JP2010090757A - 二段圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を備える二段圧縮機において、各圧縮機構のシリンダの間に挟み込まれる中間仕切部材の厚みを増やさずに、中間仕切部材と低段側圧縮機構のピストンとの接触を未然に防ぐ。
【解決手段】二段圧縮機(30)の圧縮機構(40)では、低段側シリンダ(60)と高段側シリンダ(70)の間に中間プレート(95)が挟み込まれる。低段側シリンダ(60)には、低段側ピストン(63)が収容される。高段側シリンダ(70)には、高段側ピストン(73)が収容される。低段側シリンダ(60)の高さと低段側ピストン(63)の高さとの差は、高段側シリンダ(70)の高さと高段側ピストン(73)の高さとの差よりも大きくなる。このため、中間プレート(95)が低段側シリンダ(60)側へ膨らむように変形した状態でも、中間プレート(95)と低段側ピストン(63)の接触が回避される。
【選択図】図3

Description

本発明は、一本の駆動軸に係合する低段側圧縮機構及び高段側圧縮機構を備える二段圧縮機に関するものである。
従来より、特許文献1に開示されているように、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構とを備える二段圧縮機が知られている。この二段圧縮機では、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構の両方が一本の駆動軸に係合した状態で、密閉容器状に形成された一つのケーシング内に収容されている。この二段圧縮機では、低段側圧縮機構において圧縮された冷媒が高段側圧縮機構へ吸入されて圧縮され、高段側圧縮機構において圧縮された冷媒がケーシングの内部空間を通って吐出管へ流入する。
特開2006−200374号公報
特許文献1に開示された二段圧縮機において、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構は、いわゆるロータリ式流体機械によって構成されている。これらの二段圧縮機において、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構は、駆動軸の軸方向(上下方向)に並んで配置されている。また、低段側圧縮機構のシリンダと高段側圧縮機構のシリンダとの間には、平板状に形成された中間仕切部材が挟み込まれている。
特許文献1に開示された二段圧縮機において、中間仕切部材の下面は、低段側圧縮機構のシリンダ内に形成された圧縮室に露出し、低段側圧縮機構のピストンの端面と対面する。また、中間仕切部材の上面は、高段側圧縮機構のシリンダ内に形成された圧縮室に露出し、高段側圧縮機構のピストンの端面と対面する。従って、中間仕切部材の下面には、低段側圧縮機構の圧縮室へ吸入された圧縮前の低圧冷媒の圧力が作用し、中間仕切部材の上面には、高段側圧縮機構の圧縮室において圧縮された高圧冷媒の圧力が作用する。このため、二段圧縮機の運転中には、中間仕切部材が高段側圧縮機構から低段側圧縮機構へ向かって湾曲したような形状に変形するおそれがある。そして、このように中間仕切部材が変形すると、中間仕切部材が低段側圧縮機構のピストンの端面と接触し、ピストンの摩耗や焼き付きといったトラブルが発生するおそれがあった。
この問題については、中間仕切部材の厚みを増やしてその剛性を高めるという対策が考えられる。ところが、中間仕切部材の厚みを増やすと、駆動軸のうち低段側圧縮機構のピストンに係合する部分と、駆動軸のうち高段側圧縮機構のピストンに係合する部分との距離が離れてしまい、その結果、ねじり方向や曲げ方向の駆動軸の変形量が増し、駆動軸と軸受の焼き付き等のトラブルを招くおそれがある。また、駆動軸のうち各ピストンに係合する部分同士の距離が離れると、駆動軸を倒す方向へのモーメントが大きくなり、二段圧縮機の振動が増加するおそれもある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を備える二段圧縮機において、各圧縮機構のシリンダの間に挟み込まれる中間仕切部材の厚みを増やさずに、中間仕切部材と低段側圧縮機構のピストンとの接触を未然に防ぎ、ピストンの摩耗や焼き付きといったトラブルを回避して二段圧縮機の信頼性を向上させることにある。
第1の発明は、低段側圧縮機構(41)と、高段側圧縮機構(42)と、上記低段側圧縮機構(41)と上記高段側圧縮機構(42)の両方に係合する駆動軸(50)とを備え、上記低段側圧縮機構(41)において圧縮された流体を上記高段側圧縮機構(42)において更に圧縮する二段圧縮機を対象とする。そして、上記低段側圧縮機構(41)と上記高段側圧縮機構(42)のそれぞれは、シリンダ(60,70)と、該シリンダ(60,70)内に収容されて偏心回転するピストン(63,73)と、上記シリンダ(60,70)の内周面と上記ピストン(63,73)の外周面との間に形成された圧縮室(66,76)を吸入側と吐出側に区画するためのブレード(64,74)とを備えるロータリ式流体機械であり、上記低段側圧縮機構(41)のシリンダ(60)と上記高段側圧縮機構(42)のシリンダ(70)との間には、前面が上記低段側圧縮機構(41)の圧縮室(66)に臨み且つ背面が上記高段側圧縮機構(42)の圧縮室(76)に臨む中間仕切部材(95)が挟み込まれており、上記低段側圧縮機構(41)におけるシリンダ(60)とピストン(63)の高さの差が、上記高段側圧縮機構(42)におけるシリンダ(70)とピストン(73)の高さの差よりも大きくなっているものである。
第1の発明では、駆動軸(50)の軸方向に沿って、低段側圧縮機構(41)のシリンダ(60)と、中間仕切部材(95)と、高段側圧縮機構(42)のシリンダ(70)とが順に積層される。各圧縮機構(41,42)のシリンダ(60,70)内に収容されたピストン(63,73)は、何れも駆動軸(50)に係合する。中間仕切部材(95)の低段側圧縮機構(41)側の表面は、低段側圧縮機構(41)のシリンダ(60)内に形成された圧縮室(66)に露出し、低段側圧縮機構(41)のピストン(63)の端面と向かい合う。低段側圧縮機構(41)において、ピストン(63)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスは、シリンダ(60)とピストン(63)の高さの差と実質的に等しくなる。一方、中間仕切部材(95)の高段側圧縮機構(42)側の表面は、高段側圧縮機構(42)のシリンダ(70)内に形成された圧縮室(76)に露出し、高段側圧縮機構(42)のピストン(73)の端面と向かい合う。高段側圧縮機構(42)において、ピストン(73)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスは、シリンダ(70)とピストン(73)の高さの差と実質的に等しくなる。
