JP2010094650A - 脱窒装置の付着物除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存の脱窒装置において行われるスケールの除去方法であって、多額の費用をかけずに行うことができるスケールの除去方法を提供すること。
【解決手段】アンモニウム塩を含有するアンモニウム塩含有原水からアンモニウム塩を除去するための脱窒装置において、前記脱窒装置に付着した塩基性の付着物を除去するための脱窒装置の付着物除去方法であって、前記浄水排出経路23、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び前記放散塔11に残留する処理水を排出する第一の工程と、前記浄水排出経路23、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び前記放散塔11にアンモニウム塩含有原水を充填して放置する第二の工程と、を含む脱窒装置の付着物除去方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニア態窒素を含む排水を処理して排水中のアンモニア態窒素を除去するための脱窒装置において行われる付着物除去方法に関する。
一般に、火力発電設備においては、復水脱塩装置、及び電気式集塵機等、種々の装置から、アンモニア態窒素を含有する排水が排出されている。このような窒素分を含む排水は、そのまま海洋に放出すれば、海洋の富栄養化をもたらす原因となるため、何らかの手段によって、窒素分を除去してから排出することが求められている。
窒素成分を含有する排水から、窒素成分を除去する方法としては、生物学的処理方法、及び物理化学的処理方法等の方法が知られているが、大量の排水を効率良く処理するためには、物理化学的処理方法を用いることが好ましい。
アンモニア態窒素を含有する排水を物理化学的処理方法により処理する脱窒装置としては、例えば、アンモニアストリッピング法を用いた脱窒装置が知られている。具体的には、排水に強塩基を添加することにより、排水に含有されるアンモニウム塩をアンモニアに変換し、放散塔(アンモニアストリッパー)において、排水からアンモニアを分離する。アンモニアストリッパーはいわゆる、アンモニアの気化装置であり、アンモニアを含有する排水を水蒸気によって加熱することにより、排水中に含まれるアンモニアを気化・分離する。
ところで、上記アンモニアストリッピング法を用いた脱窒装置を用いて、アンモニア態窒素を含有する排水を処理する際には、脱窒装置の配管内部にスケールと呼ばれる付着物が付着し、配管を閉塞することがある。スケールとは、主に排水中に含まれる硬度成分や金属イオンの水酸化物であって、具体的には、Ca(OH)、Mg(OH)、Fe(OH)、及びNi(OH)等により構成されていることが知られている。
このような、脱窒装置におけるスケールの発生は、主に、排水中の硬度成分の存在に起因すると考えられる。即ち、一般に工業用水にはカルシウムやマグネシウムが含まれている場合があり、ボイラ排ガスから二酸化硫黄を除去するために用いられる排煙脱硫装置の排水からもカルシウムが検出される。また、硬度成分のほかにも、発電所内の配管の腐食等に伴い、鉄イオン等が排水に混入することもある。
このような排水中に混入した硬度成分や金属イオンは、脱窒装置において強塩基を添加された際、水酸化物として析出し、これが配管内部に付着して配管を閉塞するものと考えられる。
以上のように、アンモニアストリッピング法を用いた脱窒装置においては、従来よりスケールの発生が問題とされていたが、このような問題を解決するための手段として、特許文献1には、アンモニアを含む原水を、実質的に内部が空洞の蒸発管内に投入し、蒸気による撹拌により、アンモニア蒸気を蒸留した後、前記蒸気導入を停止し、前記該蒸発缶内を大気開放により処理水を次段の蒸発缶若しくは系外に排出するバッチ処理動作の繰り返しによりアンモニア蒸留を行うことを特徴とするアンモニア処理方法が開示されている。
特許文献1に記載の発明によれば、内部空洞型の蒸発缶を用い且つバッチ処理のために、アンモニア態窒素とSS分、硬度成分(Ca、Mg)或いはpHをあげた際における水酸化物を生成する金属イオンを含む排水や汚泥等の処理においても、スケーリングや閉塞を起こすことがないとされる。又、前記蒸発缶群をシリーズに連結したために、少ない蒸気吹き込み量で、高い除去能を得ることができるとされる。
特開2003−181444号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、スケールの付着による配管の閉塞を抑制することはできるものの、スケールの付着自体を防止するものではなく、スケールの除去においては、別途、除去手段を要するものである。即ち、多量のスケールが付着した場合には、特許文献1に記載の発明においても、配管の閉塞が生じることがあり、この場合にはスケールの除去を行わなければならない。
また、特許文献1に記載の発明は、既存の脱窒装置においてスケールの付着を防止するものではなく、新たな設備投資を行う必要があるものである。
