<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図、図6(a)は筐体11の底部を示す斜視図、(b)は(a)のA−A線断面における部分拡大図である。
図1〜図6に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図7には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「赤ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「第1リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの17番目)、「白ベル」図柄(例えば、左リール32Lの12番目)、「第2リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)の10種類がある。そして、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図8に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの中段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベット数によって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、図9(a)に示すように右下がりラインL4のみが有効ラインとされる場合と、図9(b)に示すように下ラインL3及び右下がりラインL4の2本の組合せラインが有効ラインとされる場合と、図9(c)に示すように折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる場合と、がある。より詳しくは、3枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、右下がりラインL4のみが有効ラインとされ、2枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、下ラインL3及び右下がりラインL4が有効ラインとされる。また、1枚のメダルがベットされてゲームが開始された場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとされる。上ラインL1,中ラインL2,右上がりラインL5の3本の組合せラインについては、有効ラインとされることがない。以下では、3枚のメダルがベットされて開始されたゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されたゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されたゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、3ベットゲーム又は2ベットゲームを通常実施されることを想定した遊技性としている。そこで、3ベットゲーム及び2ベットゲームを通常遊技モード、これに対する1ベットゲームを特定モードと称することもある。
図10〜図12は、通常遊技モードにおける、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
通常遊技モードにおいて、メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第32小役入賞がある。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第2小役入賞〜第17小役入賞は、入賞となる図柄の組合せがそれぞれ異なるものの、3ベットゲームにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止する、すなわち各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に停止する入賞態様である。例えば、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が上段に停止し、中リール32Mの「チェリー」図柄が中段に停止し、右リール32Rの「第2リプレイ」図柄が下段に停止した場合には、第5小役入賞となる。図7に示すように、中リール32Mには、「チェリー」図柄(11番,14番)と上流側の隣接する位置(12番,15番)に「赤ベル」図柄が配置されており、右リール32Rには、「第2リプレイ」図柄(0番,3番)から上流側に1図柄分離れた位置(2番,5番)に「赤ベル」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第5小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が上ラインL1上に停止することとなる。第2小役入賞〜第17小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第18小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する入賞態様である。第18小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤7」図柄,「BAR」図柄,「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第19小役入賞となる。第19小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
第20小役入賞〜第24小役入賞は、3ベットゲームで成立した場合、3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは14枚のメダル払出が行われる。
第25小役入賞は、第18小役入賞と同様、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する入賞態様である。第18小役入賞の場合には、BBと重複当選している場合に限って右リール32Rの「赤7」図柄又は「白7」図柄が中段に停止し得る(「第2リプレイ」図柄,「BAR」図柄,「BAR」図柄の組合せ)が、第25小役入賞の場合には、BB当選の有無に関わらず右リール32Rの「赤7」図柄又は「白7」図柄が中段に停止し得る。第25小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄又は「BAR」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第26小役入賞となる。第26小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
第27小役入賞は、遊技者が例えば各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作していた場合、左リール32Lと中リール32M、又は左リール32Lと右リール32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止する一方、残りのリールの「スイカ」図柄が有効ライン上に停止しない、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様である。第27小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄,「BAR」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄,「青年」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第28小役入賞となる。図7に示すように、左リール32Lには、「赤ベル」図柄(3番,7番,15番,20番)と下流側の隣接する位置(2番,6番,14番,19番)に「第1リプレイ」図柄が配置されており、「白ベル」図柄(12番)と下流側の隣接する位置(11番)に「第2リプレイ」図柄が配置されている。右リール32Rには、「赤ベル」図柄(2番,5番,10番,15番,20番)と上流側の隣接する位置(3番,6番,16番,0番)に「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が配置されている。このため、右下がりラインL4上で第28小役入賞が成立する場合には、中リール32Mの「白ベル」図柄が中段に停止する場合を除き、左リール32Lと右リール32Rにおいて「ベル」図柄と「リプレイ」図柄がテンパイする一方で中リール32Mの「ベル」図柄及び「リプレイ」図柄が停止しない、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第28小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは9枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合、第29小役入賞となる。3ベットゲームにおいて左リール32Lの9番の「チェリー」図柄が上段又は中段に到達したタイミングで遊技者が左ストップスイッチを操作していた場合、第29小役入賞が成立する場合には、左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が中ラインL2上に停止することとなる。第29小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第30小役入賞となる。詳細は後述するが、第30小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第30小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第31小役入賞となる。詳細は後述するが、第31小役入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。第31小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第32小役入賞となる。第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは15枚のメダル払出が行われる。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第8再遊技入賞がある。また、第2再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行し、第3再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第2RT状態に移行し、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。第1再遊技入賞〜第8再遊技入賞は、3ベットゲームにおいてのみ成立する入賞態様である。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞がある。
各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に停止した場合には、第1BB入賞となり、各リール32L,32M,32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合と、左リール32Lの「白ベル」図柄,中リール32Mの「第2リプレイ」図柄,右リール32Rの「白7」図柄が有効ライン上に停止した場合と、には、第2BB入賞となる。これらBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB状態に移行する。
加えて、入賞とは異なるものの、遊技状態が第1RT状態に移行する停止出目がある。具体的には、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄,「BAR」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。また、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄,「スイカ」図柄,「第1リプレイ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄,「白7」図柄,「第2リプレイ」図柄,「チェリー」図柄と、が有効ライン上に停止した場合にも、遊技状態が第1RT状態に移行する。以下では、上記各図柄の組合せを移行出目という。
なお、1ベットゲームとしての特定モードにおける、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係については、後に詳細に説明する。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。ホッパ装置51は、金属製のホッパ取付板22(図6(a)参照)に取り付けられることで筐体11の底板11aに装着されている。ホッパ取付板22は、底板11aにねじ止め固定されており、ホッパ装置51(払出装置53の下端部)を係止可能な複数の係止爪22aを備えている。これら係止爪22aにホッパ装置51を係合させることで、ホッパ装置51が固定されている。
ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための補助タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52の内部には、この貯留タンク52から補助タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが補助タンク54に貯留されることとなる。これにより、貯留タンク52から溢れた余剰メダルが補助タンク54に収容される。
補助タンク54に収容されたメダルは、遊技ホールの従業員によって回収することが可能となっている。すなわち、補助タンク54は、筐体11の底板11a上に載せた状態で筐体11内に収納されており(図5参照)、筐体11の前面を開放させた状態にて手前側(前方)に引き出すことで、筐体11内から取り出すことが可能となっている。以下、補助タンク54を取り出してメダルを回収する回収方式を手動回収ということがある。
貯留タンク52から溢れたメダルは、上記手動回収の他、遊技ホールに設置された自動回収装置によっても回収することが可能になっている。すなわち、図6(a)に示すように、筐体11の底板11aには、メダルをスロットマシン10の外部に排出するためのメダル排出孔15が設けられており、当該メダル排出孔15から排出されたメダルがスロットマシン10の下方に位置する自動回収装置に供給されるようになっている。メダル排出孔15は、底板11aを厚み方向に貫通しており、誘導プレート52aから落下するメダルの落下位置に対応して配置されている。以下、自動回収装置を用いてメダルを回収する回収方式を自動回収ということがある。
なお、貯留タンク52から溢れたメダルを手動回収及び自動回収のいずれの方式で回収するかは、スロットマシン10が設置される遊技ホールの設備、すなわち、当該遊技ホールが自動回収に対応するものであるか否かに応じて使い分けられるものとなっている。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられており、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第3クレジット投入スイッチ58が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを1枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
各クレジット投入スイッチ56〜58についてより詳細には、第1クレジット投入スイッチ56及び第2クレジット投入スイッチ57は、第3クレジット投入スイッチ58よりも手等で操作される操作面が大きいサイズで形成されている。そのため、第1クレジット投入スイッチ56及び第2クレジット投入スイッチ57の操作性の向上が図られている。換言すると、特定モードとしての1ベットゲームに用いられ得る第2クレジット投入スイッチ57は、通常遊技モードとしての3ベットゲームに用いられ得る第1クレジット投入スイッチ56と同程度の操作性を有しているといえる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との間には、演出発生時に操作される第1演出スイッチ66が設けられている。つまり、第1演出スイッチ66を挟んで左方には、第1クレジット投入スイッチ56及び第3クレジット投入スイッチ58が設けられており、第1演出スイッチ66の右方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。上記のように、3ベットゲーム及び2ベットゲームを通常遊技モードとし、1ベットゲームを特定モードとしているところ、対応するクレジット投入スイッチ56〜58の位置関係によっても、通常遊技モードと特定モードとが区別されているといえる。
また、表示窓26L,26M,26Rの下方右側であって、各ストップスイッチ42〜44に右方には、通常遊技モードと特定モードとの切換に用いられる第2演出スイッチ67が設けられている。第2演出スイッチ67については、後に詳細に説明する。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26Rの下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26Rの下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知するための押し順報知部68が設けられている。押し順報知部68は、左ストップスイッチ42、中ストップスイッチ43、右ストップスイッチ44にそれぞれ対応させた3つのLEDランプによって構成されている。なお、押し順報知部68についても、液晶表示機等によって代替することは可能であるし、ストップスイッチ42〜44を発光させるようにストップスイッチ42〜44内部にLEDランプを設けたり、ストップスイッチ42〜44に隣接させてそれぞれLEDランプを設ける構成としてもよい。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
<補助タンク54について>
ここで、補助タンク54について図13〜図16を参照しながら説明する。図13は補助タンクの平面図、図14は図13のC−C線斜視断面図、図15は補助タンク54を下向き姿勢とした状態のC−C線斜視断面図、図16は図13のB−B線断面図である。
図13〜図16に示すように、補助タンク54は、上部が上方に開放する有底の略箱形状をなすタンク本体501を備えている。タンク本体501は、透明性を有する合成樹脂によって形成されており、その外側から内部を視認可能となっている。タンク本体501は、平面視略長方形状の底板部501aと、底板部501aを囲むようにして底板部501aから起立する前壁部501b、後壁部501c、右側壁部501d及び左側壁部501eとを有しており、その上部には、上方に向けて開口する平面視略長方形状の上側開口部502が形成されている。
右側壁部501d及び左側壁部501eは、上方に向かうにつれて相互の間隔が大きくなるように傾斜している。この場合、両壁部501d,501eが直立している場合に比べて、上側開口部502を拡張することができる。これにより、例えば、貯留タンク52内のメダルを手で掻き出して補助タンク54に移動させる場合等のように多量のメダルが一気に補助タンク54に向かう場合でも、メダルがこぼれて筐体11に散らばることが抑制される。
図14及び図16に示すように、タンク本体501の前壁部501bの上部には持ち手部503が一体形成されている。持ち手部503は、前壁部501bの上端部から前方に延びる平板状の延出部503aと、延出部503aの前端部から下方に垂下する垂下部503bと、を備えている。垂下部503bの左右両端部には、垂下部503bと前壁部501bとを連結する連結部503cが設けられており、垂下部503bのタンク本体501への取り付け剛性が高められている。持ち手部503は下方に開口しており、持ち手部503の下方から垂下部503bと前壁部501bとの間に指又は手を挿入可能な構成とされている。
持ち手部503が設けられていることで、垂下部503bに指又は手を引っ掛けて補助タンク54を筐体11内から前方に引き出すことができる。そして、補助タンク54を筐体11内から取り出した際に、指先が垂下部503bと前壁部501bとの間に挿入されていることで、補助タンク54を安定して持つことができる。したがって、補助タンク54を筐体11内から前方に引き出して持ち上げるという一連の作業を連続して円滑に行うことができる。
タンク本体501の後壁部501cには、それぞれ円状を有する上側センサ挿通孔505a及び下側センサ挿通孔505bが上下に並ぶようにして形成されている。これら各センサ挿通孔505a,505bには、補助タンク54が筐体11内に設置された場合に、筐体11に取り付けられた上側センサ棒16a及び下側センサ棒16b(図6(a)参照)が挿通される。これらセンサ棒16a,16bは、補助タンク54内におけるメダルの収容状態を検知するためのものであり、主制御装置101に電気的に接続されている。両センサ棒16a,16bは、図6(a)に示すように、互いに上下に離間して対をなしており、それぞれ筐体11の背板11bに基端部が固定され、前方に向かって底板11aと平行に延在している。
タンク本体501の各センサ挿通孔505a,505bは、後壁部501cにおいて各センサ棒16a,16bに対応する位置に形成されている。このため、補助タンク54が筐体11内に設置された場合は、各センサ棒16a,16bが補助タンク54の後方から各センサ挿通孔505a,505bを通り、各センサ棒16a,16bの先端部がタンク本体501の内側に位置するものとなる。各センサ棒16a,16bは導電性を有する金属材料によって構成されており、補助タンク54のメダル(導電性)の収容量が所定量に達してセンサ棒16a,16bの間にメダルが介在する状態になると、メダルを通じて両センサ棒16a,16bが導通する。これにより、補助タンク54に所定量のメダルが収容されたこと、すなわち、補助タンク54が満杯状態であることが主制御装置101において把握される。
なお、主制御装置101において満杯状態であることが把握された場合は、後述する外部集中端子板121を通じて満杯状態であることを示す外部信号が遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)に出力される。その後、所定の通信端末を通じて補助タンク54の満杯状態が遊技ホールの従業員に通知され、当該従業員により補助タンク54内のメダルが回収される。
<手動回収と自動回収との両方に対応するための構成について>
ところで、貯留タンク52から溢れたメダルを自動回収によって回収する場合は、補助タンク54が邪魔となり、筐体11から取り出す必要が生じる。しかしながら、補助タンク54を筐体11から取り出すと、遊技ホールにおいて補助タンク54の保管スペースを確保する必要が生じ、不便である。加えて、補助タンク54を紛失したり、他機種のスロットマシンのものと取り違えたりして、スロットマシン10を中古機として再流通させる場合に不都合が生じる要因にもなる。
そこで、本実施の形態に係る補助タンク54は、手動回収と自動回収との両方の回収方式に対応したものとなっており、補助タンク54を筐体11内に設置した状態で、貯留タンク52から溢れたメダルを自動回収することが可能な構成となっている。以下、そのための構成について図17及び図18も併せて参照しながら詳細に説明する。図17は補助タンク54を手動回収に対応させて使用する場合の説明図、図18(a)は補助タンク54を自動回収に対応させて使用する場合の説明図、(b)は(a)のE−E線断面における部分拡大図である。
既に説明したように、補助タンク54の設置状態においては各センサ棒16a,16bがタンク本体501内に挿通されるところ、本実施の形態では、補助タンク54の上下を反転させても各センサ棒16a,16bを各センサ挿通孔505a,505bに挿通させることが可能な構成となっている。
すなわち、補助タンク54を底板部501aが下側となる上向き姿勢で設置した場合は、上側センサ棒16aを上側センサ挿通孔505aに挿通し且つ下側センサ棒16bを下側センサ挿通孔505bに挿通できる一方、補助タンク54を底板部501aが上側となる下向き姿勢で設置した場合は、上側センサ棒16aを下側センサ挿通孔505bに挿通し且つ下側センサ棒16bを上側センサ挿通孔505aに挿通できるように、各センサ棒16a,16bに対する各センサ挿通孔505a,505bの開口径及び高さ位置が設定されている。
具体的には、下側センサ棒16bとの関係においては、底板部501aの下端位置から下側センサ挿通孔505bの下端位置までの距離Lb1(図16参照)と、後壁部501cの上端位置から上側センサ挿通孔505aの上端位置までの距離La1とのいずれもが、底板11aから下側センサ棒16bの下端位置(各センサ挿通孔505a,505bへの挿通部分における下端位置)までの距離以下となっている。一方、上側センサ棒16aとの関係においては、底板部501aの下端位置から上側センサ挿通孔505aの上端位置までの距離Lb2と、後壁部501cの上端位置から下側センサ挿通孔505bの下端位置までの距離La2とのいずれもが、底板11aから上側センサ棒16aの上端位置(各センサ挿通孔505a,505bへの挿通部分における上端位置)までの距離以上となっている。なお、本実施の形態では、各センサ挿通孔505a,505bの開口径と上記距離La1,Lb1とが略等しくされ、各センサ挿通孔505a,505bがタンク本体501の高さ方向(上下方向)における中心線510を基準として略上下対称となるように設定されている。
このような構成となっていることで、補助タンク54を上向き姿勢とした状態だけでなく、上下を反転させた下向き姿勢とした状態でも筐体11内に設置可能となっている。
図13〜図16に示すように、補助タンク54は、その底部を開閉可能な構成となっている。具体的には、タンク本体501は、底板部501aに設けられた下側開口部512と、下側開口部512を開閉する底蓋514とを備えている。底蓋514は、底板部501aと左側壁部501eとの接続部分に設けられた支持部504(図16参照)によって回動可能に支持されている。
下側開口部512は、底板部501aを厚み方向に貫通しており、平面視で略長方形状に形成されている。下側開口部512は底板部501aの中央部に配置され、その大きさは複数個のメダルが同時に通過可能なものとなっている。
底蓋514は、下側開口部512を開閉する開閉手段としての役割を果たすものであり、下側開口部512を上方から覆って閉鎖する閉鎖位置(図14参照)と、閉鎖位置からタンク本体501の内方に回動して下側開口部512を開放する開放位置(図15参照)とに変位可能となっている。底蓋514は、略平板状をなしており、下側開口部512の形状に対応して平面視で略長方形状をなしている。底蓋514の長手方向及び短手方向の各寸法は、いずれも下側開口部512よりも大きく且つ底板部501aよりも小さいものとなっており、底蓋514は、前壁部501b、後壁部501c、右側壁部501d及び左側壁部501eとの干渉を回避しながら、下側開口部512を塞ぐことが可能となっている。
支持部504は、前側支持部515a、後側支持部515b及び中間支持部515cを備えている。これら各支持部515a〜515cは、底板部501aと左側壁部501eとの接続部分においてタンク本体501の長手方向に沿って配置されており、相互に所定の間隔を隔てて配列されている。なお、各支持部515a〜515cの詳細構造及び底蓋514との連結構造については後に詳細に説明する。
本実施の形態において、補助タンク54を手動回収に対応させて使用する場合は、図14及び図16に示すように、補助タンク54を上向き姿勢とし且つ底蓋514を閉鎖位置に位置させて下側開口部512を閉鎖する。この状態で、図17に示すように、補助タンク54を筐体11の底板11a上に載置し、ホッパ装置51の誘導プレート52a(図5参照)を上側開口部502の上方に位置させる。
このような設置態様とすることで、貯留タンク52から溢れたメダルが補助タンク54内に落下し、補助タンク54にメダルを収容可能となる。この際、図16に示すように、底蓋514がタンク本体501における底板部501aの表面上に載っていることで、底蓋514の下方への回動が規制され、底蓋514が閉鎖位置を超えて下方に回動することが抑制されている。これにより、補助タンク54を筐体11内から取り出したり、持ち上げたりする際に、メダルの重量で補助タンク54の底が抜けることが抑制されている。
一方、補助タンク54を自動回収に対応させて使用する場合は、図15に示すように、補助タンク54の上下を反転させて下向き姿勢とし且つ底蓋514を開放位置に位置させて下側開口部512を開放する。この状態で、図18(a)に示すように、補助タンク54を筐体11の底板11a上に載置し、上記誘導プレート52aを下側開口部512の上方に位置させるとともに、補助タンク54をメダル排出孔15(図6(a)参照)の上方に位置させる。
このような設置態様とすることで、下側開口部512、上側開口部502及びメダル排出孔15が連通し、貯留タンク52から溢れたメダルが補助タンク54内を通過してメダル排出孔15に移動可能となる。これにより、補助タンク54を設置したままでも貯留タンク52からのメダルをメダル排出孔15に導くことができ、当該メダルを自動回収することが可能になる。
ここで、補助タンク54を自動回収から手動回収に対応する形態に切り替えるにあたっては、下側開口部512の閉鎖操作を失念し、下側開口部512が開放されたまま、補助タンク54を上向き姿勢で筐体11内に設置してしまう場合があり得る。この場合、補助タンク54の底が抜けた状態となっているため、補助タンク54を筐体11内から取り出した際に補助タンク54内のメダルがこぼれ落ち、筐体11内に散らばることになる。その結果、遊技ホールの従業員が手作業で1つ1つメダルを取り除く必要が生じ、多大な手間を招くおそれがある。
また、補助タンク54を手動回収から自動回収に対応する形態に切り替えるに際しても、下側開口部512の開放操作を失念し、底蓋514によって下側開口部512が閉鎖されたまま、補助タンク54を下向き姿勢で筐体11内に設置することが想定される。この場合、メダル排出孔15へのメダルの移動経路が底蓋514によって遮断されるため、かかる状態で遊技が行われると、誘導プレート52aからのメダルがタンク本体501の底裏上にある程度溜まった後、順次こぼれ落ちる事態を招くことになる。この場合、貯留タンク52から溢れたメダルを適正に自動回収できなくなるばかりか、筐体11内にメダルが散らばることにもなる。
そこで、本実施の形態では、遊技ホールの従業員が底蓋514の閉鎖操作や開放操作を意識することなく、手動回収及び自動回収の相互間における補助タンク54の形態切り替えを行い得るように、補助タンク54の構成が工夫されている。以下、かかる構成について、底蓋514の詳細説明も交えながら図19〜図22を参照して説明する。図19(a)は底蓋514の斜視図、(b)は底蓋514の裏面斜視図、図20は底蓋514の側面図、図21は図14のD−D線断面における部分拡大図、図22は底蓋514の回動が制限される様子を示す説明図である。
底蓋514は、透明性を有する合成樹脂によって形成されており、図19に示すように、平板形状をなした蓋本体521と、略丸棒状の軸部522とを備えている。蓋本体521は、平面視で略長方形状をなしており、その長手方向及び短手方向の寸法は、下側開口部512のそれよりも大きくなっている。このため、底蓋514が閉鎖位置に位置する場合は、下側開口部512の全体が蓋本体521によって閉塞されるとともに、下側開口部512の周囲において、蓋本体521の裏面521bと、タンク本体501における底板部501aの表面とが周状に当接する。
図19(b)に示すように、蓋本体521の裏面521bには、複数の突条部523が設けられている。各突条部523は、蓋本体521の長手方向に沿って延設されているとともに、蓋本体521の短手方向において所定間隔を隔てて互いに平行となるように配列されている。これらの突条部523が設けられていることで、蓋本体521の強度や曲げ剛性が補強され、底蓋514の耐久性が高められている。
軸部522は、蓋本体521の一方の長辺部521cにおいて蓋本体521に一体形成されており、当該長辺部521cの延び方向に沿って延設されている。軸部522は、長辺部521cの長手方向の両端側にそれぞれ設けられた前側支持軸524及び後側支持軸525と、それら各支持軸524,525の中間部に設けられた中間支持軸526とを備えている。これら前側支持軸524、後側支持軸525及び中間支持軸526は、タンク本体501に設けられた前側支持部515a、後側支持部515b及び中間支持部515c(図13参照)に対応している。すなわち、前側支持軸524及び後側支持軸525がそれぞれ前側支持部515a及び後側支持部515bに連結され、中間支持軸526が中間支持部515cに連結される。
蓋本体521において軸部522の軸方向における両端部には、矩形状に切り欠かれた前側切欠部530及び後側切欠部531が形成されている。また、中間支持軸526に対応する箇所には支持用開口部532が形成されている。これら前側切欠部530、後側切欠部531及び支持用開口部532が形成されていることで、蓋本体521と各支持部515a〜515cとの間に所定の隙間が確保され、底蓋514の回動時における各支持部515a〜515cとの干渉が回避されている。
軸部522には、軸部522の径方向に軸部522の一部を切り欠いた複数の切欠溝533が設けられている。これら切欠溝533は、タンク本体501において底板部501aと左側壁部501eとの接続部分に設けられた複数のリブ506(図14及び図16を参照)と1対1で対応している。底蓋514がタンク本体501に取り付けられた場合は、図21に示すように、各切欠溝533に各リブ506が挿入されて係合し、軸部522がタンク本体501に対して移動することが規制される。
本実施の形態では、底蓋514が閉鎖位置に位置する場合において、底蓋514の回動位置が固定又は保持されないようになっている。すなわち、補助タンク54が上向き姿勢とされている場合は、底蓋514の蓋本体521がタンク本体501の底板部501aに載っていることで閉鎖位置に維持されているに過ぎず、底蓋514は開放位置に向けて自由に回動することが可能な状態となっている。
このため、補助タンク54を上向き姿勢から下向き姿勢に上下反転させた場合は、底蓋514が自重で開放位置に向けて回動し、自然と下側開口部512が開放される。すなわち、補助タンク54を下向き姿勢とした場合は、それに伴って下側開口部512が開放されるものとなる。このため、補助タンク54の反転操作に連動して下側開口部512を開放させることができ、手作業による別途の開放操作が不要となっている。これにより、下側開口部512が閉鎖されたままの状態となることが回避され、開放の有無を意識しなくても常に適正な態様とすることが可能になる。
また、補助タンク54を下向き姿勢とした場合は、底蓋514の軸部522が底板部501aによって上方から覆われるものとなる。これにより、貯留タンク52からのメダルが軸部522に衝突して支持に支障が生じたりすることが抑制される。この際、底板部501aによって軸部522を覆う構成とすることで、覆い部材としての専用部品を設ける必要がなくなり、補助タンク54の構成を簡単化できる。
図19(a)に示すように、蓋本体521の表面521aには突出部535が一体形成されている。突出部535は、長手方向において蓋本体521の中央部に配置され、短手方向おいて支持用開口部532に隣接している。突出部535は、蓋本体521の表面521aから所定の高さで突出しており、軸部522の軸方向に見て略三角状に形成されている(図20参照)。
図22(a)に示すように、底蓋514を閉鎖位置から開放位置に向かう方向の第1方向537へ回動させた場合は、突出部535の頂部535aがタンク本体501の左側壁部501eに当接することで、第1方向537への底蓋514の回動が規制される。これにより、底蓋514の回動端位置が規定され、第1方向537への回動角の上限が所定回動角αに制限される。
この場合における底蓋514の所定回動角(第1方向537への最大回動角)αは、図22(b)に示すように、補助タンク54を上向き姿勢とした場合に、底蓋514の回動軸538を通る仮想鉛直線540に対して底蓋514が閉鎖位置側に傾斜する回動角とされる。換言すれば、底蓋514の重心が仮想鉛直線540を跨がず、当該仮想鉛直線540を第1方向537に超えない回動角とされる。具体的には、所定回動角αは90°未満とされ、本実施の形態では85°となっている。このような構成となっていることで、補助タンク54を上向き姿勢とした場合は、底蓋514の重心が仮想鉛直線540に対して閉鎖位置側に位置するものとなり、底蓋514が自重により閉鎖位置に向けて傾倒しようとする。
さらに、本実施の形態では、底蓋514が開放位置に位置する場合において、底蓋514の回動位置が固定又は保持されないようになっている。すなわち、補助タンク54が下向き姿勢とされている場合は、底蓋514の突出部535がタンク本体501の左側壁部501eに当接し、底蓋514が左側壁部501eに寄り掛かっているに過ぎず、底蓋514は閉鎖位置に向けて自由に回動することが可能な状態となっている。
このため、上記の如く底蓋514が閉鎖位置に向けて傾倒しようとすると、底蓋514が軽々と閉鎖位置に向けて回動し、自然と下側開口部512が閉鎖される。すなわち、補助タンク54を上向き姿勢とした場合は、それに伴って下側開口部512が閉鎖されるものとなる。このため、補助タンク54の反転操作に連動して下側開口部512を閉鎖することができ、手作業による別途の閉鎖操作が不要となっている。これにより、下側開口部512が開放されたままの状態となることが回避され、閉鎖の有無を意識しなくても常に適正な態様とすることが可能になる。
ちなみに、補助タンク54を下向き姿勢とした場合は、底蓋514の重心が回動軸538の真下に位置する釣り合い位置に底蓋514が留まろうとするところ、本実施の形態では、突出部535がタンク本体501の左側壁部501eに当接することで、上記釣り合い位置の手前で底蓋514の回動が規制される。このため、補助タンク54が下向き姿勢にある状態では、底蓋514が閉鎖位置から上記所定回動角αだけ第1方向537に回動した位置に維持されることになり、この位置が開放位置に相当するものとなる。
図20に示すように、突出部535は、頂部535aを挟んで、軸部522側に位置する第1傾斜部535bと、軸部522側とは反対側に位置する第2傾斜部535cとを備えている。第1傾斜部535bは軸部522側から頂部535aに向けて上る傾斜となっており、第2傾斜部535cは頂部535aから軸部522側とは反対側に向けて下る傾斜となっている。第2傾斜部535cの傾斜角は第1傾斜部535bのそれよりも小さくなっている。
かかる構成とされていることで、突出部535の突出量(突出方向への高さ)を少なく抑えて突出部535の強度を確保することが可能となっている。すなわち、底蓋514の回動範囲の制限の程度は突出部535の突出量によって規定されるところ、第2傾斜部535cの傾斜角が第1傾斜部535bのそれよりも大きい場合は、頂部535aの位置が底蓋514の回動軸538から遠ざかることになり、突出部535の突出量を大きくする必要が生じる。この場合、突出部535の強度が低下し、メダルの衝突等によって突出部535が破損し易くなる。
ここで、本実施の形態では、底蓋514を閉鎖位置と開放位置との間の予め定められた回動角(特定回動角)に傾斜させ、その状態で底蓋514を所定の取り外し方向に移動させることで、底蓋514とタンク本体501との連結を解除することが可能となっている。以下、そのための構成について、前側支持部515a、後側支持部515b及び中間支持部515cの詳細説明も交えながら図23及び図24を参照して説明する。図23は底蓋514の支持構造を示す説明図、図24は底蓋514の取り外し方法を示す説明図である。
既に説明したように、底蓋514は、軸部522の前側支持軸524、後側支持軸525及び中間支持軸526が、タンク本体501の前側支持部515a、後側支持部515b及び中間支持部515cに連結されることで、タンク本体501と接続されている。なお、各支持軸524〜526と各支持部515a〜515cとの各連結構造は同様となっているため、ここでは、前側支持軸524と前側支持部515aとの組み合わせを例にとって説明する。
図23(a)に示すように、前側支持部515aは、タンク本体501の底板部501aから上方に起立する支持起立部551と、タンク本体501の左側壁部501eから支持起立部551側に突出する支持突出部552とを備えている。
支持起立部551の高さ寸法は前側支持軸524の軸径よりも大きくなっており、支持起立部551の上部には、左側壁部501e側に迫り出した迫り出し部551bが形成されている。支持突出部552は、迫り出し部551bに対応する高さ位置に配置され、前側支持軸524の径方向に迫り出し部551bと対向している。迫り出し部551bと支持突出部552との間には、上下に開口し、前側支持軸524の軸方向に延びる細長状のスリット部554が形成されている。スリット部554の下方には、前側支持軸524を挿入可能な空間部553が形成されており、当該空間部553の上部を区画する迫り出し部551b及び支持突出部552の各壁面551a,552aは、上方に向かうにつれて相互の間隔が狭まるように円弧状に湾曲している。
一方、前側支持軸524は、丸棒の一部を平面状に面取りした形状を有している。詳しくは、互いに平行な一対の平坦面561と、これら平坦面561の間を連結する断面円弧状の摺動面562とを備えている。両平坦面561の間隔(径方向の幅)Mは、スリット部554の開口幅(上記方向と同一方向の開口幅)Ldと同一又は開口幅Ldよりも小さくなっている。
上記平坦面561は、図20に示すように、底蓋514の蓋本体521と面一の仮想平面に対して回動軸538を中心として所定角度だけ回転させた傾斜角度に角度付けされて形成されている。かかる傾斜角度は、図24に示すように、底蓋514を閉鎖位置と開放位置との間の予め定められた特定回動角βに傾斜させた場合に、両平坦面561が直立する(換言すれば、摺動面562がスリット部554と相対する)こととなる角度に設定されている。
このため、底蓋514を上記特定回動角βに傾斜させることで、前側支持軸524の横幅が平坦面561の間隔Mとなり、スリット部554の開口幅Ld以下とすることができる。したがって、底蓋514をそのままの姿勢で上側開口部502に向けて移動させることで、前側支持軸524がスリット部554を通過して前側支持部515aから前側支持軸524を取り外すことができる。ちなみに、底蓋514を特定回動角βに傾斜させた状態で上方に移動させた場合は、後側支持部515b及び中間支持部515cからもそれぞれ後側支持軸525及び中間支持軸526を取り外すことができ、底蓋514をタンク本体501から取り外すことが可能となる。
このように、底蓋514をタンク本体501から取り外し可能な構成としたため、底蓋514が破損した場合に、補助タンク54全体の交換が不要となり、底蓋514の交換によって対応することが可能になる。また、底蓋514をタンク本体501に取り付ける場合にも、底蓋514を特定回動角βに傾斜させた状態で各支持部515a〜515cの上方から下方へ押し込むことで簡単に取り付けることができ、補助タンク54の組付け作業を容易化できる。
一方、底蓋514を閉鎖位置(図23(a)参照)又は開放位置(図23(b)参照)に位置させた場合は、前側支持軸524の横幅がスリット部554の間隔Mよりも大きくなり、前側支持軸524がスリット部554を通過できなくなる。このため、それらの位置において底蓋514を上側開口部502に向けて移動させてもタンク本体501から取り外すことができない。既に説明したように、本実施の形態では、自動回収に対応させる場合に補助タンク54を下向き姿勢で設置するところ、その際、底蓋514は、タンク本体501にぶら下がった状態で、突出部535がタンク本体501の左側壁部501eに当接する回動位置(開放位置)に留まるものとなる。このような場合でも、突出部535によって規定される所定回動角α(開放位置)と、底蓋514を取り外し可能となる特定回動角βとが相違することによって、底蓋514がタンク本体501から外れて落下することが抑制される。
<補助タンク54を固定するための構成について>
ところで、スロットマシン10の運搬時等における補助タンク54の紛失等を抑制する観点では、補助タンク54を筐体11内に収納した状態でスロットマシン10を運搬することが望ましい。但し、補助タンク54に収容されたメダルを手動回収する場合は補助タンク54を筐体11内から取り出す必要があるため、補助タンク54を固定せず自由状態で設置することが求められる。このため、運搬時においてスロットマシン10を傾けたり、振動させたりすると、補助タンク54が筐体11内で移動し、ホッパ装置51等の周囲の部材に衝突して損傷を招くという不都合がある。
そこで、本実施の形態では、スロットマシン10の運搬時には補助タンク54を固定状態とする一方、手動回収に対応させて使用する場合には補助タンク54を自由状態とできるように構成が工夫されている。以下、かかる構成について図6,図13〜図18を参照しながら説明する。
図13〜図17に示すように、補助タンク54におけるタンク本体501の上端部には、外方へ張り出した板状のフランジ部571が設けられている。フランジ部571は、タンク本体501に一体形成されており、前側フランジ部571a、後側フランジ部572b、右側フランジ部571c及び左側フランジ部571dを備えている。これら各フランジ部571a〜571dは、上側開口部502を囲むようにして枠状に連続して形成されている。このようにフランジ部571が設けられていることで、タンク本体501の曲げ剛性が補強され、メダルが収容された状態で補助タンク54が持ち上げられた場合の補助タンク54の変形が抑制される。なお、前側フランジ部571aは持ち手部503の延出部503aと兼用されている。
一方、図6(a)及び図18(a)に示すように、筐体11の底板11aには、補助タンク54が下向き姿勢で筐体11内に設置された場合に、タンク本体501の右側フランジ部571cと係合する係合部574が設けられている。係合部574は、ホッパ取付板22に一体形成され、ホッパ取付板22の一部を折り曲げ加工することで形成されている。具体的には、ホッパ取付板22では、取付板本体部22bの右側端部から右方に突出するようにして取付板突出部575が形成されており、取付板突出部575がクランク状に折り曲げられることで係合部574が形成されている。係合部574は、図6(b)に示すように、取付板突出部575から上方に起立する起立部577と、起立部577の上端部から補助タンク54の設置領域に向けて張り出す張出部578とを備えている。
張出部578は、その下面578aが底板11aの表面と略平行となっており、張出部578における張り出し方向の長さ寸法は、右側フランジ部571cの張り出し方向の長さ寸法よりも小さくなっている。起立部577の高さは、張出部578と底板11aとの隙間寸法Leが右側フランジ部571cの板厚寸法よりも若干大きく又は同寸となるように設定されている。また、起立部577の内壁面577aと筐体11の右側板11cとの距離Lh(図6(a)参照)は、補助タンク54の横幅寸法Lf(図13参照)よりも若干大きく又は同寸となるように設定されている。図18(a)に示すように、係合部574は、底板11aの前端部11dから所定距離だけ後方に下がった位置に配置されており、右側フランジ部571cの長手寸法よりも短い所定長に亘って前後方向に延びている。
このような構成とされていることで、下向き姿勢の補助タンク54を係合部574の手前側にて底板11a上に載置し、その状態から補助タンク54を背板11bに向けてスライド移動させることで、図18(b)に示すように、右側フランジ部571cを張出部578と底板11aとの隙間に挿入させることができる。これにより、右側フランジ部571cと係合部574とを係合させることができ、張出部578によって補助タンク54の浮き上がり(上方への移動)を規制可能となる。
したがって、スロットマシン10の運搬時において補助タンク54を上記の如く設置することで、補助タンク54が筐体11内で上方に移動して上方の誘導プレート52a等に衝突することが抑制される。また、補助タンク54が上方に移動した場合は、補助タンク54が筐体11内の施錠装置20との干渉位置に引っ掛かり、キーシリンダ21を通じて解錠操作を行っても解錠できなくなるという不都合が起こり得るが、補助タンク54の上方への移動が規制されることで、かかる不都合についてもその発生を抑制可能となる。
右側フランジ部571cと係合部574とを係合させた場合は、補助タンク54の上方への移動が規制されるだけでなく、起立部577と右側板11cとの間に補助タンク54が配置されることで、補助タンク54の左右方向への移動を規制することもできる。この場合、スロットマシン10の運搬時において補助タンク54が左右に往復移動し、右側板11cやホッパ装置51に繰り返し衝突することが抑制される。
ここで、メダルを手動回収する場合は、補助タンク54の一部や全体を持ち上げて筐体11内からの補助タンク54の取り出し操作が行われるところ、右側フランジ部571cと係合部574とが係合した状態では上記取り出し操作が困難化する構成となっている。すなわち、本実施の形態では、右側フランジ部571cと係合部574とを係合させるべく補助タンク54を下向き姿勢とした場合は、垂下部503bが起立して持ち手部503が上方に開口した状態となる。この場合、下方から指又は手を入れにくくなるため、メダルを手動回収にて回収している遊技ホールへの運搬後(又は設置後)において、従業員が習慣的に上記取り出し操作を行おうとしても躊躇し易くなる。これにより、係合状態における無理な取り出し操作が抑制され、右側フランジ部571cや係合部574の損傷が抑制される。
図18(a)に示すように、底板11aの前端部11dには、補助タンク54の前方への移動量を規制する規制板579が設けられている。規制板579は、所定の厚み寸法を有する金属製の平板によって構成されており、その後端部において底板11aとの間に上り段差を形成している。
規制板579における前後方向(補助タンク54のスライド方向)の長さ寸法は、補助タンク54を所定の設置位置までスライド移動させた場合に、規制板579の後端部が補助タンク54の前方に位置する長さに設定されている。すなわち、規制板579の後端部と背板11bとの距離は、補助タンク54の長手方向寸法Lgよりも長くなっている。このため、補助タンク54を所定の設置位置に設置した後は、補助タンク54が前方に移動しても規制板579に引っ掛かり、それ以上の前方移動が規制される。これにより、スロットマシン10の運搬時において補助タンク54が前面扉12の背面に衝突することが抑制され、補助タンク54や前面扉12の損傷を抑制できる。
規制板579の厚み寸法は、前面扉12を閉鎖する際に前面扉12の下端部12a(図4参照。詳しくは、下端部のうち前面扉12の閉鎖時に底板11aの上方に位置することになる部分)が乗り上げ可能な高さとなるようにするとよい。これにより、前面扉12と底板11aとの隙間を規制板579によって埋めることができる。すなわち、規制板579を、上記隙間から針金等の異物を挿入してスロットマシン10の内部に不正アクセスしようとする行為を防止する不正防止板としても機能させることができる。
ここで、上記所定の設置位置は、補助タンク54の底板部501aに設けられた下側開口部512の上方に誘導プレート52aが配置される位置に設定されている。このため、自動回収の遊技ホールへの運搬にあたっては、底蓋514を開放位置に位置させた状態で補助タンク54を下向き設置しておけば、運搬後又は遊技ホールへの設置後、補助タンク54の取り外しや位置調整を要することなくそのまま使用することが可能になる。
但し、運搬にあたっては、必ずしも底蓋514を開放位置に位置させておく必要はない。例えば、図25に示すように、底蓋514を上側センサ棒16aに載せた状態にて補助タンク54を設置してもよい。この場合、開放位置に至るまでの途中位置にて上側センサ棒16aが当接することで、底蓋514の開放位置への回動を規制できる。これにより、底蓋514の閉鎖位置からの回動上限が所定回動角γに規定され、メダル排出孔15から異物や手を侵入させて底蓋514を開放位置まで回動させようとしても、上側センサ棒16aによってそれが阻害される。その結果、下側開口部512が完全に開放することが回避され、遊技機内部への不正アクセスを行いにくくできる。
ここで、本実施の形態では、所定回動角γが底蓋514を取り外し可能となる特定回動角β(図24参照)よりも小さくなるように、回動軸538と上側センサ棒16aとの位置関係が設定されている。この場合、メダル排出孔15から異物や手を侵入させて底蓋514を回動させても特定回動角βまで回動不能又は回動しにくくなり、底蓋514の取り外しを困難化できる。これにより、底蓋514を取り外すことで下側開口部512を完全開放させようとする行為を抑制可能となる。
一方、補助タンク54を上向き姿勢で設置した場合は、図17に示すように、補助タンク54と係合部574との係合がなされず、補助タンク54が自由状態で設置される。このため、メダルを手動回収する場合は、筐体11内から補助タンク54を簡単に取り出すことができる。
なお、ホッパ装置51と筐体11の右側板11cとの間隔は、補助タンク54の横幅寸法Lfに対応したものとなっており、具体的には、横幅寸法Lfよりも若干大きいものとなっている。このため、補助タンク54を上向き姿勢で設置した場合は、ホッパ装置51と右側板11cとによって補助タンク54が挟まれた状態となり、フランジ部571がホッパ装置51や右側板11cに当接することで、左右方向への補助タンク54の移動が規制される。
既に説明したように、本実施の形態では、補助タンク54が上向き姿勢である場合に、タンク本体501の左側壁部501e及び右側壁部501dが上方に向かうにつれて相互の間隔が大きくなる傾斜状に形成されている。このうち左側壁部501eは、補助タンク54が上向き姿勢で設置された場合に係合部574と対峙する壁部であるところ、上記傾斜を有していることで、左側壁部501eの下端部を係合部574から離間させ易くできる。これにより、補助タンク54を上向き姿勢で設置する場合に、係合部574との間にゆとりを確保でき、係合部574との干渉によって補助タンク54の設置が困難化したり、補助タンク54が傾いたりするなどの不都合の発生を抑制可能となる。
ちなみに、補助タンク54を上向き姿勢で設置した場合、補助タンク54の前方には規制板579が位置し、補助タンク54の取り出し操作の際に補助タンク54が規制板579と当接し得るものとなる。そこで、本実施の形態では、図15及び図16に示すように、タンク本体501における底板部501aの裏面に、断面半円状の膨出部581が設けられている。
膨出部581は、タンク本体501に一体形成されており、底板部501aの裏面においてタンク本体501の前部に配置されている。これにより、規制板579に対するタンク本体501の引っ掛かりが軽減され、補助タンク54を円滑に引き出すことが可能となる。この場合、膨出部581の高さ寸法を規制板579の板厚寸法よりも大きくすることで、補助タンク54の引き出しに際して、規制板579に対し最初に膨出部581が当接し易くなり、引っ掛かりの軽減効果を好適に発揮することが可能になる。
右側フランジ部571cと係合部574との係合を解除する場合は、図18(a)に示す状態から補助タンク54を前方(手前側)に引き出すことで、係合を解除することができる。補助タンク54が下向き姿勢で設置されている場合、持ち手部503は、垂下部503bが起立して上方に開口した状態となっているため、持ち手部503の上方から垂下部503bに指又は手を引っ掛けることで引き出し操作を容易に行うことができる。その際、規制板579との引っ掛かりを抑制するため、規制板579の後側上端部や延出部503a(前側フランジ部571a)の前側上端部571e(図17参照)に傾斜面を設けてもよい。
既に説明したように、本実施の形態では、上側センサ棒16a及び下側センサ棒16bが筐体11の底板11aと平行な方向に延びており(高さ方向においてタンク設置面と同じ向きに延びる)、補助タンク54を前後方向にスライド移動させることにより、上側センサ挿通孔505a及び下側センサ挿通孔505bに対する各センサ棒16a,16bの出し入れが可能となっている。
補助タンク54が上向き姿勢で筐体11内に設置され、且つ補助タンク54内にメダルが収容されている状態では、補助タンク54が比較的重くなっているため、従業員により補助タンク54が取り出される際には、筐体11の前面開口側から底板11a上をスライド移動させて補助タンク54が引き出されると考えられる。この場合、各挿通孔505a,505bに挿通された各センサ棒16a,16bは、補助タンク54から過剰な力を受けることなく引き抜かれる。
これに対し、補助タンク54が下向き姿勢で設置されている状態では、補助タンク54が空であり、その重量は比較的軽い。そのため、補助タンク54が取り出される際には、補助タンク54の前端部を持ち上げられるように傾けて引き出されることが考えられる。この場合、各センサ棒16a,16bが補助タンク54から過剰な力を受けることが懸念される。この点、補助タンク54を前後方向にスライド移動させることで係合状態が解除される構成となっているため、補助タンク54が傾けられた姿勢で引き出されることが抑制され、各センサ棒16a,16bが過剰な力を受けることを抑制できる。つまり、各センサ棒16a,16bの保護を図ることができる。
以上詳述した構成によれば、以下の優れた効果を奏する。
補助タンク54の向きを上下の相互間で変化させることに伴って補助タンク54の底部が開閉される構成とした。これにより、補助タンク54の上下を反転させるだけで手動回収用と自動回収用との切り替えを行うことができ、切り替え操作を簡単化できる。しかも、閉鎖状態と開放状態との切り替わりを補助タンク54の姿勢に対応付けているため、いずれの態様であるかを把握し易くできる。例えば、上向き姿勢の下で開閉が切り替わるに過ぎないものの場合は、補助タンク54の中を覗き込まないといずれの状態であるかが把握しにくくなる。その結果、閉鎖状態で使用すべきところを開放状態で使用するなど、誤った態様で使用するおそれがある。この点、本構成では、閉鎖状態である場合と開放状態である場合とで補助タンク54の外観を相違させることができるため、一見して状態の違いに気付くことが可能になる。特に、補助タンク54の底部が上側となる場合に開放状態となる構成とされているため、底が空いていることに気付き易くなり、誤った態様での使用を抑制可能となる。
補助タンク54を上向き姿勢から下向き姿勢に変化させた場合に、底蓋514が開放位置に向けて自重で回動する構成とした。この場合、下側開口部512の開放し忘れが抑制されることに加え、底蓋514を開放位置に向けて回動させるための駆動部や、補助タンク54の姿勢を検知するセンサ、当該センサの検知結果に応じて駆動部を制御する制御構成等が不要となり、構成の簡単化や低コスト化を図ることが可能になる。
底蓋514の開放側への回動範囲の上限を所定回動角αに制限し、補助タンク54が上向き姿勢とされた場合に、底蓋514が自重により閉鎖位置に向けて回動する構成とした。下側開口部512の閉鎖し忘れが抑制されることに加え、底蓋514を閉鎖側に向けて回動させるための駆動部等が不要となり、構成の簡単化や低コスト化を図ることが可能になる。
補助タンク54を下向き姿勢で設置することで右側フランジ部571cと係合部574とが係合し、補助タンク54を上向き姿勢で設置した場合はそれらの係合がなされない構成とした。これにより、手動回収時における補助タンク54の取り出し操作に悪影響が及ぶことを回避しながら、スロットマシン10の運搬時における補助タンク54の移動を規制することが可能になる。
特に、係合の有無を補助タンク54の姿勢に対応付けているため、係合状態である場合と非係合状態である場合とで補助タンク54の外観を相違させることができる。例えば、係合箇所が遊技ホールの従業員から見て死角となったりする場合は、係合状態であることに気付かないで無理な取り出し操作を行い、右側フランジ部571cや係合部574等を損傷させるおそれがある。この点、本実施の形態によれば、補助タンク54の外観が相違することで一見して状態の違いに気付くことが可能になる。この場合において、例えば、補助タンク54が下向き姿勢の場合は固定状態にある旨を予め従業員に通知しておけば、係合箇所の確認を要することなく上記各状態のいずれにあるかを容易に把握でき、無理な取り出し操作を抑制可能となる。
右側フランジ部571cと係合部574とが係合することで補助タンク54の上方への移動が規制される構成とした。運搬時において補助タンク54が上方に移動すると、補助タンク54が施錠装置20と干渉する位置に引っ掛かり、後に解錠操作を行っても解錠できなくなるという不都合が想定される。この点、上記構成では、右側フランジ部571cと係合部574とが係合することで補助タンク54の上方への移動が規制されるため、上記不都合の発生を抑制可能となる。
係合部574を底板11aの表面(補助タンク54の設置面)上に設け、補助タンク54のフランジ部571と係合させる構成とした。この場合、補助タンク54において係合のための専用部品を設けることが不要となり、補助タンク54の構成を簡単化できる。
そればかりか、フランジ部571を係合させる構成としたことで、補助タンク54を上向き姿勢とした場合に係合部574との離間距離を大きくすることができる。これにより、補助タンク54を上向き姿勢で設置した場合に、意図せず係合状態となり、補助タンク54の移動が規制されてしまう不都合を抑制可能となる。また、筐体11内においてホッパ装置51と補助タンク54とが横並びで設けられることからすれば、補助タンク54が上向き姿勢で設置される場合に、フランジ部571によって、ホッパ装置51や筐体11の右側板11cに対する補助タンクの位置が規制される。したがって、上向き姿勢で補助タンク54の係合がなされていなくても、補助タンク54の位置ずれの規制が可能となる。
自動回収時には補助タンク54の取り出し操作を要しないという特性に着目し、手動回収には不向きな補助タンク54の下向き姿勢を、スロットマシン10の運搬時と自動回収時とにおける共通の姿勢として採用し、その上で共通姿勢の場合に限り補助タンク54を筐体11に固定化する構成とした。さらに、タンク本体501の底板部501aに下側開口部512を設け、底蓋514によって開閉可能な構成としたため、自動回収時への悪影響を抑制しながら運搬時の不都合を解消できる。すなわち、本実施の形態によれば、僅か補助タンク54の姿勢を変えるという操作を行うだけで、運搬時、自動回収時及び手動回収時という3つの使用環境にそれぞれ適応することができ、利便性を格段に向上させることが可能になる。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図26及び図27のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基板としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、第3クレジット投入スイッチ58の操作を個別に検出する第3クレジット投入検出センサ58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a、上側センサ棒16a及び下側センサ棒16b等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、押し順報知部68、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、BB状態等の遊技状態を記憶するための状態情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図28参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図27に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側に上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいて上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、第1演出スイッチ66(より詳しくは当該第1演出スイッチ66の操作を検出する第1演出スイッチ検出センサ)や第2演出スイッチ67(より詳しくは当該第2演出スイッチ67の操作を検出する第2演出スイッチ検出センサ)が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを図28〜図55を参照しながら説明する。
図28は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図26参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図29のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS213に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、1ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には1枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。ちなみに、本実施形態では2ベットゲームにて再遊技入賞が成立しないようになっているが、2ベットゲームでも再遊技入賞が成立するように変形するのであれば、本自動投入処理にて2枚の仮想メダルを自動投入可能に設定するとよい。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56〜58の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56〜58の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、CB状態における規定数として「2」が設定されており、CB状態以外の遊技状態(具体的には、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態)における規定数として「1」及び「3」が設定されている。つまり、CB状態においては、ベット数が「2」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、CB状態以外ではベット数が「1」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、CB状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「2」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定数に達している場合には、ステップS206にてモード移行報知用処理を実行する。かかる移行報知用処理については後に詳細に説明する。
ステップS206の処理を行った後は、ステップS206の処理結果の情報及びステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドをサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81の処理については、後に詳細に説明する。
ステップS207の処理を実行した後は、ステップS208にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS209にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、3ベットゲームでは、右下がりラインL4のみを有効ラインと設定し、2ベットゲームでは、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。また、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6を有効ラインと設定する。ステップS210では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS211の抽選処理、ステップS212のリール制御処理、ステップS213のメダル払出処理、ステップS214のRT状態処理、ステップS215のボーナス状態処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS211の抽選処理について、図30のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、通常遊技モードにおける遊技状態として、大別して通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を有している。また、特定モードにおける遊技状態として、特定モード時の通常遊技状態,特定モード時のBB状態,特定モード時のCB状態の3種類の遊技状態を有している。
本スロットマシン10では、抽選処理の抽選結果や各リール32L,32M,32Rの停止結果に基づいて、上記6種類又は3種類の遊技状態が移行する遊技性となっている。そして、本実施形態における特定モードは、通常遊技モードの遊技性を模したモードとされている。そこで、先ず、通常遊技モードの遊技性について説明し、後に特定モードについて詳細に説明するとする。
すなわち、ステップS302では、ベット数と状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグとに基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、状態情報格納エリア106cに設定フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技モードの通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図31は、通常遊技モード時における「設定3」の通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306に進み、そのときのインデックス値IVと対応する当選フラグをRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットする。例えば、IV=20のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306では、第1小役〜第5小役,第14小役〜第17小役に当選したことを示す当選フラグを当選フラグ格納エリア106aにセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第1BB当選フラグ」という。)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(以下、「第2BB当選フラグ」という。)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB,CB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。ちなみに、図31に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、通常リプレイに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約7.3分の1、強チェリーに当選となる確率(IV=13の際に当選となる確率)は約263分の1、弱チェリーに当選となる確率(IV=14の際に当選となる確率)は約183分の1である。スイカに当選となる確率(IV=15の際に当選となる確率)は約154分の1、チャンスAに当選となる確率(IV=16の際に当選となる確率)は約252分の1、チャンスBに当選となる確率(IV=17の際に当選となる確率)は約252分の1である。中段ベルに当選となる確率(IV=18の際に当選となる確率)は約32800分の1、不問ベルに当選となる確率(IV=19の際に当選となる確率)は約65500分の1である。順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2に当選となる確率(IV=20〜23の際に当選となる確率)はそれぞれ約164分の1、中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2に当選となる確率(IV=24〜27の際に当選となる確率)はそれぞれ約16.4分の1である。強チェリー重複1に当選となる確率(IV=31の際に当選となる確率)は約1770分の1、強チェリー重複2に当選となる確率(IV=32の際に当選となる確率)は約4680分の1、弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=33の際に当選となる確率)は約3280分の1、弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=34の際に当選となる確率)は約6550分の1である。スイカ重複1に当選となる確率(IV=35の際に当選となる確率)は約3280分の1、スイカ重複2に当選となる確率(IV=36の際に当選となる確率)は約6550分の1である。チャンスA重複1,チャンスA重複2,チャンスB重複1,チャンスB重複2に当選となる確率(IV=37〜40の際に当選となる確率)はそれぞれ約3280分の1である。中段ベル重複1,中段ベル重複2に当選となる確率(IV=41,42の際に当選となる確率)はそれぞれ約2620分の1である。第1BB,第2BBに単独当選となる確率(IV=43,44の際に当選となる確率)はそれぞれ約65500分の1である。CBに当選となる確率(IV=45の際に当選となる確率)は約19.9分の1である。また、いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.94分の1である。
なお、通常遊技モード時の通常遊技状態用抽選テーブルには、IV=2〜12,28〜30,46〜49のポイント値PVに対して0が設定されている。このため、通常遊技モード時の通常遊技状態では、これらのインデックス値IVにおいて当選とならない。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS309の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報設定処理を行い、抽選処理を終了する。停止情報設定処理では、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位で停止情報を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するように、停止情報を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するように停止情報を設定する。
次に、ステップS212のリール制御処理について、図32のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。ステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップスイッチ42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施の形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=20〜27の際に当選となった場合すなわち順押しベル1,順押しベル2,挟み押しベル1,挟み押しベル2,中押しベル1,中押しベル2,右押しベル1,右押しベル2(以下、これらを総称して「押し順ベル」ともいう。)に当選となった場合(図31参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図33は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2小役入賞又は第5小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2小役入賞又は第5小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、通常遊技モード時のCB状態以外の遊技状態(3ベットゲーム)において、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができ、右下がりラインL4のみが有効ラインとして設定される。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第2小役入賞又は第5小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第2小役図柄は、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄である。また、「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄は、第5小役図柄としての機能も有している。左リール32Lには、第2小役図柄同士(第5小役図柄同士)の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。例えば左リール32Lの8番の「スイカ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、図34(a)に示すように、12番の「白ベル」図柄が上段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞又は第5小役入賞の成立する余地が残る。
中リール32Mの第2小役図柄は「赤7」図柄である。中リール32Mには、「赤7」図柄が18番の位置にのみ配置されている。また、中リール32Mの第5小役図柄は「チェリー」図柄である。中リール32Mには、「チェリー」図柄が11番,14の位置に配置されている。このため、中ストップスイッチ43の操作タイミングによって、第2小役図柄又は第5小役図柄が有効ライン上に停止したり、第2小役図柄と第5小役図柄のいずれも有効ライン上に停止しなかったりする。
具体的には、6番の「白ベル」図柄〜13番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、第5小役図柄たる「チェリー」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第5小役入賞の成立する余地が残る。14番の「チェリー」図柄〜17番の「第1リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、図34(b)に示すように、第2小役図柄たる「赤7」図柄が中段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞の成立する余地が残る。他のタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mを4図柄分滑らせた後に停止させたとしても第2小役図柄及び第5小役図柄を中段に停止させることができない。かかるタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、2番の「BAR」図柄又は6番の「白ベル」図柄が中段に停止する。
中リール32Mの第2小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第2小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第2小役図柄は「赤7」図柄である。右リール32Rには、「赤7」図柄が18番の位置にのみ配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第2小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、14番の「スイカ」図柄〜18番の「赤7」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、図34(c)に示すように、第2小役図柄たる「赤7」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第2小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄が下段に停止する。例えば、13番の「チェリー」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、図34(d)に示すように、14番の「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄,「赤7」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図12に示すように移行出目である。
中リール32Mの第5小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第5小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
右リール32Rの第5小役図柄は「第2リプレイ」図柄である。右リール32Rには、「第2リプレイ」図柄が0番,3番の位置に配置されている。このため、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第5小役図柄が有効ライン上に停止したり停止しなかったりする。具体的には、17番の「BAR」図柄〜3番の「第2リプレイ」図柄のいずれかが下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、第5小役図柄たる「第2リプレイ」図柄が下段に停止する。この結果、右下がりラインL4上で第5小役入賞が成立する。他のタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、「スイカ」図柄が下段に停止する。左から「白ベル」図柄,「チェリー」図柄,「スイカ」図柄の組合せは、図12に示すように移行出目である。
中リール32Mの第2小役図柄及び第5小役図柄が中段に停止しなかった場合、すなわち中リール32Mの「BAR」図柄又は「白ベル」図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、「スイカ」図柄が下段に停止するように停止情報を変更する。
右リール32Rには、「スイカ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該「スイカ」図柄が配置されている。このため、右ストップスイッチ44が操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「スイカ」図柄が停止する。左から「白ベル」図柄,「BAR」図柄,「スイカ」図柄の組合せと、左から「白ベル」図柄,「白ベル」図柄,「スイカ」図柄の組合せと、は、図12に示すように移行出目である。
このように、中押しベル1に当選となり、左ストップスイッチ42→中ストップスイッチ43→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、第2小役入賞が成立する場合と、第5小役入賞が成立する場合と、移行出目が停止する場合と、のいずれかとなる。
次に、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第1小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「赤ベル」図柄が停止する。
左リール32Lには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄及び「白ベル」図柄が、第1小役図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第1小役図柄たる「赤ベル」図柄が、「赤ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。このため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず下段に「赤ベル」図柄が停止する。
以上のとおり、中押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた1通り又は2通りの操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、小役入賞が成立するか、有効ライン上に移行出目が停止することとなる。ちなみに、中段ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第29小役入賞が成立し、不問ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS213のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第8再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技状態を再遊技状態とする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技状態が再遊技状態であると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS214のRT状態処理を図35のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS501では、有効ライン上に移行出目が停止したか否かを判定する。移行出目が停止した場合には、ステップS502に進み、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定する。現在の遊技状態が通常遊技状態である場合には、ステップS503にてRAM106の状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。ステップS501にて有効ライン上に移行出目が停止していないと判定した場合には、ステップS504に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第2再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞が成立した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットする。その後、本処理を終了する。また、通常遊技状態以外の遊技状態下で有効ライン上に移行出目が停止した場合には、ステップS505にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS503にて第1RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS503にて第1RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第1RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第1RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第1RT状態であると判別し、第1RT状態用抽選テーブルを選択する。
図36は、「設定3」の第1RT状態で選択される第1RT状態用抽選テーブルである。第1RT状態用抽選テーブルは、通常遊技状態用抽選テーブル(図31参照)と比較した場合、IV=1〜5のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=6〜49の際に当選となる確率は通常遊技状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約67.0分の1、IV=2〜5の際に当選となる確率はそれぞれ約32.8分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約1.94分の1である。
ここで、図36に示すように、IV=1の際に当選となった場合には通常リプレイ当選となり、IV=2の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ1当選となり、IV=3の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ2当選となり、IV=4の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ3当選となり、IV=5の際に当選となった場合には第1昇格リプレイ4当選となる。IV=1〜5のいずれかの際に当選となる確率は約7.30分の1である。通常遊技状態下における通常リプレイ当選確率も約7.30分の1である。つまり、遊技状態が第1RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について通常遊技状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が通常遊技状態と異なるものに変化する。より詳しくは、通常遊技状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞のみが成立し、第1RT状態では、第1再遊技入賞に加えて、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述した押し順ベルに当選となった場合に加えて第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図37(a)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合には、押し順ベルに当選となった場合と異なり、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第3再遊技入賞が必ず成立する。第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4には、6通りの操作順序のうち1通りの操作順序に第3再遊技が対応付けられており、他の操作順序には第1再遊技が対応付けられている。
なお、第1昇格リプレイ2〜4では、第1再遊技及び第3再遊技の他に、第6再遊技、第7再遊技、第8再遊技も当選役として振り分けられている。但し、これら第6再遊技〜第8再遊技は、上記6通りの操作順序のうちのいずれもが対応付けられていない。そのため、第6再遊技〜第8再遊技は、第1昇格リプレイ2〜4に当選していても、ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず、入賞しない。
より具体的には、第1昇格リプレイ1〜4は、それぞれ、第1昇格リプレイ1は第1再遊技及び第3再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ2は第1再遊技及び第3再遊技の他に第6再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ3は第1再遊技及び第3再遊技の他に第7再遊技が振り分けられており、第1昇格リプレイ4は第1再遊技及び第3再遊技の他に第8再遊技が振り分けられているものの、いずれの第1昇格リプレイ1〜4であっても、入賞する再遊技は第1再遊技と第3再遊技のうちの何れかとなっている。これは、第3再遊技入賞が成立する操作順序をわかりにくくするためである。すなわち、例えば、第1昇格リプレイが1種類であると、第3再遊技入賞に対応する操作順序も1種類となってしまい、第1昇格リプレイ当選時に、意図的に第3再遊技入賞を成立させることが可能となり得るからである。なおこの関係は、第1昇格リプレイ1〜4の関係のみに限ったことではなく、他の重複役についても同様のことがいえる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS504にて第2再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS506に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第3再遊技入賞が成立した場合には、ステップS507にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS508にて第2RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS508にて第2RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第2RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第2RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第2RT状態であると判別し、第2RT状態用抽選テーブルを選択する。
図38は、「設定3」の第2RT状態で選択される第2RT状態用抽選テーブルである。第2RT状態用抽選テーブルは、第1RT状態用抽選テーブル(図36参照)と比較した場合、IV=1〜10のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合には、IV=11〜49の際に当選となる確率は第1RT状態における各当選確率と等しく、IV=1の際に当選となる確率は約13.2分の1、IV=2〜5の際に当選とならず、IV=6〜8の際に当選となる確率はそれぞれ約10.5分の1、IV=9,10の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、第2RT状態に移行した場合には、通常遊技状態及び第1RT状態と比して外れの確率が低くなり、遊技者に有利となる。また、第2RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞に加えて、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、第3RT状態に移行する第4再遊技入賞,第5再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS412)では、上述した第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4に当選となった場合に加えて、転落リプレイ1〜転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図37(b)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。転落リプレイ1〜転落リプレイ3に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が必ず成立する。第2昇格リプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第4再遊技入賞,第5再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。第2昇格リプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞又は第4再遊技入賞が必ず成立する。
なお、図中の第4再遊技に付されている番号は、第4再遊技入賞が成立する際の図柄組合せと対応するものである。「1」は、バラケ目となる図柄組合せと対応し、「2」は、異色7図柄中段停止となる図柄組合せと対応し、「3」は、赤7・赤7・BAR中段停止となる図柄組合せと対応し、「4」は、白7・白7・BAR中段停止となる図柄組合せと対応する(図12参照)。例えば、第2昇格リプレイ1に当選となった際に左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、バラケ目となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となるか、異色7図柄中段停止となる図柄組合せが停止して第4再遊技入賞成立となる。
RT状態処理の説明に戻り、ステップS506にて第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合には、ステップS509に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第4再遊技入賞及び第5再遊技入賞が成立していない場合には、そのまま本処理を終了する。第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立した場合には、ステップS510にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアするとともに、ステップS511にて第3RT設定フラグをセットし、本処理を終了する。
ステップS511にて第3RT設定フラグをセットした場合には、遊技状態が第3RT状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cに第3RT設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態が第3RT状態であると判別し、第3RT状態用抽選テーブルを選択する。
図39は、「設定3」の第3RT状態で選択される第3RT状態用抽選テーブルである。第3RT状態用抽選テーブルは、第2RT状態用抽選テーブル(図38参照)と比較した場合、IV=9〜12のポイント値PVが相違しており、他のインデックス値IVに同一のポイント値PVが設定されている。このため、かかる抽選テーブルを用いて役の当否判定を行った場合、IV=1〜8,13〜49の際に当選となる確率は第2RT状態における各当選確率と等しく、IV=9,10の際に当選とならなくなり、IV=11,12の際に当選となる確率はそれぞれ約7.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約150分の1である。つまり、遊技状態が第3RT状態に移行した場合には、小役,再遊技,ボーナスの各役種について第2RT状態と同一の確率で当選となる一方、再遊技の特典が付与される入賞態様が第2RT状態と異なるものに変化する。より詳しくは、第3RT状態では、遊技状態の移行しない第1再遊技入賞と、第1RT状態に移行する第2再遊技入賞と、に加えて、遊技状態の移行しない第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第8再遊技入賞と、第2RT状態に移行する第3再遊技入賞と、が成立する。
停止情報第2設定処理(ステップS412)では、BARリプレイ1,BARリプレイ2に当選となった場合にも、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報を設定する。
図37(c)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。BARリプレイ1に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第7再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。BARリプレイ2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第1再遊技入賞,第6再遊技入賞,第8再遊技入賞,第3再遊技入賞のいずれかが必ず成立する。
次に、ステップS215のボーナス状態処理を図40のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS601では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態がBB状態又はCB状態であるか否かを判定する。ボーナス状態でない場合には、ステップS602〜ステップS614に示すボーナス判定処理を行う。
ボーナス判定処理では、ステップS602にて第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグ,特殊第1BBフラグ,特殊第2BBフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。特殊第1BBフラグや特殊第2BBフラグは、特定モード時に当選可能な特殊第1BBや特殊第2BBに対応するフラグである。特殊第1BB及び特殊第2BBは、通常遊技モード時の第1BBや第2BBに対応するボーナス役である。いずれかの当選フラグがセットされている場合には、ステップS603に進み、先の払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、CB入賞が成立したか否かを判定する。CB入賞が成立した場合には、ステップS604にて状態情報格納エリア106cにCB設定フラグをセットする。ステップS605では、状態情報格納エリア106cに設けられたボーナス状態中に払出可能な残りのメダル数をカウントするための残払出数カウンタに15をセットする。ステップS604〜S605の処理を行うことにより、遊技状態がCB状態に移行する。
ここで、CB及びCB状態について簡単に説明する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、CB入賞となる。各リール32L,32M,32Rには、CB図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして当該CB図柄が配置されている。このため、CBに当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、CB入賞が成立する。
主制御装置101は、状態情報格納エリア106cにCB設定フラグがセットされている場合、遊技状態がCB状態であると判別する。そして、通常処理のステップS205では、メダルのベット数が「3」ではなく「2」に達しているか否かを判定し、有効ライン設定処理(ステップS207)では、下ラインL3及び右下がりラインL4を有効ラインと設定する。
抽選処理のステップS302では、CB状態用抽選テーブルを選択する。CB状態用抽選テーブルの図示は省略するが、CB状態用抽選テーブルでは、IV=1〜45のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=46〜49のポイント値として「16384」が設定されている(IVと当選役との対応関係については図31等参照)。したがって、CB状態では、CB中小役1に当選となる確率(IV=46の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役2に当選となる確率(IV=47の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役3に当選となる確率(IV=48の際に当選となる確率)が約4.00分の1となり、CB中小役4に当選となる確率(IV=49の際に当選となる確率)が約4.00分の1となる。外れとなる事象は発生しない。
図41(a)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。詳細な説明は省略するが、CB中小役1〜CB中小役4のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、何らかの小役入賞が必ず成立する。CB状態は2ベットゲームであるため、第1小役入賞,第18小役入賞,第19小役入賞,第25小役入賞が成立した場合には、15枚のメダル払出が行われ、第2小役入賞〜第17小役入賞,第20小役入賞〜第24小役入賞が成立した場合には、14枚のメダル払出が行われる。つまり、CB状態に移行した場合には、必ず14枚又は15枚のメダル払出が行われる。
ちなみに、本実施形態では、CBは通常遊技モード時のみ当選し、特定モード時は当選しないようになっている。
ボーナス状態処理の説明に戻り、ステップS603にてCB入賞が成立していないと判定した場合には、CB以外のボーナス当選フラグがセットされていることを意味する。かかる場合には、ステップS608にて状態情報格納エリア106cにセットされているRT設定フラグをクリアし、ステップS609にて第1BB入賞、第2BB入賞、特殊第1BB入賞又は特殊第2BB入賞が成立したか否かを判定する。
そして、いずれかのBB入賞が成立した場合には、ステップS610にてRAM106の当選フラグ格納エリア106aにセットされているBB当選フラグをクリアするとともに、ステップS611にて状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットする。ステップS612では、今回のBB入賞が特定モード時の特殊第1BB入賞又は特殊第2BB入賞であるか否かを判定する。ステップS612にて否定判定して、今回のBB入賞が通常遊技モード時の第1BB入賞又は第2BB入賞である場合には、ステップS613にて、残払出数カウンタに216をセットし、残払出枚数表示部61に216を表示させる処理を行う。一方、ステップS612にて肯定判定した場合には、ステップS614にて、残払出数カウンタに24をセットし、残払出枚数表示部61に24を表示させる処理を行う。ステップS613やステップS614でセットする数値は、BB状態における上限払出数に対応する数値であり、BB状態において当該数値以上のメダルの払い出しが行われたことを条件に当該BB状態が終了される。つまり、通常遊技モード時の第1BBや第2BBは上限払出数が216として設定され、特定モード時の特殊第1BBや特殊第1BBでは上限払出数が24として設定され、各モードでボーナスの上限払出数が異なっている。
ステップS610〜S614の処理を行うことにより、遊技状態がBB状態に移行する。そして、抽選処理のステップS302では、状態情報格納エリア106cにBB設定フラグがセットされていることに基づいて現在の遊技状態がBB状態であると判別し、対応するBB状態用抽選テーブルを選択する。
図42は、通常遊技モード時の第1BBや第2BBで移行するBB状態で選択されるBB状態用抽選テーブルである。BB状態用抽選テーブルでは、IV=1〜27,31〜49のポイント値PVとして「0」が設定されており、IV=28〜30のポイント値として「21845」が設定されている。したがって、BB状態では、BB中小役1に当選となる確率(IV=28の際に当選となる確率)が約3.00分の1となり、BB中赤7揃い役に当選となる確率(IV=29の際に当選となる確率)が約3.00分の1となり、BB中BAR揃い役に当選となる確率(IV=30の際に当選となる確率)が約3.00分の1となる。いずれの役にも当選しない外れの確率は約65500分の1である。
図41(b)は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。上述したとおり、第1小役入賞は、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず成立させることができる入賞態様である。したがって、BB中小役1,BB中赤7揃い役,BB中BAR揃い役のいずれに当選となった場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作順序及び操作タイミングに関わらず、第1小役入賞,第30小役入賞,第31小役入賞のいずれかが必ず成立する。BB状態は3ベットゲームであるため、第1小役入賞,第30小役入賞,第31小役入賞が成立した場合には、9枚のメダル払出が行われる。BB状態における外れの確率は約65500分の1であるため、BB状態は、非常に高確率で9枚のメダル払出が行われる遊技状態である、といえる。
遊技状態がCB状態又はBB状態に移行した場合には、ステップS601にて肯定判定をし、ステップS615にて終了判定処理を行う。終了判定処理では、残払出数カウンタの値が0となったか否かを判定し、0となった場合にCB設定フラグ又はBB設定フラグをクリアする処理を行う。また、終了判定処理では、BB設定フラグをクリアした場合、今回のゲームでBB状態が終了したことを示す終了フラグをセットする。なお、当該終了判定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS602〜ステップS614に示したように、CBに当選するとともにCB入賞が成立した場合には、RT設定フラグをクリアすることなくCB設定フラグをセットしている。このため、CB設定フラグをクリアした場合、すなわちCB状態が終了した場合には、CB入賞が成立した際の遊技状態に復帰することとなる。例えば、通常遊技状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に通常遊技状態に復帰し、第3RT状態下でCB入賞が成立した場合には、CB状態の終了後に第3RT状態に復帰する。一方、第1BB、第2BB、特殊第1BB、特殊第2BBに当選した場合には、対応するBB入賞の成立有無に関わらずステップS608にてRT設定フラグをクリアしている。このため、BB設定フラグをクリアした場合、すなわちBB状態が終了した場合には、仮に第2RT状態下で第1BB入賞が成立したとしても、通常遊技状態に移行することとなる。ちなみに、CB状態に移行した場合、遊技者は、当該CB状態が終了するまでの間に13(=15−2)枚又は25(=14−2+15−2)枚のメダル増加を期待できる。BB状態に移行した場合、遊技者は、当該BB状態が終了するまでの間に、通常遊技モードにおいては約144(=9×24−3×24)枚のメダル増加を期待できる。
第1BB当選フラグ,第2BB当選フラグ,CB当選フラグ,特殊第1BB当選フラグ,特殊第2BB当選フラグのいずれもセットされていない場合(ステップS602がNOの場合)と、第1BB入賞,第2BB入賞,CB入賞,特殊第1BB入賞,特殊第1BB入賞のいずれも成立していない場合(ステップS609がNOの場合)と、ステップS605、ステップS613又はステップS614にて残払出数カウンタに所定値をセットした場合と、ステップS615にて終了判定処理を行った場合と、には、ステップS606に進み、状態コマンドをセットする。ここで、状態コマンドとは、ゲーム終了時点での遊技状態(すなわち次回のゲームの遊技状態)を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドであり、ステップS606では、状態情報格納エリア106cにセットされている設定フラグと対応する状態コマンドをセットする。状態コマンドをセットした後、ステップS607では、外部集中端子板121からスロットマシン10外部に出力する外部信号を設定する外部信号設定処理を行う。その後、本処理を終了する。
<遊技状態の移行と表示モードの概要>
ここで、通常遊技モード時の遊技状態の移行について図43を用いて説明する。なお、CB状態については、図示を省略している。
