JP2010085071A - 空気調和装置 - Google Patents

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敦史 吉見
Shuji Fujimoto
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    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
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    • F25B2313/023Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units
    • F25B2313/0231Compression machines, plants or systems with reversible cycle not otherwise provided for using multiple indoor units with simultaneous cooling and heating

Abstract

【課題】多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う構成を採用した冷暖同時運転が可能な空気調和装置を提供する。
【解決手段】冷暖同時運転が可能な空気調和装置において、圧縮機構21として、2つの圧縮要素21d、21eを有しており前段側の圧縮要素21dから吐出された冷媒を後段側の圧縮要素21eで順次圧縮するように構成された多段圧縮式の圧縮機構21を採用し、熱源側熱交換器23に接続された液冷媒合流管91から2つの液冷媒分岐管92、93への分岐部に冷媒の気液分離を行う利用側気液分離器61を設けるとともに、利用側気液分離器61に利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素21eに戻すための利用側インジェクション管94を接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和装置、特に、冷暖同時運転が可能な空気調和装置に関する。
従来より、特許文献1に示されるような冷暖同時運転が可能な空気調和装置がある。また、冷暖切換運転が可能な空気調和装置として、特許文献2に示されるような直列に接続された前後段2つの圧縮要素を有する圧縮機と、室外熱交換器と、室内熱交換器と、室外熱交換器と室内熱交換器との間に設けられた2つの膨張弁と、2つの膨張弁間を流れる冷媒を気液分離する気液分離器と、気液分離器から冷媒を後段側の圧縮要素に戻すための後段側インジェクション管とを有しており、二段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う空気調和装置がある。
特開平6−317360号公報 特開2007−232263号公報
しかし、冷暖同時運転が可能な空気調和装置においては、冷暖切換運転が可能な空気調和装置とは異なり、二段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う構成を採用したものは存在しない。
本発明の課題は、多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う構成を採用した冷暖同時運転が可能な空気調和装置を提供することにある。
第1の発明にかかる空気調和装置は、圧縮機構と、熱源側熱交換器と、熱源側熱交換器に接続されている液冷媒合流管と、液冷媒合流管に設けられた熱源側膨張機構と、複数の利用側熱交換器と、液冷媒合流管から分岐されて各利用側熱交換器に接続されている液冷媒分岐管と、各液冷媒分岐管に設けられた利用側膨張機構と、熱源側熱交換器を圧縮機構から吐出された冷媒の放熱器として機能させる放熱運転切換状態と熱源側熱交換器を液冷媒合流管を流れる冷媒の蒸発器として機能させる蒸発運転切換状態とを切り換え可能な熱源側切換機構と、圧縮機構の吐出側と熱源側切換機構との間に接続されており圧縮機構から吐出された冷媒を熱源側切換機構に流入する前に分岐する高圧ガス冷媒管と、各利用側熱交換器に対応して設けられており利用側熱交換器を液冷媒分岐管を流れる冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転切換状態と利用側熱交換器を高圧ガス冷媒管を流れる冷媒の放熱器として機能させる暖房運転切換状態とを切り換え可能な利用側切換機構と、各利用側熱交換器において蒸発した冷媒を圧縮機構の吸入側に送る低圧ガス冷媒管とを備えている。そして、圧縮機構は、複数の圧縮要素を有しており、複数の圧縮要素のうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成されており、液冷媒合流管から複数の液冷媒分岐管への分岐部には、冷媒の気液分離を行う利用側気液分離器が設けられており、利用側気液分離器には、利用側気液分離器において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素に戻すための利用側インジェクション管が接続されている。ここで、「圧縮機構」とは、複数の圧縮要素が一体に組み込まれた圧縮機や、単一の圧縮要素が組み込まれた圧縮機及び/又は複数の圧縮要素が組み込まれた圧縮機を複数台接続したものを含む構成を意味している。また、「複数の圧縮要素のうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮する」とは、「前段側の圧縮要素」及び「後段側の圧縮要素」という直列に接続された2つの圧縮要素を含むことだけを意味しているのではなく、複数の圧縮要素が直列に接続されており、各圧縮要素間の関係が、上述の「前段側の圧縮要素」と「後段側の圧縮要素」との関係を有することを意味している。
圧縮機構と熱源側熱交換器と液冷媒合流管と熱源側膨張機構と複数の利用側熱交換器と複数の液冷媒分岐管と熱源側切換機構と高圧ガス冷媒管と複数の利用側切換機構と低圧ガス冷媒管とを備えた冷暖同時運転が可能な空気調和装置において、圧縮機構として、複数の圧縮要素を有しており複数の圧縮要素のうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成された多段圧縮式の圧縮機構を採用する場合には、多段圧縮式の冷凍サイクルにおける運転効率を向上させるために、多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う冷暖切換運転が可能な空気調和装置と同様に、熱源側熱交換器の液側に中間圧インジェクションを行うための構成を設けることが考えられる。
しかし、冷暖同時運転が可能な空気調和装置では、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器が混在する冷暖同時運転があり、この冷暖同時運転の際に、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器との間で冷媒のやりとりが主に行われて、複数の利用側熱交換器と熱源側熱交換器との間でやりとりが行われる冷媒の流量が減少することになる。このため、冷暖同時運転の際には、中間圧インジェクションに供される冷媒の流量を確保することが困難になり、多段圧縮式の冷凍サイクルにおける運転効率の向上を図ることが困難になる。
そこで、この空気調和装置では、液冷媒合流管から複数の液冷媒分岐管への分岐部に冷媒の気液分離を行う利用側気液分離器を設けるとともに、利用側気液分離器に利用側気液分離器において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素に戻すための利用側インジェクション管を接続するようにしている。
これにより、冷暖同時運転の際に、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器との間でやりとりされる冷媒が利用側気液分離器を介してやりとりされることになり、この利用側気液分離器において分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管を通じて後段側の圧縮要素に戻す中間圧インジェクションに供される冷媒の流量を確保することが可能になるため、冷暖同時運転の際に、多段圧縮式の冷凍サイクルにおける運転効率の向上を図ることができ、したがって、多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う構成を採用した冷暖同時運転が可能な空気調和装置を提供することができる。
第2の発明にかかる空気調和装置は、第1の発明にかかる空気調和装置において、液冷媒合流管の一部、圧縮機構、及び熱源側熱交換器を少なくとも含む熱源ユニットと、利用側熱交換器を少なくとも含む複数の利用ユニットと、液冷媒合流管のうち熱源ユニットに含まれる部分とは異なる一部、複数の液冷媒分岐管の一部及び利用側気液分離器を少なくとも含む分岐ユニットと、液冷媒合流管のうち熱源ユニットと分岐ユニットとの間を接続する部分からなる液冷媒連絡管と、高圧ガス冷媒管のうち熱源ユニットと分岐ユニットとの間を接続する部分からなる高圧ガス冷媒連絡管と、低圧ガス冷媒管のうち熱源ユニットと分岐ユニットとの間を接続する部分からなる低圧ガス冷媒連絡管とが接続されることによって構成されている。
この空気調和装置では、利用側気液分離器が利用ユニットや熱源ユニットとは別の分岐ユニットに設けられているため、利用ユニットや熱源ユニットの機器構成を大幅に変更することなく、利用側気液分離器を追加することができる。
第3の発明にかかる空気調和装置は、第2の発明にかかる空気調和装置において、液冷媒合流管の熱源ユニットに含まれる部分には、冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器が設けられており、熱源側気液分離器には、熱源側気液分離器において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素に戻すための熱源側インジェクション管が接続されている。
液冷媒連絡管は、配管長が長いことが多いため、例えば、冷房を行う利用側熱交換器だけが存在する冷房運転のような、熱源側熱交換器から利用側熱交換器に向かって液冷媒合流管を流れる冷媒の流量が多い場合には、熱源側熱交換器から利用側熱交換器に向かって液冷媒合流管を流れる冷媒の圧力損失が大きくなり、利用側気液分離器における冷媒の圧力が低くなるおそれがある。このため、利用側インジェクション管における差圧を確保することが困難になり、後段側の圧縮要素に戻すことができる冷媒の流量が減少して、中間圧インジェクションを十分に行えなくなるおそれがある。
そこで、この空気調和装置では、液冷媒合流管の熱源ユニットに含まれる部分に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器を設けるとともに、熱源側気液分離器に熱源側気液分離器において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素に戻すための熱源側インジェクション管を接続するようにしている。
これにより、熱源側熱交換器から利用側熱交換器に向かって液冷媒合流管を流れる冷媒の流量が多い場合には、液冷媒連絡管における圧力損失による圧力の低下が生じる前に、熱源側気液分離器において気液分離を行い、熱源側インジェクション管における差圧を確保することができ、後段側の圧縮要素に戻すことができる冷媒の流量が減少しにくくなり、中間圧インジェクションを十分に行うことができる。
第4の発明にかかる空気調和装置は、第3の発明にかかる空気調和装置において、利用側インジェクション管は、液冷媒合流管のうち分岐ユニットに含まれる部分に接続されている。
利用側気液分離器が分岐ユニットに設けられる場合において、利用側インジェクション管を熱源側インジェクション管に合流させたり、後段側の圧縮要素に直接に接続すると、利用側インジェクション管の一部(以下、「利用側インジェクション連絡管」とする)が分岐ユニットと熱源ユニットとを接続する冷媒管の一つとして存在することになり、熱源ユニットと分岐ユニットとが、液冷媒連絡管、高圧ガス冷媒連絡管、低圧ガス冷媒連絡管及び利用側インジェクション連絡管という4種類の冷媒管を介して接続された装置構成になってしまう。
そこで、この空気調和装置では、利用側インジェクション管を液冷媒合流管のうち分岐ユニットに含まれる部分に接続するようにしている。
これにより、例えば、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器が混在する冷暖同時運転のような、複数の利用側熱交換器と熱源側熱交換器との間でやりとりが行われる冷媒の流量が少ない場合には、複数の利用側熱交換器と熱源側熱交換器との間で冷媒のやりとりを行わずに、利用側インジェクション管を流れるガス冷媒を液冷媒合流管を通じて熱源ユニットに送ることで中間圧インジェクションを行うことができるようになり、利用側インジェクション連絡管を要しない装置構成にすることができる。
第5の発明にかかる空気調和装置は、第4の発明にかかる空気調和装置において、液冷媒合流管のうち利用側インジェクション管が接続された位置と利用側気液分離器との間の部分には、第1液管開閉機構が設けられている。
この空気調和装置では、利用側インジェクション管を流れるガス冷媒を液冷媒合流管を通じて熱源ユニットに送る際に、中間圧インジェクションに供されるガス冷媒以外の冷媒を利用側気液分離器から流出させることなく、利用側インジェクション管を流れるガス冷媒を液冷媒合流管を通じて熱源ユニットに送り、中間圧インジェクションを行うことができる。
第6の発明にかかる空気調和装置は、第5の発明にかかる空気調和装置において、液冷媒合流管のうち熱源ユニットに含まれる部分には、熱源側気液分離器をバイパスして後段側の圧縮要素に利用側気液分離器において分離されたガス冷媒を戻すための気液分離器バイパス管が設けられている。
この空気調和装置では、液冷媒合流管を通じて利用側インジェクション管から熱源ユニットに送られたガス冷媒を、熱源側気液分離器に流入させるような流れを生じさせることなく、中間圧インジェクションに供することができる。
第7の発明にかかる空気調和装置は、第6の発明にかかる空気調和装置において、液冷媒合流管のうち気液分離器バイパス管が接続された位置と熱源側気液分離器との間の部分には、第2液管開閉機構が設けられている。
この空気調和装置では、中間圧インジェクションに供されるガス冷媒以外の冷媒を熱源側気液分離器から流出させることなく、中間圧インジェクションを行うことができる。
第8の発明にかかる空気調和装置は、第1〜第7の発明のいずれかにかかる空気調和装置において、圧縮機構は、臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮する。
第9の発明にかかる空気調和装置は、第8の発明にかかる空気調和装置において、冷媒は、二酸化炭素である。
