以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
(第1実施形態)
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入なしに、前回遊技で投入した枚数と同じ枚数のメダルを投入したものとして遊技可能であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、後述する内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。
払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
メダル投入ボタン(ベットボタン)130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。
精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダル(ベットされているが、未だ遊技に使用されていないメダル)を精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。ここで、精算とは、遊技に使用する遊技媒体(例えば、メダル)を遊技者に返却することを意味し、遊技に使用する遊技媒体には、上述したように、電子的に貯留された遊技媒体と、ベットされているが未だ遊技に使用されていない遊技媒体と、を含んでもよいし、また、電子的に貯留された遊技媒体だけであってもよい。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110〜112が回転し、遊技が開始される。ストップボタンユニット136に設けられたストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137〜139を操作すると対応するいずれかのリール110〜112が停止することになる。
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施形態では発光可能な受皿を採用している。
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置600は、例えば開閉自在な扉装置(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置157を含み、この演出装置600には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれている。
<筐体内部の構成>
次に、スロットマシン100の筐体内部の構成について簡単に説明する。図2は、スロットマシン100の前面扉102を開放した状態(かつ、右側面板の下方一部を欠截した状態)の斜視図である。本体101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納ケース240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110〜112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、本体101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102が本体101に閉じられた状態で前面扉102に取り付けられた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
本体101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、本体101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
また、図示を省略した電源ボックスは、本体101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
さらに、本体101の内部下方には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設されている。メダル払出装置180は、DCモータで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体182と、払出装置本体182にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク181とで構成される。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納ケース240が置かれており、メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納ケース240内に蓄積される。
また、前記主制御基板及びリール110〜112の側方、すなわち向って左側の側板には、副制御部400を構成する電気部品を実装した副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
一方、本体101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置600、この演出装置600を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク(バケット)181に案内する通路267を備えている。
<メダル払出装置>
次に、図3を参照して、メダル払出装置180の構成について詳しく説明する。ここで、図3(a)は、メダル払出装置180の外観斜視図であり、図3(b)は、メダル払出装置180の一部を欠截した断面斜視図である。
メダル払出装置180の概略は、メダルを蓄積するメダルタンク181と、メダルをメダル払出口1811へ導く案内手段と、この案内手段を駆動させる駆動手段と、を備えている。
すなわち、メダル払出装置180が備えるメダルを蓄積するメダルタンク181は、上方が開口すると共に、底面1812が傾斜する箱状であって、底面1812にはメダルを案内手段へ導く導出口(図示せず)を有している。また、メダルをメダル払出口1811へ導く案内手段は、メダルが一枚ずつ嵌入する嵌入孔1823を備えるディスク1821であって、このディスク1821がモータ1831を駆動源として回転することにより、嵌入孔1823に嵌入しているメダルを、メダル払出口1811から排出させる。
更に、メダルタンク181の側面には、当該メダルタンク181に収容しきれなくなったメダルを、メダル補助収納ケース240に排出するための排出口1813が開設してある。なお、モータ1831やディスク1821はフレーム1814に組み付けられており、ディスク1821を回転可能に支持している払出装置本体182も、傾斜状に位置しており、ディスク1821もまた傾斜面において回転するように構成してある。もちろん、ディスク1821を水平面において回転するように構成してもよい。また、メダルが一枚ずつ嵌入する嵌入孔1823は、切欠部であってもよい。
また、島設備がメダル自動補給機能を備えている場合には、メダル払出装置180には、後述する図10に示すように、スロットマシン100の本体背板1011に穿設された取付孔を介して、メダル自動補給装置800の供給口801が挿入されているとともに、自動補給センサ803が配設されている。メダル自動補給装置800より供給されるメダルは、供給口801から下方に落下し、メダルタンク181内に蓄積される。自動補給センサ803は、メダルタンク181に蓄積されたメダルが所定量に達したか否かを検知するセンサであり、メダルタンク181内のメダルが不足し、メダル自動補給装置800がメダルを補給する際には、当該自動補給センサ803がメダルの所定量を検知するまでメダルを補給し、メダルが所定量に達すると、メダルの補給を停止するようになっている。なお、メダルタンク181からオーバーフローしたメダルは、排出口1813を介して、メダル補助収納ケース240に落下して、回収される。
