JP2010099106A - 椅子用背もたれ及び椅子 - Google Patents

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泰代 藤森
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多弥男 櫻井
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Abstract

【課題】着座者の体圧をサポートシートで受ける背もたれにおいて、美観をアップさせて椅子の商品価値を高める。
【手段】サポートシート6はダブルラッセル編みされた立体編地であり、表組織層11と裏組織層12とベース組織層13とを有する。ベース組織層13は着座者の体圧を支持する強度メンバーであり、これを構成する単位糸14,15は強弾性モノフィラメントから成っている。表組織層11と裏組織層12とは中間糸の群で連結されている。表組織層11と裏組織層12とはそれぞれ多数の帯状部11a,12aで構成されており、このためサポートシート6は縞模様の外観を呈している。表裏組織層11,12の色を簡単に異ならせると、フロントビューとバックビューとが異なって一層見栄えが良い。
【選択図】図2

Description

本願発明は、体圧支持メンバーとして編地製シート(sheet) が使用されている椅子用背もたれ、及びこれを使用した椅子に関するものである。
椅子の座や背もたれにおいて、表裏に開口したフレームに可撓性のシート材が張られた構成とすること、換言すると、着座者の体圧をシート材(以下、「サポートシート」という)で受けるシートサポート方式とすることが広く行われている。その代表が特許文献1であり(なお、特許文献1ではサポートシートを「膜」と表示している。)、サポートシートをメッシュ状又はネット状の構造とすることによって高い通気性を確保することができ、また、サポートシートの材料糸に引っ張りによって弾性変形する弾性糸を使用することにより、高いフィット性・クッション性を確保することができるようになっている。
サポートシートに使用する生地は織地と編地に大別される。当初は強度の点から織地が主流であり、メッシュやネットといった用語も織地に由来していると言えるが、近頃は、素材糸の品質アップや編み方の研究等が進んだこともあり、手触りや意匠性・フィット性等の見地から編地も提案されている。また、背もたれをシートサポート方式とした場合、サポートシートで着座者の体圧を受けるという機能からして、一般にサポートシートの裏面は露出していて人に見えるようになっている。そして、従来のサポートシートは表裏とも同じ色になっているのが殆どである。
特表平8−507935号公報
さて、椅子において各要素にどのような色を選択するかはデザイン上の重要な要素であり、座や背もたれをクッション方式にしている椅子の場合は、クッションを覆う張地について多くの色を揃えておいて、ユーザーが選択できるようにしているのが普通である。
更に、椅子の見た目を判断すべき要素としては、前方からの見た目であるフロントビューと後ろからの見た目であるバックビューとがあるが、バックビューも大事である。椅子は机やテーブルとセットで使用されることが大半であり、使用状態で他人の目に触れるのは専ら背面であるので、オフィス全体で椅子のイメージを統一させたいという要望や、オフィスの来訪者に良い印象を与えたいという要望を基準に考察すると、バックビューはフロントビューに匹敵する重要性を有していると言える。
しかるに、メッシュ状等のシート材で体圧を受ける方式の背もたれの場合、サポートシートについてフロントビューは考慮がされて色の選定等が成されているものの、バックビューについては特段の工夫はされていないのが実情である。また、サポートシートは強度を必要とするため一般の布地のような柄付きのものは製造し難く、このためフロントビューとバックビューとに関係なく見た目において大きな変化をつけ難いという問題があった。
本願発明はこのような現状に鑑み成されたものであり、着座者の体圧をサポートシートで支持する背もたれに関して、従来にない斬新なデザインを実現せんとするものである。