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
第1、第8及び第9の発明では、冷暖同時運転の際に、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器との間でやりとりされる冷媒が利用側気液分離器を介してやりとりされることになり、この利用側気液分離器において分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管を通じて後段側の圧縮要素に戻す中間圧インジェクションに供される冷媒の流量を確保することが可能になるため、冷暖同時運転の際に、多段圧縮式の冷凍サイクルにおける運転効率の向上を図ることができ、したがって、多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う構成を採用した冷暖同時運転が可能な空気調和装置を提供することができる。
第2の発明では、利用側気液分離器が利用ユニットや熱源ユニットとは別の分岐ユニットに設けられているため、利用ユニットや熱源ユニットの機器構成を大幅に変更することなく、利用側気液分離器を追加することができる。
第3の発明では、熱源側熱交換器から利用側熱交換器に向かって液冷媒合流管を流れる冷媒の流量が多い場合には、液冷媒連絡管における圧力損失による圧力の低下が生じる前に、熱源側気液分離器において気液分離を行い、熱源側インジェクション管における差圧を確保することができ、後段側の圧縮要素に戻すことができる冷媒の流量が減少しにくくなり、中間圧インジェクションを十分に行うことができる。
第4の発明では、例えば、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器が混在する冷暖同時運転のような、複数の利用側熱交換器と熱源側熱交換器との間でやりとりが行われる冷媒の流量が少ない場合には、複数の利用側熱交換器と熱源側熱交換器との間で冷媒のやりとりを行わずに、利用側インジェクション管を流れるガス冷媒を液冷媒合流管を通じて熱源ユニットに送ることで中間圧インジェクションを行うことができるようになり、利用側インジェクション管の一部が分岐ユニットと熱源ユニットとを接続する冷媒管の一つとして存在することのない装置構成にすることができる。
第5の発明では、利用側インジェクション管を流れるガス冷媒を液冷媒合流管を通じて熱源ユニットに送る際に、中間圧インジェクションに供されるガス冷媒以外の冷媒を利用側気液分離器から流出させることなく、利用側インジェクション管を流れるガス冷媒を液冷媒合流管を通じて熱源ユニットに送り、中間圧インジェクションを行うことができる。
第6の発明では、液冷媒合流管を通じて利用側インジェクション管から熱源ユニットに送られたガス冷媒を、熱源側気液分離器に流入させるような流れを生じさせることなく、中間圧インジェクションに供することができる。
第7の発明では、中間圧インジェクションに供されるガス冷媒以外の冷媒を熱源側気液分離器から流出させることなく、中間圧インジェクションを行うことができる。
以下、図面に基づいて、本発明にかかる空気調和装置の実施形態について説明する。
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の屋内の冷暖房に使用される装置である。
空気調和装置1は、主として、1台の熱源ユニット2と、複数(本実施形態では、2台)の利用ユニット4、5と、分岐ユニット6と、分岐ユニット6を介して熱源ユニット2と利用ユニット4、5とを接続する冷媒連絡管8、9、10等とを備えており、利用ユニットごとに冷暖房を選択する冷暖同時運転が可能になるように構成されている。すなわち、空気調和装置1の冷媒回路11は、熱源ユニット2と、利用ユニット4、5と、分岐ユニット6と、冷媒連絡管8、9、10等とが接続されることによって構成されている。そして、冷媒回路11には、超臨界域で作動する冷媒(ここでは、二酸化炭素)が封入されている。
<利用ユニット>
利用ユニット4、5は、ビル等の屋内の天井に埋め込みや吊り下げ等、又は、屋内の壁面に壁掛け等により設置されている。利用ユニット4、5は、冷媒連絡管8、9、10等及び分岐ユニット6を介して熱源ユニット2に接続されており、冷媒回路11の一部を構成している。
次に、利用ユニット4、5の構成について説明する。尚、利用ユニット4と利用ユニット5とは同様の構成であるため、ここでは、利用ユニット4の構成のみ説明し、利用ユニット5の構成については、利用ユニット4の各部を示す40番台の符号の代わりに50番台の符号を付して、各部の説明を省略する。
利用ユニット4は、主として、利用側冷媒回路11a(利用ユニット5では、利用側冷媒回路11b)を有している。この利用側冷媒回路11aは、主として、利用側膨張機構41と、利用側熱交換器42とを有している。
利用側熱交換器42は、冷媒と室内空気等との熱交換を行うことで室内の空調負荷を処理する熱交換器であり、その液側に第1液冷媒分岐管43が接続されており、そのガス側に第1ガス冷媒分岐管44が接続されている。
利用側膨張機構41は、利用側冷媒回路10a内を流れる冷媒の流量の調節等を行う電動膨張弁であり、第1液冷媒分岐管43に設けられている。
<熱源ユニット>
熱源ユニット2は、ビル等の屋上等に設置されており、冷媒連絡管8、9、10等及び分岐ユニット6を介して利用ユニット4、5に接続されており、冷媒回路11の一部を構成している。
次に、熱源ユニット2の構成について説明する。熱源ユニット2は、主として、熱源側冷媒回路11cを有している。この熱源側冷媒回路11cは、主として、圧縮機構21と、熱源側切換機構としての第1切換機構22と、熱源側熱交換器23と、熱源側膨張機構24と、第2切換機構25とを有している。
圧縮機構21は、2つの圧縮要素で冷媒を二段圧縮する圧縮機である。圧縮機構21は、ケーシング21a内に、圧縮機駆動モータ21bと、駆動軸21cと、圧縮要素21d、21eとが収容された密閉式構造となっている。圧縮機駆動モータ21bは、駆動軸21cに連結されている。そして、この駆動軸21cは、2つの圧縮要素21d、21eに連結されている。すなわち、圧縮機構21は、2つの圧縮要素21d、21eが単一の駆動軸21cに連結されており、2つの圧縮要素21d、21eがともに圧縮機駆動モータ21bによって回転駆動される、いわゆる一軸二段圧縮構造となっている。圧縮要素21d、21eは、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素である。そして、圧縮機構21は、吸入管26から冷媒を吸入し、この吸入された冷媒を前段側の圧縮要素21dによって圧縮した後に、中間冷媒管27に吐出し、中間冷媒管27に吐出された冷媒を後段側の圧縮要素21eに吸入して、冷媒をさらに圧縮した後に、吐出管28に吐出するように構成されている。吸入管26は、圧縮機構21の吸入側及び低圧ガス冷媒連絡管10(後述)に接続された冷媒管であり、中間冷媒管27は、前段側の圧縮要素21dから吐出された冷媒を後段側の圧縮要素21eに吸入させるための冷媒管であり、吐出管28は、圧縮機構21の吐出側に接続された冷媒管である。このように、圧縮機構21は、複数(ここでは、2つ)の圧縮要素21d、21eを有しており、これらの圧縮要素21d、21eのうちの前段側の圧縮要素21dから吐出された冷媒を後段側の圧縮要素21eで順次圧縮するように構成されている。
第1切換機構22は、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させる放熱運転切換状態と熱源側熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させる蒸発運転切換状態とを切り換え可能な四路切換弁であり、その第1ポート22aは吐出管28を通じて圧縮機構21の吐出側に接続されており、その第2ポート22bは熱源側ガス冷媒管29を通じて熱源側熱交換器23のガス側に接続されており、その第3ポート22cは吸入管26を通じて圧縮機構21の吸入側に接続されており、第4ポート22dはキャピラリチューブ22eを介して圧縮機構21の吸入側に接続されている。そして、第1切換機構22は、第1ポート22aと第2ポート22bとを接続するとともに第3ポート22cと第4ポート22dとを接続(放熱運転切換状態に対応、図1の第1切換機構22の実線を参照)したり、第2ポート22bと第3ポート22cとを接続するとともに第1ポート22cと第4ポート22dとを接続(蒸発運転切換状態に対応、図1の第1切換機構22の破線を参照)する切り換えを行うことが可能である。熱源側ガス冷媒管29は、第1切換機構22の第2ポート22bと熱源側熱交換器23のガス側とを接続する冷媒管である。尚、第1切換機構22は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上述と同様の冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
熱源側熱交換器23は、冷媒と室外空気等との熱交換を行うことで冷媒の放熱器又は蒸発器として機能する熱交換器であり、その液側に第1液冷媒合流管30が接続されており、そのガス側に熱源側ガス冷媒管29が接続されている。
熱源側膨張機構24は、熱源側冷媒回路10c内を流れる冷媒の減圧等を行う電動膨張弁であり、第1液冷媒合流管30に設けられている。
第2切換機構25は、本実施形態のように、冷暖同時運転が可能な空気調和装置を構成する場合(すなわち、熱源ユニット2を冷暖同時運転が可能な空気調和装置の熱源ユニットとして使用する場合)には、高圧のガス冷媒を利用側冷媒回路11a、11bに送る際(以下、暖房負荷要求運転状態とする)に、圧縮機構21の吐出側と高圧ガス冷媒連絡管9とを接続し、本実施形態とは異なり、冷暖切換運転が可能な空気調和装置を構成する場合(すなわち、熱源ユニット2を冷暖切換運転が可能な空気調和装置の熱源ユニットとして使用する場合)には、高圧ガス冷媒連絡管9と圧縮機構21の吸入側とを接続するように、熱源側冷媒回路11c内における冷媒の流路を切り換えることが可能な四路切換弁であり、その第1ポート25aは吐出管28及び吐出管28から分岐された第1高圧ガス冷媒管31を通じて圧縮機構21の吐出側に接続されており、その第2ポート25bはキャピラリチューブ25e介して圧縮機構21の吸入側に接続されており、その第3ポート25cは吸入管26を通じて圧縮機構21の吸入側に接続されており、その第4ポート25dは第2高圧ガス冷媒管32を通じて高圧ガス冷媒連絡管9に接続されている。そして、第2切換機構25は、上述のように、第1ポート25aと第2ポート25bとを接続するとともに第3ポート25cと第4ポート25dとを接続(冷暖切換時冷房運転状態に対応、図1の第2切換機構25の実線を参照)したり、第2ポート25bと第3ポート25cとを接続するとともに第1ポート25aと第4ポート25dとを接続(暖房負荷要求運転状態に対応、図1の第2切換機構25の破線を参照)する切り換えを行うことが可能である。第1高圧ガス冷媒管31は、吐出管28と第2切換機構25の第1ポート25aとを接続する冷媒管であり、第2高圧ガス冷媒管32は、第2切換機構25の第4ポート25dと高圧ガス冷媒連絡管9とを接続する冷媒管である。尚、第2切換機構25は、四路切換弁に限定されるものではなく、例えば、複数の電磁弁を組み合わせる等によって、上述と同様の冷媒の流れの方向を切り換える機能を有するように構成したものであってもよい。
また、熱源ユニット2には、分岐ユニット6に設けられた利用側気液分離器61(後述)において気液分離されたガス冷媒を圧縮機構21の後段側の圧縮要素21eに戻すための第1利用側インジェクション管33が設けられており、その一端が利用側インジェクション連絡管14(後述)に接続されており、その他端が中間冷媒管27に接続されている。尚、ここでは採用していないが、第1利用側インジェクション管33は、後段側の圧縮要素21eに直接接続されていてもよい。
<分岐ユニット>
分岐ユニット6は、例えば、ビル等の屋内等の利用ユニット4、5寄りの位置に設置されており、冷媒連絡管8、9、10等とともに、利用ユニット4、5と熱源ユニット2との間に介在しており、冷媒回路11の一部を構成している。
次に、分岐ユニット6の構成について説明する。分岐ユニット6は、主として、液側分岐回路11dと、ガス側分岐回路11eとを有している。
液側分岐回路11dは、主として、利用側気液分離器61を有している。
利用側気液分離器61は、冷媒の気液分離を行う容器であり、第2液冷媒合流管62と、利用ユニット4、5に対応する第2液冷媒分岐管63、64と、第2利用側インジェクション管65とが接続されている。
第2液冷媒合流管62は、その一端が液冷媒連絡管8に接続されており、その他端が利用側気液分離器61の下部の液冷媒が溜まる部分に接続されている。ここで、第1液冷媒合流管30、液冷媒合流管8及び第2液冷媒合流管62からなる冷媒管を液冷媒合流管91とする。
第2液冷媒分岐管63は、その一端が利用ユニット4に対応する第3液冷媒分岐管12に接続されており、その他端が利用側気液分離器61の下部の液冷媒が溜まる部分に接続されている。第3液冷媒分岐管12は、分岐ユニット6の第2液冷媒分岐管63と利用ユニット4の第1液冷媒分岐管43とを接続する冷媒管である。ここで、第1液冷媒分岐管43、第3液冷媒分岐管12及び第2液冷媒分岐管63からなる冷媒管を液冷媒分岐管92とする。
第2液冷媒分岐管64は、その一端が利用ユニット5に対応する第3液冷媒分岐管13に接続されており、その他端が利用側気液分離器61の下部の液冷媒が溜まる部分に接続されている。第3液冷媒分岐管13は、分岐ユニット6の第2液冷媒分岐管64と利用ユニット5の第1液冷媒分岐管53とを接続する冷媒管である。ここで、第1液冷媒分岐管53、第3液冷媒分岐管13及び第2液冷媒分岐管64からなる冷媒管を液冷媒分岐管93とする。
また、第2利用側インジェクション管65は、その一端が利用側インジェクション連絡管14に接続されており、その他端が利用側気液分離器61の上部のガス冷媒が溜まる部分に接続されている。利用側インジェクション連絡管14は、分岐ユニット6の第2利用側インジェクション管65と熱源ユニット2の第1利用側インジェクション管33とを接続する冷媒管である。ここで、第2利用側インジェクション管65、利用側インジェクション連絡管14及び第1利用側インジェクション管33からなる冷媒管を利用側インジェクション管94とする。そして、第2利用側インジェクション管65には、第2利用側インジェクション管65(すなわち、利用側インジェクション管94)を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように利用側インジェクション開閉弁67が設けられている。利用側インジェクション開閉弁67は、電磁弁からなる。
