JP2010086035A - 誘導システム及び誘導方法 - Google Patents

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真 大塩
Yoshinori Matsunaga
義憲 松永
Yuji Hiramatsu
雄二 平松
Kenichi Hamamoto
研一 浜本
Nobuyuki Matsui
信行 松井
Satoshi Kagami
聡 加賀美
Thompson Simon
サイモン トンプソ
Toshihiro Matsui
俊浩 松井
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Abstract

【課題】移動体の誘導に要する設備負担を抑え、且つ、移動体を安定して誘導できる誘導システム及び誘導方法を提供することを目的とする。
【解決手段】搬送車両3Aの周囲環境に関する観測形状データを取得するレーザースキャナ13と、観測形状データと搬送車両3Aの位置姿勢情報とを対応付ける3次元マップを記憶するマップ記憶部15aと、レーザースキャナ13で取得された観測形状データを3次元マップに参照して搬送車両3Aの位置姿勢情報を割り出す演算部15bと、その位置姿勢情報に基づいて搬送車両3Aを絶対誘導する絶対誘導制御手段15cとを備える。この誘導システム1Aによれば、誘導のためのガイド設備を設置しなくても搬送車両3Aの誘導が可能であり、搬送車両3Aの誘導に要する設備負担を抑え、且つ、搬送車両3Aを安定して誘導できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、トンネルなどの構築時に坑道を走行する無人搬送車両などの移動体の誘導システム及び誘導方法に関する。
GPS測位方式を利用して無人の搬送車両などを誘導するシステムや方法などが知られている。しかしながら、GPS測位方式による誘導システムの場合には、GPS衛星を捕捉可能な環境でなければ精度の高い測位は実現できず、例えば、トンネル内や特定の大型施設内などの外界から遮蔽された空間での誘導には不向きであった。
一方で、ガイド式と呼ばれる誘導方式が知られている(特許文献1参照)。ガイド式の場合、例えば、適宜間隔で磁石を埋設し、搬送車両は、その磁石からの磁場を検知して走行ルートの検知を行って搬送車両を誘導していた。また、走行ルートに沿って所定の誘導線などを敷設しておき、光学方式、磁気方式または電磁方式などのセンサで誘導線を検知しながら搬送車両を誘導する方法などもある。
特開平9−26826号公報
しかしながら、ガイド式の誘導システムや誘導方法では、走行ルートに沿って磁石や誘導線を設置する必要があり、走行ルートが長くなる程、誘導のために設置すべき設備負担も大きくなり、また、誘導設備の設置や撤去に伴う手間が増大して作業負担も大きくなる。一方で、走行ルートに沿った磁石や誘導線の設置数を減らすなどを行うと搬送車両などの移動体の走行が不安定になってしまう。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としており、移動体の誘導に要する設備負担を抑え、且つ、移動体を安定して誘導できる誘導システム及び誘導方法を提供することを目的とする。
本発明は、移動体を所定の走行ルートに沿って誘導する誘導システムにおいて、移動体に搭載され、移動体の周囲環境に関する形状情報を取得する走査手段と、走行ルートに沿った形状情報を含む3次元マップを記憶するマップ記憶手段と、マップ記憶手段に記憶された3次元マップと、走査手段で取得された形状情報とに基づいて移動体の位置姿勢情報を割り出す演算手段と、演算手段で割り出された位置姿勢情報に基づく絶対誘導によって移動体を走行制御する絶対誘導制御手段と、を備えることを特徴とする。
この誘導システムでは、演算手段が3次元マップを参照して移動体の位置姿勢情報を割り出し、その位置姿勢情報に基づいて絶対誘導制御手段が移動体の走行を制御している。演算手段で参照される3次元マップは、走行ルートに沿った形状情報を含むものであり、既に存在している設備や物体などの配置を利用している。従って、実際に走査手段で取得された形状情報と3次元マップとに基づいて位置姿勢情報を割り出す本システムによれば、誘導のための新たなガイド設備を設置しなくても移動体の誘導が可能であり、また、走行ルートの全長に亘った3次元マップを用意するだけで精度の高い誘導が可能になる。その結果として、移動体の誘導に要する設備負担を抑え、且つ、移動体を安定して誘導できる。
さらに、演算手段は、マップ記憶手段に記憶された3次元マップと、走査手段で取得された形状情報とに基づいて、走行ルート上における移動体の存在確率を求め、存在確率が最も高い場所及び姿勢から移動体の位置姿勢情報を割り出すと好適である。この構成によれば、走行ルートに沿った空間自体を基準としており、より確からしい位置姿勢情報を割り出すことができるため、精度が高くなる。
走行ルートは、坑道を通過するように設定され、坑道には、走行ルートに沿った所定の位置に目標物が設置され、目標物の形状情報は坑道の他の形状情報に対して区別可能であり、3次元マップには、目標物の位置情報と形状情報とが対応付けられて移動体の周囲環境に関する形状情報に反映され、演算手段は、前記3次元マップと前記走査手段で取得された形状情報とに基づいて前記移動体の位置姿勢情報を割り出すと好適である。トンネルなどの坑道では形状変化の乏しい箇所も多く、走行ルート上の進行方向における移動体の位置を特定し難い場合もある。しかしながら、上記構成では、予め所定の位置に目標物が設置されており、その目標物は、他の設備、構造物及び壁面などとは区別可能な特徴的な形状を備えているため、その目標物に関しては捕捉し易くなって、より精度良く移動体の位置姿勢情報を割り出すことができる。
