JP2010094773A - 回転工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピンドルを軸方向に移動させてクラッチ機構が接続、遮断されるスクリュードライバにおいて、スピンドルにシンクロ機能を持たせた場合、共回り停止状態で摩擦熱が発生して耐久性を低下させる原因になっていた。本発明では、供回り停止状態で摩擦熱の発生を抑制してクラッチ機構の耐久性を高めることを目的とする。
【解決手段】駆動ギヤ4を回転支持する中間軸21は、本体ケース26に回転不能に固定する。スピンドル5は中間スリーブ22を介して中間軸21に回転可能に支持する。中間スリーブ22との間に圧縮ばね23を介装してスピンドル5を駆動ギヤ4から離間する方向に付勢する。これにより、中間軸21とスピンドル5との間で摩擦熱が発生しないようにする。シンクロ機能を実現するためのシンクロ部材25は別途スピンドル5のフランジ部5aに取り付ける。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えばスクリュードライバと称されるねじ締め機等の回転動力を出力する回転工具に関する。
従来のクラッチ機構C0を備えたスクリュードライバ1が図2に示されている。このスクリュードライバ1は、本体ケース2に内蔵された電動モータ3(図2ではその出力軸3aのみが示されている。)を駆動源とし、これにより回転する駆動ギヤ4と、スピンドル5との間にクラッチ機構C0を備えている。電動モータ3は、図示省略したトリガ形式のスイッチレバーを指先で引き操作することにより起動する。駆動ギヤ4は、中間軸6及びスラスト軸受け13を介して回転可能に支持されている。中間軸6は、軸受け7を介して本体ケース2に回転可能かつ軸方向に変位可能に支持されている。
駆動ギヤ4とスピンドル5の相互の対向面には、相互に噛み合うクラッチ歯4a〜4a,5a〜5aが設けられている。スピンドル5は、中間軸6と軸受け8を介して軸方向に変位可能かつ軸回りに回転可能に本体ケース2に支持されている。このスピンドル5の先端にビット9が装着されている。中間軸6とスピンドル5との間には圧縮ばね10が介装されている。この圧縮ばね10によって、スピンドル5はクラッチ機構C0を切り離す方向(動力遮断側、図2において右側)に付勢されている。
また、駆動ギヤ4には、その回転方向に傾倒可能な係合ピンが周方向三等分位置に支持されている。クラッチ歯4a〜4a,5a〜5aが噛み合う直前において、スピンドル5側のクラッチ歯5a〜5aが係合ピンの先端部に係合することにより、各係合ピンが回転方向後側へ傾倒する。係合ピンが傾倒するとその後端角部が駆動ギヤ4の後面からはみ出してスラスト軸受け13に突き当てられるため、駆動ギヤ4が圧縮ばね10に抗して中間軸6と一体で軸方向前側へ変位する。こうして駆動ギヤ4が前進することにより、そのクラッチ歯4a〜4aとスリーブ5のクラッチ歯5a〜5aが瞬時に噛み合わされて回転動力の伝達がなされる。
ビット9の先端にねじ(図示省略)をセットして電動モータ3を起動させた状態で、当該スクリュードライバ1をねじ締め材に向けて押し付けると、スピンドル5が相対的に後退してそのクラッチ歯5a〜5aが係合ピン12〜12の先端に係合し、これにより係合ピン12〜12が傾倒して駆動ギヤ4が軸方向前側へ前進し、その結果クラッチ歯4a〜4aとクラッチ歯5a〜5aが瞬時に噛み合わされてクラッチ機構C0が接続される。クラッチ機構C0が接続されると、電動モータ3による回転動力がスピンドル5に伝達されてねじ締めがなされる。