本願発明は、「前後両側に開口したバックフレームと、前記バックフレームに表裏が露出する状態で取付けられたダブルラッセル編地製サポートシートとを備えており、前記サポートシートは、椅子の前側に露出した表組織層と、椅子の後ろ側に露出した裏組織層と、前記表組織層に編み込まれているベース組織層とを有している」という構成を前提にしている。
そして、上記の前提において、前記表組織層と裏組織層とは、それぞれ細長い帯状部の群が上下方向に延びる状態でかつ3〜5mmの横幅で並列されていて縞模様を呈しており、かつ、前記表裏組織層の縞模様は前後に重なっており、このため表裏組織層の隣り合った帯状部の間にベース組織層が露出しており、前記帯状部の幅寸法と帯状部間の間隔寸法との比率が1:1〜4:1になっている。
本願発明は様々に展開できる。例えば請求項2の発明は、請求項1において、前記表組織層と裏組織層とは色又は模様若しくは両方が異なっている。また、請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記ベース組織層は弾性を有する樹脂製モノフィラメントから成っていて着座者の体圧によって伸び変形し得る一方、前記表組織層は細い繊維より成るマルチフィラメントを素材にしている。
請求項4の発明は、請求項1〜3のうちのいずれかにおいて、前記ベース組織層を構成する糸は、前記表裏組織層の隣り合った帯状部の間において空間を横切る状態で飛び飛びに配置されており、このため表裏組織層の隣り合った帯状部の間の部分は椅子の前後両側に透けて見える縦筋空間になっている。
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちのいずれかにおいて、前記表組織層と裏組織層との帯状部は上下方向に伸びている一方、前記ベース組織層は、前記表裏組織層における隣り合った帯状部に跨がる状態で上下方向に延びる例を多数並列配置した構成であり、前記ベース組織層の各列はジグザグ状に蛇行しながら上下方向に延びる単位糸で構成されており、かつ、前記ベース組織層の各単位糸は、表裏組織層の隣り合った帯状部の間で飛び飛びに並んだ状態で露出している。本願発明は、請求項1〜5のうちのいずれかに記載した背もたれも含んでいる(請求項6)。
《請求項1の効果》
本願発明の基本的な特徴は、サポートシートがダブルラッセル編みによって立体構造になっていることであり、この基本的な特徴を基にしてサポートシートは表組織層と裏組織層とベース組織層とを有することが可能になっている。そして、表裏組織層がそれぞれ多数本の帯状部で構成されていてサポートシートが全体として縞模様を呈しているため、従来にない斬新なデザインになっている。更に述べると、表裏組織層を多数の帯状部で構成してこれとベース組織層とを組み合わせることにより、強度は確保しつつ縞模様の外観を呈して高いデザイン性を確保していると言えるのであり、これによって椅子の商品価値を向上することが可能ならしめられている。
また、本願発明では帯状部の幅寸法は3〜5mmであるが、帯状部の幅寸法が3mm未満であると十分な磨耗強度が得られない虞があり、5mmを超えると、ダブルラッセル編地の伸縮性が低下して身体への当たり心地が損なわれる虞があると共に、帯状部間の間隔が狭くなって通気性や透け感が損なわれる虞がある。更に、帯状部の幅寸法と帯状部間幅寸法との比率は1:1〜4:1であるが、この比率が1:1より小さいと身体への接触面積が少なくなり過ぎて座り心地(身体への当たり心地)が悪くなり、4:1を超えると通気性が悪くなる虞がある。
さて、背もたれには着座した人の体圧が掛かるため相当の強度が必要である。そして、人の体圧を受ける強度メンバーとしての機能を表組織層と裏組織層とに保持させることも可能ではあるが、この場合は、糸は弾性に優れたものを選定して太さもかなり太くせざるを得ないため、編み構造が外観に明瞭に現れて粗い見た目になり、しかも身体の当たりが硬くなる虞がある。これに対して本願発明では、強度保持機能をベース組織層に保持させることにより、表組織層と裏組織層は糸の素材や太さや編み構造について選択の自由性を格段に広げることができるため、緻密で美観に優れた外観を容易に実現することができる。
