JP2010086729A - 電極シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】集電箔表面の濡れ性、集電箔と電極材料との密着性の向上
【解決手段】この電極シートの製造方法は、電極活物質を含む電極材料112が集電箔110の表面に塗工された電極シートを製造する。ここで、集電箔110は、少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気下にて、集電箔110の表面にプラズマを当てるプラズマ処理後に、当該集電箔110の表面に電極材料112が塗工される。この場合、集電箔110の表面の濡れ性、集電箔110と電極材料112との密着性が向上する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、電極シートとセパレータを挟んで重ねた電極体を有する電池に関し、特に、電極シートの製造方法に関する。
かかる電極シートの製造方法に関し、例えば、特開2006−79935号公報では、集電箔(集電体、ウェブ)を大気圧又はその近傍の圧力下でグロー放電プラズマにより処理することが開示されている。これによって、集電箔表面に付着した有機汚染物が除去されるとともに、集電箔表面に酸化被膜が形成される。そして、その後、当該集電箔上に電極材料を塗布して電極が形成されている。同公報では、集電箔表面の有機汚染物の除去と、酸化被膜の形成により、集電箔の電極材料に対する濡れ性が向上するとの効果が記載されている。さらに、電極材料を集電箔に塗布した際に、両者の密着性が向上し、充放電を繰り返しても、電極材料が集電体から剥がれにくくなり、サイクル寿命特性が向上するとの効果が記載されている。
特開2006−79935号公報
本発明者は、かかる電極シートの製造方法に関して、さらに検討を進め、集電箔表面の濡れ性を向上させることができ、集電箔と電極材料との密着性を向上させることができる、電極シートの製造方法を提案する。
本発明に係る電極シートの製造方法は、少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気下にて、集電箔の表面にプラズマを当てるプラズマ処理を施し、その後、当該集電箔の表面に電極材料を塗工する。この方法によれば、集電箔表面の濡れ性、集電箔と電極材料との密着性が格段に向上する。このため、例えば、電極シートを用いた電池の諸性能を向上させることができる。
なお、プラズマ処理において、集電箔の単位面積当たりのプラズマの放電量は、例えば、70W・min/m以上であるとよい。
かかる電極シートの製造方法によって製造された電極シートは、集電箔と電極材料との密着性がよく、例えば、正負の電極シートの間にセパレータを挟んで重ねた電極体を有する電池の電極シートとして好適である。
また、かかる電極シートの製造装置としては、プラズマ発生部が配設されたプラズマ室に集電箔を通す搬送部と、集電箔の表面にプラズマが当てられた後に、当該集電箔の表面に電極材料を塗工する塗工部とを備えた構成にすることができる。ここで、プラズマ室の雰囲気は、少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気とすることが好ましい。かかる気相雰囲気は、例えば、上記プラズマ室に窒素ガス(N)と水素ガス(H)を供給することにより容易に形成することができる。ここに開示される装置の好ましい一態様は、プラズマ室に気体を供給して該プラズマ室を上記気相雰囲気に調整可能な気体供給部を備えた電極シート製造装置である。
以下、本発明の一実施形態に係る電極シートの製造方法を図面に基づいて説明する。
この電極シートの製造方法は、電極活物質を含む電極材料を集電箔の表面に塗工して電極シートを製造する製造方法である。
例えば、電極シートは、二次電池用の電極シートに用いられる。かかる二次電池用の電極シートは、導電性を有する集電箔(金属箔)に、電極材料が塗工されている。集電箔としては、導電性の良好な金属材料(例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、鉄、またはこれらを主成分とする合金等)が用いられている。