遊技状態がBB状態である場合、当該BB状態下におけるメダル払出数が216に達した場合にBB状態が終了し、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
遊技状態が通常遊技状態である場合、移行出目が有効ライン上に停止することによって遊技状態が第1RT状態に移行し、BB入賞が成立することによって遊技状態がBB状態に移行する。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。通常遊技状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第2RT状態への移行契機となる第1昇格リプレイ1〜4や、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、通常遊技状態からは、第2RT状態及び第3RT状態に移行しない(図31参照)。
遊技状態が第1RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図37(a)参照)。第1RT状態用抽選テーブルを用いた抽選処理では、第3RT状態への移行契機となる第2昇格リプレイ1,2は当選しないため、第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。
また、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各1BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。第1RT状態からは、第3RT状態に移行しない。
遊技状態が第2RT状態である場合、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第3RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第4再遊技入賞と第5再遊技入賞は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図37(b)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1〜転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図37(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
遊技状態が第3RT状態である場合、第3再遊技入賞が成立することによって遊技状態が第2RT状態に移行する。また、第2再遊技入賞が成立した場合と、移行出目が有効ライン上に停止した場合と、には、遊技状態が第1RT状態に移行する。第3再遊技入賞は、BARリプレイ1又はBARリプレイ2に当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図37(c)参照)。第2再遊技入賞は、転落リプレイ1〜転落リプレイ3のいずれかに当選し、所定の操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合に成立する(図37(b)参照)。移行出目は、押し順ベルに当選したゲームで取りこぼしが発生する場合に有効ライン上に停止する。加えて、各当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立しなかった場合、すなわちBB当選フラグが持越された場合には、遊技状態が通常遊技状態に移行し、各BB当選フラグがセットされたゲームで対応するBB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
ちなみに、各BB当選フラグが持越された場合には、抽選処理(図30)における抽選テーブルは、図示しない持越し用の抽選テーブルが用いられる。当該持越し用の抽選テーブルは、IV1〜22のPV値は通常遊技状態用抽選テーブル(図31)におけるIV1〜22のPV値と同じ値となっており、IV23以降のPV値は0に設定されている。つまり、持越し用の抽選テーブルでは、ボーナスやボーナスとの重複小役は当選しないようになっている。
本スロットマシン10では、通常遊技モードにおいて、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,BB状態,CB状態の6種類の遊技状態を主制御装置101が管理するとともに、大別して通常モード,チャレンジモード,アタックモード,VBモード(上乗せ特化ゾーン含む),BBモードの5種類の表示モードを主制御装置101が管理するようになっている。
図44は、各表示モードの移行を示す図である。
BBモードとは、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立した場合に移行し、BB状態が終了した場合に終了する表示モードである。すなわち、BBモードは、BB状態と対応する表示モードである。したがって、BBモードに移行した場合、遊技者は約144枚のメダル増加を期待できる。
通常モード又はチャレンジモードからBBモードに移行した場合、当該BBモードでは、チャレンジモードへの移行抽選と、アタックモードへの移行抽選と、が行われる。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にアタックモードに移行し、チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、BBモードの終了後にチャレンジモードに移行する。いずれの移行抽選にも当選しなかった場合には、BBモードの終了後に通常モードに移行する。アタックモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にアタックモードに復帰する。VBモードからBBモードに移行した場合には、BBモードの終了後にVBモードに復帰する。
通常モードとは、押し順ベル当選時と、第1昇格リプレイ1〜第1昇格リプレイ4,転落リプレイ1〜転落リプレイ3,第2昇格リプレイ1,第2昇格リプレイ2,BARリプレイ1,BARリプレイ2(以下、これらを総称して「押し順リプレイ」という。)当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない表示モードである。通常モードでは、チャレンジモードへの移行抽選と、アタックモードへの移行抽選と、が行われる。チャレンジモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからチャレンジモードに移行し、アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、通常モードからアタックモードに移行する。通常モードからは、VBモードに移行しない。
通常モードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、通常モードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されないため、第2RT状態及び第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ第1RT状態と対応することとなる。通常モードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
チャレンジモードとは、通常モードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されない表示モードである。チャレンジモードでは、アタックモードへの移行抽選が行われる。但し、当該チャレンジモードにおけるアタックモードへの移行抽選の当選確率は、通常モードにおけるアタックモードへの移行抽選の当選確率よりも高く設定されている。つまり、チャレンジモードは通常モードと同じように操作順序の報知が行われないものの、アタックモードへ移行し易いモードとして設定されている。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、チャレンジモードからアタックモードに移行する。上記移行抽選に当選することなく所定回数(例えば10回等)のゲームが行われた場合には、チャレンジモードから通常モードに移行する。チャレンジモードからは、VBモードに移行しない。
チャレンジモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、チャレンジモードでは、押し順リプレイ当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されないため、第2RT状態及び第3RT状態に移行することは稀であり、ほぼ第1RT状態と対応することとなる。チャレンジモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.59枚減少することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.06枚減少することを期待できる。
アタックモードとは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される表示モードである。アタックモードは、VBモードへの移行確率が異なる第1アタックモード〜第4アタックモードの4つのアタックモードによって構成されており、いずれのアタックモードであっても、通常モードと比してVBモードへの移行確率が高くなっている。VBモードへの移行抽選に当選した場合には、アタックモードからVBモードに移行する。VBモードへの移行抽選に当選することなく所定回数(例えば50回等)のゲームが行われた場合には、アタックモードから通常モードに移行する。
第1アタックモード〜第4アタックモードは、VBモードへの移行抽選に当選する確率が異なるように設定されている。より具体的には、VBモードへの移行抽選に当選する確率が、第4アタックモードが最も高く、第1アタックモードが最も低くなるように設定されており、第1アタックモード、第2アタックモード、第3アタックモード、第4アタックモードの順でVBモードへの移行抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
アタックモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、アタックモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるため、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合、ほぼ第2RT状態と対応することとなる。アタックモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。アタックモードは、遊技状態が第2RT状態に移行してから少なくとも50ゲーム継続するため、アタックモードに移行した場合、遊技者は約100枚のメダル増加を期待できる。
VBモードとは、アタックモードと同様、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される表示モードである。VBモードとアタックモードとの相違点は、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に、アタックモードでは第1再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される一方、VBモードでは第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される点である(図37(b)参照)。
VBモードは、通常遊技状態,第1RT状態,第2RT状態,第3RT状態,CB状態の各遊技状態と対応している。但し、VBモードでは、押し順ベル当選時と、押し順リプレイ当選時と、のいずれにおいてもストップスイッチ42〜44の操作順序が報知され、第2昇格リプレイ1又は第2昇格リプレイ2に当選となった場合に第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞を成立させるための操作順序が報知される。このため、VBモードは、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ42〜44を操作した場合、ほぼ第3RT状態と対応することとなる。VBモードでは、そのときの遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚増加することを期待でき、そのときの遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。VBモードは、遊技状態が第3RT状態に移行してから少なくとも25ゲーム継続するため、VBモードに移行した場合、遊技者は約50枚のメダル増加を期待できる。
遊技者の所有メダルが増加する際の表示モードの移行について説明すると、通常モードからチャレンジモードに移行し、チャレンジモードからアタックモードに移行し、アタックモードから通常モードに戻るという流れが一般的である。そして、アタックモードではVBモードへの移行抽選が行われるため、アタックモードからVBモードに移行し、VBモードからアタックモードに戻るというループが発生した場合、遊技者はより多くの所有メダル増加を期待できる。
上記のように、通常モードとチャレンジモードとで比較すると、アタックモードへの移行抽選に当選する確率が通常モードよりもチャレンジモードの方が高くなるように設定されている。したがって、チャレンジモードはアタックモードへの移行を期待させる所謂チャンスゾーンとも称される。
また、アタックモードにおいて第1アタックモード〜第4アタックモードが設定されており、各アタックモードにおいてVBモードへの移行抽選の当選確率が異なっている。そして、通常モード又はチャレンジモードからアタックモードへ移行する場合、基本的には第1アタックモードに移行する。第1アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第2アタックモードへの移行抽選が行われる。第2アタックモードへの移行抽選に当選すると、第2アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。第2アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第3アタックモードへの移行抽選が行われる。第3アタックモードへの移行抽選に当選すると、第3アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。そして、第3アタックモードにおいては、VBモードへの移行抽選が行われるとともに、第4アタックモードへの移行抽選が行われる。第4アタックモードへの移行抽選に当選すると、第4アタックモードに移行し、VBモードへの移行抽選の当選確率が上昇する。
したがって、アタックモードに移行した場合、第1アタックモード→第2アタックモード→第3アタックモード→第4アタックモードとアタックモードの昇格が行われることで、VBモードへの移行確率が高くなり、アタックモードとVBモードとのループが発生し易くなる。
以上のとおり、本スロットマシン10では、通常遊技モードにおいて、アタックモード,VBモード,BBモードの各表示モードにおいて遊技者が所有メダルの増加を図る構成となっている。そして、各表示モードと連動して、複数のRT状態と、BB状態、CB状態といった複数の状態が各再遊技の入賞又は移行出目の停止等によって行き来する構成となっている。上記のとおり、押し順リプレイ当選時や押し順ベル当選時のストップスイッチ42〜43の操作順序によって対応する再遊技入賞が成立したり移行出目が停止したりする。また、アタックモードやVBモードにおいては、押し順ベル当選時に、第1小役入賞を成立させることが可能となる操作順序が報知されることで、所有メダル増加を期待できる。
以下、表示モードに関する構成について説明する。
表示モードに関する構成としては、大別して、(1)表示モードの移行抽選に関する処理、(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理、(3)入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理、(4)サブ側の報知演出に関する処理がある。以下、順番に説明する。
<表示モードの移行抽選に関する処理>
<抽選結果対応処理>
(1)の表示モードの移行抽選に関する処理は、主制御装置101による抽選処理(図30)の抽選結果対応処理(ステップS310)にて行われる。そこで、以下、抽選結果対応処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS701では、今回の抽選結果として、強チェリー、弱チェリー、スイカ、チャンスA,B及び中段ベル、強チェリー重複1,2、弱チェリー重複1,2、スイカ重複1,2、チャンスA重複1,2、チャンスB重複1,2、中段ベル重複1,2(例えば、図31参照、IV=13〜18,31〜42、以下、これらの役をまとめて「特定役」という)であるか否かを判定する。抽選結果が特定役である場合には、ステップS702〜ステップS708の特定役に基づく表示モードの移行用の処理を実行する。一方、ステップS701にて特定役当選ではないと判定した場合には、ステップS709〜ステップS712にて、表示モード移行用の処理等を行う。
具体的には、ステップS701にて特定役当選であると判定した場合には、ステップS702にて、現状の遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態であるか否かを判定する。ステップS702にて肯定判定した場合、ステップS703にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグは、アタックモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、アタックモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ステップS703にて否定判定した場合には、ステップS704にて、第1特定役処理を実行する。
<第1特定役処理>
第1特定役処理について、図46のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第1特定役処理が行われる場合とは、通常遊技状態又は第1RT状態であって、且つアタックモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、通常モード又はチャレンジモードが対応する。第1特定役処理では、表示モードをチャレンジモードに移行するか否かの移行抽選が行われるとともに、アタックモードに移行するか否かの移行抽選が行われる。また、第1特定役処理では、現状の表示モードがチャレンジモードであれば、チャレンジモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS801にて、現状の表示モードがチャレンジモード中か否かの判定を行う。チャレンジモード中ではない場合とは、現状の表示モードが通常モードであることを意味する。ステップS801にて否定判定した場合には、ステップS802にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード抽選用のテーブルとして通常時用テーブルを取得する。一方、ステップS801にて肯定判定した場合には、ステップS803にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード抽選用のテーブルとしてチャンスモード用テーブルを取得する。通常時用テーブルとチャンスモード用テーブルとでは、特定役の種類に応じてアタックモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもアタックモードへの移行確率が高く設定されている。また、通常時用テーブルとチャンスモード用テーブルとでは、全体的にアタックモードへの移行確率が異なっており、通常時用テーブルよりもチャンスモード用テーブルの方がアタックモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS802又はステップS803にてアタックモード移行抽選用のテーブルを取得した後は、ステップS804にてアタックモード抽選処理を実行する。かかる処理では、抽選用のカウンタをRAM106の各種カウンタエリア106eから取得し、ステップS802又はステップS803にて取得した抽選用のテーブルに照らし合わせることで、アタックモードへの移行抽選を行う。
ステップS805では、ステップS804の処理結果に基づいて、アタックモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS806にて、アタックモード当選フラグをセットする処理を行う。
続くステップS807では、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS807にて否定判定した場合、ステップS808にて、前兆ゲーム数の抽選処理を行う。ここで、本実施形態では、表示モードの移行抽選として、チャレンジモード、アタックモード又はVBモードへの移行抽選に当選した場合には、前兆モードを経てから、その移行抽選に当選したことの報知が行われる。そのため、これらの移行抽選に当選したゲームと、移行抽選に当選したことの報知が行われるゲームとが異なる場合があり、移行抽選に当選したゲームから、移行抽選の当選報知が行われるゲームまでが、前兆モードとして設定される。
前兆ゲーム数としては、0ゲーム〜32ゲームが設定され、ステップS808では、これら1〜32のうちの1を抽選によりランダムに決定する。なお、アタックモードの当選契機となった特定役や、遊技状態に応じて、選択される前兆ゲーム数が異なるように設定してもよい。これは、他の前兆ゲーム数の抽選処理でも同様である。
ステップS809では、ステップS808の処理結果に基づいて、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに前兆ゲーム数を入力する処理を行う。前兆カウンタは1ゲーム毎に1ずつ減算されるカウンタであり、前兆カウンタが0となることで前兆モードが終了して移行抽選に当選したことの報知が行われる。
ステップS810では、前兆コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。前兆コマンドには、前兆モードの契機となった抽選結果(前兆モード後に移行する表示モード、上記ステップS810の場合にはアタックモード)及び前兆ゲーム数の情報が含まれている。前兆コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。ステップS810の処理を実行した後は、第1特定役処理を終了する。
また、ステップS807にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、前兆ゲーム数の設定等を行うことなく、そのまま第1特定役処理を終了する。ボーナス当選フラグがセットされている場合とは、第1BBや第2BBの持越し状態において特定役に当選し、且つアタックモードの移行抽選に当選した場合か、ボーナスとの重複役(強チェリー重複1,2等)でアタックモードの移行抽選に当選した場合である。この場合、表示モードの移行先として、アタックモードではなく、BBモードが優先される。
ステップS805にてアタックモードへの移行抽選に当選していないと判定した場合、ステップS811に進む。ステップS811では、チャレンジモード抽選処理を実行する。チャレンジモード抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからチャレンジモード抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。チャレンジモード抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じてチャレンジモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもチャレンジモードへの移行確率が高く設定されている。
ステップS811が実施される場合として、表示モードがチャレンジモードである場合も含まれるが、この場合もステップS811ではチャレンジモード抽選処理を実行し、その抽選用のテーブルは通常モードとチャレンジモードとで共通のテーブルとしている。なお、ステップS801〜803のように、チャレンジモード中か否かによって、抽選テーブルを異ならせてもよい。
ステップS812では、ステップS811の処理結果に基づいて、チャレンジモードに当選したか否かの判定を行う。チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS813にて、現状の表示モードがチャレンジモードであるか否かを判定する。チャレンジモードではなく通常モードである場合、ステップS814にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモード当選フラグをセットする処理を実行する。
続くステップS815では、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、そのまま本第1特定役処理を終了する。セットされていなければ、ステップS816にて前兆ゲーム数の抽選処理を実行し、ステップS817にて前兆ゲーム数を前兆カウンタにセットする処理を実行し、ステップS818にて前兆コマンドをセットする処理を実行してから、第1特定役処理を終了する。ステップS815〜ステップS818の処理は、ステップS807〜ステップS810に対応するものである。
ステップS813にてチャレンジモード中に再度チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS819〜ステップS823にて、チャレンジモードの継続ゲームの上乗せ用の処理を行う。すなわち、ステップS819では、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS820に進み、チャレンジモードの上乗せゲーム数の抽選処理を実行する。
ここで、上乗せとは、チャレンジモードやアタックモードの継続ゲーム数を加算することをいい、上乗せゲーム数とは、当該継続ゲーム数に加算する値に対応する。ステップS820では、チャレンジモードの継続ゲーム数に加算する値を抽選により決定する。
具体的には、上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからチャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。チャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。例えば、強チェリーでは80%の確率で30ゲームのチャレンジモードの上乗せを行い、20%の確率で50ゲームの上乗せを行う。また、弱チェリーでは80%の確率で5ゲームの上乗せを行い、20%の確率で20ゲームの上乗せを行う。
ステップS821では、チャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、チャレンジモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたチャレンジモード継続カウンタ)に、ステップS820により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。そして、ステップS822にて、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第1特定役処理を終了する。上乗せコマンドには、上乗せが発生したこと、上乗せゲーム数及び上乗せを行う対象(チャレンジモード又はアタックモード)の情報が含まれている。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明するが、表示制御装置81では、上乗せコマンドを受信したことに基づいて、これら上乗せコマンドに含まれる情報の報知としての上乗せ報知を行う。
ステップS819にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS823に進む。ステップS823では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモード上乗せフラグをセットしてから、本第1特定役処理を終了する。チャレンジモード上乗せフラグは、チャレンジモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、チャレンジモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にチャレンジモードの上乗せが行われる。
抽選結果対応処理の説明(図45)に戻り、ステップS702にて否定判定した場合、又はステップS703にて肯定判定した場合、ステップS705に進む。ステップS705では、現状の遊技状態が、第2RT状態か否かを判定する。第2RT状態である場合には、ステップS706にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグは、VBモードの移行抽選に当選した場合にセットされ、VBモードへ移行する際にクリアされるフラグである。ステップS706にて否定判定した場合には、ステップS707にて、第2特定役処理を実行する。また、ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS706にて肯定判定した場合には、ステップS708にて、第3特定役処理を実行する。
<第2特定役処理>
第2特定役処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。
ここで、第2特定役処理が行われる場合とは、第2RT状態であって、且つVBモードに当選していない状態である。この場合の表示モードとしては、アタックモードが対応する。第2特定役処理では、表示モードをVBモードに移行するか否かの移行抽選を行う。また、第2特定役処理では、アタックモードのランクの昇格抽選を行うとともに、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS901では、アタックモードのランクを把握する処理を行う。既に説明したとおり、本実施形態では、第1アタックモード〜第4アタックモードの4つのアタックモードのランクが設けられており、各ランクでVBモードへの移行確率が異なっている。そこで、ステップS901は、現状のアタックモードのランクが第1アタックモード〜第4アタックモードのいずれであるかを判定する。
ステップS902では、ステップS901で把握したアタックモードのランクに応じたVBモード抽選テーブルを、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから取得する。VBモード抽選テーブルでは、特定役の種類に応じてVBモードへの移行確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりもVBモードへの移行確率が高く設定されている。また、各ランクのVBモード抽選テーブルでは、全体的にVBモードへの移行確率が異なっており、第1アタックモードのものよりも第2アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、第2アタックモードのものよりも第3アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように、第3アタックモードのものよりも第4アタックモードのものの方がVBモードへの移行確率が高くなるように設定されている。
ステップS903では、ステップS902にて取得したテーブルと、RAM106の各種カウンタエリア106eから取得した抽選用のカウンタとを用いて、VBモードの移行抽選を行う。そして、ステップS904にて、ステップS903の抽選結果が、VBモード当選に対応するものであったか否かの判定を行う。
ステップS904にて肯定判定した場合、ステップS905にてRAM106の各種フラグ格納エリア106dにVBモード当選フラグをセットする処理を行う。その後、ステップS906〜ステップS909にて、ステップS807〜ステップS810と同様に、前兆ゲーム数の設定用の処理を行う。すなわち、ステップS906では、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、そのまま本第2特定役処理を終了する。セットされていなければ、ステップS907にて前兆ゲーム数の抽選処理を実行し、ステップS908にて前兆ゲーム数を前兆カウンタにセットする処理を実行し、ステップS909にて前兆コマンドをセットする処理を実行してから、第2特定役処理を終了する。
ステップS904にて、VBモード抽選処理の結果がVBモード当選ではないと判定した場合、ステップS910に進む。ステップS910〜ステップS913は、アタックモードのランクの昇格用の処理である。
ステップS910では、アタックモード昇格抽選処理を行う。かかる処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから、昇格抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから、抽選用のカウンタを取得する。昇格抽選用のテーブルは、アタックモードのランクに応じて複数設けられており、具体的には第1アタックモード用のテーブル、第2アタックモード用のテーブル、第3アタックモード用のテーブルと、計3つ(第4アタックモードに滞在している状況では昇格抽選を行わない)設けられている。各テーブルでは、特定役の種類に応じて昇格抽選の当選確率がそれぞれ設定されている。例えば、強チェリーと弱チェリーとでは、強チェリーの方が弱チェリーよりも昇格抽選の当選確率が高く設定されている。また、各アタックモード用のテーブルでは、第1アタックモード用のテーブルよりも、第2アタックモード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように、第2アタックモード用のテーブルよりも、第3アタックモード用のテーブルの方が昇格確率が低くなるように設定されており、アタックモードのランクが昇格するにつれて、次のランクに昇格しにくくなるように設定されている。
ステップS911では、ステップS910の抽選結果が、昇格当選であったか否かを判定する。昇格当選であった場合には、ステップS912にて、アタックモードの昇格処理を行う。かかる処理では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに設けられたランクフラグを、現状のアタックモードのランクに対応するランクフラグから1つ上位のランクフラグに書き換える処理を行う。その後、ステップS913にて、昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行う。昇格コマンドには、昇格先のアタックモードの情報が含まれている。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、昇格先のランクのアタックモード用の演出を行うように、補助表示部65等を制御する。補助表示部65におけるアタックモード用の演出として、例えば、アタックモードのランクに応じて異なる背景色の演出が設定されており、表示制御装置81では、上記昇格コマンドを受信した場合に、アタックモードのランクが昇格したことの報知を行うとともに、昇格先のランクに応じた背景色でアタックモード用の演出を行うように制御する。
ステップS911にて昇格抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS913の処理を実行した後は、ステップS915〜ステップS920にてアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS914では、アタックモードのゲーム数の上乗せ抽選処理を行う。かかる上乗せ抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード上乗せ抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。アタックモード上乗せ抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じて上乗せ抽選に当選する確率が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは80%の確率で上乗せ抽選に当選し、弱チェリーでは20%の確率で上乗せ抽選に当選する。なお、アタックモードのランクに応じて当選確率を異ならせてもよい。そして、ステップS915にて、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま本第2特定役処理を終了する。
上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS916にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS917に進み、アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。かかる上乗せゲーム数の抽選処理では、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aからアタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、RAM106の各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。アタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、特定役の種類に応じて上乗せゲーム数が異なるように設定されている。例えば、強チェリーでは90%の確率で20ゲームのアタックモードの上乗せを行い、10%の確率で80ゲームの上乗せを行う。また、弱チェリーでは95%の確率で5ゲームの上乗せを行い、5%の確率で100ゲームの上乗せを行う。
ステップS918では、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、アタックモードの継続ゲーム数を管理するカウンタ(より詳しくは、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたアタックモード継続カウンタ)に、ステップS917により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。そして、ステップS919にて、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第2特定役処理を終了する。
ステップS916にてボーナス当選フラグがセットされている場合には、ステップS920に進む。ステップS920では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタックモード上乗せフラグをセットしてから、本第2特定役処理を終了する。アタックモード上乗せフラグは、アタックモードのゲーム数の上乗せ条件が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。詳細は後述するが、アタックモード上乗せフラグがセットされている状況でボーナスが終了する場合に、ボーナス終了時にアタックモードの上乗せが行われる。
<第3特定役処理>
次に、ステップS708にて実行される第3特定役処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。
第3特定役処理が行われる場合とは、第3RT状態である場合、又は第2RT状態であって、且つVBモードに当選している状態である。この場合の表示モードとしては、アタックモード又はVBモードが対応する。第3特定役処理では、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1001では、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。かかる処理は、ステップS914の処理と同様である。なお、ステップS914の抽選処理とステップS1001の抽選処理とで、上乗せ抽選の当選確率を異ならせてもよい。
ステップS1002では、ステップS1001の抽選結果が、上乗せ当選結果であったか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS1003にて、ボーナス当選フラグがセットされているか否かを判定する。ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS1004に進み、アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。そして、ステップS1005にてアタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1006にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本第3特定役処理を終了する。ステップS1003〜ステップS1006の処理は、ステップS916〜ステップS919の処理と同様である。なお、ステップS916の抽選処理とステップS1004の抽選処理とで、上乗せゲーム数を異ならせてもよい。
ステップS1002にて否定判定した場合には、そのまま第3特定役処理を終了する。また、ステップS1003にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS1007にてアタックモード上乗せフラグをセットしてから、第3特定役処理を終了する。アタックモード上乗せフラグについては、上述したとおりである。
抽選結果対応処理(図45)の説明に戻り、ステップS701にて今回の抽選処理の結果が、特定役当選ではないと判定した場合には、ステップS709にて、今回の抽選処理の結果が押し順リプレイや押し順ベル(以下、これらをまとめて「押し順役」ともいう)当選であったか否かを判定する。押し順役当選であった場合には、ステップS710にて押し順役処理を行ってから抽選結果対応処理を終了する。かかる押し順役処理については、後に詳細に説明する。
ステップS704、ステップS707、ステップS708及びステップS710のいずれかの処理を実行した後、又はステップS709にて否定判定した後は、ステップS711に進む。ステップS711では、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに上乗せ特化ゾーンに対応する特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグは、第7再遊技入賞が成立したことに基づいてセットされるフラグであり、上乗せ特化ゾーンとは、複数回のゲームに亘って、アタックゾーンの継続ゲーム数の上乗せが高確率で発生する状態を示す。ステップS711にて特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップS712にて特化ゾーン用処理を実行する。かかる特化ゾーンフラグ及び特化ゾーン、特化ゾーン用処理については、後に詳細に説明する。ステップS711にて否定判定した場合、又はステップS712の処理を実行した後は、本抽選結果対応処理を終了する。
以上のように、抽選結果対応処理において、特定役当選と判定された場合には、チャレンジモード、アタックモード又はVBモードへの移行抽選や、チャレンジモード又はアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理等が行われる。チャレンジモード、アタックモード又はVBモードへの移行抽選に当選した場合には、前兆ゲームを経てから、当該移行抽選に当選したことの報知が行われる。そこで、以下、表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理について説明する。
<表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理>
(2)表示モードの移行抽選の結果に基づいて遊技状態を移行させるための処理では、表示モードの移行抽選に当選したことの報知を行うための処理と、遊技状態を移行させるための報知を行うための処理と、が行われる。そこで、先ず、移行抽選に当選したことの報知に関する処理について説明する。
<モード移行報知用処理>
移行抽選に当選したことの報知は、通常処理(図29)におけるモード移行報知用処理(ステップS206)にて行われる。モード移行報知用処理は、所定のベット操作が行われた場合(ステップS205のベット数が規定数であると判定された場合)に実施される処理である。以下、モード移行報知用処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。前兆ゲーム数のカウントは、後述する入賞結果対応処理にて行われ、1ゲーム消化する度に前兆ゲーム数が1ずつ減算される。前兆ゲーム数が0ではない場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
前兆ゲーム数が0である場合、ステップS1102にてチャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、チャレンジモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1103にて、チャレンジモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1104にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにチャレンジモードフラグをセットする。チャレンジモードフラグは、現状の表示モードがチャレンジモードであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS1105では、チャレンジモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。チャレンジモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、チャレンジモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。
その後、ステップS1106にて、チャレンジモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたチャレンジモード継続カウンタにチャレンジモードの継続ゲーム数の初期値(例えば10)をセットする。ステップS1106の処理を行った後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1102にてチャレンジモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1107にてアタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、アタックモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1108にて、アタックモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1109にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタック用報知フラグをセットする。アタック用報知フラグは、アタックモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第2RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1110にてアタックモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、アタックモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1110の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。
ステップS1107にてアタックモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1111にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、今回の前兆モードが、VBモード当選を契機とする前兆モードであったか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS1112にて、VBモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS1113にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグをセットする。VB用報知フラグは、VBモードの移行抽選に当選したことに伴って、遊技状態を第3RT状態へ移行させるためのフラグである。その後、ステップS1114にてVBモード当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、VBモード移行抽選に当選したことの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1114の処理を実行した後は、本モード移行報知用処理を終了する。また、ステップS1111にてVBモード当選フラグがセットされていないと判定した場合は、そのままモード移行報知用処理を終了する。
すなわち、前兆モードを経て移行するチャレンジモード、アタックモード及びVBモードのうち、チャレンジモードについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて当該チャレンジモードが開始される。一方、アタックモード及びVBモードについては、前兆モードの前兆ゲーム数が0となった際のベット操作に基づいて、アタックモード移行抽選やVBモード移行抽選に当選したことの報知だけが行われ、前兆ゲーム数が0となってもアタックモードやVBモードは開始されない。これは、表示モードとしてのチャレンジモードは遊技状態の移行を伴わないものである一方、アタックモードやVBモードは遊技状態の移行を伴い、具体的にはアタックモードは第2RT状態へ移行することで開始され、VBモードは第3RT状態へ移行することで開始されることの違いに起因するものである。
既に説明したとおり、第2RT状態へは第1昇格リプレイ1〜4に当選した場合であって、第3再遊技入賞が成立した場合に移行し、第3RT状態へは第2昇格リプレイ1,2に当選した場合であって、第4,第5再遊技入賞が成立した場合に移行する。そして、第1昇格リプレイ1〜4に当選し、第3再遊技入賞が成立する場合や、第2昇格リプレイ1,2に当選し、第4,第5再遊技入賞が成立する場合とは、これら昇格リプレイ当選時のストップスイッチ42〜44の操作順序が、第3再遊技入賞等に対応するものであった場合である。そこで、アタックモードやVBモードへの移行抽選に当選した場合には、その後に、これら遊技状態を移行させることとなる役に当選したゲームにおいて、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知して、遊技状態を移行させることを可能とする構成としている。なお、アタックモードやVBモードの移行抽選に当選したことの報知が行われてから、アタックモードやVBモードが開始されるまで(遊技状態が移行するまで)は、準備状態としての報知(例えば「準備中」という報知)が行われる。
<表示モードの移行に関する説明>
遊技状態を移行させるための報知用の処理は、抽選結果対応処理(図45)における、押し順役処理(ステップS710)にて行われる。ここでは、押し順役処理の説明に先立って、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知される場合の概要について図50を参照しながら説明する。
<押し順報知演出の概要>
押し順役当選時の操作順序の報知(押し順報知演出)は、主に補助表示部65及び押し順報知部68にて行われる。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として説明する。
図50(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
押し順報知部68では、ストップスイッチ42〜44に対応させて左右に3つ並べて設けられたLEDランプ68a,68b,68cのうち、真ん中のLEDランプ68bが点灯するとともに、左右のLED68a,68cランプは消灯する。これにより、遊技者は、今回のゲームにて最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。なお、押し順報知部68においても、点灯させるLEDランプの色を異ならせる等して、押し順とともに当選役を報知する構成としてもよい。また、2番目以降に操作すべきストップスイッチについても認識可能となるように、2番目以降の操作に対応するLEDランプの点灯色を異ならせたり点滅表示させたりする等してもよい。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図50(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
押し順報知部68では、真ん中のLEDランプ68bが消灯するとともに、右のLEDランプ68cが点灯する(左のLEDランプ68aは消灯したまま)。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを認識することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図50(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知部68では、右のLEDランプ68cが消灯するとともに、左のLEDランプ68aが点灯する(真ん中のLEDランプ68bは消灯したまま)。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを認識することができる。
押し順報知演出の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知演出が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知演出を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
<押し順役処理>
次に、抽選結果対応処理(図45)におけるステップS710にて実行される押し順役処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1201では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1〜4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1201にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第3再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1202に進み、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにアタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、アタック用報知フラグは、モード移行報知用処理(図49)において、アタックモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1203にて、現状の表示モードがアタックモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにアタックモードフラグがセットされているか否かを判定する。アタックモードフラグは、表示モードがアタックモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。ちなみに、表示モードを特定するためのフラグとしては、アタックモードフラグの他、チャレンジモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ、BBモードフラグが設けられている。なお、本実施形態では、表示モードがアタックモードよりも上位のRT状態に対応するモード(VBモード、上乗せ特化ゾーン)である場合、アタックモードフラグがそのモードの対応するフラグ(VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ)と並存する構成としている。そのため、ステップS1203にて、アタックモードフラグがセットされていると判定する場合とは、アタックモード中である場合の他、VBモード中である場合や特化ゾーン中である場合が含まれる。
ステップS1203にてアタックモード中ではないと判定した場合、ステップS1204にて、第3再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第3再遊技のうち、第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図37(a)参照)。その後、ステップS1205にて、押し順報知コマンドをサブ側の制御装置である表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。押し順報知コマンドには、今回の表示モードの情報と、抽選結果の情報とが含まれている。押し順報知コマンドを受信したことに基づく表示制御装置81側の処理については、後に詳細に説明する。
一方、ステップS1203にてアタックモード中であると判定した場合には、ステップS1206にて第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図37(a)参照)。その後、ステップS1207にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。なお、ステップS1203にて否定判定する場合とは、アタックモード中であるのにも関わらず、第1昇格リプレイ1〜4に当選した場合であり、例えばアタックモード中に遊技状態が第1RT状態に転落してしまった場合等が想定される。すなわち、第2RT状態や第3RT状態での抽選テーブルでは第1昇格リプレイ1〜4は当選しないようになっており、第1RT状態でのみ第1昇格リプレイ1〜4に当選する。そのため、ステップS1203にて否定判定する場合とは、アタックモード中、且つ第1RT状態であることを示している。
このように、アタックモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1〜4に当選した場合に、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、ステップS1202にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、第1RT状態において、アタックモードに当選することなく第1昇格リプレイ1〜4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
既に説明したとおりアタック用報知フラグは、アタックモードへの移行抽選に当選し、前兆ゲーム数が0となったこと(アタックモードへの移行抽選に当選したことの報知が行われたこと)に基づいてセットされるフラグである。また、アタックモードフラグは、アタックモードへ移行したこと(第2RT状態へ移行したこと)に基づいてセットされるフラグである。アタック用報知フラグ及びアタックモードフラグはアタックモードが終了する場合にクリアされる。そのため、アタック用報知フラグがセットされており、且つアタックモードフラグがセットされていない場合とは、アタックモードへの移行するための準備状態であることを示し、アタック用報知フラグがセットされており、且つアタックモードフラグがセットされている場合とは、表示モードがアタックモードであることを示している。ちなみに、アタックモードへ移行することに基づいてアタック用報知フラグをクリアするとともにアタックモードフラグをセットする構成としてもよい。
ステップS1201にて否定判定した場合、ステップS1205にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1〜3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1205にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技又は第2再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1206にて、上記アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1207にて、第1再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技及び第2再遊技のうち、第1再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図37(b)参照)。その後、ステップS1208にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
このように、アタックモードへの移行抽選に当選している状況において第1昇格リプレイ1〜4に当選すると、第3再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第2RT状態に移行させることが可能となる。一方、ステップS1202にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、第1RT状態において、アタックモードに当選することなく第1昇格リプレイ1〜4に当選しても、第1再遊技入賞が成立する場合と、第3再遊技入賞が成立する場合と、がある。
また、アタック用報知フラグがセットされている状況で転落リプレイ1〜3に当選した場合に、第1再遊技入賞に対応する操作順序の報知が行われることにより、遊技状態を第1RT状態に移行させないようにすることが可能となる。一方、ステップS1206にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。そのため、例えば、アタックモードが終了してアタック用報知フラグがクリアされ、表示モードが通常モードに移行すると、転落リプレイ1〜3の当選によって、第2再遊技入賞が成立する場合があり、RT状態が第2RT状態から第1RT状態に移行することになる。
また、例えば、第1RT状態において、アタックモードに当選することなく第1昇格リプレイ1〜4に当選し、たまたま操作順序が第3再遊技入賞に対応するものであって第3再遊技入賞が成立した場合であっても(第2RT状態に移行した場合であっても)、転落リプレイ1〜3の当選によって、第2再遊技入賞が成立し得る。そのため、上記のように、アタックモードに当選することなくたまたま第2RT状態に移行した場合であっても、その後、速やかに第1RT状態に移行することとなる。
ステップS1205にて否定判定した場合、ステップS1209にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1209にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1再遊技、第4再遊技又は第5再遊技が入賞する場合である。この場合、ステップS1210にて、上記アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS1211にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dにVB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、VB用報知フラグは、モード移行報知用処理(図49)において、VBモードへの移行抽選に当選した後、前兆モードの前兆ゲーム数が0となることでセットされるフラグである。
VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1212にて第4再遊技又は第5再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第4再遊技及び第5再遊技のうち、第4再遊技入賞又は第5再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図37(b)参照)。その後、ステップS1213にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1210にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1211にて否定判定した場合には、ステップS1207にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1208にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードに当選することなく、第2昇格リプレイ1,2に当選した場合において、アタックモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、アタックモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1209にて否定判定した場合、ステップS1214にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1214にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技〜第8再遊技のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS1215にて、アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS1216にてVB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされており、且つVB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1217にて、第6再遊技〜第8再遊技の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1再遊技、第3再遊技及び第6再遊技〜第8再遊技のうち、第6再遊技入賞〜第8再遊技入賞に対応する操作順序を報知する(図37(c)参照)。その後、ステップS1218にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。
ステップS1215にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。一方、ステップS1216にて否定判定した場合には、ステップS1207にて第1再遊技の押し順報知用の処理を実行するとともに、ステップS1208にて押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。そのため、VBモードに当選することなく、BARリプレイ1,2に当選した場合において、アタックモード中であれば第1再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ、アタックモード中ではなければ押し順報知演出は行われない。
ステップS1214にて否定判定した場合、ステップS1219にて、今回の抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS1220にて、現状の表示モードが通常モード又はチャレンジモード中であるか否かを判定する。通常モード又はチャレンジモードではない場合には、ステップS1221にて第1小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図33参照)。その後、ステップS1222にて、押し順報知コマンドをセットする処理を行ってから、本押し順役処理を終了する。ステップS1219にて否定判定した場合又はステップS1220にて肯定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。
<入賞結果に基づいて表示モードを移行させるための処理>
<入賞結果対応処理>
次に、上記のように遊技状態を移行させるための報知を行った結果、遊技状態を移行させることに対応する役が入賞した場合の処理について説明する。この処理は、リール制御処理(図32)における入賞結果対応処理(ステップS414)にて行われる。以下、入賞結果対応処理について、図52のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301では、ゲーム数管理処理を実行する。詳細は後述するが、このゲーム数管理処理では、上記の前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントの他、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行う。
続くステップS1302では、今回の停止結果が、第3再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第3再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図35)では、遊技状態を第2RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1303にて、アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS1304にて、現状の表示モードがアタックモード中であるか否かを判定する。具体的には、各種フラグ格納エリア106dにアタックモードフラグがセットされているか否かを判定する。アタックモードフラグは、表示モードがアタックモードであることをCPU102が特定するためのフラグである。ちなみに、表示モードを特定するためのフラグとしては、アタックモードフラグの他、チャレンジモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ、BBモードフラグが設けられている。なお、本実施形態では、表示モードがアタックモードよりも上位のRT状態に対応するモード(VBモード、上乗せ特化ゾーン)である場合、アタックモードフラグがそのモードの対応するフラグ(VBモードフラグ、特化ゾーンフラグ)と並存する構成としている。そのため、例えば、ステップS1304にて、アタックモードフラグがセットされていると判定する場合とは、アタックモード中である場合の他、VBモード中である場合や特化ゾーン中である場合が含まれる。
ステップS1304にて、アタックモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがアタックモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、アタックモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1305〜ステップS1307にてアタックモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1305では、アタックモードフラグをセットする。続くステップS1306では、アタックモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからアタックモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。その後、ステップS1307にて、アタックモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたアタックモード継続カウンタにアタックモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。ステップS1307の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1302にて、第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1308に進む。ステップS1308では、今回の停止結果として、第4,第5再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。上記のとおり、第4,第5再遊技入賞が成立している場合、RT状態処理(図35)では、遊技状態を第3RT状態に移行するための処理が行われる。この場合、ステップS1309にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされている場合、VBモードフラグがセットされているか否かを判定する。VBモードフラグがセットされている場合には、既に表示モードがVBモードであるため、そのまま、本入賞結果対応処理を終了する。一方、VBモードフラグがセットされていない場合には、ステップS1311〜ステップS1313にてVBモードの開始用の処理を行う。
すなわち、ステップS1311では、VBモードフラグをセットする処理を行う。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、アタックモードフラグとVBモードフラグとが併存することになる。これは、VBモードがアタックモードを経て移行するモードであるとともに、VBモード終了後は、必ずアタックモードへ移行することによるものである。
その後、ステップS1312にて、VBモード開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームからVBモードが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1313にて、VBモード継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたVBモード継続カウンタにVBモードの継続ゲーム数の初期値(例えば60)をセットする。ステップS1313の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1308にて、第4,第5再遊技入賞が成立していないと判定した場合、ステップS1314に進む。ステップS1314では、今回の停止結果として、第7再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、第7再遊技入賞が成立している場合、すなわち、左リール32Lの中段にBAR図柄、中リール32Mの中段にBAR図柄、右リール32Rの中段にBAR図柄が停止して、中段の組合せラインにBAR図柄が停止した場合、上乗せ特化ゾーンに移行する構成としている。上乗せ特化ゾーンでは、特定役だけでなく、通常遊技モードで当選し得る全ての役(押し順役、特定役及びボーナス)にて、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せを行う。なお、第7再遊技入賞が成立している場合とは、BARリプレイ1に当選した場合であって、且つ第7再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作され(図37(c))、更に、第1,第6,第7再遊技のうちの第7再遊技が入賞することの抽選に当選した場合であり、例えば、BARリプレイ1に当選した場合における20分の1の確率で第7再遊技が入賞することの抽選に当選する。
第7再遊技入賞が成立している場合、ステップS1315にて、VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS1316にて、RAM106の各種フラグ格納エリア106dに特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。特化ゾーンフラグは、上記の上乗せ特化ゾーンであることをCPU102が把握するためのフラグであり、当該特化ゾーンフラグがセットされることにより、VBモードの継続ゲーム数のカウントが停止される。この場合、各種フラグ格納エリア106dには、アタックモードフラグとVBモードフラグと特化ゾーンフラグとが併存することになる。これは、特化ゾーンがVBモード中に移行するものであるとともに、特化ゾーン終了後は、必ずVBモードへ移行することによるものである。
その後、ステップS1317にて、特化ゾーン開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン開始コマンドを受信した表示制御装置81は、次ゲームから特化ゾーンが開始されることの報知を、補助表示部65等により行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。そして、ステップS1318にて、特化ゾーン継続数のカウントを開始する。具体的には、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられた特化ゾーン継続カウンタに特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値(例えば5)をセットする。ステップS1318の処理を行った後は、本入賞結果対応処理を終了する。また、ステップS1314又はステップS1315にて否定判定した場合、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以上のように、遊技状態を移行させることに対応する役(第3〜第5再遊技)の入賞に基づいて、RT状態処理(図35)とは別途、表示モードを移行させるための処理を行う。これは、表示モードの移行抽選に当選していないのにも関わらず、たまたま遊技状態を移行させることに対応する役が入賞したことに基づいてアタックモード等が開始されてしまうことを回避するためである。
また、表示モードの移行に際して、遊技状態の移行を伴うもののうち、上位のモードへの移行、すなわち、通常モードやチャレンジモードからアタックモードへ移行する場合や、アタックモードからVBモードへ移行する場合、又はVBモードから特化ゾーンへ移行する場合には、対応する役の入賞結果に基づいて移行する構成としている。そのため、表示モードと遊技状態の移行とが同じゲームにてセットで行われる。その一方で、下位のモードへの移行の場合には、例えば転落リプレイとしての第2再遊技入賞や移行出目の停止によって遊技状態が移行する際に、表示モードの移行は行われない。下位のモードへ移行する場合、遊技状態は入賞結果によって管理される(RT状態用処理)一方、表示モードはゲーム数によって管理される。そのため、下位のモードへ移行する場合には、遊技状態の移行と表示モードの移行とが別々のゲームにて行われる可能性がある。
<ゲーム数管理処理>
上記入賞結果対応処理のステップS1301にて実行される、ゲーム数管理処理について、図53のフローチャートを参照しながら説明する。ゲーム数管理処理では、前兆モードにおける前兆ゲーム数のカウントを行うとともに、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンにおける継続ゲーム数のカウントを行い、これらの表示モードの継続ゲーム数が0となることに基づいて、対応する表示モードを終了させるための処理を行う。
ゲーム数管理処理では、先ず、ステップS1401にて、ベット数は特定数か否かを判定する。既に説明したとおり、本実施形態では、遊技モードとして、3ベットゲーム及び2ベットゲームにて行われる通常遊技モードと、1ベットゲームにて行われる特定モードとが設けられている。ステップS1401の処理は、今回終了するゲームが、通常遊技モードでのゲームか、特定モードでのゲームかを判定するためのものである。そして、ステップS1401ではベット数が特定数としての1である場合に、今回終了するゲームが特定モードでのゲームであると判定する。特定モードでのゲームである場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。すなわち、特定モードにおけるゲームでは、前兆モードのゲーム数や、チャレンジモード等の継続ゲーム数のカウントは行われない。
今回終了するゲームが、特定モードではなく通常遊技モードでのゲームであった場合、ステップS1402に進む。ステップS1402では、ボーナス当選フラグがセットされている状態又はボーナス状態であるか否かを判定する。ステップS1402て肯定判定した場合、ステップS1403にてチャレンジモードフラグ、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグの各表示モードフラグをクリアする処理を行った後、本ゲーム数管理処理を終了する。つまり、ボーナス当選フラグがセットされている場合や、ボーナス中はアタックモード等のゲーム数のカウントは行わない。なお、ステップS1403にて、各フラグがセットされていない場合にはその状態を維持する。
ちなみに、ステップS1403では、アタックモードフラグやVBモードフラグ等はクリアする一方で、アタック用報知フラグやVB用報知フラグはクリアしない。そのため、ボーナス終了後は、アタックモード等の準備状態を経てから、これらのフラグによって、遊技状態を移行させるための押し順報知が行われてボーナス前の遊技状態に復帰させることが可能となる。
ステップS1402にて否定判定した場合、ステップS1404にて、前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。0ではない場合には、ステップS1405にて前兆ゲーム数を1減算する処理を行う。ステップS1404にて前兆ゲーム数が0である場合(前兆モードではない場合)、又はステップS1405の処理を実行した後は、ステップS1406〜ステップS1427にて、各モードの継続ゲーム数のカウント処理を行う。
すなわち、ステップS1406では、現状の表示モードがチャレンジモードであるか否かを判定する。チャレンジモードである場合には、ステップS1407に進み、チャレンジモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、チャレンジモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1408にて、チャレンジモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1409にてチャレンジモードフラグをクリアし、ステップS1410にてチャレンジモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。チャレンジモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてチャレンジモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。ステップS1410の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1406にてチャレンジモードではないと判定した場合、ステップS1411に進む。ステップS1411では、現状の表示モードがアタックモードであるか否かを判定する。アタックモードである場合には、ステップS1412に進み、アタックモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、アタックモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1413にて、アタックモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1414にてアタックモードフラグをクリアし、ステップS1415にてアタック用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1416にてアタックモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。アタックモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてアタックモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1416の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1411にてアタックモードではないと判定した場合、ステップS1417に進む。ステップS1417では、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモードである場合には、ステップS1418に進み、上乗せ特化ゾーンであるか否かを判定する。上乗せ特化ゾーンではない場合には、ステップS1419にてVBモード継続カウンタを1減算する処理を行うことで、VBモード継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1420にて、VBモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのままゲーム数管理処理を終了する。0である場合には、ステップS1421にてVBモードフラグをクリアし、ステップS1422にてVB用報知フラグをクリアする。その後、ステップS1423にてVBモード終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。VBモード終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにてVBモードが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知については、後に詳細に説明する。ステップS1423の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS1418にて、上乗せ特化ゾーンであると判定した場合には、ステップS1424に進む。ステップS1424では、特化ゾーン継続カウンタを1減算する処理を行うことで、特化ゾーン継続ゲーム数の減算を行う。そして、ステップS1425にて、特化ゾーン継続カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS1426にて特化ゾーンフラグをクリアし、ステップS1427にて特化ゾーン終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特化ゾーン終了コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームにて特化ゾーンが終了することの報知を補助表示部65等にて行う。かかる報知としては、例えば、今回の特化ゾーンにてトータルで上乗せに成功したゲーム数の報知を行う。ステップS1427の処理を行った後は、ゲーム数管理処理を終了する。ステップS1417又はステップS1425にて否定判定した場合、そのままゲーム数管理処理を終了する。
<終了判定処理>
次に、ボーナス終了時の処理として、終了判定処理について、図54のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、終了判定処理は、ボーナス状態処理(図40)におけるステップS615にて実施される処理である。終了判定処理では、ボーナス終了条件の成否を判定するとともに、ボーナスを終了する場合には、ボーナスと重複当選等したアタックモード等の当選報知用の処理を行うとともに、ボーナスと重複当選等したアタックモード等のゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1501では、小役入賞が成立したか否かを判定する。既に説明したとおり、ボーナス中は第1小役(BB中小役1)が高確率で成立する(図42)。また、BB中赤7揃い役(IV=29)にて当選した場合には、第30小役入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作され(図41(b))、更に、第1小役及び第30小役のうちの第30小役が入賞することの抽選に当選した場合に、第30小役入賞が成立する。本実施形態では、例えば、BB中赤7揃い役に当選した場合における100分の1の確率で第30小役が入賞することの抽選に当選する。BB中BAR揃い役(IV=30)にて当選した場合には、第31小役入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42〜44が操作され(図41(b))、更に、第1小役及び第31小役のうちの第31小役が入賞することの抽選に当選した場合に、第31小役入賞が成立する。本実施形態では、例えば、BB中BAR揃い役に当選した場合における200分の1の確率で第31小役が入賞することの抽選に当選する。
ステップS1501にて小役入賞が成立したと判定した場合には、ステップS1502にて、残払出数から今回のゲームの払出数を減算する処理を行う。ステップS1501にて否定判定した場合、又はステップS1502の処理を実行した後は、ステップS1503にて上乗せ用処理を実行する。上乗せ用処理は、今回のボーナス中のゲームの結果に基づいて、遊技媒体の払い出し以外の特典を付与するための処理である。例えば、今回の遊技結果が、第30小役入賞(下段赤7揃い)が成立した場合には、表示モードが通常モード又はチャレンジモードであればアタックモードに当選させ、通常モード又はチャレンジモード以外であればアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ(例えば100ゲーム)を行う。また、第31小役入賞(下段BAR揃い)が成立した場合には、表示モードが通常モード又はチャレンジモードであればアタックモード及びVBモードに当選させ、アタックモードであればVBモード及び特化ゾーンに当選させ、VBモードであれば複数回(例えば2回)の特化ゾーンに当選させ、特化ゾーン中であればアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ(例えば300ゲーム)を行う。ステップS1503では、表示モードの移行に対応するフラグ(アタックモード当選フラグ等)のセットを行うとともに、上乗せゲーム数に応じたカウンタの加算処理(アタックモード継続カウンタ等の加算処理)を行う。
続くステップS1504では、残払出数が0となったか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま終了判定処理を終了する。0である場合には、ステップS1505にてボーナス終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットした後、ステップS1506〜ステップS1519にて、アタックモード等の当選報知用の処理や、アタックモード等の継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS1506では、アタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。アタックモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1507にて前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS1508にて前兆ゲーム数のセットを行い、ステップS1509にて前兆コマンドのセットを行う。これらステップS1507〜ステップS1509の処理は、ステップS808〜ステップS810の処理と同様である。ステップS1509の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
すなわち、アタックモードに当選している状況でボーナスが終了すると、ボーナス終了後、前兆ゲームを経て、アタックモードの当選報知が行われる。そのため、ボーナス終了後に、再び有利な状態に移行するのでは、と期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、いずれかの当選報知前の前兆モード中にボーナスに当選した場合、ステップS1507にて前兆ゲーム数の抽選処理を行う際には、既に前兆ゲーム数がセットされている。本実施形態では、このような場合であっても前兆ゲーム数を再設定する構成としている。つまり、ボーナス当選時の前兆ゲーム数が残りゲーム数に関わらず、ボーナス終了後、再度1〜32ゲームのうちの1の前兆ゲーム数が設定される。このようにしたことで、ボーナス終了後のドキドキを長く感じさせることが可能となる。
ステップS1506にてアタックモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1510にて、チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1507〜ステップS1509の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。ステップS1510にてチャレンジモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1511にてVBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。VBモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS1507〜ステップS1509の前兆モード用の処理を行ってから、終了判定処理を終了する。すなわち、チャレンジモードやVBモードについても当選している状況でボーナスが終了すると、ボーナス終了後、前兆ゲームを経て、チャレンジモードやVBモードの当選報知が行われる。
ステップS1511にてVBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS1512に進む。ステップS1512では、アタックモード上乗せフラグがセットされているか否かの判定を行う。アタックモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1513にてアタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1514にてアタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1515にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1513〜ステップS1515の処理は、ステップS917〜ステップS919の処理と同様である。ステップS1515の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
ステップS1512にてアタックモード上乗せフラグがセットされていない場合、ステップS1516にて、チャレンジモード上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。チャレンジモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS1517にてチャレンジモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS1518にてチャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS1519にて上乗せコマンドのセットを行う。これらステップS1517〜ステップS1519の処理は、ステップS820〜ステップS822の処理と同様である。ステップS1516にて否定判定した場合、又はステップS1519の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
<特化ゾーン用処理>
次に、特化ゾーン用処理について、図55のフローチャートを参照しながら説明する。特化ゾーン用処理は、抽選結果対応処理(図45)におけるステップS712にて実行される処理である。既に説明したとおり、特化ゾーンへはVBモード中に移行し、特化ゾーン中は、毎ゲーム、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せが行われる。
すなわち、特化ゾーン用処理では、先ず、ステップS1601にて今回の抽選処理の結果を把握する。続くステップS1602では、アタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行う。続くステップS1603では、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。そして、ステップS1604にて、上乗せコマンドをセットしてから、特化ゾーン用処理を終了する。ステップS1602〜ステップS1604の処理は、ステップS917〜ステップS919の処理と同様である。但し、ステップS1602の上乗せゲーム数抽選処理の方が、ステップS917の上乗せゲーム数抽選処理よりも、選択されるゲーム数が多くなっている。
<サブ側の報知演出に関する処理>
次に、(4)サブ側の報知演出に関する処理として、サブ側の表示制御装置81にて行われる各種報知用の処理を説明する。各種報知用の処理として、所定周期(1.49msec周期)で実行される演出設定処理が設けられている。そこで、当該演出設定処理について、図56のフローチャートを参照しながら説明する。
演出設定処理では、先ずステップS1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1702にて、RAM183に受信したコマンドを格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1701にて否定判定した場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS207にてセットされるベットコマンドの他、モード移行報知用処理(図49)におけるチャレンジモード開始コマンドや、アタックモード当選報知コマンド、VBモード当選報知コマンド等がある。これらのベット時コマンドである場合には、ステップS1704にてベット時演出設定処理を実行する。
ステップS1703にて否定判定した場合、又はステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、第1〜第3特定役処理(図46〜図48)にて設定される前兆コマンドや上乗せコマンド、押し順役処理(図51)にて設定される押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1705にて否定判定した場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、新たに受信したコマンドが、停止時コマンドであったか否かを判定する。停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図32)のステップS415にてセットされる入賞結果コマンドの他、入賞結果対応処理(図52)にてセットされるアタックモード開始コマンド、VBモード開始コマンド、特化ゾーン開始コマンド、チャレンジモード終了コマンド、アタックモード終了コマンド、VBモード終了コマンド、特化ゾーン終了コマンド等がある。これらの停止時コマンドである場合には、ステップS1708にて停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1707にて否定判定した場合、又はステップS1708の処理を実行した後は、ステップS1709にてその他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1709では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、第1リール停止時の演出、第2リール停止時の演出、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(第1演出スイッチ検出センサや第2演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、ベット時演出設定処理、開始時演出設定処理、停止時演出設定処理について、説明する。なお、各演出設定処理の説明では、図64〜図69の表示演出の概要図を参照しながら説明する。
<ベット時演出設定処理>
ベット時演出設定処理について、図57のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1801では、今回受信したベット時コマンドがベットコマンドであり、当該ベットコマンドに含まれるベット数の情報が特定数(1)である特定枚数ベットコマンドであるか否かを判定する。かかる処理は、実行される遊技モードが通常遊技モードか特定モードかを判定するための処理であり、特定枚数ベットコマンドであると判定する場合とは、今回実行される遊技モードが特定モードであることを意味する。この場合、ステップS1802にて特定モード用ベット時演出設定処理を実行してから、本演出設定処理を終了する。この特定モード用ベット時演出設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1801にて特定枚数ベットコマンドではないと判定し、実行される遊技モードが通常遊技モードである場合、ステップS1803に進む。ステップS1803では、今回受信したベット時コマンドとしてチャレンジモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。チャレンジモード開始コマンドが含まれている場合、ステップS1804にて、チャレンジモード開始演出を設定する処理を行う。チャレンジモード開始演出では、例えば、図64(a)に示すように、補助表示部65にて、「チャレンジモードスタート」という文字表示を行うとともに、移行する表示モードがアタックモード移行抽選に当選し易いチャンスモードであることを示唆する表示(例えば所定のキャラクタ表示)を行う。その他、チャレンジモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男性の野太い声で「アタックモードをつかみとれ!」)が発せられるように制御する。
ステップS1803にてチャレンジモード開始コマンドが含まれていない場合、ステップS1805にて、今回受信したベット時コマンドとしてアタックモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS1806にて、アタックモード当選報知演出を設定する処理を行う。アタックモード当選報知演出では、例えば、図65(a)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード確定」という文字表示を行う。その他、アタックモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「アタックナンバーワン!」)が発せられるように制御する。
ステップS1805にてアタックモード当選報知コマンドが含まれていない場合、ステップS1807にて、今回受信したベット時コマンドとしてVBモード当選報知コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード当選報知コマンドが含まれている場合、ステップS1808にて、VBモード当選報知演出を設定する処理を行う。VBモード当選報知演出では、例えば、図65(b)に示すように、補助表示部65にて、「VICTORYBONUS確定」という文字表示を行う。その他、VBモード当選報知演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ヴィクトリー!」)が発せられるように制御する。
ステップS1804、ステップS1806及びステップS1808の何れかの処理を実行した後、又はステップS1807にて否定判定した場合には、ステップS1809にて、その他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS1809の処理では、例えば、ベットコマンドの受信に対応させて、対応するベット数のクレジット投入スイッチ56〜58周辺(又は内部)のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理や、例えば所定時間遊技が行われていないことを一の条件に移行するデモモードから復帰するための処理や、スタートレバー41周辺のランプを点灯させてその操作が有効となったことを報知する処理等を行う。
<開始時演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理について、図58のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1901では、開始時のベット数が特定数(1)であるか否かを判定する。かかる処理は、開始される遊技モードが通常遊技モードか特定モードかを判定するための処理であり、ベット数が特定数であると判定する場合とは、今回実行される遊技モードが特定モードであることを意味する。この場合、ステップS1902にて特定モード用開始時演出設定処理を実行してから、本演出設定処理を終了する。この特定モード用開始時演出設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1901にて特定数ではないと判定した場合、ステップS1903にて、表示モード設定処理を行う。かかる処理では、現状、主制御装置101側で設定されている表示モードが、通常モード、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンのいずれであるかを判定し、対応する表示モードにて、補助表示部65の表示演出が行われるように設定する。具体的には、表示制御装置81側のRAM183の各種フラグ格納エリア183aにおいても、表示モードを把握するためのフラグとして、チャレンジモードフラグ、アタックモードフラグ、VBモードフラグ、特化ゾーンフラグをセットするエリアが設けられており、各モードの開始に際して対応するフラグがセットされ、終了に際して対応するフラグがクリアされる。例えば、上記ステップS1804のチャレンジモード開始演出の設定処理に際しては、チャレンジモードフラグをセットする。ステップS1903では、これらの各種モード対応フラグを把握することで、現状の表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64、上部ランプ63等を制御する。
続くステップS1904では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS1905にて、押し順報知用処理を行う。ここで、押し順報知用処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、今回受信している開始時コマンドとして、押し順報知コマンドが含まれているか否かを判定する。押し順報知コマンドが含まれていない場合には、そのまま本押し順報知用処理を終了する。押し順報知コマンドが含まれている場合には、ステップS2002に進む。
ステップS2002では、今回の抽選結果が第1昇格リプレイ1〜4であるか否かを判定する。第1昇格リプレイ1〜4である場合には、ステップS2003にて、上記モード対応フラグを確認して、現状の表示モードがアタックモードであるか否かを判定する。アタックモードではない場合、ステップS2004にて、第3再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2003にてアタックモード中であると判定した場合、ステップS2005にて、第1再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2002にて第1昇格リプレイ1〜4当選ではないと判定した場合、ステップS2004にて、今回の抽選結果が転落リプレイ1〜3であるか否かを判定する。転落リプレイ1〜3である場合には、ステップS2005に進み、第1再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2004にて転落リプレイ1〜3ではないと判定した場合、ステップS2006にて、今回の抽選結果が第2昇格リプレイ1,2であるか否かを判定する。第2昇格リプレイ1,2である場合には、ステップS2007にて、既にVBモード当選報知演出を実行済みか否かを判定する。例えば、ステップS1806のVBモード当選報知演出の設定に際して、RAM183の各種フラグ格納エリア183aにVB当選の報知が行われたことを示す報知済みフラグをセットする。当該報知済みフラグは、VBモードへ移行することに基づいてクリアする。そして、ステップS2007にて、当該報知済みフラグの有無を判定する構成とするとよい。VBモードの当選報知済みである場合には、ステップS2008にて、第4,第5再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモードの当選報知済みではない場合には、ステップS2005に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2006にて第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2009にて、今回の抽選結果がBARリプレイ1,2であるか否かを判定する。BARリプレイ1,2である場合には、ステップS2010にて、上記モード対応フラグを確認して、現状の表示モードがVBモードであるか否かを判定する。VBモード中である場合には、ステップS2011にて第6〜第8再遊技入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。VBモード中ではない場合には、上記ステップS2005に進み、第1再遊技入賞用の押し順報知を行ってから、押し順報知用処理を終了する。
ステップS2009にてBARリプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS2012にて、今回の抽選結果がベルであるか否かを判定する。ベル当選である場合には、ステップS2013にて、第1小役としてベル入賞が成立する押し順報知を行うように補助表示部65等を制御して、その後、押し順報知用処理を終了する。ステップS2012にて否定判定した場合には、そのまま押し順報知用処理を終了する。
