JP2010090248A - 多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物及びシリコン含有膜並びにパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本シリコン含有膜形成用組成物は、下記一般式(1)で表される化合物(a1)、下記一般式(2)で表される化合物(a2)、及び下記一般式(3)で表される化合物(a3)に由来する重合体(A)と、溶剤(B)と、を含有する。
〔式中、各R1はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を示し、各R2は1価の有機基を示し、R3は水素原子、フッ素原子又は1価の有機基を示し、各R4は1価の有機基を示す。〕
【選択図】なし
Description
しかしながら、回路基板における半導体素子等の高集積化が進むにつれて、露光工程において光マスクのパターンを正確にレジスト膜に転写することが困難となり、例えば、基板に対する微細加工プロセスにおいて、レジスト膜中に形成される光の定在波の影響により、形成されるパターンの寸法に誤差(狂い)が生じることがある。このような定在波の影響を軽減するために、レジスト膜と基板表面との間に反射防止膜が形成されている。
[1]下記一般式(1)で表される化合物(a1)、下記一般式(2)で表される化合物(a2)、及び下記一般式(3)で表される化合物(a3)に由来する重合体(A)と、溶剤(B)と、を含有することを特徴とする多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[2]前記化合物(a1)のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、500〜2000である前記[1]に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[3]前記一般式(3)で表される化合物(a3)の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方からなる重合体(C)を、更に含有する前記[1]又は[2]に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[4]前記重合体(A)に用いられる前記化合物(a1)、前記化合物(a2)及び前記化合物(a3)の合計を100質量%とした場合、前記化合物(a1)の配合割合が10〜30質量%であり、前記化合物(a2)の配合割合が60〜89質量%であり、前記化合物(a3)の配合割合が1〜10質量%である前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[5]前記重合体(A)が、前記化合物(a1)、前記化合物(a2)、及び前記化合物(a3)を加水分解縮合させて得られたものである前記[1]乃至[4]のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
[6]前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を用いて得られることを特徴とするシリコン含有膜。
[7](1)前記[1]乃至[5]のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程と、
(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程と、
(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程と、
(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
(5)前記レジストパターンをマスクとして、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするパターン形成方法。
[1]多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物
本発明の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物(以下、単に「シリコン含有膜形成用組成物」ともいう。)は、下記一般式(1)で表される化合物(a1)、下記一般式(2)で表される化合物(a2)、及び下記一般式(3)で表される化合物(a3)に由来する重合体(A)と、溶剤(B)と、を含有する。
前記一般式(1)におけるR1は炭素数1〜4のアルキル基であり、直鎖状であっても、分岐状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等を挙げることができる。これらのなかでも、メチル基、エチル基が好ましい。尚、各R1は全て同一であってもよいし、全て又は一部が異なっていてもよい。
尚、これらの化合物(a1)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基が好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、γ−アミノプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−トリフロロプロピル基等が挙げられる。尚、これらのアルキル基は、1又は2以上の水素原子がフッ素原子等に置換されていてもよい。
また、前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基等が挙げられる。
尚、これらの1価の有機基のなかでも、アルキル基、フェニル基が好ましい。
尚、これらの化合物(a2)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、この一般式(3)におけるR3及びR4の1価の有機基については、それぞれ、前記一般式(2)におけるR2の説明をそのまま適用することができる。
