JP2010100223A - サスペンション装置 - Google Patents

サスペンション装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010100223A
JP2010100223A JP2008274859A JP2008274859A JP2010100223A JP 2010100223 A JP2010100223 A JP 2010100223A JP 2008274859 A JP2008274859 A JP 2008274859A JP 2008274859 A JP2008274859 A JP 2008274859A JP 2010100223 A JP2010100223 A JP 2010100223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bound stopper
shock absorber
stopper
upper support
suspension device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008274859A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Miwa
啓介 三輪
Chinami Ito
千浪 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008274859A priority Critical patent/JP2010100223A/ja
Publication of JP2010100223A publication Critical patent/JP2010100223A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

【課題】バウンドストッパを備えたサスペンション装置において、車両操舵時の異音を軽減する。
【解決手段】ある態様のサスペンション装置においては、支持部材56とバウンドストッパ44との間に、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂からなる樹脂フィルム70が介装されている。それにより、アッパーサポート21とバウンドストッパ44との間の摩擦係数が、バウンドストッパ44とショックアブソーバ20との間の摩擦係数よりも小さくなっている。このため、車両のバウンド時等にアッパーサポート21とショックアブソーバ20との間にバウンドストッパ44が挟圧された際には、バウンドストッパ44の下端面がストッパプレート46の上面に密着する一方、上端面は支持部材56に対して摺動する。すなわち、バウンドストッパ44は、支持部材56に支持されつつも、ショックアブソーバ20のハウジング45と一体となって回動するようになる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車輪から車体に加わる衝撃を緩和する部材としてバウンドストッパを備えたサスペンション装置に関する。
従来より、車輪から車体に加わる衝撃を緩和して車両の乗り心地の快適性や操縦安定性を高めるために、車輪と車体の間にはサスペンション装置が設置されている。このようなサスペンション装置として、ショックアブソーバがサスペンションの支柱を兼ねるストラット式サスペンション装置が知られている。このストラット式サスペンション装置は、ショックアブソーバの上端部がアッパーサポート等の支持部材を介して車体側に取付けられ、下端部がボールジョイント等の連結部材を介して車輪側に接続されている。そのショックアブソーバを囲むようにしてコイルスプリングが配置されている。コイルスプリングは路面からのショックを吸収するが、一旦撓むと振れ戻りを発生させる。ショックアブソーバは、このコイルスプリングの上下動に適度な抵抗を与えることでその振れを減衰させ、また路面からの衝撃の一部を吸収して車両の操縦性等を向上させる。
このようなサスペンション装置には一般に、コイルスプリングに加えてバウンドストッパがさらに設けられている(例えば特許文献1参照)。このバウンドストッパは、車両が悪路等を走行してバウンドしたときにその衝撃の一部を吸収するものである。すなわち、スプリングの弾性力は線形性を有するため、大きな衝撃力が加わった場合に対抗するには限界がある。一方、そのような大きな衝撃力を想定して当初からスプリングを大きく設計することも考えられるが、コストが嵩む上に通常走行時の乗り心地を悪くしてしまう。そこで、スプリングシートにゴムやポリウレタン等からなるバウンドストッパを吊り下げるように取り付け、車輪がバウンドするような大きな衝撃力を受けるときにのみショックアブソーバに当接させてその機能を発揮させるようにしている。バウンドストッパは、一般にショックアブソーバとの当接面に向かって薄肉となる形状を有し、ショックアブソーバが変位するにつれて当接面が大きくなり、非線形の弾性力を発生させる。その点で、コイルスプリングによる線形的な反力を補完する役割を有している。