走行ルートに沿って配置された誘導用構造物と、走査手段で取得された形状情報に基づいて、誘導用構造物の有無を判定する捕捉判定手段と、誘導用構造物に沿って移動体を走行させる走行制御を行う相対誘導制御手段と、捕捉判定手段によって誘導用構造物有りと判定された場合に、絶対誘導制御手段による走行制御から相対誘導制御手段による走行制御に切り替える切替手段と、を更に備えること好適である。
追加設備、例えば、部分的または一時的な仮設の設備が配置されたような場合に、その都度、3次元マップに反映させるようにすると、そのための更新処理に伴う負担が非常に大きくなってしまう。一方で、追加設備が3次元マップに反映されていないと、追加設備が設置された場所での移動体の誘導は不安定になってしまう。そこで、追加設備の付近に誘導用構造物を配置し、捕捉判定手段が誘導用構造物を捕捉した場合には、絶対誘導制御手段による走行制御から相対誘導制御手段による走行制御に切り替えることで、3次元マップの更新処理に伴う負担を軽減しながら、追加設備の付近でも移動体を安定して誘導できる。なお、誘導用構造物は、部分的または一時的に設置できる程度のもので足りるため、設備負担も少なくて済む。
また、誘導用構造物は、走行ルートに沿った基準面を有し、相対誘導制御手段は、基準面からの距離が所定の距離になるように移動体を走行制御すると好適である。この相対誘導制御手段による制御により、移動体は走行ルートに沿って安定して走行する。
誘導用構造物は、走行ルートを跨ぐように囲む基準面を有し、相対誘導制御手段は、基準面からの距離が所定の距離になるように移動体を走行制御すると好適である。この構成によれば、基準面で囲まれた領域の略中央に沿って正しい姿勢を維持した状態で安定して走行する。
移動体を所定の走行ルートに沿って誘導する誘導方法において、移動体の周囲環境に関する形状情報を取得する走査ステップと、3次元マップに含まれる走行ルートに沿った形状情報と、走査ステップで取得された形状情報とに基づいて移動体の位置姿勢情報を割り出す演算ステップと、演算ステップで割り出された位置姿勢情報に基づく絶対誘導によって移動体を走行制御する絶対誘導制御ステップと、を備えることを特徴とする。この誘導方法によれば移動体の誘導に要する設備負担を抑え、且つ、移動体を安定して誘導できる。
本発明によれば、移動体の誘導に要する設備負担を抑え、且つ、移動体を安定して誘導できる。
以下、図面を参照して本発明に係る誘導システムの好適な実施の形態について説明する。
図1は、トンネルなどの坑道を走行する搬送車両を模式的に示す図である。また、図2は搬送車両の斜視図である。図1または図2に示されるように、トンネル工事に伴うセグメントSeなどの搬送や検査、その他の作業を迅速に行うために、坑道Tに規定された所定の走行ルートRに沿って搬送車両3Aを自動運転させる必要がある。本実施形態に係る誘導システム1Aは、坑道T内の走行ルートRに沿った絶対誘導によって搬送車両3Aを誘導し、搬送車両3Aの自律運転を実現するシステムである。搬送車両3Aは、移動体に相当する。
図3または図4に示されるように、搬送車両3Aは、転動する車輪5aが設けられた車体部5と、車体部5の上部に設けられた荷台7と、車体部5の前部に設けられた障害物センサ・バンパースイッチ9と、操向側の車輪5aの舵取り、車輪5aの駆動及び停止を行う駆動装置11(図4参照)と、バッテリ(図示せず)とを備えている。荷台7には、セグメントSeなどの積荷が積載され、駆動装置11によって車輪5aの回転や操舵角の変更が実行される。
また、搬送車両3Aには、進行方向Dmの前部に取り付けられたレーザースキャナ(走査手段)13と、車輪5aの回転数から移動距離を検出する内界センサ14と、レーザースキャナ13から入力されたデータに基づいて搬送車両3Aの走行を制御する制御装置15Aとが搭載されている。なお、本実施形態に係る誘導システム1Aは、レーザースキャナ13,内界センサ14及び制御装置15Aを備えて構成される。
レーザースキャナ13は、搬送車両3Aの進行方向Dmの前方側に向けて円軌道を描くようにレーザービームを照射し、坑道Tの内壁Taに反射して戻ってきたレーザービーム(以下、「反射光」という)を受信するセンサ部を有する。レーザースキャナ13は、レーザービームを照射してから反射光を受信するまでの往復時間から測位対象物までの距離を計測し、さらに、その距離とレーザービームの照射方向とから測位対象物の座標データを取得して制御装置15Aに入力する。この座標データは、坑道Tを横断する断面形状としてのデータであり、搬送車両3Aの周囲環境に関する形状情報に相当する。以下、この断面形状としてのデータを観測形状データという。
制御装置15Aは、CPU、RAM及びROMなどが実装された制御基板、入出力装置及び外部記憶装置などを備えている。制御装置15Aは、CPUやRAMなどのハードウェア上に所定のソフトウェアを読み込ませることにより、CPUの制御のもとで入出力装置などが動作して、所定の機能が実現される。制御装置15Aで実行される機能について説明する。
図4に示されるように、制御装置15Aは、マップ記憶部(マップ記憶手段)15a、演算部(演算手段)15b、絶対誘導制御部(絶対誘導制御手段)15c、捕捉判定部(捕捉判定手段)15d、相対誘導制御部(相対誘導制御手段)15e及び切替部(切替手段)15fとして機能する。
