JP2010089751A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成にて、車両毎の個体差を生じさせることなく、一様に直進走行時におけるステアリング特性の向上を図ることのできる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ヨーレイトF/B制御部28には、目標ヨーレイトγ*とヨーレイトγとの偏差Δγについて、その位相を遅らせるべく位相調整を実行する位相調整演算部33が設けられる。
【選択図】図2
【解決手段】ヨーレイトF/B制御部28には、目標ヨーレイトγ*とヨーレイトγとの偏差Δγについて、その位相を遅らせるべく位相調整を実行する位相調整演算部33が設けられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
近年、車両用パワーステアリング装置として、モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置(EPS)が広く採用されるようになっている。また、このようなEPSでは、そのステアリング特性の向上を図るべく種々の補償制御を実行するのが一般的となっている。そして、その中には、ステアリング操作により入力される操舵トルクに応じたヨーレイトを発生させるための補償成分を演算するものがある(例えば、特許文献1参照)。
即ち、ステアリング操作により生ずる車両の挙動には、その摩擦や慣性等の影響により車輌毎にバラツキがある。また、走行路面の傾斜(所謂カント路走行時)や横風の影響、或いはホイールアライメントのずれ等により生ずる車両の偏向を抑えるために、直進状態であるにも関わらず操舵トルクの入力が必要となる場合もある。
しかしながら、操舵トルクに基づく目標ヨーレイトに実際のヨーレイトを追従させるべくフィードバック制御の実行により上記補償成分を演算することで、このような問題は解消することができる。即ち、例えば、上記のような直進走行を維持するための操舵トルクは、当該ヨーレイトフィードバック制御の実行により当該入力される操舵トルクと発生するヨーレイトとの関係が適切化される過程において徐々に過剰となる。そして、運転者がステアリングを中立方向に戻すことでゼロとなる。その結果、長時間にわたる傾斜路面走行時等における運転者の負担を軽減することができるようになる。
ところが、上記のように、原理的には、ステアリング特性を安定化させるはずのヨーレイトフィードバック制御ではあるが、場合によっては、かえってその車両姿勢を乱す結果となる可能性もある。即ち、現実には、ステアリング操作(操舵トルク)の入力に対し、そのステアリング操作に応じたヨーレイトが発生するまでには少なからずタイムラグが存在する。つまり、その間、目標ヨーレイトと実際のヨーレイトとの間に偏差が発生することになり、とりわけ、入力される操舵トルクが微小で応答遅れの発生しやすい直進走行時には、その影響によって、車両姿勢がふらつくおそれがある。
そこで、上記特許文献1のEPSでは、その目標ヨーレイトの演算時、当該目標ヨーレイトの位相を遅らせる位相調整が行なわれている。そして、これにより、その目標ヨーレイトの立ち上がりを緩やかなものとして、上記のような応答遅れに起因する安定性の低下を抑制する構成となっている。
特開2003−137126号公報
しかしながら、上記従来技術のように、目標ヨーレイトについて、その位相調整を行なう構成では、個々の車両毎に、その得られる効果にバラツキが生ずるという問題がある。即ち、上記のように、ステアリング操作により生ずる車両の挙動には、その摩擦や慣性等に起因する各車輌毎のバラツキがある。つまり、目標ヨーレイトについて最適な位相調整をしたとしても、実際のヨーレイトの立ち上がり方に個体差があるため、その偏差を基礎として演算される補償成分もまた、一様な値とはならない。そして、この課題を解消するためには、個々の車両毎に、その位相調整の最適化を図らなければならないという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、簡素な構成にて、車両毎の個体差を生じさせることなく、一様に直進走行時におけるステアリング特性の向上を図ることのできる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、アシスト力目標値に基づき前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段により演算される前記アシスト力目標値は、前記ステアリング操作により入力される操舵トルクに応じたヨーレイトを発生させるための補償成分を含み、該補償成分は、前記操舵トルクに基づき演算される目標ヨーレイトと実際のヨーレイトとの偏差に基づくフィードバック制御の実行により演算される電動パワーステアリング装置であって、前記制御手段は、前記フィードバック制御の基礎となる前記偏差について、その位相を遅らせる位相調整を行なうこと、を要旨とする。
