JP2010096103A - エンジン始動装置 - Google Patents

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Shigeyuki Maruzumi
茂之 円角
Takayuki Hoshi
貴之 星
Masataka Odagiri
昌貴 小田切
Chieko Sudo
千恵子 須藤
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Abstract

【課題】ギヤプランジャにインサートモールドされる摺動鉄心を確実に回り止めする。
【解決手段】エンジン始動装置1は、電動モータ2によって駆動されるピニオンギヤ6を軸方向に移動させてエンジンのリングギヤ8に噛合させる。イグニッションスイッチのON/OFFによりマグネットスイッチ7が作動し、それに伴ってギヤプランジャ81が軸方向に移動してピニオンギヤ6が軸方向に移動する。ギヤプランジャ81の摺動鉄心84を複数の鋼製プレート88を積層して形成する。プレート88の端面88bにボス部91を突設すると共に、ボス部91とは反対側の端面88cにボス孔92を設ける。摺動鉄心84は、プレート88のボス部91とボス孔92を嵌合させつつ積層形成され、ボス部91がプランジャ本体87内に埋設される形でインサートモールドされる。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動モータによって駆動されるエンジン始動装置に関し、特に、ピニオンギヤを軸方向に移動させてエンジンのリングギヤに噛合させる部品の信頼性向上に関する。
自動車や自動二輪車、大型発電機等に使用されるエンジンは、電動モータを用いたエンジン始動装置(スタータ)によって起動されるのが一般的である。例えば、特許文献1には、モータの回転力によってピニオンギヤが軸方向に移動し、エンジンのリングギヤに噛合する形式のエンジン始動装置が記載されている。図6は、このような自動車用エンジン始動装置の要部構成を示す説明図であり、自動車のイグニッションキースイッチがOFFされているときは、図6の上半分のように、ピニオンギヤ101は、右方の離脱位置にあり、リングギヤ102とは噛み合っていない状態にある。
これに対し、イグニッションキースイッチをONすると、コイル103に電流が流れ、マグネットスイッチ104に吸引力が発生して可動鉄心105が左方に吸引される。可動鉄心105が左方に吸引されると、ブラケットプレート106が左方へ移動し、ギヤプランジャ107が摺動鉄心108に加わる吸引力と、プランジャスプリング109によって左方に押される。これにより、オーバーランニングクラッチ110のクラッチアウタ111が軸方向に沿って移動し、それと共にピニオンギヤ101が左方へ移動する。
可動鉄心105が左方に移動すると、図示しないモータスイッチが閉じ、モータの回転と共にドライブシャフト112が回転する。ドライブシャフト112の回転に伴い、クラッチアウタ111がその慣性マスによって、ヘリカルスプライン部113上を左方に移動する。クラッチアウタ111が左方へ飛び出すと、ピニオンギヤ101もクラッチアウタ111と共に左方に移動し、ピニオンギヤ101はリングギヤ102と噛合してエンジンを起動させる。エンジンが始動するとピニオンギヤ101は高回転で回転され、オーバーランニングクラッチ110は空転状態となる。
エンジンが始動しイグニッションキースイッチがOFFされると、マグネットスイッチ104への通電も停止され、スイッチリターンスプリング114の付勢力によってブラケットプレート106が右方に押され、可動鉄心105も右方に移動する。可動鉄心105が右方に移動すると、モータスイッチが開いてドライブシャフト112の回転が停止すると共に、クラッチアウタ111の回転も停止し、クラッチアウタ111はギヤリターンスプリング115の付勢力によって右方へ移動する。これにより、ピニオンギヤ101がリングギヤ102から離脱すると共に、ギヤプランジャ107もクラッチアウタ111に押されてして右方に移動し、図1の上半分の状態へと戻る。
