JP2010087093A - Iii族窒化物系化合物半導体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザリフトオフ法で歩留まり良く得られるIII族窒化物系化合物半導体素子。
【解決手段】青色LED1000は、導電性の支持基板200に、複数の金属の積層から成る導電層222、はんだ層(ソルダ層)50、複数の金属の積層から成る導電層122、pコンタクト電極121、主としてp型のIII族窒化物系化合物半導体層の単層又は複層であるp型層12、発光領域L、主としてn型のIII族窒化物系化合物半導体層の単層又は複層であるn型層11、nコンタクト電極130の積層構造を有する。絶縁性保護膜40で覆われたエピタキシャル層の外周側面は、nコンタクト電極130を形成された上側から、支持基板側200側である下側に向って広がるような、傾き(順テーパ)を形成している。
【選択図】図1

Description

本発明はIII族窒化物系化合物半導体素子に関する。本発明は異種基板上にIII族窒化物系化合物半導体をエピタキシャル成長させて素子構造を形成したのち、金属、はんだその他の導電層を介して導電性の支持基板を接着し、異種基板との界面近傍のIII族窒化物系化合物半導体の薄層をレーザ照射で分解して異種基板を取り除く、いわゆるレーザリフトオフ技術を用いた素子に関する。本発明は特にpn接合又は活性層を挟んで上下にp型層とn型層を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子の構成に特に有効である。
非特許文献1として後述する、Kellyらに始まるレーザリフトオフ技術により、発光素子その他のIII族窒化物系化合物半導体素子を、エピタキシャル成長に用いた基板から導電性の支持基板に貼り替えることが可能となった。これにより、例えば発光ダイオードにおいては、支持基板裏面に電極を設けることができる。これによりGaAs系の発光素子同様に、基板裏面とエピタキシャル層最上面の2箇所に正負のいわゆる対向電極を有する発光素子とすることが可能となる。
正負の電極が発光層を挟んで対向することの利点は、支持基板の水平面積と同程度の発光層面積を形成できること、及び、均一な発光を得ることができることによる、素子当たりの光取り出し効率の向上である。
図5及び図6は、現時点で公表されている異なる2つの技術を端的に示す、2つの工程図(断面図)である。
図5のように、例えばサファイア基板等の異種基板をエピタキシャル成長基板100として用い、例えばn型層11とp型層12を順に形成するものを考える。尚、本明細書においては、n型層11とp型層12を有し、それらの間に発光領域Lを形成したものを合わせてエピタキシャル層10と呼ぶ。本明細書においては、n型層11とp型層12を有し、それらの間に発光領域Lを形成したものを例示するが、発光素子の構成は、このような単純な構造のものに限定されないことは当然である。
p型層12にコンタクト電極121を形成し、金属その他の導電層122を介してはんだ層(ソルダ層)50を用いて例えばシリコン等から成る導電性の支持基板200と接着する。はんだ層(ソルダ層)50との間には、支持基板200にも別途金属その他の導電層222を設けておく。こうして、最終的に分離するチップ内をレーザ照射領域の外周が横切らないように、例えば1チップごとに、レーザLSRを照射する。
こうして、例えば窒化ガリウムGaN層の一部を薄膜状に分解して溶融金属ガリウム(Ga)と窒素(N2)ガスに分解する。接合したウエハの外周部から順に当該窒化ガリウムGaN層の分解を行えば、分解により生ずる溶融金属ガリウム(Ga)と窒素(N2)ガスはウエハの外周に排出させることができる。
図6は、分解により生ずる溶融金属ガリウム(Ga)と窒素(N2)ガスの排出をより容易に行うために、ウエハ外部に連通する空気孔trを設ける技術である。空気孔trは、支持基板200との接合前に、エピタキシャル層のp型層12側からレジストマスクを用いたドライエッチングを行って形成する。この際、p型層12側からレジストマスクを用いたドライエッチングを実施するので、エピタキシャル層のエッチングされた外周部の側面はテーパ(傾斜)を有することとなる。当該テーパ(傾斜)は、p型層12の水平断面積が最も小さく、発光領域L、n型層11へと従って水平面積が順に大きくなるものである。通常、レジストマスクを用いたIII族窒化物系化合物半導体のドライエッチングにおいては、当該テーパ(傾斜)は、水平面と60〜80度を成す。即ち、図6において、各発光素子チップに分離した場合、上部であるn型層11の水平断面積が下部であるp型層12の水平断面積よりも大きい、逆テーパ型の素子構造となる。