このように、分岐ユニット6の利用側気液分離器61は、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に設けられている。そして、液冷媒合流管91及び液冷媒分岐管92、93のいずれからも利用側気液分離器61において分離された液冷媒を導出することができるようになっている。また、利用側インジェクション管94を通じて利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒を圧縮機構21の後段側の圧縮要素21eに戻す中間圧インジェクションを行うことができるようになっている。
ガス側分岐回路11eは、主として、第3高圧ガス冷媒管71と、複数(ここでは、2つ)の高圧ガス冷媒分岐管72、73と、低圧ガス冷媒管74と、複数(ここでは、2つ)の低圧ガス冷媒分岐管75、76と、複数(ここでは、2つ)の第2ガス冷媒分岐管77、78とを有している。
第3高圧ガス冷媒管71は、その一端が高圧ガス冷媒連絡管9に接続されており、その他端が高圧ガス冷媒分岐管72、73に接続されている。ここで、第1高圧ガス冷媒管31、第2高圧ガス冷媒管32、高圧ガス冷媒連絡管9及び第3高圧ガス冷媒管71からなる冷媒管を高圧ガス冷媒管95とする。
高圧ガス冷媒分岐管72は、その一端が第3高圧ガス冷媒管71に接続されており、その他端が第2ガス冷媒分岐管77に接続されている。そして、高圧ガス冷媒分岐管72には、高圧ガス冷媒分岐管72を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように高圧ガス開閉弁79が設けられている。高圧ガス開閉弁79は、電磁弁からなる。
高圧ガス冷媒分岐管73は、その一端が第3高圧ガス冷媒管71に接続されており、その他端が第2ガス冷媒分岐管78に接続されている。高圧ガス冷媒分岐管73には、高圧ガス冷媒分岐管73を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように高圧ガス開閉弁80が設けられている。高圧ガス開閉弁80は、電磁弁からなる。
低圧ガス冷媒管74は、その一端が低圧ガス冷媒連絡管10に接続されており、その他端が低圧ガス冷媒分岐管75、76に接続されている。ここで、吸入管26、低圧ガス冷媒連絡管10及び低圧ガス冷媒管74からなる冷媒管を低圧ガス冷媒管96とする。
低圧ガス冷媒分岐管75は、その一端が低圧ガス冷媒管74に接続されており、その他端が第2ガス冷媒分岐管77に接続されている。そして、低圧ガス冷媒分岐管75には、低圧ガス冷媒分岐管75を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように低圧ガス開閉弁81が設けられている。低圧ガス開閉弁81は、電磁弁からなる。
低圧ガス冷媒分岐管76は、その一端が低圧ガス冷媒管74に接続されており、その他端が第2ガス冷媒分岐管78に接続されている。そして、低圧ガス冷媒分岐管76には、低圧ガス冷媒分岐管76を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように低圧ガス開閉弁82が設けられている。低圧ガス開閉弁82は、電磁弁からなる。
第2ガス冷媒分岐管77は、その一端が高圧ガス冷媒分岐管72及び低圧ガス冷媒分岐管75に接続されており、その他端が利用ユニット4に対応する第3ガス冷媒分岐管15に接続されている。第3ガス冷媒分岐管15は、分岐ユニット6の第2ガス冷媒分岐管77と利用ユニット4の第1ガス冷媒分岐管44とを接続する冷媒管である。ここで、第1ガス冷媒分岐管44、第3ガス冷媒分岐管15及び第2ガス冷媒分岐管77からなる冷媒管をガス冷媒分岐管97とする。
第2ガス冷媒分岐管78は、その一端が高圧ガス冷媒分岐管73及び低圧ガス冷媒分岐管76に接続されており、その他端が利用ユニット5に対応する第3ガス冷媒分岐管16に接続されている。第3ガス冷媒分岐管16は、分岐ユニット6の第2ガス冷媒分岐管78と利用ユニット5の第1ガス冷媒分岐管54とを接続する冷媒管である。ここで、第1ガス冷媒分岐管54、第3ガス冷媒分岐管16及び第2ガス冷媒分岐管78からなる冷媒管をガス冷媒分岐管98とする。
このように、分岐ユニット6には、利用ユニット4に対応して、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79及び低圧ガス開閉弁81が設けられ、また、利用ユニット5に対応して、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁80及び低圧ガス開閉弁82が設けられていることになる。そして、利用ユニット4の冷房運転を行う際には、高圧ガス開閉弁79を閉め、かつ、低圧ガス開閉弁81を開けることで、利用側熱交換器42を液冷媒分岐管92を流れる冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転切換状態に切り換えることが可能であり、利用ユニット4の暖房運転を行う際には、高圧ガス開閉弁79を開け、かつ、低圧ガス開閉弁81を閉めることで、利用側熱交換器42を高圧ガス冷媒管95を流れる冷媒の放熱器として機能させる暖房運転切換状態に切り換えることが可能になっている。また、利用ユニット5の冷房運転を行う際には、高圧ガス開閉弁80を閉め、かつ、低圧ガス開閉弁82を開けることで、利用側熱交換器52を液冷媒分岐管93を流れる冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転切換状態に切り換え、また、利用ユニット5の暖房運転を行う際には、高圧ガス開閉弁80を開け、かつ、低圧ガス開閉弁82を閉めることで、利用側熱交換器52を高圧ガス冷媒管95を流れる冷媒の放熱器として機能させる暖房運転切換状態に切り換えることが可能になっている。
以上のように、本実施形態の空気調和装置1は、圧縮機構21と、熱源側熱交換器23と、熱源側熱交換器23に接続されている液冷媒合流管91と、液冷媒合流管91に設けられた熱源側膨張機構24と、複数(ここでは、2つ)の利用側熱交換器42、52と、液冷媒合流管91から分岐されて各利用側熱交換器42、52に接続されている液冷媒分岐管92、93と、各液冷媒分岐管92、93に設けられた利用側膨張機構41、51と、熱源側熱交換器23を圧縮機構21から吐出された冷媒の放熱器として機能させる放熱運転切換状態と熱源側熱交換器23を液冷媒合流管91を流れる冷媒の蒸発器として機能させる蒸発運転切換状態とを切り換え可能な熱源側切換機構としての第1切換機構22と、圧縮機構21の吐出側と第1切換機構22との間に接続されており圧縮機構21から吐出された冷媒を第1切換機構22に流入する前に分岐する高圧ガス冷媒管95と、各利用側熱交換器42、52に対応して設けられており利用側熱交換器42、52を液冷媒分岐管92、93を流れる冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転切換状態と利用側熱交換器42、52を高圧ガス冷媒管95を流れる冷媒の放熱器として機能させる暖房運転切換状態とを切り換え可能な利用側切換機構としてのガス開閉弁79〜82と、各利用側熱交換器42、52において蒸発した冷媒を圧縮機構21の吸入側に送る低圧ガス冷媒管96とを備えている。そして、圧縮機構21は、複数(ここでは、2つ)の圧縮要素21d、21eを有しており、圧縮要素21d、21eのうちの前段側の圧縮要素21dから吐出された冷媒を後段側の圧縮要素21eで順次圧縮するように構成されており、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部には、冷媒の気液分離を行う利用側気液分離器61が設けられており、利用側気液分離器61には、利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素21eに戻すための利用側インジェクション管94が接続されている。すなわち、本実施形態の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94が接続された構成が採用されている。
また、本実施形態の空気調和装置1は、液冷媒合流管91の一部(すなわち、第1液冷媒合流管30)、圧縮機構21、及び熱源側熱交換器23を少なくとも含む熱源ユニット2と、利用側熱交換器42、52を少なくとも含む複数(ここでは、2つ)の利用ユニット4、5と、液冷媒合流管91のうち熱源ユニット2に含まれる部分とは異なる一部(すなわち、第2液冷媒合流管62)、複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93の一部(すなわち、第2液冷媒分岐管63、64)及び利用側気液分離器61を少なくとも含む分岐ユニット6と、液冷媒合流管91のうち熱源ユニット2と分岐ユニット6との間を接続する部分からなる液冷媒連絡管8と、高圧ガス冷媒管95のうち熱源ユニット2と分岐ユニット6との間を接続する部分からなる高圧ガス冷媒連絡管9と、低圧ガス冷媒管96のうち熱源ユニット2と分岐ユニット6との間を接続する部分からなる低圧ガス冷媒連絡管10とが接続されることによって構成されている。
(2)空気調和装置の動作
次に、本実施形態の空気調和装置1の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置1の運転モードは、利用ユニット4、5の全てを冷房する冷房運転モードと、各利用ユニット4、5の空調負荷に応じて、利用ユニット4、5の全てを暖房する暖房運転モードと、利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する冷暖同時運転モードとがある。
以下、空気調和装置1の3つの運転モードにおける動作について説明する。
<冷房運転モード>
利用ユニット4、5の全てを冷房する際、空気調和装置1の冷媒回路11は、図2に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図2の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を放熱運転切換状態(図2の第1切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79、80を閉めるとともに低圧ガス開閉弁81、82を開けることによって、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52と熱源ユニット2の圧縮機構21の吸入側とが低圧ガス冷媒管96等を介して接続された状態になっている。また、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態になっている。また、利用ユニット4、5においては、利用側膨張弁41、51は、各利用ユニット4、5の冷房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、利用側インジェクション管94から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、利用側インジェクション管94から戻る冷媒と合流した(すなわち、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、第1切換機構22の第1ポート22a及び第2ポート22bと熱源側ガス冷媒管29とを通じて、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器23に送られて放熱する。そして、熱源側熱交換器23において放熱した冷媒は、熱源側膨張機構24によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この熱源側膨張機構24によって減圧された冷媒は、液冷媒合流管91を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入し、気液分離がなされる。そして、利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒は、上述のように、利用側インジェクション管94を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、利用側気液分離器61において分離された液冷媒は、液冷媒分岐管92、93を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4、5に送られる。この利用ユニット4、5に送られた冷媒は、利用側膨張機構41、51によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器42、52に送られて蒸発する。そして、利用側熱交換器42、52において蒸発した冷媒は、ガス冷媒分岐管97、98を通じて、利用ユニット4、5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、低圧ガス開閉弁81、82及び低圧ガス冷媒管96を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、吸入管26を通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の全てを冷房する冷房運転モードにおける動作が行われる。
このように、本実施形態の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されているため、冷房運転モードにおいて、熱源側熱交換器23において放熱した冷媒を液冷媒合流管91によって利用側気液分離器61に流入させ、利用側気液分離器61において冷媒の気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒分岐管92、93によって利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の冷房運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、冷房運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
<暖房運転モード>