特開2006−170385号公報
ところで、このようなバウンドストッパの設置構成として、いわゆる入力一体タイプのものと入力分離タイプのものがある。特許文献1には、入力一体タイプの構成が開示されている。この構成においては、バウンドストッパがスプリングシートに固定されているため、車輪のバウンド時に車輪が操舵されてもバウンドストッパはショックアブソーバのケースとともに回動する。この構成ではコイルスプリング、ショックアブソーバおよびバウンドストッパの反力がアッパーサポート中央部の弾性体に集中的に負荷されるため、その弾性体が撓んで乗り心地に影響を与えることがある。
一方、入力分離タイプの構成においては、バウンドストッパがスプリングシートとは別のアッパーサポートに固定される。ショックアブソーバおよびバウンドストッパの反力はアッパーサポート中央部の弾性体を介して車体に負荷されるが、コイルスプリングの反力はアッパーサポート周縁部の剛体部分を介して車体に直接的に負荷されるようになる。このため、弾性体の撓みを抑えることができ、比較的良好な乗り心地を得ることができる。しかし、バウンドストッパがショックアブソーバのピストンロッドとともに回動するため、車輪のバウンド時に車輪が操舵されると、ショックアブソーバのケースとバウンドストッパとの間に軸線周りの相対的変位が生じる。すなわち、バウンドストッパの下端面がケースの上面に当接した状態で相対的に変位しようとするため、その摺動摩擦による異音(スティックスリップ音)が発生する場合がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、バウンドストッパを備えたサスペンション装置において、車両操舵時の異音を軽減することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のサスペンション装置は、筒状のボディの上端側から突出するピストンロッドがアッパーサポートを介して車体側に接続されるとともに下端側が車輪側に接続され、ピストンロッドが上記ボディに対して軸線周りに回動可能に構成されたショックアブソーバと、アッパーサポートと相対変位可能に配置されたアッパーシートと、ショックアブソーバのボディに固定されたロアシートとの間に介装されたコイルスプリングと、コイルスプリングの内方においてピストンロッドを内挿しつつショックアブソーバのボディとアッパーサポートとの間に配置される筒状の本体を有し、その本体の上端部がアッパーサポートに設けられた凹状嵌合部に収容されるようにして支持され、車輪のハウンド時にショックアブソーバのボディの上面に当接して補助的な弾性力を発生させ、ショックアブソーバの変位を緩和するバウンドストッパと、アッパーサポートとバウンドストッパとの接合部に介装され、バウンドストッパがショックアブソーバのボディの上面に当接したときに、バウンドストッパのボディに対する相対変位がない状態でアッパーサポートに対する相対変位を可能にする低摩擦樹脂材と、を備える。
ここで、バウンドストッパは、その上端部の外周面がアッパーサポートの凹状嵌合部に適度に圧入嵌合されることで支持されてもよいし、その上端部の内周面がピストンロッドに適度に圧入嵌合することによって支持されてもよい。この態様では、ショックアブソーバのボディに対してピストンロッドが軸線周りに回動可能に構成されていることで、車両操舵時にそのボディが軸線周りに回動してもピストンロッドにねじり応力が負荷されることが抑制されている。ショックアブソーバのボディが回動すると、アッパーシート、ロアシートおよびコイルスプリングがともに回動するようになる。このような構成において、ピストンロッドがアッパーサポートに取り付けられているため、車両の操舵がなされると、ショックアブソーバのボディとアッパーサポートとの間に相対変位が発生する。そのときバウンドストッパがショックアブソーバのボディ上面に当接していれば、そのバウンドストッパに回動方向の荷重が付与されるようになる。
この態様によれば、そのような構成においてアッパーサポートとバウンドストッパとの接合部に摩擦係数が小さい低摩擦樹脂材が介装されている。すなわち、アッパーサポートとバウンドストッパと間の摩擦係数を相対的に小さくすることで、バウンドストッパの作用時に操舵がなされたとしても、ショックアブソーバのボディとバウンドストッパとの摺動を規制することができる。それにより、その摺動による異音の発生を防止または抑制することができる。なお、バウンドストッパとアッパーサポートとの間には低摩擦樹脂材を介して相対変位が生じることになるが、バウンドストッパがもともと低摩擦樹脂材と当接状態にあり、その低摩擦樹脂材が軸受けのように作用して滑らかな回動を実現する。このため、その両者の相対動作が問題となる異音を発生させることはない。