第1の発明の二段圧縮機(30)では、低段側圧縮機構(41)におけるシリンダ(60)とピストン(63)の高さの差が、上記高段側圧縮機構(42)におけるシリンダ(70)とピストン(73)の高さの差よりも大きくなっている。つまり、この二段圧縮機(30)では、低段側圧縮機構(41)におけるピストン(63)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスが、高段側圧縮機構(42)におけるピストン(73)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスよりも広くなっている。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記低段側圧縮機構(41)のピストン(63)の端面の幅が、上記高段側圧縮機構(42)のピストン(73)の端面の幅よりも広くなっているものである。
ここで、各圧縮機構(41,42)では、ピストン(63,73)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスが広くなると、圧縮室(66,76)の気密性が低下し、圧縮機構(41,42)の効率低下を招くおそれがある。第2の発明では、低段側圧縮機構(41)におけるピストン(63)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスが、高段側圧縮機構(42)におけるピストン(73)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスよりも広くなっている。このため、低段側圧縮機構(41)の圧縮室(66)の気密性が低下し、低段側圧縮機構(41)の効率低下を招くおそれがある。
それに対し、第2の発明では、低段側圧縮機構(41)のピストン(63)の端面の幅が、上記高段側圧縮機構(42)のピストン(73)の端面の幅よりも広くなっている。圧縮機構(41,42)では、ピストン(63,73)の端面の幅が広いほど、圧縮室(66,76)の気密性が高くなる。従って、この発明の低段側圧縮機構(41)では、ピストン(63)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスが広がったことによって低下した圧縮室(66)の気密性が、ピストン(63)の端面の幅が広がることによって回復する。
本発明の二段圧縮機(30)の中間仕切部材(95)では、低段側圧縮機構(41)側の表面に低段側圧縮機構(41)の圧縮室(66)の内圧が作用し、高段側圧縮機構(42)側の表面に高段側圧縮機構(42)の圧縮室(76)の内圧が作用する。このため、二段圧縮機(30)の運転中において、中間仕切部材(95)は、高段側圧縮機構(42)側から低段側圧縮機構(41)側へ向かって膨らむように変形する。一方、本発明の二段圧縮機(30)では、低段側圧縮機構(41)におけるピストン(63)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスが、高段側圧縮機構(42)におけるピストン(73)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスよりも広くなっている。このため、二段圧縮機(30)の運転中に中間仕切部材(95)が低段側圧縮機構(41)側へ膨らむように変形した状態でも、低段側圧縮機構(41)ではピストン(63)と中間仕切部材(95)の間に隙間を確保することができ、ピストン(63)と中間仕切部材(95)の接触を未然に防ぐことができる。
このように、本発明によれば、二段圧縮機(30)の運転中に中間仕切部材(95)が変形した状態においても、低段側圧縮機構(41)のピストン(63)と中間仕切部材(95)との接触を未然に防ぐことができる。従って、本発明によれば、中間仕切部材(95)の厚みを増やさずに低段側圧縮機構(41)のピストン(63)と中間仕切部材(95)との接触を未然に防ぎ、ピストン(63)の摩耗や焼き付きといったトラブルを回避して二段圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
上記第2の発明では、低段側圧縮機構(41)のピストン(63)の端面の幅が、上記高段側圧縮機構(42)のピストン(73)の端面の幅よりも広くなっている。そして、この発明の低段側圧縮機構(41)では、ピストン(63)の端面と中間仕切部材(95)とのクリアランスが広がったことによって低下した圧縮室(66)の気密性が、ピストン(63)の端面の幅が広がることによって回復する。従って、この発明によれば、中間仕切部材(95)の変形に起因するピストン(63)の摩耗や焼き付きといったトラブルを回避しつつ、低段側圧縮機構(41)の圧縮室(66)の気密性を確保して低段側圧縮機構(41)の効率低下を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。ここでは、先ず、本実施形態の二段圧縮機(30)が設けられた空調機(10)について説明し、次に、本実施形態の二段圧縮機(30)の詳細について説明する。
〈空調機〉
本実施形態の二段圧縮機(30)が設けられた空調機(10)について、図1を参照しながら説明する。この空調機(10)は、いわゆるセパレート型のものであって、室外ユニット(11)と室内ユニット(12)を一台ずつ備えている。なお、この空調機(10)には、複数台の室内ユニット(12)が設けられていてもよい。
