JP2010095741A - マグネシウム合金の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた引張強度と良好な延性を有するマグネシウム合金を得ることができ、かつ、実生産に充分に対応することが可能であるマグネシウム合金の製造方法を提供する。
【解決手段】必須成分としてZnとYとを含有し、残部がMgと不可避的不純物とからなるMg−Zn−Y合金を鋳造して、LPSOとαMg相とを含む鋳造材を形成し、鋳造材に押出加工等の塑性加工を施す。その後、350℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内での熱処理を施す。
【選択図】図5

Description

本発明はマグネシウム合金の製造方法に関する。詳しくは、高強度であると共に高延性であるマグネシウム合金の製造方法に係るものである。
一般に、マグネシウム合金は、実用化されている合金の中で最も密度が低く軽量で強度も高いため、電気製品の筐体や、自動車のホイール、足回り部品、エンジン回り部品等への適用が進められている。
特に、自動車に関連する用途の部品においては、高い機械的性質が要求されるため、GdやZn等の元素を添加したマグネシウム合金として、片ロール法、急速凝固法により特定の形態の材料を製造することが行われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
しかし、上記したマグネシウム合金は、特定の製造方法においては高い機械的性質が得られるものの、特定の製造方法を実現するためには特殊な設備が必要であり、しかも、生産性が低いといった問題があり、更には、適用できる部材も限られるといった問題があった。
そこで、従来、マグネシウム合金を製造する場合、上記した特許文献1及び特許文献2に記載の様な特殊な設備あるいはプロセスを用いずに、生産性の高い通常の溶解鋳造から塑性加工(押出)を実施しても、実用上有用な機械的性質が得られる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。なお、特許文献3に開示されているマグネシウム合金は、高強度が得られることが知られている。
特開平6−41701号公報 特開2002−256370号公報 特開2006−97037号公報
しかしながら、従来の高強度を示すマグネシウム合金(例えば、特許文献3に記載のマグネシウム合金)は高延性を得ることが難しかった。例えば、従来の長周期積層構造相を有するマグネシウム合金では、300MPa程度の引張強度を有しているものの、伸びは10%未満であった。
また、市販のAZ系マグネシウム合金では300℃で1時間程度の焼きなましを施すことによって15%程度の伸びを実現することができるものの、引張強度は150MPa程度であった。
ここで、加工条件や加工方法を厳選することによって、塑性加工のみで高強度及び高延性を満足するマグネシウム合金を実現することがあるいは可能であるかもしれない。しかし、限定された加工条件や加工方法によって高強度及び高延性を満足するマグネシウム合金が実現したとしても、こうした限定された製造方法では、実生産に供するマグネシウム合金の製造方法としては充分であるとは言い難いものである。
本発明は以上の点に鑑みて創案されたものであって、優れた引張強度と良好な延性を有するマグネシウム合金を得ることができ、実生産に充分に対応することが可能なマグネシウム合金の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明のマグネシウム合金の製造方法では、必須成分としてZnとYを含有し、残部がMgと不可避的不純物とからなるMg−Zn−Y系合金を鋳造して、長周期積層構造相とαMg相とを含む鋳造材を形成する鋳造工程と、前記鋳造材に塑性加工を行う塑性加工工程と、該塑性加工工程により塑性加工を施した前記鋳造材に熱処理を施す熱処理工程とを備えるマグネシウム合金の製造方法であって、前記熱処理工程は、350℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内で行う。
ここで、熱処理工程を350℃以上の温度で行うのは、概ね10%以上の伸びを得るためである。図5(a)にMg97Zn合金を1時間焼きなました場合における熱処理温度と機械的特性(引張強度、0.2%耐力及び伸び)との関係を示し、図5(b)にMg96Zn合金を1時間焼きなました場合における熱処理温度と機械的特性(引張強度、0.2%耐力及び伸び)との関係を示す。これら図5(a)及び図5(b)から明らかな様に、熱処理温度が350℃以上で概ね300MPa以上の引張強度を実現しつつ概ね10%以上の伸びを得ることができるため、熱処理工程を350℃以上の温度で行うこととしている。なお、図5(a)及び図5(b)中符号aは引張強度を示し、符号bは0.2%耐力を示し、符号cは伸びを示している。
また、熱処理工程を500℃以下の温度で行うのは、500℃を超えるとマグネシウム合金の融点に近づいてしまうためであり、実生産を考慮して熱処理温度を500℃以下に限定している。
なお、熱処理温度を400℃以上の温度で行った場合には、長周期積層構造相中に含まれている2H構造を有するマグネシウム相が消失して安定組織である長周期積層構造相が現出し、300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね12%以上の伸びをも実現することができる。従って、熱処理工程は400℃以上の温度、詳しくは、400℃以上500℃以下の温度範囲内で行うのが好ましい。
更に、熱処理温度を450℃以上の温度で行った場合には、針状若しくは板状の長周期積層構造相が現出し、300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね18%以上の伸びをも実現することができる。従って、熱処理工程は450℃以上の温度、詳しくは、450℃以上500以下の温度範囲内で行うのがより一層好ましい。