バウンドストッパがウレタン樹脂からなり、下端に向かって薄肉形状となるように構成されていてもよい。すなわち、バウンドストッパはゴム等の弾性を有する部材にて構成することもできるが、大きな衝撃力を吸収するためには非線形な弾性特性を有するウレタン樹脂のほうが好ましい。また、バウンドストッパを下方に向かって薄肉形状とすることで、バウンドストッパが収縮するにつれてそのショックアブソーバのボディへの接触面積が徐々に大きなり、その非線形な作用をより顕著に発揮させられるようになる。
低摩擦樹脂材は、ポリテトラフルオロエチレンからなるものでもよい。この態様によれば、低摩擦樹脂材のフッ素粒子による円滑な摺動の促進により、バウンドストッパのスティックスリップ音の発生を効果的に抑制することができる。
具体的構成としては、その低摩擦樹脂材が樹脂フィルム(「低摩擦樹脂フィルム」という)からなり、アッパーサポートの凹状嵌合部に接着されていてもよい。すなわち、低摩擦樹脂フィルムをアッパーサポートとバウンドストッパとの間に単に介装することも考えられるが、バウンドストッパがその摺動時に両者間から脱落することを防止するためにも、少なくとも一方に固定されるのが好ましい。一方、フィルム状の部材は凸部の面に接着されるよりも凹部の面に接着されるほうが他部材との干渉の可能性を低減でき、損傷や劣化を生じさせにくいと考えられる。そこで、この態様では、低摩擦樹脂フィルムをアッパーサポートの凹状嵌合部に接着している。
バウンドストッパのピストンロッドとの摺動面に、フッ素グリースが塗布された潤滑部を設けてもよい。すなわち、バウンドストッパの下部がショックアブソーバのボディの上面に当接してそのボディに対して固定されることで、逆にバウンドストッパがピストンロッドに対して相対変位することになる。この態様によれば、そのような場合でもフッ素グリースにより潤滑が促されるため、バウンドストッパとピストンロッドとの摺動による異音の発生を抑制できる。また、フッ素グリースは、固体潤滑を促す点で通常のオイルグリースのように流体潤滑を促すものとは異なり、その基油がバウンドストッパの内部に浸透したとしても、フッ素粒子が表面にある限り良好な潤滑状態を保持することができる。
本発明によれば、バウンドストッパを備えたサスペンション装置において、操舵時の異音を軽減することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るサスペンション装置およびその周辺の構成を示す斜視図である。
本実施の形態のサスペンション装置は、ストラット式サスペンションとして車輪支持装置の一部を構成している。車輪支持装置は、車輪に回転駆動力を伝達するドライブシャフト10、車輪を回転自在に支持するナックル12、ナックル12を車体に連結するロアアーム14、およびサスペンション装置16を備える。
ナックル12の中央部には車輪を支持する図示しないアクスルハブが挿通されている。ナックル12には、また、ブレーキ装置を構成するキャリパ30が固定されている。キャリパ30は、作動用の液圧が導入されるホイールシリンダ、そのホイールシリンダに供給された液圧によって駆動されるブレーキパッド等を含み、そのブレーキパッドによりディスクロータ32を挟圧して制動力を発生させる。ロアアーム14の基端部は車体に枢支され、その基端部から車幅方向外側に延びる先端部はボールジョイントを介してナックル12に枢支されている。ナックル12には、車体に搭載された図示しないステアリング装置から延びるタイロッド18が接続されており、キングピン軸を中心に車輪を回転操作できるように構成されている。
サスペンション装置16は、作動液が封入されたハウジング45内に図示しないピストンを収容するショックアブソーバ20を備える。ショックアブソーバ20は、ピストンに形成されたオリフィスを作動液が通過する際の粘性抵抗によって減衰力を発生させる。ハウジング45の下端部は、ボールジョイントを介してナックル12に連結されている。ショックアブソーバ20のハウジング45から突出したピストンロッドは、アッパーサポート21を介して車体に取り付けられている。また、アッパーサポート21に対して相対変位可能にアッパーシート22が設けられ、ハウジング45の軸方向中央部にはロアシート24が取り付けられている。アッパーシート22とロアシート24との間には、コイルスプリング23が介装されている。
