JP2010095093A - 電気自動車の空気調和機及び空気調和機の制御方法 - Google Patents

電気自動車の空気調和機及び空気調和機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】快適な暖房運転の温度制御が可能、且つ、消費電力の低減が可能な電気自動車の空気調和機、及び、空気調和機の制御方法を提供すること。
【解決手段】電気自動車1の空気調和機10は、暖房・冷房運転により、居住空間Dの空気調和が可能な空調装置11と、居住空間Dの目標室温を設定可能な設定パネル12と、空調装置11及び設定パネル12に接続され、空調装置11の暖房運転の異なる制御を有する制御部13と、を備え、制御部13は、車速vに基づいて暖房運転の制御を選択可能に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気自動車の空気調和機及び空気調和機の制御方法に関し、特に、暖房運転時の温度制御に関する。
一般的に、自動車は、車室内の環境を快適に調和し、且つ、窓ガラスの視認性を確保可能とするために、冷房、暖房、除湿、デミスト(demist)及びデフロスト等の機能を有する空気調和機が設けられている。
内燃機関を有する自動車の空気調和機は、例えば、冷房及び除湿に冷凍サイクル装置を用い、暖房にはエンジンの廃熱やヒータを用いるものが知られている。このように、内燃機関を有する自動車の暖房には、エンジンの廃熱の利用が可能となる。なお、このような内燃機関を有する自動車に用いる空気調和機として、アイドリング時等のエンジンの廃熱量が小さいときの暖房運転において、吹き出し空気の温度低下を防止するために、冷凍サイクル装置の能力を減少させるものも知られている(例えば特許文献1参照)。
内燃機関を有する自動車に対し、電気自動車の場合には、内燃機関であるエンジンは用いられず、駆動機構として走行モータをバッテリにより駆動させて動力とする。このような走行モータやバッテリ等により発生する熱は、内燃機関のそれに比べ小さく、走行モータの熱(廃熱)を暖房に用いることができない。
このため、電気自動車の空気調和機には、バッテリに蓄えられた電気エネルギが用いられる。電気自動車の空気調和機の一例として、冷房及び除湿用に、モータにより駆動するコンプレッサを用いた冷凍サイクル装置(ヒートポンプ)が用いられるものが知られている。また、暖房用に、空気や水等の触媒を電気ヒータで熱し、温度を調節した空気をブロアファン等で送風して車内の環境を調和するものが知られている。
このような電気自動車の空気調和機は、車両内部空間に温度調整ダイヤルが配置されており、車内温度を温度調整ダイヤルにより設定することが可能に形成されている。なお、内燃機関を有する自動車の空気調和機にも、温度調整ダイヤルは設けられている。
特開2000−185548号公報
上述した電気自動車の空気調和機では以下の問題があった。即ち、電気自動車の空気調和機にはバッテリに蓄えられた電気エネルギが用いられるが、この電気エネルギは、走行モータの駆動にも用いられる。このため、空気調和機に電気エネルギを使用すると、走行距離が低減するという問題がある。
また、自動車の走行中には、走行風により車内の熱の逃げが発生する。このため、空気調和機の暖房運転の設定温度は、自動車の走行時であっても車内温度(室温)の調和可能な温度設定として、暖房により暖められた車両内部の熱が車外に逃げることが考慮された設定温度がなされている。即ち、熱の逃げを考慮するため、目標とする室温よりも空気調和機の設定温度が高く設定されている。
なお、内燃機関を有する自動車においては、アイドリング時の内燃機関の回転数は低下するため、暖房の設定温度が同一であっても、暖房機能が低下する。これにより、アイドリング時には、暖房機能の低下により車内温度も低下し、走行時及びアイドリング時の両方共に適切な車内の空気調和が可能である。しかし、電気自動車は、バッテリの電気エネルギを使用するため、アイドリング時であっても設定温度が高い状態で暖房運転がなされる、即ち、アイドリング時及び走行時に係らず常に一定の暖房運転が行なわれる。
このように、電気自動車の空気調和機は、アイドリング時の暖房運転においても、走行時の暖房運転の設定温度と同一の制御が行なわれるため、室内温度が走行時に比べ高くなる。即ち、アイドリング時であっても、走行時の暖房設定で暖房運転が行われるため、アイドリング時の室内温度が設定よりも高くなり、バッテリの電力を無駄に使用することとなる。特に、電気自動車の空気調和機の運転は、バッテリの電気エネルギが用いられるため、無駄な空気調和機の運転は、走行距離の低減にもなり、不要な電気エネルギの損失となる。
そこで本発明は、快適な暖房運転の温度制御が可能、且つ、消費電力の低減が可能な電気自動車の空気調和機及び空気調和機の制御方法を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の電気自動車の空気調和機及び空気調和機の制御方法は、次のように構成されている。
本発明の一態様として、車両に搭載された二次電池と、この二次電池からの電力供給により前記車両の居住空間を冷暖房運転可能に形成され、前記居住空間の室温を目標室温に調和可能とする熱交換媒体の設定温度に基いて運転される空調装置と、前記目標室温を任意に設定可能に形成された設定部と、前記空調装置の暖房運転時に前記設定部で設定される各目標室温に対する各設定温度の組合せである前記空調装置の設定温度群を複数有し、これら設定温度群のいずれか一を前記車両の走行状態により選択し、この選択した設定温度群に基いて前記空調装置を暖房運転可能に形成された制御部と、を備え、前記複数の設定温度群は、前記設定温度の組合せの少なくともその一部の設定温度が異なる設定温度に設定されていることを特徴とする電気自動車の空気調和機が提供される。
