JP2010099754A - 動弁系ホルダの軸孔加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の軸孔加工方法は、シリンダヘッドに搭載される一基分の数量のホルダ1a〜1eを、各軸孔30,32,34の被加工位置が連なるようシリンダヘッドに搭載されるときの所定ピッチより短い間隔で並べた後、同並べて集約したホルダ群の側方から切削工具40a〜40cを進めて、ホルダ群をなす各ホルダの被加工位置を順次突き通すように切削加工することとした。これにより、ホルダを突き通す際の切削工具の振れは抑えられる。
【選択図】図3
Description
通常、こうした各ホルダの軸孔は、実際と同じ使用条件で行なわれるよう、特許文献1に開示されるように実際にシリンダヘッドにそれぞれホルダに組み付けてから、当該並んだホルダの側方から、ドリルなど切削工具を、各ホルダの各被加工位置を突き通すように進めて加工したり、あるいはシリンダヘッド相当の外形をもつ治具に、それぞれホルダを実際と同じ配置で組み付けてから、並んだホルダの側方から、ドリル工具などの切削工具を、各ホルダの各被加工位置を突き通すように進めて加工していた。
ドリル工具の振れは、軸孔の孔径精度や各軸孔の位置精度をばらつかせる。このため、ドリル工具の振れは、シャフト部材の動きや同シャフト部材に支持される制御部材の動きをばらつかせる要因となり、昨今のような微細な精度が求められる動弁系では、要求される高精度の動きが確保しにくい。特に、可変動弁系の場合、シャフト部材の動きやシャフト部材に支持される制御部材の動きの組み合わせで、バルブリフト量や開閉タイミングなどを全気筒統一的に制御することが求められるため、軸孔の精度のばらつきが同制御に大きな影響を与える。
請求項3に記載の発明は、同じく、ホルダ群の切削加工は、ホルダ群に対し、切削工具を同一方向から進めて行なわれることにした。
請求項4に記載の発明は、特にカムシャフト部材、ロッカシャフト部材の周りを回動するバルブ駆動部材、カムシャフト部材とバルブ駆動部材との間に配置され支持シャフト部材の周りを揺動する揺動カムとを有して構成される可変動弁機構が組み付くホルダで、十分にその効果が発揮されるよう、各ホルダの複数の軸孔は、可変動弁機構のカムシャフト部材を支持するカムシャフト孔、同じくロッカシャフト部材を支持するロッカシャフト孔、同じく支持シャフト部材を支持する支持シャフト孔であることとした。
したがって、各ホルダには複数の軸孔が高い精度(孔径精度や各軸孔の位置精度)で加工できる。特に切削加工は、シリンダヘッドに搭載される一基分のホルダを集約したホルダ群を一つの単位として行なうから、シリンダヘッド毎に、安定した精度が確保できる。また加工ピッチが短くなるので、切削工具の移動量は短縮され、軸孔の加工サイクルが短縮できる。
請求項4の発明によれば、特に、カムシャフト部材、ロッカシャフト部材の周りを回動するバルブ駆動部材、カムシャフト部材とバルブ駆動部材との間に配置され支持シャフト部材の周りを揺動する揺動カムとを有して構成される可変動弁機構が組み付くホルダに、高い位置精度が要求される、カムシャフト部材を支持するカムシャフト孔、バルブ駆動部材を支持するロッカシャフト部材のロッカシャフト孔、揺動カムを支持する支持シャフト孔を形成する場合には好適で、切削加工を要因とした気筒間のばらつき抑制には有効である。
ここで、ホルダ群に軸孔を加工する方法を説明する前に、加工対象のホルダ群がどのようなエンジンの動弁系に用いられる部品であるかを説明する。
ホルダ1bを含むホルダ群は、図6の斜視図および図7の断面図(図6中のA−A線)に示されるレシプロ式多気筒エンジンの吸気バルブ5や排気バルブ6が付いたシリンダヘッド7に搭載可能な可変動弁装置9を構成する重要な部品である。
ところで、こうした動弁系は、複数のシャフト部材が挿通するホルダ1a〜1eの軸孔の位置精度の影響を受けやすい。特に吸気バルブ5のバルブ特性を微細に制御する可変動弁装置9は、各シャフト部材が挿通するホルダ1a〜1eの軸孔、具体的には図2に示されるように支持シャフト部材10を支持する支持シャフト孔30や、制御シャフト部材13を支持する制御シャフト孔32や、カムシャフト部材17を支持するホルダ部材2a〜2eとカムキャップ15a〜15e間のカムシャフト孔34の相互の位置が、揺動カム17aの姿勢に大きく関与したり、センタロッカアーム27や揺動カム25や吸気ロッカアーム22の動きに大きく関与するため、シリンダヘッド7に搭載されるホルダ一基分の数量の中で、軸孔間位置の精度が一部でも大きくばらつくと、気筒間でバルブリフト量や開閉タイミングや開弁期間がばらつき、燃焼ばらつきを生じる要因となる。
つぎに、同図を参照して軸孔加工方法を説明する。
まず、シリンダヘッド7に搭載する一基分の数量のホルダ、ここでは5個のホルダ1a〜1eを用意する。同ホルダ1a〜1eは、いずれも図1および図2に示されるように各ホルダ部材2a〜2eに各カムキャップ15a〜15eをボルト部材28で固定しただけの部品である。