一方、このようなエンジン始動装置にて使用されるギヤプランジャ107は、鉄製リング部材である摺動鉄心108を合成樹脂にてインサートモールドした構成となっている。図7はギヤプランジャ107の構成を示す斜視図、図8は摺動鉄心108の構成を示す斜視図である。摺動鉄心108は、厚板を環状に打ち抜いて成形され、図8に示すように、その内周側には回り止め用の凹部116が形成されている。凹部116は、プレス成形時に形成され、周方向に沿って複数箇所設けられている。摺動鉄心108は、この凹部116に合成樹脂を入り込ませつつインサートモールドされ、摺動鉄心108が一体となった図7のようなギヤプランジャ107が形成される。
特開2007-71043号公報
しかしながら、前述のように、摺動鉄心108は厚板を環状に打ち抜いて成形しているため、その内周に断面が長方形の凹部を形成するのが難しく、凹部116の断面形状が斜辺の傾きが大きい台形状〜楕円形状となり易い。すなわち、従来の摺動鉄心108は厚板からの打ち抜き成形のため、凹部116の成形形状に限界がある。このように、凹部116が台形化等してしまうと、そこで回転方向の力を受け止めきれず、凹部116が周り止めとして機能しないおそれがあるという問題があった。
本発明の目的は、ギヤプランジャにインサートモールドされる摺動鉄心を確実に回り止めすることにある。
本発明のエンジン始動装置は、ドライブシャフト上を軸方向に移動することによりエンジンのリングギヤと噛合するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤを回転駆動するためのモータと、前記ドライブシャフトと同軸状に配置され前記エンジンのイグニッションスイッチのON/OFFに伴って作動するマグネットスイッチと、前記ドライブシャフト上に配置され、前記マグネットスイッチの作動に伴って軸方向に移動するギヤプランジャと、前記ドライブシャフト上に配置され、前記ギヤプランジャの一端側に当接するクラッチアウタと前記ピニオンギヤが形成されたクラッチインナとを有し、前記ギヤプランジャの移動に伴い、該ギヤプランジャと共に軸方向に移動するオーバーランニングクラッチと、を有してなるエンジン始動装置であって、前記ギヤプランジャは、合成樹脂製のプランジャ本体と、前記プランジャ本体にインサートモールドされた摺動鉄心とを備え、前記摺動鉄心は、複数の鋼製プレートを積層して形成され、前記プレートは、プレート端面に突設され前記プランジャ本体内に埋設されるボス部と、前記ボス部とは反対側のプレート端面に形成され隣接する前記プレートの前記ボス部が嵌合するボス孔とを有することを特徴とする。
本発明にあっては、ピニオンギヤを軸方向に移動させてエンジンのリングギヤに噛合させるギヤプランジャの摺動鉄心を複数の鋼製プレートを積層して形成し、このプレート端面にプランジャ本体内に埋設されるボス部を突設すると共に、ボス部とは反対側のプレート端面に隣接プレートのボス部が嵌合するボス孔を設けたので、ボス部とボス孔を積層時の位置決めに使用する共に、ボス部を樹脂部との周り止めに使用することができ、摺動鉄心に簡単、確実に周り止めを形成できる。
本発明のエンジン始動装置によれば、電動モータによって駆動されるピニオンギヤを軸方向に移動させてエンジンのリングギヤに噛合させるエンジン始動装置にて、エンジンのイグニッションスイッチのON/OFFに伴って作動するマグネットスイッチによって軸方向に移動されるギヤプランジャの摺動鉄心を複数の鋼製プレートを積層して形成し、このプレートの端面にプランジャ本体内に埋設されるボス部を突設すると共に、ボス部とは反対側の端面に隣接プレートのボス部が嵌合するボス孔を設けることにより、ボス部とボス孔を積層時の位置決めに使用する共に、ボス部を樹脂部との周り止めに使用することができ、摺動鉄心に簡単、確実に周り止めを形成することが可能となる。これにより、摺動鉄心の周り止め機能が損なわれてしまうのを防止でき、製品信頼性の向上を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例であるエンジン始動装置の構成を示す断面図であり、中心線より上側は静止状態を、下側は通電状態を示している。図1のエンジン始動装置(スタータ)1は、自動車用エンジンの起動に使用され、駆動源として、電動モータ(以下、モータと略記する)2を備えている。モータ2は減速装置3と接続されており、モータ2の回転は減速装置3を介してドライブシャフト4に伝達される。ドライブシャフト(出力軸)4上には、オーバーランニングクラッチ5とピニオンギヤ6が軸方向に移動自在に設けられている。当該エンジン始動装置1は、マグネットスイッチ7がドライブシャフト4と同軸状に配置された1軸タイプのスタータとなっており、ピニオンギヤ6は、マグネットスイッチ7の作用によって、オーバーランニングクラッチ5と共に軸方向に移動し、エンジンのリングギヤ8と噛合する。
モータ2は、円筒形状のモータハウジング21内にアーマチュア22を回転自在に配置した構成となっている。モータハウジング21はモータ2のヨークを兼ねており、鉄等の磁性体金属によって形成されている。モータハウジング21の右端部には、金属製のエンドカバー23が取り付けられる。一方、モータハウジング21の左端部は、ピニオンギヤ6が収容されるギヤカバー24に取り付けられる。エンドカバー23はセットボルト25によってギヤカバー24に固定され、モータハウジング21はエンドカバー23とギヤカバー24との間に固定される。
モータハウジング21の内周面には、周方向に複数個のマグネット26が固定されており、マグネット26の内側にはアーマチュア22が配置される。アーマチュア22は、モータシャフト27に固定されたアーマチュアコア28と、アーマチュアコア28に巻装されたアーマチュアコイル29とから構成されている。モータシャフト27の右端部は、エンドカバー23に取り付けられたメタル軸受31によって回転自在に支持されている。一方、モータシャフト27の左端部は、ピニオンギヤ6等が取り付けられたドライブシャフト4の端部に回転自在に支持されている。ドライブシャフト4の右端部には軸受部32が凹設されており、モータシャフト27はそこに取り付けられたメタル軸受33によって回転自在に支持される。これにより、ドライブシャフト4は、モータ2のモータシャフト27と同軸状に配置される。
アーマチュアコア28の一端側には、モータシャフト27に外嵌固定されたコンミテータ34が隣接配置されている。コンミテータ34の外周面には、導電材にて形成されたコンミテータ片35が複数個取り付けられており、各コンミテータ片35にはアーマチュアコイル29の端部が固定されている。モータハウジング21の左端部には、ブラシホルダ36が取り付けられている。ブラシホルダ36には、周方向に間隔をあけて、ブラシ収容部37が複数個配置されている。各ブラシ収容部37にはそれぞれブラシ38が出没自在に内装されている。ブラシ38の突出先端部(内径側先端部)は、コンミテータ34の外周面に摺接している。
ブラシ38の後端側には図示しないピグテールが取り付けられており、ブラシホルダ36に設けられた導電プレート41の第1プレート41aと電気的に接続されている。導電プレート41は、この第1プレート41aと、電源ターミナル44と電気的に接続された第2プレート41bとから構成されており、両プレート41a,41bの間には両者間を絶縁する絶縁部41cが設けられている(以下、第1及び第2プレート41a,41bは、それぞれ、プレート41a,プレート41bと略記する)。絶縁部41cには、スイッチプレート43が対向配置されており、導電プレート41(プレート41a,41b)とスイッチプレート43の両電気接点によってスイッチ部42が形成されている。
スイッチプレート43はスイッチシャフト45に取り付けられており、エンジンのイグニッションスイッチがONされてマグネットスイッチ7が通電されると、スイッチシャフト45が左方に移動する。スイッチプレート43がプレート41a,41bに接触すると、絶縁部41cが導通しスイッチ部42がON状態となる。これにより、図示しない給電ケーブルが取り付けられた電源ターミナル44とブラシ38との間が電気的に接続され、バッテリからコンミテータ34に電源が供給される。これに対し、イグニッションスイッチがOFFのときは、絶縁部41cが開放されてスイッチ部42がOFF状態となり、導電プレート41とスイッチプレート43の間には空隙が形成され、モータ2への給電が停止する。
減速装置3の遊星歯車機構11には、インターナルギヤユニット46とドライブプレートユニット47が設けられている。インターナルギヤユニット46は、ギヤカバー24の右端部に固定されており、その内周側には内歯リングギヤ48が形成されている。インターナルギヤユニット46の中央にはメタル軸受49が内装されており、ドライブシャフト4の右端側が回転自在に支持されている。ドライブプレートユニット47は、ドライブシャフト4の右端部に固定されており、プラネタリギヤ51が3個等分間隔で取り付けられている。プラネタリギヤ51は、ベースプレート52に固定された支持ピン53に、メタル軸受54を介して回転自在に支持されている。プラネタリギヤ51は内歯リングギヤ48と噛合している。
モータシャフト27の左端部には、サンギヤ55が形成されている。サンギヤ55はプラネタリギヤ51と噛合しており、プラネタリギヤ51は、サンギヤ55と内歯リングギヤ48との間で、自転しつつ公転する。モータ2が作動すると、モータシャフト27と共にサンギヤ55が回転し、サンギヤ55の回転に伴い、プラネタリギヤ51が内歯リングギヤ48と噛み合いながらサンギヤ55の周りを公転する。これにより、ドライブシャフト4に固定されたベースプレート52が回転し、モータシャフト27の回転が減速されてドライブシャフト4に伝達される。
オーバーランニングクラッチ5は、遊星歯車機構11によって減速された回転をピニオンギヤ6に対し一回転方向に伝達する。オーバーランニングクラッチ5は、クラッチアウタ56とクラッチインナ57との間に、ローラ58とクラッチスプリング(図示せず)を配した構成となっている。クラッチアウタ56は、ボス部56aとクラッチ部56bとからなり、ボス部56aは、ドライブシャフト4のヘリカルスプライン部61に取り付けられている。ボス部56aの内周側には、ヘリカルスプライン部61と噛み合うスプライン部62が形成されている。これにより、クラッチアウタ56は、ドライブシャフト4上をヘリカルスプライン部61に沿って軸方向に移動可能となっている。
ドライブシャフト4にはストッパ63が取り付けられている。ストッパ63は、ドライブシャフト4に装着されたサークリップ64によって軸方向の移動が規制されている。ストッパ63には、ギヤリターンスプリング65の一端側が取り付けられている。ギヤリターンスプリング65の他端側は、ボス部56aの内端壁66に当接している。クラッチアウタ56は、このギヤリターンスプリング65によって右方向に付勢されており、通常時(非通電時)には、クラッチアウタ56はギヤカバー24に固定されたクラッチストッパ67に当接した位置で保持される。
クラッチアウタ56のクラッチ部56b内周には、ピニオンギヤ6と一体に形成されたクラッチインナ57が配置されている。クラッチアウタ56とクラッチインナ57の間には、ローラ58及びクラッチスプリングが複数組配置されている。また、クラッチ部56bの外周にはクラッチカバー68が外装されており、クラッチ部56bの左端面とクラッチカバー68との間には、クラッチワッシャ69が取り付けられている。このクラッチワッシャ69によって、ローラ58及びクラッチスプリングは、クラッチ部56bの内周側に、軸方向の移動を規制された状態で収容される。
クラッチ部56bの内周壁はカム面となっており、楔状斜面部と曲面部が形成されている。ローラ58は、通常、クラッチスプリングによって曲面部側に押されている。クラッチアウタ56が回転し、クラッチスプリングの付勢力に抗して、ローラ58が楔状斜面部とクラッチインナ57の外周面との間に挟持されると、クラッチインナ57はローラ58を介してクラッチアウタ56と一体に回転する。これにより、モータ2が作動しドライブシャフト4が回転すると、その回転はクラッチアウタ56からローラ58を介してクラッチインナ57に伝達され、ピニオンギヤ6が回転する。
これに対し、エンジンが始動し、クラッチインナ57がクラッチアウタ56よりも早く回転すると、ローラ58は曲面部側に移動し、クラッチインナ57はクラッチアウタ56に対し空転状態となる。すなわち、クラッチインナ57がオーバーラン状態となると、ローラ58が楔状斜面部とクラッチインナ外周面との間には挟持されず、クラッチインナ57の回転はクラッチアウタ56には伝達されない。従って、エンジン始動後、エンジン側からより高い回転数でクラッチインナ57が回されても、その回転はオーバーランニングクラッチ5にて遮断され、モータ2側には伝達されない。
クラッチインナ57の左端側には、ピニオンギヤ6が一体に形成されている。ピニオンギヤ6(クラッチインナ57)は、冷間鍛造によって形成された鋼製部材であり、クロム鋼(例えば、SCr 420H)に浸炭処理を施したものが使用される。ピニオンギヤ6の内径側にはシャフト孔71が形成されており、シャフト孔71にはピニオンギヤメタル72が取り付けられている。ピニオンギヤ6は、このピニオンギヤメタル72を介してドライブシャフト4に回転自在に支持される。一方、クラッチインナ57の内径側にはスプリング収容部73が形成されており、そこには、ストッパ63やギヤリターンスプリング65が収容されている。
マグネットスイッチ7は、遊星歯車機構11の左方にドライブシャフト4と同軸状に配置されており、モータ2や遊星歯車機構11とも同心状となっている。マグネットスイッチ7は、ギヤカバー24に固定された鋼製の固定部74と、ボビン78に沿って左右方向に移動自在、すなわち、ボビン78に対し相対移動可能に配置された可動部75とからなる。固定部74には、ギヤカバー24に固定されたケース76と、ケース76内に収容されたコイル77及びケース76の内周側に取り付けられたボビン78が設けられている。コイル77は、図示しないイグニッションスイッチと電気的に接続されている。可動部75には、スイッチシャフト45が取り付けられた可動鉄心79が設けられ、可動鉄心79の内周側にはギヤプランジャ81が取り付けられている。
図2は、ギヤプランジャ81の構成を示す斜視図である。ギヤプランジャ81は、合成樹脂製のプランジャ本体87と、プランジャ本体87にインサートモールドされた摺動鉄心84とから構成されている。前述のように、従来のエンジン始動装置では、この摺動鉄心が厚板を環状に打ち抜いて形成されていたため、内周面に形成される回り止め用の凹部の角がダレ易く、回り止め機能が損なわれるおそれがあった。これに対し、当該エンジン始動装置1のギヤプランジャ81は、環状にプレス抜きした薄板を積層して摺動鉄心84を形成することにより、回り止め用の凹部の形状を長方形化すると共に、位置決めと回り止めを兼ねたボス部を設け、回り止め機能の問題を解消している。
図3は、摺動鉄心84の構成を示す分解斜視図である。図3に示すように、摺動鉄心84は、複数枚のプレート88を積層した構成となっている。プレート88は、図4に示すように、鋼製の薄板を環状に打ち抜いた部材であり、従来の摺動鉄心に比して厚さが薄くなっている(本実施例では従来比1/4、2mm程度)。各プレート88の内周部88aには、軸方向(図3において上下方向)に沿って打ち抜き形成された凹部89が設けられている。また、プレート88の端面88bには、軸方向に突出する形で形成されたボス部91が設けられている。プレート88の反対側の端面88c(ボス部91の裏側)には、隣接するプレート88のボス部91が嵌合可能なボス孔92となっている。凹部89とボス部91はそれぞれ等分に4個設けられており、各凹部89とボス部91は交互に45°間隔で配置されている。
摺動鉄心84は、ボス部91を隣接プレートのボス孔92に合わせる形でプレート88を積層して形成される。その際、ボス部91とボス孔92は、各プレート88の位置決め機能を有しており、両者を嵌合させることにより、複数枚(ここでは4枚)のプレート88が所定の位置関係で積層される。すなわち、各プレート88は、図3に示すように、凹部89が軸方向に揃った形で積層され、積層体である摺動鉄心84が形成される。なお、ボス部91とボス孔92を軽圧入状態で嵌合させ、両者の嵌合により、各プレート88を積層状態に維持できるようにしても良い。
摺動鉄心84は、この積層体の形でプランジャ本体87にインサートモールドされる。その際、摺動鉄心84の端部に位置するボス部91(図3において上端のプレート88のボス部91)は、プランジャ本体87に形成されたフランジ部93に埋設される。つまり、ボス部91は、積層時の位置決めに使用されると共に、樹脂部との周り止めとしても機能する。一方、プレート88は、従来の摺動鉄心よりも薄いため、凹部89を略長方形状に打ち抜き形成することができる。すなわち、凹部89は、斜辺の傾きが大きい台形状や半楕円形状にならず、略直角の角を持った溝となる。このため、従来の摺動鉄心に比して、回転方向の力を受け止める機能が向上し、凹部89による回り止め効果が増大する。