本発明の一態様として、車両内部の居住空間の室温を目標室温に調和可能とする熱交換媒体の設定温度に基いて前記車両に搭載された二次電池からの電力供給により運転される空気調和機の制御方法において、前記室温を任意の目標室温に設定する工程と、前記車両の走行状態を前記車両の車速の遅速により判断する工程と、前記空調装置の暖房時に前記設定部で設定される各目標室温に対する設定温度の組合せであり、且つ、この設定温度の組合せの少なくとも一部の設定温度が異なる設定温度に設定された複数の前記空調装置の設定温度群のうち一方の設定温度群を前記車速の遅速により選択する工程と、この選択した設定温度群の設定温度に基いて前記空調装置を暖房運転させる工程と、を備えることを特徴とする空気調和機の制御方法が提供される。
本発明によれば、電気自動車の走行状態に応じて快適な暖房運転が可能な電気自動車の空気調和機及び電気自動車の制御方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る空気調和機10を用いた電気自動車1を図1〜4を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る空気調和機10を用いた電気自動車(車両)1の構成を模式的に示す説明図、図2は同空気調和機10の設定パネル12の構成を示す正面図、図3は同空気調和機10の制御の一例を示す説明図、図4は同空気調和機10の設定温度群の一例を示す説明図、図5は同空気調和機10の運転制御を示す流れ図、図6は同空気調和機10の運転制御の一部を示す流れ図である。尚、図1中、Dは居住空間を、Eは収納空間を、Sは電気配線をそれぞれ示している。
図1に示すように電気自動車1は、車両本体(以下、「車体」)2と、バッテリ3と、充電器4と、駆動機構5と、空気調和機10と、を備えている。なお、電気自動車1は、車体2、バッテリ(二次電池)3、充電器4、駆動機構5及び空気調和機10以外にも各構成品、例えばEV−ECUやステアリング機構等を有しているが、ここではその説明を省略する。
車体2は、その内部が、搭乗者や荷物等が搭乗するスペースである居住空間Dと、バッテリ3、駆動機構5及び空気調和機10等の電気自動車1の構成品を収納・設置する収納空間Eとが、仕切部6により仕切られている。この仕切部6は、例えば、床面パネルやダッシュパネル等の複数の部材により形成されている。
バッテリ3は、例えば大容量のリチウムイオン電池等により形成されている。バッテリ3は、充電器4、駆動機構5及び空気調和機10等の各構成品とCAN−cのCANケーブル等(以下「電気配線」)Sにより接続されている。バッテリ3は、電気配線Sを介して駆動機構5及び空気調和機10に電気エネルギを供給(電力供給)可能に形成されている。
充電器4は、外部、例えば家庭用電源から入力された交流電圧をバッテリ3の充電用の直流電圧に変換するインバータ等を有している。また、充電器4は、車体2外部の各種電源へと接続可能に形成されている。
駆動機構5は、電気配線Sによりバッテリ3に接続され、モータ7と、駆動車輪8とを備えている。例えば、モータ7は、駆動指示があった場合に、バッテリ3の電気エネルギにより駆動可能に形成されている。駆動車輪8は、モータ7により駆動可能に形成されている。また、駆動機構5は、駆動車輪8の回転数等から、電気自動車1の走行時の車速vを検出可能に形成されている。
空気調和機10は、暖房・冷房運転により、居住空間Dの空気調和が可能な空調装置11と、空気調和運転の各種設定を行なう設定パネル12と、空調装置11及び設定パネル12に接続された空気調和機10用の制御部13と、を備えている。なお、空気調和機10は、バッテリ3の電気エネルギにより運転される。
また、空気調和機10は、空気調和が成された空気を居住空間Dに吹き出す吹出口を複数有している。なお、複数の吹出口は、例えば、搭乗者の足元付近に吹出す吹出口、搭乗者胴部に吹出す吹出口、及び、窓ガラスに向って吹出す吹出口(ディフロスタ)等がある。
空調装置11は、例えば、冷房・除湿運転時にコンプレッサをコンプレッサ駆動用モータで駆動させるヒートポンプを用いた冷凍サイクル装置(エアコン、A/C)と、暖房運転時に水を加熱させて温水とする電気温水ヒータとを備えている。空調装置11は、エアコンにより冷却された空気、及び、温水により熱せられた空気を、各吹出口から居住空間Dに吹出すブロアファン(以下、「ファン」として説明)を有している。なお、空調装置11の構成は、これに限定されるものではない。
図2に示すように、設定パネル12は、仕切部6から居住空間Dに一部露出可能に形成されている。設定パネル12は、仕切部6から居住空間D側に露出することで、居住空間Dから操作可能に配置されている。また、設定パネル12は、収納空間E及び、電気配線S等が露出しないように、仕切部6の一部を形成する化粧パネル部(以下「パネル部」)15を有している。なお、このパネル部15は、爪部等を用いて仕切部6に固定可能に形成されている。
設定パネル12は、パネル部15に設けられた複数の設定ダイヤル16を備えている。この設定ダイヤル16は、温度設定部(設定部)17と、ファン設定部18と、吹出切換部19と、を備えている。また、設定パネル12は、温度設定部17、ファン設定部18及び吹出切換部19が、電気配線Sにより制御部13と電気的に接続されている。
温度設定部17は、エアコンスイッチ21と、温度調整ダイヤル22と、を備えている。例えば、温度設定部17は、エアコンスイッチ21が円板状に形成され、温度調整ダイヤル22が、円環状、且つ、エアコンスイッチ21の周囲を所定の角度間において回動可能に形成されている。
エアコンスイッチ21は、押圧することでエアコンのON/OFF、即ち、エアコンの運転の切り換えが可能に形成されている。エアコンスイッチ21は、エアコンスイッチ21の操作情報が電気配線Sを介して制御部13に伝達可能に形成されている。また、エアコンスイッチ21は、その表面に、エアコンのON/OFFの状態を報知するA/C報知手段23と、エアコンスイッチ21及び温度調整ダイヤル22の操作の案内を行なう第1案内表示部24と、を有している。