図示しないステアリングホイールから入力される操舵トルクは、図示しないステアリングコラムを介してギヤボックスに伝達される。ギヤボックスにおいては、ステアリングホイールの回転運動が車幅方向の直線運動に変換されて、タイロッド18に伝達される。タイロッド18は、ボールジョイントを介してナックル12に結合されている。運転者がステアリングホイールを操舵すると、そのタイロッド18の運動によってナックル12が揺動し、車輪が転舵される。そのナックル12の揺動は、ショックアブソーバ20のハウジング45に軸線周りの回動をもたらすが、ピストンロッドがハウジング45に対して相対変位可能であるため、その回動が車体へ影響することはない。また、車体にはスタビライザリンク33を介してスタビライザ34が連結されており、そのねじれに対する復元力によって車体のロール剛性が高められ、車両旋回時のロールが抑制される。
図2は、サスペンション装置の主要部を示す部分切欠断面図である。
サスペンション装置16は、上述した入力分離タイプの構成を有し、ショックアブソーバ20およびコイルスプリング23に加え、ダストカバー42およびバウンドストッパ44を備える。ショックアブソーバ20は、そのハウジング45の上端部を封止するようにストッパプレート46が設けられており、そのストッパプレート46の上面中央からピストンロッド48を図示しないオイルシールを介して進退可能に突出させている。ストッパプレート46の上端面は、バウンドストッパ44が当接する際の打音を軽減すべく、その周方向に規則的な凹凸形状をなしている。ピストンロッド48は、アッパーサポート21を介して車体に接続されている。
アッパーサポート21は、プレス成形して得られた複数の金属プレートを樹脂モールドして構成されている。すなわち、樹脂材50の中央には金属製のストッパディスク52が設けられ、ストッパディスク52を囲むように金属製のディスクプレート54が設けられている。アッパーサポート21は、そのディスクプレート54の部分が図示しないボルトを介して車体に締結される。ディスクプレート54とストッパディスク52とは、樹脂材50によって絶縁されている。また、ストッパディスク52と底面を突き合わせるように支持部材56が配設されている。
ストッパディスク52および支持部材56の底部中央には挿通孔が設けられ、ピストンロッド48の上端部に形成された雄ねじ部がこれを貫通している。この雄ねじ部にカラー57を介してナット58を螺合させ、ピストンロッド48とナット58との間にストッパディスク52および支持部材56を挟むようにして締結することにより、アッパーサポート21が組み付けられている。また、それと同時にアッパーサポート21とピストンロッド48とが固定されている。支持部材56は、下方に向かって拡径される有底段付円筒状をなし、バウンドストッパ44の上端面に沿った凹状嵌合部60を有する。
コイルスプリング23は、アッパーシート22とロアシート24との間に挟まれるように配置されている。アッパーシート22は有底筒状をなし、その底部に設けられた挿通孔に支持部材56を挿通している。アッパーシート22は、アッパーサポート21とベアリング62を介して対向配置されており、アッパーサポート21に対して相対変位可能となっている。ロアシート24は、ショックアブソーバ20のハウジング45に溶接により固定されている。
バウンドストッパ44は、発泡ポリウレタンからなる円筒状の本体を有し、コイルスプリング23の内方においてストッパプレート46とアッパーサポート21との間に配置されている。バウンドストッパ44は、その本体の下半部の外周面に剛性を低減するための環状溝64,66が設けられるとともに、下端に向かって薄肉形状となるように構成されており、その下端部が変形しやすくなっている。バウンドストッパ44には、その軸線に沿ってピストンロッド48が挿通されている。バウンドストッパ44の上端部内周面には適度な圧入代が設けられており、バウンドストッパ44は、その上端部においてピストンロッド48に圧入嵌合されている。
また、バウンドストッパ44は、その上端部において支持部材56の凹状嵌合部60と相補形状をなしており、その上端部が凹状嵌合部60に収容されている。バウンドストッパ44は、車両のバウンド時にショックアブソーバ20の上面に当接し、ショックアブソーバ20のボディとアッパーサポート21とにより挟圧される。そして、その反力として補助的な弾性力を発生させることにより、そのショックアブソーバ20の変位を緩和する。
ダストカバー42は、ウレタン樹脂等を射出成形して得た舵腹円筒状の本体を有し、コイルスプリング23の内方にてバウンドストッパ44およびショックアブソーバ20を外側から覆うように配置されている。ダストカバー42の上端には半径方向外向きに延出するフランジ部68が設けられている。ダストカバー42は、そのフランジ部68がアッパーシート22とコイルスプリング23との間に挟まれるようにして支持されている。コイルスプリング23の付勢力によってフランジ部68がアッパーシート22に密着しており、ダストカバー42の上部からの粉塵等の異物の侵入が防止されている。
一方、ダストカバー42の下端は開口しているが、ロアシート24の近傍まで延設されているため、その開口部からの異物の侵入が抑制されている。ダストカバー42の本体は、ショックアブソーバ20と同軸状に配置されている。ダストカバー42は、ピストンロッド48の進退移動によるコイルスプリング23の伸縮動作とともに上下に変位する。