《請求項2の効果》
請求項2の構成では、表組織層と裏組織層との色又は模様若しくは両方を異なっているため、背もたれについてフロントビューとバックビューとを異ならせてより一層高い意匠性(すなわち見た目の良さ)を実現して椅子の商品価値を向上できる。
この場合、表組織層と裏組織層との色を異ならせる一般的な手段としては、表組織層と裏組織層とをそれぞれ異なる色で編み上げるという方法と、表組織層又は裏組織層のうちいずれか一方は染色できない糸で編んで他方は染色可能な糸で編み、編み上げた後に染色可能な糸を染める、という2つの方法が考えられる。前者は染色工程が不要なので、1種類の色使いパターンを大量生産する場合に有利であり、後者は表組織層と裏組織層とのうち何れか一方を任意の色に染色できるので、色使いが異なるものを他種類用意しておく場合に好適である。
《請求項3の効果》
サポートシートはダブルラッセル編みされているため、着座した人の体圧が掛かると目開き現象によって僅かには伸びると言える。しかし、単なる布に近い構造に過ぎない場合は伸び量は僅かであると共に復元性が十分でなくて、人の身体に対するクッション性・フィット性が十分でない場合がある。これに対して請求項3のようにベース組織層に弾性糸(強弾性糸)を使用すると、高いクッション性とフィット性とを確保することができる。また、表組織層には細い繊維より成るマルチフィラメントを使用しているため、人の身体への当たりの柔らかさも確実に実現できる。
《請求項4の効果》
請求項5の構成を採用すると、表裏組織層の隣り合った帯状部の間にベース組織層が前後に透けて見える縦筋空間として現れることにより、サポートシート全体としての縦縞模様がより鮮明になってスッキリとした見た目が確実ならしめられていると共に、高い通気性も確保されている。
《請求項5の効果》
請求項5の構成によると、ベース組織層を構成する単位糸はジグザグ状に伸びているため、それ自体が伸び変形することでサポートシートが体圧で伸び変形するのみならず、糸のジグザグの形状が変形することによってもサポートシートは伸び変形することになり、その結果、サポートシートが人の体圧で伸び変形することをより確実ならしめて、クッション性とフィット性とを一層向上させることができる。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(1).椅子の概要
本実施形態は事務用の回転椅子に適用しており、図1は椅子の概略正面図である。椅子はキャスタ付きの脚本体(図示せず)を有して、脚本体の中央部に設けた脚支柱(ガススリンダ)1の上端に座受け2を固定し、座受け2で座3と背もたれ4とを支持している。背もたれ4は、前後両方向(或いは表裏両方向)に開口したバックフレーム5とこれに張られたサポートシート(バックシート)6とで構成されている(なお、ランバーサポートやヘッドレスト等の付属部材を設けることは可能である。)。
バックフレーム5は、上下方向に延びる左右2本のサイドメンバー7と、左右のサイドメンバー7をその上端において繋ぐ略左右横長のアッパーメンバー8と、左右のサイドメンバー7をその上端において繋ぐ略左右横長のロアメンバー9とで構成されており、全体として正面視四角形に近い形態になっている。なお、左右のサイドメンバー8とアッパーメンバー9とは一体物として連続しているが、ロアーメンバー9はサイドメンバー7とは別体に製造されており、後付けによってサイドメンバー7に固定されている。
敢えて述べるまでもないが、バックフレーム5の構造や形状は素材等は任意に選択することができるのであり、また、ロアーメンバー9を備えない構成とすることも可能である。
サポートシート6をバックフレーム5に取り付ける方法としては、例えば、バックフレーム5の外周に溝を形成しておく一方、サポートシート6の終縁に各メンバーに対応した硬質材製縁部材を固着しておいて、サポートシート6の縁部が巻かれた縁部材をバックフレーム5の溝に嵌め込む、という方法を採用できる。勿論、溶着したり押さえ部材で固定するなど、様々の固定方法を採用できる。
