JP2010088552A - 薄肉キャップの製造方法と薄肉キャップ、およびレンズキャップを備えた汚染防止カバー - Google Patents

薄肉キャップの製造方法と薄肉キャップ、およびレンズキャップを備えた汚染防止カバー Download PDF

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【課題】レンズキャップの壁厚みを薄くして光像の歪みを低下させ、同時に個々のレンズキャップの光学特性を均質化し、加えて成形コストを大幅に削減できる汚染防止カバー用のレンズキャップ(薄肉キャップ)の製造方法を提供する。
【解決手段】有底筒状のレンズキャップ11の内面形状に合致するボス20を備えたダミー雄型15を射出成形する過程と、得られたダミー雄型15をレンズキャップ11を成形する成形金型の内部に装填して型締めする過程と、ダミー雄型15と成形金型との間の成形空間Sに溶融樹脂を射出してキャップ前段体16を成形する過程と、キャップ前段体16およびダミー雄型15を成形金型から同時に離型して複合成形品17を得る過程と、複合成形品17の所定個所を切断する過程を経て、薄肉状のレンズキャップ11を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば内視鏡の汚染防止カバーに適用される薄肉キャップの製造方法と、レンズキャップを備えた汚染防止カバーに関する。
本発明に係る薄肉キャップは、例えば内視鏡用の汚染防止カバーのレンズキャップとして使用するが、この種の汚染防止カバーは、例えば特許文献1に公知である。そこでは、内視鏡の挿入部を覆う筒状カバーと、筒状カバーの先端に設けられるレンズキャップとで汚染防止カバーを構成している。筒状カバーは、シリコンゴム等の弾性材で形成してあり、レンズキャップは透明プラスチック材で形成してある。
レンズキャップに関して、その形成素材としてアクリル樹脂やポリカーボネイトを用いること、また表面状態に関して内視鏡のレンズ部に臨むレンズキャップの表裏両面を鏡面状に形成することが特許文献2に開示してある。さらにそこでは、レンズキャップの製造方法に関して、シリコンゴムで雌型を形成し、その成形空間に透明なプラスチック材を流し込んでレンズキャップを形成することが開示してある。
特開2003−126011号公報(段落番号0013、0019、図2) 特開2004−261408号公報(段落番号0013、0016、図8)
特許文献2の汚染防止カバーによれば、レンズキャップのうち内視鏡のレンズ部に臨むキャップ壁の表裏両面を鏡面状に形成できる。しかし、シリコンゴム製の雌型を用いる注型法によってレンズキャップを成形するので、有底筒状のレンズキャップの壁厚みを小さくすることに限界があり、さらに、鏡面化されたキャップ壁の内部組織を均質にするのが難しく、レンズキャップを介して入射する光像が歪むのを避けられない。また、個々のレンズキャップの光学特性や寸法がばらつきやすいうえ、レンズキャップの成形に多くの手間とコストが掛かる不利もある。
本発明者は、レンズキャップを射出成形法で成形することにより、レンズキャップの壁厚みを薄く均質化することを検討した。壁厚みを極限まで薄くすることにより、レンズキャップが介在することに伴なう光像の歪みを大幅に減少し、同時に個々のレンズキャップの光学特性を均質化するためである。しかし、現状の成形手法では、レンズキャップの壁厚みを薄くすることに限界がある。例えば、一体成形ヒンジの場合の壁厚みは0.15mm以上であることが推奨されている。この推奨値を越えてある程度は壁厚みを小さくすることはできるかもしれないが、この種のチャンピオンデータにも限界がある。
当然、全体が有底筒型の3次元構造であるレンズキャップの場合の薄肉限界は、先のチャンピオンデータより大きな値になることが予想される。壁厚みが小さいと、成形空間があまりにも狭いため、成形空間に射出した溶融樹脂が金型に接触するのと殆ど同時に固化してしまい、成形空間の全てに溶融樹脂を注入できないからである。こうした状況に対応するために、金型を加熱しておき、さらに射出圧力を上げて成形を試みた。しかし、得られた成形品の殆どは成形不良(ショートショット)を生じていた。また、仮にレンズキャップを成形できたとしても、壁厚が薄いレンズキャプを金型から的確に離型するのが困難であることも判った。
