JP2010099584A - 汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汚染土壌に含有されている有害元素環境への溶出を抑制する工法を提供する。
【解決手段】鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム粉、ならびに酸化カルシウム粉を必須成分とする混合粉から成る有害元素の溶出抑制材が含まれている有害元素捕捉ベッド2を地表1aに敷設し、有害元素捕捉ベット2の上に有害元素を含有する汚染土壌の盛土3を造成し、盛土3の表面を覆って無害土壌の覆土4を形成する汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
【選択図】図1

Description

本発明は汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法に関し、更に詳しくは、トンネル工事やビル建設などの工事現場で発生する現地発生土が有害元素で汚染されている場合、その発生土から溶出する有害元素の環境への溶出量を土壌汚染対策法(平成15年2月15日施行)で規定されている溶出量基準以下に抑制するための工法に関する。
例えばトンネル工事の発生土(ズリ)は、農道や一般道路の建設用として使用される場合が多い。しかしながら、これら発生土には、例えばAsやPbなどの自然由来の有害元素が含有されている場合があり、そしてこれら発生土をそのまま環境に放置しておくと、含有されているこれら有害元素が雨水などによって環境に溶出して周辺環境を汚染して生態系、ひいては人体に悪影響を及ぼすことがある。
そのために、これらの汚染土壌に対しては、含有されている有害元素の環境への溶出を防ぐための処置が採られている。
例えばズリを用いて道路建設をする場合、盛土するズリを厚い遮水シートで包み込んで雨水に触れない状態にして道路建設予定地の地表に敷設し、ついで敷設された盛土の少なくとも側面を覆って無害土壌を転圧して成る覆土を形成し、そして全体の頂部に例えばコンクリートで道路面を形成するという盛土工法が実施されている。
また、別の工法としては、ズリに含有されている有害元素を不溶化する不溶化剤と当該ズリを混合・攪拌して有害元素の不溶化処理を行い、その処理後のズリで盛土を形成し、更に無害土壌で覆土を順次形成したのち道路面を形成するという不溶化処理工法も実施されている。
しかしながら、上記した工法では建設コストが高くなる。例えば前者の工法の場合、大量の盛土を高価な遮水シートで厳重に包み込んで敷設しなければならないため、それに要する素材費や作業コストは高額になる。また後者の工法の場合、盛土する大量のズリの有害元素を完全に不溶出化するためには、大量の不溶出化剤をズリと効率的に混合・攪拌することが必要となり、それに要する設備コストや作業コストの上昇はまぬがれないからである。
従来の汚染土壌の盛土工法における上記したような問題を解決するために、最近、次のような工法が提案されている(特許文献1を参照)。
この工法は、地面の上に汚染物質に対して吸着能を有する吸着層を敷設し、この吸着層の上に汚染土壌を直接盛土し、その表面を覆土で覆うという工法である。
この工法で造成された施設によれば、汚染土壌に含有されている汚染物質が雨水などに溶出したとしても、それは必ず汚染土壌の下部に位置する吸着層を透過するので、その過程で吸着層によって汚染物質は吸着除去され、この施設から流出する浸出水中の汚染物質の溶出量は低減する。
この工法によれば、汚染土壌を遮水シートで包み込む作業は不要となり、また汚染土壌の汚染物質に対する不溶出化処理も不要となるので、従来の工法に比べてその建設コストを大幅に低減できるとされている。
特開2008−212771号公報
上記した特許文献1の工法の場合、汚染土壌の下層に形成される吸着層は、あくまでも、汚染土壌から溶出した汚染物質を吸着するものである。その吸着現象は基本的には可逆反応であって、環境の変化によっては、一旦吸着した汚染物質が吸着層から脱着してその溶出濃度が高まることもあり得る。
また、特許文献1の吸着層の場合、吸着可能な汚染物質としてはAsが例示されているのみであるが、他の汚染物質、例えば環境庁告示第46号に提示されているB、Cd、Cr、Pb、Se、Fなどの有害元素に対しても特許文献1に開示されている吸着層が吸着機能を発揮し得るのか否かという点は不明である。