ドライエッチングによって、p型層12とn型層11の側面が露出するので、短絡を避けるために絶縁性保護膜40でp型層12とn型層11の側面を覆う必要がある。このため、コンタクト電極121を形成した後、絶縁性保護膜40との密着性を確保するため、導電層122及び123の積層構造において、絶縁性保護膜40と密着性の高いものを用いる必要がある。
尚、図6では、導電層122及び123とはんだ層(ソルダ層)125が、空気孔trを塞がないように形成されるものを示した。
本発明の先行技術として、本願出願人による先行出願の公報を特許文献1として示す。
特開2008−186959号公報 Appl.Phys.Lett.,vol.69,1996,pp.1749−1751
現在、レーザリフトオフ技術により発光素子を得ようとしても歩留まりが極めて悪い。
実際、図5の方法では、レーザ照射領域であるGaN層のサファイア基板との界面において、分解により液体Gaと窒素ガスが生じることから、非常に大きな体積膨張が生じる。窒素ガスの逃げ道が無い場合は剥離が生じる。窒素ガスの逃げ道を作るために、例えば接合ウエハの外周部から順に、GaN層のサファイア基板との界面との分解を行ったとしても、レーザ照射が行われてる領域に、レーザ照射が行われていない領域が必ず隣接していることにより、当該隣接部との境界付近に少なからぬ負荷が係る。このため、レーザ照射領域に隣接する、レーザ未照射領域との境界付近において、密着性の弱い積層部界面において剥離が生じ、更には支持基板であるシリコン基板等に亀裂が発生する。
図6の方法では、エピタキシャル層の外周部の側面付近には導電層を形成することは好ましくない。これは、当該外周部側面に、支持基板200及びエピタキシャル層10のp型層12を通電するための導電層を形成すると、その導電層が、後の工程においてエピタキシャル層10のn型層11と接触しかねないためである。この場合、発光層等を介さずにpn電極が導通することとなり、素子として不合格品となる。即ち、歩留まりを悪化させる。
このようなpnの導通を回避するには、エピタキシャル層10外周部の絶縁性保護膜40上には導電層122及び123とはんだ(ソルダ)層50を形成しない必要がある。しかしこのためには、レジストマスクを用いたリフトオフ等の作業のため、レジスト材の塗布、露光と溶剤によるパターニング、金属等の蒸着等、及びリフトオフ作業を繰り返す必要がある。この場合、例えばレジスト残渣や汚染物の付着により、積層済みの各層間の密着性が劣化し、レーザリフトオフ時に剥離や亀裂の発生が生じる。
また、本願出願人による特許文献1の技術を提示したが、これは各素子ごとにエピタキシャル層10を分離した後、金属電極を覆わないように、各素子外周部のみに樹脂を厚く形成する必要がある。この、金属電極を覆わないように、各素子外周部のみに樹脂を厚く形成することは必ずしも容易でなく、回避する方法が望まれる。
本発明は上記の課題を解決するために成されたものである。その目的は、レーザリフトオフ技術を用いてIII族窒化物系化合物半導体素子を形成する際に、良好な素子特性を有するように、歩留まりを向上させること、そのために適した素子構造を提案することである。
請求項1に係る発明は、導電性の支持基板上に、少なくとも1層の導電性の低融点合金層を介して接合されたIII族窒化物系化合物半導体層を有するIII族窒化物系化合物半導体素子において、III族窒化物系化合物半導体層の水平断面積が、支持基板から最も遠い位置で小さく、支持基板に近づくに従って大きくなる順方向の傾斜を有することを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子である。
本発明は、言わば順テーパをIII族窒化物系化合物半導体層外周部に有する素子である。
請求項2に係る発明は、支持基板から遠い位置にnコンタクト電極を設けられたn型層が、支持基板に近い側にpコンタクト電極を設けられたp型層が形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、III族窒化物系化合物半導体層の前記順方向の傾斜部分は、絶縁性保護膜により覆われていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、発光素子であることを特徴とする。
本発明によれば、レーザリフトオフを用いた製造方法を採用すると、極めて高い歩留まり率を達成することができる。その理由は以下の通りである。
本発明は低融点合金層を用いて、エピタキシャル成長基板上に形成された素子構造を、導電性の支持基板に移し替ることを前提としている。この際、一旦エピタキシャル成長基板上に形成された素子構造を、低融点合金層を用いて導電性の支持基板に接合させ、その後、レーザ照射によりIII族窒化物系化合物半導体層の一部を薄膜状に分解し、エピタキシャル成長基板との結合を解いて、エピタキシャル成長基板を取り除く(レーザリフトオフ)。詳細は次の通りである。