室外ユニット(11)には、室外回路(16)が収容されている。室内ユニット(12)には、室内回路(17)が収容されている。この空調機(10)では、室外回路(16)と室内回路(17)を連絡配管(18,19)で接続することによって冷媒回路(15)が構成されている。この冷媒回路(15)には、二酸化炭素(CO)が冷媒として充填されている。
室外回路(16)には、二段圧縮機(30)と、四方切換弁(20)と、ブリッジ回路(22)と、液側閉鎖弁(23)と、ガス側閉鎖弁(24)とが設けられている。二段圧縮機(30)は、その吐出管(36)が四方切換弁(20)の第1のポートに接続され、その吸入管(35)が四方切換弁(20)の第2のポートに接続されている。四方切換弁(20)の第3のポートは、室外熱交換器(21)のガス側端に接続されている。室外熱交換器(21)の液側端は、ブリッジ回路(22)に接続されている。液側閉鎖弁(23)は、ブリッジ回路(22)に接続されている。四方切換弁(20)の第4のポートは、ガス側閉鎖弁(24)に接続されている。
ブリッジ回路(22)には、四つの逆止弁(22a〜22d)が設けられている。このブリッジ回路(22)では、第1逆止弁(22a)の流出側と第2逆止弁(22b)の流入側とが接続され、第2逆止弁(22b)の流出側と第3逆止弁(22c)の流出側とが接続され、第3逆止弁(22c)の流入側と第4逆止弁(22d)の流出側が接続され、第4逆止弁(22d)の流入側と第1逆止弁(22a)の流入側とが接続されている。ブリッジ回路(22)では、第1逆止弁(22a)と第2逆止弁(22b)の間に室外熱交換器(21)の液側端が接続され、第3逆止弁(22c)と第4逆止弁(22d)の間に液側閉鎖弁(23)が接続されている。
また、室外回路(16)には、第1膨張弁(25)と、第2膨張弁(26)と、気液分離器(27)と、ガスインジェクション用配管(28)とが設けられている。気液分離器(27)は、縦長円筒形の密閉容器状に形成されており、流入した気液二相状態の冷媒を液冷媒とガス冷媒に分離する。気液分離器(27)の頂部は、第1膨張弁(25)を介して、ブリッジ回路(22)における第2逆止弁(22b)と第3逆止弁(22c)の間に接続されている。気液分離器(27)の底部は、第2膨張弁(26)を介して、ブリッジ回路(22)における第4逆止弁(22d)と第1逆止弁(22a)の間に接続されている。ガスインジェクション用配管(28)は、その一端が気液分離器(27)の頂部に接続され、その他端が二段圧縮機(30)の接続用配管(39)に接続されている。
室外熱交換器(21)は、フィン・アンド・チューブ型の空気熱交換器であって、冷媒を室外空気と熱交換させる。四方切換弁(20)は、第1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換え可能となっている。二段圧縮機(30)の詳細については後述する。
室内回路(17)には、室内熱交換器(29)が設けられている。室内回路(17)は、その一端が液側連絡配管(18)を介して液側閉鎖弁(23)に接続され、その他端がガス側連絡配管(19)を介してガス側閉鎖弁(24)に接続されている。室内熱交換器(29)は、フィン・アンド・チューブ型の空気熱交換器であって、冷媒を室内空気と熱交換させる。
〈二段圧縮機〉
本実施形態の二段圧縮機(30)について、図2〜図4を適宜参照しながら説明する。
図2に示すように、本実施形態の二段圧縮機(30)は、いわゆる全密閉型圧縮機である。この二段圧縮機(30)では、圧縮機構(40)と、圧縮機構(40)を駆動するための電動機(45)と、圧縮機構(40)と電動機(45)を連結する駆動軸(50)とが、一つのケーシング(31)内に収容されている。また、本実施形態の二段圧縮機(30)は、圧縮機構(40)からケーシング(31)の内部空間へ高圧冷媒が吐出される高圧ドーム型に構成されている。
ケーシング(31)は、縦長円筒形の密閉容器状に形成されている。具体的に、このケーシング(31)は、本体筒部(32)と、上側鏡板(33)と、下側鏡板(34)とを備えている。本体筒部(32)は、両端が開口端となった中空円筒状に形成されている。ケーシング(31)では、本体筒部(32)の上端が上側鏡板(33)によって閉塞され、本体筒部(32)の下端が下側鏡板(34)によって閉塞されている。上側鏡板(33)には、吐出管(36)と給電用ターミナル(48)とが、それぞれ上側鏡板(33)を貫通する状態で取り付けられている。
ケーシング(31)内では、圧縮機構(40)の上方に電動機(45)が配置されている。圧縮機構(40)と電動機(45)を連結する駆動軸(50)は、その軸方向が上下方向となる姿勢で配置されている。圧縮機構(40)と電動機(45)の固定子(46)とは、ケーシング(31)の本体筒部(32)に固定されている。駆動軸(50)は、圧縮機構(40)を上下方向に貫通するように設けられている。駆動軸(50)の上端部には、電動機(45)の回転子(47)が取り付けられている。図示しないが、電動機(45)の固定子(46)に設けられたコイルは、リード線を介して給電用ターミナル(48)の端子に電気的に接続されている。
ケーシング(31)の本体筒部(32)には、吸入管(35)と、中間吐出管(37)と、中間吸入管(38)とが取り付けられている。吸入管(35)、中間吐出管(37)、及び中間吸入管(38)は、いずれもやや太い円管状に形成されており、本体筒部(32)を貫通している。本体筒部(32)では、圧縮機構(40)の低段側シリンダ(60)の側方に吸入管(35)が、圧縮機構(40)のリアヘッド(90)の側方に中間吐出管(37)が、圧縮機構(40)の高段側シリンダ(70)の側方に中間吸入管(38)が、それぞれ配置されている。なお、圧縮機構(40)の詳細については後述する。中間吐出管(37)には接続用配管(39)の一端が接続され、中間吸入管(38)には接続用配管(39)の他端が接続されている。上述したように、接続用配管(39)の途中には、ガスインジェクション用配管(28)が接続されている。