本発明は、特許文献1の発明における上記した問題に鑑みて、汚染土壌中の汚染物質(有害元素)を吸着するのではなく、化学反応によって、不溶出化・固定化して当該有害元素を捕捉する手段を形成し、かつ環境庁告示第46号が提示するAs、B、Cd、Cr、Pb、Se、Fの有害元素に対して有効な、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム、ならびに酸化カルシウム粉を必須成分とする混合粉から成る有害元素の溶出抑制材が含まれている有害元素捕捉ベッドを地表に敷設し、前記有害元素捕捉ベッドの上に前記有害元素を含有する汚染土壌の盛土を造成し、前記盛土の表面を覆って無害土壌を形成することを特徴とする汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法(以下、第1工法という)が提供される。
また、本発明では、鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム、ならびに酸化カルシウム粉を必須成分とする混合粉から成る有害元素の溶出抑制材と、土壌と、糊剤と、水とを混合してスラリー客土を調製し、前記スラリー客土を、地表、法面、または汚染土壌の盛土側面に吹付けて、前記地表、前記法面、または前記盛土側面からの有害元素の溶出を抑制することを特徴とする、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法(以下、第2工法という)が提供される。
また、本発明では、鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム、ならびに酸化カルシウム粉を必須成分とする混合粉から成る有害元素の溶出抑制材を、汚染区画内で、前記汚染区画内の汚染土壌と混合して、前記汚染土壌の有害元素の溶出を抑制することを特徴とする、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法(以下、第3工法という)が提供されている。
第1工法では、汚染土壌の下に配置される捕捉ベッドに含まれている溶出抑制材が汚染土壌から溶出してくる有害元素を不溶出化するので、従来のように、汚染土壌の全体を遮水シートで包み込んだり、不溶化剤で不溶化するための作業や設備が不要となる。
また、第2工法では、覆土を従来に比べて極めて薄くすることができ、また工事現場の汚染土壌であっても使用することができるので、要するコストは低減する。
また、第3工法では、汚染区画の土壌を別の場所に運搬することなくそれを無害化することが可能となるので、環境汚染の拡散を防止することができる。
発明の第1〜第3工法は、いずれも後述する溶出抑制材を使用するところに1つの特徴がある。
最初に、汚染土壌の盛土工法である第1工法を図1に基づいて説明する。
この工法では、まず工事現場の地表1aに後述する有害元素捕捉ベット゛2を形成する。そして、この捕捉ベッドの上に汚染土壌の盛土3を断面台形状に形成し、更に盛土3の両側面を無害土壌から成る覆土4で覆う。そして頂部に例えば道路面5を形成する。なお、道路面5を形成することなく、この頂部を上記した覆土4で覆ってもよい。
このように、この工法では、汚染土壌は従来工法のように遮水シートで包み込まれることなく、直接、捕捉ベッド2と覆土4に接触している。
このようにして造成された道路において、盛土(汚染土壌)3に含有されている有害元素がそこに浸透してきた雨水に溶出した場合、その雨水が盛土3を下方に移動して捕捉ベッドに達すると、有害元素は捕捉ベッド2に含まれている溶出抑制材と化合反応を起こして不溶出化する。その結果、地表1aを経て地中に移動する雨水中の有害元素の溶出量は捕捉ベッド2を透過する前の状態に比べて低減する。
ここで、溶出抑制材は、鉄(Fe)粉、酸化アルミニウム(Al23)粉または/および水酸化アルミニウム(Al(OH))粉、ならびに酸化カルシウム(CaO)粉を必須成分とし、これらの混合粉である。そして、この混合粉は、As、B、Cd、Cr、Pb、Se、Fなどの有害元素を次のようなメカニズムで不溶出化して溶出抑制効果を発揮するものと考えられる。
まず、捕捉ベッド2が敷設されている環境は、水分と大気(酸素)を含んでいる。そして水分が存在するため、溶出抑制材のCaOの一部は解離してCa2+を生成し、同時に共存する水も解離して環境中にはOH-が存在して全体としてアルカリ性になっているものと考えられる。
このような環境において、上記した有害元素は、Cd2+,CrO4 2-,SeO4 2-、AsO4 3-,F-のイオン形態で溶出するものと考えられる。またBは、BO3 3-の形態で溶出していると考えられる。