本発明は、上記の背景状況の許に提案されたものであって、その目的は、壁厚みが充分に薄い膜状のレンズキャップなどの薄肉キャップを確実に量産できる、薄肉キャップの製造方法を提供することにある。本発明の目的は、壁厚みを薄くして光像の歪みを低下させ、同時に個々のレンズキャップの光学特性を均質化し、加えて成形コストを大幅に削減できるレンズキャップを備えた汚染防止カバーを提供することにある。本発明の目的は、搬送時の取り扱いを簡便に行なえ、しかも取り扱い時の変形や紛失のおそれがない、薄肉キャップを提供することにある。
本発明に係る薄肉キャップの製造方法は、有底筒状の薄肉キャップ11の内面形状に合致するボス20を備えたダミー雄型15を射出成形する過程と、得られたダミー雄型15を薄肉キャップ11を成形する成形金型の内部に装填して型締めする過程と、ダミー雄型15と成形金型との間の成形空間Sに溶融樹脂を射出してキャップ前段体16を成形する過程と、得られたキャップ前段体16の所定位置を切断して薄肉キャップ11を得ることを特徴とする。
上記の製造方法において、キャップ前段体16を成形したのち、キャップ前段体16およびダミー雄型15を成形金型から同時に離型して複合成形品17を得る過程と、複合成形品17の所定個所を切断する過程を経て薄肉キャップ11を得ることができる。
本発明に係る薄肉キャップは、筒状の周囲壁13と、周囲壁13の一端を塞ぐ端壁14とのそれぞれが薄肉状に形成してある射出成形品からなる。薄肉キャップは、射出成形の過程において、成形金型と、成形金型の内部に装填したダミー雄型15との間の成形空間Sに溶融樹脂を射出してキャップ前段体16を形成し、キャップ前段体16およびダミー雄型15を成形金型から同時に離型して複合成形品17を形成し、複合成形品17の所定個所を切断して得られる。以て、射出成形の過程で得られた複合成形品17を搬送および輸送に供して、ダミー雄型15を薄肉キャップ11の輸送用ホルダーとして利用することを特徴とする。
本発明に係るレンズキャップを備えた汚染防止カバーは、内視鏡の挿入部1を覆う筒状のカバー10と、前記挿入部1の先端に配置されるレンズ部2を覆う透明プラスチック材製のレンズキャップ11とを備えている。レンズキャップ11は、筒状の周囲壁13と、周囲壁13の一端を塞ぐ端壁14とを一体に備えた射出成形品からなる。以て、射出成形の過程において、成形金型と、成形金型の内部に装填したダミー雄型15との間の成形空間Sに溶融樹脂を射出して、周囲壁13および端壁14のそれぞれを薄肉状に形成することを特徴とする。
本発明の薄肉キャップの製造方法では、薄肉キャップ11を成形する成形金型の内部にダミー雄型15を装填し、ダミー雄型15と成形金型との間の成形空間Sに溶融樹脂を射出してキャップ前段体16を成形し、得られたキャップ前段体16の所定位置を切断して薄肉キャップ11を得るようにした。このように、ダミー雄型15を成形金型に装填した状態で射出成形を行なうと、ダミー雄型15の熱伝導率が成形金型に比べて充分に小さいので、成形空間Sに充填された溶融樹脂が急速に冷却されて固化するのを防止できる。したがって、本発明の薄肉キャップの製造方法によれば、極めて狭い成形空間Sに溶融樹脂を確実に充填して、薄肉状の周囲壁13と端壁14を備えた薄肉キャップ11を確実に量産し、そのコストを削減できる。
上記の製造方法において、キャップ前段体16を成形したのち、キャップ前段体16およびダミー雄型15を成形金型から同時に離型して複合成形品17を得るようにすると、薄肉キャップ11となる部分を傷付けることもなく、成形金型から的確に離型できる。なお、キャップ前段体16のみを独立して離型する場合には、薄肉キャップ11となる部分が傷付くおそれがあるので、手間を掛けながら慎重に離型する必要がある。また、成形金型から離型した複合成形品17の所定個所を切断して薄肉キャップ11を得るようにすると、ボス20で確りと支持した状態で薄肉キャップ11を切断できるので、薄肉キャップ11の切断を正確にしかも簡便に行なえる。さらに、薄肉キャップ11となる部分をボス20ごと切断したのち、薄肉キャップ11を切断されたボス20から取り外すことにより、薄肉キャップ11を傷付けることもなく的確に分離できる。