ねじ締めの進行に伴ってストッパスリーブ14の先端がねじ締め材に当接し、その後さらにねじ締めが進行することによってスピンドル5は圧縮ばね10の付勢力によって前進する。ねじ締めが完了すると係合ピン12〜12の先端部からクラッチ歯5a〜5aが外れるため、駆動ギヤ4が圧縮ばね10の作用によって係合ピン12〜12を直立させつつ後側へ後退する。駆動ギヤ4が後退する結果、そのクラッチ歯4a〜4aとスピンドル5のクラッチ歯5a〜5aとの噛み合いが瞬時に外れてクラッチ機構C0が遮断される。クラッチ機構C0が遮断されると、電動モータ3の回転動力がスピンドル5に伝達されなくなる。また、駆動ギヤ4が後退することにより両クラッチ歯4a,5a間には適切な隙間が発生しているため駆動ギヤ4は静かに空転する。このように駆動ギヤ4に設けた係合ピン12〜12の傾倒により駆動ギヤ4自体が軸方向に進退させることにより、当該クラッチ機構C0の噛み合い、遮断が瞬時になされ、かつ動力遮断状態ではクラッチ歯相互の干渉を生ずることなく駆動ギヤ4が静かに空転する。このことから、当該クラッチ機構C0はいわゆるサイレントクラッチを構成している。
ねじ締め完了後にスクリュードライバ1の押し付け操作を解除すると、ストッパスリーブ14の先端がねじ締め材から離されてスピンドル5が圧縮ばね10の付勢力によって前進端位置に戻される。
通常この種のクラッチ機構C0では、スピンドル5のクラッチ歯5a〜5aが係合ピン12〜12に係合する段階、及びクラッチ歯4a〜4a,5a〜5aが相互に噛み合う段階で、駆動ギヤ4に対してスピンドル5が同調して回転していることによりスムーズに噛み合わせるためのシンクロ機構が採用されている。上記の構成では、中間軸6が本体ケース2に回転可能に支持され、この中間軸6とスピンドル5との間に介装した圧縮ばね10の付勢力を駆動ギヤ4及びスピンドル5に作用させて、クラッチ機構C0が噛み合う直前の段階においてスピンドル5を空転(シンクロ回転)させるようになっている。
一方で、ビット9に対するねじセット時等の便宜を図るために不必要時にはスピンドル5の空転(いわゆる共回り)を防止する必要がある。このために本体ケース2にはブレーキ部材11が取り付けられている。図示するようにスピンドル5が圧縮ばね10により回転動力遮断位置に戻された状態では、このブレーキ部材11にスピンドル5のフランジ部5bが圧縮ばね10の付勢力によって押し付けられることによりその空転が防止されるようになっている。
電動モータ3を起動してスクリュードライバ1をねじ締め方向に押し付けることによりスピンドル5が相対的に後退すると、そのフランジ部5bがブレーキ部材11から離れて回転抵抗がなくなるため、スピンドル5が圧縮ばね10の付勢力による回転方向の摩擦によって駆動ギヤ4と同調して回転し始める。クラッチ機構C0の接続時においてスピンドル5が同調回転することにより、係合ピン12〜12に対するクラッチ歯5a〜5aの係合、及びクラッチ歯4a〜4a,5a〜5aの噛み合い動作がスムーズになされることから当該クラッチ機構C0ひいてはスクリュードライバ1の静音性及び耐久性を高めることができる。
特開2005−66782号公報 特許第3071523号公報
しかしながら、上記従来のクラッチ機構C0によれば、上記のように圧縮ばね10の付勢力を利用してシンクロ回転させる構成であったため、クラッチ歯4a〜4a,5a〜5aが噛み合わない駆動ギヤ4の空転状態(回転動力遮断状態)であっても、圧縮ばね10の付勢力が中間軸6を経て駆動ギヤ4に作用し、またスピンドル5に作用する結果、駆動ギヤ4と中間軸6との間、中間軸6と圧縮ばね10との間、圧縮ばね10と支持孔5cの底部との間、及び中間軸6と支持孔5cの内周面との間で回転方向の滑りに伴う摩擦熱が発生し、これが当該クラッチ機構C0の耐久性を低下させる問題があった。
そこで、本発明では、スピンドルと中間軸との間における摩擦熱の発生を抑制してクラッチ機構の耐久性を高めることを目的とする。