サポートシート6はダブルラッセル編みされた1枚ものであり、その前面には多数の上下長手の帯状部の群が現れており、このためサポートシート6は正面視で縦縞模様の外観を呈している。また、サポートシート6は背面視(裏面視)でも縦縞模様の外観を呈している。
以下、図2以下の図面も参照してサポートシート6を説明するが、構成の説明に先立って用語(文言)を補足しておく。すなわち、先ず、方向を示す用語として上下方向・横方向の文言を使用するが、これは、図1に表示しているとおり、上下方向は鉛直線方向を意味して横方向は椅子の正面視における左右方向を意味している。更に、編地には経編みと緯編みとがあって方向を表す文言として経方向と緯方向とがあるが、本実施形態では、背もたれ4としての上下方向と編地としての経方向とが同じ方向になり、横方向と緯方向とが同じ方向になる。また、本実施形態では表面と前面も同義になる。
(2).サポートシートの構造
図2はサポートシート6の構造を模式的に示すものであり、(A)は部分的な1略正面図で(B)は折り曲げた状態での斜視図、図3は表裏逆にした状態での斜視図、図4は図3の IV-IV視断面図、図5及び図6は構成要素の並びを説明するための模式的な正面図である。
サポートシート6は、正面視で手前に露出した表組織層11と、裏側(後ろ側)に露出した裏組織層12と、表組織層11に一体に編み込まれたベース組織層13とを備えている。表裏組織層11,12は、それぞれ上下長手の帯状部11a,12aが多数並列配置された構成になっており、かつ、表裏組織層11,12の帯状部11a,12aは一対ずつがセットになって前後に重なっており、このため、サポートシート6は表から見ても裏から見ても縦縞模様の外観を呈している。
ベース組織層13は着座者の体圧を受ける強度メンバーとして機能するものであり、強靱で弾性を有するモノフィラメントから成っている。そして、ベース組織層13は、その一部は表組織層11の帯状部11aに編み込まれており、残りは隣り合った帯状部11a,12aの間で露出している。なお、表組織層11と裏組織層12とは構造と色が相違するので区分する必要はあるが、本実施形態の場合、背もたれ4に使用するに当たってどちらを前面とするかは任意に選択できる。従って、図示のものを裏返した状態で使用することも可能であり、この場合は、表組織層11と裏組織層12との表示が逆になる。
図5及び図6に明瞭に示すように、ベース組織層13は、ジグザグ状に蛇行しながら上下方向に(経方向)に延びる第1及び第2の2本の単位糸14,15より成る列13aを横方向に多数並列した構成になっている。各列13aにおいて、第1単位糸14と第2単位糸14とは、ジグザグのスパンの1/3程度の寸法L1だけ横方向にずれた状態で互いに重なっており、かつ、隣り合った列13aの単位糸14,15はジグザグのピッチPの半分の寸法だけ上下方向(経方向)にずれている。
また、横方向に隣り合った列13aは、第1単位糸14の端部同士と第2単位糸14の端部同士が互いに当接又は近接しており、従って、左右に隣り合った列13aは、2本の単位糸14,15のずれ寸法L1の分だけ互いに重なり合っている。なお、図6では隣り合った単位糸14を上下に若干寸法ずらした状態に描いているが、これは線の重なりによって構成が不明確になることを避けるための便宜的な措置であり、基本的には、隣り合った単位糸14,15はずれてはいない(勿論、編み加工の誤差でずれることはあり得る。)。
図6から明瞭に把握できるように、表裏組織層11,12の帯状部11a,12aはベース組織層13における隣り合った列13aの重合部と重なるように配置されており、このため、横方向に隣り合った表裏組織層11,12の間にはベース組織層13における単位糸14,15の群が横長姿勢で上下多段に配置された状態に現れており、このように単位糸14,15の群が空間に飛び飛びの状態で配置されていることにより、表裏組織層11,12における隣り合った帯状部11a,12a間には表裏両側が透けて見える縦筋空間16が空いている。