駆動軸(50)は、主軸部(51)と、第1偏心部(52)と、第2偏心部(53)とを備えている。第1偏心部(52)と第2偏心部(53)は、駆動軸(50)のうち圧縮機構(40)を貫通する部分に形成されている。駆動軸(50)では、第1偏心部(52)の上方に第2偏心部(53)が配置されている。第1偏心部(52)と第2偏心部(53)は、何れも外径が主軸部(51)の外径よりも大きな円柱状に形成されている。第1偏心部(52)の外径と第2偏心部(53)の外径は、等しくなっている。各偏心部(52,53)の軸心は、主軸部(51)の軸心に対して偏心している。第1偏心部(52)の主軸部(51)に対する偏心方向と、第2偏心部(53)の主軸部(51)に対する偏心方向とは、駆動軸(50)の回転方向において180°ずれている。つまり、第1偏心部(52)と第2偏心部(53)とでは、主軸部(51)に対する偏心方向が逆方向となっている。
駆動軸(50)には、給油通路(54)が形成されている。給油通路(54)は、駆動軸(50)の軸方向へ延びる細長い有底の穴であって、駆動軸(50)の下端から第2偏心部(53)の少し上の位置までに亘って形成されている。給油通路(54)の下端は、駆動軸(50)の下端に開口している。給油通路(54)の上端は、行き止まりになっている。
また、駆動軸(50)には、給油孔(55,56)が形成されている。給油孔(55,56)は、駆動軸(50)の半径方向へ延びる細長い貫通孔である。給油孔(55,56)は、その一端が駆動軸(50)の外周面に開口し、その他端が給油通路(54)に連通している。駆動軸(50)では、第1偏心部(52)の下端に隣接する部分がやや括れた形状となっており、この括れた部分の外周面に第1の給油孔(55)が開口している。また、駆動軸(50)では、第2偏心部(53)の上端に隣接する部分がやや括れた形状となっており、この括れた部分の外周面に第2の給油孔(56)が開口している。
図3に示すように、圧縮機構(40)では、下から上へ向かって順に、カバープレート(96)と、リアヘッド(90)と、低段側シリンダ(60)と、中間プレート(95)と、高段側シリンダ(70)と、フロントヘッド(80)とが積層されている。図示しないが、積層されたカバープレート(96)、リアヘッド(90)、低段側シリンダ(60)、中間プレート(95)、高段側シリンダ(70)、及びフロントヘッド(80)は、これらを貫通するように設けられた複数本のボルトによって、互いに締結されている。
低段側シリンダ(60)と高段側シリンダ(70)のそれぞれは、やや肉厚の部材であって、その両端面(図3における上端面と下端面)が互いに平行な平坦面となっている。低段側シリンダ(60)は、高段側シリンダ(70)よりも厚くなっている。低段側シリンダ(60)と高段側シリンダ(70)のそれぞれには、厚み方向へ貫通する円形断面の貫通孔が形成されている。各シリンダ(60,70)では、貫通孔の側面がシリンダ(60,70)の内周面となっている。各シリンダ(60,70)の貫通孔には、駆動軸(50)が挿通されている。低段側シリンダ(60)の貫通孔内には、駆動軸(50)の第1偏心部(52)が位置している。高段側シリンダ(70)の貫通孔内には、駆動軸(50)の第2偏心部(53)が位置している。
中間仕切部材である中間プレート(95)は、高段側シリンダ(70)よりもやや薄肉の平板状の部材である。中間プレート(95)は、低段側シリンダ(60)と高段側シリンダ(70)の間に挟み込まれている。そして、中間プレート(95)は、その前面(図3における上面)が高段側シリンダ(70)と密着し、その背面(同図における下面)が低段側シリンダ(60)と密着している。また、中間プレート(95)には、厚み方向へ貫通する貫通孔が形成されている。この中間プレート(95)の貫通孔には、駆動軸(50)のうち第1偏心部(52)と第2偏心部(53)の間に位置する部分が挿通されている。
フロントヘッド(80)は、平板部(81)と筒状部(82)とを備えている。平板部(81)は、高段側シリンダ(70)側を向く面(図3における下面)が平坦面となった平板状の部材である。この平板部(81)の平坦面(同図における下面)は、高段側シリンダ(70)と密着している。筒状部(82)は、円筒状に形成されており、平板部(81)における高段側シリンダ(70)とは逆側の面に立設されている。フロントヘッド(80)には、筒状部(82)の軸方向へ延びる貫通孔が、筒状部(82)から平板部(81)に亘って形成されている。このフロントヘッド(80)の貫通孔には、駆動軸(50)のうち第2偏心部(53)よりも回転子(47)寄りの部分(図3における上側の部分)が挿通されている。この貫通孔の内周面は、駆動軸(50)の主軸部(51)の外周面と摺接する。そして、フロントヘッド(80)では、駆動軸(50)と摺接する部分が、駆動軸(50)を支持するジャーナル軸受である主軸受(83)となっている。
リアヘッド(90)は、低段側シリンダ(60)よりも更に肉厚の平板状の部材である。リアヘッド(90)は、その前面(図3における上面)が低段側シリンダ(60)と密着している。リアヘッド(90)には、厚み方向へ貫通する貫通孔が形成されている。このリアヘッド(90)の貫通孔には、駆動軸(50)のうち第1偏心部(52)よりも図3における下側の部分が挿通されている。この貫通孔の内周面は、駆動軸(50)の主軸部(51)の外周面と主鬱する。そして、リアヘッド(90)では、駆動軸(50)と摺接する部分が、駆動軸(50)を支持するジャーナル軸受である副軸受(91)となっている。
カバープレート(96)は、比較的薄肉の平板状の部材である。このカバープレート(96)は、リアヘッド(90)の背面(図3における下面)を覆うように設けられている。
低段側シリンダ(60)には、低段側ピストン(63)が収容されている。高段側シリンダ(70)には、高段側ピストン(73)が収容されている。図4にも示すように、各ピストン(63,73)は、両端が開口したやや厚肉の円筒状に形成されている。各ピストン(63,73)の肉厚(ピストン(63,73)の半径方向の幅)は、それぞれの一端から他端に亘って一定となっている。本実施形態では、低段側ピストン(63)の各端面の幅L(即ち、低段側ピストン(63)の径方向における端面の幅)と、高段側ピストン(73)の各端面の幅L(即ち、高段側ピストン(73)の径方向における端面の幅)とが等しくなっている(L=L)。なお、低段側ピストン(63)の端面の幅Lは低段側ピストン(63)の肉厚と等しく、高段側ピストン(73)の端面の幅Lは高段側ピストン(73)の肉厚と等しい。