<メダル補助収納ケース>
次に、図4〜図10を用いて、メダル補助収納ケース240の構成及び機能について説明する。本実施形態のメダル補助収納ケース240は、2つの機能、すなわち、メダル収納庫としての機能と、メダル回収用案内路としての機能を備えている。スロットマシン100が設置される島に、メダル払出装置180にメダルを自動的に補給するメダル自動補給装置800、及びメダル払出装置180から溢れたメダルを自動的に回収するメダル自動回収装置900が付設される場合、すなわち、島設備が自動補給機能及び自動回収機能を備えている場合(以下、自動補給回収機能を備える場合という)には、メダル補助収納ケース240をメダル回収用案内路として使用し、島設備が自動補給回収機能を備えていない場合には、メダル補助収納ケース240をメダル収納庫として使用する。
ここで、図4は、メダル補助収納ケース240の外観斜視図であり、図4(a)は、メダル補助収納ケース240をメダル収納庫として用いる場合のメダル補助収納ケース240の外観斜視図、図4(b)は、図4(a)の状態を上下反転させ、メダル補助収納ケース240をメダル回収用案内路として用いる場合のメダル補助収納ケース240の外観斜視図である。図5は、図4(a)よりも視点をさらに上方とした場合のメダル補助収納ケース240の外観斜視図であり、図5(a)は、メダル補助収納ケース240の扉254を閉じた状態を示す外観斜視図、図5(b)は、メダル補助収納ケース240の扉254を開いた状態を示す外観斜視図である。図6(a)は、メダル補助収納ケース240の上面図、図6(b)は、メダル補助収納ケース240の底面図、図6(c)は、メダル補助収納ケース240の正面図、図6(d)は、メダル補助収納ケース240の背面図である。図7は、図6(a)のA−A線に沿う断面図であり、図8は、図7のS領域におけるメダル補助収納ケース240と導通プレート1013の接続の様子を示す上面図及び側面図である。また、図9及び図10は、スロットマシン100の内部に配設されたメダル払出装置180及びメダル補助収納ケース240を右側から見たときの側面図であり、図9は、メダル補助収納ケース240をメダル収納庫として用いる場合のメダル補助収納ケース240のメダルの動作、図10は、メダル補助収納ケース240をメダル回収用案内路として用いる場合のメダルの動作を説明する図である。
メダル補助収納ケース240は、上方が開口するやや下すぼみの箱体であって、図2に示すように、本体101に設置されるときはメダル払出装置180に隣接してメダル本体底板1012の上に載置される。本実施形態においては、図2及び図4(a)に示すように、メダル補助収納ケース240をメダル収納庫として使用する状態を第1の状態、図4(b)に示すように、図4(a)の状態を上下に反転させて、メダル補助収納ケース240をメダル回収用案内路として使用する状態を第2の状態と称する。
メダル補助収納ケース240の一方の短手側面241の上端(第1の状態)には長手方向に突出した把持部242が形成されており、第1の状態で設置される場合には、図2及び図4(a)に示すように、把持部242を前方に向けて本体底板1012の上に載置される。一方、第2の状態で設置される場合には、図4(b)に示すように、把持部242を後方に向けて本体底板1012の上に載置される。
<第1の状態>
メダル補助収納ケース240は、第1の状態においては、図4(a)及び図5に示すように、上方が開口する内部空間を、概略、メダル収納スペース10と、メダル案内部20と、メダル検知スペース30と、に分割している。
メダル収納スペース10は、排出口1813の位置に合わせて形成され、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを受け止めて収納する空間となっている。具体的には、メダル収納スペース10は、図5に示すように、底板247、短手側面241、対向する2つの長手側面243、及び仕切り壁251によって囲まれた上方開口空間である。
メダル案内部20は、メダル収納スペース10とメダル検知スペース30の間に介在する間仕切り空間であり、メダル収納スペース10から溢れたメダルをメダル検知スペース30に誘導案内するようになっている。具体的には、メダル案内部20は、図5に示すように、対向する2つの長手側面243、仕切り壁251、連絡斜面252、及び仕切り壁253によって形成された上方開口空間であり、その土台部分は山状に盛り上がっている。すなわち、メダル案内部20の土台部分は、メダル収納スペース10の底板247とメダル検知スペース30の底板248の間に山状に突出している。なお、詳しくは、第2の状態において後述するが、メダル案内部20の土台部分の下方(裏側)は中空となっている(図4(b)参照)。
連絡斜面252は、図5及び図7に示すように、メダル収納スペース10側からメダル検知スペース30側に向かって低く傾斜しているので、メダル収納スペース10に山状に堆積したメダルのうち、仕切り壁251近傍のメダルが仕切り壁251の頂上部の高さを超えて堆積した場合には、メダルは連絡斜面252を滑降して、メダル検知スペース30に落下するようになっている。
また、メダル案内部20は、図5に示すように、連絡斜面252に上下に開閉可能な扉254を形成している。扉254は、第1の状態においては、図5(a)に示すように、閉じた状態になっており、図5(b)に示すように、扉254の上流側一端に穿設された指挿入孔254aに指を挿入して、扉254の下流側他端を中心に上方に回動させない限り、扉254は開口されない。詳しくは、第1の状態においては、扉254は開口部分の内側縁に形成された支持枠254bに係止されるため、下方には回動せず、扉254は連絡斜面252の一部を形成するようになっている。なお、扉254の回動によって形成される開口部分は、後述する第2の状態において、メダル排出孔255として使用する。
メダル検知スペース30は、メダル収納スペース10から溢れたメダルを収納するとともに、当該メダルを検知するための空間である。具体的には、メダル検知スペース30は、図5に示すように、底板248、仕切り壁253、対向する2つの長手側面243、及び短手側面241によって囲まれた上方開口空間である。
メダル検知スペース30を形成する短手側面241の下端には、図6(d)に示すように、挿通口245が穿設されており、挿通口245には、図7及び図9に示すように、本体背板1011に配設されたオーバーフローセンサ327の接触端子751が挿通されるようになっている。ここで、オーバーフローセンサ327は、第1の状態においてメダル補助収納ケース240に貯留されたメダルが所定量に達したか否かを検知するセンサであり、メダル補助収納ケース240に貯留されたメダルが特定量(本実施形態においては、メダル収納スペース10を満杯)になったときは、外部に対してメダル満杯を示す報知を行うようになっている。具体的には、メダル補助収納ケース240内のメダルが増えて、メダルが一対の接触端子751に接触すると両接触端子751は導通するので、この両接触端子751の導通により、スロットマシン100はメダル補助収納ケース240における特定量を検知するようになっている。本実施形態においては、図7及び図9に示すように、挿通口245は底面248近傍の低い位置に穿設されているので、メダル収納スペース10から溢れたメダルは、メダル検知スペース30に少量堆積することでオーバーフローセンサ327に検知されるようになっている。すなわち、オーバーフローセンサ327は、メダル収納スペース10に収納可能なメダル量より僅かに多いメダル量を検知できるようになっている。