そして、ベース組織層13は、表組織層11を構成する糸(図示せず)を絡ませることにより、隣り合った列13aの単位糸14,15がその先端部同士と重合部の中間部同士とで連結されていると共に、重合部を挟んだ左右両側の部位とが連結されている。図6では、単位糸14,15の連結箇所(交絡箇所)は丸印で表示しており、かつ、先端部同士の連結箇所を符号16で示し、重合部の中間部同士の連結箇所を符号17で示し、重合部を挟んだ左右両側の箇所での連結箇所を符号18で示している。
敢えて述べるまでもないが、表組織層11を構成する糸をベース組織層13の単位糸14,15に絡ませることは、単位糸14,15を抱き込むようにして表組織層11の糸にループを形成することで行われる。また、表組織層11を構成する糸をベース組織層13の単位糸14に絡ませることにより、横方向に隣り合った列の単位糸14が互いに連結されてベース組織層13が構成されると共に、各列13aにおける第1単位糸14と第2単位糸14とが連結され、かつ、ベース組織層13と表組織層11との連結が行われている。
図4に示すように、表組織層11の帯状部11aと裏組織層12の帯状部12aとは中間糸(連結糸)21の群によって互いに連結されている。表組織層11も裏組織層12も厚さを持っている。従って、表裏組織層11,12における各帯状部11a,12aで構成されるストライプは見た目で明瞭に視認できる厚みを持っておいる。ベース組織層13を基準にすると、裏組織層12の突出寸法よりも表組織層11の突出寸法が小さくなっている。
各帯状部11a,12a(ストライプ)の箇所の全体の厚さ寸法は使用する糸の太さや等によって大きく異ならせることができるが、強度と質感の維持の点からは適度の厚さが必要である一方、過度に厚いとシート構造の持つスマートさが減殺される虞がある。編みの容易性も考慮すると、1.5〜4mm程度で良いと言える。なお、図4は横幅寸法に対して厚さの比率を実際よりも大きく描いており、従って、実際のサポートシート6は図4の状態よりも薄くなっている。また、図4では中間糸21の層をかなり厚く描いているが、表組織層11と裏組織層12とを密着させることも可能である。
表組織層11と裏組織層12とは、細い繊維(化学繊維が好ましい)より成るマルチフィラメントが使用されている。このため、表組織層11及び裏組織層12とも編地に特有のうねりは見えつつも、極めて緻密な外観を呈している。なお、表裏組織層11,12を構成する糸はマルチフィラメントなので、基本的には引っ張っても弾性変形しない。マルチフィラメントとしては撚糸と非撚糸とのいずれも使用できる。
ベース組織層13は概念的には表組織層11と異なる組織として捉え得るが、編地の構造としては、表組織層11とベース組織層13とは一つの層を構成している。換言すると、モノフィラメント弾性糸である単位糸14,15と非弾性のマルチフィラメントとを素材として主組織層が構成されており、この主組織層に副組織層としての裏組織層12が中間糸21の群で連結されていると言える。
各帯状部11a,12aの幅寸法L2と縦筋空間16の幅寸法L3とは、製造に使用するダブルラッセル機のゲージ数等に応じて設定できる。例えば、1インチ当たり帯状部11a,12aと縦筋空間16とが5対配置されている寸法とすることが可能である。帯状部11a,12aの寸法L2と縦筋空間16の寸法L3との比率(L1:L2)も編み機の機能が許す限り任意に設定できるが、実施形態ではL1:L2は約2:1に設定されている。
実際の数値としては、帯状部11a,12aの幅寸法L2は3.5〜4mm程度がが好適で、縦筋空間16の寸法L3は1.5〜1.0mm程度が好適である。編機の性能が許せばこれ以外の数値を選択することも可能であり、例えばL2を2〜7mmとすることも可能である。
表組織層11と裏組織層12とベース組織層13と中間糸21とには、それぞれ異なる糸が使用されている。従って、これらの糸の色を互いに異ならせることも可能であるが、例えば中間糸21は外部から殆ど視認できないので、その色使いが椅子の見た目に影響することはない。また、各層について様々な色の糸を用意しておいて編み上げるというのは、可能ではあるが高コストになる。