利用ユニット4、5の全てを暖房する際、空気調和装置1の冷媒回路11は、図3に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図3の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を蒸発運転切換状態(図3の第1切換機構22の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、第2切換機構25を暖房負荷要求運転状態(図3の第2切換機構25の破線で示された状態)に切り換えることによって、高圧ガス冷媒管95等を通じて利用ユニット4、5に圧縮機構21において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒を供給できるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79、80を開けるとともに低圧ガス開閉弁81、82を閉めることによって、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態になっている。また、利用ユニット4、5においては、利用側膨張弁41、51は、各利用ユニット4、5の暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、利用側インジェクション管94から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、利用側インジェクション管94から戻る冷媒と合流した(すなわち、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、高圧ガス開閉弁79、80及びガス冷媒分岐管97、98を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4、5に送られる。この利用ユニット4、5に送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器42、52に送られて放熱する。そして、利用側熱交換器42、52において放熱した冷媒は、利用側膨張機構41、51によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この利用側膨張機構41、51によって減圧された冷媒は、液冷媒分岐管92、93を通じて、利用ユニット4、5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入し、気液分離がなされる。そして、利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒は、上述のように、利用側インジェクション管94を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、利用側気液分離器61において分離された液冷媒は、液冷媒合流管91を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、熱源側膨張機構24によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器23に送られて蒸発する。そして、熱源側熱交換器23において蒸発した冷媒は、熱源側ガス冷媒管29と第1切換機構22の第2ポート22b及び第3ポート22cと吸入管26とを通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の全てを暖房する暖房運転モードにおける動作が行われる。
このように、本実施形態の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されているため、暖房運転モードにおいて、利用側熱交換器42、52において放熱した冷媒を液冷媒分岐管92、93によって利用側気液分離器61に流入させ、利用側気液分離器61において冷媒の気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒合流管91によって熱源側熱交換器23に送りつつ、分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の暖房運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、暖房運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
<冷暖同時運転モード>
利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する際(ここでは、利用ユニット4を冷房し、利用ユニット5を暖房するものとする)、空気調和装置1の冷媒回路11は、図4に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図4の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を利用ユニット4の冷房負荷と利用ユニット5の暖房負荷とのバランスに応じて放熱運転切換状態又は蒸発運転切換状態のいずれかに切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させるとともに、第2切換機構25を暖房負荷要求運転状態(図4の第2切換機構25の破線で示された状態)に切り換えることによって、高圧ガス冷媒管95等を通じて利用ユニット5に圧縮機構21において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒を供給できるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用ユニット4に対応する利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79を閉めるとともに低圧ガス開閉弁81を開けることによって、利用ユニット4の利用側熱交換器42を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット4の利用側熱交換器42と熱源ユニット2の圧縮機構21の吸入側とが低圧ガス冷媒管96等を介して接続された状態になっている。また、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁80を開けるとともに低圧ガス開閉弁82を閉めることによって、利用ユニット5の利用側熱交換器52を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態になっている。また、利用ユニット4においては、利用側膨張弁41は、利用ユニット4の冷房負荷に応じて開度調節されており、利用ユニット5においては、利用側膨張弁51は、利用ユニット5の暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、利用側インジェクション管94から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、利用側インジェクション管94から戻る冷媒と合流した(すなわち、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、第1切換機構22が放熱運転切換状態になっている場合を含めて、その大部分が吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、高圧ガス開閉弁80及びガス冷媒分岐管98を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット5に送られる。この利用ユニット5に送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52に送られて放熱する。そして、利用側熱交換器52において放熱した冷媒は、利用側膨張機構51によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この利用側膨張機構51によって減圧された冷媒は、液冷媒分岐管93を通じて、利用ユニット5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入し、気液分離がなされる。そして、利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒は、上述のように、利用側インジェクション管94を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、利用側気液分離器61において分離された液冷媒は、その大部分が液冷媒分岐管92を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4に送られる。この利用ユニット4に送られた冷媒は、利用側膨張機構41によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器42に送られて蒸発する。そして、利用側熱交換器42において蒸発した冷媒は、ガス冷媒分岐管97を通じて分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、低圧ガス開閉弁81及び低圧ガス冷媒管96を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、吸入管26を通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する(ここでは、利用ユニット4を冷房し、利用ユニット5を暖房する)冷暖同時運転モードにおける動作が行われる。
尚、冷暖同時運転モードでは、上述のように、この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒の大部分が、吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られ、利用側気液分離器61において分離された液冷媒の大部分が、液冷媒分岐管92を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4に送られるため、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間(すなわち、液冷媒分岐管92、93と液冷媒合流管91と間)でやりとりが行われる冷媒の流量が減少している(このため、図4においては、第1切換機構22、熱源側熱交換器23、熱源側膨張機構24及び第1液冷媒合流管30を通じて、吐出管28から利用側気液分離器61に至る部分については、冷媒の流れを示す矢印を省略している)。
このように、本実施形態の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されているため、冷暖同時運転モードにおいて、利用側熱交換器42、52の一方において放熱した冷媒を対応する液冷媒分岐管92、93によって利用側気液分離器61に流入させ、利用側気液分離器61において冷媒の気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒分岐管92、93の他方によって対応する利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、冷暖同時運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
尚、冷暖同時運転において、利用ユニット4の冷房負荷と利用ユニット5の暖房負荷とのバランスがどちらかに偏っている場合には、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間(すなわち、液冷媒分岐管92、93と液冷媒合流管91と間)でやりとりが行われる冷媒の流量が増加することになるが、このような場合であっても、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間でやりとりが行われる冷媒は、利用側気液分離器61に流入することになるため、利用側熱交換器42と利用側熱交換器52との間でやりとりが行われる冷媒と同様に、利用側気液分離器61において気液分離が行われ、利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。
(3)空気調和装置の特徴
本実施形態の空気調和装置1には、以下のような特徴がある。
<A>
圧縮機構と熱源側熱交換器と液冷媒合流管と熱源側膨張機構と複数の利用側熱交換器と複数の液冷媒分岐管と熱源側切換機構と高圧ガス冷媒管と複数の利用側切換機構と低圧ガス冷媒管とを備えた冷暖同時運転が可能な空気調和装置において、圧縮機構として、複数の圧縮要素を有しており複数の圧縮要素のうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成された多段圧縮式の圧縮機構を採用する場合には、多段圧縮式の冷凍サイクルにおける運転効率を向上させるために、多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う冷暖切換運転が可能な空気調和装置と同様に、熱源側熱交換器の液側に中間圧インジェクションを行うための構成を設けることが考えられる。
しかし、冷暖同時運転が可能な空気調和装置では、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器が混在する冷暖同時運転があり(上述の冷暖同時運転モードにおける動作及び図4を参照)、この冷暖同時運転の際に、冷房を行う利用側熱交換器と暖房を行う利用側熱交換器との間で冷媒のやりとりが主に行われて、複数の利用側熱交換器と熱源側熱交換器との間(すなわち、複数の液冷媒分岐管と液冷媒合流管との間)でやりとりが行われる冷媒の流量が減少することになる。このため、冷暖同時運転の際には、中間圧インジェクションに供される冷媒の流量を確保することが困難になり、多段圧縮式の冷凍サイクルにおける運転効率の向上を図ることが困難になる。
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に冷媒の気液分離を行う利用側気液分離器61を設けるとともに、利用側気液分離器61に利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素21eに戻すための利用側インジェクション管94を接続するようにしている。
これにより、冷暖同時運転の際に、冷房を行う利用側熱交換器(ここでは、利用側熱交換器42、52の一方)と暖房を行う利用側熱交換器(ここでは、利用側熱交換器42、52の他方)との間でやりとりされる冷媒が利用側気液分離器61を介してやりとりされることになり、この利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管94を通じて後段側の圧縮要素21eに戻す中間圧インジェクションに供される冷媒の流量を確保することが可能になるため、冷暖同時運転の際に、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の冷凍サイクルにおける運転効率の向上を図ることができ、したがって、多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う構成を採用した冷暖同時運転が可能な空気調和装置を提供することができる。
<B>
本実施形態の空気調和装置1では、利用側気液分離器61が利用ユニット4、5や熱源ユニット2とは別の分岐ユニット6に設けられているため、利用ユニット4、5や熱源ユニット2の機器構成を大幅に変更することなく、利用側気液分離器61を追加することができる。
