JP6566903B2 - 表面欠陥検出方法および表面欠陥検出装置 - Google Patents
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Description
一般的な表面欠陥の検出方法では、正常な表面形状データを参照し、差分値から被検査物の表面形状の欠陥判定が行われる。
したがって、特許文献2の課題として欠陥部分になだらかな形状が含まれている場合、欠陥部分であっても2階差分値が閾値以下になる点が存在するため、2階差分値が閾値以下になる点の表面形状データを使用して、最小二乗法により算出した近似曲線は、欠陥が発生する前の表面形状との誤差が大きくなってしまうことである。
以下、この発明の実施の形態1に係る表面欠陥検出方法および表面欠陥検出装置を図1から図7に基づいて詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る表面欠陥検出装置の構成を示す概略図である。実施の形態1では、被検査物の表面に傷のような凹状の欠陥を検出する場合について説明する。
図1の表面欠陥検出装置における被検査物5は、ケーブルのような長手方向に形状が均一な長尺物である。被検査物5はケーブルの他に金属材料、シート素材などが例として挙げられる。
加えて、被検査物搬送装置3は、被検査物5を上下方向からガイドローラーで挟む機構や、上方向からガイドローラーで押さえつける機構を用いることで、線状光投影装置1および撮像装置2と被検査物5との相対位置の変動を抑えることができる。
この画像処理装置4は、撮像装置2から入力した光切断画像から被検査物5の表面形状を取得し、被検査物5の表面形状の2階微分値の大きさと正負の符号から被検査物5の正常部を判別する正常部判別手段41と、正常部判別手段41で判別した被検査物5の正常部から仮想表面を算出し、この仮想表面と被検査物5の表面形状との差分から凹凸部の変位量を算出し、変位量の大きさから欠陥であるかどうかを判定する欠陥判定手段42とを有する。また、正常部判別手段41は、光切断画像に写る線状光の像の長手方向と直交する方向の各画素列に対して走査して、予め設定した輝度の閾値以上となる輝度を持つ最初の画素位置を抽出することで被検査物の表面形状に対応する輪郭線を検出するようにした
表面形状取得手段(図示省略)を有する。
まず、ステップS1では、線状光投影装置1から被検査物5の表面に投影された線状投影光6の投光方向とは異なる角度から、被検査物5の表面からの線状反射光61を撮像装置2が撮影して光切断画像7を出力する。光切断画像7の一例は図3の上図に示すようなものである。
本案では、この線状反射光61の像8の下側の輪郭が、本案構成による被検査物5の表面形状に対応するものであると判断し、この最も低い座標位置を表す輪郭線のカメラ座標から実際の空間座標に変換することとする。
1)画素の順次走査により、予め設定した輝度の閾値12以上の画素を探索する。
ただし、走査は画素位置10から画素位置11の方向とする。
2)輝度の閾値12以上の画素で、最初に見つけた画素位置13を抽出する。
ここで、図3の下図は、図3の上図の光切断画像7のm列の濃淡分布図を示す。m列は、光切断画像7に写る線状反射光61の像8の長手方向と直交する方向の各画素列9である。同図において、画素位置10(右端)は、実際の空間座標に変換した時に最も低い位置Nを表す。また、画素位置11(左端)は、実際の空間座標に変換した時に最も高い位置0を表す。
1)最も輝度が大きくなる画素位置14を探索する。
2)画素の順次走査により、予め設定された輝度の閾値12未満の画素を探索する。
ただし、走査は画素位置14から画素位置10の方向とする。
3)最初に見つけた画素位置の一つ手前の画素位置15を抽出する
ここで、図4の下図は、図4の上図の光切断画像7のm列の濃淡分布図を示す。m列は、光切断画像7に写る線状反射光61の像8の長手方向と直交する方向の各画素列9である。同図において、画素位置10(右端)は、実際の空間座標に変換した時に最も低い位置Nを表す。また、画素位置11(左端)は、実際の空間座標に変換した時に最も高い位置0を表す。
図5AはX、Y,Zの各軸の定義を示し、図5BはY−Z平面を示し、図5CはX−Z平面を示す。
図2のステップS3では、取得した表面形状データ17の各点における2階微分値18を算出する。2階微分値18を算出するには、式(3)および式(4)を用いる。
ステップS4では、予め2階微分値18のプラス側閾値19とマイナス側閾値20を設定しておき、これらの閾値19、20を基に2階微分値18の大きさと正負の符号から、被検査物5の表面形状が正常な部分21であることを判別する。この判別は次の条件で行う。
このように被検査物5の表面が正常な部分の表面形状を使用して近似曲線を算出することで、欠陥が発生する前の表面形状との誤差を小さくすることができる。