この環境において、溶出抑制剤の鉄粉の一部は環境に溶出してFe2+となり、ついで酸素によって酸化されてFe3+になる。そして環境中のOHと反応してFe(OH)の水和酸化物となって不溶出化し、沈殿する。
酸化アルミニウムと水酸化アルミニウムは、その一部が解離してAl3+を生成する。そしてこのAl3+は、環境中のOH-と反応してAl(OH)3の水和酸化物になって不溶出化し、凝集作用を発揮しながら沈殿する。
一方、鉄粉は、CrO4 2-のイオン状態で環境中に溶出しているCrを還元してCr3+にする。そしてこのCr3+は環境中のOH-と反応してCr(OH)3の水和酸化物になって不溶出化し、Fe(OH)3と共沈する。
酸化カルシウムは、その一部が解離してCa2+を生成しているのであるが、このCa2+はホウ酸イオン(BO3 3-)として環境中に溶出しているBと反応して、不溶出化した無電荷の錯体Ca3(BO3)2を生成する。この錯体は、前記したFe(OH)3やAl(OH)3に吸着されて共沈する。
また、Ca2+は、F-として存在するFと反応して不溶出化したCaF2を生成する。このCaF2は、上記した各種の水和酸化物に吸着される。
一方、炭酸カルシウムは、環境全体のアルカリ性を促進し、Cd2+のイオン形態で溶出しているCdとOH-の反応を進めることにより、不溶出化したCd(OH)2の水酸化物を生成する。このCd(OH)2は各種の水和酸化物と吸着・共沈する。
なお、As,Pb,Seなども、やはり水酸化物に転化し、Fe(OH)3、Al(OH)3に吸着された状態で共沈する。
このように、本発明で用いる溶出抑制材は、汚染土壌3から溶出した有害元素との間で上記した化学反応を起こすことによって、これら有害元素をいずれも不溶出化した状態で水和酸化物、無電荷の錯体、フッ化物の形態で捕捉ベッド2で捕捉される。
この溶出抑制材が上記した作用効果を発揮するためには、鉄粉100質量部に対して、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム粉20〜200質量部、酸化カルシウム粉50〜500質量部の割合で混合されていることが好ましい。
酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム粉が鉄粉100質量部に対し20質量部より少ない場合には、上記した溶出抑制機構において、Al(OH)3の水和酸化物の生成量が不足して、有害元素が充分に吸着・共沈しなくなるという問題が生じ、また200質量部より多くすると、これらの解離で生成したAl(OH)が他の有害元素の不溶化物に対する凝集効果を発揮するよりも、鉄粉を包み込んでその前記した作用効果を封殺してしまうからである。
なお、酸化アルミニウム粉と水酸化アルミニウム粉はそれぞれ単独で用いてもよいが、両者を混合して用いる方が有害元素に対する溶出抑制効果を高めることができるので好適である。
また酸化カルシウム粉が鉄粉100質量部に対し50質量部より少ない場合は、BO3 3-やF-の固定を充分に行うことができず、例えばBの溶出量を確実に環境基準値以下にすることが困難となる。逆に500質量部より多い場合は、環境のアルカリ性が強くなって溶存するイオンの総量が多くなり、不溶出化しない有害元素が増量するという不都合が生じてくる。
また、これらの粉末の粒子径は微細である方が比表面積が大きくなって活性になるので、上記した化学反応を推進するために、その粒子径は0.1〜1500μm程度であることが好ましい。
捕捉ベッド2の形成に際しては、鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム粉、酸化カルシウム粉の3種類の粉末だけの混合粉を用いて形成してもよいが、この混合粉(溶出抑制材)を基材と混合して、当該基材に混合粉を担持または付着させた状態にして用いると、捕捉ベッドの敷設作業を円滑に進めることができるとともに、形成された捕捉ベッド透水性を確保できるので好適である。
その場合の基材としては、例えば石炭灰を主体とする粒状クリンカー、粒状のゼオライト、粒状火山灰土など透水性があり、多孔質な鉱物、またはロックウールなどを用いることができる。
この捕捉ベッド2は、地表1の上に上記した溶出抑制材またはそれと基材との混合物を層状に敷設して形成してもよく、また、地表に溶出抑制材やその基材との混合物を敷設したのち、例えばロータリースタビライのような表層混合機械でその直下の土壌と混合・攪拌したのち、その混合土壌を転圧して形成してもよい。