このため、本発明は、特許請求の範囲の各請求項に記載した構成の回転工具とした。
請求項1記載の回転工具によれば、ねじ締め込み方向に押し付け操作してスピンドルを後退させるとクラッチ機構が接続されて電動モータの回転動力が駆動ギヤを経てスピンドルに伝達されてねじ締めがなされる。当該回転工具の押し付け操作を解除するとスピンドルが前進してクラッチ機構が遮断されることにより当該スピンドルに対する回転動力の伝達が遮断される。
駆動ギヤは中間軸を介して回転可能に支持され、スピンドルは中間スリーブを介して回転可能かつ軸方向に変位可能に中間軸に支持されている。この中間軸は、回転しない。このため、駆動ギヤが回転(空転)する状態であっても、その回転動力によって中間軸は回転(いわゆる、共回り)しないため、中間軸と中間スリーブとの間、中間スリーブと圧縮ばねとの間、及び圧縮ばねとスピンドルとの間の何れにも回転方向の滑りに伴う摩擦熱は発生せず、従って従来よりも摩擦熱の発生を抑制してクラッチ機構ひいては回転工具の耐久性を高めることができる。
また、駆動ギヤの空転状態において、スピンドルに供回りの回転トルクが伝達されないため、従来のブレーキ部材を省略することができる。
請求項2記載の回転工具によれば、スピンドルが後退すると、該スピンドルと駆動ギヤとの間でシンクロ部材の摩擦を介して駆動ギヤの回転動力によりスピンドルが空転(シンクロ回転)し、これによりクラッチ機構がスムーズに噛み合う。このように、請求項2記載の回転工具によれば、上記スピンドルの空転停止状態における摩擦熱の発生を抑制しつつ、クラッチ機構の接続時におけるスピンドルのシンクロ機構を実現することができる。
次に、本発明の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るクラッチ機構C1を備えた回転工具20を示している。本実施形態では、回転工具20の一例としてねじ締め用のスクリュードライバを例示している。本実施形態のクラッチ機構C1は、接続時にスピンドル5を空転(同調回転)させるための構成が従来のクラッチ機構C0とは異なっている。従来と同様の部材及び構成については同位の符号を用いてその説明を省略する。
駆動ギヤ4は、中間軸21を介して本体ケース2に回転可能に支持されている。この中間軸21は、本体ケース2の支持孔2aに圧入されて回転不能な状態で本体ケース2に固定されている。この点、従来は軸受け7を介して中間軸6が回転可能な状態で本体ケース2に支持されていた構成とは異なっている。
本実施形態における中間軸21は大径部21aと小径部21bを同軸に有する段付き形状を有している。大径部21aに駆動ギヤ4が回転可能に支持されている。また、大径部21aの後端部が支持孔2aに圧入されている。
小径部21bには中間スリーブ22が装着されている。中間スリーブ22は小径部21bに相対回転可能に支持されている。この中間スリーブ22の後端部は、大径部21aと小径部21bとの間の段付き部21cに突き当てられている。中間軸21の段付き部21cは、駆動ギヤ4の前端面から僅かに突き出している。このため、中間スリーブ22の後端部と駆動ギヤ4の前端面との間に僅かな隙間が発生するようになっている。中間スリーブ22の後端部が駆動ギヤ4の前面に接触していないため圧縮ばね23の付勢力は駆動ギヤ4に作用せず、従って駆動ギヤ4の回転動力は、中間スリーブ22ひいてはスピンドル側に全く作用しない。
また、中間スリーブ22の前端部は、小径部21bの前端よりも僅かに前側に突き出している。中間スリーブ22及び中間軸21の小径部21bは、スピンドル5の支持孔5c内に進入している。スピンドル5は、中間スリーブ22と小径部21b及び軸受け8を介して軸回りに回転可能かつ軸方向に変位可能に支持されている。中間スリーブ22には、摩擦抵抗の小さな摺動性の高い素材が用いられている。このため、この中間スリーブ22は、中間軸21の小径部21bに対してスピンドル5を回転可能に支持するための軸受けとしての機能を備えている。