(4)変形例1
上述の実施形態のように、分岐ユニット6に利用側気液分離器61を設けるとともに、熱源ユニット2と分岐ユニット6との間を液冷媒連絡管8によって接続する場合には、液冷媒連絡管8の配管長が長いことが多いため、例えば、冷房を行う利用側熱交換器だけが存在する冷房運転モードのような、熱源側熱交換器23から利用側熱交換器42、52に向かって液冷媒合流管91を流れる冷媒の流量が多い場合には、熱源側熱交換器23から利用側熱交換器42、52に向かって液冷媒合流管91を流れる冷媒の圧力損失が大きくなり、利用側気液分離器61における冷媒の圧力が低くなるおそれがある。このため、利用側インジェクション管94における差圧(すなわち、利用側気液分離器61におけるガス冷媒の圧力と中間冷媒管27を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒との圧力差)を確保することが困難になり、後段側の圧縮要素21eに戻すことができる冷媒の流量が減少して、中間圧インジェクションを十分に行えなくなるおそれがある。
そこで、本変形例では、図5に示されるように、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30)に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34を設けるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側気液分離器34において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素21eに戻すための熱源側インジェクション管35を接続するようにしている。尚、ここでは、熱源側インジェクション管35に利用側インジェクション管94を合流させる構成が採用されているが、両インジェクション管35、94を別々に中間冷媒管27や後段側の圧縮要素21eに接続するようにしてもよい。この熱源側気液分離器34は、冷媒の気液分離を行う容器であり、第1液冷媒合流管30の熱源側膨張機構24よりも分岐ユニット6側の部分を構成する第3液冷媒合流管30a及び第4液冷媒合流管30bが接続されている。第3液冷媒合流管30aは、その一端が熱源側膨張機構24を通じて熱源側熱交換器23に接続されており、その他端が熱源側気液分離器34の下部の液冷媒が溜まる部分に接続されている。第4液冷媒合流管30bは、その一端が液冷媒連絡管8に接続されており、その他端が熱源側気液分離器34の下部の液冷媒が溜まる部分に接続されている。熱源側インジェクション管35は、その一端が熱源側気液分離器35の上部のガス冷媒が溜まる部分に接続されており、その他端が利用側インジェクション管94の第1利用側インジェクション管33とともに中間冷媒管27に接続されている。そして、熱源側インジェクション管35には、熱源側インジェクション管35を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように熱源側インジェクション開閉弁36が設けられている。熱源側インジェクション開閉弁36は、電磁弁からなる。そして、第3液冷媒合流管30a及び第4液冷媒合流管30bのいずれからも熱源側気液分離器34において分離された液冷媒を導出することができるようになっている。
以上のように、本変形例の空気調和装置1では、上述の実施形態の構成に加えて、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34が設けられるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側気液分離器34において分離されたガス冷媒を後段側の圧縮要素21eに戻すための熱源側インジェクション管35が接続されている。
次に、本変形例の空気調和装置1の動作について、冷房運転モードと暖房運転モードと冷暖同時運転モードとに分けて説明する。
<冷房運転モード>
利用ユニット4、5の全てを冷房する際、空気調和装置1の冷媒回路11は、図6に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図6の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を放熱運転切換状態(図6の第1切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79、80を閉めるとともに低圧ガス開閉弁81、82を開けることによって、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52と熱源ユニット2の圧縮機構21の吸入側とが低圧ガス冷媒管96等を介して接続された状態になっている。また、熱源側インジェクション開閉弁36を開けることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われる状態になっており、利用側インジェクション開閉弁67を閉めることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われない状態になっている。また、利用ユニット4、5においては、利用側膨張弁41、51は、各利用ユニット4、5の冷房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、熱源側インジェクション管35から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、熱源側インジェクション管35から戻る冷媒と合流した(すなわち、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、第1切換機構22の第1ポート22a及び第2ポート22bと熱源側ガス冷媒管29とを通じて、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器23に送られて放熱する。そして、熱源側熱交換器23において放熱した冷媒は、熱源側膨張機構24によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この熱源側膨張機構24によって減圧された冷媒は、熱源側気液分離器34に流入し、気液分離がなされる。そして、熱源側気液分離器34において分離されたガス冷媒は、上述のように、熱源側インジェクション管35を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、熱源側気液分離器34において分離された液冷媒は、液冷媒合流管91を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入した後、液冷媒分岐管92、93を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4、5に送られる。この利用ユニット4、5に送られた冷媒は、利用側膨張機構41、51によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器42、52に送られて蒸発する。そして、利用側熱交換器42、52において蒸発した冷媒は、ガス冷媒分岐管97、98を通じて、利用ユニット4、5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、低圧ガス開閉弁81、82及び低圧ガス冷媒管96を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、吸入管26を通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の全てを冷房する冷房運転モードにおける動作が行われる。
このように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されており、さらに、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30)に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34が設けられるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側インジェクション管35を接続した構成が採用されているため、冷房運転モードにおいて、熱源側気液分離器34において気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒合流管91及び液冷媒分岐管92、93によって利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を熱源側インジェクション管35によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の冷房運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、冷房運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
しかも、本変形例の空気調和装置1では、液冷媒連絡管8における圧力損失による圧力の低下が生じる前に、熱源側気液分離器34において気液分離を行っているため、熱源側インジェクション管35における差圧(すなわち、熱源側気液分離器34におけるガス冷媒の圧力と中間冷媒管27を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒との圧力差)を確保することができ、後段側の圧縮要素21eに戻すことができる冷媒の流量が減少しにくくなり、中間圧インジェクションを十分に行うことができる。
<暖房運転モード>
利用ユニット4、5の全てを暖房する際、空気調和装置1の冷媒回路11は、図7に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図7の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を蒸発運転切換状態(図7の第1切換機構22の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、第2切換機構25を暖房負荷要求運転状態(図7の第2切換機構25の破線で示された状態)に切り換えることによって、高圧ガス冷媒管95等を通じて利用ユニット4、5に圧縮機構21において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒を供給できるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79、80を開けるとともに低圧ガス開閉弁81、82を閉めることによって、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、熱源側インジェクション開閉弁36を閉めることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われない状態になっており、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態になっている。また、利用ユニット4、5においては、利用側膨張弁41、51は、各利用ユニット4、5の暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、利用側インジェクション管94から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、利用側インジェクション管94から戻る冷媒と合流した(すなわち、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、高圧ガス開閉弁79、80及びガス冷媒分岐管97、98を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4、5に送られる。この利用ユニット4、5に送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器42、52に送られて放熱する。そして、利用側熱交換器42、52において放熱した冷媒は、利用側膨張機構41、51によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この利用側膨張機構41、51によって減圧された冷媒は、液冷媒分岐管92、93を通じて、利用ユニット4、5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入し、気液分離がなされる。そして、利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒は、上述のように、利用側インジェクション管94を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、利用側気液分離器61において分離された液冷媒は、液冷媒合流管91を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、熱源側膨張機構24によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器23に送られて蒸発する。そして、熱源側熱交換器23において蒸発した冷媒は、熱源側ガス冷媒管29と第1切換機構22の第2ポート22b及び第3ポート22cと吸入管26とを通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の全てを暖房する暖房運転モードにおける動作が行われる。
尚、上述においては、熱源側インジェクション開閉弁36を閉めることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われない状態にし、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態にしているが、これに代えて、熱源側インジェクション開閉弁36を開けることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われる状態にし、利用側インジェクション開閉弁67を閉めることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われない状態にしたり、熱源側インジェクション開閉弁36を開けることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われる状態にし、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態にしてもよい。