図3は、バウンドストッパの支持部近傍の構成を表す部分拡大図である。図4は、その支持部近傍に配置される樹脂フィルムの構成例を示す図である。(A)は樹脂フィルムの平面図を表し、(B)はそのA−A矢視断面図を表している。
図3に示すように、支持部材56の凹状嵌合部60には摩擦抵抗が小さい樹脂フィルム70が貼着されている。図4にも示すように、樹脂フィルム70は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系の低摩擦樹脂材からなり、所定の厚み(例えば1mm〜3mm)を有するリング状の部材として形成されている。樹脂フィルム70のフッ素粒子が摺動対象に転写されることにより、その円滑な摺動を可能にする。
図5は、樹脂フィルムによる作用効果を示す図である。(A)は本実施の形態のように樹脂フィルムを設けた場合を表し、(B)は比較例として樹脂フィルムを設けない場合を表している。
上述のように、本実施の形態では支持部材56とバウンドストッパ44との間に樹脂フィルム70が介装されているため、アッパーサポート21とバウンドストッパ44との間の摩擦係数が、バウンドストッパ44とストッパプレート46との間の摩擦係数よりも小さくなる。言い換えれば、そのように樹脂フィルム70の材質が選択されている。このため、車両のバウンド時等にショックアブソーバ20のボディとアッパーサポート21との間にバウンドストッパ44が挟圧された際には、同図(A)に示すように、バウンドストッパ44の下端面がストッパプレート46の上面に密着する一方、上端面は支持部材56に対して摺動する。すなわち、バウンドストッパ44は、支持部材56に収容された状態で支持されつつも、ショックアブソーバ20のボディと一体に回動するようになる。
すなわち、車両の操作によってショックアブソーバ20のハウジング45が回動すると、図2に示したアッパーシート22、ロアシート24、コイルスプリング23、およびダストカバー42がともに回動する。その際、樹脂フィルム70の介在により、バウンドストッパ44がストッパプレート46に対してではなく、支持部材56に対して回動するようになる。その結果、バウンドストッパ44の下端部の摺動による異音の発生を防止することができる。特に、本実施の形態のようにバウンドストッパ44の下端部が変形しやすく、かつストッパプレート46の上端面が凹凸形状となっている場合、その当接部の面圧が不均一となり、摺動した場合に異音を発生させる可能性がある。加えて多孔質のウレタン樹脂の材質上異音を発生させやすい構成にもなっているが、本実施の形態ではその摺動そのものを阻止するため、その異音の発生を防止することができる。なお、バウンドストッパ44は樹脂フィルム70とはもともと当接状態にあり、その樹脂フィルム70がフッ素粒子を介して軸受けのように作用して滑らかな回動を実現するため、バウンドストッパ44の上端部側で問題となるような異音が発生させることはない。
これに対し、同図(B)に示す比較例においては、支持部材56とバウンドストッパ44との間に樹脂フィルム70のような潤滑部材が介装されていないため、アッパーサポート21とバウンドストッパ44との間の摩擦係数が、バウンドストッパ44とショックアブソーバ20との間の摩擦係数よりも大きくなる。その結果、バウンドストッパ44がストッパプレート46に対して回動するようになり、その摺動により異音を発生させるようになる。
なお、具体的実験データの記載については省略するが、本実施の形態の構成によれば、比較例の構成よりもショックアブソーバ20の回転トルクを大幅に低減することができた。また、樹脂フィルム70の材質としてポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系の低摩擦樹脂材を採用したことにより、車両での使用域(約−40℃〜80℃)において安定した摺動性能を確保することができた。これに対し、樹脂フィルム70の代わりにモリブデン等からなるグリースを比較例として採用した場合、−40℃付近ではほぼ固体、80℃付近ではほぼ液体となり、安定した摺動性能を確保できないことが確認されている。つまり、温度依存性の高いグリースを用いるよりも本実施の形態のような樹脂フィルムを用いるほうが環境の変化に対する適応性が高い。
また、本実施の形態とは異なり、バウンドストッパ44とストッパプレート46との間に樹脂フィルム70を介装させる構成も考えられる。しかし、そのバウンドストッパ44とストッパプレート46との接合部は、ダストカバー42の下端開口部に比較的近い位置にあり、粉塵や水等の異物の侵入が発生する場合がある。その結果、樹脂フィルムの摩耗、変形、亀裂等を発生しやすい。これに対し、本実施の形態においては、樹脂フィルム70が異物の侵入がほとんどないダストカバー42の上端部近傍に配置されているため、そのような問題が生じにくいことも確認された。以上により、本実施の形態の有効性を確認することができた。