開始時演出設定処理の説明(図58)に戻り、ステップS1904にて押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS1906にて、特定役当選か否かを判定する。特定役当選である場合には、ステップS1907にて特定役報知用処理を行う。特定役報知用処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1906にて否定判定した場合、又はステップS1905若しくはステップS1907の処理を実行した後は、ステップS1908に進む。ステップS1908では、今回の開始時コマンドとして、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合には、ステップS1909にて、上乗せコマンドに対応するゲーム数の上乗せ演出が、停止時に実行されるように、予め上乗せ演出を設定する。上乗せ演出としては、例えば、図68(b)に示すように、補助表示部65にて、上乗せゲーム数に対応する数値を「+10」として表示する。その他、上乗せ演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。なお、上乗せゲーム数に応じて補助表示部65の表示内容やスピーカ64から発せられる効果音を異ならせるとよい。なお、上乗せ演出を開始時演出として設定してもよい。
ステップS1908にて上乗せコマンドを受信していない場合、又はステップS1909の処理を実行した後は、ステップS1910にてボーナス報知用処理を実行し、ステップS1911にて連続演出設定処理を実行し、その後、ステップS1912にて、その他の開始時演出を設定してから、開始時演出設定処理を終了する。ボーナス報知用処理及び連続演出設定処理については、後に詳細に説明する。ステップS1912の処理では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことを報知する処理等を行う。
<停止時演出設定処理>
次に、停止時演出設定処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2101では、今回終了するゲームのベット数が特定数(1)であるか否かを判定する。かかる処理は、今回のゲームが遊技モードが通常遊技モードか特定モードかを判定するための処理であり、ベット数が特定数であると判定する場合とは、今回のゲームの遊技モードが特定モードであったことを意味する。この場合、ステップS2102にて特定モード用停止時演出設定処理を実行してから、本演出設定処理を終了する。この特定モード用停止時演出設定処理については、後に詳細に説明する。
ステップS2101にて特定数ではないと判定した場合、ステップS2103に進む。ステップS2103では、今回受信している停止時コマンドとしてチャレンジモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。チャレンジモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2104にて、チャレンジモード終了演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。チャレンジモード終了演出では、例えば、図64(b)に示すように、補助表示部65にて、「チャレンジモード 終了」という文字表示を行う。その他、チャレンジモード終了演出では、チャレンジモードが終了することに対応させた効果音(例えば、男性の野太い声で「もっと精進せい!」)がスピーカ64から発せられるように制御する。
ステップS2103にてチャレンジモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2105にて、今回受信している停止時コマンドとしてアタックモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2106にて、アタックモード開始演出を設定する処理を行う。アタックモード開始演出では、例えば、図66(a)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード!!Ver.1」という文字表示を行う。その他、アタックモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「アタックモードスタート!」)が発せられるように制御する。
ちなみに、アタックモード開始演出における「Ver.1」の表示は、アタックモードのランクに対応している。つまり、今回開始されるアタックモードが第1アタックモードであることを示す表示である。そして、アタックモードのランクが第2アタックモードに昇格すると(昇格コマンドを受信すると)、昇格演出として、補助表示部65にて、「アタックモード!!Ver.2」という文字表示が行われる。また、アタックモードのランクが第3アタックモードに昇格すると、「アタックモード!!Ver.3」という文字表示が行われ、第4アタックモードに昇格すると、「アタックモード!!Ver.4」という文字表示が行われる。
ステップS2105にてアタックモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2107にて、今回受信している停止時コマンドとしてアタックモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。アタックモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2108にて、アタックモード終了演出を設定する処理を行う。アタックモード終了演出では、例えば、図66(b)に示すように、補助表示部65にて、「アタックモード END」という文字表示を行うとともに、今回のアタックモード(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のアタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、アタックモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、女性の高い声で「またね」)が発せられるように制御する。
ステップS2107にてアタックモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2109にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード開始コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2110にて、VBモード開始演出を設定する処理を行う。VBモード開始演出では、例えば、図67(a)に示すように、補助表示部65にて、「777 VICTORY!!」という文字表示を行う。その他、VBモード開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「ヴィクトリーボーナス開始」)が発せられるように制御する。
ステップS2109にてVBモード開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2111にて、今回受信している停止時コマンドとしてVBモード終了コマンドが含まれているか否かを判定する。VBモード終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2112にて、VBモード終了演出を設定する処理を行う。VBモード終了演出では、例えば、図67(b)に示すように、補助表示部65にて、「VICTORY BONUS END」という文字表示を行うとともに、今回のVBモード終了時のアタックモードの継続ゲーム数(VBモード、特化ゾーンを含む)の継続ゲーム数を表示し、また、今回のVBモード終了時のアタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、VBモード終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男女の声で「まだまだ続くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2111にてVBモード終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2113にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン開始コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン開始コマンドが含まれている場合には、ステップS2114にて、特化ゾーン開始演出を設定する処理を行う。特化ゾーン開始演出では、例えば、図68(a)に示すように、補助表示部65にて、「上乗せチャレンジ!!」という文字表示を行うとともに、アタックモードの上乗せが発生し易い特殊なモードであることを示唆するキャラクタの表示を行う。その他、特化ゾーン開始演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、男の子の声で「行くぞ」)が発せられるように制御する。
ステップS2113にて特化ゾーン開始コマンドが含まれていない場合には、ステップS2115にて、今回受信している停止時コマンドとして特化ゾーン終了コマンドが含まれているか否かを判定する。特化ゾーン終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2116にて、特化ゾーン終了演出を設定する処理を行う。特化ゾーン終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回の特化ゾーンにて上乗せを行った総ゲーム数を表示する。その他、特化ゾーン終了演出では、スピーカ64から対応する効果音(例えば、電子音で「キュキュキュキュキュイーン!」)が発せられるように制御する。なお、総上乗せゲーム数に応じて補助表示部65の表示内容やスピーカ64から発せられる効果音を異ならせるとよい。
ステップS2115にて特化ゾーン終了コマンドが含まれていない場合には、ステップS2117にて、今回受信している停止時コマンドとしてボーナス終了コマンドが含まれているか否かを判定する。ボーナス終了コマンドが含まれている場合には、ステップS2118にて、ボーナス終了演出を設定する処理を行う。ボーナス終了演出では、例えば、補助表示部65にて、今回のボーナス中に獲得した総払出枚数を表示するとともに、アタックモードやVBモード、特化ゾーン中に移行したボーナスであれば、アタックモード(VBモード、特化ゾーン、ボーナスを含む)の総払出枚数を表示する。その他、ボーナス終了演出では、アタックモードの当否、チャレンジモードの当否、上乗せゲーム数に応じて、これらの内容を示唆するキャラクタ等による演出を行う。
ステップS2104、ステップS2106、ステップS2108、ステップS2110、ステップS2112、ステップS2114、ステップS2116及びステップS2118のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2117にて否定判定した後は、ステップS2119に進む。ステップS2119では、上乗せ演出が設定されている場合には上乗せ演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。既に説明したとおり、上乗せ演出の設定は、開始時演出設定処理における、ステップS1909にて行われる。
その後、ステップS2120にて、その他の停止時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2120では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
以上のように、主制御装置101からの各種コマンドに基づいて、表示モードの移行を報知するための各種処理が表示制御装置81側で行われ、その報知が補助表示部65等により行われる。その他、表示制御装置81側では、これら表示モードの移行の報知以外にも、各種ゲーム中の演出用処理が行われる。
<各種ゲーム中の演出用処理>
本実施形態では、各種ゲーム中の演出として、連続演出及びボーナス中演出が設けられている。連続演出とは、遊技者にとって有利な結果(ボーナスやアタックモード、チャレンジモード、VBモード等に当選していること)を期待させる演出であって、複数回(本実施形態では4回)のゲームに亘って継続され得る演出であり、最終回のゲームにおいて当該有利な結果であったか否かの報知が行われる演出である。ボーナス中演出は、第1BBや第2BB、特殊第1BB又は特殊第2BB入賞に基づいて移行するボーナス状態中の各ゲームにて行われる演出である。
連続演出について、その概要を、図69を参照しながら説明する。
例えば、図69(a)に示すように、連続演出が設定された1ゲーム目の開始時に連続演出の継続回数を示唆する表示を行う(図では、4ゲームの連続演出に対応させて4段のだるま落とし演出を示している)。そして、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、1段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。連続演出が途切れる場合、当該連続演出が設定された1ゲーム目の終了時において、連続演出が途中で終了することを報知する演出が行われる(例えば、1段目のだるま落としが失敗する演出等)。連続演出の継続の有無に関する演出は、連続演出における各ゲームにおいて同様である。
図69(b)に示すように、連続演出が設定された2ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り3段のだるま落とし演出)。そして、当該2ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、2段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図69(c)に示すように、連続演出が設定された3ゲーム目の開始時には、残りの連続演出の回数を示唆する表示を行う(図では、残り2段のだるま落とし演出)。そして、当該3ゲーム目の終了時において、連続演出の継続の有無を報知する演出を行う(図では、3段目のだるま落としが成功したことの演出を示しており、連続演出が継続することを示している)。
図69(d)に示すように、連続演出の最終ゲーム(4ゲーム目)の開始時には、連続演出の最終ゲームであることを示唆する表示を行う(図では、1段のだるま落とし演出)。そして、当該最終ゲームの終了時において、遊技者にとって有利な結果であったか否かの演出を行う(図では、最終段のだるま落としが成功したことの演出を示している)。
以上のように、連続演出では、前ゲームの演出を引き継いで次のゲームの演出が設定され、各ゲームの演出が連続性を有している。また、現状のゲームが連続演出開始から何ゲーム目であるか(連続演出終了まで何ゲームあるか)が明確に認識可能となっている。
ここで、連続演出の各ゲームにおいて、次ゲームまで連続演出が継続するか否かは、連続演出のゲームが進行するほど継続率が高くなるように設定されている。すなわち、連続演出の1ゲーム目終了時に、連続演出の非継続が報知される可能性が最も高く、ゲームが進行するほど、非継続が報知される可能性は低くなる。そのため、連続演出においては、現状のゲームが連続演出における何ゲーム目であるかで、遊技者の関心の高さが大きく異なり、開始ゲームから終了ゲームに進行するにつれて高い関心が寄せられるようになる。
上記連続演出の設定は、開始時演出設定処理(図58)における特定役報知用処理(ステップS1907)、ボーナス報知用処理(ステップS1910)や連続演出設定処理(ステップS1911)にて行われる。そこで、以下、それぞれの処理について順に説明する。
<ボーナス報知用処理>
先ず、ボーナス報知用処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。
ボーナス報知用処理では、先ず、ステップS2201にて、今回受信した抽選結果コマンドに基づいて、開始されるゲームがボーナス当選ゲームであるか否かを判定する。ボーナス当選ゲームである場合には、ステップS2202にて、ボーナス当選を報知する報知ゲーム抽選処理を実行する。かかる報知ゲーム抽選処理では、何ゲーム後にボーナス当選を報知するかを抽選により決定する。具体的には、0ゲーム(今回のゲームで報知する)〜10ゲームから1の報知ゲームが決定される。なお、報知ゲームの抽選に際して、当選契機となった当選役(重複当選か否か、重複当選であれば重複している小役の種類等)によって報知ゲームが異なるようにしてもよい。例えば、強チェリー重複でボーナスに当選した場合には、少ないゲーム数が選択され易く、弱チェリー重複でボーナスに当選した場合には、多いゲーム数が選択され易くする等してもよい。
続くステップS2203では、ステップS2202の処理により決定された報知ゲームに基づいて、連続演出ゲーム数を設定する処理を行う。具体的には、ステップS2203では、各種カウンタエリア183bに設けられた連続演出カウンタに連続演出ゲームの設定を行う。連続演出カウンタは、結果報知までのゲーム数を把握するためのカウンタであり、1ゲーム毎に1ずつ減算される。例えば、4ゲームの連続演出を行う構成においては、連続演出カウンタが4となるゲームにおいて連続演出が開始され、連続演出カウンタが0となるゲームにて結果報知が行われる。より具体的には、例えば、ステップS2202にて10ゲーム後にボーナス当選の報知を行うことの決定がなされた場合には、ステップS2203では、連続演出カウンタに10を入力する。この場合、連続演出は、連続演出カウンタが4であるゲームから開始される。ステップS2202にて5ゲーム後にボーナス当選の報知を行うことの決定がなされた場合には、ステップS2203では、連続演出カウンタに5を入力する。この場合であっても、連続演出は、連続演出カウンタが4であるゲームから開始される。
なお、ステップS2202にて4ゲーム未満の報知ゲームが設定された場合には、連続演出が途中から開始される。例えば、ステップS2202にて2ゲーム後にボーナス当選の報知を行うことの決定がなされた場合には、ステップS2203では、連続演出カウンタに2を入力する。この場合、連続演出は今回のゲームから開始され、図69(c)の連続演出3ゲーム目の演出から行われる。
ステップS2203の処理を実行した後は、ステップS2204にて、各種フラグ格納エリア183aに連続演出フラグをセットする。連続演出フラグは、連続演出を実行中であることをCPU181が把握するためのフラグである。
ステップS2201にて否定判定した場合、又はステップS2204の処理を実行した後は、ステップS2205に進む。ステップS2205では、今回のゲームからボーナスゲームが開始されるか否かを判定する。ボーナスゲームとは、第1BB、第2BB、特殊第1BB又は特殊第2BB入賞した次のゲームから、ボーナス終了までのゲームが該当する。ステップS2205にて肯定判定する場合とは、前ゲームにて第1BB、第2BB、特殊第1BB又は特殊第2BB入賞が成立した場合である。この場合、ステップS2206にて、RAM183における各種カウンタエリア183bのボーナス中演出カウンタにボーナス演出ゲーム数をセットする。ボーナス中演出カウンタとは、ボーナスゲームの進行に合わせて毎ゲーム設定された演出を実行するためのカウンタであり、当該カウンタに応じた演出が補助表示部65等により行われる。
既に説明したとおり、本実施形態では、第1BBや第2BBのボーナスゲームでは毎ゲーム9枚のメダル払出が行われる役に当選し、216枚のメダル払出でボーナスが終了する。つまり、第1BBや第2BBのボーナスゲームは、24ゲームで終了する。そして、ボーナスゲームにおける演出は24ゲームに亘って実行されるように設定されており、上記のボーナス中演出カウンタは、24ゲームのうちの何ゲーム目の演出を行うべきかを把握するためのカウンタである。そして、ステップS2206では、ボーナス演出ゲーム数として、ボーナス演出カウンタに24をセットし、ボーナスゲームの各ゲームにて当該ボーナス演出カウンタの減算処理が行われる。ステップS2206の処理を行った後は、ステップS2207にて、各種フラグ格納エリア183aにボーナス中演出フラグをセットする。ボーナス中演出フラグは、ボーナス中演出を実行中であることをCPU181が把握するためのフラグである。ステップS2205にて否定判定した場合、又はステップS2207の処理を実行した後は、本ボーナス報知用処理を終了する。
<特定役報知用処理>
次に、ステップS1907にて実行される特定役報知用処理について、図62のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS2301では、今回の開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれていない場合には、ステップS2302にて、今回の開始時コマンドとして上乗せコマンドが含まれているか否かを判定する。上乗せコマンドが含まれていない場合には、ステップS2303にてボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合、すなわち、抽選結果として特定役当選であった場合であって、チャレンジモードやアタックモード、VBモードへの移行抽選や継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選しておらず、且つボーナスにも当選していない場合には、ステップS2304にて、擬似前兆モードの抽選処理を実行する。擬似前兆モードとは、前兆モードと見た目上は識別困難であるものの、前兆モードでは前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者に有利な結果(チャレンジモードの当選等)が報知される一方、擬似前兆モードでは、擬似前兆ゲーム数が終了したことに基づいて遊技者にとって有利な結果を報知することなく終了するモードである。
ステップS2304では、ROM182の各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆モード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、擬似前兆モードを実行するか否かの抽選を行う。擬似前兆モード抽選用のテーブルでは、当選している特定役の種類に応じて擬似前兆モードの抽選に当選する確率が異なるように設定されており、例えば、強チェリーの方が弱チェリーよりも擬似前兆モードの抽選に当選する確率が高くなるように設定されている。
ステップS2305では、ステップS2304の処理結果に基づいて、擬似前兆モードの抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2306にて、擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理を行う。かかる処理は、主制御装置101側のステップS808等に対応するものであり、1〜32のうちの1の擬似前兆ゲーム数を抽選によりランダムに決定する。続くステップS2307では、ステップS2306にて決定した擬似前兆ゲーム数を、連続演出カウンタにセットする処理を行う。本実施形態では、前兆モードや擬似前兆モードに設定されると、連続演出を経てから当該前兆モードや擬似前兆モードが終了する構成としている。そして、上記ステップS2307にて連続演出カウンタに擬似前兆ゲーム数を入力することで、擬似前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。
ステップS2308では、各種フラグ格納エリア183aに擬似前兆モードであることを示す擬似フラグをセットする処理を実行する。続くステップS2309では、連続演出フラグをセットする。その後、特定役報知用処理を終了する。また、ステップS2301〜ステップS2303のいずれかで肯定判定した場合、又はステップS2305にて否定判定した場合は、そのまま特定役報知用処理を終了する。
<連続演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図58)のステップS1911にて行われる連続演出設定処理について、図63のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2401では、今回受信している開始時コマンドとして前兆コマンドが含まれているか否かを判定する。前兆コマンドが含まれている場合には、ステップS2402にて、当該前兆コマンドに含まれる前兆モードの前兆ゲーム数を連続演出カウンタに入力する処理を行う。これにより、前兆モードの残りゲーム数が連続演出開始に対応するもの(残り4ゲーム)となると、連続演出が開始されることとなる。続くステップS2403では、連続演出フラグをセットする。
ステップS2401にて否定判定した場合、又はステップS2403の処理を実行した後は、ステップS2404に進む。ステップS2404では、連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS2405にて連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS2406にて、連続演出カウンタが連続演出に対応する数(0〜3)であるか否かを判定する。連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS2407にて、擬似フラグがセットされているか否かを判定する。擬似フラグがセットされていない場合には、ステップS2408に進み、各種テーブル記憶エリア182aから本前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2409にて、本前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の通常遊技用演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1〜3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が成功で終了することを示す演出データとなっている。
ステップS2407にて擬似フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS2410に進む。ステップS2410では、各種テーブル記憶エリア182aから擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2411にて、擬似前兆用演出テーブルと連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、ROM182の通常遊技用演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、連続演出カウンタが1〜3であれば、次ゲームまで連続演出が継続することを示す演出データ又は継続しないことを示す演出データとなっており、連続演出カウンタが0であれば、今回の連続演出が失敗で終了することを示す演出データとなっている。
なお、連続演出カウンタが1〜3である場合に擬似前兆用演出テーブルから特定される演出データとしては、連続演出が設定されないものも含まれる。例えば、連続演出カウンタが3及び2の場合には連続演出の演出データが設定されず、連続演出カウンタが1の場合に、図69(a)の次ゲームまで連続演出が継続することを示す連続演出1ゲーム目の演出データが設定され、連続演出カウンタが0の場合に、図69(b)において次ゲームまで連続演出が継続しないことを示す連続演出2ゲーム目の演出データが設定される。このようにすることで、擬似前兆モードの擬似前兆ゲーム数が0となるゲームにて連続演出が途中で途切れる演出を設定することが可能となる。
ステップS2409又はステップS2411の処理を行った後は、ステップS2412にて連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。連続演出カウンタが0である場合には、ステップS2413にて連続演出フラグ及び擬似フラグをクリアする処理を行う。なお、擬似フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップS2406若しくはステップS2412にて否定判定した場合、又はステップS2413の処理を行った後は、本連続演出設定処理を終了する。
ステップS2404にて連続演出フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2414に進む。ステップS2414では、ボーナス中演出フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS2415にて、ボーナス中演出カウンタの減算処理を行う。具体的には、ボーナス中演出カウンタを1減算する処理を行う。続くステップS2416では、各種テーブル記憶エリア182aからボーナス用演出テーブルを取得する。そして、ステップS2417にて、ボーナス用演出テーブルとボーナス中演出カウンタとから、対応するボーナス中演出の演出データを特定し、通常遊技用演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得し、今回のボーナス中演出として設定する処理を行う。ステップS2418では、ボーナス中演出カウンタが0であるか否かを判定する。ボーナス中演出カウンタが0である場合には、ステップS2419にてボーナス中演出フラグをクリアする処理を行う。その後、本連続演出設定処理を終了する。
以上のように、本スロットマシン10では、遊技媒体としてのメダルの投入、及びスタートレバー41の始動操作に基づいて主制御装置101側の抽選処理が行われるとともに、各リール32L,32M,32Rが回転開始され、ストップスイッチ42〜44の停止操作に基づいて各リール32L,32M,32Rは停止し、有効ラインに停止した図柄の組合せが、抽選処理の結果に対応するものである場合、対応する特典が付与される構成において、抽選処理の結果としてリプレイとなる確率が異なる複数のRT状態が設けられており、対応する昇格リプレイや転落リプレイの入賞が成立することでRT状態が移行する。対応するリプレイの入賞の可否は、当否抽選の結果の他、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって定められており、当該操作順序の報知は、抽選処理の結果に応じて行われる表示モードの移行抽選に当選することで行われる。抽選処理の結果としては押し順ベルが設けられており、当該ストップスイッチ42〜44の操作順序によっては、当該押し順ベル入賞を成立させてメダルを獲得することが可能となる。そして、リプレイ確率が向上する遊技状態として第2RT状態や第3RT状態に移行させ、且つ操作順序の報知が行われる表示モードに移行させることで、そのRT状態において、リプレイ確率が向上した状態で押し順ベル入賞を成立させることができ、多量のメダルを獲得することが可能となる。
以上のような流れの遊技において、例えば、遊技に慣れていない遊技者にとっては、遊技状態の移行や表示モードの移行がどのように行われているかがわかりにくい等の理由から、遊技を存分に楽しむことができない可能性がある。そこで、本実施形態では、上記のような流れの遊技を、体験可能な特定モードが設けられている。
<特定モードの概要>
3ベットゲーム又は2ベットゲームとして設定されている通常遊技モードに対して、特定モードは、1ベットゲームとして設定されている。特定モードは、メダルを減らすことなく通常遊技モードの遊技性を擬似的に体験可能となっており、具体的には、1枚のメダル投入によって1ゲームを開始するとともに1ゲーム終了毎に1枚の払い出しが行われ、メダルの増減がないモードとなっている。言い換えると、特定モードは、全ての遊技結果がベット枚数に等しい枚数の払い出しとなるモードである。そして、上記通常遊技モードにおける遊技状態の移行(RT状態の移行)や表示モードの移行を、等枚払出の各遊技結果によって体験することが可能となっている。以下、特定モードの仕組みついて説明する。
既に説明したとおり、3ベットゲームでは直線ラインである右下がりラインL4が有効ラインとされる(図9(a))一方、1ベットゲームでは折れ曲がりラインL6が有効ラインとされる(図9(c))。そして、1ベットゲームとして実施される特定モードでは、主に3ベットゲームとして実施される通常遊技モードと、入賞となる図柄の組合せが異なっている。
より詳しくは、1ベットゲームにおける抽選結果が所定結果であり、当該所定結果に対応する所定の図柄組合せが有効ラインである折れ曲がりラインL6に停止する場合、1ベットゲームにおいては有効ラインではない右下がりラインL4に当該所定の図柄組合せとは異なる特定の図柄組合せが停止する。当該特定の図柄組合せは、3ベットゲームにおける抽選結果が特定結果であった場合に、当該特定結果の入賞が成立することとなる組合せとして設定されている。つまり、1ベットゲームにおいて所定結果の入賞が成立することとなる所定の図柄組合せが折れ曲がりラインL6に停止すると、3ベットゲームにおいては特定結果の入賞が成立することとなる特定の図柄組合せが右下がりラインL4に停止することになり、見た目上、3ベットゲームと1ベットゲームとで同じ図柄が同じ個所に停止しているものの、3ベットゲームでは特定結果入賞となるものであり、1ベットゲームでは所定結果入賞となるものであり、入賞する結果が異なっている。
例えば、図70(a1)に示すように、3ベットゲームにおいて、第1BB当選となり、有効ライン上に、「赤7」図柄、「赤7」図柄、「赤7」図柄が停止することで、第1BB入賞が成立する。1ベットゲームにおいては、第1BBに対応する抽選結果として特殊第1BB(第1PBB)が設けられており、当該特殊第1BB当選となった場合、有効ライン上に、「赤7」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄が停止することで、特殊第1BB入賞が成立するように、図柄の組合せが設定されている。この場合、図70(b1)に示すように、特殊第1BB入賞となる図柄の組合せが1ベットゲームの有効ラインである折れ曲がりラインL6に停止すると、3ベットゲームにおいて有効ラインとされる右下がりラインL4に、第1BB入賞となる図柄の組合せが停止する。但し、1ベットゲームにおいては右下がりラインL4は有効ラインではないため、上記のように第1BB入賞となる図柄の組合せが右下がりラインL4に停止しても第1BB入賞は成立しない。
例えば、図70(a2)に示すように、3ベットゲームにおいて、第26小役(スイカ)当選となり、有効ライン上に、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄が停止することで、第26小役入賞が成立する。1ベットゲームにおいては、第26小役に対応する抽選結果として第26P小役が設けられており、当該第26P小役当選となった場合、有効ライン上に、「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「赤ベル」図柄が停止することで、第26P小役入賞が成立するように、図柄の組合せが設定されている。この場合、図70(b2)に示すように、第26P小役入賞となる図柄の組合せが1ベットゲームの有効ラインである折れ曲がりラインL6に停止すると、3ベットゲームにおいて有効ラインとされる右下がりラインL4に、第26小役入賞となる図柄の組合せが停止する。但し、1ベットゲームにおいては右下がりラインL4は有効ラインではないため、上記のように第26小役入賞となる図柄の組合せが右下がりラインL4に停止しても第26小役入賞は成立しない。
例えば、図70(a3)に示すように、3ベットゲームにおいて、第2小役(ベル)当選となり、有効ライン上に、「白ベル」図柄、「赤7」図柄、「赤7」図柄が停止することで、第2小役入賞が成立する。1ベットゲームにおいては、第2小役に対応する抽選結果として第2P小役が設けられており、当該第2P小役当選となった場合、有効ライン上に、「白ベル」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄が停止することで、第2P小役入賞が成立するように、図柄の組合せが設定されている。この場合、図70(b3)に示すように、第2P小役入賞となる図柄の組合せが1ベットゲームの有効ラインである折れ曲がりラインL6に停止すると、3ベットゲームにおいて有効ラインとされる右下がりラインL4に、第2小役入賞となる図柄の組合せが停止する。但し、1ベットゲームにおいては右下がりラインL4は有効ラインではないため、上記のように第2小役入賞となる図柄の組合せが右下がりラインL4に停止しても第2小役入賞は成立しない。
例えば、図70(a4)に示すように、3ベットゲームにおいて、第2小役(ベル)当選となり、有効ライン上に、「白ベル」、「赤7」図柄、「スイカ」図柄が停止することで、第2小役入賞が成立せずに所謂ベル取りこぼし目となる。この図柄の組合せは、移行出目である。1ベットゲームにおいて、第2P小役当選となった場合、有効ライン上に、「白ベル」図柄、「赤7」図柄、「赤ベル」図柄が停止することで、第2P小役入賞が成立せずに所謂ベル取りこぼし目となる。この場合、図70(b4)に示すように、第2P小役入賞とならずに所謂ベル取りこぼし目となる図柄の組合せが1ベットゲームの有効ラインである折れ曲がりラインL6に停止すると、3ベットゲームにおいて有効ラインとされる右下がりラインL4に、第2小役入賞とならずに所謂ベル取りこぼし目となる図柄の組合せ(移行出目)が停止する。
このように、特定モードでは、通常遊技モードとしての3ベットゲーム時に入賞成立となる出目と同じ出目で、3ベットゲーム時に入賞成立となる役とは異なる役が入賞成立する。
ここで、通常遊技モードの3ベットゲームにおいては直線ラインである右下がりラインL4が有効ラインとして設定される一方で、特定モードでは、折れ曲がりが生じるラインである折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。そして、入賞成立となる図柄の組合せが折れ曲がりが生じるラインに停止するよりも、一直線のラインに停止した方が遊技者が気付き易い、と考えられることから、例えば、図70(b1)のように、特定モードにおいて、有効ラインである折れ曲がりラインL6に第1PBB入賞となる「赤7」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄の組合せが停止したとしても、当該図柄の組合せよりも、右下がりラインL4に揃って停止している「赤7」図柄の方に先に目が行くものと考えられる。しかも、当該「赤7」図柄が右下がりラインL4に揃って停止する停止出目は、通常遊技モードにおいて第1BB入賞が成立する停止出目である。
そうすると、当該停止出目に馴染みのある遊技者からすると、特定モードにおいて、折れ曲がりラインL6に停止している第1PBB入賞の図柄の組合せが停止したとしても、有効ラインとしては設定されていない右下がりラインL4に停止している第1BB入賞の図柄の組合せに気を取られ、第1BB入賞が成立したと判断し得るものと考えられる。つまり、このような出目の設定により、特定モードにおいて、第1PBB入賞が成立する場合、第1PBB入賞ではなく第1BB入賞が成立したのでは、と思わせることができる。
同様に、図70(b2)のように、特定モードにおいて、有効ラインである折れ曲がりラインL6上に「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「赤ベル」図柄の組合せが停止していることよりも、特定モードにおいては有効ラインではない右下がりラインL4に「スイカ」図柄が揃って停止していることの方が目を引き易く、特定モードにおいて第26P小役入賞が成立する場合、第26P小役入賞ではなく第26小役入賞が成立しているのでは、と思わせることが可能となっている。
また、遊技者は、異なる図柄同士の組合せが入賞成立となる図柄の組合せとして設定されているよりも、同種の図柄が揃うことで入賞成立となる図柄の組合せとして設定されている方が入賞成立を気付き易いものと考えられる。その点、図70(a3)のように、通常遊技モードであっても、第2小役入賞が成立する図柄の組合せは、有効ライン上に「白ベル」図柄、「赤7」図柄、「赤7」図柄の組合せとして設定されているものの、当該停止出目においては、上ラインL1に同種の「ベル」図柄(「白ベル」図柄、「赤ベル」図柄)が揃って停止する。そうすると、当該第2小役入賞成立時においては、有効ラインである右下がりラインL4よりも上ラインL1に停止している図柄によって、第2小役としてベル役が入賞していると判断すると考えられる。特定モードにおいても、第2P小役入賞が成立する図柄の組合せは、有効ライン上に「白ベル」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄の組合せとして設定されているものの、当該入賞が成立する停止出目では、上記第2小役と同様に、上ラインL1上に同種の「ベル」図柄が揃って停止する。そうすると、第2P小役入賞が成立する場合、ベル役が入賞していると判断すると考えられる。
つまり、本実施形態では、直線ラインよりも折れ曲がりラインの方が遊技者に認識され易いし、同種の図柄が揃う入賞態様の方が異なる図柄の組合せの入賞態様よりも遊技者に認識され易いことを利用して、特定モードにおける停止出目をあたかも通常遊技モードの停止出目と判断させ、擬似的な遊技をよりリアルなものとして再現可能としている。
また、特定モードにおいて有効ラインとして設定される折れ曲がりラインL6と、通常遊技モードにおいて有効ラインとして設定される右下がりラインL4とは、左リール32L,中リール32Mにおいては共通の図柄停止位置(左リール32Lの上段、中リール32Mの中段)が設定されるとともに、右リール32Rにおいては異なる図柄停止位置(右リール32Rの下段及び中段)が設定されている。このようにすれば、特定モードと通常遊技モードとで当選する役及びその入賞態様を対応付ける際に、右リール32Rの停止図柄だけを異ならせればよい。よって、特定モードと通常遊技モードとの入賞態様の対応付けを比較的容易に行うことが可能となる。
さらに、特定モードにおける有効ラインと通常遊技モードにおける有効ラインとでは、ラインL1〜L6の重複が生じないように設定されている。これは、重複する有効ラインが設定される構成としてしまうと、当該重複する有効ラインに入賞となる図柄の組合せが停止した場合、特定モードと通常遊技モードとで停止出目が異なってしまい、せっかく上記のように停止出目を共通化させたのにもかかわらず、異なる停止出目で入賞成立することによって異なる役であることが明確に把握されてしまうからである。
次に、図71〜図73を参照しながら、特定モードにおける入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を説明する。
通常遊技モードにおける第1小役〜第32小役に対応する役として、特定モードでは第1P小役〜第32P小役が設定されている。
特定モードにおいて、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ図柄」と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第1P小役入賞となる。第1P小役入賞が成立した場合、1枚のメダル払出が行われる。第1P小役は、通常遊技モードにおける第1小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第1P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、左リール32Lの上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止し、中リール32Mの中段に「赤ベル」図柄が停止し、右リール32Rの下段に「赤ベル」図柄が停止する。すなわち、右下がりラインL4に「ベル」図柄が停止する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄、「チェリー」図柄、「BAR」図柄又は「白ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第2P小役入賞〜第17P小役入賞となる。第2P小役入賞〜第17P小役入賞が成立した場合、1枚のメダル払出が行われる。第2P小役〜第17P小役は、通常遊技モードにおける第2小役〜第17小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第2P小役入賞〜第17P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、左リール32Lの上段に「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄が停止し、中リール32Mの中段に「赤ベル」図柄が停止し、右リール32Rの下段に「赤ベル」図柄が停止する。すなわち、上ラインL1に「ベル」図柄が停止する。
なお、第2P小役〜第17P小役のうち、第2P小役、第3P小役、第6P小役及び第7P小役は同じ出目であり、第4P小役、第5P小役、第8P小役及び第9P小役は同じ出目であり、第10P小役、第11P小役、第14P小役及び第15P小役は同じ出目であり、第12P小役、第13P小役、第16P小役及び第17P小役は同じ出目となっている。すなわち、これら同じ出目同士の役は、特定モードにおいては同じ役となっている。但し、以下の説明においては、通常遊技モードとの比較の為それぞれが異なる役として説明する。
第18P小役入賞は、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する入賞態様である。第18P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは、1枚のメダル払出が行われる。第18P小役は、通常遊技モードにおける第18小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第18P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第18小役入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「赤7」図柄,「BAR」図柄,「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が有効ライン上に停止した場合には、第19P小役入賞となる。第19P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第19P小役は、通常遊技モードにおける第19小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第19P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第19小役入賞の図柄の組合せが停止する。
第20P小役〜第24P小役は、通常遊技モードにおける第20小役〜第24小役に対応するものであり、第20P小役入賞〜第24P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。なお、第20P小役及び第21P小役と、第22P小役及び第23P小役と、はそれぞれ同じ出目同士の役となっており、同じ役として扱われる。但し、通常遊技モードとの比較の為それぞれが異なる役として説明する。
第25P小役入賞は、第18P小役入賞と同様、左リール32Lの「チェリー」図柄が上段又は下段に停止する入賞態様である。第18P小役入賞の場合には、特殊第1BBや特殊第2BBであるPBBと重複当選している場合に限って右リール32Rの「赤7」図柄又は「白7」図柄が中段に停止し得る(「第2リプレイ」図柄,「BAR」図柄,「赤7」図柄又は「白7」図柄の組合せ)が、第25P小役入賞の場合には、PBB当選の有無に関わらず右リール32Rの「赤7」図柄又は「白7」図柄が中段に停止し得る。第25P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第25P小役は、通常遊技モードにおける第25小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第25P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第25小役入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「スイカ」図柄又は「BAR」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第26P小役入賞となる。第26P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第26P小役は、通常遊技モードにおける第26小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第26P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第26小役入賞の図柄の組合せが停止する。
第27P小役入賞は、所謂スイカテンパイ外れの停止出目となる入賞態様であり、第27P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第27P小役は、通常遊技モードにおける第27小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第27P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第27小役入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄,「BAR」図柄,「白ベル」図柄,「チェリー」図柄,「青年」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合、第28P小役入賞となる。第28P小役入賞は、所謂ダブルテンパイ外れの停止出目となる。第28P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第28P小役は、通常遊技モードにおける第28小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第28P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第28小役入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合、第29P小役入賞となる。第29P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第29P小役は、通常遊技モードにおける第29小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第29P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第29小役入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第30P小役入賞となる。第30P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第30P小役は、通常遊技モードにおける第30小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第30P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第30小役入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄又は「白7」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第31P小役入賞となる。第31P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第31P小役は、通常遊技モードにおける第31小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第31P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第31小役入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄又は「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第32P小役入賞となる。第32P小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第32P小役は、通常遊技モードにおける第32小役に対応するものであり、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第32P小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第32小役入賞の図柄の組合せが停止する。
なお、第30小役〜第32小役と同様に、第30P小役〜第32P小役は、ボーナス中に当選し得る役である。
既に説明したとおり、通常遊技モードにおいて、メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第8再遊技入賞が設定されている。これに対して、特定モードにおける再遊技としては、第1再遊技入賞に対応させて特殊再遊技入賞が設定されている。そして、特定モードにおいて、第2再遊技入賞〜第8再遊技入賞に対応させた入賞としては、再遊技ではなく、入賞成立によって1枚のメダル払出が行われる小役として、第2リプ小役入賞〜第8リプ小役入賞が設定されている。
すなわち、左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、特殊再遊技入賞となる。特殊再遊技入賞が成立した場合、再遊技として、メダルを投入することなく次ゲームの遊技が可能となる。特殊再遊技は、通常遊技モードにおける第1再遊技に対応するものであり、図74(a)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記特殊再遊技入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第1再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。なお、この場合、中ラインL2に「リプレイ」図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「BAR」図柄又は「スイカ」図柄と、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第2リプ小役入賞となる。第2リプ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第2リプ小役は、通常遊技モードにおける第2再遊技に対応するものであり、図74(b)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第2リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第2再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。なお、この場合、右上がりラインL5に「リプレイ」図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第3リプ小役入賞となる。第3リプ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第3リプ小役は、通常遊技モードにおける第3再遊技に対応するものであり、図74(c)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第3リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第3再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。
第4リプ小役は、通常遊技モードにおける第4再遊技に対応するものである。第4リプ小役入賞が成立すると、1ベットモードでは1枚のメダル払出が行われる。そして、図74(d)〜図74(g)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第4リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第4再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄若しくは「白7」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合、又は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄若しくは「白7」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第5リプ小役入賞となる。第5リプ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第5リプ小役は、通常遊技モードにおける第5再遊技に対応するものであり、図74(h)及び図75(a)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第5リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第5再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、中リール32Mの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄、「青年」図柄又は「スイカ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第6リプ小役入賞となる。第6リプ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第6リプ小役は、通常遊技モードにおける第6再遊技に対応するものであり、図75(b)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第6リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第6再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第7リプ小役入賞となる。第7リプ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第7リプ小役は、通常遊技モードにおける第7再遊技に対応するものであり、図75(c)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第7リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第7再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。
左リール32Lの「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第8リプ小役入賞となる。第8リプ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第8リプ小役は、通常遊技モードにおける第8再遊技に対応するものであり、図75(d)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第3リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、第3再遊技入賞の図柄の組合せが停止する。
通常遊技モードにおける、第1BB入賞、第2BB入賞、CB入賞に対応させて、特定モードにおいては、第1PBB入賞(特殊第1BB入賞)、第2PBB入賞(特殊第2BB入賞)、PCB入賞(特殊CB入賞、SB入賞)が設けられている。
第1PBB入賞は、第1BB入賞に対応するものであり、上記のとおり、左リール32Lの「赤7」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第1PBB入賞となり、ボーナス成立として、遊技状態が特殊ボーナス状態に移行する。また、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合、又は左リール32Lの「白ベル」図柄と、中リール32Mの「第2リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第2PBB入賞となり、ボーナス成立として、遊技状態が特殊ボーナス状態に移行する。左リール32Lの「赤ベル」図柄又は「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、PCB入賞となり、ボーナス成立として、遊技状態が特殊CB状態に移行する。なお、本実施形態では、PCBには当選しないように設定されており、PCB入賞は成立しない。
通常遊技モードにおける移行出目に対応させた停止出目として、特定モードでは特殊移行出目が設定されている。左リール32Lの「赤ベル」図柄若しくは「白ベル」図柄と、中リール32Mの「赤7」図柄、「BAR」図柄、「白ベル」図柄若しくは「チェリー」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインとしての折れ曲がりラインL6上に停止した場合、又は左リール32Lの「赤ベル」図柄若しくは「白ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「スイカ」図柄若しくは「第1リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、特殊移行出目とされる。特殊移行出目が停止する場合、図75(e)及び図75(f)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記特殊移行出目となる図柄の組合せが停止する場合、右下がりラインL4には、移行出目の図柄の組合せが停止する。
その他、特定モードでは、通常遊技モードにおける役とは対応しない役として、第1リプ小役と外れ小役とが設けられている。
左リール32Lの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄又は「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤ベル」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、第1リプ小役入賞となる。第1リプ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。図75(g)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記第1リプ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、基本的には、上ラインL1に、「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が揃って停止する。
左リール32Lの「第1リプレイ」図柄と、中リール32Mの「赤ベル」図柄と、右リール32Rの「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄と、が有効ラインである折れ曲がりラインL6上に停止した場合には、外れ小役入賞となる。外れ小役入賞が成立した場合、1ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。図75(h)に示すように、特定モードの有効ラインである折れ曲がりラインL6に上記外れ小役入賞となる図柄の組合せが停止する場合、各直線ラインL1〜L5には、いずれの図柄も揃って停止せず、バラケ目となる。
特定モードにおける抽選テーブルについて、図76を参照しながら説明する。ここで、特定モードにおいては、通常遊技モードのように遊技状態として各RT状態は設定されておらず、通常遊技状態とボーナス状態(特殊ボーナス状態)とが設定されている。図76の抽選テーブルは、特定モードにおける通常遊技状態中に参照される抽選テーブルである。
ちなみに、通常遊技モードにおける各RT状態中に特定モードの遊技が実施される場合であっても、特定モードにおける通常遊技状態用の抽選テーブルが参照され得る。また、特定モードにおける通常遊技状態中に通常遊技モードの遊技が実施される場合は、通常遊技モードにおける各RT状態用の抽選テーブルが参照され得る。
特定モード用の抽選テーブルでは、インデックス値IV=1〜49についてはいずれもポイント値PVとして0が設定されており、インデックス値IV=1〜49において当選フラグがセットされない(ステップS305にて肯定判定しない)。なお、図では、インデックス値IV=1〜49について省略している。
インデックス値IV=50では、当選役として外れ小役と第1リプ小役が設定されている。インデックス値IV=51は、通常遊技モードにおける通常リプレイ(IV=1)に対応するものであり、当選役として特殊再遊技が設定されている。インデックス値IV=52〜55は、通常遊技モードにおける第1昇格リプレイ1〜4(IV=2〜5)に対応するものであり、特殊第1昇格リプレイ1〜4と称される。当選役としては、第1リプ小役、第3リプ小役や第6リプ小役〜第8リプ小役に加えて、外れ小役が設定されている。インデックス値IV=56〜58は、通常遊技モードにおける転落リプレイ1〜3(IV=6〜8)に対応するものであり、特殊転落リプレイ1〜3と称される。当選役としては、第1リプ小役、第2リプ小役や第6リプ小役〜第7リプ小役に加えて、外れ小役が設定されている。インデックス値IV=59,60は、通常遊技モードにおける第2昇格リプレイ1,2(IV=9,10)に対応するものであり、特殊第2昇格リプレイ1,2と称される。当選役としては、第1リプ小役及び第4リプ小役や第5リプ小役に加えて、外れ小役が設定されている。インデックス値IV=61,62は、通常遊技モードにおけるBARリプレイ1,2(IV=11,12)に対応するものであり、特殊BARリプレイ1,2と称される。当選役としては、第1リプ小役及び第3リプ小役や第6リプ小役〜第8リプ小役に加えて、外れ小役が設定されている。インデックス値IV=63〜99は、通常遊技モードにおける各小役及びボーナス(IV=13〜49)に対応しており、それぞれ対応する当選役が設定されている。
図76に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、特殊リプレイに当選となる確率(IV=51の際に当選となる確率)は約7.3分の1、特殊強チェリーに当選となる確率(IV=63の際に当選となる確率)は約263分の1、特殊弱チェリーに当選となる確率(IV=64の際に当選となる確率)は約183分の1である。特殊スイカに当選となる確率(IV=65の際に当選となる確率)は約154分の1、特殊チャンスAに当選となる確率(IV=66の際に当選となる確率)は約252分の1、特殊チャンスBに当選となる確率(IV=67の際に当選となる確率)は約252分の1である。特殊中段ベルに当選となる確率(IV=68の際に当選となる確率)は約32800分の1、特殊不問ベルに当選となる確率(IV=69の際に当選となる確率)は約65500分の1である。特殊順押しベル1,特殊順押しベル2,特殊挟み押しベル1,特殊挟み押しベル2に当選となる確率(IV=70〜73の際に当選となる確率)はそれぞれ約164分の1、特殊中押しベル1,特殊中押しベル2,特殊右押しベル1,特殊右押しベル2に当選となる確率(IV=74〜77の際に当選となる確率)はそれぞれ約16.4分の1である。特殊強チェリー重複1に当選となる確率(IV=81の際に当選となる確率)は約1770分の1、特殊強チェリー重複2に当選となる確率(IV=82の際に当選となる確率)は約4680分の1、特殊弱チェリー重複1に当選となる確率(IV=83の際に当選となる確率)は約3280分の1、特殊弱チェリー重複2に当選となる確率(IV=84の際に当選となる確率)は約6550分の1である。特殊スイカ重複1に当選となる確率(IV=85の際に当選となる確率)は約3280分の1、特殊スイカ重複2に当選となる確率(IV=86の際に当選となる確率)は約6550分の1である。特殊チャンスA重複1,特殊チャンスA重複2,特殊チャンスB重複1,特殊チャンスB重複2に当選となる確率(IV=87〜90の際に当選となる確率)はそれぞれ約3280分の1である。特殊中段ベル重複1,特殊中段ベル重複2に当選となる確率(IV=91,92の際に当選となる確率)はそれぞれ約2620分の1である。第1PBB,第2PBBに単独当選となる確率(IV=93,94の際に当選となる確率)はそれぞれ約65500分の1である。
すなわち、特定モードにおいて、特殊リプレイ、特殊強チェリー、特殊弱チェリー、特殊スイカ、特殊チャンスA,B、特殊中段ベル,特殊不問ベル、特殊順押しベル1,2、特殊挟み押しベル1,2、特殊中押しベル1,2、特殊右押しベル1,2、特殊強チェリー重複1,2、特殊弱チェリー重複1,2、特殊スイカ重複1,2、特殊チャンスA重複1,2、特殊チャンスB重複1,2、特殊中段ベル重複1,2、第1PBB、第2PBBに当選する確率は、通常遊技モードにおける通常遊技状態中に、通常リプレイ、強チェリー、弱チェリー、スイカ、チャンスA、チャンスB、中段ベル、不問ベル、順押しベル1,2、挟み押しベル1,2、中押しベル1,2、右押しベル1,2、強チェリー重複1,2、弱チェリー重複1,2、スイカ重複1,2、チャンスA重複1,2、チャンスB重複1,2、中段ベル重複1,2、第1BB,第2BBに当選する確率と同じである。
なお、上記各特殊役を通常遊技モードの各役と同じ当選確率としたが、完全に同じ確率ではなくてもよく、若干異なる確率であってもよい。この場合、遊技者が異なる当選確率であることを認識できない程度の確率同士であるとよい。
また、特定モードにおいて図76に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、上記各役の他に、特殊第1昇格リプレイ1〜4,特殊転落リプレイ1〜3,特殊第2昇格リプレイ1,2,特殊BARリプレイ1,2や、外れ目1枚役(以下、「特殊押し順リプレイ」という)が当選する。具体的には、特殊第1昇格リプレイ1〜4に当選となる確率(IV=52〜55の際に当選となる確率)は約8.2分の1、特殊転落リプレイ1〜3に当選となる確率(IV=56〜58の際に当選となる確率)は約8.2分の1、特殊第2昇格リプレイ1,2に当選となる確率(IV=59,60の際に当選となる確率)は約8.2分の1、特殊BARリプレイ1,2に当選となる確率(IV=61,62の際に当選となる確率)は約8.2分の1である。そして、外れ目1枚役に当選となる確率(IV=50の際に当選となる確率)は約35分の1である。
既に説明したとおり、特定モードにおいては、PCBは当選しない。また、特定モードにおいては、通常遊技状態においていずれの役にも当選しない外れの確率は0であり、いずれかの役に必ず当選する。
すなわち、本実施形態の特定モードでは、通常遊技モードにおける各役と対応する役が同じ確率で当選するとともに、通常遊技モードにおいてRT状態が移行することで当選可能となる役に対応する役(特殊第1昇格リプレイ1〜4,特殊転落リプレイ1〜3,特殊第2昇格リプレイ1,2,特殊BARリプレイ1,2、以下、これらをまとめて「特殊移行役」という)も特定モードでは通常遊技状態において当選する。
上記のとおり、特殊移行役の当選役には、いずれも、外れ小役が含まれるように設定されている。特殊移行役に当選している場合、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって、外れ小役入賞が成立するか、他のリプ小役入賞が成立するかが異なっている。
図77は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。
図77(b)に示すように、特殊第1昇格リプレイ1〜4に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、外れ小役入賞、第1リプ小役入賞,第3リプ小役入賞のいずれかが必ず成立し、ストップスイッチ42〜44の操作順序によっていずれの小役入賞が成立するかが異なる。図77(c)に示すように、特殊転落リプレイ1〜3に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、外れ小役入賞,第1リプ小役入賞,第2リプ小役入賞のいずれかが必ず成立し、ストップスイッチ42〜44の操作順序によっていずれの小役入賞が成立するかが異なる。また、特殊第2昇格リプレイ1,2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、外れ小役入賞,第4リプ小役入賞,第5リプ小役入賞のいずれかが必ず成立し、ストップスイッチ42〜44の操作順序によっていずれの小役入賞が成立するかが異なる。図77(d)に示すように、特殊BARリプレイ1,2に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、外れ小役入賞,第1リプ小役入賞,第6リプ小役入賞〜第8リプ小役入賞のいずれかが必ず成立し、ストップスイッチ42〜44の操作順序によっていずれの小役入賞が成立するかが異なる。
これら、特殊第1昇格リプレイ1〜4、特殊転落リプレイ1〜3、特殊第2昇格リプレイ1,2、特殊BARリプレイ1,2に当選した場合において、ストップスイッチ42〜44を左から順に操作した場合には、いずれも外れ小役入賞が成立するように操作順序と入賞態様とが関係づけられている。つまり、特定モードでは、通常遊技状態においてこれらの特殊移行役に当選した場合であっても、左から順にストップスイッチ42〜44の操作が行われている限り、各種リプ小役入賞ではなく外れ小役入賞が成立するように設定されており、これら特殊移行役に当選しても、ストップスイッチ42〜44の操作順序が合わない限り、各種リプ小役入賞は成立しない。言い換えると、これら特殊移行役に当選した場合であって、ストップスイッチ42〜44の操作順序が合えば、各種リプ小役入賞を成立させることが可能となっている。
その他、特定モードにおける外れ目1枚役には、当選役として外れ小役が含まれるように設定されており、ストップスイッチ42〜44の操作順序によって、外れ小役入賞が成立するか、第1リプ小役入賞が成立するかが異なっている。
具体的には、図77(a)に示すように、外れ目1枚役に当選となった場合には、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、外れ小役入賞,第1リプ小役入賞のいずれかが必ず成立し、ストップスイッチ42〜44の操作順序によっていずれの小役入賞が成立するかが異なる。
外れ目1枚役においても、ストップスイッチ42〜44を左から操作した場合には、外れ小役入賞が成立するように操作順序と入賞態様とが関係づけられている。つまり、特定モードでは、通常遊技状態において外れ目1枚役に当選した場合において、左から順にストップスイッチ42〜44の操作が行われている限り、外れ小役入賞が成立し、操作順序が合わない限り、第1リプ小役入賞は成立しない。言い換えると、外れ目1枚役に当選した場合であって、ストップスイッチ42〜44の操作順序が合えば、第1リプ小役入賞を成立させることが可能となっている。
また、特定モードにおける特殊押し順ベル(特殊順押しベル1,2,特殊挟み押しベル1,2,特殊中押しベル1,2,特殊右押しベル1,2)は、通常遊技モードと同様に、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立するベルが異なるとともに、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
すなわち、図78に示すように、例えば特殊中押しベル1に当選している場合には、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合に第2P小役入賞又は第5P小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合に第1P小役入賞が成立するよう停止情報を設定し、右ストップスイッチ44が最初に操作された場合に第2P小役入賞又は第5P小役入賞が成立するよう停止情報を設定する。そして、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによって対応する入賞が成立しない場合には、特殊移行出目が折れ曲がりラインL6に停止することとなる。
<遊技モードの切換演出>
通常遊技モードと特定モードとは、ゲームが行われていない状況(各リール32L,32M,32Rが停止している状況)で、遊技者が、第2演出スイッチ67を操作することで切換可能となっている。この場合、第2演出スイッチ67の操作に基づいて、通常遊技モードと特定モードとの切換演出が行われる。
特定モードに切り換えられる場合、例えば、図79(a)に示すように、特定モード切換時演出として、特定モードを示す「フリーモード」という文字表示と、当該特定モードが練習用のモードであることを理解させるための表示として、例えば、女の子のキャラクタによる「私たちと練習よ!!」という、吹き出し付きのセリフが表示される。その他、特定モード切換時演出では、再度の第2演出スイッチ67の操作によって通常遊技モードに復帰することを教示する表示が行われる。
通常遊技モードに切り換えられる場合、例えば、図79(b)に示すように、通常遊技モード切換時演出として、通常遊技モードを示す「通常モード」という文字表示と、第2演出スイッチ67の操作によって特定モードに切り換えられることを教示する表示が行われる。
上記のように、通常遊技モードと特定モードとの表示上の切り換えは、サブ側の表示制御装置81に接続された第2演出スイッチ67によって行われる。本スロットマシン10では、主制御装置101側から表示制御装置81へは各種コマンド等による情報の出力が行われる一方で、表示制御装置81側から主制御装置101へは情報の出力は行われない。これは、主に遊技者の利益に関与する処理を行う主制御装置101への情報入力を極力減らすことによって、不正に利益を享受しようとする行為を行わせにくくするためのものである。そのため、表示制御装置81側で遊技モードの切換演出を行ったか否かは、主制御装置101側では特定しておらず、主制御装置101側では、あくまでベット数に応じて抽選テーブルや有効ラインの切り換えを行うにとどまる。このようにすることで、遊技者の利益に関与する当否判定(抽選処理)等が行われる主制御装置101側の処理負荷を大幅に増加させることなく、通常遊技モードと特定モードとの異なる遊技モードを実現可能としている。
<1枚ベット時の主制御装置101側の処理の説明>
ベット数が1枚である場合の主制御装置101側の処理の流れを説明する。
通常処理(図29)においては、ステップS204の開始待ち処理を行った後、ステップS205にてベット数が規定数であるか否かの判定を行う。ステップS205にて肯定判定する場合とは、ベット数が遊技状態に応じた規定数に達していると判断される場合であり、本スロットマシン10では、遊技状態がボーナス状態である場合を除き、ベット枚数が1枚である場合又は3枚である場合に規定数に達していると判定する。つまり、ステップS205では、表示制御装置81側で切換演出を行っているか否かに関わらず、1ベットモードの特定モードの実行を許容している。
ステップS206のモード移行報知用処理では、図49に示すように、前兆ゲーム数が0でなければ(ステップS1101:NO)、そのまま本報知用処理が終了される。前兆ゲーム数のカウントについては、後に説明するが、ベット数が1枚である場合にはカウントされないようになっている。そのため、特定モードで遊技中に通常遊技モードにおける前兆ゲーム数が減算されてしまう事象が回避されている。また、前兆ゲーム数が0であれば(ステップS1101:YES)、ベット数に関わらず、チャレンジモード開始コマンドやアタック当選報知コマンド、VBモード当選報知コマンドの出力設定が行われる(ステップS1105、ステップS1110、ステップS1114)。そのため、通常遊技モードで遊技されていた前ゲームで前兆ゲーム数が0となった場合には、次ゲームのベット数に関わらずベット時にそのことの報知が確実に行われ、例えば通常遊技モードにおいてアタックモード等に当選していた場合には、それを認識したうえで、特定モードの遊技を行うことが可能となっている。
通常処理においてステップS207にてセットするベットコマンドには、今回開始するゲームのベット数の情報が含まれている。つまり、第1クレジット投入スイッチ56が操作されて3枚のベットが行われたことの情報、第2クレジット投入スイッチ57が操作されて1枚のベットが行われたことの情報、第3クレジット投入スイッチ58が操作されて2枚のベットが行われたことの情報、のいずれかの情報が含まれている。今回は、1枚ベットの遊技であるため、ステップS207にてセットするベットコマンドには、1枚のベットが行われたことの情報が含まれている。
スタートレバー41が操作されると(ステップS208:YES)、ステップS209にて有効ラインの設定処理が行われる。今回は1ベットゲームであるため、折れ曲がりラインL6を有効ラインとして設定し、他のラインL1〜L5については有効ラインとして設定しない。
ステップS211の抽選処理では、図30に示すように、ステップS302にて、今回のベット数に応じた特定モード用の抽選テーブル(図76)を取得する。そして、ステップS303〜ステップS308の当否判定用の処理を当該抽選テーブルに基づいて行う。つまり、ベット数に応じて用いる抽選テーブルが異なるだけで、ベット数にかかわらず当否判定用は共通の処理にて行われる。
ちなみに、通常遊技モードにおいて参照される抽選テーブル(図31等)では、インデックス値IV=50〜99について、いずれもポイント値PVとして0が設定されている。そのため、特定モードにおいて通常遊技モードの各役に当選することがないだけでなく、通常遊技モードにおいて特定モード用の各特殊役に当選することもないように設定されている。
ステップS310の抽選結果対応処理では、1枚ベット時においては、特定役(強チェリー、弱チェリー、スイカ、チャンスA,B、中段ベル、強チェリー重複1,2、弱チェリー重複1,2、スイカ重複1,2、チャンスA重複1,2、チャンスB重複1,2、中段ベル重複1,2)や、押し順役(第1昇格リプレイ1〜4、転落リプレイ1〜3、第2昇格リプレイ1,2、BARリプレイ1,2からなる「押し順リプレイ」や、順押しベル1,2、挟み押しベル1,2、中押しベル1,2、右押しベル1,2からなる「押し順ベル」)に当選することはない。そのため、1枚ベット時においては、図45に示す、第1特定役処理、第2特定役処理、第3特定役処理、押し順役処理のいずれの処理も行われない。また、特化ゾーン用処理でも、アタックモードの上乗せ抽選処理における上乗せ抽選テーブルでは、1枚ベット時には当選しない役に対して上乗せゲーム数が設定されている。そのため、当該特化ゾーン用処理を1枚ベットで行ってもゲーム数の上乗せは発生しない。ちなみに、特化ゾーンの継続ゲーム数のカウントは1枚ベット時には行われないため、仮に特化ゾーン中に特定モードで遊技が行われたとしても、特化ゾーンの継続ゲーム数には影響がない。
抽選処理(図30)において、抽選結果対応処理を行った後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする処理を行う。抽選結果コマンドには、ベット数にかかわらず、今回の抽選結果の情報がセットされる。そのため、1枚ベット時においては、IV=50〜99(図76)にて当選する各種特殊役のいずれかの情報が今回の抽選結果コマンドに含まれる。
通常処理(図29)において、抽選処理を実行した後は、リール制御処理(ステップS212)が行われる。リール制御処理では、ベット数に関わらず、回転開始用の処理(ステップS401〜ステップS402)や、回転停止用の処理(ステップS403〜ステップS412)を行い、全リール停止した場合には(ステップS411:YES)、ステップS413にて払出判定処理を行う。払出判定処理では、入賞成立役が当選フラグと対応していることを条件として、入賞成立役に対応する枚数のメダル払出の設定を行う。1枚ベット時においては、各入賞成立役と対応付けられた特典(図71〜図73)としていずれも1枚のメダル払出の設定を行う。
入賞結果対応処理では、ステップS1301のゲーム数管理処理(図53)において、ステップS1401にてベット数が特定数としての1である場合には、各処理(ステップS1402〜ステップS1427)を行うことなく本管理処理を終了する。そのため、1枚ベット時には、前兆ゲーム数の減算処理や、チャレンジモード継続数の減算処理、アタックモード継続数の減算処理、VBモード継続数の減算処理、特化ゾーン継続数の減算処理が行われない。また、1枚ベット時には第3〜第5再遊技入賞や第7再遊技入賞は成立しないため、ステップS1302、ステップS1308、ステップS1314の各処理で否定判定して、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
リール制御処理(図32)において、入賞結果対応処理を行った後は、ステップS415にて入賞結果コマンドをセットする処理を行う。入賞結果コマンドには、ベット数に関わらず、今回の入賞結果の情報がセットされる。そのため、1枚ベット時においては、第1P小役〜第32P小役、特殊再遊技、第1リプ小役〜第8リプ小役、第1PBB、第2PBB、PCB、特殊移行出目、外れ小役のいずれかの入賞結果の情報が今回の入賞結果コマンドに含まれる。
通常処理(図29)において、メダル払出処理(ステップS213)では、1枚ベット時の各特典とされる1枚のメダル払出を行う。ステップS214のRT状態処理(図35)では、1枚ベット時においては、移行出目や第2〜第5再遊技入賞のいずれも成立しないため、各RT設定フラグの処理を行わない。つまり、1枚ベット時においてRT状態は移行しない。
ステップS215のボーナス状態処理(図40)では、ボーナス中の上限払出数の設定数が入賞するボーナスに応じて異なっている。具体的には、ステップS612にて判定する特殊BBとは、第1PBB又は第2PBBを示し、これらのボーナスは、1枚ベット時のみ当選するボーナスである。ステップS612にて今回入賞したボーナスが特殊BBであると判定した場合、ステップS614にて残払出数を24としてセットする。なお、第1BBや第2BBと第1PBBや第2PBBとで上限払出数を異ならせている理由については後に詳細に説明する。
ボーナス状態処理において、終了判定処理(図54)では、ステップS1501にてベット数に関わらず小役入賞の有無が判定され、残払出数から今回の払出数の減算処理(ステップS1502)が行われる。1枚ベット時のボーナス状態中は、第29P小役〜第31P小役入賞が成立し、それぞれ1枚のメダル払出が行われる。つまり、1枚ベット時においては、ボーナス状態中であってもメダルの増加は期待できず、メダルの減少も発生しない。そして、残払出数が0となることで(ステップS1504:YES)、ボーナス終了コマンドのセットが行われる(ステップS1505)。かかる処理は、3枚ベット時と同様である。
但し、1枚ベット時においては第1PBB、第2PBB入賞時及びボーナス状態中に各種モード当選フラグ、各種上乗せフラグはセットされないため、前兆コマンドや上乗せコマンドをセットすることなく、終了判定処理を終了する。
ここで、ベット数に関わらず、各状態において一の契機で当選して持ち越せるボーナスは1つのみであり、1つのボーナスが当選している状態では他のボーナスが当選することはないように設定されている。より具体的には、ベット数に関わらず、各状態においていずれかのBBに当選している場合には他のBBには当選しないように設定されている。そのため、3枚ベット時において、第1BBに当選している状況又は第1BB入賞に基づくボーナス状態では、第1BBはもちろん、第2BBの抽選は行われないし、第2BBに当選している状況又は第2BB入賞に基づくボーナス状態では、第2BBはもちろん、第1BBの抽選は行われない。また、1枚ベット時において、第1PBBに当選している状況又は第1PBB入賞に基づくボーナス状態では、第1PBBはもちろん、第2PBBの抽選は行われないし、第2PBBに当選している状況又は第2PBB入賞に基づくボーナス状態では、第2PBBはもちろん、第1PBBの抽選は行われない。
さらに、3枚ベット時において、第1BBや第2BBに当選している状況又は第1BB入賞や第2BB入賞に基づくボーナス状態では、1枚ベットにてゲームを行っても、第1PBBや第2PBBの抽選は行われない。逆に、1枚ベット時において、第1PBBや第2PBBに当選している状況又は第1PBB入賞や第2PBB入賞に基づくボーナス状態では、3枚ベットにてゲームを行っても、第1BBや第2BBの抽選は行われない。
したがって、本スロットマシン10では、各BBが重複して当選することはなく、ボーナス状態の重複も生じない。
以上のように、1枚ベット時の遊技においては、主制御装置101からは基本的には、1枚のベットが行われたことの情報を含むベットコマンド、1枚ベット時の抽選結果の情報を含む抽選結果コマンド、1枚ベット時の入賞結果の情報を含む入賞結果コマンド、が表示制御装置81へ出力される。表示制御装置81側では、これらの各コマンドに基づいて、通常遊技モードにおける遊技を擬似的に体験させるための報知用の処理を行う。
<1枚ベット時の表示制御装置81側の処理の説明>
特定モードにおいては、通常遊技モードにおける表示モードを擬似的に体験させる。具体的には、特定モードでは、通常遊技モードにおけるチャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンのそれぞれを、擬似的な表示用チャレンジモード、表示用アタックモード、表示用VBモード、表示用特化ゾーンとして体験させる。これら表示用の各モードは、1枚ベット時の抽選結果や入賞結果に基づいて移行させる。
具体的には、表示用チャレンジモードは、特殊特定役(特殊強チェリー、特殊弱チェリー、特殊スイカ、特殊チャンスA,B、特殊中段ベル、特殊強チェリー重複1,2、特殊弱チェリー重複1,2、特殊スイカ重複1,2、特殊チャンスA重複1,2、特殊チャンスB重複1,2、特殊中段ベル重複1,2)当選に基づいて行われる移行抽選に当選することで移行する。
また、表示用アタックモードも、上記特殊特定役当選に基づいて行われる移行抽選に当選することで移行可能となる。但し、表示用アタックモードは、当該移行抽選に当選している場合であって、且つ第3リプ小役入賞が成立した場合に移行する。
表示用VBモードは、表示用アタックモード中に、上記特殊特定役に当選した場合に行われる移行抽選に当選することで移行可能となる。但し、表示用VBモードは、当該移行抽選に当選している場合であって、且つ第4,第5リプ小役入賞が成立した場合に移行する。
また、表示用特化ゾーンは、表示用VBモード中に、特殊BARリプレイ当選し、且つ第7リプ小役入賞が成立すると移行する。
以下、主にこれら表示用の各モード移行を可能とする、ベット数が1枚である場合の表示制御装置81側の処理の流れを説明する。
表示制御装置81側の1枚ベット時の処理としては、大別して、ベット時演出設定処理(図57)における特定モード用ベット時演出設定処理、開始時演出設定処理(図58)における特定モード用開始時演出設定処理、停止時演出設定処理(図60)における特定モード用停止時演出設定処理がある。以下、それぞれ説明する。
<特定モード用ベット時演出設定処理>
先ず、特定モード用ベット時演出設定処理について、図80のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、本演出設定処理は、受信したベット時コマンドが、特定枚数(1)に対応するベットコマンドであった場合(ステップS1801:YES)に実施される処理である。
特定モード用ベット時演出設定処理は大別して、特定モード開始用の処理(ステップS2501〜ステップS2506)と、モード移行の報知用処理(ステップS2507〜ステップS2521)と、により構成されている。
すなわち、特定モード開始用の処理としては、先ず、ステップS2501にて、各種フラグ格納エリア183aに特定モードフラグがセットされているか否かを判定する。特定モードフラグは、第2演出スイッチ67の操作に基づいてセットされるフラグであり、CPU181は当該特定モードフラグがセットされている状態を特定モードとして特定する。セットされてない場合、ステップS2502にて、開始時コマンドを受信したか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作に基づいて主制御装置101から出力される抽選結果コマンド等である。
ステップS2502にて開始時コマンドを受信していると判定する場合とは、ベット時コマンドとして判定したベットコマンドが1枚ベットに対応するものであって、且つ特定モードに切り換えられることなくスタートレバー41の開始操作が行われた場合である。具体的には、例えば、通常遊技モードにて第1BB等に当選し、次ゲーム以降で、1枚ベットにて第1BB入賞を成立させようとする行為が該当する。この場合、ステップS2503にてその他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。ステップS2503では、例えば、各クレジット投入スイッチ56〜58の内蔵ランプをベット操作に基づいて消灯させる処理などを行う。
ステップS2502にて開始時コマンドを受信していないと判定した場合には、ステップS2504に進み、切換ボタンとしての第2演出スイッチ67の操作があったか否かを判定する。第2演出スイッチ67の操作がなされていなければ、ステップS2502に戻る。第2演出スイッチ67の操作がなされた場合、ステップS2505にて、ボーナス状態中、又はボーナス持越し状態中であるか否かを判定する。本実施形態では、これらボーナス状態やボーナス持越し状態中においては、通常遊技モードと特定モードとの切換を不可としており、ステップS2505にてこれらの状態中であると判定した場合には、ステップS2502に戻る。つまり、これらの状態において、ベット操作後の切換ボタンの操作は無効とされている。ステップS2505にてこれらの状態ではないと判定した場合には、ステップS2506にて、特定モードフラグをセットする。
ステップS2501にて特定モードフラグがセットされている場合、又はステップS2506にて特定モードフラグをセットした後は、ステップS2507以降のモード移行の報知用処理を行う。モード移行の報知用処理は、主制御装置101側のモード移行報知用処理(図49)に対応するものである。
すなわち、ステップS2507では、表示前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。表示前兆ゲーム数とは、特定モードにおける擬似的な前兆モードの継続ゲーム数を示す。表示前兆ゲーム数のカウントは、後述する特定モード用停止時演出設定処理にて行われ、1ゲーム消化する度に表示前兆ゲーム数が1ずつ減算される。
表示前兆ゲーム数が0である場合、ステップS2508にて各種フラグ格納エリア183aに表示用チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。表示用チャレンジモード当選フラグは、主制御装置101側のチャレンジモード当選フラグに対応するものであり、特定モード用開始時演出設定処理において特殊特定役当選時に行われる移行抽選を経てセットされるフラグである。表示用チャレンジモード当選フラグがセットされている場合、ステップS2509にて、表示用チャレンジモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS2510にて、各種フラグ格納エリア183aに表示用チャレンジモードフラグをセットする。表示用チャレンジモードフラグは、主制御装置101側のチャレンジモードフラグに対応するものである。ステップS2511では、表示用チャレンジモード開始演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。
この場合、表示制御装置81では、ROM182の通常遊技用演出データ記憶エリア182bからチャレンジモード開始演出用の画像データを取得するとともに、ROM182の識別情報用演出データ記憶エリア182cから識別表示用の画像データを取得する。そして、当該チャレンジモード開始演出用の画像データに対して識別表示用の画像データをつけ加えたうえで、表示用チャレンジモード開始演出用の画像データとして設定する。
表示用チャレンジモード開始演出は、図93(a)に示すように、チャレンジモード開始演出と概ね同様の演出である。相違点としては、表示用チャレンジモード開始演出では、補助表示部65の表示画像に、特定モードを表す「フリー」という識別表示用の画像データとしてのスタンプ65aが存在し、当該スタンプ65aがチャレンジモード開始演出の画像データに対して手前側に存在するように付け加えられている。つまり、表示用チャレンジモード開始演出は、通常遊技用演出データ記憶エリア182bから取得されるチャレンジモード開始演出用の画像データに対して、識別情報用演出データ記憶エリア182cから取得される識別表示用のスタンプ65aの画像データが付け加えられた演出となっている。
上記のように、表示用チャレンジモード開始演出と、チャレンジモード開始演出とでは、識別表示としてのスタンプ65aの有無という相違点が存在する。これにより、表示用チャレンジモード開始演出が表示された場合に、今回の遊技モードが特定モードであることを遊技者は明確に把握することができる。この場合、表示用チャレンジモード開始演出は、チャレンジモード開始演出用の演出データを利用して、演出データの作成が行われる。これにより、表示用チャレンジモード開始演出用の演出データを別途記憶しておく構成と比較して、記憶容量の削減を図ることができる。
なお、他の表示用の演出を行う際の演出データの作成についても、上記と同様であるため、その説明を省略する。
続くステップS2512では、表示用チャレンジモード継続数のカウントを開始する。具体的には、各種カウンタエリア183bに設けられた表示用チャレンジモード継続カウンタに表示用チャレンジモードの継続ゲーム数の初期値(例えば10)をセットする。表示用チャレンジモード継続カウンタは、主制御装置101側のチャレンジモード継続カウンタに対応するものであり、表示用チャレンジモードの継続ゲーム数の初期値は、チャレンジモードの継続ゲーム数の初期値と同じ値が設定されている。
ステップS2508にて表示用チャレンジモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2513にて表示用アタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタックモード当選フラグは、主制御装置101側のアタックモード当選フラグに対応するものであり、特定モード用開始時演出設定処理において特殊特定役当選時に行われる移行抽選を経てセットされるフラグである。表示用アタックモード当選フラグがセットされている場合、ステップS2514にて、表示用アタックモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS2515にて、各種フラグ格納エリア183aに表示用アタック用報知フラグをセットする。表示用アタック用報知フラグは、主制御装置101側のアタック用報知フラグに対応するものであり、表示用アタックモードの移行抽選に当選したことに伴って、第3リプ小役入賞を成立可能とするためのフラグである。その後、ステップS2516にて表示用アタックモード当選報知演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。
表示用アタックモード当選報知演出は、図92(a)に示すように、アタックモード当選報知演出と概ね同様の演出である。相違点としては、表示用アタックモード当選報知演出では、補助表示部65の表示画像に、スタンプ65aが存在し、当該スタンプ65aがアタックモード当選報知演出の画像データに対して手前側に存在するように付け加えられている。
ステップS2513にて表示用アタックモード当選フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2517にて表示用VBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。表示用VBモード当選フラグは、主制御装置101側のVBモード当選フラグに対応するものであり、特定モード用開始時演出設定処理において特殊特定役当選時に行われる移行抽選を経てセットされるフラグである。表示用VBモード当選フラグがセットされている場合、ステップS2518にて、表示用VBモード当選フラグをクリアする。そして、ステップS2519にて、各種フラグ格納エリア183aに表示用VB用報知フラグをセットする。表示用VB用報知フラグは、主制御装置101側のVB用報知フラグに対応するものであり、表示用VBモードの移行抽選に当選したことに伴って、第4,第5リプ小役入賞を成立可能とするためのフラグである。その後、ステップS2520にて表示用VBモード当選報知演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。
表示用VBモード当選報知演出は、図92(b)に示すように、VBモード当選報知演出と概ね同様の演出である。相違点としては、表示用VBモード当選報知演出では、補助表示部65の表示画像に、スタンプ65aが存在し、当該スタンプ65aがVBモード当選報知演出の画像データに対して手前側に存在するように付け加えられている。
ステップS2507にて表示用前兆モードが0ではない場合、ステップS2517にて表示用VBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS2512、ステップS2516及びステップS2520のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2521にて、その他のベット時演出を設定してから、本演出設定処理を終了する。
<特定モード用開始時演出設定処理>
次に、特定モード用開始時演出設定処理について、図81のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、本演出設定処理は、受信した開始時コマンドが、特定枚数(1)に対応する抽選結果コマンドであった場合(ステップS1901:YES)に実施される処理である。
ステップS2601では、上記特定モードフラグがセットされているか否かを判定する。特定モードフラグがセットされていない場合には、そのまま本演出設定処理を終了する。すなわち、第2演出スイッチ67の操作によって遊技モードが特定モードに切り換えられることなく開始された1枚ベット時のゲームでは、開始時演出が設定されない。
ステップS2601にて特定モードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS2602に進む。ステップS2602以降の処理は、以下のように構成されている。ステップS2602:特定モード用当選役対応処理、ステップS2603:特定モード用表示モード設定処理、ステップS2604:特定モード用ボーナス報知用処理、ステップS2605:特定モード用連続演出設定処理、ステップS2606:その他の開始時演出の設定処理。なお、特定モード用表示モード設定処理は、通常遊技モードにおける表示モード設定処理(ステップS1903)と同様の処理であり、表示用各種モード対応フラグに基づいて、現状の特定モードにおける表示モードを特定し、対応する演出が行われるように補助表示部65等の制御を行う。
以下、特定モード用当選役対応処理について説明し、特定モード用ボーナス報知用処理及び特定モード用連続演出設定処理については連続演出等に関するものであるため、特定モード用停止時演出設定処理を説明した後にそれぞれ説明する。
<特定モード用当選役対応処理>
特定モード用当選役対応処理は、主制御装置101側の抽選結果対応処理(図45)に相当するものである。
すなわち、図82に示すように、ステップS2701では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回の抽選結果が、特殊特定役であるか否かを判定する。特殊特定役である場合には、ステップS2702にて、現状の特定モードにおける表示モードが表示用チャレンジモード、表示用アタックモード、表示用VBモード、表示用特化ゾーンのいずれでもない、表示用通常モードであるか否かを判定する。ステップS2702にて肯定判定した場合、ステップS2703にて、表示用アタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS2703にて否定判定した場合には、ステップS2704にて、特定モード用第1特定役処理を実行する。
また、ステップS2702にて表示用通常モードではないと判定した場合、又はステップS2703にて表示用アタックモード当選フラグがセットされていると判定した場合は、ステップS2705にて現状の特定モードにおける表示モードが表示用アタックモードであるか否かを判定する。表示用アタックモードである場合には、ステップS2706にて表示用VBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。表示用VBモード当選フラグがセットされていない場合には、ステップS2707にて特定モード用第2特定役処理を実行する。
ステップS2705にて表示用アタックモードではないと判定した場合、又はステップS2706にて表示用VBモード当選フラグがセットされていると判定した場合は、ステップS2708にて特定モード用第3特定役処理を実行する。
ステップS2702、ステップS2707及びステップS2708のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2709にて、特定モード用特定役報知用処理を実行する。特定モード用特定役報知用処理は、通常遊技モードにおける特定役報知用処理に相当するものであり、連続演出に関するものであるため、後に説明する。
また、ステップS2701にて特殊特定役当選ではないと判定した場合は、ステップS2710にて、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回の抽選結果が、特殊押し順役(「特殊押し順ベル」、及び「特殊押し順リプレイ」)であるか否かを判定する。特殊押し順役である場合には、ステップS2711にて特定モード用押し順役処理を実行する。
ステップS2710にて否定判定した場合、又はステップS2709若しくはステップS2711の処理を実行した後は、ステップS2712にて表示用特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。表示用特化ゾーンフラグがセットされている場合には、ステップS2713にて特定モード用特化ゾーン用処理を行う。ステップS2712にて否定判定した場合、又はステップS2713の処理を実行した後は、本当選役対応処理を終了する。
<特定モード用第1特定役処理>
本処理は、主制御装置101側の第1特定役処理(図46)に対応するものである。
すなわち、図83に示すように、ステップS2801にて、表示用チャレンジモード中か否かの判定を行う。ステップS2801にて否定判定した場合には、ステップS2802にて、各種テーブル記憶エリア182aから表示用アタックモード抽選用の通常時用テーブルを取得する。一方、ステップS2801にて肯定判定した場合には、ステップS2803にて、各種テーブル記憶エリア182aから表示用アタックモード抽選用のチャレンジモード用テーブルを取得する。通常時用テーブルとチャレンジモード用テーブルとは、主制御装置101側の通常遊技モード用に設けられているテーブルと同様であり、強チェリーの移行当選率が特殊強チェリーの移行当選率に置き換えられ、弱チェリーの移行当選率が特殊弱チェリーの移行当選率に置き換えられ、、、、といったように、主制御装置101側のテーブルにおける各役に1枚ベット時に当選する役(このテーブルでは、各特定役に各特殊特定役)が置き換えられて設けられている。これは、他の特定モード用のテーブルでも同様である。
ステップS2802又はステップS2803にて表示用アタックモード移行抽選用のテーブルを取得した後は、ステップS2804にて表示用アタックモード抽選処理を実行する。かかる処理では、抽選用のカウンタを各種カウンタエリア183bから取得し、ステップS2802又はステップS2803にて取得した抽選用のテーブルに照らし合わせることで、表示用アタックモードへの移行抽選を行う。
ステップS2805では、ステップS2804の処理結果に基づいて、表示用アタックモードへの移行抽選に当選したか否かの判定を行う。表示用アタックモードへの移行抽選に当選した場合には、ステップS2806にて、表示用アタックモード当選フラグをセットする処理を行う。
続くステップS2807では、ボーナスに当選しているかを判定する。ステップS2807にて否定判定した場合、ステップS2808にて、表示用前兆ゲーム数の抽選処理を行う。ステップS2808では、1〜32のうちから1の表示用前兆ゲーム数を抽選によりランダムに決定する。ステップS2809では、ステップS2808の処理結果に基づいて、各種カウンタエリア183bの表示用前兆カウンタに表示用前兆ゲーム数を入力する処理を行う。表示用前兆カウンタは1ベットゲームが1ゲーム実施される度に1ずつ減算される。
ステップS2810では、表示用前兆フラグを各種フラグ格納エリア183aにセットする処理を実行する。ステップS2807にて肯定判定した場合、又はステップS2810の処理を実行した後は、本特定役処理を終了する。
ステップS2805にて表示用アタックモードへの移行抽選に当選していないと判定した場合、ステップS2811にて、表示用チャレンジモード抽選処理を実行する。表示用チャレンジモード抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用チャレンジモード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得する。表示用チャレンジモード抽選用のテーブルは、主制御装置101側のチャレンジモード抽選用のテーブルと同様であり、各特定役が各特殊特定役として置き換えられて設けられている。
ステップS2812では、ステップS2811の処理結果に基づいて、表示用チャレンジモードに当選したか否かの判定を行う。表示用チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS2813にて、表示用チャレンジモードであるか否かを判定する。表示用通常モードである場合、ステップS2814にて、各種フラグ格納エリア183aに表示用チャレンジモード当選フラグをセットする処理を実行する。