二次電池の一態様として、捲回型の捲回電極体を有する二次電池が挙げられる。かかる二次電池には、例えば、リチウムイオン二次電池(lithium-ion secondary battery)や、ニッケル水素二次電池(nickel-hydride secondary battery)などがある。以下、リチウムイオン二次電池を一例にして説明する。なお、ニッケル水素二次電池など他の二次電池の場合は、集電箔や電極活物質や電解液などを適宜変更するとよい。
リチウムイオン二次電池1000は、例えば、図1に示すように、矩形の金属製の電池ケース300に構成されている。捲回電極体310は当該電池ケース300に収容されている。
この実施形態では、捲回電極体310は、図2に示すように、帯状電極として、正極シート311と、負極シート313を備えている。また、帯状セパレータとして、第1セパレータ312と、第2セパレータ314を備えている。そして、正極シート311と、第1セパレータ312と、負極シート313と、第2セパレータ314の順で重ねられて巻き取られている。ここで、正極シート311と負極シート313は、それぞれ本発明に係る電極シートに相当する。正極シート311は正の電極シートであり、負極シート313は負の電極シートである。
正極シート311は、この実施形態では、アルミニウム箔からなる帯状の集電箔311cの両面に正極活物質(電極活物質)を含む電極材料311dが塗工されている。当該電極材料311dに含まれる正極活物質としては、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)などが挙げられる。
負極シート313は、この実施形態では、銅箔からなる帯状の集電箔313cの両面に負極活物質(電極活物質)を含む電極材料313dが塗工されている。当該電極材料313dに含まれる負極活物質としては、例えば、グラファイト(Graphite)やアモルファスカーボン(Amorphous Carbon)などの炭素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷移金属窒化物等などが挙げられる。
なお、電極材料311d、313dは、例えば、水系または溶剤系のペーストに、電極活物質を混ぜ込んで、集電箔311c、313cに塗工し、乾燥させるとよい。
セパレータ312、314は、イオン性物質が透過可能な膜であり、この実施形態では、ポリプロピレン製の微多孔膜が用いられている。
この実施形態では、電極材料311d、313dは集電箔311c、313cの幅方向片側に偏って塗工されており、集電箔311c、313cの幅方向反対側の縁部には塗工されていない。集電箔311c、313cに電極材料311d、313dが塗工された部位を塗工部311a、313aといい、集電箔311c、313cに電極材料311d、313dが塗工されていない部位を未塗工部311b、313bという。
捲回電極体310は、図2に示すように、正極シート311と、第1セパレータ312と、負極シート313と、第2セパレータ314とが順に重ねられた状態を示す幅方向の断面図である。正極シート311の塗工部311aと負極シート313の塗工部313aは、それぞれセパレータ312、314を挟んで対向している。図2に示すように、捲回電極体310の捲回方向に直交する方向(巻き軸方向)の両側において、正極シート311と負極シート313の未塗工部311b、313bが、セパレータ312、314からそれぞれはみ出ている。当該正極シート311と負極シート313の未塗工部311b、313bは、捲回電極体310の正極と負極の集電体311b1、313b1をそれぞれ形成している。
かかる捲回電極体310は、図1に示すように、電池ケース300に収容される。電池ケース300には、図1に示すように、正極端子301と負極端子303が設けられている。正極端子301は捲回電極体310の正極集電体311b1(図2参照)に電気的に接続されている。負極端子303は捲回電極体310の負極集電体313b1(図2参照)に電気的に接続されている。かかる電池ケース300には電解液が注入される。電解液は、適当な電解質塩(例えばLiPF等のリチウム塩)を適当量含むジエチルカーボネート、エチレンカーボネート等の混合溶媒のような非水電解液で構成できる。
かかるリチウムイオン二次電池1000では、正極端子301と負極端子303を介して放充電が行なわれる。放充電時には、正極シート311の塗工部311aと負極シート313の塗工部313aの間で、帯状セパレータ312、314を通してリチウムイオンが行き来する。