本発明は、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能である。
図6は、変形例にかかるバウンドストッパの構成を表す矢視断面図である。
本変形例では、バウンドストッパ244のピストンロッド(図示略)との摺動面に、フッ素グリースが塗布された潤滑部が設けられている。図示の例では、バウンドストッパ244の上端内周部において圧入代が設けられた位置に3つの環状溝245が設けられ、その各環状溝245にフッ素グリースが塗布されている。このような構成によれば、フッ素グリースの固体潤滑により滑らかな摺動が促されるため、バウンドストッパ244とピストンロッドとの間の摺動音を抑制することができる。
上記実施の形態では、樹脂フィルム70を支持部材56における凹状嵌合部60の中央部に限定的に配設した例を示した。変形例においては、凹状嵌合部60においてバウンドストッパ44と対向する複数箇所に同様の樹脂フィルムを設けてもよい。あるいは、凹状嵌合部60におけるバウンドストッパ44との対向面全体にわたって樹脂フィルムを設けてもよい。また、上記実施の形態では、樹脂フィルム70を支持部材56にのみ貼着する例を示した。変形例においては、バウンドストッパ44側に貼着するようにしてもよい。あるいは、支持部材56およびバウンドストッパ44の双方の対向面に貼着してもよい。ただし、バウンドストッパ44の上端面は凸状をなしているため、凹状嵌合部60に比べて外部構造物との干渉が発生しやすい。また、上記実施の形態のようにバウンドストッパ44の材質として発砲ポリウレタンを採用する場合、材質上フィルム材との貼着力を保持しにくい。その結果、貼着されたフィルム材が剥がれやすいといった問題はある。また、コスト低減の観点からも、支持部材56側にのみ設けるのが好ましいと考えられる。
本発明の実施の形態に係るサスペンション装置およびその周辺の構成を示す斜視図である。 サスペンション装置の主要部を示す部分切欠断面図である。 バウンドストッパの支持部近傍の構成を表す部分拡大図である。 支持部近傍に配置される樹脂フィルムの構成例を示す図である。 樹脂フィルムによる作用効果を示す図である。 変形例にかかるバウンドストッパの構成を表す矢視断面図である。
符号の説明
16 サスペンション装置、 20 ショックアブソーバ、 21 アッパーサポート、 22 アッパーシート、 23 コイルスプリング、 24 ロアシート、 44 バウンドストッパ、 48 ピストンロッド、 60 凹状嵌合部、 70 樹脂フィルム、 244 バウンドストッパ、 245 環状溝。

Claims (5)

  1. 筒状のボディの上端側から突出するピストンロッドがアッパーサポートを介して車体側に接続されるとともに下端側が車輪側に接続され、前記ピストンロッドが前記ボディに対して軸線周りに回動可能に構成されたショックアブソーバと、
    前記アッパーサポートと相対変位可能に配置されたアッパーシートと、前記ショックアブソーバのボディに固定されたロアシートとの間に介装されたコイルスプリングと、
    前記コイルスプリングの内方において前記ピストンロッドを内挿しつつ前記ショックアブソーバのボディと前記アッパーサポートとの間に配置される筒状の本体を有し、その本体の上端部が前記アッパーサポートに設けられた凹状嵌合部に収容されるようにして支持され、車輪のハウンド時に前記ショックアブソーバのボディの上面に当接して補助的な弾性力を発生させ、前記ショックアブソーバの変位を緩和するバウンドストッパと、
    前記アッパーサポートと前記バウンドストッパとの接合部に介装され、前記バウンドストッパが前記ショックアブソーバのボディの上面に当接したときに、前記バウンドストッパの前記ボディに対する相対変位がない状態で前記アッパーサポートに対する相対変位を可能にする低摩擦樹脂材と、
    を備えることを特徴とするサスペンション装置。
  2. 前記バウンドストッパがウレタン樹脂からなり、下端に向かって薄肉形状となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. 前記低摩擦樹脂材が、ポリテトラフルオロエチレンからなることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション装置。
  4. 前記低摩擦樹脂材が樹脂フィルムからなり、前記アッパーサポートの凹状嵌合部に接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサスペンション装置。
