JPH1193224A - 地下水取水施設 - Google Patents

地下水取水施設

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JPH1193224A
JPH1193224A JP25119797A JP25119797A JPH1193224A JP H1193224 A JPH1193224 A JP H1193224A JP 25119797 A JP25119797 A JP 25119797A JP 25119797 A JP25119797 A JP 25119797A JP H1193224 A JPH1193224 A JP H1193224A
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JP
Japan
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water
groundwater
ground
water collecting
layer
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Application number
JP25119797A
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English (en)
Inventor
Hironori Momota
博宣 百田
Hisashi Takenaka
久 竹中
Hidetake Ishizaki
秀武 石崎
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤中における透水層からの大規模な取水を
可能とするとともに、従来の地下ダム等に比較して、立
地上の制約が少なく、なおかつ、建設コストを削減する
ことが可能であるような地下水取水施設を提供する。 【解決手段】 地下水取水施設31を、地表面33から
地盤32中を掘り下げて形成した揚水坑35と、揚水坑
35から延出する集水構造36とを備えた構成とすると
ともに、集水構造36を、少なくともその先端部43a
が地盤32中の透水層39内に位置するように設けられ
た集水パイプ43を備えた構成とし、さらに、集水パイ
プ43の先端部43aに、透水層39中に滞留する地下
水を取水するための取水孔45を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤内に設置され
て、地下水を取水するための地下水取水施設に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、飲料水、工業用水、農業用水等
に用いられる水資源は、主に河川、湖沼等からの自然水
域からの取水、ダムからの取水、および、土壌中の地下
水揚水で賄われている。しかし、近年、河川、湖沼水の
取水施設やダムの建設に有利な立地は少なくなってきて
おり、これらによる水資源の確保は従来より困難になっ
てきている。
【0003】一方、土壌中の地下水揚水は、井戸により
行われるのが最も一般的であるが、井戸による取水は、
一般的に規模が小さく、また井戸毎に揚水ポンプが必要
で管理も煩雑であるため、大規模な地下水開発が困難で
ある場合がある。
【0004】このような事情に鑑み、地中の地下水資源
を大規模に取水できる施設として、本願発明の発明者ら
は、先に、図7に示すような施設を提案した。図7に示
す地下水取水施設1は、本出願人の出願による特開平9
−132928号公報記載のものであり、地盤2におけ
る岩盤層3に設けられた集水トンネル4と、集水トンネ
ル4によって集めた水を貯留するための貯水槽5と、貯
水槽5から水を揚水するための揚水手段6とを備えた構
成とされている。
【0005】集水トンネル4は、その壁面8に集水孔
9,9,…が多数設けられた構成とされるとともに、そ
の底部10が、貯水槽5に向かって下り勾配となるよう
に形成されている。岩盤層3に滞留する地下水は、集水
トンネル4の壁面8および集水孔9,9,…において自
然湧水として発生するとともに、貯水槽5に向かって流
下し、さらに、貯水槽5から揚水手段6によって地上に
揚水されることとなる。
【0006】一方、地中の地下水を大規模に取水可能と
する別の施設の例としては、図8に示すような地下ダム
12が知られている。地下ダム12は、地表面13から
透水層(砂層または砂礫層)14を貫通して、岩盤層1
5にまで到達するように形成された止水壁17を備えた
構成とされており、止水壁17によって透水層14中を
流下する地下水をせき止め、せき止めた地下水を井戸1
8,18,…によって揚水して利用するものである。
【0007】この地下ダム12においては、図9に示す
ように、地盤中を平面視した場合に、止水壁17が、岩
盤層15が尾根をなすように連なる岩盤層の尾根地形2