マップ記憶部15aは、走行ルートRに沿った形状データ(形状情報)を含む3次元マップを記憶している。走行ルートRに沿った形状データとは、搬送車両3Aの周囲環境に関する形状データであり、より詳しくは、坑道Tを横断する断面形状としてのデータである。なお、マップ記憶部15aには、後述の手法フラグF1やエラーフラグFeなども記憶されている。
演算部15bは、マップ記憶部15aに記憶された3次元マップを読み出し、この3次元マップとレーザースキャナ13で取得された観測形状データとに基づいて搬送車両3Aの位置姿勢情報を割り出す。本実施形態では、マルコフ位置推定手法を利用して搬送車両3Aの位置姿勢情報を割り出す。以下、マルコフ位置推定手法について簡単に説明する。
図5は、マルコフ位置推定手法の流れを説明するために、坑道T内に設置された3つの構造物と搬送車両との位置関係及び存在確率を示す図であり、(a)〜(d)は、時系列に並んでいる。図5(a)は、初期状態を示している。走行ルートRには、搬送車両3Aの進行方向に沿って左から順番に3つの構造物Arが設置されており、各構造物Arは同一の形状である。初期状態の搬送車両3Aは、未だ構造物Arを捕捉していない。図5(b)は、搬送車両3Aが最初の構造物Arを捕捉した初期センシング時を示す図であり、(c)は、搬送車両3Aが最初の構造物Arを通過した後の移動状態を示し、未だ次の構造物Arを捕捉していない状態を示す図である。また、図5(d)は、搬送車両3Aが次の構造物Arを捕捉して位置が特定された状態を示す図である。
図5(a)に示されるように、初期状態では、存在確率は走行ルートRの全範囲に亘って一様である。搬送車両3Aが移動を開始し、レーザースキャナ13がいずれか一つの構造物Arを捕捉したとする(図5(b)参照)。走行ルートR上に並ぶ3つの構造物Arは形状が同一であるため、3次元マップを参照しても搬送車両3Aの位置情報を特定することはできない。そこで、演算部15bは、レーザースキャナ13で取得された観測形状データから推定される存在確率を各構造物Arの近傍に割り振る。例えば、各構造物Arの近傍での「存在予測値」をそれぞれ“1/3”に設定し、近傍以外での「存在予測値」を、1/3よりも低くなるように設定する。各地点での存在確率は、その地点の存在予測値を存在予測値の総和で割った値として与えられる。
搬送車両3Aは、最初の構造物Arを通過して移動を続ける(図5(c)参照)。演算部15bは、内界センサ14の誤差を考慮した過去から現在までの第1の存在確率とレーザースキャナ13から推定される第2の存在確率とを割り出し、さらに、第1の存在確率と第2の存在確率とを合成した第3の存在確率を割り出す。
図5(d)に示されるように、搬送車両3Aが次の構造物Arを捕捉すると、演算部15bは、新たに取得された観測形状データに基づいて第2の存在確率を割り出す。そして、演算部15bは、第1の存在確率と第2の存在確率とを合成して第3の存在確率を割り出す。ここで、最初の構造物Arの観測形状データのみでは、第3の存在確率において突出した部分(位置)を特定できなかったが、次の構造物Arの観測形状データを捕捉できれば、第3の存在確率において突出した部分(位置)が生じる。演算部15bは、第3の存在確率の最も高い位置を搬送車両3Aの位置情報として特定する。同様にして、演算部15bは、搬送車両3Aの姿勢角情報も特定する。
図4に示されるように、絶対誘導制御部15cは、演算部15bで割り出された位置姿勢情報に基づく絶対誘導によって搬送車両3Aを走行制御する。すなわち、絶対誘導制御部15cは、位置姿勢情報に基づいて搬送車両3Aを目的地まで誘導し、また、姿勢角がトンネル軸に平行になるように搬送車両3Aの姿勢を変更したりして搬送車両3Aを走行制御する。
絶対誘導は相対誘導に対比される概念である。相対誘導は、坑道Tの内壁Taや他の構造物との相対的な位置関係から割り出された位置姿勢情報(相対位置や姿勢角)に基づいて誘導することを意図し、例えば、他の構造物から一定の距離を開けて進行するように搬送車両3Aを誘導する。対して、絶対誘導は、坑道T内の絶対的な情報として割り出された位置情報や姿勢角情報に基づいて搬送車両3Aを誘導することを意図する。
続いて、坑道T内の環境について説明した後に、捕捉判定部15d、相対誘導制御部15e及び切替部15fについて説明する。トンネル工事の現場では、走行ルートR上の移動経路の途中においても作業が行われることが多く、走行ルートR上で、3次元マップに形状データが反映されていない作業用仮設備M(図6参照)、例えば、作業用足場や養生のための仮設備が設置される場合もある。作業用仮設備Mの設置の都度、3次元マップを更新するのでは更新に伴う処理負担が大きくなる場合もある。そこで、そのような場所では、絶対誘導による搬送車両3Aの走行制御ではなく、相対誘導による搬送車両3Aの走行制御を実現する。捕捉判定部15d、相対誘導制御部15e及び切替部15fは、相対誘導による搬送車両3Aの走行制御を行うために機能する。
図6は、走行ルートを跨ぐように設置された作業用仮設備及び作業用仮設備に進入した搬送車両の正面図である。図7〜図9は、誘導用構造物を示す斜視図である。
誘導用構造物16Aは、作業用仮設備Mが設置された区間内での相対誘導を可能にするために、作業用仮設備Mに隣接するように設置される。誘導用構造物16Aは、走行ルートRに沿った基準面16aを有し、搬送車両3Aは、基準面16aからの距離が所定の距離になるようにして誘導される。本実施形態に係る誘導用構造物16Aは、作業用仮設備Mの内側で、走行ルートRを跨ぐように囲む断面コの字状の構造体(図7(a)参照)であり、その内側の壁面が基準面16aとなる。