ここで、例えば切削用の加工機械50は、ベッド50aの一端側にワークセット部50bを有し、ベッド50aの他端側に複数の加工主軸部50cを備えるスライド可能な工具セット部50dと、これら複数の加工主軸部50cを駆動したり工具セット部50dをワークセット部50bに対し進退動させたりする駆動部50eを有している。また工具セット部50dの各加工主軸部50cには、例えば予め軸孔30,32,34の被加工位置と対応させて、複数の切削工具が装着されている。具体的には、複数のドリル工具、ここでは支持シャフト孔30を切削加工するためのドリル工具40a、制御シャフト孔32を切削加工するためのドリル工具40b、カムシャフト孔34を切削加工するためのドリル工具40c、さらに排気ロッカシャフト部材12を支持する排気ロッカシャフト孔35(図2に図示)を切削加工するためのドリル工具40dがセットされている。
すると、進む各ドリル工具40a〜40dは、各ホルダ1a〜1dの各被加工位置の素孔を、順次、突き通す。これにより、各素孔は、同時に、同一方向から送られるドリル工具40a〜40dにより切削加工される。これで各素孔は、支持シャフト孔30、制御シャフト孔32、カムシャフト孔34、排気ロッカシャフト孔35に加工される。
この結果、ホルダ1a〜1eに動弁系の各種シャフト部材を組み付けても、シャフト部材やシャフト部材に支持される制御部材の動きに影響を与えずにすむ。特に図2および図7に示されるような可変動弁装置9の高い位置精度が要求される軸孔、すなわち揺動カム25の支持をなす支持シャフト部材10が挿通する支持シャフト孔30、センタロッカアーム27や吸気ロッカアーム22の支持をなす制御シャフト部材13が挿通する制御シャフト孔32、カムシャフト部材17が挿通するカムシャフト孔34の加工には有効で、切削加工が要因となる気筒間の制御ばらつきやエンジン毎のばらつきが抑えられ、リフト精度の安定性が図れる。これにより、燃焼が安定し、エンジン効率が高められる。さらには、ミスアライメントも抑制され、局部摩耗やフリクション増大などの課題もなくなる。
そのうえ、軸孔の切削加工は、ドリル工具40a〜40dが同一加工機械50で加工されることで、ホルダ1a〜1eの固定ずれや加工機械毎の精度ばらつきをなくすことができる。
もちろん、排気ロッカシャフト孔35も一緒に加工すると、一層、可変動弁機構19の各部の精度が安定する。
7 シリンダヘッド
10 支持シャフト部材(シャフト部材)
13 制御シャフト部材(シャフト部材)
17 カムシャフト部材(シャフト部材)
19 可変動弁機構
30 支持シャフト孔(軸孔)
32 制御シャフト孔(ロッカシャフト孔:軸孔)
34 カムシャフト孔(軸孔)
40a〜40d ドリル工具(切削工具)
50加工機械
Claims (4)
- 所定のピッチで並んでシリンダヘッドに搭載可能な複数のホルダに対し、切削工具により、そのホルダ列に沿って配置される複数のシャフト部材を挿通させるための複数の軸孔を切削加工する動弁系ホルダの軸孔加工方法であって、
前記ホルダの軸孔は、前記シリンダヘッドに搭載される一基分の数量のホルダを、各軸孔の被加工位置が連なるよう前記所定のピッチより短い間隔で並べた後、同並べて集約したホルダ群の側方から前記切削工具を進めて、前記ホルダ群をなす各ホルダの前記被加工位置を順次突き通すように切削加工される
ことを特徴とする動弁系ホルダの軸孔加工方法。 - 前記ホルダ群の切削加工は、当該ホルダ群と前記切削工具とが同一の加工機械に装着された状態で加工することを特徴とする請求項1に記載の動弁系ホルダの軸孔加工方法。
- 前記ホルダ群の切削加工は、当該ホルダ群に対し、前記切削工具を同一方向から進めて行なわれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の動弁系ホルダの軸孔加工方法。
- 前記ホルダは、カムシャフト部材と、ロッカシャフト部材の周りを回動するバルブ駆動部材と、前記カムシャフト部材と前記バルブ駆動部材との間に配置され支持シャフト部材の周りを揺動する揺動カムとを有して構成される可変動弁機構が組み付くものであり、
前記各ホルダの複数の軸孔は、前記可変動弁機構の前記カムシャフト部材を支持するカムシャフト孔、同じく前記ロッカシャフト部材を支持するロッカシャフト孔、同じく前記支持シャフト部材を支持する支持シャフト孔である
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の動弁系ホルダの軸孔加工方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101504126B1 (ko) | 2014-12-23 | 2015-03-19 | 정성래 | 다축 홀 가공기의 치공구 장치 |
CN105414588A (zh) * | 2015-12-11 | 2016-03-23 | 昌河飞机工业(集团)有限责任公司 | 一种多连精度孔的加工方法 |
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