そして、捕捉ベッド2における溶出抑制材の含有量や捕捉ベッド2の厚みは、当該捕捉ベッド2の上に盛土される汚染土壌3に含有されている各有害元素の総量を不溶出化するために必要な量を目安にして決められる。
一方、その第1工法では、覆土4は、従来工法と同様にして形成されていてもよいが、次に説明する第2工法を適用して形成すると、覆土の厚みを従来に比べて大幅に薄くすることができ、また現地発生土(汚染土壌)であってもそれを無害土壌に転化して使用できるという点で有用である。
そこで次に第2工法について説明する。
第2工法は吹付け工法である。この工法では、上記した溶出抑制材、土壌、糊剤、水でスラリー客土を調製し、それを公知の吹付け法を適用して、地表、法面、前記した盛土の側面に吹付ける。必要に応じては、種子、養成剤、肥料などをスラリー客土に配合してもよい。
この第2工法では、上記した溶出抑制材を使用しているので、土壌として従来のような無害土壌に限らず現地発生の汚染土壌をそのまま使用することができる。汚染土壌に含有されている有害元素は、スラリー客土に共存している溶出抑制材の作用効果で不溶出化するため、形成された客土は全体として無害化するからである。
糊剤としては、吹付け工法で従来から使用されている例えばクリコート(商品名、栗田工業社製)のような高分子系のものやアルファグリーン(商品名、アルファグリーン社製)のような無機系のものをあげることができ、また両者を併用することもできる。とくに糊剤として、フライアッシュのような灰成分100質量部に対し、硫酸アルミニウム1〜20質量%、硫酸カルシウム1〜20質量%、シリカ粉末1〜20質量%、セメント成分10〜80質量%から成る添加剤10〜50質量部を混合した特許第2935408号の緑化・土壌安定化剤を用いると、形成された客土を保水性・通気性を備えた植生基盤にすることができるので好適である。
この第2工法を、第1工法における覆土の形成時に適用することが好ましい。まず、汚染土壌を用いて同じ汚染土壌の盛土からの有害元素溶出を抑制できるからである。また、従来工法の覆土は、盛土の側面から有害元素が溶出してくることを抑制するために、その厚みを50cm程度に厚くし、そして転圧して造成されていたのであるが、この第2工法では厚み5〜15cm程度と薄くし、しかも転圧作業を行わなくても、その覆土は盛土側面からの有害元素の溶出を抑制する機能を有しているからである。更に、形成された覆土は植生基盤としても機能させることができるので、環境にも優しい景観を提供することができる。
次に第3工法について説明する。
この工法は、汚染土壌の運搬・移動が新たな環境汚染を招くような場合に実施する工法である。
例えば工場跡地などでは、ある一定の区画のみが有害元素で集中的に汚染されている場合が多い。そのような跡地に新たな施設を建築する場合には、その汚染区画の土壌を無害化することが必要になる。
第3工法は、このような場合に適用して有効な方法である。この第3工法では、例えば、図2で示したように、無害化することを目的とする汚染区画6にバックホウのような掘削混合装置を7を配置し、汚染区画6溶出抑制材8を散布しながらその散布箇所の汚染土壌を掘削しながら両者を混合する。このとき汚染土壌と様子津抑制材をできるだけ均一に混合することが重要であるが、そのためには適量の水を同時に散布して掘削・混合作業を進めることが好ましい。そして、必要に応じては混合した土壌を更に転圧して整地すればよい。
この工法によれば、汚染土壌を掘削し、それを別の場所に運搬し、そこで無害化したのち埋戻すという作業は不要となり、従って運搬過程で起こりうる環境への汚染の拡散という問題は防止される。
また、第3工法によれば、用いる溶出抑制材の作用効果で、汚染区画6内の有害物質は不溶出化するので、工法終了時にあっても、その処理区画からの流出水における有害元素の溶出量は環境基準値を満たしている。
なお、このときの溶出抑制材の使用量は、汚染区画の土地容積、有害元素の種類と汚染濃度を予め把握し、それらの把握値から計算して決定する。
(実施例1)
鉄粉1g、酸化アルミニウム粉1g、酸化カルシウム粉1gを均一に混合して3gの混合粉を調製した。
一方、As(III)濃度が100ppmの試料液10mlを調製した。
この試料液に上記混合粉0.1gと無害土壌5gを投入し、温度25℃で、毎分200回
振とうする振とう試験を24時間行った。
全体はスラリー状になった。ついでスラリーを濾過し、得られた濾液のAs濃度をJIS K0102のICP発光分析法で定量した。
As濃度は7ppmとなっていて、上記した試料材におけるAs除去率は93%であった。