更に、スケールを除去するための具体的手段として、薬品を用いて脱窒装置内部を洗浄する方法が挙げられるが、このような方法は、大量の工業用水と薬品とを必要とし、多額の費用を要するものである。
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、既存の脱窒装置において行われるスケールの除去方法であって、多額の費用をかけずに行うことができるスケールの除去方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、脱窒装置において、放散塔とそれに付随する配管の内部にアンモニウム塩含有原水を充填し、所定時間放置したときに、脱窒装置内部に付着したスケールを一部除去して、配管の閉塞状態を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) アンモニウム塩と強塩基とを反応させてアンモニアを生成するための脱窒中継槽と、前記脱窒中継槽で生成されたアンモニアを処理水中から除去するための放散塔と、アンモニアを除去した処理水を排出するための浄水排出経路と、前記脱窒中継槽と前記放散塔とを連結する脱窒中継槽−放散塔連結経路と、前記浄水排出経路と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路とを短絡する脱窒循環バイパス経路と、前記浄水排出経路において、前記浄水排出経路と前記脱窒循環バイパス経路とに分岐する脱窒バイパス分岐点と、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路において、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路と前記脱窒循環バイパス経路とが合流する脱窒バイパス合流点と、前記浄水排出経路において、前記脱窒バイパス分岐点以降に備えられる浄水排出経路弁と、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路において、前記脱窒バイパス合流点と前記脱窒中継槽との間に備えられる脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、前記脱窒循環バイパス経路に備えられる脱窒循環バイパス経路弁と、を備え、アンモニウム塩を含有するアンモニウム塩含有原水からアンモニウム塩を除去するための脱窒装置において、前記脱窒装置に付着した塩基性の付着物を除去するための脱窒装置の付着物除去方法であって、前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に残留する処理水を排出する第一の工程と、前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔にアンモニウム塩含有原水を充填して放置する第二の工程と、を含む脱窒装置の付着物除去方法。
(1)に記載の発明によれば、アンモニウム塩含有原水を脱窒装置の内部に充填することにより、スケール等の付着物をアンモニウム塩含有原水に溶解させることができる。これは、アンモニウム塩含有原水が酸性を示し、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄、及び水酸化ニッケル等を溶解させる作用を有するためであると推測される。また、本発明に係る脱窒装置の付着物除去方法は、大量の工業用水や特別の薬品等を必要としないので、少ないコストで実施することが可能である。更に、スケール等の付着物が溶解されることにより、配管の閉塞等が一時的に解消され、脱窒装置の内部を薬品により洗浄する回数を、減少させることができる。
ここで、「アンモニウム塩含有原水」とは、プラントに備えられる各種装置からの排水のうち、アンモニウム塩を含有するものを指し、pHはおよそ4程度である。本発明では、特に火力発電設備における排水を指す。また、「処理水」とは、脱窒装置による排水処理に係る水、及び脱窒装置により排水処理されてなる水を指し、特に後者を「浄水」と呼ぶことがある。
(2) 前記第二の工程において、1時間以上10時間以下放置する、(1)に記載の脱窒装置の付着物除去方法。
(2)に記載の発明によれば、脱窒装置にアンモニウム塩含有原水を充填した後、1時間以上放置するので、スケール等の付着物を溶解させることができ、配管等の閉塞を一時的に解消することができる。また、放置する時間が10時間以下であるので、脱窒装置の停止によるプラントへの影響を最小限に抑えることができる。
(3) 前記第二の工程の後に、前記脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を閉弁し、前記アンモニウム塩含有原水を1時間以上5時間以下循環させる第三の工程を行う、(1)又は(2)に記載の脱窒装置の付着物除去方法。
(4) 前記第二の工程と、前記第三の工程とを繰り返し行う、(3)に記載の脱窒装置の付着物除去方法。
