JP2010091514A - 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム - Google Patents

表面欠陥検査システム、方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2010091514A
JP2010091514A JP2008263979A JP2008263979A JP2010091514A JP 2010091514 A JP2010091514 A JP 2010091514A JP 2008263979 A JP2008263979 A JP 2008263979A JP 2008263979 A JP2008263979 A JP 2008263979A JP 2010091514 A JP2010091514 A JP 2010091514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shape
image
measurement object
phase
phase shift
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008263979A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5347418B2 (ja
Inventor
Noboru Hasegawa
昇 長谷川
Yusuke Konno
雄介 今野
Yoshinori Aimoto
美徳 相本
Takuya Sato
琢也 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2008263979A priority Critical patent/JP5347418B2/ja
Publication of JP2010091514A publication Critical patent/JP2010091514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5347418B2 publication Critical patent/JP5347418B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とする場合に表面欠陥の検出精度を高める。
【解決手段】測定対象物の表面の幅方向に延びる線状光を照射して、TDIカメラ30により測定対象物からの反射光を撮像して光切断画像を得て、測定対象物の表面欠陥を検出する表面欠陥検査に際して、光切断画像を順に配列することにより得られる縞画像から測定対象物の表面形状を表す形状画像した後、事前処理部101は形状画像上の凹凸部を抽出し、形状補正処理部508は形状画像から事前処理部101で抽出された凹凸部を取り除いた形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、形状画像との差分演算を行い、欠陥検出処理部509は形状補正処理部508の差分演算で得られたデータに基づいて、測定対象物の表面欠陥を検出する。
【選択図】図16

Description

本発明は、横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とし、その表面欠陥を検出するのに利用して好適な表面欠陥検査システム、方法及びプログラムに関する。
近年、光切断方式の光学的形状測定方法がさまざまな分野で利用されている。鋼板の生産ラインにおいても、鋼板の表面に線状レーザ光を照射し、遅延積分型カメラによって鋼板の表面を撮像して光切断画像を出力することにより、鋼板の表面の凹みや疵等の表面欠陥を検出することが提案されている(特許文献1等を参照)。
特開2004−3930号公報 特開2005−207858号公報 特開2008−2848号公報
上記特許文献1では、表面が平坦面である鋼板を測定対象物として想定していると考えられるが、例えばレール、形鋼、鋼管等を測定対象物とする場合、表面が平坦面でなく、両端部が低くなる(或いは高くなる)湾曲面となっており、尚且つ、検査面の幅に対して表面欠陥のサイズが大きかったり、深かったりすることがありえ、その場合、表面欠陥の検出精度が低くなってしまうことがある。
例えば、測定対象物が長手方向に搬送される際に、測定対象物が蛇行したり、幅方向に振動したりすることがあるが、測定対象物の表面が湾曲面となっていると、蛇行したり、幅方向に振動したりして測定対象物の端部に僅かなずれが発生するだけで、画像処理(シェーディング補正処理等)において大きな形状変化(凹凸)として捉えられてしまうおそれがある。これに対し、予め、形状データの左右エッジを検出し、測定対象物の中心が画像中心となるよう左右にシフトさせる処理(センタリング処理)を組み込むことで、処理上発生する形状変化は軽減される。ところが、レールの頭部や頭側部等では特に、100mm以下の幅しかない検査面中、20〜30mm程度の欠陥が発生することがある。この場合、シェーディング補正処理を施すと、見かけ上の形状が欠陥部に引きずられた形になり、欠陥を検出するための平坦化処理において、欠陥の凹凸及びサイズが軽微になる方向に誤認してしまい、欠陥を見逃してしまうことがある。
また、図25に示すように、センタリング処理後の形状画像72のライン毎にフィッティング曲線71を求め、曲面形状を平坦化することも考えられるが、本来図25(a)のようにフィッティングされるべきところ、欠陥部に引きずられ、図25(b)のようにフィッティングがなされてしまう。この場合も欠陥の幅方向に上記と同様の跳ね返り(処理上発生する凹凸)73が発生し、また、本来の欠陥形状よりも浅く、かつ小さく検出してしまい、見逃しとなってしまう。この見逃しは、欠陥のサイズが20mm以下と小さくとも、また、欠陥の凹凸(深さや高さ)が大きい場合にも発生する。
また、特許文献2には、鋼材の角部にスリット状光線を傾斜させて照射し、それにより形成された光軌を撮像するようにした鋼材表面欠陥の検査手法が開示されている。特許文献2では、画像を2値化し、最小2乗法を用いてコーナ形状を二次元で近似して、正常なコーナ形状を推定し、その推定されたコーナ形状と実際のコーナ形状とを比較して、その差分に基づいてコーナ割れの有無を判定している。
しかしながら、特許文献2でも、コーナ部に占める欠陥部の割合が大きい場合には、前述と同様に欠陥部位に引きずられた近似結果となり、結果として欠陥の凹凸や形状を正確に認識することはできない。
また、特許文献3には、切削加工等に用いる棒状回転工具を画像処理を用いて検査する棒状回転工具の欠陥検査手法が開示されている。特許文献3では、画像上で刃先のエッジラインが直線ないし円弧状曲線といった極めて単純な形状として撮影されることから、エッジラインを通る近似線を求めて正常な形状と仮定し、近似線と実際の輪郭線の乖離の大きいものを欠陥として検出するようにしている。そして、この近似線のあてはめには、最小二乗回帰法に重み付けを加えたロバスト回帰法を用いている。
しかしながら、特許文献3では、直線ないし円弧状曲線といった極めて単純な形状に対して近似線を求めるものである。表面が湾曲面となっているレール、形鋼、鋼管等を測定対象物とする場合に、例えば4次以上の高次関数によるフィッティング処理を行うと、測定対象物の表面欠陥が大きかったり、深かったりすると、この表面欠陥にフィッティング曲線が引きずられてしまうことがある。特許文献3では、高次関数によるフィッティング処理を行うときの対策について考慮されていない。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とする場合に表面欠陥の検出精度を高めることを目的とする。
本発明の表面欠陥検査システムは、横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とし、周期的に変調された線状レーザ光を前記測定対象物の表面の幅方向に照射する照射手段と、前記測定対象物からの反射光を撮像する遅延積分型の撮像手段とを用いて、前記測定対象物に対する前記線状レーザ光の照射位置を連続的にずらしながら、前記撮像手段により前記測定対象物からの反射光を撮像して光切断画像を出力し、前記測定対象物の表面欠陥を検出する表面欠陥検査システムであって、前記撮像手段で得られた光切断画像を順に配列することにより得られる縞画像の各位置における位相のずれを算出する位相算出手段と、前記位相算出手段で得られた位相のずれに基づいて位相のずれが不連続になっている位置を検出し、その検出した位置における位相のずれを繋ぐことにより位相のずれを連続化して前記測定対象物の表面形状を表す形状画像を作成する位相連続化処理手段と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像上の凹凸部を抽出する事前処理手段と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記事前処理手段で抽出された凹凸部を取り除いた形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像との差分演算を行う形状補正処理手段と、前記形状補正処理手段の差分演算で得られたデータに基づいて、前記測定対象物の表面欠陥を検出する欠陥検出処理手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の表面欠陥検査システムの他の特徴とするところは、前記事前処理手段は、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像との差分演算を行う一次形状補正処理手段と、前記一次形状補正処理手段の差分演算で得られたデータを二値化する二値化手段と、前記二値化手段で二値化された二値化画像から凹凸部を抽出する凹凸部抽出手段と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記凹凸部抽出手段で抽出された凹凸部を取り除くためのマスク情報を生成するマスク処理手段とを備えた点にある。
