JP2019121561A - 非水電解液リチウム二次電池 - Google Patents

非水電解液リチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】正極活物質層にLi3PO4が添加された非水電解液リチウム二次電池であって、集電体として用いられる金属箔に残存する圧延油による容量の低下が抑制された非水電解液リチウム二次電池を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解液リチウム二次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、を備える。前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを有する。前記正極集電体は、金属箔である。前記正極活物質層は、正極活物質と、Li3PO4と、けん化度が60モル%以上のポリビニルアルコールとを含有する。前記正極の単位面積あたりの前記ポリビニルアルコールの量をA(mg/cm2)とし、前記金属箔の単位面積あたりの残存圧延油の量をB(mg/cm2)としたときに、18.4≦A/B≦64.4を満たす。【選択図】図3

Description

本発明は、非水電解液リチウム二次電池に関する。
近年、非水電解液リチウム二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
非水電解液リチウム二次電池は一般的に、正極と、負極と、非水電解液とが電池ケースに収容された構成を有する。このような一般的な構成の非水電解液リチウム二次電池においては、典型的には、正極は、正極集電体と、当該正極集電体上に設けられた正極活物質層とを有する。正極集電体には、アルミニウム箔等の導電性が良好な金属箔が用いられる。正極活物質層は、正極活物質を含む(例えば、特許文献1参照)。
非水電解液リチウム二次電池は、非水電解液の分解によってその特性が劣化することが知られている。そのため、非水電解液の分解による特性の劣化を抑制するために、例えば、特許文献1には、LiPOを正極活物質層に添加することが開示されている。
特開2015−103332号公報
非水電解液リチウム二次電池の集電体に用いられるアルミニウム箔等の金属箔は一般的に、圧延により製造されるが、圧延の際には、潤滑、冷却等を目的として圧延油が用いられる。そのため、金属箔には、この圧延油が一定量残存してしまう。本発明者らが検討した結果、上記従来の非水電解液リチウム二次電池においては、金属箔上に圧延油が多く残存していると、通常稼動SOC範囲における電池反応の過程で酸化反応が進行し、電池容量が低下するおそれがあることを見出した。
そこで本発明は、正極活物質層にLiPOが添加された非水電解液リチウム二次電池であって、集電体として用いられる金属箔に残存する圧延油による容量の低下が抑制された非水電解液リチウム二次電池を提供することを目的とする。
ここに開示される非水電解液リチウム二次電池は、正極と、負極と、非水電解液と、を備える。前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを有する。前記正極集電体は、金属箔である。前記正極活物質層は、正極活物質と、LiPOと、けん化度が60モル%以上のポリビニルアルコールとを含有する。前記正極の単位面積あたりの前記ポリビニルアルコールの量をA(mg/cm)とし、前記金属箔の単位面積あたりの残存圧延油の量をB(mg/cm)としたときに、18.4≦A/B≦64.4を満たす。
上述のように正極集電体に用いられる金属箔は、その製造過程において、圧延油を使用しつつ圧延される。非水電解液リチウム二次電池において、金属箔上に圧延油が多く残存していると、通常稼動SOC範囲における電池反応の過程で酸化反応が進行し、電池容量が低下し得る。しかしながら、このような構成によれば、けん化度が60モル%以上のポリビニルアルコール(PVA)が界面活性剤として機能するため、正極の製造過程において、けん化度が60モル%以上のPVAが金属箔表面に残存する圧延油を吸着して、金属箔表面から当該圧延油を取り除く。その結果、金属箔表面に存在する圧延油の量が減少し、当該圧延油の酸化反応を減少させることができる。これにより、この酸化反応由来の電池容量の低下を抑制することができる。ここで、金属箔表面に残存する圧延油を十分に除去するために、比A/Bは、18.4以上である。一方、けん化度が60モル%以上のPVAが多過ぎると、当該PVA自身の酸化反応量が多くなり、電池容量の低下を招くため、比A/Bは、64.4以下である。したがって、このような構成によれば、正極活物質層にLiPOが添加された非水電解液リチウム二次電池であって、金属箔に残存する圧延油による容量の低下が抑制された非水電解液リチウム二次電池が提供される。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 実施例で検討したリチウム二次電池の電池容量と比A/Bとの関係を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない非水電解液リチウム二次電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、いわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。
また、「非水電解液リチウム二次電池」とは、非水電解液(典型的には、非水溶媒中に支持電解質を含む非水電解液)を備えたリチウム二次電池をいう。