ここで用いられるアルミニウム製及び銅製の集電箔は、製造時に圧延ローラ等によって、例えば、厚さ10μm〜30μm程度に圧延されている。かかる圧延工程では、集電箔の表面に圧延油が付着する。かかる集電箔の表面に付着した圧延油は、集電箔に電極材料を塗工する際に、集電箔と電極材料との密着性を阻害し、十分な接合強度が得られないなどの不都合を生じさせる。また、集電箔の表面は自然酸化される。集電箔表面に自然酸化膜が存在する状態で電極材料を塗工すると、該電極材料と集電箔との間の導電性が低下するなどの不都合が生じる。また、例えば、銅製の集電箔は、リチウムイオン二次電池では負極側に使用される。この場合、リチウムイオン二次電池の負極側には、高い還元電位がかかる。充電および放電が繰り返される際に高い還元電位がかかることによって、銅酸化膜(CuO膜、CuO膜)が溶解することも考えられ得る。さらに、銅酸化膜(CuO膜、CuO膜)が溶解すると、該酸化膜の上に密着した電極材料が不安定になり、銅箔と電極材料が部分的に剥離する場合があるなど、電池の寿命に影響を与えることが考えられなくはない。
この実施形態では、少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気(ここでは窒素ガスと水素ガスとを混合した混合雰囲気)下にて集電箔の表面にプラズマを当てるプラズマ処理を行った後に、当該集電箔の表面に電極材料を塗工している。
かかる処理を行う電極シートの製造装置100は、例えば、図3に示すように、プラズマ室102と、気体供給部104と、搬送部106と、塗工部108と、乾燥部109を備えている。集電箔110は、搬送部106によって搬送され、プラズマ室102にて、コロナ放電処理等によるプラズマ処理が施される。
ここで、プラズマ室102には、プラズマを発生させるプラズマ発生部121が配設されている。この実施形態では、プラズマ室102は、上部が塞がれ、下部が開口した気室で形成されている。プラズマ発生部121の上部には、プラズマ室内にプラズマ処理雰囲気を形成する気体を供給する配管122が連通している。
気体供給部104は、プラズマ室102に、窒素ガス(N)と水素ガス(H)を供給し、窒素ガスと水素ガスとを混合した混合雰囲気を形成する。この実施形態では、気体供給部104は、プラズマ室102の上部に連通した配管122を通じて、窒素ガスと水素ガスを予め所定の割合で混合した混合気体を供給する。かかる気体供給部104によって、プラズマ室102に窒素ガスと水素ガスが供給されると、プラズマ室102内の空気が下部の開口から追い出され、プラズマ室102に窒素ガスと水素ガスの混合雰囲気が形成される。なお、気体供給部104は、先に、窒素ガスを供給し、プラズマ室102内を窒素ガス雰囲気にしてから、窒素ガスと水素ガスの混合雰囲気を形成してもよい。窒素ガスと水素ガスの混合雰囲気は、さらに、アルゴンなどの不活性ガスが含まれていてもよい。これにより、プラズマ室102内に酸素が残留するのを防止でき、より安定した窒素ガスと水素ガスの混合雰囲気を形成することができる。
この実施形態では、窒素ガスと水素ガスとの混合割合は、体積比にて、水素ガス:窒素ガス=8:92としている。なお、窒素ガスと水素ガスとの混合割合は、かかる割合に限定されない。
搬送部106は、集電箔110を搬送する装置であって、プラズマ室102に集電箔110を通すように搬送経路を有している。この実施形態では、図3に示すように、搬送部106は、供給リール161から供給される集電箔110を、プラズマ室102、塗工部108に順に通して巻取リール162に巻き取る。プラズマ室102には、プラズマ発生部121が発生させるプラズマ121aが集電箔110の表面に当てられるように、集電箔110を案内するガイドローラ164を備えている。かかる搬送部106によって、プラズマ室102に搬送された集電箔110は、プラズマ発生部121によってプラズマが当てられる。そして、当該集電箔110の表面に、当該プラズマ室102の雰囲気に応じたプラズマ処理が施される。
塗工部108は、集電箔110の表面にプラズマが当てられた後に、当該集電箔110の表面に電極材料112を塗工する。この実施形態では、電極材料112を塗工する塗工部108は、集電箔110の搬送経路上において、プラズマ室102の出口の近傍部に配設されている。そして、プラズマ室102において、プラズマ処理が施された集電箔110の表面に、電極材料112が塗工される。これによって、プラズマ室102を出た後すぐに集電箔110の表面に電極材料112が塗工される。さらに、電極材料112が塗工された集電箔110は、乾燥部109に通される。巻取リール162は、かかる乾燥部109にて電極材料112を乾燥させた集電箔110を巻き取っている。