本発明の薄肉キャップは、キャップ前段体16およびダミー雄型15を成形金型から同時に離型して複合成形品17を形成し、複合成形品17の所定個所を切断して得るが、射出成形の過程で得られた複合成形品17を搬送および輸送に供して、ダミー雄型15を薄肉キャップ11の輸送用ホルダーとして利用すると、完成された状態の小さくて脆弱な薄肉キャップ11を単独で取り扱う場合に比べて、薄肉キャップ11の取り扱いや搬送および輸送を簡便化できる。さらに、作業者の不注意で薄肉キャップ11を押し潰し、あるいは薄肉キャップ11を紛失するなどの事故を一掃できる。成形時に用いたダミー雄型15を輸送用ホルダーとして利用するので、別途輸送用ホルダーを設ける場合に比べて、手間とコストを大幅に削減できる。
本発明に係る汚染防止カバーは、内視鏡の挿入部1を覆う筒状のカバー10と、挿入部1の先端のレンズ部2を覆う透明プラスチック材製のレンズキャップ11などで構成し、レンズキャップ11を構成する周囲壁13および端壁14を薄肉状に形成するので、従来の汚染防止カバーに比べて、レンズキャップ11を介して入射する光像の歪みを大幅に低下することができる。さらに、薄肉状のレンズキャップ11を射出成形によって形成するので、個々のレンズキャップ11の光学特性を均質化して信頼性を向上できるうえ、注型法でレンズキャップを形成する場合に比べて、レンズキャップ11の製造に要するコストを大幅に削減して、光学的な機能が強化された汚染防止カバーを安価に提供できる。
(実施例) 図1ないし図10は本発明に係る薄肉キャップの適用例を示す内視鏡用の汚染防止カバーと、薄肉キャップの製造方法の実施例を示す。図2において、汚染防止カバーは、内視鏡の挿入部1を覆う筒状のカバー10と、カバー10の先端に固定されるレンズキャップ(薄肉キャップ)11と、カバー10の基端に設けられる装着構造12などで構成してある。挿入部1の先端にはレンズ部2が設けられており、レンズ部2の突端内部には照明窓3と観察窓4が配置してある。これらの照明窓3と観察窓4の外面をレンズキャップ11で覆っている。装着構造12は、内視鏡の操作部に固定されて汚染防止カバーの装着状態を維持する。
カバー10は、ポリプロピレンを素材にして押し出し成形した筒体からなり、その壁厚みは0.5mmである。図10に示すようにレンズキャップ11は、丸筒状の周囲壁13と、周囲壁13の一端を塞ぐ端壁14とを一体に備えた有底筒状の射出成形品からなる。レンズキャップ11は透明なポリプロピレンを素材にして成形してあり、図3に示すようにカバー10の先端部の外面に熱溶着して一体化する。熱溶着部はレンズキャップ11の周囲壁13を周回する状態で無端状に形成してあり、これによりレンズキャップ11とカバー10との接合部分を封止できる。
図10に示すように、レンズキャップ11の直径は3mm弱、高さは2mmであり、周囲壁13、および端壁14の厚み寸法は、0.05〜0.08mmである。周囲壁13の抜き勾配は3度である。なお、各図におけるレンズキャップ11は、周囲壁13および端壁14の厚みが実際の厚みより誇張して表示してある。
上記のように、周囲壁13および端壁14が薄肉状に形成してあるレンズキャップ11は、以下の手法で射出成形する。先に説明したように、周囲壁13および端壁14の壁厚みが小さいと、成形空間に射出した溶融樹脂が金型に接触するのと殆ど同時に固化してしまうため、成形空間の全てに溶融樹脂を注入できない。このことは、射出時された溶融樹脂が、熱伝導率の大きな金型によって強制的に冷却されていることを意味しており、本発明では、溶融樹脂が金型で冷却されるのを阻止することによって、薄肉状のレンズキャップ11を的確に成形できるようにした。
具体的には図1に示すように、レンズキャップ11用の成形金型の内部に、金型への熱伝導を妨げるダミー雄型15を装填しておき、ダミー雄型15と成形金型との間の成形空間Sに溶融樹脂を射出してキャップ前段体16を成形し、キャップ前段体16からレンズキャップ11を得るようにした。つまり、ダミー雄型15を設けることにより、溶融樹脂が金型で冷却されるのを阻止して、極めて狭い成形空間Sに溶融樹脂を確実に射出充填できるようにした。