以下、扁平形状の捲回電極体と扁平形状の電池ケースとを有する扁平角型の非水電解液リチウム二次電池を例にして、本発明について詳細に説明するが、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1に示す(非水電解液)リチウム二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解液(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型電池である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。また、電池ケース30には、非水電解液を注入するための注入口(図示せず)が設けられている。正極端子42は、正極集電板42aと電気的に接続されている。負極端子44は、負極集電板44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
捲回電極体20は、図1および図2に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とが、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わされて長手方向に捲回された形態を有する。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(即ち、上記長手方向に直交するシート幅方向)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質層非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
正極シート50を構成する正極集電体52は、金属箔により構成される。金属箔としては、導電性が良好であることから、アルミニウム箔、ニッケル箔、チタン箔、またはステンレス鋼箔が好ましく、アルミニウム箔が特に好ましい。このような金属箔(特にアルミニウム箔)の表面には圧延油が残存している。
正極活物質層54は、正極活物質と、LiPOと、けん化度が60モル%以上のポリビニルアルコール(PVA)とを含有する。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な材料が用いられ、従来からリチウム二次電池に用いられる物質(例えば層状構造の酸化物やスピネル構造の酸化物)の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。正極活物質の例としては、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物、リチウムマンガン系複合酸化物、リチウムニッケルマンガン系複合酸化物(例、LiNi0.5Mn1.5)、リチウムニッケルマンガンコバルト系複合酸化物(例、LiNi1/3Mn1/3Co1/3)等のリチウム含有遷移金属酸化物が挙げられる。正極活物質の含有量は、正極活物質層54中(すなわち、正極活物質層54の全質量に対し)70質量%以上が好ましい。
LiPOは、例えば、正極活物質層54中1質量%以上15質量%以下含有される。
けん化度が60モル%以上のPVAは、下記式で表されるビニルアルコール単位と、その他のモノマー単位(例、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位、特に脂肪酸ビニルエステル単位)とを含有する。本明細書におけるPVAのけん化度とは、PVAが有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的には脂肪酸ビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。なお、けん化度はJIS K6726:1994の記載に準じて測定することができる。
Figure 2019121561
ここで使用されるPVAのけん化度は、60モル%以上である限り、特に制限はない。例えば、PVAとして、けん化度が60モル%〜85モル%のPVA、けん化度が86モル%以上のPVA等を用いることができる。
また、けん化度が60モル%以上のPVAは、ビニルアルコール単位およびけん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位以外のモノマー単位を含有する変性PVAであってもよい。
けん化度が60モル%以上のPVAの含有量に関し、正極50の単位面積あたりのけん化度が60モル%以上のPVAの量をA(mg/cm)とし、上記金属箔の単位面積あたりの残存圧延油の量をB(mg/cm)としたときに、18.4≦A/B≦64.4を満たす。
比A/Bがこの範囲内にあることにより、電池の容量劣化を抑制することができる。その理由は、次のように考えられる。
正極集電体52に用いられるアルミニウム箔等の金属箔は、その製造過程において、圧延油を使用しつつ圧延される。非水電解液リチウム二次電池において、金属箔上に圧延油が多く残存していると、通常稼動SOC範囲における電池反応の過程で酸化反応が進行し、電池容量が低下し得る。
正極50の製造過程では、けん化度が60モル%以上のPVAを含有する正極ペーストが正極集電体52である金属箔上に塗布され、乾燥に供される。ここで、けん化度が60モル%以上のPVAは界面活性剤として機能し得る。そのため、この製造過程において、けん化度が60モル%以上のPVAが金属箔表面に残存する圧延油を吸着して、金属箔表面から当該圧延油を取り除く。そのため、金属箔表面に存在する圧延油の量が減少し、当該圧延油の酸化反応を減少させることができる。これにより、当該圧延油の酸化反応由来の電池容量の低下を抑制することができる。
したがって、金属箔表面に残存する圧延油を十分に除去する観点から、比A/Bは、18.4以上であり、好ましくは30.0以上である。
一方、けん化度が60モル%以上のPVAが多過ぎると、当該PVA自身の酸化反応量が多くなり、電池容量の低下を招く。そのため、比A/Bは、64.4以下であり、好ましくは50.0以下である。
正極活物質層54は、正極活物質、LiPO、およびけん化度が86モル%以上のPVA以外の成分を含み得る。その例としては、導電材、バインダ等が挙げられる。