続くステップS2815では、ボーナスに当選しているか否かを判定し、当選していない場合には、ステップS2816にて表示用前兆ゲーム数の抽選処理を実行し、ステップS2817にて表示用前兆ゲーム数を前兆カウンタにセットする処理を実行し、ステップS2818にて表示用前兆フラグをセットする処理を実行してから、第1特定役処理を終了する。ステップS2815〜ステップS2818の処理は、ステップS2807〜ステップS2810に対応するものである。
ステップS2813にて表示用チャレンジモード中に再度表示用チャレンジモードに当選したと判定した場合には、ステップS2819〜ステップS2823にて、表示用チャレンジモードの継続ゲームの上乗せ用の処理を行う。すなわち、ステップS2819では、ボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合には、ステップS2820に進み、表示用チャレンジモードの上乗せゲーム数の抽選処理を実行する。上乗せゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用チャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得する。表示用チャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、主制御装置101側のチャレンジモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルと同様であり、各特定役が各特殊特定役として置き換えられて設けられている。
ステップS2821では、表示用チャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、表示用チャレンジモード継続カウンタに、ステップS2820により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。そして、ステップS2822にて、表示用上乗せ演出の設定を行う。表示用上乗せ演出としては、上記通常遊技モードにおける上乗せ演出と概ね同様の演出であり、補助表示部65の表示画像として、通常遊技モードの上乗せ演出における表示画像に対して上記スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられる。なお、ステップS2822では、表示用上乗せ演出の設定を行うにとどまり、表示用上乗せ演出の実行は、停止時演出設定処理において行われる。これは、他の上乗せ演出の設定処理についても同様である。
ステップS2822の処理を実行した後は、本特定役処理を終了する。また、ステップS2819にて否定判定した場合には、ステップS2823にて表示用チャレンジモード上乗せフラグをセットしてから、本特定役処理を終了する。
<特定モード用第2特定役処理>
本処理は、主制御装置101側の第2特定役処理(図47)に対応するものである。
すなわち、図84に示すように、ステップS2901では、表示用アタックモードのランクを把握する処理を行う。特定モードにおいても、表示用アタックモードは、第1表示用アタックモード〜第4表示用アタックモードの4つのランクが設けられており、各ランクで表示用VBモードへの移行確率が異なっている。ステップS2901は、現状の表示用アタックモードのランクが第1表示用アタックモード〜第4表示用アタックモードのいずれであるかを判定する。
ステップS2902では、ステップS2901で把握した表示用アタックモードのランクに応じた表示用VBモード抽選テーブルを、各種テーブル記憶エリア182aから取得する。表示用VBモード抽選テーブルは、主制御装置101側のVBモード抽選テーブルと同様であり、各特定役が各特殊特定役として置き換えられて設けられている。
ステップS2903では、ステップS2902にて取得したテーブルと、各種カウンタエリア183bから取得した抽選用のカウンタとを用いて、表示用VBモードの移行抽選を行う。そして、ステップS2904にて、ステップS2903の抽選結果が、表示用VBモード当選に対応するものであったか否かの判定を行う。
ステップS2904にて肯定判定した場合、ステップS2905にて各種フラグ格納エリア183aに表示用VBモード当選フラグをセットする処理を行う。その後、ステップS2906〜ステップS2909にて、ステップS2807〜ステップS2810と同様に、表示用前兆ゲーム数の設定用の処理を行う。
ステップS2904にて、表示用VBモード抽選処理の結果が表示用VBモード当選ではないと判定した場合、ステップS2910に進む。ステップS2910では、表示用アタックモード昇格抽選処理を行う。かかる処理では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用昇格抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得する。表示用昇格抽選用のテーブルは、主制御装置101側の昇格抽選用のテーブルと同様であり、各特定役が各特殊特定役として置き換えられて設けられている。
ステップS2911では、ステップS2910の抽選結果が、昇格当選であったか否かを判定する。昇格当選であった場合には、ステップS2912にて、表示用ランクフラグを昇格先のランクに対応させてセットする表示用アタックモードの昇格処理を行う。その後、ステップS2913にて、表示用昇格演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。表示用昇格演出では、通常遊技モードの昇格演出における表示画像に対して上記スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられる。
ステップS2911にて表示用昇格抽選に当選していないと判定した場合、又はステップS2913の処理を実行した後は、ステップS2914〜ステップS2920にてアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ用の処理を行う。
すなわち、ステップS2914では、表示用アタックモードのゲーム数の上乗せ抽選処理を行う。かかる上乗せ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用アタックモード上乗せ抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得する。表示用アタックモード上乗せ抽選用のテーブルは、主制御装置101側のアタックモード上乗せ抽選用のテーブルと同様であり、各特定役が各特殊特定役として置き換えられて設けられている。
そして、ステップS2915にて、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していないと判定した場合は、そのまま本特定役処理を終了する。
上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS2916にて、ボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合には、ステップS2917に進み、表示用アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。かかる上乗せゲーム数の抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用アタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得する。表示用アタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルは、主制御装置101側のアタックモード上乗せゲーム数抽選用のテーブルと同様であり、各特定役が各特殊特定役として置き換えられて設けられている。
ステップS2918では、表示用アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。かかる処理では、表示用アタックモード継続カウンタに、ステップS2917により抽選された上乗せゲーム数に対応する値を加算する処理を行う。そして、ステップS2919にて、表示用上乗せ演出の設定を行う。ステップS2919の処理を実行した後は、本特定役処理を終了する。また、ステップS2916にて否定判定した場合には、ステップS2920にて表示用アタックモード上乗せフラグをセットしてから、本特定役処理を終了する。
<特定モード用第3特定役処理>
本処理は、主制御装置101側の第3特定役処理(図48)に対応するものである。
すなわち、図85に示すように、ステップS3001では、表示用アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。かかる処理は、ステップS2914の処理と同様である。
ステップS3002では、ステップS3001の抽選結果が、上乗せ当選結果であったか否かを判定する。上乗せ抽選に当選していると判定した場合、ステップS3003にて、ボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合には、ステップS3004に進み、表示用アタックモードの上乗せゲーム数の抽選処理を行う。そして、ステップS3005にて表示用アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS3006にて表示用上乗せ演出を設定してから、本特定役処理を終了する。ステップS3003〜ステップS3006の処理は、ステップS2916〜ステップS2919の処理と同様である。
ステップS3002にて否定判定した場合には、そのまま本特定役処理を終了する。また、ステップS3003にてボーナスに当選していると判定した場合には、ステップS3007にて表示用アタックモード上乗せフラグをセットしてから、本特定役処理を終了する。
<特定モード用押し順役処理>
本処理は、主制御装置101側の押し順役処理(図51)に対応するものである。
すなわち、図86に示すように、ステップS3101では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回の抽選結果が特殊第1昇格リプレイ1〜4のいずれかであるか否かを判定する。ステップS3101にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1リプ小役、第3リプ小役及び外れ小役のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS3102に進み、表示用アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。
表示用アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS3103にて、表示用アタックモードフラグがセットされているか否か、すなわち表示用アタックモード、表示用VBモード、表示用上乗せ特化ゾーンの何れかであるか否かを判定する。表示用アタックモードフラグがセットされている場合には、ステップS3104にて、第3リプ小役の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1リプ小役、第3リプ小役及び外れ小役のうち、第3リプ小役入賞に対応する操作順序を報知演出が行われるように、補助表示部65等を制御する(図77(b))。操作順序の報知演出においても、通常遊技モードの操作順序の報知演出の表示画像に対して上記スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられる。
ステップS3103にて表示用アタックモード中であると判定した場合には、ステップS3105に進み、第1リプ小役、第3リプ小役及び外れ小役のうち、第1リプ小役入賞に対応する操作順序の報知演出が行われるように、補助表示部65等を制御する(図77(b))。その後、本押し順役処理を終了する。
ステップS3102にて表示用アタック用報知フラグがセットされていない場合、操作順序の報知を行わずに、そのまま本押し順役処理を終了する。この場合、例えば、左リール32Lから停止操作が行われると、外れ小役入賞が成立する。
ステップS3101にて特殊第1昇格リプレイ1〜4ではないと判定した場合、ステップS3104にて、今回の抽選結果が特殊転落リプレイ1〜3のいずれかであるか否かを判定する。ステップS3103にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1リプ小役、第2リプ小役及び外れ小役のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS3105にて、表示用アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS3106にて、第1リプ小役の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1リプ小役、第2リプ小役及び外れ小役のうち、第1リプ小役に対応する操作順序の報知演出が行われるように、補助表示部65等を制御する(図77(b))。その後、本押し順役処理を終了する。
ステップS3105にて表示用アタック用報知フラグがセットされていない場合、操作順序の報知を行わずに、そのまま本押し順役処理を終了する。この場合、例えば、左リール32Lから停止操作が行われると、第1リプ小役入賞、第2リプ小役入賞及び外れ小役入賞のいずれかが成立する。
ステップS3104にて特殊転落リプレイ1〜3ではないと判定した場合、ステップS3107にて、今回の抽選結果が特殊第2昇格リプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS3107にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によって、第1リプ小役、第4リプ小役、第5リプ小役及び外れ小役のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS3108にて、表示用アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタック用報知フラグがセットされている場合には、ステップS3109にて、表示用VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。
表示用VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS3110にて第4リプ小役又は第5リプ小役の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1リプ小役、第4リプ小役、第5リプ小役及び外れ小役のうち、第4リプ小役又は第5リプ小役入賞に対応する操作順序の報知演出が行われるように、補助表示部65等を制御する(図77(c))。その後、本押し順役処理を終了する。
ステップS3109にて否定判定した場合とは、表示用アタックモードであって、且つ表示用VBモードに当選していないことを意味する。この場合、ステップS3106にて第1リプ小役の押し順報知用の処理を実行してから、本押し順役処理を終了する。また、ステップS3108にて否定判定する場合、操作順序の報知を行わずに、そのまま本押し順役処理を終了する。この場合、例えば、左リール32Lから停止操作が行われると、外れ小役入賞が成立する。
ステップS3107にて特殊第2昇格リプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS3111にて、今回の抽選結果が特殊BARリプレイ1,2のいずれかであるか否かを判定する。ステップS3111にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1リプ小役、第6〜第8リプ小役及び外れ小役のいずれかが入賞する場合である。この場合、ステップS3112にて、表示用アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS3113にて表示用VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタック用報知フラグがセットされており、且つ表示用VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS3114にて、第6リプ小役〜第8リプ小役の押し順報知用の処理を実行する。具体的には、第1リプ小役、第6〜第8リプ小役及び外れ小役のうち、第6リプ小役入賞〜第8リプ小役入賞に対応する操作順序を報知する(図77(d))。その後、本押し順役処理を終了する。
ステップS3113にて否定判定した場合には、ステップS3106にて第1リプ小役の押し順報知用の処理を実行してから、本押し順役処理を終了する。一方、ステップS3113にて否定判定した場合には、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま押し順役処理を終了する。この場合、例えば、左リール32Lから停止操作が行われると、外れ小役入賞が成立する。
ステップS3113にて特殊BARリプレイ1,2ではないと判定した場合、ステップS3115にて、今回の抽選結果が特殊押し順ベル当選であるか否かを判定する。特殊押し順ベル当選である場合、ステップS3116にて、表示用アタックモードフラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタックモードフラグがセットされており、現状、表示用アタックモード、表示用VBモード及び表示用上乗せ特化ゾーンの何れかである場合には、ステップS3117にて第1P小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図78)。その後、本押し順役処理を終了する。
ステップS3116にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。
ステップS3115にて特殊押し順ベル当選ではないと判定した場合、ステップS3118にて、今回の抽選結果が外れ目1枚役であるか否かを判定する。ステップS3118にて肯定判定する場合とは、今回のゲームの操作順序によっては、第1リプ小役又は外れ小役が入賞する場合である。この場合、ステップS3119にて、表示用アタックモードフラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタックモードフラグがセットされている場合には、ステップS3120にて第1リプ小役入賞に対応する操作順序を報知するための押し順報知用の処理を実行する(図78)。その後、本押し順役処理を終了する。
ステップS3119にて否定判定した場合は、押し順報知用の処理を行うことなく、そのまま本押し順役処理を終了する。この場合、例えば、左リール32Lから停止操作が行われると、外れ小役入賞が成立する。
<特定モード用特化ゾーン用処理>
本処理は、主制御装置101側の特化ゾーン処理(図55)に相当するものである。
すなわち、図87に示すように、ステップS3201にて今回の抽選処理の結果を把握する。続くステップS3202では、表示用アタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行う。続くステップS3203では、表示用アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行う。そして、ステップS3204にて、表示用上乗せ演出の設定を行ってから、特定モード用特化ゾーン用処理を終了する。ステップS3202〜ステップS3204の処理は、ステップS2917〜ステップS2919の処理と同様である。但し、ステップS3202の上乗せゲーム数抽選処理の方が、ステップS2917の上乗せゲーム数抽選処理よりも、選択されるゲーム数が多くなっている。
<特定モード用停止時演出設定処理>
次に、特定モード用停止時演出設定処理について、図88のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、本演出設定処理は、受信した停止時コマンドが、特定枚数(1)に対応する入賞結果コマンドであった場合(ステップS2101:YES)に実施される処理である。
特定モード用停止時演出設定処理は、ステップS3301の特定モード用ゲーム数管理処理と、ステップS3302の特定モード用入賞結果対応処理と、ステップS3303に特定モード用ボーナス終了処理とによって構成されている。以下、それぞれ説明する。
<特定モード用ゲーム数管理処理>
本処理は、主制御装置101側のゲーム数管理処理(図53)に相当するものである。
すなわち、図89に示すように、ステップS3401にて、ボーナスに当選している状態又はボーナス状態であるか否かを判定する。ステップS3401にて肯定判定した場合、ステップS3402にて、表示用チャレンジモードフラグ、表示用アタックモードフラグ、表示用VBモードフラグ、表示用特化ゾーンフラグ等をクリアしてから、本ゲーム数管理処理を終了する。
ステップS3401にて否定判定した場合、ステップS3403にて、表示用前兆ゲーム数が0であるか否かを判定する。0ではない場合には、ステップS3404にて、表示用前兆ゲーム数を1減算する処理を行う。ステップS3403にて表示用前兆ゲーム数が0である場合(表示用前兆モードではない場合)、又はステップS3404の処理を実行した後は、ステップS3405〜ステップS3427にて、各モードの継続ゲーム数のカウント処理を行う。
すなわち、ステップS3405では、表示用チャレンジモードであるか否かを判定する。表示用チャレンジモードである場合には、ステップS3406に進み、表示用チャレンジモード継続カウンタを1減算する処理を行う。そして、ステップS3407にて、表示用チャレンジモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま本管理処理を終了する。0である場合には、ステップS3408にて表示用チャレンジモードフラグをクリアし、ステップS3409にて表示用チャレンジモード終了演出を行うよう、補助表示部65等を制御する。
表示用チャレンジモード終了演出は、図93(b)に示すように、チャレンジモード終了演出と概ね同様の演出である。表示用チャレンジモード終了演出では、補助表示部65におけるチャレンジモード終了演出の表示画像の画像データに対して、スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられている。
ステップS3405にて表示用チャレンジモードではないと判定した場合、ステップS3410にて、表示用アタックモードであるか否かを判定する。表示用アタックモードである場合には、ステップS3411に進み、表示用アタックモード継続カウンタを1減算する処理を行う。そして、ステップS3412にて、表示用アタックモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま本管理処理を終了する。0である場合には、ステップS3413にて表示用アタックモードフラグをクリアし、ステップS3414にて表示用アタック用報知フラグをクリアする。その後、ステップS3415にてアタックモード終了演出を行うよう、補助表示部65等を制御する。
表示用アタックモード終了演出は、図94(b)に示すように、アタックモード終了演出と概ね同様の演出である。表示用アタックモード終了演出では、補助表示部65におけるアタックモード終了演出の表示画像の画像データに対して、スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられている。なお、表示用アタックモード中のゲーム数や獲得枚数の表示については後に説明する。
ステップS3410にて表示用アタックモードではないと判定した場合、ステップS3416に進み、表示用VBモードであるか否かを判定する。表示用VBモードである場合には、ステップS3417にて、表示用上乗せ特化ゾーンであるか否かを判定する。表示用上乗せ特化ゾーンではない場合には、ステップS3418にて表示用VBモード継続カウンタを1減算する処理を行う。そして、ステップS3419にて、表示用VBモード継続カウンタが0であるか否かを判定する。0ではない場合には、そのまま本管理処理を終了する。0である場合には、ステップS3420にて表示用VBモードフラグをクリアし、ステップS3421にて表示用VB用報知フラグをクリアする。その後、ステップS3422にて表示用VBモード終了演出を行うよう、補助表示部65等を制御する。
表示用VBモード終了演出は、図95(b)に示すように、VBモード終了演出と概ね同様の演出である。表示用VBモード終了演出では、補助表示部65におけるVBモード終了演出の表示画像の画像データに対して、スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられている。なお、表示用VBモード中のゲーム数や獲得枚数の表示については後に説明する。
ステップS3417にて、表示用上乗せ特化ゾーンであると判定した場合には、ステップS3423に進み、表示用特化ゾーン継続カウンタを1減算する処理を行う。そして、ステップS3424にて、表示用特化ゾーン継続カウンタが0であるか否かを判定する。0である場合には、ステップS3425にて特化ゾーンフラグをクリアし、ステップS3426にて表示用特化ゾーン終了演出を行うよう、補助表示部65等を制御する。表示用特化ゾーン終了演出は、特化ゾーン終了演出と概ね同様の演出であり、他の表示用の演出と同様に、特化ゾーン終了演出の画像データに対して、スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられている。
ステップS3407、ステップS3412、ステップS3419、ステップS3416若しくはステップS3424にて否定判定した場合、又はステップS3409、ステップS3415、ステップS3422若しくはステップS3426の処理を実行した後は、ステップS3427に進む。ステップS3427では、上乗せ報知用処理を実行する。かかる処理では、設定済みの表示用上乗せ演出(ステップS2822、ステップS2919、ステップS3006等)を実行するように、補助表示部65等を制御する。表示用上乗せ演出については、上述したとおりである。ステップS3427の処理を実行した後は、本管理処理を終了する。
<特定モード用入賞結果対応処理>
本処理は、主制御装置101側の入賞結果対応処理(図52)に相当するものである。
すなわち、図90に示すように、ステップS3501にて、今回の停止結果が、第3リプ小役入賞が成立しているか否かを判定する。第3リプ小役入賞が成立している場合、ステップS3502にて、表示用アタック用報知フラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタック用報知フラグがセットされている場合、ステップS3503にて、表示用アタックモードフラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタックモードフラグがセットされている場合には、既に表示用アタックモードであるため、そのまま、本対応処理を終了する。一方、表示用アタックモードフラグがセットされていない場合には、ステップS3504にて、表示用アタックモードフラグをセットする。続くステップS3505では、表示用アタックモード開始演出を行うように、補助表示部65等を制御する。
表示用アタックモード開始演出は、図94(a)に示すように、アタックモード開始演出と概ね同様の演出である。表示用アタックモード開始演出では、補助表示部65におけるアタックモード開始演出の表示画像の画像データに対して、スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられている。
その後、ステップS3506にて、表示用アタックモード継続数のカウントを開始する。具体的には、表示用アタックモード継続カウンタに表示用アタックモードの継続ゲーム数の初期値(例えば50)をセットする。表示用アタックモード継続カウンタは、主制御装置101側のアタックモード継続カウンタに対応するものであり、表示用アタックモードの継続ゲーム数の初期値は、アタックモードの継続ゲーム数の初期値と同じ値が設定されている。ステップS3506の処理を行った後は、本対応処理を終了する。
ステップS3501にて、第3リプ小役入賞が成立していないと判定した場合、ステップS3507に進む。ステップS3507では、今回の停止結果として、第4,第5リプ小役入賞が成立しているか否かを判定する。第4,第5リプ小役入賞が成立している場合、ステップS3508にて、表示用VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。表示用VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS3509にて、表示用VBモードフラグがセットされているか否かを判定する。表示用VBモードフラグがセットされている場合は、既に表示用VBモードであるため、そのまま本対応処理を終了する。一方、表示用VBモードフラグがセットされていない場合には、ステップS3510にて、表示用VBモードフラグをセットする処理を行う。その後、ステップS3511にて、表示用VBモード開始演出を行うように、補助表示部65等を制御する。
表示用VBモード開始演出は、図95(a)に示すように、VBモード開始演出と概ね同様の演出である。表示用VBモード開始演出では、補助表示部65におけるVBモード開始演出の表示画像の画像データに対して、スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられている。
その後、ステップS3512にて、表示用VBモード継続数のカウントを開始する。具体的には、表示用VBモード継続カウンタに表示用VBモードの継続ゲーム数の初期値(例えば60)をセットする。表示用VBモード継続カウンタは、主制御装置101側のVBモード継続カウンタに対応するものであり、表示用VBモードの継続ゲーム数の初期値は、VBモードの継続ゲーム数の初期値と同じ値が設定されている。ステップS3512の処理を行った後は、本対応処理を終了する。
ステップS3507にて、第4,第5リプ小役入賞が成立していないと判定した場合、ステップS3513にて、今回の停止結果として、第7リプ小役入賞が成立しているか否かを判定する。第7リプ小役入賞が成立している場合、ステップS3514にて、表示用VB用報知フラグがセットされているか否かを判定する。表示用VB用報知フラグがセットされている場合、ステップS3515にて、表示用特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。その後、ステップS3516にて、表示用特化ゾーン開始演出を行うように、補助表示部65等を制御する。
表示用特化ゾーン開始演出は、図96に示すように、特化ゾーン開始演出と概ね同様の演出である。表示用特化ゾーン開始演出では、補助表示部65における特化ゾーン開始演出の表示画像の画像データに対して、スタンプ65aが手前側に存在するように付け加えられている。を行うように、補助表示部65等を制御する。
その後、ステップS3517にて表示用特化ゾーン継続数のカウントを開始する。具体的には、表示用特化ゾーン継続カウンタに特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値(例えば5)をセットする。表示用特化ゾーン継続カウンタは、主制御装置101側の特化ゾーン継続カウンタに対応するものであり、表示用特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値は、特化ゾーンの継続ゲーム数の初期値と同じ値が設定されている。ステップS3517の処理を実行した後は、本対応処理を終了する。また、ステップS3513又はステップS3514にて否定判定した場合は、そのまま本対応処理を終了する。
<特定モード用ボーナス終了処理>
本処理は、主制御装置101側の終了判定処理(図54)に相当するものである。
すなわち、図91に示すように、ステップS3601にて、ボーナス終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ボーナス終了コマンドは、主制御装置101側の終了判定処理におけるステップS1505にてセットされるコマンドである。ボーナス終了コマンドを受信していない場合には、そのまま本終了処理を終了する。
ボーナス終了コマンドを受信している場合、ステップS3602にて、表示用アタックモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。表示用アタックモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS3603にて表示用前兆ゲーム数の抽選処理を行い、ステップS3604にて表示用前兆ゲーム数のセットを行い、ステップS3605にて表示用前兆フラグのセットを行う。これらステップS3603〜ステップS3605の処理は、ステップS2808〜ステップS2810の処理と同様である。ステップS3605の処理を実行した後は、本終了処理を終了する。
ステップS3602にて表示用アタックモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS3606にて、表示用チャレンジモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。表示用チャレンジモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS3603〜ステップS3605の表示用前兆モード用の処理を行ってから、本終了処理を終了する。ステップS3606にて表示用チャレンジモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS3607にて表示用VBモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。表示用VBモード当選フラグがセットされている場合には、ステップS3603〜ステップS3605の表示用前兆モード用の処理を行ってから、本終了処理を終了する。
ステップS3607にて表示用VBモード当選フラグがセットされていない場合、ステップS3608に進む。ステップS3608では、表示用アタックモード上乗せフラグがセットされているか否かの判定を行う。表示用アタックモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS3609にて表示用アタックモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS3610にて表示用アタックモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS3611にて表示用上乗せ演出の設定を行う。これらステップS3609〜ステップS3611の処理は、ステップS2917〜ステップS2919の処理と同様である。但し、ステップS3611で設定する表示用上乗せ演出は、当該タイミングにて実行されるものである。ステップS3611の処理を実行した後は、本終了処理を終了する。
ステップS3608にて表示用アタックモード上乗せフラグがセットされていない場合、ステップS3612にて、表示用チャレンジモード上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。表示用チャレンジモード上乗せフラグがセットされている場合、ステップS3613にて表示用チャレンジモードの上乗せゲーム数抽選処理を行い、ステップS3614にて表示用チャレンジモードのゲーム数上乗せ処理を行い、ステップS3615にて表示用上乗せ演出の設定を行う。これらステップS3613〜ステップS3615の処理は、ステップS2820〜ステップS2822の処理と同様である。但し、ステップS3615で設定する表示用上乗せ演出は、当該タイミングにて実行されるものである。ステップS3612にて否定判定した場合、又はステップS3615の処理を実行した後は、本終了処理を終了する。
<各遊技モードの遊技の流れ>
以上のように、本実施形態では、3ベットモード若しくは2ベットモードにて実施される通常遊技モードを、1ベットモードにて擬似的に体験可能となっている。そこで、図97〜図100を参照しながら、各遊技モードの流れと相違点を説明する。図97及び図98は通常遊技モードの遊技の流れを示し、図99及び図100は特定モードの遊技の流れを示している。
通常遊技モードにおいて、遊技状態が通常遊技状態や第1RT状態である場合、表示モードは基本的には通常モードとなっている。この状況であるta1のタイミングで、特定役に当選(入賞)した場合、チャレンジモードやアタックモードへの表示モードの移行抽選が行われる。例えば、アタックモードへの移行抽選に当選した場合、前兆モードを経て、ta2のタイミングで、補助表示部65等によりアタックモード当選報知演出が行われる。アタックモード当選報知演出が行われた後は、補助表示部65等により押し順報知が実行されるようになり、押し順役に当選した場合には、遊技状態を移行させるための押し順報知が行われる。
ta3のタイミングで第1昇格リプレイ1〜4に当選した場合、上記のように押し順報知が実行されるようになっているため、第3再遊技入賞が成立するように押し順報知が行われる。その結果、第3再遊技入賞が成立して、補助表示部65等によりアタックモード開始演出が行われる。
ちなみに、アタックモード当選報知演出が行われた後、アタックモード開始演出が行われるまでの間の状態は、アタックモードの準備中の状態であり、押し順役の報知が行われ、且つ遊技状態が通常遊技状態又は第1RT状態である場合である。この場合、1ゲーム行う毎にメダルが約0.61枚減少することを期待できる。一方、第2再遊技入賞が成立して、アタックモードの準備中の状態から、アタックモードへ移行すると、押し順役の報知が行われ、且つ遊技状態が第2RT状態へ移行する。この場合、1ゲーム毎にメダルが約1.90枚増加することを期待でき、準備中の状態よりも多くのメダルを獲得可能となる。そのため、アタックモード当選報知演出が行われた後は、より早期にアタックモードへ移行させた方が遊技者にとっては有利となる。一方、なかなか第1昇格リプレイ1〜4に当選したかった場合等は、せっかくアタックモードへの移行が確定しているのにも関わらず、徐々にメダルが減少してしまう可能性がある。そこで、アタックモードの当選報知が行われた後(より具体的には、アタックモードに当選している状態後)は、特定役当選によってアタックモードの継続ゲーム数の上乗せが発生し得る構成としている。そのため、仮にアタックモードへの移行がなかなか行われなかった場合であっても、その間のゲームを存分に楽しませることが可能となる。
ta3のタイミングでアタックモードが開始されると、遊技状態は第2RT状態となり、押し順リプレイの当選確率が第1RT状態や通常遊技状態よりも高くなる。例えば、ta4のタイミングで転落リプレイ1〜3に当選した場合、アタックモード中は第1再遊技入賞が成立する押し順報知が行われる。そのため、アタックモード中は第2再遊技入賞によってRT状態が転落してしまう事象の発生が回避されている。また、アタックモード中に押し順ベルに当選した場合にも、ベル入賞が成立する押し順報知が行われる。そのため、押し順ベル取りこぼしによって移行出目が停止してRT状態が転落してしまう事象の発生も回避されている。
アタックモード中であるta5のタイミングで特定役に当選(入賞)した場合、VBモードへの表示モードの移行抽選やアタックモードの継続ゲーム数の上乗せ抽選が行われる。例えば、VBモードへの移行抽選に当選した場合、前兆モードを経て、ta6のタイミングで、補助表示部65等によりVBモード当選報知演出が行われる。VBモード当選報知演出が行われた後は、補助表示部65等によりVBモード用の押し順報知が実行されるようになり、第2昇格リプレイ1,2に当選した場合には、第4,第5再遊技入賞を成立させることが可能な押し順報知が行われるようになる。
ta7のタイミングで第2昇格リプレイ1,2に当選した場合、上記のように押し順報知が実行されるようになっているため、第4,第5再遊技入賞が成立するように押し順報知が行われる。例えば、第4再遊技入賞が成立すると、補助表示部65等によりVBモード開始演出が行われる。
ちなみに、VBモード当選報知演出が行われた後、VBモード開始演出が行われるまでの間の状態は、VBモードの準備中の状態であり、押し順役の報知が行われ、且つ遊技状態が第2RT状態である場合である。この場合、1ゲーム行う毎にメダルが約1.90枚増加することを期待できる。しかも、VBモード当選報知演出が行われた後、VBモード開始演出が行われるまでのゲームでは、アタックモードの継続ゲーム数の減算がストップする。そのため、例えば、第4,第5再遊技入賞が成立可能となる押し順報知が行われているのにも関わらず、その押し順報知に従わずに、第1再遊技入賞を成立させると、VBモードを開始させないようにしてアタックモードの継続ゲーム数を減らさずに遊技が行われる可能性がある。そこで、例えば、VBモード当選報知演出が行われた後、VBモード開始演出が行われるまでは、押し順報知に従わないストップスイッチ42〜44の操作が行われた場合、所定の罰則を付す構成としてもよい。所定の罰則とは、アタックモードの継続ゲーム数を減算したり、アタックモードのランクを降格させたり、アタックモードを終了させたりする構成が考えられる。また、VBモードを第2RT状態にて行う構成として、アタックモードとVBモードとで遊技状態の移行が発生しない構成としてもよい。この場合、第4,第5再遊技入賞を経ずにVBモードを開始させることが可能となり、VBモード当選報知演出の実行ゲームとVBモード開始演出の実行ゲームとの差をなくすことができる。
VBモード中においては、第3RT状態となるため、BARリプレイ1,2に当選する可能性がある。BARリプレイ1,2に当選した場合であって、且つ、BAR揃い抽選に当選した場合には、第7再遊技入賞(中段BAR揃い)を成立させることが可能となり、第7再遊技入賞により特化ゾーンへ移行する。特化ゾーンは、特化ゾーンの継続ゲーム数が0となるまで継続し、0となることでVBモードに復帰する。
ta8のタイミングで、VBモードの継続ゲーム数が0となると、補助表示部65等によりVBモード終了演出が行われる。VBモードが終了すると、表示モードはアタックモードに移行する。RT状態は未だ第3RT状態であるものの、BARリプレイ1,2に当選した場合に、第6〜第8再遊技入賞成立となる押し順報知が行われないため、第3再遊技入賞が成立する可能性が生じる。ta9のタイミングで第3再遊技入賞が成立すると、遊技状態は第2RT状態に移行する。
ta10のタイミングで、アタックモードの継続ゲーム数が0となると、補助表示部65等によりアタックモード終了演出が行われる。アタックモードが終了すると、表示モードはアタックモードから通常モードに移行する。RT状態は未だ第2RT状態であるものの、転落リプレイ1〜3に当選した場合であって第2再遊技入賞が成立した場合、又は押し順ベルに当選した場合であってベル取りこぼしが発生した場合(移行出目が停止した場合)には、遊技状態は第1RT状態に移行する。
これに対して、特定モードにおいては、遊技状態の移行は行われない。以下では、例えば、遊技状態が通常遊技モードにおける通常遊技状態である状況で特定モードが実施された場合について説明する。
表示用通常モードであるtb1のタイミングで、特殊特定役に当選(入賞)した場合、表示用チャレンジモードや表示用アタックモードへの移行抽選が行われる。この場合、特殊特定役の停止出目が、特定役の停止出目と同じ出目となっているため、遊技者は、通常遊技モードで特定役当選した場合におけるチャレンジモードやアタックモードへの移行抽選を、特定モードにおいて擬似的に体験することができる。
例えば、tb1のタイミングで当選した特殊特定役で、表示用アタックモードへの移行抽選に当選した場合、表示用前兆モードに移行する。tb2のタイミングで表示用アタックモード確定報知演出が行われると、補助表示部65等により押し順報知が実行されるようになる。
tb3のタイミングで特殊第1昇格リプレイ1〜4に当選した場合、上記のように押し順報知が実行されるようになっているため、第3リプ小役入賞が成立させることが可能となる押し順報知が行われる。その結果、第3リプ小役が入賞して、補助表示部65等により表示用アタックモード開始演出が行われて、表示用アタックモードが開始される。
この場合、表示用アタックモードの開始契機となる第3リプ小役入賞の停止出目が、通常遊技モードにおけるアタックモードの開始契機となる第3再遊技入賞の停止出目と同じ出目となっている。そのため、遊技者は、第3再遊技入賞によりアタックモードが開始されることを、第3リプ小役を入賞させることによって擬似的に体験することが可能となる。また、アタックモード開始演出と、表示用アタックモード開始演出とは、補助表示部65による表示内容が、見た目上ほぼ同じ内容となっている。そのため、当該開始演出が行われることによっても、アタックモードが開始されることを擬似的に体験することができる。
一方で、アタックモード開始演出と、表示用アタックモード開始演出とでは、スタンプ65aの有無という相違点が存在する。そのため、例えば、遊技ホールの管理者が、いずれの遊技モードで遊技を行っているかを容易に確認することができるし、また例えば、このような擬似的な体験を写真等に収めようとした場合、どうしてもスタンプ65aが写りこむことになり、擬似的な体験ではなく、実際の通常遊技モードでの体験を望むきっかけともなり得る。当該スタンプ65aを表示させたことの効果は、他の表示用演出についても同様である。
ちなみに、表示用アタックモード当選報知演出が行われた後、表示用アタックモード開始演出が行われるまでの状態は、表示用アタックモード準備中の状態であり、特殊押し順役の報知が行われる。但し、特殊転落リプレイ1〜3、特殊第2昇格リプレイ1,2又は特殊BARリプレイ1,2に当選した場合においては、表示用アタックモードではないことを条件に押し順報知が行われないため、外れ小役が成立し得る。つまり、特殊第1昇格リプレイ1〜4当選時及び特殊押し順ベル当選時に押し順報知が行われる。一方、tb3のタイミングで表示用アタックモードが開始されると、例えばtb4のタイミングで、特殊転落再遊技1〜3に当選した場合には、第1リプ小役入賞を成立させることが可能な押し順報知が行われ、特殊第2昇格リプレイ1,2に当選した場合にも、第1リプ小役入賞を成立させることが可能な押し順報知が行われる。そればかりか、表示用アタックモードが開始されると、外れ目1枚役当選時にも、第1リプ小役入賞を成立させることが可能な押し順報知が行われる。そのため、第3リプ小役入賞が成立して表示用アタックモードが開始されることによって、あたかもリプレイの当選確率が向上していることを、擬似的に体験することが可能となる。
tb5のタイミングで、特殊特定役に当選(入賞)した場合、表示用VBモードへの移行抽選や表示用アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ抽選が行われる。例えば、表示用VBモードへの移行抽選に当選した場合、前兆モードを経て、tb6のタイミングで、補助表示部65等により表示用VBモード当選報知演出が行われる。表示用VBモード当選報知演出が行われた後は、補助表示部65等により表示用VBモード用の押し順報知が実行されるようになり、特殊第2昇格リプレイ1,2に当選した場合には、第4,第5リプ小役入賞を成立させることが可能な押し順報知が行われるようになる。
tb7のタイミングで特殊第2昇格リプレイ1,2に当選した場合、特殊第4,第5リプ小役入賞が成立するように押し順報知が行われる。例えば、第4リプ小役入賞が成立すると、補助表示部65等により表示用VBモード開始演出が行われる。
この場合、表示用VBモードの開始契機となる第4,第5リプ小役入賞の停止出目が、通常遊技モードにおけるVBモードの開始契機となる第4,第5再遊技入賞の停止出目と同じ出目となっている。そのため、遊技者は、第4,第5再遊技入賞によりVBモードが開始されることを、第4,第5リプ小役を入賞させることによって擬似的に体験することが可能となる。また、VBモード開始演出と、表示用VBモード開始演出とは、補助表示部65による表示内容が、見た目上ほぼ同じ内容となっている。そのため、当該開始演出が行われることによっても、VBモードが開始されることを擬似的に体験することができる。
表示用VBモード中において、特殊BARリプレイ1,2に当選した場合であって、且つ、BAR揃い抽選に当選した場合には、第7リプ小役入賞(中段BAR揃い)を成立させることが可能となり、第7リプ小役入賞により表示用特化ゾーンへ移行する。表示用特化ゾーンは、表示用特化ゾーンの継続ゲーム数が0となるまで継続し、0となることで表示用VBモードに復帰する。
tb8のタイミングで、表示用VBモードの継続ゲーム数が0となると、補助表示部65等により表示用VBモード終了演出が行われる。表示用VBモードが終了すると、表示用アタックモードに移行する。但し、通常遊技モードにおけるRT状態の移行にあわせ、特殊BARリプレイ1,2当選時には、第3リプ小役入賞を成立させることが可能となる押し順報が行われる。tb9のタイミングで第3リプ小役入賞が成立すると、遊技状態は擬似的に第2RT状態に移行する(実際には移行しない)。
tb10のタイミングで、表示用アタックモードの継続ゲーム数が0となると、補助表示部65等により表示用アタックモード終了演出が行われる。表示用アタックモードが終了すると、表示用アタックモードから表示用通常モードに移行する。本実施形態では、表示用アタックモードから表示用通常モードに移行することで、表示用アタックモードフラグや表示用アタック報知用フラグがクリアされて、押し順報知が行われなくなる。そのため、擬似的なRT状態の移行という観点からすると、tb10のタイミングで、RT状態が第1RT状態へ移行することになる。
なお、この構成を、通常遊技モードにおけるRT状態の転落にあわせて、表示用アタックモード終了後も第2リプ小役入賞が成立するか、特殊移行出目が停止するまでの間(例えばtb11のタイミングまで)は、特殊転落リプレイ1〜3や特殊押し順ベル以外の特殊押し順役当選時に押し順報知が行われる構成としてもよい。このようにすれば、RT状態が転落するまでリプレイ確率が向上した状態が継続することも体験させることが可能となる。
上記のように、1ベットゲームとして行われる特定モードによる擬似的な遊技においては、RT状態等は設けられておらず、第1PBBや第2PBBに当選するまでの通常遊技状態と、第1PBBや第2PBB入賞に基づくボーナス状態と、が設定されている。そして、通常遊技状態及びボーナス状態のいずれにおいても、1枚ベットの各ゲームで1枚のメダル払出が行われ、メダルの増減が生じない。このようにすることで、メダルの増減を気にさせずに、通常遊技モードにおける遊技性を特定モードにより体験させることができる。
この場合、本実施形態では、メダルの投入を必要としない(0枚のメダル投入でゲームを実行可能としている)わけではなく、最小枚数である1枚のメダルを投入することで、1ベット時の遊技を実行可能としている。つまり、特定モードは、少なくとも遊技ホールにてメダルの貸し出しを受けることで実行可能となる構成であり、単に特定モードの遊技だけを無料で行う行為が抑止されている。また、所定枚数(例えば50枚)単位でメダルの貸し出しが行われる遊技ホールにおいて、最小枚数にて擬似的なゲームを体験させた後、残りのメダルによって、実際の通常遊技モードにて遊技を行わせる動機付けとすることができる。
また、メダルの増減が生じないモードとして、全てを再遊技役として実現するのではなく、各種特殊役(特殊スイカ役)等の1枚の払出が行われる役に当選し得る構成とした。メダルの増減を生じさせないのであれば、全ての抽選結果を再遊技役としてもよいし、このようにした方が、ベット操作を省略できることから特定モードの操作性が向上するものとも考えられる。しかし、仮にこのように全ての抽選結果を再遊技役としてしまうと、特定モードの毎ゲーム終了時に1枚の自動投入が行われて再遊技用の設定が行われることとなり、特定モードを終了することが困難となり得る。この場合、例えば、再遊技用の設定が行われた場合であっても当該設定をキャンセル可能とする構成としたり、電源をOFF/ONして再度遊技モードの設定を行わせる構成としたるする必要がある。その点、上記のように、1枚の払出が行われる役に当選し得る構成としたため、再遊技役入賞ゲーム以外では特定モードから通常遊技モードに切り換え可能(ベット数の再設定が可能)となり、新たな構成を付加することなく特定モードという斬新な遊技性を一台の遊技機に付け加えることが可能となる。
通常遊技モードと特定モードとでは、1ゲーム当たりのメダルの払出率(出玉率)が異なる。そのため、特定モードにおいて通常遊技モードの擬似的な体験をよりリアルに行わせるために、出目や演出、各役の当選確率等を両遊技モードで共通なものとする必要がある一方、遊技ホールにとっては、いずれの遊技モードにて遊技が行われているかを特定可能とする必要がある。そこで、補助表示部65の各表示画像に、特定モードにおいては、識別表示としてのスタンプ65aを付与することで、実行中の遊技モードが特定モードであることを容易に特定可能となる。
また、このように、補助表示部65の表示画像に特定モード中であることの識別表示をすることで、例えば、アタックモード終了演出にて表示される獲得数の表示を記念撮影する場合、擬似的に体験したゲームでの獲得数なのか、それとも実際の通常遊技モードでの獲得数なのかを事後的に容易に判断することが可能となる。
特に、このような識別表示を各リール32L,32M,32Rではなく、補助表示部65で行ったため、スタートレバー41の操作に基づいて各リール32L,32M,32Rを回転させるとともに、役の抽選が行われ、ストップスイッチ42〜44の操作に基づいてこれら各リール32L,32M,32Rを停止させて、役の入賞の可否が決定される、といったスロットマシン10の遊技性そのものを、特定モードにて体験させるうえで、識別表示が邪魔にならず、上記通常遊技モードの擬似的な体験をよりリアルにすることが可能となる。つまり、例えば、ストップスイッチ42〜44の操作時に上記識別表示が目に入ると、どうしても擬似的なモードであることが思い起こされ、所謂目押しが疎かにされる可能性がある。そこで、上記のように、ストップスイッチ42〜44の操作時には視界に入りにくい箇所にて識別表示を行うことで、擬似的な体験といえども、通常遊技モードと変わらない注意力を持って遊技に望ませることが可能となり、当該擬似的な遊技性を向上させることが可能となる。
<連続演出について>
連続演出は、通常遊技モードにおいて、前兆モードの前兆ゲーム数が所定数となった場合に開始され、前兆ゲーム数が0となる場合に終了する演出であって、所定回数のゲームを跨いだ演出である。本実施形態における特定モードでは、通常遊技モード中の連続演出も体験可能となっている。例えば、表示用通常モード中に表示用アタックモードへの移行抽選に当選した場合、上記のように表示用前兆モードを経て表示用アタックモードに当選したことの報知が行われる。そして、表示用前兆モードの表示用前兆ゲーム数が所定数となった場合に連続演出が開始され、表示用前兆ゲーム数が0となる場合に終了する。
以下、特定モードにおいて連続演出を実行するための処理について説明する。連続演出を実行するための処理としては、特定モード用ボーナス報知用処理と、特定モード用特定役報知用処理と、特定モード用連続演出設定処理とがある。
<特定モード用ボーナス報知用処理>
本処理は、通常遊技モードにおけるボーナス報知用処理(図61)に相当するものである。
すなわち、図101に示すように、ステップS3701にて、今回受信した抽選結果コマンドに基づいて、開始されるゲームが特殊ボーナス(第1PBB,第2PBB)当選ゲームであるか否かを判定する。特殊ボーナス当選ゲームである場合には、ステップS3702にて、特定モードにおいてボーナス当選を報知する報知ゲーム抽選処理を実行する。かかる報知ゲーム抽選処理は、通常遊技モードの報知ゲーム抽選処理よりも短いゲーム数が選択され易くなっている。具体的には、0ゲーム(今回のゲームで報知する)〜4ゲームから1の報知ゲームが決定される。
続くステップS3703では、ステップS3702の処理により決定された報知ゲームに基づいて、表示用連続演出ゲーム数を設定する処理を行う。具体的には、ステップS3703では、表示用連続演出カウンタに表示用連続演出ゲームの設定を行う。表示用連続演出カウンタは、通常遊技モードにおける連続演出カウンタに相当するものであり、1ベットゲームが実行される度に1ずつ減算される。ステップS3703の処理を実行した後は、ステップS3704にて、表示用連続演出フラグをセットする。
ステップS3701にて否定判定した場合、又はステップS3704の処理を実行した後は、ステップS3705に進む。ステップS3705では、今回のゲームがボーナスゲームの開始に対応しているか否かを判定する。ステップS3705にて肯定判定した場合、ステップS3706にて、表示用ボーナス中演出カウンタにボーナス演出ゲーム数をセットする。表示用ボーナス中演出カウンタは、通常遊技モードにおけるボーナス中演出カウンタに相当するものである。本実施形態では、特殊ボーナスの上限払出数として24が設定される。また、特殊ボーナス中のボーナスゲームでは毎ゲーム1枚払出の小役が成立する。そのため、特殊ボーナスでは、ボーナスゲームとして24ゲーム行われる構成となっている。そこで、ステップS3706では、表示用ボーナス中演出カウンタに24を入力する。
その後、ステップS3707にて、表示用ボーナス中演出フラグをセットする。ステップS3705にて否定判定した場合、又はステップS3707の処理を実行した後は、本報知用処理を終了する。
<特定モード用特定役報知用処理>
本処理は、通常遊技モードにおける特定役報知用処理(図62)に相当するものである。
すなわち、図102に示すように、ステップS3801では、表示用前兆フラグがセットされているか否かを判定する。表示用前兆フラグは、直前の特定モード用第1特定役処理(図83)や特定モード用第2特定役処理(図84)にてセットされ得る。表示用前兆フラグがセットされていない場合には、ステップS3802にて、表示用上乗せ演出が設定されているか否かを判定する。表示用上乗せ演出の設定は、直前の特定モード用第1特定役処理(図83)や特定モード用第2特定役処理(図84)、特定モード用第3特定役処理(図85)にて行われ得る。表示用上乗せ演出が設定されていない場合、ステップS3803にてボーナスに当選しているか否かを判定する。ボーナスに当選していない場合、すなわち、抽選結果として特殊特定役当選であった場合であって、表示用チャレンジモードや表示用アタックモード、表示用VBモードへの移行抽選や継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選しておらず、且つボーナスにも当選していない場合には、ステップS3804にて、表示用擬似前兆モードの抽選処理を実行する。表示用擬似前兆モードは、通常遊技モードにおける擬似前兆モードに相当するものである。
ステップS3804では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用擬似前兆モード抽選用のテーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア183bから抽選用のカウンタを取得して、表示用擬似前兆モードを実行するか否かの抽選を行う。表示用擬似前兆モード抽選用のテーブルは、擬似前兆モード抽選用のテーブルと同様であり、各特定役が各特殊特定役として置き換えられて設けられている。
ステップS3805では、ステップS3804の処理結果に基づいて、表示用擬似前兆モードの抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS3806にて、表示用擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理を行う。かかる処理は、通常遊技モードにおける擬似前兆モードのゲーム数の抽選処理に相当するものである。続くステップS3807では、ステップS3806にて決定した表示用擬似前兆ゲーム数を、表示用連続演出カウンタにセットする処理を行う。
ステップS3808では、表示用擬似前兆モードであることを示す表示用擬似フラグをセットする処理を実行する。続くステップS3809では、表示用連続演出フラグをセットする。その後、本報知用処理を終了する。また、ステップS3801〜ステップS3803のいずれかで肯定判定した場合、又はステップS3805にて否定判定した場合は、そのまま本報知用処理を終了する。
<特定モード用連続演出設定処理>
本処理は、通常遊技モードにおける連続演出設定処理(図63)に相当するものである。
すなわち、図103に示すように、ステップS3901にて、表示用前兆フラグがセットされているか否かを判定する。表示用前兆フラグがセットされている場合には、ステップS3902にて、表示用前兆モードの表示用前兆ゲーム数を表示用連続演出カウンタに入力する処理を行う。続くステップS3903では、表示用連続演出フラグをセットする。
ステップS3901にて否定判定した場合、又はステップS3903の処理を実行した後は、ステップS3904に進む。ステップS3904では、表示用連続演出フラグがセットされているか否かを判定する。表示用連続演出フラグがセットされている場合には、ステップS3905にて表示用連続演出カウンタから1減算する処理を行う。そして、ステップS3906にて、表示用連続演出カウンタが連続演出に対応する数(0〜3)であるか否かを判定する。表示用連続演出カウンタが連続演出に対応する数である場合には、ステップS3907にて、表示用擬似フラグがセットされているか否かを判定する。表示用擬似フラグがセットされていない場合には、ステップS3908に進み、各種テーブル記憶エリア182aから表示用本前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3909にて、表示用本前兆用演出テーブルと表示用連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、通常遊技用演出データ記憶エリア182bから対応する演出データを取得するとともに、識別用情報についての演出データを識別情報用演出データ記憶エリア182cから取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。
表示用本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データは、通常遊技モードにおける本前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データと同様であり、他の表示用演出と同様に、スタンプ65aが通常遊技モードにおける連続演出の画像データに対して手前側に存在するように付け加えられている。
ステップS3907にて表示擬似フラグがセットされていると判定した場合には、ステップS3910に進む。ステップS3910では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用擬似前兆用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3911にて、表示用擬似前兆用演出テーブルと表示用連続演出カウンタとから、対応する連続演出の演出データを特定し、通常遊技用演出データ記憶エリア182b及び識別情報用演出データ記憶エリア182cから演出データを取得し、今回の連続演出として設定する処理を行う。
表示用擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データとしては、通常遊技モードにおける擬似前兆用演出テーブルから特定される連続演出の演出データと同様であり、他の表示用演出と同様に、識別表示としてのスタンプ65aが通常遊技モードにおける連続演出の画像データに対して手前側に存在するように付け加えられている。
ステップS3909又はステップS3911の処理を行った後は、ステップS3912にて表示用連続演出カウンタが0であるか否かを判定する。表示用連続演出カウンタが0である場合には、ステップS3913にて表示用連続演出フラグ及び表示用擬似フラグをクリアする処理を行う。なお、表示用擬似フラグがセットされていない場合には、その状態を維持する。ステップS3906若しくはステップS3912にて否定判定した場合、又はステップS3913の処理を行った後は、本設定処理を終了する。
ステップS3904にて表示用連続演出フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3914に進む。ステップS3914では、表示用ボーナス中演出フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS3915にて、表示用ボーナス中演出カウンタの減算処理を行う。続くステップS3916では、各種テーブル記憶エリア182aから表示用ボーナス用演出テーブルを取得する。そして、ステップS3917にて、表示用ボーナス用演出テーブルと表示用ボーナス中演出カウンタとから、対応するボーナス中演出の演出データを特定し、通常遊技用演出データ記憶エリア182b及び識別情報用演出データ記憶エリア182cから演出データを取得し、今回のボーナス中演出として設定する処理を行う。
表示用ボーナス用演出テーブルから特定されるボーナス中演出の演出データとしては、通常遊技モードにおけるボーナス用演出テーブルから特定されるボーナス中演出の演出データと同様であり、他の表示用演出と同様に、スタンプ65aが通常遊技モードにおけるボーナス中演出の画像データに対して手前側に存在するように付け加えられている。
ステップS3918では、表示用ボーナス中演出カウンタが0であるか否かを判定する。表示用ボーナス中演出カウンタが0である場合には、ステップS3919にて表示用ボーナス中演出フラグをクリアする処理を行う。その後、本設定処理を終了する。また、ステップS3914又はステップS3918にて否定判定した場合には、そのまま本設定処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、特定モードによる遊技においても、表示用チャレンジモード当選、表示用アタックモード当選、表示用VBモード当選に基づいて、最終的に連続演出が行われる表示前兆モードに設定される。また、ボーナス当選に基づいても連続演出が設定される。その他、特定役当選時において、各モードの移行抽選に当選しなかった場合であって且つ上乗せ抽選にも当選しなかった場合には擬似前兆モードに対応する表示用擬似前兆モードに設定される。そのため、通常遊技モードにおいて特定役等当選となり、その結果が前兆モード及び連続演出を経て報知される様を、特定モードにおいて擬似的に体験することが可能となっている。
ここで、連続演出の実行ゲームを把握するとともに、連続演出中の何ゲーム目かを把握するカウンタを、通常遊技モードと特定モードとで別々に設けた。そのため、例えば、通常遊技モードにおいて連続演出が実行されている最中に、特定モードに切り換えたとしても、再度通常遊技モードに復帰させた場合には、切り換え前の通常遊技モードにおける連続演出の途中から再開可能となっている。
具体的には、図104に示すように、例えば、通常遊技モードにて、連続演出1ゲーム目、連続演出2ゲーム目まで消化したタイミングで、特定モードに切り換えたとする。この場合、特定モードにおいては、それまでの通常遊技モードの連続演出の経過内容やその後の結果に関わらず、上記の擬似的な遊技を行うことが可能となっている。そして、特定モードにおいて、擬似的な表示チャレンジモード等に当選した場合には、連続演出を経て、その結果が報知される。例えば、その後に、通常遊技モードに切り換えられた場合、上記通常遊技モードにおいて消化中の連続演出が再開される。この場合、消化済みの1ゲーム目及び2ゲーム目の続きの連続演出として、連続演出3ゲーム目から再開される。
このようにすることで、通常遊技モードにおいて連続演出が発生した場合に、例えば、その後にアタックモードの当選報知が行われることを予測して、特定モードにてどのような態様で当選報知が行われるのか、そして、その後に遊技状態が移行する様を予め予習してから、通常遊技モードの連続演出に望ませることが可能となる。
しかも、上記のように、連続演出カウンタ及び表示用連続演出カウンタは連続演出発生前のゲームから前兆モード及び表示用前兆モードとしてカウントが開始される。そのため、例えば特定役当選を契機として連続演出が発生し得る状況となった場合、連続演出の開始前から、上記のように特定モードによる予習を行うことも可能である。このようにすれば、連続演出を途中で中断しなくても良くなり、連続演出を開始時から存分に楽しませることができる。
一方で、連続演出が最終ゲームとなり、有利となる結果又は有利とならない結果が報知された後は、いずれかのクレジット投入スイッチ56〜58の操作が行われれば、当選報知演出を行う構成としている(図49のモード移行報知用処理)。言い換えると、3ベットゲームにて連続演出を経て上記結果が報知された後は、1ベットゲームを行おうと第2クレジット投入スイッチ57が操作されても、上記3ベットゲームにおける当選報知演出が行われるし、1ベットゲームにて連続演出を経て上記結果が報知された後は、3ベットゲームを行おうと第1クレジット投入スイッチ56が操作されても、上記1ベットゲームにおける当選報知演出が行われる。これは、例えば、通常遊技モードにて遊技を行っている最中に連続演出が発生し、当該連続演出が最終ゲームまで継続した場合であって、上記有利となる結果が報知された場合、次ゲームを1枚ベットにて第1BB入賞や第2BB入賞を成立させようとする行為が考えられるからである。つまり、このような場合に、1枚ベットに基づいて特定モードの切り換えが発生してしまうと、せっかく連続演出を経て第1BB又は第2BB当選が報知されて、遊技者の気持ちが高ぶっているタイミングで、練習用の画面が表示されてしまって気持ちが消沈し、せっかくの連続演出の演出効果が低減し得る可能性があるからである。
また、本実施形態では、ボーナス中演出についても、通常遊技モードと特定モードとでそれぞれ何ゲーム目の演出かを特定可能としている。ボーナス中演出について、図105を参照しながら説明する。
図105(a)に示すように、通常遊技モードにおけるボーナス中演出と、特定モードにおけるボーナス中演出とは、いずれも同じゲーム数の連続性を有する演出となっている。具体的には、通常遊技モードにおけるボーナス中演出は、1ゲーム毎にストーリーが進行する実写による動画形式のストーリー演出となっており、24ゲームで当該ストーリーが完結する。そして、各ゲームにおいて、1話ずつストーリーが割り振られており、所定期間に亘って当該1話のストーリー演出が繰り広げられる。所定期間は、ゲーム開始(スタートレバー41の操作)から、メダル払出の完了までに要する最短期間(約4.1sec)よりも長く設定されている。各ゲームにおいて、当該最短期間で消化されるとともに、次ゲームの開始操作が直ぐに行われると、実行中の各ストーリー演出は途中で終了して次ゲームに対応するストーリー演出が開始される。
通常遊技モードにおける第1BBや第2BBに基づくボーナス状態においては、払出上限数が216枚に設定される。そして、各ゲームにおいてBB中小役1、BB中赤7揃い役、BB中BAR揃い役(IV=28〜30)のいずれかが当選し、第1小役〜第32小役の何れかが入賞する。いずれの役が入賞した場合であっても、得られる特典としては9枚のメダル払出となっており、24ゲームで払出上限数に達する。
つまり、通常遊技モードにおいて、ボーナス状態は所定ゲーム数である24ゲームで終了するように設定されており、ボーナス中演出も当該所定ゲーム数である24ゲームで終了するように設定されている。
一方、特定遊技モードにおける第1PBBや第2PBBに基づくボーナス状態(特殊ボーナス状態)においては、払出上限数が24枚に設定される。そして、各ゲームにおいて特殊BB中小役1、特殊BB中赤7揃い役、特殊BB中BAR揃い役(IV=78〜80)のいずれかが当選し、第1P小役〜第32P小役の何れかが入賞する。いずれの役が入賞した場合であっても、得られる特典としては1枚のメダル払出となっており、24ゲームで払出上限数に達する。
つまり、特定モードにおけるボーナス状態も、通常遊技モードにおけるボーナス状態と同様に、所定ゲーム数である24ゲームで終了するように設定されている。そして、特定モードにおけるボーナス中演出も、通常遊技モードにおけるボーナス中演出と同様のものが用いられ、ボーナス状態の各ゲーム数で、ボーナス中演出が共通している。相違点としては、他の演出と同様に、特定モードにおけるボーナス中演出では、補助表示部65の表示画像に、特定モードを表す「フリー」というスタンプ65aが存在し、当該スタンプ65aが通常遊技モードにおけるボーナス中演出の画像データに対して手前側に存在するように付け加えられている。
さらに、ボーナス中演出では、当該ボーナス中に払い出される残り払出数の表示と、当該ボーナス中に獲得したメダル数の表示と、が行われる。通常遊技モードにおいては、残りの払出数は上記のとおり216枚であり、1ゲーム目のボーナス中演出では、図105(b1)に示すように、216枚の残り払出数の表示と、0枚の獲得数の表示とがなされる。そして、2ゲーム目のボーナス中演出では、1ゲーム目に9枚のメダルを獲得したことに対応させて、残り払出数の表示は207枚に減少し、獲得数の表示は9枚に増加する。この表示の更新が各ゲームで繰り返し行われ、例えば、図105(b2)の5ゲーム目のボーナス中演出では、残り払出数の表示は180枚となり、獲得数の表示は36枚となる。また、図105(b3)の23ゲーム目のボーナス中演出では、残り払出数の表示は18枚となり、獲得数の表示は196枚となる。そして、図105(b4)の最終ゲーム(24ゲーム目)のボーナス中演出では、残り払出数の表示は9枚となり、獲得数の表示は207枚となる。当該最終ゲームにて、払出が行われると、残り払出数は0枚となり、ボーナス状態が終了する。
特定モードにおけるボーナス中演出でも、当該ボーナス中に払い出される残り払出数の表示と、当該ボーナス中に獲得したメダル数の表示と、が行われる。但し、特定モードにおけるこれらの表示は、実際の残り払出数(上限払出数24枚)や実際の獲得数(上限獲得数24枚)ではなく、通常遊技モードにおけるボーナス状態に置き換えた場合の残り払出数(上限払出数216枚)や獲得数(上限獲得数216枚)として表示される。
例えば、図105(c1)に示すように、特定モード中のボーナス中演出として、1ゲーム目では、216枚の残り払出数の表示と、0枚の獲得数の表示とがなされる。かかる表示数は、上記図105(b1)と同様であり、言い換えると、実際の24枚の残り払出数と0枚の獲得数とは異なる表示にて残り払出数と獲得数の表示が行われる。そして、2ゲーム目のボーナス中演出では、1ゲーム目に1枚のメダルを獲得したものの、通常遊技モードでは9枚のメダルを獲得することとなるため、残り払出数の表示は207枚に減少し、獲得数の表示は9枚に増加する。この表示の更新が各ゲームで繰り返し行われ、例えば、図105(c2)の5ゲーム目のボーナス中演出では、残り払出数の表示は180枚となり、獲得数の表示は36枚となる。かかる表示数は、上記図105(b2)と同様であり、言い換えると、実際の20枚の残り払出数と4枚の獲得数とは異なる表示にて残り払出数と獲得数の表示が行われる。また、図105(c3)の23ゲーム目のボーナス中演出では、残り払出数の表示は18枚となり、獲得数の表示は196枚となる。かかる表示数は、上記図105(b3)と同様であり、言い換えると、実際の2枚の残り払出数と22枚の獲得数とは異なる表示にて残り払出数と獲得数の表示が行われる。そして、図105(c4)の最終ゲーム(24ゲーム目)のボーナス中演出では、残り払出数の表示は9枚となり、獲得数の表示は207枚となる。かかる表示数は、上記図105(b4)と同様であり、言い換えると、実際の1枚の残り払出数と23枚の獲得数とは異なる表示にて残り払出数と獲得数の表示が行われる。当該最終ゲームにて、払出が行われると、残り払出数は0枚となり、ボーナス状態が終了する。
以上のように、第1PBB、第2PBBに当選させ、特殊ボーナスに移行させることにより、通常遊技モードにおけるボーナス状態も擬似的に探検させることができる。そして、第1PBBや第2PBB入賞時の出目が、通常遊技モードにおける第1BBや第2BB入賞時の出目と共通しているため、ボーナス状態へ移行することを各リール32L,32M,32Rの見た目上もわかり易く体験することができるし、しかも、ボーナス状態に移行した後は、ボーナス状態中の演出も共通しているため、特定モードにおけるボーナスをあたかも通常遊技モードにおけるボーナスとして楽しませることができる。
さらに、ボーナス状態の継続ゲーム数を共通のものとし、ボーナス状態中の各ゲームの演出をそれぞれ共通のものとしたため、通常遊技モードと特定モードとで、データの共有化も可能となり、大幅な記憶容量の削減を図ることができる。特に、ボーナス状態中のボーナス中演出は、実写による動画形式となっており、ボーナス状態の注目度を高める演出効果は絶大であるものの、その記憶容量は増大化し得る。その点、上記のように、特定モードのボーナス中演出を、通常遊技モードにおけるボーナス中演出を流用する構成としたため、演出効果と記憶容量とのバランスを良好に担保することができる。
そればかりか、ボーナス中演出の残り払出数や獲得数の表示を、特定モード中においては、実際の残り払出数や獲得数の表示ではなく、通常遊技モードの表示を用いる構成とした。そのため、ボーナスに当選し、ボーナスを消化することでメダルを獲得できる、ということを特定モードにおいても擬似的に体験させることが可能となる。
ここで、本実施形態では、特定モード中に第1PBBや第2PBBに当選した場合であって、且つ第1PBBや第2PBBに入賞していない状況、所謂第1PBBや第2PBBの持越し状態では、当否抽選に用いられる抽選テーブルが異なっている。そこで、当該持越し状態において、当否判定に用いられる抽選テーブルについて、図106を参照しながら説明する。
図106に示すように、第1PBBや第2PBBの持越し状態においては、インデックス値IV=63〜92,95〜99のポイント値は、第1PBBや第2PBBの当選前のもの(図72)と同じ値である一方で、インデックス値IV=50〜62,93,94のポイント値が0に設定されている。つまり、第1PBBや第2PBBの持越し時においては、外れ目1枚役、特殊第1昇格リプレイ1〜4、特殊転落リプレイ1〜3、特殊第2昇格リプレイ1,2、特殊BARリプレイ1,2に当選しない。そのため、第1PBBや第2PBBの持越し時においては、いずれの役にも当選せずに外れ結果となる場合がある。このようにすることで、第1PBBや第2PBBに当選したのにも関わらず、第1PBBや第2PBBに入賞させることができない、といった事象が回避される。つまり、上記持越し時においても、毎ゲーム、1ベット、1枚払出となる遊技性のままであると、ボーナス入賞よりも小役入賞を優先する制御では、ボーナスを入賞させることができず、外れ結果が含まれる3ベットゲームや2ベットゲームの実施を強要する羽目になり得るからである。
通常遊技モードにおいて当選した第1BBや第2BBの持越し時は、3ベットゲームでは通常遊技状態用の抽選テーブル(BBの重複役やBBのポイント値PVは0)が参照され、1ベットゲームでは上記図106の抽選テーブルが参照される。そのため、第1BB等の持越し時に1枚ベットにて当該第1BB入賞を狙った場合であっても、1枚払出役に邪魔されずに第1BB入賞等を成立させることが可能となっている。
なお、持越し状態において、上記のような外れ結果を設けた抽選テーブルを用いる構成に代え、又は加えて、持越し状態においては小役入賞よりもボーナス入賞の引き込みの優先順位が高くなるようにする構成としてもよい。つまり、ボーナスと小役とがいずれも当選している状況で、小役入賞よりもボーナス入賞が優先して成立するように各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う構成としてもよい。このようにしても、小役当選によってボーナスを入賞させることができない不都合を回避することが可能である。また、小役入賞よりもボーナス入賞を優先する制御は、ボーナス持越し時に限定されず、ボーナス当選ゲームやボーナス非当選状態でも行うようにしてもよい。
<継続ゲーム数、及び獲得数の表示>
上記のように、特定モード中のボーナス状態中においては、各ゲームで9枚のメダルの払い出しが行われたものとして残り払出数の表示や、獲得数の表示が行われる構成とした。本実施形態では、このような通常遊技モードに相当する獲得数の表示が、ボーナス状態中だけでなく、表示用アタックモードや、表示用VBモード、表示用上乗せ特化ゾーンにおいても行われる。
図107は、表示制御装置81のCPU181にて実行されるカウント処理を示すフローチャートである。カウント処理は、アタックモードや表示用アタックモード等の継続ゲーム数や、獲得数をカウントするための処理であり、所定周期(例えば、1.49msec周期)で起動される。
ステップS4001では、カウント条件が成立しているか否かを判定する。カウント条件とは、アタックモードの開始又は表示用アタックモードの開始により成立する。カウント条件が成立している場合には、ステップS4002にて各種フラグ格納エリア183aに遊技モードに応じたカウントフラグをセットする。カウントフラグは、カウント条件が既に成立している状況であることをCPU181が把握するためのフラグであり、例えば、通常遊技モードにてカウント条件が成立した場合(アタックモードが開始された場合)は、通常遊技モード用のカウントフラグをセットし、特定モードにてカウント条件が成立した場合(表示用アタックモードが開始された場合)は、特定モード用のカウントフラグをセットする。
ステップS4001にて否定判定した場合、又はステップS4002の処理を実行した後は、ステップS4003に進む。ステップS4003では、いずれかのカウントフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのカウントフラグがセットされている場合、ステップS4004に進み、ゲームの開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置101から開始時コマンドを受信しているか否かを判定する。ゲームが開始された場合、ステップS4005に進み、特定モードフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明したとおり、特定モードフラグは、遊技モードが特定モードであることを示すフラグであり、当該フラグがセットされている状態が特定モードであり、セットされていない状態が通常遊技モードである。
通常遊技モードである場合、ステップS4006にて、各種カウンタエリア183bに設けられたゲームカウンタの加算処理を行う。具体的には、ゲームカウンタを1加算する。続くステップS4007では、各種カウンタエリア183bに設けられた払出カウンタの減算処理を行う。具体的には、今回のベット数(1〜3)に相当する値を、払出カウンタから減算する処理を行う。
ステップS4005にて特定モードであると判定した場合、ステップS4008にて、各種カウンタエリア183bに設けられた特定モード用のゲームカウンタの加算処理を行う。具体的には、特定モード用のゲームカウンタを1加算する。続くステップS4009では、各種カウンタエリア183bに設けられた特定モード用の払出カウンタの減算処理を行う。具体的には、今回のベット数(1)ではなく、通常遊技モードにおけるベット数(本処理では、一律で3)に相当する値を、特定モード用の払出カウンタから減算する処理を行う。
ステップS4004にて否定判定した場合、又はステップS4007若しくはステップS4009の処理を実行した後は、ステップS4010に進む。ステップS4010では、ゲームの終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、主制御装置101から入賞結果コマンドを受信しているか否かを判定する。ゲームが終了された場合、ステップS4011にて、今回のゲームにて払出があったか否かを判定する。なお、ステップS4011では、リプレイ入賞時は払出があったものと判定する。
払出があった場合、ステップS4012にて、特定モードフラグがセットされているか否かを判定する。特定モードフラグがセットされておらず、通常遊技モードである場合、ステップS4013にて、払出数を把握する処理を行う。なお、リプレイ入賞時においてはベット数と同数の払出があったものとして払出数を把握する。そして、ステップS4014にて、上記払出カウンタに、今回の払出数を加算する処理を行う。
ステップS4012にて特定モードであると判定した場合、ステップS4015にて、今回の入賞態様を把握する処理を行い、ステップS4016にて、当該入賞態様に基づいて、通常遊技モードにおける払出数を把握する処理を行う。例えば、今回の入賞態様として、第1P小役(特殊ベル)入賞が成立している場合には、第1P小役入賞に基づく実際の払出数である1枚ではなく、通常遊技モードにおいて第1P小役に対応する第1小役入賞時の払出数である9枚を擬似的な払出数として把握する。また、例えば、今回の入賞態様として、第26P小役(特殊スイカ)入賞が成立している場合には、第26P小役に基づく実際の払出数である1枚ではなく、通常遊技モードにおいて第26P小役に対応する第26小役入賞時の払出数である5枚を擬似的な払出数として把握する。
ステップS4017では、上記ステップS4016にて把握した、擬似的な払出数を特定モード用の払出カウンタに加算する処理を行う。この結果、特定モード用の払出カウンタは、あたかも通常遊技モードにおいて払出を受けたかのような値となる。
ステップS4010若しくはステップS4011にて否定判定した場合、又はステップS4014若しくはステップS4017の処理を実行した後は、ステップS4018にてカウントクリア条件が成立したか否かを判定する。カウントクリア条件は、アタックモードの終了又は表示用アタックモードの終了によって成立する。カウントクリア条件が成立している場合には、ステップS4019にてカウントクリア条件が成立した遊技モードに応じたカウントフラグをクリアするとともに、対応するゲームカウンタ及び払出カウンタをリセットする。具体的には、アタックモードが終了してカウントクリア条件が成立した場合には、通常遊技モード用のカウントフラグをクリアするとともに、通常遊技モード用のゲームカウンタ及び払出カウンタを0にリセットする。また、表示用アタックモードが終了してカウントクリア条件が成立した場合には、特定モード用のカウントフラグをクリアするとともに、特定モード用のゲームカウンタ及び払出カウンタを0にリセットする。
ステップS4003若しくはステップS4018にて否定判定した場合、又はステップS4019の処理を実行した後は、本カウント処理を終了する。
通常遊技モードにおいて、例えば、アタックモード中においては、当該アタックモード中の演出として、図108(a)に示すように、補助表示部65の表示画面において押し順報知演出とは重ならない領域に、上記通常遊技モード用のゲームカウンタの値に対応する総ゲーム数の表示が行われるとともに、上記払出カウンタの値に対応する獲得数の表示が行われる。また、総ゲーム数の表示領域に並設させた領域に、アタックモードやVBモードの残りゲーム数の表示を行う。また、通常遊技モードにおいて、アタックモード終了演出の設定処理(図60の停止時演出設定処理におけるステップS2108)や、VBモード終了演出の設定処理(図60の停止時演出設定処理におけるステップS2112)では、上記の通常遊技モード用のゲームカウンタや払出カウンタを参照して継続ゲーム数や獲得数の表示を行う(図66(b)、図67(b))。
特定モードにおいて、例えば、表示アタックモード中においては、当該表示アタックモード中の演出でも、図108(b)に示すように、補助表示部65の表示画面において押し順報知演出とは重ならない領域に、上記特定モード用のゲームカウンタの値に対応する総ゲーム数の表示が行われるとともに、上記特定モード用の払出カウンタの値に対応する獲得数の表示が行われる。また、総ゲーム数の表示領域に並設させた領域に、表示用アタックモードや表示用VBモードの残りゲーム数の表示を行う。このようにすることで、例えば、表示アタックモード中において、各ゲームでどれくらいのメダルを獲得できるかを、擬似的に体験することが可能となる。
また、表示用アタックモードの終了演出の設定処理(図89の特定モード用ゲーム数管理処理におけるステップS3415)や、表示用VBモードの終了演出の設定処理(図89の特定モード用ゲーム数管理処理におけるステップS3422)では、上記の特定モード用のゲームカウンタや払出カウンタを参照して継続ゲーム数や獲得数の表示を行う(図94(b))、図95(b)。つまり、特定モードにおける獲得数の表示は、実際の獲得数(各ゲーム1枚の獲得)ではなく、通常遊技モードに相当する払出数を擬似的に計測した獲得数である。一方、継続ゲーム数は実際のゲーム数となっている。これにより、どれくらいのゲーム数に亘ってアタックモード等が継続すれば、どれくらいの獲得数になるかを、特定モードにおいて擬似的に体験することが可能となる。
<通常遊技モードと特定モードの切換>
次に、遊技モードの切り換えに関する処理として、通常遊技モードと特定モードとの切り切換用の特定モード切換処理について、図109のフローチャートを参照しながら説明する。特定モード切換処理は、遊技停止中である状況(各リール32L,32M,32R停止)において、サブ側の表示制御装置81のCPU181にて所定周期(例えば1.49msec周期)で起動される処理である。
ステップS4101では、切換ボタンとしての第2演出スイッチ67の操作がなされたか否かを判定する。操作がなされた場合には、ステップS4102にて、いずれかのボーナス状態、又はボーナス持越し状態であるか否かを判定する。ボーナス状態である場合には、ステップS4103にて切換不可演出を行うように補助表示部65等を制御する。具体的には、図110(a)に示すように、補助表示部65にて「モード切換NG」という表示を行い、通常遊技モードと特定モードとの切り換えを行えない状態であることを報知する。ステップS4103の処理を行った後は、以下のモード切換用の処理を行うことなく、そのまま本切換処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、ボーナス状態や、ボーナスに当選しているものの、入賞前である持越し状態においては、通常遊技モードと特定モードの切り換えを行えないようにしている。このようにすることで、持越し時に参照される抽選テーブルの構成だけでなく、実質的に両モードの切り換えが行われないようして、両遊技モードにおいてボーナスが重複して当選(入賞)してしまう事象が回避されている。
ステップS4102にて否定判定した場合は、ステップS4104に進む。ステップS4104では、各種フラグ格納エリア183aに特定モードフラグがセットされているか否かを判定する。特定モードフラグがセットされていない場合、第2演出スイッチ67の操作が通常遊技モード中に実施されたことを意味する。この場合、ステップS4105にて、特定モードフラグをセットする処理を実行する。また、ステップS4106にて、特定モード切換時演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。特定モード切換時演出は、既に説明したとおりであり、図79(a)に示すように、補助表示部65にて「フリーモード」という表示がなされるとともに、再度の第2演出スイッチ67の操作によって通常遊技モードに復帰できることの教示がなされる。特定モード切換時演出を設定した後は、ステップS4107にて、遊技内容の記憶処理を行う。具体的には、通常遊技モード用の各種フラグや各種カウンタを書き換え不可(アクセス不可)とするとともに、特定モード用の各種フラグや各種カウンタを書き換え可能(アクセス可能)とする処理を行う。そして、ステップS4108にて特定モード設定処理を実行する。かかる処理については、後に詳細に説明する。
ステップS4104にて特定モードフラグがセットされている場合、第2演出スイッチ67の操作が特定モード中に実施されたことを意味する。この場合、ステップS4109にて、特定モードフラグをクリアする処理を実行する。また、ステップS4110にて、通常遊技モード切換時演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。通常遊技モード切換時演出は、既に説明したとおりであり、図79(b)に示すように、補助表示部65にて「通常モード」という表示がなされるとともに、再度の第2演出スイッチ67の操作によって特定モードに復帰できることの教示がなされる。
ステップS4110の処理を実行した後は、ステップS4111にて、遊技内容の記憶処理を行う。具体的には、特定モード用の各種フラグや各種カウンタを書き換え不可(アクセス不可)とするとともに、通常遊技モード用の各種フラグや各種カウンタを書き換え可能(アクセス可能)とする処理を行う。
ステップS4101にて否定判定した場合、又はステップS4108若しくはステップS4111の処理を実行した後は、ステップS4112に進む。ステップS4112では、特定モードフラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合には、ステップS4113にて、遊技無実行期間が予め定められた特定期間(3分)以上経過したか否かを判定する。遊技無実行期間は、ベットの設定がなされておらず、且つ各リール32L,32M,32Rが回転しておらず、メダル払出も行われていない状況であり、この遊技無実行期間は、メダル払出が完了した後、所定のタイマ処理にてカウントが開始される。そして、例えば、スタートレバー41、ストップスイッチ42〜44、各クレジット投入スイッチ56〜58等の各種操作部のいずれかの操作が行われたことを条件に、上記タイマ処理のカウントがリセットされる。したがって、例えば、所定のゲームのメダル払出等が完了した後、いずれの操作部も操作せず、特定期間が経過すると、ステップS4113にて肯定判定することになる。
ステップS4113にて肯定判定した場合、ステップS4114にてボーナス状態、又は、ボーナス持越し状態であるか否かを判定する。いずれの状態でもない場合には、ステップS4115にて特定モードフラグをクリアする処理を実行し、続くステップS4116にて、通常遊技モード切換時演出を設定する。
すなわち、特定モードにおいて遊技無実行期間が特定期間を経過すると、ボーナス状態、又はボーナス持越し状態ではないことを条件として、通常遊技モードに強制的に切り換えられる。これにより、例えば、特定モードで遊技の練習を行った遊技者が、通常遊技モードに切り換えずに、そのまま遊技を終了した場合、次に着席した遊技者が気づかずにそのまま特定モードで遊技を行ってしまうことが抑制されている。
ステップS4116の処理を実行した後は、ステップS4117にて、遊技内容の記憶処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS4111の処理と同様である。ステップS4117の処理を行った後は、本切換処理を終了する。
ステップS4114にてボーナス状態、又はボーナス持越し状態である場合には、ステップS4118にてボーナス消化指示演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。具体的には、図110(b)に示すように、補助表示部65にて「ボーナスを消化して下さい」という表示を行い、特定モードにおけるボーナスを消化すべきことの報知を行う。ステップS4118の処理を行った後は、本切換処理を終了する。
例えば、特定モードにおいてボーナス状態のまま、又はボーナス持越し状態のまま遊技を終了し、後任の遊技者が、それに気付かずに通常遊技モードにて遊技を行おうとすると、切換不可演出が実行され得る。この場合、遊技機の故障と勘違いされる恐れがあり、上記のボーナス消化指示演出は、当該勘違いの発生を抑制するための構成である。
<特定モード設定処理>
特定モード切換処理のステップS4108にて実施される特定モード設定処理について、図111のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS4201では、切換時演出期間が経過したか否かを判定する。切換時演出期間とは、特定モード切換時演出を行ってからその状態を維持するための期間であり、例えば約4.1sec(1ゲーム消化に要する期間に相当)が設定されている。なお、かかる期間についても、所定のタイマ処理にて、特定モード切換時演出の実行タイミングからの期間の経過が把握される。
切換時演出期間が経過している場合には、ステップS4202にて、特定モード設定画面を表示するように補助表示部65を制御する。特定モード設定画面では、例えば、前回行った特定モードの遊技内容を引き継いで今回の特定モードの遊技を実施するか、それとも、前回行った特定モードの遊技内容をリセットして今回の特定モードの遊技を実施するかを選択させる。例えば、図112(a)及び図112(b)に示すように、遊技内容を引き継ぐことを示す「前回の続き」と表示されたボタン画像と、遊技内容をリセットすることを示す「リセットしてスタート」と表示されたボタン画像とを、所定期間(例えば1sec)毎に交互に強調表示を行い、強調表示されているタイミングで所定のボタン操作(例えば、第1演出スイッチ66の操作)が行われると、当該強調表示された側の選択を行えるようにする。
ステップS4202の設定画面の表示を行った後は、ステップS4203にて、上記のいずれかの選択(遊技内容を引き継ぐことの選択、又は遊技内容をリセットすることの選択)がなされたか否かを判定する。選択がなされなかった場合には、ステップS4204に進み開始操作が行われたか否か、すなわち、主制御装置101からの開始時コマンドを受信したか否かを判定する。開始時コマンドを受信していない場合にはステップS4203に戻り、開始時コマンドを受信している場合にはステップS4205にて、遊技内容の引き継ぎ設定をして、本設定処理を終了する。ステップS4205では、ステップS4108の処理にてアクセス可能とされた特定モード用の各種フラグや各種カウンタを読み出す処理を行う。すなわち、いずれかの選択がなされずに、スタートレバー41の操作がなされた場合には、自動的に前回の遊技内容が引き継がれる。
ステップS4203にていずれかの選択がなされたと判定した場合、ステップS4206にて、遊技内容を引き継ぐことの選択がなされたか否かを判定する。引き継ぐことの選択がなされた場合には、ステップS4205に進み、引き継ぎ設定処理を行ってから、本設定処理を終了する。
ステップS4206にて遊技内容を引き継ぐことの選択ではなく、遊技内容をリセットすることの選択が行われたと判定した場合には、ステップS4207にて、特定モードの遊技内容のリセット処理を行う。かかる処理では、ステップS4108の処理にてアクセス可能とされた特定モード用の各種フラグや各種カウンタを初期化する処理を行う。これにより、特定モードの遊技内容は、電源投入時の状態(表示用通常モード)に設定される。
続くステップS4208では、リセット画面を表示する。リセット画面としては、例えば、図113(a)に示すように、特定モードの遊技内容がリセットされたことを示す「フリーモードリセット」という表示とともに、リセット後に開始する状態の選択肢として、表示用チャレンジモードに対応する「チャレンジモードから」という選択肢、表示用アタックモードに対応する「アタックモードから」という選択肢、表示用VBモードに対応する「VBモードから」という選択肢、表示用上乗せ特化ゾーンに対応する「特化ゾーンから」という選択肢、表示用通常モードに対応する「はじめから」という選択肢をそれぞれ表示する。また、リセット画面では、例えば、各選択肢のうちの1つの選択肢の画像を強調表示し、所定期間(例えば1sec)毎に当該強調表示する選択肢を切り換える。そして、強調表示されているタイミングで所定のボタン操作(例えば、第1演出スイッチ66の操作)が行われると、当該強調表示された選択肢の選択を行えるようにする。
ステップS4209では、上記選択肢の表示のうち、表示用チャレンジモードに対応する選択肢の選択操作が行われたか否かを判定する。表示用チャレンジモードの選択が行われた場合、ステップS4210にて、表示用チャレンジモードフラグをセットする処理を行う。これにより、特定モードが表示用チャレンジモードから開始可能となる。
続くステップS4211では、表示用チャレンジモード開始演出を設定する処理を行う。これにより、特定モードが表示用チャレンジモードから開始されること(表示用チャレンジモードの選択操作が有効であったこと)を遊技者は把握可能となる。この場合の表示用チャレンジモード開始演出では、例えば、図113(b1)に示すように、表示用チャレンジモード開始演出とともに、「決定ボタン」の画像と、「戻るボタン」の画像とを表示し、各ボタン画像を所定期間(例えば1sec)毎に交互に強調表示する。
続くステップS4212では、表示用チャレンジモードの継続ゲーム数のカウントの開始処理を行う。
ステップS4209にて表示用チャレンジモードの選択操作が行われていないと判定した場合、ステップS4213にて表示用アタックモードに対応する選択肢の選択操作が行われたか否かを判定する。表示用アタックモードの選択が行われた場合、ステップS4214にて、表示用アタック用報知フラグをセットする処理を行う。これにより、特定モードが表示用アタックモードの当選報知時の状態から開始可能となる。
続くステップS4215では、表示用アタックモード当選報知演出を設定する処理を行う。これにより、特定モードが表示用アタックモードの当選報知が行われるゲームから開始されること(表示用アタックモードの選択操作が有効であったこと)を遊技者は把握可能となる。この場合の表示用アタックモード当選報知演出では、例えば、図113(b2)に示すように、表示用アタックモード当選報知演出とともに、「決定ボタン」の画像と、「戻るボタン」の画像とを表示し、各ボタン画像を所定期間(例えば1sec)毎に交互に強調表示する。
ステップS4213にて表示用アタックモードの選択操作が行われていないと判定した場合、ステップS4216にて表示用VBモードに対応する選択肢の選択操作が行われたか否かを判定する。表示用VBモードの選択が行われた場合、ステップS4217にて、表示用アタック用報知フラグ、表示用アタックモードフラグ、及び表示用VB用報知フラグの各フラグをセットする処理を行う。これにより、特定モードが表示用VBモードの当選報知時の状態から開始可能となる。
続くステップS4218では、表示用VBモード当選報知演出を設定する処理を行う。これにより、特定モードが表示用VBモードの当選報知が行われるゲームから開始されること(表示用VBモードの選択操作が有効であったこと)を遊技者は把握可能となる。この場合の表示用VBジモード当選報知演出では、例えば、図113(b3)に示すように、表示用VBモード当選報知演出とともに、「決定ボタン」の画像と、「戻るボタン」の画像とを表示し、各ボタン画像を所定期間(例えば1sec)毎に交互に強調表示する。
ステップS4216にて表示用VBモードの選択操作が行われていないと判定した場合、ステップS4219にて表示用特化ゾーンに対応する選択肢の選択操作が行われたか否かを判定する。表示用特化ゾーンの選択が行われた場合、ステップS4220にて、表示用アタック用報知フラグ、表示用アタックモードフラグ、表示用VB用報知フラグ、表示用VBモードフラグ及び表示用特化ゾーンフラグをセットする処理を行う。これにより、特定モードが表示用特化ゾーンの開始ゲームから開始可能となる。
ステップS4221では、表示用特化ゾーン開始演出を設定する処理を行う。これにより、特定モードが表示用特化ゾーンの開始ゲームから開始されること(表示用特化ゾーンの選択操作が有効であったこと)を遊技者は把握可能となる。この場合の表示用特化ゾーン開始演出では、例えば、図113(b4)に示すように、表示用特化ゾーン開始演出とともに、「決定ボタン」の画像と、「戻るボタン」の画像とを表示し、各ボタン画像を所定期間(例えば1sec)毎に交互に強調表示する。
ステップS4212、ステップS4215、ステップS4218若しくはステップS4222の処理を実行した後、又はステップS4219にて否定判定した場合は、ステップS4223にて、決定操作が行われたか否かを判定する。具体的には、上記設定した各演出画像において表示した「決定ボタン」の画像及び「戻るボタン」の画像のうち、「決定ボタン」の画像が強調表示されているタイミングで、所定のボタン操作(例えば、第1演出スイッチ66の操作)が行われたか否かを判定する。また、ステップS4223では、図113(a)における各選択肢のうち、表示用通常モードに対応する「はじめから」という選択肢が選択された場合も、肯定判定する。ステップS4223にて肯定判定した場合は、本設定処理を終了し、否定判定した場合は、ステップS4209に戻る。
以上のように、特定モードの開始時の状態を設定可能とすることにより、練習用の特定モードにおける汎用性を向上させることができる。すなわち、特定モードにて、どの状態を練習(擬似的に体験)したいかを遊技者が選択可能とすれば、既に理解している内容の遊技を行う必要がなく、練習乃至体験したい状態を集中して練習乃至体験することが可能となる。
この場合、表示用アタックモードや表示用VBモードが選択された場合は、表示用アタックモードの開始(開始演出)や表示用VBモードの開始(開始演出)を設定するのではなく、当選報知演出を設定する構成とした。これにより、アタックモードが第3再遊技入賞を経て開始されることを、第3リプ小役入賞を経て表示用アタックモードが開始される様を通じて体験されることが可能となる。また、VBモードが第4,第5再遊技入賞を経て開始されることを、第4,第5リプ小役入賞を経て表示用VBモードが開始される様を通じて体験させることが可能となる。言い換えると、第3再遊技入賞を経ずに(第3リプ小役入賞を経ずに)アタックモードが開始されることの違和感や、第4,第5再遊技入賞を経ずに(第4,第5リプ小役入賞を経ずに)VBモードが開始されることの違和感を与えることを回避することができる。
これに対して、表示用特化ゾーンが選択された場合には、表示用特化ゾーン開始演出を設定する構成(表示用特化ゾーンの開始ゲームから開始する構成)とした。これは、表示用特化ゾーンは、特殊BARリプレイ1,2当選時であって、当該ゲームにて第7リプ小役入賞が成立することで移行するモードであり、表示用アタックモードや表示用VBモードのように当選ゲームと開始ゲームとが相違し得るものではないことによる。このようにすることで、第7再遊技入賞を経ずに(第7リプ小役入賞を経ずに)特化ゾーンを擬似的に開始することが可能となる。なお、この場合、例えば、表示用特化ゾーン開始演出に際して、「BAR揃いから開始されるモードだよ」という表示を行い、停止出目と開始するモードとの相違点を説明する構成としてもよい。
<変形例1>
本変形例1では、特定モードにおける各種特殊役の当選確率が、通常遊技モードにおける対応する特定役の当選確率と異なっている。図114は、本変形例1における特定モード中の抽選テーブルである。
例えば、インデックス値IV=63〜77,81〜92の特殊特定役に対応するポイント値PVを、通常遊技モードにおける対応する特定役におけるポイント値PV(図31等)の10倍とする。これにより、特殊特定役の当選確率が、通常遊技モードにおける対応する特定役の10倍となる。このようにすることで、特定役当選によって、チャレンジモードやアタックモード、VBモード、特化ゾーン等の移行抽選が行われること、及び上乗せ抽選が行われることを、特殊特定役当選によって体験させるうえで、通常遊技モードにおける移行抽選や上乗せ抽選が行われるより高い確率で移行抽選や上乗せ抽選を体験させることができる。言い換えると、通常遊技モードよりも少ないゲーム数にて移行抽選や上乗せ抽選が発生する可能性を高めることができる。
本変形例1では、図114に示すように、特殊特定役の当選確率の他、第1PBBや第2PBBの当選確率も通常遊技モードの対応する第1BBや第2BBの当選確率と異ならせており、具体的には通常遊技モードの10倍の確率で当選する構成としている。これにより、ボーナス状態についても、通常遊技モードよりも高い確率で体験させることができ、換言すると、通常遊技モードよりも少ないゲーム数でボーナス当選が発生する可能性を高めることができる。
上記のように、特殊特定役の当選確率を高めると、他の役の当選確率を低くする必要がある。その点、本変形例1では、図114に示すように、特殊第1昇格リプレイ1〜4及び特殊第2昇格リプレイ1,2の当選確率は、通常遊技モードの対応する第1昇格リプレイ1〜4及び第2昇格リプレイ1,2の当選確率と同じ確率としつつ、他の特殊リプレイ(特殊転落リプレイ1〜3、特殊BARリプレイ1,2)の当選確率を通常遊技モードの対応する他のリプレイの確率よりも低くしている。これは、特殊特定役当選に基づいて、表示用アタックモードや表示用VBモードの移行抽選に当選したのにも関わらず、表示用アタックモードや表示用VBモードがなかなか開始されないことの不都合を回避するためである。
その一方、特殊転落リプレイ1〜3や特殊BARリプレイ1,2については、当選確率を低くしたとしても、表示用アタックモードや表示用VBモードはゲーム数のカウントによって終了する構成であるため、終了ゲームには影響がなく、上記のようにしたとしても不都合は生じにくい。
<変形例2>
本変形例では、特定モード中のボーナス中演出の設定に関する構成が異なっている。本変形例における、特定モード中のボーナス状態(特殊ボーナス状態)では、1ベットゲームの他に、3ベットゲームが可能となっている。
この場合、図115(a)に示すように、特殊ボーナス状態中に入賞し得る役として、第30P小役入賞〜第32P小役入賞に対応する特典を、各ベットゲームに応じて異ならせる。すなわち、1ベットゲームにて第30P小役入賞〜第32P小役入賞が成立した場合には、ベット枚数と同じ1枚のメダル払出を特典とし、3ベットゲームにて第30P小役入賞〜第32P小役入賞が成立した場合には、ベット枚数と同じ3枚のメダル払出を特典とする。このようにすることで、3ベットゲームにて特殊ボーナス状態が消化される場合であっても、メダルの増減が生じないようにすることができる。
図115(b)に示すように、例えば、特殊ボーナス状態の各ゲームを、全て3ベットゲームにて行った場合、1ゲーム当たり3枚のメダル払出が行われ、計8ゲームで特殊ボーナス状態における上限払出数に達することになる。これにより、24ゲーム要する特殊ボーナスの消化を短縮することが可能となる。
図116(a)は、本変形例2における特定モード用連続演出設定処理の一部を示している。
図103におけるステップS3904にて表示用連続演出フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS4301にて、表示用ボーナス中演出フラグがセットされているか否かの判定を行う。かかる処理は、上記ステップS3914の処理と同様であり、セットされていない場合には、そのまま本設定処理を終了する。表示用ボーナス中演出フラグがセットされている場合には、ステップS4302にて、今回開始されるゲームが3ベットゲームであるか否かを判定する。3ベットゲームではなく1ベットゲームである場合には、ステップS4303にて、表示用ボーナス中演出カウンタを1減算する処理を行う。一方、ステップS4302にて、今回開始されるゲームが3ベットゲームであると判定した場合には、ステップS4304にて、表示ボーナス中演出カウンタを3減算する処理を行う。