まず、第1溝形成工程により、支持基板を接合したウエハの状態で、ウエハ外部に連通する空気孔として作用する第1の溝が確保される。これにより、レーザリフトオフのためのレーザ照射の際に、III族窒化物系化合物半導体層の分解により生ずる窒素ガスが容易にウエハ外部に排出されることとなる。これは、レーザリフトオフのためのレーザ照射の際に、レーザが照射されてエピタキシャル成長基板とエピタキシャル層との間に窒素ガスが生成している部分から、レーザが未照射で、エピタキシャル成長基板とエピタキシャル層が完全に接合した状態のままである部分に係る応力負荷が小さくなることを意味する。このため、レーザ照射中の領域と、それに隣接するレーザ照射済み領域とレーザ未照射領域のいずれの領域においても、積層されたエピタキシャル層、導電層及び支持基板の各層間での剥離を生ずる可能性が小さくなる。また、各工程中でエピタキシャル成長基板や支持基板に亀裂が生ずる可能性も小さくなる。
更に、図6で示した技術と比較すると、レーザリフトオフ時には、絶縁性保護膜を形成する必要が無い。これは、レーザリフトオフのためのレーザ照射の際にウエハ外部に連通する空気孔として作用する第1の溝の側面は、後の工程で除去され、最終的なIII族窒化物系化合物半導体素子の外周部としては残らないからである。この点で第1溝形成工程において、エピタキシャル成長基板やエピタキシャル層に対する負荷を小さくすることができ、素子特性の劣化を回避することが可能となる。
更に、レーザリフトオフ前においては、絶縁性保護膜を形成する必要がないので、絶縁性保護膜を形成する際に必要となるレジストマスクの形成も行われない。且つ、下記に示す通り、第1の溝が形成された、エピタキシャル層を有するエピタキシャル成長基板に対し、全面に導電層を形成することが可能である。即ち、コンタクト電極形成後、レーザリフトオフまでの間に、レジストマスクの形成その他の、積層工程以外の加熱を伴う処理が一切不要となる。これは、レジスト残渣や汚染物の付着の無いまま、各層間の密着性が強固な状態でレーザリフトオフを開始できることを意味する。即ち、レーザリフトオフまでに積層された各層は、フォトレジストによるパターニング工程を経ないことから、層間の密着性が劣化することがなく、剥離を回避することができる。
以上の作用により、本発明により得られるIII族窒化物系化合物半導体素子は、素子特性の劣化が少ない。即ち、III族窒化物系化合物半導体素子の製造方法により、極めて高い歩留まり率を達成することができる。
こうして、本発明のIII族窒化物系化合物半導体素子は極めて容易に、且つ歩留まり良く製造可能である。本発明のIII族窒化物系化合物半導体素子は、レーザリフトオフによりエピタキシャル成長基板を取り除いた後、各素子チップ外周部を分離するように、エピタキシャル層をドライエッチングすると良い。ドライエッチング後、支持基板から遠い側が、水平断面積が小さくなる。よって、支持基板を下に、エピタキシャル層を上にした場合に、エピタキシャル層外周は、上から下に水平断面積が大きくなるような傾斜、即ち順テーパを有することとなる。
本発明は、エピタキシャル成長基板に先にn型層、後にp型層を形成するような発光素子に特に有効である。支持基板に接合した後は、上にn型層、支持基板側である下にp型層が配置される。また、順テーパを有するので、逆テーパに比べてp型層とコンタクト電極の接触面積及びp型層やコンタクト電極に近い位置にある発光領域の水平面積を大きく確保することができる。
本発明の素子を製造するにあたり、レーザリフトオフを用いる場合を中心に説明する。
エピタキシャル成長基板と導電性の支持基板は、いずれも500μm厚程度の比較的厚膜の基板を用いることができるので、ハンドリングが容易となる。尚、最終的に個々の素子に分割する際に、例えばレーザを用いた切断を適用する場合は、支持基板は100μm乃至200μmまで薄肉化したのち、裏面に電極層を形成すると良い。
レーザリフトオフの際のレーザ照射領域(ショットエリア)の設計においては、最終的に得られるべき各チップをレーザ照射領域(ショットエリア)の外周が横切らないようにすることが好ましい。レーザ照射領域(ショットエリア)の外周は、III族窒化物系化合物半導体層の分解が生ずる領域と生じない領域の境界であり、エピタキシャル成長基板と接合が無くなる部分と接合がまだ残っている部分の境界が各チップを横切ると、当該チップ内部で少なからず応力が発生するからである。
例えばチップの平面形状が正方形等であれば、当該チップサイズのレーザ照射領域(ショットエリア)とするか、複数個のチップを合わせた方形領域に一致するサイズのレーザ照射領域(ショットエリア)となるように調整すると良い。