この実施形態では、集電箔110は、窒素ガスと水素ガスとを混合した混合雰囲気下にて、集電箔110の表面にプラズマを当てるプラズマ処理後に、当該集電箔110の表面に電極材料112が塗工される。プラズマ処理前においては、集電箔110の表面には、図4(a)、(b)に示すように、自然酸化によって酸化膜114が形成されており、さらに、圧延時に付着する圧延油によって油膜116が形成されている。
この実施形態では、窒素ガスと水素ガスとを混合した混合雰囲気下にて、集電箔110の表面にプラズマを当てるプラズマ処理が施される。かかるプラズマ処理においては、集電箔110表面の油膜は焼失する。例えば、集電箔に30μg/cm〜40μg/cm程度の油膜が付着している場合、未処理の場合に比べて概ね7割〜9割程度除去することができる。また、プラズマ処理の放電量などの諸条件がさらに整えば油膜の除去をさらに向上させることも期待できる。
さらに、集電箔110の表面の酸化膜114は、窒素ガスと水素ガスとを混合した混合雰囲気下でプラズマが当てられることによって還元される。
例えば、集電箔110がアルミ箔の場合は、表面に酸化膜(Al)が生じている。この場合は、例えば、Al+3H→2Al+3HOなどの反応が促進され、アルミ箔の表面の酸化膜が一部還元される。
また、集電箔110が銅箔の場合は、表面に酸化膜(CuO、CuO)が生じている。この場合は、例えば、CuO+H→Cu+HOなどの反応が促進され、銅箔の表面の酸化膜が一部還元される。
このように、かかるプラズマ処理によって、油膜が除去され、酸化膜が還元される。これによって、集電箔110の表面は、電極材料112の濡れ性(密着性)が向上し、集電箔110と電極材料112との接合強度が向上する。また、集電箔110の表面の酸化膜が還元されており、電極材料112と集電箔110との導電性も良くなる。また、集電箔110の表面の酸化膜が還元されているので、経年的な使用において、還元電位などの作用により酸化膜の成分が溶解するような事象を少なく抑えることができる。このため、かかる電極シートの製造方法は、電池性能を長期にわたって維持することができ、電池の長寿命化にも寄与する。
さらに、この実施形態では、上記のプラズマ処理によって、電極材料112の濡れ性(密着性)は、単に酸化膜が還元された場合に比べて、格段に向上する。この理由について、本発明者は、集電箔110の表面に極性を有する官能基が形成されるなど、集電箔110の表面のエネルギが高い状態になると考えている。
以下、本発明者の推測によるが、窒素ガスと水素ガスとを混合した混合雰囲気下でプラズマを発生させると、窒素ガス(N)と、水素ガス(H)は、それぞれイオン化し、反応し易くなる。このため、上述した酸化膜を還元させる反応の他、例えば、(N)+2(H)→(NH)のような反応も生じる。そして、図5に示すように、酸化膜が除去された集電箔110の表面に、イオン化した(NH)が結合すると考えられる。(NH)は、電気的な極性を有し、集電箔110の表面をエネルギが高い状態する。そして、かかる集電箔110の表面に電極材料112を吸着し易くなると考えられる。これによれば、電極材料112は、水系、溶剤系のペーストであるかを問わず、集電箔110に吸着し易くなる。
この実施形態では、窒素ガスと水素ガスとを混合した混合雰囲気下にて、集電箔の表面にプラズマを当てるプラズマ処理後に、当該集電箔の表面に電極材料を塗工している。集電箔110を塗工する塗工部108は、プラズマ室102を出た直後に、集電箔110の表面に電極材料112を塗工できるように、プラズマ室102の出口の近傍に配設されている。
プラズマ処理後の集電箔110の表面は、酸化膜が除去された状態であり、化学的に不安定な状態であるから、プラズマ処理後、直ぐに、集電箔110の表面に電極材料112を塗工することが望ましい。プラズマ処理後、直ぐに、集電箔110の表面に電極材料112を塗工することによって、集電箔110の表面に、再度酸化膜が形成されるのを防止できる。また、プラズマ処理後、直ぐに、集電箔110の表面に電極材料112を塗工することは、実際の設備では、難しい場合もある。この場合、プラズマ処理後は、電極材料112が塗工されるまで、低酸素雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、窒素ガス雰囲気下など、集電箔110の表面に酸化膜が形成され難い雰囲気に集電箔110を保つことが望ましい。