ステップS4303又はステップS4304の処理の実行後は、上記図103におけるステップS3916に進み、表示用ボーナス中演出テーブルを取得し、その後、表示用ボーナス中演出カウンタの値に対応するボーナス中演出の設定処理等が行われる。
例えば、特殊ボーナス状態の各ゲームを、全て3ベットゲームにて行った場合、図115(b)に示すように、3ベットゲームにて行われる特殊ボーナス状態のボーナス中演出として、1ゲーム目はボーナス中演出の1ゲーム目用の演出データが取得され、2ゲーム目はボーナス中演出の4ゲーム目用の演出データが取得され、3ゲーム目はボーナス中演出の7ゲーム目の演出データが取得される、といったように、3ゲーム飛ばしで演出データの取得が行われる。このようにすることで、特殊ボーナス状態の消化ゲーム数が短縮された場合であっても、各ゲームの演出内容と消化ゲーム数との乖離を少なくすることができる。
<変形例3>
本変形例3では、特殊ボーナス中にPCBに当選し得る構成とする。図117は、本変形例3における特殊ボーナス中の抽選テーブルである。本実施形態におけるPCB(特殊CB)は、所謂シングルボーナス(SB)となっており、PCB(SB)入賞に基づいて、1ゲームのJACゲームが実施される。当該JACゲームでは、インデックス値IV=96〜97の特殊CB中小役1〜4が高確率で当選する。
図117に示すように、本変形例における特殊ボーナスでは、インデックス値IV=78〜80の他、インデックス値IV=95についてもポイント値PVが割り振られており、具体的には、約4分の1の確率でインデックス値IV=95の際に当選する(特殊CB当選となる)。
図116(b)は、本変形例3における終了判定処理の一部を示している。
ステップS4401にてPCB(SB)入賞が成立したか否かを判定し、PCB(SB)入賞が成立している場合、ステップS4402にて残払出数を0とする処理を行う。ステップS4401にて否定判定した場合、又はステップS4402の処理を実行した後は、図54におけるステップS1501以降の処理を行う。そして、ステップS4402にて残払出数が0とされることにより、ステップS1504にて肯定判定することとなり、ボーナス終了用の処理が行われる。
すなわち、本変形例3のようにすることで、特殊ボーナス状態の消化ゲーム数を短縮することが可能となる。これにより、メダルの増減が生じないボーナス状態を早期に終了させることが可能となる。
なお、特殊ボーナス状態においてPCBの当選確率は上記のものに限定されず、上記のものよりも高い確率としてもよいし、低い確率としてもよい。高い確率とすれば、より早期に特殊ボーナス状態を終了させることが可能となるし、低い確率とすれば、通常遊技モードにおけるボーナス中演出との乖離を少なくすることができる。
なお、例えば、上記構成を変形例2と組み合わせて、特殊ボーナス状態において3ベットゲームではPCBに当選し得る構成とし、1ベットゲームではPCBに当選しない構成としてもよい。特殊ボーナス状態が3ベットゲームで消化される場合とは、遊技者は早期に当該特殊ボーナス状態を消化したいとの意思決定を行っているとみなすことができ、通常遊技モードにおけるボーナス中演出との乖離が生じても遊技者は違和感を感じないものと考えられるからである。
上記終了判定処理において、PCB(SB)入賞時の残払出数を1以上とし、特殊CB状態(1ゲームのJACゲームが実施可能となる状態)を実行後にボーナス終了とする構成としてもよい。この場合、特殊CB状態中のゲームを、通常遊技モードにおける2ベットモードとあわせて、2ベットモードにて実行する構成とし、特殊CB状態中の各役入賞成立に基づく特典を2枚のメダル払出とするとよい。このようにすることでメダル増加が期待できないボーナス状態とすることができる。
特殊CB状態による各ゲームを実行後にボーナス状態を終了する構成において、例えばPCB入賞時の残払出数を3とし、特殊CB状態中の各ゲームを2ベットモードにて実行する構成とするとともに、特殊CB状態中の各役入賞成立に基づく特典を2枚のメダル払出とするなどして、1枚のメダル増加が期待できる構成としてもよい。第1PBBや第2PBB入賞時にはボーナス状態への移行が行われるものの、メダルの払出は行われない。そのため、特定モードにおいてボーナス状態へ移行すると、1枚のメダルが減少することになる。その点、上記のようにボーナス状態を1枚のメダル増加が期待できる構成とすれば、入賞時の1枚の減少との差し引きで、メダルの増減をなくすことが可能となる。
なお、ボーナス中にメダルを増加させて、ボーナス入賞時の減少とのトータルでプラスマイナスゼロとする構成としては、PCB状態を介さない構成としてもよく、例えば、第1BBや、第2PBB入賞時に残払出数の設定を2とし、特殊ボーナス状態中の各ゲームを1ベットモードにて実行する構成とするとともに、特殊ボーナス状態中の各役入賞成立に基づく特典を2枚のメダル払出とするなどして、1枚のメダル増加が期待できる構成としてもよい。
<変形例4>
本変形例4では、特定モードの設定をデモ画面から行う。デモ画面とは、スロットマシン10に設けられた演出用のスイッチ(第1演出スイッチ66)がゲーム実行中以外に操作された場合に表示される画面である。デモ画面としては、例えば、図118(a)に示すように、画面の明るさ調節を行うことに対応する「明るさ設定」という選択肢、スピーカ64から出力される音量の調節を行うことに対応する「音量設定」という選択肢、特定モードの設定を行うことに対応する「フリーモード設定」という選択肢、遊技者の有する携帯端末等を利用した設定を行うことに対応する「携帯連動サービス」という選択肢等がそれぞれ表示される。また、デモ画面では、例えば、各選択肢のうちの1つの選択肢の画像を強調表示し、所定期間(例えば1sec)毎に当該強調表示する選択肢を切り換える。そして、強調表示されているタイミングで所定のボタン操作(例えば、第1演出スイッチ66の操作)が行われると、当該強調表示された選択肢の選択を行えるようにする。
そして、「フリーモード設定」という選択肢の選択操作が行われた場合、例えば、図118(b)に示すように、フリーモード設定画像を補助表示部65にて表示する。フリーモード設定画像では、特定モードの遊技履歴をリセットするか否かの選択肢を、リセットに対応する「YESボタン」の画像と、リセットに対応しない「NOボタン」の画像とをそれぞれ表示し、各ボタンの画像の強調表示を、所定期間(例えば1sec)毎に切り換える。そして、強調表示されているタイミングで所定のボタン操作(例えば、第1演出スイッチ66の操作)が行われると、当該強調表示された選択肢の選択を行えるようにする。
例えば、「YESボタン」の画像の選択操作が行われた場合、図112の特定モード設定画面を表示する構成とする。特定モード設定画面及び、その後のリセット操作については、上述の通りである。
一方、「NOボタン」の画像の選択操作が行われた場合、図118(a)のデモ画面に戻る構成とする。
このようにすることで、特定モード設定の操作性が向上する。すなわち、第2演出スイッチ67の操作を介することなく、第1演出スイッチ66の操作のみで、特定モードの設定を行うことが可能となる。これにより、例えば、第2演出スイッチ67を常時操作可能とせず、例えば、所定条件成立に基づいて操作可能となる構成としたとしても、特定モードの設定(初期化等)を行うことが可能となる。
<変形例5>
本変形例5では、上記変形例4で示したデモ画面(図118(a))において、携帯連動サービスにて特定モードの設定を行う。
上記デモ画面において、「携帯連動サービス」という選択肢の選択操作が行われた場合、例えば、図119(a)に示すように、携帯連動サービス画像を補助表示部65にて表示する。携帯連動サービス画像では、通常遊技モードにおいて同サービスを利用するか、特定モードにて同サービスを利用するかの、選択肢を、通常遊技モードに対応する「通常モード用」の画像と、特定モードに対応しない「特定モード用」の画像とをそれぞれ表示し、各画像の強調表示を、所定期間(例えば1sec)毎に切り換える。そして、強調表示されているタイミングで所定のボタン操作(例えば、第1演出スイッチ66の操作)が行われると、当該強調表示された選択肢の選択を行えるようにする。
携帯連動サービスに関する、情報入出力処理について、図120のフローチャートを参照しながら説明する。情報入出力処理は、遊技停止時において、表示制御装置81のCPU181にて所定周期(例えば1.49msec毎)に起動される。
ステップS4401では、上記デモ画面にて携帯連動サービスが選択されたか否かを判定する。携帯連動サービスが選択されていない場合には、そのまま本入出力処理を終了する。携帯連動サービスが選択された場合、ステップS4402にて上記携帯連動サービス画像(図119(a))を表示するように補助表示部65を制御する。
ステップS4403では、上記携帯連動サービス画像において、通常遊技モード用の選択肢の選択操作がなされたか否かの判定を行う。通常遊技モード用の選択肢の選択操作がなされた場合、ステップS4404にて、通常遊技モード用の遊技情報を表示するように補助表示部65を制御する。通常遊技モード用の遊技情報の表示では、例えば、図119(b1)に示すように、通常遊技モードにおける遊技履歴(ボーナス当選回数、チャレンジモード当選回数、アタックモード当選回数、VBモード当選回数、特化ゾーン当選回数、上乗せ回数、最大上乗せゲーム数、アタックモード最長継続ゲーム数、アタックモード最大獲得枚数等)を携帯端末等で取得可能とするようにQRコード(登録商標)等により表示する。また、通常遊技モード用の遊技情報の表示では、例えば、パスワード入力部を設け、遊技者の操作によってパスワードを入力可能としてもよい。パスワードは、例えば、遊技履歴に応じて設定されるものであり、当該パスワードを入力することで、遊技者は、前回の遊技の続きを、当該遊技機にて行うことが可能となる。
ステップS4405では、上記パスワード等による情報入力が行われたか否かを判定する。情報入力が行われた場合には、ステップS4406にて、通常遊技モード用の遊技情報の更新処理として、現状記憶されている遊技履歴の情報を、入力されたパスワードに応じた遊技履歴に書き換える処理を行う。なお、パスワードと遊技履歴とは、1対1で対応させて表示制御装置81のROM182に記憶されている。ステップS4405にて否定判定した場合、又はステップS4406の処理を実行した後は、本入出力処理を終了する。
ステップS4403にて通常遊技モード用の選択肢の選択操作がなされていないと判定した場合には、ステップS4407に進む。ステップS4407では、特定モード用の選択肢の選択操作がなされたか否かの判定を行う。特定モード用の選択肢の選択操作がなされた場合、ステップS4408にて、特定モード用の遊技情報を表示するように補助表示部65を制御する。特定モード用の遊技情報の表示では、例えば、図119(b2)に示すように、特定モードにおける遊技履歴(特殊ボーナス当選回数、表示用チャレンジモード当選回数、表示用アタックモード当選回数、表示用VBモード当選回数、表示用特化ゾーン当選回数、上乗せ回数、最大上乗せゲーム数、表示用アタックモード最長継続ゲーム数、表示用アタックモード最大獲得枚数等)を携帯端末等で取得可能とするようにQRコード(登録商標)等により表示する。また、特定モード用の遊技情報の表示では、上記通常遊技モード用の遊技情報の表示と同様に、パスワード入力部を設け、遊技者の操作によってパスワードを入力可能とする。
ステップS4409では、上記パスワード等による情報入力が行われたか否かを判定する。情報入力が行われた場合には、ステップS4410にて、特定モード用の遊技情報の更新処理として、現状記憶されている遊技履歴の情報を、入力されたパスワードに応じた遊技履歴に書き換える処理を行う。ステップS4407若しくはステップS4409にて否定判定した場合、又はステップS4410の処理を実行した後は、本入出力処理を終了する。
以上のように、本変形例5のようにすることで、例えば、特定モードによる練習を途中でやめた場合において、遊技台や、遊技ホール、遊技日等を変えて、再度途中から当該練習を再開することが可能となる。
<変形例6>
本変形例6では、通常遊技モードにおいて、遊技状態として第2RT状態以上の遊技状態の継続ゲーム数が所定ゲーム数に達した場合に、強制的に通常遊技状態に設定される。図121は、本変形例6における有利区間用処理を示すフローチャートである。有利区間とは、遊技状態が第2RT状態又は第3RT状態である状態で実施されるゲームの区間を示している。有利区間用処理は、主制御装置101のCPU102にて所定周期(例えば1.49msec毎)に起動される。
ステップS4501では、第2RT状態への移行が発生したか否かを判定する。かかる判定は、第3再遊技入賞が成立しているか否かによって判定可能である。ステップS4501にて肯定判定した場合、ステップS4502にて、各種フラグ格納エリア106dにゲーム数計測フラグをセットする。
ステップS4501にて否定判定した場合、又はステップS4502の処理を実行した後は、ステップS4503にて、上記ゲーム数計測フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ、そのまま本有利区間用処理を終了する。セットされている場合には、ステップS4504にて、ゲーム数の計測処理を実行する。ゲーム数の計測処理では、1ゲームの開始タイミングか否かを判定し、開始タイミングである場合には、各種カウンタエリア106eの有利区間用ゲーム数カウンタに1加算する処理を行う。
続くステップS4505では、上記ゲーム数の計測処理の結果に基づいて、有利区間の継続ゲーム数が上限ゲーム数(例えば1500ゲーム)に達したか否かを判定する。上限ゲームに達していなければ、本有利区間用処理を終了する。上限ゲーム数に達している場合には、ステップS4506にて各表示モード用のフラグ及びカウンタをクリアする処理を行う。かかる処理により、表示モードが通常モードに移行する。これにより、押し順報知が行われなくなり、転落リプレイ入賞が成立することで遊技状態もRT状態から通常遊技状態に移行する。なお、ステップS4506にてRT設定フラグをクリアして、遊技状態も強制的に通常遊技状態へ移行させる構成としてもよい。その後、ステップS4507にて、強制終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本有利区間用処理を終了する。強制終了コマンドを受信した表示制御装置81では、アタックモード等の表示モードが強制的に通常モードとされたことに対応する処理(各種フラグや各種カウンタをリセットする処理)を行うとともに、当該強制的にリセットされたことの報知を行うように、補助表示部65等を制御する。強制的にリセットされたことの報知としては、例えば、補助表示部65にて「終了上限に達しました。通常遊技状態に移行します。」という内容の表示を行う。
この場合、上記ゲーム数の計測処理(ステップS4505)では、ベット数に関わらず、有利区間用ゲーム数カウンタの加算処理を行う。そうすると、例えば有利区間中、上記特定モードにて練習が行われると、有利区間の実施可能ゲーム数が特定モードを実施した分のゲーム数だけ少なくなってしまう。
そこで、例えば、図122(a)のフローチャートに示すように、本変形例6における特定モード切換処理では、ステップS4601にて、切換ボタンとしての第2演出スイッチ67の操作が行われたと判定した場合、ステップS4602にて、ボーナス状態又はボーナス持越し状態であるか否かの判定を行う。ステップS4601及びステップS4602の処理は、上記ステップS4101及びステップS4102の処理と同様である。
ステップS4602にてボーナス中であると判定した場合、ステップS4603にて切換不可演出を設定してから、本特定モード切換処理を終了する。ステップS4603の処理は、ステップS4103の処理と同様である。
一方、ステップS4602にてボーナス中ではないと判定した場合、ステップS4604にて、通常遊技モードにおけるアタックモード中、VBモード中、特化ゾーン中のいずれかであるか否かを判定する。すなわち、有利区間中であるか否かを判定する。ステップS4604にて有利区間中であると判定した場合には、ステップS4603にて、切換不可演出を設定してから、本特定モード切換処理を終了する。ステップS4604にて否定判定した場合は、ステップS4104に進む。ステップS4104以降の処理は、上述の通りである。
以上のようにすることで、有利区間中に特定モードが実施されることにより、通常遊技モードでの有利区間の実施可能ゲーム数が少なくなってしまうことを回避することができる。
<変形例7>
本変形例7では、上記変形例6において、有利区間中に特定モードへの切換を可能としつつも、切換時に注意喚起を行う。
例えば、図122(b)のフローチャートに示すように、上記ステップS4601〜ステップS4604と同様に、ステップS4701〜ステップS4704の処理を行う。ステップS4704にて、アタックモード中、VBモード中、特化ゾーン中のいずれかであると判定した場合は、上記ステップS4604とは異なり、ステップS4705に進み、注意喚起演出が行われるように、補助表示部65等を制御する。
注意喚起演出としては、図123に示すように、有利区間中であること示す「有利区間中」という表示とともに、3ベットゲームで行うことを推奨すべく「有利区間が減ってしまうため、3枚賭けに戻してください」と表示する。ステップS4704にて否定判定した場合又はステップS4705の処理を行った後は、ステップS4104に進む。
すなわち、本変形例7は、有利区間中であっても遊技モードの切り換えは可能とし、遊技者の判断に委ねる構成である。
例えば、有利区間の継続上限を、上限ゲーム数(例えば1500ゲーム)の消化だけでなく、上限獲得数(例えば3000枚)のメダルの獲得とし、いずれの継続上限に該当して強制終了されるかによって、強制終了演出が異なる等とする場合、遊技者によっては、上限獲得数の獲得ではなく、上限ゲーム数の消化によって強制終了されることを望む遊技者もいると考えられる。そこで、上記のように、有利区間中であっても、遊技者の意志によって特定モードを実行可能としておけば、遊技者の意志決定に基づいて、上限ゲーム数の消化によって強制終了されることを可能とすることができる。
例えば、上限ゲーム数の消化によって、強制終了される場合、強制終了演出としてスロットマシン10の設定値の示唆が行われる構成とする。この場合、通常遊技モードにてアタックモードに当選させた後、遊技モードを通常遊技モードから特定モードに切り換えて、上限ゲーム数付近まで遊技を実行し、その後通常遊技モードに切り換えると、当該アタックモードにおけるメダル獲得数は少なくなるものの、特定モード中はメダルの減少がないため、メダルを減らすことなく強制終了演出を実行させることも可能となる。このようにすることで、アタックモードにて着実にメダルを獲得する遊技性と、アタックモードの上乗せ等が行われないことの選択をしつつ、強制終了演出を実行させるという遊技性と、を遊技者に選択させることも可能である。
<変形例8>
本変形例8では、第1クレジット投入スイッチ56の操作性が異なっており、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくメダルの投入枚数が状況によって異なっている。図124は、当該第1クレジット投入スイッチ56の操作に関するMAXベット切換処理を示すフローチャートである。MAXベット切換処理は、主制御装置101のCPU102にて所定周期(例えば1.49msec周期)に起動される。
ステップS4801では、第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われ、1枚ベットの操作が発生したか否かを判定する。1枚ベットの操作が行われた場合、ステップS4802にて、各種フラグ格納エリア106dに1枚ベットモードフラグがセットされているか否かを判定する。1枚ベットモードフラグは、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくメダルの投入枚数をCPU102が特定するためのフラグであり、1枚ベットモードフラグがセットされている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、1枚の仮想メダル投入が行われ、1枚ベットモードフラグがセットされていない状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダル投入が行われる。
具体的には、ステップS4802にて1枚ベットモードフラグがセットされていないと判定した場合、すなわち、1枚ベットモードフラグがセットされていない状況で第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われた場合、ステップS4803にて第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくメダル投入数を1枚に設定する処理を行う。続くステップS4804では、1枚ベットモードフラグをセットする。
一方、ステップS4802にて1枚ベットモードフラグがセットされていると判定した場合、すなわち、1枚ベットモードフラグがセットされている状況で第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われた場合、ステップS4805にて第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくメダル投入数を3枚に設定する処理を行う。続くステップS4806では、1枚ベットモードフラグをクリアする。
ステップS4804又はステップS4806の処理を行った後は、ステップS4807にてベット数切換コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。ステップS4801にて第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われていないと判定した場合、又はステップS4807の処理を実行した後は、本切換処理を終了する。
すなわち、本変形例8では、第2クレジット投入スイッチ57の操作に基づいて、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくメダル投入数の切換が行われる。このようにすることで、例えば、特定モードにて遊技を行おうとする場合、第2クレジット投入スイッチ57を1回操作すると、第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づくメダル投入数が特定モードに対応する1枚となるため、特定モードにおいて、第2クレジット投入スイッチ57ではなく、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を行うことが可能となる。つまり、通常遊技モードと特定モードとで、ベット数は異なるものの、メダル投入時の操作ボタンが共通のものとなり、特定モードにおいて、通常遊技モードの擬似的な体験をよりリアルなものとすることができる。
例えば、通常遊技モードにおいて、通常遊技状態やボーナス状態中は3枚のベットを規定数とし、CB状態中は2枚のベットを規定数とする構成の場合、いずれの状態かによってMAXベット時の仮想メダルの投入枚数を異ならせることは可能である。その一方で、通常遊技モードと特定モードとの切り換えは、あくまで表示制御装置81において行われるものであり、主制御装置101を介して行われるものではない。そのため、仮に、遊技モードの切り換えによって、MAXベット時の仮想メダルの投入枚数をも自動的に切り換える(通常遊技モードでは3枚の仮想メダルを投入し、特定モードでは1枚の仮想メダルを投入する)構成とするのであるならば、遊技モードの切り換え用の第2演出スイッチ67の操作情報を表示制御装置81から主制御装置101へ出力したり、第2演出スイッチ67を主制御装置101に接続したりする必要が生じる。そうすると、主制御装置101の処理負荷が増大し得るし、主制御装置101に入力される情報が増大することによって、不正行為が行われ易くなり、当該不正行為を未然に防止する、という観点で好ましくない。そこで、上記構成のようにすることで、主制御装置101へ入力される情報を増加させることなく、特定モードの遊技の操作性を向上させることが可能となる。
なお、遊技モードに切り換えによって、MAXベット時の仮想メダルの投入枚数をも自動的に切り換える構成とするならば、第2演出スイッチ67を主制御装置101に接続し、遊技モードの切り換えが行われることを主制御装置101にて把握可能とするとすればよい。
上記変形例8においては、第2クレジット投入スイッチ57を第1クレジット投入スイッチ56と同じ又は略同じサイズで設けなくてもよく、例えば、第3クレジット投入スイッチ58と同じ又は略同じサイズで設ける構成としてもよい。これにより、第2クレジット投入スイッチ57のサイズが小さくなる分、各クレジット投入スイッチ56〜58を設置する領域を狭くすることができ、他の役物(演出ボタン等)の設置個所を確保することが可能となる。
<変形例9>
本変形例9では、特定モード中であることを示す識別表示の構成が異なっている。
図125(a)及び図125(b)に示すように、本変形例9では、識別用役物65bと、当該識別用役物65bの位置を切り換える切換用駆動部65cと、が設けられている。切換用駆動部65cは表示制御装置81に接続されており、切換用駆動部65cがCPU181により制御されることによって、識別用役物65bは、補助表示部65と前後方向に重ならない位置に設定された通常位置(図125(a))と、補助表示部65と前後方向に重なる位置に設定された特定位置(図125(b))とに変位する。
CPU181では、遊技モードが通常遊技モードに設定される場合には、識別用役物65bを通常位置に配置するように切換用駆動部65cを駆動制御し、遊技モードが特定モードに設定される場合には、識別用役物65bを特定位置に配置するように切換用駆動部65cを駆動制御する。
このようにすることで、遊技モードが特定モードであるか否かが、見た目上よりわかり易くなるとともに、通常遊技モードの各演出データを、特定モードにてそのまま流用することが可能となる。これにより、通常遊技モードの演出データに対して、スタンプ65aの画像データを組み込む処理を行う必要がなくなり、特定モード中の処理負荷の大幅な軽減を図ることができる。
識別用役物65bの通常位置、及び切換用駆動部65cが設けられる位置については、例えば、上部ランプ63の背面側に設定するなどして、遊技機前方から視認できない又は視認困難な位置とするとよい。これにより、通常遊技モードにおいては識別用役物65bや切換用駆動部65cが邪魔にならず、特定モードを特段意識することなく遊技を行わせることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、1ベットゲームによる特定モードの扱いが上記第1の実施形態とは異なっている。具体的には、本実施形態における1ベットゲームによる特定モードは、3ベットゲームによる通常遊技モードにおいて所定の条件が成立したことにより、実行可能となる。
図126は、本実施形態における、スロットマシン10の正面図である。
本実施形態では、上記第1の実施形態における第2クレジット投入スイッチ57が、第3クレジット投入スイッチ58と同じ又は略同じサイズで形成されており、第1クレジット投入スイッチ56の左方に配置されている。また、本実施形態では、通常遊技モードと特定モードの切換用の第2演出スイッチ67は設けられていない。
各ストップスイッチ42〜44が設けられている箇所の下方に配置される化粧パネル80には、第4クレジット投入スイッチ69が設けられている。第4クレジット投入スイッチ69は、仮想メダルを1枚投入するためのものである。第4クレジット投入スイッチ69は主制御装置101に接続されている。より具体的には、第4クレジット投入スイッチ69の操作を個別に検出する第4クレジット投入検出センサ(図示略)が主制御装置101の入出力ポート104を介してCPU102に接続されており、第4クレジット投入スイッチ69の操作が行われた場合には、第4クレジット投入検出センサからの検出信号が、入出力ポート104を介してCPU102へ出力される。CPU102では、かかる検出信号を受信したことに基づいて、1枚の仮想メダルの投入が行われたと判定する。
第4クレジット投入スイッチ69は、スロットマシン10の手前側から奥側に向けて押圧操作が可能なスイッチとなっており、下方に向けて押圧操作が可能な他のクレジット投入スイッチ56〜58と操作方向が異なっている。また、第4クレジット投入スイッチ69は、他のクレジット投入スイッチ56〜58よりも大きく設けられており、具体的には、成人の手のひらサイズの楕円形(長径約15cm、短径約8cm)をなしている。そのため、他のクレジット投入スイッチ56〜58よりも遊技者の目を引き易い操作ボタンであるとともに、当該第4クレジット投入スイッチ69を操作する場合には、他と異なる操作位置及び操作方向となるため、特殊な動作を行っている印象を与えやすい。
図127は、本実施形態における特定モード用の抽選テーブルを示している。
本実施形態では、第1の実施形態における抽選テーブル(図76)とは異なり、インデックス値IV=51,63〜65,68,79にそれぞれポイント値PVが割り振られている一方、他のインデックス値IVのポイント値PVは0に設定されている。そのため、インデックス値IV=51(特殊再遊技)、インデックス値IV=63(特殊強チェリー)、インデックス値IV=64(特殊弱チェリー)、インデックス値IV=65(特殊スイカ)、インデックス値IV=68(特殊中段ベル)、インデックス値IV=79(特殊赤7揃い役)の場合に当選し得る一方、他のインデックス値IV=50,52〜62,66〜67,69〜78,80〜99の場合には当選しない。なお、本実施形態においても、特定モードの抽選テーブルでは、インデックス値IV=0〜49のポイント値PVはいずれも0が設定されており、通常遊技モード中に当選し得る役は、特定モード中には当選しない。また、上記第1の実施形態においてインデックス値IV=79の際に当選する場合とは、特殊ボーナス状態中であったが、本実施形態では、通常遊技状態中においてもインデックス値IV=79で当選し得る。そこで、インデックス値IV=79にて当選する役を上記第1の実施形態では「特殊BB中赤7揃い役」と称していたが、本実施形態では単に「特殊赤7揃い役」とも称することとする。
各インデックス値IV=51,63〜65,68,79には、それぞれほぼ等しいポイント値PVが設定されている。つまり、特定モード中の遊技においては、約6分の1の確率で特殊再遊技に当選し、約6分の1の確率で特殊強チェリーに当選し、約6分の1の確率で特殊弱チェリーに当選し、約6分の1の確率で特殊中段ベルに当選し、約6分の1の確率で特殊赤7揃い役に当選する。
特殊再遊技、特殊強チェリー、特殊弱チェリー、特殊中段ベル、特殊赤7揃い役の入賞態様及び特典は、上記第1の実施形態と同様であり、いずれも通常遊技モードにおける再遊技入賞、強チェリー入賞、弱チェリー入賞、中段ベル入賞、赤7揃い役入賞となる出目と同じ出目が各リール32L,32M,32Rにおいて停止することで入賞する。また、各ベット数に応じて設定される有効ラインも、上記第1の実施形態と同様である。
本実施形態における1ベットゲームによる特定モードは、アタックモードの継続ゲーム数の上乗せ抽選に当選した場合の一部で実行可能となる。
<特定モードによる上乗せの概要>
図128を参照しながら、本実施形態における特定モードによる上乗せの概要を説明する。
通常遊技モードにおいて、表示モードがアタックモード以上である状況で、スイカ、強チェリー、弱チェリー、中段ベル、チャンス目A,B等の特定役に当選すると、上記第1の実施形態と同様に、現状の表示モードに応じて表示モードの移行抽選が行われる他、アタックモードの上乗せ抽選が行われる。
上乗せ抽選に当選した場合、本実施形態では、当該上乗せ抽選に当選した特定役に応じた上乗せゲーム数テーブルに基づいて継続ゲーム数の上乗せが行われる場合と、特定モードを実行して当選した役に応じて継続ゲーム数の上乗せが行われる場合とがある。以下の説明では、上乗せ抽選に当選した特定役に応じたテーブルで行われる上乗せを通常上乗せと称し、特定モードを実行して当選した役に応じた上乗せを特殊上乗せと称する。
通常上乗せでは、上記特定役に当選したゲーム、又はボーナス終了後に、当該上乗せ抽選に当選した特定役に応じたゲーム数の上乗せが行われ、その上乗せゲーム数の報知が、補助表示部65等により上乗せ演出として実行される。
一方、特殊上乗せでは、先ず、第4クレジット投入スイッチ69の操作を促す特殊ベット指示演出が補助表示部65等にて行われる。特殊ベット指示演出では、例えば、第4クレジット投入スイッチ69を「ドデカボタン」と称して、「ドデカボタンを押せ!!」という表示を補助表示部65にて行うとともに、当該特殊ベット指示演出用の効果音がスピーカ64から発せられる。当該効果音としては、例えば、けたたましい電子音で「ズバババババン!!」と発し、通常のベット操作とは異なる操作を行うべきことを遊技者が明確に認識できる音として設定されている。
特殊ベット指示演出後、第4クレジット投入スイッチ69の操作が行われた後は、スタートレバー41の操作を促す特殊開始指示演出が補助表示部65等にて行われる。特殊開始指示演出では、例えば、「気合を入れてレバーをたたけ!!」という表示を補助表示部65にて行う。そして、特殊開始指示演出に基づいて開始操作(スタートレバー41の操作)が行われた場合には、特殊開始操作指示演出用の効果音がスピーカ64から発せられる。当該効果音としては、例えば、低い電子音で「ドゥン」と発し、通常の開始操作(通常の開始操作では、例えば、高い電子音で「トゥン」)とは異なる効果を有する開始操作が行われたことを、遊技者が把握可能となるとともに、その後の遊技内容に期待させるように落ち着いた停止操作を促す音として設定されている。
第4クレジット投入スイッチ69の操作に基づいて、1枚のメダル投入が行われる。そして、その1枚ベットがなされている状況でスタートレバー41が操作されると、1ベットゲームの遊技としてゲームが開始され、各リール32L,32M,32Rが回転開始する。当該1ベットゲームにおいては、上記のとおり、特殊再遊技、特殊強チェリー、特殊弱チェリー、特殊中段ベル、特殊赤7揃い役の何れかに当選する。
ストップスイッチ42〜44の操作がなされて、各リール32L,32M,32Rが停止すると、当選した上記各特殊役のうちのいずれかの特殊役入賞が成立する。図では例えば、特殊スイカ入賞が成立したことを示している。特殊上乗せでは、当該入賞した特殊スイカに基づいて今回の上乗せゲーム数を決定し、決定したゲーム数に対応する上乗せ演出を補助表示部65等により行う。
特定モードによるゲームを介する特殊上乗せでは、特定モードによるゲームを介さない通常上乗せよりも、多いゲーム数の上乗せが発生し易くなっている。そのため、特定役に当選して上乗せが発生する場合、遊技者は特殊上乗せが発生することを期待する。
<特殊上乗せ用の処理>
以下、本実施形態においてアタックモードの継続ゲーム数の上乗せが発生する場合の処理について説明する。
図129は、本実施形態における第2特定役処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、第2特定役処理は、主制御装置101における抽選結果対応処理の一処理として実施される処理である(図47)。
すなわち、図47のフローチャートにおいてステップS911にて否定判定した場合、又はステップS913の処理を実行した後(アタックモードの昇格用の処理を実行した後)は、図129に示すステップS4901に進む。ステップS4901では、ステップS914の処理と同様に、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を行う。
続くステップS4902では、ステップS4901の処理結果に基づいて、上乗せ抽選に当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま第2特定役処理を終了する。当選している場合には、ステップS4903に進み、ボーナス当選フラグがセットされているか否か、すなわち今回の特定役当選としてボーナスとの重複役に当選した場合、又はボーナス持越し状態中に当選した特定役であるか否かを判定する。かかる処理は、上記ステップS916の処理と同様である。
ボーナス当選フラグがセットされていない場合には、ステップS4904にて、特殊上乗せ抽選処理を実行する。特殊上乗せ抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから特殊上乗せ発生テーブルを取得するとともに、各種カウンタエリア106eから抽選用のカウンタを取得する。特殊上乗せ発生テーブルでは、上乗せ抽選に当選した特定役の種類に応じて、特殊上乗せの発生確率が異なっている。
具体的には、図130に示すように、各特定役の当選確率が高いほど、特殊上乗せの発生確率が低くなるように設定されるパターンと、特定役の当選確率が高いほど、特殊上乗せの発生確率が高くなるように設定されるパターンとがある。例えば、スイカ当選となる確率は約144分の1(スイカ重複1,2含む、図31等)であり、強チェリー当選となる確率は約218分の1(強チェリー重複1,2含む、図31等)であり、スイカ当選の確率よりも強チェリー当選の確率の方が低い。そして、特殊上乗せ発生テーブルでは、スイカ当選に基づく上乗せ時よりも、強チェリー当選に基づく上乗せ時の方が、特殊上乗せが発生し易くなっている。
一方、弱チェリー当選となる確率は約169分の1(弱チェリー重複1,2含む、図31等)であり、弱チェリー当選の確率よりもスイカ当選の確率の方が高い。そして、特殊上乗せ発生テーブルでは、弱チェリー当選に基づく上乗せ時よりも、スイカ当選に基づく上乗せ時の方が、特殊上乗せが発生し易くなっている。
つまり、特殊上乗せ発生テーブルでは、通常遊技モードにおける特定役の当選確率の高低の関係にとらわれず、特殊上乗せの発生確率が設定されている。
ステップS4905にて、ステップS4904の処理結果に基づいて特殊上乗せ当選であるか否かを判定する。非当選である場合には、ステップS4906〜ステップS4908にて、上記ステップS917〜ステップS919と同様の処理を行ってから、第2特定役処理を終了する。一方、ステップS4905にて特殊上乗せ当選と判定した場合には、ステップS4909にて、各種カウンタエリア106eの上乗せカウンタに1を加算する処理を行う。続くステップS4910では、各種フラグ格納エリア106dに特殊上乗せフラグをセットする処理を行う。上乗せカウンタは、特殊上乗せの発生回数をCPU102が把握するためのカウンタであり、特殊上乗せフラグは、特殊上乗せを実行すべき状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップS4911では、特殊上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特殊上乗せコマンドは、次ゲームにて特殊上乗せを発生させること、すなわち、次ゲームを特定モードにて実行すべきことを、表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。特殊上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、今回のゲーム終了時の演出として、上記の特殊ベット指示演出を実行するように、補助表示部65等を制御する。
ステップS4903にてボーナス当選フラグがセットされていると判定した場合とは、今回の上乗せがボーナス終了後に繰り越される場合であり、この場合、ステップS4912に進む。ステップS4912では、上記ステップS4904と同様に特殊上乗せ抽選処理を実行する。そして、ステップS4913にて、特殊上乗せ当選か否かの判定を行い、非当選である場合には、ステップS4914にて、アタックモード上乗せフラグをセットする処理を行う。かかる処理は、上記ステップS920の処理と同様である。ステップS4913にて特殊上乗せ当選である場合、ステップS4915にて上乗せカウンタに1加算する処理を行う。
ステップS4908、ステップS4911、ステップS4914又はステップS4915の処理を実行した後は、第2特定役処理を終了する。
本実施形態における第3特定役処理について、図131のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、第3特定役処理は、主制御装置101における抽選結果対応処理の一処理として実施される処理である(図48)。
ステップS5001では、アタックモードのゲーム数上乗せ抽選処理を実行する。かかる処理は、ステップS1001と同様である。ステップS5002では、上記ステップS5001の処理結果に基づいて、上乗せ当選したか否かを判定する。当選していない場合には、そのまま第3特定役処理を終了する。当選している場合には、ステップS5003〜ステップS5015にて、上記ステップS4903〜ステップS4915と同様の処理を行う。すなわち、例えば、ステップS5005やステップS5012にて特殊上乗せ抽選処理を行い、特殊上乗せ抽選に当選していなければ、通常上乗せ用の処理を行い、特殊上乗せ抽選に当選していれば、特殊上乗せ用の処理を行う。
次に、本実施形態における終了判定処理について、図132のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、終了判定処理は、主制御装置101におけるボーナス状態処理の一処理として実施される処理である(図54)。
図132では、図54におけるステップS1511にて否定判定された場合の処理を示している。すなわち、残払出数が0となり(ステップS1504:YES)、ボーナス終了に際して、アタックモード当選フラグ、チャレンジモード当選フラグ、VBモード当選フラグの各当選フラグがセットされていない場合、ステップS5101にて、アタックモード上乗せ当選フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップS5102〜ステップS5204にて、上記ステップS1513〜ステップS1515と同様に、通常上乗せ用の処理を行う。
ステップS5101にてアタックモード上乗せフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS5105にて、上乗せカウンタが0か否かを判定する。上記のとおり、ボーナス終了後に特殊上乗せを行う場合には、上乗せカウンタの加算処理が行われている(ステップS4915、ステップS5015)。ステップS5105にて上乗せカウンタが0であると判定した場合は、ステップS1516の処理に進み、チャレンジモードの上乗せ用の処理を行う。一方、ステップS5105にて上乗せカウンタが0ではないと判定した場合には、ステップS5106及びステップS5107にて、上記ステップS4910及びステップS4911と同様に、特殊上乗せ用の処理を行う。ステップS5104又はステップS5107の処理を実行した後は、終了判定処理を終了する。
次に、本実施形態における特化ゾーン用処理について、図133のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、特化ゾーン用処理は、主制御装置101における抽選結果対応処理の一処理として実施される処理である(図55)。
ステップS5201では、ステップS1601と同様に、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を行う。続くステップS5202では、ステップS4904等の処理と同様に、特殊上乗せ抽選処理を実行する。なお、ステップS5202の抽選処理において、他の抽選処理における特殊上乗せの発生確率と異ならせてもよく、具体的には、他の抽選処理よりも特殊上乗せが発生し易いようにしてもよい。
ステップS5203では、ステップS5202の処理結果に基づいて特殊上乗せ当選であるか否かを判定する。非当選である場合には、ステップS5204〜ステップS5206にて、上記ステップS1602〜ステップS1604と同様に通常上乗せ用の処理を行う。一方ステップS5203にて特殊上乗せ当選である場合には、ステップS5207〜ステップS5209にて、上記ステップS4909〜ステップS4911と同様に、特殊上乗せ用の処理を行う。ステップS5206又はステップS5209の処理を実行した後は、特化ゾーン用処理を終了する。
次に、特殊上乗せ時の抽選結果対応処理について説明する。
図134(a)は、本実施形態における抽選結果対応処理の一部を示すフローチャートである。既に説明したとおり、抽選結果対応処理は、主制御装置101における抽選処理の一処理として実施される処理である(図45)。
本実施形態では、先ずステップS5301にて、今回のゲームのベット数の判定を行う。ベット数が特定モードに対応する1枚ベットではない場合には、上記ステップS701に進み、通常遊技モード用の処理を行う。一方、今回のゲームが1枚ベットであった場合には、ステップS5302にて、特定モード用抽選結果対応処理を実行してから、本対応処理を終了する。
図134(b)は、特定モード用抽選結果対応処理を示すフローチャートである。
ステップS5401では、特殊上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、本実施形態においても、1ベットゲームは特定モード以外においても実施可能であり、ステップS5401では特定モードにおいて実施されたゲームであったか否かの判定を行う。特定モードではない場合には、そのまま本対応処理を終了する。
特定モードである場合、ステップS5402に進み、今回の抽選結果が特殊スイカ当選であったか否かを判定する。特殊スイカ当選であった場合には、ステップS5403にて、各種テーブル記憶エリア105aから今回の上乗せテーブルとして特殊スイカテーブルを取得する処理を行う。
図135(a1)は、特殊スイカ当選時の上乗せテーブルとして選択される特殊スイカテーブルを示し、図135(b1)は、スイカ当選時の上乗せテーブルとして選択されるスイカテーブルを示している。図135(a1)及び図135(b1)に示すように、特殊スイカ当選時に上乗せゲーム数として選択され得るゲーム数は、スイカ当選時に上乗せゲーム数として選択されるゲーム数と異なっており、特殊スイカ当選時の方が、スイカ当選時よりも多いゲーム数が選択される。
ステップS5402にて否定判定した場合、ステップS5404にて、今回の抽選結果が特殊強チェリー当選であったか否かを判定する。特殊強チェリー当選であった場合には、ステップS5405にて、各種テーブル記憶エリア105aから今回の上乗せテーブルとして特殊強チェリーテーブルを取得する処理を行う。
図135(a2)は、特殊強チェリー当選時の上乗せテーブルとして選択される特殊強チェリーテーブルを示し、図135(b2)は、強チェリー当選時の上乗せテーブルとして選択される強チェリーテーブルを示している。図135(a2)及び図135(b2)に示すように、特殊強チェリー当選時に上乗せゲーム数として選択され得るゲーム数は、強チェリー当選時に上乗せゲーム数として選択されるゲーム数と異なっており、特殊強チェリー当選時の方が、強チェリー当選時よりも多いゲーム数が選択される。
ステップS5404にて否定判定した場合、ステップS5406にて、今回の抽選結果が特殊弱チェリー当選であったか否かを判定する。特殊弱チェリー当選であった場合には、ステップS5407にて、各種テーブル記憶エリア105aから今回の上乗せテーブルとして特殊弱チェリーテーブルを取得する処理を行う。
図135(a3)は、特殊弱チェリー当選時の上乗せテーブルとして選択される特殊弱チェリーテーブルを示し、図135(b3)は、弱チェリー当選時の上乗せテーブルとして選択される弱チェリーテーブルを示している。図135(a3)及び図135(b3)に示すように、特殊弱チェリー当選時に上乗せゲーム数として選択され得るゲーム数は、弱チェリー当選時に上乗せゲーム数として選択されるゲーム数と異なっており、特殊弱チェリー当選時の方が、弱チェリー当選時よりも多いゲーム数が選択される。
ステップS5406にて否定判定した場合、ステップS5408にて、今回の抽選結果が特殊中段ベル当選であったか否かを判定する。特殊中段ベル当選であった場合には、ステップS5409にて、各種テーブル記憶エリア105aから今回の上乗せテーブルとして特殊中段ベルテーブルを取得する処理を行う。
図135(a4)は、特殊中段ベル当選時の上乗せテーブルとして選択される特殊中段ベルテーブルを示し、図135(b4)は、中段ベル当選時の上乗せテーブルとして選択される中段ベルテーブルを示している。図135(a4)及び図135(b4)に示すように、特殊中段ベル当選時に上乗せゲーム数として選択され得るゲーム数は、中段ベル当選時に上乗せゲーム数として選択されるゲーム数と異なっており、特殊中段ベル当選時の方が、中段ベル当選時よりも多いゲーム数が選択される。
ステップS5408にて否定判定した場合、ステップS5410にて、今回の抽選結果が特殊リプレイ当選であったか否かを判定する。特殊リプレイ当選であった場合には、ステップS5411にて、各種テーブル記憶エリア105aから今回の上乗せテーブルとして特殊リプレイテーブルを取得する処理を行う。
図135(a5)は、特殊リプレイ当選時の上乗せテーブルとして選択される特殊リプレイテーブルを示し、図135(b5)は、リプレイ当選時の上乗せテーブルとして選択されるリプレイテーブルを示している。他の特殊特定役と異なり、通常遊技モードにおいて、アタックモード中にリプレイ当選時に上乗せは発生しない。リプレイ当選時に上乗せされる場合とは、特化ゾーン中のみであり、かかるリプレイテーブルは特化ゾーン用のテーブルを示している。図135(a5)及び図135(b5)に示すように、特殊リプレイ当選時に上乗せゲーム数として選択され得るゲーム数は、特化ゾーン中のリプレイ当選時に上乗せゲーム数として選択されるゲーム数と異なっており、特殊リプレイ当選時の方が、特化ゾーン中のリプレイ当選時よりも多いゲーム数が選択される。すなわち、特化ゾーン中に上乗せされる役と比較しても、特殊役当選時の方が多いゲーム数の上乗せが発生する。なお、他の特定役における特化ゾーン中の上乗せテーブルにおいても、特殊特定役当選時の上乗せテーブルと比較すると、特殊特定役当選時の上乗せゲーム数の方が、特化ゾーン中の対応する特定役当選時の上乗せゲーム数よりも多くなっている。
ステップS5410にて否定判定した場合とは、今回の特定モードの抽選結果が特殊赤7揃い役当選であったことを意味する。この場合、ステップS5412にて、各種テーブル記憶エリア105aから今回の上乗せテーブルとして特殊赤7揃い役テーブルを取得する処理を行う。
図135(a6)は、特殊赤7揃い時の上乗せテーブルとして選択される特殊赤7揃いテーブルを示し、図135(b6)は、赤7揃い時の上乗せテーブルとして選択される赤7揃いテーブルを示している。他の特殊特定役と異なり、通常遊技モードにおいては、赤7揃いはボーナス中のみ発生する。赤7揃いテーブルはボーナス中のテーブルを示している。図135(a6)及び図135(b6)に示すように、特殊赤7揃い時に上乗せゲーム数として選択され得るゲーム数は、ボーナス中の赤7揃い時に上乗せゲーム数として選択されるゲーム数と異なっており、特殊赤7揃い時の方が、ボーナス中の赤7揃い時よりも多いゲーム数が選択される。
ステップS5403、ステップS5405、ステップS5407、ステップS5409、ステップS5411又はステップS5412の処理を実行した後は、ステップS5413にて、アタックモードのゲーム数上乗せ処理を実行する。かかる処理では、上記各処理にて取得したテーブル及び抽選用カウンタを参照して決定した今回の特殊上乗せ時の上乗せゲーム数を、実行中のアタックモードの継続ゲーム数に加算する処理を行う。
その後、ステップS5414にて、上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を行ってから、本対応処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、今回のゲームの終了時(全リール32L,32M,32R停止時)に対応する上乗せ演出を発生させるように補助表示部65等を制御する。
以上のように、本実施形態では、アタックモードの上乗せが発生し得る各特定役に対応する各特殊特定役を用いて、各特定役での上乗せゲーム数とは異なるゲーム数となる特殊上乗せ演出を行う。上記第1の実施形態にて示したように、各特定役と各特殊特定役とは、それぞれ異なる役である一方で、各リール32L,32M,32Rの見た目上は同じ停止出目となる。
具体的には、例えばスイカ役であれば、左リール上段に「スイカ」図柄が停止し、中リール中段に「スイカ」図柄が停止し、右リール下段に「スイカ」図柄が停止して、当該スイカ役入賞が成立する。そして、スイカ役に対応するゲーム数の上乗せ演出が発生し得る。これに対して、特殊スイカ役であれば、左リール上段に「スイカ」図柄が停止し、中リール中段に「スイカ」図柄が停止し、右リール下段に「スイカ」図柄が停止すると、右リール中段に「赤ベル」図柄が停止することとなり、当該特殊スイカ役入賞が成立する。この場合、右リール下段には「スイカ」図柄が停止しており、特殊スイカ役入賞の見た目上の出目はスイカ役入賞の出目と共通している。そして、特殊スイカ役に対応するゲーム数の上乗せ演出が発生し得る。そのため、各リール32L,32M,32Rの停止結果と、上乗せが発生した状況からして、遊技者に、当該特殊スイカ役に対応する上乗せ演出が、あたかもスイカ役によって発生したものと思わせることができる。このようにすることで、特殊スイカ役等の特殊特定役当選に対応する上乗せ演出を、スイカ役等の特定役当選に対応する上乗せ演出の一種と見せることが可能となる。
ここで、スイカ役等の特定役当選に対応する上乗せ演出の一種として、上記特殊スイカ役等のようなゲーム数の上乗せが発生する特殊な上乗せ演出を設定する構成も考えられる。しかし、そのようにすると、特定役当選に対応する上乗せ演出の複雑化が生じ得たり、特定役当選が当該特殊な上乗せの条件となるため、特定役の当選確率によっては、当該特殊な上乗せを発生させたいのにも関わらずなかなか特定役に当選しない、といった不都合が生じ得る。かといって、特定役の当選確率を向上させすぎると、出玉率等の不都合が生じ得る。そこで、本実施形態のように、特定役と特殊特定役とを異なる役として設定したため、各役と上乗せ演出とが対応付けられ、特定役当選に対応する上乗せ演出ばかりが複雑なものとなる不都合は生じないし、各役の当選率を調整することで、特定役当選に対応する上乗せ演出と、上記特殊な上乗せ演出とを、それぞれ好適に発生させることが可能となる。
しかも、特定役と特殊特定役とは、例えばボーナス当選等による遊技状態の移行を介さずに、いずれもが発生し得るものとなっている。具体的には、通常遊技状態において3ベットゲームや2ベットゲームの通常遊技モードにて遊技を行えば特定役に当選し得るし、1ベットゲームの特定モードにて遊技を行えば特殊特定役に当選し得る。つまり、これらの特定役と特殊特定役とは、遊技状態の移行を介さずに同じ遊技状態にてベット数を異ならせるだけでそれぞれ当選し得るものとなっている。そうすると、いずれの役に当選/入賞したかは、遊技状態によっては識別することができない。
そして、上記のようにベット数の切換でいずれの役に当選/入賞するかが異なるため、特殊特定役による上記特殊な上乗せ演出を発生させようと思えば、ベット数を切り換えるだけで容易に発生させることが可能となる。このようにすることで、設計通りのタイミングで、上記特殊な上乗せ演出を発生させることが可能となる。
加えて、本実施形態では、特定役と特殊特定役とにおいて、停止出目の共通性以外にも、識別性を低下させるための工夫が各種施されている。以下、それぞれ説明する。
<特殊特定役と特定役との識別性を低下させる構成>
上記のように、特殊リプレイや特殊赤7揃いを含む特殊特定役と対応する特定役とは、入賞時の各リール32L,32M,32Rの停止出目が共通しており、いずれの役が入賞しているかを識別しにくくなっている。本実施形態では、当該停止出目に関する共通性以外にも、これら特殊特定役と特定役との識別性を低下させるための構成を有している。
<ベット時演出の共通性>
特殊特定役と特定役との識別性を低下させる構成として、先ず、ベット時演出の共通性について説明する。
図136に示すように、通常上乗せを含み、通常遊技モードにおけるベット時では、例えば、ベット前の状況として、アタックモード中であれば、補助表示部65にて、今回のアタックモード中に獲得した総獲得数が「ゲット数」として表示されている(図では54枚獲得していることが示されている)。また、前回のゲームにて入賞成立させて払い出された枚数が払出枚数表示部62に表示されている(図では前回のゲームにて9枚の払出が行われたことを示している)。そして、クレジット表示部60には、現時点でクレジットされている仮想メダルの枚数が表示されている(図では、最大数である50枚の仮想メダルがクレジットされていることを示している)。
上記のベット前の状況において、例えば、第1クレジット投入スイッチ56が操作されて、3枚のベットが行われた場合、補助表示部65の総獲得数の表示が、今回のベット数に対応させて減少され、具体的には、3枚減少させた総獲得数の表示に更新される。また、ベット操作に基づいて、次ゲームが開始され得ることを示すべく、払出枚数表示部62の表示がOFFとなる。そして、クレジット表示部60では、ベット前のクレジット数の表示から、今回のベット数を減少させたクレジット数の表示に更新される。
加えて、スピーカ64からは、今回のベット操作に対応させた効果音(3枚ベット時効果音)が発せられる。例えば、3枚ベット時効果音では、「ベベベ」とベット数に対応させて「ベ」が3回発せられる。なお、1枚ベット時効果音では「ベ」と発せられ、2枚ベット時効果音では「ベベ」と発せられる。これらベット時効果音は、ベット数を遊技者が識別可能であれば、他の効果音であってもよい。
特殊上乗せ時のベット操作時の演出としては、例えば、ベット前の状況として、上記特殊ベット指示演出が補助表示部65にて行われると、アタックモード中の各ゲーム数の表示や総獲得数の表示が行われなくなる。また、特殊ベット指示演出が開始されるタイミングで、払出枚数表示部62の表示、及び、クレジット表示部60の表示がOFFとなる。
そして、この状況において、特殊ベット指示演出の指示に従って、第4クレジット投入スイッチ69が操作されて、1枚のベットが行われると、補助表示部65では、特殊ベット指示演出から、特殊開始指示演出に画面が切り替わる。特殊開始指示演出においても、アタックモード中の各ゲーム数の表示や総獲得数の表示が行われなくなる。そのため、通常ベット時のように、本ベット操作に基づいては、総獲得数の表示は更新されない。また、上記のようにクレジット表示部60はOFFとなっている。そのため、今回のベット操作に基づくクレジット表示部60におけるクレジット数の表示の更新も行われない。
加えて、スピーカ64からは、今回のベット操作が1枚ベットに対応するものであるものの、3枚ベットに対応する3枚ベット時効果音が発せられる。つまり、通常であれば、1枚ベットに対応させた1枚ベット時効果音として、「ベ」が1回発せられるところ、当該特殊ベット時の1枚ベットでは、3枚ベット時効果音として、「ベベベ」と「ベ」が3回発せられる。
<ベット操作用処理>
上記の各演出を行うための処理について説明する。
図137は、ベット操作用処理を示すフローチャートである。ベット操作用処理は、主制御装置101におけるタイマ割込み処理(図27)におけるステップS109のベット枚数のイン・アウトカウンタ処理における一処理として実施される。ベット操作用処理は、ベット枚数のイン・アウトカウンタ処理において、ベット操作が可能となったタイミング(全リール32L,32M,32R停止、且つメダル払出終了)で起動される。
ステップS5501では、特殊上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。特殊上乗せフラグがセットされている場合、次に開始されるゲームは特殊上乗せを行うゲームであることを示し、この場合、ステップS5502にて、特殊操作指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする。特殊操作指示コマンドを受信した表示制御装置81では、特殊上乗せフラグがセットされることとなったゲームの終了に基づいて、上記特殊操作指示演出を発生させるように補助表示部65等を制御する。続くステップS5503では、クレジット表示不可視処理を実行する。具体的には、クレジット表示部60及び払出枚数表示部62の表示をOFFとする。
ステップS5501にて否定判定した場合、又はステップS5503の処理を実行した後は、ステップS5504にて、いずれかのクレジット投入スイッチ56〜58,69の操作がなされたか否かを判定し、操作されるまで待機する。いずれかの操作が行われたことに基づいて、ステップS5505に進む。
ステップS5505では、今回の操作が第1クレジット投入スイッチ56の操作であったか否かを判定する。第1クレジット投入スイッチ56の操作であった場合、ステップS5506にて、3枚ベット処理を実行する。かかる処理は、クレジット数に応じて3枚の仮想メダルを有効にベットするための処理であり、例えば、クレジット数が3枚未満であれば、当該ベット操作が有効ではないと処理する。この場合、例えばステップS5504の処理に戻る。
3枚の仮想メダルを有効にベットした場合、ステップS5507にてクレジットカウンタから今回のベット数に対応する3を減算する処理を行う。この場合、クレジット表示部60の表示は3減算された値に更新される。なお、クレジット表示部60の表示がOFFとなっている場合には、クレジットカウンタの減算だけが行われる。そして、ステップS5508にて、3枚ベット時効果音(ベベベ)が発せられるようにスピーカ64を制御してから、ベット操作用処理を終了する。
ステップS5505にて第1クレジット投入スイッチ56の操作ではないと判定した場合、ステップS5509にて第3クレジット投入スイッチ58の操作であったか否かを判定する。第3クレジット投入スイッチ58の操作であった場合、ステップS5510にて、2枚ベット処理を実行する。かかる処理は、クレジット数に応じて2枚の仮想メダルを有効にベットするための処理であり、例えば、クレジット数が2枚未満であれば、当該ベット操作が有効ではないと処理する。この場合、例えばステップS5504の処理に戻る。
2枚の仮想メダルを有効にベットした場合、ステップS5511にてクレジットカウンタから今回のベット数に対応する2を減算する処理を行う。この場合、クレジット表示部60の表示は2減算された値に更新される。なお、クレジット表示部60の表示がOFFとなっている場合には、クレジットカウンタの減算だけが行われる。そして、ステップS5512にて、2枚ベット時効果音(ベベ)が発せられるようにスピーカ64を制御してから、ベット操作用処理を終了する。
ステップS5509にて第3クレジット投入スイッチ58の操作ではないと判定した場合、ステップS5513にて第2クレジット投入スイッチ57の操作であったか否かを判定する。第2クレジット投入スイッチ57の操作であった場合、ステップS5514にて、1枚ベット処理を実行する。かかる処理は、クレジット数に応じて1枚の仮想メダルを有効にベットするための処理であり、例えば、クレジット数が1枚未満(0枚)であれば、当該ベット操作が有効ではないと処理する。この場合、例えばステップS5504の処理に戻る。
1枚の仮想メダルを有効にベットした場合、ステップS5515にてクレジットカウンタから今回のベット数に対応する1を減算する処理を行う。この場合、クレジット表示部60の表示は1減算された値に更新される。なお、クレジット表示部60の表示がOFFとなっている場合には、クレジットカウンタの減算だけが行われる。そして、ステップS5516にて、1枚ベット時効果音(ベ)が発せられるようにスピーカ64を制御してから、ベット操作用処理を終了する。
ステップS5513にて第2クレジット投入スイッチ57の操作ではないと判定した場合、今回のクレジット投入スイッチの操作が、第4クレジット投入スイッチ69の操作であったことを意味する。この場合、ステップS5517にて、1枚ベット処理を実行する。かかる処理は、ステップS5514の処理と同様である。続くステップS5518では、ステップS5515の処理と同様に、クレジットカウンタから今回のベット数に対応する1を減算する処理を行う。
ステップS5519では、特殊上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。特殊上乗せフラグがセットされていない場合、ステップS5520にて、ステップS5516の処理と同様に、1枚ベット時効果音(ベ)が発せられるようにスピーカ64を制御してから、ベット操作用処理を終了する。
一方、ステップS5519にて特殊上乗せフラグがセットされていると判定した場合、ステップS5521にて、3枚ベット時効果音(ベベベ)が発せられるようにスピーカ64を制御する。そして、ステップS5522にて、特殊開始指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、ベット操作用処理を終了する。特殊開始指示コマンドを受信した表示制御装置81では、特殊開始指示演出を発生させるように補助表示部65等を制御する。
以上のように、特殊上乗せフラグがセットされており、且つ第4クレジット投入スイッチ69が操作された場合には、3枚ベット時効果音が発せられる。そのため、今回の1ベットゲームによる特定モードが、あたかも3ベットゲームであるかのように思わせることができる。
しかも、特殊上乗せフラグがセットされて開始されるゲームでは、クレジット表示部60の表示がOFFとなる。そのため、ベット時にクレジットカウンタの減算だけが行われ、クレジット表示部60の更新が行われない。これにより、クレジット表示部60を見るだけで、1枚ベットなのか3枚ベットなのかが明確に識別可能となることが回避されている。
上記クレジット表示部60の表示をOFFにする際、払出枚数表示部62の表示もOFFとする構成とした。これにより、クレジット表示部60の表示だけがOFFとなる構成よりも、不自然さを低減することができる。よって、特殊操作演出等に注意を寄せさせることが可能となる。
特殊上乗せフラグがセットされている場合であっても、第4クレジット投入スイッチ69ではなく、第2クレジット投入スイッチ57の操作が行われた場合には、1枚ベット用の処理を行うとともに、ベット時効果音は1枚ベットに対応する1枚ベット時効果音を設定する構成とした。これは、そもそもこのような特殊上乗せが行われる状況において、第4クレジット投入スイッチ69ではなく第2クレジット投入スイッチ57を操作する遊技者は、第4クレジット投入スイッチ69の操作によって1枚ベットが行われることを認識しているものと考えられるからである。そのため、1枚ベット時効果音を設定し、1枚ベットが有効に行われたことを確認させる構成としている。
なお、各ゲームにおいてベットはクレジット投入スイッチの操作以外にも、メダル投入口45からメダルの投入によって行われる場合がある。この場合の処理については説明を省略するが、特殊上乗せフラグの有無に関わらず、メダル投入1枚毎に1枚ベット時効果音(ベ)が発せられる。
ちなみに、特殊上乗せフラグがセットされる場合とは、前ゲームにて特定役当選(入賞)が発生している場合であり、少なくとも3枚のメダル払出が行われている。そうすると、特殊上乗せが行われるゲームにおいて、クレジットカウンタが0である状況は通常では発生しにくく、メダル投入口45からメダルを投入しなくても、第4クレジット投入スイッチ69の操作によってベット操作が可能となっている。クレジットカウンタが0である状況とは、特殊上乗せが行われるゲーム前に精算スイッチ59の操作が行われた場合であり、このような行為を行う遊技者は、上記第2クレジット投入スイッチ57が操作される状況と同様に、第4クレジット投入スイッチ69操作により1枚ベットが行われることを認識している可能性が高い。
<入賞時演出の共通性>
特殊特定役と特定役との識別性を低下させる構成として、次に、入賞時演出の共通性について説明する。
図138に示すように、通常上乗せが発生する場合、例えば、各リール32L,32M,32Rに「スイカ」図柄が揃って停止して、スイカ入賞が成立すると、これら「スイカ」図柄に対応する位置のリールを所定の発光部にて照射して、スイカ用払出演出としてのフラッシュ演出が発生する。なお、フラッシュ演出は既存の発光部等の制御によって実現可能である。スイカ入賞が成立すると、スイカ入賞に対応する特典としての5枚のメダル払出が行われる。この場合、メダル払出効果音として、スイカ用払出効果音(例えば、低音で「ドッドッドッ」)がスピーカ64から発せられる。そして、スイカ当選時のスイカテーブルに基づいたゲーム数の上乗せ演出が発生する。
これに対して、特殊上乗せが発生する場合、例えば、各リール32L,32M,32Rに「スイカ」図柄、「スイカ」図柄、「赤ベル」図柄が停止して、特殊スイカ入賞が成立すると、これら特殊スイカに対応する各図柄(スイカ・スイカ・赤ベル)ではなく、「スイカ」図柄に対応する位置のリールを所定の発光部にて照射して、上記スイカ用払出演出としてのフラッシュ演出が発生する。つまり、特殊スイカ入賞ではあるものの、特殊上乗せ時においては、スイカ入賞時に発生する演出である上記スイカ用払出演出が発生する。特殊スイカ入賞が成立すると、特殊スイカ入賞に対応する特典としての1枚のメダル払出が行われる。この場合、メダル払出効果音として、上記スイカ用払出効果音がスピーカ64から発せられる。つまり、特殊スイカ入賞であって、メダル払出数は1枚ではあるものの、特殊上乗せ時においては、スイカ入賞時のメダル払出効果音としてスイカ用払出効果音が発生する。そして、特殊スイカ当選時の特殊スイカテーブルに基づいたゲーム数の上乗せ演出が発生する。
<払出判定処理>
上記の各演出を行うための処理について説明する。
図139は、本実施形態における払出判定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、払出判定処理は、主制御装置101におけるリール制御処理(図32)の一処理(ステップS413)として実施される処理である。
ステップS5601では、今回の入賞結果として、払出が発生し得るか否かを判定する。払出が発生し得る場合、ステップS5602にて、払出用処理を行ってから、本払出判定処理を終了する。一方、ステップS5601にて払出が発生しないと判定した場合、ステップS5603にて、いずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立している場合、ステップS5604にて再遊技用処理を行ってから、本払出判定処理を終了する。
以下、払出用処理及び再遊技用処理について説明する。
<払出用処理>
払出用処理では、図140のフローチャートに示すように、先ずステップS5701にて、特殊上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。特殊上乗せフラグがセットされておらず、今回行ったゲームが特殊上乗せに対応するゲームではない場合は、ステップS5702〜ステップS5705にて、通常遊技モード用の払出設定を行う。一方、特殊上乗せフラグがセットされており、今回行ったゲームが特殊上乗せに対応するゲームであった場合、ステップS5706〜ステップS5728にて、特定モード用の払出設定を行う。
通常遊技モード用の払出設定としては、先ず、ステップS5702にて払出数の把握処理を行う。かかる処理は、今回のベット数と入賞態様とを特定して、特定したベット数と入賞態様とに対応する払出数を把握する。例えば、今回のベット数が3枚であって、ベル(第1小役)入賞が成立していれば9枚のメダル払出が発生すると把握する。また、今回のベット数が3枚であって、スイカ(第26小役等)入賞が成立していれば5枚のメダル払出が発生すると把握する。また、今回のベット数が3枚であって、強チェリー(第25小役等)入賞や弱チェリー(第18小役等)入賞、中段ベル(第29小役)が成立していれば、3枚のメダル払出が発生すると把握する。そして、ボーナス中において今回のベット数が3枚であって、赤7揃い(第30小役)入賞が成立していれば9枚のメダル払出が発生すると把握する。
一方、今回のベット数が1枚であって、特殊ベル(第1P小役)入賞が成立していれば1枚のメダル払出が発生すると把握する。また、今回のベット数が1枚であって、特殊スイカ(第26P小役等)入賞が成立していれば1枚のメダル払出が発生すると把握する。また、今回のベット数が1枚であって、特殊強チェリー(第25P小役等)入賞や特殊弱チェリー(第18P小役等)入賞、特殊中段ベル(第29P小役)が成立していれば、1枚のメダル払出が発生すると把握する。また、今回のベット数が1枚であって、特殊赤7揃い(第30P小役)入賞が成立していれば1枚のメダル払出が発生すると把握する。
ステップS5702の処理を行った後は、ステップS5703にて、ステップS5702にて把握した払出数のメダル払出を行う払出処理を実行する。具体的には、把握した払出数のメダルが払い出されるようにホッパ装置51を制御する。この場合、払出数をクレジットカウンタに加算するとともに、クレジットカウンタの上限値を超える分のメダル払出が行われるようにホッパ装置51を制御する。つまり、払出数をクレジットカウンタに加算してもクレジットカウンタの上限値以下である場合には、ホッパ装置51からメダル払出は行われない。
続くステップS5704では、入賞役に対応する払出効果音を設定する。例えば、スイカ(第26小役)入賞が成立していれば、スイカ用払出効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。また、特殊スイカ(第26P小役)入賞が成立していれば、特殊スイカ用払出効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。スイカ用払出効果音と特殊スイカ用払出効果音は、遊技者が識別可能な程度に異なる音が設定されており、例えば、スイカ用払出効果音は上記の「ドッドッドッ」という低音が設定されており、特殊スイカ用払出音は「ドッ」という低音でスイカ用払出効果音よりも短い音が設定されている。なお、他の特定役の払出効果音と特殊特定役の払出効果音も、遊技者が識別可能な程度に異なる音が設定されている。この場合、上記のホッパ装置51からのメダル払出が行われるか否かに関わらず、払出効果音の設定が行われる。つまり、クレジットカウンタに払出数が加算されるだけの場合であっても、払出効果音は設定される。
続くステップS5705では、入賞役に対応する払出演出を設定する。例えば、スイカ(第26小役)入賞が成立していれば、スイカ用払出演出としてのフラッシュ演出を発生させる。また、スイカ用払出演出として、上記5枚のメダル払出に対応させて5の数字を払出枚数表示部62に表示するように、払出枚数表示部62を制御する。特殊スイカ(第26P小役)入賞が成立していれば、特殊スイカ用払出演出として、各リール32L,32M,32Rを照らす発光部を消灯させる消灯演出を発生させる。特殊スイカ用払出演出として、上記1枚のメダル払出に対応させて1の数字を払出枚数表示部62に表示するように、払出枚数表示部62を制御する。すなわち、スイカ用払出演出と特殊スイカ用払出演出とは、遊技者が識別可能なように異なる演出となっている。なお、他の特定役の払出演出と特殊特定役の払出演出も、遊技者が識別可能なように異なる演出が設定されており、各リール32L,32M,32R上のフラッシュ演出と消灯演出との相違、及び払出枚数表示部62に表示される払出枚数の相違によって識別可能となっている。
ステップS5705の処理を行った後は、本払出用処理を終了する。
特定モード用の払出設定としては、先ず、ステップS5706にて、今回のゲームのベット枚数が特定数としての1枚であったか否かを判定する。1枚ではなかった場合には、ステップS5702に進み、通常遊技モード用の払出設定を行う。
特殊上乗せフラグがセットされており、且つ1枚ベットで行われたゲームであれば、ステップS5707に進む。ステップS5707では、上乗せカウンタを1減算する処理を行う。そして、ステップS5708にて、上乗せカウンタが0となったか否かを判定する。0となっている場合には、ステップS5709にて、特殊上乗せフラグをクリアする。なお、ステップS5707〜ステップS5709の処理は、複数回の特殊上乗せゲームが連続して発生する場合の処理である。
ステップS5708にて否定判定した場合、又はステップS5709の処理を実行した後は、ステップS5710に進む。ステップS5710では、特殊スイカ(第26P小役)入賞が成立しているか否かを判定する。特殊スイカ入賞が成立している場合、ステップS5711にて、特殊スイカ入賞に対応する払出処理を行う。この場合、上記ステップS5703の払出処理とは異なり、今回の払出数をクレジットカウンタに加算して、クレジットカウンタの上限値を超える事象は発生しにくい。つまり、今回の特定モードにおける1枚ベットによって、クレジットカウンタは1減算されており、今回の払出数である1を加算してもクレジットカウンタの上限値を超えない。クレジットカウンタの上限値を超えない場合はメダル払出が行われず、クレジットカウンタの上限値を超える場合だけホッパ装置51を制御してメダル払出を行う構成は上述の通りである。なお、実際のメダル払出が発生する場合とは、特定モード開始前にクレジットカウンタが上限値であって、当該特定モードがメダル投入口45から1枚のメダルが投入されて実施された場合である。かかる払出処理は、他の特殊特定役入賞においても同様である。
続くステップS5712では、今回の入賞結果である特殊スイカ入賞ではなくスイカ入賞に対応させて、スイカ用払出効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。この場合、実際のメダル払出が行われるか否かに関わらず、払出効果音を設定する。そして、ステップS5713にて、今回の入賞結果である特殊スイカ入賞ではなくスイカ入賞に対応させて、スイカ用払出演出が行われるように制御する。具体的には、スイカ用払出演出としてのフラッシュ演出を発生させる。但し、上記のように特殊上乗せ発生時には払出枚数表示部62の表示がOFFとなっているため、払出数の表示用の処理は行わない。
ステップS5710にて特殊スイカ入賞が成立していないと判定した場合、ステップS5714にて特殊強チェリー(第25P小役等)入賞が成立しているか否かを判定する。特殊強チェリー入賞が成立している場合、ステップS5715にて、特殊強チェリー入賞に対応する払出処理を行う。
続くステップS5716では、今回の入賞結果である特殊強チェリー入賞ではなく強チェリー入賞に対応させて、強チェリー用払出効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。そして、ステップS5717にて、今回の入賞結果である特殊強チェリー入賞ではなく強チェリー入賞に対応させて、強チェリー用払出演出が行われるように制御する。具体的には、強チェリー用払出演出としてのフラッシュ演出を発生させる。但し、上記のように特殊上乗せ発生時には払出枚数表示部62の表示がOFFとなっているため、払出数の表示用の処理は行わない。
ステップS5714にて特殊強チェリー入賞が成立していないと判定した場合、ステップS5718にて特殊弱チェリー(第18P小役等)入賞が成立しているか否かを判定する。特殊弱チェリー入賞が成立している場合、ステップS5719にて、特殊弱チェリー入賞に対応する払出処理を行う。
続くステップS5720では、今回の入賞結果である特殊弱チェリー入賞ではなく弱チェリー入賞に対応させて、弱チェリー用払出効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。そして、ステップS5721にて、今回の入賞結果である特殊弱チェリー入賞ではなく弱チェリー入賞に対応させて、弱チェリー用払出演出が行われるように制御する。具体的には、弱チェリー用払出演出としてのフラッシュ演出を発生させる。但し、上記のように特殊上乗せ発生時には払出枚数表示部62の表示がOFFとなっているため、払出数の表示用の処理は行わない。
ステップS5718にて特殊弱チェリー入賞が成立していないと判定した場合、ステップS5722にて特殊中段ベル(第29P小役等)入賞が成立しているか否かを判定する。特殊中段ベル入賞が成立している場合、ステップS5723にて、特殊中段ベル入賞に対応する払出処理を行う。
続くステップS5724では、今回の入賞結果である特殊中段ベル入賞ではなく中段ベル入賞に対応させて、中段ベル用払出効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。そして、ステップS5725にて、今回の入賞結果である特殊中段ベル入賞ではなく中段ベル入賞に対応させて、中段ベル用払出演出が行われるように制御する。具体的には、中段ベル用払出演出としてのフラッシュ演出を発生させる。但し、上記のように特殊上乗せ発生時には払出枚数表示部62の表示がOFFとなっているため、払出数の表示用の処理は行わない。
ステップS5722にて特殊中段ベル入賞が成立していないと判定した場合は、今回の特定モードにおける入賞結果が、特殊赤7揃い(第30P小役)入賞であったことを意味する。この場合、ステップS5726にて、特殊赤7揃い入賞に対応する払出処理を行う。
続くステップS5727では、今回の入賞結果である特殊赤7揃い入賞ではなく赤7揃い入賞に対応させて、赤7揃い用払出効果音が発せられるようにスピーカ64を制御する。そして、ステップS5728にて、今回の入賞結果である特殊赤7揃い入賞ではなく赤7揃い入賞に対応させて、赤7揃い用払出演出が行われるように制御する。具体的には、赤7揃い用払出演出としてのフラッシュ演出を発生させる。但し、上記のように特殊上乗せ発生時には払出枚数表示部62の表示がOFFとなっているため、払出数の表示用の処理は行わない。
ステップS5713、ステップS5717、ステップS5721、ステップS5725及びステップS5728のいずれかの処理を行った後は、特定モード用の払出設定を終え、払出用処理を終了する。
<再遊技用処理>
次に、払出判定処理(図139)における再遊技用処理について、図141のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS5801では、特殊上乗せがセットされているか否かを判定する。特殊上乗せがセットされていない場合、ステップS5802及びステップS5803にて通常遊技モード用の処理を行う。一方、特殊上乗せフラグがセットされている場合、ステップS5804〜ステップS5809にて特定モード用の処理を行う。
すなわち、通常遊技モード用の処理として、ステップS5802では、ベット時効果音設定処理を行う。かかる処理では、今回実施されたゲームのベット数に応じた数の再ベットが行われることに対応させたベット時効果音を設定する。具体的には、3ベットゲームにて再遊技入賞が発生した場合には3枚ベット時効果音(ベベベ)を設定し、2ベットゲームにて再遊技入賞が発生した場合には2枚ベット時効果音(ベベ)を設定し、1ベットゲームにて再遊技入賞が発生した場合には1枚ベット時効果音(ベ)を設定する。これら設定されたベット時効果音は、再遊技入賞に基づいて次ゲームに仮想メダルの自動投入が行われる際にスピーカ64から出力される。具体的には、通常処理(図28)における開始待ち処理にて自動投入処理が行われ、この自動投入に合わせて設定されているベット時効果音が出力される。
続くステップS5803の再ベット処理は、今回実施されたゲームのベット数に応じた数を、通常処理(図28)における開始待ち処理(ステップS204)にて自動的にベットするための準備を行う処理である。具体的には、3ベットゲームであれば3枚ベットが開始待ち処理にて行われるように各種フラグ格納エリア106dに3枚自動投入フラグをセットし、2ベットゲームであれば2枚ベットが開始待ち処理にて行われるように各種フラグ格納エリア106dに2枚自動投入フラグをセットし、1ベットゲームであれば1枚ベットが開始待ち処理にて行われるように各種フラグ格納エリア106dに1枚自動投入フラグをセットする。開始待ち処理では、これら自動投入フラグを確認することで、前回のゲームにて再遊技入賞が成立したことを特定可能であり、セットされている自動投入フラグに応じた数の仮想メダルの自動投入処理を行う。そして、当該自動投入に際して、上記ステップS5802にて設定されたベット時効果音が出力される。ステップS5803の処理を行った後は、再遊技用処理を終了する。
ステップS5801にて特殊上乗せフラグがセットされている場合、特定モード用の処理として、ステップS5804では、今回のゲームが1ベットゲームであったか否かを判定する。1ベットゲームではなければ、ステップS5802に進み、通常遊技モード用の処理を行う。1ベットゲームであれば、ステップS5805にて、上乗せカウンタの減算処理を行う。そして、ステップS5806にて上乗せカウンタが0であるか否かを判定し、0であればステップS5807にて特殊上乗せフラグをクリアする処理を行う。これらステップS5805〜ステップS5807の処理は、ステップS5707〜ステップS5709の処理に対応するものである。
ステップS5806にて上乗せカウンタが0ではない場合、又はステップS5807の処理を実行した後は、ステップS5808にて3枚ベット時効果音を設定する処理を行う。そして、ステップS5809にて、特殊再ベット処理として、1枚ベットが開始待ち処理にて行われるように1枚自動投入フラグをセットする。これにより、特殊上乗せにて特殊リプレイ入賞が成立した場合の次ゲームでは、1枚の仮想メダルの自動投入が行われるとともに、3枚ベット時効果音が出力される。そのため、特殊上乗せが行われたゲームが1ベットゲームであったことを悟られにくくすることができる。その後、再遊技用処理を終了する。
以上のように、特殊上乗せが行われる特定モードにおいて、特殊特定役入賞が成立した場合、対応する特典である1枚のメダル払出が行われる一方で、払出効果音や払出演出は特殊特定役入賞に対応するものではなく、特定役に対応する払出効果音や払出演出が設定される。これにより、特定役入賞と特殊特定役入賞とのいずれが入賞したかをわかりにくくすることができる。
一方、特殊特定役入賞が成立した場合であっても、特殊上乗せフラグが設定されていない状況で行われたゲームであれば、特定役入賞に対応する払出効果音や払出演出ではなく、特殊特定役入賞に対応するものが設定される。これにより、特殊上乗せが有効ではないことを、遊技者は明確に認識することが可能となり、例えば、通常遊技状態において1ベットゲームにて特殊赤7揃い入賞が成立したのにも関わらず上乗せが発生しないことを、不自然と思わせないようにすることができる。
特殊上乗せにおいて、特殊再遊技入賞が成立した場合、1枚の仮想メダルを自動投入する構成としつつ、3枚ベット時効果音が発せられるようにした。このようにしたことで、特殊上乗せが行われたゲームにて特殊再遊技入賞が成立したのか、単に特殊上乗せに関係なく1ベットゲームを行って特殊再遊技入賞が成立したのかを、明確に区別させることができる。
<変形例1>
本変形例1では、特殊上乗せ時の上乗せゲームの決定に際し、特殊上乗せの契機となった遊技結果を加味する。つまり、特定モードにおける遊技結果だけでなく、特定モードを実行することとなった通常遊技モードの遊技結果を加味して特定モードにおける特典を決定する構成である。
図142は、本変形例1における特殊上乗せ用の抽選テーブルを示している。特殊上乗せ用の抽選テーブルは、上記特定モード用抽選結果対応処理の各処理(ステップS5403、ステップS5405、ステップS5407、ステップS5409、ステップS5411、ステップS5412)にて取得される。
本変形例1における特殊スイカテーブル、特殊強チェリーテーブル、特殊弱チェリーテーブル、特殊中段ベルテーブルでは、図142(a)〜図142(d)に示すように、今回の上乗せ当選の契機となった特定役の種類に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されている。この場合、上乗せ契機となった当選役と、今回の特殊役とが対応する(連続する)場合が、最も上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
すなわち、特殊スイカテーブルでは、上乗せ当選の契機がスイカ当選であって、その後に実施された特殊上乗せとしての特定モードにおいて、特殊スイカ当選となると、スイカ当選が2連続で発生したかのような停止出目のゲームが連続することとなり、この場合が特殊上乗せの上乗せゲーム数が最も多くなるように設定されている。また、特殊強チェリーテーブルでは、上乗せ当選の契機が強チェリー当選であって、その後に実施された特殊上乗せとしての特定モードにおいて、特殊強チェリー当選となると、強チェリー当選が2連続で発生したかのような停止出目のゲームが連続することとなり、この場合が特殊上乗せの上乗せゲーム数が最も多くなるように設定されている。特殊弱チェリーテーブルでは、上乗せ当選の契機が弱チェリー当選であって、その後に実施された特殊上乗せとしての特定モードにおいて、特殊弱チェリー当選となると、弱チェリー当選が2連続で発生したかのような停止出目のゲームが連続することとなり、この場合が特殊上乗せの上乗せゲーム数が最も多くなるように設定されている。特殊中段ベルテーブルについても、上乗せ当選の契機が中段ベル当選であって、その後に実施された特殊上乗せとしての特定モードにおいて、特殊中段ベル当選となると、中段ベル当選が2連続で発生したかのような停止出目のゲームが連続することとなり、この場合が特殊上乗せの上乗せゲーム数が最も多くなるように設定されている。
特殊リプレイテーブル及び特殊赤7揃いテーブルでは、上記他の特殊特定役のテーブルの場合とは異なり、特定役と対応する特殊特定役とが連続して当選する事象は生じない。そのため、図142(e)及び図142(f)に示すように、特殊リプレイテーブル及び特殊赤7揃いテーブルでは、今回の上乗せ当選の契機となった特定役の種類に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されている。
以上のようにすることで、特殊上乗せの発生契機となった通常遊技モードにおける遊技結果を加味して上乗せゲーム数が決定されるため、特定モード単独で決定する構成と比較して、ゲーム性が向上する。
この場合、例えば、通常遊技モードにおいて各種特定役に連続で当選した場合には、連続で当選しない場合とは異なる抽選テーブルにて上乗せゲーム数を決定する構成とするとよい。このようにすると、上記通常遊技モードにおける特定役当選と特定モードにおける特殊特定役当選との連続性を、通常遊技モードにおける特定役当選の連続性に対応付けることができ、当該通常遊技モードと特定モードとの連続性を、通常遊技モードにおける連続性と識別しにくくすることができる。
<変形例2>
本変形例2では、特定モード中の抽選テーブルでは、当選し得る役として、特殊リプレイの代わりに、特殊BARリプレイ1(IV=61)が設定されている。
図143に示すように、インデックス値IV=61において、特殊BARリプレイ当選時に入賞し得る役としては、上記第1の実施形態とは異なり、第1特殊再遊技、第6特殊再遊技、第7特殊再遊技、第8特殊再遊技が設定されている。
これら各特殊再遊技は、いずれも入賞時の特典として再遊技が付与される。図144に示すように、第1特殊再遊技は、左リール32Lに「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止し、中リール32Mに「赤ベル」図柄が停止し、右リール32Rに「赤ベル」図柄が停止する、上記第1リプ小役と同様の入賞態様として設定されている。また、第6特殊再遊技入賞は、左リール32Lに「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止し、中リール32Mに「第1リプレイ」図柄又は「第2リプレイ」図柄が停止し、右リール32Rに「BAR」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄のいずれかが停止する、上記第6Pリプ小役と同様の入賞態様として設定されている。第7特殊再遊技入賞は、左リール32Lに「第1リプレイ」図柄が停止し、中リール32Mに「BAR」図柄が停止し、右リール32Rに「BAR」図柄又は「青年」図柄が停止する、上記第7リプ小役と同様の入賞態様として設定されている。第8特殊再遊技入賞は、左リール32Lに「第1リプレイ」図柄が停止し、中リール32Mに「BAR」図柄が停止し、右リール32Rに「赤ベル」図柄が停止する、上記第8リプ小役と同様の入賞態様として設定されている。
特殊BARリプレイ1に当選した場合に、図145に示すように、ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず、いずれかの特殊再遊技が入賞する。この場合、第7特殊再遊技(BAR中段揃い)入賞が成立し得るタイミングでストップスイッチ42〜44の操作が行われた場合には第7特殊再遊技入賞が成立し、第7特殊再遊技入賞が成立しないタイミングでストップスイッチ42〜44の操作が行われた場合には他の特殊再遊技入賞が成立する。
アタックモード中の特殊上乗せ時において、上記特殊BARリプレイ1に当選した場合には、VBモード当選が付与される。この場合、特殊上乗せが終了した後、VBモード用の前兆モードを介さずにVBモード当選報知が行われ、第2昇格リプレイ1,2当選時に第4,第5再遊技入賞が成立した後、VBモードに移行する。
本変形例2の特殊上乗せの様子を、図146を参照しながら説明する。
上記のように、本変形例2における特定モード中の抽選テーブルでは、特殊BARリプレイ1に当選する場合があり、当該特殊BARリプレイ1に当選すると、再遊技入賞となり、次ゲームも1ベットゲームにて実行される。すなわち、本変形例2における抽選テーブルでは、6分の5の確率で上記特殊スイカ、特殊強チェリー、特殊弱チェリー、特殊赤7揃いのいずれかの特殊特定役に当選し、6分の1の確率で特殊BARリプレイ1に当選する。当該6分の5の確率で当選する特殊特定役に当選した場合には、上記のように特殊上乗せ用の抽選テーブルを取得して、上乗せゲーム数が決定されて、アタックモードのゲーム数上乗せが発生する。
一方、6分の1の確率で特殊BARリプレイ1に当選すると、入賞時の特典として、再遊技とともに、VBモード当選が付与される。そして、補助表示部65においては、VBモードに当選したことを示す「VB+1」という表示がなされる。
本変形例2では、再遊技入賞により特殊上乗せは終了せず、次ゲームも特殊上乗せが行われる。そうすると、次ゲームにおいても、6分の1の確率で特殊BARリプレイ1に当選する可能性がある。特殊BARリプレイ1に当選すると、上記と同様に、入賞時の特典として、再遊技とともに、VBモード当選が付与される。そして、補助表示部65においては、VBモードに当選したことを示す「VB+1」という表示がなされる。
上記のように再遊技入賞により、次ゲームにおいても特殊上乗せが行われる。図146の例では、今回のゲームでは、特殊BARリプレイ1ではなく、特殊特定役としての特殊スイカ当選となり、対応するゲーム数の上乗せが発生する。そして、特殊特定役入賞により、今回の特殊上乗せが終了する。
図146の例では、都合、2回のVBモードに当選したこととなる。この場合、特殊上乗せが終了すると、VBモード当選報知が行われ、第4,第5再遊技入賞を経て1回目のVBモードが実行される。当該1回目のVBモードが終了すると、通常遊技状態から移行出目による第1RT状態への移行、第3再遊技入賞による第2RT状態への移行を経て、第4,第5再遊技入賞により2回目のVBモードが実行される。2回目のVBモードが終了すると、通常遊技状態から第2RT状態まで移行するとともに、アタックモードに移行する。
以上のようにすることで、特殊上乗せが行われる場合の遊技性が向上する。すなわち、再遊技入賞の際に特殊上乗せが終了しないようにすることで、特殊上乗せ後に1ベットゲームにて通常遊技モードの遊技が実行される不都合が解消される。
なお、上記構成を、例えば特化ゾーンに用いてもよい。具体的には、アタックモード中に発生した特殊上乗せにおいては、上記第2の実施形態のものを採用し、特化ゾーン中に発生した特殊上乗せにおいては、上記変形例2のものを採用する。このようにすることで、特化ゾーンにおいて上乗せが連続して発生する様を、再遊技入賞による不都合を逆手にとって再現することが可能となる。
<変形例3>
本変形例3では、特殊上乗せフラグがセットされている状況において、1枚ベットではなく3枚ベットによるゲームが実施されて場合には、3枚ベットによる通常遊技モードにおける抽選結果に応じた上乗せを発生させる。なお、本変形例3では、抽選結果対応処理(図134(a))において、ステップS5301の処理にてベット数が3ベットである場合には、特殊上乗せフラグがセットされてなければ、ステップS701の通常時の抽選結果対応処理に進み、特殊上乗せフラグがセットされていれば、図134(b)の特定モード用抽選結果対応処理と略同様の処理に進む。すなわち、ベット数が3ベットである場合であって、特殊上乗せフラグがセットされている場合の処理では、上記図134(b)のフローにおけるステップS5402〜ステップS5414の処理において、各特殊特定役を特定役と読み替えて適用する。例えば、ステップS5402の特殊スイカ当選か否かの処理では、スイカ当選か否かと判定し、スイカ当選である場合には、ステップS5403にて特殊上乗せ用の特定役テーブルとしてスイカテーブルを取得する。
図147は、特殊上乗せ用の特殊特定役テーブルと、特殊上乗せ用の特定役テーブルとを示している。図147(a1)〜図147(a6)の特殊特定役テーブルは、上記図135(a1)〜図135(a6)のものと同様である。これに対して、特殊上乗せ用の特定役テーブルでは、図147(b1)〜図147(b4)に示すように、特殊特定役テーブルにおける上乗せゲーム数よりも多いゲーム数が選択されるように設定されている。
一方、図147(b5)に示すリプレイテーブルでは、上乗せゲーム数は設定されておらず、上乗せは発生しない。また、図147(b6)に示す赤7揃いテーブルにおいても上乗せゲーム数は設定されていない。
すなわち、通常遊技モードにおける当否判定では、特定役当選となる確率は特定モードにおいて特殊特定役当選となる確率よりも低くなっている。その点、特殊上乗せを通常遊技モードにて実行し且つ特定役当選となれば、特殊上乗せを特定モードで実行し且つ特殊特定役当選となった場合よりも多いゲーム数の上乗せが発生する。このように、特定モードにて行う特殊上乗せと、通常遊技モードにて行う特殊上乗せといった大きく異なる遊技性を遊技者に選択させることで、特殊上乗せ時の遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
また、特殊上乗せが通常遊技モードにて実施された場合、リプレイ当選時には上乗せが発生しないようにした。これにより、比較的確率の高いリプレイに当選することで通常遊技モードでも上乗せが発生する不均衡を解消することができる。
<変形例4>
本変形例4においては、第4クレジット投入スイッチ69が操作された場合に、1枚ベットが行われる場合と、3枚ベットが行われる場合とがある。図148は、本変形例4におけるベット操作用処理の一部を示している。
すなわち、図137におけるステップS5513にて第2クレジット投入スイッチ57の操作ではなく第4クレジット投入スイッチ69の操作がなされたと判定した場合、ステップS5901に進む。ステップS5901では、特殊上乗せフラグがセットされているか否かを判定する。特殊上乗せフラグがセットされている場合は、ステップS5902〜ステップS5904にて、上記ステップS5517及びステップS5518の1枚ベット用の処理と、ステップS5521の3枚ベット時効果音の設定処理を行う。
ステップS5901にて特殊上乗せフラグがセットされていない場合には、ステップS5905にて3枚ベット処理を行い、ステップS5906にてクレジットカウンタを3減算する処理を行い、ステップS5907にて3枚ベット時効果音を設定する。かかる処理は、上記ステップS5506〜ステップS5508の処理と同様である。ステップS5904又はステップS5907の処理を行った後は、本操作用処理を終了する。
このようにすることで、第4クレジット投入スイッチ69を通常遊技モードにおいても利用することができる。この場合、例えば、通常遊技モードにおける通常上乗せが発生するゲームにて、第4クレジット投入スイッチ69の操作を行わせることが可能な構成とよい。例えば、通常上乗せにおいて上乗せゲーム数の報知を1ゲーム終了時(全リール32L,32M,32R停止時)に行う構成に代え又は加えて、上乗せゲーム数の報知を次ゲームのベット操作時に行う構成とする。そして、当該次ゲームのベット操作として、特殊操作指示演出を発生させて第4クレジット投入スイッチ69の操作を促し、当該第4クレジット投入スイッチ69の操作に基づいて上記上乗せゲーム数の報知を行う。このようにすると、通常遊技モードにおいて、アタックモードの上乗せが発生し得る状況で特定役当選となったゲームにおいて、上乗せゲーム数の報知が、当該ゲームの終了時に行われる場合と、次ゲームのベット操作時(第4クレジット投入スイッチ69の操作時)に行われる場合と、当該次ゲームの終了時に行われる場合と、が存在し、上乗せゲーム数の報知態様を多様なものとすることができる。
この場合、通常遊技モードにおいて特定役当選ゲームの終了時に報知されるゲーム数よりも、次ゲームのベット操作時に報知されるゲーム数の方が多いゲーム数となり易く、次ゲームのベット操作時に報知されるゲーム数よりも次ゲームの終了時に報知されるゲーム数の方が多いゲーム数となり易いようにしてもよい。このようにすると、報知されるタイミングが遅いほど有利であることを期待できる構成となり、上乗せ報知が行われる状況へ大きな関心を寄せさせることができる。
先のタイミングで報知されるゲーム数を、後のタイミングのゲーム数報知にて書き換える構成としてもよい。例えば、先のタイミングとして特定役当選時のゲームの終了時に、例えば10ゲームの上乗せを報知し、第4クレジット投入スイッチ69の操作に基づいて例えば30ゲームの上乗せに書き換える構成としてもよいし、特定モードにおけるゲームの結果に基づいて当該ゲームの終了時に例えば100ゲームの上乗せに書き換える構成としてもよい。このようにすれば、遊技者の操作を伴って段階的な上乗せが行われ得るため、各操作の楽しみを大いに向上させることができる。
<変形例5>
上記変形例4のように、第4クレジット投入スイッチ69の操作に基づいて、1ベット及び3ベットのいずれもが可能となる構成において、第4クレジット投入スイッチ69の操作に基づくベット数が遊技者に識別されにくい構成としてもよい。例えば、変形例4において、特殊操作指示演出が発生した場合において、第4クレジット投入スイッチ69を操作して、スタートレバー41の操作を行って開始するゲームが、遊技者は1ベットによる特定モードであるか、それとも3ベットによる通常遊技モードであるか、がわかりにくい構成とする。この場合、特殊上乗せに当選していれば当該ゲームは特定モードによるゲームであり、特殊上乗せに当選していなければ当該ゲームは通常遊技モードとなる。
以上のように、1ベットゲームと3ベットゲームとを、ベット操作からも識別困難とすることで、遊技者にとっては両ゲームのいずれが実施されているかがよりわかりにくくなり、特定役(特殊特定役)当選を願いつつ、各ストップスイッチ42〜44の操作が行われるものと考えられる。よって、遊技へより高い関心を寄せさせることができる。
特に、1ベットゲームと3ベットゲームとが、遊技状態の移行を介することなく行き来可能であるため、いずれのゲームが実施されているがより一層わかりにくいものとなっている。そして、上記のように遊技状態の移行を介することなく行き来可能な構成であるため、1ベットゲームと3ベットゲームとの行き来を様々なタイミングで発生させることが可能であり、例えば、上記第2の実施形態のように特殊上乗せに当選した場合に限らず、何らかの演出を発生させたい場合や何らかの特典を付与したい場合に、3ベットゲームから1ベットゲームに移行させる構成とすることが可能である。
<変形例6>
本変形例6では、第4クレジット投入スイッチ69の構成を変更する。図149は、本変形例6におけるスロットマシン10の斜視図である。
本変形例6では、各ストップスイッチ42〜44を挟んでスタートレバー41と反対側に、第5クレジット投入スイッチ75が設けられている。当該第5クレジット投入スイッチ75は、上下に切換操作が可能なレバータイプの操作部となっている。通常時は上方の初期位置に配置され、下方の操作位置に向けて第5クレジット投入スイッチ75が操作されると、当該第5クレジット投入スイッチ75の操作が有効なものとして、操作検出信号が主制御装置101へ出力される。主制御装置101では、当該操作検出信号に基づいて1枚ベットの操作が行われたと判定する。第5クレジット投入スイッチ75内部には、操作位置から初期位置に向けて付勢する図示しない付勢手段(板バネ等)が設けられており、当該付勢手段によって、操作位置まで操作された第5クレジット投入スイッチ75は初期位置に自動的に復帰する。
第5クレジット投入スイッチ75に対して並設させて右方には、第2スタートレバー76が設けられている。第2スタートレバー76は、第1スタートレバー41と同等の機能を有するものであり、各ゲームの開始条件が成立している場合に、第2スタートレバー76を操作すると各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるとともに当該ゲームの抽選が行われる。
第5クレジット投入スイッチ75の先端部には、左右半分(左半分)の球形をなした第1操作部75aが設けられている。また、第2スタートレバー76の先端部には、左右半分(右半分)の球形をなした第2操作部76aが設けられている。そして、両操作部75a,76aによって、球形が形成されるように、第5クレジット投入スイッチ75及び第2スタートレバー76が近接させて設置されている。そのため、第5クレジット投入スイッチ75の第1操作部75aと第2スタートレバー76の第2操作部76aとは、同時に操作が可能となっており、第5クレジット投入スイッチ75の操作が行われる場合には、第2スタートレバー76の操作も行われ易く、第2スタートレバー76の操作が行われる場合には、第5クレジット投入スイッチ75の操作も行われ易くなっている。
第5クレジット投入スイッチ75において第1操作部75aよりもスロットマシン10本体側である第1レバー本体75bには、第2スタートレバー76において第2操作部76aよりもスロットマシン10本体側である第2レバー本体76bを上方から覆うクレジット側カバー75cが設けられている。当該クレジット側カバー75cが設けられていることにより、第5クレジット投入スイッチ75が下方に向けて操作されると、クレジット側カバー75cによって第2スタートレバー76の第2レバー本体76bが下方に向けて押圧され、第2スタートレバー76が操作される。これにより、第5クレジット投入スイッチ75の操作が行われる場合には、第2スタートレバー76の操作も行われることとなる。
以上のような構成とすることで、特殊上乗せ等の発生時に、スタートレバーの操作を別途行わせることなく、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させることが可能となる。これにより、特定モードにおけるゲームを通常遊技モードにおけるゲームとの識別性を低下させつつも、特定モードにおけるゲームを特殊なゲームである印象を強めることができる。
また、上記のように第5クレジット投入スイッチ75の操作に基づいて第2スタートレバー76の操作がなされる構成となるため、特殊上乗せ等の発生時の操作性が向上するだけでなく、ベット操作からゲームの開始までの期間が、それぞれ別々に操作させる構成と比較して、短くなる。このようにすることで、特殊上乗せ等の発生時のゲームにおいて、ベット操作に基づいてクレジットが減算される事象や有効ラインが設定される様を確認させにくくすることが可能となる。これにより、特定モードと通常遊技モードとの識別性をより低くすることが可能となる。
上記のように、第5クレジット投入スイッチ75の操作に基づいて第2スタートレバー76が操作される構成としつつも、1ベットの操作が可能な第2クレジット投入スイッチ57や、スタートレバー41は別途設けられている。そのため、特殊上乗せ等が発生するゲームにおいて、ベット操作と開始操作とをそれぞれ別々に行うことは可能となっている。このようにすることで、遊技者の操作に基づいてゲームを開始して、操作に基づいてゲームを終了する、というスロットマシン10の遊技の醍醐味を削ぐことのない範囲で、第5クレジット投入スイッチ75や第2スタートレバー76による操作性の向上を図ることができる。
<第3の実施形態>
本実施の形態では、補助タンク54に関する構成が上記各実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態について図150〜図153を参照して説明する。図150は補助タンク54を下向き姿勢とした状態の斜視図、図151は図150におけるF−F線断面に対応する補助タンク54の設置状態を示す説明図、図152は補助タンク54を上向き姿勢とした場合の底部の部分拡大図、図153は下側開口部603が開閉する様子を示す説明図である。なお、これらの図において上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図150及び図151に示すように、補助タンク54は略箱状のタンク本体601を備えている。タンク本体601は、透明性を有する合成樹脂によって形成されており、その外側から内部を視認可能となっている。タンク本体601の底板部602には、底板部602を厚み方向に貫通する下側開口部603が設けられている。下側開口部603は、平面視においてタンク本体601の長手方向に沿って延びる縦長の略長方形状をなしており、底板部602の中央部に配置されている。
底板部602の裏面602bには、下側開口部603の周囲を囲むようにして傾斜部604が設けられている。傾斜部604は、底板部602の長手方向において下側開口部603の両側に設けられた前側傾斜部604a及び後側傾斜部604bと、底板部602の短手方向において下側開口部603の両側に設けられた右側傾斜部604c及び左側傾斜部604dとによって構成されている。これら各傾斜部604a〜604dは、いずれも下側開口部603に向けて下る傾斜状となっており、誘導プレート52a(図5参照)からのメダルは、各傾斜部604a〜604dの傾斜に沿って下側開口部603に誘導される。
このように、本実施の形態では、誘導プレート52aからのメダルを一旦裏面602b上に落下させ、それを下側開口部603に集合させる構成となっている。このため、下側開口部603は、平面視での開口サイズが上記各実施の形態に係る下側開口部512(図13参照)よりも小さくなっており、細長状を有している。
底板部602の裏面602bには、上方に突出する底板突出部605が設けられている。底板突出部605は、底板部602の周縁部に沿って周状に連続しており、底板部602の全周に亘って形成されている。補助タンク54を下向き姿勢とした場合の底板突出部605の上面605a(補助タンク54を上向き姿勢とした場合の底板11aとの設置面)は、平坦状とされ、補助タンク54を上向き姿勢とした場合のフランジ部571の上面と略平行となっている。底板突出部605は、タンク本体601に一体形成されており、所定の高さに形成されている。
図152に示すように、底板部602の表面602aには、下側開口部512を開閉する底蓋606と、底蓋606を支持する支持部607とが設けられている。支持部607は、底蓋606を、下側開口部603を閉鎖する閉鎖位置(図151参照)と、閉鎖位置からタンク本体601の内方に回動して下側開口部603を開放する開放位置(図153(b)参照)とに回動可能に支持している。