即ち、上記構成のように、ヨーレイトフィードバック制御の基礎となる偏差について位相調整を行なうことで、実際のヨーレイトの立ち上がり方に車両毎の個体差があったとしても、その車両挙動に対して一様な値の補償成分を演算することができる。その結果、簡素な構成にて、個々の車両毎に位相調整の最適化を行なわなくとも、その個体差を生じさせることなく、一様に直進走行時におけるステアリング特性の向上を図ることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、車両の直進状態を判定する判定手段を備え、前記制御手段は、前記判定手段により車両が直進状態にあると判定された場合に、前記位相調整を行なうこと、を要旨とする。
即ち、応答遅れに起因する安定性の低下は、入力される操舵トルクが微小で応答遅れの発生しやすい直進走行時において特に顕著となり、車両毎のバラツキの影響もまた、このような場合に顕在化しやすい傾向がある。しかしながら、ヨーレイト変動が大きな通常走行時には、こうした個体差の影響は相対的に小さくなる。従って、上記構成のように、直進走行時にのみ位相補償を行なうことで、そのヨーレイトフィードバック制御を最適化することができる。その結果、より効果的に直進走行時におけるステアリング特性の向上を図ることができるようになる。
本発明によれば、簡素な構成にて、車両毎の個体差を生じさせることなく、一様に直進走行時におけるステアリング特性の向上を図ることが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により転舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
図1は、本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により転舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置としてのEPSアクチュエータ10と、該EPSアクチュエータ10の作動を制御する制御手段としてのECU11とを備えて構成される。
本実施形態のEPSアクチュエータ10は、その駆動源であるモータ12がラック5と同軸に配置された所謂ラックアシスト型のEPSアクチュエータであり、モータ12が発生するモータトルクは、ボール螺子機構(図示略)を介してラック5に伝達される。尚、本実施形態のモータ12は、ブラシレスモータであり、ECU11から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。
一方、ECU11には、トルクセンサ14、車速センサ15、及びヨーレイトセンサ16等、各種の状態量を検出するための複数のセンサが接続されており、同ECU11は、これらの各センサにより検出された状態量、即ち操舵トルクτ、車速V、及びヨーレイトγ等に基づいてアシスト力目標値(目標アシスト力)を演算する。そして、ECU11は、その演算された目標アシスト力をEPSアクチュエータ10に発生させるべく、駆動源であるモータ12への駆動電力の供給を通じて、該EPSアクチュエータ10の作動、即ち操舵系に付与するアシスト力を制御する。
次に、本実施形態のEPSにおけるアシスト制御の態様について説明する。
図2に示すように、ECU11は、モータ制御信号を出力するマイコン21と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ12に駆動電力を供給する駆動回路22とを備えている。
図2に示すように、ECU11は、モータ制御信号を出力するマイコン21と、そのモータ制御信号に基づいて、EPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ12に駆動電力を供給する駆動回路22とを備えている。
本実施形態では、ECU11には、モータ12に通電される実電流値Iを検出するための電流センサ23、及びモータ12の回転角θを検出するための回転角センサ24が接続されている。そして、マイコン21は、これら各センサの出力信号に基づき検出されたモータ12の実電流値I及び回転角θ(回転角速度ω)、並びに上記操舵トルクτ、車速V、及びヨーレイトγに基づいて、駆動回路22にモータ制御信号を出力する。