そこで、より現実的な方法として、本実施形態では、表組織層11と中間糸21とは染色可能な糸を使用する一方、裏組織層12は化学染料が浸透しない白い糸を使用し、全体を編み上げてから表組織層11と中間糸21とを化学染料で所望の色に染めている。これにより、背もたれ4のフロントビューに様々な色使いを実現できる。染色不能な糸と染色可能な糸との組み合わせを逆にして、バックビューについて様々な色使いを用意することも可能である。
ベース組織層13は縦筋空間16の箇所で露出しているが、露出している面積が背もたれ4の全体に占める面積は僅かであるので、どのような色を選択しても全体の外観にはさほど影響しない。従って、単位糸14,15は強度や耐久性を優先して選択すべきである。もとより、単位糸14,15に染色可能な糸を使用して、表組織層11と同じ色に染め上げることは好ましい。
人の体圧をベース組織層13で受けるにおいて、ベース組織層13には主として横方向の引っ張り応力が作用する(すなわち、主として横方向(左右方向)に伸びようとする。)。そして、本実施形態では、ベース組織層13を構成する単位糸14,15は全体的には上下方向に延びてはいるが、横方向に蛇行していることと、作用に隣り合った単位糸14が互いに連結されていることとにより、強弾性糸よりなる横糸が多段に編み込まれているのと同じ状態になっており、これにより、サポートシート6には人の体圧を受ける強度が確保されている。
また、ベース組織層13を構成する単位糸14,15は高い弾性を有するため、人の体圧が掛かると弾性に抗して長手方向に伸び変形可能であり、このことに加えて、人の体圧によって単位糸14,15のジグザグの形状も変化するものであり、その結果、サポートシート6は人の身体の曲面に倣うように変形して高いフィット性とクッション性とが確保されている。なお、ベース組織層13は一つの列13aを1本の糸で構成することも可能であるが、本実施形態のように一つの列13aを2本(複数本)の単位糸14,15で構成すると、できるだけ細い単位糸14,15を使用して製造の容易性を実現しつつ、サポートシート6として必要な強度を確保できる利点がある。
なお、強度メンバーとしてベース組織層13の単位糸14,15に相当する強弾性糸を横方向に長く延びる姿勢で上下方向に飛び飛びに配置することも不可能ではないが、ダブルラッセル編みに横糸を組み込むのはかなり難しい。これに対して本実施形態のように、ベース組織層13を各列13aに分けて、各列13aをジグザグの単位糸14,15で構成すると、単位糸14,15はダブルラッセル機を使用した経編みの一部に組み込むことができるため、製造面においても有利である。
(3).編み構造(組織)の具体例
本実施形態のサポートシート6は22ゲージのダブルラッセル機を使用して編成されており、図6で組織の具体例を示している。すなわち、本実施形態では、1つの帯状部11a,12aの編成に6つの筬(ガイド)L1〜L6を使用されており、第1筬L1ではベース組織層13を構成する単位糸14,15がガイドされ、第2筬L2では表組織層11を構成する第1表糸がガイドされ、第3筬L2では表組織層11を構成する第2表糸がガイドされ、第4筬では中間糸21がガイドされ、第5筬L5では裏組織層12を構成する第1裏糸がガイドされ、第6筬L2では裏組織層11を構成する第2裏糸がガイドされる。
この組織図から理解できるように、表組織層11と裏組織層12とはそれぞれ2本の糸で編成されており、かつ、第1表糸と第2裏糸とはそれぞれ表裏組織層11,12の左右横幅の振幅でジグザグ状に蛇行しており、この第1表糸とベース組織層13の単位糸14,15とに第2表糸が絡んでおり、これにより、表裏組織層11,12とベース組織層13とが構成されている。かつ、第1裏糸に第2裏糸が絡むことで裏組織層12が編成されている。また、第1表糸とベース組織層13の単位糸14,15と第1裏糸とは中間糸21で連結されている。