また、本発明の表面欠陥検査システムの他の特徴とするところは、前記事前処理手段は、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像を前記測定対象物の長手方向に積算平均して基準形状画像を作成し、その基準形状画像と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像との差分演算を行う一次形状補正処理手段と、前記一次形状補正処理手段の差分演算で得られたデータを二値化する二値化手段と、前記二値化手段で二値化された二値化画像から凹凸部を抽出する凹凸部抽出手段と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記凹凸部抽出手段で抽出された凹凸部を取り除くためのマスク情報を生成するマスク処理手段とを備えた点にある。
また、本発明の表面欠陥検査システムの他の特徴とするところは、前記凹凸部抽出手段で抽出された凹凸部を少なくとも前記測定対象物の幅方向に所定の割合で大きくする膨張処理を行う膨張処理手段を備え、前記マスク処理手段では、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記膨張処理手段で膨張処理された凹凸部を取り除くためのマスク情報を作成する点にある。
本発明の表面欠陥検査方法は、横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とし、周期的に変調された線状レーザ光を前記測定対象物の表面の幅方向に照射する照射手段と、前記測定対象物からの反射光を撮像する遅延積分型の撮像手段とを用いて、前記測定対象物に対する前記線状レーザ光の照射位置を連続的にずらしながら、前記撮像手段により前記測定対象物からの反射光を撮像して光切断画像を出力し、前記測定対象物の表面欠陥を検出する表面欠陥検査方法であって、前記撮像手段で得られた光切断画像を順に配列することにより得られる縞画像の各位置における位相のずれを算出する位相算出手順と、前記位相算出手順で得られた位相のずれに基づいて位相のずれが不連続になっている位置を検出し、その検出した位置における位相のずれを繋ぐことにより位相のずれを連続化して前記測定対象物の表面形状を表す形状画像を作成する位相連続化処理手順と、前記位相連続化処理手順で作成された形状画像上の凹凸部を抽出する事前処理手順と、前記位相連続化処理手順で作成された形状画像から前記事前処理手順で抽出された凹凸部を取り除いた形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理手順で作成された形状画像との差分演算を行う形状補正処理手順と、前記形状補正処理手順の差分演算で得られたデータに基づいて、前記測定対象物の表面欠陥を検出する欠陥検出処理手順とを有することを特徴とする。
本発明のプログラムは、横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とし、周期的に変調された線状レーザ光を前記測定対象物の表面の幅方向に照射する照射手段と、前記測定対象物からの反射光を撮像する遅延積分型の撮像手段とを用いて、前記測定対象物に対する前記線状レーザ光の照射位置を連続的にずらしながら、前記撮像手段により前記測定対象物からの反射光を撮像して光切断画像を出力し、前記測定対象物の表面欠陥を検出するためのプログラムであって、前記撮像手段で得られた光切断画像を順に配列することにより得られる縞画像の各位置における位相のずれを算出する位相算出処理と、前記位相算出処理で得られた位相のずれに基づいて位相のずれが不連続になっている位置を検出し、その検出した位置における位相のずれを繋ぐことにより位相のずれを連続化して前記測定対象物の表面形状を表す形状画像を作成する位相連続化処理と、前記位相連続化処理で作成された形状画像上の凹凸部を抽出する事前処理と、前記位相連続化処理で作成された形状画像から前記事前処理で抽出された凹凸部を取り除いた形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理で作成された形状画像との差分演算を行う形状補正処理と、前記形状補正処理の差分演算で得られたデータに基づいて、前記測定対象物の表面欠陥を検出する欠陥検出処理とをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とする場合に表面欠陥の検出精度を高めることができる。すなわち、本発明では、測定対象物の表面形状を表す形状画像から凹凸部を取り除いたかたちでフィッティング曲線を求め、そのフィッティング曲線と、形状画像との差分演算を行うようにしたので、表面欠陥にフィッティング曲線が引きずられてしまうのを防ぐことができる。これにより、表面欠陥が小さく、浅く検出されることを避けるとともに、その両側に跳ね返りが生じるのを防ぐことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。まず、図1〜14を参照して、本発明を適用した実施形態の表面欠陥検査手法の前提となる技術を対比例として説明する。
(対比例)
図1は表面欠陥検査システムの概略構成図であり、レーザ装置10と、ロッドレンズ20と、遅延積分型カメラ(TDIカメラ)30と、タイミング信号発生部40と、画像処理装置50と、表示装置60とを備える。
かかる表面欠陥検査システムは、測定対象物2の表面形状を光学的に測定するものである。ここで、測定対象物2としては、図2に示すように、横断面形状において両端部が低くなる(或いは高くなる)曲線を有する長丈材(長丈の板材或いは棒材)、すなわち表面が両端部の低くなる(或いは高くなる)湾曲面となっている長丈材、例えばレール、形鋼、鋼管等を想定している。例えば表面に6mm程度の高低差があるものを想定とする。測定対象物2はその長手方向(図中矢印)に一定の速さ(例えば60mpm)で搬送されており、本例の表面欠陥検査システムは、測定対象物2の搬送中にその表面形状を測定し、測定対象物2の表面の凹みや疵等の表面欠陥を検出する。
レーザ装置10は、連続発振のレーザ光を発生するものである。ロッドレンズ20は、レーザ装置10から発せられたレーザ光を、測定対象物2の幅方向(図1の紙面に垂直な方向)に沿って扇状に広げるものである。これにより、レーザ装置10が発したレーザ光は、線状レーザ光として測定対象物2に照射される。例えば出力500mW、波長670nmのレーザ装置を用い、400mm×0.2mmの線状レーザ光として測定対象物2の表面に照射する。このとき、線状レーザ光は測定対象物2の表面に対して斜め(例えば45度)に入射する。このようして線状レーザ光が照射された測定対象物2の表面には、測定対象物2の幅方向に沿って線状の明るい部位が形成される。また、測定対象物2は長手方向に移動しているので、測定対象物2からみると、線状の明るい部位も測定対象物2の長手方向に沿って移動する。かかる線状の明るい部分からの反射光(線状反射像)は、TDIカメラ30により撮像される。
タイミング信号発生部40は、所定の周波数ω(例えば5kHz)をもつ正弦波形の信号を発生し、その正弦波形の信号をレーザ装置10に送出するものである。レーザ装置10は、外部信号によりその発振強度を連続的に変化させられるものであり、タイミング信号発生部40から送出される正弦波形の信号を受けると、正弦波形で出力が変化するレーザ光を発生する。すなわち、レーザ装置10が発するレーザ光を周期的に変調させている。また、タイミング信号発生部40は、上記周波数ωのM倍(例えば4倍)の周波数をもつカメラシフトパルス信号を発生し、そのカメラシフトパルス信号を遅延積分型カメラ30に送出する。
TDIカメラ30は、移動する測定対象物2の線状反射像を撮像するものである。例えば分解能0.2mm×0.2mmのTDIカメラを用い、測定対象物2の表面に対して略垂直方向に配置される。図3はTDIカメラの構造と動作を説明するための図である。このTDIカメラ30では、図3(a)に示すように、多数の光電変換素子35がマトリクス状に配置されている。ここでは、例えば、これらの光電変換素子35を、行方向にn個、列方向にN個配置したものとする。そして、各行については、最上行を第1行として、上から順に番号付けをし、各列については、最左列を第1列として、左から順に番号付けをしている。ここで、光電変換素子35の行方向が、測定対象物の幅方向に対応する。
光電変換素子35は、受光した光の強度に対応する電荷を蓄積する。測定対象物2の線状反射像が、TDIカメラ30のレンズ31を介して、1列分の幅で光電変換素子35に入射するものとする。このTDIカメラ30では、各光電変換素子35は、その蓄積した電荷を、当該光電変換素子35と同じ行に位置し且つ一つ後の列に位置する光電変換素子に転送する。この転送のタイミングは、すべての光電変換素子35で同一であり、タイミング信号発生部40から送出されるカメラシフトパルス信号によって制御される。すなわち、カメラシフトパルス信号が入力する度に、各光電変換素子35は電荷を転送する。かかるカメラシフトパルス信号の周波数(カメラシフト周波数)はMωである。そして、第N列(最終列)に位置する光電変換素子35は、カメラシフトパルス信号が入力すると、その蓄積している電荷を読出しレジスタに送る。これにより、線状反射像に対応する光切断画像が出力される。