導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(例、グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。正極活物質層54中の導電材の含有量は、1質量%以上15質量%以下が好ましく、3質量%以上13質量%以下がより好ましい。
バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用し得る。正極活物質層54中のバインダの含有量は、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2質量%以上10質量%以下がより好ましい。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質層64に含まれる負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。黒鉛は、天然黒鉛であっても人造黒鉛であってもよく、黒鉛が非晶質な炭素材料で被覆された形態の非晶質炭素被覆黒鉛であってもよい。負極活物質層64は、活物質以外の成分、例えばバインダや増粘剤等を含み得る。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質層中の負極活物質の含有量は、90質量%以上が好ましく、95質量%〜99質量%がより好ましい。負極活物質層中のバインダの含有量は、0.1質量%〜8質量%が好ましく、0.5質量%〜3質量%がより好ましい。負極活物質層中の増粘剤の含有量は、0.3質量%〜3質量%が好ましく、0.5質量%〜2質量%がより好ましい。
セパレータ70としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔性シート(フィルム)が挙げられる。かかる多孔性シートは、単層構造であってもよく、二層以上の積層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)が設けられていてもよい。
非水電解液は、典型的には、非水溶媒と支持塩とを含有する。
非水溶媒としては、一般的なリチウム二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F−DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解液は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した成分以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;増粘剤;等の各種添加剤を含んでいてもよい。
リチウム二次電池100は、例えば、正極50を準備する工程と、負極60を準備する工程と、セパレータ70を準備する工程と、当該正極50、当該負極60、および当該セパレータ70を積層して電極体20を作製する工程と、作製した電極体20と、非水電解液とを電池ケース30に収容する工程とを包含する方法を実施することにより作製することができる。ただし、当該方法では、上記正極50を準備する工程において、圧延油が付着した金属箔上に、正極活物質、LiPO、およびけん化度が60モル%以上のポリビニルアルコール(PVA)を含む正極ペーストを塗工し、乾燥することにより正極活物質層54を形成する。このとき、正極50の単位面積あたりのポリビニルアルコールの量をA(mg/cm)とし、上記金属箔の単位面積あたりの残存圧延油の量をB(mg/cm)としたときに、18.4≦A/B≦64.4を満たすようにする。
正極50を準備する工程について説明する。まず、正極集電体52としての金属箔を準備する。この金属箔の表面には、圧延油が付着しているため、単位面積あたりの残存圧延油の量B(mg/cm)を把握しておく。
一方で、正極活物質、LiPO、けん化度が60モル%以上のPVA、溶媒(例、N−メチルピロリドン等)、および必要に応じ、バインダ、増粘剤等を含む正極ペーストを作製する。正極ペーストの固形分濃度は、例えば50質量%以上80質量%以下であり、好ましくは55質量%以上70質量%以下である。正極ペーストのせん断速度1S−1での粘度は、好ましくは3000MPa・s以上6000MPa・sである。
なお、本明細書において、ペーストは「スラリー」、「インク」等を包含する概念である。
ここで、正極ペースト中のけん化度が60モル%以上のPVAの量は、正極50の単位面積あたりのけん化度が60モル%以上のPVAの量をA(mg/cm)とし、上記金属箔の単位面積あたりの残存圧延油の量をB(mg/cm)としたときに、18.4≦A/B≦64.4を満たすように調整する。
正極ペーストは、上記の成分を、ボールミル、ロールミル、プラネタリミキサー、ディスパー、ニーダ等の従来公知の攪拌・混合装置を用いて混合することにより作製することができる。
次に、金属箔上に正極ペーストを塗工し、乾燥する。
塗工は、公知方法に従い行うことができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーター、ディップコーター等の塗布装置を用いて、金属箔上に上記正極ペーストを塗布することにより行うことができる。
乾燥は、乾燥炉等の乾燥装置を用いて塗工された正極ペーストから上記溶媒を除去することにより行うことができる。乾燥温度および乾燥時間は、正極中に含まれる溶媒の量に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。乾燥温度は、例えば70℃〜200℃である。乾燥時間は、例えば5分〜120分である。
以上のようにして正極50を得ることができる。上述のように、けん化度が60モル%以上のPVAは界面活性剤として機能し得るため、正極ペーストの塗工および乾燥時に、けん化度が60モル%以上のPVAが金属箔表面に残存する圧延油を吸着して、金属箔表面から当該圧延油を取り除く。そのため、金属箔表面に存在する圧延油の量が減少し、当該圧延油の酸化反応を減少させることができる。これにより、この酸化反応由来の電池容量の低下を抑制することができる。