なお、本実施形態では、断面コの字状の誘導用構造物16Aを例に説明するが、例えば、図7(b)に示されるように、屋根の部分が湾曲したアーチ状の誘導用構造物16Bであってもよい。また、図8(a)に示されるように、走行ルートRの片側に沿って配置された壁状の誘導用構造物16Cであったり、同図(b)に示されるように、走行ルートRの両側に沿って配置された壁状の誘導用構造物16Dであったりしてもよい。また、図9(a)に示されるように、断面コの字状の構造体の入口側と出口側との上部にプレート状の遮蔽部材を設けた誘導用構造物16Eであったり、同図(b)に示されるように、アーチ状の構造体の入口側と出口側との上部にプレート状の遮蔽部材を設けた誘導用構造物16Fであったりしてもよい。なお、各誘導用構造物16A〜16Fは、それぞれ基準面16aを有している。
捕捉判定部15dは、レーザースキャナ13で取得された観測形状データに基づいて誘導用構造物16Aの有無を判定する。捕捉判定部15dは、観測形状データを3次元マップに照らし、一致度が所定の割合未満、例えば50%未満の場合には3次元マップに反映されていない誘導用構造物16Aが有りと判定する。この場所は、誘導用構造物設置区間の始まりである。その後も、レーザースキャナ13は継続して観測形状データの取得を行い、捕捉判定部15dは、その都度、誘導用構造物16Aの有無を判定する。そして、捕捉判定部15dは、観測形状データを3次元マップに照らし、一致度が所定の割合以上、例えば50%以上になると、誘導用構造物16Aが無いと判定する。この場所が、誘導用構造物設置区間の終わりである。なお、誘導用構造物設置区間の始まりや終わりは、無線通信などによって所定の信号を受信し、その信号に基づいて誘導用構造物設置区間の始まりや終わりを捕捉判定部15dが判定するようにしてもよい。
捕捉判定部15dによって誘導用構造物16Aが有ると判定された場合には、切替部15fは、絶対誘導から相対誘導にモードを切り替える。マップ記憶部15aには手法フラグF1が記憶されており、切替部15fは、誘導用構造物16が有ると判定されると、相対誘導のモードを示すデータ“0”を手法フラグF1にセットし、誘導用構造物が無いと判定された場合には、絶対誘導のモードを示す“1”を手法フラグF1にセットする。
相対誘導制御部15eは、切替部15fによって手法フラグF1にデータ“0”がセットされると、誘導用構造物16Aに沿った相対誘導によって搬送車両3Aを走行制御する。相対誘導制御部15eは、例えば、レーザースキャナ13から照射されたレーザー光が基準面16aで反射して戻ってくるまでの時間を割り出し、割り出した時間から基準面16aまでの距離を取得し、その距離が一定になるように搬送車両3Aを誘導する。なお、基準面16aからの距離は、必ずしも相対誘導する区間内で一定でなくてもよく、場所によって適宜に変化するようにしてもよい。相対誘導制御部15eは、基準面16aからの距離が所定の距離になるように搬送車両3Aを走行制御するので、搬送車両3Aは、走行ルートRに沿って安定して走行する。特に、誘導用構造物16Aは、走行ルートRを跨ぐように囲む基準面16aを有し、相対誘導制御部15eは、基準面16aからの距離が所定の距離になるように搬送車両3Aを走行制御するため、基準面16aで囲まれた領域の略中央に沿って正しい姿勢を維持した状態で安定して走行する。
なお、上記の相対誘導では誘導用構造物16Aからの距離が所定の距離となるようにして走行制御するが、坑道Tを横断する基準断面形状を予め規定しておき、演算部15bがレーザースキャナ13で取得された観測形状データから割り出される観測断面形状と基準断面形状との幾何学的関係から、走行ルートRに直交する断面上での搬送車両3Aの姿勢角(姿勢)及び相対位置(位置)を推定値として求め、相対誘導制御部15eが、その推定値に基づいて搬送車両3Aの相対誘導を実現するようにしてもよい。
次に、上記の誘導システム1Aを利用した誘導方法について、図10及び図11を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る誘導方法のメイン処理の動作手順を示すフローチャートであり、図11は、誘導制御処理の動作手順を示すフローチャートである。
図10に示されるように、搬送車両3Aの誘導を開始すると、制御装置15Aの切替部15fは、手法フラグF1に絶対誘導を示すデータ“1”をセットし、エラーフラグFeにエラー無しを示すデータ“0”をセットする(ステップS1)。次に、演算部15bは、搬送車両3Aの位置がスタート位置にあることを示す初期設定を行い、駆動装置11は搬送車両3Aの移動を開始する(ステップS2)。次に、制御装置15Aは、絶対誘導または相対誘導による誘導制御処理(ステップS3)を行いながら搬送車両3Aの自律運転を続け、停止位置まで到達すると、誘導制御処理を終了し、搬送車両3Aの移動を停止(ステップS4)させて搬送車両3Aの誘導を終了する。
上述の誘導制御処理(ステップS3)の動作手順について、図11を参照して詳しく説明する。誘導システム1Aでは、坑道T内での絶対誘導を基本として搬送車両3Aの走行制御を実行している。従って、誘導モードを示す手法フラグF1には、通常状態として絶対誘導を示すデータ“1”がセットされている。しかしながら、作業用仮設備Mなど、3次元マップに形状データが反映されていない設備が設置されている箇所では絶対誘導が不安定になる可能性があるため、その区間では誘導用構造物16Aを利用した相対誘導によって搬送車両3Aの走行制御を実行する。以下、詳細に説明する。
誘導制御処理を開始すると、レーザースキャナ13は走査処理を行って観測形状データを取得する(ステップS11)。ステップS11は、走査ステップに相当する。次に、演算部15bは、手法フラグF1にセットされているデータが“1”か否かを判定し(ステップS12)、手法フラグF1に“1”がセットされている場合には、絶対誘導に基づく位置姿勢情報を割り出し、“1”がセットされていない場合には、相対誘導に基づく位置姿勢情報を割り出す。