支持部607は、下側開口部603の周囲において表面602aからタンク本体601の内方に起立する起立部608によって構成されている。起立部608は、底板部602の長手方向において下側開口部512の両側に設けられた前側起立部608a及び後側起立部608bと、底板部602の短手方向において下側開口部512の両側に設けられた右側起立部608c及び左側起立部608dとを備えている。これらの起立部608a〜608dは平面視において枠状に連続している。
各起立部608a〜608dは、タンク本体601に一体形成され、下側開口部603の周縁部から外側に所定の距離だけ離間して配置されている。すなわち、前側起立部608aと後側起立部608bとの距離は、下側開口部603の長手方向寸法よりも大きく、右側起立部608cと左側起立部608dとの距離は、下側開口部603の短手方向寸法よりも大きくなっている。これにより、各起立部608a〜608dと、各起立部608a〜608dの内側における底板部602の表面602aとによって、略角柱状の凹部609が形成されている。
図153(b)に示すように、底蓋606は、平面視略長方形状の蓋本体610を備えている。蓋本体610の長手方向及び短手方向の各寸法は下側開口部603のそれよりも大きくなっており、下側開口部603の全体をタンク本体601の内側から底蓋606によって閉鎖することが可能となっている。また、蓋本体610の上記各寸法は凹部609のそれよりも小さくなっており、底蓋606の厚み寸法は凹部609の深さ寸法、すなわち、各起立部608a〜608dの高さ寸法よりも小さくなっている。
このため、底蓋606が閉鎖位置に位置する場合は、凹部609の内側に蓋本体610が収容される。その際、図151に示すように、底蓋606の裏面606bが各起立部608a〜608dの内側における底板部602の表面602a(図152(b)参照)に当接することで、底蓋606が閉鎖位置を超えてタンク本体601の外側に回動することが規制される。
蓋本体610において一方の長辺部には、蓋本体610を長手方向に貫通する円柱状の貫通孔612が設けられている。一方、前側起立部608a及び後側起立部608bには、貫通孔612に対応して貫通孔614a,614bがそれぞれ設けられている。これら貫通孔614a,614bは、各起立部608a,608bの厚み方向に延びる円柱状をなしており、相互に同軸状に配置されている。貫通孔612,614a,614bには、底蓋606を凹部609内に収容した状態にて丸棒状の棒軸615が挿通され、当該棒軸615を通じて底蓋606と支持部607(タンク本体601)とが連結されている。
図152(a)に示すように、底蓋606の蓋本体610において長手方向の一方の側には、蓋本体610の一部を矩形状に切り欠いた切欠部618が形成されている。切欠部618には、底蓋606を閉鎖位置に向けて付勢するコイルばね617が配置されている。コイルばね617の巻回部617aには棒軸615が挿通されており、コイルばね617は、一方の腕部617bが底蓋606の係止孔606fに係止され、他方の腕部617cが左側起立部608dに掛けられることで、底蓋606と左側起立部608dとの間に架け渡されている。コイルばね617の付勢力は、図151に示すように、補助タンク54を下向き姿勢とした場合に、底蓋606が自重で下方に回動せず、底蓋606を閉鎖位置に保持可能な強さに設定されている。
以上の構成において補助タンク54を自動回収に対応させる場合は、補助タンク54を下向き姿勢で筐体11内に設置する。この場合、下側開口部603から底蓋606の一部が上方に露出するところ、貯留タンク52からメダルが溢れておらず、底蓋606上にメダルが載置されていない場合は、コイルばね617の付勢力によって底蓋606が閉鎖位置に保持され、下側開口部603が閉鎖されている(図151参照)。
貯留タンク52からメダルが溢れると、図153(a)に示すように、メダルは底板部602の裏面602bに設けられた右側傾斜部604c上に落下する。右側傾斜部604cに落下したメダルは、右側傾斜部604cの傾斜に沿って降下し、下側開口部603に誘導される。この場合において、右側傾斜部604c上をメダルが勢いよく移動して下側開口部603を通過したとしても、左側傾斜部604dが逆傾斜となっているため、左側傾斜部604dによって再び下側開口部603に向けて誘導される。また、メダルの勢いが強く、左側傾斜部604dを上って底板部602の周縁部まで達した場合は、メダルが底板突出部605に当接する。これにより、メダルのそれ以上の移動が規制され、タンク本体601の外側に落下することが抑制される。
下側開口部603に至ったメダルは、下側開口部603から露出する底蓋606の裏面606b上に載置される。このような流れは、貯留タンク52からメダルが排出される都度繰り返される。裏面606b上のメダル重量が所定重量未満であり、コイルばね617の付勢力がメダルの荷重に勝る間は、底蓋606が閉鎖位置に維持される。その結果、底蓋606の裏面606b上及びその周辺にメダルが溜まっていく。
そして、裏面606b上のメダル重量が所定重量に達すると、メダルの荷重がコイルばね617の付勢力に勝り、底蓋606が下方に回動する。その結果、図153(b)に示すように、下側開口部603が開放し、裏面606b上及びその周辺のメダルがタンク本体601内に落下する。これらのメダルは、タンク本体601内を通ってメダル排出孔15に至り、スロットマシン10の下方に位置する自動回収装置に供給される。
裏面606b上のメダルが落下した後は、底蓋606が閉鎖位置に復帰し、再び下側開口部603が閉鎖される。以後、上記と同様にして、貯留タンク52からのメダルが一時的に底蓋606の裏面606b上に貯留され、裏面606b上のメダルの重量が所定重量となる都度、下側開口部603が開放される。このように、メダル重量によって下側開口部603が開放されるため、手作業による底蓋606の開放操作を不要化できる。このため、補助タンク54を下向き設置するだけで自動回収に対応させることができ、利便性が向上する。
この場合において本実施の形態では、裏面606b上のメダルを下側開口部603に誘導する構成となっているため、メダル重量を底蓋606に集中させ易くできる。例えば、貯留タンク52から排出されたメダルの重量が底板部602上で分散される場合は、底蓋606の応答が遅れて下側開口部603が開くまでの時間が長期化し易くなる。その結果、底板部602上でメダルが溢れ、タンク本体601の外側にこぼれ落ちて筐体11内に散らばるという不都合が生じ得る。この点、本実施の形態によれば、メダル重量が底蓋606に集中し易くなっていることで、底蓋606の開放応答性を高めることができ、上記不都合の発生を抑制可能となる。
さらに、裏面606b上のメダルを下側開口部603に誘導する構成となっていることで、下側開口部603を小さくすることができ、それに伴って底蓋606の大きさも小さくすることができる。これにより、底蓋606が開閉する際の上側センサ棒16aとの干渉を抑制可能となる。この場合において、下側開口部603及び底蓋606のサイズや、回動軸606cの位置等を調整して、底蓋606の回動軸606cから回動先端側の端部606dまでの寸法が、回動軸606cから上側センサ棒16aまでの距離よりも短くなるものとすれば、上記干渉を確実に回避可能となる。
スロットマシン10の運搬時においては、自動回収に対応させる場合と同様に、補助タンク54を下向き姿勢の状態で筐体11内に設置する。この場合、コイルばね617の付勢力によって底蓋606が閉鎖位置に保持され、下側開口部603が閉鎖された状態となる(図151参照)。すなわち、本実施の形態では、スロットマシン10の運搬時において下側開口部603を閉鎖しておくことができる。
この場合、メダル排出孔15を覆うようにして補助タンク54を下向き設置することで、補助タンク54によってメダル排出孔15の上方空間(タンク本体601内の空間)を閉塞できる。これにより、メダル排出孔15に異物や手を侵入させても、スロットマシン10の内部への不正アクセスが補助タンク54によって阻害されるものとなり、かかる不正行為を抑制可能となる。
加えて、本実施の形態では、底蓋606が閉鎖位置に位置する場合は、底蓋606の裏面606bと底板部602の表面602aとが当接することで、底蓋606がタンク本体601の外側に回動することが規制されている。このような構成とされていることで、スロットマシン10の運搬時において、メダル排出孔15から異物や手を侵入させて底蓋606を押し上げても底蓋606が回動せず、下側開口部603の開放を困難化できる。これにより、下側開口部603を開放させてスロットマシン10の内部に不正アクセスしようとする行為を抑制でき、不正対策を強化することが可能になる。ちなみに、かかる構成とされていることで、手動回収に対応させて補助タンク54を上向き設置した場合は、補助タンク54内のメダル重量によって補助タンク54の底が抜けることが抑制される。
さらに、底蓋606が閉鎖状態にある場合は、底蓋606の周囲が起立部608によって囲まれる(底蓋606が凹部609の内側に入り込む)ものとなっている。この場合、各起立部608a〜608dによって底蓋606の周端面を覆うことができ、メダル排出孔15から侵入させた異物や手を底蓋606に引っ掛けにくくできる。これにより、上記異物等を底蓋606に引っ掛けて引っ張り、底蓋606を開放位置に向けて回動させようとする行為を抑制できる。
特に、本実施の形態では、起立部608の高さ寸法(凹部609の深さ寸法)が底蓋606の板厚寸法よりも大きくなっているため、底蓋606を凹部609に深く入り込ませることができる。これにより、底蓋606に上記異物等を一層引っ掛けにくくでき、不正対策を強化することが可能になる。
ここで、補助タンク54が下向き姿勢で設置されている場合には、メダルの重みにより底蓋606が開放されることに伴いメダルがタンク内側に入っていく。この場合、メダルがタンク内に入っていきその重みが軽減されると、コイルばね617の付勢力により底蓋606が閉鎖位置に戻る。その際、底蓋606の上にメダルが残っていると、底蓋606が閉鎖位置に復帰する勢いでメダルが跳ね飛ばされ、筐体11内に散乱するおそれがある。この点、本実施の形態では、底板部602(貯留タンク52からのメダルを受ける受け部)の周囲において底板突出部605が起立しているため、仮にメダルが跳ね飛ばされても、そのメダルが補助タンク54の外側に至ってしまうことを抑制できる。
なお、本実施の形態においても、補助タンク54が下向き設置された場合は、補助タンク54の右側フランジ部571cと係合部574とが係合し、補助タンク54の浮き上がりが規制される(図151参照)。このため、スロットマシン10の運搬時においては、メダル排出孔15から異物や手を侵入させて補助タンク54を押し上げても、補助タンク54と底板11aとの間に隙間を生じさせにくくしたり、隙間の拡張化を困難化したりすることができる。これにより、当該隙間に針金等の異物を挿入してスロットマシン10の内部に不正アクセスしようとする行為を抑制可能となる。
また、自動回収に対応させて使用する場合にも、例えば、遊技者がスロットマシン10を叩くなどして衝撃が加えられた際に、筐体11内で補助タンク54が跳ねたりすることが抑制される。これにより、衝撃による補助タンク54の位置ずれが抑制され、貯留タンク52からのメダルがメダル排出孔15に導かれなくなる不都合を抑制可能となる。
<変形例1>
本変形例では、底蓋606及び底板部602に関する構成が上記第3の実施形態と異なっている。本変形例に係る補助タンク54について図154を参照して説明する。図154は補助タンク54の構成を示す部分拡大断面図である。
図154に示すように、本変形例では、補助タンク54を下向き姿勢とした状態で、底蓋606の裏面606b上に底蓋606の回動先端側の端部に向けて下る傾斜面が形成されている。なお、本変形例では、底蓋606及び支持部607の全体を傾けることで上記傾斜面を構成しているが、裏面606bのみを傾斜させてもよい。
このような構成とすることで、底蓋606の裏面606bにより、当該裏面606bに載ったメダルを底蓋606の回動先端側の端部に向けて案内できる。これにより、底蓋606において回動先端側の端部に対して近い側にメダルを寄せることができ、当該部分にメダルの重量を集中させ易くなる。その結果、底蓋606の開放応答性が高まり、裏面606b上でメダルが溢れてこぼれ落ちることを抑制可能となる。
特に、底板部602の右側傾斜部604cが下側開口部603(底蓋606)に向けて下る傾斜状となっているため、底蓋606の裏面606bと右側傾斜部604cとによってV字状溝を構成することが可能になる。これにより、底蓋606において回動先端側の部分にメダルを一層集め易くなり、底蓋606の開放応答性を好適に高めることが可能になる。
上記構成となっていることで次の効果も期待される。既に説明したように、コイルばね617の付勢力により底蓋606が閉鎖位置に戻る際に、底蓋606の上にメダルが残っていると、底蓋606が閉鎖位置に復帰する勢いでメダルが跳ね飛ばされるおそれがある。この点、底蓋606の裏面606a(メダルの載置面)が底蓋606の回動先端側に向けて下る傾斜状となっていることで、底蓋606上にメダルが残りにくくなり、メダルの跳ね飛びを抑制できる。また、底蓋606の開放量が比較的少なくてもメダルをタンク内に導出できるため、閉鎖に要する回動量が少なくなり、仮にメダルが残ったとしてもその飛翔量を少なく抑えることができる。
なお、必ずしも底蓋606の裏面606bの全体を傾斜させる必要はなく、下側開口部603から上方に露出する部分のみを傾斜させたり、当該部分の一部を傾斜させる構成としてもよい。
<変形例2>
本変形例では、底蓋606に関する構成が上記変形例1と異なっている。本変形例に係る補助タンク54について図155を参照しながら説明する。図155は補助タンク54の構成を示す部分拡大断面図である。
図155(a)に示すように、底蓋606の裏面606bには、当該裏面606bから上方に突出する裏面突出部621が設けられている。裏面突出部621は、蓋本体610に一体形成され、底蓋606が閉鎖位置に位置する状態において下側開口部603から上方に露出する露出部606eに設けられている。
裏面突出部621の高さ寸法は、底蓋606が開閉する場合に底板部602(下側開口部603の周壁面)と干渉せず、且つ、補助タンク54を下向き姿勢とした場合に裏面突出部621の先端が底板突出部605よりも下方に飛び出ない範囲で、所定寸法に設定されている。具体的には、複数枚(例えば5枚程度)のメダルを平積みした場合の高さよりも高くなる寸法とされ、右側傾斜部604cによって誘導されたメダルを堰き止め可能な高さとなっている。
裏面突出部621は、回動軸606cの軸方向に見て回動軸606c寄りの位置に配置されており、下側開口部603の周壁部のうち回動先端側の壁部603aから所定の距離だけ離間している。これにより、底蓋606の露出部606eにおいて、裏面突出部621よりも回動先端側の部分にメダルを載置可能なスペースが確保されている。また、裏面突出部621は、平面視において露出部606eを回動軸606cの軸方向に縦断するように、露出部606eの一端部から他端部までに亘って直線状に形成されている。
このような構成となっていることで、右側傾斜部604cによって誘導されたメダルを裏面突出部621によって堰き止めることができる。これにより、露出部606eにおいて裏面突出部621の手前側にメダルを集合させることができ、回動軸606cから離間した部分にメダルを寄せることが可能になる。その結果、かかる部分にメダルの重量が集中し易くなり、底蓋606の開放応答性を高めることが可能になる。
その際、裏面突出部621が壁部603aから所定の距離だけ離間し、露出部606eにおいてメダルを載置可能なスペースが確保されているため、堰き止めたメダルを好適に底蓋606に載せることができる。これにより、堰き止めによってメダルが右側傾斜部604c側に停留することが抑制され、貯留タンク52から排出されるメダルの重量を効率良く底蓋606に作用させることが可能になる。
メダルを堰き止めるための構成は、底蓋606の裏面606bに限らず、底板部602の裏面602bに設けてもよい。このような構成としては、例えば、図155(b)に示すように、下側開口部603の周壁部のうち回動基端側の壁部603bの上方に裏面突出部622を設ける構成が考えられる。
この場合において、棒軸615の径方向において下側開口部603を底蓋606に対して回動先端側に偏らせて配置し、底蓋606の裏面606bのうち回動先端側の部分がより多く露出部606eとなる構成とするとよい。これにより、堰き止めたメダルの重量を回動先端側の部分に効率的に作用させることができ、底蓋606の開放応答性を高めることが可能になる。
なお、下側開口部603を底蓋606に対して回動先端側に偏らせる構成は、本変形例に限らず、上記各実施の形態や他の変形例にも適用することが可能である。また、裏面突出部621,622の両方を設けたり、壁部603bを高くしたりすることで、メダルを堰き止める構成としてもよい。さらに、本変形例では、底蓋606の裏面606bを変形例1と同じく傾斜させているが、上記第3の実施形態のように裏面606bが略水平になる構成としてもよい。
<第4の実施形態>
本実施の形態では、補助タンク54と筐体11との連結構造が上記各実施の形態と異なっている。以下、本実施の形態について図156〜図159を参照して説明する。図156は補助タンクの平面図、図157(a)は図156のG−G線斜視断面図、(b)はタンク本体のG−G線斜視断面図、図158は図156のH−H線断面図及び要部拡大図、図159(a)は底蓋704の斜視図、(b)は底蓋704の裏面斜視図である。
図156に示すように、補助タンク54は、上部が上方に開放する有底の略箱形状をなすタンク本体701を備えている。タンク本体701は、平面視略長方形状の底板部701aと、底板部701aを囲むようにして底板部701aから起立する前壁部701b、後壁部701c、右側壁部701d及び左側壁部701eとを有しており、その上部には、上方に向けて開口する平面視略長方形状の上側開口部702が形成されている。
図156〜図158に示すように、タンク本体701は、底板部701aに設けられた下側開口部703と、下側開口部703を開閉する底蓋704とを備えている。底蓋704は、底板部701aに設けられた支持部705によって回動可能に支持されている。
下側開口部703は、平面視で略長方形状をなしており、底板部701aを厚み方向に貫通している。下側開口部703は、底板部701aの周縁における一部を残して上下に開口しており、全体として前壁部701bに寄せて配置されている。底板部701aにおいて下側開口部703の両側には、底板後部701gと底板前部701fとが配置されており、底板後部701gは底板前部701fよりも長手方向に長くなっている。
図159に示すように、底蓋704は、平面視で略長方形状の蓋本体706と、蓋本体706に一体形成された軸部707とを備えている。蓋本体706は、下側開口部703よりも長手方向及び短手方向の各寸法が大きくなっており、下側開口部703を閉鎖可能な大きさを有している。軸部707は、蓋本体706において長手方向に対向する短辺部の一方に設けられており、蓋本体706の幅方向(短辺部の延在方向)に沿って延びる丸棒状をなしている。軸部707の長さ寸法は蓋本体706の幅方向寸法よりも大きくなっており、軸部707の軸方向における両端部は蓋本体706の短手方向の両端部よりも側方に突出している。
図156〜図158に示すように、支持部705は、底板前部701fにおいて底板部701aの短手方向の両端部に設けられた右側支持部708及び左側支持部709を備えている。
右側支持部708は底板部701aの表面から上方に膨出する右側膨出部710を備えている。右側膨出部710の膨出寸法(高さ)は、底蓋704の軸部707の軸径よりも大きくなっている。右側膨出部710の内部には、釣鐘状の縦断面を有し、底板部701aの短手方向に延びる右側孔部711が設けられている。右側孔部711において左側支持部709側の端部は開口端となっており、その反対側の端部は閉塞している。右側孔部711の開口端からの深さ寸法は、軸部707における蓋本体706からの突出寸法よりも大きくなっている。
左側支持部709は、左右対称となっている点を除き、右側支持部708と同一の構成となっている。すなわち、底板部701aの表面から上方に膨出する左側膨出部713と、左側膨出部713に設けられた左側孔部714とを備えている。
右側支持部708及び左側支持部709の各孔部711,714には、底蓋704がタンク本体701の内側に配置された状態にて軸部707の両端部が挿入されている。これにより、底蓋704が上下方向に回動可能な状態でタンク本体701と連結され、底蓋704がタンク本体701の内側から下側開口部703を閉鎖する閉鎖状態と、閉鎖状態から底蓋704を上方に回動させて下側開口部703を開放する開放状態と、に切り替わり可能となっている。
タンク本体701の前壁部701bには、図157(a)に示すように、前方に膨出する前壁膨出部716が設けられている。前壁膨出部716は前壁部701bの上部に配置されており、その横幅は蓋本体706のそれよりも若干大きくなっている。前壁膨出部716の内側には、底蓋704を開放位置に向けて回動させた場合に、蓋本体706の一部を入り込ませることが可能となっている。
前壁膨出部716において横幅方向に対向する各壁部716aには、各壁部716aから前壁膨出部716の内側に向けて半円状に突起する突起部716bが設けられている。これら各突起部716bは、各壁部716aの上端部において前壁膨出部716の前部716cから後方に所定距離だけ離れて配置されている。前壁膨出部716の横幅方向における突起部716b間の間隔は、蓋本体706の横幅寸法よりも僅かに狭くなっており、底蓋704を前壁膨出部716の内側に向けて回動させた場合は、蓋本体706が弾性変形して突起部716bと前部716cとの間に入り込む。このような構成とされていることで、底蓋704を開放位置に留めておくことが可能となっている。
タンク本体701の前壁部701bには持ち手部718が設けられている。持ち手部718については上記各実施の形態に係る持ち手部503と同一構成であるため、説明を省略する。
ここで、本実施の形態では、補助タンク54を筐体11内の係合部721と係合させて補助タンク54の移動を規制する第1状態と、上記係合を解除して筐体11内からの補助タンク54の取り出しを許容する第2状態と、に切り替わり可能な構成となっている。以下、かかる構成について、図156〜図159に加えて図160〜図163を参照しながら説明する。図160は図156のH−H線断面に対応する補助タンク54の設置状態を示す説明図、図161は係合前の状態を示す説明図、図162は係合した状態を示す説明図、図163は係合が解除された状態を示す説明図である。なお、図163では、便宜上、補助タンク54内のメダルの図示を省略している。
図156〜図158に示すように、補助タンク54の底板部701aには、底板部701aを厚み方向に貫通する円柱状の底側貫通孔720が設けられている。底側貫通孔720は、底板部701aの底板後部701gに配置されており、補助タンク54の後端部に位置している。図160及び図161に示すように、筐体11の底板11aには、底側貫通孔720と係合可能な係合部721が設けられている。係合部721は、底板11aに設けられた収容部722と、底板11aの表面から一部が上方に飛び出るようにして収容部722に収容された係合突起723とを備えている。
係合突起723は、上下方向に延びる略円柱状の軸部724と、軸部724の上端部に連結された頭部725とを備えており、軸部724及び頭部725は一体形成されている。頭部725は略円盤状を有しており、その径は軸部724よりも大径となっている。
収容部722は上方に開口する有底の縦孔状をなしており、当該収容部722の上端位置から途中位置までに設けられた第1孔部726と、当該途中位置から収容部722の下端位置までに設けられた第2孔部727とを備えている。これら第1孔部726及び第2孔部727は、いずれも上下方向に延びる略円柱状をなしている。第1孔部726の径は、係合突起723の頭部725の径よりも大きく、第1孔部726の深さ寸法は頭部725の厚み寸法よりも十分に大きくなっている。このため、第1孔部726の内側には頭部725を収容することが可能となっている。第2孔部727は第1孔部726の底面726aの中央から下方に延びるように形成されており、第2孔部727には係合突起723の軸部724が挿入されている。第2孔部727の径は軸部724の径よりも僅かに大きくなっており、第2孔部727によって係合突起723が昇降可能に支持されている。
頭部725の下面725aと第1孔部726の底面726aの間にはコイルばね729が配置されている。コイルばね729は、軸部724を挿通させた状態にて配置されており、コイルばね729の付勢力によって係合突起723が上方に付勢されている。
ここで、頭部725の径Dcは、補助タンク54の底側貫通孔720の最小径Dd(図158参照)よりも小さくなっている。このため、頭部725の上方に底側貫通孔720が位置するようにして両者が相対する場合は、頭部725を底側貫通孔720に挿入させることが可能となっている。頭部725が底側貫通孔720に挿入された場合は、底側貫通孔720の周壁部720aと頭部725の周面725bとが当接することで、補助タンク54の前後左右の移動が規制される。
なお、本実施の形態では、頭部725の厚み寸法が底側貫通孔720の縦方向(頭部725の挿入方向)の寸法よりも小さくなっているが、これらは同一であってもよいし、前者が後者よりも大きくなっていてもよい。
前後方向(筐体11の奥行方向)における係合部721(係合突起723)の配置位置は、補助タンク54を筐体11内の所定の設置位置まで入り込ませた場合に、係合部721が補助タンク54の底側貫通孔720と相対して係合するように設定されている。詳しくは、図160に示すように、補助タンク54の後端部が筐体11の背板11bに接近する位置であり、換言すれば、前面扉12(図3参照)を閉鎖しても前面扉12の背面が補助タンク54に衝突しない位置である。このような位置を設置位置とすることで、底側貫通孔720と係合部721とを係合させた状態で前面扉12を閉鎖しても前面扉12と補助タンク54とが干渉せず、前面扉12の閉鎖に伴う補助タンク54や前面扉12、係合部721の損傷が回避される。
一方、左右方向(筐体11の横幅方向)における係合部721の配置位置は、補助タンク54における筐体11の右側板11c側の端部(右側フランジ部)を当該右側板11cに当接させた場合に、係合部721と底側貫通孔720との左右位置が合致するように設定されている。この場合、補助タンク54を右側板11cに当接させた位置に設置するだけで、係合部721と底側貫通孔720との位置合わせを行うことができる。これにより、係合作業を容易化できるばかりか、補助タンク54を右側板11c側に詰めて設置可能となり、ホッパ装置51等の他の搭載部品の設置スペースを確保する上で有利となる。
図158及び図159(b)に示すように、蓋本体706の裏面706aには、押込用突出部733と、押込用突出部733の両側に配置された2つの支持突起部734とが設けられている。これら押込用突出部733及び支持突起部734は蓋本体706に一体形成されている。
押込用突出部733は、蓋本体706における軸部707とは反対側の端部に形成され、底側貫通孔720と対応する位置に配置されている。図158に示すように、押込用突出部733は、下方に延びる円柱状とされ、その先端部はテーパー状に面取りされている。押込用突出部733の径Deは底側貫通孔720の最小径Ddよりも小さくなっており、押込用突出部733を底側貫通孔720に挿入することが可能となっている。
押込用突出部733の高さ寸法は底側貫通孔720の深さ寸法に対応している。具体的には、支持突起部734の高さ寸法を差し引いた残り寸法Haが、底側貫通孔720の深さ寸法と同一又は当該深さ寸法よりも若干大きくなるように、押込用突出部733の高さ寸法が設定されている。
各支持突起部734は略半円状断面を有しており、蓋本体706における軸部707とは反対側の端部において隅部に配置されている。底蓋704が閉鎖位置とされて下側開口部703が閉鎖されている場合、底蓋704の下方には下側開口部703に対応する空間が形成されるため、補助タンク54内に収容されたメダルの重量によって底蓋704が撓むおそれがある。そのような撓みが生じても支持突起部734が底板部701aの表面に当接することで、底蓋704をバランス良く支持することが可能になる。
図156〜図158に示すように、タンク本体701には、上側センサ棒16a(図6参照)が挿通される上側センサ挿通孔731aと、下側センサ棒16bが挿通される下側センサ挿通孔731bとが設けられている。これら各センサ挿通孔731a,731bは横長状に形成されており、その高さ位置は、各センサ棒16a,16bの高さ位置に対応したものとなっている。具体的には、補助タンク54の下端部から上側センサ挿通孔731aの下端部までの距離が、底板11aの表面から上側センサ棒16aの下端部までの距離Lj(図160参照)と同一又は距離Ljよりも僅かに短いものとなっている。また、補助タンク54の下端部から下側センサ挿通孔731bの下端部までの距離が、底板11aの表面から下側センサ棒16bまでの距離Lm(図160参照)と同一又は距離Lmよりも僅かに短いものとなっている。
このため、補助タンク54を上記設置位置に設置した場合は、各センサ挿通孔731a,731bの下端部において、補助タンク54と各センサ棒16a,16bとが当接又は接近する状態となる。その結果、補助タンク54が上方に移動しようとしても、それが各センサ棒16a,16bによって規制されるものとなり、底板11aからの補助タンク54の浮き上がりが抑制される。
なお、本実施の形態では、補助タンク54の下端部から上側センサ挿通孔731aの下端部までの距離、及び、補助タンク54の下端部から下側センサ挿通孔731bの下端部までの距離の両方を距離Lj,Lmにそれぞれ対応させているが、それらの一方のみを行う構成としてもよい。また、図160に示すように、各センサ挿通孔731a,731bの縦幅を各センサ棒16a,16bの径(縦幅)と略同一のものとしているが、これに限定されるものではなく、各センサ挿通孔731a,731bの縦幅を各センサ棒16a,16bの径よりも大きくしてもよい。但し、メダル収容時における各センサ挿通孔731a,731bからのメダルのこぼれを抑制する観点では、本実施の形態の構成とすることが好ましい。
次に、底側貫通孔720と係合部721との係合方法について図161及び図162を参照しながら説明する。
底側貫通孔720と係合部721とを係合させるにあたっては、先ず、筐体11の前面を開口させた状態にて、底板11a上に補助タンク54を載置する。この場合、補助タンク54の後壁部701cが各センサ棒16a,16bの先端部よりも手前側に位置するように、補助タンク54を載置する。その際、既に説明したように、右側板11cによって補助タンク54をガイドすることで、底側貫通孔720と係合部721との左右の位置を容易に合わせることができる。
その状態から補助タンク54を筐体11内の奥方に向けて押し込み、底板11a上で補助タンク54をスライド移動させる。そして、図161に示すように、補助タンク54の底側貫通孔720と係合部721とがある程度接近した状態となると、底板部701aの前端部と、底板11aの表面から突出する係合突起723とが当接する。
ここで、本実施の形態では、底板部701aの前端部(頭部725との当接箇所)には係合用傾斜部745が設けられている。係合用傾斜部745は、係合突起723側の一端から底側貫通孔720に向かうにつれて底板11aとの距離が狭くなる、換言すれば、補助タンク54のスライド移動方向と反対方向に見て下り傾斜となる傾斜状となっている。係合用傾斜部745の上方には、外側に向けて凸となる円弧状部746が設けられており、円弧状部746によって係合用傾斜部745と前壁部701bとが接続されている。
コイルばね729により係合突起723を付勢している都合上、係合突起723が底板11aから飛び出た状態となり、補助タンク54をスライド移動させる過程で補助タンク54と係合突起723とが干渉するおそれがある。この点、円弧状部746及び係合用傾斜部745が設けられていることで、係合突起723を押し下げて収容部722内に案内できる。これにより、係合突起723と底側貫通孔720が係合する位置まで補助タンク54を円滑にスライド移動させられることに加え、補助タンク54の設置に伴う係合突起723等の損傷を抑制可能となる。
係合突起723が押し下げられると、それに伴ってコイルばね729が押し縮められ、復元力が蓄えられる。そして、図162に示すように、補助タンク54が前述した設置位置に達し、係合突起723の上方に底側貫通孔720が位置する状態となると、係合突起723に対する押し下げ力が消失し、コイルばね729の復元力によって係合突起723が上昇する。その結果、係合突起723が底側貫通孔720内に挿入され、両者が係合する。これにより、補助タンク54の移動を規制することが可能になる。
したがって、スロットマシン10の運搬時において、上記設置態様にて補助タンク54を筐体11内に設置すれば、筐体11内における補助タンク54のがたつきを抑制でき、運搬中に補助タンク54と周辺部材とが衝突して損傷することを抑制可能となる。
次に、底側貫通孔720と係合部721との係合の解除方法について図160、図162及び図163を参照しながら説明する。
係合の解除が必要となるのは手動回収に対応させて使用する場合であるところ、この場合は、既に説明した係合方法(図161及び図162を参照)を用いて、補助タンク54を設置位置に設置する。この場合、図162に示すように、押込用突出部733の下面が係合突起723の頭部725の上面に当接し、係合突起723とともに押込用突出部733が押し上げられた状態となる。
それに伴い底蓋704が押し上げられる結果、底蓋704は、図160に示すように、底板部701aの表面から所定高さだけ浮いた状態、換言すれば、上方に向けて若干回動した状態で静止する。また、係合突起723が上昇して底側貫通孔720に挿入されることで、係合突起723と底側貫通孔720とが係合する。
その後、貯留タンク52から溢れたメダルが順次補助タンク54に収容されると、それらのメダルが底蓋704に載ることで、メダルの荷重が底蓋704に作用する。メダルの荷重は、押込用突出部733及び係合突起723を通じてコイルばね729にも作用するため、底蓋704上のメダル重量が増えていくにつれて、コイルばね729が徐々に押し縮められ、底蓋704が少しずつ下方に回動していく。これにより、係合突起723が押込用突出部733によって押し下げられ、底側貫通孔720から頭部725が徐々に抜け出ていく。
そして、補助タンク54のメダル収容量が所定量以上となると、図163に示すように、頭部725が底側貫通孔720から完全に押し出される。これにより、底側貫通孔720と係合突起723との係合が解除され、補助タンク54の移動が許容される。つまり、補助タンク54内にメダルがある程度溜まると、自ずと補助タンク54の取り出しが許容され、補助タンク54内のメダルを回収することが可能になる。
ちなみに、係合が解除されるメダルの収容量(重量)は、各センサ棒16a,16bが導通することとなるメダル収容量(満杯状態)よりも少なく、満杯検知がなされる前に達するものとするとよい。この場合、遊技ホールの従業員によるメダル回収(補助タンク54の取り出し)の作業タイミングに対して余裕を持って係合を解除でき、回収作業に支障が生じることを抑制可能になる。
なお、係合部721と底側貫通孔720との係合解除は、人的操作によっても行うことができる。すなわち、補助タンク54内に手を入れて底蓋704を下方に押すことで、両者の係合を解除できる。このような構成とされていることで、補助タンク54内にメダルが未収容であったり、収容量が少なかったりする場合でも、必要に応じて係合を解除でき、補助タンク54の適宜の取り出しが可能となる。
ところで、例えば、筐体11内に散らばったメダルを拾い出そうとして一時的に補助タンク54を退ける場合など、補助タンク54内にメダルが収容されていなかったり、メダル収容量が少なかったりする状況下でも、補助タンク54の取り出し操作が行われことがある。この場合、底側貫通孔720と係合突起723とが係合している構成では、強引な取り出し操作が行われると、補助タンク54や係合部721の損傷を招くおそれがある。
そこで、本実施の形態では、上記のような取り出し操作に対応すべく、図158に示すように、底側貫通孔720の周壁面に解除用傾斜部741が設けられている。解除用傾斜部741は、底側貫通孔720の周壁面のうち、頭部725に対して補助タンク54の取り出し方向(引き出し方向)とは反対側に位置する周壁面に設けられている。解除用傾斜部741は、係合突起723側の一端から後壁部701c側に向かうにつれて底板11aとの距離が狭くなる、換言すれば、補助タンク54の取り出し方向とは反対方向に見て下り傾斜となる傾斜状となっている。
補助タンク54の取り出し操作が行われた場合、係合突起723は、解除用傾斜部741に当接し、その表面上を摺動しながら解除用傾斜部741の傾斜に沿って下方に押し込まれる。このため、一定程度の引き出し力で補助タンク54が引き出されれば、それに応じて係合突起723を底側貫通孔720から退避させることができる。これにより、強引な取り出し操作が行われた場合でも、補助タンク54や係合部721の損傷を抑制可能となる。
なお、底側貫通孔720において、解除用傾斜部741とは反対側の周壁面743は、傾斜状とされておらず、頭部725の周面と略平行になるように形成されている。つまり、設置方向へのスライド移動にあたっては、頭部725を周壁面743に対して積極的に引っ掛け、補助タンク54の移動を規制する構成となっている。これにより、補助タンク54の設置に際して勢いよく補助タンク54を押し込んだ場合でも、補助タンク54が設置位置を超えて奥方に進むことが規制され、補助タンク54が背板11bに激しく衝突することが抑制される。
次に、補助タンク54を自動回収に対応させる場合について図164を参照して説明する。図164は補助タンク54を自動回収に対応させて使用する場合の説明図である。
補助タンク54を自動回収に対応させて使用する場合は、筐体11の前面を開口させた状態にて補助タンク54を筐体11内から一旦取り出し、底蓋704を上方に回動させて下側開口部703を開放する。その際、蓋本体706の一部が前壁膨出部716において各突起部716bと前部716cとの間に入り込むまで底蓋704を回動させる。その状態で、底板11a上に補助タンク54を載置する。この場合、補助タンク54の後壁部701cが各センサ棒16a,16bの先端部よりも手前側に位置するように、補助タンク54を載置する。
その状態から補助タンク54を筐体11内の奥方に向けて押し込み、底板11a上で補助タンク54をスライド移動させる。そして、下側開口部703とメダル排出孔15とが連通する位置まで補助タンク54を前進させる。その際、底側貫通孔720と係合部721とが係合する手前側の位置で補助タンク54を停止させ、底側貫通孔720と係合部721とを係合させないようにする。以上の操作により補助タンク54の設置が完了する。
本実施の形態において底蓋704の長手方向の寸法は、タンク本体701の高さ寸法よりも十分に大きくなっている。このため、底蓋704を開放位置に回動させた状態では、底蓋704の回動先端側の端部704aがタンク本体701の上端部よりも上方に位置することとなる。そして、タンク本体701の上方には、貯留タンク52から補助タンク54側に迫り出すようにして誘導プレート52a(図5参照)が配置されている。
本実施の形態では、底蓋704が開放位置から閉鎖位置に至るまでの途中位置に誘導プレート52aが位置するように、誘導プレート52aの位置や補助タンク54の長手方向の寸法、底蓋704の開放位置等が調整されている。このため、スロットマシン10に対し、底蓋704が底板部701a側に回動するような強い衝撃が与えられた場合でも、底蓋704が誘導プレート52aの前側壁部52bの外面に当接することで底蓋704の回動が規制される。これにより、底蓋704が閉鎖位置まで倒れることが阻止され、下側開口部703が閉鎖されてしまう不都合を防止することが可能になる。
しかも、底蓋704を誘導プレート52aの前側壁部52bの外面に当接させることで、閉鎖方向への底蓋704の回動が規制される。このため、底蓋704が誘導プレート52aのメダル排出口を塞いだり、誘導プレート52aと下側開口部703との間に底蓋704が介在したりすることが抑制される。仮に底蓋704が誘導プレート52aにそのまま寄り掛かった状態に維持されたとしても、引き続き貯留タンク52からのメダルを下側開口部703に導くことができ、継続してメダルを自動回収装置に供給可能となる。
なお、本実施の形態において突起部716bは省略してもよい。但し、底蓋704の傾倒に対して誘導プレート52aとの二重の防御がなされることや、誘導プレート52aに対する底蓋704の衝突回数の低減により当該衝突に基づく異音の発生が抑えられることなどを踏まえると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
補助タンク54に設けられた底側貫通孔720と、筐体11内に設けられた係合部721とを備え、補助タンク54のメダルの収容状態に応じて両者の係合の有無を切り替える構成とした。このため、スロットマシン10の運搬時においては底側貫通孔720と係合部721とを係合させることで、補助タンク54のがたつきを抑制できる。一方、補助タンク54に収容されたメダルを回収する場合は、補助タンク54にメダルが溜まることに応じて底側貫通孔720と係合部721とを非係合状態に切り替えることができ、筐体11内からの補助タンク54の取り出しを許容することが可能になる。
補助タンク54内にメダルが未収容の場合に底側貫通孔720と係合部721とを係合状態とし、補助タンク54内にメダルが収容されることに伴い底側貫通孔720と係合部721とを非係合状態とする構成とした。この場合、補助タンク54へのメダルの収容が見込まれない運搬時においては、底側貫通孔720及び係合部721により補助タンク54の移動が規制される一方、稼働時においては、補助タンク54にメダルが収容されることに応じて自ずと補助タンク54の取り出しが許容される。これにより、ホール従業員による切り替え操作を不要化して煩わしさの解消に貢献できるばかりか、切り替えを失念したまま取り出し操作を行って係合部721等が損傷する不都合も抑制できる。
補助タンク54内にメダルが収容された場合に、メダルの重みにより下方に変位する底蓋704を備え、底蓋704が下方に変位することに伴い、係合部721(係合突起723)を底側貫通孔720から押し出して非係合位置に移動させる構成とした。
上記構成によれば、重量を検知するためのセンサや係合突起723を駆動させる駆動部、センサの検知結果に応じて駆動部を制御する制御構成が不要となり、構成の簡単化や底コスト化に有利となる。また、底蓋704では、補助タンク54に収容されたメダルの重みを効率的に受けることができるため、底蓋704の変位を利用して係合部721を移動させることで、メダルの収容状態の変化に対する係合部721の応答性を高めることができる。これにより、非係合状態への切り替えが遅れて補助タンク54の取り出しに支障が生じることを抑制可能になる。
底蓋704において筐体11の奥側となる位置に押込用突出部733を設け、底側貫通孔720及び係合部721を筐体11の奥側に設ける構成とした。
ホール従業員により筐体11内から補助タンク54が引き出される際には、補助タンク54の手前側が軽く持ち上げられ、その状態で底板11aに沿って手前側にスライド移動されることが考えられる。この場合、例えば、押込用突出部733、底側貫通孔720及び係合部721が筐体11の手前側に配置された構成であると、補助タンク54の持ち上げに伴って押込用突出部733が係合部721から離間し、それに起因して意図せずに非係合状態から係合状態への切り替えが行われることが考えられる。
この点、押込用突出部733、底側貫通孔720及び係合部721が筐体11の奥側に配置されていることで、押込用突出部733による係合部721の押し込みが維持されやすくなり、意図せずに非係合状態から係合状態への切り替えが行われることが抑制できる。これにより、補助タンク54の引き出しを円滑に実施できる。
各センサ棒16a、16bを各センサ挿通孔731a,731bに挿通させた場合に、各センサ挿通孔731a,731bの周縁部と各センサ棒16a、16bとが当接又は接近して補助タンク54の移動が規制される構成とした。これにより、底側貫通孔720及び係合部721の係合とは別に補助タンク54の移動を追加的に規制でき、補助タンク54のがたつき抑制を強化可能となる。その際、各センサ棒16a,16bを活用するため、係合のための専用構成を別途に設ける必要がなく、搭載部品数の増加を抑制可能となる。
底板11a上に載置した補助タンク54をスライド移動させることで、底側貫通孔720と係合部721とが係合する構成とした。この場合、底側貫通孔720や係合部721を直接操作しなくても、底板11a上で補助タンク54を動かすことで両者を係合させることができ、係合操作を簡単に行うことが可能になる。また、このような構成とされていることで、底側貫通孔720や係合部721を作業者(係合操作を行う者)の手が届きにくい箇所に配置可能となるなど、レイアウトの自由度が向上する。
しかも、筐体11内の奥方へのスライド移動によって底側貫通孔720と係合部721とが係合する構成としたため、係合操作の一層の簡単化を促進できる。すなわち、補助タンク54の設置後、前面扉12を閉めるにあたっては、前面扉12と補助タンク54とが干渉しないように、予め補助タンク54を筐体11内の奥方に押し込んでおく必要があるところ、本実施の形態によれば、補助タンク54の押し込み操作と、底側貫通孔720と係合部721との係合操作とを一の操作で済ませることが可能になる。その際、通常の設置作業を行うことで自然と係合がなされるため、係合し忘れの抑制にも寄与できる。
底側貫通孔720と係合部721とを前後方向において互いに係合関係となる構成とした。この場合、底側貫通孔720と係合部721との係合により、前後方向における補助タンク54の移動を規制できる。これにより、補助タンク54を設置すべくスライド移動させた場合に、その移動が規制されることで、適正位置に設置されたことを把握可能になる。
底蓋704を開放状態とした場合に、底蓋704の回動先端側の端部704aがタンク本体701の上端部よりも上方に位置するものとし、筐体11内においてタンク本体701の上方になる位置に、開放状態の底蓋704に対して所定の開放位置で当接する誘導プレート52aを設ける構成とした。これにより、スロットマシン10に衝撃や振動が加えれて底蓋704が傾倒しても、誘導プレート52aによって底蓋704の回動を規制でき、意図しない下側開口部703の閉鎖を防止可能となる。
その際、底蓋704を閉鎖状態から前方側に回動させることで開放状態に切り替わる構成としたことで、開放状態にある底蓋704を誘導プレート52aに対して前面扉12側に位置させることができる。これにより、誘導プレート52aから補助タンク54に供給されるメダルが底蓋704に当たって前面扉12側に飛びはね、前面扉12に当たる等の不都合を抑制できる。また、メダルが、前面扉12とタンク本体701との間に入り込むといった不都合も抑制できる。
<変形例1>
本変形例では、補助タンク54を自動回収に対応させた形態で設置位置に向けてスライド移動させる場合に、補助タンク54の前進端位置を規定する構成が追加されている点で、上記第4の実施形態と異なっている。以下、本変形例について図165〜図168を参照して説明する。図165は底蓋704の斜視図、図166はタンク本体701の平面図、図167(a)は閉鎖時の延出板751の状態を示す説明図、(b)は開放時の延出板751の状態を示す説明図、図168は補助タンク54の移動が規制される様子を示す説明図である。
図165に示すように、底蓋704において軸部707側の短辺部には、外方に延出する延出板751が設けられている。延出板751は、軸部707を挟んで蓋本体706とは反対側に設けられ、軸部707に一体形成されている。延出板751は、平面視で軸部707の軸方向に延びる略長方形状とされ、軸部707の中央部に配置されている。延出板751の延出方向の長さは、軸部707の回動軸707a(図167(a)参照)から延出板751の先端部751aまでの距離が、回動軸707aから底板部701aの裏面までの距離よりも長くなるように設定されている。
図166に示すように、タンク本体701において底板部701aの底板前部701fには、延出板751に対応して切欠部752が形成されている。切欠部752は、平面視で矩形状とされ、底蓋704の延出板751が通過可能な大きさとされている。
かかる構成において、底蓋704が閉鎖位置とされている場合は、図167(a)に示すように、延出板751が切欠部752の上方に位置してタンク本体701の内側に収容されている。一方、底蓋704が開放位置に向けて上方に回動された場合は、図167(b)に示すように、延出板751は、蓋本体706の反対側で逆方向(下方)に回動し、切欠部752を通過して底板部701aの裏面から先端部751aが下方に突出する。
図168に示すように、筐体11の底板11aには、当該底板11aの表面の一部が切り欠かれて形成された凹部754が設けられている。凹部754は、補助タンク54を設置位置(底側貫通孔720と係合部721とが係合する位置)に向けてスライド移動させる場合の補助タンク54の移動経路において、メダル排出孔15の手前側に配置されている(図6の二点鎖線を参照)。凹部754の配置位置について詳しくは、補助タンク54を底板11a上で設置位置に向けてスライド移動させる場合に、延出板751の先端部751aが通過する通過領域上に配置されている。凹部754の深さは、延出板751における底板部701aの裏面からの突出長よりも深くなっており、延出板751が凹部754上を通過する場合に凹部754内に入り込むことが可能となっている(図168(a)参照)。
そして、延出板751が凹部754内に入り込んだ状態で補助タンク54が設置位置に向けて前進していくと、図168(b)に示すように、凹部754と底板11aの表面との境界に形成された段差部755に延出板751の先端部751aが引っ掛かる。その結果、補助タンク54の前進が規制され、補助タンク54の移動端位置が規定される。
本変形例では、補助タンク54が設置位置に達する前に、延出板751の先端部751aが凹部754の段差部755に当接するように、段差部755の位置が設定されている。また、この場合における段差部755の位置は、補助タンク54の全体が筐体11内に入り込み、前面扉12を閉めた場合に前面扉12の背面と補助タンク54の前端部(前面扉12側の端部)とが干渉しない位置にもなっている。
このため、底蓋704を開放位置まで回動させている状態であれば、前面扉12を閉鎖し得る位置まで補助タンク54が前進するのを許容しながら、設置位置の手前側で補助タンク54を停止させることができる。したがって、押し込み操作を行う作業者(遊技ホールの従業員)が補助タンク54の位置に特段の注意を払わなくても、底側貫通孔720と係合部721とが係合せず且つ前面扉12を閉められる適正な位置に補助タンク54を設置可能となる。
一方、底蓋704を閉鎖位置に位置させて補助タンク54をスロットマシン10の運搬時又は手動回収に対応させる場合は、既に説明したとおり、延出板751がタンク本体701の内側に収容され、底板部701aの裏面から先端部751aが下方に突出しない状態となる。このため、先端部751aと段差部755との引っ掛かりが発生せず、補助タンク54を設置位置までスムーズに前進させることが可能になる。
<変形例2>
本変形例では、底側貫通孔720と係合部721との係合を解除するための構成が上記第4の実施形態と異なっている。以下、本変形例について図169を参照して説明する。図169は補助タンク54の設置状態を示す説明図である。なお、本変形例において補助タンク54の底蓋514及びその支持に関する構造については上記第1の実施形態のそれと同様となっている。これらについては上記第1の実施形態の各図面と同一の符号を付し、その説明を省略する。
図169に示すように、筐体11の底板11aには、係合部721の係合突起723を駆動する係合用駆動部761が取り付けられている。係合用駆動部761は、駆動源としてのソレノイドと、当該ソレノイドと係合突起723とを接続してソレノイドの駆動力を係合突起723に伝達する駆動力伝達手段としての伝達機構とを有している。ソレノイドは主制御装置101に電気的に接続されており、主制御装置101からの駆動信号に基づいて駆動する。
主制御装置101からの駆動信号の出力が停止され、ソレノイドが非駆動(非励磁)の状態である場合は、コイルばね729の付勢力によって係合突起723が上昇位置(係合位置)に保持され、底側貫通孔720と係合部721とが係合する。一方、主制御装置101から駆動信号が出力され、ソレノイドが駆動(励磁)された場合は、係合突起723が上昇位置から下降位置(非係合位置)に移動する。その結果、係合突起723が底側貫通孔720から脱して両者の係合が解除され、補助タンク54の移動が許容化される。
本変形例において、主制御装置101は、上側センサ棒16aと下側センサ棒16bとの導通状態を監視しており、これらが導通したこと、すなわち、補助タンク54が満杯状態であることを把握した場合に、係合用駆動部761に対して上記駆動信号を出力する。
このような構成において、スロットマシン10の運搬時においては、上記第4の実施形態で説明した係合方法(図161及び図162を参照)を用いて、補助タンク54を筐体11内に設置する。運搬に際しては、スロットマシン10の電源装置91が外部電源に接続されておらず、スロットマシン10に対して電力が供給されていない状態となるため、主制御装置101から係合用駆動部761に対する上記駆動信号が出力されていない状態となる。このため、底側貫通孔720と係合部721とが係合し、筐体11内における補助タンク54の移動を規制できる。これにより、運搬中の補助タンク54のがたつきを抑制でき、補助タンク54と周辺部材とが衝突して損傷することを抑制可能になる。
また、補助タンク54を手動回収に対応させて使用する場合は、上記と同様にして補助タンク54を筐体11内に設置する。この場合、スロットマシン10の電源装置91が外部電源(遊技ホールの商用電源)に接続され、スロットマシン10に対して電力が供給されている状態となる。但し、補助タンク54にメダルが収容されていない状況下では、上側センサ棒16aと下側センサ棒16bとが非導通の状態となるため、主制御装置101からの上記駆動信号の出力がなされず、底側貫通孔720と係合部721とが係合した状態となる。
スロットマシン10が外部電源に接続された状態であっても、例えばホール開店前、又はホール閉店後の検査や遊技設定等に際して補助タンク54が空になっていれば、補助タンク54を動かす必要がなく、作業都合等からして補助タンク54が不動であることが望ましい。この点、スロットマシン10に電力が供給されている状態でも、補助タンク54内におけるメダル収容量が所定以下である場合は、底側貫通孔720と係合部721とが係合することで、補助タンク54を動かすことが不要な場合に、その不要な動きを抑制でき、作業等において有利な構成を実現できる。
その後、補助タンク54に収容されたメダルが所定量に達して両センサ棒16a,16bが導通すると、主制御装置101から係合用駆動部761に対して上記駆動信号が出力される。その結果、係合用駆動部761が駆動状態となって係合突起723が下降し、底側貫通孔720と係合部721との係合が解除される。
また、両センサ棒16a,16bが導通した場合は、既に説明したように、外部集中端子板121を通じて満杯状態であることを示す外部信号が遊技ホールの管理装置に出力される。その後、通知を受けた従業員がスロットマシン10の下に向かい、補助タンク54内のメダルを回収すべく、補助タンク54の取り出し操作を行う。この場合、本変形例では、既に底側貫通孔720と係合部721との係合が解かれ、補助タンク54の取り出しが許容化された状態となっている。このため、補助タンク54を難なく取り出すことができ、メダルを回収することが可能になる。
メダルの回収後、再び補助タンク54を筐体11内に設置した場合は、底側貫通孔720と係合部721とが係合した状態となり、その後、両センサ棒16a,16bが導通することに応じて再度係合が解除される。
補助タンク54を自動回収に対応させて使用する場合は、上記第1の実施形態と同様に、補助タンク54の上下を反転させて筐体11内に設置する構成としてもよいし、底蓋514を係止爪等によってタンク本体701に係止するなど、補助タンク54を開放位置に保持可能な構成とした上で、上向き姿勢にて補助タンク54を設置する構成としてもよい。
以上のように、本変形例によっても、手動回収時における補助タンク54の取り出し操作に悪影響が及ぶことを回避しながら、スロットマシン10の運搬時における補助タンク54の移動を規制でき、利便性が格段に向上する。
上記変形例においては、補助タンク54の満杯状態を検知することに応じて、底側貫通孔720と係合部721との係合を解除する構成としたが、満杯状態が検知される前に両者の係合を解除する構成としてもよい。
具体的には、両センサ棒16a,16bとは別に、補助タンク54に収容されたメダル量が満杯よりも少ない特定量に達したことを検知するための検知手段を設け、当該検知手段の検知結果に基づいて係合用駆動部761を駆動制御する構成とすることができる。この場合、上記検知手段を主制御装置101と電気的に接続し、主制御装置101において上記特定量のメダル収容が把握されたことを契機として、主制御装置101から駆動信号を出力する構成とするとよい。これにより、満杯状態となることに先立って補助タンク54の取り出しを許容できる。
このような構成とすることで、満杯検知された場合の補助タンク54の取り出しタイミングに対して十分な余裕を持って対応することが可能になる。そればかりか、満杯状態に満たなくても補助タンク54の取り出しが可能となることから、貯留タンク52内のメダルの一部を補助タンク54に移して回収する場合等にも対応することが可能となる。
なお、上記検知手段としては、筐体11の底板11aに荷重センサを取り付けたり、上側センサ棒16aよりも低い高さ位置にて補助タンク54(タンク本体701)を前後又は左右に挟むようにして発光素子及び受光素子を設け、発光素子からの光が補助タンク54内のメダルにより所定期間に亘って継続的に遮断されることでメダル収容量を検知する構成等が考えられる。
<変形例3>
本変形例では、補助タンク54内のメダルの収容状態を検知するセンサを活用して補助タンク54との係合及びその解除を実現している点で、上記第4の実施形態と異なっている。以下、本変形例の構成について図170〜図173を参照して説明する。図170は補助タンク54の設置状態を示す説明図、図171(a)は下側センサ部801及びその周辺部の斜視図、(b)は下側センサ部801の部分拡大図、図172(a)は補助タンク54の斜視断面図、(b)はタンク本体701の斜視断面図、図173は補助タンク54の縦断面図である。
図171(a)に示すように、本変形例においては、下側センサ棒16b(図6参照)に代えて下側センサ部801を備えている。そして、図170に示すように、かかる下側センサ部801が、タンク本体701の後壁部701cを挟んで底蓋802と係合するように構成されている。以下、下側センサ部801、後壁部701c及び底蓋802の組み合わせについて説明する。なお、上側センサ棒16aについては上記各実施の形態に係るものと同一構成であるため、その説明を省略する。
図171(a)に示すように、下側センサ部801は、略L字状の縦断面を有しており、所定の厚みを有する金属板を折り曲げ加工することによって構成されている。下側センサ部801は、下側センサ部801を筐体11に取り付けるための取付部811と、取付部811の下端に設けられたセンサ本体812とを備えている。
取付部811は、筐体11の背板11bに沿って延びており、その中央部には、取付部811を厚み方向に貫通するようにして通し孔(図示略)が形成されている。通し孔には、筐体11の内側からネジ813の軸部813a(図170参照)が挿通され、ネジ813の軸部813aには、背板11bの背面側からナット814が螺着されている。これにより、下側センサ部801が背板11bに固定されている。軸部813a又はナット814には、接続端子を介して配線が接続され、当該配線を通じて下側センサ部801と主制御装置101とが電気的に接続されている。
センサ本体812は、取付部811の下端から前方に延びる延出部821と、延出部821の先端部から下方に折れ曲がる折曲部822と、折曲部822の先端部から斜め上方に立ち上がる係合用傾斜部823とを備えている。図171(b)に示すように、係合用傾斜部823の先端部823aは折曲部822の上端部822aと略同一の高さ位置まで延びており、折曲部822及び係合用傾斜部823の各縦幅寸法は略等しくなっている。
図170に示すように、センサ本体812における取付部811からの延び出し寸法は、上側センサ棒16aの長さ寸法に対応したものとなっている。具体的には、延出部821の延出方向における、延出部821の背板11b側の一端部821a(図171(a)参照)から係合用傾斜部823の先端部823aまでの距離は、上側センサ棒16aの背板11bから当該センサ棒16aの先端部までの距離と略同一となっている。これにより、下側センサ部801の形状が下側センサ棒16b(図6参照)とは相違するものとなっても、補助タンク54内のメダルに対して下側センサ部801を適切に接触させることでき、満杯状態を良好に検知可能となっている。
図172(b)及び図173に示すように、タンク本体701において後壁部701cには、下側センサ部801に対応して下側センサ挿通孔831が設けられている。下側センサ挿通孔831は、後壁部701cを厚み方向に貫通しており、下側センサ部801の折曲部822及び係合用傾斜部823が通過可能な大きさに形成されている。
図172(a)及び図173に示すように、底蓋802は、平面視で略長方形状の蓋本体835と、蓋本体835の軸部832とは反対側の端部835aから上方に起立する係合用起立部836とを備え、略L字状断面を有している。蓋本体835において軸部832(回動中心)から端部835aまでの距離は、底板部701aの表面における軸部832から後壁部701c側の端部までの距離と略同一となっており、蓋本体835は、底板部701aの表面の略全体を覆うようにして延びている。係合用起立部836は、後壁部701cの近傍において後壁部701cの内面に略沿うようにして起立しており、下側センサ挿通孔831よりも上方で且つ上側センサ挿通孔731aよりも下方となる所定の高さ位置まで延びている。
係合用起立部836の上部には、蓋用センサ挿通孔837が設けられている。蓋用センサ挿通孔837は、係合用起立部836を厚み方向に貫通しており、下側センサ部801の折曲部822及び係合用傾斜部823が通過可能な大きさを有している。蓋用センサ挿通孔837は、係合用起立部836に対する正面視において後壁部701cの下側センサ挿通孔831の前方に位置するように、下側センサ部801に対応して配置されている。
図172(b)及び図173に示すように、底板部701aにおいて下側開口部703と後壁部701cとの間に位置する底板後部701gには、コイルばね839が配置されている。コイルばね839は、底板後部701gの表面の一部を下方に凹ませたばね台座部840上に固定され、上方に向けて付勢力を発揮するようにして配置されている。
底蓋802の蓋本体835が底板部701aに近接する場合は、蓋本体835と底板部701aとの間にコイルばね839が介在し、コイルばね839によって底蓋802が上方に付勢される。このため、図173に示すように、底蓋802が下側開口部703を閉鎖する状態において蓋本体835上にメダルが載置されていない場合は、底蓋802が底板部701aの表面から所定高さだけ浮いた状態となり、これに伴い、底蓋802の係合用起立部836も上昇した位置で静止している。
係合用起立部836が上昇位置に位置する場合は、蓋用センサ挿通孔837の高さ位置が上昇することで、蓋用センサ挿通孔837の下端部837aが下側センサ挿通孔831の上端部831aよりも上方に位置するものとなる。その結果、下側センサ挿通孔831と蓋用センサ挿通孔837とを下側センサ部801の挿通方向に連通する空間の縦幅、すなわち、下側センサ挿通孔831の上端部831aから蓋用センサ挿通孔837の下端部837aまでの距離Lqは、係合用起立部836(底蓋802)が下降している場合に比べて縮小化される。この場合における距離Lqは、下側センサ部801の折曲部822及び係合用傾斜部823の縦幅寸法Hb(図171(b)参照)よりも小さくなっており、折曲部822及び係合用傾斜部823が通過できない又は通過困難なものとなっている。
次に、下側センサ部801と底蓋802との係合方法及びその解除方法について図174及び図175を参照して説明する。図174(a)は係合前の状態を示す説明図、(b)は係合した状態を示す説明図、図175は係合が解除された状態を示す説明図である。なお、図175では、便宜上、補助タンク54内のメダルの図示を省略している。
先ず、下側センサ部801と底蓋802との係合方法について説明する。下側センサ部801と底蓋802とを係合させるにあたっては、筐体11の前面を開口させた状態にて、底板11a上に補助タンク54を載置する。この場合、補助タンク54の後壁部701cが上側センサ棒16a及び下側センサ部801の先端部よりも手前側に位置するように、補助タンク54を載置する。その際、上記第4の実施形態と同様に、補助タンク54を右側板11cに宛がうことで左右方向の位置合わせを行うことができる。
その状態から補助タンク54を筐体11内の奥方に向けて押し込み、底板11a上で補助タンク54をスライド移動させる。そして、図174(a)に示すように、補助タンク54が背板11bにある程度接近すると、下側センサ部801の係合用傾斜部823における先端側の一部が、タンク本体701の後壁部701cに設けられた下側センサ挿通孔831を通過し、底蓋802の係合用起立部836に設けられた蓋用センサ挿通孔837の下端部837aに当接する。
ここで、係合用傾斜部823は補助タンク54の移動方向に見て下り傾斜となっているため、補助タンク54が前進するにつれて、蓋用センサ挿通孔837の下端部837aが係合用傾斜部823上を摺動し、係合用傾斜部823の傾斜に沿って徐々に下方へ押し下げられる。これに伴って係合用起立部836とともに底蓋802が下降し、コイルばね839が押し縮められて復元力が蓄えられる。
また、係合用起立部836が下降することで、蓋用センサ挿通孔837の下端部837aの高さ位置が下がり、下側センサ挿通孔831の上端部831aから蓋用センサ挿通孔837の下端部837aまでの距離Lqが拡張される。そして、補助タンク54の前進が進むほど、距離Lqの拡張化が進み、最終的には、折曲部822及び係合用傾斜部823の縦幅寸法Hbと同一又はそれよりも大きくなる。これにより、折曲部822及び係合用傾斜部823の全体が下側センサ挿通孔831及び蓋用センサ挿通孔837を通過することが可能になる。
補助タンク54の前進が更に進み、係合用傾斜部823が下側センサ挿通孔831及び蓋用センサ挿通孔837を通過すると、蓋用センサ挿通孔837の下端部837aに対する下方への押圧力が消失する。これに伴い、コイルばね729の復元力によって係合用起立部836が上昇する。その結果、図174(b)に示すように、蓋用センサ挿通孔837よりも下側の係合用起立部836の一部(下端部837aを含む部分)が、折曲部822と背板11bとの間に入り込み、下側センサ部801と底蓋802とが係合する。
この場合、補助タンク54を背板11bとは反対側の方向に移動させようとしても、係合用起立部836が下側センサ部801の折曲部822に当接するため、補助タンク54の移動が規制される。一方、背板11b側への補助タンク54の移動については、タンク本体701の後壁部701cが下側センサ部801を固定するネジ813に当接することで規制されている。すなわち、本変形例では、折曲部822とネジ813との間に後壁部701c及び係合用起立部836が挟まれることで、補助タンク54の前後移動が規制されている。
なお、補助タンク54の上方への移動規制については、上記第4の実施形態にて説明したように、上側センサ棒16aと上側センサ挿通孔731aによってなされている。
このようにして、補助タンク54の前後移動及び上方への移動が規制された状態では、補助タンク54の全体が筐体11内に収まるものとなり、前面扉12を閉鎖しても前面扉12の背面が補助タンク54に衝突しない。つまり、本変形例では、下側センサ部801と底蓋802とが係合する際の補助タンク54の位置が、上記第4の実施形態で言うところの設置位置に相当する。
したがって、スロットマシン10の運搬時において、上記設置態様にて補助タンク54を筐体11内に設置すれば、筐体11内における補助タンク54のがたつきを抑制でき、運搬中に補助タンク54と周辺部材とが衝突して損傷することを抑制可能となる。
次に、係合の解除方法について説明する。係合の解除が必要となるのは手動回収に対応させて使用する場合であるところ、この場合は、既に説明した係合方法(図161及び図162を参照)を用いて、補助タンク54を設置位置に設置する。
貯留タンク52から溢れたメダルが順次補助タンク54に収容されると、それらのメダルが底蓋704に載ることで、メダルの荷重が底蓋704に作用する。メダルの荷重は底蓋704を通じてコイルばね839にも作用するため、底蓋704上のメダル重量が増えていくにつれて、コイルばね839が徐々に押し縮められ、底蓋704が少しずつ下方に回動していく。その結果、係合用起立部836が下降していき、下側センサ挿通孔831の上端部831aから蓋用センサ挿通孔837の下端部837aまでの距離Lqが拡張されていく。
そして、補助タンク54に収容されたメダルが所定量以上となると、図175に示すように、係合用起立部836(底蓋704)が下降端位置まで下がり、距離Lqが折曲部822及び係合用傾斜部823の縦幅寸法Hbよりも大きくなる。これにより、折曲部822及び係合用傾斜部823の全体が下側センサ挿通孔831及び蓋用センサ挿通孔837を通過することが可能になり、補助タンク54に対する引き出し方向への移動規制が解除される。つまり、補助タンク54内にメダルがある程度溜まると、自ずと補助タンク54の取り出しが許容され、補助タンク54内のメダルを回収可能となる。
なお、補助タンク54を自動回収に対応させる場合は、上記第4の実施形態と同様に、筐体11の前面を開口させた状態にて補助タンク54を筐体11内から一旦取り出し、底蓋704を上方に回動させて下側開口部703を開放する。その後、下側開口部703を開放させた状態のまま、上記設置位置に補助タンク54を設置する。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)第1の実施形態において、各特殊役の当選確率を、通常遊技モードにおける対応する各役の当選確率と同じ確率としたが、一部を異なる確率としてもよいし、全部を異なる確率としてもよい。例えば、特定役に対応する特殊特定役の当選確率を特定役の当選確率よりも高い確率とする構成とすると、特定モードにおける遊技では、通常遊技モードにおけるアタックモード等の移行抽選や、上乗せ等の抽選を体験し易くなる。これに対して、特定役よりも低い確率とする構成とすると、特定モードにおける遊技では、通常遊技モードにおけるアタックモード等の移行抽選や上乗せ等の抽選がなかなか行われない構成となる。これにより、練習用の特定モードにおいてなかなかアタックモード等の移行抽選等が行われないことを体験した遊技者に対して、通常遊技モードにおける移行抽選等の実行頻度が高いものと体感させ易くなる。
また、特定モードにおける第1PBBや第2PBBの当選確率を、通常遊技モードにおける第1BBや第2BBとは異なる確率として、例えば第1BBや第2BBよりも高い確率としてもよいし、第1BBや第2BBよりも低い確率としてもよい。高い確率とすれば、第1BBや第2BBをより簡単に体験させ易くなる一方、低い確率とすれば、特定モード中にボーナス状態(特殊ボーナス状態)に移行することによって、当該ボーナス状態を終了させるまで通常遊技モードの第1BBや第2BBの抽選が行われない、という事象を発生させにくくすることができる。
(2)第1の実施形態において、特定モード中の抽選テーブルを、通常遊技モードにおける通常遊技状態における抽選テーブルと同等となるように設定したが、他の遊技状態における抽選テーブル(例えばボーナス状態)と同等となるように設定してもよい。
(3)第1の実施形態において、第1PBBや第2PBBの終了条件を、第1BBや第2BBの演出実行回数とあわせた回数のゲームの実施によって終了することとなる条件(24枚の払出)としたが、より早期に終了させることが可能となるように、24枚の払出よりも少ない枚数の払出(例えば3枚)で終了する構成としてもよい。例えば、3枚の払出で終了する構成の場合、1ベットゲームにおいては3ゲーム(1ベット、1枚払出を3ゲーム)、3ベットゲームにおいては1ゲーム(3ベット、3枚払出を1ゲーム)となり、上記第1の実施形態よりもより早期に終了させることが可能となる。
(4)第1の実施形態において、第1PBBや第2PBBを設けたが、第1PBBや第2PBBを設けない構成としてもよい。その代りに、第1PBBや第2PBBの入賞態様と同じ入賞態様、すなわち、通常遊技モードにおいて第1BBや第2BB入賞となる出目と同じ出目で入賞となる1枚払出役を設ける。そして、当該1枚払出役当選時(入賞時)に第1PBBや第2PBB当選(入賞)となる演出を発生させるとよい。この場合、当該1枚払出役を取りこぼし無しの役として、当選ゲームにて入賞し得る構成とすれば、第1PBBや第2PBBが持越された状態に対応する処理を設ける必要が生じなくなる。
さらにこの場合、ボーナス状態中に当選し得る役(第30小役等)に対応する特殊役(第30P小役等)を、通常遊技状態中に当選し得る特殊役とストップスイッチ42〜44の操作順序の相違によって入賞/非入賞が異なる構成とし、上記第1BBや第2BB入賞となる出目と同じ出目で入賞となる1枚払出役入賞後、所定ゲーム数(例えば24ゲーム)に亘って、上記ボーナス状態中に当選し得る役に対応する特殊役の操作順序の報知を行って、当該特殊役入賞を成立させるようにする。これにより、所定ゲーム数に亘って擬似的なボーナス状態を体験させることが可能となる。
また、押し順役として、上記外れ小役を複数種類設け、複数の外れ小役が設定された押し順役を設ける構成とする。すなわち、第1の操作順序でストップスイッチ42〜44の操作が行われた場合には第1の外れ小役入賞が成立し、第2の操作順序でストップスイッチ42〜44の操作が行われた場合には第2の外れ小役入賞が成立するようにする。そして、上記第1PBBや第2PBBに対応する1枚払出役に当選して、第1PBBや第2PBB入賞に対応する出目で入賞しなかった場合(バラケ目で当該1枚払出役に入賞した場合)は、1枚のメダル払出を行うとともに、上記の押し順役当選時に報知する外れ小役の種類を異ならせる構成とする。すなわち、第1PBBや第2PBBに対応する1枚払出役の当選前は第1の外れ小役が入賞し易いように第1の操作順序の報知を行ったり、第1の操作順序を通常実施され易い操作順序(左リールから停止させる順序等)に設定するとともに、第1PBBや第2PBBに対応する1枚払出の当選後は第2の外れ小役の操作順序を報知する構成とする。このようにすることで、持越し状態と非持越し状態とで出目を異ならせて、所謂リーチ目を出現させることが可能となる。
(5)第1の実施形態において、基本的には1ベットゲームを用いて特定モードを行う構成としたが、2ベットゲームを用いて特定モードを行う構成としてもよいし、通常遊技モードを3ベットゲームではなく1ベットゲームや2ベットゲームで行う構成としたうえで、特定モードを3ベットゲームにて行う構成としてもよい。
(6)第1の実施形態において、1ベットゲームでも通常遊技状態及びボーナス状態の他に、各RT状態を設定し、それぞれのRT状態への移行(昇格・転落)を各再遊技に対応する出目となる特殊再遊技や特殊移行出目にて行う構成としてもよい。この場合、少なくとも、1枚払出となる外れ小役が設けられていれば、1ベットゲームをメダル増減のない(少ない)フリーモードとして行わせることが可能である。
(7)第1の実施形態において、1ベットゲームの抽選処理でも、いずれのインデックス値でも当選しない完全外れとなる結果を設けてもよい。
(8)第1の実施形態において、通常遊技モード及び特定モードのいずれを実施しているかを、外部出力可能な構成としてもよい。外部出力先としては、例えば遊技ホールのホールコンピュータであってもよいし、遊技ホールに設置されるデータ表示機であってもよい。この場合、ホールコンピュータやデータ表示機にて通常遊技モード及び特定モードの遊技履歴を別々に管理可能な構成としてもよいし、少なくとも通常遊技モードの遊技履歴を管理する一方で、特定モードの遊技履歴を管理しない構成としてもよい。
(9)第1の実施形態において、通常遊技モードと特定モードとを識別可能とする構成は、上記のスタンプ65aや識別用役物65bに限られず、他の構成であってもよい。例えば、補助表示部65の表示内容で識別可能とする場合、スタンプ65aに代えて又は加えて、通常遊技モード中と特定モード中とで背景色等を異ならせる等してもよい。この場合、表示制御装置81にて特定モード中の表示内容を決定する際には、通常遊技モード中の対応する演出内容の演出データを取得して、当該演出データにおける色データを書き換えたうえで特定モード中の表示内容とするとよい。これにより、特定モード用の演出データを別途記憶しておく構成と比較して、大幅な記憶容量の削減が図られる。また、識別用役物65bにて識別可能とする場合、スロットマシン10から(例えば上方に)突出する位置を特定位置として設定すると、遊技ホールの管理者等が特定モード中であることを遠方からも容易に把握することが可能となる。
また、スロットマシン10の(例えば回転軸側とは逆である右方の)側端部において前方に突出させるとともに、上下に延在させた起立壁を設ける。そして、当該起立壁の壁部を利用して識別表示を行う構成としてもよい。これにより、各リール32L,32M,32Rやストップスイッチ42〜44、補助表示部65等を視認しながら遊技を行っている遊技者にとっては気にならず、且つ遊技ホールの管理者等には容易に確認可能な位置にて識別表示を行うことが可能となる。この場合、例えば、内側(遊技者側)を向く起立壁の壁部では識別表示を行わず、外側(隣接遊技機側)を向く起立壁の壁部において識別表示を行う構成としてもよい。このようにすると、より一層遊技を行っている遊技者にとっては気にならない表示とすることが可能となる。また、このようにすることで、隣接する遊技機にて遊技を行っている遊技者から見ると、隣接する遊技機(本遊技機)での遊技が特定モードであることを容易に把握可能となり、メダルが減らない本遊技機の遊技性を不正行為と誤認してしまうことを抑制することも可能である。
(10)第1の実施形態において、特定モード中の抽選テーブルでは、通常遊技状態とボーナス状態(特殊ボーナス状態)とで、当選し得る役が全て異なるように設定されていたが、一部の役が重複していてもよいし、全部の役が重複していてもよく、少なくとも通常遊技状態とボーナス状態とで各役の当選確率が異なる構成であればよい。
(11)第1の実施形態において、特定モードにおいて、通常遊技状態とボーナス状態とで、いずれも1枚ベット且つ1枚払出の遊技が行われる構成としたが、これら通常遊技状態とボーナス状態とでメダルの投入数に対する払出期待数が同等のものとなればよく、例えば、通常遊技状態では1枚ベット且つ1枚払出の遊技を行い(メダルの投入数に対する払出期待数=1/1)、ボーナス状態では3枚ベット且つ3枚払出の遊技を行う(メダルの投入数に対する払出期待数=3/3)構成としてもよい。また、通常遊技状態とボーナス状態とで、いずれも外れ結果無しの遊技性にて説明したが、外れ結果有りの遊技性にて実現する場合には、各状態において外れ結果を含めてメダルの投入数に対する払出期待数が同等のものであればよい。
(12)第1の実施形態において、1ベットゲームにおいて当選し得る第1PBBや第2PBBを所謂取りこぼし無しの役として設定してもよい。このようにすることで、第1PBBや第2PBBに当選したゲームにて確実に第1PBB入賞や第2PBB入賞を成立させることが可能となる。これにより、第1PBBや第2PBBの持越し時に生じるメダルの損失を解消することができる。
(13)第1の実施形態において、1ベットゲームにおいて当選し得る第1PBBや第2PBBを、入賞時に1枚のメダル払出が行われる役として設定してもよい。これにより、第1PBB入賞や第2PBB入賞のゲームにて生じるメダルの損失を解消することができる。
(14)第1の実施形態において、特定モードにおいて特殊再遊技入賞が成立した場合に、自動ベットが行われない構成としてもよい。このようにすれば、リプ小役とのベット操作の有無という差をなくすことができる。また、リプ小役入賞が成立した場合には、1枚のメダル払出の代わりに1枚のメダルの自動ベットが行われる構成としてもよい。このようにしても、リプ小役入賞と特殊再遊技入賞とのベット操作の有無の差をなくすことができる。
(15)第2の実施形態において、特定モード用のベット操作を行う第4クレジット投入スイッチ69や第5クレジット投入スイッチ75の構成は上記のものに限定されず、他の操作部であってもよい。例えば、化粧パネル80全体を押圧操作可能な操作部とし、当該化粧パネル80における操作部にて特定モード用のベット操作を行う構成としてもよい。また、タッチセンサや非接触センサを設け、これらセンサにて手などの遊技者の体の一部が検知されたことを特定モード中のベット操作とする構成としてもよい。また、MAXベットボタンを設け、特殊上乗せフラグの有無等によって、当該MAXベットボタンの操作によりベットされる枚数を異ならせる構成としてもよい。
(16)第2の実施形態において、特定モード中に当選し得る役は上記のものに限定されず、他の役を含むもの、又は上記のもののいずれかを含まない物であってもよい。例えば、第1PBBや第2PBBも当選し得る構成としてもよい。第1PBBや第2PBBに当選した場合、所定ゲーム数に亘って(所定枚数の払出が行われるまで)ボーナス状態となるところ、特殊上乗せ時等の発生時に第1PBBや第2PBBに当選・入賞することでボーナス状態に移行して、当該ボーナス状態中の各ゲームにて上乗せを更に行う構成(すなわち特化ゾーンとしての扱い)としてもよい。
また、例えば、特殊再遊技や特殊赤7揃いを設けたが、特殊再遊技や特殊赤7揃いを設けない構成としてもよい。
いずれの役にも当選しない非当選結果が設けられていてもよいし、上記第1の実施形態のように外れ小役を設けてもよい。これら非当選結果や外れ小役では上乗せゲーム数を少なくする、又は上乗せが発生しないようにする構成としてもよい。
特殊特定役として、特殊スイカ、特殊強チェリー、特殊弱チェリー、特殊中段ベル、特殊再遊技、特殊赤7揃いを設けたが、このうち、1種類又は複数種類が当選し得る構成としてもよい。また、特定モードにおける抽選テーブルを複数設け、各テーブルによって当選し得る役や当選し易い役が異なる構成としてもよい。この場合、例えば、通常遊技モードにおいて、第2RT状態(アタックモードが対応)であれば、特殊スイカに当選するテーブルにて特定モードの抽選が行われ、第3RT状態(VBモードが対応)であれば、特殊赤7揃いに当選するテーブルにて特定モードの抽選が行われる等、通常遊技モードにおける遊技状態によって特定モードにおける抽選テーブルが異なる構成としてもよい。
(17)第2の実施形態において、特定モード中に当選し得る役として、押し順役が含まれる構成又はいずれの役についても押し順役である構成としてもよい。押し順役として、例えば、特殊スイカと特殊強チェリーとの押し順役を設定し、当選した上乗せゲーム数に応じて、対応する特殊特定役入賞となるストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する構成としてもよい。例えば、上記特殊スイカと特殊強チェリーとでは、全体的に特殊強チェリーの方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。そこで、特殊上乗せにおける特定モードの抽選時に比較的多い上乗せゲーム数が選択された場合には特殊強チェリー入賞となる操作順序を報知し、少ない上乗せゲームが選択された場合には特殊スイカ入賞となる操作順序を報知する。このようにすることで、入賞役と上乗せゲーム数とをより関連付けることが可能となる。
また、押し順役として、上記第2の実施形態における各特殊特定役と、所定のボーナス等の特典付与を報知する出目の役(例えば、第1の実施形態における第4リプ小役や第5リプ小役)と、の押し順役を設けてもよい。また、当該所定のボーナス等の特典付与を報知する出目の役と、外れ小役との押し順役を設けてもよい。そして、特殊上乗せ等に当選するか否かに関わらず、特定モードによる遊技を行う構成とし、特殊上乗せ等に当選した場合には上記所定のボーナス等の特典付与を報知する出目の役入賞の操作順序を報知し、当選していない場合には外れ小役や、特殊特定役入賞の操作順序を報知する構成としてもよい。
(18)第2の実施形態において、特定モードによる遊技を実施させるタイミングはアタックモードの上乗せ時に限定されず、他のタイミングであってもよい。例えば、通常モードにおいて、チャレンジモードやアタックモードの当選報知演出として利用してもよい。この場合、例えば、上記(17)のように、特定モード中の各役を、所定のボーナス等の特典付与を報知する出目の役との押し順役とする。そして、チャレンジモードやアタックモードに当選している場合には、上記特典付与を報知する出目の役が入賞し得る操作順序を報知し、当選していない場合には、上記特殊特定役や外れ小役が入賞し得る操作順序を報知する構成とするとよい。
(19)第2の実施形態において、通常遊技モード中に特定役当選した場合、且つ入賞を発生させた場合(払出があった場合)には特定モードによる特殊上乗せが発生し易く、入賞を発生させなかった(取りこぼしにより払出がなかった場合)には特定モードによる特殊上乗せが発生しにくくなる構成としてもよい。このようにすることで、特定役当選時に所謂目押しをさせて取りこぼしを発生させないことの意義を向上させることができる。しかもこのようにすれば、特定モードの開始時にクレジットカウンタが0である事象が発生しにくくなる。これにより、特定モードにおいて第4クレジット投入スイッチ69を操作させる遊技性を好適に実現することができる。
(20)第2の実施形態において、クレジットカウンタの値が上限値に近いほど特定モードによる特殊上乗せが発生しにくく、上限値から遠いほど(クレジットカウンタの値が小さいほど)特定モードによる特殊上乗せが発生し易い構成としてもよい。特定モードによる特殊上乗せ時においては、1枚払出であっても通常遊技モードの払出効果音に対応する効果音を発生させる構成としてるところ、例えば、特殊スイカ入賞時には、スイカ入賞に対応する払出効果音が出力されるとともにクレジットカウンタに1が加算される。この場合、仮に、クレジットカウンタの値が上限値に近い状況(例えば49)で特殊スイカ入賞が成立した場合、本来であればスイカ入賞の5枚払出に対応させて、クレジットカウンタは1加算させて上限値(50)とするとともに、ホッパ装置51から4枚のメダル払出が行われるところ、特殊スイカ入賞の場合には、クレジットカウンタの加算のみでメダル払出は行われない。そうすると、せっかく特殊スイカ入賞時にスイカ入賞時の演出を設定したのにもかかわらず、ホッパ装置51からメダル払出が行われないことを通じて、特殊スイカ入賞であったことが明確に特定されてしまう。そこで、クレジットカウンタの値が小さいほど特定モードによる特殊上乗せが発生し易いようにすれば、特定役入賞を擬似的に発生させるうえでメダル払出の有無という矛盾を生じさせないようにすることが可能となる。この場合、例えば、特定役入賞の最大払出枚数に対応する9枚の払出が行われてもクレジットカウンタの加算のみとなるように、クレジットカウンタが41以下であれば特定モードによる特殊上乗せが発生し易くし、41を超える場合には発生しにくくする構成としてもよい。
(21)第2の実施形態において、特定モードによる特殊上乗せとしてアタックモードの継続ゲーム数の上乗せやVBモードの上乗せを行う構成としたが、特定モードによるゲームの特典はこれに限定されない。例えば、特定モードによるゲームの特典として、レア画像が付与される構成としてもよいし、通常遊技モード中の演出を変更可能とするパスワード等が付与される構成としてもよい。レア画像が付与される構成においては、特定モードによるゲームにて当選する特殊特定役の種類によって付与されるレア画像のレア度を異ならせてもよい。また、パスワード等が付与される構成においては、特定モードによるゲームにて当選する特殊特定役の種類によって、変更可能とする通常遊技モード中の演出を異ならせる構成としてもよい。
(22)第2の実施形態において、ステップS5503のクレジット表示不可視可処理では、クレジット表示部60等の表示をOFFとする構成としたが、例えば、クレジット表示部60等の表示は継続するもののその表示の視認性を低下させる構成(例えば、通常よりもうっすらと表示させる構成)としてもよいし、クレジット表示部60等と重なる位置にて演出を行うことで、クレジット表示部60等の視認性を低下させる構成(例えば、役物をクレジット表示部60等と前後方向に重ならせる構成)としてもよい。
(23)第2の実施形態において、特殊上乗せの契機となる特定役の特典を上記のものと異ならせてもよい。例えば、スイカ役入賞に基づいて5枚のメダル払出が行われるところを、3枚のメダル払出が行われるようにしてもよい。この場合、3ベットゲームとして行われるゲームにて、3枚のメダル払出が行われるスイカ役入賞が成立する状況と、1ベットゲームとして行われるゲームにて、1枚のメダル払出が行われる特殊スイカ役入賞が成立する状況と、でいずれも実際のメダル払出が行われにくくなり(クレジットカウンタの増減だけでおさまるようになり)、両状況の識別性を低下させるうえでは、好ましくなる。つまり、特殊上乗せの契機となる特定役の特典を、賭数である3枚以下とすることで、特殊特定役入賞が成立する状況との識別性を好適に低下させることが可能となる。
(24)表示モードとしての通常モード、チャレンジモード、アタックモード、VBモード、特化ゾーンの構成や移行契機、移行確率、継続ゲーム数等は上記のものに限定されず、他の構成であってもよい。例えば、上記各実施形態では、特化ゾーンとして、VBモード中に第7再遊技入賞で移行する構成としたが、アタックモード中に移行し得る構成としてもよいし、移行契機となる役も、例えば、スイカ等の特定役の一部としてもよい。
(25)遊技状態としての通常遊技状態、RT状態、ボーナス状態の構成や移行契機、移行確率、継続ゲーム数等は上記のものに限定されず、他の構成であってもよい。この場合、例えば上記第1の実施形態では、遊技状態の移行時に出現する停止出目で入賞となる特殊役を特定モード時に設定するとよい。
(26)3ベットゲームと1ベットゲームとでそれぞれ設定される有効ラインは右下がりラインL4と折れ曲がりラインL6とに限定されない。例えば、3ベットゲームでは折れ曲がりラインL6が設定され、1ベットゲームでは右下がりラインL4が設定される構成としてもよい。この場合、例えば上記各実施形態における3ベットゲームにて停止する出目が停止した場合に入賞となるように、各役の入賞態様を設定するとよい。
(27)補助表示部65にてストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、スピーカ64から音声を出力して操作順序を報知する構成としてもよく、次に操作するストップスイッチのランプを他のストップスイッチと異なる発光色等で点灯表示することで操作順序を示唆する構成としてもよく、各リール32L,32M,32Rのバックライトの点灯又は消灯により次に停止操作すべきリールを示唆する構成としてもよく、他の表示装置や役物装置を設け当該装置により操作順序を報知する構成としてもよい。また、これらの構成の組合せによって操作順序を報知する構成としてもよい。
(28)ストップスイッチ42〜44の操作順序によって、遊技者にペナルティが付与される構成としてもよい。例えば、押し順役当選時に報知されている操作順序とは異なる操作順序にて操作が行われた場合(報知対象となっている役とは異なる役を入賞させる操作が行われた場合)にはペナルティを付与する構成としてもよいし、押し順役当選時に操作順序の報知が行われる状態となっていないのにも関わらず、又は押し順役当選時に操作順序の報知が行われていないのにも関わらず所定の操作順序(例えば左ストップスイッチ42を最初に操作する操作順序)とは異なる操作順序の操作が行われた場合にはペナルティを付与する構成としてもよい。ペナルティの付与としては、例えば主制御装置101によるリール制御処理にてストップスイッチ42〜44の操作順序等に基づいて、ペナルティ対象となっている操作(所定の罰則対象となる特定操作)が行われたか否かを特定し、主制御装置101により、例えば、チャレンジモードやアタックモード等の抽選を所定ゲーム数に亘って行わないようにしたり、チャレンジモードやアタックモード等の継続ゲーム数の上乗せ抽選を行わないようにしたり、これらの抽選は行うものの、ペナルティが付与されていない状況よりも当選確率が低い抽選を行うようにしたペナルティ処理を実行する構成とするとよい。
またこの場合、上記の所定の罰則対象となる特定操作が行われたことのペナルティ報知を、補助表示部65等により報知する構成とするとよい。この報知は、表示制御装置81にて行う構成とするとよい。この場合、表示制御装置81は、主制御装置101にて上記特定操作が行われたことが特定された場合に出力されるコマンドによって、特定操作が行われたことを把握可能となるとともに、上記ペナルティ報知を行うための処理を実行可能となる。
そして、例えば、主制御装置101を、通常遊技モードにおいて特定操作が行われた場合には上記ペナルティ処理を行うものの、特定モードにおいて特定操作が行われた場合には上記ペナルティ処理を行わないようにしてもよい。特定モードは、等枚返しでメダルの増減が生じないようにした遊技モードであるところ、このような遊技モードにおいてもペナルティが付与されてしまうと、メダルの増減が生じないのにもかかわらずペナルティが付与されるといった特定モードを設けた意義に反する事象が生じ得るからである。
またこの場合、表示制御装置81は、通常遊技モードにおいて特定操作が行われた場合には上記ペナルティ報知を行うとともに、特定モードにおいて特定操作が行われた場合にも上記ペナルティ報知を行う構成としてもよい。このようにすれば、特定モードが練習モードとして設定されている構成においては、仮にこのような特定操作を通常遊技モードにて行ってしまったらペナルティが付与されることを知らしめることができ、練習用モードである意義を向上させることができる。
さらに、表示制御装置81は、特定モードにおいて特定操作が行われた場合には、上記ペナルティの内容としての内容報知を行う構成としてもよい。内容報知は、上記のようにアタックモード等の抽選が通常よりも不利なものとなることを解説する報知であるとよい。このようにすれば、特定モードを練習用モードとして設ける意義を向上させることが可能である。
(29)通常遊技モードと特定モードとをベット数の相違によって実現したが、他の構成により実現してもよい。例えば、ベット数は同じであっても、第1位置と第2位置とに切換可能な切換スイッチを、第1位置に切り換えた場合には通常遊技モードを実行可能となり、第2位置に切り換えた場合には特定モードを実行可能となるようにしてもよい。切換スイッチは、遊技者が切換操作可能な位置(例えば、スロットマシン10の前面)に設けてもよいし、遊技者が切換操作不可能な位置(例えば、スロットマシン10の背面)に設けてもよい。また、抽選手段による抽選において各役の当選確率を相違させる設定値によって、通常遊技モードと特定モードとが切り換えられる構成としてもよい。具体的には、設定値が最低値である1や中間値である3の場合には特定モードを実行可能とし、その他の設定値である場合には通常遊技モードを実行可能としてもよい。
(30)通常遊技モードと特定モードとの有効ラインは上記のものに限定されない。例えば、通常遊技モードにおいて3ベットゲームや2ベットゲームでは右下がりラインL4ではなく他の直線ラインL1〜L5が有効ラインとして設定される構成としてもよいし、通常遊技モードにおいても折れ曲がりが生じるラインが有効ラインとして設定される構成としてもよい。また、特定モードにおいても直線ラインL1〜L5が有効ラインとして設定される構成としてもよいし、他の折れ曲がりが生じるラインが有効ラインとして設定される構成としてもよい。通常遊技モード及び特定モードの有効ラインの数も1本に限定されず、2本以上であってもよいし、両遊技モードで有効ラインの数が異なる構成であってもよい。両遊技モードの有効ラインがいずれも又は一方が複数の有効ラインにより構成される場合、いずれかの有効ラインが両遊技モードで重複する構成であってもよく、この場合、少なくとも互いの有効ラインに重複しない有効ラインが含まれる構成であればよい。
(31)補助表示部65にて各種演出を行う構成としたが、他の演出手段にて各種演出を行う構成としてもよい。例えば、各リール32L,32M,32Rを視認可能としつつも表示窓26L,26M、26R全体を覆うように設けられた遊技パネル25を液晶表示パネルとする所謂全面液晶にて各種演出を行う構成としてもよいし、ストップスイッチ42〜44の下方である化粧パネル80において各種演出を行う構成としてもよいし、可動役物等を用いて各種演出を行う構成としてもよい。
(32)ボーナス状態としてのBB状態(第1BB,第2BB,第1PBB,第2PBB)、CB状態(CB,PCB)や、各RT状態を備えたスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、BB状態やCB状態を備えないスロットマシンであっても良いし、レギュラーボーナス(RB)状態やシングルボーナス(SB)状態等の他の遊技状態を備えたスロットマシンであっても良い。
(33)通常遊技モードにおいてメダルが3枚〜1枚ベットされることで開始可能としたが、1枚ベットされた状態や2枚ベットされた状態では開始できない構成としてもよい。この場合、第1の実施形態では、第2演出スイッチ67の操作によって特定モードに切り換えられることで1枚ベットを可能とするとよく、第2の実施形態では特殊上乗せフラグがセットされることで1枚ベットを可能とするとよい。これら1枚ベットを可能とする場合、他のベット(3枚ベットや2枚ベット)を不可としてもよい。
(34)付与される特典として、遊技状態が移行する特典と、再遊技の特典の他に、メダルを払い出す特典を備える構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、メダルを払い出す特典に代えてメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。特に、第1の実施形態のようにフリーモードとしての特定モードで遊技が行われる場合、メダルの増減がない構成としているため、例えば多量のゲーム数の上乗せが発生しても、メダルの増加は見込めない。そこで、例えば、擬似的な獲得数が所定数以上となった場合には、レア画像を表示する等する特典を付与する構成としてもよい。
(35)リール及びそれに対応するストップボタンを3つ並列して備え、有効ラインとして4ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップボタンを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップボタンは少なくとも2つあればよい。
(36)上記各実施の形態では、底板部501a,602,701aに底側貫通孔720を設け、これを底蓋514,606,704,802により開閉する構成としたが、補助タンク54の底部全体を開口し、当該開口部を底蓋514等により開閉する構成としてもよい。
(37)上記各実施の形態では、補助タンク54を筐体11の底板11a上に設置する構成としたが、例えば、筐体11内に配置された搭載部品上に配置するなど底板11a以外の箇所に補助タンク54を設置する構成としてもよい。
(38)上記各実施の形態では、補助タンク54のメダルの収容状態を検出する収容状態検出手段として棒状のセンサを用いたが、例えば、底板11aに荷重センサを取り付けるなど、他のセンサを用いてもよい。
(39)上記各実施の形態では、筐体11の右側板11cによって補助タンク54の左右位置をガイドする構成としたが、かかるガイドは、例えば、底板11a上において前後方向に延びる所定のガイド部材を設けるなど、右側板11c以外によって構成されてもよい。また、補助タンク54の左右一側のみでガイドする構成に限らず、左右両側でガイドする構成としてもよい。
(40)上記各実施の形態では、上側センサ棒16a及び下側センサ棒16bの2本のセンサ棒を備える構成としたが、下側センサ棒16bを省略してもよい。この場合、例えば、タンク本体501の底板部501a上に導電板を配置するなどした上で、当該導電板と上側センサ棒16aとの導通状態を主制御装置101にて監視する構成とするとよい。
(41)上記第1及び第3の実施形態において、下側開口部512,603を省略して底板部501a,602を閉じた状態とし、且つ、底蓋514,606を省略する構成としてもよい。この場合、補助タンク54を下向き設置することで、補助タンク54の筐体11への固定化に留まらず、メダル排出孔15を補助タンク54によって塞ぐこともできる。なお、下側開口部512,603及び底蓋514,606を省略した構成において自動回収に対応させる場合は、補助タンク54を筐体11内から取り出せばよい。
また、下側開口部512,603及び底蓋514,606を省略した場合は、必ずしも補助タンク54を下向き設置することで係合する構成とする必要はなく、例えば、上側開口部502が左方又は右方を向くように横倒しの姿勢で設置したり、上側開口部502が前方又は後方を向くように立ち姿勢で設置したりすることで、係合する構成としてもよい。このような場合でも、通常の設置態様とは異なる態様で設置されていることに一見して気付くことができ、係合(固定化)されていることの気付きを促すことが可能になる。
さらに、下側開口部512,603及び底蓋514,606を設けた構成においても、上記横倒しの姿勢や立ち姿勢で係合する構成としてもよい。その場合、必ずしもスロットマシン10の運搬時と自動回収に対応させて使用する場合とで補助タンク54の姿勢を共通化する必要はなく、例えば、運搬時においては上記横倒しの姿勢や立ち姿勢とし、自動回収に対応させる場合は下向き姿勢とすることができる。特に、下向き姿勢とした場合は、下側開口部512,603からメダル排出孔15までのメダル移動路を確保するにあたって上側開口部502を活用できるという利点があるため、補助タンク54を下向き姿勢として自動回収に対応させる構成が好ましい。なお、運搬時と自動回収時とで補助タンク54の姿勢を逐一変えなくても済む点を踏まえれば、上記実施形態の構成とすることが好ましい。
(42)上記第1及び第3の実施形態では、底蓋514,606が回動する構成としたが、上下や斜めに移動する構成とし、補助タンク54を下向き姿勢した場合にそれらの底蓋が下降することで、下側開口部512,603を開放する構成としてもよい。この場合、それらの底蓋の裏面(補助タンク54を下向き姿勢とした場合に上面となる面)において、上側開口部502(メダル排出孔15)に向けて下る傾斜面を形成するとよい。このような構成とすることで、下側開口部512,603を通過して上記裏面に至ったメダルをメダル排出孔15に向けて良好に誘導できる。
(43)上記第1及び第3の実施形態では、補助タンク54を係合させる係合部574を筐体11の底板11a上に設けたが、例えば、かかる係合部をホッパ装置51等に設けるなど、補助タンク54を筐体11内の搭載部品と係合させる構成としてもよい。この場合、必ずしも補助タンク54のフランジ部571を上記係合部と係合させる必要はなく、例えば、タンク本体501の各壁部501b〜501eにおける高さ方向の途中位置に上記係合部と係合可能な被係合部を設けるなど、フランジ部571以外の部分を係合させる構成としてもよい。その際、補助タンク54の姿勢に応じて上記被係合部の高さ位置が変化する構成とし、上向き姿勢の場合は係合部と被係合部とが届かず、下向き姿勢の場合に限り両者が届く構成とするとよい。これにより、補助タンク54を上向き姿勢で設置した場合に、意図せず両者が係合し、補助タンク54の移動が規制されてしまう不都合を抑制可能となる。
(44)上記第1及び第3の実施形態では、補助タンク54が筐体11内に設置された場合に、向かって補助タンク54の左側のみで係合する構成としたが、例えば、タンク本体501の左側フランジ部571dや後側フランジ部572bと係合する係合部を底板11aや背板11b、右側板11cに設けるなど、右側や後側でも係合する構成としてもよい。なお、係合箇所は補助タンク54の左側に限定されるものではないが、補助タンク54を筐体11内の右隅部に設置する構成では、係合箇所を補助タンク54の左側に配置することで、右側や後側に配置している場合に比べて係合箇所が視認易くなり、係合の有無を目視確認し易くなるという利点がある。この点を踏まえると、係合箇所は補助タンク54の左側に配置することが好ましい。ちなみに、補助タンク54を筐体11内の左隅部に設置する構成の場合は、補助タンク54の右側に係合箇所を配置するとよい。
(45)上記第1及び第3の実施形態では、フランジ部571を第1係合部として活用する構成としたが、例えば、タンク本体501の上端部においてフランジ部571以外の外方に張り出す部分を第1係合部とする構成としてもよい。その際、当該張り出す部分は、必ずしもタンク本体501の周縁部の全周に亘って設けられる必要はなく、周縁部の一部に対応して設けられるものでもよい。
(46)上記第1及び第3の実施形態では、係合部574をホッパ取付板22に一体形成する構成としたが、ホッパ取付板22と独立して係合部を設ける構成としてもよいし、ホッパ取付板22以外の周辺部材(例えば、ホッパ装置51)に一体形成する構成としてもよい。
(47)上記第1及び第3の実施形態では、補助タンク54の右側フランジ部571cと係合部574とが係合する場合に、右側フランジ部571cの上面と係合部574における張出部578との下面とが当接する構成としたが(図18(c)参照)、これらが接近するに留まり両者間に隙間が形成される構成としてもよい。すなわち、係合とは、必ずしも当接を伴うものでなくてもよい。
(48)上記第1及び第3の実施形態において、底板部501aの裏面(補助タンク54を下向き姿勢とした場合に上面となる面)に所定情報が表示された表示部を設け、補助タンク54を上向き姿勢とした場合に所定情報が隠れ、下向き姿勢とした場合に所定情報が現れる構成としてもよい。このような構成とすることで、補助タンク54が下向き設置されている場合に、取り出し操作を行う作業者(遊技ホールの従業員)に対して注意を促すことができ、無理な取り出し操作を抑制可能となる。逆に、補助タンク54が上向き姿勢である場合は所定情報が視認不能又は視認困難となることで、所定情報の表示による作業者の困惑が抑制され、メダルの回収作業に支障が生じることを抑制できる。なお、所定情報としては、例えば、係合状態を解除するための解除方法を説明する情報(例えば「スライドして取り出し操作を行って下さい!」等)が考えられる。
なお、上記表示部(所定表示)は、底板部501aに限らず、前壁部501b等の他の壁部に設けてもよい。この場合、補助タンク54を上向き姿勢とした場合に所定情報が逆さとなる構成とするとよい。これにより、補助タンク54が上向き姿勢である場合は所定情報を視認しにくく(内容を識別しにくく)、下向き姿勢である場合は視認し易く(内容を識別し易く)できる。また、所定情報が直接的に視認される構成でなくてもよく、ミラー等を介して視認されるなど間接的に視認可能な構成であってもよい。
(49)上記第1及び第3の実施形態では、底蓋514,606をタンク本体501,601の内側に配置したが、タンク本体501,601の外側や下側開口部512,603の内側に配置してもよい。その際、それらの底蓋が閉鎖位置を超えてタンク本体501,601の外側に回動することを規制する規制手段を設けるとよい。これにより、それらの底蓋が底板部501a,602の表面に当接しない構成であっても、補助タンク54の底抜け等を抑制できる。
(50)上記第3及び第4の実施形態において、上記第1の実施形態と同様に、底蓋606,704,802を閉鎖位置と開放位置との間の予め定められた回動角に傾斜させ、所定の取り外し方向に移動させることで、底蓋606,704,802とタンク本体601,701との連結を解除できる構成としてもよい。逆に、上記第1の実施形態において底蓋514を取り外し不可とする構成としてもよい。
(51)上記第1の実施形態において、底蓋514を閉鎖位置にてタンク本体501と係合させる構成としてもよい。この場合、底蓋514を閉鎖位置に保持することができ、下側開口部512を閉じた状態でスロットマシン10を運搬可能となる。
(52)上記第1の実施形態では、回動制限手段(突出部535)を底蓋514の蓋本体521に設ける構成としたが、底蓋514の軸部522に設けたり、タンク本体501の右側壁部501dに設けたりしてもよい。
(53)上記第1の実施形態では、タンク本体501や底蓋514が透明性を有する構成としたが、これらが不透明な構成としてもよい。かかる構成とすることで、スロットマシン10の外側からメダル排出孔15を通じてスロットマシン10の内部構造を目視確認しようとした場合に、タンク本体501や底蓋514によってそれを阻害できる。この場合、必ずしもタンク本体501及び底蓋514の両方を不透明化する必要はなく、いずれか一方のみ不透明化する構成としてもよいし、それらの一部を不透明化する構成としてもよい。このことは他の実施形態においても同様である。
(54)上記第3の実施形態では、コイルばね617(弾性部材)によって底蓋606を閉鎖位置に向けて付勢する構成としたが、磁石を用いた磁力(吸着力)によって付勢する構成としてもよい。但し、例えば、スロットマシン10の運搬時においてメダル排出孔15を通じて底蓋606が開けられた場合に、底蓋606を閉鎖位置に自動復帰させて不正行為を阻害する観点からすれば、第3の実施形態の構成とするか、弾性部材と磁力の両方を用いた構成とすることが好ましい。なお、上記第4の実施形態においても、コイルばね729,839に代えて又は加えて磁力(反発力)により係合突起723や底蓋802を付勢する構成としてもよい。
(55)上記第3の実施形態の変形例1では、底蓋606の裏面606bに傾斜を設け、当該傾斜によりメダルを底蓋606の回動先端側に案内する構成としたが、例えば、底蓋606又は底板部602上のメダルにエアを吹き付けるエア吹付装置を筐体11内又はタンク本体601に設け、当該装置からのエアによりメダルを案内するなど、傾斜以外の構成でメダルを案内したり、案内手段を底蓋606以外の箇所に設けたりする構成としてもよい。但し、構成の簡単化や案内精度の向上化を図る上では、上記実施形態の構成とすることが好ましい。
(56)上記第3の実施形態の変形例2では、裏面突出部621を底蓋606の回動軸に沿って裏面606bの一端から他端に亘り連続させる構成としたが、裏面606bの一部に設ける構成としてもよいし、複数の裏面突出部を断続的に配列する構成としてもよい。後者の場合においては、裏面突出部間の間隔をメダル径よりも小さくすることが好ましい。これにより、貯留タンク52からのメダルが裏面突出部間をすり抜け、堰き止め効率が低下することが抑制される。
(57)上記第3の実施形態の変形例2では、貯留タンク52からのメダルが底蓋606の裏面606b上で堰き止められる構成としたが、裏面606b以外の箇所で堰き止めたメダルを裏面606bに誘導する構成としてもよい。