A/C報知手段23は、エアコンスイッチ21を操作(押圧)し、エアコンがONの場合に、光によりエアコンがONであることを報知可能に形成されている。即ち、A/C報知手段23は、エアコンスイッチ21を一度操作することで点灯し、エアコンがONであることを報知可能に形成されている。この状態で、再度エアコンスイッチ21が操作されると、A/C報知手段23は消灯し、エアコンがOFFであることを報知可能に形成されている。
第1案内表示部24は、例えば、エアコンスイッチ21の上側半分側、且つ、外周縁側に印刷等により設けられ、温度調整ダイヤルの位置及び設定温度を案内する温度案内表示24aを有している。また、第1案内表示部24は、エアコンスイッチ21の略中央に印刷等により設けられ、エアコンスイッチ21の操作を案内するA/C操作案内表示24bを有している。
温度案内表示24aは、例えば、温度調整ダイヤル22の位置により、冷房温度及び暖房温度の大まかな設定が視認可能に形成されている。詳しく述べると、温度案内表示24aは、エアコンスイッチ21の頂点部を境に、左側が冷房部、右側が暖房部に分かれており、それぞれ冷房部が「C」、暖房部が「H」と記載されている。また、温度案内表示24aは、頂点部から離間するにしたがい、頂点部から略90°までその幅が徐々に広くなる円弧が冷房部及び暖房部にそれぞれ記載されている。
A/C操作案内表示24bは、例えば、「PUSH A/C」が記載されており、押圧操作によりエアコンスイッチ21の操作が可能であることが記載されている。
温度調整ダイヤル22は、回動位置を視認可能な第1位置印22aが設けられている。また、温度調整ダイヤル22は、例えば、エアコンスイッチ21の周囲を略180°回動可能に形成されている。即ち、温度調整ダイヤル22の回動は、第1位置印22aがエアコンスイッチ21の頂点部を基準として、左右方向にそれぞれ略90°回動可能に形成されている。
温度調整ダイヤル22は、居住空間Dの室温を任意の目標室温に設定可能に形成されている。温度調整ダイヤル22は、例えば所定の回転角度回動時に、多少の抵抗が発生することで、所定の回動位置(ポジションP)に第1位置印22aを回動及び位置されることが可能に形成されている。また、温度調整ダイヤル22は、複数のポジションPを有している。
例えば、温度調整ダイヤル22は、冷房運転時であって、居住空間Dの室温(目標室温)が一番低温なるように設定されている位置としてポジションPがある。また、温度調整ダイヤル22は、暖房運転時に居住空間Dの室温(目標室温)が、一番高温になるよう設定されている位置としてポジションP13がある。温度調整ダイヤル22は、これらポジションPとポジションP13の間に、等間隔にポジションが配置されており、これにより、温度調整ダイヤル22は、ポジションP〜P13を有している。なお、図2中実線及び二点鎖線により示された第1位置印22aは、各ポジションP〜P13を示している。
なお、後述する制御部13により、温度調整ダイヤル22は、冷房運転時に、設定温度をポジションP〜Pに回動することで、居住空間Dの室温を目標室温とするための空気調和機10からの吹き出し温度を設定可能に形成されている。同様に、後述する制御部13により、温度調整ダイヤル22は、暖房運転時に設定温度をポジションP〜P13に回動することで、居住空間Dの室温を目標室温とするための空気調和機10からの吹き出し温度を設定可能に形成されている。
ファン設定部18は、ファン設定案内部26と、ファン設定ダイヤル27と、を備えている。例えば、ファン設定部18は、ファン設定案内部26が円板状に形成され、ファン設定ダイヤル27が、円環状、且つ、ファン設定案内部26の周囲を所定の角度間で回動可能に形成されている。
なお、ファン設定部18は、制御部13により、ファンによる吹出風量をOFF、及び、弱〜強までの複数段に設定可能、且つ、制御部13による居住空間Dの温度により自動的に吹出風量を自動設定した運転(AUTO運転)が可能に形成されている。なお、このAUTO運転は、例えば制御部13が、居住空間Dの室温に対して予め定められたファンの吹出風量にしたがってファンを運転させる運転であるが、ここでは、その詳細は省略する。
ファン設定案内部26は、ファン設定ダイヤル27の操作の案内を行なう第2案内表示部28を有している。第2案内表示部28は、例えば、ファン設定案内部26表面の略上半分側、且つ、外周縁側に印刷等により設けられ、ファン設定ダイヤル27の位置及びファン設定を案内するファン設定案内表示28aを有している。
ファン設定案内表示28aは、例えば、ファン設定ダイヤル27の位置により、ファン風量の概略的な設定が視認可能に形成されている。詳しく述べると、ファン設定案内表示28aは、ファン設定案内部26の略左端部(頂点部から時計回りに略270度の位置)周辺から頂点部を介して対称位置である右端部まで、記載されている。ファン設定案内表示28aは、左端部に「OFF」と表示され、この「OFF」の上方から右端部までその幅が徐々に広くなるファン風量を示す円弧が表示されるとともに、「OFF」の記載の下方に「AUTO」が表示されている。
ファン設定ダイヤル27は、回動位置を視認可能な第2位置印27aが設けられている。また、ファン設定ダイヤル27は、例えば、ファン設定案内部26の周囲を所定角度回動可能に形成されている。このファン設定ダイヤル27の回動は、第2位置印27aがファン設定案内表示28aに対応するファン設定案内部26の周囲を回動可能に形成されている。
ファン設定ダイヤル27は、例えば、ファン設定案内表示28aの「OFF」と「AUTO」との間、及び、「OFF」とファン風量を示す円弧との間を回動させる際に、多少の抵抗が発生するよう形成されている。この抵抗により、ファン設定ダイヤル27は、所定の回動位置(ポジション)に第2位置印27aを配置可能に形成されている。