(3)に記載の発明によれば、浄水排出経路、脱窒中継槽−放散塔連結経路、放散塔、及び脱窒循環バイパス経路にアンモニウム塩含有原水を循環させるので、スケール等の付着物がアンモニウム塩含有原水に溶解する効率を高めることができる。これにより、配管等の閉塞を、より効率的に解消することができる。また、(4)に記載の発明によれば、放置とアンモニウム塩含有原水の循環とを繰り返し行うので、より多くの付着物を除去することが可能である。
本発明に係る脱窒装置の付着物除去方法によれば、アンモニウム塩含有原水を脱窒装置内部に充填し、これを放置することによりスケール等の付着物を除去するため、多額のコストをかけずに、配管等の閉塞を解消させることができる。同時に、本発明に係る脱窒装置の付着物除去方法を実施することにより、薬品等による脱窒装置内部の洗浄の回数を減少させることができ、経済的である。
また、アンモニウム塩含有原水は、酸性を示すので、スケール等の付着物を部分的に除去し、配管の閉塞を一時的に解消することができる。
次に本発明に係る脱窒装置の付着物除去方法について、図面を参照しながら説明する。
<脱窒装置>
まず、本実施形態に係る脱窒装置について説明する。
[脱窒装置の構成]
図1に本実施形態に係る脱窒装置を示す。本実施形態に係る脱窒装置は、処理水中のアンモニウム塩と強塩基とを反応させてアンモニアを生成するための脱窒中継槽16と、前記脱窒中継槽16で生成されたアンモニアを処理水中から除去するための放散塔11と、を有する。
また、本実施形態に係る脱窒装置において、各機器を連結する配管として、脱窒中継槽16と放散塔11とを連結する脱窒中継槽−放散塔連結経路20と、アンモニアを除去した処理水を排出するための浄水排出経路23と、浄水排出経路23と脱窒中継槽−放散塔連結経路20とを短絡する脱窒循環バイパス経路29と、を有する。ここで、便宜上、浄水排出経路23上、浄水排出経路23と脱窒循環バイパス経路29とが分岐する分岐点を脱窒バイパス分岐点25と称し、脱窒中継槽−放散塔連結経路20上、脱窒中継槽−放散塔連結経路20と脱窒循環バイパス経路29とが合流する合流点を脱窒バイパス合流点24と称する。
更に、本実施形態に係る脱窒装置には、各配管上に弁が備えられている。即ち、本実施形態に係る脱窒装置は、浄水排出経路23上、脱窒バイパス分岐点25以降に備えられる浄水排出経路弁26と、脱窒中継槽−放散塔連結経路20上、脱窒バイパス合流点24と脱窒中継槽16との間に備えられる脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、脱窒循環バイパス経路29上に備えられる、脱窒循環バイパス経路弁(図示せず)と、を有する。
他にも、本実施形態に係る脱窒装置は、アンモニウム塩含有原水を貯留するための第一の排水貯留槽12と、アンモニウム塩含有原水に電解質を添加して、排水中に拡散している不溶性成分を塩析させるための脱窒反応槽14と、当該不溶性成分を沈殿させるための脱窒沈殿槽15と、脱窒バイパス合流点24に備えられる脱窒循環ポンプ18と、放散塔11に流入する処理水と放散塔11から流出する浄水との間で熱交換を行う予熱器19と、放散塔11からの排水を貯留するための第二の排水貯留槽30と、浄水排出経路23から分岐し、放散塔11から排出される排水を第二の排水貯留槽30に導く排水排出経路31と、を有する。ここで、浄水排出経路23と、排水排出経路31との間での流路の選択は、それぞれの経路上に備えられる弁によって行うことができる。
[脱窒装置の動作]
本実施形態に係る脱窒装置は以下のように動作する。即ち、火力発電設備の各機器から流出するアンモニウム塩含有原水は、第一の排水貯留槽12に集められ、次いで脱窒反応槽14に送られる。脱窒反応層においては、アンモニウム塩含有原水に水酸化ナトリム等の電解質が添加され、排水中に分散している不溶性成分を塩析する。電解質が添加された処理水は、脱窒沈殿槽15に送られ、塩析された不溶性成分が沈殿する。不溶性成分を沈殿させた後の処理水は、脱窒中継槽16に送られ、水酸化ナトリム等の強塩基が添加されることにより、アンモニウム塩をアンモニアに変換する。
アンモニアを含有する排水は、放散塔11に送られ、アンモニアストリッピング法によりアンモニアを気化する。これに先立って、アンモニアを含有する処理水は、予熱器19を通過し、放散塔11から排出される高温の浄水と熱交換されることにより予熱される。これにより、アンモニアストリッピング法を実施する際、処理水の加熱に要する熱エネルギーを削減することができる。放散塔11において気化されたアンモニアは、凝縮器21でアンモニア水に凝縮され、回収タンク22に回収される。
放散塔11でアンモニアが除かれた浄水は、再び予熱器19を通過してアンモニアを含む処理水と熱交換し、浄水排出経路23を通過して排出される。
<脱窒装置の付着物除去方法>