演算部15bは、ステップS12において、手法フラグF1に“1”がセットされていると判定する場合には、マルコフ位置推定手法による位置・姿勢推定計算を実行する(ステップS13)。次に、捕捉判定部15dは、位置・姿勢推定計算によって割り出された位置姿勢情報(位置情報及び姿勢角情報)の存在確率が所定の下限値以上か否かを判定する(ステップS14)。次に、捕捉判定部15dによって位置姿勢情報(位置情報及び姿勢角情報の両方共)が下限値以上と判定された場合には、絶対誘導制御部15cは、3次元マップに基づく絶対誘導によって搬送車両3Aの走行制御を行う(ステップS16)。ここで、搬送車両3Aが走行ルートRからずれていると、絶対誘導制御部15cによる軌道修正が行われる。次に、切替部15fは手法フラグF1を確認し、絶対誘導を継続して実施するために手法フラグF1に“1”をセットする。ステップS13は、演算ステップに相当する。また、ステップS16は、絶対誘導制御ステップに相当する。
また、演算部15bは、ステップ12において、手法フラグF1に“1”がセットされていないと判定する場合には、誘導用構造物16Aによる位置・姿勢推定計算を実行する(ステップS24)。さらに、捕捉判定部15dは、位置・姿勢推定計算によって割り出された位置姿勢情報の信頼度が所定の下限値以上であるか否かを判定する(ステップS25)。捕捉判定部によって、位置姿勢情報(位置情報及び姿勢角情報の両方共)が下限値以上と判定された場合には、誘導用構造物16Aを利用した相対誘導によって搬送車両3Aの走行制御を行う(ステップS26)。ここで、搬送車両3Aと誘導用構造物16Aとが所定の距離を維持するように相対誘導による軌道修正が行われる。次に、切替部15fは手法フラグF1を確認し、相対誘導を継続して実施するために手法フラグF1に“0”をセットする(ステップS27)。ステップS26は、相対誘導制御ステップに相当する。
絶対誘導による軌道修正または相対誘導による軌道修正が無事に終わり、手法フラグF1にそれぞれ“1”または“0”のデータがセットされると、絶対誘導制御部15cまたは相対誘導制御部15eは、エラー無しを示すデータ“0”をエラーフラグFeにセットする(ステップS17)。続いて、絶対誘導制御部15cまたは相対誘導制御部15eは、停止位置か否かを判定し(ステップ18)、停止位置では無いとと判定された場合には、レーザースキャナ13によって取得された観測形状データに基づいて上述の処理が繰り返される(ステップS11)。
次に、絶対誘導または相対誘導のために取得された位置姿勢情報の信頼度が低かった場合の処理について説明する。ステップS14において、マルコフ位置推定手法による位置・姿勢推定計算によって割り出された位置姿勢情報が所定の下限値よりも小さいと判定される場合(ステップS14)については、少なくとも二通りの可能性がある。一つは、誘導用構造物16Aをレーザースキャナ13で捕捉した場合であり、もう一つは、予期せぬ事態が生じ、障害物などが搬送車両3Aの近傍に出現した場合である。誘導用構造物16Aが捕捉された場合には、相対誘導に切り替えられ、予期せぬ事態が生じた場合には非常停止される。
捕捉判定部15dによって絶対誘導中に信頼度の低下が確認されると(ステップS14)、絶対誘導制御部15cは、まず、エラーフラグFeを確認し(ステップS19)、エラー無しを示す“0”がセットされていないのであれば非常停止し、エラー無しを示す“0”がセットされている場合には、エラーが生じたことを示す“1”を便宜的にセットし、相対誘導のための処理に移行する。
相対誘導のための処理に移行すると、演算部15bは、誘導用構造物16Aを利用した位置・姿勢計算を行い、相対誘導のための位置姿勢情報を割り出す(ステップS24)。次に、捕捉判定部15dは、相対誘導のために割り出された位置姿勢情報の信頼度が所定の下限値以上か否かを判定する(ステップS25)。相対誘導のために割り出された位置姿勢情報が所定の下限値未満と判定される場合とは、例えば、検出されたデータから基準面となる直線部が定まらない場合や、直線部の長さが下限値以下の場合である。また、レーザースキャナ13によって捕捉される測位対象物と搬送車両3Aとの距離が、誘導用構造物16Aの基準面16aと搬送車両3Aとの間の基準距離範囲を超えて遠過ぎたり、逆に近過ぎたりした場合なども考えられる。
相対誘導制御部15eは、ステップS25において信頼度が所定の下限値未満であると判定した場合には、エラーフラグFeを確認する(ステップS22)。エラーフラグFeには、既に、エラー有りを示すデータ“1”が便宜的にセットされている(ステップS20)ので、相対誘導制御部15eは、エラー有りと判定して非常停止を行う(ステップS21)。なお、エラーフラグFeの確認(ステップS22)の結果、エラー無しを示す“0”がセットされている場合には、相対誘導制御部15eは、エラー有りを示す“1”をセットし、今度は、絶対誘導に伴う処理に移行する(ステップS24)。そして、前述のように、絶対誘導においても信頼度が低いと判定され、絶対誘導制御部15cがエラーフラグFeに“1”がセットされていることを確認すると、非常停止が行われる(ステップS21)。