(58)上記第4の実施形態では、補助タンク54の設置位置(底側貫通孔720と係合部721とが係合する位置、又は下側センサ部801と係合用起立部836とが係合する位置)を、前面扉12が閉鎖可能となる位置(前面扉12を閉鎖しても補助タンク54と干渉しない位置)よりも奥側となる位置に設定したが、前面扉12が閉鎖可能となるぎりぎりの位置に設定してもよい。この場合、前面扉12の背面と補助タンク54との空間を無くしたり、狭くしたりすることができ、当該空間を利用して主制御装置101や設定キー挿入孔73等に不正アクセスしようとする行為を抑制可能となる。
(59)上記第4の実施形態では、補助タンク54を設置位置に向けてスライド移動させる場合に、係合突起723を下降位置に向けて誘導する係合用傾斜部745、円弧状部746を補助タンク54側に設ける構成としたが、これに代えて又は加えて、例えば、係合突起723の頭部725における補助タンク54の当接箇所に傾斜を設けるなど、補助タンク54側に設ける構成としてもよい。この場合、補助タンク54側の傾斜は、上記係合用傾斜部745と逆傾斜とするとよい。
(60)上記第4の実施形態において、押込用突出部733の径Deを収容部722の開口径(第1孔部726の径)よりも大きくする構成としてもよい。この場合、メダル重量によって押込用突出部733が下降した際に収容部722に入り込むことが抑制され、押込用突出部733の高さ寸法を底側貫通孔720の深さ寸法(下降する際の押込用突出部733のストローク)に対して十分に大きくすることが可能になる。これにより、摩耗等によって押込用突出部733の高さ寸法が小さくなったとしても、底側貫通孔720から係合突起723を押し出せなくなる不都合を抑制可能となる。
(61)上記第4の実施形態では、底側貫通孔720の周壁面において解除用傾斜部741とは反対側の周壁面743が直立して頭部725の周面と略平行になる構成としたが、当該周壁面743を解除用傾斜部741と逆傾斜状に傾斜させる構成としてもよい。この場合、両傾斜の傾斜角度は同一のものとしてもよいし、異なるものとしてもよい。
なお、後者の場合にあっては、解除用傾斜部741の傾斜角度(頭部725の上面と解除用傾斜部741とがなす角度)を周壁面743の傾斜のそれよりも小さくするとよい。すなわち、補助タンク54の取り出し操作(引き出し操作)に際してはその初動時に補助タンク54と係合突起723とが当接し、補助タンク54の設置操作(押し込み操作)に際しては終盤で補助タンク54と係合突起723とが当接するところ、係合突起723に対しては取り出し操作の方が強い負荷が加わると想定される。この場合において解除用傾斜部741を比較的に寝かせたものとすることで、係合突起723の損傷を抑制できる。一方、周壁面743の傾斜については上記傾斜角度を大きくして比較的に立てたものとすることで、頭部725と周壁面743との引っ掛かりをある程度軽減しつつも、補助タンク54の奥側への進行を規制し易くできる。
(62)上記第4の実施形態では、補助タンク54の取り出し操作に際しての引っ掛かりを軽減するための解除用傾斜部741を底側貫通孔720の周壁面に設けたが、これに代えて又は加えて、係合突起723の頭部725における補助タンク54の当接箇所に傾斜を設けるなど、補助タンク54側に設ける構成としてもよい。この場合、補助タンク54側の傾斜は、上記解除用傾斜部741と逆傾斜とするとよい。また、上記(61)のように、補助タンク54の押し込み操作に際しての引っ掛かりを軽減する傾斜を設ける場合も、底側貫通孔720の周壁面に代えて又は加えて、係合突起723の頭部725に設けてもよい。
(63)上記第4の実施形態では、上側センサ棒16a及び下側センサ棒16bの両方によって補助タンク54の浮き上がりを規制する構成としたが、それらの一方のみによって規制する構成としてもよい。また、上記第1及び第2の実施形態においても、上側センサ棒16a及び下側センサ棒16bの少なくとも一方によって補助タンク54の浮き上がりを規制する構成としてもよい。
(64)上記第4の実施形態において、上側センサ挿通孔731a及び下側センサ挿通孔731bの横幅を上側センサ棒16a及び下側センサ棒16bの各横幅に対応させて(略同一寸法として)、上側センサ棒16a及び下側センサ棒16bにより補助タンク54の左右方向への移動を規制する構成としてもよい。このことは他の実施形態においても同様である。この場合において、必ずしも上側センサ挿通孔731a及び下側センサ挿通孔731bの両方の横幅を対応させる必要はなく、いずれか一方のみを対応させる構成としてもよい。
(65)上記第4の実施形態では、底蓋704の全体が透明性を有するものとしたが、底蓋704を開放位置に位置させた場合にタンク本体701の上端部よりも上方に位置する部分又は当該部分の一部のみが透明性を有する構成としてもよい。このような構成によっても、底蓋704を通して筐体11やタンク本体701の内部等を目視可能となり、底蓋704の一部が上方に飛び出ていて補助タンク54の高さ寸法が大きくなりがちな構成でありながらも、筐体11内やタンク本体701内の視認性に悪影響が及ぶことを抑制可能となる。なお、底蓋704の全体が透明性を有し且つタンク本体701の前壁部701b(底蓋704が開放位置に位置する場合に底蓋704に対して前方から重なる壁部)が透明性を有する構成であれば、前壁部701b及び底蓋704の両方を通してタンク本体701内を目視可能となり、タンク本体701内でメダルが詰まっていないかなどの点検・確認作業を容易化できる。
(66)上記第4の実施形態では、底蓋704を誘導プレート52aに当接させる構成としたが、誘導プレート52aよりも開放位置側に位置する他の部材(例えば、貯留タンク52等)に当接させる構成としてもよい。このことは上記第4の実施形態に係る各変形例においても同様である。
(67)上記第4の実施形態では、底蓋704の蓋本体706を可動底板とすることで、補助タンク54内のメダル重量の略全てを受ける可動部材を備える構成としたが、例えば、底板部701aの一部や前壁部701b等の周壁部に可動部材を設け、当該可動部材においてメダルの重量の一部を受ける構成としてもよい。要は、メダル重量の増加に応じて係合を解除できれば足り、メダル重量のうちどの程度を可動部材が受けるかは任意である。このことは上記第4の実施形態の変形例3においても同様である。
(68)上記第4の実施形態では、可動底板としての蓋本体706と、第1係合部としての係合用起立部836との両方を底蓋704に備え、それらを一体形成する構成としたが、可動底板と第1係合部とを離間させて各別に配置し、可動底板の変位(動力)を第1係合部に伝達する伝達機構を介して両者を連動させる構成としてもよい。このことは上記第4の実施形態の変形例3においても同様である。
(69)上記第4の実施形態において、底蓋704と誘導プレート52aとの当接箇所においてゴムやスポンジ等の緩衝部材(弾性部材)を配置してもよい。これにより、底蓋704が誘導プレート52aに衝突した際の衝撃で底蓋704や誘導プレート52aが損傷することが抑制される。この場合において、干渉部材は、底蓋704側に配置してもよいし、誘導プレート52a側に配置してもよい。このことは上記第4の実施形態に係る各変形例においても同様である。
(70)上記第4の実施形態の変形例2においては、スロットマシン10が外部電源に接続されていない場合に底側貫通孔720と係合部721とが係合する(係合突起723を上昇位置に位置させる)構成としたが、スロットマシン10が外部電源に接続されていてもスロットマシン10の電源が投入されていなければ(電源スイッチ71がONされていなければ)、底側貫通孔720と係合部721とが係合する構成としてもよい。
また、係合を解除するに際しても、スロットマシン10が外部電源に接続されていてもスロットマシン10の電源が投入されていなければ解除しない構成としてもよいし、スロットマシン10が外部電源に接続されていなければ解除しない構成としてもよい。
なお、電源スイッチ71のON操作に機械的に連動して係合を解除するなど、スロットマシン10が外部電源に接続されていなくても係合を解除する構成としてもよいが、スロットマシン10の運搬時においては、スロットマシン同士が衝突して電源スイッチ71がON側に切り替わる場合もあり得ることを考慮すると、外部電源への接続を条件とすることが好ましい。
(71)上記第4の実施形態の変形例2において、上側センサ棒16a及び下側センサ棒16bの検知結果とは無関係に底側貫通孔720と係合部721との係合を解除する構成としてもよい。すなわち、スロットマシン10が外部電源に接続されること、又は外部電源に接続された状態で電源が投入されることを条件として係合を解除する構成としてもよい。
(72)上記第4の実施形態の変形例3では、係合用起立部836に蓋用センサ挿通孔837を設け、蓋用センサ挿通孔837に下側センサ部801を挿通させる構成としたが、係合用起立部836において蓋用センサ挿通孔837の下端部よりも上方の部分を省略し、蓋用センサ挿通孔837を設けない構成としてもよい。すなわち、係合用起立部836の高さを蓋用センサ挿通孔837の下端部の高さ位置に対応した位置までのものとし、係合用起立部836の上端部が折曲部822と後壁部701cとの間に形成される空間を出入りすることで、補助タンク54と下側センサ部801とが係合する構成としてもよい。
(73)上記第4の実施形態の変形例3では、係合用起立部836と下側センサ部801とを係合させる場合に、係合用起立部836における下側センサ挿通孔831の下端部が下側センサ部801の延出部821との間に隙間が形成されて両者が接近するに留まる構成としたが、それらを当接させる構成としてもよい。
(74)上記第4の実施形態及びその変形例3において、これらの構成は必ずしも択一的なものではなく、両方の構成を併せ持つものとしてもよい。
(75)上記各実施の形態において、遊技ホールの従業員等が任意のタイミングで係合を解除できるように、スロットマシン10に設けた操作手段により特定の操作を行うことで、補助タンク54の係合が解除される構成としてもよい。スロットマシン10から補助タンク54を取り出す場合、その事前操作として前面扉12の開放が必要となることを踏まえると、上記特定の操作は、前面扉12を開放するための操作とすることが好ましい。
具体的には、施錠装置20(キーシリンダ21)に対する解錠操作(例えば、キーシリンダ21に挿し込んだキーを左方向に回動させる操作)等が考えられる。例えば、筐体11側の係合部を、係合状態と非係合状態とに切り替わり可能な可動式のものとした上で(例えば、上記第4の実施形態の変形例2の構成)、施錠装置20の動きを係合部に伝達するリンク機構を係合部と施錠装置20との間に設けたり、解錠操作を検知して上記係合部を駆動制御する構成を設けたりし、解錠操作が行われることに基づいて上記係合部を係合状態から非係合状態に切り替える構成とするとよい。
上記構成において、上記特定の操作による係合解除は、各実施の形態における係合解除の構成と併せて備えてもよいし、それらの構成に代えて備えてもよい。後者の場合にあっては、上記操作手段又はそれとは異なる操作手段を用いて行う、上記特定の操作とは異なる操作(例えば、前面扉12を閉める操作)が行われた場合に、上記可動式の係合部が非係合状態から係合状態に切り替わる構成としてもよい。
(76)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群〜H群に示す発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定される賭数として、第1賭数(3枚)と、当該第1賭数とは異なる数である第2賭数(1枚、2枚)とが設けられており、
前記賭数設定手段により設定される賭数に応じた前記有効位置を設定する有効位置設定手段(主制御装置101による有効ライン設定処理を実行する機能)を備え、
前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選に当選可能な結果として第1特定結果(例えば、第26小役としてのスイカ役、リプレイ)が設けられており、
前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選に当選可能な結果として前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(例えば、第26P小役としての特殊スイカ役、特殊リプレイ)が設けられており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であって、前記有効位置設定手段により前記第1賭数に対応させて設定される第1有効位置(右下がりラインL4)に第1特定の絵柄組合せが停止した場合に、当該第1特定結果に対応する第1特典(例えば、スイカ入賞時の5枚のメダル、再遊技)を付与可能であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果であって、前記有効位置設定手段により前記第2賭数に対応させて設定される第2有効位置(折れ曲がりラインL6)に前記第1特定の絵柄組合せとは異なる第2特定の絵柄組合せが停止した場合に、当該第2特定結果に対応する第2特典(例えば、特殊スイカ入賞時の1枚のメダル、再遊技)を付与可能であり、
前記周回体には、前記第2特定の絵柄組合せが前記第2有効位置に停止すると、前記第2賭数である場合に前記有効位置設定手段により有効位置として設定されない位置であって、前記第1賭数である場合に前記有効位置設定手段により前記第1有効位置として設定される特定位置に、前記第1特定の絵柄組合せが停止するように前記絵柄が付されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1賭数で遊技を行う場合に、第1特定結果に当選すると第1特定の絵柄組合せが第1有効位置に停止して第1特典が付与される構成において、第1賭数とは異なる第2賭数で遊技を行うと、第1特定結果とは異なる第2特定結果に当選した場合には、第1有効位置に第1特定の絵柄組合せが停止するとともに、第2有効位置に第2特定の絵柄組合せが停止して第2特典が付与される。そのため、第1賭数で遊技を行う場合と第2賭数で遊技を行う場合とで、異なる特典を同じ停止出目で獲得することが可能となる。つまり、見た目上は同じ停止出目であっても、異なる賭数で遊技を行うことで異なる特典が付与される遊技を、1の遊技機によって実現することが可能となる。このようにすることで、遊技の多様化を図ることが可能となる。
特徴A2.前記特典付与手段は、前記第1特典として前記第1賭数と同数以上である特定数の遊技媒体の払出を行う又は再遊技を実行させることが可能であり、前記第2特典として前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出を行う又は再遊技を実行させることが可能であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数で行う遊技と第2賭数で行う遊技とで、見た目上同じ停止出目となったとしても、第1賭数で行う遊技では賭数以上の遊技媒体の払出又は再遊技の付与が行われ得る一方、第2賭数で行う遊技では賭数と同数の遊技媒体の払出又は再遊技の付与が行われるものであり、遊技媒体の増加は見込めない。このように、第1賭数による遊技と第2賭数による遊技とで遊技者にとっての有利度に明確な差を設けることで、両賭数による遊技の出目の共通化を図って遊技性を似せたとしても、全く異なる遊技性とすることが可能となり、一の遊技機に複数の遊技性を盛り込む意義を担保することができる。
特徴A3.前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選に当選可能な結果として前記第2特定結果が複数種類設けられており、
所定状態(通常遊技状態)である状況で、当該第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選が行われる場合、前記複数種類の前記第2特定結果のうちのいずれかに当選するように設定されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定結果入賞が成立すると第2賭数と同数の遊技媒体の払出又は再遊技の付与が行われるのであるから、所定状態である状況で第2賭数にて行われるゲームでは第2特定結果のいずれか又は再遊技役に当選するとすれば、当該所定状態である状況で第2賭数にて行われるゲームでは、遊技媒体の増減が生じない構成となる。これにより、第2賭数にて行われるゲームを、例えば練習用のゲームとしたり、第1賭数にて行われるゲームにおける演出として利用したりすることが可能となる。よって、第1賭数によるゲームとの出目の共通性を利用して、第2賭数による遊技媒体の増減が生じない斬新な遊技性を実現することができる。
特徴A4.前記第1特定結果として、移行前後の所定役(再遊技)の当選確率が異なることとなる移行結果(例えば第1昇格リプレイ1〜4としての第3再遊技)が設けられており、
前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果であって、前記第1有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとしての移行用第1特定の絵柄組合せが停止した場合に、遊技状態を所定状態(RT状態)へ移行させることが可能な移行手段(主制御装置101によるRT状態処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定結果として、前記第2特典として前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出が行われることとなる第2払出結果が設けられており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2払出結果であって、前記第2有効位置に前記第2特定の絵柄組合せとしての払出用第2特定の絵柄組合せが停止した場合に、前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出が行われる構成であり、
前記周回体には、前記払出用第2特定の絵柄組合せが前記第2有効位置に停止すると、前記特定位置に、前記移行用第1特定の絵柄組合せが停止するように前記絵柄が付されていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数によるゲームにおいて移行結果当選となり遊技状態を所定状態に移行させることを、第2賭数によるゲームでは、第2賭数と同数の遊技媒体の払出によって再現することができる。このようにすることで、例えば、第1賭数によるゲームにおいて遊技状態が所定状態に移行される様を、遊技媒体の増減のない第2賭数によるゲームにて擬似的に体験させることが可能となる。
なお、「第2払出結果」に対応する「第2特典」として「第2賭数と同数の遊技媒体の払出」が行われる構成としたが、「第2特典」として「所定数の遊技媒体の払出」が行われる構成としてもよい。このような構成であっても、第1賭け数によるゲームにおいて遊技状態が所定状態に移行される様を、第2賭数によるゲームにて体験させるうえで、遊技媒体を付与しつつ体験させることが可能となる。
特徴A5.前記移行手段により遊技状態を前記所定状態に移行させることに基づいて所定演出(例えば、アタックモード開始演出)を所定の報知手段(例えば、補助表示部65)にて実行可能な第1所定演出実行手段(表示制御装置81によるアタックモード開始演出を実行するための処理を行う機能)と、
前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定されている状況にて行われる前記抽選手段による抽選結果が前記第2払出結果であって、前記特定位置に前記移行用第1特定の絵柄組合せが停止することとなるように、前記払出用第2特定の絵柄組合せが前記第2有効位置に停止する場合、前記所定の報知手段にて前記所定演出を実行可能な第2所定演出実行手段(表示制御装置81にる表示用アタックモード開始演出を実行するための処理を行う機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態が所定状態に移行される様を第2賭数にて体験させる上で、演出上も共通する所定演出が発生することとなり、よりリアルな体験とすることが可能となる。このようにすることで、第2賭数による練習用のゲーム性を、より第1賭数によるゲーム性に近付けることができる。
特徴A6.前記第1所定演出実行手段による前記所定演出が実行される場合と、前記第2所定演出実行手段により前記所定演出が実行される場合とを、識別可能とする識別手段(スタンプ65a、識別用役物65b)を備えていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数及び第2賭数の両遊技を似せた遊技としつつも、第1賭数による遊技が行われているか、それとも第2賭数による遊技が行われているかを、所定演出を見れば識別可能となる。このようにすることで、周回体による出目を共通なものとして、更に演出上の共通化を図りつつも、例えば遊技ホールの管理者が出玉状況等の確認を行う際、両遊技を明確に区別することができる。
特徴A7.前記所定状態とは、前記所定役として再遊技役の当選確率が移行前後で変化する状態であることを特徴とする特徴A4乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定状態への移行として、所謂RT状態への移行を体験させることができる。遊技状態が移行して、抽選結果の確率が変るものとしては、再遊技確率が変化するRT状態の他、小役確率が変化するボーナス状態も想定されるところ、一般的にボーナス状態は例えば7図柄等の特定図柄が揃って移行し得るものであり、見た目上わかり易いし、当該7図柄等の特定図柄が揃ってボーナス状態へ移行することは、遊技者にとっても馴染み深いものといえる。これに対して、RT状態の移行は、ボーナス状態の移行と比較すると馴染みが薄いものであるとともに、移行時の出目も比較的認識しにくいものが設定されている場合が多い。そこで、特徴A4の構成のように、第2賭数にて、遊技状態の移行を体験できる遊技性を、RT状態の移行に適用することで、このようなわかりにくい遊技状態の移行を体験させて遊技性を十分に理解させるために大いに役立てることが可能となる。
特徴A8.前記抽選手段による抽選結果が、前記第1特定結果として前記所定役(再遊技)当選となる所定結果であって、前記第1有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとしての所定役用の第1特定の絵柄組合せが停止した場合に、前記第1特典として、前記所定結果に対応する所定特典(再遊技)が付与される構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が、前記第2払出結果としての第2所定役用結果(例えば、外れ目1枚役)であって、前記第2有効位置に前記第2特定の絵柄組合せとしての所定役用の第2特定の絵柄組合せ(例えば、第1リプ小役入賞が成立する図柄組合せ)が停止した場合に、前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出が行われる構成であり、
前記周回体には、前記所定役用の第2特定の絵柄組合せが前記第2有効位置に停止すると、前記特定位置に前記所定役用の第1特定の絵柄組合せが停止するように前記絵柄が付されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2所定役用結果である場合に、前記所定役用の前記第2特定の絵柄組合せが前記第2有効位置に停止するようにする第1手段(例えば、主制御装置101による外れ目1枚役当選時において、第1リプ小役入賞を成立させるための押し順報知用の処理を実行する機能)と、前記所定役用の前記第2特定の絵柄組合せが前記第2有効位置に停止しないようにする第2手段(例えば、主制御装置101による外れ目1枚役当選時において、外れ小役入賞を成立させるための押し順報知用の処理を実行する機能)とを備えていることを特徴とする特徴A4乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数によるゲームにおいて移行結果入賞となって、所定役当選の確率が変化して所定特典の付与される確率が変化することを、第2賭数によるゲームにおいて、第2所定役用結果当選時に所定役用の第2特定の絵柄組合せを停止させたり、当該所定役用の第2特定の絵柄組合せを停止させなかったりすることで、再現することが可能となる。しかも、第2所定役用の第2特定の絵柄組合せが停止すれば、第2賭数と同数の遊技媒体の払出が付与されるのであるから、このような遊技性を、遊技媒体の増加を伴わずに体験させることが可能となる。
特徴A9.前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選に当選可能な結果として、移行前後において遊技媒体の払出が特典として付与される払出役(例えばベル)の当選確率が異なることとなる第1特定移行結果(第1BB,第2BB)が設けられており、
前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選に当選可能な結果として、移行前後において遊技媒体の払出が特典として付与される払出役(例えばベル)の当選確率が異なることとなる第2特定移行結果(第1PBB,第2PBB)が設けられており、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定移行結果であって、前記第1有効位置に前記第1特定の絵柄組合せとしての特定移行用第1特定の絵柄組合せが停止した場合に、遊技状態を第1特定状態(ボーナス状態)へ移行させることが可能であり、前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定移行結果であって、前記第2有効位置に前記第2特定の絵柄組合せとしての特定移行用第2特定の絵柄組合せが停止した場合に、遊技状態を第2特定状態(特殊ボーナス状態)へ移行させることが可能な特定移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)を備え、
前記周回体には、前記特定移行用第2特定の絵柄組合せが前記第2有効位置に停止すると、前記特定位置に、前記特定移行用第1特定の絵柄組合せが停止するように前記絵柄が付されていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数及び第2賭数による両ゲームにおいて所謂ボーナスとしての第1特定移行結果及び第2特定移行結果がそれぞれ設けられている。しかも、第2賭数によるゲームにおいて第2特定移行結果に当選し、当該第2特定移行結果入賞となる特定移行用第2特定の絵柄組合せが第2有効位置に停止する場合、第1特定移行結果入賞となる特定移行用第1特定の絵柄組合せが特定位置に停止する。このようにすることで、第2賭数によるゲームにてボーナスに当選した場合のボーナス入賞を、あたかも第1賭数によるゲームでもボーナス入賞かのように見せることが可能となり、第2賭数によるゲームの遊技性を向上させることができる。
特徴A10.前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定移行結果となってから、当該第2特定移行結果に基づいて移行した第2特定状態が終了するまでの遊技において、前記賭数設定手段により設定される賭数を超える数の遊技媒体の払出が行われない構成であることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2賭数によるゲームにおいて第2特定移行結果当選となり第2特定状態となったとしても、遊技媒体の増加は見込めない。このようにすることで、第1賭数による遊技と第2賭数による遊技との差別化を図り、第2賭数による遊技を練習用の遊技である印象を強めることができる。
なお、上記構成においては、「前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定移行結果となってから、当該第1特定移行結果に基づいて移行した第1特定状態が終了するまでの遊技において、前記賭数設定手段により設定される賭数を超える数の遊技媒体の払出が行われる構成」であることを前提とすれば、第1特定状態と第2特定状態との差を明確なものとすることができる。
また、「第1賭数」と「第2賭数」との関係を、「第1賭数よりも第2賭数の方が少ない」ものとすれば、第2賭数時に移行し得る第2特定状態を上記のような構成とても賭数に沿った特典として、遊技者に理解させることが可能となる。
特徴A11.前記第1特定状態中に払い出された遊技媒体数が第1所定数となったことに基づいて当該第1特定状態を終了する第1終了手段(主制御装置101によるステップS613にて設定した残払出数が0となったことに基づいてステップS1504にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
前記第2特定状態中に払い出された遊技媒体数が前記第1所定数よりも少ない第2所定数となったことに基づいて当該第2特定状態を終了する第2終了手段(主制御装置101によるステップS614にて設定した残払出数が0となったことに基づいてステップS1504にて肯定判定する処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態は第1特定状態よりも少ない払出数で終了する。このようにすることで、第2特定状態を第2賭数による練習用の遊技に沿ったものとすることが可能となるとともに、特徴A9のように、第2特定状態を実質的に遊技媒体の増加が見込めないものとしたとしても、より早期に当該第2特定状態を終了させることが可能となる。
上記構成においては、例えば、「前記第1特定移行結果当選となった場合又は前記第1特定状態移行後は、当該第1特定状態が終了するまで、前記第2賭数による前記抽選手段の抽選結果として前記第2特定移行結果当選とはならず、前記第2特定移行結果当選となった場合又は前記第2特定状態移行後は、当該第2特定状態が終了するまで、前記第1賭数による前記抽選手段の抽選結果として前記第1特定移行結果当選とはならない」構成とすると、より早期に第2特定状態を終了させる意義が高められる。すなわち、このような構成においては、第2特定状態を終了させるまでは賭数を第1賭数としても第1特定移行結果当選とはならないため、第2特定状態中の遊技媒体の増減に関わらず、第1賭数による遊技を行うためには第2特定状態を終了させる必要があるからである。
特徴A12.前記第2特定状態中において、前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された状況の前記抽選手段による抽選にて当選し得る結果として、当該第2賭数と同数の遊技媒体の払出が前記特典として付与され得る結果が設けられており、前記賭数設定手段により前記第2賭数よりも多い特定賭数(3、第1賭数)が設定された状況の前記抽選手段による抽選にて当選し得る結果として、前記特定賭数と同数の遊技媒体の払出が前記特典として付与され得る結果が設けられていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状態が第2所定数の払出によって終了する構成において、第2賭数による遊技を行った場合よりも特定賭数による遊技を行った場合の方が、より早期に当該第2特定状態を終了させることが可能となる。特に、賭数という遊技者の操作によって決定し得る部分で、早期に終了させるか否かを変更可能としたことにより、遊技者が第2特定状態を十分に楽しみたい又は体験したい場合の遊技が担保され、遊技者の意志を尊重しながら遊技を行わせることが可能となる。
特徴A13.前記第2特定状態中に前記抽選手段による抽選に当選し得る結果として、所定の終了結果(PCB、SB)が設けられており、
前記第2終了手段は、前記所定の終了結果当選となることに基づいて前記第2特定状態を終了させることが可能であることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了結果当選によっても、第2特定状態は終了するため、例えば所定の終了結果の当選確率によっては、第2所定数に至るよりも早期に第2特定状態が終了し得る。これにより、遊技媒体の増加が見込めない第2特定状態が長く継続することの不都合を解消することが可能となる。
なお、「所定の終了結果」について、より詳しくは、「所定役の当選確率が移行前後で変化するとともに、移行後の遊技媒体の払出数が所定数となった場合に当該移行後の遊技状態が終了されることとなる結果」としてもよい。また、「所定の終了結果」について、「所定役の当選確率が移行前後で変化するとともに、移行後の遊技媒体の払出数が所定数となった場合又は、所定数のゲームを実行後に当該移行後の遊技状態が終了されることとなる結果」としてもよい。
また、上記構成を特徴A12に適用する場合、「前記特定賭数が設定された状況の前記抽選手段による抽選にて当選し得る結果として、前記所定の終了結果が設定されている」としてもよい。賭数設定手段にて特定賭数を設定する遊技者は、第2特定状態を早期に終了させたいという意思を有していると捉えることができ、この場合に、所定の終了結果に当選し得る構成とすれば、遊技者の意志に沿って早期に終了させることができるし、早期に終了させたくないのにもかかわらず終了させてしまう不都合を回避することができる。
特徴A14.前記駆動制御手段は、各前記停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体の周回を所定期間内に停止させるように、且つ、前記停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合には、当選した結果と対応する当選絵柄が前記有効位置に停止するように制御するものであり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定移行結果であり、当該第2特定移行結果に対応する絵柄が停止せずに前記特定移行用第2特定の絵柄組合せが形成されなかった場合、前記第2特定移行結果当選を留保記憶する留保記憶手段(主制御装置101におけるステップS306にてボーナス当選フラグをセットする処理、ステップS609にて否定判定する処理を実行する機能)を備え、
前記留保記憶手段に前記第2特定移行結果当選が留保記憶されている状況で行われる前記抽選手段による抽選においては、前記第2特定結果に当選しない非当選結果が存在するように設定されていることを特徴とする特徴A9乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定移行結果が留保記憶されている状況で、第2特定移行結果に対応する絵柄を狙って停止させることが可能となる。つまり、留保記憶している第2特定移行結果を入賞させようとしても、第2特定結果に当選していると、当該第2特定結果入賞を優先する制御においては第2特定移行結果入賞を成立させることができず第2特定状態に移行させることができなくなる。そこで、上記構成のようにすれば、第2特定状態に移行させることができなくなる不都合を回避することができる。
特徴A15.前記留保記憶手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定移行結果であり、当該第1特定移行結果に対応する絵柄が停止せず前記特定移行用第1特定の絵柄組合せが形成されなかった場合も、前記第1特定移行結果当選を留保記憶することが可能であることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
第1賭数にて、上記の遊技媒体の増減の少ない体験版のゲームとは異なり得るゲームを行っている状況で、第1特定移行結果となり、それが留保記憶された場合、遊技者によっては、留保記憶された状況を第1賭数ではなく第2賭数にて実施することも考えられる。その点、上記構成によれば、第1賭数にて当選した第1特定移行結果を第2賭数にて入賞させることが可能となるため、各賭数のゲーム性を低下させることなく、入賞を成立させるゲームの自由度を向上させることができる。
特徴A16.前記第2賭数は前記第1賭数よりも少ない数として設定されていることを特徴とする特徴A9乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数にて移行する第1特定状態と、それよりも少ない第2賭数にて移行する第2特定状態との差が明確となる。特に、特徴A14においては、より第1特定移行結果が留保記憶されている状況で第2賭数にて第1特定移行結果を入賞させる行為が行われ易くなる。
特徴A17.前記第2特定移行結果当選となり、前記特定移行用第2特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合、前記移行手段により前記第2特定状態へ移行される一方、当該移行時には遊技媒体の払出が行われない構成であり、
前記第2特定状態では、前記第2特定状態における所定ゲームにおいて、前記賭数設定手段により設定された賭数の遊技媒体の数に、前記第2賭数の遊技媒体の数を加算した数の払出が行われることが当該第2特定状態の一の終了条件として設定されていることを特徴とする特徴A9乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定移行結果入賞時には遊技媒体の払出が行われないため、第2特定状態への移行時に遊技媒体の損失が生じ得る。そこで、第2特定状態の終了条件を、第2特定移行結果入賞時に要した遊技媒体数分(第2賭数)だけ増加したこととすれば、第2特定状態移行から終了までをトータルすると、遊技媒体の増減を少なくすることが可能となる。これにより、第2賭数による遊技を、第2特定状態移行が生じたとしても遊技媒体の増減を少なくした遊技性として、第1賭数による遊技における停止出目との共通化を図ったメリットを最大限享受することができる。
特徴A18.前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定される状況にて実施される遊技において、所定の演出手段(例えば補助表示部65)において、各ゲームを跨いで連続して行われる第1連続演出が設定されており、
前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定される状況にて実施される遊技において、前記所定の演出手段において、各ゲームを跨いで連続して行われる第2連続演出が設定されており、
前記第1連続演出の連続数を把握する第1連続数記憶手段(連続演出カウンタ)と、前記第2連続演出の連続数を把握する第2連続数記憶手段(表示用連続演出カウンタ)とをそれぞれ有していることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1連続演出の連続数と第2連続演出の連続数がそれぞれ別々に把握されるため、例えば、第1連続演出を実行している最中に第1賭数によるゲームから第2賭数によるゲームに切り換えられた場合や、その逆となった場合であっても、各連続演出の連続数を記憶可能であり、もとの賭数によるゲームに復帰した場合、連続演出の途中から再開させることが可能となる。
特徴A19.所定の切換条件が成立(第2演出スイッチ67の操作)することに基づいて、所定の演出手段(例えば補助表示部65)による演出として、前記第1賭数による演出が行われる第1演出モード(通常遊技モード)と、前記第2賭数による演出が行われる第2演出モード(特定モード)と、を切換可能な切換手段(表示制御装置81による特定モード切換処理を実行する機能)を備え、
前記賭数設定手段は、前記切換手段による演出モードの切り換えを介さずに、前記第1賭数と前記第2賭数とを設定可能であることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、演出モードの切り換えを行って、第1賭数による遊技と第2賭数による遊技とをそれぞれに合った演出モードにて楽しませることが可能となる。一方で、例えば、所謂ボーナス当選時に当該ボーナスを入賞させるゲームでは、ボーナス当選時の賭数とは異なる賭数が設定される場合もあり、そのような場合においても演出モードの切り換えが発生してしまうと、遊技者に煩わしさを感じさせる可能性がある。そこで、賭数設定手段による各賭数の設定は、演出モードの切り換えを介さずに行えるようにすることで、上記のような煩わしさを感じさせずに、各賭数による遊技を存分に楽しませることができる。
特徴A20.遊技状態が所定の遊技状態(有利区間、ボーナス中)に移行することに基づいて、前記切換手段による演出モードの切り換えを不可とする又は前記切換手段による演出モードの切り換えを行うべき状態ではないことの報知を行う規制処理を実行する規制手段(主制御装置101によるステップS4603、S4604、S4703〜S4705等の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技状態によっては、第1賭数による遊技と第2賭数による遊技との切り換えを行うべきではない可能性がある。例えば、ゲーム数によって管理される有利な状態においては、他の賭数にてゲームを消化してしまうと当該有利な状態のゲーム数が浸食される可能性があるし、一方の賭数にてボーナスに当選している場合には他方の賭数のゲームを行ってもボーナスの抽選が行われない可能性がある。そこで、上記のような切換を不可とする手段を備えることにより、切換によって遊技者が損をしてしまう事象を回避することができる。
特徴A21.前記規制手段による前記規制処理が行われることとなる前記所定の遊技状態とは、遊技者にとって有利な状態であることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴A20の効果を好適に奏することができる。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が、移行前と比較して前記抽選手段による抽選における各役の当選確率が変化し得る特定状態(ボーナス状態)に移行させることに対応する移行結果(例えば第1BB,第2BB,第1PBB,第2PBB)であり、前記有効位置に前記移行結果に対応する特定の絵柄組合せ(例えば赤7揃い)が停止した場合に、遊技状態を前記特定状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定される賭数が第1賭数(3枚)である状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果として、前記第1賭数よりも多い数の遊技媒体の払い出しが行われる又は再遊技を実行可能となる第1特定結果(例えば第26小役としてのスイカ)及び前記移行結果が設けられており、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数よりも少ない数である第2賭数(1枚)である状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果として、前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出が行われる又は再遊技を実行可能となる第2特定結果(例えば第26P小役としての特殊スイカ)及び前記移行結果が設けられていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の賭数を第1賭数として始動操作手段を操作させ、その操作に基づいて実行される抽選の結果を、停止操作手段の操作を通じて絵柄の停止結果によって報知し、抽選の結果が第1特定結果であれば、賭数よりも多い数の遊技媒体の獲得が可能となる又は再遊技が実行可能となる、という一連の遊技が可能な遊技機において、賭数を第1賭数とは異なる第2賭数とすることで、賭数と同数の遊技媒体の払出が行われる又は再遊技が実行可能となる第2特定結果や移行結果に当選可能な遊技を行うことが可能となる。このようにすることで、賭数よりも多い数の遊技媒体の獲得を期待しながら行う遊技を実行可能としつつも、その遊技とは全く異なる観点で行わせる遊技を実現することが可能となる。例えば、第2特定結果及び移行結果の当選確率を高くすることで、遊技媒体の増加は期待できないものの、逆に遊技媒体の減少もないといった、遊技媒体の増減のない(少ない)遊技を実現可能であるし、第2特定結果や移行結果の当選確率が低くても、第2賭数は第1賭数よりも少ない数であるため、より少ない数の遊技媒体で、開始操作手段の操作、周回体の周回、停止操作手段の操作、周回体の停止、という一連の遊技を実行させることも可能である。このようにすることで、画一的な賭数にとらわれず、自由な遊技設定が可能となり、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴B2.前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された状況において前記第1特定結果に当選し、前記有効位置に当該第1特定結果に対応する第1所定の絵柄組合せが形成された状態で各前記周回体が停止することで、前記第1特定結果入賞に対応する特典が付与される構成であり、
前記第2特定結果として、
前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された状況では前記有効位置とされず、且つ前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された状況において前記有効位置とされる特定位置に、前記第1所定の絵柄組合せが形成された状態で各前記周回体が停止することで、当該第2特定結果入賞に対応する特典が付与される第1対応結果(例えば第26P小役としての特殊スイカ)と、
前記特定位置に、前記第1所定の絵柄組合せが形成されない状態で各前記周回体が停止することで、当該第2特定結果入賞に対応する特典が付与される第1非対応結果(外れ小役)と、
が設定されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成よれば、第2賭数による遊技性において、第1賭数におけるゲームでは入賞となる第1所定の絵柄組合せが形成される場合と、第1賭数におけるゲームでは入賞とならない第1所定の絵柄組合せが形成されない場合と、のいずれでも第2特定結果入賞に対応する特典を付与することが可能となる。このようにすることで、遊技媒体の増減の少ない第2賭数による遊技において、毎ゲームのように何らかの絵柄が揃って所謂入賞出目が停止する、といったゲームではなく、何らかの絵柄が揃って停止して入賞出目が出現したり、揃わないで所謂外れ出目が停止したり、といった停止出目のバリエーションを増やし、第2賭数による遊技性を向上させることができる。
特徴B3.前記第2特定結果として、前記停止操作手段の操作順序が第1操作順序である場合、前記有効位置に第1の絵柄組合せが停止した状態で各前記周回体が停止して第1操作結果入賞(例えば、外れ小役)が成立し、前記停止操作手段の操作順序が前記第1操作順序とは異なる第2操作順序である場合、前記有効位置に前記第1の絵柄組合せとは異なる第2の絵柄組合せが停止した状態で各前記周回体が停止して前記第1操作結果入賞とは異なる第2操作結果入賞(例えば、第3リプ小役)が成立する操作順序対応結果(例えば特殊第1昇格リプレイ1〜4)が設けられており、
前記特典付与手段は、前記第1操作結果入賞が成立した場合には前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出を行い、前記第2操作結果入賞が成立した場合にも前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出を行う構成であることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2賭数による遊技において、第2特定結果のうち操作順序対応結果となると、払い出される遊技媒体の数は変わらないものの、操作順序によって異なる絵柄組合せが停止して異なる入賞態様となる。このようにすることで、第2賭数による遊技において、遊技媒体の増減のない(少ない)遊技性を担保しつつも、入賞態様を当選結果の種類よりも多くして遊技性を向上させることができる。
特徴B4.前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された状況において前記第1特定結果に当選し、前記有効位置に当該第1特定結果に対応する第1所定の絵柄組合せが形成された状態で各前記周回体が停止することで、前記第1特定結果入賞に対応する特典が付与される構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記操作順序対応結果であって、前記停止操作手段の操作順序が前記第1操作順序である場合、前記有効位置に、前記第1の絵柄組合せとして前記第1所定の絵柄組合せが形成された状態で各前記周回体が停止することで前記第1操作結果入賞が成立し、前記停止操作手段の操作順序が前記第2操作順序である場合、前記有効位置に、前記第2の絵柄組合せとして前記第1所定の絵柄組合せが形成されない状態で各前記周回体が停止することで前記第2操作結果入賞が成立することを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数における所謂外れ出目と入賞出目とが、停止操作手段による操作順序によって停止する。いずれの出目が停止しても付与される特典は変わらないものの、上記のようにしておけば、例えば、入賞出目用の第1操作順序の報知を行ったり行わなかったりすることで、入賞出目を意図的に出現させることが可能となる。これにより、第2賭数による遊技性を大幅に向上させることができる。
特徴B5.前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された状況において前記第1特定結果のうち再遊技結果に当選し、前記有効位置に当該再遊技結果に対応する再遊技用所定の絵柄組合せが形成された状態で各前記周回体が停止することで、前記再遊技結果入賞に対応する再遊技が付与される構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記操作順序対応結果であって、前記停止操作手段の操作順序が前記第1操作順序である場合、前記有効位置に、前記第1の絵柄組合せとして前記再遊技用所定の絵柄組合せが形成された状態で各前記周回体が停止することで前記第1操作結果入賞が成立し、前記停止操作手段の操作順序が前記第2操作順序である場合、前記有効位置に、前記第2の絵柄組合せとして前記再遊技用所定の絵柄組合せが形成されない状態で各前記周回体が停止することで前記第2操作結果入賞が成立することを特徴とする特徴B3又は特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数における所謂リプレイ入賞となる出目と外れ出目とが、停止操作手段による操作順序によって停止する。いずれの出目が停止しても付与される特典は変わらないものの、上記のようにしておけば、例えば、リプレイ入賞となる出目用の第1操作順序の報知を行ったり行わなかったりすることで、リプレイ入賞となる出目を意図的に出現させることが可能となる。これにより、第2賭数による遊技性を大幅に向上させることができる。
特徴B6.前記賭数設定手段により前記第1賭数が設定された状況において行われる遊技として、前記再遊技結果当選となる確率が相対的に高低となる高再遊技状態(例えば第2RT状態)と、低再遊技状態(例えば第1RT状態)とが設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記操作順序対応結果である場合、前記第1操作順序を所定の報知手段(補助表示部65)にて報知可能な操作順序報知手段(例えば、表示制御装置81による特定モード用押し順役処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作順序対応結果である場合において、例えば操作順序報知手段によって第1操作順序の報知を行えば、第1賭数の遊技におけるリプレイ入賞となる出目が出現し、第1操作順序の報知を行わなければ、第1賭数の遊技における外れ出目が出現し、報知の有無によって、第2賭数による遊技においても、第1賭数による遊技における高再遊技状態や低再遊技状態を再現することが可能となる。よって、第2賭数による遊技の遊技性を向上させることができる。
特徴B7.前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選に当選可能な結果として前記第2特定結果が複数種類設けられており、
所定状態(通常遊技状態)において、当該第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選が行われる場合、前記複数種類の前記第2特定結果及び前記移行結果うちのいずれかに当選するように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定結果入賞が成立すると第2賭数と同数の遊技媒体の払出又は再遊技の付与が行われるのであるから、第2賭数にて行われるゲームで第2特定結果のいずれかに当選するとすれば、第2賭数にて行われるゲームでは、遊技媒体の増減が生じない構成となる。これにより、第2賭数にて行われるゲームを、例えば練習用のゲームとしたり、第1賭数にて行われるゲームにおける演出として利用したりすることが可能となる。
特徴B8.前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定された場合において前記抽選手段による抽選結果が前記移行結果となってから、当該移行結果に基づいて移行した前記特定状態が終了するまでの遊技において、前記賭数設定手段により設定される賭数を超える数の遊技媒体の払出が行われない構成であることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2賭数によるゲームにおいて移行結果当選となり特定状態となったとしても、遊技媒体の増加は見込めない。このようにすることで、第1賭数による遊技と第2賭数による遊技との差別化を図り、第2賭数による遊技を練習用の遊技である印象を強めることができる。
特徴B9.前記賭数設定手段により前記第2賭数が設定されている状況において前記移行結果当選となり、前記特定の絵柄組合せが前記有効位置に停止した場合、前記移行手段により前記特定状態へ移行される一方、当該移行時には遊技媒体の払出が行われない構成であり、
前記特定状態では、前記特定状態における所定ゲームにおいて、前記賭数設定手段により設定された賭数の遊技媒体の数に、前記第2賭数の遊技媒体の数を加算した数の払出が行われることが当該特定状態の一の終了条件として設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2賭数において、移行結果入賞時には遊技媒体の払出が行われないため、特定状態への移行時に遊技媒体の損失が生じ得る。そこで、特定状態の終了条件を、移行結果入賞時に要した遊技媒体数分(第2賭数)だけ増加したこととすれば、特定状態移行から終了までをトータルすると、遊技媒体の増減を少なくすることが可能となる。これにより、第2賭数による遊技を、特定状態移行が生じたとしても遊技媒体の増減を少なくした遊技性とすることができる。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が、移行前と比較して前記抽選手段による抽選における各役の当選確率が変化し得る特定状態(ボーナス状態)に移行させることに対応する移行結果(例えば第1BB,第2BB,第1PBB,第2PBB)であり、前記有効位置に前記移行結果に対応する特定の絵柄組合せ(赤7揃い)が停止した場合に、遊技状態が前記特定状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定される賭数として、第1賭数(3枚)と、当該第1賭数とは異なる数である第2賭数(1枚)とが設けられており、
前記抽選手段は、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である場合には、第1抽選確率にて前記移行結果を含む各役の抽選を行い、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である場合には、第2抽選確率にて前記移行結果を含む各役の抽選を行うものであり、
所定状態である状況で、前記第1抽選確率に基づいて前記抽選手段の抽選が行われる場合の前記賭数に対する前記特典の割合と、前記第2抽選確率に基づいて前記抽選手段の抽選が行われる場合の前記賭数に対する前記特典の割合とが異なる構成であって、
付与される前記特典を含む遊技情報を表示することが可能な表示手段(補助表示部65)と、
前記第1賭数にて遊技が行われていること、及び、前記第2賭数にて遊技が行われていること、を前記表示手段にて識別可能とする識別手段(スタンプ65a、識別用役物65b)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1賭数にて遊技を行う場合と、第2賭数にて遊技を行う場合とで、いずれも、特定状態への移行を可能とする移行結果を含む各役の抽選が行われる。そして、第1賭数にて行う遊技と第2賭数にて行う遊技とでは、賭数に対する特典の割合である所謂出玉率が異なっている。このような遊技機とすることで、一の遊技機において出玉率の異なる複数の遊技性を実現可能であり、一台の遊技機で様々な遊技者のニーズに対応することができる。しかも、そのいずれの遊技を行っているかが、特典を含む遊技情報を報知することが可能な表示手段にて識別可能となっている。そのため、例えば、得られた特典を含む遊技情報を確認する際には、いずれの賭数にて行われた遊技かを、特典とともに一目瞭然となり、例えば、遊技ホールの管理者等によって出玉率を容易に確認することが可能となる。
なお、出玉率として、「前記賭数に対する前記特典の割合」と表現したが、例えば、「1ゲーム毎の前記特典の付与率」や、「特典として所定数の遊技媒体の払出が行われる」構成としたうえで、「1ゲーム毎の前記遊技媒体の増加率」又は「1ゲーム毎の前記遊技媒体の減少率」と表現してもよい。また、上記出玉率を算出する上でのゲーム数を、「所定数のゲーム数当たり」としてもよい。
また、「所定状態である状況で」とは、例えば、ボーナス中やRT状態中のように、複数種類設定されている遊技状態のうちの所定状態であってもよいし、これら複数種類設定されている遊技状態のいずれか又は全部を含める状態であってもよい。
特徴C2.前記識別手段は、前記第1賭数による遊技が行われている場合の前記表示手段による表示情報(通常遊技用演出データ)に、前記第2賭数による遊技が行われていることを示す識別情報(識別情報用演出データ)を重ね合わせることで、前記第1賭数による遊技と前記第2賭数による遊技とを識別可能とすることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数による遊技が行われている場合の表示情報と、第2賭数による遊技が行われている場合の表示情報とを、それぞれ別々なもののとして設けてそれぞれを識別可能とする構成と比較して、単に識別情報を重ね合わせるだけで済むため、予め記憶しておく表示情報の記憶容量を大幅に削減することができる。
特徴C3.前記表示手段は、前記第2賭数による遊技が行われている場合の前記表示情報を表示するための画像データを、前記第1賭数による遊技が行われている場合の前記表示情報を表示するための画像データを用いて表示するとともに、前記識別情報を重ね合わせて表示することが可能であることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2賭数による遊技が行われている場合の表示情報を表示するための画像データを予め記憶しておく必要が生じず、特徴C2の効果をより好適に奏することができる。
特徴C4.前記表示手段は、前記周回体と前後方向に重ならない位置に配置されていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、周回体を見ながら遊技を行う際には識別手段による識別性は気にならないし、表示手段を見て識別性を確認する際には周回体は気にならない。例えば、なかなか停止しない出目が周回体に停止した場合等、遊技者によっては写真撮影を行って記録に残す行為が行われることが想定される。その点、上記構成によれば、当該写真撮影において、表示手段の映り込みを気にせずに撮影することが可能となる。
特徴C5.前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である状況で前記移行手段により前記特定状態に移行させることとなる場合の、各前記周回体が停止している状況での前記表示部を介して視認可能な位置に停止する前記絵柄の停止出目が、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である状況で前記移行手段により前記特定状態に移行させることとなる場合の前記停止出目と、同じ出目であることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、抽選手段による各役の当選確率が変化し得る特定状態への移行が、第1賭数である場合と、第2賭数である場合とで、同じ停止出目によって生じ得る。このようにすれば、それぞれが異なる出玉率の遊技性であっても、遊技状態の移行が同じ出目によって生じることとなり、遊技者は遊技性を理解し易くなるし、出玉率の低い側の遊技を行っている際にも、出玉率の高い側の出目と同じ出目によって特定状態への移行が発生したことを体験することが可能となり、満足感を提供することも可能となる。
一方で、このように、同じ出目とすると、遊技ホールの管理者等によってはより一層いずれの遊技を行っているかがわかりにくくなるともいえる。特に遊技状態の移行が発生するポイントは遊技ホールの管理者が注視し得るポイントである。その点、特徴C1に記載したとおり、表示手段側で識別可能としているため、各周回体による出目とは関係のない位置でいずれの遊技を行っているかの報知が行われており、出目による遊技者への満足感等の効果を享受しつつも、識別性の低下は生じない。
特徴C6.前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である状況で、前記移行手段により前記特定状態に移行させることとなる前記移行結果として第1移行結果(第1BB,第2BB)が設けられており、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である状況で、前記移行手段により前記特定状態に移行させることとなる前記移行結果として第2移行結果(第1PBB,第2PBB)が設けられており、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果が前記第1移行結果となる確率と、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果が前記第2移行結果となる確率とが同じ確率として設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、出玉率の異なる第1賭数による遊技と第2賭数による遊技とで、移行結果となる確率(第1移行結果となる確率と第2移行結果となる確率)が同じ確率として設定されている。そのため、移行結果の当選状況(特定状態の発生状況)では、第1賭数による遊技と第2賭数による遊技との見分けがつきにくい。言い換えると、出玉率の異なる遊技性であっても、両遊技を似せた遊技とすることができ、例えば、一方の遊技を他方の遊技の体験版のような扱いとすることも可能である。そして、特徴C1に記載したとおり、このように両遊技を似せたものとしつつも、表示手段側で識別可能としているため、遊技ホールによる確認作業は容易に行うことができる。
なお、「第1移行結果に基づいて移行する特定状態と第2移行結果に基づいて移行する特定状態とで、得られる特典が異なる」構成とすることで、両移行結果の当選確率を同じものとしても出玉率が異なる構成を担保することが可能となる。
特徴C7.前記抽選手段による抽選結果が第1特定結果(例えば第26小役としてのスイカ)であった場合、前記特典付与手段により前記特典として、第1特定数の遊技媒体の払い出しが行われる構成であり、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果が前記第1特定結果であった場合であって、前記第1特定数の遊技媒体の払い出しが行われることとなる場合の、各前記周回体が停止している状況での前記表示部を介して視認可能な位置に停止する前記絵柄の停止出目と同じ停止出目が、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である状況で停止すると、前記第1特定数とは異なる第2特定数の遊技媒体の払い出しが行われる構成であることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数で行われる遊技と第2賭数で行われる遊技とで、同じ停止出目で異なる特典が付与される構成とすることができる。これにより、識別手段により識別可能としつつも、識別性が生じる表示手段とは異なる領域である周回体の出目を利用して、第1賭数と第2賭数とで、共通の出目を用いつつ出玉率の異なる遊技性を実現することができる。
特徴C8.前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数で状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果が前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(例えば第26P小役としての特殊スイカ)であった場合に、前記第2特定数の遊技媒体の払い出しが行われ得る構成であり、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果が前記第1特定結果となる確率と、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である状況で前記抽選手段により実行される抽選の結果が前記第2特定結果となる確率とが同じ確率として設定されていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定数の払い出しが行われる第1特定結果と、第2特定数の払い出しが行われる第2特定結果とを、共通の出目を用いつつ、同じ確率で出現させることができる。これにより、識別手段により識別可能としつつも、識別性が生じる表示手段とは異なる領域である周回体の出目を利用して、第1賭数と第2賭数とで、共通の出目を用いつつ出玉率の異なる遊技性を実現することができる。
特徴C9.前記表示手段は、前記特典を含む遊技情報の報知に際して、前記特典付与手段により遊技媒体の払出数を払出数情報として表示可能であり、
前記第2特定結果に基づいて前記第2特定数の遊技媒体の払出が行われる場合、前記第1特定数の遊技媒体の払出が行われたものとして前記払出数情報の表示を行うことが可能であることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特典を含む遊技情報の報知に際して、第1賭数による遊技と第2賭数による遊技とで、同じ払出数情報が表示され得る。これにより、実際に払い出された遊技媒体の数は異なり、出玉率は異なるものであったとしても、表示上は同じ遊技性を体感させることが可能となる。但し、特徴C1に記載したとおり、遊技情報の報知に際しては、いずれの遊技かを識別可能とされるため、あくまでも擬似的な表示であることを前提とするものであり、このような前提を有するからこそ、上記のような実際の払出数と異なる表示を行ったとしても、問題が生じ得ないと考えられる。
特徴C10.前記表示手段は、前記特典を含む遊技情報の報知に際して、実行されたゲーム数の情報をゲーム数情報として表示可能であり、
前記第1賭数による遊技が行われている場合には当該第1賭数にて行われた遊技のゲーム数情報を表示し、前記第2賭数により遊技が行われている場合には当該第2賭数にて行われた遊技のゲーム数情報を表示可能であることを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出数情報については擬似的な表示を行いつつも、ゲーム数情報については実際のゲーム数に対応する表示が行われる。ゲーム数情報についてまでも擬似的な表示としてしまうと、遊技情報の報知の信頼度が著しく低下してしまうためであり、実際に遊技者が体験したゲーム数と同じゲーム数の表示を行うことで、擬似的な払出数表示をイメージし易くなる。
特徴C11.前記識別手段は、前記第1賭数による遊技が行われている場合の前記表示手段による表示情報(通常遊技用演出データ)に、前記第2賭数による遊技が行われていることを示す識別情報(識別情報用演出データ)を重ね合わせることで、前記第1賭数による遊技と前記第2賭数による遊技とを識別可能とするものであり、
前記第1抽選確率に基づいて前記抽選手段の抽選が行われる場合の前記賭数に対する前記特典の割合よりも、前記第2抽選確率に基づいて前記抽選手段の抽選が行われる場合の前記賭数に対する前記特典の割合の方が低いことを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂出玉率の高い側である第1賭数による遊技が行われている場合の表示情報に対して、出玉率の低い側である第2賭数による遊技を示す識別情報が重ね合わせられる。言い換えると、第1賭数による遊技が行われている場合においては、識別情報の重ね合わせが行われない。つまり、第1賭数による遊技が行われている場合には、他方の遊技を気にすることなく第1賭数による遊技に集中させることが可能といえる。これは、多くの遊技者は出玉率が高い側の遊技を好んで行うものとの考えによるものであり、このようにすることで、多数側の遊技者のニーズを汲んだ遊技機とすることができる。
<特徴D群>
特徴D1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を実行する払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が、移行前と比較して前記抽選手段による抽選における各役の当選確率が変化する特定状態(ボーナス状態)に移行させることに対応する移行結果(例えば第1PBB,第2PBB)であり、前記有効位置に前記移行結果に対応する特定の絵柄組合せ(例えば赤7・赤7・スイカ揃い)が停止した場合に、遊技状態を前記特定状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記賭数設定手段により設定される賭数に対する前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数(出玉率)と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記賭数設定手段により設定される賭数に対する前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、が同等のものであることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、移行結果として所謂ボーナス入賞に基づいて移行する特定状態としてのボーナス状態と、ボーナス移行前の通常遊技状態とで、1ゲーム当たりの賭数に対する払出数が同等ものとして設定されている。つまり、通常遊技状態からボーナス状態に移行しても、遊技者にとっての有利度は変化しない。例えば有利度を変化させないようにする構成として、所定の開始ゲームにてボーナス絵柄を揃えて停止させてボーナス状態を発生させるものの、ボーナス状態移行前と比較して小役確率を変化させない擬似的なボーナス状態を発生させる構成も考えられる。しかしこの場合、ボーナス絵柄が揃って停止し得るという開始ゲームを介するだけで、遊技状態は何ら変化しておらず、小役入賞確率も変化しないのであるから、遊技者はボーナス状態の発生を体感しにくい。これに対して、上記構成では、ボーナスとしての特定状態移行により各役の確率が変化するものであり、例えば各役の入賞確率が高まったり、ボーナス中にのみ当選する役が入賞すれば、ボーナス状態を体感し易い。このような構成としつつ、上記のように有利度を変化させない構成とすれば、遊技者に利益を与えることなく特定状態としてのボーナス状態を擬似的に体験させるなどすることが可能となり、遊技設計の自由度が大幅に向上する。よって、遊技の注目度を好適に図ることが可能となる。
なお、「同等のものである」とは、「同じものである」と「同じではないが遊技者が得られる利益としては同じレベルである」とを含むものとしてよい。
また、「前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記賭数設定手段により設定される賭数に対する前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数(出玉率)と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記賭数設定手段により設定される賭数に対する前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、が同等のものである」を、「前記特定状態中の有利度と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中の有利度と、が同等のものである」と表現してもよい。
特徴D2.前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数とが、各状態中において1ゲーム毎に前記賭数設定手段により設定される賭数と同数以下であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態だけでなく、特定状態中においても遊技媒体の増加は見込めない。言い換えると、通常遊技状態においても遊技媒体の増加は見込めない。このようにすることで、遊技者に利益を与えることなく、特定状態としてのボーナスを体験させるという遊技を好適に実現することができる。
特徴D3.前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数とが、各状態中において1ゲーム毎に前記賭数設定手段により設定される賭数と同数であることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態及び特定状態における各ゲームにて、賭数と同数の遊技媒体の払出が期待できる。つまり、各ゲームにて遊技媒体の増加は見込めないものの、遊技媒体の減少も生じない。このように、遊技媒体の増減がない遊技性とすることで、例えば遊技機の仕様を理解させるため等の練習用の遊技性を実現することができる。
特徴D4.前記抽選手段により実行される抽選結果として、前記払出手段による遊技媒体の払出対象となる複数の払出役及び再遊技役が設けられており、前記抽選手段による抽選が行われる場合、いずれかの前記払出役又は前記再遊技役に当選する構成であり、
前記払出手段は、前記抽選手段における抽選結果が前記払出役当選であって、前記有効位置に、当該払出役当選に対応する特定の絵柄組合せが停止した場合に、前記払出役当選に対応する特典として前記賭数設定手段により設定される賭数と同数の遊技媒体の払出を実行することを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成によれば、所謂外れ結果が設定されておらず、各ゲームで賭数と同数の遊技媒体の払出又は再遊技の実行が行われる。例えば、複数ゲームを平均すると遊技媒体の増減がないといった構成においては、遊技媒体が減少している状態と、遊技媒体が増加している状態と、が存在することになり、特徴D1の遊技性を実現する上で、遊技者に有利不利が生じ得る。これに対して、上記構成によれば、毎ゲームで遊技媒体の増減が生じない構成となるため、遊技者に有利な状況や不利な状況を生じさせることなく、気軽に遊技の体験をさせることができる。
特徴D5.前記駆動制御手段は、各前記停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体の周回を所定期間内に停止させるように、且つ、前記停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合には、当選した結果と対応する絵柄が前記有効位置に停止するように制御するものであり、
前記抽選手段による抽選結果が移行結果であり、当該移行結果に対応する絵柄が前記有効位置に所定の絵柄組合せを形成して停止しなかった場合、前記移行結果当選を留保記憶する留保記憶手段(主制御装置101におけるボーナス当選フラグをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記留保記憶手段に前記移行結果当選が留保記憶されている状況で行われる前記抽選手段による抽選においては、前記複数の払出役のいずれにも当選しない非当選結果が存在するように設定されていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果が留保記憶されている状況で、移行結果に対応する特定絵柄を狙って停止させることが可能となる。つまり、留保記憶している移行結果を入賞させようとしても、他の払出役に当選していると、当該当選役入賞を優先する制御においては移行結果入賞を成立させることができず特定状態に移行させることができなくなる。そこで、上記構成のようにすれば、特定状態に移行させることができなくなる不都合を回避することができる。
特徴D6.前記賭数設定手段により設定される賭数として、前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、が同等なものとなる第1賭数(1枚)と、当該第1賭数とは異なる数である第2賭数(3枚)とが設けられており、
前記賭け数設定手段により前記第2賭数が設定される状況においては、前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、が同等なものとはならない構成であり、
前記第2賭数にて行われるゲームの前記抽選手段による抽選結果として前記移行結果が設定されており、
前記留保記憶手段は、前記第2賭数にて行われるゲームの前記抽選手段による抽選結果が移行結果であり、当該移行結果に対応する特定絵柄が前記有効位置に所定の組合せを形成して停止しなかった場合も、前記移行結果当選を留保記憶することが可能であることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
第2賭数にて、上記の遊技媒体の増減の少ない体験版のゲームとは異なり得るゲームを行っている状況で、移行結果となり、それが留保記憶された場合、遊技者によっては、留保記憶された状況を第2賭数ではなく第1賭数にて実施することも考えられる。その点、上記構成によれば、第2賭数にて当選した移行結果を第1賭数にて入賞させることが可能となるため、各賭数のゲーム性を低下させることなく、入賞を成立させるゲームの自由度を向上させることができる。
特徴D7.前記第1賭数は前記第2賭数よりも少ない数として設定されていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2賭数よりも第1賭数の方が少ないのであるから、第2賭数にて移行結果が留保記憶されている状況にて、遊技媒体の損失を最小限にとどめて移行結果入賞を成立させようとするのであれば、第2賭数ではなく、第1賭数により移行結果入賞を成立させることが想定される。よって、特徴D6の効果が発揮される場面がより発生し易くなり、特徴D6の構成を備えるメリットを増加させることが可能となる。
特徴D8.前記駆動制御手段は、各前記停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体の周回を所定期間内に停止させるように、且つ、前記停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合には、当選した結果と対応する絵柄が前記有効位置に停止するように制御するものであり、
各前記周回体において前記移行結果に対応する特定絵柄は、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記有効位置に停止し得るように配置されており、
前記移行手段は、前記抽選手段による抽選結果が移行結果であり、前記特定絵柄が前記有効位置に所定の組合せを形成して停止することで、前記特定状態へ移行させる構成であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果の場合に特定絵柄を狙って停止させる、という遊技性はなくなるが、特徴D5のように留保記憶されることがないため、留保記憶時に賭数の分だけ遊技媒体の損失が発生する、という事象が生じない。
特徴D9.前記複数の払出役として、第1払出役(例えば第1P小役としての特殊ベル)と第2払出役(例えば第26P小役としての特殊スイカ)とが設定されており、
前記払出手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1払出役当選であって、前記有効位置に、当該第1払出役当選に対応する第1所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記第1払出役当選に対応する特典として前記賭数設定手段により設定される賭数と同数の遊技媒体の払出を実行し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2払出役当選であって、前記有効位置に、当該第2払出役当選に対応する第2所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記第2払出役当選に対応する特典として前記賭数設定手段により設定される賭数と同数の遊技媒体の払出を実行する構成であり、
前記第1所定の絵柄組合せと、前記第2所定の絵柄組合せとが、見た目上識別可能に構成されていることを特徴とする特徴D4乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の払出役が設定されており、いずれの払出役当選でも、賭数と同数の遊技媒体の払出があって遊技媒体の増減がない遊技性において、第1払出役入賞と第2払出役入賞とを構成する第1所定の絵柄組合せと第2所定の絵柄組合せとが、見た目上識別可能に構成されている。そのため、各ゲームにおける周回体の停止出目にバリエーションが生じさせることができ、どの払出役が当選しても遊技媒体の増減がない遊技性であっても、遊技を飽きさせないようにすることが可能となる。
特徴D10.前記複数の払出役として、前記通常遊技状態中に当選し得る第1払出役(例えば第1P小役としての特殊ベル)と、前記特定状態中に当選し得る第3払出役(例えば第32P小役としての特殊BB中小役1)とが設定されており、
前記払出手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1払出役当選であって、前記有効位置に、当該第1払出役当選に対応する第1所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記第1払出役当選に対応する特典として前記賭数設定手段により設定される賭数と同数の遊技媒体の払出を実行し、
前記抽選手段による抽選結果が前記第3払出役当選であって、前記有効位置に、当該第2払出役当選に対応する第3所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記第3払出役当選に対応する特典として前記賭数設定手段により設定される賭数と同数の遊技媒体の払出を実行する構成であり、
前記第1所定の絵柄組合せと、前記第3所定の絵柄組合せとが、見た目上識別可能に構成されていることを特徴とする特徴D4乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の払出役が設定されており、いずれの払出役当選でも、賭数と同数の遊技媒体の払出があって遊技媒体の増減がない遊技性において、通常遊技状態中に発生する第1払出役入賞を構成する第1所定の絵柄組合せと、特定状態中に発生する第3払出役入賞とを構成する第3所定の絵柄組合せとが、見た目上識別可能に構成されている。そのため、通常遊技状態と特定状態とで、各ゲームにおける周回体の停止出目にバリエーションを生じさせることができ、遊技媒体の期待数が同じ遊技性においても、遊技状態が移行したことを体感させ易くすることが可能となる。
特徴D11.前記賭数設定手段により設定される賭数として、前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、が同等なものとなる第1賭数(1枚)と、当該第1賭数とは異なる数である第2賭数(3枚)とが設けられており、
前記賭け数設定手段により前記第2賭数が設定される状況においては、前記特定状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、前記特定状態移行前である通常遊技状態中に実行される1ゲーム当たりの前記払出手段による前記遊技媒体の払出期待数と、が同等なものとはならない構成であることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数において上記特徴D1の斬新な遊技性を実現しつつも、第1賭数とは異なる第2賭数とすれば、特定状態と通常遊技状態とで払出期待数が異なるという一般的な遊技を実現することができる。このようにすれば、一の遊技機にて複数の遊技性を実現可能であり、遊技の多様化を図ることができる。
この場合、例えば、第2賭数にて実現される遊技媒体の増減が生じ得る遊技性を、第1賭数にて体験可能な構成とすれば、第1賭数による遊技を第2賭数による遊技の練習用という位置づけで設けることが可能となる。これにより、第2賭数による遊技を斬新かつ複雑な遊技性として、仮に、初回の遊技ではその面白みがなかなかわかりにくいものであっても、それを先ず第1賭数にて練習させて、面白味を理解させ、第2賭数による遊技を存分に楽しませることが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を実行する払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が、移行前と比較して前記抽選手段による抽選における各役の当選確率が変化する特定状態(ボーナス状態)に移行させることに対応する移行結果(例えば第1PBB,第2PBB)であり、前記有効位置に前記移行結果に対応する特定の絵柄組合せ(例えば赤7・赤7・スイカ揃い)が停止した場合に、遊技状態を前記特定状態に移行させる移行手段(主制御装置101によるボーナス状態処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定される賭数として、第1賭数(3枚)と、当該第1賭数とは異なる数である第2賭数(1枚)とが設けられており、
前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われるゲームにて、前記移行結果に当選することなく成立し得る特定条件が成立したか否かを判定する条件判定手段(第2の実施形態において、主制御装置101による特殊上乗せフラグの有無を判定する処理を実行する機能)と、
前記条件判定手段により前記特定条件が成立していないと判定される状況であって、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われるゲームにて所定の演出手段(補助表示部65、スピーカ64等)にて第1特定演出を実行可能な第1演出手段(第2の実施形態における主制御装置101において、例えばステップS5520やステップS5704,S5705の処理を実行する機能)と、
前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況であって、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われるゲームにて前記所定の演出手段(補助表示部65、スピーカ64等)にて前記第1特定演出とは異なる第2特定演出を実行可能な第2演出手段(第2の実施形態における主制御装置101において、例えばステップS5521やステップS5712、S5713等の処理や特殊上乗せ用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1賭数と第2賭数とが設定され得る構成において、第1賭数でゲームを行って特定条件を成立させてから第2賭数にてゲームを行った場合と、第1賭数でゲームを行わず又は第1賭数にてゲームを行ったものの特定条件が成立しないまま第2賭数にてゲームを行った場合とで、異なる演出が発生する。これにより、複数の賭数が設定可能な遊技機の遊技の幅を大幅に向上させることが可能となる。すなわち、従来の遊技機のように例えば常に第1賭数で遊技を行わせる画一的な遊技性とは大きく異なり、例えば第1賭数による遊技時に特定条件を成立させてから、第2賭数による遊技を行わせるという遊技性を実現可能となる。
特徴E2.前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況と、前記条件判定手段により前記特定条件が成立していないと判定される状況とで、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われる前記抽選手段による各役の当選確率が同じ確率であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件の成否によらず、第2賭数にて行われるゲームでの抽選手段による各役の当選確率は変わらない。そのため、例えば遊技状態等を変えることなく、第1演出手段と第2演出手段とで演出を異ならせることが可能となる。よって、演出の自由度が向上し、注目度向上に大きく寄与することが可能となる。
特徴E3.前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果として前記第2賭数と同数の遊技媒体の払出が行われることとなる第2払出役(例えば、第26P小役としての特殊スイカ)及び再遊技役(特殊リプレイ)が設けられており、
少なくとも前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況において、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で前記抽選手段による抽選が行われる場合、前記第2払出役及び前記再遊技役のいずれに当選するように設定されていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、少なくとも特定条件成立時に第2賭数にて行われるゲームでは、遊技媒体の増減が生じない。このようにすることで、第2賭数によるゲームを演出上のゲームとして位置づけることが可能となり、遊技者に損をさせない範囲で、異なる賭数にて行う斬新な演出を好適に実現することができる。
特徴E4.前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果として前記第2賭数以上である第1特定数の遊技媒体の払出が行われることとなる第1払出役(例えば、第26小役としてのスイカ)が設けられており、
前記特定条件は、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われるゲームにて、前記抽選手段による抽選結果が前記第1払出役当選であることを一の条件として成立し得ることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件成立に基づいて第2賭数によるゲームを行わせるに当たって、せっかく特定条件が成立しているのにも関わらず、遊技者が第2賭数の遊技媒体を有しておらず、特定条件成立に基づく第2特定演出を見ることができない、といった不都合が生じにくくなる。つまり、特定条件成立の契機となった第1払出役当選/入賞に基づいて、第2賭数以上である遊技媒体の払出が行われているはずでだからである。
特徴E5.前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果として第1払出役(例えば、第26小役としてのスイカ)が設けられており、
前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果として第2払出役(例えば、第26P小役としての特殊スイカ)が設けられており、
前記第1払出役入賞が成立する場合の各前記周回体の停止出目が、前記第2払出役入賞が成立する場合の各前記周回体の停止出目と、同じ出目となるように設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件を成立させる第1賭数によるゲームにて当選する第1払出役と、特定条件成立後に実行され得る第2賭数によるゲームにて当選する第2払出役と、の停止出目が共通なものとなる。このようにすることで、第2賭数にて行われる遊技を第1賭数による遊技に似せることができ、各賭数が行き来する遊技性の違和感を低減することが可能となる。
特徴E6.前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果として第1払出役(例えば、第26小役としてのスイカ)が設けられており、
前記特定条件は、前記第1払出役当選であって、且つ前記抽選手段による抽選とは異なる第2抽選手段(主制御装置101による特殊上乗せ抽選処理を実行する機能)による抽選に当選したことに基づいて成立するものであることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数時において単に第1払出役に当選するだけでは特定条件は成立せず、第2抽選手段による抽選に当選した場合に成立する。これにより、第1払出役の出現率を下げることなく、特定条件の成立確率を下げることが可能となり、第2演出手段による第2特定演出の希少性を高めることができる。また、上記のようにすることで、第1特定役に当選した場合であっても、特定条件が成立する場合と成立しない場合とが生じることとなり、第1特定役当選時の演出設定の多様化を図ることもできる。
特徴E7.前記第2抽選手段による抽選に当選することで、前記遊技媒体の払出による特典とは異なる第2特典(例えば、アタックモードのゲーム数の上乗せ)が付与されることとなる構成であることを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2抽選手段による抽選の意義が向上するとともに、第2特典が付与されることとなれば特定条件が成立し、第2演出手段による第2特定演出が行われることとなるため、第2特定演出の意義も向上する。
特徴E8.前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況であって、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記付与される第2特典の種類を決定可能な手段(主制御装置101による特殊上乗せ用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2賭数にて行うゲームの意義が向上する。すなわち、第1特定役当選時に第2抽選手段に当選することで第2特典が付与されることとなることが決定され、その後に実施される第2賭数のゲームにて、付与される第2特典の種類が決定される。このようにすることで、第2賭数によるゲームの面白味が向上する。
特徴E9.前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況において、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数ではなく前記第1賭数にて前記抽選手段による抽選が行われた場合、当該抽選結果に基づいて前記付与される第2特典の種類を決定可能な手段(主制御装置101による通常上乗せ用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立して第2賭数によるゲームにて第2特典の種類が決定可能となった状況において、第2賭数によるゲームではなく第1賭数によるゲームが行われた場合、第1賭数によるゲームの抽選結果を用いて第2特典の種類を決定する構成としたため、第2特典が付与されない、といった不都合が回避される。
特徴E10.前記特定条件成立の契機となった前記第1賭数による前記抽選手段による抽選結果を用いて、前記付与される第2特典の種類を決定可能な手段(主制御装置101による上乗せ契機に基づいて特殊上乗せの上乗せゲーム数を決定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E8又は特徴E9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件成立後のゲームだけでなく、特定条件成立の契機となったゲームの結果も第2特典の種類に反映される。これにより、第1賭数によるゲームにて特定条件を成立させ、その後、主に第2賭数によるゲームにて第2特典を付与させるという、一連のゲームの連続性が第2特典の種類に反映されることとなり、異なる賭数によるゲームの連続性を加味した特典付与体系、という斬新なゲーム性を実現することが可能となる。
特徴E11.前記第2演出手段による前記第2特定演出は、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である状況で実施されるゲームでも発生し得る構成であることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数によるゲームにて特定条件を成立させて第2賭数によるゲームを行う場合、第2特定演出が発生し得る構成において、当該第2特定演出は、第1賭数によるゲームでも発生し得るものとなるため、第2特定演出が発生するゲームが、第1賭数にて実行されたものか、第2賭数にて実行されたものかをわかりにくくすることができる。これにより、賭数を行き来させて実現するゲーム性において、当該賭数の行き来をわかりにくくして、ゲームの行方(例えば付与される第2特典の種類)に注目させることが可能となる。
特徴E12.前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果として第1払出役(例えば、第26小役としてのスイカ)が設けられており、
前記特定条件は、前記第1払出役当選であって、且つ前記抽選手段による抽選とは異なる第2抽選手段(主制御装置101による特殊上乗せ抽選処理を実行する機能)による抽選に当選したことに基づいて成立するものであり、
前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われる前記第2抽選手段による抽選に当選しなかった場合に、前記第2特定演出を実行することが可能な手段(主制御装置101による通常上乗せ用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特典が付与されることとなる特定条件が成立しなかった場合であっても、第1賭数にて行われるゲームにおいて第2特定演出が発生し得る。そのため、第2特定演出が、特定条件成立により実施された第2賭数によるゲームに基づいて実施されたものであったか、それとも特定条件不成立に基づいて実施されたものであったかを、わかりにくくすることができる。これにより、賭数を行き来させて実現するゲーム性において、当該賭数の行き来をわかりにくくして、ゲームの行方(例えば付与される第2特典の種類)に注目させることが可能となる。
特徴E13.前記受入手段として、前記第2賭数の仮想遊技媒体を受入れさせることが可能な第2賭数受入手段を複数有し、
前記第2演出手段は、前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況であって、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われるゲームにて、前記複数の第2賭数受入手段のうち、第1の第2賭数受入手段の操作により前記第2賭数の仮想遊技媒体の受入が行われた場合には前記第2特定演出を実行する一方、前記第1の第2賭数受入手段とは異なる第2の第2賭数受入手段の操作により前記第2賭数の仮想遊技媒体の受入が行われた場合には前記第1特定演出を実行することを特徴とする特徴E1乃至E12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の第2賭数受入手段のうち、第1側が操作された場合には第2特定演出が実行される一方で、第2側が操作された場合には第1特定演出が実行されることとなり、操作される第2賭数受入手段によって演出を異ならせることが可能となる。例えば、特定条件成立時に第1側の操作を促した場合であっても、いずれの操作を行うかは遊技者が決定すべき事項であり、第1側の操作指示に反して第2側が操作された場合は、遊技者の意志決定を尊重する構成とした。これにより、自らの操作によって周回体を周回させて遊技を開始させ、自らの操作によって周回体の周回を停止させて遊技を終了させる、というスロットマシンの遊技の醍醐味を逸脱しない範囲で演出を行うことが可能となる。
特徴E14.前記始動操作手段を複数有し、
遊技者による前記第1の第2賭数受入手段の操作力を受け、前記複数の始動操作手段のうちの所定の始動操作手段の操作が行われる構成であることを特徴とする特徴E13に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が第1の第2賭数受入手段を操作すると、所定の始動操作手段の操作も行われ、受入手段の操作と始動操作手段の操作とが連動して行われるため、操作性が向上する。この場合、第2賭数受入手段として上記のように第1側のものと第2側のものとを有するだけでなく、始動操作手段についても複数有する構成であるため、このような連動して操作が行われる構成を利用するか否かは遊技者が選択可能となっているといえる。よって、遊技者の意志に反してまで演出を押し付けることなく、遊技を好適に実行させることができる。
なお、上記構成は、「前記第1の第2賭数受入手段の操作が行われる受入操作部と、前記所定の始動操作手段の操作が行われる始動操作部とを隣接させて設けるとともに、前記受入操作部及び前記始動操作部が操作される操作方向を共通化した」構成とすると、遊技者が両操作部を操作する場合に同時に操作を行うことが可能となる。
また、この場合、「前記受入操作部が前記操作方向に操作される場合に、前記始動操作部を前記操作方向に押圧する連動部を有する」構成としてもよい。
特徴E15.前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況であって、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第1賭数である状況で行われるゲームと、前記条件判定手段により前記特定条件が成立していると判定される状況であって、前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われるゲームと、の識別性を低下させる手段(主制御装置101による特殊上乗せフラグがセットされている場合のベット時演出、払出演出等を設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定条件が成立している状況において、賭数を行き来させて実現するゲーム性において、当該賭数の行き来をわかりにくくして、ゲームの行方(例えば付与される第2特典の種類)に注目させることが可能となる。
特徴E16.前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果として、所定数の遊技媒体の払出が行われる払出役及び再遊技役が設定されており、
前記賭数設定手段にて設定される賭数が前記第2賭数である状況で行われる前記抽選手段による抽選結果が前記払出役であった場合には、前記特定条件が成立した状態から成立していない状態に変更する一方、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技役であった場合には前記特定条件が成立した状態を維持することが可能であることを特徴とする特徴E1乃至E15のいずれか1に記載の遊技機。
再遊技役とは、その入賞時の特典として、新たな遊技媒体を要することなく、今回のゲームの賭数と同数の賭数によるゲームを実行可能とする役であるところ、例えば、第2賭数によるゲームにて再遊技役に当選・入賞した場合には、次ゲームを第2賭数にて行うことが強要され得る。そこで、上記構成のようにすれば、特定条件成立に基づいて行った第2賭数によるゲームにて再遊技役に入賞した場合において、次ゲームも第2賭数にて行わざるを得ない状況となったとしても、特定条件が成立している状態が維持されているのであるから、例えば特定条件が成立していないのにも関わらず第2賭数によるゲームを行わせる、といった遊技者に無駄なゲームを行わせる必要が生じなくなる。
<特徴F群>
特徴F1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典として所定数の遊技媒体の払出を実行する払出手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果として、第1特定役(第1の実施形態では例えば通常遊技状態中の再遊技、第2の実施形態では例えば第26小役としてのスイカ役)と、当該第1特定役よりも当選確率が高い第2特定役(第1の実施形態では例えば通常遊技状態中の第1リプ小役、第2の実施形態では例えば第26P小役としての特殊スイカ役)とが設けられており、
前記第1特定役入賞が成立し得る第1特定状況(通常遊技モードにて再遊技入賞が成立する状況や、スイカ役入賞が成立する状況)と、前記第2特定役入賞が成立し得る第2特定状況(特定モードにて第1リプ小役入賞が成立する状況や、特殊スイカ役が入賞し得る状況)との識別性を低下させる特定手段(例えば、第2の実施形態において、特殊上乗せ時に3枚ベット時効果音を設定する処理等を行う機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1特定役が入賞し得る第1特定状況と、第2特定役が入賞し得る第2特定状況と、の識別性が低下されるため、第1特定役が入賞したのか、それとも第2特定役が入賞したのかが分かりにくくなる。第2特定役は第1特定役よりも当選確率が高く設定されているため、例えば、頻繁に発生する第2特定役入賞を頻繁に発生しない第1特定役入賞のように見せることで、第1特定役の当選確率を高め過ぎることなく、あたかも第1特定役入賞が頻繁に発生しているかのように思わせることが可能となる。このように、当選確率のことなる役同士の識別性を低下させることで、これらの役の組合せによって、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴F2.前記第1特定状況において、前記第1特定役入賞が成立することとなる場合の、各前記周回体が停止している状況での前記表示部を介して視認可能な位置に停止する前記絵柄の停止出目が、
前記第2特定状況において、前記第2特定役入賞が成立することとなる場合の前記停止出目と、同じ出目であることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定役入賞時の停止出目と第2特定役入賞時の停止出目とが同じ停止出目となる。すなわち、始動操作手段の操作に基づいて周回体の周回を開始させ、停止操作手段の操作によって周回体を停止させ、抽選結果に応じた停止出目として各役の入賞を成立させる、といった所謂スロットマシンの遊技性の肝となる停止出目に関して、第1特定役入賞と第2特定役入賞とで共通性を有するようにすることができる。これにより、特定手段によって各特定演出の識別性を低下させる上で、そもそも各ゲームの停止出目が同じであるため、両特定役が同じものであると思わせ易くすることが可能となる。
特徴F3.前記第1特定役は、前記賭数設定手段により設定される賭数が第1賭数(3)である状況で前記抽選手段による抽選結果として当選し得る役であり、
前記第2特定役は、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数とは異なる第2賭数である状況で前記抽選手段による抽選結果として当選し得る役であることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、当選確率の異なる第1特定役と第2特定役とを、賭数の相違によって使い分けることができる。これにより、第1特定役入賞が成立し得る第1特定状況と、第2特定役入賞が成立し得る第2特定状況とで、遊技状態の移行等を介さずに、抽選確率等の遊技性を全く異ならせることができる。しかも、特徴F1のように、第1特定状況と第2特定状況とで、識別性が低下されていることから、このような全く異なる遊技性が行き来することを、遊技者に悟られにくくし、当該遊技性の行き来を利用した斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴F4.前記受入手段により遊技媒体又は仮想遊技媒体の受入が行われたことに基づいて受入演出を実行可能な受入演出実行手段(主制御装置101によるベット時演出用の処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記第1特定状況にて前記受入演出実行手段により実行される前記受入演出と、前記第2特定状況にて前記受入演出実行手段により実行される前記受入演出との識別性を低下させることが可能であることを特徴とする特徴F1乃至F3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入手段により遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入れさせるという、ゲームの開始時の演出から、第1特定状況と第2特定状況とで識別性を低下させることで、第1特定役入賞と第2特定役入賞といった異なる役が入賞し得る状況を悟られにくくすることが可能となり、特徴F1に記載の遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴F5.前記第1特定役は、前記賭数設定手段により設定される賭数が第1賭数(3)である状況で前記抽選手段による抽選結果として当選し得る役であり、
前記第2特定役は、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数とは異なる第2賭数である状況で前記抽選手段による抽選結果として当選し得る役であり、
前記特定手段は、前記第2賭数に対応する前記受入手段による受入が行われた場合に、前記受入演出実行手段により前記第1賭数に対応する前記受入演出を実行することで、前記第1特定状況と前記第2特定状況との識別性を低下させることを特徴とする特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1賭数にて第1特定役が当選し得るゲームか、第2賭数にて第2特定役が当選し得るゲームかが、受入演出によってわかりにくくなる。このようにすることで、各賭数によって当選役を相違させつつも、いずれの賭数によるゲームか、すなわち、いずれの特定役が当選し得るかをわかりにくくすることが可能となる。
特徴F6.前記受入手段により受入可能な仮想遊技媒体数を表示する仮想遊技媒体数表示手段(クレジット表示部60)と、
