凹部41内に、圧電振動子10(円形凹部41)の平面中心に対する偏心対称位置に位置させて、吸入側液溜室42と吐出側液溜室43が形成されている。吸入側液溜室42とポンプ室P、吐出側液溜室43と大気室Aの間にはそれぞれ、吸入側逆止弁32と吐出側逆止弁33が設けられている。また、メインハウジング20Bには、吸入側液溜室42と吐出側液溜室43に連通する吸入ポート24と吐出ポート25が形成されている。
吸入側逆止弁32は、吸入ポート24からポンプ室Pへの流体流を許してその逆の流体流を許さない吸入側逆止弁であり、吐出側逆止弁33は、ポンプ室Pから吐出ポート25への流体流を許してその逆の流体流を許さない吸入側逆止弁である。逆止弁32、33は、同一の形態であり、流路に溶着固定される穴あき基板32a、33aに、弾性材料からなるアンブレラ32b、33bを装着してなっている(図2)。
メインハウジング20Bには、円形凹部41周囲の筒状部44に、周方向位置を異ならせて、リード線収納溝45、46が形成されている(図3、4)。リード線収納溝45、46は、第1リード線14と第2リード線15を通すもので、通した状態でも十分な空気流通空間が確保できるように、大断面積が確保されている。
メインハウジング20Bには、リード線収納溝45、46を介して、大気室Aと基板収納凹部51を連通させる大切欠(大気室通路、貫通穴)52が形成されている(図3、4)。この大切欠52の上面は、メインハウジング20Bに被せたアッパハウジング20Aにより塞がれる。
メインハウジング20Bには、基板収納凹部51を外部に連通させる外部連通路(穴)54が形成されている。この外部連通路(穴)54には外部信号(直流電源Vcc,GND、保護出力信号)用のリード線が突出される(図示なし)。なお、基板収納凹部51は、大切欠52とリード線収納溝45、46を介して大気室Aに連通し、外部連通路54を介して外部と連通している。このため、メインハウジング20Bの基板収納凹部51に駆動基板50を嵌め、ロアハウジング20Cで蓋をした状態でも、大気室Aは外部と連通することとなる。即ち、圧電振動子10が振動して大気室Aの容積が縮小と拡大を繰り返しても圧力損失を生じず、圧電振動子10の変位を損なうことは無い。
駆動基板50上には、圧電振動子10に高電圧駆動信号を印加して振動させることによりポンプ室P内に液体を給排してポンプ作用を得る駆動回路53と、この駆動回路53を接続するプリント配線(図示せず)が形成されている。リード線収納溝45、46を介して大気室A(円形凹部41)の外に導かれた第1リード線14と第2リード線15は、駆動基板50に接続されている。
次に、本発明の特徴部分である圧電振動子10の駆動回路53の構成及びその駆動制御について説明する。
図5は、本発明の一実施の形態に係る駆動回路53の構成を示すブロック図である。駆動回路53は、電源500と、増幅部510と、デジタル信号生成部520と、高電圧制御部530とを有している。
電源500は、例えば5Vの安定した直流低電圧信号(以下単に「低電圧信号」という)aを生成し、増幅部510とデジタル信号生成部520に出力する。
増幅部510は、電源500から入力した低電圧信号aを昇圧して、例えば200Vの直流高電圧信号(以下単に「高電圧信号」という)bに増幅し、高電圧制御部530に出力する。
デジタル信号生成部520は、電源500から入力した低電圧信号aから、ミクロ矩形波の集合体であり、時間軸方向に沿って分割された正弦波デジタル信号cを生成し、高電圧制御部530に出力する。即ち、デジタル信号生成部520は、時間軸方向に沿って電圧値が一定のデジタル信号(低電圧信号a)を、時間軸方向に沿って電圧値が階段状に変化する離散アナログ信号(正弦波デジタル信号c)にデジタル−アナログ変換(DAC)している。
高電圧制御部530は、増幅部510から入力した高電圧信号bと、デジタル信号生成部520から入力した正弦波デジタル信号cを合成(昇圧)して、圧電振動子10を駆動可能なレベルの擬似正弦波である高電圧駆動信号dを生成し、圧電振動子10に出力する。これにより、圧電振動子10が振動し、圧電ポンプ100にポンプ作用が与えられる。
ここで、低電圧信号aから正弦波デジタル信号cを生成(DAC)するデジタル信号生成部520の構成及び動作について、図6も参照して説明する。図6は、デジタル信号生成部520で生成される正弦波デジタル信号cの波形、特に時間軸方向に沿った分割状態を示す図である。図6の信号波形は、正弦波デジタル信号cの周波数が60Hz(1周期が16.7[msec])である場合を例示している。
デジタル信号生成部520は、正弦波デジタル信号cの周波数(駆動周波数)をA[Hz]とし、正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数をBとしたときに、1/(A×B)で規定される階段周期C[μsec]が50以下となる分割数で、正弦波デジタル信号cを時間軸方向に沿って分割している。この階段周期C[μsec]は、正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った分割間隔(階段状の電圧変化に対応する時間軸の刻み)と表現することもできる。
具体的には、デジタル信号生成部520は、正弦波デジタル信号cの周波数A[Hz]に応じて、正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数Bを設定する分割数設定部521と、この分割数設定部521により設定された分割数に従って、低電圧信号aを正弦波デジタル信号cにDA変換するDAC部522とを有している。