各ピストン(63,73)の両端面(図3における上端面と下端面)は、互いに平行な平坦面となっている。低段側ピストン(63)は、その一端面(同図における上端面)が中間プレート(95)の背面と対向し、その他端面(同図における下端面)がリアヘッド(90)の前面と対面している。高段側ピストン(73)は、その一端面(同図における上端面)がフロントヘッド(80)の平板部(81)の平坦面と対向し、その他端面(同図における下端面)が中間プレート(95)の前面と対面している。
低段側ピストン(63)は、その内周面が第1偏心部(52)の外周面と全周に亘って摺接する。低段側ピストン(63)の外径は、低段側シリンダ(60)の内周面の直径よりも短くなっている。このため、低段側シリンダ(60)内では、低段側シリンダ(60)の内周面と低段側ピストン(63)の外周面との間に低段側圧縮室(66)が形成される。低段側圧縮室(66)は、低段側シリンダ(60)と、低段側ピストン(63)と、リアヘッド(90)と、中間プレート(95)とによって囲まれた閉空間である。低段側ピストン(63)の外周面は、その周方向の一箇所において低段側シリンダ(60)の内周面と摺接する。第1偏心部(52)に係合する低段側ピストン(63)は、その外周面が低段側シリンダ(60)の内周面と接する状態で偏心回転する。
高段側ピストン(73)は、その内周面が第2偏心部(53)の外周面と全周に亘って摺接する。高段側ピストン(73)の外径は、高段側シリンダ(70)の内周面の直径よりも短くなっている。このため、高段側シリンダ(70)内では、高段側シリンダ(70)の内周面と高段側ピストン(73)の外周面との間に高段側圧縮室(76)が形成される。高段側圧縮室(76)は、高段側シリンダ(70)と、高段側ピストン(73)と、フロントヘッド(80)と、中間プレート(95)とによって囲まれた閉空間である。高段側ピストン(73)の外周面は、その周方向の一箇所において高段側シリンダ(70)の内周面と摺接する。第2偏心部(53)に係合する高段側ピストン(73)は、その外周面が高段側シリンダ(70)の内周面と接する状態で偏心回転する。
低段側ピストン(63)の高さHP1は、低段側シリンダ(60)の厚さHC1よりも僅かに低くなっている。つまり、低段側ピストン(63)の高さHP1は、リアヘッド(90)の前面(図3における上面)から中間プレート(95)の背面(同図における下面)までの距離(=HC1)よりも短くなっている。高段側ピストン(73)の高さHP2は、高段側シリンダ(70)の厚さHC2よりも僅かに低くなっている。つまり、高段側ピストン(73)の高さHP2は、中間プレート(95)の前面(図3における上面)からフロントヘッド(80)の前面(同図における下面)からまでの距離(=HC2)よりも短くなっている。また、本実施形態の圧縮機構(40)では、低段側シリンダ(60)の厚さHC1と低段側ピストン(63)の高さHP1の差ΔHが、高段側シリンダ(70)の厚さHC2と高段側ピストン(73)の高さHP2の差ΔHよりも大きな値となっている(ΔH>ΔH)。
図4に示すように、低段側ピストン(63)と高段側ピストン(73)のそれぞれには、ブレード(64,74)が一体に形成されている。各ブレード(64,74)は、ピストン(63,73)の外周面から外側へ向かって延びる平板状に形成されている。低段側ピストン(63)と一体に形成されたブレード(64)は、その高さ(図4の紙面に垂直方向の長さ)が、低段側ピストン(63)の高さHP1と等しくなっている。高段側ピストン(73)と一体に形成されたブレード(74)は、その高さ(図4の紙面に垂直方向の長さ)が、高段側ピストン(73)の高さHP2と等しくなっている。
低段側シリンダ(60)と高段側シリンダ(70)のそれぞれには、ブレード(64,74)を挿入するためのブレード溝(61,71)が形成されている。ブレード溝(61,71)は、シリンダ(60,70)の内周面に開口してシリンダ(60,70)の高さ方向(図4の紙面に垂直方向)へ延びる凹溝であって、シリンダ(60,70)の一端面から他端面に亘って形成されている。各シリンダ(60,70)のブレード溝(61,71)には、ブレード(64,74)を支持するためのブッシュ(65,75)が挿入されている。
各シリンダ(60,70)には、ブッシュ(65,75)が二つずつ設けられている。低段側シリンダ(60)において、二つのブッシュ(65,65)は、ブレード(64)を両側から挟み込むように配置される。高段側シリンダ(70)において、二つのブッシュ(75,75)は、ブレード(74)を両側から挟み込むように配置されている。各ブッシュ(65,75)は、平坦面となった前面がブレード(64,74)の側面と摺接し、円弧面となった背面がシリンダ(60,70)と摺接する。そして、ブッシュ(65,75)がシリンダ(60,70)に対して回動自在となり、ブレード(64,74)がブッシュ(65,75)に対して進退自在となっている。
低段側シリンダ(60)内に形成された低段側圧縮室(66)は、低段側ピストン(63)と一体に形成されたブレード(64)によって、吸入側空間(67)と吐出側空間(68)に仕切られる。図4(A)では、ブレード(64)の右側が吸入側空間(67)となり、ブレード(64)の左側が吐出側空間(68)となっている。
低段側シリンダ(60)には、低段側吸入ポート(62)が形成されている。低段側吸入ポート(62)は、その終端が低段側シリンダ(60)の内周面に開口している。低段側シリンダ(60)の内周面における低段側吸入ポート(62)の開口位置は、図4(A)におけるブレード溝(61)の右側近傍の位置となっている。低段側吸入ポート(62)は、吸入側空間(67)に連通している。低段側吸入ポート(62)の始端には、吸入管(35)が接続されている。
低段側シリンダ(60)に隣接するリアヘッド(90)には、低段側吐出ポート(93)が形成されている。低段側吐出ポート(93)は、リアヘッド(90)の前面(図3における上面)に開口する円形断面の貫通孔である。リアヘッド(90)の前面における低段側吐出ポート(93)の開口位置は、図4(A)におけるブレード溝(61)の左側近傍で且つ吐出側空間(68)に面する位置となっている。