ステップS7では、予め欠陥であると判定する深さの閾値を設定しておき、ステップS6で算出した変位量(深さ)23が閾値以上であれば欠陥であると判定し、閾値未満であれば欠陥ではないと判定する。
次に、この発明の実施の形態2に係る表面欠陥検出方法および表面欠陥検出装置を図8から図11に基づいて詳細に説明する。
実施の形態2では、被検査物5の表面に突起のような凸状の欠陥がある場合、その凸部の高さに基づいて検出する方法について説明する。実施の形態2に係る表面欠陥検出装置の構成を示す概略図は図1と同様であるので、説明を省略する。
まず、ステップS1では、撮像装置2が被検査物5の表面に投影された線状投影光6の投光方向とは異なる角度から撮影し、光切断画像7を出力する。
1)画素の順次走査により、予め設定した輝度の閾値12以上の画素を探索する。
ただし、走査は画素位置11から画素位置10の方向とする。
2)最初に見つけた画素位置13を抽出する。
ここで、図8の下図は、図8の上図の光切断画像7のm列の濃淡分布図を示す。m列は、光切断画像7に写る線状反射光61の像8の長手方向と直交する方向の各画素列9である。同図において、画素位置10(右端)は、実際の空間座標に変換した時に最も低い位置Nを表す。また、画素位置11(左端)は、実際の空間座標に変換した時に最も高い位置0を表す。
1)最も輝度が大きくなる画素位置14を探索する。
2)画素の順次走査により、予め設定された輝度の閾値12未満の画素を探索する。
ただし、走査は画素位置14から画素位置11の方向とする。
3)最初に見つけた画素位置の一つ手前の画素位置15を抽出する
表面形状データ17のm点における高さ方向の値Zm(n)については、メディアン処理を行っても良いし、もしくは移動平均処理を行っても良いし、メディアン処理および移動平均処理の両方を行っても良い。
図10A〜図10Fは、被検査物5の表面形状が凸状の各種の欠陥パターン1〜6と、それぞれの欠陥パターン1〜6に対して表面形状が正常な部分21と判別できる2階微分値18の条件を示す図である。
ステップS4では、予め2階微分値18のプラス側閾値19とマイナス側閾値20を設定しておき、これらの閾値19、20を基に2階微分値18の大きさと正負の符号から、被検査物5の表面形状が正常な部分21であることを判別する。この判別は次の条件で行う。
ステップS7では、予め欠陥であると判定する高さの閾値を設定しておき、ステップS6で算出した変位量(高さ)23が閾値以上であれば欠陥であると判定し、閾値未満であれば欠陥ではないと判定する。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
5:被検査物、6:線状投影光、7:光切断画像、8:線状反射光の像、
9:線状反射光の像の長手方向と直交する方向の各画素列、
10:実際の空間座標に変換した時に最も低い位置を表す画素位置、
11:実際の空間座標に変換した時に最も高い位置を表す画素位置、
12:予め設定しておいた輝度の閾値、
13:輝度の閾値以上となる輝度値を持つ最初の画素位置、
14:最も輝度が大きくなる画素位置、
15:輝度の閾値未満となる輝度を持つ最初の画素位置の一つ手前の画素位置、
16:乱反射光の像、17:表面形状データ、18:2階微分値、
19:2階微分値のプラス側閾値、20:2階微分値のマイナス側閾値、
21:表面形状が正常な部分、22:仮想表面、23:仮想表面からの変位量、
41:正常部判別手段、42:欠陥判定手段、61:線状反射光、
S1:光切断画像取得ステップ、S2:表面形状取得ステップ、
S3:2階微分算出ステップ、S4:正常部判別ステップ、S5:仮想表面算出ステップ、S6:変位量算出ステップ、S7 欠陥判定ステップ
Claims (8)
- 被検査物の表面に投影された線状光をその投影方向とは異なる角度から2次元撮像デバイスで撮影し、光切断画像を生成する光切断画像取得ステップと、
前記光切断画像取得ステップで生成された前記光切断画像に写る線状光の像から前記被検査物の表面形状に対応する輪郭線を抽出して実際の空間座標に変換し、前記被検査物の表面形状を取得する表面形状取得ステップと、
前記表面形状取得ステップで取得した前記被検査物の表面形状の2階微分値を算出する2階微分算出ステップと、
前記2階微分算出ステップで算出した前記2階微分値の大きさと正負の符号から、前記被検査物の表面形状の正常部分を判別する正常部判別ステップと、
前記正常部判別ステップにより判別された前記被検査物の正常部分の表面形状から前記被検査物の表面が正常である状態の仮想表面を算出する仮想表面算出ステップと、
前記仮想表面算出ステップで算出した前記仮想表面と前記表面形状取得ステップで取得した表面形状との差分から、前記被検査物の凹部の深さもしくは凸部の高さとして仮想表面からの変位量を算出する変位量算出ステップと、