吹出切換部19は、内外気切換スイッチ30と、吹出口切換ダイヤル31と、を備えている。吹出切換部19は、例えば、内外気切換スイッチ30が円板状に形成され、吹出口切換ダイヤル31が、円環状、且つ、内外気切換スイッチ30の周囲を所定の角度回動可能に形成されている。
内外気切換スイッチ30は、押圧することで、空気の取り入れを内気及び外気のどちらかに設定可能に形成されている。ここでは、内外気切換スイッチ30を押圧し、ONとすることで、内気循環に切換可能な構成で、以下説明する。内外気切換スイッチ30は、押圧することで、制御部13にその情報が電気配線Sを介して伝達可能に形成されている。また、内外気切換スイッチ30は、その表面に、内外気切換のON/OFFの状態を報知する内外気報知手段32と、内外気切換スイッチ30及び吹出口切換ダイヤル31の操作の案内を行なう第3案内表示部33と、を有している。
内外気報知手段32は、内外気切換スイッチ30を操作(押圧)し、内外気切換スイッチ30がON(内気循環)の場合に、光が点灯し、内気循環である旨が報知可能に形成されている。即ち、内外気報知手段32は、内外気切換スイッチ30を一度操作することで点灯し、内気循環であることを報知可能に形成されている。この状態で、再度内外気切換スイッチ30が操作されると、内外気報知手段32は消灯し、外気取り入れであることを報知可能に形成されている。
第3案内表示部33は、例えば、内外気切換スイッチ30の略左端部から頂点部を介して右端部まで印刷等により設けられた吹出口案内表示33aを有している。また、第3案内表示部33は、内外気切換スイッチ30の略中央に印刷等により設けられた、内外気切換スイッチ30の操作を案内する内外気操作案内表示33bを有している。
吹出口案内表示33aは、空気調和が成された空気を吹き出す吹出口が視認可能に形成されている。例えば、吹出口案内表示33aは、左端部から、「AUTO」、「搭乗者胴部」、「搭乗者胴部及び搭乗者足元」、「搭乗者足元」、「搭乗者足元及びディフロスタ」、及び、「ディフロスタ」である旨を視認可能なマークが記載されている。
内外気操作案内表示33bは、例えば、「PUSH」及び「内気循環マーク」が記載されており、押圧操作により内外気切換スイッチ30の操作が可能であることが視認可能に記載されている。なお、内外気操作案内表示33bの「内気循環マーク」の下方に内外気報知手段32が設けられており、内外気報知手段32が点灯した際には、内気循環である旨が視認可能となっている。
吹出口切換ダイヤル31は、回動位置を視認可能な第3位置印31aが設けられている。また、吹出口切換ダイヤル31は、例えば、内外気切換スイッチ30の周囲を所定角度回動可能に形成されている。この吹出口切換ダイヤル31の回動は、第3位置印31aが内外気操作案内表示33bに対応する内外気切換スイッチ30の周囲を回動可能に形成されている。
吹出口切換ダイヤル31は、「AUTO」、「搭乗者胴部」、搭乗者胴部及び搭乗者足元」、「搭乗者足元」、「搭乗者足元及びディフロスタ」、及び、「ディフロスタ」間を回動させる際に、多少の抵抗が発生するように形成されている。この抵抗により、吹出口切換ダイヤル31は、所定の回動位置(ポジション)に第3位置印31aを配置可能に形成されている。
制御部13は、温度設定部17、ファン設定部18及び吹出切換部19の設定毎に異なる信号(電圧等)を受信可能な構成となっている。即ち、制御部13は、これら設定パネル12からの信号に基いて、設定パネル12の各設定状態を認識可能に形成されている。
また、制御部13は、設定パネル12の設定状態に基いて予め設定された空調装置11の運転条件(例えば、図4に示す暖房設定温度テーブル)として、複数、本実施例では2つの設定温度の組み合わせである設定温度群を有している。この設定温度群の設定温度は、空調装置11の熱交換媒体、ここでは電気温水ヒータの設定温度を示している。
制御部13は、これら設定温度群のいずれかを電気自動車1の走行状態に基いて選択可能に形成されている。また、制御部13は、選択された設定温度群であって、温度調整ダイヤル22のポジションに対応した設定温度群の設定温度に基いて空調装置11の温水ヒータを運転可能に形成されている。また、制御部13は、例えば、駆動機構5が検出した車速を受信するとともに、認識可能に形成されている。
制御部13は、温度調整ダイヤル22のポジションP〜Pの位置に基いて居住空間Dの目標室温を変化させ、この目標室温により空調装置11のエアコンを制御し、空調装置11を運転可能に形成されている。なお、このとき、制御部13は、エアコンスイッチ21がONの場合にエアコンを運転させるが、エアコンスイッチ21がOFFの場合には、空調装置11のファンのみを駆動し、送風を行なうこととなる。
制御部13は、温度調整ダイヤル22のポジションP〜P13の位置に基いて居住空間Dの目標室温を変化させ、この目標室温に対する空調装置11の電気温水ヒータの設定温度を制御し、空調装置11を運転可能に形成されている。
制御部13は、ファン設定部18により設定されたファンの強弱に従って、吹出切換部19の設定に基いた吹出口から、空気調和がなされた空気を送風させる。
詳しく説明すると制御部13は、空気調和に関する制御を行なう機能として、少なくとも以下に示す(1)〜(4)の機能を有している。
(1)温度設定部17による目標室温の設定に基いて空気調和機10の冷房運転の温度制御を行なう冷房温度制御機能。
(2)温度設定部17による目標室温の設定及び車速vに基いて空気調和機10の暖房運転の温度制御を行なう暖房温度制御機能。
(3)ファン設定部18によるファン設定に基いて空気調和機10の風量制御を行なう風量制御機能。
(4)吹出切換部19による吹出口設定に基いて空気調和機10の吹出口を変更する吹出口制御機能。
上記制御部13による各機能(1)〜(4)について説明する。