また、熱処理時間を0.5時間以上としているのは、所望の機械的性質を得るためであり、具体的には、300MPa以上の引張強度と10%以上の伸びを実現するためである。
また、熱処理時間を10時間以下としているのは、10時間を超えて熱処理を行ったとしても、機械的性質や組織がそれほど大きな違いを生じないためである。
本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法では、優れた引張強度と良好な延性を有するマグネシウム合金を得ることができる。また、塑性加工と熱処理による組織制御を組み合わせることによって、塑性加工のみによる組織制御と比較すると加工条件や加工方法の制限が緩和され、実生産に充分に対応することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法を説明するためのフローチャートである。図1に示す様に、本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法では、先ず、鋳造工程S1により鋳造される。ここで、鋳造工程では、必須成分としてZnとYを含有し、残部がMgと不可避的不純物とからなるMg−Zn−Y系合金を鋳造して、長周期積層構造相(以下、「LPSO:Long Period Stacking Order」と称する。)とαMg相とを含む鋳造材を形成する。なお、本実施例では、鋳造工程によって形成される鋳造材が、Mg97Zn合金である場合とMg96Zn合金である場合を例に挙げて説明を行う。
次に、鋳造された鋳造材に、塑性加工工程S2を行う。この塑性加工工程の塑性加工は、例えば、押出加工、鍛造加工、圧延加工あるいは引抜加工等であり、鋳造材を塑性加工することによって得られる塑性加工物は、引張強度、伸び、0.2%耐力が著しく向上することとなる。
続いて、塑性加工された塑性加工物を350℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内で熱処理を施す熱処理工程S3を行う。
<Mg97Zn合金の場合>
鋳造工程によって形成される鋳造材がMg97Zn合金の場合には、熱処理工程によってαMg相の結晶粒径が7μm〜15μmとなる様に組織制御する。具体的には、350℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内で熱処理を施すことによって、αMg相の結晶粒径が7μm〜15μmとなる様に組織制御する。一例としては、400℃で1時間の熱処理を行うことで7μmの結晶粒径を得ることができ、500℃で1時間の熱処理を行うことで10μmの結晶粒径を得ることができ、500℃で10時間の熱処理を行うことで15μmの結晶粒径を得ることができる。
なお、αMg相の結晶粒径を7μm〜15μmに組織制御しているのは、Mg97Zn合金の場合には、こうした範囲内に組織制御することによって、概ね300MPa以上の引張強度と概ね10%以上の伸びの双方を実現することができるからである(図5(a)参照。)。
ここで、図2(a)はMg97Zn合金の押出材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図2(b)はMg97Zn合金の300℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図2(c)はMg97Zn合金の400℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図2(d)はMg97Zn合金の500℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真である。図2(a)〜図2(d)の中で、本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法によって得られたマグネシウム合金は、図2(c)及び図2(d)であるが、これらマグネシウム合金1は、その合金組織中に、LPSO2とαMg相3とを有している。なお、図2(a)〜図2(d)で示す顕微鏡写真において、黒色で表されている箇所がLPSOであり、粒状に見える箇所がαMg相である。
[LPSOについて]
本発明のマグネシウム合金の製造方法で得られるマグネシウム合金は、LPSOを有している。
ここで、LPSOとは、マグネシウム合金の粒内及び粒界に析出する析出物であって、HCP構造における底面原子層の並びが底面法線方向に長周期規則をもって繰り返される構造、即ち、長周期積層構造をいう。このLPSOの析出によって、マグネシウム合金の機械的特性(引張強さ並びに0.2%耐力)が向上することとなる。
<Mg96Zn合金の場合>
鋳造工程によって形成される鋳造材がMg96Zn合金の場合には、熱処理工程によってαMg相の結晶粒径が3μm〜8μmとなる様に組織制御する。具体的には、350℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内で熱処理を施すことによって、αMg相の結晶粒径が3μm〜8μmとなる様に組織制御する。一例としては、400℃で1時間の熱処理を行うことで3μmの結晶粒径を得ることができ、500℃で1時間の熱処理を行うことで8μmの結晶粒径を得ることができる。
なお、αMg相の結晶粒径を3μm〜8μmに組織制御しているのは、Mg96Zn合金の場合には、こうした範囲内に組織制御することによって、概ね300MPa以上の引張強度と概ね10%以上の伸びの双方を実現することができるからである(図5(b)参照。)。