リアヘッド(90)には、その背面(図3における下面)に開口する凹溝が形成されている。このリアヘッド(90)に形成された凹溝は、カバープレート(96)で覆われることによって中間圧通路(92)を形成している。中間圧通路(92)の底面には、低段側吐出ポート(93)が開口すると共に、低段側吐出ポート(93)を開閉するための吐出弁(94)が取り付けられている。吐出弁(94)は、いわゆるリード弁である。中間圧通路(92)には、中間吐出管(37)の一端が開口している。
高段側シリンダ(70)内に形成された高段側圧縮室(76)は、高段側ピストン(73)と一体に形成されたブレード(74)によって、吸入側空間(77)と吐出側空間(78)に仕切られる。図4(B)では、ブレード(74)の右側が吸入側空間(77)となり、ブレード(74)の左側が吐出側空間(78)となっている。
高段側シリンダ(70)には、高段側吸入ポート(72)が形成されている。高段側吸入ポート(72)は、その終端が高段側シリンダ(70)の内周面に開口している。高段側シリンダ(70)の内周面における高段側吸入ポート(72)の開口位置は、図4(B)におけるブレード溝(71)の右側近傍の位置となっている。高段側吸入ポート(72)は、吸入側空間(77)に連通している。高段側吸入ポート(72)の始端には、中間吸入管(38)が接続されている。
高段側シリンダ(70)に隣接するフロントヘッド(80)の平板部(81)には、高段側吐出ポート(84)が形成されている。高段側吐出ポート(84)は、平板部(81)の前面(図3における下面)に開口する円形断面の貫通孔である。平板部(81)の前面における高段側吐出ポート(84)の開口位置は、図4(B)におけるブレード溝(71)の左側近傍で且つ吐出側空間(78)に面する位置となっている。
フロントヘッド(80)の平板部(81)には、その背面(図3における上面)に開口する凹陥部が形成されている。この平板部(81)に形成された凹陥部の底面には、高段側吐出ポート(84)が開口すると共に、高段側吐出ポート(84)を開閉するための吐出弁(85)が取り付けられている。吐出弁(85)は、いわゆるリード弁である。平板部(81)の背面には、凹陥部を覆うようにマフラー(86)が取り付けられている。マフラー(86)とフロントヘッド(80)の筒状部(82)との間には、高段側吐出ポート(84)から吐出された冷媒を通過させるための隙間が形成されている。
上述したように、圧縮機構(40)では、低段側シリンダ(60)と、低段側ピストン(63)と、リアヘッド(90)と、中間プレート(95)とによって低段側圧縮室(66)が形成され、低段側ピストン(63)と一体に形成されたブレード(64)によって低段側圧縮室(66)が吸入側空間(67)と吐出側空間(68)に仕切られている。そして、この圧縮機構(40)では、低段側シリンダ(60)、低段側ピストン(63)、リアヘッド(90)、中間プレート(95)、及びブレード(64)によって低段側圧縮機構(41)が形成されている。つまり、本実施形態の低段側圧縮機構(41)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ式流体機械である。
また、上述したように、圧縮機構(40)では、高段側シリンダ(70)と、高段側ピストン(73)と、フロントヘッド(80)と、中間プレート(95)とによって高段側圧縮室(76)が形成され、高段側ピストン(73)と一体に形成されたブレード(74)によって高段側圧縮室(76)が吸入側空間(77)と吐出側空間(78)に仕切られている。そして、この圧縮機構(40)では、高段側シリンダ(70)、高段側ピストン(73)、フロントヘッド(80)、中間プレート(95)、及びブレード(74)によって高段側圧縮機構(42)が形成されている。つまり、本実施形態の高段側圧縮機構(42)は、いわゆる揺動ピストン型のロータリ式流体機械である。
−運転動作−
〈空調機の動作〉
本実施形態の二段圧縮機(30)が設けられた空調機(10)は、冷房運転と暖房運転を選択的に実行する。冷房運転中や暖房運転中の空調機(10)において、冷媒回路(15)では、冷媒を循環させることによって冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(15)で行われる冷凍サイクルでは、その高圧が冷媒の臨界圧力よりも高い値に設定される。
空調機(10)の冷房運転について説明する。冷房運転時には、四方切換弁(20)が第1状態(図1に実線で示す状態)に設定され、第1膨張弁(25)及び第2膨張弁(26)の開度が適宜調節される。冷房運転時の冷媒回路(15)では、室外熱交換器(21)がガスクーラとして動作し、室内熱交換器(29)が蒸発器として動作する。
冷房運転時の冷媒回路(15)において、二段圧縮機(30)から吐出された冷媒は、四方切換弁(20)を通って室外熱交換器(21)へ流入し、室外空気へ放熱する。室外熱交換器(21)から流出した高圧冷媒は、ブリッジ回路(22)の第2逆止弁(22b)を通過して第1膨張弁(25)を流入する。冷媒は、第1膨張弁(25)を通過する際に減圧されて気液二相状態となり、その後に気液分離器(27)へ流入して液冷媒とガス冷媒に分離される。
気液分離器(27)の液冷媒は、第2膨張弁(26)を通過する際に更に減圧された後にブリッジ回路(22)の第4逆止弁(22d)を通過し、液側連絡配管(18)を通って室内熱交換器(29)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(29)において冷却された室内空気を室内へ供給する。室内熱交換器(29)から流出した低圧ガス冷媒は、ガス側連絡配管(19)と四方切換弁(20)を順に通過し、二段圧縮機(30)の低段側圧縮機構(41)へ吸入されて圧縮される。
一方、気液分離器(27)のガス冷媒は、ガスインジェクション用配管(28)を通って二段圧縮機(30)の接続用配管(39)へ導入され、低段側圧縮機構(41)において圧縮された中間圧のガス冷媒と共に高段側圧縮機構(42)へ吸入される。高段側圧縮機構(42)へ吸入された冷媒は、その臨界圧力よりも高い圧力にまで圧縮され、その後に二段圧縮機(30)から吐出される。
空調機(10)の暖房運転について説明する。暖房運転時には、四方切換弁(20)が第2状態(図1に破線で示す状態)に設定され、第1膨張弁(25)及び第2膨張弁(26)の開度が適宜調節される。暖房運転時の冷媒回路(15)では、室内熱交換器(29)がガスクーラとして動作し、室外熱交換器(21)が蒸発器として動作する。