図6の例において、デジタル信号生成部520は、正弦波デジタル信号cを、その時間軸方向に沿った1周期あたりの総分割数を512として分割している。つまり、分割数設定部521が、正弦波デジタル信号cの周波数Aである60[Hz]に応じて、正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数Bを512に設定し、続いてDAC部522が、この分割数512に従って、低電圧信号aを正弦波デジタル信号cにデジタル−アナログ変換する。その結果、正弦波デジタル信号cの階段周期は、1/(A×B)=1/(60[Hz]×512)=32.6[μsec]となっており、50以下の条件を満たしている。
図7は、正弦波デジタル信号cの周波数(駆動周波数)A[Hz]及び1周期あたりの分割数Bと、階段周期C[μsec]との関係を示す図である。図7では、駆動周波数A[Hz]を、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、400の11通りで刻み、分割数Bを256、512、1024の3通りで刻んだ場合の計33通りの階段周期C[μsec]を例示している。
本発明者らは、階段周期C[μsec]を50以下とすることにより(図7の網掛領域Xとすることにより)、ポンプ駆動時における騒音を飛躍的に低減できることを見出した。階段周期Cは正弦波デジタル信号cの駆動周波数に依存して変動するので、階段周期Cを設定するためには、駆動周波数に応じて正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った分割数を変える必要がある。そこで、デジタル信号生成部520(分割数設定部521)により、階段周期[μsec]が50以下となるような分割数で、正弦波デジタル信号cを時間軸方向に沿って分割するのである。
そして、この50[μsec]以下という階段周期は、ポンプ駆動時における騒音値にとって臨界的な意義を持つ。この臨界的な意義について、図8を用いて説明する。
図8は、正弦波デジタル信号cの階段周波数とポンプ駆動時における騒音値の相関を示す図である。図8も、図6と同様に正弦波デジタル信号cの周波数が60Hzである場合を例示している。横軸の階段周波数[kHz]は、階段周期C[μsec]の逆数であり、階段周期Cが50[μsec]の場合の階段周波数は、1/50[μsec]で規定される20[kHz]である。
図8に明らかなように、階段周期Cが65.1[μsec]の場合に対応する階段周波数15[kHz]付近においては、40[dBA]を超える騒音が発生しているのに対し、階段周期Cが50[μsec]の場合に対応する階段周波数20[kHz]付近において、25[dBA]程度にまで騒音が急激に低減している。従って、騒音低減という観点からの正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った分割数の目安として、50[μsec]の階段周期Cが極めて有効であるといえる。
その一方で、単にポンプ駆動時の騒音を低減するだけならば、正弦波デジタル信号cの時間軸方向に沿った分割数を増やす(階段周期Cを細かくする)ことで対応可能とも考えられる。しかし、分割数の増加は直接的に駆動回路の回路規模の増大につながるので、単一のハウジング内に駆動回路を収納できず、UL規格の取得及び安全上の観点等から好ましくない。分割数の増加が駆動回路の回路規模の増大を引き起こす要因は、主として以下の3つである。
1.駆動回路に設ける抵抗の数
時間軸方向に沿った分割数を倍増させると、電圧軸方向の分割数も倍増し、それに応じて駆動回路中の抵抗数も倍増してしまう。
2.駆動回路に設けるアナログスイッチの数
駆動回路には、上記1.の駆動回路中の抵抗数が倍増すると、相応にアナログスイッチも倍増してしまう。分割抵抗とほぼ同サイズのアナログスイッチを設ける必要がある。
3.抵抗のサイズ
時間軸方向に沿った分割数を倍増させるため、電圧軸方向に沿った分割抵抗サイズを半分とすると、抵抗のサイズはほぼ1.5倍になる。
以上の要因を考慮して、正弦波デジタル信号を時間軸方向に512分割、電圧軸方向に200分割する場合と400分割する場合の駆動回路の回路規模を比較する。200分割の場合における駆動回路の回路規模を1とすると、400分割の場合における駆動回路の回路規模は、抵抗数増分(400/200)×アナログスイッチ数増分(400/200)×抵抗サイズ増分(1.5)=6となり、粗計算で約6倍の回路規模増大を招くことになる。
また、正弦波デジタル信号を時間軸方向に512分割、電圧軸方向に200分割する場合と800分割する場合の駆動回路の回路規模を比較する。200分割の場合における駆動回路の回路規模を1とすると、800分割の場合における駆動回路の回路規模は、抵抗数増分(800/200)×アナログスイッチ数増分(800/200)×抵抗サイズ増分(1.5×1.5)=36となり、粗計算で約36倍の回路規模増大を招くことになる。
このように、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った分割数の増加は、加算的ではなく乗算的に駆動回路の増大に影響してくる。