尚、以下に示すマイコン21内の各制御ブロックは、同マイコン21の実行するコンピュータプログラムにより実現されるものである。そして、マイコン21は、所定のサンプリング周期で上記各状態量を検出し、所定周期毎に以下の各制御ブロックに示される各演算処理を実行することにより、モータ制御信号を生成する。
詳述すると、マイコン21は、EPSアクチュエータ10に発生させるべきアシスト力目標値(目標アシスト力)に対応した電流指令値Iq*を演算する電流指令値演算部25と、電流指令値演算部25により算出された電流指令値Iq*に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部26とを備えている。
本実施形態の電流指令値演算部25は、目標アシスト力の基礎的制御成分である基本アシスト制御量Ias*を演算する基本アシスト制御部27を備えている。本実施形態では、この基本アシスト制御部27には、操舵トルクτ及び車速Vが入力されるようになっている。そして、基本アシスト制御部27は、これら操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、その操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きな基本アシスト制御量Ias*を演算する。
また、本実施形態の電流指令値演算部25は、ステアリング操作により入力される操舵トルクτに応じたヨーレイトγを発生させるための補償成分を演算する。そして、その補償成分を基礎成分である上記基本アシスト制御量Ias*に重畳することにより、アシスト力目標値としての電流指令値Iq*を演算する。
詳述すると、電流指令値演算部25は、操舵トルクτに応じたヨーレイトγを示す値として演算される目標ヨーレイトγ*に、上記ヨーレイトセンサ16により検出される実際のヨーレイトγを追従させるべくフィードバック制御を実行することにより、上記補償成分としてヨーレイトF/B制御量Iyr*を演算するヨーレイトF/B制御部28を備えている。
本実施形態では、ヨーレイトF/B制御部28には、ヨーレイトγとともに、操舵トルクτが入力されるとともに、その操舵トルクτに基づいて目標ヨーレイトγ*を演算する目標ヨーレイト演算部29が設けられている。具体的には、本実施形態の目標ヨーレイト演算部29は、図3に示すように、入力される操舵トルクτが大きいほど、より大きな目標ヨーレイトγ*を演算する。
目標ヨーレイト演算部29により演算された目標ヨーレイトγ*は、上記ヨーレイトセンサ16により検出される実際のヨーレイトγとともに減算器30に入力される。そして、この減算器30において演算される目標ヨーレイトγ*と実際のヨーレイトγとの偏差Δγ(後述する位相調整演算部33により位相調整が施された後のΔγ´)に基づいて、上記のようなヨーレイトフィードバック制御が実行される。
具体的には、ヨーレイトF/B制御部28に設けられたF/B演算部31は、この減算器30において演算された偏差Δγ(Δγ´)に所定のゲイン(比例・積分ゲイン)を乗ずることにより、そのフィードバック制御演算を実行する。そして、ヨーレイトF/B制御部28は、当該F/B演算部31におけるフィードバック制御演算により得られる値をヨーレイトF/B制御量Iyr*として出力する。
基本アシスト制御部27において演算された基礎成分としての基本アシスト制御量Ias*、及びヨーレイトF/B制御部28において演算された補償成分としてのヨーレイトF/B制御量Iyr*は、加算器32に入力される。そして、電流指令値演算部25は、この加算器32においてこれらを重畳することにより得られる値を、アシスト力目標値(目標アシスト力)に相当する電流指令値Iq*として、モータ制御信号出力部26に出力する構成となっている。
モータ制御信号出力部26には、電流指令値演算部25が出力する電流指令値Iq*とともに、電流センサ23により検出された実電流値I、及び回転角センサ24により検出された回転角θが入力される。そして、モータ制御信号出力部26は、目標アシスト力に対応する電流指令値Iq*に実電流値Iを追従させるべくフィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を演算する。
具体的には、本実施形態では、モータ制御信号出力部26は、実電流値Iとして検出されたモータ12の相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q座標系のd,q軸電流値に変換(d/q変換)することにより、上記電流フィードバック制御を行う。