なお、一般に、TDIカメラ30では、図3(b)に示すように、電荷が転送される途中で、各光電変換素子35に光が入射すると、その入射した光の強度に対応する電荷が上乗せされる。しかし、上述したように、光電変換素子35に1列分の幅の線状反射像が入射するように構成している。このため、電荷の転送途中で、各光電変換素子35において電荷が上乗せされることはほとんどない。特に、背景光が問題となる場合でも、レンズ前面にレーザ波長のみを透過する光学フィルタを設置することで、これを抑制することができる。
測定対象物2はその長手方向に沿って移動しているので、レーザ装置10からレーザ光を測定対象物2に照射し、TDIカメラ30を用いて測定対象物2の線状反射像を一定時間撮像すると、測定対象物2の長手方向の各位置における光切断画像を順次得ることができる。したがって、こうして得られた各光切断画像を順に配列することにより、測定対象物2全体を表す画像が得られる。
また、線状レーザ光を周期的に変調させており、その線状レーザ光の強度が時間的に変化するので、各行において列方向の各光電変換素子に蓄積される電荷量(受光強度)の分布も周期的に変化する。したがって、TDIカメラ30から出力される各光切断画像を順に配列することにより得られる画像は、その配列方向に沿って、各光切断画像の濃度(強度)が周期的に変化する縞画像となる。図4に縞画像の一例を示す。ここで、濃度変化の一周期分に相当する光切断画像のことを「縞」と称することにする。かかる縞画像では、縞に平行な方向が測定対象物2の幅方向に対応し、縞に直交する方向が測定対象物2の長手方向に対応する。TDIカメラ30のカメラシフト周波数とレーザ光の変調周波数との比を、M:1とすると、M個の光切断画像、すなわち配列方向のM画素分が、一本の縞を構成する。
ところで、レーザ光は測定対象物2の表面に斜めから入射するので、例えば測定対象物2に凹んでいる部分があると、図1においてレーザ光の反射点は右側にずれる。したがって、光電変換素子35上での光切断画像の位置も右側、すなわち図3(a)において列方向にずれることになる。このため、縞画像において、当該凹んでいる部分で反射したレーザ光に対応する光切断画像は、当該凹んでいない部分で反射したレーザ光に対応する光切断画像よりも時間的に早く出力されることになる。したがって、TDIカメラ30から出力される画像を順に配列することにより得られる画像において、凹んでいる部分は縞のずれとして明白に認識することができる。
この縞のずれについてもう少し詳しく説明する。図5(a)はある縞画像の概略拡大図である。図5(a)では、縞毎に最大濃度を与える位置を実線で結んで示している。例えば、この縞画像では、幅方向の位置Aにおいて最大濃度位置を配列方向に沿って調べると、最大濃度位置は等間隔に位置しており、縞のずれは生じていない。すなわち、当該測定対象物2は、幅方向の位置Aでは配列方向に沿って平坦な形状をしている。この場合、幅方向の位置Aにおいて配列方向に沿っての縞画像の濃度分布(スライス縞画像データ)は、図5(b)に示すように、きれいな正弦波形状をしている。
一方、図5(a)に示す幅方向の位置Bにおいて最大濃度位置を配列方向に沿って調べると、最大濃度位置の間隔は左から右に向かって徐々に広がっており、縞のずれが生じている。すなわち、当該測定対象物2には、幅方向の位置Bで配列方向に沿って凹みが生じている。この場合、幅方向の位置Bにおいて配列方向に沿っての縞画像の濃度分布(スライス縞画像データ)は、図5(c)に示すように、図5(b)に示す正弦波と比べて位相がずれている。このように、測定対象物2の凹みによる縞のずれは、スライス縞画像データにおける位相のずれとして現れてくる。実際、かかる位相のずれと測定対象物2の凹み(深さ)とは比例関係にある。深さが深くなるほど、スライス縞画像データにおける位相のずれが大きくなる。表面欠陥検査システムでは、縞画像に基づいて位相のずれに関する情報を算出し、その位相のずれに関する情報に基づいて測定対象物2の表面形状を測定することにしている。この位相のずれを計算する方法を用いると、例えばカメラシフト周波数とレーザ光の変調周波数との比を4:1としたとき、縞が明確に一画素以上ずれなくても凹凸をして検出できる感度がある。
ここで、図4に示す縞画像は、表面が平坦な測定対象物のものである。それに対して、本例で想定する測定対象物2、すなわちレール、形鋼、鋼管等のように横断面形状において両端部が低くなる(或いは高くなる)曲線を有する長丈材では、図6に示すように、各縞の両端部が湾曲する縞画像となる。
次に、スライス縞画像データにおける位相のずれと測定対象物2の深さとの関係について説明する。図7はスライス縞画像データにおける位相のずれと測定対象物2の深さとの関係を説明するための図である。
いま、図7に示すように、線状レーザ光が測定対象物2の表面に入射する入射角度をθとする。また、測定対象物2に凹部があり、線状レーザ光はその凹部に入ったときに測定対象物2の表面から深さdのところで反射して、TDIカメラ30に入射したとする。このとき、深さdで反射した線状レーザ光は、測定対象物2の平坦な表面で反射した線状レーザ光に比べて、測定対象物2の長手方向(右方向)に距離hだけ反射点がずれる。ここで、h=d・tanθである。かかる線状レーザ光の反射点が長手方向に距離hだけずれた結果として、スライス縞画像データにおいて位相のずれが生ずるが、この位相のずれをφとする。
TDIカメラ30における光電変換素子35の列方向の撮影分解能をs(mm/画素)とすると、線状レーザ光の反射点が長手方向にずれた距離hは、縞画像においてh/s画素に相当する。また、TDIカメラ30のカメラシフト周波数とレーザ光の変調周波数との比がM:1のとき、縞画像において配列方向のM画素分が一本の縞を構成する。すなわち、縞がM画素分だけずれたときに、位相のずれは2πとなる。したがって、線状レーザ光の反射点が長手方向に距離hずれたときのスライス縞画像データにおける位相のずれφは、
M/2π=(h/s)/φ
より、
d={M・s/(2π・tanθ)}φ
となる。これより、スライス縞画像データにおける位相のずれφと測定対象物2の深さdとは比例関係にあることが分かる。
厳密には、通常のレンズを用いた場合、撮影分解能sは深さdに応じて変化するため、補正する必要があるが、鋼板の凹みを測定する場合のように、レンズ作動距離に対して深さ変化が微小な場合は、かかる撮影分解能sの変化を実用上無視することができる。また、テレセントリックレンズを使えば、撮影分解能sを深さdによらず、一定とすることができる。
画像処理装置50は、TDIカメラ30から出力された各光切断画像に基づいて測定対象物2の表面形状を表す画像を作成する処理と、その画像に基づいて欠陥を検出する処理とを行うものである。図8に、画像処理装置50の概略ブロック図を示す。画像処理装置50は、A/D変換部501と、プレフィルタ部502と、直交正弦波発生部503と、ローパスフィルタ部504a、504bと、位相算出部505と、位相連続化処理部506と、センタリング処理部507と、形状補正処理部508と、欠陥検出処理部509と、振幅算出部510と、エッジ位置検出部511とを有する。画像処理装置50の各部で処理された結果は、表示装置60の画面上に表示される。
また、図14は、画像処理装置50の処理動作を説明するためのフローチャートである。以下、図14も参照しつつ、画像処理装置50の各部の処理動作について説明する。
まずは、TDIカメラ30が測定対象物2を撮像して光切断画像を出力する(ステップS101)。A/D変換部501は、TDIカメラ30から出力された各光切断画像をA/D変換し、ディジタル多値画像データとして出力する。かかるディジタル多値画像データは、図示しない画像メモリに記憶される。これらのディジタル多値画像データを順に配置することにより、縞画像が形成される。
かかる縞画像(又はディジタル多値画像データ)からは、幅方向の各位置において配列方向に沿っての縞画像の濃度分布を表すデータが生成される。かかる配列方向に沿っての縞画像の濃度分布を表すデータが「スライス縞画像データ」である。幅方向の各位置におけるスライス縞画像データは画像メモリから順次出力される。
プレフィルタ部502は、各スライス縞画像データに所定のフィルタ処理を施すことにより、ノイズを除去し、縞の状態を鮮明にする。なお、プレフィルタ部502によるフィルタ処理は必ずしも行う必要はない。例えば縞画像に細かいノイズが多数生じているような場合にのみ行うようにすればよい。
プレフィルタ部502からは、幅方向の各位置j(j=0、1、2、・・・)におけるスライス縞画像データIj(k)が二つ出力される。k(k=0、1、2、・・・)は配列方向の位置である。このとき、幅方向の位置jにおけるスライス縞画像データIj(k)は正弦波的に変化すると仮定する。すなわち、
j(k)=A(j,k){cos((2πk/M)+φ(j,k))+1}
である。ここで、A(j,k)は画素位置(j,k)におけるスライス縞画像データの振幅、φ(j,k)は画素位置(j,k)におけるスライス縞画像データの位相のずれである。測定対象物2の凹みによって縞画像に発生する縞のずれの影響は、位相のずれφとして現れる。また、線状レーザ光の振幅は一定であるので、通常、上記振幅Aは一定である。しかし、測定対象物2の表面が汚れているような場合には、かかる汚れ位置に対応する画素位置において振幅Aは急激に減少することがある。このため、上式では、振幅Aを画素位置(j,k)に依存する形で書いている。