尚、これらの化合物(a3)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、化合物(a2)に由来する構成単位の含有割合は、2〜98モル%であることが好ましく、より好ましくは10〜90モル%、更に好ましくは20〜70モル%である。化合物(a2)に由来する構造単位が上記範囲内にあることで、エッチング耐性に優れたシリコン含有膜を得ることができる。
更に、化合物(a3)に由来する構成単位の含有割合は、1〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは2〜8モル%、更に好ましくは3〜7モル%である。化合物(a3)に由来する構造単位が上記範囲内にあることで、レジストパターンとの密着性に優れたシリコン含有膜を得ることができる。
尚、このような各構成単位の含有割合は、例えば、29Si−NMRスペクトルの解析結果や、後述の重量平均分子量から推定することができる。
尚、重合体(A)を調製する際においては、(1)前記化合物(a1)、(a2)及び(a3)の混合物を加水分解縮合反応させてもよいし、(2)各化合物の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方や、選択された化合物の混合物の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方を用いて、加水分解縮合反応又は縮合反応させてもよい。
また、前記化合物(a2)の配合割合は、60〜89質量%であることが好ましく、より好ましくは65〜80質量%、更に好ましくは70〜85質量%である。
更に、前記化合物(a3)の配合割合は、1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜8質量%、更に好ましくは5〜7質量%である。
前記金属キレート化合物としては、例えば、例えば、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、
また、前記無機酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等が挙げられる。
また、前記無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応副生成物の除去処理の方法としては、加水分解物又はその縮合物の反応が進行しない方法であれば特に限定されず、例えば、反応副生成物の沸点が前記有機溶剤の沸点より低いものである場合には、減圧によって留去することができる。
前記溶剤(B)としては、例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンセン、i−プロピルベンセン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、ヘプタノール−3、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、2,6−ジメチルヘプタノール−4、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール等のモノアルコール系溶媒;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、ヘキサンジオール−2,5、ヘプタンジオール−2,4、2−エチルヘキサンジオール−1,3、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール系溶媒;
これらの溶剤(B)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のシリコン含有膜形成用組成物には、レジストパターン密着性を向上させるという観点から、前記一般式(3)で表される化合物(a3)の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方からなる重合体(C)が、更に含有されていてもよい。
尚、化合物(a3)については、前述の説明をそのまま適用することができる。
(4−1)酸発生化合物
本発明のシリコン含有膜形成用組成物には、前記ポリシロキサン及び溶剤以外に、紫外光の照射及び/又は加熱により酸を発生する酸発生化合物(以下、単に「酸発生剤」ともいう。)が含まれていてもよい。
このような酸発生剤を含有する場合には、レジストを露光することにより、又は露光後に加熱することにより、シリコン含有膜中に酸が発生し、該シリコン含有膜とレジスト膜との界面に酸が供給される。その結果、レジスト膜のアルカリ現像処理において、解像度及び再現性に優れたレジストパターンを形成することができる。
前記酸発生剤としては、加熱処理を行うことによって酸を発生する化合物(以下「潜在性熱酸発生剤」ともいう。)及び紫外光照射処理を行うことによって酸を発生する化合物(以下「潜在性光酸発生剤」ともいう。)が挙げられる。
この潜在性熱酸発生剤としては、例えば、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。
前記スルホニウム塩の具体例としては、4−アセトフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−3−クロロ−4−アセトキシフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート等のアルキルスルホニウム塩;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−2−メチル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート等のベンジルスルホニウム塩;
更に、前記以外の熱酸発生剤として、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノンを挙げることもできる。