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法は、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する処理水を排出する第一の工程と、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11にアンモニウム塩含有原水を充填して放置する第二の工程と、を含み、第二の工程の後に、必要に応じて、脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を閉弁し、アンモニウム塩含有原水を循環させる第三の工程を含むものである。
[第一の工程]
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法においては、まず、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する処理水を排出する。また、この際、脱窒中継槽16に残留する処理水も、同時に排出すると良い。処理水の排出に際しては、浄水排出経路23、及び排水排出経路31に備えられる弁(図1の弁27、及び弁28)の開閉を行うことにより、放散塔11からの処理水が浄水排出経路23を経由して排水排出経路31に流入するように、流路を設定すると良い。これにより、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する処理水が第二の排水貯留槽30に流入する。第二の排水貯留槽30は、図1に示されるように、第一の排水貯留槽12と連結している。このため、第二の排水貯留槽30に排出された処理水は、脱窒装置が運転を再開した際に、再度、脱窒装置によって処理される。
[第二の工程]
浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する処理水を排出した後は、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11にアンモニウム塩含有原水を充填する。アンモニウム塩含有原水は、第一の排水貯留槽12に貯水されているものを用い、脱窒反応槽14、脱窒沈殿槽15、及び脱窒中継槽16に順次送水することにより充填すると良い。即ち、アンモニウム塩含有原水の充填は、通常、脱窒処理の際に用いられる送水系を用いて行うことができる。
浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11にアンモニウム塩含有原水を充填した後は、所定時間放置する。アンモニウム含有原水は酸性を示し、煙道で生成する酸性硫酸アンモニウムに由来する硫酸等の酸を含有するので、これらの酸と、硬度成分、及び金属イオンの水酸化物とが反応し、可溶性の塩を形成する。このため、スケール等、脱窒装置の内部に付着した付着物を溶解させることができる。アンモニウムイオン含有原水を充填後、放置する時間は、1時間以上10時間以下であることが好ましく、2時間以上5時間以下であることが更に好ましい。1時間以上放置することにより、スケール等の付着物を十分な量、溶解させることができる。放置する時間が10時間以下であるので、脱窒装置の停止によるプラントへの影響を最低限に抑えることができる。
[第三の工程]
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法においては、上記第二の工程の後に、必要に応じて、脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を閉弁し、アンモニウム塩含有原水を循環させる第三の工程を含みうるものである。即ち、第三の工程においては、脱窒循環ポンプ18を用いて、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、放散塔11、浄水排出経路23、及び脱窒循環バイパス経路29にアンモニウム塩含有原水を循環させるものである。アンモニウム塩含有原水を循環させることにより、脱窒装置内部に付着するスケール等の付着物を効率的に溶解させることができる。循環は1時間以上5時間以下行うことが好ましく、1時間以上3時間以下行うことが更に好ましい。1時間以上循環させることにより、アンモニウム塩含有原水にスケール等の付着物を十分に溶解させることができる。循環させる時間が5時間以下であるので、脱窒装置の停止によるプラントへの影響を最小限に抑えることができる。
上記第二の工程と第三の工程は、繰り返し行うことが好ましい。これにより、スケール等の付着物を、アンモニウム塩含有原水により多く溶解させることができる。
[薬品による脱窒装置の洗浄]
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法は、薬品による脱窒装置の洗浄と併せて行うことにより、より効果を得られるものである。即ち、脱窒装置による排水の処理量の推移に応じて、本発明の脱窒装置の付着物除去方法と、薬品による脱窒装置の洗浄とを選択して行うと良い。