レーザリフトオフの際の外部と連通する空気孔となる第1の溝は、少なくとも各レーザ照射領域(ショットエリア)外周と略一致する必要がある。即ち各レーザ照射領域(ショットエリア)外周であって、第1の溝が形成されていない部分は無いことが好ましい。
尚、各レーザ照射領域(ショットエリア)内部に当たる部分を、例えば横断するように第1の溝を設けても良く、設けなくても良い。これは各レーザ照射領域(ショットエリア)が複数個のチップの、エピタキシャル成長基板との分離を行う場合に意味を持つ。
また、第1の溝はウエハ外部と連通する必要があるので、例えばエピ基板外周付近の、チップが形成されない領域においても、エピ基板外周に達するように形成すると良い。
第1の溝の側面は、最終的に除去されるようにすると良い。第1の溝の側面が最終的に除去されるのであれば、第1の溝を形成した際に側面となるエピタキシャル層のp型層とn型層とが、第1の溝を形成した際又はその後にショート状態となっても良い。ショートを生じたブリッジ部は最終的には除去されるので、各チップのpnショートは解消されるからである。この点で、第1溝形成工程において採用されうる技術は、極めて選択範囲が広い。例えば、ダイサーによるダイシング、マスクを用いたドライエッチング、レーザ照射による溶融及び分解、或いはサンドブラストによるエッチングを採用することができる。
一方第2の溝は、各チップを形成するエピタキシャル層がチップごとに分離されるように形成する。この際、第1の溝を構成するエピタキシャル層を除去しても良く、第1の溝側面のエピタキシャル層を残したまま、第1の溝と各チップ外周部の間のエピタキシャル層を除去しても良い。第1の溝側面のエピタキシャル層を第2溝形成工程で残した場合は、当該第1の溝側面のエピタキシャル層は支持基板切断工程で除去されるようにすると良い。
尚、第2溝形成工程においては、エピタキシャル層外周部の側面において、例えばp型層とn型層とがショートしてしまうことは好ましくない。このため、第2溝形成工程において採用されうる技術は、やや選択範囲が狭くなる。
支持基板切断工程は、任意の切断方法を用いることができる。この場合、金属その他の導電層と導電性の支持基板の小片等が飛散及び付着する可能性がある。そこで、第2溝形成工程の後、絶縁性保護膜を形成して、支持基板切断工程でp型層とn型層とがショートしてしまうことを防ぐことが重要である。
切断方法として採用されうる技術は、極めて選択範囲が広い。ダイサー等によるハーフカットと機械的切断の組み合わせや、レーザ照射による分解も好ましい。
図1は、本発明の具体的な一実施例であるIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)1000の構成を示す断面図である。
図1のIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)1000は、n型シリコン基板である導電性の支持基板200の表面に、支持基板200に近い方から、複数の金属の積層から成る導電層222、低融点合金層であるはんだ層(ソルダ層)50、複数の金属の積層から成る導電層122、pコンタクト電極121、主としてp型のIII族窒化物系化合物半導体層の単層又は複層であるp型層12、発光領域L、主としてn型のIII族窒化物系化合物半導体層の単層又は複層であるn型層11、nコンタクト電極130の積層構造を有する。
請求項の記載と本実施例の構成を対比した場合、請求項の「導電性の低融点合金層」に対応するものは、はんだ層(ソルダ層)50である。
尚、発光領域Lを挟んだp型層12とn型層11の外周側面は、絶縁性保護膜40で覆われている。また、p型層12とn型層11(以下、合わせてエピタキシャル層10と言うことがある)の水平断面積は、p型層12の支持基板側200側からn型層11のnコンタクト電極130側に向って徐々に減少する。このため、絶縁性保護膜40で覆われたエピタキシャル層の外周側面は、nコンタクト電極130を形成された上側から、支持基板側200側である下側に向って広がるような、傾き(順テーパ)を形成している。
尚、n型層11には、光取り出し効率を向上させるために、凹凸を有する表面11sが形成されている。
また、支持基板200の逆の面(裏面)には、複数の金属の積層から成る導電層232、はんだ層(ソルダ層)235が形成されている。
本実施例においては、各層は次のように構成されている。
複数の金属の積層から成る導電層222と232は、いずれも、支持基板200側から、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)の順に積層されたものである。尚ニッケル(Ni)層は、はんだ層(ソルダ層)50のスズ(Sn)の拡散を防ぐものである。