このように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されており、さらに、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30)に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34が設けられるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側インジェクション管35を接続した構成が採用されているため、暖房運転モードにおいて、利用側熱交換器42、52において放熱した冷媒を液冷媒分岐管92、93によって利用側気液分離器61に流入させ、利用側気液分離器61において冷媒の気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒合流管91によって熱源側熱交換器23に送りつつ、分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻したり、熱源側気液分離器34において気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒合流管91及び液冷媒分岐管92、93によって利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を熱源側インジェクション管35によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の暖房運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、暖房運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
<冷暖同時運転モード>
利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する際(ここでは、利用ユニット4を冷房し、利用ユニット5を暖房するものとする)、空気調和装置1の冷媒回路11は、図8に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図8の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を利用ユニット4の冷房負荷と利用ユニット5の暖房負荷とのバランスに応じて放熱運転切換状態又は蒸発運転切換状態のいずれかに切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させるとともに、第2切換機構25を暖房負荷要求運転状態(図8の第2切換機構25の破線で示された状態)に切り換えることによって、高圧ガス冷媒管95等を通じて利用ユニット5に圧縮機構21において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒を供給できるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用ユニット4に対応する利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79を閉めるとともに低圧ガス開閉弁81を開けることによって、利用ユニット4の利用側熱交換器42を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット4の利用側熱交換器42と熱源ユニット2の圧縮機構21の吸入側とが低圧ガス冷媒管96等を介して接続された状態になっている。また、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁80を開けるとともに低圧ガス開閉弁82を閉めることによって、利用ユニット5の利用側熱交換器52を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、熱源側インジェクション開閉弁36を閉めることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われない状態になっており、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態になっている。また、利用ユニット4においては、利用側膨張弁41は、利用ユニット4の冷房負荷に応じて開度調節されており、利用ユニット5においては、利用側膨張弁51は、利用ユニット5の暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、利用側インジェクション管94から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、利用側インジェクション管94から戻る冷媒と合流した(すなわち、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、第1切換機構22が放熱運転切換状態になっている場合を含めて、その大部分が吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、高圧ガス開閉弁80及びガス冷媒分岐管98を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット5に送られる。この利用ユニット5に送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52に送られて放熱する。そして、利用側熱交換器52において放熱した冷媒は、利用側膨張機構51によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この利用側膨張機構51によって減圧された冷媒は、液冷媒分岐管93を通じて、利用ユニット5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入し、気液分離がなされる。そして、利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒は、上述のように、利用側インジェクション管94を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、利用側気液分離器61において分離された液冷媒は、その大部分が液冷媒分岐管92を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4に送られる。この利用ユニット4に送られた冷媒は、利用側膨張機構41によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器42に送られて蒸発する。そして、利用側熱交換器42において蒸発した冷媒は、ガス冷媒分岐管97を通じて分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、低圧ガス開閉弁81及び低圧ガス冷媒管96を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、吸入管26を通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する(ここでは、利用ユニット4を冷房し、利用ユニット5を暖房する)冷暖同時運転モードにおける動作が行われる。
尚、冷暖同時運転モードでは、上述のように、この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒の大部分が、吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られ、利用側気液分離器61において分離された液冷媒の大部分が、液冷媒分岐管92を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4に送られるため、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間(すなわち、液冷媒分岐管92、93と液冷媒合流管91と間)でやりとりが行われる冷媒の流量が減少している(このため、図8においては、第1切換機構22、熱源側熱交換器23、熱源側膨張機構24及び第1液冷媒合流管30を通じて、吐出管28から利用側気液分離器61に至る部分については、冷媒の流れを示す矢印を省略している)。
このように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されており、さらに、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30)に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34が設けられるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側インジェクション管35を接続した構成が採用されているため、冷暖同時運転モードにおいて、利用側熱交換器42、52の一方において放熱した冷媒を対応する液冷媒分岐管92、93によって利用側気液分離器61に流入させ、利用側気液分離器61において冷媒の気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒分岐管92、93の他方によって対応する利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、冷暖同時運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
尚、利用ユニット4の冷房負荷と利用ユニット5の暖房負荷とのバランスがどちらかに偏っている場合には、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間(すなわち、液冷媒分岐管92、93と液冷媒合流管91と間)でやりとりが行われる冷媒の流量が増加することになるが、このような場合であっても、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間でやりとりが行われる冷媒は、利用側気液分離器61に流入することになるため、利用側熱交換器42と利用側熱交換器52との間でやりとりが行われる冷媒と同様に、利用側気液分離器61において気液分離が行われ、利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。また、熱源側インジェクション開閉弁36を開けることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われる状態にして、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションと併用するようにしてもよい。
以上のように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転において、上述の実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、冷房運転において、液冷媒連絡管8における圧力損失による圧力の低下が生じる前に、熱源側気液分離器34において気液分離を行うことで、熱源側インジェクション管35における差圧を確保して、中間圧インジェクションを十分に行うことができる。また、暖房運転及び冷暖同時運転においても、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションと熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションとを併用して、中間圧インジェクションを十分に行うことができる。
(5)変形例2
上述の変形例1のように、利用側気液分離器61を分岐ユニット6に設ける場合において、利用側インジェクション管94を熱源側インジェクション管35に合流させたり、後段側の圧縮要素21eに直接に接続すると、利用側インジェクション管94の一部である利用側インジェクション連絡管14が分岐ユニット6と熱源ユニット2とを接続する冷媒管の一つとして存在することになり、熱源ユニット2と分岐ユニット6とが、液冷媒連絡管8、高圧ガス冷媒連絡管9、低圧ガス冷媒連絡管10及び利用側インジェクション連絡管14という4種類の冷媒管を介して接続された装置構成になってしまう。
そこで、本変形例では、図9に示されるように、利用側インジェクション管94(ここでは、第2利用側インジェクション管65)を液冷媒合流管91のうち分岐ユニット6に含まれる部分(ここでは、第2液冷媒合流管62)に接続するようにしている。この第2利用側インジェクション管65は、その一端が第2液冷媒合流管62に接続されており、その他端が利用側気液分離器61の上部のガス冷媒が溜まる部分に接続されている。そして、第2利用側インジェクション管65には、変形例1と同様に、第2利用側インジェクション管65(すなわち、利用側インジェクション管94)を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように利用側インジェクション開閉弁67が設けられている。
また、本変形例では、液冷媒合流管91(ここでは、第2液冷媒合流管62)のうち利用側インジェクション管94(ここでは、第2利用側インジェクション管65)が接続された位置と利用側気液分離器61との間の部分に、第1液管開閉機構68が設けられている。この第1液管開閉機構68は、第2利用側インジェクション管65を流れる冷媒の流通及び遮断を可能にする開閉弁であり、本変形例において、電磁弁からなる。
また、本変形例では、液冷媒合流管91のうち熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30を構成する第4液冷媒合流管30b)に、熱源側気液分離器34をバイパスする気液分離器バイパス管37が設けられている。この気液分離器バイパス管37は、その一端が第4液冷媒合流管30bに接続されており、その他端が熱源側インジェクション管35の熱源側インジェクション開閉弁36の下流側の位置に接続されている。そして、気液分離器バイパス管37には、気液分離器バイパス管37を流れる冷媒の流通及び遮断が可能になるように気液分離器バイパス開閉弁38が設けられている。気液分離器バイパス開閉弁38は、電磁弁からなる。
さらに、本変形例では、液冷媒合流管91(ここでは、第4液冷媒合流管30b)のうち気液分離器バイパス管38が接続された位置と熱源側気液分離器34との間の部分に、第2液管開閉機構39が設けられている。この第2液管開閉機構39は、熱源側気液分離器34への冷媒の流通及び遮断を可能にする開閉弁であり、本変形例において、電磁弁からなる。
以上のように、本変形例の空気調和装置1では、上述の変形例1の構成において、主として、利用側インジェクション管94から分岐ユニット6と熱源ユニット2とを接続する利用側インジェクション連絡管14が省略され、利用側インジェクション管94としての第2利用側インジェクション管65が分岐ユニット6内において液冷媒合流管91を構成する第2液冷媒合流管62に接続されている。