0,20の間に建設され、図中矢印で示すような地下水
の流れをせき止めることによって、止水壁17および尾
根地形20,20に囲まれた空間Sにおいて透水層14
中の地下水を効率的に貯留することが可能である。これ
により、地下水の大規模な利用を図ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の地下
水取水施設1は、固結性の高い岩盤層3からの取水を対
象としたものであり、単純な構造により構築できる反
面、建設可能箇所に制約があるものであった。また、一
般に、岩盤層は透水性が低いことが多く、地下水資源の
さらなる大規模利用を図るためには、岩盤層からだけで
なく、砂層や砂礫層などの高透水性土壌からも大規模な
取水が可能であるような施設を開発する必要があった。
【0009】一方、上述の地下ダム12においては、図
9に示したような立地とされた場合には、高透水性土壌
からの大規模な取水が可能となるが、このように地下ダ
ム12の立地に適した場所は希であり、また、尾根地形
20,20の間を完全に遮蔽するためには、多大な建設
コストが必要となっていた。
【0010】本発明は、以上のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、地盤中における透水層からの大規模な
取水を可能とするとともに、従来の地下ダム等に比較し
て、立地上の制約が少なく、なおかつ、建設コストを削
減することが可能であるような地下水取水施設を提供す
ることを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の地下水取
水施設は、地表面から地盤中を掘り下げることにより形
成された揚水坑と、該揚水坑から延出する集水構造とを
備えてなり、該集水構造は、少なくともその先端部が前
記地盤中の透水層内に位置するように設けられた集水パ
イプを備えた構成とされ、該集水パイプの先端部には、
前記透水層中に滞留する地下水を取水するための取水孔
が設けられていることを特徴とする。
【0012】上記のような構成とされるため、この地下
水取水施設においては、施設内部に土砂が侵入する心配
がなく、砂層や砂礫層等の固結性に欠けるような地盤中
からにおいても、確実に地下水を取水することができ
る。
【0013】請求項2記載の地下水取水施設は、請求項
1記載の地下水取水施設であって、前記揚水坑には、そ
の内部の水位を調整するための水位調整手段が備えられ
ていることを特徴とする。
【0014】上記のような構成とされるため、この地下
水取水施設においては、取水孔に対して揚水坑側から作
用する水圧を調整することができる。
【0015】請求項3記載の地下水取水施設は、請求項
1または2記載の地下水取水施設であって、前記地盤
は、岩盤層を有するとともに、前記透水層が該岩盤層上
に積層する構成とされ、前記揚水坑は、前記地表面から
前記透水層を貫通し前記岩盤層に到達するように掘削さ
れるとともに、その少なくとも下位部が、前記岩盤層中
に位置する構成とされ、前記集水構造は、前記揚水坑の
下位部から延出していることを特徴とする。
【0016】上記のような構成とされるために、この地
下水取水施設においては、集水構造から取水した地下水
を岩盤層中に位置する揚水坑の下位部に集めることがで
きる。
【0017】請求項4記載の地下水取水施設は、請求項
1ないし3のいずれかに記載の地下水取水施設であっ
て、前記集水構造は、前記揚水坑から延出するように形
成されたシールドトンネルを備えた構成とされ、前記集
水パイプは、該シールドトンネルから延出するように設
けられていることを特徴とする。
【0018】上記のような構成とされるため、この地下
水取水施設は、固結性に欠ける地盤内においても集水構
造を構築することができる。
【0019】請求項5記載の地下水取水施設は、請求項
3または4記載の地下水取水施設であって、前記集水構
造は、前記岩盤層内に設けられて前記揚水坑の下位部か
ら上り勾配に延出するように連絡トンネルと、前記岩盤
層内に設けられて該連絡トンネルと連通する集水トンネ
ルとを備えた構成とされ、前記集水パイプは、該集水ト
ンネルから延出するように設けられていることを特徴と
する。
【0020】上記のような構成とされるため、この地下
水取水施設においては、連絡トンネルおよび集水トンネ
ルをNATM工法で建設することができる。また、連絡
トンネルおよび集水トンネルの配置の仕方によっては、
集水パイプを広範囲に渡って設置することが可能であ
る。
【0021】請求項6記載の地下水取水施設は、地表面
から地盤中を掘り下げることにより形成された揚水坑
と、該揚水坑から延出するシールドトンネルとを備えて
なり、該シールドトンネルは、その少なくとも一部が、
前記地盤中の透水層内に位置するように形成され、該一
部を構成するセグメントには、該透水層内に滞留する地
下水を前記シールドトンネル内部に導入可能とする集水