なお、cosの項の次に「1」を加えているのは、スライス縞画像データ(濃度値)Ij(k)はマイナスにならないので、このことを保証するためである。したがって、スライス縞画像データIj(k)は0から2Aの間で変化する。
直交正弦波発生部503は、ROM等のメモリ上に予め作成しておいた、直交する二つの基準正弦波データsin(2πk/M)、cos(2πk/M)を発生する。特に、前者を基準sinデータ、後者を基準cosデータとも称する。これらの二つの基準正弦波データはそれぞれ、プレフィルタ部502から出力されたスライス縞画像データIj(k)と乗算される。この乗算処理により、下記の二つの出力Iaj(k)、Ibj(k)が得られる。
Figure 2010091514
ローパスフィルタ部504a、504bはそれぞれ、上記の乗算処理で得られた出力Iaj(k)、Ibj(k)について、所定のフィルタ処理を施すことにより、縞周波数成分及びその高調波成分を除去する、すなわち位相のずれφのみを含む成分を抽出する。ローパスフィルタ部504aからの出力をLPF(Iaj(k))、ローパスフィルタ部504bからの出力をLPF(Ibj(k))とすると、
LPF(Iaj(k))=(A cosφ)/2
LPF(Ibj(k))=−(A sinφ)/2
である。
位相算出部505は、二つのローパスフィルタ部504a、504bから出力された結果に基づいて、各画素位置(j,k)における位相のずれφ(j,k)を算出する(ステップS102)。位相のずれφ(j,k)は、下式より求めることができる。
Figure 2010091514
上式では、arctanの値域を−π/2〜+π/2とすると共に、LPF(Iaj(k)),LPF(Ibj(k))の符号についての情報を利用して、位相のずれφを−π〜+πの範囲で求めている。ここで、この範囲で求めた位相のずれを改めてφ′と記すことにする。この場合、上式で求めた位相のずれφ′は、測定対象物2の深さと周期的な関係があり、位相のずれφ′のある値をとるような深さは複数ある。したがって、かかる位相のずれφ′を用いたのでは、測定対象物2の表面形状について正確な情報は得られない。このため、この位相のずれφ′から、測定対象物2の深さと比例関係にあるような位相のずれφを求める必要がある。深さと比例関係にある位相のずれφを得る処理は、位相連続化処理部506によって行われる。図9(a)には、位相算出部505で作成された位相画像の一例を示す。また、図10(a)には、位相画像における位相特性を表わす特性図の一例を示す。
位相連続化処理部506は、位相算出部505で作成された位相画像に基づいて、位相のずれφ′の不連続点を検出し、位相のずれφ′が滑らかに繋がるように位相のずれφ′を補正する(ステップS103)。上述したように、位相算出部55で算出した位相のずれφ′の値域は、−π〜+πであるので、位相のずれφ′は−π及び+πで不連続となる。例えば、図9(a)に示す位相画像において、白(又は黒)から黒(又は白)に変化している部分が位相のずれφ′の不連続点に対応する。かかる位相画像をそのまま用いたのでは、測定対象物2の表面形状を認識することは困難である。したがって、位相のずれφ′の不連続点において位相のずれφ′が滑らかに繋がるように位相のずれφ′を補正する必要がある。かかる補正(位相飛び補正)は、2πの範囲で定義された位相のずれφ′から測定対象物2の深さに比例する一義的な位相のずれφを求める処理である。
具体的には、位相連続化処理部506は、位相のずれφ′の不連続点を検出すると共に、その不連続点において位相のずれφ′を補正する。位相のずれφ′が不連続であるかどうかは、一つの画素だけを見ても分からない。隣り合う画素同士を見て判断する必要がある。まず、位相連続化処理部506は、位相画像の幅方向の各位置において位相画像を配列方向に沿って調べ、隣り合う画素での位相のずれφ′を比較する。その隣り合う画素において位相のずれφ′が大きく異なる場合には、当該画素間で位相のずれφ′が不連続であると判断し、これらの位相のずれφ′を補正する。実際、鋼板等の測定対象物2の表面における深さは、急激に変化しない。このため、位相のずれφ′が大きく異なるのは、位相のずれφ′が±2πだけ変化しているために生じたと考えられる。したがって、位相のずれφ′がその隣接する画素での位相のずれφ′と大きく異なっている画素を調べて、それらの位相のずれφ′を滑らかに繋げていくようにすればよい(図10(a)の矢印を参照)。
例えば、ある画素位置では、位相のずれφ′が+πに近い値であり、その右隣りの画素位置では、位相のずれφ′が−πに近い値である場合には、当該右隣りの画素位置では位相のずれφ′が+2πだけ変化していると認識する。そして、当該右隣りの画素位置における位相のずれφ′に+2πを加算することにより、位相のずれφ′を補正する。また、ある画素位置では、位相のずれφ′が−πに近い値であり、その右隣りの画素位置では、位相のずれφ′が+πに近い値である場合には、当該右隣りの画素位置では位相のずれφ′が−2πだけ変化していると認識する。そして、当該右隣りの画素位置における位相のずれφ′に−2πを加算することにより、位相のずれφ′を補正する。
こうして、幅方向の各位置において配列方向に沿って隣り合う画素を調べて、位相のずれφ′を補正した後、位相連続化処理部506は、今度は、配列方向の各位置において幅方向に沿って隣り合う画素を調べ、同様にして、位相のずれφ′を補正する。かかる補正後の各画素位置における位相のずれは、測定対象物2の深さに比例する一義的な位相のずれφである。
次に、位相連続化処理部506は、かかる補正後の位相のずれφに基づいて新たに位相画像を作成する。この新たな位相画像は測定対象物2の表面形状を正確に表している。この新たな位相画像のことを形状画像と称することにする。図9(b)には、位相連続化処理部506で作成された形状画像の一例を示す。また、図10(b)には、形状画像における位相特性を表わす特性図の一例を示す。
一方、振幅算出部510は、二つのローパスフィルタ部504a、504bから出力された結果に基づいて、各画素位置(j,k)における振幅A(j,k)、すなわち輝度を算出する(ステップS104)。振幅A(j,k)は、
A(j,k)=2[{LPF(Ibj(k))}2+{LPF(Iaj(k))}21/2
より求めることができる。そして、算出された振幅Aに基づいて振幅画像(輝度画像)を作成する。振幅画像は、例えば振幅が小さいほど画像が黒くなるような濃淡画像で表現される。図11には、振幅算出部510で作成された振幅画像の一例を示す。
エッジ位置検出部511は、振幅算出部510で作成された振幅画像(輝度画像)に基づいて、閾値を利用する等して、1ライン毎に左右のエッジ位置を検出する(ステップS105)。
センタリング処理部507は、エッジ位置検出部511で検出されたエッジ位置に基づいて、位相連続化処理部506で作成された形状画像にセンタリング処理を行う(ステップS106)。長手方向に搬送される測定対象物を撮影する場合、該測定対象物が蛇行したり、振動したりすると、図12(a)、図12(b)に示すように幅方向にずれた画像として撮影される。図12(a)は測定対象物が蛇行した場合の様子を示す模式図、図12(b)は測定対象物が振動した場合の様子を示す模式図であり、実線が測定対象物の左右エッジを示し、点線がセンタ位置を示す。
このような画像に対し、センタリング処理では、ライン毎に検査面の左右のエッジ位置を検出し、それらの中心を算出してセンタ位置とする。この位置を画像センタに垂直方向に揃えるようにする。図12(c)はセンタリング処理後の画像を示す模式図である。かかるセンタリング処理により、測定対象物2が、横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材である場合に、該測定対象物2が蛇行したり、幅方向に振動したりしたときにも、表面欠陥の検出精度を高めることができる。なお、この場合、エッジ位置検出に用いる画像は、形状画像でも輝度画像でもよい。
形状補正処理部508は、センタリング処理後の形状画像に形状補正処理を行う。図9(b)、10(b)に示す形状画像では、測定対象物2の表面形状そのものが平坦でないので、表面欠陥判別を行うための二値化処理を施しても、鋼板の表面の凹みや疵等の表面欠陥を抽出することができない。そこで、測定対象物2の曲面形状を平面に焼き直す形状補正処理を行うものである。
具体的には、センタリング処理後の形状画像に1ライン毎に高次関数(例えば4次以上の偶関数)によるフィッティング処理を施す(ステップS107)。フィッティング処理は、与えられたデータ列に対して残差二乗和が最も小さくなる曲線(フィッティング曲線)を求める処理であり、一般的な最小二乗法やチェビシェフ法等を用いることができる。最小二乗法は、変数のべき乗を基底関数として、残差二乗和の係数による偏微分係数をゼロとおき、係数を演算する処理である。このとき、基底関数に直交多項式であるチェビシェフ多項式を用いると、高次関数でも、より正確に且つ安定してフィッティングさせることができる。チェビシェフ多項式によるフィッティング関数は、以下の式で表され、フィッティング処理により係数ai(i=0、1、・・・、n+1)を求める。
Figure 2010091514