図4においてダミー雄型15は、レンズキャップ11の内面形状に合致する丸筒状のボス20と、ボス20の下面開口の周囲に張り出されるフランジ21と、フランジ21の対向周面に突設される一対の位置決め突起22とを一体に備えた射出成形品からなり、ポリカーボネイトを形成素材としている。ボス20の高さは、レンズキャップ11の高さ寸法より大きく設定してあり、フランジ21の直径寸法は5mmに設定してある。ダミー雄型15をポリカーボネイトで形成するのは、レンズキャップ11の形成素材であるポリプロピレンに対して相溶性がないことと、ポリカーボネイトの溶融温度がポリプロピレンの溶融温度より高く、レンズキャップ11を成形する際にダミー雄型15が溶融するのを防ぐためである。
図5に示すように、レンズキャップ11用の成形金型は、固定金型25と可動金型26とで構成してあり、可動金型26の側にダミー雄型15を装填するための装填凹部27が形成してある。固定金型25と可動金型26には、レンズキャップ11の外面形状を成形するための成形空間Sと、溶融樹脂を流動案内する左右のランナー空間28、および両ランナー空間28と先の成形空間Sを橋絡する一対のゲート空間29などが形成してある。
通常、可動金型26は、固定金型25に設けたガイドピンで案内されて、固定金型25に対して位置決め固定される。しかし、上記のように壁厚みが充分に小さなレンズキャップ11を成形する場合の可動金型26は、より高精度に位置決めする必要があり、従来のガイドピンでは充分な位置決め精度が得られない。そこで、図5に示すように可動金型26と固定金型25の接合面にテーパー面状の位置決め面31を設けて、型締め状態における可動金型26を固定金型25に対して正確に位置決めできるようにしている。符号32はスプール空間、符号33はダミー雄型15用のノックアウトピンである。図示していないがノックアウトピンはランナー空間28に臨む複数箇所にも配置してある。
レンズキャップ11は、図5、図1、図6および図7に示す成形過程を順に経て形成される。まず、先に説明したように有底筒状のレンズキャップ11の内面形状に合致するボス20を備えたダミー雄型15を射出成形する。次に、図5に示すように、成形用金型を開放した状態で、可動金型26の装填凹部27にダミー雄型15を装填して型締めする。このときテーパー面状の位置決め面31によって、可動金型26が固定金型25に対して正確に位置決めされる。その状態を図1に示しており、ダミー雄型15と成形空間Sの周囲壁とは、均等な隙間を介して内外に対向している。
次に、ランナー空間28とゲート空間29を介して成形空間Sに溶融樹脂を射出して、図6に示すようにキャップ前段体16を成形する。ここで射出されるポリプロピレンは、市販されている流動性に優れたハイフロー型の透明なポリプロピレンを使用する。射出された溶融樹脂はダミー雄型15のボス20に接触するが、ダミー雄型15の熱伝導率は金型に比べて充分に小さい。したがって、溶融樹脂が急速に冷却されるのを防止でき、射出された溶融樹脂が固化する前に、極めて狭い成形空間Sに溶融樹脂を確実に充填できる。
キャップ前段体16は、ランナー空間28、ゲート空間29、および成形空間Sを充満した樹脂の一体化物であり、ダミー雄型15と共に成形金型から同時に離型される。詳しくは、可動金型26を固定金型25から分離することにより、キャップ前段体16が可動金型26と共に固定金型25から離型する。さらに、図7に示すようにダミー雄型15およびキャップ前段体16を、ノックアウトピン33、および図示していないノックアウトピンで押し出すことにより可動金型26から分離できる。このとき、レンズキャップ11となる部分は、ダミー雄型15のボス20によって保持されているので、ノックアウトピン33で離型する時、レンズキャップ11となる部分に過剰な力が作用することはなく、したがって、薄肉状のレンズキャップ11となる部分の形状および構造を適正な状態に維持できる。