孔が設けられていることを特徴とする。
【0022】上記のような構成とされるため、この地下
水取水施設においては、透水層が固結性に欠けるような
場合であっても、透水層中の地下水を確実に集水するこ
とが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を、図1および2を参照して説明する。図1に示すよう
に、地下水取水施設31は、地盤32内に設置された施
設であり、地表面33から地盤32中を掘り下げること
によって立坑として形成された揚水坑35と、揚水坑3
5から延出する集水構造36とから概略構成されてい
る。
【0024】地盤32は、岩盤層38上に砂層または砂
礫層からなる透水層39が積層する構成とされており、
揚水坑35は、地表面33から透水層39を貫通して岩
盤層38に到達するように形成されている。また集水構
造36は、揚水坑35における岩盤層38内に位置する
下位部35aから延出する構成とされている。
【0025】また、集水構造36は、揚水坑35の下位
部35aから上り勾配に傾斜するように延出するシール
ドトンネル42と、シールドトンネル42から延出する
集水パイプ43,43,…とを備えた構成とされてい
る。シールドトンネル42は、その先端部42aが岩盤
層38を貫通して、透水層39に到達するように形成さ
れており、集水パイプ43は、シールドトンネル42の
先端部42aから延出する構成とされている。これによ
り、集水パイプ43の先端部43aが透水層39内に位
置することとなる。
【0026】また、集水パイプ43は、その先端部43
aが、透水層39内部に滞留する地下水を取水可能な取
水孔45として形成されており、これにより、取水孔4
5から取水された地下水は、集水パイプ43を介して、
シールドトンネル42内部に導入されることとなる。さ
らに、集水パイプ43は、取水孔45から透水層39の
砂等が侵入することのないように、内部に図示しない排
水材が装填された構成とされている。
【0027】また、揚水坑35の下位部35aの内部に
は、揚水装置46が設けられている。揚水装置46は、
揚水パイプ47を介して地上側と接続されており、これ
により揚水坑35内部に滞留する水を地上に揚水するこ
とが可能な構成とされている。また、これら揚水装置4
6および揚水パイプ47を用いて揚水坑35内部から水
を揚水することで、揚水坑35内部の水位を調整するこ
とが可能であり、これにより、揚水装置46および揚水
パイプ47は、揚水坑35内部の水位を調整することが
可能な水位調整手段48として機能することとなる。な
お、ここでは、水位調整手段48により、揚水坑35内
部の水位L1が、地盤32内の地下水位L2よりも常に低
くなるように設定されることとなる。
【0028】以上のような構成とされた地下水取水施設
31は、地盤32中において岩盤層38が谷地形を形成
している場所に構築される。図2は、このような地下水
取水施設31の設置箇所の状況を平面視した図である。
図中に示すように、地盤32内においては、岩盤層38
によって尾根地形49,49が形成されており、これら
尾根地形49,49の間が、岩盤層38の谷地形50と
なる。
【0029】谷地形50は、図中矢印pによって示した
方向に下り勾配に傾斜しており、したがって、岩盤層3
8上に位置する透水層39(図1参照)においては、地
下水が図中Ap,Ap,…として示すような方向に流下す
ることとなる。地下水取水施設31は、尾根地形47,
47同士の位置が近接する谷地形50の狭隘部50aに
対して設置されており、これにより透水層39(図1参
照)中を流下する地下水を効率的に集水することが可能
とされている。
【0030】次に、以上のような構成とされた地下水取
水施設31によって地下水を取水する際の作用について
説明する。地下水取水施設31においては、地盤32内
の地下水と、揚水坑35内部に滞留する水とが、集水パ
イプ43、シールドトンネル42、および揚水坑35を
介して連通されるとともに、水位調整手段48により、
揚水坑35内部の水位L1が地盤32内部の地下水位L2
よりも低く設定される。このため、集水構造36には、
水位L2およびL1の間の水位差ΔH(図1参照)に対応
したエネルギー勾配が生じることとなる。
【0031】したがって、取水孔45においては、透水
層39中の地下水が自然に湧水するとともに、集水構造
36内において形成されるエネルギー勾配により、湧水
した地下水が、図1中矢印Bで示すように、集水構造3
6内を揚水坑35に向かって自然流下することとなる。
さらに、この地下水は、揚水坑35の下位部35aに一
時的に滞留した後、揚水装置46によって地上に揚水さ
れ、さらに、浄水場等に送水されることにより利用に供
されることとなる。
【0032】また、このとき、揚水坑35内の水位L1
を変化させて、取水孔45において集水構造36側から
作用する水圧を調整するようにすれば、取水孔45,4