続いて、1ライン毎に、フィッティング処理(ステップS107)で生成されたフィッティング曲線と、元データ(センタリング処理後の形状画像)との差分演算を行う(ステップS108)。図10(b)において、点線がフィッティング曲線、実線が元データである。かかるフィッティング処理により、測定対象物2の両端部が急峻な形状となっている場合でも、両端部の急峻な信号変化が緩和されることになる。
更に、差分演算(ステップS108)で得られたデータを測定対象物2の走行方向(長手方向)に所定の長さだけ平均(積算)し(ステップS109)、ローパスフィルタ処理を施して(ステップS110)、元データ(差分演算(ステップS108)で得られたデータ)との差分演算(或いは除算演算)を行う(ステップS111)。このシェーディング補正により、表面欠陥候補となる凹凸情報を保持したまま平坦化されることになる。
以上のように、形状補正処理として、高次関数(例えば4次以上の偶関数)によるフィッティング処理、更にはシェーディング補正といった二段階の処理を行う。形状補正処理後の画像のことを深さ画像と称することにする。図9(c)には、形状補正処理部508で作成された深さ画像の一例を示す。また、図10(c)には、深さ画像における位相特性を表わす特性図の一例を示す。
欠陥検出処理部509は、形状補正処理部508で作成された深さ画像を二値化処理する(ステップS112)。二値化処理では、閾値を設定し、閾値内部分には「0」を、閾値を超える部分に「1」を与えて画像化する。
そして、二値化画像を用いて表面欠陥判別を行い(ステップS113)、表面欠陥を検出する(ステップS114)。図13(a)は二値化画像の写真を示す図である。図13(a)に示すように、二値化画像の「1」部分の画素数を算出し、撮影分解能と掛け合わせることで、欠陥の面積、長さ、幅、縦横比等を算出し、表面欠陥判別を行えばよい。なお、二値化画像だけでなく、深さ画像や振幅画像(輝度画像)を用いてもよい。図13(b)は、深さ画像の写真を示す図、図13(c)は、輝度画像の写真を示す図である。図13(b)に示すように、深さ画像の最大、最小深さ等に基づいて、表面欠陥判別を行ったり、図13(c)に示すように、振幅算出部510で作成された振幅画像(輝度画像)の最大輝度、最小輝度、平均輝度等に基づいて、表面欠陥判別を行ったりしてもよい。
(第1の実施形態)
上述した対比例では、形状補正処理部508でのフィッティング処理(ステップS107)をセンタリング処理後の形状画像に施しているが、この場合、図17(a)に示すように、特に測定対象物2の表面欠陥が大きかったり、深かったりすると、この表面欠陥にフィッティング曲線71が引きずられてしまうことがある。そのため、元データ(センタリング処理後の形状画像)72との差分演算を行ったときに、表面欠陥が実際よりも小さく、浅く検出されるとともに、その両側に跳ね返り73が生じてしまう。なお、図17(a)において、点線で示す2本の直線74は二値化の際の閾値を表す。凸状の欠陥及び凹状の欠陥の両方を検出対象とする場合は、このように上下限を示す2つの閾値を設定し、健全部の形状レベルに対して凹凸方向いずれかの閾値を越えた部分を「1」とする。
そこで、本発明を適用した実施形態では、図15に示すように、形状補正処理部508の前段に事前処理部101を設け、形状補正処理部508でのフィッティング処理に先立って、センタリング処理後の形状画像上の凹凸部を抽出する事前処理を施すこととしている。なお、図8で既に説明した構成要素には同一の符号を付すとともに、その詳細な説明は省略する。
図16は、本実施形態に係る画像処理装置50の処理動作を説明するためのフローチャートである。なお、図14で既に説明した処理には同一の符号を付すとともに、その詳細な説明は省略する。
センタリング処理(ステップS106)の後、事前処理部101は、一次形状補正処理を行う(ステップS201)。具体的には、図18に示すように、まずセンタリング処理後の形状画像に1ライン毎に高次関数(例えば4次以上の偶関数)によるフィッティング処理を施す。フィッティング処理は、既述したように、与えられたデータ列に対して残差二乗和が最も小さくなる曲線(フィッティング曲線)を求める処理である。そして、1ライン毎に、フィッティング処理で生成されたフィッティング曲線と、元データ(センタリング処理後の形状画像)との差分演算を行う。
次に、ステップS201の一次形状補正処理の差分演算で得られたデータを二値化処理する(ステップS202)。二値化処理では、閾値を設定し、閾値内部分には「0」を、閾値を超える部分に「1」を与えて画像化する。図19(a)に、二値化処理で得られた二値化画像の一例を示す。
次に、ステップS202の二値化処理で得られた二値化画像を用いて凹凸部を抽出する(ステップS203)。二値化画像上において閾値を超える部分(「1」が与えられた画素群)に基づいて凹凸部を抽出する。
次に、ステップS203の凹凸部抽出処理で抽出された凹凸部を測定対象物2の幅方向に所定の割合で大きくする膨張処理を行う(ステップS204)。ステップS201の一次形状補正処理(フィッティング処理)では、図17(a)で説明したように、特に測定対象物2の凹凸が大きかったり、深かったりすると、この凹凸部にフィッティング曲線71が引きずられてしまい、元データ(センタリング処理後の形状画像)72との差分演算を行ったときに、凹凸部が実際よりも小さく、浅く検出されるとともに、その両側に跳ね返り73が生じてしまうことがある。そこで、抽出された凹凸部を測定対象物2の幅方向に所定の割合で大きくして取り扱うことにしたものである。
膨張処理では、図20(a)に示すように、各ラインを走査して、「1」が与えられている画素群(凹凸部として抽出された部分)があった場合、その幅方向の両側の「0」の画素を「1」に変更する。両側の何個の画素を「0」から「1」に変更するかについては、「1」が与えられている画素数等に応じて予め定めておく。図19(b)に、膨張処理で得られた二値化画像の一例を示す。
なお、本実施形態では、測定対象物2の幅方向にのみ膨張させる例を説明したが、図20(b)に示すように、幅方向だけでなく二次元方向(幅方向及び長手方向)に膨張させるようにしてもかまわない。例えば、図20(b)に示すように、周囲の「0」の画素を「1」に変更するようにすればよい。
そして、センタリング処理後の形状画像と、ステップS203、S204で抽出、膨張された凹凸部情報(以下、マスク情報と称する)とを突き合わせて、センタリング処理後の形状画像のうちマスク情報において「0」が与えられている画素に対応する部分のみを形状補正処理部508での計算対象とするマスク処理を行う(ステップS205)。これにより、センタリング処理後の形状画像からマスク情報に基づいて凹凸部を取り除いた形状画像が作成されることになる。
事前処理部101の後段の形状補正処理部508では、事前処理部101においてマスク処理が行われた形状画像(センタリング処理後の形状画像からマスク情報に基づいて凹凸部を取り除いた形状画像)に既述したフィッティング処理を施し(ステップS107)、フィッティング処理で生成されたフィッティング曲線と、元データ(センタリング処理後の形状画像)との差分演算を行う(ステップS108)。
以上説明したように、形状補正処理部508でのフィッティング処理(ステップS107)を、事前処理部101においてマスク処理が行われた形状画像(センタリング処理後の形状画像からマスク情報に基づいて凹凸部を取り除いた形状画像)に対して行うようにしている。この場合、図17(b)に示すように、測定対象物2の表面欠陥をマスクすることができ、表面欠陥にフィッティング曲線71が引きずられてしまうのを防ぐことができる。これにより、元データ(センタリング処理後の形状画像)72との差分演算を行ったときに、表面欠陥が小さく、浅く検出されることを避けるとともに、その両側に実際には存在しない跳ね返りが生じるのを防ぐことができる。
図21に対比例での検出結果を、図22に本実施形態での検出結果を示す。図21(a)、図22(a)は実際に得られた画像を模式的に図示したものである。図21(b)、22(b)においてAがセンタリング処理後の形状データ、Bがフィッティング曲線、Cがそれらの差分を表す。図21では、表面欠陥が実際よりも小さく、浅く検出されるとともに、その両側に跳ね返りが生じていることがわかる。それに対して、図22では、表面欠陥が実際の形状を反映して正確に検出されるとともに、その両側に跳ね返りも生じていないことがわかる。
また、図23には、検定員の実測値(深さ)と、対比例及び本実施形態による表面欠陥検査の結果(深さ)とを表す図である。○が対比例での結果、●が本実施形態での結果である。図23からも、特に大面積の表面欠陥に対して、対比例による表面欠陥検査の結果が実際の表面欠陥よりも浅くなっているのに対して、本実施形態による表面欠陥検査の結果が実際の表面欠陥に近いものとなっていることがわかる。
なお、本実施形態では、事前処理部101が、センタリング処理後の形状画像からマスク情報に基づいて凹凸部を取り除く処理までを行うと説明したが、事前処理部101ではマスク情報を生成する処理まで行い、そのマスク情報を形状補正処理部508に渡して、形状補正処理部508が、センタリング処理後の形状画像からマスク情報に基づいて凹凸部を取り除く処理を行うようにしてもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、事前処理部101での一次形状補正処理の内容を変更した例である。なお、画像処理装置50の構成及び処理動作は第1の実施形態と同様であり、以下ではその説明を省略するとともに、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