前記受入手段により仮想遊技媒体の受入が行われたことに基づいて、前記仮想遊技媒体数表示手段による前記仮想遊技媒体数の表示を更新する更新手段(主制御装置101によるベット枚数のイン・アウトカウンタ処理:ステップS109を実行する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、前記第2特定状況を生じさせる特定条件成立(特殊上乗せフラグのセット)に基づいて、前記仮想遊技媒体数表示手段による前記仮想遊技媒体数を視認不可又は視認困難とすることが可能であることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定状況と第2特定状況とで賭数設定手段による賭数が異なる構成において、賭数の設定に用いられ得る仮想遊技媒体数の視認性を低下させることによっても、第1特定状況と第2特定状況との識別性が低下される。このようにすれば、異なる賭数が賭数設定手段により設定されることが、仮想遊技媒体数の表示の更新によって如実に表現され、いずれの賭数かが明確なものとなってしまう事象を回避することができる。
特徴F7.前記払出手段により払い出される遊技媒体の払出数を表示する払出数表示手段(払出枚数表示部62)を備え、
前記特定手段は、前記特定条件成立に基づいて、前記払出数表示手段による前記払出数を視認不可又は視認困難とすることが可能であることを特徴とする特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状況を生じさせる際には、仮想遊技媒体数の表示だけでなく、払出数の表示の視認性も低下する。一般的にこれらの表示は並設されるものであり、一方の表示のみの視認性が低下すると、遊技者に違和感を与えかねない。そこで、これら両表示の視認性を低下させることで、違和感を与えることなく、特徴F6の効果を効果的に奏することが可能となる。
特徴F8.前記第1特定役入賞に基づいて前記払出手段により払い出され得る遊技媒体数と、前記第2特定役入賞に基づいて前記払出手段により払い出され得る遊技媒体数とが異なっていることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、このように払出数が異なる特定役同士であっても、特徴F7に記載したように、そもそも払出数の表示の視認性が低下されているため、特徴F7の構成において、いずれの特定役入賞が成立したかもわかりにくくする効果も享受することができる。
特徴F9.前記受入手段として、前記第2特定状況にて操作され得る特定受入手段(1ベット用の第2クレジット投入スイッチ57,第4クレジット投入スイッチ69、第5クレジット投入スイッチ75)を複数有し、
前記特定手段は、前記第2特定状況において、前記複数の特定受入手段のうち、第1の特定受入手段の操作により仮想遊技媒体の受入が行われた場合には前記受入演出実行手段により前記第1特定状況との識別性を低下させる対象となる前記受入演出を行わせる一方、前記第1の特定受入手段とは異なる第2の特定受入手段の操作により仮想遊技媒体の受入が行われた場合には前記受入演出実行手段により前記第1特定状況との識別性を低下させる対象とならない前記受入演出を行わせることを特徴とする特徴F5乃至F8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定状況において、複数の第2賭数受入手段のうち、第1側が操作されると第1特定状況との識別性が低下される受入演出が行われ、第2側が操作されると第1特定状況との識別性が低下されない受入演出が行われる。このようにすることで、自らの操作によって周回体を周回させて遊技を開始させ、自らの操作によって周回体の周回を停止させて遊技を終了させる、というスロットマシンの遊技の醍醐味を逸脱しない範囲で、識別性を低下させた演出による演出効果を享受することが可能となる。
特徴F10.前記払出手段により遊技媒体の払出が行われることに基づいて、払出数に応じた払出演出を実行可能な払出演出実行手段(主制御装置101による払出演出を設定する処理を実行する機能)を備え、
前記第1特定役入賞に基づいて前記払出手段により払い出され得る遊技媒体数と、前記第2特定役入賞に基づいて前記払出手段により払い出され得る遊技媒体数とが異なっており、
前記特定手段は、前記第1特定状況にて前記第1特定役入賞に基づいて前記払出演出実行手段により実行される前記払出演出と、前記第2特定状況にて第2特定役入賞に基づいて前記払出演出実行手段により実行される前記払出演出との識別性を低下させることが可能であることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、払出数が異なる第1特定役と第2特定役との払出演出の識別性が低下されるため、そもそも第1特定役が入賞したのか、第2特定役が入賞したのかがわかりにくくなる。これにより、特徴F1の遊技性を好適に実現することができる。
特徴F11.前記第1特定役入賞に基づいて第1特定数の遊技媒体が前記払出手段により払い出され、前記第2特定役入賞に基づいて前記第1特定数とは異なる第2特定数の遊技媒体が前記払出手段により払い出される構成であり、
前記特定手段は、前記第2特定役入賞に基づいて、前記1特定数の払出に対応する前記払出演出を前記払出演出実行手段により実行することで、前記第1特定状況と前記第2特定状況との識別性を低下させることを特徴とする特徴F10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴F10の効果を好適に奏することができる。
特徴F12.前記第2特定役は、前記賭数設定手段により設定される賭数が第2賭数である状況で前記抽選手段による抽選結果として当選し得る役であり、
前記第2特定数は、前記第2賭数と同数以下として設定されていることを特徴とする特徴F11に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、仮想遊技媒体をクレジットする機能を有する構成であれば、第2特定役入賞が成立する場合には、実際には遊技媒体の払出が行われにくくなる。つまり、第2特定役入賞を成立させるために、第2賭数の仮想遊技媒体を受入手段にて受入れさせており、その結果として第2賭数と同数以下である第2特定数の遊技媒体を獲得したとしても、当該第2特定数の遊技媒体は上記クレジット内に収まるものと考えられる。このように、実際には遊技媒体の払出が行われないため、払出演出だけでも、識別性を低下させる効果を奏することができる。
特徴F13.遊技者による前記受入手段の操作力を受け、前記始動操作手段の操作が行われる構成であることを特徴とする特徴F1乃至F12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が受入手段を操作すると、始動操作手段の操作も行われ、受入手段の操作と始動操作手段の操作とが連動して行われるため、操作性が向上する。このようにすることで、受入手段の操作と始動操作手段の操作とのタイムラグが生じにくくなり、受入手段に受入れられた仮想遊技媒体数を認識する間を与えることなく周回体の周回を開始させることが可能となる。よって、特徴F3のように賭数の相違によって第1特定役と第2特定役とを使い分ける構成において、賭数の識別性を低下させ、第1特定役と第2特定役とのいずれの入賞が発生したかをわかりにくくすることが可能となる。
なお、上記構成は、「前記受入手段の操作が行われる受入操作部と、前記始動操作手段の操作が行われる始動操作部とを隣接させて設けるとともに、前記受入操作部及び前記始動操作部が操作される操作方向を共通化した」構成とすると、遊技者が両操作部を操作する場合に同時に操作を行うことが可能となる。
また、この場合、「前記受入操作部が前記操作方向に操作される場合に、前記始動操作部を前記操作方向に押圧する連動部を有する」構成としてもよい。
<特徴G群>
特徴G1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記賭数設定手段により設定される賭数として、第1賭数(3枚)と、当該第1賭数とは異なる数である第2賭数(1枚、2枚)とが設けられており、
前記賭数設定手段により設定される賭数に応じた前記有効位置を設定する有効位置設定手段(主制御装置101による有効ライン設定処理を実行する機能)を備え、
前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第1賭数である状況で前記有効位置設定手段にて設定される第1有効位置(右下がりラインL4)と、前記賭数設定手段により設定される賭数が前記第2賭数である状況で前記有効位置設定手段にて設定される第2有効位置(折れ曲がりラインL6)と、が互いに重複しない有効位置である特定位置を含むように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定位置を利用して、第1賭数の遊技と第2賭数の遊技とを関係づけることが可能となる。つまり、第1有効位置側に含まれる特定位置は第2有効位置とは重複しないし、第2有効位置側に含まれる特定位置は第1有効位置とは重複しない。このような関係性を利用すれば、例えば、第1賭数で行われるゲームにおいては特定位置に所定の絵柄組合せが停止することで所定結果入賞とする一方で、第2賭数で行われるゲームにおいては当該第1賭数において所定結果入賞となる所定の絵柄組合せが停止していた位置に当該所定の絵柄組合せを停止させたとしても、当該位置は当該第2賭数で行われるゲームでは有効位置とはされないため、所定結果入賞とはならない。但し、見た目上は、第1賭数にて行われるゲームでは所定結果入賞となる停止出目であるため、第2賭数にて行われるゲームで、あたかも所定結果入賞が成立したかのように見せかけることが可能となる。逆もまた然りであり、このような第1有効位置と第2有効位置とで重複しない特定位置を利用すれば、上記のように一方では入賞となるものの他方では入賞とならない出目を出現させることが可能となり、出目の共通性を利用して遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴G2.前記第1有効位置は前記第2有効位置と重複しない第1特定位置(右下がりラインL4)により構成され、前記第2有効位置は前記第1有効位置と重複しない第2特定位置(折れ曲がりラインL6)により構成され、前記第1有効位置と前記第2有効位置とで重複する有効位置が存在しないように設定されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有効位置と第2有効位置とで互いに重複する有効位置がない。仮に、重複する有効位置が存在すると、例えば、第1賭数にて行われるゲームにて所定結果入賞となる停止出目を、第2賭数にて行われるゲームで停止させようとする場合において、当該重複する有効位置に今回の第2賭数のゲームの結果に対応する絵柄組合せが停止してしまうことによって、設定したい出目の法則(第1賭数によるゲームの出目と第2賭数によるゲームの出目を共通化する法則)が崩れてしまう不都合が生じ得る。そこで、上記構成のように重複する有効位置がないようにすることで、このような不都合を生じさせないようにしながら、特徴G1の効果を奏することが可能となる。
特徴G3.前記有効位置は、前記表示部を介して視認可能となる位置であって、各前記周回体に付された前記絵柄が停止し得る停止位置を、各前記周回体の前記停止位置についてそれぞれ一つずつ組み合わせてなるラインとして設定されるものであり、
前記第1特定位置は前記停止位置を組み合わせると一直線となるラインとして設定されている一方で、前記第2特定位置は前記停止位置を組み合わせると折れ曲がりが生じる折れ曲がりラインとして設定されていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
複数の周回体を停止させて、その複数の周回体に付された絵柄の組合せによって結果が報知される遊技機において、当該絵柄の組合せとして、当選役に対応する絵柄が一直線に並んで停止するように設定されている方が、折れ曲がりラインに停止するよりも遊技者は当該当選役を理解し易い。このような前提に立つと、上記構成の場合、一直線のラインとして設定された第1特定位置の方が、折れ曲がりラインとして設定された第2特定位置よりも、遊技者は停止している絵柄の組合せを理解し易いものと考えられる。このような事象を利用すると、例えば、第2賭数にて第2特定位置に当該第2賭数のゲームの結果に対応する絵柄の組合せを停止させたとしても、当該ゲームの停止出目として第1特定位置に所定の絵柄組合せが停止していたら、当該所定の絵柄組合せのほうに目がいきがちとなり、あたかも所定結果入賞が成立しているのでは、誤認させ易くなる。よって、第1特定位置と第2特定位置とを用いて出目を共通化させるうえで、より好ましくなる。
特徴G4.前記第1特定位置のラインに含まれる前記停止位置と、前記第2特定位置のラインに含まれる前記停止位置とで、共通する前記停止位置と共通しない前記停止位置とがそれぞれ存在するように設定されていることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定位置と第2特定位置とを利用して両賭数によるゲームの出目の共通化を図るうえで、設計が容易になる。具体的には、例えば、第1特定位置のラインに所定の絵柄組合せを停止させる停止出目を、第2賭数によるゲームにて出現させようとする場合、当該第2賭数でのゲームの結果としての絵柄の組合せを第2特定位置に停止させつつ、第1特定位置に上記所定の絵柄組合せを停止させる必要があるところ、上記構成によれば、このような状況において、第1特定位置と共通する停止位置には所定の絵柄組合せを構成する絵柄を停止させるとともに、共通しない停止位置に所定の絵柄組合せを構成しない絵柄を停止させればよくなる。これにより、当該共通する停止位置に停止させる絵柄と、共通しない停止位置に停止させる絵柄との組合せを、所定の絵柄組合せと対応付ける上で、絵柄構成の簡素化が図られる。
特徴G5.前記共通する前記停止位置の方が、前記共通しない前記停止位置よりも、前記停止位置の数が多いことを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴G4の構成において、第2特定位置に停止させる絵柄のうち、所定の絵柄組合せを構成する絵柄の方が所定の絵柄組合せを構成しない絵柄よりも多くなる。これにより、第1賭数のゲームに対して第2賭数のゲームにおける各種絵柄の組合せを設計する上で、第1賭数のゲームにおける各種絵柄の組合せを流用し易くなる。よって、既存の構成をうまく利用しつつ、特徴G1の斬新な遊技性を容易に実現可能となる。
特徴G6.前記第1賭数の方が、前記第2賭数よりも多い数として設定されていることを特徴とする特徴G3乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一直線のラインが有効位置として設定される側の第1賭数の方が、折れ曲がりのラインが有効位置として設定される側の第2賭数よりも多くなる。賭数が多いほど、役(例えばボーナス)の当選確率が高くなったり、ゲームにて得られる特典が多くなったりすることが一般的であるところ、上記構成は、遊技者が、実際に遊技を行うであろう賭数の方が一直線のラインとして設定されていることになる。このようにすることで、例えば第2賭数によるゲームにて、第1有効位置である一直線のラインに所定の絵柄組合せを停止させた場合に、通常実施しているゲームを鑑みれば、それが所定結果入賞に対応する停止出目であることを容易に理解させることが可能となる。
特徴G7.前記第1賭数である状況で前記抽選手段による抽選に当選し得る結果として第1特定結果(例えばスイカ役)が設定されており、
前記第2賭数である状況で前記抽選手段による抽選に当選し得る結果として第2特定結果(例えば特殊スイカ役)が設定されており、
前記特典付与手段は、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果である場合、第1特定の絵柄組合せが前記第1特定位置に停止することで当該第1特定結果に対応する特典を付与可能であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合、第2特定の絵柄組合せが前記第2特定位置に停止することで当該第2特定結果に対応する特典を付与可能であり、
前記第1特定の絵柄組合せは、当該第1特定の絵柄組合せを構成する第1特定絵柄(例えばスイカ図柄)が各前記停止位置に揃って停止することで成立するように設定されている一方、前記第2特定の絵柄組合せは、当該第2特定の絵柄組合せを構成する複数種類の第2特定絵柄(例えばスイカ図柄と赤ベル図柄)との組合せが各前記停止位置に停止することで成立するように設定されていることを特徴とする特徴G3乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一直線のラインに停止する第1特定の絵柄組合せは、一種類の第1特定絵柄揃いとして設定されている一方、折れ曲がりラインに停止する第2特定の絵柄組合せは複数種類の第2特定絵柄の組合せとして設定されているため、第1特定の絵柄組合せの方が第2特定の絵柄組合せよりも目を引き易く、停止出目から入賞成立している役を理解するうえで、第1特定の絵柄組合せと第2特定の絵柄組合せとがそれぞれ停止していても、第1特定結果入賞が成立していると理解し易くなる。これにより、第2特定結果であっても第1特定結果入賞が成立していると思わせ易くなる。
特徴G8.前記第1特定の絵柄組合せが前記第1特定位置に停止すると前記第2特定の絵柄組合せが前記第2特定位置に停止し、前記第2特定の絵柄組合せが前記第2特定位置に停止すると前記第1特定の絵柄組合せが前記第1特定位置に停止することを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、第2賭数によるゲームにて第2特定結果であって、第2特定の絵柄組合せが第2特定位置に停止して第2特定結果入賞となる状況が生じると、停止出目としては、第1特定位置に第1特定の絵柄組合せが停止していることとなる。このようにすることで、第2特定結果であっても第1特定結果と思わせ易くすることが可能となる。
<特徴H群>
特徴H1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技モードとして、
遊技を行うことによって、前記賭数設定手段により設定される賭数から遊技媒体の増減が生じ得るように設定された第1遊技モード(通常遊技モード)と、
遊技を行うことによって、前記賭数設定手段により設定される賭数から遊技媒体の増減が前記第1遊技モードよりも生じにくいように設定された第2遊技モード(特定モード)と、
が設定されており、
前記第2遊技モードでは、前記抽選手段による抽選結果として、前記賭数設定手段による設定される賭数と同数の遊技媒体の払出が前記特典として付与されることとなる払出結果(例えば、第26P小役としての特殊スイカ役)が設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増減が生じ得るように設定された第1遊技モードと、遊技媒体の増減が生じにくいように設定された第2遊技モードと、を有するようにしたため、一の遊技機において複数の遊技モードを実行可能となり、遊技の多様化が図られる。特に、第2遊技モードは、遊技媒体の増減が生じにくいため、例えば練習用の遊技モードや演出用の遊技モードとして利用することが可能となり、従来にはない斬新な遊技機とすることができる。
このような、遊技媒体の増減が生じにくい遊技モードを設定する場合、例えば、全ての抽選結果を再遊技役とすることも可能である。再遊技役は、再度の遊技媒体の受入を要することなく今回のゲームにて設定された賭数と同数の賭数にて次のゲームを実行可能となる役であるところ、当該再遊技役は、上記練習用の遊技モード等を行わせるうえでは好ましい役と考えられる。特に、再遊技役入賞が成立すると、次ゲームにて遊技媒体の受入を行わなくても自動的に次ゲームの賭数の設定が行われる構成が一般的であるため、再遊技によって練習用の遊技モードを行わせることで、受入操作が必要なくなる分、操作性を向上させるというメリットもある。
しかし、このような再遊技を全ての役として設定してしまうと、上記のように自動的に賭数の設定が行われる構成であるがゆえ、当該練習用の遊技モードとしての第2遊技モードを終了しようとしても、常に再遊技入賞に基づく賭数の設定が行われた状態となってしまうので、第2遊技モードを終了しにくくなるという不都合が生じ得る。この場合、例えば、遊技機の電源をオン/オフしたり、再遊技入賞に基づく賭数の設定が行われていても、遊技モードの変更を可能とする構成を付け加えたりする必要が生じる。
そこで、上記構成では、全てを再遊技役とするのではなく、賭数と同数の遊技媒体の払出が行われる払出結果を設定することで、自動的な賭数の設定が行われることによる不都合を回避しつつも、第2遊技モードという従来にはない斬新な遊技性を、第1遊技モードと併せ持つ遊技機を提供することが可能となる。
なお、「第2遊技モード」に関して、例えば、「遊技媒体の増減が生じないように設定された第2遊技モード」と表現してもよいし、「遊技媒体の現状維持を可能とする第2遊技モード」と表現してもよい。
また、「第1遊技モード」と「第2遊技モード」とに関して、例えば、「前記賭数設定手段により第1賭数が設定される第1遊技モードと、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数が設定される第2遊技モード」と表現してもよい。
特徴H2.前記第2遊技モードは、前記第1遊技モードの遊技を模した遊技を実行可能なモードとして設定されており、
前記第2遊技モードにて遊技が行われる場合、前記第1遊技モードの遊技を模した遊技であることを示す識別報知を実行可能な手段(表示制御装置81による識別表示を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴H1に示した練習用の遊技モードといった斬新な第2遊技モードを実現する上で、第2遊技モードの位置づけを遊技者により明確に認識させることが可能となる。
特徴H3.前記第1遊技モードは、前記賭数設定手段により第1賭数(3枚又は2枚)が設定された場合に実行される遊技モードであり、
前記第2遊技モードは、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数が設定された場合に実行される遊技モードであることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技モードと第2遊技モードとは賭数の相違によって実現される。このようにすれば、各遊技モードは受入手段に受入させる遊技媒体又は仮想遊技媒体を異ならせればよいだけであるため、いずれの遊技モードにて遊技を行うかを遊技者の意志によって選択させることが可能となる。ここで、仮にこのように賭数の違いによって複数の遊技モードを実現するうえで、一方の遊技モードを特徴H1に記載したように全て再遊技によって構成してしまうと、再遊技入賞に伴う自動的な賭数の設定によって、次ゲームも同じ遊技モードにて遊技を行わざるを得なくなってしまう。その点、特徴H1に記載したように、第2遊技モードを払出結果によって実現する構成としているため、次ゲームを第1遊技モードにしたい場合であっても、異なる賭数(第1賭数)の設定を行わせることが許容され、第1遊技モードと第2遊技モードとを好適に実行させることが可能となる。
特徴H4.前記抽選手段による抽選結果として再遊技役と、遊技状態を通常遊技状態から前記抽選手段による抽選における各役の当選確率が変化する特定状態に移行させることに対応する移行結果(例えば第1PBB,第2PBB)とが設定されており、
前記第1遊技モードにおける前記通常遊技状態の第1所定状態(通常遊技状態)と、前記第2遊技モードにおける前記通常遊技状態の第2所定状態(通常遊技状態)とで、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技役当選となる確率が同じ又は略同じ確率として設定されていることを特徴とする特徴H1乃至H3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増減が生じないように設定された第2遊技モードにおいても、払出結果だけでなく再遊技役が設定される。そして、当該再遊技役は第1遊技モードの第1所定状態と第2遊技モードの第2所定状態とで同じ又は略同じ当選確率として設定されている。第1遊技モードが一般的な遊技モードであるという前提に立つと、当該一般的な遊技モードにおける再遊技役の当選確率と同じ又は略同じ確率となるように、第2遊技モードの再遊技役が設定されていれば、練習用も遊技モードとしての第2遊技モードにおいても通常と変わらない感覚で遊技を行わせることが可能となり、当該練習用のモードである意義を向上させることが可能となる。また、上記のように第1遊技モードが一般的な遊技モードであるという前提に立つと、当該一般的な遊技モードにおいては再遊技役の当選確率は他の小役等を設定したうえでの当選確率となっているはずであり、仮に当該他の小役以外は再遊技役当選となる程度に高い確率として再遊技役が設定されていたとしても、当該一般的な遊技モードで他の小役入賞が成立し得る程度の確率で、第2遊技モードにおいても払出結果となることが期待できる。そうすると、第2遊技モードにおいてほぼ全て結果が再遊技役となり、ごくまれに払出結果となる、といった事象は生じにくく、特徴H1の効果を好適に奏することが可能となる。
なお、「略同じ確率」とは、全く同じ確率ではなくても、遊技者が同じ程度の確率であることを認識できる程度の確率同士であればよく、換言すると、異なる確率であることを認識しにくい程度の確率同士であればよい。
特徴H5.前記第1遊技モードにおける前記通常遊技状態には、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技役当選となる確率が異なる複数の再遊技状態(通常遊技状態、第1〜第3RT状態)が設定されており、
前記第1所定状態は、前記複数の再遊技状態のうちの一の遊技状態として設定されていることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技モードにおける第2所定状態は、第1遊技モードにおける複数の再遊技状態のうちのいずれかの再遊技状態と、再遊技役当選となる確率が同じ又は略同じとなるように設定されている。このようにすれば、複数の再遊技状態により第1遊技モードの遊技性が向上するだけでなく、第2遊技モードにおいては、そのうちの一の状態に対応する練習モードとして位置付けることができ、第2遊技モードの遊技性が明確化される。
特徴H6.前記第2遊技モードにおける前記通常遊技状態には、前記複数の再遊技状態(通常遊技状態、第1〜第3RT状態)が設定されていないことを特徴とする特徴H5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴H5の遊技機において、第2遊技モードの簡素化を図ることができる。つまり、第1遊技モードは複数の再遊技状態が設定されている一方で、練習モードとしての第2遊技モードは複数の再遊技状態が設定されていないため、第2遊技モードは第1遊技モードよりもシンプルなモードといえる。このようにすることで、遊技機の限られた記憶領域を用いて第1遊技モードと第2遊技モードといった複数の遊技モードを備える遊技機を設計する上で、通常の2倍の記憶領域を確保したりする不都合や、一般的な第1遊技モードをシンプルにしてしまう不都合を生じないようにすることができる。
なお、上記構成は「前記第2遊技モードにおける前記通常遊技状態は、前記抽選手段による抽選にて前記再遊技役当選となる確率が変化しないように設定されている」と表現してもよい。
特徴H7.前記第1遊技モードにおいて、前記抽選手段による抽選結果が前記再遊技役当選であって前記有効位置に当該再遊技役に対応する再遊技用の絵柄組合せが停止した場合、当該再遊技役入賞成立に対応する特典として、次ゲームにて前記受入手段に遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させることなく前記賭数設定手段による賭数の設定が行われ得る構成であり、
前記再遊技用の絵柄組合せの一種として、当該再遊技用の絵柄組合せを構成する絵柄である再遊技絵柄(第1リプレイ図柄、第2リプレイ図柄)が前記有効位置に揃って停止することで当該再遊技用の絵柄組合せが形成される絵柄組合せが設定されており、
前記第2遊技モードにおける抽選結果としての前記払出結果として、前記再遊技絵柄が揃って停止することで前記賭数と同数の遊技媒体の払出が前記特典として付与される再遊技払出結果(各種リプ小役)が設定されていることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成のように、再遊技払出結果に対応する停止出目を出現させれば、見た目上再遊技絵柄が揃って停止しているので再遊技役入賞が成立したかのように見せることができるし、賭数と同数の遊技媒体の払出が行われるため、新たな遊技媒体を要することなく次ゲームを遊技可能という効果は再遊技役入賞と共通なものとなる。そのため、第2遊技モードにおいて再遊技役の当選確率が一律に設定されている構成であっても、当該再遊技払出結果の当選確率や出現率を異ならせれば、あたかも再遊技役の当選確率が変化しているかのように見せることができる。よって、第2遊技モードにおいて再遊技役の当選確率が異なる状態を複数設定することなく、その遊技性を第1遊技モードに近づけることが可能となる。
特徴H8.前記駆動制御手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記再遊技払出結果となった場合、前記停止操作手段が第1の操作順序で操作された場合には前記再遊技払出結果入賞を成立させ、前記停止操作手段が前記第1の操作順序とは異なる第2の操作順序で操作された場合には前記再遊技払出結果入賞が成立しないようにする手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技払出結果入賞を出現させたい場合と出現させたくない場合とを、再遊技払出結果の当選確率を異ならせることなく実現することが可能となる。よって、特徴H7の遊技機において、再遊技払出結果の当選確率が異なる複数の状態を設ける必要が生じなくなり、第2遊技モードの構成の簡素化が図られる。
特徴H9.前記特典付与手段は、前記抽選手段の抽選結果が前記再遊技払出結果であって、前記停止操作手段が前記第1の操作順序で操作されて前記再遊技払出結果入賞が成立した場合には前記賭数と同数の遊技媒体の払出を前記特典として付与し、前記停止操作手段が前記第2の操作順序で操作されて前記再遊技払出結果入賞が成立しなかった場合にも前記賭数と同数の遊技媒体の払出を前記特典として付与する構成であることを特徴とする特徴H8に記載の遊技機。
上記構成によれば、再遊技払出結果当選時に再遊技払出結果入賞の成立の有無にかかわらず、賭数と同数の遊技媒体の払出が行われる。このようにすることで、入賞の有無にかかわらず、常に等枚返しのゲームを行わせて遊技媒体の増減が生じない遊技性を実現することが可能となる。
特徴H10.前記第1遊技モードにおける抽選結果に関わらず、前記第1遊技モードから前記第2遊技モードへの切換を実行可能な構成であることを特徴とする特徴H1乃至H9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技モードを行っている最中に第2遊技モードを実行しようと思えば、いつでも実行可能であり、何らかの遊技結果とならなければ第2遊技モードを実行できない構成と比較して、遊技の自由度が向上する。
特徴H11.前記第2遊技モード中の所定演出を実行する所定演出実行手段(表示制御装置81による特定モード用の各種演出を実行する処理を行う機能)を備え、
前記所定演出実行手段は、前記第1遊技モード中に成立する規制条件(例えばボーナス当選)が成立している状況で、前記第1遊技モードから前記第2遊技モードへの切換が行われた場合には、前記所定演出の実行が制限される構成であることを特徴とする特徴H10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技モードと第2遊技モードとの切換は自由に行われ得るものの、規制条件が成立した場合には第2遊技モードに切り換えても所定演出が制限される。このようにすることで、両遊技モードの自由な切り換えを許容しつつも、第1遊技モードから第2遊技モードに切り換えるべきではない場合に、それを遊技者に知らしめることができる。
特徴H12.前記第1遊技モードにおける前記通常遊技状態には、前記抽選手段による抽選結果が所定役当選となる確率が異なる複数の遊技状態(通常遊技状態、第1〜第3RT状態)が設定されており、
前記第2遊技モードは、前記第1遊技モードの遊技を模した遊技を実行可能なモードとして設定されており、
前記第2遊技モードの設定を行う設定手段(表示制御装置81による特定モード切換処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記第1遊技モードにおける複数の遊技状態のうちの一の遊技状態から今回の第2遊技モードを開始するように設定可能であることをする特徴H1乃至H11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2遊技モードを、遊技媒体の増減を生じさせることなく第1遊技モードの疑似体験版のモードとして遊技可能となる。この擬似体験を行わせるうえで、設定手段により、第1遊技モードにおける遊技状態のいずれの状態から体験するかを設定可能としているため、第2遊技モードの遊技性が向上する。
特徴H13.所定の罰則対象となる前記停止操作手段の特定操作が行われた場合に、遊技者に不利となる特定処理を行うことが可能な罰則手段(主制御装置101によるペナルティ処理を実行する機能)を備え、
前記罰則手段は、前記第1遊技モードにて前記特定操作が行われた場合には前記特定処理を行う一方、前記第2遊技モードにて前記特定操作が行われた場合には前記特定処理を行わない又は当該特定処理が行われた場合の遊技者の不利度を低くした処理を行う構成であることを特徴とする特徴H1乃至H12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1遊技モードにおいて所定の罰則対象となる特定操作が行われた場合には、ペナルティとして遊技者に不利となる特定処理が行われる構成において、このような構成を第2遊技モードに対しても一律に適用してしまうと、所謂練習用のモードである第2遊技モードを利用する上で不便になり得る。つまり、そもそも上記ペナルティは、第1遊技モードにおいて例えば意図的に遊技媒体を得ようとするような行為に対して付与されるものであるところ、第2遊技モードは遊技媒体の増減が見込めないモードであり、当該第2遊技モードに対しても上記ペナルティが付与されてしまうと、第2遊技モードの趣旨に反してしまうからである。
特徴H14.前記特定操作に基づいて、前記罰則手段により前記特定処理が行われることの特定報知を実行可能な特定報知実行手段(表示制御装置81によるペナルティ報知を実行する機能)を備え、
前記特定報知実行手段は、前記第1遊技モードにて前記特定操作が行われた場合には前記特定報知を行い、前記第2遊技モードにて前記特定操作が行われた場合にも前記特定報知を行うことを特徴とする特徴H13に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴H13の遊技機において、第2遊技モードにおいてはペナルティは付与されないものの、特定報知は行われる。これにより、第2遊技モードであっても、特定操作を行えば、仮に第1遊技モードであればペナルティが付与される操作であったことを理解させることが可能となり、練習用のモードであることの意義を向上させることができる。
特徴H15.前記特定報知実行手段は、前記第2遊技モードにて前記特定操作が行われた場合に、前記特定処理の内容を示す内容報知を実行することが可能な構成であることを特徴とする特徴H14に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定モードにて特定操作が行われると、ペナルティは付与されないものの、当該ペナルティの内容(特定処理の内容)を示す内容報知が行われる。これにより、特定操作を第1遊技モードで行ってしまった場合に付与されるペナルティの恐ろしさを知らしめ、特定操作を行わせないようにするとともに、第2遊技モードが練習用のモードである意義を向上させることが可能となる。
特徴H16.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
遊技媒体又は仮想遊技媒体を受入させる受入手段(メダル投入口45、クレジット投入スイッチ56〜58,69)と、
前記受入手段にて遊技媒体又は仮想遊技媒体が受入られたことを把握し、予め定められた数を上限として遊技の賭数を設定する賭数設定手段(主制御装置101によるステップS204,S205の処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与するか否かの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する所定の絵柄組合せが停止した場合に、前記所定結果に対応する特典を遊技者に付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技モードとして、
遊技を行うことによって、前記賭数設定手段により設定される賭数から遊技媒体の増減が生じ得るように設定された第1遊技モード(通常遊技モード)と、
遊技を行うことによって、前記賭数設定手段により設定される賭数から遊技媒体の増減が生じないようにされた第2遊技モード(特定モード)と、
が設定されており、
所定の罰則対象となる前記停止操作手段の特定操作が行われた場合に、遊技者に不利となる特定処理を行うことが可能な罰則手段(主制御装置101によるペナルティ処理を実行する機能)
を備え、
前記罰則手段は、前記第1遊技モードにて前記特定操作が行われた場合には前記特定処理を行う一方、前記第2遊技モードにて前記特定操作が行われた場合には前記特定処理を行わない又は当該特定処理が行われた場合の遊技者の不利度を低くした処理を行う構成であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の増減が生じ得るように設定された第1遊技モードと、遊技媒体の増減が生じないように設定された第2遊技モードと、を有するようにしたため、一の遊技機において複数の遊技モードを実行可能となり、遊技の多様化が図られる。特に、第2遊技モードは、遊技媒体の増減が生じないため、例えば練習用の遊技モードや演出用の遊技モードとして利用することが可能となり、従来にはない斬新な遊技機とすることができる。
また、第1遊技モードにおいて所定の罰則対象となる特定操作が行われた場合には、ペナルティとして遊技者に不利となる特定処理が行われる。ここで、このような特定処理の構成を第2遊技モードに対しても一律に適用してしまうと、所謂練習用のモードである第2遊技モードを利用する上で不便になり得る。つまり、そもそも上記ペナルティは、第1遊技モードにおいて例えば意図的に遊技媒体を得ようとするような行為に対して付与されるものであるところ、第2遊技モードは遊技媒体の増減が見込めないモードであり、当該第2遊技モードに対しても上記ペナルティが付与されてしまうと、第2遊技モードの趣旨に反してしまうからである。したがって、上記構成のようにすることで、練習用のモードである第2遊技モードを好適に実行させることが可能となる。
なお、「第2遊技モード」に関して、例えば、「遊技媒体の増減が生じにくい第2遊技モード」と表現してもよいし、「遊技媒体の現状維持を可能とする第2遊技モード」と表現してもよい。
また、「第1遊技モード」と「第2遊技モード」とに関して、例えば、「前記賭数設定手段により第1賭数が設定される第1遊技モードと、前記賭数設定手段により前記第1賭数とは異なる第2賭数が設定される第2遊技モード」と表現してもよい。
以下の特徴I群〜O群に示す発明は、「遊技機の一種としてパチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機には、貯留部において余剰となったメダル等の遊技媒体を収容する補助タンクを備えたものがある(例えば特開2005−323750号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては補助タンクの使い勝手の面で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴I群>
特徴I1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面開口部を開閉する扉体(前面扉12)と、
前記筐体内に設置され、遊技媒体を貯留する貯留部(貯留タンク52)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置51)と、
前記筐体内において前記ホッパ装置と横並びとなる所定の設置領域に設置され、前記貯留部において余剰となった遊技媒体を収容する補助タンク(補助タンク54)と、
を備え、
前記補助タンクは、上端に開口(上側開口部502)を有するとともに、下端に底部(底板部501a)を有する有底状をなしており、
前記補助タンクに設けられた第1係合部(右側フランジ部571c)と、
前記筐体内に設けられ、前記第1係合部と係合可能な第2係合部(係合部574)と、
を備え、
前記補助タンクは、前記所定の設置領域において前記開口を上側とし且つ前記底部を下側とする第1の向き(上向き姿勢)と、前記第1の向きとは異なる第2の向きとでそれぞれ設置可能であり、
前記第1の向きで前記補助タンクが設置されている場合に前記第1係合部と前記第2係合部とが係合されず、前記第2の向きにて前記補助タンクが設置されている場合に前記第1係合部と前記第2係合部とが係合され、その係合により前記補助タンクの移動が規制されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の運搬時等における補助タンクの紛失等を抑制する観点では、補助タンクを筐体内に収納した状態で遊技機を運搬することが望ましい。但し、遊技機において補助タンクに収容された遊技媒体を手作業で回収する場合は補助タンクを筐体内から取り出す必要があるため、補助タンクを固定せず自由状態で収納することが求められる。このため、運搬時等において遊技機を傾けたり、振動させたりすると、補助タンクが筐体内で移動し、周囲のホッパ装置や扉体等に衝突して損傷を招くという不都合がある。
この点、本構成では、補助タンクが開口を上側とし且つ底部を下側とする第1の向きで設置されている場合に第1係合部と第2係合部とが係合されず、補助タンクが第1の向きとは異なる第2の向きで設置されている場合に第1係合部と第2係合部とが係合する構成とされている。貯留部からの遊技媒体を補助タンクに収容すべき場合は、第1の向きでの使用が想定されるため、かかる場合は補助タンクを自由状態とすることができ、筐体内からの取り出しを許容することが可能になる。一方、第2の向きでの設置時には上記各係合部が係合することで、筐体内での補助タンクの移動を規制できる。遊技機の運搬時等において補助タンクを第2の向きで設置することで、運搬中の補助タンクのがたつきを抑制でき、上記不都合の発生を抑制可能となる。つまり、本発明によれば、遊技機稼働時における補助タンクの取り出し操作を許容しながらも、運搬時等における補助タンクの移動を規制することができ、利便性が格段に向上する。
しかも、本発明では、補助タンクの向きを係合状態と非係合状態との切り替わりに対応させているため、係合状態である場合と非係合状態である場合とで補助タンクの外観を相違させることができる。例えば、係合箇所が遊技ホールの従業員(補助タンクの取り出し操作を行う作業者)から見て死角となったりする場合は、係合状態であることに気付かないで無理な取り出し操作を行い、第1係合部や第2係合部等を損傷させるおそれがある。この点、本構成によれば、補助タンクの外観が相違することで一見して状態の違いに気付くことが可能になる。この場合において、例えば、補助タンクの向きに応じて係合の有無が異なる旨を予め作業者に通知しておけば、係合箇所の確認を要することなく上記各状態のいずれにあるかを容易に把握することができ、無理な取り出し操作を抑制可能となる。
加えて、本構成では、補助タンクを第2の向きで設置する場合に、第1の向きで設置するための設置領域を活用して設置することができる。これにより、運搬時等のための専用スペースの確保を不要化したり、設置スペースの拡張の程度を少なく抑えたりすることができ、搭載部品の設置領域が限られている遊技機に適した構成とすることができる。
特徴I2.遊技機の一側部にて前記扉体が前記筐体に対して回動可能に連結されるとともに、遊技機の前記一側部とは反対側の側部には前記扉体及び前記筐体を施錠する施錠装置が配置されており、
前記所定の設置領域が前記筐体内において前記反対側の側部寄りの箇所に設定されており、
前記第1係合部と前記第2係合部とが係合することで、前記補助タンクの上方への移動が規制されることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成では、施錠装置が扉体の回動軸とは反対側の側部に設けられていることで、施錠状態の下で扉体が開くことを防止でき、また、補助タンクを設置する所定の設置領域が扉体の回動軸とは反対側の側部に寄せて設定されていることで、補助タンクの出し入れを容易化できる。但し、施錠装置と補助タンクの設置領域とが同じ側に配置されている構成では、遊技機の運搬時等において補助タンクが上方に移動すると、補助タンクが施錠装置との干渉位置に引っ掛かり、後に解錠操作を行っても解錠できなくなるおそれがある。この点、上記構成では、第1係合部と第2係合部とが係合することで補助タンクの上方への移動が規制されるため、上記不都合の発生を抑制可能となる。
特徴I3.前記第2の向きが前記第1の向きに対して前記補助タンクの上下を反転させた向きであることを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
本構成によれば、補助タンクを第1向きで設置した場合と第2向きで設置した場合とで設置領域における占有スペースの大きさを大差ないものとできる。このため、第1の向きで設置するための設置領域をそのまま活用して補助タンクを第2の向きで設置でき、設置領域の拡張化を抑制可能となる。
特徴I4.前記補助タンクを前記第1の向きで設置する場合と、前記補助タンクを前記第2の向きで設置する場合とで、前記設置領域のタンク設置面におけるタンク重複エリアの大きさが異なり、前記第2の向きで設置する場合の方が前記タンク重複エリアが大きいことを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
遊技機の運搬時等においては、補助タンクが筐体内に第2の向きで設置されている。かかる場合、遊技機自体の動きにより補助タンクに筐体の向き等に応じて力が生じるが、補助タンクが筐体側に対して係合され、かつタンク設置面でのタンク重複エリアが大きいものとなっているため、補助タンクを安定状態で保持できる。また、補助タンクが第1の向きで設置される場合においてタンク設置面でのタンク重複エリアが小さいため、遊技機稼働状態で補助タンクが第1の向きで設置されることからして、補助タンクと筐体側の係合部(第2係合部)との干渉を回避する上で有利な構成とすることができる。
特徴I5.前記第1係合部及び第2係合部は、前記補助タンクが前記第2の向きで設置されている場合に高さ位置が合致し、前記補助タンクが前記第1の向きで設置されている場合に高さ位置が合致しないように、相互の位置関係が設定されていることを特徴とする特徴I3又はI4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1の向きで補助タンクを設置した場合に、意図せず第1係合部と第2係合部とが係合し、補助タンクの移動が規制されてしまう不都合を抑制可能となる。
特徴I6.前記補助タンクにおいて、前記開口の周縁部の少なくとも一部には外方へ張り出す張り出し部(右側フランジ部571c)が設けられており、
前記張り出し部によって前記第1係合部が構成され且つ前記設置領域のタンク設置面上に前記第2係合部が設けられていることを特徴とする特徴I3乃至I5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクを第2の向きで設置した場合に第1係合部と第2係合部とを適正に係合させつつ、補助タンクの上下反転に伴って第1係合部の高さ位置を大きく変えることができる。これにより、第1の向きで補助タンクを設置した場合に、意図せず第1係合部と第2係合部とが係合し、補助タンクの移動が規制されてしまう不都合を抑制可能となる。
特徴I7.前記張り出し部は、前記開口の周縁部において前記補助タンクを前記設置領域に設置した状態で遊技機前後方向となる向きに延びる部位に設けられており、
前記筐体内において前記補助タンクを遊技機前後方向にスライド移動させることにより、前記第1係合部及び前記第2係合部の係合及び係合解除を行わせる構成となっていることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクが第2の向きで設置される場合において、補助タンクの開口周縁部に設けられた張り出し部を利用して、筐体内における補助タンクの係合を行わせることができる。また、筐体内においてホッパ装置と補助タンクとが横並びで設けられることからすれば、補助タンクが第1の向きで設置される場合に、張り出し部によって、ホッパ装置や筐体の壁部に対する補助タンクの位置が規制される。したがって、第1の向きで補助タンクの係合がなされていなくても、補助タンクの位置ずれの規制が可能となる。
特徴I8.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b及び主制御装置101)を備え、
前記収容状態検出手段は、前記補助タンクに設けられた挿通孔(上側センサ挿通孔505a、下側センサ挿通孔505b)によりタンク外からタンク内に挿し入れられる挿通部材(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b)を有し、
前記挿通孔は縦並びに複数設けられており、
前記補助タンクが前記第1の向きで設置された場合と、前記補助タンクが前記第2の向きで設置された場合とのいずれにおいても、複数の前記挿通孔のうちいずれかに前記挿通部材が挿通可能となっていることを特徴とする特徴I3乃至I7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクを第1の向きで設置した場合と、補助タンクを第2の向きで設置した場合とのいずれにおいても、収容状態検出手段の挿通部材をタンク本体の内側に位置させることができる。これにより、補助タンクにおける上下の向きを問わず、遊技媒体の収容状態を検出可能となり、補助タンクを上下反転して設置するのに適した構成とすることができる。
特徴I9.前記筐体内において前記補助タンクを遊技機前後方向にスライド移動させることにより、前記第1係合部及び前記第2係合部の係合及び係合解除を行わせる構成となっており、
前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b及び主制御装置101)を備え、
前記収容状態検出手段は、前記補助タンクに設けられた挿通孔(上側センサ挿通孔505a、下側センサ挿通孔505b)によりタンク外からタンク内に挿し入れられる挿通部材(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b)を有し、
前記挿通部材は、遊技機前後方向に延び、且つ高さ方向において前記設置領域のタンク設置面と同じ向きに延びる構成となっており、
前記筐体内において前記補助タンクを遊技機前後方向にスライド移動させることにより、前記挿通孔に対する前記挿通部材の出し入れが可能となっていることを特徴とする特徴I3乃至I8のいずれかに記載の遊技機。
補助タンクが第1の向きで筐体内に設置され、かつ補助タンク内に遊技媒体が収容されている状態では、補助タンクが比較的重くなっているため、作業者により補助タンクが取り出される際には、筐体の前面開口側からタンク設置面上をスライド移動させて補助タンクが筐体外に引き出されると考えられる。この場合、補助タンクがスライド移動されるため、補助タンクの挿通孔に挿通された挿通部材は、補助タンクから過剰な力を受けることなく引き抜かれる。
これに対し、補助タンクが第2の向きで筐体内に設置されている状態では、補助タンクが空であり、その重量は比較的軽い。そのため、作業者により補助タンクが取り出される際には、手前側に持ち上げられた状態で補助タンクが筐体外に引き出されることが考えられる。この場合、補助タンクの挿通孔に挿通された挿通部材において、補助タンクから過剰な力を受けることが懸念される。この点、補助タンクを遊技機前後方向にスライド移動させることで、第1係合部及び第2係合部の係合及び係合解除が行われる構成になっているため、挿通部材が補助タンクから過剰な力を受けることを抑制できる。つまり、挿通部材の保護を図ることができる。
特徴I10.前記補助タンクにおいて前記底部を囲むようにして当該底部の周縁部から起立する側壁部のうち、前記補助タンクが前記第1の向きで設置されている場合に前記第2係合部と対峙する側壁部(左側壁部501e)は、前記補助タンクの内方で対向する側壁部(右側壁部501d)との間隔が上方に向かうにつれて大きくなる傾斜状となっていることを特徴とする特徴I3乃至I9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクが第1の向きとされた場合に第2係合部と対峙する側壁部が、対向する側壁部の間隔が上方に向かうにつれて大きくなる傾斜状となっている。このため、補助タンクを第1の向きで設置した際に補助タンクと第2係合部との間にゆとりを確保し易くなり、両者の干渉を抑制可能となる。
特徴I11.前記筐体の底板部には底板開口部(メダル排出孔15)が設けられており、前記底板開口部を介して遊技機外部への遊技媒体の排出が可能となっており、
前記補助タンクを前記第2の向きで設置した場合に、前記補助タンクにより前記底板開口部が覆われ、且つ前記補助タンクの外側で前記第1係合部と前記第2係合部との係合がなされるように構成されていることを特徴とする特徴I3乃至I10のいずれかに記載の遊技機。
遊技機の運搬時等において遊技機の外側から底板開口部に異物や手を侵入させて第1係合部と第2係合部との係合を解除し、補助タンクを退けて遊技機内部に不正アクセスしようとする行為が想定される。上記構成によれば、補助タンクにより底板開口部が覆われ、且つ第1係合部と第2係合部との係合関係が補助タンクの外側で構築されるため、係合箇所と底板開口部との間に補助タンクの壁部を介在させることができる。これにより、底板開口部を通じた係合箇所へのアクセスを困難化でき、上記不正行為を抑制可能となる。
特徴I12.前記筐体の底板部には底板開口部(メダル排出孔15)が設けられており、前記底板開口部を介して遊技機外部への遊技媒体の排出が可能となっており、
前記補助タンクは、前記底部に設けられた開閉手段(底蓋514)により、当該底部が開閉可能となっていることを特徴とする特徴I3乃至I11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクの底部を開放させることで、貯留部からの遊技媒体をそのまま底板開口部に導くことができる。これにより、補助タンクを筐体内に設置した状態で自動回収に対応することができ、遊技ホールにおいて補助タンクの保管場所の確保が不要となることに加え、補助タンクの紛失等を抑制可能となる。
特徴I13.前記開閉手段は、前記補助タンクの内側に移動することで前記底部を開放する構成とされており、
前記補助タンクは、前記開閉手段を閉鎖位置に保持する保持手段を備えていることを特徴とする特徴I12に記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段を閉鎖位置に保持する保持手段を備えるため、補助タンクの底部を閉じた状態で遊技機を運搬することが可能になる。
特徴I14.前記補助タンクには、所定情報が表示された表示部が設けられており、
前記補助タンクが前記第2の向きで設置されている場合に前記所定情報が視認可能又は視認容易な第1態様となり、前記補助タンクが前記第1の向きで設置されている場合に前記所定情報が視認不能又は前記第1態様に比べて視認困難な第2態様となることを特徴とする特徴I3乃至I13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクが第2の向きとされた場合に所定情報が視認可能又は視認容易となることで、取り出し操作を行う作業者に対して注意を促すことができ、無理な取り出し操作を抑制可能となる。逆に、補助タンクが第1の向きである場合は所定情報が視認不能又は視認困難となることで、所定情報の表示による作業者の困惑が抑制され、遊技媒体の回収作業に支障が生じることを抑制できる。
所定情報としては、係合状態を解除するための解除方法を説明する情報や、補助タンクの取り出しに対して注意を促す情報、補助タンクが固定されている旨を示唆又は明示する情報、補助タンクの底である旨を示唆又は明示する情報、補助タンクの原材料や形成材料を示唆又は明示する情報等が考えられる。なお、所定情報は、必ずしも文字である必要はなく、色や形状、模様等によって構成されるものであってもよい。
<特徴J群>
特徴J1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面開口部を開閉する扉体(前面扉12)と、
前記筐体内に設置され、遊技媒体を貯留する貯留部(貯留タンク52)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置51)と、
前記筐体内において前記ホッパ装置と横並びとなる所定の設置領域に設置され、前記貯留部において余剰となった遊技媒体を収容する補助タンク(補助タンク54)と、
を備え、
前記筐体の底板部には、遊技機内部の遊技媒体を遊技機外部に排出する底板開口部(メダル排出孔15)が設けられており、
前記補助タンクは、上端に開口を有するとともに、下端に底部を有する有底状をなしており、
前記底部には、当該底部を開閉可能とする開閉手段(底蓋514)が設けられており、
前記補助タンクは、前記所定の設置領域において前記開口を上側とし且つ前記底部を下側とする第1の向き(上向き姿勢)と、前記開口を下側とし且つ前記底部を上側とする第2の向き(下向き姿勢)とでそれぞれ設置可能であり、
前記第1の向きでは前記開閉手段を閉鎖状態とし、前記第2の向きでは前記開閉手段を開放状態とする切替機構を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、タンク底部の開閉が可能であるため、底部を閉鎖することで補助タンクを手動回収に対応させることができる一方、底部を開放することで自動回収に対応させることができる。これにより、自動回収時においても筐体内に補助タンクを設置でき、遊技ホールにおいて補助タンクの保管場所の確保が不要となることに加え、補助タンクの紛失等を抑制可能となる。
加えて、上記構成では、第1の向きから第2の向きへの補助タンクの上下反転に伴って底部を開くことができるため、開放状態への切り替え操作を簡単化できる。しかも、本構成では、底部の開閉を補助タンクの向きに対応付けているため、いずれの態様であるかを把握し易くできる。例えば、第1の向きの下で開閉が切り替わるに過ぎないものの場合は、補助タンクの中を覗き込まないといずれの状態であるかが把握しにくくなる。その結果、閉鎖状態で使用すべきところを開放状態で使用するなど、誤った態様で使用するおそれがある。この点、本構成では、閉鎖状態である場合と開放状態である場合とで補助タンクの外観を相違させることができるため、一見して状態の違いに気付くことが可能になる。特に底部が上側となる場合に開放状態となる構成とされているため、底が空いていることに気付き易くなり、誤った態様での使用を抑制可能となる。
特徴J2.遊技媒体を自動回収する場合に前記補助タンクを前記第2の向きで前記所定の設置領域に設置する構成とされていることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
補助タンクを第2の向きとすることで補助タンクの底部を開放状態に切り替えるところ、自動回収に対応させて使用する場合に底部の開放し忘れを抑制可能となる。
特徴J3.前記開閉手段は、支持手段(支持部504)により回動可能に支持され、前記補助タンクの内側に回動されることにより前記底部を開放するものであり、
前記補助タンクが前記第2の向きである場合に、前記開閉手段が自重により回動し開放されることを特徴とする特徴J1又はJ2に記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段が自重で回動して底部が開放されるため、補助タンクを第2の向きとすることに伴って補助タンクの底部を開放することができ、開放し忘れを抑制できる。その際、底部を開放すべく開閉手段を回動させる駆動部や、補助タンクの姿勢に応じて駆動部を制御する制御構成が不要となるため、構成の簡単化や低コスト化を図ることが可能になる。
特徴J4.前記開閉手段は、支持手段(支持部504)により回動可能に支持され、前記補助タンクの内側に回動されることにより前記底部を開放するものであり、
前記補助タンクが前記第2の向きである場合に、少なくとも前記開閉手段の支持側基端部が前記補助タンクの前記底部によって上方から覆われることを特徴とする特徴J1乃至J3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、貯留部からの遊技媒体が開閉手段の支持側基端部に衝突して支持に支障が生じたりすることが抑制される。その際、補助タンクの底部を支持側基端部を覆う覆い部として活用することで、専用部品を設ける必要がなくなり、補助タンクの構成を簡単化できる。
特徴J5.前記開閉手段は、支持手段(支持部504)により回動可能に支持され、前記補助タンクの内側に回動されることにより前記底部を開放するものであり、
前記補助タンクは、前記開閉手段の回動範囲を制限する回動制限手段(突出部535)を備え、
前記回動制限手段による回動上限角度(所定回動角α)が、前記補助タンクが前記第1の向きである場合に前記開閉手段が自重で閉鎖側に回動する角度となっていることを特徴とする特徴J1乃至J4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクを第1の向きとした場合に開閉手段が自重で回動して底部が閉鎖されるため、補助タンクを第1の向きとすることに伴って補助タンクの底部を閉鎖することができ、閉鎖し忘れを抑制できる。その際、底部を閉鎖すべく開閉手段を回動させる駆動部や、補助タンクの姿勢に応じて駆動部を制御する制御構成が不要となるため、構成の簡単化や低コスト化を図ることが可能になる。
特徴J6.前記補助タンクを前記第1の向きとした状態で前記開閉手段を前記回動上限角度に回動させた場合に、当該開閉手段が前記閉鎖側に傾斜したものとなることを特徴とする特徴J5に記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクを第1の向きとすることで開閉手段が閉鎖側に向けて自重で倒れ、補助タンクの底部を自然と閉鎖することが可能になる。
なお、本特徴を「前記補助タンクを前記第1の向きとした状態で前記開閉手段を前記回動上限角度に回動させた場合に、当該開閉手段の重心が当該開閉手段の回動軸を通る仮想鉛直線に対して前記閉鎖側に位置する構成とされている」と言い換えてもよい。
特徴J7.前記開閉手段は、支持手段(支持部504)により回動可能に支持され、前記補助タンクの内側に回動されることにより前記底部を開放するものであり、
前記補助タンク内には、前記補助タンクが前記第2の向きで設置された場合において開放側に回動された前記開閉手段に当たり、当該開閉手段の開放側の回動角度を制限する回動制限部材(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b)が設けられていることを特徴とする特徴J1乃至J6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機の運搬時等において底板開口部から異物等を侵入させて補助タンクの底部を開放させようとした場合に、回動制限部材によってそれを阻害できる。これにより、補助タンクの底部が完全に開放することが抑制され、遊技機内部への不正アクセスを行いにくくすることが可能になる。
特徴J8.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b、主制御装置101)を備え、
前記収容状態検出手段は、前記補助タンクに設けられた挿通孔(上側センサ挿通孔505a、下側センサ挿通孔505b)によりタンク外からタンク内に挿し入れられる挿通部材(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b)を有し、
前記挿通部材により前記回動制限部材が構成されていることを特徴とする特徴J7に記載の遊技機。
上記構成によれば、回動制限部材としての専用部材を設けなくても収容状態検出手段を活用して開閉部材の回動を制限できる。また、遊技機の運搬時等において挿通部材をタンク内に挿し入れた状態で補助タンクを設置すれば、開閉手段の回動を制限できる一方、補助タンクを筐体内から取り出すことで制限を解除できる。すなわち、状況に応じて制限の有無を切り替えることができ、利便性が向上する。
特徴J9.前記補助タンクに設けられた第1係合部(右側フランジ部571c)と、
前記筐体内に設けられ、前記第1係合部と係合可能な第2係合部(係合部574)と、
を備え、
前記第1の向きで前記補助タンクが設置されている場合に前記第1係合部と前記第2係合部とが係合されず、前記第2の向きにて前記補助タンクが設置されている場合に前記第1係合部と前記第2係合部とが係合され、その係合により前記補助タンクの移動が規制されるように構成されていることを特徴とする特徴J1乃至J8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1係合部と第2係合部とを係合させながら自動回収に対応することが可能になる。これにより、例えば、遊技者が遊技機を叩くなどして衝撃が加えられても補助タンクの位置ずれを抑制でき、貯留部からの遊技媒体を底板開口部へと適正に導くことが可能になる。また、遊技機の運搬時等において補助タンクを第2の向きで設置すれば、筐体内での補助タンクの移動を規制でき、補助タンクのがたつきを抑制可能となる。これにより、補助タンクと筐体内の周囲の部材とが衝突して損傷する不都合を抑制できる。
<特徴K群>
特徴K1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面開口部を開閉する扉体(前面扉12)と、
前記筐体内に設置され、遊技媒体を貯留する貯留部(貯留タンク52)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置51)と、
前記筐体内の所定の設置領域に設置され、前記貯留部において余剰となった遊技媒体を収容する補助タンク(補助タンク54)と、
を備え、
前記筐体の底板部には、遊技機内部の遊技媒体を遊技機外部に排出する底板開口部(メダル排出孔15)が設けられており、
前記補助タンクは、
上端に開口を有するとともに、下端に底部を有する有底状をなしており、
前記底部に設けられ、当該底部を開閉可能とする開閉手段(底蓋514)と、
前記開閉手段を開閉可能に支持する支持手段(支持部607)と、
前記開閉手段を閉鎖側に向けて付勢する付勢手段(コイルばね617)と、
を備え、
前記補助タンクは、前記所定の設置領域において前記開口を上側とし且つ前記底部を下側とする第1の向き(上向き姿勢)と、前記開口を下側とし且つ前記底部を上側とする第2の向き(下向き姿勢)とでそれぞれ設置可能であり、
前記補助タンクが、前記第2の向きで設置された場合に、前記貯留部からの遊技媒体が前記開閉手段上に載ることで、その遊技媒体の重さにより前記開閉手段が開放されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、タンク底部の開閉が可能であり、補助タンクを第2の向きで設置した場合に開閉手段上の遊技媒体の重さによってタンク底部を開放できるため、補助タンクを第2の向きで設置することで自動回収に対応させることができる。これにより、自動回収時においても筐体内に補助タンクを設置でき、遊技ホールにおいて補助タンクの保管場所の確保が不要となることに加え、補助タンクの紛失等を抑制可能となる。しかも、付勢手段によって開閉手段が閉鎖側に付勢されているため、タンク底部が開いたままの状態となることを抑制でき、底板開口部から異物や手を侵入させて遊技機内部に不正アクセスしようとする行為を抑制可能となる。
特徴K2.前記補助タンクは、前記開閉手段の閉鎖状態においてタンク外側から前記開閉手段に当接することで、前記開閉手段がタンク外側に開放することを規制する開放規制手段(底板部602の表面602a)を備えていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクを第2の向きで設置した場合に、下方から開閉手段を押し上げてもタンク底部が開放することを抑制できる。これにより、遊技機の運搬時等において補助タンクを第2の向きで設置すれば、底板開口部から異物や手を侵入させてもタンク底部が開放しにくくなり、底板開口部を通じて遊技機内部に不正アクセスしようとする行為を抑制可能となる。
特徴K3.前記底部には、前記補助タンクの高さ方向に延び、且つ前記開閉手段の周囲を囲む囲い部(起立部608)が設けられていることを特徴とする特徴K1又はK2に記載の遊技機。
底板開口部から侵入させた異物等を開閉手段に引っ掛け、タンク底部を開放させて遊技機内部に不正アクセスする行為が想定される。この点、本構成では、開閉手段が囲い部によって囲まれるため、異物等を開閉手段に引っ掛けにくくすることができ、上記不正行為を抑制可能となる。
特徴K4.前記囲い部の高さ寸法が前記開閉手段の厚み寸法よりも大きくなっていることを特徴とする特徴K3に記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段に異物等をより引っ掛けにくくすることが可能になる。
特徴K5.前記補助タンクが前記第2の向きで前記所定の設置領域に設置された場合に、前記補助タンクの上方への移動を規制する上方移動規制手段(右側フランジ部571c、係合部574)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機の運搬時等において補助タンクを第2の向きで設置することで、補助タンクの浮き上がりを抑制でき、運搬中に補助タンクと周囲の部材とが衝突してそれらが損傷することが抑制される。さらに、底板開口部から異物等を侵入させて補助タンクを押し上げても、補助タンクとタンク設置面との間に隙間が生じにくくしたり、隙間の拡張化を困難化したりすることができる。これにより、当該隙間を通じて遊技機内部に不正アクセスしようとする行為を抑制可能となる。そればかりか、自動回収に対応させて使用する場合にも、例えば、遊技者が遊技機を叩くなどして衝撃が加えられた際に、筐体内で補助タンクが跳ねたりすることが抑制される。これにより、衝撃による補助タンクの位置ずれが抑制され、貯留部からの遊技媒体が底板開口部に導かれなくなる不都合を抑制可能となる。
特徴K6.前記上方移動規制手段は、
前記補助タンクに設けられた第1係合部(右側フランジ部571c)と、
前記筐体内に設けられ、前記第1係合部と係合可能な第2係合部(係合部574)と、
を備え、
前記第1の向きで前記補助タンクが設置されている場合に前記第1係合部と前記第2係合部とが係合されず、前記第2の向きにて前記補助タンクが設置されている場合に前記第1係合部と前記第2係合部とが係合され、その係合により前記補助タンクの移動が規制されるように構成されていることを特徴とする特徴K5に記載の遊技機。
上記構成によれば、上記特徴K5の構成を実用上好ましい態様にて実現することが可能になる。加えて、補助タンクを第1の向きで設置した場合に、第1係合部と第2係合部とが係合せず、補助タンクの移動が許容される。このため、手動回収に対応させて使用する場合に、補助タンクを筐体内から容易に取り出すことが可能になる。
特徴K7.前記補助タンクにおいて、前記底部の一部の領域を開閉可能とする大きさで前記開閉手段が設けられており、
前記底部において前記開閉手段とは異なる部位に、前記補助タンクが前記第2の向きで設置された場合において前記貯留部からの遊技媒体を前記開閉手段の側に誘導する誘導手段(傾斜部604)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K6のいずれかに記載の遊技機。
例えば、貯留部から遊技媒体が供給された場合に開閉手段の応答が遅れてタンク底部が開かないと、当該底部上に遊技媒体が溜まり、次第にこぼれ落ちて筐体内に散乱するおそれがある。この点、上記構成では、遊技媒体を開閉手段に集める構成とされているため、遊技媒体の重みを開閉手段に集中させることができる。これにより、開閉手段の開放応答性を高めることが可能になる。
特徴K8.前記誘導手段は、前記底部において前記開閉手段とは異なる部位に設けられた誘導用傾斜部(傾斜部604)であり、
前記誘導用傾斜部は、前記補助タンクが前記第2の向きで前記所定の設置領域に設置された場合において前記開閉手段の側に向けて下る傾斜状とされていることを特徴とする特徴K7に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体を傾斜に沿って誘導することができ、貯留部からの遊技媒体を好適に開閉手段に寄せることが可能になる。
特徴K9.前記支持手段は前記開閉手段を回動可能に支持するものであり、
前記底部には底側開口部(下側開口部603)が設けられており、
前記開閉手段は、前記補助タンクの内側に回動されることにより前記底側開口部を開放するものであり、
前記底側開口部が前記開閉手段の回動先端側寄りに配置されていることを特徴とする特徴K7又はK8に記載の遊技機。
上記構成では、底側開口部を通じて開閉手段がタンク外側に露出するところ、底側開口部が開閉手段の回動先端側寄りに配置されている。このため、貯留部からの遊技媒体を開閉手段の回動軸から離間した箇所に載せ易くなり、開閉手段の開放応答性を高めることが可能になる。
特徴K10.前記支持手段は、前記開閉手段を回動可能に支持するものであり、
前記補助タンクは、前記開閉手段上に載置された遊技媒体を当該開閉手段の回動先端側に向けて案内する案内手段(底蓋606の裏面606b)を備えていることを特徴とする特徴K1乃至K9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段の回動先端側に向けて遊技媒体が案内されるため、遊技媒体の重量を開閉手段の回動軸から離間して集中させ易くなり、開閉手段の開放応答性を高めることが可能になる。
特徴K11.前記案内手段は、前記開閉手段に設けられた案内用傾斜部を備え、
前記案内用傾斜部は、前記補助タンクが前記第2の向きで設置された場合に、前記開閉手段において遊技媒体が載置される側の所定面に設けられ、前記回動先端側に向けて下る傾斜状とされていることを特徴とする特徴K10に記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段上の遊技媒体を傾斜に沿って案内することができ、貯留部からの遊技媒体を好適に回動先端側に寄せることが可能になる。
特徴K12.前記開閉手段は、前記付勢手段の付勢力に抗して前記補助タンクの内側に回動されることにより前記底部を開放するものであり、
前記底部が前記開閉手段により閉鎖される状態で、当該開閉手段における遊技媒体の載置面が当該開閉手段の回動先端側に向けて下るように傾斜していることを特徴とする特徴K1乃至K11のいずれかに記載の遊技機。
補助タンクが第2の向きで設置されている場合には、遊技媒体の重みにより補助タンクの開閉手段が開放されることに伴い遊技媒体がタンク内側に入っていく。この場合、遊技媒体がタンク内に入っていきその重みが軽減されると、付勢手段の付勢力により開閉手段が閉鎖位置に戻る。かかる場合、開閉手段の上に遊技媒体が残っていると、開閉手段が閉鎖する勢いで補助タンクの外に跳ね飛ばされ、筐体内に遊技媒体が散乱することが懸念される。
この点、上記構成では、開閉手段の閉鎖状態で、開閉手段における遊技媒体の載置面が回動先端側に下る傾斜状となっているため、遊技媒体が跳ね飛ばされる不都合が抑制される。つまり、遊技媒体の載置面が回動先端側への下り傾斜となっていれば、開閉手段の開放量が比較的少なくても、遊技媒体がタンク内に導かれる。そのため、開閉手段の上の遊技媒体の減少により開閉手段が閉鎖される場合に、閉鎖に要する回動量が少なくなり、ひいては遊技媒体が跳ね飛ばされることを抑制できる。
なお、本特徴において、「前記底部が前記開閉手段により閉鎖される状態で、前記支持手段による被支持部よりも先端側が上下方向においてタンク内側に位置するように前記開閉手段が傾斜している」と読み替えてもよい。
特徴K13.前記補助タンクにおいて、前記底部は、前記補助タンクが前記下向き姿勢で設置された場合において前記貯留部から供給される遊技媒体を受ける受け部(底板部602、底蓋606)を有し、
前記底部には、前記受け部の周囲となる部位に、当該底部から起立する起立部(底板突出部605)が設けられていることを特徴とする特徴K1乃至K12のいずれかに記載の遊技機。
補助タンクが下向き姿勢で設置されている場合には、遊技媒体の重みにより補助タンクの開閉手段が開放されることに伴い遊技媒体がタンク内側に入っていく。この場合、遊技媒体がタンク内に入っていきその重みが軽減されると、付勢手段の付勢力により開閉手段が閉鎖位置に戻る。かかる場合、開閉手段の上に遊技媒体が残っていると、開閉手段が閉鎖する勢いで補助タンクの外に跳ね飛ばされ、筐体内に遊技媒体が散乱することが懸念される。この点、上記構成では、補助タンクの底部において、受け部の周囲となる部位に起立部が設けられているため、仮に遊技媒体が跳ね飛ばされても、その遊技媒体が補助タンクの外側に至ってしまうことを抑制できる。
<特徴L群>
特徴L1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面開口部を開閉する扉体(前面扉12)と、
前記筐体内に設置され、遊技媒体を貯留する貯留部(貯留タンク52)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置51)と、
前記筐体内において前記ホッパ装置と横並びとなる所定の設置領域に設置され、前記貯留部において余剰となった遊技媒体を収容する補助タンク(補助タンク54)と、
を備え、
前記補助タンクは、上端に開口(上側開口部502)を有するとともに、下端に底部(底板部501a)を有する有底状をなしており、
前記補助タンクに設けられた第1係合部(底側貫通孔720、係合用起立部836)と、
前記筐体内に設けられ、前記第1係合部と係合可能な第2係合部(係合部721、下側センサ部801)と、
前記補助タンク内の遊技媒体の収容状態に応じて、前記第1係合部と前記第2係合部との係合状態と非係合状態とを切り替える切替手段(底蓋704,802)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の運搬時等における補助タンクの紛失等を抑制する観点では、補助タンクを筐体内に収納した状態で遊技機を運搬することが望ましい。但し、遊技機において補助タンクに収容された遊技媒体を手作業で回収する場合は補助タンクを筐体内から取り出す必要があるため、補助タンクを固定せず自由状態で収納することが求められる。このため、運搬時等において遊技機を傾けたり、振動させたりすると、補助タンクが筐体内で移動し、周囲のホッパ装置や扉体等に衝突して損傷を招くという不都合がある。
この点、本構成では、補助タンクに設けられた第1係合部と、筐体内に設けられた第2係合部とを備え、補助タンク内の遊技媒体の収容状態に応じて両者の係合の有無を切り替える構成とされている。このため、遊技機の運搬時等においては第1係合部と第2係合部とを係合状態とすることで、補助タンクのがたつきを抑制でき、上記不都合の発生を抑制可能となる。一方、補助タンクに収容された遊技媒体を回収する場合は、補助タンクに遊技媒体が溜まることに応じて第1係合部と第2係合部とを非係合状態に切り替えることができ、筐体内からの補助タンクの取り出しを許容することが可能になる。
特徴L2.前記切替手段は、前記補助タンク内に遊技媒体が収容されていない場合に前記第1係合部と前記第2係合部とを係合状態とし、前記補助タンク内に遊技媒体が収容されることに伴い前記第1係合部と前記第2係合部とを非係合状態とするものであることを特徴とする特徴L1に記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクへの遊技媒体の収容が見込まれない運搬時等においては、第1係合部及び第2係合部により補助タンクの移動が規制される一方、遊技機稼働時においては、補助タンクに遊技媒体が収容されることに応じて自ずと補助タンクの取り出しが許容される。これにより、作業者による切り替え操作を不要化して煩わしさの解消に貢献できるばかりか、切り替えを失念したまま取り出し操作を行って第1係合部や第2係合部が損傷する不都合も抑制できる。
特徴L3.前記第1係合部と前記第2係合部とが係合されている状態で、その係合を解除操作する解除操作部(底蓋704,802)を有することを特徴とする特徴L1又はL2に記載の遊技機。
上記構成では、解除操作部が設けられていることにより、仮に補助タンク内に遊技媒体が収容されておらず、第1係合部と第2係合部とが係合状態になっていても、解除操作部の操作により第1係合部と第2係合部との係合を解除でき、補助タンクの適宜の取り出しが可能となる。これにより、遊技機の運搬時等のがたつき抑制を図りつつ、補助タンクの使用に関する利便性の向上を図ることができる。
特徴L4.前記第1係合部及び前記第2係合部は、遊技機前後方向において互いに係合関係となるように設けられていることを特徴とする特徴L1乃至L3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1係合部及び第2係合部の係合により、遊技機前後方向における補助タンクの移動が規制される。これにより、遊技機の運搬時等において筐体内で補助タンクが移動して扉体側に当たる等の不都合を抑制できる。
特徴L5.前記第1係合部及び前記第2係合部のうち一方の係合部が可動部(係合突起723、係合用起立部836)であり、その可動部は、他方の係合部(底側貫通孔720、下側センサ部801)に対する係合位置と非係合位置とで移動可能であり、
前記切替手段は、前記補助タンク内に遊技媒体が収容されることに基づいて、前記可動部を前記係合位置から前記非係合位置に移動させることを特徴とする特徴L1乃至L4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1係合部及び第2係合部の構成を簡易化することができ、特徴L1乃至L4のいずれかの構成を実現する上で実用上好ましい態様とできる。
特徴L6.前記第1係合部は、前記補助タンクの底部に設けられた孔部(底側貫通孔720)であり、
前記第2係合部は、前記孔部に対して出入り可能な前記可動部(係合突起723)であり、
前記切替手段は、前記補助タンクの底部の少なくとも一部として設けられ、前記補助タンク内に遊技媒体が収容された場合にその遊技媒体の重みにより下方に変位する可動底板(底蓋704)を有し、
前記可動底板が遊技媒体の重みにより下方変位することに伴い、前記可動部が前記係合位置から前記非係合位置に移動することを特徴とする特徴L5に記載の遊技機。
上記構成では、補助タンクに可動底板を設けている。この可動底板は、補助タンクの底部の少なくとも一部として設けられるため、補助タンクに収容された遊技媒体の重みを効率的に受けることができる。そして、可動底板の変位を利用して可動部を移動させるため、遊技媒体の収容状態の変化に対する可動部の応答性を高めることができ、非係合状態への切り替えが遅れて補助タンクの取り出しに支障が生じることを抑制可能となる。
特徴L7.前記可動底板は、
支持手段(支持部705)により回動可能に支持されており、
回動先端の側に、前記可動部を押し込んで前記係合位置から前記非係合位置に移動させる押し込み部(押込用突出部733)を有することを特徴とする特徴L6に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動底板によって可動部を押し込むことで第1係合部と第2係合部との係合が解除される。この場合、可動底板の下方変位をそのまま可動部の押し込みに利用できるため、構成を簡易化できる。
特徴L8.前記可動底板は、前記筐体内において遊技機前後方向の奥側を回動先端として回動可能であり、
前記第1係合部及び前記第2係合部は、前記筐体内において遊技機前後方向の奥側に設けられていることを特徴とする特徴L7に記載の遊技機。
作業者により筐体内から補助タンクが引き出される際には、補助タンクの手前側が軽く持ち上げられ、その状態で筐体底板部に沿って手前側にスライド移動されることが考えられる。この場合、例えば、可動底板の回動先端を筐体の手前側とし、当該手前側に押し込み部を設けた構成であると、補助タンクの持ち上げに伴い、押し込み部による可動部の押し込みが解除され、それに起因して意図せずに非係合状態から係合状態への切り替えが行われることが考えられる。そしてこれにより、補助タンクの引き出しの妨げとなることが懸念される。
この点、第1係合部及び第2係合部が筐体内において遊技機前後方向の奥側に設けられているため、押し込み部による可動部の押し込みが維持されやすくなり、意図せずに非係合状態から係合状態への切り替えが行われることが抑制できる。これにより、補助タンクの引き出しを円滑に実施することが可能になる。
特徴L9.前記第1係合部は、上下方向に変位可能な前記可動部(係合用起立部836)であり、
前記第2係合部は、前記可動部に対して係合可能な位置に設けられる被係合部(下側センサ部801)であり、
前記切替手段は、前記補助タンクの底部の少なくとも一部として設けられ、前記補助タンク内に遊技媒体が収容された場合にその遊技媒体の重みにより下方に変位する可動底板(蓋本体835)を有し、
前記可動底板が遊技媒体の重みにより下方変位することに伴い、前記可動部が前記係合位置から前記非係合位置に移動することを特徴とする特徴L5に記載の遊技機。
上記構成では、補助タンクに可動底板を設けている。この可動底板は、補助タンクの底部の少なくとも一部として設けられるため、補助タンクに収容された遊技媒体の重みを効率的に受けることができる。そして、可動底板の変位を利用して可動部を移動させるため、遊技媒体の収容状態の変化に対する可動部の応答性を高めることができ、非係合状態への切り替えが遅れて補助タンクの取り出しに支障が生じる不都合を抑制可能となる。
特徴L10.前記第2係合部は、前記補助タンクに設けられた挿通孔(下側センサ挿通孔831、蓋用センサ挿通孔837)を介してタンク外からタンク内に挿し入れられており、
前記補助タンクの内側において、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合可能な構成とされていることを特徴とする特徴L9に記載の遊技機。
上記構成では、第1係合部と第2係合部との係合関係を補助タンクの内側において構築できる。このため、補助タンクの外側周囲において係合用のスペースを確保する必要がなくなり、補助タンク用の設置領域(所定の設置領域)において、遊技媒体の収容に寄与しないデッドスペースを小さく抑えたり、その発生を抑制したりできる。
特徴L11.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(下側センサ部801、主制御装置101)を備え、
前記収容状態検出手段は、前記挿通孔に挿し入れられる挿通部材(下側センサ部801)を有し、
前記挿通部材により前記第2係合部が構成されていることを特徴とする特徴L10に記載の遊技機。
上記構成によれば、補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段を活用して第2係合部が構成されるため、特徴L10の構成を実現する上で部品数の増加を抑制可能となる。加えて、上記収容状態検出手段は、一般に金属製とされるため、第2係合部の破損を抑制する上でも好ましい構成とできる。
特徴L12.前記筐体の底板部には、遊技機内部の遊技媒体を遊技機外部に排出する底板開口部(メダル排出孔15)が設けられており、
前記可動底板は、前記補助タンクの底部を開閉可能な構成とされていることを特徴とする特徴L6乃至L11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可動底板により補助タンクの底部が開閉可能であるため、可動底板を開放状態とすることで、貯留部からの遊技媒体をそのまま底板開口部に導くことができる。これにより、補助タンクを筐体内に設置した状態で自動回収に対応することができ、遊技ホールにおいて補助タンクの保管場所の確保が不要となることに加え、補助タンクの紛失等を抑制可能となる。
特徴L13.前記可動底板が開放状態である場合に、前記補助タンクの設置位置を前記第1係合部と前記第2係合部とが相対しない所定位置にガイドするガイド手段(延出板751、凹部754)を備えていることを特徴とする特徴L12に記載の遊技機。
可動底板が開放状態であると、遊技媒体の重みを適切に受けられず、係合状態から非係合状態への切り替えに不都合が生じるおそれがある。この点、本構成では、可動底板が開放状態である場合に、補助タンクの設置位置が第1係合部と第2係合部とが相対しない位置にガイドされるため、上記不都合の発生を抑制可能となる。
特徴L14.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(下側センサ部801、主制御装置101)と、
前記収容状態検出手段の検出結果が所定結果である場合に所定信号を遊技機外部に出力する外部信号出力手段(主制御装置101)と、
を備え、
前記切替手段は、前記外部信号出力手段により前記所定信号が出力される前に、前記第1係合部と前記第2係合部とを非係合状態とするものであることを特徴とする特徴L1乃至L13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定信号を通じて遊技媒体の回収(補助タンクの取り出し)が促される前に補助タンクの取り出しを許容することができる。これにより、補助タンクの取り出しタイミングに対して余裕を持って対応することができ、遊技媒体の回収に支障が生じることが抑制される。
特徴L15.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(上側センサ棒16a、主制御装置101)を備え、
前記収容状態検出手段は、前記補助タンクに設けられた挿通孔(上側センサ挿通孔505a)によりタンク外からタンク内に挿し入れられる挿通部材(上側センサ棒16a)を有し、
前記挿通部材が前記挿通孔に挿し入れられた場合に、その挿し入れ方向と交差する方向において前記挿通孔の周縁部と前記挿通部材とが当接又は接近する構成とされていることを特徴とする特徴L1乃至L14のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、挿通孔の周縁部と挿通部材とが当接又は接近することで、補助タンクの移動を規制できる。これにより、第1係合部及び第2係合部の係合に加えて補助タンクの移動を規制でき、補助タンクのがたつき抑制を強化することが可能になる。その際、収容状態検出部を活用するため、部品数の増加を抑制可能となる。
<特徴M群>
特徴M1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面開口部を開閉する扉体(前面扉12)と、
前記筐体内に設置され、遊技媒体を貯留する貯留部(貯留タンク52)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置51)と、
前記筐体内において前記ホッパ装置と横並びとなる所定の設置領域に設置され、前記貯留部において余剰となった遊技媒体を収容する補助タンク(補助タンク54)と、
を備え、
前記補助タンクは、上端に開口(上側開口部502)を有するとともに、下端に底部(底板部501a)を有する有底状をなしており、
前記補助タンクに設けられた第1係合部(右側フランジ部571c)と、
前記筐体内に設けられ、前記第1係合部と係合可能な第2係合部(係合部574)と、
を備え、
前記所定の設置領域のタンク設置面(底板11a)上において前記補助タンクをスライド移動させることで、前記第1係合部と前記第2係合部との係合及び係合解除が行われるように両者の相対位置関係が設定されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の運搬時等における補助タンクの紛失等を抑制する観点では、補助タンクを筐体内に収納した状態で遊技機を運搬することが望ましい。但し、遊技機において補助タンクを筐体内に自由状態で収納した場合、運搬時等において遊技機を傾けたり、振動させたりすると、補助タンクが筐体内で移動し、周囲のホッパ装置や扉体等に衝突して損傷を招くという不都合がある。
この点、本構成によれば、補助タンクに設けられた第1係合部と、筐体内に設けられた第2係合部とを備えており、これらを係合させることで、筐体内での補助タンクの移動を規制できる。これにより、筐体内で補助タンクが移動して周囲の部材と衝突することが抑制され、運搬中に補助タンクや周囲の部材が損傷することを抑制可能となる。
この場合において、本構成では、タンク設置面上において補助タンクをスライド移動させることで、第1係合部と第2係合部との係合及び係合解除を行うことが可能となっている。このため、第1係合部や第2係合部を直接操作しなくても両者を係合等させることができる。また、このような構成とされていることで、第1係合部や第2係合部を作業者の手が届きにくい箇所に配置可能になるなど、レイアウトの自由度を向上させることができ、搭載部品の設置スペースが限られている遊技機において有利な構成とできる。加えて、扉体を閉めるにあたっては、扉体と補助タンクとが干渉しないように補助タンクを遊技機後方(筐体内の奥方)に押し込むことが不可欠となるところ、上記構成によれば、補助タンクの押し込み操作と、第1係合部及び第2係合部の係合操作とを一の操作で済ませることができ、作業性を向上させることが可能になる。
特徴M2.前記第1係合部及び前記第2係合部は、遊技機前後方向において互いに係合関係となるように設けられていることを特徴とする特徴M1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1係合部及び第2係合部の係合により、遊技機前後方向における補助タンクの移動が規制される。これにより、遊技機の運搬時等において筐体内で補助タンクが移動して扉体側に当たる等の不都合を抑制できる。また、補助タンクを筐体内に設置する際には、第1係合部及び第2係合部の係合により補助タンクの移動が規制されることで、補助タンクが筐体内の所定の設置領域までスライド移動したことを把握できる。
特徴M3.前記第1係合部は、前記補助タンクの底部に設けられた孔部(底側貫通孔720)であり、
前記第2係合部は、前記孔部に対して出入り可能な可動部(係合突起723)であり、
前記可動部は、前記所定の設置領域のタンク設置面から突出するよう付勢手段(コイルばね729)により付勢されており、
前記補助タンクにおいて遊技機前後方向の奥側の端部に、前記可動部を当該補助タンクの底部の下に案内する案内部(係合用傾斜部745、円弧状部746)が設けられていることを特徴とする特徴M1又はM2に記載の遊技機。
上記構成によれば、付勢手段の付勢力によって可動部を孔部に挿し入れることができ、第1係合部と第2係合部とを適切に係合させることが可能になる。但し、可動部がタンク設置面から飛び出た状態となり、補助タンクをスライド移動させる過程で補助タンクと可動部とが干渉するおそれがある。この点、本構成では、補助タンクにおいて遊技機前後方向の奥側の端部に設けた案内部により、可動部を補助タンクの底部の下に案内する構成とされているため、補助タンクに対する可動部の引っ掛かりを抑制できる。これにより、第1係合部及び第2係合部が係合する位置まで補助タンクを円滑にスライド移動させることが可能になる。また、補助タンクの設置に伴う第1係合部等の損傷を抑制することもできる。
特徴M4.前記案内部として、前記補助タンクのスライド方向に対して斜めに交差し、前記補助タンクをスライド移動させる場合に前記可動部に当接する傾斜部(係合用傾斜部745)を備え、
前記傾斜部は、前記スライド移動が進むにつれて前記可動部を下方に押し込む傾斜状とされていることを特徴とする特徴M3に記載の遊技機。
上記構成によれば、可動部を傾斜部の傾斜に沿って補助タンクの底部の下に案内することができ、上記特徴M3の構成を実現する上で実用上好ましい態様とすることができる。
特徴M5.前記補助タンクを前記タンク設置面上でスライド移動させる場合に、前記補助タンクが予め定められた特定経路を通るように前記補助タンクをガイドするガイド手段(右側板11c)を備え、
前記補助タンクが前記特定経路を通る場合に前記第1係合部と前記第2係合部とが係合するように両者の相対位置関係が設定されていることを特徴とする特徴M1乃至M4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、ガイド手段のガイドに従って補助タンクをスライド移動させれば、第1係合部と第2係合部とを簡単に係合させられる。このため、例えば、補助タンクの設置作業を行う作業者から見て係合箇所が死角なる箇所や視認しにくい箇所にあったとしても容易に係合させることができ、係合作業の作業性を高めることが可能になる。
<特徴N群>
特徴N1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面開口部を開閉する扉体(前面扉12)と、
前記筐体内に設置され、遊技媒体を貯留する貯留部(貯留タンク52)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置51)と、
前記筐体内において前記ホッパ装置と横並びとなる所定の設置領域に設置され、前記貯留部において余剰となった遊技媒体を収容する補助タンク(補助タンク54)と、
を備え、
前記筐体の底板部には、遊技機内部の遊技媒体を遊技機外部に排出する底板開口部(メダル排出孔15)が設けられており、
前記補助タンクは、
上端に開口を有するとともに、下端に底部を有する有底状をなすタンク本体(タンク本体701)と、
前記底部を開閉可能とする開閉手段(底蓋704,802)と、
を備え、
前記開閉手段は、前記タンク本体の内側に回動することで前記底部を開放し、その開放状態で回動先端側の端部が前記タンク本体よりも上方に位置するものとなっており、
前記筐体内において前記タンク本体の上方となる位置には、開放状態の前記開閉手段に対して所定の開放位置で当接する当接部材(誘導プレート52a)が設けられていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、タンク底部の開閉が可能であるため、底部を閉鎖することで補助タンクを手動回収に対応させることができる一方、底部を開放することで自動回収に対応させることができる。これにより、自動回収時においても筐体内に補助タンクを設置でき、遊技ホールにおいて補助タンクの保管場所の確保が不要となることに加え、補助タンクの紛失等を抑制可能となる。
但し、タンク底部を開放させて使用している場合に、例えば、遊技者が遊技機を叩くなどして衝撃や振動が加えられると、開閉手段が傾倒して底部が閉鎖されるおそれがある。この場合、閉鎖されたことに気付かず、そのまま遊技が進められると、遊技媒体が回収されなくなるばかりか、補助タンクから遊技媒体が溢れて筐体内に散乱する事態を招くことにもなる。この点、本構成によれば、衝撃や振動が加えられて開閉手段が傾倒しても、当接部材によって開閉手段の回動を規制でき、意図しないタンク底部の閉鎖を防止可能となる。
特徴N2.前記当接部材は、前記貯留部から遊技媒体を前記補助タンクに誘導する誘導部(誘導プレート52a)、又は当該誘導部よりも前記開閉手段の回動角度が大きい側の位置に設けられた部材であることを特徴とする特徴N1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当接部材により開閉手段の回動を規制した場合に、誘導部における遊技媒体の排出口を開閉手段が塞いだり、誘導部とタンク底部との間に開閉手段が介在したりすることが抑制される。これにより、貯留部からの遊技媒体を引き続き底板開口部に導くことができ、遊技媒体の回収が滞ることが抑制される。
特徴N3.前記開閉手段は、前記底部において遊技機前方に向けて回動可能に設けられていることを特徴とする特徴N2に記載の遊技機。
上記構成によれば、閉鎖状態にある開閉手段を遊技機前方に向けて回動させることで開放状態となり、この場合、開放状態にある開閉手段を誘導部に対して扉体側に位置させることができる。これにより、誘導部から補助タンクに供給される遊技媒体が開閉手段に当たって扉体側に飛びはね、扉体に当たる等の不都合を抑制できる。また、遊技媒体が、扉体とタンク本体との間に入り込むことも抑制できる。
特徴N4.前記開閉手段は、長尺状をなしており、前記底部の短辺部において回動可能に支持されていることを特徴とする特徴N1乃至N3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、タンク本体をある程度深くして適正なタンク容量を確保しながらも、開放状態にて開閉手段の回動先端側の端部をタンク本体の上端部よりも上方に位置させることが可能になる。
特徴N5.前記開閉手段は、前記補助タンクが前記所定の設置領域に設置された場合に遊技機前方側となる短辺部にて回動可能に支持されていることを特徴とする特徴N4に記載の遊技機。
上記構成によれば、タンク底部を開放させた状態で補助タンクを筐体内に設置する場合に、開閉手段を手前側に位置させることできる。補助タンクの押し込みに際して開閉手段を手で支えやすくなり、設置作業を容易化できる。
特徴N6.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b、主制御装置101)を備え、
前記収容状態検出手段は、前記補助タンクの奥側の側壁部(後壁部701c)に設けられた挿通孔(上側センサ挿通孔731a、下側センサ挿通孔731b)によりタンク外からタンク内に挿し入れられる挿通部材(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b)を有し、
前記当接部材は、前記開閉手段と前記挿通部材とが非接触の状態で前記開閉手段と当接可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴N5に記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段が傾倒した場合に、挿通部材との接触前に当接部材によって開閉手段の回動が規制される。その結果、開閉手段が不意に傾倒した場合でも、挿通部材との衝突を抑制可能となる。
特徴N7.前記開閉手段が開放状態である場合に前記タンク本体よりも上方に位置する部分の少なくとも一部が、透明性を有していることを特徴とする特徴N1乃至N6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段を通して筐体やタンク本体の内部等を目視可能となり、開閉手段の一部が飛び出ていて補助タンクの高さ寸法が大きくなりがちな構成でありながらも、筐体内やタンク本体内の視認性に悪影響が及ぶことを抑制可能となる。
特徴N8.前記開閉手段と前記当接部材との当接箇所において前記開閉手段と前記当接部材との少なくとも一方に緩衝手段を備えていることを特徴とする特徴N1乃至N7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、開閉手段が当接部材に当接した際の衝撃で開閉手段等が損傷することが抑制される。
<特徴O群>
特徴O1.前方に開放された筐体(筐体11)と、
前記筐体の前面開口部を開閉する扉体(前面扉12)と、
前記筐体内に設置され、遊技媒体を貯留する貯留部(貯留タンク52)を有してなるホッパ装置(ホッパ装置51)と、
前記筐体内において前記ホッパ装置と横並びとなる所定の設置領域に設置され、前記貯留部において余剰となった遊技媒体を収容する補助タンク(補助タンク54)と、
を備え、
前記補助タンクは、上端に開口(上側開口部502)を有するとともに、下端に底部(底板部501a)を有する有底状をなしており、
前記補助タンクに設けられた第1係合部(底側貫通孔720)と、
前記筐体内に設けられ、前記第1係合部と係合可能な第2係合部(係合部721)と、
前記第1係合部と前記第2係合部とを係合状態又は非係合状態とする係合操作手段(コイルばね729、係合用駆動部761)と、
を備え、
前記係合操作手段は、遊技機に対する所定の電力供給状態である場合に、前記第1係合部と前記第2係合部とを非係合状態とし、前記所定の電力供給状態でない場合に、前記第1係合部と前記第2係合部とを係合状態とすることを特徴とする遊技機。
遊技機の運搬時等における補助タンクの紛失等を抑制する観点では、補助タンクを筐体内に収納した状態で遊技機を運搬することが望ましい。但し、遊技機において補助タンクに収容された遊技媒体を手作業で回収する場合は補助タンクを筐体内から取り出す必要があるため、補助タンクを固定せず自由状態で収納することが求められる。このため、運搬時等において遊技機を傾けたり、振動させたりすると、補助タンクが筐体内で移動し、周囲のホッパ装置や扉体等に衝突して損傷を招くという不都合がある。
この点、本構成では、補助タンクに設けられた第1係合部と、筐体内に設けられた第2係合部とを備え、遊技機に対する所定の電力供給状態である場合にそれらが非係合状態とされ、所定の電力供給状態でない場合に係合状態とされる構成とされている。このため、遊技機の運搬時等において電力供給がなされていない場合は、第1係合部及び第2係合部を係合状態とできる一方、遊技機が遊技ホールに設置されて電力供給がなされている場合は、非係合状態とできる。つまり、本構成によれば、遊技機の運搬時等における補助タンクの移動を規制しながらも、遊技機稼働時における補助タンクの取り出し操作を許容でき、利便性が格段に向上する。
特徴O2.前記係合操作手段は、前記所定の電力供給状態であり、且つ前記補助タンク内における遊技媒体の収容量が所定以下であることに基づいて、前記第1係合部と前記第2係合部とを係合状態とする手段を備えていることを特徴とする特徴O1に記載の遊技機。
遊技ホール等に設置された遊技機に電源ラインが接続された状態であっても、例えばホール開店前、又はホール閉店後の検査や遊技設定等に際して補助タンクが空になっていれば、補助タンクを動かす必要がなく、作業都合等からして補助タンクが不動であることが望ましい。この点、遊技機に対する所定の電力供給状態であり、且つ補助タンク内における遊技媒体の収容量が所定以下であることに基づいて、第1係合部と第2係合部とを係合状態とするようにしたため、補助タンクを動かすことが不要な場合に、その不要な動きを抑制でき、作業等において有利な構成を実現できる。
特徴O3.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態が所定状態(満杯状態)であることを検出する収容状態検出手段(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b、主制御装置101)を備え、
前記係合操作手段は、前記所定の電力供給状態であり、且つ前記収容状態検出手段により前記所定状態が検出されたことに基づいて、前記第1係合部と前記第2係合部とを非係合状態とする手段を備えていることを特徴とする特徴O1又はO2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機に電源ラインが接続されている場合に、遊技媒体の収容状態が所定状態(例えば満杯状態)となることに対応して、第1係合部及び第2係合部を非係合状態とすることができる。これにより、補助タンクの取り出しタイミングに合わせ、補助タンクの移動を許容することが可能になる。
特徴O4.前記補助タンクにおける遊技媒体の収容状態を検出する収容状態検出手段(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b、主制御装置101)を備え、
前記収容状態検出手段は、
前記収容状態が第1状態(満杯状態)であることを検知可能な第1手段(上側センサ棒16a、下側センサ棒16b)と、
前記収容状態が前記第1状態よりも収容量が少ない第2状態であることを検知可能な第2手段と、
を備え、
前記係合操作手段は、前記所定の電力供給状態であり、且つ前記第2手段により前記第2状態が検出されたことに基づいて、前記第1係合部と前記第2係合部とを非係合状態とする手段を備えていることを特徴とする特徴O1又はO2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技媒体の収容状態が第1状態(例えば満杯状態)となることに先立って補助タンクの取り出しを許容することができ、補助タンクの取り出しタイミングに対して余裕を持って対応することが可能になる。
特徴O5.前記第1係合部及び前記第2係合部のうち一方の係合部が可動部(係合突起723)であり、その可動部は、他方の係合部(底側貫通孔720)に対する係合位置と非係合位置とで移動可能であり、
前記係合操作手段は、
前記可動部を前記係合位置と前記非係合位置とに移動させる駆動部(係合用駆動部761の駆動源)と、
前記補助タンク内における遊技媒体の収容量に基づいて前記駆動部を駆動制御する駆動制御手段(主制御装置101)と、を備えていることを特徴とする特徴O2乃至O4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機に電源ラインが接続されている場合に、補助タンク内における遊技媒体の収容量に応じて係合状態と非係合状態との切り替えを行うことができ、特徴O2乃至O4のいずれかの構成を実現する上で実用上好ましい態様とすることができる。
特徴O6.前記係合操作手段は、前記可動部を前記係合位置に向けて付勢する付勢手段(コイルばね729)を備え、
前記駆動部が非駆動状態である場合に、前記付勢手段の付勢力によって前記可動部が前記係合位置に保持される構成とされていることを特徴とする特徴O5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技機に電源ラインが接続されていない遊技機の運搬時等において、第1係合部及び第2係合部を係合状態とすることができる。これにより、運搬時等における補助タンクのがたつきを抑制可能となる。
なお、以上詳述した特徴A群乃至特徴O群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴O群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル341)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構410)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(誘導レール400)と、遊技領域(遊技領域PE)内に配置された各遊技部品(釘369等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口361等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。