暖房運転時の冷媒回路(15)において、二段圧縮機(30)から吐出された冷媒は、四方切換弁(20)とガス側連絡配管(19)を順に通って室内熱交換器(29)へ流入し、室内空気へ放熱する。室内ユニット(12)は、室内熱交換器(29)において加熱された室内空気を室内へ供給する。室内熱交換器(29)から流出した高圧冷媒は、液側連絡配管(18)とブリッジ回路(22)の第3逆止弁(22c)とを順に通過して第1逆止弁(22a)へ流入する。冷媒は、第1膨張弁(25)を通過する際に減圧されて気液二相状態となり、その後に気液分離器(27)へ流入して液冷媒とガス冷媒に分離される。
気液分離器(27)の液冷媒は、第2膨張弁(26)を通過する際に更に減圧された後にブリッジ回路(22)の第1逆止弁(22a)を通過して室外熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(29)から流出した低圧ガス冷媒は、四方切換弁(20)を通過して二段圧縮機(30)の低段側圧縮機構(41)へ吸入される。
一方、気液分離器(27)のガス冷媒は、ガスインジェクション用配管(28)を通って二段圧縮機(30)の接続用配管(39)へ導入され、低段側圧縮機構(41)において圧縮された中間圧のガス冷媒と共に高段側圧縮機構(42)へ吸入される。高段側圧縮機構(42)へ吸入された冷媒は、その臨界圧力よりも高い圧力にまで圧縮され、その後に二段圧縮機(30)から吐出される。
〈二段圧縮機の動作〉
二段圧縮機(30)の動作について、図2〜図4を参照しながら説明する。
吸入管(35)へ流入した低圧冷媒(例えば3〜4MPa程度の冷媒)は、低段側吸入ポート(62)を通って低段側圧縮室(66)へ吸入される。低段側圧縮機構(41)では、駆動軸(50)によって駆動された低段側ピストン(63)が低段側シリンダ(60)内において偏心回転し、低段側圧縮室(66)内の冷媒が圧縮される。低段側圧縮室(66)内において圧縮された冷媒は、低段側吐出ポート(93)を通って中間圧通路(92)へ吐出される。中間圧通路(92)へ流入した中間圧冷媒(例えば5〜6MPa程度の冷媒)は、中間吐出管(37)を通って接続用配管(39)へ流入し、ガスインジェクション用配管(28)から送り込まれた中間圧のガス冷媒と共に中間吸入管(38)へ流入する。
中間吸入管(38)へ流入した中間圧冷媒は、高段側吸入ポート(72)を通って高段側圧縮室(76)へ吸入される。高段側圧縮機構(42)では、駆動軸(50)によって駆動された高段側ピストン(73)が高段側シリンダ(70)内において偏心回転し、高段側圧縮室(76)内の冷媒が圧縮される。高段側圧縮室(76)内において圧縮された冷媒は、高段側吐出ポート(84)を通ってマフラー(86)の内側の空間へ吐出される。高段側圧縮機構(42)から吐出された超臨界状態の高圧冷媒(例えば10MPa程度の冷媒)は、ケーシング(31)の内部空間を通って吐出管(36)へ流入し、この吐出管(36)を通って二段圧縮機(30)から流出してゆく。
二段圧縮機(30)の運転中には、ケーシング(31)の底部に貯留された冷凍機油が、駆動軸(50)に形成された給油通路(54)に吸い上げられる。給油通路(54)へ流入した冷凍機油は、給油孔(55,56)を通って駆動軸(50)の外部へ流出し、圧縮機構(40)の摺動部分へ供給される。第1の給油孔(55)から流出した冷凍機油は、主軸部(51)と副軸受(91)の摺動部分や、第1偏心部(52)と低段側ピストン(63)の摺動面などに供給される。第2の給油孔(56)から流出した冷凍機油は、主軸部(51)と主軸受(83)の摺動部分や、第2偏心部(53)と高段側ピストン(73)の摺動面などに供給される。
二段圧縮機(30)の運転中において、中間プレート(95)では、低段側シリンダ(60)と接する背面に低段側圧縮室(66)の内圧が作用し、高段側シリンダ(70)と接する前面に高段側圧縮室(76)の内圧が作用する。このため、二段圧縮機(30)の運転中において、中間プレート(95)は、低段側シリンダ(60)側へ膨らむように変形する。
一方、本実施形態の圧縮機構(40)では、低段側シリンダ(60)の厚さHC1と低段側ピストン(63)の高さHP1の差ΔHが、高段側シリンダ(70)の厚さHC2と高段側ピストン(73)の高さHP2の差ΔHよりも大きな値となっている(図3を参照)。つまり、この圧縮機構(40)では、低段側ピストン(63)と中間プレート(95)のクリアランスが、高段側ピストン(73)と中間プレート(95)のクリアランスよりも広くなっている。このため、二段圧縮機(30)の運転中に中間プレート(95)が低段側圧縮機構(41)側へ膨らむように変形した状態でも、低段側圧縮機構(41)ではピストン(63)の端面と中間プレート(95)との間に隙間が確保され、低段側ピストン(63)と中間プレート(95)との接触が回避される。
−実施形態1の効果−
上述したように、本実施形態の圧縮機構(40)では、低段側ピストン(63)と中間プレート(95)のクリアランス(=ΔH)が、高段側ピストン(73)と中間プレート(95)のクリアランス(=ΔH)よりも広くなっている。このため、本実施形態によれば、二段圧縮機(30)の運転中に中間プレート(95)が低段側シリンダ(60)へ向かって膨らむように変形した状態においても、低段側ピストン(63)と中間プレート(95)の接触を未然に防ぐことができる。従って、本実施形態によれば、中間プレート(95)の厚みを増やさずに低段側ピストン(63)と中間プレート(95)との接触を未然に防ぎ、低段側ピストン(63)の摩耗や焼き付きといったトラブルを回避して二段圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の二段圧縮機(30)は、上記実施形態1の二段圧縮機(30)において、圧縮機構(40)の構成を変更したものである。