(1)冷房温度制御機能は、温度調整ダイヤル22の第1位置印22aがポジションP〜Pに位置するとき、各ポジションPに応じて制御部13が、冷凍サイクル装置のコンプレッサの消費電力を変更して空調装置11を運転させる。このように、冷房温度制御機能は、制御部13が、温度調整ダイヤル22のポジションにより設定された吹出温度となるように、空調装置11に設けられた冷凍サイクル装置のコンプレッサを制御して、冷房運転を行なう機能である。なお、ポジションPに対する冷凍サイクル装置の運転制御の回転数等の設定温度は、車体2の形状や材質、及び、空気調和機10の能力等により適宜変更可能であり、その詳細な設定値は省略する。
(2)暖房温度制御機能は、温度調整ダイヤル22の第1位置印22aがポジションP〜P13に位置するとき、制御部13が、電気温水ヒータの設定温度を所定の設定温度とし、温水の熱を、ファン等により車内に吹出し可能に形成されている。また、この暖房温度制御機能は、例えば、図3に示すように走行状態として、制御部13が、車速vの遅速に基いて空調装置11の制御を変更する機能を有している。即ち、制御部13は、空調装置11により適切な室温とすることが可能な設定温度群を、電気自動車1の走行状態を車速の遅速に基いて判断し、この判断した走行状態に基いて、暖房運転の制御を選択(変更)するものである。
例えば、暖房温度制御機能は、車速が所定の車速v時には、暖房運転の運転制御としてID(idle)制御を行ない、車速が所定の車速v時には、暖房運転の運転制御として通常制御を行なう。
車速vは、車がアイドル状態、又は、走行による走行風等の外気の影響により居住空間Dの室温の低下が少ない車速であればよい。なお、走行による走行風等の外気の影響により居住空間Dの室温の低下が少ない車速vとは、車体2の形状や材質等により異なるため、ここではその説明は省略する。
また、車速vは、走行時における走行風等の外気により、居住空間Dの所定の室温が低下する車速であればよい。なお、走行による走行風等の外気の影響により居住空間Dの室温の低下が少ない車速vとは、車体2の形状や材質等により異なるため、ここではその説明は省略する。これら、設定温度群の選択(通常制御及びID制御の選択)の基準となる車速v、vは、車体2の形状や材質、及び、空気調和機10の能力等により適宜変更可能であり、ここではその詳細な設定値は定義しないが、車速vは車速vよりも遅い速度(v<v)とする。
即ち、図3に示すように、車速v≧vの場合には、制御部13は、通常制御にて暖房運転を行なう。車速v≦vの場合には、制御部13は、ID制御にて暖房運転を行なう。また、制御部13は、通常制御による暖房運転中において車速vが変化し、車速v≦vとなった場合に、空気調和機10の制御方法を通常制御からID制御に変更し、暖房運転を行なう。制御部13は、ID制御による暖房運転中において車速vが変化し、車速v≧vとなった場合に、空気調和機10の制御方法をID制御から通常制御に変更し、暖房運転を行なう。
また、制御部13は、図4に示すような、温度調整ダイヤル22の位置、及び、車速vに基く電気温水ヒータの設定温度、即ち、目標水温の暖房設定温度テーブルを有している。この暖房設定温度テーブルには、2つの設定温度群が記憶されている。ここで、通常制御時の電気温水ヒータの設定温度は、ポジションP〜P13に対して、それぞれT(℃)〜T(℃)に設定されており、これらT(℃)〜T(℃)が通常制御時の設定温度群である。なお、設定温度は、居住空間Dの室温を目標室温とすることが可能となる温水とするための電気温水ヒータの温度であるが、目標室温とすることが可能であれば、他の設定温度でもよい。
次に、電気温水ヒータの設定温度T〜Tの関係の一例を説明する。
通常制御時の電気温水ヒータの設定温度T〜Tの関係は、T<T<T<T<T<Tに設定されている。また、例えば、T〜TはTに所定の温度α℃を順次高くすることで設定されている。即ちT=T+α、T=T+α、T=T+α、T=T+α、T=T+αに設定されている。なお、所定の温度α℃は、任意に設定可能であり、また、各設定温度における所定の温度αは異なる温度であってもよい。
ID制御時の電気温水ヒータの設定温度は、ポジションP〜P13に対して、それぞれT(℃)〜T(℃)に設定されており、これらT(℃)〜T(℃)がID制御時の設定温度群である。ID制御時の電気温水ヒータの設定温度T〜Tの関係は、例えば、T=T、及び、T(又はT)<T<T<T<Tに設定されている。また、T〜TはT(又はT)に所定の温度α℃を順次高くすることで設定されている。即ちT=T+α、T=T+α、T=T+α、T=T+αに設定されている。
なお、通常制御及びID制御は、電気温水ヒータの設定温度が、T=T=Tに設定されている。ポジションPにおいては、通常制御及びID制御共に、電気温水ヒータの設定温度は同一に設定されており、ID制御のみ、ポジションPがポジションPと同一に設定されている。また、通常制御及びID制御は、ポジションP13において、通常制御の方がID制御より電気温水ヒータの設定温度がα(℃)高く設定されている。即ち、ID制御の設定温度群は、通常制御の設定温度群に比べ、その設定温度がいずれかにおいて低く設定されている。
暖房温度制御機能は、制御部13が、これらの通常制御及びID制御の選択を車速vに基いて判断し、温度設定部17の温度調整ダイヤル22のポジションPに基き、電気温水ヒータを制御して、暖房運転を行なう機能である。
(3)風量制御機能は、ファン設定ダイヤル27のポジションにより、制御部13がファンの回転数を制御し、吹出口からの風量を変更する。なお、制御部13は、ファン設定ダイヤル27の位置印27aが「AUTO」に対応する位置であるときに、居住空間Dの室温と目標室温とを比較し、目標室温と室温との温度差の大小により、その風量を制御可能に形成されている。このように、風量制御機能は制御部13が、ファン設定ダイヤル27の位置に基いて空気調和機10の風量制御を行なう機能である。