ここで、図2(e)はMg96Zn合金の押出材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図2(f)はMg96Zn合金の300℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図2(g)はMg96Zn合金の400℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図2(h)はMg96Zn合金の500℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真である。図2(e)〜図2(h)の中で、本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法によって得られたマグネシウム合金は、図2(g)及び図2(h)であるが、これらマグネシウム合金1は、その合金組織中に、LPSO2とαMg相3とを有している。なお、図2(e)〜図2(h)で示す顕微鏡写真において、黒色で表されている箇所がLPSOであり、粒状に見える箇所がαMg相である。
ところで、図5(a)及び図5(b)のグラフからも明らかな様に、鋳造工程によって形成される鋳造材がMg97Zn合金の場合、Mg96Zn合金の場合の双方において、400℃以上の温度で熱処理を施した場合には、概ね300MPa以上の引張強度を実現しつつ、概ね12%以上の伸びを実現することができるマグネシウム合金を得ることができる。また、450℃以上の温度で熱処理を施した場合には、概ね300MPa以上の引張強度を実現しつつ、概ね18%以上の伸びを実現することができるマグネシウム合金を得ることができる。
ここで、図3(a)はMg96Zn合金の400℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であるが、図3(a)で示す顕微鏡写真からLPSOがαMg相粒内に析出していることが分かる。また、図3(b)はMg96Zn合金の425℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であるが、図3(b)で示す顕微鏡写真からLPSOがαMg相粒内に析出していることが図3(a)よりも明確に分かる。次に、図3(c)はMg96Zn合金の450℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であるが、図3(c)で示す顕微鏡写真から針状若しくは板状のLPSOがαMg相の粒界及び粒内に析出し始めていることが分かる。続いて、図3(d)はMg96Zn合金の475℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であるが、図3(d)で示す顕微鏡写真からαMg相の粒界及び粒内で針状若しくは板状のLPSOが成長し、また、針状若しくは板状のLPSO同士が合体していることが分かる。更に、図3(e)はMg96Zn合金の500℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であるが、図3(e)で示す顕微鏡写真からαMg相の粒界及び粒内で針状若しくは板状のLPSOが更に成長していることが分かる。なお、図3(a)〜図3(e)で示す顕微鏡写真において、黒色で表されている箇所がLPSOであり、粒状に見える箇所がαMg相である。
この様に、400℃以上の温度で熱処理を施すことにより、LPSO内に含まれていた2H構造を有するマグネシウム相が消失して安定組織であるLPSOが現出する結果となる。従って、上述の様に、概ね300MPa以上の引張強度を実現しつつ、概ね12%以上の伸びを実現することができるマグネシウム合金を得ることができるのである。
更に、450℃以上の温度で熱処理を施すことにより、現出したLPSOが針状組織若しくは板状組織を呈するために、押出加工材に比べてキンク帯の先鋭化が生じると共にLPSOが微細分散する結果となる。従って、上述の様に、概ね300MPa以上の引張強度を実現しつつ、概ね18%以上の伸びを実現することができるマグネシウム合金を得ることができるのである。
なお、図4(a)はMg97Zn合金の500℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図4(b)はMg97Zn合金の500℃、5時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図4(c)はMg97Zn合金の500℃、10時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であるが、図4(a)で示す結晶組織も図4(c)で示す結晶組織も、結晶粒径において大差はなく、本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法で得られるMg97Zn合金は熱的安定性に優れていることが分かる。なお、マグネシウム合金の再結晶温度が300℃であることに鑑みると、通常のマグネシウム合金の場合には、高温で長時間の熱処理を施した場合には、結晶粒径が成長することで伸びは改善するものの、引張強度が極端に低下してしまう。なお、図4(a)〜図4(c)で示す顕微鏡写真において、黒色で表されている箇所がLPSOであり、粒状に見える箇所がαMg相である。
同様に、図4(d)はMg96Zn合金の500℃、1時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図4(e)はMg96Zn合金の500℃、5時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であり、図4(f)はMg96Zn合金の500℃、10時間の焼きなまし材の結晶組織を示す顕微鏡写真であるが、図4(d)で示す結晶組織も図4(f)で示す結晶組織も、結晶粒径において大差はなく、本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法で得られるMg96Zn合金は熱的安定性に優れていることが分かる。なお、図4(d)〜図4(f)で示す顕微鏡写真において、黒色で表されている箇所がLPSOであり、粒状に見える箇所がαMg相である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、ここで示す実施例は一例であり本発明を限定するものではない。