ここで、本実施形態のメダル補助収納ケース240におけるメダル案内部20の最頂部の高さ、及びオーバーフローセンサ327の接触端子751の高さについて説明する。本実施形態のメダル補助収納ケース240においては、図7に示すように、メダル案内部20の最頂部、すなわち、仕切り壁251の最頂部の高さXは、ケース本体の高さYよりも低く形成されているとともに、オーバーフローセンサ327の接触端子751の高さZは、仕切り壁251の最頂部の高さXよりも低く形成されている。このため、メダル収納スペース10が満杯になると、メダルは、まず、メダル検知スペース30に移動するので、メダル補助収納ケース240からメダルが溢れる前にオーバーフローセンサ327がメダルを検知することが可能となっている。
また、図4(a)及び図6(c)に示すように、把持部242が形成されている短手側面241の下端には、本体底板1012上に形成された導通プレート1013の先端1013a及び1013bが挿通される挿通孔246が穿設されている。導通プレート1013は、メダルに帯電する静電気を除電するためのプレートであり、図8に示すように、二股に分かれた先端部1013a及び1013bに挿通孔246を挿通させて、メダル補助収納ケース240の底板247を挟持することにより、メダル収納スペース10に収納されたメダルの帯電を除電するようになっている。なお、底板247は、図7に示すように、仕切り壁251から挿通孔246に向かって低く傾斜しているとともに、底板247には長手方向に沿って複数の突条部247aが形成されているので、メダル収納スペース10に落下したメダルは突条部247aの上を低摩擦で挿通孔246側に滑降し、先端部1013a及び1013b近傍に集まりやすくなっている。このように本実施形態のメダル補助収納ケース240は、導通プレート1013がメダル収納スペース10に収納されたメダルと接触しやすい構造をしており、導通プレート1013による除電効果をさらに高めるようにしている。
次に、図9を用いて、メダル補助収納ケース240が第1の状態にあり、メダル収納庫として機能する場合の、メダルの動きについて説明する。この場合は、島設備が自動補給回収機能を備えていない場合である。
メダル払出装置180は、メダルタンク181にメダルを収容しきれなくなると、溢れたメダルを排出口1813から落下させる。一方、メダル補助収納ケース240は、メダル収納スペース10を排出口1813の直下となるように配置しているので、排出口1813から落下してきたメダルは、メダル補助収納ケース240のメダル収納スペース10に堆積する。
メダル補助収納ケース240のメダル収納スペース10に堆積したメダルは徐々に山状に盛り上がっていくが、この山状のメダルのメダル案内部20側一端の高さが、仕切り壁251の高さよりも高くなると、上部に堆積したメダルの一部が、傾斜した連絡路252を滑降してメダル検知スペース30に落下堆積する。メダル検知スペース30には底面248近くにオーバーフローセンサ327の一対の接触端子751が突出しているので、メダル検知スペース30にメダルが堆積し、堆積したメダルの高さが接触端子751の高さに達すると、メダルが接触端子751に接触して、オーバーフローセンサ327が検出信号を出力する。これによって、遊技店の店員は、メダル補助収納ケース240に特定量のメダルが貯留していることを把握することができる。
なお、本実施の形態においては、オーバーフローセンサ327が検知する前にメダルがメダル補助収納ケース240の外に溢れてしまうことはない。本実施の形態においては、上述したように、メダル収納スペース20に堆積したメダルがメダル補助収納ケース240の側壁の高さを超える前に、メダル案内部20を介してメダル検知スペース30に落下するからである。
図11はこのことを従来のメダル補助収納ケースと比較して説明する図である。図11に示すように、本実施形態のメダル補助収納ケース240においては、メダル収納スペース10に堆積したメダルが徐々に増えていくと、メダルはメダル案内部20を通ってメダル検知スペース30にメダルを堆積させていくのに対して、従来のメダル補助収納ケースにおいては、ケース内に堆積したメダルが徐々に増えていくと、落下位置近傍のメダルはメダル補助収納ケースの側壁の高さを超えて、メダル補助収納ケースの外に溢れ落ちてしまう。
より詳しくは、従来のメダル補助収納ケースにおいては、ケース本体全域にメダルを堆積させるので、メダル収容量は多いが、メダルの山の裾野幅は広く、図11に示すように山の頂上(メダル落下位置)と裾野(接触端子751近傍)の高低差は大きくなる。この結果、従来においてはオーバーフローセンサ327がメダル補助収納ケースの満杯を検知する前に山の頂上部近傍のメダルがメダル補助収納ケースの側壁の高さを超えてメダル補助収納ケースの外に溢れ落ちる場合があった。これに対して、本実施形態のメダル補助収納ケース240は、内部空間を複数の空間に分割しているので、メダル収納スペース20のメダル収容量は少ないが、それゆえ長手側面方向の長さも短くなっており、メダルの山の裾野幅が狭く、図11に示すように山の頂上と裾野の高低差も小さくなっている。この結果、本実施形態においては、山の頂上部近傍のメダルがメダル補助収納ケースの側壁の高さを超える前に、まずメダルがメダル検知スペース30に落下するようになっているので、オーバーフローセンサ327が検知する前にメダルがメダル補助収納ケース240の外に溢れてしまうことはない。
<第2の状態>
メダル補助収納ケース240は、第2の状態においては、図4(b)に示すように、上方が開口する内部空間をメダル排出スペース40として形成している。メダル排出スペース40は、第1の状態においてメダル案内部20の下方(裏側)に形成されていた空間であり、第1の状態における山状の空間が上下反転することにより谷状の空間となっている。
メダル排出スペース40は、排出口1813の位置に合わせて形成され、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを受け止めて、メダル自動回収装置900に誘導案内するようになっている。具体的には、図4(b)及び図6(b)に示すように、メダル排出スペース40は、対向する2つの長手側面243からそれぞれ外側にやや張り出すとともに上方にやや拡開した2つの拡開側面244、仕切り壁251、連絡傾斜面252、及び仕切り壁253によって囲われた上方開口空間である。なお、仕切り壁251、連絡傾斜面252、及び仕切り壁253は、第1の状態において露出した面を表面とすると、その裏面が露出していることになる。
連絡傾斜面252には、第1の状態で述べたように、上下に開閉可能な扉254が形成されているが、第2の状態においては、扉254は係止されず、自重によって下方に回動するので、扉254は開かれた状態となり、メダル排出孔255が形成される(図10参照)。このため、メダル払出装置180から溢れたメダルはメダル排出スペース40のメダル排出孔255を介してメダル自動回収装置900の回収口901に回収されるようになっている。
本実施形態のメダル排出スペース40は、複数の滑降傾斜面により囲まれ、略漏斗状に形成されているので、メダル払出装置180から落下してきたメダルはメダル排出スペース40内に滞留することなく、確実にメダル排出孔255からメダル自動回収装置900に排出されるようになっている。具体的には、内側面にあたる、2つの拡開側面244、仕切り壁251、及び仕切り壁253、並びに底面にあたる連絡傾斜面252は、それぞれ下方に向かって傾斜しており、上方から下方に向かうに従って内部空間が狭まる形状をしているとともに、連絡傾斜面252には、傾斜下流にメダル排出孔255が形成されているので、メダル排出スペース40に落下してきたメダルは確実にメダル排出孔255に導かれ、メダル排出孔255から排出されるようになっている。