次に、本変形例の空気調和装置1の動作について、冷房運転モードと暖房運転モードと冷暖同時運転モードとに分けて説明する。
<冷房運転モード>
利用ユニット4、5の全てを冷房する際、空気調和装置1の冷媒回路11は、図10に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図10の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を放熱運転切換状態(図10の第1切換機構22の実線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79、80を閉めるとともに低圧ガス開閉弁81、82を開けることによって、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52と熱源ユニット2の圧縮機構21の吸入側とが低圧ガス冷媒管96等を介して接続された状態になっている。また、熱源側インジェクション開閉弁36を開けることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われる状態になっており、利用側インジェクション開閉弁67を閉めることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われない状態になっている。また、第1及び第2液管開閉機構68、39は、開けられており、気液分離器バイパス開閉弁38は、閉められている。また、利用ユニット4、5においては、利用側膨張弁41、51は、各利用ユニット4、5の冷房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、熱源側インジェクション管35から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、熱源側インジェクション管35から戻る冷媒と合流した(すなわち、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、第1切換機構22の第1ポート22a及び第2ポート22bと熱源側ガス冷媒管29とを通じて、冷媒の放熱器として機能する熱源側熱交換器23に送られて放熱する。そして、熱源側熱交換器23において放熱した冷媒は、熱源側膨張機構24によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この熱源側膨張機構24によって減圧された冷媒は、熱源側気液分離器34に流入し、気液分離がなされる。そして、熱源側気液分離器34において分離されたガス冷媒は、上述のように、熱源側インジェクション管35を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、熱源側気液分離器34において分離された液冷媒は、液冷媒合流管91を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入した後、液冷媒分岐管92、93を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4、5に送られる。この利用ユニット4、5に送られた冷媒は、利用側膨張機構41、51によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器42、52に送られて蒸発する。そして、利用側熱交換器42、52において蒸発した冷媒は、ガス冷媒分岐管97、98を通じて、利用ユニット4、5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、低圧ガス開閉弁81、82及び低圧ガス冷媒管96を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、吸入管26を通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の全てを冷房する冷房運転モードにおける動作が行われる。
このように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されており、さらに、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30)に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34が設けられるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側インジェクション管35を接続した構成が採用されているため、冷房運転モードにおいて、熱源側気液分離器34において気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒合流管91及び液冷媒分岐管92、93によって利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を熱源側インジェクション管35によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の冷房運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、冷房運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
しかも、本変形例の空気調和装置1では、液冷媒連絡管8における圧力損失による圧力の低下が生じる前に、熱源側気液分離器34において気液分離を行っているため、熱源側インジェクション管35における差圧(すなわち、熱源側気液分離器34におけるガス冷媒の圧力と中間冷媒管27を流れる冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒との圧力差)を確保することができ、後段側の圧縮要素21eに戻すことができる冷媒の流量が減少しにくくなり、中間圧インジェクションを十分に行うことができる。
<暖房運転モード>
利用ユニット4、5の全てを暖房する際、空気調和装置1の冷媒回路11は、図11に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図11の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を蒸発運転切換状態(図11の第1切換機構22の破線で示された状態)に切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、第2切換機構25を暖房負荷要求運転状態(図11の第2切換機構25の破線で示された状態)に切り換えることによって、高圧ガス冷媒管95等を通じて利用ユニット4、5に圧縮機構21において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒を供給できるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79、80を開けるとともに低圧ガス開閉弁81、82を閉めることによって、利用ユニット4、5の利用側熱交換器42、52を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、熱源側インジェクション開閉弁36を開けることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われる状態になっており、利用側インジェクション開閉弁67を閉めることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われない状態になっている。また、第1及び第2液管開閉機構68、39は、開けられており、気液分離器バイパス開閉弁38は、閉められている。また、利用ユニット4、5においては、利用側膨張弁41、51は、各利用ユニット4、5の暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、熱源側インジェクション管35から後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、熱源側インジェクション管35から戻る冷媒と合流した(すなわち、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、高圧ガス開閉弁79、80及びガス冷媒分岐管97、98を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4、5に送られる。この利用ユニット4、5に送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器42、52に送られて放熱する。そして、利用側熱交換器42、52において放熱した冷媒は、利用側膨張機構41、51によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この利用側膨張機構41、51によって減圧された冷媒は、液冷媒分岐管92、93を通じて、利用ユニット4、5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入した後、液冷媒合流管91を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、熱源側気液分離器34に流入し、気液分離がなされる。そして、熱源側気液分離器34において分離されたガス冷媒は、上述のように、熱源側インジェクション管35を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、熱源側気液分離器34において分離された液冷媒は、熱源側膨張機構24によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する熱源側熱交換器23に送られて蒸発する。そして、熱源側熱交換器23において蒸発した冷媒は、熱源側ガス冷媒管29と第1切換機構22の第2ポート22b及び第3ポート22cと吸入管26とを通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の全てを暖房する暖房運転モードにおける動作が行われる。
このように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されており、さらに、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30)に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34が設けられるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側インジェクション管35を接続した構成が採用されているため、暖房運転モードにおいて、熱源側気液分離器34において気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒合流管91及び液冷媒分岐管92、93によって利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を熱源側インジェクション管35によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の暖房運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、暖房運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
<冷暖同時運転モード>
利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する際(ここでは、利用ユニット4を冷房し、利用ユニット5を暖房するものとする)、空気調和装置1の冷媒回路11は、図12に示されるように構成される(冷媒の流れについては、図12の冷媒回路11に付された矢印を参照)。具体的には、熱源ユニット2の熱源側冷媒回路11cにおいては、熱源側切換機構としての第1切換機構22を利用ユニット4の冷房負荷と利用ユニット5の暖房負荷とのバランスに応じて放熱運転切換状態又は蒸発運転切換状態のいずれかに切り換えることによって、熱源側熱交換器23を冷媒の放熱器又は蒸発器として機能させるとともに、第2切換機構25を暖房負荷要求運転状態(図12の第2切換機構25の破線で示された状態)に切り換えることによって、高圧ガス冷媒管95等を通じて利用ユニット5に圧縮機構21において圧縮され吐出された高圧のガス冷媒を供給できるようになっている。また、熱源側膨張機構24は、冷媒を減圧するように開度調節されている。分岐ユニット6においては、利用ユニット4に対応する利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁79を閉めるとともに低圧ガス開閉弁81を開けることによって、利用ユニット4の利用側熱交換器42を冷媒の蒸発器として機能させるとともに、利用ユニット4の利用側熱交換器42と熱源ユニット2の圧縮機構21の吸入側とが低圧ガス冷媒管96等を介して接続された状態になっている。また、利用側切換機構としての高圧ガス開閉弁80を開けるとともに低圧ガス開閉弁82を閉めることによって、利用ユニット5の利用側熱交換器52を冷媒の放熱器として機能させるようになっている。また、熱源側インジェクション開閉弁36を閉めることによって、熱源側気液分離器34及び熱源側インジェクション管35による中間圧インジェクションが行われない状態になっており、利用側インジェクション開閉弁67を開けることによって、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われる状態になっている。また、第1及び第2液管開閉機構68、39は、閉められており、気液分離器バイパス開閉弁38は、開けられている。また、利用ユニット4においては、利用側膨張弁41は、利用ユニット4の冷房負荷に応じて開度調節されており、利用ユニット5においては、利用側膨張弁51は、利用ユニット5の暖房負荷に応じて開度調節されている。
