JP2010089385A - 脆性材料プライヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このガラスプライヤは互いに回動自在に連結された第1レバー2及び第2レバー3を備えている。第1レバー2は先端部にガラス押圧体15を有し、第2レバー3は先端部にガラス受け部25を有している。ガラス押圧体15は第1押圧プレート16と第1押圧プレート支持部17とを有し、ガラス受け部25は第2押圧プレート26と第2押圧プレート支持部27とを有している。第1,第2押圧プレート16,26は、ガラス板に当接可能であって、ガラス板よりも低剛性の弾性変形可能プレートである。第1,第2押圧プレート支持部17,27は、各押圧プレート16,26を各レバー2,3に対して支持する。
【選択図】図2
Description
第1レバー2は、グリップ部5、支持部6及び先端部7を連続して有する一体の部材である。グリップ部5の端部から支持部6側にかけて、グリップカバー8が設けられている。このグリップカバー8は作業者が手を当てて作業をしやすいように設けられたものである。支持部6はグリップ部5の先端側からほぼ90°の角度で曲げられている。この支持部6のほぼ中央部には、第1レバー2が延びる方向と直交する方向に回動用の支持孔6aが形成されている。先端部7は支持部6の先端からさらに90°曲げられてグリップ部5とほぼ平行に形成されている。先端部7には、回動用支持孔6aと平行に押圧体支持孔7aが形成されている。
第2レバー3は、第1レバー2と同様に、グリップ部10、支持部11及び先端部12を連続して有する一体の部材である。グリップ部10の端部から支持部11側にかけて、グリップカバー13が設けられている。このグリップカバー13は作業者が手を当てて作業をしやすいように設けられたものである。支持部11はグリップ10の先端側から徐々に幅が拡がるように延びて形成されており、支持部11には、第1レバー2の支持孔6aと同じ位置に同じ方向で支持孔11aが形成されている。先端部12は支持部11の先端からさらに延びてグリップ部10とほぼ平行に形成されている。先端部12には、支持孔11aと平行に受け部支持孔12aが形成されている。そして、第1レバー2の支持孔6a及び第2レバー3の支持孔11aには支持ピン13が挿通しており、これにより第1レバー2と第2レバー3とは互いに回動自在となっている。
第1レバー2の先端部7には脆性材料押圧体としてのガラス押圧体15が設けられている。ガラス押圧体15は、ガラス板を下方から押圧するために設けられた部分であって、図2に示すように、第1押圧プレート16と、第1押圧プレート支持部17と、を有している。なお、図2は、図1の左側面図、すなわちガラスプライヤ1を先端側から見た図である。
第1押圧プレート16は、スクライブラインが形成されたガラス板に対して、ガラス板の下面を支持するプレートであり、第1レバー2の長手方向(スクライブラインが形成された方向:以下、前後方向と記す)及びそれと直交する方向(スクライブラインと直交する方向:以下、左右方向と記す)に所定の幅を有している。この第1押圧プレート16は、ガラス板より低い剛性を有する弾性変形可能な材料、例えば、ポリアセタール、塩化ビニル、ポリエチルケトン等の樹脂で形成されるのが好ましいが、特にこれらの材質に限定されるものではない。なお、この実施形態では、第1押圧プレート16の左右方向の幅は、第2レバー3の先端部12の幅より長く、かつ後述するガラス受け部の第2押圧プレートの幅よりも短く形成されている。
第1押圧プレート支持部17は、第1押圧プレート16を第1レバー2の先端部7に支持するためのものである。この押圧プレート支持部17は、下支持部材18と、押圧軸19と、を有している。
なお、下支持部材18の下端には、上方に向かうネジ孔が下支持部材18の孔に貫通して形成されている。そして、図3に示すように、このネジ孔にネジ部材22を螺合し、その先端で押圧軸19を押圧することにより、下支持部材18が押圧軸19に対して相対回転しないように構成されている。図3は、押圧プレート支持部17を下方から見た図である。なお、押圧軸19は先端部7に形成された押圧体支持孔7aに対して回動自在になっているので、ガラス押圧体15の全体が第1レバー2の先端部7に対して回動自在となっている。
第2レバー3の先端部12には、図1及び図2から明らかなように、脆性材料受け部としてのガラス受け部25が設けられている。ガラス受け部25は、第2押圧プレート26と、第2押圧プレート支持部27と、を有している。
第2押圧プレート26は、左右方向に所定の長さで延び、ガラス板より低剛性の弾性変形可能な部材である。この実施形態では、第2押圧プレート26は左右方向において第1押圧プレート16より長く、前後方向において第1押圧プレート16とほぼ同じ長さに形成されている。しかし、左右方向の長さについては特に限定されるものではなく、第1押圧プレート16と同等かあるいは短くてもよい。また、この第2押圧プレート26は第1押圧プレート16と同様に、ポリアセタール、塩化ビニル、ポリエチルケトン等の樹脂で形成されるのが好ましいが、特にこれらの材質に限定されるものではない。
第2押圧プレート支持部27は、第2押圧プレート26の左右方向両端部を第2レバー3に対して支持するものであり、図2に示すように、支持軸30と、1対の上支持部材31と、を有している。