[実施例(1)]
先ず、本発明の実施例(1)のマグネシウム合金の製造方法として、Znを1原子%、Yを2原子%とし、残部をMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y合金をアルゴンガス雰囲気中の高周波溶解炉内で溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型で鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃、押出比10、押出速度2.5mm/sの条件で塑性加工(押出加工)を行い、その後100℃〜500℃の熱処理温度にて1時間の熱処理(焼きなまし)を行ったものを作成した。
この様にして得られたそれぞれのマグネシウム合金を室温にて引張試験を行い、機械的特性を評価した結果を図5(a)に示す。
図5(a)から明らかな様に、本発明の実施例(1)のマグネシウム合金の製造方法で得られるMg97Zn合金は、350℃以上の温度で焼きなました場合には概ね300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね10%以上の伸びを実現することができる。更に、図5(a)から明らかな様に、本発明の実施例(1)のマグネシウム合金の製造方法で得られるMg97Zn合金は、400℃以上の温度で焼きなました場合には概ね300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね12%以上の伸びを実現し、450℃以上の温度で焼きなました場合には概ね300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね18%以上の伸びを実現することができる。
[実施例(2)]
また、本発明の実施例(2)のマグネシウム合金の製造方法として、Znを2原子%、Yを2原子%とし、残部をMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y合金をアルゴンガス雰囲気中の高周波溶解炉内で溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型で鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃、押出比10、押出速度2.5mm/sの条件で塑性加工(押出加工)を行い、その後100℃〜500℃の熱処理温度にて1時間の熱処理(焼きなまし)を行ったものを作成した。
この様にして得られたそれぞれのマグネシウム合金を室温にて引張試験を行い、機械的特性を評価した結果を図5(b)に示す。
図5(b)から明らかな様に、本発明の実施例(2)のマグネシウム合金の製造方法で得られるMg96Zn合金は、350℃以上の温度で焼きなました場合には概ね300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね10%以上の伸びを実現することができる。更に、図5(b)から明らかな様に、本発明の実施例(2)のマグネシウム合金の製造方法で得られるMg96Zn合金は、400℃以上の温度で焼きなました場合には概ね300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね12%以上の伸びを実現し、450℃以上の温度で焼きなました場合には概ね300MPa以上の引張強度を実現すると共に概ね18%以上の伸びを実現することができる。
本発明を適用したマグネシウム合金の製造方法を説明するためのフローチャートである。 結晶組織を示す顕微鏡写真(1)である。 結晶組織を示す顕微鏡写真(2)である。 結晶組織を示す顕微鏡写真(3)である。 焼きなまし温度と、引張強度、0.2%耐力及び伸びとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 マグネシウム合金
2 LPSO
3 αMg相

Claims (6)

  1. 必須成分としてZnとYを含有し、残部がMgと不可避的不純物とからなるMg−Zn−Y系合金を鋳造して、長周期積層構造相とαMg相とを含む鋳造材を形成する鋳造工程と、
    前記鋳造材に塑性加工を行う塑性加工工程と、
    該塑性加工工程により塑性加工を施した前記鋳造材に熱処理を施す熱処理工程とを備えるマグネシウム合金の製造方法であって、
    前記熱処理工程は、350℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内で行う
    マグネシウム合金の製造方法。
  2. 前記熱処理工程は、400℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内で行う
    請求項1に記載のマグネシウム合金の製造方法。
  3. 前記熱処理工程は、450℃以上500℃以下の温度範囲内で、かつ、0.5時間以上10時間以下の時間範囲内で行う
    請求項1に記載のマグネシウム合金の製造方法。
  4. 前記鋳造工程によりMg97Zn合金よりなる鋳造材を形成すると共に、
    前記熱処理工程によりαMg相の結晶粒径を7μm以上15μm以下に制御する
    請求項1に記載のマグネシウム合金の製造方法。
  5. 前記鋳造工程によりMg96Zn合金よりなる鋳造材を形成すると共に、
    前記熱処理工程によりαMg相の結晶粒径を3μm以上8μm以下に制御する
    請求項1に記載のマグネシウム合金の製造方法。
  6. 前記熱処理工程により針状若しくは板状の長周期積層構造相を現出せしめる
    請求項3に記載のマグネシウム合金の製造方法。
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