前記変位量算出ステップで算出した変位量の大きさから欠陥であるかどうかを判定する欠陥判定ステップと、を備えたことを特徴とする表面欠陥検出方法。 - 前記表面形状取得ステップは、前記光切断画像に写る線状光の像の長手方向と直交する方向の各画素列に対して、実際の空間座標に変換した時に最も低い位置を表す画素位置から最も高い位置を表す画素位置に向かって、もしくは実際の空間座標に変換した時に最も高い位置を表す画素位置から最も低い位置を表す画素位置に向かって走査し、予め設定した輝度の閾値以上となる輝度を持つ最初の画素位置を抽出することで前記被検査物の表面形状に対応する輪郭線を検出するようにした請求項1に記載の表面欠陥検出方法。
- 前記表面形状取得ステップは、前記光切断画像に写る線状光の像の長手方向と直交する方向の各画素列に対して、最も輝度が大きくなる画素位置を探索し、前記最も輝度が大きくなる画素位置から実際の空間座標に変換した時に最も低い位置を表す画素位置、もしくは実際の空間座標に変換した時に最も高い位置を表す画素位置に向かって走査し、予め設定した輝度の閾値未満となる輝度を持つ最初の画素位置の1つ手前の画素位置を抽出することで前記被検査物の表面形状に対応する輪郭線を検出するようにした請求項1に記載の表面欠陥検出方法。
- 前記正常部判別ステップは、予め2階微分値のプラス側閾値とマイナス側閾値を設定しておき、凹状欠陥を検出する場合に、前記被検査物の表面形状データの始点と2階微分値がマイナス側閾値未満となる部分とに挟まれている2階微分値がマイナス側閾値以上かつプラス側閾値以下となる部分と、前記被検査物の表面形状データの終点と2階微分値がマイナス側閾値未満となる部分とに挟まれている2階微分値がマイナス側閾値以上かつプラス側閾値以下となる部分と、2階微分値がマイナス側閾値未満となる部分同士に挟まれている2階微分値がマイナス側閾値以上かつプラス側閾値以下となる部分とを、前記被検査物の表面形状が正常な部分の条件とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表面欠陥検出方法。
- 前記正常部判別ステップは、予め2階微分値のプラス側閾値とマイナス側閾値を設定しておき、凸状欠陥を検出する場合に、前記被検査物の表面形状データの始点と2階微分値がプラス側閾値を超える部分とに挟まれている2階微分値がマイナス側閾値以上かつプラス側閾値以下となる部分と、前記被検査物の表面形状データの終点と2階微分値がプラス側閾値を超える部分とに挟まれている2階微分値がマイナス側閾値以上かつプラス側閾値以下となる部分と、2階微分値がプラス側閾値を超える部分同士に挟まれている2階微分
値がマイナス側閾値以上かつプラス側閾値以下となる部分とを、前記被検査物の表面形状が正常な部分の条件とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表面欠陥検出方法。 - 被検査物の表面に線状光を投影する線状光投影装置と、
前記線状光の投影方向とは異なる角度から、前記被検査物の表面に投影された前記線状光の反射光である線状反射光を撮像する撮像装置と、
前記被検査物の検査すべき部位を、前記線状光が投影される位置まで、線状光の長手方向と直交する方向に搬送する被検査物搬送装置と、
前記撮像装置により撮像された前記線状反射光により生成される光切断画像から、前記被検査物の表面形状を取得し、前記被検査物の表面形状の2階微分値の大きさと正負の符号から前記被検査物の正常部を判別する正常部判別手段と、前記被検査物の正常部から仮想表面を算出し、前記被検査物の表面形状と前記仮想表面の差分から凹凸部の変位量を算出し、前記変位量の大きさから欠陥であるかどうかを判定する欠陥判定手段とを有する画像処理装置を備えたことを特徴とする表面欠陥検出装置。 - 前記正常部判別手段は、前記光切断画像に写る線状光の像の長手方向と直交する方向の各画素列に対して、実際の空間座標に変換した時に最も低い位置を表す画素位置から最も高い位置を表す画素位置に向かって、もしくは実際の空間座標に変換した時に最も高い位置を表す画素位置から最も低い位置を表す画素位置に向かって走査した時、予め設定した輝度の閾値以上となる輝度を持つ最初の画素位置を抽出することで前記被検査物の表面形状に対応する輪郭線を検出するようにした表面形状取得手段を有する請求項6に記載の表面欠陥検出装置。
- 前記正常部判別手段は、前記光切断画像に写る線状光の像の長手方向と直交する方向の各画素列に対して、最も輝度が大きくなる画素位置を探索し、前記最も輝度が大きくなる画素位置から実際の空間座標に変換した時に最も低い位置を表す画素位置、もしくは実際の空間座標に変換した時に最も高い位置を表す画素位置に向かって走査した時、予め設定した輝度の閾値未満となる輝度を持つ最初の画素位置の1つ手前の画素位置を抽出することで前記被検査物の表面形状に対応する輪郭線を検出するようにした表面形状取得手段を有する請求項6に記載の表面欠陥検出装置。
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