5,…からの取水量を調整することが可能である。
【0033】上述の地下水取水施設31においては、地
盤32内部の透水層39中に、取水孔45を有する集水
パイプ43の先端部43aを配置する構成としたため
に、透水層39内部の地下水を、集水構造36を介して
揚水坑35に導入し、これを揚水して利用することが可
能である。特に、集水パイプ43を用いたために、透水
層39から土砂が侵入して施設内部を閉塞する心配がな
く、砂層や砂礫層等の固結性に欠ける地盤からでも、地
下水の取水を確実に行うことが可能である。また、集水
構造36を大規模化することによって、地下水の大規模
利用が可能である。また、この地下水取水施設31は、
従来の地下ダムと異なり、地盤内の岩盤層(不透水層)
の形状、深さや、地盤の透水性等の地形地質上の制約を
うけることなく立地が可能である。また、それに加え
て、この地下水取水施設31は、図2のような立地とさ
れた場合に、従来の地下ダムと異なり、岩盤層38の尾
根地形49,49間の谷地形50を完全に閉塞すること
がなく、地下ダムと比較してその建設に係るコストを大
幅に低減化することができる。さらに、谷地形50が閉
塞されないために、施設建設に伴って、施設の下流側に
おける地下水利用者の地下水の利用が妨げられることが
ない。
【0034】また、この地下水取水施設31において
は、揚水坑35に対して水位調整手段48が設けられて
いるために、揚水坑35の水位を地盤32内の地下水の
水位よりも低く調整しておくことによって、施設の水頭
値(ポテンシャル値)を周囲の地盤32に比較して低く
設定することが可能であり、これにより、その集水性能
を高度のものとすることができる。
【0035】さらに、地下水取水施設31においては、
集水構造36の基端部となる揚水坑35の下位部35a
が岩盤層38内に設置される構成とされているため、集
水構造36によって集水した地下水を貯留しておく揚水
坑35の下位部35aを特別な止水構造とすることなく
形成することができる。これにより、揚水坑35の構築
に係るコストの低減化ならびに作業の容易化を図ること
ができる。
【0036】さらに、地下水取水施設31においては、
集水構造36の一部としてシールドトンネル42を採用
したことから、透水層39の地質条件がどのようなもの
であっても、集水構造36を構築することができる。こ
れにより、施設の立地に係る制約を少なくすることがで
きる。
【0037】以上において本発明の実施の形態の一例を
説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるもの
でなく、その主旨を逸脱しない範囲内で、その構造や設
置対象箇所等について他の形態を採用しうるものであ
る。
【0038】例えば、上記実施の形態において、岩盤層
38の透水性が比較的高い場合には、シールドトンネル
42のうち、岩盤層38内に位置する部分に対して集水
パイプ43を設けることにより、岩盤地下水の取水を行
うようにしてもよい。
【0039】また、上記実施の形態の地下水取水施設3
1は、揚水坑35が、岩盤層38にまで到達するように
形成されるとともに、シールドトンネル42が、岩盤層
38から透水層39に到る構成とされていたが、岩盤層
38の位置が深い場合には、揚水坑35および岩盤層3
8の全部を透水層39内に構築するようにしてもよい。
【0040】さらに、上記実施の形態において、シール
ドトンネル42に集水パイプ43を設ける代わりに、図
3に示すようにシールドトンネル42を構成するセグメ
ントSeに対して集水孔51,51,…を設けるように
し、集水孔51,51,…から直接、透水層39中の地
下水を取水するようにしてもよい。
【0041】また、それとは別に、上記実施の形態にお
ける地下水取水施設31の代わりに、施設を図4,5
や、図6に示すような構成としても構わない。図4に示
す地下水取水施設52は、上述の地下水取水施設31と
同様に、揚水坑35および集水構造53から概略構成さ
れるものであるが、集水構造53が、岩盤層38内にお
いてNATM工法により形成された連絡トンネル54お
よび集水トンネル55と、集水トンネル55から延出す
る集水パイプ43とから構成されるという点で、上記実
施の形態と異なっている。
【0042】連絡トンネル54は、揚水坑35の下位部
35aから上り勾配に傾斜して延出し、集水トンネル5
5と揚水坑35とを連絡するように形成されている。ま
た、集水パイプ43は、その先端部43aが地盤32内
の透水層39中に位置するように配置され、先端部43
aには、透水層39に滞留する地下水を取水可能な取水
坑45が設けられた構成とされている。また、集水パイ
プ43の内部には透水層39からの砂等の侵入を規制す
るための図示しない排水材が充填されている。
【0043】このような構成とされるため、取水坑45
から取水された地下水は、まず、集水パイプ43を通じ