センタリング処理(ステップS106)の後、事前処理部101は、一次形状補正処理を行う(ステップS201)。具体的には、図24に示すように、まずセンタリング処理後の形状画像72の各ラインの値を測定対象物2の長手方向に積算平均して基準形状画像75を作成する。そして、1ライン毎に、基準形状画像75と、元データ(センタリング処理後の形状画像)72との差分演算を行う。
その後の二値化処理(ステップS202)、凹凸部抽出処理(ステップS203)、膨張処理(ステップS204)、マスク処理(ステップS205)は第1の実施形態で説明したとおりである。
測定対象物2の長手方向に積算平均して基準形状画像75を作成する場合も、フィッティング処理の場合と同様に、特に測定対象物2の凹凸が大きかったり、深かったりすると、この凹凸部に基準形状画像75が引きずられてしまう(基準形状画像75に歪みが発生する)ことがある。そのため、元データ(センタリング処理後の形状画像)72との差分演算を行ったときに、凹凸部が小さく、浅く検出される。そこで、膨張処理(ステップS204)において、抽出された凹凸部を測定対象物2の幅方向に所定の割合で大きくして取り扱うことにしたものである。
なお、本発明でいう「位相連続化処理手段で作成された形状画像」とは、位相連続化処理部506で作成された形状画像そのものも、該形状画像に何らかの処理を施したものも含まれるものとする。上記第1、2の実施形態では、位相連続化処理部506で作成された形状画像にセンタリング処理部507でセンタリング処理を行った上で、事前処理部101での事前処理を行うようにしている。この場合、センタリング処理後の形状画像が、本発明でいう「位相連続化処理手段で作成された形状画像」に相当するものとなる。センタリング処理は本発明において必須ではないが、特に第2の実施形態では、形状画像の各ラインの値を測定対象物2の長手方向に積算平均して基準形状画像を作成することから、その前にセンタリング処理を施すのが望ましい。
本発明を適用した画像処理装置50は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにより実現され、CPUがコンピュータプログラムを実行することによって画像処理装置50の機能又は処理を実現する。なお、画像処理装置50は、一つの装置である必要はなく、複数の機器から構成されてもよい。
また、上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置或いはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU或いはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。プログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
対比例の表面欠陥検査システムの概略構成図である。 測定対象物の横断面形状の例を示す図である。 遅延積分型カメラの構造と動作を説明するための図である。 縞画像の一例を示す図である。 縞画像における縞のずれを説明するための図である。 縞画像の一例を示す図である。 スライス縞画像データにおける位相のずれと測定対象物の深さとの関係を説明するための図である。 画像処理装置の概略ブロック図である。 各段階での画像の写真を示す図であり、(a)は位相画像の写真を示す図、(b)は形状画像の写真を示す図、(c)は深さ画像の写真を示す図である。 各段階での位相特性を表わす特性図であり、(a)は位相画像における位相特性を表わす特性図、(b)は形状画像における位相特性を表わす特性図、(c)は深さ画像における位相特性を表わす特性図である。 振幅画像の写真を示す図である。 センタリング処理の概要を説明するための図であり、(a)は測定対象物が蛇行した場合の様子を示す模式図、(b)は測定対象物が振動した場合の様子を示す模式図、(c)はセンタリング処理後の画像を示す模式図である。 表面欠陥判別に用いる画像の写真を示す図であり、(a)は二値化画像の写真を示す図、(b)は深さ画像の写真を示す図、(c)は輝度画像の写真を示す図である。 対比例の画像処理装置の処理動作を説明するためのフローチャートである。 実施形態に係る表面欠陥検査システムの概略構成図である。 実施形態に係る画像処理装置の処理動作を説明するためのフローチャートである。 フィッティング処理の概要を説明するための図であり、(a)は対比例において表面欠陥にフィッティング曲線が引きずられている様子を示す図、(b)は実施形態においてマスクすることにより表面欠陥にフィッティング曲線が引きずられていない様子を示す図である。 一次形状補正処理でのフィッティング処理及び差分演算の概要を説明するための図である。 二値化処理及び膨張処理の概要を説明するための図であり、(a)は二値化画像を示す図、(b)は膨張処理後の画像を示す図である。 膨張処理の概要を説明するための図であり、(a)は幅方向のみに膨張処理する例を示す図、(b)は二次元方向に膨張処理する例を示す図である。 対比例における表面欠陥検出の結果の一例を説明するための図であり、(a)は深さ画像の写真を示す図、(b)は特性図である。 実施形態における表面欠陥検出の結果の一例を説明するための図であり、(a)は深さ画像の写真を示す図、(b)は特性図である。 検定員の実測値と、対比例及び本実施形態による表面欠陥検査の結果とを表す図である。 一次形状補正処理での基準形状画像の作成処理及び差分演算の概要を説明するための図である。 フィッティング処理の概要を説明するための図であり、(a)は本来フィッティングされるべき様子を示す図、(b)が表面欠陥にフィッティング曲線が引きずられている様子を示す図である。
符号の説明
2 測定対象物
10 レーザ装置
20 ロッドレンズ
30 遅延積分型カメラ
31 レンズ
40 タイミング信号発生部
50 画像処理装置
60 表示装置
71 フィッティング曲線
72 センタリング処理後の形状画像
73 跳ね返り
74 二値化の際の閾値
75 基準形状画像
101 事前処理部
501 A/D変換部
502 プレフィルタ部
503 直交正弦波発生部
504a、504b ローパスフィルタ部
505 位相算出部
506 位相連続化処理部
507 センタリング処理部
508 形状補正処理部
509 欠陥検出処理部
510 振幅算出部
511 エッジ位置検出部

Claims (6)

  1. 横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とし、
    周期的に変調された線状レーザ光を前記測定対象物の表面の幅方向に照射する照射手段と、前記測定対象物からの反射光を撮像する遅延積分型の撮像手段とを用いて、前記測定対象物に対する前記線状レーザ光の照射位置を連続的にずらしながら、前記撮像手段により前記測定対象物からの反射光を撮像して光切断画像を出力し、前記測定対象物の表面欠陥を検出する表面欠陥検査システムであって、
    前記撮像手段で得られた光切断画像を順に配列することにより得られる縞画像の各位置における位相のずれを算出する位相算出手段と、
    前記位相算出手段で得られた位相のずれに基づいて位相のずれが不連続になっている位置を検出し、その検出した位置における位相のずれを繋ぐことにより位相のずれを連続化して前記測定対象物の表面形状を表す形状画像を作成する位相連続化処理手段と、
    前記位相連続化処理手段で作成された形状画像上の凹凸部を抽出する事前処理手段と、
    前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記事前処理手段で抽出された凹凸部を取り除いた形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像との差分演算を行う形状補正処理手段と、
    前記形状補正処理手段の差分演算で得られたデータに基づいて、前記測定対象物の表面欠陥を検出する欠陥検出処理手段とを備えたことを特徴とする表面欠陥検査システム。
  2. 前記事前処理手段は、
    前記位相連続化処理手段で作成された形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像との差分演算を行う一次形状補正処理手段と、
    前記一次形状補正処理手段の差分演算で得られたデータを二値化する二値化手段と、
    前記二値化手段で二値化された二値化画像から凹凸部を抽出する凹凸部抽出手段と、
    前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記凹凸部抽出手段で抽出された凹凸部を取り除くためのマスク情報を生成するマスク処理手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査システム。
  3. 前記事前処理手段は、
    前記位相連続化処理手段で作成された形状画像を前記測定対象物の長手方向に積算平均して基準形状画像を作成し、その基準形状画像と、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像との差分演算を行う一次形状補正処理手段と、
    前記一次形状補正処理手段の差分演算で得られたデータを二値化する二値化手段と、
    前記二値化手段で二値化された二値化画像から凹凸部を抽出する凹凸部抽出手段と、