このように、当該エンジン始動装置1では、ギヤプランジャ81の摺動鉄心84をプレート88の積層構造とし、各プレート88に、積層時の位置決めと樹脂部との周り止めを兼ねたボス部91を設けることにより、簡単、確実に摺動鉄心84の周り止めを行うことが可能となる。このため、摺動鉄心84の周り止め機能が損なわれてしまうことがなく、部品信頼性の向上が図られる。また、薄板積層構造とすることにより、凹部89のダレが抑えられるので、回り止め機能が強化され、この点においても部品信頼性の向上が図られる。
なお、薄板積層構造の採用により、プレート形状の自由度も高くなり、例えば、図5のプレート94のように、内周部94aをギザギザの鋸歯状に形成することも容易となり、樹脂部であるプランジャ本体87との固定力をさらに増強することも可能となる。また、マグネットスイッチ7におけるギヤプランジャ81の吸引力(軸方向への移動力)を増大させたい場合も、プレート枚数の増加にて対応でき、設計自由度の向上も図られる。
可動鉄心79の外周側(図中下端側)には、スイッチリターンスプリング86が取り付けられている。スイッチリターンスプリング86の他端側はギヤカバー24に当接しており、可動鉄心79は右方に付勢されている。可動鉄心79の内周にはさらに、ブラケットプレート82が固定されている。ブラケットプレート82には、プランジャスプリング83の一端がカシメ固定されている。プランジャスプリング83の他端側は、イグニッションキースイッチがOFFのとき(図1の上半分の状態のとき)は、ギヤプランジャ81に当接しており、ギヤプランジャ81はプランジャスプリング83によって左方に付勢されている。ギヤプランジャ81は、ドライブシャフト4に軸方向に移動可能取り付けられており、可動鉄心79の内周面との間に摺動鉄心84が介設される。
ギヤカバー24はアルミダイカストにて形成されており、ギヤカバー24の左端部には、メタル軸受85を介してドライブシャフト4の左端側が回転自在に支持されている。ギヤカバー24内には、合成樹脂製(例えば、ガラス繊維強化ポリアミド)のクラッチストッパ67やケース76等が固定されている。また、ギヤカバー24の右端面側には、モータハウジング21やエンドカバー23がセットボルト25によって固定されている。
次に、このようなエンジン始動装置1を用いたエンジン始動動作について説明する。まず、自動車のイグニッションキースイッチがOFFされているときは、図1の上半分のように、ギヤリターンスプリング65の付勢力によって、クラッチアウタ56はクラッチストッパ67に当接した状態にある。このとき、スイッチプレート43は導電プレート41から離れており、モータ2への給電は行われない。また、ピニオンギヤ6は、右方の離脱位置にあり、リングギヤ8とは噛み合っていない状態にある。
これに対し、イグニッションキースイッチをONすると、まず、コイル77に電流が流れ、マグネットスイッチ7に吸引力が発生する。コイル77が励磁されると、ケース76及びボビン78を通る磁路が形成され、可動鉄心79が左方に吸引される。可動鉄心79が左方に吸引されると、ブラケットプレート82が左方へ移動し、プランジャスプリング83が押し縮められる。このときのプランジャスプリング83の反発力は、ギヤリターンスプリング65の反発力よりも大きくなるように設定されており、ギヤプランジャ81は、摺動鉄心84に加わる吸引力と、プランジャスプリング83によって左方に押される。これにより、クラッチアウタ56がヘリカルスプライン部61上を軸方向に沿って移動し、それと共にピニオンギヤ6もまた左方へ移動する。
一方、可動鉄心79がスイッチリターンスプリング86の付勢力に抗して左方に移動すると、スイッチシャフト45も左方へ移動し、スイッチプレート43が導電プレート41に接触して接点が閉じる。これにより、電源ターミナル44とブラシ38との間が電気的に接続され、コンミテータ34に電源が供給されてモータ2が作動しアーマチュア22が回転する。モータ2が作動し、アーマチュア22が回転すると、遊星歯車機構11を介してドライブシャフト4が回転する。
ドライブシャフト4の回転に伴い、ヘリカルスプライン部61に取り付けられたクラッチアウタ56もまた回転する。ヘリカルスプライン部61は、ドライブシャフト4の回転方向を考慮してねじり方向が設定されており、クラッチアウタ56の回転数が増大すると、その慣性マスによって、クラッチアウタ56がヘリカルスプライン部61に沿って左方に移動する。モータ2の回転に伴ってクラッチアウタ56が左方へ飛び出すと、ピニオンギヤ6もクラッチアウタ56と共に左方に移動し、ピニオンギヤ6はリングギヤ8と噛合する。すなわち、イグニッションキースイッチONに伴い、ピニオンギヤ6は、まず、ギヤプランジャ81によって左方に押され、その後、モータ2の作動と共に一気に左方に飛び出し、リングギヤ8と噛み合う。