(4)吹出口制御機能は、吹出口切換ダイヤル31のポジションにより、制御部13が、空気調和された空気がファンにより吹出す吹出口を開とする機能である。なお、制御部13は、吹出口切換ダイヤル31の第3位置印31aが「AUTO」に対応する位置であるときには、居住空間D内の室温等に基いて、その吹出口を選択する。このように、吹出口制御機能は、制御部13が、吹出口切換ダイヤル31のポジションに基いて吹出口の選択を行なう機能である。
次に、図5、6の流れ図に示すように、空気調和機10の動作の一例を示す。
まず、搭乗者が、設定パネル12を操作して、空気調和機10の運転指示を行う(ステップST1)。このような搭乗者の操作による設定パネル12の各設定を、制御部13は検出する。このとき、ファン設定ダイヤル27の第2位置印27aのポジションが「OFF」以外に位置すると、制御部13は、これを検知し、空調装置11の運転を開始させる。この空調装置11の運転により、ファンが回転し、空気調和機10の運転が開始することとなる。
先ず、制御部13は、風量制御機能及び吹出口制御機能により、設定パネル12の各設定に基いてファンの風量及び吹出口を決定する。次に、制御部13は、温度調整ダイヤル22のポジションを検出する(ステップST2)。次に、制御部13は、検出した温度調整ダイヤル22のポジションが暖房温度制御機能を行なうポジションP〜P13であるか否かを判定する(ステップST3)。
ここで、検出した温度調整ダイヤル22のポジションPがP〜P13である場合(ステップST3のYES)には、制御部13は、車速vを検出する(ステップST4)。
制御部13は、検出した車速vが所定の車速vと同一、又は車速vより小さいか否かの判定を行なう(ステップST5)。車速vが所定の車速vと同一、又は車速vより小さい場合(ステップST5のYES)には、制御部13は、ID制御により暖房運転を行なう判定を行い、ID制御の設定温度群により電気温水ヒータの設定温度(目標水温)を設定する(ステップST6)。このとき、ポジションPがPの場合にはT=T、Pの場合にはT=T、P10の場合にはT=T、P11の場合にはT=T、P12の場合にはT=T、P13の場合にはT=Tにそれぞれ設定される。
このように、制御部13は、設定温度を設定したら、暖房運転として、この設定温度に基いて、電気温水ヒータを熱して水を温水とし、この温水によりファンからの風を熱し、吹出口から温風を吹出して、居住空間Dを暖める(ステップST7)。
制御部13は、このようなID制御による暖房運転を行ないながら、再度車速vを検出し(ステップST8)、検出した車速vがID制御から通常制御に変更する車速(車速v≧v)か否かの判断を行なう(ステップST9)。検出した車速vが所定の車速vより小さい場合(ステップST9のNO)には、ID制御にて暖房運転を継続する。
次に、ステップST4で検出した車速vが所定の車速vより大きい場合(ステップST5のNO)の説明をする。この場合、制御部13は、車速vが所定の速度(車速)vと同一、又は、車速vより大きいか否かの判定を行なう(ステップST10)。車速vが所定の車速vと同一、又は、車速vより大きい場合(ステップST10のYES)には、制御部13は、通常制御により暖房運転を行なう判定をし、設定温度を設定する(ステップST11)。このとき、ポジションPがPの場合にはT=T、Pの場合にはT=T、P10の場合にはT=T、P11の場合にはT=T、P12の場合にはT=T、P13の場合にはT=Tにそれぞれ設定される。
このように、制御部13は、通常制御により設定温度を設定したら、暖房運転として、この設定温度に基いて、電気温水ヒータを熱して温水とし、この温水によりファンからの風を熱し、吹出口から温風を吹出して、居住空間Dを暖める(ステップST12)。
次いで、制御部13は、通常制御にて暖房運転を行ないながら、再度車速vを検出し(ステップST13)、検出した車速vが通常制御からID制御に変更する車速(車速v≦v)か否かの判断を行なう(ステップST14)。検出した車速vが所定の車速vより大きい場合(ステップST14のNO)には、ID制御にて暖房運転を継続する。
制御部13は、ステップST9のNO、及び、ステップST14のNOの場合には、暖房運転を継続するとともに、温度調整ダイヤル22のポジションPが搭乗者により操作されたか否かの判断を行なう(ステップST15)。
温度調整ダイヤル22のポジションPが操作されていない場合(ステップST15のNO)には、制御部13は、搭乗者から運転停止の指示、即ち、ファン設定ダイヤル27を「OFF」の位置に回動させたか否かの判断を行なう(ステップST16)。ここで、搭乗者が、ファン設定ダイヤル27を「OFF」の位置に回動させて暖房運転の停止操作を行なったら(ステップST16のYES)、制御部13は、空気調和機10の運転を停止させる(ステップST17)。なお、ステップST16において、運定停止の操作を搭乗者がしていない場合(ステップST16のNO)には、制御部13は、再び車速vを検出する(ステップST4)。これ以降はステップST5以降からの動作となる。
なお、ステップ15において、搭乗者により温度調整ダイヤル22が操作され、ポジションPが変更された場合(ステップST15のYES)には、制御部13は、温度調整ダイヤル22のポジションPを確認する(ステップST2)。これ以降はステップST3以降からの動作となる。
ステップST8において検出した車速vが車速vと同一、又は、車速vより大きい場合(ステップST9のYES)には、制御部13は、通常制御として設定温度を設定して暖房運転を行なう(ステップST11)。これ以降はステップST12以降からの動作となる。
ステップST13において検出した車速vが車速vと同一、又は、車速vより小さい場合(ステップST14のYES)には、制御部13は、ID制御として設定温度を設定して暖房運転を行なう(ステップST6)。これ以降はステップST7以降からの動作となる。
次に、ステップST4において検出した車速vが、所定の車速vより大きく(ステップST5のNO)、且つ、所定の車速vより小さい(ステップST10のNO)の場合について説明する。