    前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記凹凸部抽出手段で抽出された凹凸部を取り除くためのマスク情報を生成するマスク処理手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の表面欠陥検査システム。
  4. 前記凹凸部抽出手段で抽出された凹凸部を少なくとも前記測定対象物の幅方向に所定の割合で大きくする膨張処理を行う膨張処理手段を備え、
    前記マスク処理手段では、前記位相連続化処理手段で作成された形状画像から前記膨張処理手段で膨張処理された凹凸部を取り除くためのマスク情報を作成することを特徴とする請求項2又は3に記載の表面欠陥検査システム。
  5. 横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とし、
    周期的に変調された線状レーザ光を前記測定対象物の表面の幅方向に照射する照射手段と、前記測定対象物からの反射光を撮像する遅延積分型の撮像手段とを用いて、前記測定対象物に対する前記線状レーザ光の照射位置を連続的にずらしながら、前記撮像手段により前記測定対象物からの反射光を撮像して光切断画像を出力し、前記測定対象物の表面欠陥を検出する表面欠陥検査方法であって、
    前記撮像手段で得られた光切断画像を順に配列することにより得られる縞画像の各位置における位相のずれを算出する位相算出手順と、
    前記位相算出手順で得られた位相のずれに基づいて位相のずれが不連続になっている位置を検出し、その検出した位置における位相のずれを繋ぐことにより位相のずれを連続化して前記測定対象物の表面形状を表す形状画像を作成する位相連続化処理手順と、
    前記位相連続化処理手順で作成された形状画像上の凹凸部を抽出する事前処理手順と、
    前記位相連続化処理手順で作成された形状画像から前記事前処理手順で抽出された凹凸部を取り除いた形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理手順で作成された形状画像との差分演算を行う形状補正処理手順と、
    前記形状補正処理手順の差分演算で得られたデータに基づいて、前記測定対象物の表面欠陥を検出する欠陥検出処理手順とを有することを特徴とする表面欠陥検査方法。
  6. 横断面形状において両端部が低くなる或いは高くなる曲線を有する長丈材を測定対象物とし、
    周期的に変調された線状レーザ光を前記測定対象物の表面の幅方向に照射する照射手段と、前記測定対象物からの反射光を撮像する遅延積分型の撮像手段とを用いて、前記測定対象物に対する前記線状レーザ光の照射位置を連続的にずらしながら、前記撮像手段により前記測定対象物からの反射光を撮像して光切断画像を出力し、前記測定対象物の表面欠陥を検出するためのプログラムであって、
    前記撮像手段で得られた光切断画像を順に配列することにより得られる縞画像の各位置における位相のずれを算出する位相算出処理と、
    前記位相算出処理で得られた位相のずれに基づいて位相のずれが不連続になっている位置を検出し、その検出した位置における位相のずれを繋ぐことにより位相のずれを連続化して前記測定対象物の表面形状を表す形状画像を作成する位相連続化処理と、
    前記位相連続化処理で作成された形状画像上の凹凸部を抽出する事前処理と、
    前記位相連続化処理で作成された形状画像から前記事前処理で抽出された凹凸部を取り除いた形状画像に対してフィッティング曲線を求めるフィッティング処理を施し、そのフィッティング曲線と、前記位相連続化処理で作成された形状画像との差分演算を行う形状補正処理と、
    前記形状補正処理の差分演算で得られたデータに基づいて、前記測定対象物の表面欠陥を検出する欠陥検出処理とをコンピュータに実行させるためのプログラム。
JP2008263979A 2008-10-10 2008-10-10 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム Expired - Fee Related JP5347418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008263979A JP5347418B2 (ja) 2008-10-10 2008-10-10 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008263979A JP5347418B2 (ja) 2008-10-10 2008-10-10 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010091514A true JP2010091514A (ja) 2010-04-22
JP5347418B2 JP5347418B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=42254364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008263979A Expired - Fee Related JP5347418B2 (ja) 2008-10-10 2008-10-10 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5347418B2 (ja)

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132836A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Yamaha Motor Co Ltd 三次元形状計測装置、部品移載装置および三次元形状計測方法
JP2012159456A (ja) * 2011-02-02 2012-08-23 Nippon Fa System Kk 錠剤の外観検査装置及びptp包装機
JP2014119361A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Mitsubishi Electric Corp 表面欠陥検出装置および表面欠陥検出方法
JP2015208840A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 株式会社荏原製作所 研磨装置、研磨パッドプロファイル計測用治具、及び、研磨パッドプロファイル計測方法
JP2016133478A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 大成建設株式会社 体積測定システム
CN106017369A (zh) * 2016-07-29 2016-10-12 努比亚技术有限公司 检测方法及装置
CN106018414A (zh) * 2016-05-17 2016-10-12 浙江大学 高次曲面光学元件表面缺陷的定量检测方法
JP2017187348A (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 新日鐵住金株式会社 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム
CN108445008A (zh) * 2018-02-27 2018-08-24 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种带钢表面缺陷的检测方法
JP2019514012A (ja) * 2016-04-20 2019-05-30 コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド 品物の外観検査装置及びそれを用いた品物の外観検査方法
JP2019128294A (ja) * 2018-01-25 2019-08-01 日本製鉄株式会社 形状測定装置及び形状測定方法
JP2020020125A (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 東日本旅客鉄道株式会社 レール検査方法
CN112388156A (zh) * 2020-11-06 2021-02-23 电子科技大学 一种大口径光学元件激光预处理和吸收型缺陷成像检测的联合装置
CN115661120A (zh) * 2022-11-14 2023-01-31 江西捷锐机电设备有限公司 一种用于数控金钢线剖锭机的切割质量检测方法
WO2024192697A1 (zh) * 2023-03-22 2024-09-26 深圳市兴华炜科技有限公司 应用虚拟相位方法计算稀疏针形几何参数的方法及装置

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0792100A (ja) * 1993-09-22 1995-04-07 Mazda Motor Corp 表面検査方法
JPH09280818A (ja) * 1996-04-18 1997-10-31 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 物体表面計測方法及び装置
JPH09281055A (ja) * 1996-04-09 1997-10-31 Hitachi Metals Ltd 欠け検査方法
JPH11257937A (ja) * 1998-03-10 1999-09-24 Seiko Epson Corp 欠陥検査方法