以上の誘導システム1A及び誘導方法によれば、演算部15bが3次元マップを参照して搬送車両3Aの位置姿勢情報を割り出し、その位置姿勢情報に基づいて絶対誘導制御部15cが搬送車両3Aの走行を制御している。演算部15bで参照される3次元マップは、レーザースキャナ13で取得され得る観測形状データと搬送車両3Aの位置姿勢情報とを対応付けるものであり、既に存在している設備や物体などの配置を利用している。従って、実際にレーザースキャナ13で取得された観測形状データと3次元マップとに基づいて位置姿勢情報を割り出す本システムによれば、誘導のための新たなガイド設備を設置しなくても搬送車両3Aの誘導が可能であり、また、走行ルートRの全長に亘った3次元マップを用意するだけで精度の高い誘導が可能になる。その結果として、搬送車両3Aの誘導に要する設備負担を抑え、且つ、搬送車両3Aを安定して誘導できる。
さらに、演算部15bは、マップ記憶部15aに記憶された3次元マップと、レーザースキャナ13で取得された観測形状データとに基づいて、走行ルートR上における搬送車両3Aの存在確率を求め、存在確率が最も高い場所及び姿勢から搬送車両3Aの位置姿勢情報を割り出している。つまり、走行ルートRに沿った空間自体を基準としており、より確からしい位置姿勢情報を割り出すことができるため、精度が高くなる。
また、作業用仮設備Mが設置されたような場合に、その都度、3次元マップに反映させるようにすると、そのための更新処理に伴う負担が非常に大きくなってしまう。一方で、作業用仮設備Mが3次元マップに反映されていないと、作業用仮設備Mが設置された場所での搬送車両3Aの誘導は不安定になり易い。そこで、作業用仮設備Mの付近に誘導用構造物16Aを配置し、捕捉判定部15dが誘導用構造物16Aを捕捉した場合には、絶対誘導制御部15cによる走行制御から相対誘導制御部15eによる走行制御に切り替えることで、3次元マップの更新処理に伴う負担を軽減しながら、作業用仮設備Mの付近でも搬送車両3Aを安定して誘導できる。なお、誘導用構造物16Aは、部分的または一時的に設置すれば足りるため、設備負担も少なくて済む。
(第2実施形態)
次に、図12〜図15を参照して本発明の第2実施形態に係る誘導システムを説明する。図12は、本実施形態に係る誘導システムのブロック図である。図13は、本実施形態に係る搬送車両が走行する坑道を模式的に示す図であり、図14は、その坑道の一部を破断して示す斜視図である。また、図15は、標識構造物の一例を示す斜視図である。なお、本実施形態に係る誘導システム1Bについて、第1実施形態に係る誘導システム1Aと同様の要素については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細説明を省略する。
図12及び図13に示されるように、誘導システム1Bは、坑道Tでの搬送車両3Bの自律運転のために搬送車両3Bを走行ルートRに沿って誘導するシステムである。誘導システム1Bは、搬送車両3Bに搭載されたレーザースキャナ(走査手段)13、内界センサ14及び制御装置15Bを備えている。制御装置15Bは、第1実施形態に係る制御装置15Aと同様に、マップ記憶部(マップ記憶手段)15a、演算部(演算手段)15b、絶対誘導制御部(絶対誘導制御手段)15c、捕捉判定部(捕捉判定手段)15d、相対誘導制御部(相対誘導制御手段)15e及び切替部(切替手段)15fを備え、さらに、標識データ記憶部(標識データ記憶部)15g及びと標識検出部(標識検出手段)15hを備えている。
図13及び図14に示されるように、坑道Tには、走行ルートRに沿って複数の標識構造物(目標物)Ts1〜Ts8が配置されている。各標識構造物Ts1〜Ts8は、制御装置15Bの演算部15bが周囲環境、例えば壁面などとは区別可能で、且つ、それぞれを識別可能となるように特徴付けられたユニークな形状をしている。標識構造物Ts4は、図15に示されるように、例えば、トンネル工事において設置する必要がある電話設備その他の付帯設備であると望ましいが、トンネル工事とは関係無く特別に準備した設備などであってもよい。
マップ記憶部15aは、走行ルートRに沿った形状データ(形状情報)と搬送車両3Aの位置姿勢情報とを対応付ける3次元マップを記憶している。特に、本実施形態に係る3次元マップには、標識構造物Ts1〜Ts8の位置情報と形状情報とが対応付けられて搬送車両3Aの周囲環境に関する形状情報に反映されている。
坑道Tは特徴的な形状の少ない空間になり易く、例えば、走行ルートRに沿った周囲環境に関する形状に変化が少なくなってしまう場合もある。この場合、マルコフ位置推定手法では走行ルートRに沿った搬送車両3Bの推定位置を割り出し難くなるため、内界センサ14である車輪aのエンコーダ(回転角)の計算によって割り出すしかなくなる。エンコーダ(回転角)の計算で推定位置を求める方法では、エンコーダの誤差が避けられないため、どうしても精度低下につながり易い。そこで、本実施形態では、この誤差が十分大きくならない間隔で標識構造物Ts1〜Ts8を設置し、第1実施形態と同様に、マルコフ位置推定手法での搬送車両3Bの推定位置の割り出しを可能にして精度低下を避けるようにしている。つまり、本実施形態に係る演算部15bも、第1実施形態と同様にマップ記憶部15aに記憶された3次元マップを読み出し、この3次元マップとレーザースキャナ13で取得された観測形状データ(標識構造物Ts1〜Ts8の形状情報を含む)とに基づいて搬送車両3Bの位置姿勢情報を割り出している。
標識データ記憶部15gには、標識構造物Ts1〜Ts8の形状情報と所定の走行命令情報とが対応付けられたテーブルが記憶されている。また、標識検出部15hは、レーザースキャナ13で取得された観測形状データに基づいて標識構造物Ts1〜Ts8を捕捉する。以下、標識データ記憶部15gに記憶されているテーブルと実際の走行制御との関係について説明する。