はんだ層(ソルダ層)50と235は、いずれも金とスズとの合金(Au−Sn)から成るはんだで形成されている。尚、はんだ層(ソルダ層)235表面には、スズの酸化を防止するため薄膜の金(Au)層が形成されている。
pコンタクト電極121は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)及び銅(Cu)の合金で形成されている。
複数の金属の積層から成る導電層122は、p型層12及びpコンタクト電極121に近い側から、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)の順に積層されたものである。
nコンタクト電極130は、バナジウム(V)と金(Au)の積層構造から成る。
絶縁性保護膜40は窒化ケイ素(Si34)から成る。
図1のIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)1000は、次のようにして製造された。この際の工程図(断面図)を図2.A乃至図2.Sで示す。尚、図2.E、図2.I、図2.Kおよび図2.Mは、それぞれ工程図である図2.D、図2.H、図2.Jおよび図2.Lの一部の拡大図である。
厚さ500μmのサファイアから成るエピタキシャル成長基板100にn型層11及びp型層12を順にエピタキシャル成長させて、エピタキシャル層10とした(図2.A)。発光領域LはMQW構造で形成したが、図2.Aでは単に太破線で示した。
次に、レーザリフトオフ時の空気孔となる、第1の溝tr−1をダイサーにより形成した。第1の溝tr−1は、p型層12及びn型層11の合計膜厚約4μmと、エピタキシャル成長基板100の深さ10μm程度を除去することにより形成された。第1の溝tr−1の幅は約20μmとした(図2.B)。
次にスパッタ装置により、Ag−Pd−Cu合金層を全面に形成し、レジストマスクを形成してAg−Pd−Cu合金層の不要部分を除去し、レジストマスクを除去し、その後、加熱によりアロイ化してpコンタクト電極121を形成した(図2.C)。
次に、スパッタ装置によりTi層、TiN層、Ti層、Ni層、Au層を順に全面に形成した。この5層を合わせて導電層122で示している。尚、化合物層であるTiN層はスパッタ装置で実施する必要があるが、それ以降のTi層、Ni層、Au層は蒸着で形成しても良い。
また、抵抗加熱蒸着装置によりはんだ層125として、AuSn層及びAu層を全面に形成した。最終形成のAu層は、スズ(Sn)の酸化その他からの保護膜である。(図2.D)
ここで、第1の溝tr−1を、導電層122及びはんだ層(ソルダ層)125が覆うことがあっても、第1の溝tr−1が空気孔としての外部との連通が確保される、又はレーザリフトオフの際のレーザ照射時に連通可能であれば良い。実際、図2.Eに示す通り、第1の溝tr−1の底部には厚く導電層122及びはんだ層(ソルダ層)125が形成されうるが、側壁には形成されないか、形成されたとしても極めて薄い。よって、n型層11の、エピタキシャル成長基板100との界面11sfに発生した窒素が第1の溝tr−1に排出されるべき、連通すべき位置(図2.Eでvnt)は、レーザリフトオフ時の窒素ガスにより容易に除かれ、生成する窒素ガスの排出が容易となる。
次に、厚さ500μmのシリコンから成る支持基板200に、抵抗加熱蒸着装置によりTi層、Ni層及びAu層から成る導電層222と、AuSn層及びAu層から成るはんだ層225を全面に形成する。最終形成のAu層は、スズ(Sn)の酸化その他からの保護膜である。
こうして、上記エピタキシャル層を有するエピタキシャル成長基板100と支持基板200を、はんだ層(ソルダ層)125及び225を向かい合わせて接合する。はんだ層(ソルダ層)125及び225は導電性の低融点合金層である。加熱温度は320℃、圧力は196kPa(約2気圧、2kgf/cm2)とした(図2.F)。
この際、2つのAuSn層の間のAu薄膜2層は、AuSn層に吸収され、1つのAuSn層となる。以下、はんだ層(ソルダ層)125及び225が一体化したものをはんだ層(ソルダ層)50として示す(図2.G)。先述した通り、はんだ層(ソルダ層)125及び225が一体化したはんだ層(ソルダ層)50は導電性の低融点合金層である。