図8に示すように成形金型から取り出した状態の複合成形品17は、ダミー雄型15およびキャップ前段体16の一体化物からなる。この複合成形品17の所定個所を切断することによりレンズキャップ11が得られる。詳しくは、キャップ前段体16のレンズキャップ11となる部分を、図9に示す切断線35に従ってダミー雄型15のボス20ごと切断して、切断されたボス20を分離することにより、一端が開口する有底筒状のレンズキャップ11を得ることができる。
上記のように、レンズキャップ11となる部分をボス20ごと切断したのち、レンズキャップ11を切断されたボス20から取り外すと、レンズキャップ11を傷付けることなく的確に分離できる。また、ボス20で確りと支持した状態でレンズキャップ11を切断できるので、レンズキャップ11の切断を正確にしかも簡便に行なえる。なお、キャップ前段体16からダミー雄型15を抜き出したのち、レンズキャップ11を切断することもできるが、その場合には、切断を的確に行なうために切断個所を支持する必要がある。
因みに、完成したレンズキャップ11の直径は3mm弱で、高さは2mmに過ぎない。しかも、周囲壁13および端壁14の壁厚みは100分の8mm以下でしかない。そのため、レンズキャップ11を完成した状態で取り扱う場合に、不注意でレンズキャップ11を押し潰したり、その一部を変形してしまうおそれがある。場合によってはレンズキャップ11を紛失してしまうこともあり得る。こうした、変形や紛失を防止するために、レンズキャップ11は、カバー10に接合する直前に複合成形品17から切り離すことが好ましい。レンズキャップ11を切断するまでは、複合成形品17の状態のままで取り扱い、あるいは搬送が必要な場合には、複合成形品17の状態のままで搬送を行なうのである。
必要があれば、ランナー空間28で形成されるランナー部分を、ゲート空間29で形成されるゲート部分で切断し除去して、レンズキャップ11となる部分とダミー雄型15との一体化物からなる複合体を搬送に供し、あるいは先の複合体の状態で取り扱うことができる。さらに必要があれば、レンズキャップ11となる部分をボス20ごと切断したのち、ボス20で保持された状態のままのレンズキャップ11を取り扱うようにし、あるいは搬送することができる。いずれの場合にも、不注意によるレンズキャップ11の変形や紛失を確実に防止できる。
以上の説明から理解できるように、本発明に係る薄肉キャップ11の製造方法は、
有底筒状の薄肉キャップ11の内面形状に合致するボス20を備えたダミー雄型15を射出成形する過程と、
得られたダミー雄型15を薄肉キャップ11を成形する成形金型の内部に装填して型締めする過程と、
ダミー雄型15と成形金型との間の成形空間Sに溶融樹脂を射出してキャップ前段体16を成形する過程と、
キャップ前段体16およびダミー雄型15を成形金型から同時に離型して複合成形品17を得る過程と、
複合成形品17の所定個所を切断する過程を経て、薄肉状の薄肉キャップ11を得ることができる。
必要があれば、キャップ前段体16を成形したのち、得られたキャップ前段体16の所定位置を切断して薄肉キャップ11を得ることができる。
図11は、本発明に係るレンズキャップ(薄肉キャップ)11の別実施例を示す。この実施例における内視鏡は、レンズ部2の周面一側の内部に照明窓3と観察窓4とが配置してある側視型内視鏡である場合を示している。レンズキャップ11は、照明窓3および観察窓4の外面を覆う周囲壁13と、端壁14とで構成する。この実施例におけるレンズキャップ11は、先の実施例で説明したレンズキャップ11に比べて、周囲壁13の高さ寸法を大きく設定する必要があり、そのため周囲壁13の壁厚みは、先の実施例で説明した周囲壁13の壁厚みより大きくする必要がある。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
上記の実施例以外に、ダミー雄型15はポリカーボネイト以外のプラスチック材、例えばポリサルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイドなどで形成することができる。同様にレンズキャップ11、およびカバー10はポリプロピレン以外のプラスチック材、例えばポリエチレン、熱可塑性エラストマー、アクリルなど、ダミー雄型15の形成素材より溶融温度が低い素材で形成することができる。ダミー雄型15は、少なくともボス20を備えていればよい。