このように本実施形態のメダル補助収納ケース240は、その内部空間を、メダル収納スペース10とメダル排出スペース40とに物理的に分離して形成しているので、各スペースは従来に比べて狭い空間となっているが、それぞれの用途に合わせて、それぞれの空間を最良の形状とすることができる。
この結果、従来においては、1つの内部空間にメダル収納庫及びメダル回収用案内路としての機能を兼用させるとともに、メダル収納庫としての機能を重視した構成のメダル補助収納ケースであったため、特に、メダル回収用案内路として使用する場合にはメダルが滞留するなどの不具合が発生したが、本実施形態のメダル補助収納ケース240においては、このような不具合は発生しない。すなわち、従来に比べてメダル回収用案内路としての機能を向上させることができる。
また、本実施形態においては、図4(a)及び(b)に示すように、第1の状態におけるメダル収納スペース10の上部開口(メダル受入口11)の方向と、第2の状態におけるメダル排出スペース40の上部開口位置(メダル受入口41)の方向は、上下反対方向に開設されているため、メダル補助収納ケース240をメダル回収用案内路として使う場合には、メダル補助収納ケース240を第1の状態から上下反転させて第2の状態に配置することにより、メダル排出に適した形状のメダル排出スペース40が形成され、簡単にメダル回収用案内路に切り替えることができる。
次に、図10を用いて、メダル補助収納ケース240が第2の状態にあり、メダル回収用案内路として機能する場合の、メダルの動きについて説明する。この場合は、島設備が自動補給回収機能を備えている場合である。
メダル払出装置180は、メダルタンク181にメダルを収容しきれなくなると、溢れたメダルを排出口1813から落下させる。一方、メダル補助収納ケース240は、メダル排出スペース40を排出口1813の直下となるように配置しているので、排出口1813から落下してきたメダルは、上方から下方に向かうに従って内部空間が狭まるメダル排出スペース40を滑降して、メダル排出スペース40の最下部に位置するメダル排出孔255に達し、メダル排出孔255からメダル自動回収装置900の回収口901に排出される。
以上から、メダル補助収納ケース240が第2の状態にある場合には、メダル排出スペース40の底にメダルが堆積することはないので、遊技店の店員は、メダル排出スペース40の底にたまったメダルをメダル排出孔255に落とすという作業を行う必要がなく、遊技店の店員の作業軽減を図ることができる。
<制御部の回路構成>
次に、図12および図13を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分の制御、すなわち、スロットマシン100の遊技進行に関する処理を実行する主制御部300と、主制御部300より送信された信号(制御コマンド)に応じて各種機器を制御、すなわち、演出に関する処理を実行する副制御部400と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、図12を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを8MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを47に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、メダル投入センサ320、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、オーバーフローセンサ327、及びリセットスイッチ328の状態を検出し、各センサを監視している。
メダル投入センサ320は、メダル投入口134の内部の通路に設置されており、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137〜139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダル(ベットされているが、未だ遊技に使用されていないメダル)が精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。オーバーフローセンサ327は、メダル補助収納ケース240内のメダルが満杯になったことを検出するためのセンサである。リセットスイッチ328は、RAM313に記憶されている情報を初期化するためのスイッチである。
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370及び371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。
入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リール110〜112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(メダル払出装置180)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技回数表示器126、貯留枚数表示器127、7セグ表示器等)が接続されている。
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。
CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
<副制御部>
次に、図13を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413に記憶されている情報を初期化するリセットスイッチ422が接続されている。
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。すなわち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払出口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、デマルチプレクサ419を介して、扉・液晶画面制御部490への信号送信を実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉装置163を制御する制御部である。
<遊技の基本的制御>
図14は、本実施形態のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示す主制御部メイン処理のフローチャートである。遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図のステップS101からS110の処理を繰り返し実行する。
ステップS101では、メダル投入に関する処理を行う。ここでは、メダルの投入の有無をチェックし、投入されたメダルの枚数に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合はメダルの投入が不要である。
ステップS102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。ここでは、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定する。また、副制御部400に対してスタートレバー受付コマンドを送信する。副制御部400は、このスタートレバー受付コマンドを受信することによって遊技の開始を把握する。