図16は、標識構造物Ts1〜Ts8の形状情報と所定の走行命令情報とが対応付けられたテーブルを例示し、(a)は第1の例を示す図であり、(b)は第2の例を示す図であり、(c)は第3の例を示す図である。第1の例に係るテーブルでは、例えば、標識構造物Ts1〜Ts8の形状情報に対応して構造物IDが規定されており、各構造物IDに対応付けて「通常走行速度」または「徐行」の走行命令情報が記憶されている。この例では、標識検出部15hで捕捉された標識構造物Ts1〜Ts8のIDに応じて、絶対誘導制御部15cが「通常走行速度」または「徐行」にて搬送車両3Bの走行制御を行う。なお、この例は、標識構造物Ts1〜Ts8がそれぞれ特徴的な形状の場合を想定するが、すべての標識構造物の形状が同一で、坑道Tの横断面による設置位置の違い、例えば、或る標識構造物は右側に設置し、他の標識構造物は左側に設置するなどの違いによって識別できるようにしてもよい。
また、第2の例に係るテーブル(図16(b)参照)では、例えば、標識構造物Ts1〜Ts8の形状情報に対応して構造物の種類に係る情報(構造物種類)が規定されており、構造物種類に対応付けて「通常走行速度」または「徐行」の走行命令情報が記憶されている。この例では、例えば、標識構造物Ts1〜Ts8が二種類(A,B)の場合に、標識検出部15hで捕捉された標識構造物Ts1〜Ts8の種類が「A」の場合には絶対誘導制御部15cが「通常走行速度」にて搬送車両3Bの走行制御を行い、「B」の場合には絶対誘導制御部15cが「徐行」にて搬送車両3Bの走行制御を行う。なお、このテーブルにおいて、標識構造物Ts1〜Ts8の並び(配置)に対応付けて走行命令情報が記憶されるようにしてもよく、例えば、「A,A」の並びでは「通常走行速度」とし、「B,B」の並びでは「徐行」としてもよい。なお、この例においても、すべての標識構造物の形状が同一で、坑道Tの横断面による設置位置の違い、例えば、或る標識構造物は右側に設置し、他の標識構造物は左側に設置するなどの違いによって種類を識別できるようにしてもよい。
また、第3の例に係るテーブル(図16(c)参照)では、スタート位置から順番にカウントした場合の標識構造物Ts1〜Ts8の数に対応付けて「通常走行速度」または「徐行」の走行命令情報が記憶されている。この例では、例えば、標識検出部15hで捕捉された標識構造物Ts1〜Ts8のカウント数が「1」の場合には、絶対誘導制御部15cが「通常走行速度」にて搬送車両3Bの走行制御を行い、カウント数が「3」になると、絶対誘導制御部15cが「徐行」にて搬送車両3Bの走行制御を行う。
本実施形態に係る誘導システム1Bにおいても絶対誘導や相対誘導が可能であり、誘導のモードを相互に切り替えながら上述同様の誘導方法を行うことができる。そして、本実施形態に係る誘導システム1B及び誘導システムを利用した誘導方法によれば、第1実施形態と同様に、誘導のための新たなガイド設備を設置しなくても搬送車両3Bの誘導が可能であり、また、走行ルートRの全長に亘った3次元マップを用意するだけで精度の高い誘導が可能になる。その結果として、搬送車両3Bの誘導に要する設備負担を抑え、且つ、搬送車両3Bを安定して誘導できる。
また、トンネルなどの坑道Tでは形状変化の乏しい箇所も多く、走行ルートR上の進行方向における搬送車両3Bの位置を特定し難い場合もある。しかしながら、本実施形態では、予め所定の位置に標識構造物Ts1〜Ts8が設置されており、その標識構造物Ts1〜Ts8は、坑道Tの他の設備や構造物などとは区別可能な特徴的な形状を備えている。坑道Tでは形状変化の乏しい箇所も多く、走行ルートR上の進行方向における搬送車両3Bの位置を特定し難い場合もある。しかしながら、本実施形態に係る誘導システム1Dでは、予め所定の位置に標識構造物Ts1〜Ts8が設置されており、その標識構造物Ts1〜Ts8は、坑道Tの他の設備、構造物及び壁面などとは区別可能な特徴的な形状を備えているため、その標識構造物Ts1〜Ts8に関しては捕捉し易くなって、より精度良く搬送車両3Bの位置姿勢情報を割り出すことができる。
(第3実施形態)
次に、図17を参照して本発明の第3実施形態に係る誘導システムを説明する。図17は、本実施形態に係る搬送車両3C及び誘導システムを示す斜視図である。なお、本実施形態に係る誘導システム1Cについて、第1実施形態に係る誘導システム1Aと同様の要素については、第1実施形態と同一の符号を付して詳細説明を省略する。
誘導システム1Cは、上述の各実施形態に係る誘導システム1B,1Cと同様に、坑道Tでの搬送車両3Cの自律運転のために搬送車両3Cを走行ルートRに沿って誘導するシステムである。誘導システム1Cは、搬送車両3Cの前部と後部との二カ所にレーザースキャナ23,24が搭載されている。二台のレーザースキャナ23,24では、それぞれ独立して観測形状データが取得される。また、マップ記憶部15aには、各レーザースキャナ23,24に対応した二種類の3次元マップが記憶されている。本実施形態に係る誘導システム1Cでは、二台のレーザースキャナ23,24それぞれで取得された観測形状データと3次元マップとに基づき、マルコフ位置推定手法を利用した位置姿勢情報の割り出しが行われる。その結果、高い精度の位置姿勢情報を割り出すことができる。また、一方のレーザースキャナ23が壊れてしまった場合であっても、他方のレーザースキャナ24で取得された観測形状データに基づいて絶対誘導や相対誘導による搬送車両3Cの走行制御を行うことができる。
以上、本発明を各実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されない。例えば、走査手段としてのレーザースキャナを三台以上設置することもできる。