本発明者は、かかるプラズマ処理後直ぐに、不活性ガス雰囲気に保ち、集電箔110表面の水滴の接触角を計測した。この場合、例えば、図6に示すように、プラズマ放電量(W・min/m)と、水滴の接触角について、一定の相関関係Aが得られる。なお、図6は、例えば、アルミ箔および銅箔に30μg/cm〜40μg/cm程度の油膜が付着している場合について、プラズマ放電量(W・min/m)と、水滴の接触角の相関関係である。
ここで、プラズマ放電量(W・min/m)は、プラズマのエネルギを、集電箔(ウェブ)の搬送速度を考慮しつつ単位面積当たりに当てられる電力量で評価した量である。
かかるプラズマ処理において、集電箔110の単位面積当たりのプラズマの放電量は、高ければ高いほど、より好ましく、70W・min/m以上であると、集電箔の表面の濡れ性についてかなり向上する。より好ましくは80W・min/m以上、さらに好ましくは100W・min/m以上、さらに好ましくは1000W・min/m以上であるとよい。
本発明者が得た知見によれば、例えば、アルミ箔および銅箔に30μg/cm〜40μg/cm程度の油膜が付着している場合、プラズマ処理において、集電箔の単位面積当たりのプラズマの放電量が、50W・min/m以上であると、集電箔表面の酸化膜を還元する効果が得られる。
また、プラズマの放電量が70W・min/m以上であれば、水滴の接触角が概ね30度以下に低下し、集電箔の表面の濡れ性がかなり改善する。より好ましくは80W・min/m以上であれば、水滴の接触角を概ね20度以下にすることができ、さらに100W・min/m以上であれば、集電箔の表面に、電極材料112を塗工するのに適当な濡れ性をより確実に確保できる。
さらに、プラズマ処理において、集電箔110の単位面積当たりのプラズマの放電量が1000W・min/m以上であると、金属光沢が顕著に観察される程度に、集電箔表面の酸化膜の除去がより確実に行なわれる。
かかる製造方法によって、製造された電極シートは、電極材料の密着性、接合強度がよい。このため、二次電池に用いられた場合に、二次電池の充電および放電の繰り返しサイクルにおいても、電池性能(例えば、充電容量)などの性能の劣化を小さく抑えることができ、二次電池の性能向上および長寿命化を図ることができる。
従って、かかる電極シートは、例えば、電極シートとセパレータを挟んで重ねた電極体を有する二次電池の電極シートとして好適である。かかる二次電池としては、例えば、図1に示すように、捲回電極体310を構成し、電池ケースに収容した電池でもよい。また、図示は省略するが、電極シートとセパレータを挟んで重ねた積層型の電極体を、ラミネートフィルムで覆った、いわゆるラミネート型の二次電池でもよい。
また、かかる二次電池1000は、例えば、図7に示すように、複数個が組み合わされて組電池1000Aが構成され、車両1の電源として搭載される。車両用の電源は、充電や放電が繰り返されるが、上述した電極シートの製造方法によれば、二次電池の性能向上および長寿命化を図ることができるので、車両用の電源として用いられる二次電池の製造方法および製造装置として有益である。
以上、電極シートの製造方法および製造装置の一例を例示したが、本発明に係る電極シートの製造方法および製造装置は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、プラズマ処理は、コロナ放電処理や、グロー放電など、適当なプラズマ処理を選択的に採用することができる。また、プラズマを発生させる装置も、公知の種々の装置から適当な装置を選択的に用いることができる。例えば、プラズマ処理として、コロナ放電処理を採用する場合には、春日電機製のコロナ放電処理装置を採用することができる。
また、プラズマ処理の放電量などの諸条件については、処理前の集電箔110の状態などによって、適切な条件を設定するとよい。
また、プラズマ処理が行われる雰囲気は、少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気であればよい。かかる気相雰囲気は、例えば、窒素ガスと水素ガスとを混合することにより好ましく形成され得る。この場合、実質的に窒素ガス及び水素ガスのみからなる雰囲気としてもよいし、さらに他のガス(例えばアルゴンガス)を混合してもよい。また、プラズマ処理が行われる雰囲気は、窒素及び水素の他、例えば、炭酸ガスや炭酸水素ガス等を含む気相雰囲気であってもよい。