ステップS103では、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS104では、乱数発生器311で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数値と、ROM312に格納されている入賞役抽選テーブルの抽選データを用いて、入賞役の内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役に内部当選した場合、その入賞役のフラグが内部的にONになる。また、副制御部400に対して内部当選結果コマンドを送信する。例えば、再遊技当選、BB(ビッグボーナス)当選などの内部当選結果コマンドを送信する。副制御部400は、この内部当選結果コマンドを受信することによって内部抽選の結果を把握する。
ステップS106では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS107では、ストップボタン137〜139の受け付けが可能となり、リール制御処理により、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。この際、各リール110〜112を、ステップS105の入賞役内部抽選の結果に基づいて選択したリール停止制御データに従って停止させる。また、このステップS107では、副制御部400に対して停止位置図柄コマンドを送信する。副制御部400は、この停止位置図柄コマンドを受信することによって、各リール110〜112が、どの図柄位置で停止しているかを把握する。
ステップS108では、ストップボタン137〜139が押されることによって停止した図柄の入賞判定を行う。ここでは、有効ライン上に、内部当選した入賞役またはフラグ持越し中の入賞役に対応する入賞図柄組合せが揃った(表示された)場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効ライン上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が揃っていたならば再遊技入賞と判定する。また、ステップS108では、副制御部400に対して判定結果コマンドを送信する。例えば、本実施形態においては、BB入賞、再遊技入賞などの判定結果コマンドを送信する。副制御部400は、この判定結果コマンドを受信することによって入賞の結果を把握する。
ステップS109では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出し(配当)のある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS110では、遊技状態制御処理を行う。遊技状態制御処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、BB入賞の場合に次回からBB遊技を開始できるよう準備し、それらの最終遊技では、次回から通常遊技が開始できるよう準備する。また、ステップS110では、副制御部400に対して現在の遊技状態を示す状態コマンドを送信する。副制御部400は、この状態コマンドを受信することによって現在の遊技状態を把握する。
以上により1遊技が終了し、以降、ステップS101〜S110を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
以上述べたように、本実施形態のスロットマシン100のメダル補助収納ケース240によれば、第1の状態においては、上方が開口する内部空間を、メダル収納スペース10と、メダル案内部20と、メダル検知スペース30と、に分割し、メダル払出装置180から落下するメダルを収容するメダル収納スペース10からメダルが溢れた場合には、メダル案内部20が溢れたメダルをメダル収納スペース10からメダル検知スペース30に案内し、メダル検知スペース30に貯留したメダルを早期に検知可能な構成となっているので、スロットマシン100は、メダルをメダル補助収納ケース240から溢れさせることなく、メダル補助収納ケース240のメダルが一定量に達したことを検知することができる。
特に、メダル収納スペース10とメダル検知スペース20を間仕切るメダル案内部20の最頂部の高さをメダル収納スペース10の開口位置よりも低くするとともに、オーバーフローセンサ327の接触端子751の高さよりも高くしているので、メダル収納スペース10から溢れたメダルは、メダル補助収納ケース240から溢れることなく、確実にメダル検知スペース30に落下させることができる。
また、メダル案内部20は連絡斜面252を備えるので、メダル収納スペース10から溢れたメダルは、傾斜面を滑降して、スムースにメダル検知スペース30に収容される。
また、本実施形態のスロットマシン100のメダル補助収納ケース240によれば、第2の状態においては、メダル排出スペース40をメダル収納スペース10とは別の空間として形成し、メダル排出スペース40をメダル収納スペース10から分離しているので、メダル収納スペースとメダル排出スペースを同一空間とした従来のメダル補助収納ケースとは異なり、メダル収納スペース10及びメダル排出スペース40をそれぞれの用途に合わせた形状とすることができ、メダル補助収納ケース240の2つの機能をそれぞれ向上させることができる。
特に、メダル補助収納ケース240をメダル回収用案内路として使う場合には、メダル排出スペース40を従来と比べて、狭い空間としているので、メダル排出スペース40の底にメダルが貯留することを防止することができる。また、本実施形態においては、メダル排出スペース40の形状を上方から下方に向かうに従って内部空間が狭まるようにしているで、形状的にもメダル排出スペース40の底にメダルが貯留することはなく、遊技店の店員の作業軽減を図ることができる。
なお、本実施形態においては、第1の状態におけるメダル受入口11と、第2の状態におけるメダル受入口41とを上下反対の方向に開設したが、第1の状態におけるメダル受入口11と第2の状態におけるメダル受入口41は相反する方向に形成される必要はなく、異なった方向に形成されていればよい。例えば、長手側面上にメダル受入口41を開設するようにメダル排出スペース40を形成してもよい。
さらには、本実施形態のスロットマシン100のメダル補助収納ケース240によれば、第1の状態を上下反転させるだけで第2の状態を作ることができるので、遊技店の店員は、従来のようにメダル補助収納ケース240の中に手を入れて底板を抜く、または入れるという作業をすることなく、簡単にメダル補助収納ケース240の機能を切り換えることができる。また、店員はメダル補助収納ケース240の配置状態(第1の状態、第2の状態)を見るだけで、メダル補助収納ケース240の用途を簡単に把握することができる。
(第2実施形態)
次に、図15〜図17を用いて、第2実施形態のメダル補助収納ケース240Aの構成及び機能について説明する。本実施形態のメダル補助収納ケース240Aは、2つの機能、すなわち、メダル収納庫としての機能と、メダル回収用案内路としての機能を備えている。なお、以下においては、上記実施形態のメダル補助収納ケースと異なる構成及び機能のみ説明し、その他の構成及び機能に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
ここで、図15は、第2実施形態のメダル補助収納ケース240Aの外観を示しており、図15(a)は、メダル補助収納ケース240Aの外観斜視図、図15(b)は、図15(a)の状態を上下に反転させたメダル補助収納ケース240Aの外観斜視図である。また、図16(a)は、図15(a)に示す状態のメダル補助収納ケース240Aの正面図、図16(b)は、図15(a)に示す状態のメダル補助収納ケース240Aの上面図、図16(c)は、図15(a)に示す状態のメダル補助収納ケース240Aの底板254A(254Aa、254Ab、254Ac)を開けた状態を示す外観斜視図である。また、図17は、メダル補助収納ケース240Aの配置位置を本体101前方から見た図であり、図17(a)は、メダル補助収納ケース240Aをメダル収納庫として使用する場合、図17(b)は、メダル補助収納ケース240Aをメダル収納庫としてメダル回収用案内路として使用する場合(1)、図17(c)は、メダル補助収納ケース240Aをメダル回収用案内路として使用する場合(2)を示している。