スピンドル5の支持孔5cの底部と、中間スリーブ22の前端部との間には、圧縮ばね23が介装されている。この圧縮ばね23は、従来の圧縮ばね10に相当するものであるが、本実施形態では中間軸21ではなく、中間スリーブ22の前端部に当接されている点で、従来とは異なっている。このため、中間軸21に対してスピンドル5が回転する状態では、小径部21bに対して中間スリーブ22がほぼ摩擦抵抗のない状態で相対回転する他は、中間スリーブ22の前端部と圧縮ばね23との間、圧縮ばね23と支持孔5cの底部との間において相対回転が発生しないことから摩擦熱の発生もない。
この圧縮ばね23によって、スピンドル5は前側(クラッチ機構C1の遮断側)に付勢されている。また、この圧縮ばね23によって中間スリーブ22がその後端部を中間軸21の段付き部21cに突き当てる方向に付勢されている。支持孔5cの奥部には、通気孔5dが設けられている。この通気孔5dを経て支持孔5cの奥部が外部に連通されて通気がなされることにより、中間スリーブ22及び中間軸21の小径部21bが支持孔5cに対して相対的に軸方向にスムーズに進退し、ひいてはスピンドル5が軸方向にスムーズに移動するようになっている。
当該回転工具20のねじ締め込み材に向けた方向(図1において右側)への押し付け操作により、スピンドル5を圧縮ばね23に抗して相対的に後退させるとクラッチ機構C1が接続される。
クラッチ機構C1は、駆動ギヤ4の前面に設けたクラッチ歯4a〜4aと、スピンドル5のフランジ部5bの後面に設けたクラッチ歯5a〜5aを備えている。スピンドル5の後退によりクラッチ歯4a〜4aとクラッチ歯5a〜5aが相互に噛み合うことにより、駆動ギヤ4の回転動力がスピンドル5に伝達され、これによりスピンドル5の先端に装着したビット9によりねじ締めがなされる。この点は、従来と同様である。
また、本実施形態におけるクラッチ機構C1はいわゆるサイレントクラッチで、当該回転工具20の押し付け状態でねじ締めが完了すると瞬時に駆動ギヤ4側のクラッチ歯4aがスピンドル5側のクラッチ歯5aから離脱して当該クラッチ機構C1が遮断され、その後駆動ギヤ4が静かに空転するようになっている。このサイレントクラッチについては、従来と同様であり、以下簡単に説明する。
駆動ギヤ4は、前記したように中間軸21の大径部21aに回転可能であるとともに、軸方向に移動可能に支持されている。この駆動ギヤ4の後面と支持孔2aの口元端面(本体ケース2)との間には、スラスト軸受け13が介装されている。このスラスト軸受け13によって、駆動ギヤ4がスピンドル5からの軸方向の押し付け力(軸力)を受けつつ中間軸21の軸回りに回転自在に支持されている。
駆動ギヤ4には、三つの係合ピン12〜12が支持されている。この係合ピン12〜12は、中間軸21の軸線回り(駆動軸4の回転軸線回り)の周方向三等分に位置に支持されている。各係合ピン12は、図示する直立位置(その軸線を当該駆動ギヤ4の回転軸線に平行に位置させた位置)から駆動ギヤ4の回転方向後側に一定の角度だけ傾倒可能に支持されている。
各係合ピン12は直立状態では、その前端部側を駆動ギヤ4の前面から一定寸法突き出した状態となる。一方、各係合ピン12が回転方向後側に傾倒すると、その後端角部が駆動ギヤ4の後面からはみ出す。各係合ピン12の後端面は、スラスト軸受け13の前面に当接されている。このため、各係合ピン12が傾倒してその後端角部が駆動ギヤ4の後面からはみ出すと、当該駆動ギヤ4がスラスト軸受け13から離間する方向(前側)へ変位する。駆動ギヤ4が前側へ変位することにより、そのクラッチ歯4a〜4aと、スピンドル5のクラッチ歯5a〜5aが瞬時に噛み合わされる。