  5. 前記バウンドストッパの前記ピストンロッドとの摺動面に、フッ素グリースが塗布された潤滑部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサスペンション装置。
JP2008274859A 2008-10-24 2008-10-24 サスペンション装置 Pending JP2010100223A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274859A JP2010100223A (ja) 2008-10-24 2008-10-24 サスペンション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274859A JP2010100223A (ja) 2008-10-24 2008-10-24 サスペンション装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010100223A true JP2010100223A (ja) 2010-05-06

Family

ID=42291244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008274859A Pending JP2010100223A (ja) 2008-10-24 2008-10-24 サスペンション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010100223A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011132778A1 (ja) 2010-04-23 2011-10-27 日立化成工業株式会社 p型拡散層形成組成物、p型拡散層の製造方法、及び太陽電池素子の製造方法
KR20150128161A (ko) * 2014-05-08 2015-11-18 주식회사 만도 쇽업소버
KR101723612B1 (ko) 2015-08-18 2017-04-18 주식회사 만도 쇽업소버
CN113175492A (zh) * 2021-04-07 2021-07-27 华南理工大学 自适应减震的非线性弹簧-可变阻尼系统和移动平台系统
WO2021175449A1 (en) 2020-03-06 2021-09-10 Toyota Motor Europe Strut insulator housing
CN114483871A (zh) * 2022-02-11 2022-05-13 浙江吉利控股集团有限公司 一种汽车减震器
EP3924638B1 (de) * 2019-02-12 2023-04-12 BASF Polyurethanes GmbH Stossdämpferanordnung für eine fahrzeugfederung, und verwendung eines gleitmittels für selbige

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5774804U (ja) * 1980-10-27 1982-05-08
JPH0292709A (ja) * 1988-09-27 1990-04-03 Kinugawa Rubber Ind Co Ltd 車両用バウンドバンパー
JPH11153176A (ja) * 1997-11-20 1999-06-08 Bridgestone Corp バンパーラバー
JP2006170385A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Tokai Rubber Ind Ltd サスペンション装置用のバウンドストッパ
JP2006273181A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Tokai Rubber Ind Ltd 車両用スタビライザブッシュ

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5774804U (ja) * 1980-10-27 1982-05-08
JPH0292709A (ja) * 1988-09-27 1990-04-03 Kinugawa Rubber Ind Co Ltd 車両用バウンドバンパー
JPH11153176A (ja) * 1997-11-20 1999-06-08 Bridgestone Corp バンパーラバー
JP2006170385A (ja) * 2004-12-17 2006-06-29 Tokai Rubber Ind Ltd サスペンション装置用のバウンドストッパ
JP2006273181A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Tokai Rubber Ind Ltd 車両用スタビライザブッシュ