次に、レーザリフトオフを行う。エピタキシャル層のn型層11の、サファイアから成るエピタキシャル成長基板100との界面11sf付近にレーザ照射して、薄膜状部分を分解する。この際、レーザ照射領域(ショットエリア)としては、500μmピッチに形成される正方形状のチップを16個含む、1辺2mmの正方形領域とした。こうして、図2.Gにおいて、n型層11の、サファイアから成るエピタキシャル成長基板100との界面11sf付近を全て薄膜状部分を分解して結合を解き、エピタキシャル成長基板100を剥離させた(図2.H)。第1の溝tr−1はウエハ外部に連通していたので、窒素ガスが発生しても直ちに第1の溝tr−1を通じてウエハ外部に当該窒素ガスは排出され、レーザ照射によって、エピタキシャル層10、エピタキシャル成長基板100、支持基板200及びそれらの間に形成された導電性の各層には小さな負荷しかかからない。このため、剥離や亀裂は全く生じなかったことが最終的に確かめられた。
この際、第1の溝tr−1の底面と側面の一部は、サファイア基板100に形成されていたものであり、当該サファイア基板100の一部である第1の溝tr−1の底面と側面に形成されていた導電層122とはんだ層(ソルダ層)125は、サファイア基板100と共に除去された(図2.I、図2.Hの一部拡大図)。
次にマスクを用いたドライエッチングにより、エピタキシャル層10のチップ外周部を除去し、第2の溝tr−2を形成した(図2.J)。
この際、エッチングマスクとしてはCVDによりSiO2を形成し、所定形状として用いた。またこの際、第1の溝tr−1の側面の一部は、n型層11及びp型層12から成るエピタキシャル層10に形成されていたものであり、当該エピタキシャル層10の一部である第1の溝tr−1の側面に形成されていた導電層122とはんだ層(ソルダ層)125(図2.Iで、符号Mを付して示した破線楕円内部)は、エピタキシャル層10と共に除去された(図2.K)。
次に絶縁性保護膜40を形成するため、CVDによりSiNを全面に形成した(図2.L)。この際、SiNから成る絶縁性保護膜40は、一旦、第1の溝tr−1のはんだ層(ソルダ層)50側の底部にも堆積する(図2.M)。
次にSiNから成る絶縁性保護膜40のうち、必要な部分である各素子外周部以外をドライエッチングして除去し、n型層11の面11fを露出させた(図2.N)。n型層11の面11fはいわゆる(000−1)面、−c面であり、エッチングされやすい。
そこで、ウエハのn型層11表面を、濃度1mol/L(1M)の水酸化カリウム水溶液(KOHaq)に浸漬し、60℃で放置して凹凸面11sを形成した(図2.O)。
次にレジストマスクを用いて、所望領域にVとAuを積層してn電極130を形成した(図2.P)。
次に、シリコンから成る支持基板200の裏面を研磨して、厚さ120μmまで薄肉化した(図2.Q)。
シリコンから成る支持基板200の研磨した面にTi層、Ni層、Au層から成る導電層232と、AuSn層とAu層から成るはんだ層(ソルダ層)235を蒸着した(図2.R)。最終形成のAu層は、スズ(Sn)の酸化その他からの保護膜である。尚、はんだ層(ソルダ層)235は、形成しなくても良い。
次にレーザを用いて支持基板200を切断した(図2.S)。図2.SでCで示した2本の破線の内側がレーザで分解及び溶融されて各素子が分離された。こうして図1のIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)1000を得た。このように得られたIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)1000は、1枚のエピタキシャル成長基板100(支持基板200)から得られたチップのうち、合格率は95%であり、極めて高い歩留まり率を示した。
実施例1においては、工程図である図2.Jとその拡大図である図2.Kに示した通り、第2の溝tr−2を形成する際に、第1の溝tr−1を形成しているエピタキシャル層10側面も除去した。この第2の溝tr−2を形成する際に、第1の溝tr−1を形成しているエピタキシャル層10側面を残すこととし、支持基板200の切断工程において当該第1の溝tr−1の構成を除去することとしても良い。これを実施例2として図3.A及び図3.Bを用いて説明する。
図3.Aは図2.Jの拡大図である図2.Kに対応する本実施例の1工程の拡大図である。実施例1においては、第2の溝tr−2を形成する際、第1の溝tr−1を形成しているエピタキシャル層10側面も除去したので、導電層122及びはんだ層(ソルダ層)125の当該側面に形成されていた部分(図2.Iで、符号Mを付して示した破線楕円内部)が除去されたことを図2.Iと図2.Kに示した。本実施例では、第2の溝tr−2を形成する際、第1の溝tr−1を形成しているエピタキシャル層10側面を除去しないので、導電層122及びはんだ層(ソルダ層)125の当該側面に形成されていた部分(図2.Iで、符号Mを付して示した破線楕円内部)も除去されない(図3.A)。この実施には、第2の溝形成のエッチングに先立って形成されるエッチングマスクとして、第1の溝tr−1を覆う部分を形成すれば良い。この実施例の利点は、ドライエッチング中にマスクで第1の溝tr−1を覆うので、マスクで第1の溝tr−1を覆わない場合に必ずしも分解除去されない可能性のある金属片(図2.Iで、符号Mを付して示した破線楕円内部)による、エピタキシャル層のショートを防ぐことである。また、エッチングチャンバに金属片が残留することや、内部の金属汚染を低減することにもなる。