これにより、ピニオンギヤ6は、図1の下半分の状態のような作動位置に移動し、モータ2の回転がリングギヤ8に伝達され、リングギヤ8が回転する。リングギヤ8はエンジンのクランク軸に接続されており、リングギヤ8の回転に伴ってクランク軸が回転し、エンジンが起動する。エンジンが起動すると、リングギヤ8によってピニオンギヤ6は高回転で回転されるが、オーバーランニングクラッチ5の作用によりその回転はモータ2側には伝達されない。
なお、クラッチアウタ56が左方に移動すると、ギヤリターンスプリング65もクラッチアウタ56に押されて縮められる。また、プランジャスプリング83は、ギヤプランジャ81を左方に押し出し、ピニオンギヤ6とリングギヤ8が完全に噛み合った状態となると解放され、自然長状態となる。このため、クラッチアウタ56に当接した状態のギヤプランジャ81とプランジャスプリング83との間には、図1の下半分の状態のように、若干の隙間が生じる。
エンジンが始動するとピニオンギヤ6は高回転で回転され、オーバーランニングクラッチ5は空転方向に回転される。オーバーランニングクラッチ5が空転方向に回されるとクラッチ内に空転トルクが生じ、クラッチアウタ56には切れトルクと呼ばれる回転力が働く。この回転力により、クラッチアウタ56にはヘリカルスプライン部61を介して右方へのスラスト力が生じ、クラッチアウタ56が右方へ移動しピニオンギヤ6がリングギヤ8から離脱するおそれがある。そこで、エンジン始動装置1では、摺動鉄心84に加わる電磁吸引力によって、ギヤプランジャ81を移動左端位置(図1の下半分参照)にて保持し、クラッチアウタ56の移動を規制する。これにより、ピニオンギヤ6の右方への移動が規制され、ピニオンギヤ6の離脱が抑えられる。
一方、エンジンが始動しイグニッションキースイッチがOFFされると、マグネットスイッチ7への通電も停止され、その吸引力も消滅する。すると、スイッチリターンスプリング86の付勢力によってブラケットプレート82が右方に押され、それまでボビン78による吸引力にて左方に保持されていた可動鉄心79が右方に移動する。可動鉄心79が右方に移動すると、スイッチシャフト45も右方へ移動し、スイッチプレート43が導電プレート41から離れ接点が開く。これにより、モータ2に対する給電が遮断され、ドライブシャフト4の回転が停止し、クラッチアウタ56の回転も停止する。
クラッチアウタ56の回転が停まると、その慣性マスによる軸方向への移動力も消滅する。このため、押し縮められていたギヤリターンスプリング65の付勢力によって、クラッチアウタ56は、ヘリカルスプライン部61に沿って作動位置から静止位置へと右方へ移動する。このとき、ギヤプランジャ81もクラッチアウタ56に押されて図1の上半分の状態となる。なお、ギヤリターンスプリング65の付勢力は、この時点におけるプランジャスプリング83の付勢力よりも大きくなるように設定されている。クラッチアウタ56が右方に移動すると、ピニオンギヤ6もまた右方に移動してリングギヤ8から離脱し、図1の上半分の状態へと戻る。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、前述の実施例では、摺動鉄心84の回り止め機能部として、ボス部91や凹部89を形成しているが、プレート88の上面(ボス部91の存在する面)をローレット目や梨地、エンボス加工等により、ザラザラあるいは凹凸面に形成し、回り止め効果をさらに強化しても良い。なお、摺動鉄心84としてプレスの打ち抜き品を用いた例を示したが、これに焼結品を用いても良い。その場合にもボス部を設けることにより、樹脂部に対する回り止め効果の向上が図られるが、必ずしも積層構造とする必要はない。