本実施形態において、メダル補助収納ケース240Aを本体101に設置するときは、3つの配置状態がある。第1は、メダル補助収納ケース240Bをメダル収納庫として使用する場合の配置状態(第1の状態という)であり、この場合には、図15(a)及び図17(a)に示すように、メダル収納スペース10Aの開口面(メダル受入口)11Aを上方に向けるとともに、メダル収納スペース10A側をメダル払出装置180に近接させてメダル補助収納ケース240Aを本体底板1012の上に載置する。第2は、メダル補助収納ケース240Aをメダル回収用案内路として使用する場合の配置状態(第2の状態という)であり、この場合には、図17(b)に示すように第1の状態のメダル収納スペース10Aを前後方向(図15(a)に示すB方向)に反転させて、メダル排出スペース40A側をメダル払出装置180に近接させてメダル補助収納ケース240Aを本体底板1012の上に載置する。第3は、メダル補助収納ケース240Aをメダル回収用案内路として使用する場合の配置状態(第3の状態という)であり、この場合には、図15(b)及び図17(c)に示すように、第1の状態のメダル収納スペース10Aを上下方向(図15(a)に示すA方向)に反転させて、メダル排出スペース40Aのメダル排出孔255Aを上方に向けるとともに、メダル収納スペース10A側をメダル払出装置180に近接させてメダル補助収納ケース240Aを本体底板1012の上に載置する。なお、第3の状態においては、図17に示すように、第1及び第2の状態よりも、メダル補助収納ケース240Aをメダル払出装置180に近づけて、排出口1813から排出されるメダルがメダル排出スペース40Aに落下するように配置する。
このように、本実施形態では、メダル補助収納ケース240Aの配置状態(方向、位置)を変えることにより、2つの機能を簡単に切り替えることができる。また、メダル補助収納ケース240Bをメダル回収用案内路として使用する場合には、異なる2つの配置状態がある。
メダル補助収納ケース240Aは、第1の状態において、上方が開口するやや下すぼみの箱体であって、一方の短手側面241Aの上端、及び他方の短手側面241Aの下端には、それぞれ長手方向外側に突出した把持部242Aが形成されている。
メダル補助収納ケース240Aは、内部空間を、間仕切り部50Aによって、メダル収納スペース10Aと、メダル排出スペース40Aと、左右方向に分割している。すなわち、メダル補助収納ケース240Aは、その内部空間を、第1実施形態と同様に、メダル収納スペース10Aと、メダル排出スペース40Aを物理的に分離して形成している。また、本実施形態においては、メダル収納スペース10Aがメダル検知スペース30Aを兼ねている。したがって、第1実施形態と異なり、メダル案内部は存在しない。
メダル収納スペース10Aは、第1の状態において、上方に開口する空間であって、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを受け止めて収納する空間となっている。具体的には、メダル収納スペース10Aは、底板247A、対向する2つの短手側面241A、長手側面243A、及び仕切り壁251Aによって囲まれている。
また、メダル収納スペース10Aを形成する2つの短手側面241には、図15及び図16に示すように、それぞれ、挿通口245Aが穿設されており、挿通口245Aには、本体背板1011に配設されたオーバーフローセンサ327の接触端子751が挿通されるようになっている。なお、挿通口245Aを2つの短手側面241に設けたのは、上述したようにメダル補助収納ケース240Aは前後方向または上下方向に反転して配置されることがあるので、いずれの方向に配置されても、接触端子751がメダル収納スペース10Aに挿通可能とするためである。
メダル排出スペース40Aは、第2の状態においては、図16(c)に示すように、開閉可能な底板254Aa、254Ab及び254Acを開口させて、開口面(メダル受入口)41Aを形成し、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを、上方に開口したメダル受入口41Aから受け入れて、下方に開口したメダル排出孔255Aから排出して、メダルをメダル自動回収装置900に誘導案内するようになっている。
また、メダル排出スペース40Aは、第3の状態においては、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを、上方に開口したメダル排出孔255Aから受け入れて、下方に開口させたメダル受入口41Aから排出して、メダルをメダル自動回収装置900に誘導案内するようになっている。
具体的には、メダル排出スペース40Aは、開閉可能な底板254Aa、254Ab、254Ac、対向する2つの短手側面241A、長手側面243A、及び仕切り壁251Aによって囲まれている。底板254Aa、254Abは開状態(図16(c)の状態)でメダル受入口41Aの開口縁から斜め上方に延設された傾斜面となり、メダル受入口41Aの開口領域を拡大させる機能を果たしている。なお、本実施形態においては、底板254Aa及び254Abの一端をケース本体に軸支して回動可能、底板254Acを取り外し可能な構成としたが、底板の構成にこれに限定されず、開閉可能であればどのような構成であってもよい。また、底板の部品数も3点に限定されるものではない。例えば、底板254Aa、254Abを削除し、底板254Acを2つの短手側面241Aまで延設して底板が1枚となる構成としたうえで、底板254Acを間仕切り部50Aに軸支して回動可能とし、底板254Acを開状態にした場合には、底板254Acが間仕切り部50Aの上方縁から斜め上方に延設された傾斜面となり、メダル補助収納ケース240Aをメダル回収用案内路として使う場合には、底板254Acがメダル収納スペース10Aに落下したメダルをメダル排出スペース40Aに案内する案内路として機能させてもよい。また、開状態で他の機能を果たすことがなければ、最初から底板自体を備えない構成としてもよい。
また、メダル排出スペース40Aを形成する2つの短手側面241Aには、図15及び図16に示すように、それぞれ、挿通口257Aが穿設されており、挿通口257Aには、本体背板1011に配設されたオーバーフローセンサ327の接触端子751が挿通されるようになっている。なお、挿通口257Aをメダル排出スペース40Aに設けたのは、上述したようにメダル補助収納ケース240Aは前後方向または上下方向に反転して配置されることがあるので、いずれの方向に配置されても、接触端子751がメダル排出スペース40Aに挿通可能とするためである。
したがって、メダル挿通口245A及び257Aは、図16(a)に示すように、短手側面241Aにおいて上下方向及び左右方向に対称な位置に形成されており、上下及び左右に反転されても、接触端子751がいずれかのメダル挿通口245Aまたは257Aに挿通可能となっている。
間仕切り部50Aは、メダル収納スペース10Aとメダル排出スペース40Aとを長手方向に平行に間仕切る壁であり、具体的には、ケース本体の側壁と同一の高さを有する仕切り壁251Aによって形成されている。