レンズキャップ11はレンズ部2の外形形状に応じて各種の形状に変更できる。例えば端壁14は平坦である必要はなく、半円状に丸められた部分球面で形成することができる。また、端壁14は周囲壁13の筒軸中心に対して斜めに傾斜する平坦面で形成することができる。さらに、周囲壁13は丸筒状である必要はなく、断面多角形状や、レンズ部2の断面形状に合致した断面形状に形成することができる。
本発明に係る薄肉キャップ11は、内視鏡の汚染防止カバーに適用されるレンズキャップ以外に、工作機械のスポット照明器の先端カバー、製造工程を監視するモニターカメラのレンズキャップなど、定期的な清掃が必要な汚染環境下で使用される光学機器のカバーやキャップとして使用することができる。また、感染性生体を観察する顕微鏡のレンズカバー、および顕微鏡に付随して使用されるスポット照明器の先端カバー、分析用注射針のキャップなど、閉鎖環境下で使用される機器類のカバーやキャップとして使用することができる。
レンズキャップ用成形金型の断面図である。 内視鏡用汚染防止カバーの概略構造を示す正面図である。 汚染防止カバーおよびレンズキャップの装着状態を示す断面図である。 ダミー雄型の斜視図である。 レンズキャップ用成形金型を開放した状態の断面図である。 ダミー前段体を成形した状態を示す成形金型の断面図である。 複合成形品の離型状態を示す成形金型の断面図である。 複合成形品の斜視図である。 複合成形品の一部破断正面図である。 レンズキャップの断面図である。 レンズキャップの別実施例を示す断面図である。
符号の説明
1 内視鏡の挿入部
2 内視鏡のレンズ部
10 カバー
11 レンズキャップ(薄肉キャップ)
13 周囲壁
14 端壁
15 ダミー雄型
16 キャップ前段体
17 複合成形品
20 ボス
S 成形空間

Claims (4)

  1. 有底筒状の薄肉キャップ(11)の内面形状に合致するボス(20)を備えたダミー雄型(15)を射出成形する過程と、
    得られたダミー雄型(15)を薄肉キャップ(11)を成形する成形金型の内部に装填して型締めする過程と、
    ダミー雄型(15)と成形金型との間の成形空間(S)に溶融樹脂を射出してキャップ前段体(16)を成形する過程と、
    得られたキャップ前段体(16)の所定位置を切断して薄肉キャップ(11)を得ることを特徴とする薄肉キャップの製造方法。
  2. キャップ前段体(16)およびダミー雄型(15)を成形金型から同時に離型して複合成形品(17)を得る過程と、
    複合成形品(17)の所定個所を切断して薄肉キャップ(11)を得る過程とからなる請求項1に記載の薄肉キャップの製造方法。
  3. 筒状の周囲壁(13)と、周囲壁(13)の一端を塞ぐ端壁(14)とのそれぞれが薄肉状に形成してある射出成形品からなる薄肉キャップであって、
    射出成形の過程において、成形金型と、成形金型の内部に装填したダミー雄型(15)との間の成形空間(S)に溶融樹脂を射出してキャップ前段体(16)を形成し、
    キャップ前段体(16)およびダミー雄型(15)を成形金型から同時に離型して複合成形品(17)を形成し、
    複合成形品(17)の所定個所を切断して得られる薄肉キャップであって、
    射出成形の過程で得られた複合成形品(17)を搬送および輸送に供して、ダミー雄型(15)を薄肉キャップ(11)の輸送用ホルダーとして利用することを特徴とする薄肉キャップ。
  4. 内視鏡の挿入部(1)を覆う筒状のカバー(10)と、前記挿入部(1)の先端に配置されるレンズ部(2)を覆う透明プラスチック材製のレンズキャップ(11)とを備えている汚染防止カバーであって、
    レンズキャップ(11)は、筒状の周囲壁(13)と、周囲壁(13)の一端を塞ぐ端壁(14)とを一体に備えた射出成形品からなり、
    射出成形の過程において、成形金型と、成形金型の内部に装填したダミー雄型(15)との間の成形空間(S)に溶融樹脂を射出して、周囲壁(13)および端壁(14)のそれぞれが薄肉状に形成してあるレンズキャップを備えた汚染防止カバー。
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