絶縁性保護膜を形成した後、支持基板切断工程においては、図3.Bに示す通りCで示した2本の破線の内側をレーザで分解し、各素子に分離する。
(変形例)
例えば支持基板切断工程において、切断(分離)のためのレーザ照射を複数回行うことにしても良い。例えば図4は、破線楕円内部が、レーザ照射で分解又は溶融されることを概念的に示している。図4に示される通り、当該破線楕円を複数個並べて、必要な範囲が分解又は溶融されるように調整すると良い。
本技術の利点は、実施例1における、支持基板切断工程に先立つ支持基板200の薄肉化の省略が挙げられる。或いは、実施例1においてダイサーで実施した第1の溝形成をレーザ照射によって行うこととした際、支持基板切断工程におけるレーザ照射を、第1の溝形成の際と同じ集光度、出力に調整することも可能である。
本発明に係るIII族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)の構成を示す断面図。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 図2.Dの工程図の一部拡大図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 図2.Hの工程図の一部拡大図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 図2.Jの工程図の一部拡大図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 図2.Lの工程図の一部拡大図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例1における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例2における1工程を示す工程図(断面図)。 実施例2における1工程を示す工程図(断面図)。 変形例における1工程を示す工程図(断面図)。 従来例に係る製造方法の1工程を示す工程図(断面図)。 従来例に係る他の製造方法の1工程を示す工程図(断面図)。
符号の説明
1000:III族窒化物系化合物半導体素子(青色LED)
100:サファイア基板(エピタキシャル成長基板)
11:n型層
L:発光領域
12:p型層
121:pコンタクト電極
122、222、232:導電層
125、225、235、50:はんだ層(ソルダ層)
130:n電極
200:シリコン基板(支持基板)
40:SiNから成る絶縁性保護膜

Claims (4)

  1. 導電性の支持基板上に、少なくとも1層の導電性の低融点合金層を介して接合されたIII族窒化物系化合物半導体層を有するIII族窒化物系化合物半導体素子において、
    前記III族窒化物系化合物半導体層の水平断面積が、前記支持基板から最も遠い位置で小さく、前記支持基板に近づくに従って大きくなる順方向の傾斜を有することを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体素子。
  2. 前記支持基板から遠い位置にnコンタクト電極を設けられたn型層が、前記支持基板に近い側にpコンタクト電極を設けられたp型層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物系化合物半導体素子。
  3. 前記III族窒化物系化合物半導体層の前記順方向の傾斜部分は、絶縁性保護膜により覆われていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のIII族窒化物系化合物半導体素子。
  4. 発光素子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体素子。
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CN113539928A (zh) * 2020-04-15 2021-10-22 株式会社电装 半导体芯片及其制造方法

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