駆動ギヤ4の空転状態で当該回転工具1をねじ締め方向に押し付け操作すると、スピンドル5が後退してそのクラッチ歯5a〜5aが駆動ギヤ4側に接近する。スピンドル5が後退する過程において、後述するシンクロ部材25によって当該スピンドル4が駆動ギヤ4に同調して回転(シンクロ回転)し始める。このシンクロ回転しつつスピンドル5がさらに後退してクラッチ歯5a〜5aが駆動ギヤ4側に接近すると、クラッチ歯5a〜5aが三つの係合ピン12〜12の前端部に接触する。クラッチ歯5a〜5aが接触すると、その抵抗によって三つの係合ピン12〜12が駆動ギヤ4の回転方向後側に傾倒する。係合ピン12〜12が傾倒すると、前記したように駆動ギヤ4が前進し、これによりクラッチ歯5a〜5aに対してクラッチ歯4a〜4aが瞬時に噛み合わされる。なお、係合ピン12〜12の傾倒により駆動ギヤ4が前進すると、中間スリーブ22を圧縮ばね23に抗して前側へ押すため、この段階で駆動ギヤ4に対して圧縮ばね23の付勢力が一時的に作用する状態となる。
圧縮ばね23に抗して駆動ギヤ4が前進してそのクラッチ歯4a〜4aがスピンドル5のクラッチ歯5a〜5aに噛み合わされることにより、駆動ギヤ4とスピンドル5が回転動力の伝達について直結されてねじ締めのための回転トルクがビット9に出力され、これによりねじ締めがなされる。ねじ締めが進行すると、本体ケース2の前部に設けたストッパスリーブ14の前端がねじ締め材に当接し、その後さらにねじ締めが進行することにより本体ケース2に対してスピンドル5が徐々に前進する。
こうしてねじ締めが設定深さに達すると、スピンドル5が前進端に戻される。このため、そのクラッチ歯5a〜5aの、駆動ギヤ4のクラッチ歯4a〜4aに対する噛み合いが外れ、また係合ピン12〜12に対する係合が外れる。前記したようにクラッチ機構C1の噛み合い状態では、駆動ギヤ4が前進する結果圧縮ばね23の付勢力が中間スリーブ22を介して間接的に作用している。このため、スピンドル5のクラッチ歯5a〜5aが係合ピン12〜12から外れると、中間スリーブ22を介して駆動ギヤ4に間接的に作用する圧縮ばね23の付勢力によって各係合ピン12が直立状態に戻され、その結果駆動ギヤ4が後側(スラスト軸受け13に当接する位置)に戻される。こうして駆動ギヤ4が後側に戻されることにより、そのクラッチ歯4a〜4aとスピンドル5のクラッチ歯5a〜5aとの間に瞬時に隙間が発生して、駆動ギヤ4が静かに空転する回転動力遮断状態となる。
スピンドル5のフランジ部5bの周囲には、金属製のシンクロ部材25が取り付けられている。このシンクロ部材25は、フランジ部5bの全周に巻き付けるようにして取り付けられている。このシンクロ部材25は、その全周にわたってフランジ部5bの後面から後方へ張り出す状態に設けられている。このシンクロ部材25は、スピンドル5と一体でその軸方向(前後方向)に移動し、また一体で軸回りに回転する。図1に示すようにスピンドル5が回転動力遮断位置に位置する状態では、シンクロ部材25は駆動ギヤ4に接触していない。
回転工具20の押し下げ操作によってスピンドル5が相対的に後退すると、先ずこのシンクロ部材25が駆動ギヤ4の周縁に接触する。但し、シンクロ部材25が駆動ギヤ4の周縁に接触し始めた段階では、クラッチ歯5a〜5aは未だ係合ピン12〜12に係合せず、また駆動ギヤ4のクラッチ歯4a〜4aに噛み合わない。従って、クラッチ歯5a〜5aに係合ピン12〜12が係合する直前にシンクロ部材25の摩擦力によって駆動ギヤ4の回転動力の一部がスピンドル5に伝達され、これによりスピンドル5が駆動ギヤ4に同調してシンクロ回転(空転)し始める。