JPH11351842A (ja) * 1998-06-12 1999-12-24 East Japan Railway Co 車輪形状計測装置
JP2004003930A (ja) * 2002-04-04 2004-01-08 Nippon Steel Corp 光学的形状測定装置及び光学的形状測定方法
JP2004117053A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Jfe Steel Kk 電縫溶接管のビード形状検出方法および検出装置
JP2004226347A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Nippon Steel Corp 表面欠陥検査装置におけるシェーディング補正方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0792100A (ja) * 1993-09-22 1995-04-07 Mazda Motor Corp 表面検査方法
JPH09281055A (ja) * 1996-04-09 1997-10-31 Hitachi Metals Ltd 欠け検査方法
JPH09280818A (ja) * 1996-04-18 1997-10-31 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 物体表面計測方法及び装置
JPH11257937A (ja) * 1998-03-10 1999-09-24 Seiko Epson Corp 欠陥検査方法
JPH11351842A (ja) * 1998-06-12 1999-12-24 East Japan Railway Co 車輪形状計測装置
JP2004003930A (ja) * 2002-04-04 2004-01-08 Nippon Steel Corp 光学的形状測定装置及び光学的形状測定方法
JP2004117053A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Jfe Steel Kk 電縫溶接管のビード形状検出方法および検出装置
JP2004226347A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Nippon Steel Corp 表面欠陥検査装置におけるシェーディング補正方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012132836A (ja) * 2010-12-22 2012-07-12 Yamaha Motor Co Ltd 三次元形状計測装置、部品移載装置および三次元形状計測方法
JP2012159456A (ja) * 2011-02-02 2012-08-23 Nippon Fa System Kk 錠剤の外観検査装置及びptp包装機
JP2014119361A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Mitsubishi Electric Corp 表面欠陥検出装置および表面欠陥検出方法
JP2015208840A (ja) * 2014-04-30 2015-11-24 株式会社荏原製作所 研磨装置、研磨パッドプロファイル計測用治具、及び、研磨パッドプロファイル計測方法
JP2016133478A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 大成建設株式会社 体積測定システム
JP2017187348A (ja) * 2016-04-04 2017-10-12 新日鐵住金株式会社 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム
US11100629B2 (en) 2016-04-20 2021-08-24 Koh Young Technology Inc. Appearance inspecting apparatus for article and appearance inspecting method for article using the same
JP2019514012A (ja) * 2016-04-20 2019-05-30 コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド 品物の外観検査装置及びそれを用いた品物の外観検査方法
CN106018414A (zh) * 2016-05-17 2016-10-12 浙江大学 高次曲面光学元件表面缺陷的定量检测方法
CN106017369A (zh) * 2016-07-29 2016-10-12 努比亚技术有限公司 检测方法及装置
JP2019128294A (ja) * 2018-01-25 2019-08-01 日本製鉄株式会社 形状測定装置及び形状測定方法
CN108445008A (zh) * 2018-02-27 2018-08-24 首钢京唐钢铁联合有限责任公司 一种带钢表面缺陷的检测方法
JP2020020125A (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 東日本旅客鉄道株式会社 レール検査方法
JP7068956B2 (ja) 2018-07-31 2022-05-17 東日本旅客鉄道株式会社 レール検査方法
CN112388156A (zh) * 2020-11-06 2021-02-23 电子科技大学 一种大口径光学元件激光预处理和吸收型缺陷成像检测的联合装置
CN115661120A (zh) * 2022-11-14 2023-01-31 江西捷锐机电设备有限公司 一种用于数控金钢线剖锭机的切割质量检测方法
CN115661120B (zh) * 2022-11-14 2023-03-10 江西捷锐机电设备有限公司 一种用于数控金钢线剖锭机的切割质量检测方法
WO2024192697A1 (zh) * 2023-03-22 2024-09-26 深圳市兴华炜科技有限公司 应用虚拟相位方法计算稀疏针形几何参数的方法及装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5347418B2 (ja) 2013-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5347418B2 (ja) 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム
JP5194529B2 (ja) 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム
JP5025442B2 (ja) タイヤ形状検査方法とその装置
JP5418378B2 (ja) 表面欠陥検査装置、表面欠陥検査方法及びプログラム
JP5561178B2 (ja) 表面欠陥検査装置、表面欠陥検査方法及びプログラム
JP5421192B2 (ja) ひび割れ検出方法
JP2017187348A (ja) 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム
CN107709977B (zh) 表面缺陷检测装置及表面缺陷检测方法
JP2004109047A (ja) 印刷物の検査方法及び検査装置
JP2009145285A (ja) 欠陥検出方法および欠陥検出装置
CN113196040A (zh) 表面缺陷检测方法、表面缺陷检测装置、钢材的制造方法、钢材的品质管理方法、钢材的制造设备、表面缺陷判定模型的生成方法及表面缺陷判定模型
JP4235046B2 (ja) 鋼板表面の検査方法、システム、画像処理装置、及びコンピュータプログラム
JP3845354B2 (ja) 光学的形状測定装置及び光学的形状測定方法
JP5347661B2 (ja) 帯状体の表面検査装置、表面検査方法及びプログラム
JP2008281493A (ja) 表面欠陥検査システム、方法及びプログラム
JP6566903B2 (ja) 表面欠陥検出方法および表面欠陥検出装置
JP2003185419A (ja) 反り形状計測方法及び装置
JP2010085165A (ja) 表面検査装置および表面検査方法
JP5157575B2 (ja) 欠陥検出方法
JP4797568B2 (ja) スラブ縦割れ検出方法および装置
JP2009047517A (ja) 検査装置
JP4088230B2 (ja) 表面検査システムにおける画像処理装置、表面検査方法、及びコンピュータプログラム
JP4863117B2 (ja) 高温鋼材の表面検査装置
JP2006189294A (ja) ムラ欠陥の検査方法および装置
KR100972640B1 (ko) 모아레를 이용한 3차원 측정장치의 기준격자 획득방법 및장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120613

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130723

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130805

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5347418

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees