JP2010100030A - エンボス版及びそれを用いてエンボス加工された化粧シート - Google Patents

エンボス版及びそれを用いてエンボス加工された化粧シート Download PDF

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Abstract

【課題】エンボス加工により化粧シートのおもて面を低艶化するのに有用なエンボス版及びそれを用いてエンボス加工することにより得られる低艶化粧シートを提供する。
【解決手段】(1)凹凸模様を有する銅基材の表面をサンドブラスト処理した後、クロム層を積層すること、又は、凹凸模様を有する銅基材にクロム層を積層した後、サンドブラスト処理することにより得られる、表面粗さRzが30以上であるエンボス版及び(2)最表面に表面保護層4を有し、前記エンボス版によって最表面側からエンボス加工されることにより前記最表面の60°艶値が10以下である化粧シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンボス版及びそれを用いてエンボス加工された化粧シートに関する。より詳細には、サンドブラスト処理を経て得られる特定の表面粗さのエンボス版及びそれを用いてエンボス加工されることにより得られる低艶化粧シートに関する。
化粧シートは、木質板の表面の保護、装飾等を目的として木質板の表面に貼着することにより用いられる場合が多い。そして、これによって得られた化粧板は、各種の建材、家具等に使用されている。
化粧シートとしては、例えば、基材シート、絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に積層したものが知られており、基材シート側に被着材(例えば木質板)を積層することにより化粧板として使用されている。
化粧シートは、用途によっておもて面が低艶であることが要求される。そのため、表面保護層に艶消し剤を含有することによって低艶化を図ることが知られている。例えば、特許文献1には、任意の絵柄を設けた基材シート上に、1〜10g/mの熱硬化型又は電子線硬化型アンカー剤からなる層、3〜10g/mの艶消し剤を含有した電子線硬化型樹脂からなる層を設けてなることを特徴とする艶消し調化粧シートが記載されている。
しかしながら、無機フィラー等の艶消し剤を含有することにより低艶化させる場合は、艶消し剤の含有量が多くなると表面保護層に内部ヘイズ(白濁)が発生し、下層の絵柄の鮮明性が低下するという問題がある。そのため、艶消し剤による低艶化には限界がある。近年では、表面保護層側からエンボス加工することによりおもて面の低艶化を図る試みがなされている。このエンボス加工は、主としてガラスビーズブラスト処理されたエンボス版により行われている。即ち、ガラスビーズブラスト法によって、エンボスシリンダー表面に投射材料を吹き付けることによりブラスト模様が形成されたエンボス版が使用されている。なお、ガラスビーズブラスト処理は、一般にモース硬度5程度の球状ガラス粒子が投射材料として用いられている。
しかしながら、上記エンボス版では、化粧シートのおもて面を十分に低艶化させることはできず、更なる改善の余地がある。
特開平8−281896号公報
従って、本発明は、エンボス加工により化粧シートのおもて面を低艶化するのに有用なエンボス版及びそれを用いてエンボス加工することにより得られる低艶化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、サンドブラスト処理を経て得られる特定の表面粗さのエンボス版を用いてエンボス加工をする場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のエンボス版及び化粧シートに関する。
1.凹凸模様を有する銅基材の表面をサンドブラスト処理した後、クロム層を積層することにより得られる、表面粗さRzが30以上であるエンボス版。
2.凹凸模様を有する銅基材の表面にクロム層を積層した後、サンドブラスト処理することにより得られる、表面粗さRzが30以上であるエンボス版。
3.100番手以下の投射材料を用いて前記サンドブラスト処理を行う、上記項1又は2に記載のエンボス版。
4.前記投射材料は、アルミナ粒子及びチタニア粒子の少なくとも1種である、上記項3に記載のエンボス版。
5.最表面に表面保護層を有する化粧シートであって、
前記化粧シートは、上記項1〜4のいずれかに記載のエンボス版によって最表面側からエンボス加工されることにより前記最表面の60°艶値が10以下である化粧シート。
6.前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂からなる、上記項5に記載の化粧シート。
7.前記表面保護層は、無機フィラーの含有量が樹脂成分100重量部に対して15重量部以下である、上記項5又は6に記載の化粧シート。
8.前記化粧シートは、基材シート上に絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する、上記項5〜7のいずれかに記載の化粧シート。
9.上記項5〜8のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを接合してなる化粧板。
10.前記被着材が木質材料である、上記項9に記載の化粧板。
以下、本発明のエンボス版及び化粧シートについて説明する。
1.エンボス版
本発明のエンボス版は、1)凹凸模様を有する銅基材の表面をサンドブラスト処理した後、クロム層を積層すること、又は2)凹凸模様を有する銅基材にクロム層を積層した後、サンドブラスト処理すること、により得られ、表面粗さRzが30以上であることを特徴とする。
銅基材に付与されている凹凸模様は、エンボス加工によって化粧シートおもて面に付与すべき模様である。凹凸模様としては、例えば、木目導管模様、浮造模様(浮出した年輪の凹凸模様)ヘアライン、梨地等の方向性のある模様が挙げられ、これらの中から所望の模様を適宜選択することができる。この中でも、木目導管模様は、木質化粧シートのおもて面に付与する凹凸模様として好適である。
銅基材に凹凸模様を付与する方法は限定的ではない。例えば、公知の腐食法等によって銅基材に凹凸模様を付与できる。かかる凹凸模様の付与工程の一例を示す。先ず、所定の凹凸模様(木目導管模様、浮造模様等)のパターンをコンピュータ画面上で作成後、前記パターンの画像をエンボス版のシリンダーの円周長でエンドレスになるようエンドレスファイルを作成する。エンドレスファイルの作成には、エンドレスパターン発生のソフトを設計しても良いし、ファイル接合部分を市販のレタッチソフトで修正しても良い。かかるエンドレスファイルの凹凸模様データを、レジスト感光液を塗布した銅基材(エンボスシリンダー)上にレーザーストリーム製版装置を用いて直接出力して焼き付ける。この場合、シリンダー幅方向には、レーザーストリーム製版装置の幅送り機能を利用できる。次いで、シリンダーの現像、腐食、レジスト剥離を行うことにより、銅基材に所望のエンボス凹凸模様を付与することができる。なお、銅基材に付与する凹凸模様の表面粗さは限定されず、従来、銅基材(エンボスシリンダー)に凹凸模様を付与する場合と同じでよいが、後続のサンドブラスト処理により凹凸模様が消失しないように、凹凸模様の深さ(版深)は35μm以上に設定することが好ましい。なお、銅基材のモース硬度は3程度(2〜4程度)であることが好ましい。
1)の方法により凹凸模様を有する銅基材をサンドブラスト処理する際は、後続のクロム層の積層により得られるエンボス版の表面粗さRzが30以上(好ましくは30〜60)となる条件であれば特に限定されない。また、2)の方法により凹凸模様を有する銅基材にクロム層を積層後、サンドブラスト処理する場合も同様である。
クロム層の積層厚さは、1)の方法では15〜30μm程度が好ましく、2)の方法では15μm以上であれば好ましく、凹凸模様を損失しない程度であれば上限は限定されず、例えば300μm程度に設定できる。クロム層は、例えば、メッキ等によって付与される。
サンドブラスト処理に用いる投射材料としては、鉄、炭化珪素、アルミナ、チタニア、酸化クロム、酸化鉄等の無機粒子が使用できる。これらの投射材料の中でもアルミナ粒子及び酸化チタン粒子の少なくとも1種が好ましい。無機粒子の形状は限定的ではないが、一般に不定形である。無機粒子のモース硬度は7程度(6〜9程度)であることが好ましい。無機粒子の粒度は100番手以下(♯100以下)が好ましい。サンドブラスト処理は、無機粒子を投射材料として、例えば、これを圧搾空気の力によってノズルの先端から銅基板の表面に吹き付けることによって行う。本発明では、サンドブラスト処理は、クロム層の積層との組み合わせで所定の表面粗さが得られるように、1回又は複数回に分けて行うことができる。
1)の方法でサンドブラスト処理に続いて処理面にクロム層を積層する際は、クロム層の積層厚さは15〜30μm程度である。これにより、表面粗さRzが30以上(好ましくは30〜60)であるエンボス版が得られる。また、2)の方法でサンドブラスト処理に先立ってクロム層を積層する際は、クロム層の厚さは15μm以上であれば好ましく、上限としては300μm程度である。クロム層の積層後、サンドブラスト処理により、表面粗さRzが30以上(好ましくは30〜60)であるエンボス版が得られる。
なお、本明細書のRzは、JIS B 0601に規定されている十点平均粗さであり、測定長4mm、カットオフ値0.8mm条件での測定値である(Rzはサンドブラスト処理+クロム層の積層により得られるブラスト面の表面粗さであり、木目導管模様等の凹凸模様の影響は含まない)。
上記過程を経て得られるエンボス版は、化粧シートに付与すべき凹凸模様(木目導管模様などのエンボス凹凸模様)に加えて、サンドブラスト処理に起因する特定のサンドブラスト模様も有する。このようなエンボス版を用いて化粧シート最表面をエンボス加工した場合には、エンボス凹凸模様のほか、サンドブラスト模様も付与される。そして、かかるサンドブラスト模様が付与されることにより、化粧シートのおもて面は低艶(60°艶値が10以下となる。
2.化粧シート
本発明の化粧シートは最表面に表面保護層を有する化粧シートであって、上記本発明のエンボス版によって最表面側からエンボス加工されることにより前記最表面の60°艶値が10以下の低艶であることを特徴とする。
化粧シートの層構成は、最表面に表面保護層を有する限り特に限定されず、公知の化粧シートの構成を広く採用できる。その中でも、基材シート上に絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する化粧シートが好適例として挙げられる。
以下、この層構成を例に挙げて具体的に説明する。
基材シート及び透明性樹脂層
基材シート及び透明性樹脂層は、後者が透明性であるほかは、公知の化粧シートで使用される材質(樹脂)を用いることができる。
これらの層の形成に使用される樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、軟質、半硬質又は硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル等が挙げられる。本発明では、特に透明性樹脂層として、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
これらの層は着色されていても良い。この場合は、上記樹脂に着色剤(顔料又は染料)を配合することにより着色することができる。着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニンリンブラック等の有機顔料(染料も含む)、アルミニウム、真鍮等の金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上で使用することができる。また、着色剤の添加量も、所望の色合い等に応じて適宜設定すれば良い。
また、これらの層には、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、ラジカル捕捉剤、軟質成分(例えばゴム)等の各種の添加剤が含まれていてもよい。
難燃剤は、耐燃性を付与するために添加される。例えば、塩化パラフィン、トリクレジルホスフェート、塩素化油、テトラブロモ無水フタル酸、テトラブロモビスフェノールA、ジブロモプロピルホスフェート、トリ(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、酸化アンチモン、含水アルミナ、ホウ酸バリウム等を好適に用いることができる。
酸化防止剤は、酸化分解を抑制ないしは防止するために添加される。例えば、アルキルフェノール類、アミン類、キノン類等が好適である。
紫外線吸収剤は、樹脂(特にポリオレフィン系樹脂)の劣化を招く波長280〜450nmの領域の紫外線を吸収するものである。例えば、ベンゾフェノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系等の各紫外線吸収剤を挙げることができる。例えば、分子中にOH基を有する有機系の化合物を使用することができる。具体的には、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニル−5−クロロベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤類等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤類等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、4−tert−ブチルフェニルサリチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤等が挙げられる。その他にも、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基又はメタクリロイル基が導入された反応型紫外線吸収剤等を用いることもできる。これらのうち、吸収波長と着色性の問題を考慮してベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。
ラジカル捕捉剤は、日光による変褪色、亀裂、白化、強度劣化等を防止して耐候性を向上させるために添加される。ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートのほか、例えば特公平4−82625号公報に開示されている化合物等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジル系ラジカル捕捉剤等が使用される。
これらの層の形成方法は限定的でなく、例えば予め形成されたシート又はフィルムを隣接する層に積層する方法、前記樹脂を含む樹脂組成物を溶融押出することにより隣接する層上に塗工する方法、隣接する層と一緒にラミネートする方法等のいずれも採用することができる。本発明では、特に溶融押出により層形成することが好ましく、特にポリオレフィン系樹脂を溶融押出によって形成することが望ましい。具体的には、絵柄層上に予め接着剤層を形成し、当該接着剤層上にポリプロピレン系熱可塑性エラストマーを溶融押出により塗工することで好適に形成することができる。溶融押出の方法は、例えばTダイ等を用いる公知の方法に従って実施すればよい。
これらの層の厚みは、最終製品の用途、使用方法等により適宜設定できるが、一般的には50〜250μmの範囲とすることが好ましい。特に、透明性樹脂層は、20〜200μm程度とすることが好ましい。
基材シートの表面(おもて面)及び/又は裏面には、隣接する層との接着性を高めるために、必要に応じてコロナ放電処理を行うこともできる。コロナ放電処理の方法・条件は、公知の方法に従えばよい。
また、基材シートの表面(おもて面)及び/又は裏面には、プライマー層を形成することもできる。プライマー層を形成するための材料(プライマー剤)としては、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等の樹脂類のほか、アルキルチタネート、エチレンイミン等の化合物も使用することができる。特に、2液硬化型のウレタン系樹脂の使用が好ましい。イソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等の脂肪酸イソシアネート(脂肪族イソシアネート)、ポリオールとしてアクリルポリオールをそれぞれ使用する場合には、より優れた耐候性、密着性等が得られるので好ましい。
プライマー層の形成は、プライマー剤をそのまま又は溶媒に溶解若しくは分散させて、公知の印刷方法、塗布方法等に従ってプライマー層を形成することができる。
絵柄層
絵柄層(印刷層)は、木目、節目等の天然素材が有する柄のほか、文字、記号、図等も表わすことができる。
絵柄層は、着色剤及び樹脂バインダーを含むインキを用いて形成できる。バインダーとしては、例えば塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等を用いることができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。着色剤としては、公知のもの又は市販品が使用できる。具体的には、前記の着色剤を用いることができる。
絵柄層の形成は、例えばグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートからの転写印刷等の公知の印刷法により好適に実施することができる。例えば、絵柄層が木目の基調色になるように、顔料(又は染料)添加により着色されたインキを用いて印刷すれば良い。
接着剤層
絵柄層と透明性樹脂層との間には接着剤層が介在してもよい。
接着剤層で使用する接着剤は、公知又は市販の接着剤の中から、絵柄層又は透明性樹脂層を構成する成分等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂のほか、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
この中でも、本発明では、耐熱性等をより高めることができるという点でウレタン系樹脂接着剤が好ましい。ウレタン系樹脂接着剤は、ポリオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする2液硬化型ウレタン樹脂が挙げられる。
上記ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するものである。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が用いられる。
また、上記イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環族)イソシアネートが用いられる。また、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体を用いることもできる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネートの3量体等が挙げられる。
なお、必要に応じて、接着面にコロナ放電処理、プラズマ処理、脱脂処理、表面粗面化処理等の公知の易接着処理を施すこともできる。
接着方法としては、用いる接着剤の種類等に応じて公知の方法に従って実施すれば良い。例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を用いて溶融押出(エクストルージョンコート法)により絵柄層上に塗工する方法、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等の熱硬化性樹脂にイソシアネート、アミン等の架橋剤、メチルエチルケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、アザビスイソブチロニトリル等の重合開始剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリン等の重合促進剤等を必要により添加した接着剤を塗工し、ドライラミネートする方法を採用することができる。また、本発明では、熱圧着できる接着剤を使用して熱圧着によって絵柄層と透明性樹脂層とを積層することもできる。
接着剤層の厚さは、表面保護層、使用する接着剤の種類等に応じて異なるが、通常は0.1〜30μm程度とすれば良い。
表面保護層
透明性樹脂層の上には、表面保護層が形成されている。表面保護層は限定的ではないが、樹脂成分として電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂を含有することが好ましい。実質的には、これらの樹脂から形成されているものが好ましい。電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂により透明性表面保護層を形成する場合には、化粧シートの耐摩性、耐衝撃性、耐汚染性、耐擦傷性、耐候性等を高め易い。
電離放射線硬化型樹脂としては特に限定されず、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により重合架橋反応可能なラジカル重合性二重結合を分子中に含むプレポリマー(オリゴマーを含む)及び/又はモノマーを主成分とする透明性樹脂が使用できる。これらのプレポリマー又はモノマーは、単体又は複数を混合して使用できる。硬化反応は、通常、架橋硬化反応である。
具体的には、前記プレポリマー又はモノマーとしては、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物が挙げられる。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによるポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましい。ここで、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの分子量としては、通常250〜100000程度が好ましい。
ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、多官能モノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
カチオン重合性官能基を有するプレポリマーとしては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。また、チオールとしては、例えば、トリメチロールプロパントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等のポリチオールが挙げられる。ポリエンとしては、例えば、ジオール及びジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリルアルコールを付加したものが挙げられる。