坑道を走行する搬送車両を模式的に示す図である。 本実施形態に係る搬送車両の斜視図である。 本実施形態に係る搬送車両の側面図である。 本実施形態に係る誘導システムのブロック図である。 マルコフ位置推定手法の流れを説明するために、坑道内に設置された3つの構造物と搬送車両との位置関係及び存在確率を示す図である。 走行ルートを跨ぐように設置された作業用仮設備及び作業用仮設備に進入した搬送車両の正面図である。 誘導用構造物を示し、(a)は本実施形態に係る誘導用構造物の斜視図であり、(b)は第1の変形例に係る誘導用構造物の斜視図である。 誘導用構造物の変形例を示し、(a)は第2の変形例に係る誘導用構造物の斜視図であり、(b)は第3の変形例に係る誘導用構造物の斜視図である。 誘導用構造物の変形例を示し、(a)は第4の変形例に係る誘導用構造物の斜視図であり、(b)は第5の変形例に係る誘導用構造物の斜視図である。 本実施形態に係る誘導システムを利用して実行される誘導方法の動作手順を示すフローチャートである。 誘導制御処理の動作手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る搬送車両のブロック図である。 本実施形態に係る搬送車両が走行する坑道を模式的に示す図である。 本実施形態に係る搬送車両が走行する坑道の一部を破断して示す斜視図である。 標識構造物の一例を示す斜視図である。 標識構造物の形状情報と所定の走行命令情報とが対応付けられたテーブルを示し、(a)は第1の例に係るテーブルを示す図であり、(b)は第2の例に係るテーブルを示す図であり、(c)は第3の例に係るテーブルを示す図である。 本発明の第2実施形態に係る搬送車両の側面図である。
符号の説明
1A,1B,1C…誘導システム、3A,3B,3C…搬送車両(移動体)、13,24…レーザースキャナ(走査手段)、15a…マップ記憶部(マップ記憶手段)、15b…演算部(演算手段)、15c…絶対誘導制御部(絶対誘導制御手段)、15d…捕捉判定部(捕捉判定手段)、15e…相対誘導制御部(相対誘導制御手段)、15f…切替部(切替手段)、15g…標識データ記憶部(目標物記憶手段)、16A〜16F…誘導用構造物、16a…基準面、R…走行ルート、Ts1〜Ts8…標識構造物(目標物)。

Claims (7)

  1. 移動体を所定の走行ルートに沿って誘導する誘導システムにおいて、
    前記移動体に搭載され、前記移動体の周囲環境に関する形状情報を取得する走査手段と、
    前記走行ルートに沿った形状情報を含む3次元マップを記憶するマップ記憶手段と、
    前記マップ記憶手段に記憶された前記3次元マップと、前記走査手段で取得された形状情報とに基づいて前記移動体の位置姿勢情報を割り出す演算手段と、
    前記演算手段で割り出された位置姿勢情報に基づく絶対誘導によって前記移動体を走行制御する絶対誘導制御手段と、
    を備えることを特徴とする誘導システム。
  2. 前記演算手段は、前記マップ記憶手段に記憶された前記3次元マップと、前記走査手段で取得された形状情報とに基づいて、前記走行ルート上における前記移動体の存在確率を求め、前記存在確率が最も高い場所及び姿勢から前記移動体の位置姿勢情報を割り出すことを特徴とする請求項1記載の誘導システム。
  3. 前記走行ルートは、坑道を通過するように設定され、
    前記坑道には、前記走行ルートに沿った所定の位置に目標物が設置され、
    前記目標物の形状情報は前記坑道の他の形状情報に対して区別可能であり、
    前記3次元マップには、前記目標物の位置情報と形状情報とが対応付けられて前記移動体の周囲環境に関する形状情報に反映され、
    前記演算手段は、前記3次元マップと前記走査手段で取得された形状情報とに基づいて前記移動体の位置姿勢情報を割り出すことを特徴とする請求項1または2記載の誘導システム。
  4. 前記走行ルートに沿って配置された誘導用構造物と、
    前記走査手段で取得された形状情報に基づいて、前記誘導用構造物の有無を判定する捕捉判定手段と、
    前記誘導用構造物に沿って前記移動体を走行させる走行制御を行う相対誘導制御手段と、
    前記捕捉判定手段によって前記誘導用構造物有りと判定された場合に、前記絶対誘導制御手段による走行制御から前記相対誘導制御手段による走行制御に切り替える切替手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の誘導システム。
  5. 前記誘導用構造物は、前記走行ルートに沿った基準面を有し、
    前記相対誘導制御手段は、前記基準面からの距離が所定の距離になるように前記移動体を走行制御することを特徴とする請求項4記載の誘導システム。
  6. 前記誘導用構造物は、前記走行ルートを跨ぐように囲む基準面を有し、
    前記相対誘導制御手段は、前記基準面からの距離が所定の距離になるように前記移動体を走行制御することを特徴とする請求項4記載の誘導システム。
  7. 移動体を所定の走行ルートに沿って誘導する誘導方法において、
    前記移動体の周囲環境に関する形状情報を取得する走査ステップと、
    3次元マップに含まれる走行ルートに沿った形状情報と、前記走査ステップで取得された形状情報とに基づいて前記移動体の位置姿勢情報を割り出す演算ステップと、
    前記演算ステップで割り出された位置姿勢情報に基づく絶対誘導によって前記移動体を走行制御する絶対誘導制御ステップと、
    を備えることを特徴とする誘導方法。
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