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011132778A1 (ja) 2010-04-23 2011-10-27 日立化成工業株式会社 p型拡散層形成組成物、p型拡散層の製造方法、及び太陽電池素子の製造方法
EP2930740A1 (en) 2010-04-23 2015-10-14 Hitachi Chemical Co., Ltd. Composition for forming p-type diffusion layer, method of forming p-type diffusion layer, and method of producing photovoltaic cell
KR20150128161A (ko) * 2014-05-08 2015-11-18 주식회사 만도 쇽업소버
KR102260217B1 (ko) 2014-05-08 2021-06-03 주식회사 만도 쇽업소버
KR101723612B1 (ko) 2015-08-18 2017-04-18 주식회사 만도 쇽업소버
EP3924638B1 (de) * 2019-02-12 2023-04-12 BASF Polyurethanes GmbH Stossdämpferanordnung für eine fahrzeugfederung, und verwendung eines gleitmittels für selbige
WO2021175449A1 (en) 2020-03-06 2021-09-10 Toyota Motor Europe Strut insulator housing
CN113175492A (zh) * 2021-04-07 2021-07-27 华南理工大学 自适应减震的非线性弹簧-可变阻尼系统和移动平台系统
CN114483871A (zh) * 2022-02-11 2022-05-13 浙江吉利控股集团有限公司 一种汽车减震器
CN114483871B (zh) * 2022-02-11 2024-01-09 浙江吉利控股集团有限公司 一种汽车减震器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010100223A (ja) サスペンション装置
JP4862867B2 (ja) 滑り軸受
JP6056791B2 (ja) ストラット式サスペンション装置
JP2010531772A (ja) 可動シーリングエレメントを備えるサスペンションストップ
JP2006200558A (ja) 油圧緩衝器のリバウンド部材
WO2020116484A1 (ja) ストラット式サスペンション装置
JP2011052730A (ja) ボールジョイント
JP6435254B2 (ja) タイヤカバー装置
JP2008232174A (ja) サスペンション用軸受
JP2006316864A (ja) ダンパ
WO2020145244A1 (ja) 転がり軸受
JP7193964B2 (ja) スタビライザ装置
JP2009210070A (ja) ボールジョイント
JP5060994B2 (ja) アッパーサポート
JP2007290425A (ja) 車輪ストローク規制装置
JP7415295B2 (ja) 衝撃吸収部材およびダンパ装置
KR20200111852A (ko) 차량용 스테빌라이저의 부시 장치
JP2007106190A (ja) ボールジョイント及び車両用スタビライザ装置
JP2006046588A (ja) 防振ブッシュ用ストッパ部材
JP4340589B2 (ja) インホイールモータシステム
JP4491297B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2010286099A (ja) マウント
JP2018091415A (ja) インシュレータ
KR102261282B1 (ko) 필로우 볼 조인트 어셈블리
JP2009047185A (ja) ストラット式フロントサスペンション装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110520

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120612

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120614

A521 Written amendment

Effective date: 20120803

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121030