図5に示すように、本実施形態の圧縮機構(40)では、低段側ピストン(63)の各端面の幅Lが、高段側ピストン(73)の各端面の幅Lよりも長くなっている(L>L)。つまり、この圧縮機構(40)では、低段側ピストン(63)の肉厚が、上記実施形態1の場合よりも厚くなっている。また、この圧縮機構(40)では、低段側ピストン(63)の肉厚が増したことに伴って、第1偏心部(52)の外径が実施形態1よりも短くなっている。なお、本実施形態において、低段側ピストン(63)の外径と、主軸部(51)の軸心に対する第1偏心部(52)の偏心量とは、上記実施形態1と同じである。
ここで、圧縮機構(40)では、ピストン(63,73)と中間プレート(95)のクリアランスが広くなると、圧縮室(66,76)の気密性が低下し、圧縮機構(40)の効率低下を招くおそれがある。本実施形態の圧縮機構(40)では、上記実施形態1と同様に、低段側ピストン(63)と中間プレート(95)のクリアランスが、高段側ピストン(73)と中間プレート(95)のクリアランスよりも広くなっている。このため、低段側圧縮室(66)の気密性が低下し、圧縮機構(40)の効率低下を招くおそれがある。
それに対し、本実施形態では、低段側ピストン(63)の端面の幅Lが、上記高段側ピストン(73)の端面の幅Lよりも広くなっている。圧縮機構(40)では、ピストン(63,73)の端面の幅が広いほど、圧縮室(66,76)の気密性が高くなる。このため、本実施形態の圧縮機構(40)では、低段側ピストン(63)と中間プレート(95)とのクリアランスを広げることによって低下した低段側圧縮室(66)の気密性が、低段側ピストン(63)の端面の幅を広げることによって回復する。従って、本実施形態によれば、中間プレート(95)の変形に起因する低段側ピストン(63)の摩耗や焼き付きといったトラブルを回避しつつ、低段側圧縮室(66)の気密性を確保して圧縮機構(40)の効率低下を抑えることができる。
《その他の実施形態》
−第1変形例−
上記各実施形態の二段圧縮機(30)において、低段側圧縮機構(41)と高段側圧縮機構(42)は、ピストン(63,73)とブレード(64,74)が別体に形成されたローリングピストン型のロータリ式流体機械によって構成されていてもよい。その場合、ブレード(64,74)は、シリンダ(60,70)に対してシリンダ(60,70)の径方向へ進退自在に設置され、その先端がピストン(63,73)の外周面に押し当てられる。
−第2変形例−
上記各実施形態の二段圧縮機(30)は、低圧ドーム型や中間圧ドーム型に構成されていてもよい。
低圧ドーム型の二段圧縮機(30)では、低圧冷媒が吸入管(35)を通じてケーシング(31)の内部空間へ流入し、ケーシング(31)の内部空間から低段側圧縮機構(41)の低段側圧縮室(66)へ低圧冷媒が吸入される。また、低圧ドーム型の二段圧縮機(30)では、吐出管(36)が高段側圧縮機構(42)に対して直接に接続される。
中間圧ドーム型の二段圧縮機(30)では、低段側圧縮機構(41)の低段側圧縮室(66)において圧縮された冷媒(即ち、中間圧冷媒)がケーシング(31)の内部空間へ吐出され、ケーシング(31)の内部空間から高段側圧縮機構(42)の高段側圧縮室(76)へ中間圧冷媒が吸入される。また、中間圧ドーム型の二段圧縮機(30)では、吐出管(36)が高段側圧縮機構(42)に対して直接に接続される。
−第3変形例−
上記各実施形態の二段圧縮機(30)では、ケーシング(31)が横長円筒形の密閉容器状に形成され、そのケーシング(31)の長手方向に沿うように駆動軸(50)が配置されていてもよい。この場合、ケーシング(31)の内部空間では、電動機(45)と圧縮機構(40)が、駆動軸(50)の軸心方向に沿って左右に並んで配置される。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、一本の駆動軸に係合する低段側圧縮機構及び高段側圧縮機構を備える二段圧縮機について有用である。
二段圧縮機が設けられた空調機の概略構成を示す冷媒回路図である。 実施形態1の二段圧縮機を示す縦断面図である。 実施形態1の圧縮機構を拡大して示す縦断面図である。 実施形態1の圧縮機構を示す横断面図であって、(A)は低段側圧縮機構を示し、(B)は高段側圧縮機構を示す。 実施形態2の圧縮機構を示す横断面図であって、(A)は低段側圧縮機構を示し、(B)は高段側圧縮機構を示す。
符号の説明
30 二段圧縮機
41 低段側圧縮機構
42 高段側圧縮機構
50 駆動軸
60 低段側シリンダ
63 低段側ピストン
64 ブレード
66 低段側圧縮室
70 高段側シリンダ
73 高段側ピストン
74 ブレード
76 高段側圧縮室
95 中間プレート(中間仕切部材)

Claims (2)

  1. 低段側圧縮機構(41)と、高段側圧縮機構(42)と、上記低段側圧縮機構(41)と上記高段側圧縮機構(42)の両方に係合する駆動軸(50)とを備え、上記低段側圧縮機構(41)において圧縮された流体を上記高段側圧縮機構(42)において更に圧縮する二段圧縮機であって、
    上記低段側圧縮機構(41)と上記高段側圧縮機構(42)のそれぞれは、シリンダ(60,70)と、該シリンダ(60,70)内に収容されて偏心回転するピストン(63,73)と、上記シリンダ(60,70)の内周面と上記ピストン(63,73)の外周面との間に形成された圧縮室(66,76)を吸入側と吐出側に区画するためのブレード(64,74)とを備えるロータリ式流体機械であり、
    上記低段側圧縮機構(41)のシリンダ(60)と上記高段側圧縮機構(42)のシリンダ(70)との間には、前面が上記低段側圧縮機構(41)の圧縮室(66)に臨み且つ背面が上記高段側圧縮機構(42)の圧縮室(76)に臨む中間仕切部材(95)が挟み込まれており、
    上記低段側圧縮機構(41)におけるシリンダ(60)とピストン(63)の高さの差が、上記高段側圧縮機構(42)におけるシリンダ(70)とピストン(73)の高さの差よりも大きくなっている
    ことを特徴とする二段圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記低段側圧縮機構(41)のピストン(63)の端面の幅が、上記高段側圧縮機構(42)のピストン(73)の端面の幅よりも広くなっている
    ことを特徴とする二段圧縮機。
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