この光酸発生剤としては、例えば、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムナフタレンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロn−ブタンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンゼンメチルスルホニウムトルエンスルホネート、シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、
尚、これらの酸発生剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のシリコン含有膜形成用組成物には、形成される塗膜の均一性及び保存安定性の向上を図るため、β−ジケトンが含まれていてもよい。
前記β−ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオン等が挙げられる。これらのβ−ジケトンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のシリコン含有膜形成用組成物には、更に、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
前記コロイド状シリカは、高純度の無水ケイ酸を親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30mμ、好ましくは10〜20mμ、固形分濃度が10〜40質量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾル、イソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカル等が挙げられる。これらのコロイド状シリカは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記コロイド状アルミナとしては、例えば、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132等が挙げられる。これらのコロイド状アルミナは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のシリコン含有膜形成用組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、(1)前記重合体(A)と、前記溶媒(B)と、必要に応じて前記重合体(C)や前記他の添加剤と、を混合することにより得ることができる。
また、本発明のシリコン含有膜形成用組成物において、樹脂分の固形分濃度は特に限定されないが、1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15質量%である。
本発明のシリコン含有膜形成用組成物は、例えば、反射防止膜の表面に塗布することにより、この組成物の塗膜を形成し、この塗膜を加熱処理することにより、或いは、潜在性光酸発生剤を含有する場合には、紫外光の照射及び加熱処理を行うことにより、シリコン含有膜(レジスト下層膜)を形成することができる。
本発明のシリコン含有膜形成用組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法等を利用することができる。また、形成される塗膜の加熱温度は、通常50〜450℃であり、加熱処理後の膜厚は、通常10〜200nmである。
前記のようにして形成されたシリコン含有膜は、他のレジスト下層膜やレジスト膜との密着性が高く、レジスト現像液及びレジストを除去するための酸素アッシングに対して耐性を有し、再現性の高いレジストパターンが得られる。
本発明のパターン形成方法は、(1)多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程〔以下、単に「工程(1)」という。〕と、(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程〔以下、単に「工程(2)」という。〕と、(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程〔以下、単に「工程(3)」という。〕と、(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程〔以下、単に「工程(4)」という。〕と、(5)前記レジストパターンをマスク(エッチングマスク)として、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程〔以下、単に「工程(5)」という。〕と、を備える。
本発明のパターン形成方法によれば、ドライエッチングプロセスにおいて、被加工基板にレジストパターンを再現性よく忠実に転写することができる。
前記工程(1)では、前述のシリコン含有膜形成用組成物を用いて、被加工基板上にシリコン含有膜を形成する。これにより、被加工基板上にシリコン含有膜が形成されたシリコン含有膜付き基板を得ることができる。
このレジスト下層膜は、レジストパターン形成において、シリコン含有膜及び/又はレジスト被膜が有する機能を更に補ったり、これらが有していない機能を得るために、必要とされる所定の機能(例えば、反射防止機能、塗布膜平坦性、CF4等のフッ素系ガスに対する高エッチング耐性)が付与された膜のことである。
この露光に用いられる放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、γ線、分子線、イオンビーム等が挙げられる。
また、塗膜を加熱する際の温度は、特に限定されないが、90〜550℃であることが好ましく、より好ましくは90〜450℃、更に好ましくは90〜300℃である。
シリコン含有膜形成用組成物を塗布する方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ディップ法等を利用することができる。
また、形成される塗膜の加熱温度は、通常50〜450℃であり、加熱処理後の膜厚は、通常10〜200nmである。