薬品による脱窒装置の洗浄方法は、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に残留する処理水を排出して工業用水を充填する工程と、浄水排出経路23、脱窒中継槽−放散塔連結経路20、及び放散塔11に充填した工業用水に、酸を添加する工程と、脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を閉弁し、酸が添加された工業用水を循環させる工程と、脱窒循環バイパス経路弁を閉弁し、浄水排出経路弁26と脱窒中継槽−放散塔連結経路弁17と、を開弁し、酸が添加された工業用水を排出する工程と、を含む。
(酸)
薬品による脱窒装置の洗浄方法においては、工業用水に酸を添加することにより、付着物の主成分である、硬度成分や金属イオン等の水酸化物を溶解する。工業用水に添加する酸としては、弱酸が好ましく、弱酸である有機酸、無機酸を好適に用いることができる。具体的には、有機酸として、酢酸、クエン酸、及びシュウ酸が、無機酸として、硫酸、塩酸、及び硝酸が挙げられる。このような有機酸、無機酸のうち、上記付着物の成分である水酸化物と不溶性の塩を形成するものは好ましくなく、例えば、炭酸、脂肪酸等は本発明において、工業用水に添加する酸として利用することができない。これらのうち、有機酸を好ましく用いることができる。
有機酸の中には、エチレンジアミン四酢酸に代表される多価カルボン酸等、キレート剤として作用しうるものが存在する。本実施形態において、脱窒装置の付着物除去方法に用いることができる弱酸としては、このような、キレート力を有する有機酸を用いることもできる。
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法と、薬品による脱窒装置の洗浄方法を行う際の基準としては、例えば4t/hが定格容量の脱窒装置の処理量が、3.5t/h以下になった際には、脱窒装置の付着物除去方法を実施することが好ましく、脱窒装置の処理量が、2t/h以下になった際には、薬品による脱窒装置の洗浄方法を行うことが好ましい。
本実施形態に係る脱窒装置の付着物除去方法が実施される脱窒装置の概略を示す図面である。
符号の説明
11 放散塔
12 第一の排水貯留槽
14 脱窒反応槽
15 脱窒沈殿槽
16 脱窒中継槽
17 脱窒中継槽−放散塔連結経路弁
18 脱窒循環ポンプ
19 予熱器
20 脱窒中継槽−放散塔連結経路
21 凝縮器
22 回収タンク
23 浄水排出経路
24 脱窒バイパス合流点
25 脱窒バイパス分岐点
26 浄水排出経路弁
27 弁
28 弁
29 脱窒循環バイパス経路
30 第二の排水貯留槽
31 排水排出経路

Claims (4)

  1. アンモニウム塩と強塩基とを反応させてアンモニアを生成するための脱窒中継槽と、
    前記脱窒中継槽で生成されたアンモニアを処理水中から除去するための放散塔と、
    アンモニアを除去した処理水を排出するための浄水排出経路と、
    前記脱窒中継槽と前記放散塔とを連結する脱窒中継槽−放散塔連結経路と、
    前記浄水排出経路と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路とを短絡する脱窒循環バイパス経路と、
    前記浄水排出経路において、前記浄水排出経路と前記脱窒循環バイパス経路とに分岐する脱窒バイパス分岐点と、
    前記脱窒中継槽−放散塔連結経路において、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路と前記脱窒循環バイパス経路とが合流する脱窒バイパス合流点と、
    前記浄水排出経路において、前記脱窒バイパス分岐点以降に備えられる浄水排出経路弁と、
    前記脱窒中継槽−放散塔連結経路において、前記脱窒バイパス合流点と前記脱窒中継槽との間に備えられる脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、
    前記脱窒循環バイパス経路に備えられる脱窒循環バイパス経路弁と、を備え、アンモニウム塩を含有するアンモニウム塩含有原水からアンモニウム塩を除去するための脱窒装置において、
    前記脱窒装置に付着した塩基性の付着物を除去するための脱窒装置の付着物除去方法であって、
    前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔に残留する処理水を排出する第一の工程と、
    前記浄水排出経路、前記脱窒中継槽−放散塔連結経路、及び前記放散塔にアンモニウム塩含有原水を充填して放置する第二の工程と、を含む脱窒装置の付着物除去方法。
  2. 前記第二の工程において、1時間以上10時間以下放置する、請求項1に記載の脱窒装置の付着物除去方法。
  3. 前記第二の工程の後に、前記脱窒循環バイパス経路弁を開弁し、前記浄水排出経路弁と前記脱窒中継槽−放散塔連結経路弁と、を閉弁し、前記アンモニウム塩含有原水を1時間以上5時間以下循環させる第三の工程を行う、請求項1又は2に記載の脱窒装置の付着物除去方法。
  4. 前記第二の工程と、前記第三の工程とを繰り返し行う、請求項3に記載の脱窒装置の付着物除去方法。
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