負極60を準備する工程、およびセパレータ70を準備する工程は、公知方法に従い行うことができる。なお、正極50を準備する工程、負極60を準備する工程、およびセパレータ70を準備する工程を実施する順番については特に制限はない。これらの工程は、同時に行ってもよいし、別々の時期に行ってもよい。
続いて、正極50、負極60、およびセパレータ70を積層して電極体20を作製する工程を行う。当該工程は、公知方法に従い行うことができる。
続いて、作製した電極体20と、非水電解液とを電池ケース30に収容する工程を行う。当該工程は、公知方法に従い行うことができる。
このようにして、リチウム二次電池100を得ることができる。
以上のようにして構成されるリチウム二次電池100は、各種用途に利用可能である。好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウム二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
なお、一例として扁平形状の捲回電極体20を備える角形のリチウム二次電池100について説明した。しかしながら、ここに開示される非水電解液リチウム二次電池は、積層型電極体を備えるリチウム二次電池として構成することもできる。また、ここに開示される非水電解液リチウム二次電池は、円筒形リチウム二次電池として構成することもできる。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<評価用リチウム二次電池の作製>
分散機を用いて、導電材としてのアセチレンブラック(AB)、けん化度が86モル%以上のPVA、およびN−メチルピロリドン(NMP)が混合されたペーストを得た。このペーストに、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、LiPOとの混合粉体を投入した後、固形分を均一に分散させ、正極活物質層形成用スラリーを調製した。正極ペーストの固形分濃度は62.5質量%、せん断速度1S−1での粘度は3000MPa・s以上6000MPa・sとした。
また、厚さ15μmの長尺状のアルミニウム箔を用意し、単位面積あたりの残存圧延油の量を測定した。
このスラリーを、この長尺状のアルミニウム箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、正極シートを作製した。塗工速度は60m/minとし、乾燥温度は180℃とした。
また、負極活物質としての天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、厚さ10μmの長尺状の銅箔の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、負極シートを作製した。
また、セパレータシートとして、PP/PE/PPの三層構造を有する2枚の厚さ20μmの多孔性ポリオレフィンシートを用意した。
作製した正極シートと負極シートと用意した2枚のセパレータシートとを重ね合わせ、捲回して捲回電極体を作製した。このとき、正極シートと負極シートとの間にセパレータが介在するようにした。正極シートと負極シートにそれぞれ電極端子を取り付け、これを、注液口を有する電池ケースに収容した。
続いて、電池ケースの注液口から非水電解液を注入し、当該注液口を気密に封止した。なお、非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
このようにして、評価用リチウム二次電池を作製した。
なお、金属箔の単位面積あたりの残存圧延油の量B(mg/cm)に対する正極の単位面積あたりのポリビニルアルコールの量A(mg/cm)の比A/Bが異なる電池を複数作製した。このときPVAを用いなかった評価用リチウム二次電池も作製した。
<電池容量評価>
各評価用リチウム二次電池を25℃の温度条件にて、電流値1Cで電圧4.1Vまで充電した。5分間の休止後、この電池を25℃において、電流値1Cで電圧3.0Vまで放電した。そして5分間の休止後、この電池を電流値1Cで電圧4.1Vまで充電し、その後、定電圧方式で電流値が0.1Cに減少するまで充電した。この電池を25℃において、電流値1Cで電圧3.0Vまで放電し、その後定電圧方式で電流値が0.1Cに減少するまで放電した。このときの放電容量を初期容量(定格容量)とした。
PVAを用いなかったリチウム二次電池(すなわち、比A/B=0)の電池容量を基準とした場合の、各評価用リチウム二次電池の電池容量の比を百分率で求めた。その結果を図3に示す。
図3に示すように、電池容量比が101%以上であるものを良品と設定した場合、評価した中では比A/Bが18.4≦A/B≦64.4を満たすリチウム二次電池が、良品と判定できた。
したがって、本実施形態における非水電解液リチウム二次電池によれば、金属箔に残存する圧延油による容量の低下が抑制されていることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 捲回電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウム二次電池

Claims (1)

  1. 正極と、負極と、非水電解液と、を備える非水電解液リチウム二次電池であって、
    前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体上に設けられた正極活物質層とを有し、
    前記正極集電体は、金属箔であり、
    前記正極活物質層は、正極活物質と、LiPOと、けん化度が60モル%以上のポリビニルアルコールとを含有し、
    前記正極の単位面積あたりの前記ポリビニルアルコールの量をA(mg/cm)とし、前記金属箔の単位面積あたりの残存圧延油の量をB(mg/cm)としたときに、
    18.4≦A/B≦64.4
    を満たす、非水電解液リチウム二次電池。
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