こうしてスピンドル5がシンクロ回転しつつさらに後退すると、前記したようにそのクラッチ歯5a〜5aが係合ピン12〜12に係合して各係合ピン12が駆動ギヤ4の回転方向後側へ傾倒し、これにより当該駆動ギヤ4が前進してクラッチ歯4a〜4aがクラッチ歯5a〜5aに瞬時に噛み合わされて当該クラッチ機構C1が接続される。こうしてクラッチ機構C1が接続されることによって、駆動ギヤ4の回転動力がスピンドル5に直接伝達される。このように、係合ピン12〜12の傾倒により駆動ギヤ4が前進して両クラッチ歯4a,5aが瞬時に噛み合わされる機能に加えて、スピンドル5がシンクロ部材25を介して駆動ギヤ4とシンクロ回転しながら、クラッチ歯4a〜4aとクラッチ歯5a〜5aが相互に噛み合わされることからその噛み合いがスムーズになされる。
ねじ締めの進行に伴ってスピンドル5が前進し、ねじ締めが完了すると、スピンドル5のクラッチ歯5a〜5aが、駆動ギヤ4のクラッチ歯4a〜4aから外れ、また係合ピン12〜12から外れる。クラッチ歯5a〜5aが係合ピン12〜12から外れると、各係合ピン12を傾倒させるための外力が取り除かれる。このため、駆動ギヤ4は、中間スリーブ22を介して間接的に作用する圧縮ばね23の付勢力によって後退する。駆動ギヤ4が後退する結果、各係合ピン12の後端角部が後面側へ突き出さない位置に戻され、従って各係合ピン12が直立位置に戻される。こうして駆動ギヤ4自体が後側へ戻されることによって、そのクラッチ歯4a〜4aとスピンドル5のクラッチ歯5a〜5aとの間には図示するように適切なクリアランスが瞬時に発生する。このため、クラッチ歯4aとクラッチ歯5a、あるいはクラッチ歯5aと係合ピン12との相互干渉等による異音を発生することなく、当該駆動ギヤ4が静かに空転する。図示省略したスイッチレバーの引き操作を解除すると、電動モータ3が停止し、従って駆動ギヤ4が停止する。
使用者が回転工具20の押し付け操作を解除すると、前記したようにスピンドル5が圧縮ばね23の付勢力によって動力遮断位置に戻される。スピンドル5が動力遮断位置に戻されると、シンクロ部材25が駆動ギヤ4の周縁部から完全に外れて駆動ギヤ4とスピンドル5との間の回転動力の伝達が完全に遮断される。このため、この回転動力遮断状態において、依然として駆動ギヤ4が回転している状態であっても、中間軸21が回転しないため、中間軸21と中間スリーブ22との間、中間スリーブ22と圧縮ばね23との間、圧縮ばね23とスピンドル5との間、及び中間スリーブ22とスピンドル5との間の何れについても相対回転は発生せず、従って摩擦熱の発生もない。
また、スピンドル5が回転動力遮断位置に戻されると、駆動ギヤ4からの回転動力の伝達が完全に遮断されていわゆる供回りのための回転動力も伝達されないため、本実施形態では従来のブレーキ部材11が省略されている。なお、従来と同様ブレーキ部材11を用いる構成としてもよい。
以上のように構成した本実施形態の回転工具20によれば、駆動ギヤ4を回転支持する中間軸21が従来とは異なって本体ケース2に回転不能に固定されている。また、中間スリーブ22の後端部は、中間軸21の段付き部21cに当接して駆動ギヤ4の前面には接触していない。このため、スピンドル5が回転動力遮断位置に戻された状態では、中間軸21と中間スリーブ22との間、中間スリーブ22と圧縮ばね23との間、圧縮ばね23と支持孔5cの底部との間、及び支持孔5cの内周面と中間スリーブ22との間に何ら相対回転は発生しないことから摩擦熱は発生せず、これによりクラッチ機構C1の耐久性を高めることができる。