図5のステップST4において検出した車速vが、所定の車速vより小さい(ステップST10のNO)の場合には、図6の流れ図のXへと移行する。図6に示すように、制御部13は、ステップST4にて検出した車速vが車速vより大きく、車速vより小さい場合(ステップST30)には、制御部13は、通常制御による暖房運転中か否かの判断を行なう。(ステップST31)。
通常制御による暖房運転中である場合(ステップST31のYES)には、制御部13は、通常制御による暖房運転を継続させる(ステップST32)。制御部13は、通常制御による暖房運転を行なうとともに、図5のYへと移行し、車速vの判定を行なう(ステップST13)。これ以降はステップST14以降からの動作となる。
通常制御による暖房運転中でない場合(ステップST31のNO)には、図6に示すように、制御部13は、ID制御による暖房運転中か否かの判断を行なう(ステップST33)。ID制御による暖房運転中である場合(ステップST33のYES)には、制御部13は、ID制御による暖房運転を継続させる(ステップST34)。制御部13は、ID制御による暖房運転を行なうとともに、図5のZへと移行し、車速vの判定を行なう(ステップST8)。これ以降はステップST9以降からの動作となる。
ID制御による暖房運転でない場合(ステップST33のNO)、即ち、空気調和機10の運転が停止状態から初めて行なわれた場合には、図6に示すように、制御部13は、通常制御により暖房運転を行なう判定をし、設定温度を設定する(ステップST35)。
制御部13は、通常制御により電気温水ヒータの設定温度を設定したら、暖房運転として、この設定温度に基いて、居住空間Dを暖める(ステップST36)。制御部13は、通常制御にて暖房運転を行なうとともに、図5のYへと移行し、車速vを検出する(ステップST13)。これ以降はステップST14以降からの動作となる。
ステップST2において検出した温度調整ダイヤル22のポジションPがP〜Pであった場合(ステップST3のNO)には、制御部13は、温度調整ダイヤル22のポジションPに基いて冷房運転又は送風運転を行なう(ステップST18)。なお、この冷房運転又は送風運転は、温度調整ダイヤル22のポジションによって異なる設定温度にて運転させるが、その詳細は省略する。
冷房運転又は送風運転中に温度調整ダイヤル22の操作があった場合(ステップST19のYES)には、制御部13は、温度調整ダイヤル22のポジションを確認する(ステップST2)。温度調整ダイヤル22のポジションを確認後、ステップST3以降からの動作となる
冷房運転又は送風運転中に温度調整ダイヤル22の操作がない場合(ステップST19のNO)には、冷房運転又は送風運転の停止指示があるまで冷房運転又は送風運転を継続する(ステップST20のNO)。冷房運転又は送風運転の停止指示があった場合(ステップST20のYES)には、制御部13は、空調機の運転を停止させる(ステップST17)。
このように構成された空気調和機10を用いた電気自動車1によれば、電気自動車1の状態の一である車速vに基いて暖房運転の制御を、設定温度が異なるID制御及び通常制御を制御部13により選択可能に形成されている。
制御部13による設定温度が異なる空気調和機10の制御により、電気自動車1が走行時においては通常制御として、走行による電気自動車1の熱の逃げが考慮された設定温度により暖房運転が成される。このため、走行時であっても、空気調和機10の運転により、居住空間D内の温度は、設定パネル12の、設定ダイヤル16に従った設定により快適に保たれることとなる。
また、電気自動車1がアイドリング時、又は、低速時においてはID制御として、走行風による熱の逃げがないことが考慮された設定温度により暖房運転が成される。このため、アイドリング時及び低速時であっても、空気調和機10の運転により、設定ダイヤル16に基いた必要な居住空間D内の室内温度が快適に保たれることとなる。即ち、走行風による熱の逃げが考慮されていない設定温度を用いることで、必要以上に室温を上昇させることがない。
また、必要以上の設定温度とすることなく暖房運転が可能となるため、空気調和機10の消費電力が必要最低限でよい。即ち、ID制御により空気調和機10を運転することで、居住空間Dの室温を適切に維持しながら、バッテリ3の電気エネルギの無駄な消費を防止することが可能となる。このため、電気自動車1の走行距離を向上させることが可能となる。
さらに、通常制御とID制御とを切り換える車速v及び車速vをv<vとすることで、電気自動車1の加速・減速時、及び、渋滞時等の頻繁な制御変更を防止することが可能となる。即ち、通常制御とID制御とを切り換える車速v及び車速vをv=vを含む範囲とすると、例えば、渋滞時等の電気自動車1の走行時において、車速vがv(v)の場合に、通常制御及びID制御とが頻繁に切り替わる虞がある。このような場合では、ID制御であってもよい車速の場合にも、通常制御により暖房運転が成される場合がある。この場合には、暖房運転における設定温度は、余計な発熱となり、無駄な電気エネルギが消費されることとなる。
上述したように空気調和機10を用いた電気自動車1によれば、車速vに基いて、車内が快適となる室温となるように複数(2つ)の暖房設定温度テーブルを用いて制御することで、快適な室温となる空調が可能となり、且つ、消費電力を低減することが可能となる。また、これにより、電気自動車1の走行距離を向上させることが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、上述した空気調和機10の設定パネル12は、その構成に限定されることない。例えば、設定パネル12の設定ダイヤル16は、温度調整ダイヤル22が、略180°回動可能に形成されており、ポジションP〜P13を有しているとしたが、回動可能な範囲は、例えば120°でもよいし、ポジションPをさらに細かく、例えば、ポジションP〜P18でもよい。