て集水トンネル55内に導入され、さらに、連絡トンネ
ル54を自然流下することによって揚水坑35内部に導
かれることとなる。
【0044】図5は、地下水取水施設52を平面視した
際の状況を示す図である。図中に示すように、集水トン
ネル55は、その軸線が、連絡トンネル54の軸線と略
直交状態となるように形成されている。さらに、集水パ
イプ43は、集水トンネル55の延在方向に間隔をおい
て複数設けられている。
【0045】この地下水取水施設52は、連絡トンネル
54および集水トンネル55が岩盤層38内に位置する
構成とされるために、これらをNATM工法によって構
築することが可能であり、これにより、シールド工法を
採用する場合に比較して、その建設コストを低減化する
ことができる。さらに、地下水取水施設52において
は、集水トンネル55および集水パイプ43を図5に示
したように配置したため、広範囲の集水が可能であり、
これにより大規模な地下水利用が可能となる。
【0046】また、図6に示す地下水取水施設57は、
揚水坑35から上記実施の形態と同様の集水パイプ43
が、直接延出する形式のものである。集水パイプ43に
よって集水された地下水は、揚水装置46によって地上
に揚水されることになるが、このとき、揚水装置46が
揚水坑35内部の水位L1を地下水位L2よりも低い位置
に調整する水位調整手段48としての役割を果たすこと
により、集水パイプ43の両端間の水頭差が確保され、
これにより集水パイプ43内部の流水が滞ることがな
い。この地下水取水施設57においては、トンネルを構
築する必要がないために、トンネル構築に係るコストが
低減され、その施工も容易なものとなる。
【0047】また、図1,4,6に示したような地下水
取水施設31,52,57において、揚水坑35を立坑
でなく斜坑とするようにしてもよい。また、それに加え
て、これら地下水取水施設31,52,57を海底下の
地盤に設置することによって、海水を取水するような構
成としてもよい。さらに、地下水取水施設31,52,
57において使用される集水パイプ43は、その内部に
排水材が充填された構成のものであったが、そのかわり
に、集水パイプの内部に砂利や砕石によって形成された
フィルター材を充填し、これにより透水層39からの砂
等の侵入を防止するようにしてもよい。また、集水パイ
プ43として、中空のドレーンパイプの先端にプラグを
取り付けたものを採用してもよい。
【0048】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない
範囲内であれば、いかなる形態を採用してもよく、ま
た、以上に示したような各形態の構成を適宜選択的に組
み合わせるようにしても構わない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る地
下水取水施設においては、地盤内部の透水層中に、取水
孔を有する集水パイプの先端部を配置した構成としたた
めに、透水層内部の地下水を、集水構造を介して揚水坑
に導入する際に、施設内部に土砂が侵入する心配がな
く、透水層が砂層や砂礫層等の固結性に欠けるものであ
っても、地下水取水を確実に行うことが可能である。ま
た、集水パイプの本数等を増やすことによって、透水層
中の地下水の大規模利用が可能である。また、この地下
水取水施設は、同じく透水層中の地下水の大規模利用を
可能とする地下ダムと比較した場合、地盤内の不透水層
の形状、深さや、地盤の透水性等の地形地質上の制約を
うけることなく立地が可能であり、その建設コストも大
幅に安価とすることができる。さらに、施設建設に伴っ
て、施設の下流側における地下水利用者の地下水の利用
が妨げられる懸念も生じることがない。
【0050】請求項2に係る地下水取水施設において
は、揚水坑に水位調整手段が設けられているために、こ
の水位調整手段によって、揚水坑内の水位を地盤内の地
下水の水位よりも低く調整しておくことにより、施設の
水頭値(ポテンシャル値)を周囲の地盤に比較して低く
設定することが可能であり、これにより、施設が集水機
能を十分に発揮することが可能とされる。また、これに
より、取水孔から揚水坑への水流を確保することもでき
る。
【0051】請求項3に係る地下水取水施設において
は、集水構造の基端部となる揚水坑の下位部が岩盤層内
に設置される構成とされる。したがって、取水した地下
水を貯留しておく揚水坑の下位部を特別な止水構造とす
る必要がなく、これにより、揚水坑の構築に係るコスト
の低減化ならびに作業の容易化を図ることができる。
【0052】請求項4に係る地下水取水施設において
は、集水構造の一部としてシールドトンネルを採用した
ことから、透水層の地質条件がどのようなものであって
も、集水構造を構築することが可能であり、これによ
り、施設の立地に係る制約を少なくすることができる。
【0053】請求項5に係る地下水取水施設において
は、連絡トンネルおよび集水トンネルが岩盤中に形成さ