本発明の一実施例であるエンジン始動装置の構成を示す断面図であり、中心線より上側は静止状態を、下側は通電状態を示している。 図1のエンジン始動装置にて使用されるギヤプランジャの構成を示す斜視図である。 ギヤプランジャに使用される摺動鉄心の構成を示す分解斜視図である。 摺動鉄心の構成を示す図面であり、(a)は摺動鉄心の平面図、(b)はその側面図である。 摺動鉄心の変形例を示す図面であり、(a)はその平面図、(b)は側面図である。 従来の自動車用エンジン始動装置の要部構成を示す説明図である。 従来のギヤプランジャの構成を示す斜視図である。 図7のギヤプランジャにて使用されている摺動鉄心の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1 エンジン始動装置
2 電動モータ
3 減速装置
4 ドライブシャフト
5 オーバーランニングクラッチ
6 ピニオンギヤ
7 マグネットスイッチ
8 リングギヤ
11 遊星歯車機構
21 モータハウジング
22 アーマチュア
23 エンドカバー
24 ギヤカバー
25 セットボルト
26 マグネット
27 モータシャフト
28 アーマチュアコア
29 アーマチュアコイル
31 メタル軸受
32 軸受部
33 メタル軸受
34 コンミテータ
35 コンミテータ片
36 ブラシホルダ
37 ブラシ収容部
38 ブラシ
41 導電プレート
41a 第1プレート
41b 第2プレート
41c 絶縁部
42 スイッチ部
43 スイッチプレート
44 電源ターミナル
45 スイッチシャフト
46 インターナルギヤユニット
47 ドライブプレートユニット
48 内歯リングギヤ
49 メタル軸受
51 プラネタリギヤ
52 ベースプレート
53 支持ピン
54 メタル軸受
55 サンギヤ
56 クラッチアウタ
56a ボス部
56b クラッチ部
57 クラッチインナ
58 ローラ
61 ヘリカルスプライン部
62 スプライン部
63 ストッパ
64 サークリップ
65 ギヤリターンスプリング
66 内端壁
67 クラッチストッパ
68 クラッチカバー
69 クラッチワッシャ
71 シャフト孔
72 ピニオンギヤメタル
73 スプリング収容部
74 固定部
75 可動部
76 ケース
77 コイル
78 ボビン
79 可動鉄心
81 ギヤプランジャ
82 ブラケットプレート
83 プランジャスプリング
84 摺動鉄心
85 メタル軸受
86 スイッチリターンスプリング
87 プランジャ本体
88 プレート
88a 内周部
88b 端面
88c 端面
89 凹部
91 ボス部
92 ボス孔
93 フランジ部
94 プレート
94a 内周部
101 ピニオンギヤ
102 リングギヤ
103 コイル
104 マグネットスイッチ
105 可動鉄心
106 ブラケットプレート
107 ギヤプランジャ
108 摺動鉄心
109 プランジャスプリング
110 オーバーランニングクラッチ
111 クラッチアウタ
112 ドライブシャフト
113 ヘリカルスプライン部
114 スイッチリターンスプリング
115 ギヤリターンスプリング
116 凹部

Claims (1)

  1. ドライブシャフト上を軸方向に移動することによりエンジンのリングギヤと噛合するピニオンギヤと、
    前記ピニオンギヤを回転駆動するためのモータと、
    前記ドライブシャフトと同軸状に配置され前記エンジンのイグニッションスイッチのON/OFFに伴って作動するマグネットスイッチと、
    前記ドライブシャフト上に配置され、前記マグネットスイッチの作動に伴って軸方向に移動するギヤプランジャと、
    前記ドライブシャフト上に配置され、前記ギヤプランジャの一端側に当接するクラッチアウタと前記ピニオンギヤが形成されたクラッチインナとを有し、前記ギヤプランジャの移動に伴い、該ギヤプランジャと共に軸方向に移動するオーバーランニングクラッチと、を有してなるエンジン始動装置であって、
    前記ギヤプランジャは、合成樹脂製のプランジャ本体と、前記プランジャ本体にインサートモールドされた摺動鉄心とを備え、
    前記摺動鉄心は、複数の鋼製プレートを積層して形成され、
    前記プレートは、プレート端面に突設され前記プランジャ本体内に埋設されるボス部と、前記ボス部とは反対側のプレート端面に形成され隣接する前記プレートの前記ボス部が嵌合するボス孔とを有することを特徴とするエンジン始動装置。
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