図1で示すように、第1レバー2の先端部7には、ガラス押圧体15の後方にガラス位置決め部材34が設けられている。このガラス位置決め部材34は、樹脂等により形成されたブロック状の部材であり、ネジ部材によって第1レバー2に固定されている。このガラス位置決め部材34にガラス板の端面を当接させることにより、ガラス板とガラスプライヤ1との相対位置を精度良く決めることができる。また、このガラス位置決め部材34は所定の高さを有しているので、グリップ部5,10をある程度近づけると、第2レバー3の先端部12の下面がガラス位置決め部材34に当接する。このため、両グリップ部5,10の間に一定の間隔が確保され、安全性を向上させることができる。図1は、ガラス板の端面がガラス位置決め部材34に当接した状態を示している。
このガラスプライヤ1は、スクライブラインが形成されたガラス板を分断する際に用いられる。スクライブラインは、脆性材料のスクライブに通常使用されるスクライビングホイールやレーザ等の照射による熱応力を利用したもの等であればよく、形成手段は限定されない。
本実施形態では、以上のようなガラス分断動作に際して、ガラス板の両面にガラス板より低剛性で弾性変形が可能な押圧プレート16,26を配置し、それらの押圧プレート16,26を介して押圧力を作用させている。このため、ガラス板は、従来のように弾けるように折り曲げられて分断されるのではなく、従来に比較してより遅い速度で分断されることになる。また、分断時の衝撃が緩和される。より詳細には、折り曲げ時に、スクライブラインにおけるクラックが従来の場合に比較してゆっくり進行していく。このため、ガラス板の分断面が良好になり、しかも両側のガラス分断面同士が干渉してガラス分断面に欠けや割れが生じるのを抑えることができ、ガラス分断面の品質を向上させて歩留まりを向上させることができる。
前記実施形態では、ガラス位置決め部材34をガラス押圧体15の後方に位置する第1レバー2の先端部7に直接装着したが、図5〜図7に示すように、ガラス位置決め部材36を第2レバー3の先端部12のガラス受け部25に装着してもよい。あるいは、第2レバー3の先端部12に直接装着してもよい。
前記実施形態1では、図5〜図7に示すように、ガラス位置決め部材36と第2押圧プレート26を別の部材で形成したが、これらを弾性部材で一体に成形したものを第2押圧プレート支持部27に装着してもよい。
前記実施形態では、ガラス押圧体15を押圧軸19周りに回動可能な構成としたが、代わりにガラス受け部25を支持軸30の軸周りに回動可能に構成してもよい。また、ガラス押圧体15を押圧軸19周りに、ガラス受け部25を支持軸30の軸周りにともに回動可能に構成してもよい。
2 第1レバー
3 第2レバー
5,10 グリップ部
15 ガラス押圧体
16 第1押圧プレート
17 第1押圧プレート支持部
18 下支持部材
19 押圧軸
25 ガラス受け部
26 第2押圧プレート
27 第2押圧プレート支持部
30 支持軸
31 上支持部材
34 ガラス位置決め部材
Claims (7)
- 脆性材料の主面に形成された分断溝に沿って脆性材料を分断するための脆性材料プライヤであって、
先端部に脆性材料押圧体を有するとともに後端部にグリップ部を有する第1レバーと、
前記第1レバーに回動自在に支持され、先端部に脆性材料受け部を有するとともに後端部にグリップ部を有する第2レバーと、
を備え、
前記脆性材料押圧体は、
脆性材料板の分断溝が形成されていない側の主面に当接可能であって、脆性材料よりも低剛性の弾性変形可能な第1押圧プレートと、
前記第1押圧プレートを前記第1レバーに対して支持し、前記第1押圧プレートを脆性材料に対して押圧する第1押圧プレート支持部と、を有し、
前記脆性材料受け部は、
脆性材料の分断溝が形成された側の主面に当接可能であって、前記分断溝と交差する左右方向に所定の長さで延び、脆性材料より低剛性の弾性変形可能な第2押圧プレートと、
前記第2押圧プレートの左右方向両端部を前記第2レバーに対して支持する第2押圧プレート支持部と、を有している、
脆性材料プライヤ。 - 前記第1押圧プレート支持部は、前記第1押圧プレートの左右方向の中央部を支持する1つの第1支持部材を有し、
前記第2押圧プレート支持部は、前記第1支持部の左右方向両側を支持する1対の第2及び第3支持部材を有している、
請求項1に記載の脆性材料プライヤ。 - 前記第1押圧プレート支持部は、前記第1レバーの先端部に左右方向に延びて設けられ、前記第1支持部材を前記第1レバーに対して回動自在に支持するための押圧軸をさらに有している、
請求項1又は2に記載の脆性材料プライヤ。 - 前記第1支持部材の回動を所定の角度範囲内に規制するための回動規制部をさらに備えた請求項3に記載の脆性材料プライヤ。
- 前記第1レバーまたは第2レバーに設けられ、前記第1押圧プレートと前記第2押圧プレートとの間に挿入された脆性材料板の位置決めを行うための脆性材料位置決め部材をさらに備えている、請求項1から4のいずれかに記載の脆性材料プライヤ。
- 前記第2押圧プレート支持部は、前記第2レバーの先端部に設けられた左右方向に延びる支持軸を有し、前記支持軸の軸中心周りに回動可能である、請求項2に記載の脆性材料プライヤ。
- 前記1対の第2及び第3支持部材の回動を所定の角度範囲内に規制するための回動規制部をさらに備えた請求項6に記載の脆性材料プライヤ。
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