このことから、有害元素(As)が土壌と共存している状態にあっても、実施例の混合物は有害元素を捕捉してその溶出を抑制できることが判明した。
(実施例2)
次のような実験を行った。
実施例1の混合物0.5gを、下端部に排出口を有するメスシリンダの中に自然堆積の状態で充填し、その上に無害土壌100gを同じく自然堆積させた。
一方、AsO 3−濃度0.2ppm、Pb2+濃度0.2ppm、Cr6+濃度0.2ppmの試料溶液100mlを調製した。
一旦、前記メスシリンダに少量の蒸留水を注入して充填柱を湿潤させたのち、ここに上記試料溶液の全量を6時間かけて滴下し、その過程で充填柱からの透過水はメスシリンダの排出口から取り出してそれを貯留した。
得られた貯留溶液におけるAs濃度、Pb濃度、Cr濃度をICP発光分析法で定量した。
As濃度は<0.001ppm、Pb濃度は0.0043ppm、Cr濃度は<0.002ppmで、それぞれの除去率はほぼ100%、98%、99%であった。
この実験から、この溶出抑制材の上方に汚染土壌を配置することにより、そこから溶出する有害元素はこの溶出抑制材で捕捉できることが判明した。
本発明の工法によれば、従来の盛土工法に比べて低廉な建設コストで汚染土壌から環境へ溶出する有害元素の溶出量を抑制することができる。
本発明の第1工法で建設された道路の一部概略図である。 本発明の第3工法を説明するための概略図である。
符号の説明
1a 地表
2 有害元素捕捉ベッド
3 盛土(汚染土壌)
4 覆土(無害土壌)
5 道路面
6 汚染区画
7 撹拌・混合装置

Claims (8)

  1. 鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム粉、ならびに酸化カルシウム粉を必須成分とする混合粉から成る有害元素の溶出抑制材が含まれている有害元素捕捉ベッドを地表に敷設し、前記有害元素捕捉ベットの上に前記有害元素を含有する汚染土壌の盛土を造成し、前記盛土の表面を覆って無害土壌の覆土を形成することを特徴とする汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
  2. 前記有害元素捕捉ベッドが、基材と前記溶出抑制材の混合物を前記地表に層状に敷設したのち転圧して形成される請求項1の、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
  3. 前記基材が、粒状クリンカー、粒状ゼオライト、粒状火山灰土の群から選ばれる少なくとも1種、またはロックウールである請求項1または2の汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
  4. 前記有害元素捕捉ベッドが、前記溶出抑制材を前記地表に散布したのち前記地表の土壌と前記溶出抑制材を混合・攪拌し、更にその混合土壌を転圧して形成される請求項1〜3のいずれかの、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
  5. 前記覆土が、吹付け工法で形成される請求項1〜4のいずれかの、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
  6. 鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム、ならびに酸化カルシウム粉を必須成分とする混合粉から成る有害元素の溶出抑制材と、土壌と、糊剤と、水とを混合してスラリー客土を調製し、前記スラリー客土を、地表、法面、または汚染土壌の盛土側面に吹付けて、前記地表、前記法面、または前記盛土側面からの有害元素の溶出を抑制することを特徴とする、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
  7. 前記スラリー客土の土壌が現地発生土である請求項6の汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
  8. 鉄粉、酸化アルミニウム粉または/および水酸化アルミニウム、ならびに酸化カルシウム粉を必須成分とする混合粉から成る有害元素の溶出抑制材を、汚染区画内で、前記汚染区画内の汚染土壌と混合して、前記汚染土壌の有害元素の溶出を抑制することを特徴とする、汚染土壌からの有害元素の溶出抑制工法。
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