また、本発明の電極シートの製造方法を利用して製造された二次電池については、車両に電源として搭載される用途を例示したが、本発明は、二次電池の性能向上および長寿命化に寄与する。このため、本発明は、車両用に限らず種々の用途に用いられる二次電池の製造方法に好適である。
二次電池の一例を示す図。 捲回電極体の一例を示す図。 本発明の一実施形態に係る電極シートの製造装置を示す図。 (a)は処理前の集電箔の表面状態を示す断面図。(b)は集電箔の表面の拡大断面図。 本発明の一実施形態に係る電極シートの製造におけるプラズマ処理後の集電箔の表面状態を推定した断面図。 本発明の一実施形態に係る電極シートの製造におけるプラズマ処理の放電量と、集電箔表面の水滴の接触角との関係を示す相関図。 二次電池を電源として搭載した車両を示す側面図。
符号の説明
1 車両
100 電極シートの製造装置
102 プラズマ室
104 気体供給部
106 搬送部
108 塗工部
109 乾燥部
110 集電箔
112 電極材料
114 酸化膜
116 油膜
121 プラズマ発生部
121a プラズマ
161 供給リール
162 巻取リール
164 ガイドローラ
300 電池ケース
301 正極端子
303 負極端子
310 捲回電極体
311 正極シート
311a 塗工部
311b 未塗工部
311b1 正極集電体
311c 集電箔
311d 電極材料
312 セパレータ(第1セパレータ)
313 負極シート
313a 塗工部
313b 未塗工部
313b1 負極集電体
313c 集電箔
313d 電極材料
314 セパレータ(第2セパレータ)
1000 リチウムイオン二次電池
1000A 組電池

Claims (8)

  1. 電極活物質を含む電極材料が集電箔の表面に塗工された電極シートを製造する電極シートの製造方法であって、
    少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気下にて、前記集電箔の表面にプラズマを当てるプラズマ処理後に、当該集電箔の表面に前記電極材料を塗工する、電極シートの製造方法。
  2. 前記プラズマ処理において、集電箔の単位面積当たりのプラズマの放電量は、70W・min/m以上である、請求項1に記載の電極シートの製造方法。
  3. 正負の電極シートの間にセパレータを挟んで重ねた電極体を有する電池の製造方法であって、
    少なくとも正負いずれかの電極シートの製造方法に、請求項1又は2に記載の電極シートの製造方法を含む、電池の製造方法。
  4. 電極活物質を含む電極材料が集電箔の表面に塗工された電極シートであって、
    少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気下にて、前記集電箔の表面にプラズマを当てるプラズマ処理後に、当該集電箔の表面に前記電極材料が塗工された、電極シート。
  5. 正負の電極シートの間にセパレータを挟んで重ねた電極体を有する電池であって、
    少なくとも正負いずれかの電極シートとして、少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気下にて前記集電箔の表面にプラズマを当てるプラズマ処理後に当該集電箔の表面に前記電極材料が塗工された電極シートを有する、電池。
  6. 請求項5に記載の電池が複数個組み合わされた組電池。
  7. 請求項6に記載の組電池が電源として搭載された車両。
  8. 電極活物質を含む電極材料が集電箔の表面に塗工された電極シートを製造する電極シートの製造装置であって、
    プラズマ発生部が配設されたプラズマ室と、
    前記プラズマ室に気体を供給して該プラズマ室の雰囲気を少なくとも窒素及び水素を含有する気相雰囲気に調整する気体供給部と、
    前記プラズマ室に集電箔を通す搬送部と、
    前記プラズマ室において前記集電箔の表面にプラズマが当てられた後に、当該集電箔の表面に電極材料を塗工する塗工部と
    を備えた、電極シートの製造装置。
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