JP2010095977A - 地下水の排水構造及びそれを備えたトンネルの構築方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地下水の排水構造1は、トンネル掘削面に沿って構築された覆工体5と、トンネル掘削面と覆工体5の外周との間に形成された空隙部4に充填された小石、砂等からなる骨材11と、覆工体5の内外を貫通するように設けられ、地下水を通水可能な開口部13とを備える。
【選択図】図1
Description
また、トンネル掘削面と覆工体の外周との間に、容易に通水可能な水みちが形成され、この水みちに地下水が流れるため、覆工体の接続部からの漏水が無くなる。
本発明による地下水の排水構造によれば、自立性を有する地山、例えば、洪積砂礫層や硬岩等の地山内にトンネルを設けることで地山自体の支保能力が期待できるため、覆工体の厚さを薄くすることができる。
本発明による地下水の排水構造によれば、開口部は、トンネルのインバート部に設けられるので、トンネルのインバート部よりも上方に存在する地下水をすべて排水することができる。したがって、地下水の水圧が覆工体に作用することを防止できる。
本発明による地下水の排水構造によれば、濾過手段を備えるので、土砂等を含まない地下水のみを通過させることができる。
本発明による地下水の排水構造によれば、排水手段は、幹線集排水管と集水管と支線集排水管とを備えるので、トンネルの底盤付近を水浸しにすること無く、地下水を処理することができる。
本発明による地下水の排水構造によれば、トンネル掘削面と覆工体の外周との隙間に、小石、砂の骨材が互いに接触するように充填されているので、地山を確実に保持し、地山の崩落を防止することが可能となる。したがって、地表面が沈下することが無い。
また、骨材間には地下水が通過可能な隙間が存在するので、トンネルの周囲の地下水を通水することができる。
本発明による地下水の排水構造によれば、時間の経過とともに消失する増粘材と骨材とを混合して流動状態で充填するので、一般的な裏込材の充填方法、例えば、ポンプ等を用いた圧入方法で充填することができる。したがって、充填作業を容易に行うことができる。
図1に示すように、地下水の排水構造1は、トンネル掘削面に沿って構築された覆工体5と、トンネル掘削面と覆工体5の外周との間に形成された空隙部4に充填された小石、砂等からなる骨材11と、覆工体5内外を貫通するように設けられた開口部13とを備える。
覆工体5は、複数の覆工体ピースをトンネル掘削面に沿って周方向及び長手方向に連結して構築される。本実施形態においては、覆工体5としてRCセグメントを用いた。
骨材11は、空隙部4内に互いに接触するように密に充填されている。この骨材11は、地山2と同程度の圧縮強度を有するので、地山2を保持してその崩落を防止する。
Df15/De85 < 5・・・(1)
ここで、Df15:骨材11の粒径加積曲線における加積通過率が15%の粒径値、De85:地山2に存在する土砂の粒径加積曲線における加積通過率が85%の粒径値である。
この(1)式を満たす粒度分布の骨材11を用いることにより、地下水とともに流入してくる地山2の土砂分が少なくなり、骨材11間の目詰まりをほとんど生じない。
Df15/De15 > 5・・・(2)
ここで、De15:地山2に存在する土砂の粒径加積曲線における加積通過率が15%の粒径値である。
この(2)式を満たす粒度分布の骨材11を用いることにより、地下水の流入を妨げることが無く、地下水は骨材11間の隙間12を容易に通過することができる。また、これら(1)式及び(2)式の両方を満たす範囲内で粒度分布を変更することによって、空隙部4内の通水量を調整することができる。
図2に示すように、濾過手段7は、小石、石等の流入を防止しつつ、地下水を通過させるための孔15を有するスクリーン保護用多孔板16と、該スクリーン保護用多孔板16のトンネル3の径方向内側に配置され、スクリーン保護用多孔板16の孔15を通過した土砂混じりの地下水を土砂と地下水とに分離するための箱型の固液分離スクリーン17と、該固液分離スクリーン17のトンネル3の径方向内側に配置され、耐圧性及び透水性を有し、内部に空隙を有するコア部19とから構成されている。
濾過手段7を通過した地下水は、トンネル3内の排水手段10にて坑外に排出される。
幹線集排水管20の一端は、トンネル3の坑外に設けられた排水設備(図示しない)に接続されている。
集水管6は、各開口部13に接続するように覆工体5の内周面に取り付けられている。
2 地山
3 トンネル
4 空隙部
5 覆工体
6 集水管
7 濾過手段
10 排水手段
11 骨材
12 隙間
13 開口部
15 孔
16 スクリーン保護用多孔板
17 固液分離スクリーン
19 コア部
20 幹線集排水管
21 支線集排水管
Claims (8)
- 地山内に構築されたトンネルの周囲に存在する地下水の排水構造であって、
トンネル掘削面の内側に、複数のセグメントを連結して構築された覆工体と、
前記トンネル掘削面と前記覆工体の外周との間に充填された透水性裏込材と、
前記覆工体に、その内外を貫通するように設けられ、前記透水性裏込材を通じて前記トンネルの周囲の地下水を前記トンネル内に通水する開口部とを備えることを特徴とする地下水の排水構造。 - 前記地山は、自立性を有することを特徴とする請求項1に記載の地下水の排水構造。
- 前記開口部は、前記トンネルのインバート部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の地下水の排水構造。
- 前記開口部内に設置され、土砂を捕捉して地下水のみを通過させるための濾過手段と、
前記濾過手段を通過した地下水を排水するための排水手段とを更に、備えることを特徴とする請求項1又は3に記載の地下水の排水構造。 - 前記排水手段は、
前記トンネルの長手方向に沿って敷設され、地下水を前記トンネル外に送水するための幹線集排水管と、
前記濾過手段を通過した地下水を集水するための集水管と、
前記幹線集排水管から複数枝分かれして前記集水管に接続された支線集排水管とを備えることを特徴とする請求項4に記載の地下水の排水構造。 - 前記透水性裏込材は、前記トンネル掘削面と前記覆工体の外周との間に、骨材が互いに接触するように充填されてなることを特徴とする請求項1に記載の地下水の排水構造。
- 前記骨材は、時間の経過とともに消失する増粘材と混合して流動状態で充填されることを特徴とする請求項6に記載の地下水の排水構造。
- 地山内に構築されたトンネルの周囲に存在する地下水を排水するための排水構造を備えたトンネルの構築方法において、
前記シールド機の後部において、複数のセグメントを連結して覆工体を構築する覆工体構築工程と、
トンネル掘削面と前記覆工体の外周面との間に透水性裏込材を充填する充填工程と、
前記覆工体を貫通して、前記透水性裏込材を通じて前記トンネルの周囲の地下水を前記トンネル内に通水する開口部を形成する開口部形成工程とを備えることを特徴とするトンネルの構築方法。
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