前記工程(2)では、レジスト組成物を用いて、工程(1)にて得られたシリコン含有膜上にレジスト被膜を形成する。
この工程(2)にて用いられるレジスト組成物としては、例えば、光酸発生剤を含有するポジ型又はネガ型の化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とからなるポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とからなるネガ型レジスト組成物等を好適例として挙げることができる。
また、レジスト組成物としては、孔径0.2μm程度のフィルターを用いてろ過したものを好適に用いることができる。尚、本発明のパターン形成方法においては、このようなレジスト組成物として、市販品のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
プレベークする際の温度は、使用するレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、30〜200℃であることが好ましく、より好ましくは50〜150℃である。
前記工程(3)では、工程(2)において得られたレジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射してレジスト被膜を露光する。
また、露光する方法についても特に制限はなく、従来公知のパターン形成において行われる方法に準じて行うことができる。
前記工程(4)では、工程(3)において露光したレジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する。
前記工程(5)では、工程(4)にて形成したレジストパターンをマスク(エッチングマスク)として、シリコン含有膜及び被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する。尚、レジスト下層膜が形成された被加工基板を用いた場合には、シリコン含有膜及び被加工基板と共にレジスト下層膜もドライエッチングする。
また、ドライエッチング時のソースガスとしては、被エッチ膜の元素組成にもよるが、O2、CO、CO2等の酸素原子を含むガス、He、N2、Ar等の不活性ガス、Cl2、BCl4等の塩素系ガス、H2、NH4のガス等を使用することができる。尚、これらのガスは混合して用いることもできる。
合成例1[重合体(A−1)]
シュウ酸0.22gを水10.8gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、重量平均分子量(Mw)が830のジメトキシポリカルボシラン1.30g(25質量%)、フェニルトリメトキシシラン0.50g(5質量%)、テトラメトキシシラン5.33g(70質量%)、及びプロピレングリコール−1−エチルエーテル26.75gを入れたフラスコに、冷却管と、上述のように調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して、重合体溶液29.4gを得た。この重合体溶液中における固形分を重合体(A−1)とする。尚、この重合体(A−1)の重量平均分子量(Mw)は1200であった。
<重量平均分子量(Mw)の測定>
東ソー社製のGPCカラム(商品名「G2000HXL」2本、商品名「G3000HXL」1本、商品名「G4000HXL」1本)を使用し、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
シュウ酸0.22gを水10.8gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、重量平均分子量(Mw)が600のジメトキシポリカルボシラン1.30g(25質量%)、フェニルトリメトキシシラン0.50g(5質量%)、テトラメトキシシラン5.33g(70質量%)、及びプロピレングリコール−1−エチルエーテル26.75gを入れたフラスコに、冷却管と、上述のように調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して、重合体溶液29.4gを得た。この重合体溶液中における固形分を重合体(A−2)とする。尚、この重合体(A−2)の重量平均分子量(Mw)は1300であった。
シュウ酸0.22gを水10.8gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。その後、重量平均分子量(Mw)が600のジメトキシポリカルボシラン1.56g(30質量%)、フェニルトリメトキシシラン0.26g(5質量%)、テトラメトキシシラン3.38g(65質量%)、及びプロピレングリコール−1−エチルエーテル26.75gを入れたフラスコに、冷却管と、上述のように調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したメタノールを除去して、重合体溶液29.4gを得た。この重合体溶液中における固形分を重合体(A−3)とする。尚、この重合体(A−3)の重量平均分子量(Mw)は1000であった。
合成例4[重合体(AR−1)]
テトラメトキシシラン162.35g(83質量%)、メチルトリメトキシラン32.50g(17質量%)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル467.45gを1Lのフラスコに入れて溶解させ、得られた混合溶液をマグネチックスターラにより撹拌しながら60℃に加温した。次いで、イオン交換水134.52gにマレイン酸3.17gを溶解させた水溶液を、混合溶液に1時間かけて連続的に添加した。その後、60℃で4時間反応させた後、得られた反応液を室温まで冷却した。次いで、反応副生成物であるメタノール159.26gを反応液から減圧留去し、重合体溶液を得た。この重合体溶液中における固形分を重合体(AR−1)とする。尚、この重合体(AR−1)の重量平均分子量(Mw)は2500であった。
合成例5[重合体(C−1)]