即ち、電流指令値Iq*は、q軸電流指令値としてモータ制御信号出力部26に入力され、モータ制御信号出力部26は、回転角センサ24により検出された回転角θに基づいて相電流値(Iu,Iv,Iw)をd/q変換する。また、モータ制御信号出力部26は、そのd,q軸電流値及びq軸電流指令値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算する。そして、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより相電圧指令値(Vu*,Vv*,Vw*)を演算し、当該相電圧指令値に基づいてモータ制御信号を生成する。
そして、本実施形態のECU11は、上記のように生成されたモータ制御信号をマイコン21が駆動回路22に出力し、該駆動回路22がその当該モータ制御信号に基づく三相の駆動電力をモータ12に供給することにより、EPSアクチュエータ10の作動を制御する構成となっている。
(ヨーレイトフィードバック制御における位相調整)
次に、本実施形態のヨーレイトフィードバック制御における位相調整の態様について説明する。
次に、本実施形態のヨーレイトフィードバック制御における位相調整の態様について説明する。
上述のように、目標ヨーレイトの立ち上がりを緩やかなものとすることで、ステアリング操作に応じたヨーレイトが発生するまでのタイムラグ、即ち応答遅れに起因する安定性の低下を回避することができ、特に入力される操舵トルクが微小で応答遅れの発生しやすい直進走行時の車両姿勢のふらつきを効果的に抑制することができる。しかし、ステアリング操作により生ずる挙動には、個々の車両毎にバラツキがあり、目標ヨーレイトについて最適な位相調整をしたとしても、実際のヨーレイトの立ち上がり方に個体差があるため、その偏差を基礎として演算される補償成分もまた、一様な値とはならない。つまり、上述の従来技術では、全ての車両に一様の効果を得るためには、その個々の車両毎に位相調整の最適化を行なわなければならないという問題がある。
この点を踏まえ、図2に示すように、本実施形態のヨーレイトF/B制御部28には、その減算器30において演算される目標ヨーレイトγ*とヨーレイトγとの偏差Δγについて、その位相を遅らせるべく位相調整を実行する位相調整演算部33が設けられている。そして、F/B演算部31は、この位相調整演算部33により位相調整が施された後の偏差Δγ´に基づいて、そのヨーレイトフィードバック制御を実行する構成となっている。
詳述すると、本実施形態の位相調整演算部33は、車両の直進状態を判定する判定手段としての機能を有している。具体的には、位相調整演算部33には、ヨーレイトγ及びEPSアクチュエータ10の駆動源であるモータ12の回転角θが入力されるようになっており、当該位相調整演算部33は、これらの各状態量に基づいて、その直進状態判定を実行する。そして、位相調整演算部33は、車両が直進状態にあると判定した場合には、上記ヨーレイトフィードバック制御の基礎となる偏差Δγについて、その位相を遅らせるべく位相調整を実行する。
さらに詳述すると、図4のフローチャートに示すように、位相調整演算部33は、先ず、入力されたヨーレイトγ(の絶対値)が所定の閾値以下であるか否かを判定し(ステップ101)、当該閾値以下である場合(ステップ101:YES)には、さらにモータ12の回転角θの単位時間当たりの変化量(絶対値)が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップ102)。尚、上記ヨーレイトγに関する閾値及び単位時間当たりのモータ回転角変化に関する閾値は、ともに「0」近傍の値が設定されている。即ち、ヨーレイトγが略ゼロ、且つステアリングが略無回転である場合には、車両が直進状態にあると推定できる。そして、位相調整演算部33は、上記ステップ102において、回転角θの単位時間当たりの変化量が閾値以下であると判定した場合(ステップ102:YES)には、車両は直進状態にあると判定し(ステップ103)、上記のように偏差Δγの位相を遅らせる位相調整を実行する(ステップ104)。
一方、上記ステップ101において、所定の閾値を超えるヨーレイトγが発生していると判定された場合(ステップ101:NO)、又はモータ12について所定の閾値を超える回転角変化が発生していると判定された場合(ステップ102:NO)、位相調整演算部33は、車両は直進状態にないと判定する(ステップ105)。そして、上記のような位相調整は行なわない(ステップ106)構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)ヨーレイトF/B制御部28には、目標ヨーレイトγ*とヨーレイトγとの偏差Δγについて、その位相を遅らせるべく位相調整を実行する位相調整演算部33が設けられる。