れるため、これらをNATM工法によって構築すること
が可能であり、シールドトンネルを構築する場合に比較
して、その建設コストを低減化することができる。さら
に、集水パイプおよび集水トンネルの配置を変化させる
ことによって、透水層中の地下水を広範囲から大規模に
取水することが可能である。
【0054】請求項6に係る地下水取水施設において
は、シールドトンネルに形成された集水孔から直接地下
水が取水されるために、砂層や砂礫層等の固結性に欠け
る地盤からにおいても、効果的に取水を行うことが可能
である。また、この施設においても、地下ダムと比較し
て、立地上の制約が少なく、建設コストが安価である等
の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態のを模式的に示す地下
水取水施設の立断面図である。
【図2】 図1に示した地下水取水施設の立地状況を示
すための地盤の平面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態を示すシールドトン
ネルの側面図である。
【図4】 本発明のさらに別の実施の形態を示す地下水
取水施設の立断面図である。
【図5】 図4に示した地下水取水施設の平面図であ
る。
【図6】 本発明のさらに別の実施の形態を示す地下水
取水施設の立断面図である。
【図7】 本発明の従来の技術を示すための地下水取水
施設の立断面図である。
【図8】 本発明の従来の技術を示す地下ダムの立断面
図である。
【図9】 図8に示した地下ダムの立地を示す地盤の平
面図である。
【符号の説明】
31,52,57 地下水取水施設 32 地盤 33 地表面 35 揚水坑 35a 下位部 36,53 集水構造 38 岩盤層 39 透水層 42 シールドトンネル 43 集水パイプ 43a 先端部 45 取水孔 48 水位調整手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地表面から地盤中を掘り下げることによ
    り形成された揚水坑と、該揚水坑から延出する集水構造
    とを備えてなり、 該集水構造は、少なくともその先端部が前記地盤中の透
    水層内に位置するように設けられた集水パイプを備えた
    構成とされ、 該集水パイプの先端部には、前記透水層中に滞留する地
    下水を取水するための取水孔が設けられていることを特
    徴とする地下水取水施設。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の地下水取水施設であっ
    て、前記揚水坑には、その内部の水位を調整するための
    水位調整手段が備えられていることを特徴とする地下水
    取水施設。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の地下水取水施設
    であって、 前記地盤は、岩盤層を有するとともに、前記透水層が該
    岩盤層上に積層する構成とされ、 前記揚水坑は、前記地表面から前記透水層を貫通し前記
    岩盤層に到達するように掘削されるとともに、その少な
    くとも下位部が、前記岩盤層中に位置する構成とされ、 前記集水構造は、前記揚水坑の下位部から延出している
    ことを特徴とする地下水取水施設。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の地
    下水取水施設であって、 前記集水構造は、前記揚水坑から延出するように形成さ
    れたシールドトンネルを備えた構成とされ、 前記集水パイプは、該シールドトンネルから延出するよ
    うに設けられていることを特徴とする地下水取水施設。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の地下水取水施設
    であって、 前記集水構造は、前記岩盤層内に設けられて前記揚水坑
    の下位部から上り勾配に延出するように連絡トンネル
    と、前記岩盤層内に設けられて該連絡トンネルと連通す
    る集水トンネルとを備えた構成とされ、 前記集水パイプは、該集水トンネルから延出するように
    設けられていることを特徴とする地下水取水施設。
  6. 【請求項6】 地表面から地盤中を掘り下げることによ
    り形成された揚水坑と、該揚水坑から延出するシールド
    トンネルとを備えてなり、 該シールドトンネルは、その少なくとも一部が、前記地
    盤中の透水層内に位置するように形成され、 該一部を構成するセグメントには、該透水層内に滞留す
    る地下水を前記シールドトンネル内部に導入するため集
    水孔が設けられていることを特徴とする地下水取水施
    設。
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