電離放射線硬化型樹脂を硬化させるために用いる電離放射線としては、電離放射線硬化型樹脂(組成物)中の分子を硬化反応させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子が用いられる。通常は紫外線又は電子線を用いればよいが、可視光線、X線、イオン線等を用いてもよい。
紫外線源としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用できる。紫外線の波長としては、通常190〜380nmが好ましい。
電子線源としては、例えば、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が使用できる。その中でも、特に100〜1000keV、好ましくは100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射できるものが好ましい。
2液硬化型ウレタン系樹脂としては特に限定されないが、中でも主剤としてOH基を有するポリオール成分(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール等)と、硬化剤成分であるイソシアネート成分(トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタキシレンジイソシアネート等)とを含むものが使用できる。
これらの表面保護層は、必要に応じて、耐候剤、可塑剤、安定剤、無機フィラー、分散剤、染料、顔料等の着色剤、溶剤等を含んでもよい。なお、無機フィラーの含有によって表面保護層の低艶化を図ることもできるが、含有量が多くなると内部ヘイズ(白濁)が発生し、下層の絵柄の鮮明性が低下するという問題がある。そのため、無機フィラーの含有量は樹脂成分100重量部に対して15重量部以下(好ましくは6〜14重量部)に設定することが好ましい。
表面保護層は、例えば、透明性樹脂層上に電離放射線硬化型樹脂又は2液硬化型ウレタン系樹脂をグラビアコート、ロールコート等の公知の塗工法により塗工後、樹脂を硬化させることにより形成できる。
表面保護層の厚さは特に限定されず、最終製品の特性に応じて適宜設定できるが、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μm程度である。
エンボス加工
本発明では、化粧シートの最表面(表面保護層)側から、本発明のエンボス版を用いてエンボス加工が施されている。
エンボス加工は、例えば、加熱ドラム上で化粧シートを加熱軟化させた後、更に赤外線輻射ヒーターで160〜180℃に加熱し、所望の形の凹凸模様を設けたエンボス板で加圧・賦形し、冷却固定して形成する。本発明では、エンボス版として前記エンボス版を使用する限り、エンボス版を設置するエンボス機は限定されない。例えば、公知の枚葉又は輪転式のエンボス機において、エンボス版を前記エンボス版に代えたものを使用できる。
本発明のエンボス版を用いてエンボス加工することにより、所望の凹凸模様に加えて、表面粗さRzが18程度以上のサンドブラスト模様が付与される。このサンドブラスト模様の付与により表面保護層の60°艶値は10以下(好ましくは5〜9)となる。本発明では、エンボス加工により化粧シート表面を低艶化するため、表面保護層に配合する艶消し剤(無機フィラー)の含有量を低く抑えることができる。例えば、表面保護層の樹脂成分100重量部に対して15重量部以下に設定することができる。そのため、艶消し剤の配合によるヘイズの問題が改善されるため、絵柄鮮明性に影響を与えることなく化粧シートを低艶化することができる。
3.化粧板
本発明の化粧シートは、被着材を接合することにより化粧板となる。
被着材
被着材は限定的でなく、公知の化粧板と同様のものを用いることができる。例えば、木質材料、金属、セラミックス、プラスチックス、ガラス等が挙げられる。特に、本発明化粧シートは、木質材料に好適に使用することができる。木質材料としては、具体的には、杉、檜、欅、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。
被着材への積層
積層方法は限定的でなく、例えば接着剤により化粧シートを被着材に貼着する方法等を採用することができる。接着剤は、被着材の種類等に応じて公知の接着剤から適宜選択すれば良い。例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のほか、ブタジエン−アクリルニトリルゴム、ネオプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。
このようにして製造された化粧板は、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装材、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧板、家具又は弱電、OA機器等のキャビネットの表面化粧板等に好ましく用いることができる。
本発明のエンボス版は、1)凹凸模様を有する銅基材の表面をサンドブラスト処理した後、クロム層を積層すること、又は2)凹凸模様を有する銅基材にクロム層を積層した後、サンドブラスト処理すること、により得られ、表面粗さRzが30以上である。このエンボス版を用いて化粧シートの最表面をエンボス加工することにより、化粧シート最表面にサンドブラスト模様が付与されて最表面の60°艶値が10以下と低艶化することができる。このような効果は、従来のガラスビーズによるブラスト処理では得られず、サンドブラスト処理により初めて得られるものである。