(1)ヨーレイトF/B制御部28には、目標ヨーレイトγ*とヨーレイトγとの偏差Δγについて、その位相を遅らせるべく位相調整を実行する位相調整演算部33が設けられる。
即ち、上記構成のように、ヨーレイトフィードバック制御の基礎となる偏差Δγについて位相調整を行なうことで、実際のヨーレイトの立ち上がり方に車両毎の個体差があったとしても、その車両挙動に対して一様な値の補償成分を演算することができる。その結果、簡素な構成にて、個々の車両毎に位相調整の最適化を行なわなくとも、その個体差を生じさせることなく、一様に直進走行時におけるステアリング特性の向上を図ることができるようになる。
(2)位相調整演算部33は、車両の直進状態を判定する判定手段としての機能を有する。そして、車両が直進状態にあると判定した場合には、ヨーレイトフィードバック制御の基礎となる偏差Δγについて、その位相を遅らせるべく位相調整を実行する。
即ち、応答遅れに起因する安定性の低下は、入力される操舵トルクが微小で応答遅れの発生しやすい直進走行時において特に顕著となり、車両毎のバラツキの影響もまた、このような場合に顕在化しやすい傾向がある。しかしながら、ヨーレイト変動が大きな通常走行時には、こうした個体差の影響は相対的に小さくなる。従って、上記構成のように、直進走行時にのみ位相補償を行なうことで、そのヨーレイトフィードバック制御を最適化することができる。その結果、より効果的に直進走行時におけるステアリング特性の向上を図ることができるようになる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、車両が直進状態である場合にのみ、位相調整を行なう構成としたが、常に位相調整を行なう構成としてもよい。
・本実施形態では、車両が直進状態である場合にのみ、位相調整を行なう構成としたが、常に位相調整を行なう構成としてもよい。
・本実施形態では、検出されるヨーレイトγが所定の閾値以下であることを、その直進状態判定の条件とした。しかし、これに限らず、例えば、横方向加速度や車輪速差等を用いる等、その他の方法により直進状態判定を行なう構成としてもよい。また、本実施形態では、ステアリング操作の状態を判定するために、モータ12の回転角θの単位時間あたりの変化量を用いたが、直接的にステアリング舵角(操舵角)の検出が可能であれば、これを用いる構成としてもよい。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…ステアリング、6…転舵輪、10…EPSアクチュエータ、11…ECU、12…モータ、14…トルクセンサ、16…ヨーレイトセンサ、21…マイコン、24…回転角センサ、25…電流指令値演算部、27…基本アシスト制御部、28…ヨーレイトF/B制御部、29…目標ヨーレイト演算部、31…F/B演算部、33…位相調整演算部、Iq*…電流指令値、Ias*…基本アシスト制御量、τ…操舵トルク、γ…ヨーレイト、γ*…目標ヨーレイト、Δγ,Δγ´…偏差、Iyr*…ヨーレイトF/B制御量、θ…回転角。
Claims (2)
- 操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する操舵力補助装置と、アシスト力目標値に基づき前記操舵力補助装置の作動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段により演算される前記アシスト力目標値は、前記ステアリング操作により入力される操舵トルクに応じたヨーレイトを発生させるための補償成分を含み、該補償成分は、前記操舵トルクに基づき演算される目標ヨーレイトと実際のヨーレイトとの偏差に基づくフィードバック制御の実行により演算される電動パワーステアリング装置であって、
前記制御手段は、前記フィードバック制御の基礎となる前記偏差について、その位相を遅らせる位相調整を行なうこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
車両の直進状態を判定する判定手段を備え、
前記制御手段は、前記判定手段により車両が直進状態にあると判定された場合に、前記位相調整を行なうこと、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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