また、上述した例では、設定ダイヤル16は、回動可能とすることで、各種設定を行なうとしたが、直線的にスライドすることで設定可能な設定ダイヤルでもよい。即ち、空気調和機10の運転の設定が可能であれば、適宜設定可能である。
また、制御部13は、車速vに基づいて通常制御とID制御のいずれかの制御により空調装置11の暖房運転を行なうとしたが、他の制御方法を有していてもよい。また、ID制御における設定温度は、ポジションP〜P13に対する設定温度をT(℃)〜T(℃)とし、これら設定温度の関係を、T=T<T<T<T<Tとしたが、これに限られるものではない。例えば、T=T=Tでもよい。即ち、空気調和機10の能力、車体2の形状等、様々な要因により、ポジションPに対する設定温度Tは、適宜変更可能である。
また、上述した例では、制御部13に設けられた設定温度群は2つとしたが、複数でもよく、このように設定温度群を2つ以上の複数とする場合には、通常制御及びID制御の他に異なる制御として、所定の車速を新たに設定すればよい。即ち、上述した車速v、v以外の車速vを設定し、このv時に新たに設けた設定温度群により空調装置11を制御すればよい。なお、制御部13に設定温度群(暖房設定温度テーブル)が記憶されているとしたが、他に記憶部を設け、この記憶部に設定温度群を記憶させても勿論よい。
さらに、上述した例では、設定温度群(制御)を選択する走行状態は、電気自動車1の車速の遅速により判断するとしたが、これに限定されるものではない。走行状態は、外気温度により判断してもよい。例えば、所定の外気温度を複数設定しておき、この所定の外気温度によって、ID制御及び通常制御等の暖房運転の制御を選択しても良い。また、車速の遅速と外気温度とを組み合わせて暖房運転の制御を選択することで、各走行状態における設定温度群を変化させてもよい。なお、走行状態とは、居住空間Dの室温の熱が外気に逃げる逃げ量等に影響する条件であればよく、例えば、車速及び外気温度だけでなく、天候や湿度等も、走行状態として考慮しても良い。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
本発明の一実施の形態に係る空気調和機を用いた電気自動車の構成を模式的に示す説明図。 同空気調和機の設定パネルの構成を示す正面図。 同空気調和機の制御の一例を示す説明図。 同空気調和機の設定温度の一例を示す説明図。 同空気調和機の運転制御を示す流れ図。 同空気調和機の運転制御の一部を示す流れ図。
符号の説明
1…電気自動車、2…車両本体(車体)、3…バッテリ、4…充電器、5…駆動機構、6…仕切部、7…モータ、7…ステップST、8…駆動車輪、10…空気調和機、11…空調装置、12…設定パネル、13…制御部、15…化粧パネル部(パネル部)、16…設定ダイヤル、17…温度設定部、18…ファン設定部、19…吹出切換部、21…エアコンスイッチ、22…温度調整ダイヤル、22a…位置印、23…A/C報知手段、24…案内表示部、24a…温度案内表示、24b…C操作案内表示、26…ファン設定案内部、27…ファン設定ダイヤル、27a…位置印、28…案内表示部、28a…ファン設定案内表示、30…内外気切換スイッチ、31…吹出口切換ダイヤル、31a…位置印、32…内外気報知手段、33…案内表示部、33a…吹出口案内表示、33b…内外気操作案内表示、D…居住空間、E…収納空間、S…CANケーブル(電気配線)。

Claims (4)

  1. 車両に搭載された二次電池と、
    この二次電池からの電力供給により前記車両の居住空間を冷暖房運転可能に形成され、前記居住空間の室温を目標室温に調和可能とする熱交換媒体の設定温度に基いて運転される空調装置と、
    前記目標室温を任意に設定可能に形成された設定部と、
    前記空調装置の暖房運転時に前記設定部で設定される各目標室温に対する各設定温度の組合せである前記空調装置の設定温度群を複数有し、これら設定温度群のいずれか一を前記車両の走行状態により選択し、この選択した設定温度群に基いて前記空調装置を暖房運転可能に形成された制御部と、を備え、
    前記複数の設定温度群は、前記設定温度の組合せの少なくともその一部の設定温度が異なる設定温度に設定されていることを特徴とする電気自動車の空気調和機。
  2. 前記走行状態は、前記車両の車速の遅速であることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の空気調和機。
  3. 前記複数の設定温度群の一は、前記少なくとも一部の設定温度が他の設定温度群に対して最も低い設定温度に設定され、
    前記制御部は、前記車両の車速が所定の車速より遅い場合に、前記複数の設定温度群のうち前記設定温度の最も低い設定温度群を用いて前記空調装置を暖房運転させることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車の空気調和機。
  4. 車両内部の居住空間の室温を目標室温に調和可能とする熱交換媒体の設定温度に基いて前記車両に搭載された二次電池からの電力供給により運転される空調装置を有する空気調和機の制御方法において、
    前記室温を任意の目標室温に設定する工程と、
    前記車両の走行状態を前記車両の車速の遅速により判断する工程と、
    前記空調装置の暖房時に前記設定部で設定される各目標室温に対する設定温度の組合せであり、且つ、この設定温度の組合せの少なくとも一部の設定温度が異なる設定温度に設定された複数の前記空調装置の設定温度群のうち一方の設定温度群を前記車速の遅速により選択する工程と、
    この選択した設定温度群の温度設定に基いて前記空調装置を暖房運転させる工程と、
    を備えることを特徴とする空気調和機の制御方法。
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