実施例及び比較例で作製した化粧シートの層構成を示す図である。 (a)実施例1で用いたエンボス版の表面粗さ、(b)実施例1で作製した化粧シートの最表面の表面粗さ、を示す図である。図中、横目盛り(エンボス版又は化粧シートの表面に対して水平方向)は1000μm/10目盛りを示し、縦目盛り(エンボス版又は化粧シートの表面に対して垂直方向)は20μm/10目盛りを示す。図3〜図6についても同じである。 (a)比較例1で用いたエンボス版の表面粗さ、(b)比較例1で作製した化粧シートの最表面の表面粗さ、を示す図である。 (a)比較例3で用いたエンボス版の表面粗さ、(b)比較例3で作製した化粧シートの最表面の表面粗さ、を示す図である。 (a)比較例4で用いたエンボス版の表面粗さ、(b)比較例4で作製した化粧シートの最表面の表面粗さ、を示す図である。 (a)比較例5で作製した化粧シートの最表面の表面粗さ、を示す図である。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより明確に説明する。但し本発明は実施例に限定されない。
実施例1〜4及び比較例1〜6
図1に示す層構成の化粧シートを作製した。着色剤により着色した基材シート1として、ポリプロピレン系樹脂フィルム(厚み60μm)を用意した。この表面及び裏面にコロナ放電処理を施した後、表面にウレタン系樹脂をバインダーとしたプライマー層をグラビア印刷により形成した。次に、ウレタン系樹脂をバインダーとするインキを使用したグラビア印刷にて絵柄層2(厚み2μm)を形成した。一方、裏面にはウレタン系樹脂をバインダーとしたプライマー層(図示せず)をグラビア印刷により形成した。
次いで、前記の絵柄層の上に2液硬化型ウレタン樹脂からなる塗液を塗工して接着剤層(厚み3μm)を形成した。その上から、ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーをTダイで溶融押し出し塗工することによって、透明性樹脂層3(厚み80μm)を形成した。透明性樹脂層3の上に、2液硬化型ウレタン系樹脂を塗工し、プライマー層(厚さ2μm)を形成した。
次に、電離放射線硬化型樹脂を含む塗液(EB塗液)を用いてグラビアコートにて塗膜を形成した後、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して塗膜を架橋硬化させることにより、表面保護層4(厚み15μm)を形成した。
最後に、表面保護層の側を赤外線非接触方式のヒーターで加熱し、表面保護層及び透明性樹脂層を柔らかくした後、直ちに表面保護層の面から熱圧によるエンボス加工を行った。これにより、表面樹脂層にエンボス模様(木目導管模様)とブラスト模様とを有する化粧シートを得た。
エンボス版及びEB塗液の詳細については次に示す。
<実施例1>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)をサンドブラスト処理(投射材料:♯60のアルミナ粒子、モース硬度9)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが43のエンボス版を作製した。
エンボス版の表面粗さを図2(a)に示す。また、エンボス加工後の表面保護層の表面粗さを図2(b)に示す。測定機器は(「Surfcom 120A」、株式会社東京精密製)である。
・EB塗液
ウレタンアクリレートオリゴマー 100重量部
シリカ(富士シリシア製:サイシリア450) 14重量部
抗菌剤(銀イオン担持ゼオライト:平均粒径6.4μm) 0.5重量部
酢酸エチル 100重量部
<実施例2>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)をサンドブラスト処理(投射材料:♯40のアルミナ粒子、モース硬度9)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが45のエンボス版を作製した。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
<実施例3>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)をサンドブラスト処理(投射材料:♯100のアルミナ粒子、モース硬度9)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが30のエンボス版を作製した。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
<実施例4>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)上にメッキによりクロム層(モース硬度9)を20μm積層し、サンドブラスト処理(投射材料:♯60のアルミナ粒子、モース硬度9)を施すことにより表面粗さRzが33のエンボス版を作製した。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
<比較例1>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)をガラスビーズブラスト処理(投射材料:平均粒径200μmのガラスビーズ、モース硬度5)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが7.5のエンボス版を作製した。
エンボス版の表面粗さを図3(a)に示す。また、エンボス加工後の表面保護層の表面粗さを図3(b)に示す。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