また、使用者が当該回転工具20をねじ締め付け材に向けて押し下げ操作することにより、スピンドル5がその回転動力遮断位置から後退すると、シンクロ部材25が駆動ギヤ4の前面周縁部に接触して当該駆動ギヤ4の回転動力の一部がシンクロ部材25を経てスピンドル5に伝達され、これによりスピンドル5が駆動ギヤ4と同調回転(シンクロ回転)することから、クラッチ歯5a〜5aと係合ピン12〜12との係合、及びクラッチ歯4a〜4aとクラッチ歯5a〜5aの噛み合いがスムーズに行われる。このように従来のシンクロ機能を何ら損なうことなく回転動力遮断状態における摩擦熱の発生を抑制することができる。
また、当該回転工具20の押し付け操作を解除してスピンドル5が回転動力遮断位置に戻された状態では、駆動ギヤ4が空転している状態であってもその回転動力が全くスピンドル5側に伝達されないため、従来のブレーキ部材11を省略してもその共回りを確実に防ぐことができる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、シンクロ部材25をスピンドル5に取り付けた構成を例示したが、駆動ギヤ4側に取り付ける構成としてもよい。
また、クラッチ歯4a〜4a,5a〜5aを備える噛み合い式のクラッチ機構を例示したが、摩擦クラッチ、電磁クラッチ等その他の形態のクラッチ機構についても同様に適用することができる。
さらに、例示したスクリュードライバ等のねじ締め機に限らず、回転動力を出力するその他の形態の回転工具におけるクラッチ機構についても同様に適用することができる。
本実施形態に係るクラッチ機構を備えた回転工具の内部構造を示す側面図である。本図では、回転工具の前部であってクラッチ機構及びその周辺が示されている。 従来のクラッチ機構を備えた回転工具の内部構造を示す側面図である。
符号の説明
1…スクリュードライバ(従来)
2…本体ケース
C0…クラッチ機構
3…電動モータ
4…駆動ギヤ、4a…クラッチ歯
5…スピンドル、5a…クラッチ歯、5b…フランジ部、5c…支持孔、5d…通気孔
6…中間軸
7…軸受け
8…軸受け
9…ビット
10…圧縮ばね
11…ブレーキ部材
12…係合ピン
13…スラスト軸受け
14…ストッパスリーブ
20…回転工具(本実施形態)
21…中間軸、21a…大径部、21b…小径部、21c…段付き部
C1…クラッチ機構(本実施形態)
22…中間スリーブ
23…圧縮ばね
25…シンクロ部材

Claims (2)

  1. 電動モータを駆動源として本体ケースに内蔵し、該電動モータにより回転する駆動ギヤと、クラッチ機構を介して該駆動ギヤに接続されて回転するスピンドルを備え、前記駆動ギヤは、前記本体ケースに設けた中間軸に回転可能に支持され、前記スピンドルは前記中間軸を介して回転可能かつ軸方向に変位可能に支持されており、該スピンドルが軸方向に後退して前記駆動ギヤに接近すると前記クラッチ機構が接続される一方、該スピンドルが軸方向に前進して前記駆動ギヤから離間すると前記クラッチ機構が遮断される回転工具であって、
    前記中間軸は前記本体ケースに回転不能に固定された状態で設けられており、前記スピンドルは、中間スリーブを介して該中間軸に回転可能に支持され、該中間スリーブとの間に介装した圧縮ばねを介して前記駆動ギヤから離間する方向に付勢して、前記中間スリーブと前記圧縮ばねと前記スピンドルが前記中間軸に対して一体で回転する構成とした回転工具。
  2. 請求項1記載の回転工具であって、前記駆動ギヤ若しくは前記スピンドルの少なくとも一方にシンクロ部材を設け、前記スピンドルが後退すると前記シンクロ部材の接触による摩擦により前記駆動ギヤの回転動力が前記スピンドルに伝達され、前記スピンドルが前進すると前記シンクロ部材が離間して該シンクロ部材を介した前記駆動ギヤと前記スピンドルとの間の回転動力伝達経路が遮断される構成とした回転工具。
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