以上、本実施形態のメダル補助収納ケース240Aによれば、その内部空間を、メダル収納スペース10Aとメダル排出スペース40Aとを物理的に分離して形成しているので、メダル収納スペースとメダル排出スペースを同一空間とした従来のメダル補助収納ケースとは異なり、メダル収納スペース10A及びメダル排出スペース40Aをそれぞれの用途に合わせた形状とすることができ、メダル補助収納ケース240Aの2つの機能をそれぞれ向上させることができる。
特に、メダル補助収納ケース240Aをメダル回収用案内路として使う場合には、メダル補助収納ケース240Aを最適な位置に配置するとともに、メダル排出スペース40Aのメダル受入口41A及びメダル排出孔255Aを全開させた状態とするので、メダル払出装置180から溢れたメダルを確実にメダル自動回収装置900に誘導案内することができる。この結果、メダル排出スペース40Aの底にメダルが堆積することはなく、遊技店の店員の作業軽減を図ることができる。
また、本実施形態のメダル補助収納ケース240Aによれば、ケース本体を上下反転または左右反転させ、かつメダル払出装置180と距離調整するだけで、簡単にメダル補助収納ケース240Aの機能を切り替えることができる。また、店員はメダル補助収納ケース240Aの配置状態(第1の状態、第2の状態、第3の状態)を見るだけで、メダル補助収納ケース240Aの用途を簡単に把握することができる。
(第3実施形態)
次に、図18及び図19を用いて、第3実施形態のメダル補助収納ケース240Bの構成及び機能について説明する。本実施形態のメダル補助収納ケース240Bは、2つの機能、すなわち、メダル収納庫としての機能と、メダル回収用案内路としての機能を備えている。
ここで、図18は、第3実施形態のメダル補助収納ケース240Bの外観を示しており、図18(a)は、メダル補助収納ケース240Bの外観斜視図、図18(b)は、メダル補助収納ケース240Bの上面図、図18(c)は、メダル補助収納ケース240Bの側面図である。また、図19は、メダル補助収納ケース240Bをメダル収納庫として使用する場合、及びメダル回収用案内路として使用する場合のメダルの動きを示す概要図である。
本実施形態において、メダル補助収納ケース240Bを本体101に設置するときは、2つの配置状態がある。第1は、メダル補助収納ケース240Bをメダル収納庫として使用する場合の配置状態(第1の状態という)であり、第2は、メダル補助収納ケース240Bをメダル回収用案内路として使用する場合の配置状態(第2の状態という)である。メダル補助収納ケース240Bの一方の短手側面241Bの上端には長手方向外側に突出した把持部242Bが形成されており、第1の状態の場合には、図18に示すように、把持部242Bを前方に向けてメダル補助収納ケース240Bを本体底板1012の上に載置する。一方、第2の状態の場合には、第1の状態を上下反転させて、図19(b)に示すように、把持部242Bを後方に向けてメダル補助収納ケース240Bを本体底板1012の上に載置する。
このように、本実施形態では、メダル補助収納ケース240Bの配置状態を変えることにより、2つの機能を簡単に切り替えることができる。
メダル補助収納ケース240Bは、内部空間を、間仕切り部50Bによって、メダル収納スペース10Bと、メダル排出スペース40Bと、前後方向に分割している。すなわち、メダル補助収納ケース240Bは、その内部空間を、上記実施形態と同様に、メダル収納スペース10Bと、メダル排出スペース40Bを物理的に分離して形成している。また、本実施形態においては、第2実施形態と同様に、メダル収納スペース10Bがメダル検知スペース30Bを兼ねている。したがって、第2実施形態と同様に、メダル案内部は存在しない。
メダル収納スペース10Bは、第1の状態において、上方に開口するとともに、前方位置に形成された空間であって、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを受け止めて収納する空間となっている。具体的には、メダル収納スペース10Bは、底板247B、対向する2つの長手側面243B、短手側面241B、及び仕切り壁251Bによって囲まれている。なお、仕切り壁251Bは、第1の状態において、後方から前方に向かって低く傾斜する傾斜面となっているので、排出口1813から落下するメダルが仕切り壁251B上に落下しても、仕切り壁251Bによってメダルは底板247B方向に誘導案内され、底板247B上に堆積する。
また、本実施形態においては、上記実施形態と異なり、オーバーフローセンサ327の接触端子751が、図19(a)に示すように、上方からメダル収納スペース10B内に挿通される構成となっている。すなわち、第1の状態においては、メダル補助収納ケース240Bを本体101に設置後、別途、オーバーフローセンサ327の接触端子751を開口面11B上に外付け設置する。
メダル排出スペース40Aは、第2の状態においては、図19(b)に示すように、上方に開口するとともに前方位置に形成された空間であって、底板252B上に形成された開閉可能な扉254Bを開口させて、メダル排出口255Bを形成し、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを、上方に開口したメダル受入口41Bから受け入れて、下方に開口したメダル排出孔255Aから排出して、メダルをメダル自動回収装置900に誘導案内するようになっている。具体的には、メダル排出スペース40Bは、開閉可能な扉254Bを備えた底板252B、対向する2つの長手側面243B、短手側面241B、及び仕切り壁251Bによって囲まれている。
このように本実施形態においては、第1の状態におけるメダル収納スペース10Bの上部開口(メダル受入口11B)の方向と、第2の状態におけるメダル排出スペース40Bの上部開口(メダル受入口41B)の方向は、上下反対方向に開設されている。
なお、仕切り壁251Bは、第2の状態においては、図19(b)に示すように、後方から前方に向かって低く傾斜する傾斜面であり、メダル排出スペース40Bの形状をメダル受入口11Bからメダル排出孔255Bに向けて内部空間が狭まるようにしているので、メダルは底板252B方向に確実に誘導案内され、メダル排出孔255Bから排出されるようになっている。
間仕切り部50Bは、メダル収納スペース10Bとメダル排出スペース40Bとを前後方向に斜めに間仕切る壁であり、具体的には、ケース本体の側壁と同一の高さを有する仕切り壁251Bによって形成されている。
以上、本実施形態のメダル補助収納ケース240Bによれば、その内部空間を、メダル収納スペース10Bとメダル排出スペース40Bとを物理的に分離して形成しているので、メダル収納スペースとメダル排出スペースを同一空間とした従来のメダル補助収納ケースとは異なり、メダル収納スペース10B及びメダル排出スペース40Bをそれぞれの用途に合わせた形状とすることができ、メダル補助収納ケース240Bの2つの機能をそれぞれ向上させることができる。
特に、メダル補助収納ケース240Bをメダル回収用案内路として使う場合には、メダル排出スペース40Bの形状を上方から下方に向かうに従って内部空間が狭まるようにしているで、メダル排出スペース40Bの底にメダルが貯留することはなく、遊技店の店員の作業軽減を図ることができる。
また、メダル補助収納ケース240Bをメダル回収用案内路として使う場合には、メダル収納庫として使用していたメダル補助収納ケース240Bを上下方向に反転させ、底板252Bに形成された扉254Bを開けるだけで、簡単にメダル排出スペース40Bを形成することができる。
また、店員はメダル補助収納ケース240Bの配置状態(第1の状態、第2の状態)を見るだけで、メダル補助収納ケース240Bの用途を簡単に把握することができる。
(第4実施形態)
次に、図20及び図21を用いて、第4実施形態のメダル補助収納ケース240Cの構成及び機能について説明する。本実施形態のメダル補助収納ケース240Cは、2つの機能、すなわち、メダル収納庫としての機能と、メダル回収用案内路としての機能を備えている。
ここで、図20は、第3実施形態のメダル補助収納ケース240Cの外観を示しており、図20(a)は、メダル補助収納ケース240Cの外観斜視図、図20(b)は、メダル補助収納ケース240Bの上面図、図20(c)は、メダル補助収納ケース240Bの側面図である。また、図21は、メダル補助収納ケース240Bをメダル収納庫として使用する場合のメダルの動きを示す概要図である。
本実施形態において、メダル補助収納ケース240Cを本体101に設置するときは、2つの配置状態がある。第1は、メダル補助収納ケース240Cをメダル収納庫として使用する場合の配置状態(第1の状態という)であり、第2は、メダル補助収納ケース240Cをメダル回収用案内路として使用する場合の配置状態(第2の状態という)である。メダル補助収納ケース240Cの一方の短手側面241Cの上端には長手方向外側に突出した把持部242Cが形成されており、第1の状態の場合には、図20に示すように、把持部242Cを前方に向けてメダル補助収納ケース240Cを本体底板1012の上に載置する。一方、第2の状態の場合には、第1の状態を前後反転させて、把持部242Cを後方に向けてメダル補助収納ケース240Cを本体底板1012の上に載置する。
このように、本実施形態では、メダル補助収納ケース240Cの配置状態を変えることにより、2つの機能を簡単に切り替えることができる。
メダル補助収納ケース240Cは、内部空間を、間仕切り部50Cによって、メダル収納スペース10Cと、メダル排出スペース40Cと、前後方向に分割している。すなわち、メダル補助収納ケース240Cは、その内部空間を、上記実施形態と同様に、メダル収納スペース10Cと、メダル排出スペース40Cを物理的に分離して形成している。また、本実施形態においては、第2実施形態と同様に、メダル収納スペース10Cがメダル検知スペース30Cを兼ねている。したがって、第2実施形態及び第3実施形態と同様に、メダル案内部は存在しない。
メダル収納スペース10Cは、第1の状態において、上方に開口するとともに、後方位置に形成された空間であって、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを受け止めて収納する空間となっている。本実施形態では、メダル払出装置180の排出口1813が上記実施形態と比べて、やや後方に開設されているため、メダル収納スペース10Cも、排出口1813の位置に合わせて後方位置に形成されている。具体的には、メダル収納スペース10Cは、底板247C、対向する2つの長手側面243C、短手側面241C、及び仕切り壁251Cによって囲まれている。
なお、仕切り壁251Cは、第1の状態において、前方から後方に向かって低く傾斜する傾斜面となっているので、図21に示すように、排出口1813から落下するメダルが仕切り壁251Cに落下すると、仕切り壁251Cによってメダルは底板247C方向に誘導案内され、底板247C上に堆積するようになっている。また、第1の状態においては、後述するメダル排出スペース40Cの底板252Cが前方から後方に向かって低く傾斜する傾斜面となっているので、仮に排出口1813から落下するメダルの位置がずれて底板252Cに落下したとしても、底板252C及び仕切り壁251Cを滑降して、メダル収納スペース10Cに集積されるようになっている。
また、メダル収納スペース10Aを形成する短手側面241Cには、挿通口245Cが穿設されており、挿通口245Cには、本体背板1011に配設されたオーバーフローセンサ327の接触端子751が挿通されるようになっている。
メダル排出スペース40Cは、第2の状態においては、上方に開口するとともに、後方位置に形成された空間であって、底板252C上に形成された開閉可能な扉254Cを開口させて、メダル排出口255Cを形成した状態において、メダル払出装置180の排出口1813から落下するメダルを、上方に開口したメダル受入口41Cから受け入れて、下方に開口したメダル排出孔255Aから排出し、メダルをメダル自動回収装置900に誘導案内するようになっている。具体的には、メダル排出スペース40Cは、開閉可能な扉254Cを備えた底板252C、対向する2つの長手側面243C、短手側面241C、及び仕切り壁251Cによって囲まれている。
このように本実施形態においては、第3実施形態と同様に、第1の状態におけるメダル収納スペース10Cの上部開口(メダル受入口11C)の方向と、第2の状態におけるメダル排出スペース40Cの上部開口(メダル受入口41C)の方向は、上下反対方向に開設されている。
なお、第2の状態においては、仕切り壁251C及び底板252Cが前方から後方に向かって低く傾斜する傾斜面となっているとともに、傾斜面上にメダル排出孔255Cが形成されているので、メダル排出スペース40Cに落下してきたメダルは確実にメダル排出孔255Cに導かれ、メダル排出孔255から排出されるようになっている。
間仕切り部50Cは、メダル収納スペース10Cとメダル排出スペース40Cとを前後方向に斜めに間仕切る壁であり、具体的には、ケース本体の側壁と同一の高さを有する仕切り壁251Cによって形成されている。
以上、本実施形態のメダル補助収納ケース240Cによれば、その内部空間を、メダル収納スペース10Cとメダル排出スペース40Cとを物理的に分離して形成しているので、メダル収納スペースとメダル排出スペースを同一空間とした従来のメダル補助収納ケースとは異なり、メダル収納スペース10C及びメダル排出スペース40Cをそれぞれの用途に合わせた形状とすることができ、メダル補助収納ケース240Cの2つの機能をそれぞれ向上させることができる。
特に、メダル補助収納ケース240Cをメダル回収用案内路として使う場合には、メダル排出スペース40Cの形状を上方から下方に向かうに従って内部空間が狭まるようにしているで、メダル排出スペース40Cの底にメダルが貯留することはなく、遊技店の店員の作業軽減を図ることができる。
また、メダル補助収納ケース240Cをメダル回収用案内路として使う場合には、メダル収納庫として使用していたメダル補助収納ケース240Cを上下方向に反転させ、底板252Cに形成された扉254Cを開けるだけで、簡単にメダル排出スペース40Cを形成することができる。
また、店員はメダル補助収納ケース240Cの配置状態(第1の状態、第2の状態)を見るだけで、メダル補助収納ケース240Cの用途を簡単に把握することができる。
なお、本実施形態の底板247Cは、第1の状態及び第2の状態において、設置面に平行となるように形成されていたが、これとは別に、設置面に対して傾斜を有する傾斜面としてもよい。すなわち、第1の状態において、前方から後方に向けて低くなるような傾斜をした底板247Cとしてもよい。この場合には、第2の状態において、仮に排出口1813から落下するメダルの位置がずれて底板247Cに落下したとしても、底板247C、仕切り壁251C及び底板252Cを滑降して、メダル排出スペース10Cのメダル排出孔255Cに誘導される。
また、上記実施形態においては、オーバーフローセンサ327を、メダルに接触することにより、メダル補助収納ケースにおける一定量を検知する構成としたが、オーバーフローセンサ327の構成はこれに限定されるものではなく、メダル検知スペースのメダルを検知することができるのであれば、どのような構成であってもよい。例えば、カメラにより撮影したメダル検知スペースの画像を解析することにより、メダル検知スペースにメダルが貯留していることを検知するようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。