メチルトリメトキシシラン42.4gをプロピレングリコールモノプロピルエーテル40.0gに溶解させた後、スリーワンモーターで攪拌させ、溶液温度を60℃に安定させた。次いで、マレイン酸0.9gを溶解させたイオン交換水18.7gを1時間かけて溶液に添加した。その後、60℃で2時間反応させた後、反応液を室温まで冷却した。次いで、プロピレングリコールモノプロピルエーテルを59.9g加えた後、50℃で反応液からメタノールを含む溶液59.9gをエバポレーションで除去して重合体溶液80.3gを得た。この重合体溶液中における固形分を重合体(C−1)とする。尚、この重合体(C−1)の重量平均分子量(Mw)は3000であった。
前述の各合成例で得られた重合体(A)[重合体(A−1)〜(A−3)、(AR−1)]、重合体(C)[重合体(C−1)]と、溶剤(B)(乳酸エチル)とを用いて、下記のように、実施例1〜4及び比較例1の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を調製した。
重合体(A−1)100部を、乳酸エチル540部に溶解させ、得られた溶液を孔径が0.2μmのメンブランフィルターにて濾過することにより、実施例1の多層レジストプロセス用シリコン含有層膜形成用組成物を得た。尚、各成分の配合割合を表1に示す。
表1に示す割合で各成分を用いる以外は実施例1と同じ要領にて、実施例2〜4及び比較例1の多層レジストプロセス用シリコン含有層膜形成用組成物を得た。
前述のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1の各シリコン含有膜形成用組成物について、以下の各種評価を行った。それらの結果を表2に示す。
シリコンウェハー上に反射防止膜(JSR製、「NFC CT08」)を塗布し、190℃のホットプレート上で1分間乾燥させ、厚さ300nmの反射防止膜を形成した。次いで、各シリコン含有層膜形成用組成物をスピンコート法にて塗布し、200℃で60秒間焼成した後、更に300℃で60秒間焼成して、膜厚45nmのシリコン含有層膜を形成した。その後、シリコン含有膜(レジスト下層膜)上にレジスト(JSR製、「AIM5056JN」)を塗布し、100℃で1分間乾燥させた。次いで、石英製マスクを通してArF線照射を行った。その後、115℃で90秒間焼成した後、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で1分間現像し、75nmのライン・アンド・スペースのレジストパターンを得た。
そして、レジストパターンのボトム形状について、SEM(日立ハイテクフィールディング社製、商品名「S−4800」)を用いて、倍率15万倍、目視にて評価を行った。尚、評価基準は、以下の通りである。
○:裾引きが観察されず、矩形のレジストパターンを有する場合
×:裾引きが観察され、矩形のレジストパターンを有さない場合
シリコンウェハー上に、各シリコン含有層膜形成用組成物をスピンコート法にて塗布し、200℃で60秒間焼成した後、更に300℃で60秒間焼成して、膜厚45nmのシリコン含有層膜を形成した。その後、シリコン含有膜(レジスト下層膜)上にレジスト(JSR製、「AIM5056JN」)を塗布し、100℃で1分間乾燥させ、得られたレジストの膜厚を膜厚計(大日本スクリーン社製、商品名「VM2010」)にて測定した。次いで、ノンパターンの石英製マスクを通してArF線照射を行った。その後、115℃で90秒間焼成した後、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液で1分間現像した。現像後のレジストの膜厚を前記膜厚計にて測定した。
そして、露光前のレジストの膜厚と、露光・現像後のレジストの膜厚との差を、レジスト残りとして、評価した。
Claims (7)
- 前記化合物(a1)のゲルパーミエーションカラムクロマトグラフィーにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、500〜2000である請求項1に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
- 前記一般式(3)で表される化合物(a3)の加水分解物及びその縮合物のうちの少なくとも一方からなる重合体(C)を、更に含有する請求項1又は2に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
- 前記重合体(A)に用いられる前記化合物(a1)、前記化合物(a2)及び前記化合物(a3)の合計を100質量%とした場合、前記化合物(a1)の配合割合が10〜30質量%であり、前記化合物(a2)の配合割合が60〜89質量%であり、前記化合物(a3)の配合割合が1〜10質量%である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
- 前記重合体(A)が、前記化合物(a1)、前記化合物(a2)、及び前記化合物(a3)を加水分解縮合させて得られたものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を用いて得られることを特徴とするシリコン含有膜。
- (1)請求項1乃至5のいずれかに記載の多層レジストプロセス用シリコン含有膜形成用組成物を被加工基板上に塗布してシリコン含有膜を形成する工程と、
(2)得られた前記シリコン含有膜上に、レジスト組成物を塗布してレジスト被膜を形成する工程と、
(3)得られた前記レジスト被膜に、フォトマスクを透過させることにより選択的に放射線を照射して前記レジスト被膜を露光する工程と、
(4)露光した前記レジスト被膜を現像して、レジストパターンを形成する工程と、
(5)前記レジストパターンをマスクとして、前記シリコン含有膜及び前記被加工基板をドライエッチングしてパターンを形成する工程と、を備えることを特徴とするパターン形成方法。
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