そして、第1表糸と第1裏糸とは経方向に一目空けた状態でジグザグに蛇行しているが、第1表糸と第1裏糸とはジグザグの姿勢が経方向に2目分ずれている。また、第1表糸と第1裏糸とは緯方向に6目分延びているのに対して、単位糸14,15は緯方向に7目分延びており、これにより、隣り合った帯状部11a,12aは互いに分断されて両者の間は単位糸14,15のみが露出して縦筋空間16になっている。また、単位糸の横移動範囲が第1表糸と第1裏糸との横移動範囲とにオーバーラップしていることにより、横方向に隣り合った単位糸14,15の列が中間糸21を介して互いにされている。
(4).その他
本願発明は、上記の各実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば表組織層と裏組織層との両方に強弾性糸を編み込んだり、裏組織層又は表組織層のうちのいずれか一方を強弾性糸で構成することも可能である。更に、サポートシートの表面又は裏面に、スクリーン印刷等の印刷で絵柄をプリントすることも可能である。帯状部の幅寸法や縦筋空間の間隔寸法(溝幅)は必要に応じて任意に設定できる。
また、本願発明の適用対象はロッキング椅子に限定されるものではなく、パイプフレーム製の椅子のように座が昇降しない非ロッキング椅子、劇場用椅子のような固定式椅子、複数人が掛け得るベンチなど、様々のものに適用できる。
第1実施形態に係る椅子の概略正面図である。 サポートシートの模式構造図で、(A)は部分的な概略正面図、(B)は折り曲げた状態での斜視図である。 サポートシートを表裏逆にした状態での斜視図である。 図3の IV-IV視断面図である。 ベース組織層の構造を説明するための模式的な斜視図である。 ベース組織層の構造と表組織層との関係を説明するための模式的な斜視図である。 サポートシートの組織図である。
符号の説明
4 背もたれ
5 バックフレーム
6 サポートシート
11 表組織層
11a 帯状部
12 裏組織層
12a 帯状部
13 ベース組織層
14,15 ベース組織層を構成する単位糸
16 縦筋空間
17,18,19 連結箇所
21 中間糸(連結糸)

Claims (6)

  1. 前後両側に開口したバックフレームと、前記バックフレームに表裏が露出する状態で取付けられたダブルラッセル編地製サポートシートとを備えており、前記サポートシートは、椅子の前側に露出した表組織層と、椅子の後ろ側に露出した裏組織層と、前記表組織層に編み込まれているベース組織層とを有している、
    という構成において、
    前記表組織層と裏組織層とは、それぞれ細長い帯状部の群が上下方向に延びる状態でかつ3〜5mmの横幅で並列されていて縞模様を呈しており、かつ、前記表裏組織層の縞模様は前後に重なっており、このため表裏組織層の隣り合った帯状部の間にベース組織層が露出しており、前記帯状部の幅寸法と帯状部間の間隔寸法との比率が1:1〜4:1である、
    椅子用背もたれ。
  2. 前記表組織層と裏組織層とは色又は模様若しくは両方が異なっている、
    請求項1に記載した椅子用背もたれ。
  3. 前記ベース組織層は弾性を有する樹脂製モノフィラメントから成っていて着座者の体圧によって伸び変形し得る一方、前記表組織層は細い繊維より成るマルチフィラメントを素材にしている、
    請求項1又は2に記載した椅子用背もたれ。
  4. 前記ベース組織層を構成する糸は、前記表裏組織層の隣り合った帯状部の間において空間を横切る状態で飛び飛びに配置されており、このため表裏組織層の隣り合った帯状部の間の部分は椅子の前後両側に透けて見える縦筋空間になっている、
    請求項1〜3のうちのいずれかに記載した椅子用背もたれ。
  5. 前記表組織層と裏組織層との帯状部は上下方向に伸びている一方、前記ベース組織層は、前記表裏組織層における隣り合った帯状部に跨がる状態で上下方向に延びる例を多数並列配置した構成であり、前記ベース組織層の各列はジグザグ状に蛇行しながら上下方向に延びる単位糸で構成されており、かつ、前記ベース組織層の各単位糸は、表裏組織層の隣り合った帯状部の間で飛び飛びに並んだ状態で露出している、
    請求項1〜4のうちのいずれかに記載した椅子用背もたれ。
  6. 請求項1〜5のうちのいずれかに記載した背もたれを有する椅子。
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