<比較例2>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)をサンドブラスト処理(投射材料:♯200のアルミナ粒子、モース硬度9)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが13のエンボス版を作製した。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
<比較例3>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)をサンドブラスト処理(投射材料:♯150のアルミナ粒子、モース硬度9)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが15のエンボス版を作製した。
エンボス版の表面粗さを図4(a)に示す。また、エンボス加工後の表面保護層の表面粗さを図4(b)に示す。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
<比較例4>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)及び梨地凹凸を有する銅基板(モース硬度3)をガラスビーズブラスト処理(投射材料:平均粒径200μmのガラスビーズ、モース硬度5)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが38のエンボス版を作製した。
エンボス版の表面粗さを図5(a)に示す。また、エンボス加工後の表面保護層の表面粗さを図5(b)に示す。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
<比較例5>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)をガラスビーズブラスト処理(投射材料:平均粒径200μmのガラスビーズ、モース硬度5)した後、クロムメッキ(20μm)を施すことにより表面粗さRzが7.5のエンボス版を作製した。
エンボス加工後の表面保護層の表面粗さを図6(b)に示す。
・EB塗液
ウレタンアクリレートオリゴマー 100重量部
シリカ(富士シリシア製:サイシリア450) 18重量部
抗菌剤(銀イオン担持ゼオライト:平均粒径6.4μm) 0.5重量部
酢酸エチル 100重量部
<比較例6>
・エンボス版
木目導管凹凸形状(導管版深60μm)を有する銅基板(モース硬度3)上にメッキによりクロム層(モース硬度9)を20μm積層し、サンドブラスト処理(投射材料:♯180のアルミナ粒子、モース硬度9)を施すことにより表面粗さRzが6のエンボス版を作製した。
・EB塗液
実施例1と同じものを用いた。
試験例1
実施例及び比較例で作製したエンボス版の物性とエンボス加工後の化粧シートの物性を調べた。その結果を表1に示す。なお、測定方法は、下記の通りとした。
(1)エンボス版表面粗さ:Rz
エンボス版の表面粗さ(Rz:十点平均粗さ)を、JIS B 0601に準拠して、測定長4mm、カットオフ値0.8mmで測定した。なお、Rzはブラスト模様が形成されている表面のRzであり、木目導管模様の凹凸を考慮した表面粗さではない。
(2)絵柄鮮明性
化粧シートおもて面から絵柄を観察した。絵柄が鮮明なものを○、表面保護層の白化等により絵柄が不鮮明なものを×と評価した。
(3)化粧シートおもて面の60°艶値
JIS Z 8761に規定されている60度鏡面光沢測定方法に基づき、化粧シートおもて面の60°艶値を測定した。
Figure 2010100030
表1より、本発明のエンボス版を用いることにより、表面保護層に白化等を生じさせることなく効果的に化粧シートおもて面の艶値を低下させることができることが分かる。
1.基材シート
2.絵柄印刷層
3.透明性樹脂層
4.表面保護層

Claims (10)

  1. 凹凸模様を有する銅基材の表面をサンドブラスト処理した後、クロム層を積層することにより得られる、表面粗さRzが30以上であるエンボス版。
  2. 凹凸模様を有する銅基材の表面にクロム層を積層した後、サンドブラスト処理することにより得られる、表面粗さRzが30以上であるエンボス版。
  3. 100番手以下の投射材料を用いて前記サンドブラスト処理を行う、請求項1又は2に記載のエンボス版。
  4. 前記投射材料は、アルミナ粒子及びチタニア粒子の少なくとも1種である、請求項3に記載のエンボス版。
  5. 最表面に表面保護層を有する化粧シートであって、
    前記化粧シートは、請求項1〜4のいずれかに記載のエンボス版によって最表面側からエンボス加工されることにより前記最表面の60°艶値が10以下である化粧シート。
  6. 前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂からなる、請求項5に記載の化粧シート。
  7. 前記表面保護層は、無機フィラーの含有量が樹脂成分100重量部に対して15重量部以下である、請求項5又は6に記載の化粧シート。
  8. 前記化粧シートは、基材シート上に絵柄層、透明性樹脂層及び表面保護層を順に有する、請求項5〜7のいずれかに記載の化粧シート。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の化粧シートと被着材とを接合してなる化粧板。
  10. 前記被着材が木質材料である、請求項9に記載の化粧板。
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