デジタル信号生成部520(DAC部522)は電圧軸方向200分割で駆動回路53内の約1/50程度のサイズを占めるとすると、200分割から400分割に増やすと1.1倍に、200分割から800分割に増やすと1.7倍に駆動回路53の回路規模が増大してしまう。また、時間軸方向の分割数を増やすと製造面でもスイッチ回数が増加し、配線ピッチへの影響、抵抗精度の弊害、回路の発熱等の問題も生じる。
時間軸方向に沿った分割数は、正弦波デジタル信号の駆動周波数に応じて設定されるものではあるが、これらの状況から、分割数は1024分割を上限とする範囲内で設定することが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態による駆動回路内蔵圧電ポンプ100によれば、正弦波デジタル信号の高調波成分が適度に除去されてポンプ駆動時の騒音を低減することができる一方、分割数増加に伴う回路規模の増大が抑制され駆動回路をハウジング内に好適に収納することができる。即ち、従来の駆動回路内蔵圧電ポンプが有していた、ポンプ駆動時の騒音低減と駆動回路規模の増大抑制という、ある種のパラドックス的な問題を解消することができる。なお、本実施の形態では分割数設定部521とDAC部522を別ブロックとして説明しているが、これらを一体化して分割数が設定されたデジタル信号生成部を回路構成することも可能である。
(A)本発明の一実施の形態に係る駆動回路内蔵圧電ポンプを示す平面図である。(B)本発明の一実施の形態に係る駆動回路内蔵圧電ポンプを示す背面図である。 図1(A)、(B)のI−I線に沿う断面図である。 図1(A)、(B)のII−II線に沿う断面図である。 本発明の一実施の形態に係る駆動回路内蔵圧電ポンプを示す概略斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る駆動回路の構成を示すブロック図である。 図5のデジタル信号生成部で生成される正弦波デジタル信号の時間軸成分の分割状態を示す図である。 正弦波デジタル信号の周波数(駆動周波数)及び1周期あたりの分割数と階段周期との関係を示す図である。 正弦波デジタル信号の階段周波数(階段周期)とポンプ駆動時における騒音値の相関を示す図である。 正弦波デジタル信号をなすミクロ矩形波の集合体を示す図である。
符号の説明
10 圧電振動子
20 ハウジング
50 駆動基板
53 駆動回路
100 駆動回路内蔵圧電ポンプ
500 電源
510 増幅部
520 デジタル信号生成部
521 分割数設定部
522 DAC部
530 高電圧制御部
a 直流低電圧信号
b 直流高電圧信号
c 正弦波デジタル信号
d 高電圧駆動信号

Claims (3)

  1. 単一のハウジング内に、表裏の少なくとも一面にポンプ室を形成する圧電振動子と、該圧電振動子に高電圧駆動信号を印加して振動させることにより上記ポンプ室内に液体を給排してポンプ作用を得る駆動回路を有する駆動基板とを収納した駆動回路内蔵圧電ポンプにおいて、
    上記駆動回路は、
    直流低電圧信号を生成する電源と、
    上記直流低電圧信号を増幅して直流高電圧信号を生成する増幅部と、
    上記直流低電圧信号から、ミクロ矩形波の集合体であり、時間軸方向に沿って分割された正弦波デジタル信号を生成するデジタル信号生成部と、
    上記直流高電圧信号と正弦波デジタル信号を合成して高電圧駆動信号を生成する高電圧制御部とを有し、
    上記デジタル信号生成部は、正弦波デジタル信号の周波数をA[Hz]とし、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数をBとしたときに、1/(A×B)で規定される階段周期C[sec]が50以下となる分割数で、正弦波デジタル信号を時間軸方向に沿って分割する、
    ことを特徴とする駆動回路内蔵圧電ポンプ。
  2. 請求項1記載の駆動回路内蔵圧電ポンプであって、
    上記デジタル信号生成部は、正弦波デジタル信号の周波数A[Hz]に応じて、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数Bを設定する分割数設定部と、該分割数設定部により設定された分割数Bに従って、直流低電圧信号を正弦波デジタル信号にDA変換するDAC部とを有する駆動回路内蔵圧電ポンプ。
  3. 直流低電圧信号を生成する電源と、
    上記直流低電圧信号を増幅して直流高電圧信号を生成する増幅部と、
    上記直流低電圧信号から、ミクロ矩形波の集合体であり、時間軸方向に沿って分割された正弦波デジタル信号を生成するデジタル信号生成部と、
    上記直流高電圧信号と正弦波デジタル信号を合成して高電圧駆動信号を生成する高電圧制御部とを有し、
    上記デジタル信号生成部は、正弦波デジタル信号の周波数A[Hz]に応じて、正弦波デジタル信号の時間軸方向に沿った1周期あたりの分割数Bを設定する分割数設定部と、該分割数設定部により設定された分割数Bに従って、直流低電圧信号を正弦波デジタル信号にDA変換するDAC部とを有する駆動回路。
JP2008275266A 2008-10-27 2008-10-27 駆動回路内蔵圧電ポンプ及び駆動回路 Expired - Fee Related JP5010567B2 (ja)

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