このような冷媒回路11の構成において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入管26から圧縮機構21に吸入され、前段側の圧縮要素21dによって冷凍サイクルにおける中間圧まで圧縮された後に、中間冷媒管27に吐出される。この前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒は、利用側インジェクション管94(ここでは、第2利用側インジェクション管65)から液冷媒合流管91(ここでは、第2液冷媒合流管62、液冷媒連絡管8及び第4液冷媒合流管30b)及び気液分離器バイパス管37を通じて、後段側の圧縮要素21eに戻されるガス冷媒と合流することでさらに冷却される。次に、利用側インジェクション管94と液冷媒合流管91と気液分離器バイパス管37とを通じて戻る冷媒と合流した(すなわち、利用側気液分離器61及び利用側インジェクション管94による中間圧インジェクションが行われた)中間圧の冷媒は、圧縮要素21dの後段側に接続された圧縮要素21eに吸入されてさらに圧縮されて、圧縮機構21から吐出管28に吐出される。ここで、圧縮機構21から吐出された冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、圧縮要素21d、21eによる二段圧縮動作によって、臨界圧力を超える圧力まで圧縮されている。この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒は、第1切換機構22が放熱運転切換状態になっている場合を含めて、その大部分が吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、高圧ガス開閉弁80及びガス冷媒分岐管98を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット5に送られる。この利用ユニット5に送られた冷媒は、冷媒の放熱器として機能する利用側熱交換器52に送られて放熱する。そして、利用側熱交換器52において放熱した冷媒は、利用側膨張機構51によって冷媒の飽和圧力付近まで減圧される。この利用側膨張機構51によって減圧された冷媒は、液冷媒分岐管93を通じて、利用ユニット5から分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、利用側気液分離器61に流入し、気液分離がなされる。そして、利用側気液分離器61において分離されたガス冷媒は、上述のように、利用側インジェクション管94から液冷媒合流管91及び気液分離器バイパス管37を通じて、前段側の圧縮要素21dから吐出された中間圧の冷媒に合流することになる。一方、利用側気液分離器61において分離された液冷媒は、液冷媒分岐管92を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4に送られる。この利用ユニット4に送られた冷媒は、利用側膨張機構41によって減圧されて低圧の気液二相状態になる。この低圧の気液二相状態の冷媒は、冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器42に送られて蒸発する。そして、利用側熱交換器42において蒸発した冷媒は、ガス冷媒分岐管97を通じて分岐ユニット6に送られる。この分岐ユニット6に送られた冷媒は、低圧ガス開閉弁81及び低圧ガス冷媒管96を通じて、分岐ユニット6から熱源ユニット2に送られる。この熱源ユニット2に送られた冷媒は、吸入管26を通じて、再び圧縮機構21に吸入される。このようにして、利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する(ここでは、利用ユニット4を冷房し、利用ユニット5を暖房する)冷暖同時運転モードにおける動作が行われる。
すなわち、冷暖同時運転モードでは、この圧縮機構21から吐出された高圧の冷媒の大部分が、吐出管28及び高圧ガス冷媒管95(第2切換機構25の第1ポート25a及び第4ポート25dを含む)を通じて、熱源ユニット2から分岐ユニット6に送られ、利用側気液分離器61において分離された液冷媒の大部分が、液冷媒分岐管92を通じて、分岐ユニット6から利用ユニット4に送られて、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間(すなわち、液冷媒分岐管92、93と液冷媒合流管91との間)でやりとりが行われる冷媒の流量が減少していることから、このことを利用して、液冷媒合流管91(ここでは、第2液冷媒合流管62、液冷媒連絡管8及び第4液冷媒合流管30b)を利用側インジェクション連絡管として機能させるようにしている。
このように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転が可能な構成において、圧縮機構として、多段圧縮式(ここでは、2段圧縮式)の圧縮機構21が採用され、中間圧インジェクションを行うための構成として、液冷媒合流管91から複数(ここでは、2つ)の液冷媒分岐管92、93への分岐部に利用側気液分離器61が設けられるとともに、この利用側気液分離器61に利用側インジェクション管94を接続した構成が採用されており、さらに、液冷媒合流管91の熱源ユニット2に含まれる部分(ここでは、第1液冷媒合流管30)に冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器34が設けられるとともに、熱源側気液分離器34に熱源側インジェクション管35を接続した構成が採用されているため、冷暖同時運転モードにおいて、利用側熱交換器42、52の一方において放熱した冷媒を対応する液冷媒分岐管92、93によって利用側気液分離器61に流入させ、利用側気液分離器61において冷媒の気液分離を行い、分離された液冷媒を液冷媒分岐管92、93の他方によって対応する利用側熱交換器42、52に送りつつ、分離されたガス冷媒を利用側インジェクション管94によって後段側の圧縮要素21eに戻すことができる。これにより、利用ユニット4、5の一方を冷房しつつ他方を暖房する運転を行いつつ、多段圧縮式(ここでは、二段圧縮式)の圧縮機構21における後段側の圧縮要素21eに吸入される冷媒の温度を低く抑えることができ、冷暖同時運転モードにおける運転効率を向上させることができる。
しかも、本変形例の空気調和装置1では、利用側インジェクション管94(ここでは、第2利用側インジェクション管65)が液冷媒合流管91のうち分岐ユニット6に含まれる部分(ここでは、第2液冷媒合流管62)に接続されているため、利用側熱交換器42、52と熱源側熱交換器23との間(すなわち、液冷媒合流管91及び液冷媒分岐管92、93との間)で冷媒のやりとりを行わずに、利用側インジェクション管94を流れるガス冷媒を液冷媒合流管91を通じて熱源ユニット2に送ることで中間圧インジェクションを行うことができるようになり、変形例1において設けられていた利用側インジェクション連絡管14を要しない装置構成にすることができる。
また、本変形例の空気調和装置1では、液冷媒合流管91のうち利用側インジェクション管94が接続された位置と利用側気液分離器61との間の部分に、第1液管開閉機構68が設けられているため、利用側インジェクション管94を流れるガス冷媒を液冷媒合流管91を通じて熱源ユニット2に送る際に、中間圧インジェクションに供されるガス冷媒以外の冷媒を利用側気液分離器61から流出させることなく、利用側インジェクション管94を流れるガス冷媒を液冷媒合流管91を通じて熱源ユニット2に送り、中間圧インジェクションを行うことができる。
また、本変形例の空気調和装置1では、液冷媒合流管91のうち熱源ユニット2に含まれる部分に、熱源側気液分離器34をバイパスする気液分離器バイパス管37が設けられているため、液冷媒合流管91を通じて利用側インジェクション管94から熱源ユニット2に送られたガス冷媒を、熱源側気液分離器34に流入させるような流れを生じさせることなく、中間圧インジェクションに供することができる。
さらに、本変形例の空気調和装置1では、液冷媒合流管91のうち気液分離器バイパス管38が接続された位置と熱源側気液分離器34との間の部分に、第2液管開閉機構39が設けられているため、中間圧インジェクションに供されるガス冷媒以外の冷媒を熱源側気液分離器34から流出させることなく、中間圧インジェクションを行うことができる。
以上のように、本変形例の空気調和装置1では、冷暖同時運転や冷房運転において、上述の変形例1と同様の作用効果を得ることができるとともに、冷暖同時運転においてほとんど冷媒のやりとりが行われない液冷媒合流管91を、利用側インジェクション管94を流れるガス冷媒を分岐ユニット6から熱源ユニット2に送るための連絡管として利用することで、変形例1において設けられていた利用側インジェクション連絡管14を要しない装置構成にすることができる。
(6)他の実施形態
以上、本発明の実施形態及びその変形例について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
<A>
上述の実施形態及びその変形例では、圧縮機構21として、2つの圧縮要素21d、21eが一体に組み込まれた一軸二段圧縮式の圧縮機を採用しているが、これに限定されず、三段以上等の多段圧縮式の圧縮機や単段圧縮式の圧縮機を複数接続したもの等のように、複数の圧縮要素が一体に組み込まれた圧縮機や、単一の圧縮要素が組み込まれた圧縮機及び/又は複数の圧縮要素が組み込まれた圧縮機を複数台接続したものであってもよい。また、利用ユニットの接続台数等に応じて、2台以上の圧縮機が並列に接続されたものであってもよい。
<B>
上述の実施形態及びその変形例では、利用ユニットは2つであるが、これに限定されず、3つ以上であってもよい。また、上述の実施形態及びその変形例において利用ユニットに設けられている利用側膨張機構は、分岐ユニットに設けられていてもよい。
<C>
上述の実施形態及びその変形例では、分岐ユニット6は、利用側気液分離器61及びその周辺配管62〜65と、複数の利用ユニット4、5に対応する利用側切換機構(ガス開閉弁79〜82)及びその周辺配管71〜78とが1つのユニットとしてまとめられているが、これに限定されず、利用側気液分離器61及びその周辺配管62〜65を有する分岐ユニットと、利用側切換機構(ガス開閉弁79〜82)及びその周辺配管71〜78を有する分岐ユニットとに分けて構成してもよい。また、利用側切換機構(ガス開閉弁79〜82)及びその周辺配管71〜78を有する分岐ユニットについては、複数の利用ユニット4、5に共通に設けるのではなく、各利用ユニット4、5に対応する部分のみをまとめるようにしてもよい。
本発明を利用すれば、多段圧縮式の冷凍サイクルにおいて後段側の圧縮要素に中間圧の冷媒を戻す中間圧インジェクションを行う構成を採用した冷暖同時運転が可能な空気調和装置を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。 冷房運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 暖房運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 冷暖同時運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 変形例1にかかる空気調和装置の概略構成図である。 変形例1における冷房運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 変形例1における暖房運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 変形例1における冷暖同時運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 変形例2にかかる空気調和装置の概略構成図である。 変形例2における冷房運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 変形例2における暖房運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。 変形例2における冷暖同時運転モードの動作を説明する概略の冷媒回路図である。
符号の説明
1 空気調和装置
2 熱源ユニット
4、5 利用ユニット
6 分岐ユニット
8 液冷媒連絡管
9 高圧ガス冷媒連絡管
10 低圧ガス冷媒連絡管
21 圧縮機構
22 第1切換機構(熱源側切換機構)
23 熱源側熱交換器
24 熱源側膨張機構
34 熱源側気液分離器
35 熱源側インジェクション管
37 気液分離器バイパス管
39 第2液管開閉機構
41、51 利用側膨張機構
42、52 利用側熱交換器
61 利用側気液分離器
68 第1液管開閉機構
79〜82 ガス開閉弁(利用側切換機構)
91 液冷媒合流管
92、93 液冷媒分岐管
94 利用側インジェクション管
95 高圧ガス冷媒管
96 低圧ガス冷媒管

Claims (9)

  1. 圧縮機構(21)と、
    熱源側熱交換器(23)と、
    前記熱源側熱交換器に接続されている液冷媒合流管(91)と、
    前記液冷媒合流管に設けられた熱源側膨張機構(24)と、
    複数の利用側熱交換器(42、52)と、
    前記液冷媒合流管から分岐されて前記各利用側熱交換器に接続されている液冷媒分岐管(92、93)と、
    前記各液冷媒分岐管に設けられた利用側膨張機構(41、51)と、
    前記熱源側熱交換器を前記圧縮機構から吐出された冷媒の放熱器として機能させる放熱運転切換状態と前記熱源側熱交換器を前記液冷媒合流管を流れる冷媒の蒸発器として機能させる蒸発運転切換状態とを切り換え可能な熱源側切換機構(22)と、
    前記圧縮機構の吐出側と前記熱源側切換機構との間に接続されており、前記圧縮機構から吐出された冷媒を前記熱源側切換機構に流入する前に分岐する高圧ガス冷媒管(95)と、
    前記各利用側熱交換器に対応して設けられており、前記利用側熱交換器を前記液冷媒分岐管を流れる冷媒の蒸発器として機能させる冷房運転切換状態と前記利用側熱交換器を高圧ガス冷媒管を流れる冷媒の放熱器として機能させる暖房運転切換状態とを切り換え可能な利用側切換機構(79〜82)と、
    前記各利用側熱交換器において蒸発した冷媒を前記圧縮機構の吸入側に送る低圧ガス冷媒管(96)とを備え、
    前記圧縮機構は、複数の圧縮要素を有しており、前記複数の圧縮要素のうちの前段側の圧縮要素から吐出された冷媒を後段側の圧縮要素で順次圧縮するように構成されており、
    前記液冷媒合流管から前記複数の液冷媒分岐管への分岐部には、冷媒の気液分離を行う利用側気液分離器(61)が設けられており、
    前記利用側気液分離器には、前記利用側気液分離器において分離されたガス冷媒を前記後段側の圧縮要素に戻すための利用側インジェクション管(94)が接続されている、
    空気調和装置(1)。
  2. 前記液冷媒合流管(91)の一部、前記圧縮機構(21)、及び前記熱源側熱交換器(23)を少なくとも含む熱源ユニット(2)と、前記利用側熱交換器(42、52)を少なくとも含む複数の利用ユニット(4、5)と、前記液冷媒合流管のうち前記熱源ユニットに含まれる部分とは異なる一部、前記複数の液冷媒分岐管(92、93)の一部及び前記利用側気液分離器(61)を少なくとも含む分岐ユニット(6)と、前記液冷媒合流管のうち前記熱源ユニットと前記分岐ユニットとの間を接続する部分からなる液冷媒連絡管(8)と、前記高圧ガス冷媒管(95)のうち前記熱源ユニットと前記分岐ユニットとの間を接続する部分からなる高圧ガス冷媒連絡管(9)と、前記低圧ガス冷媒管(96)のうち前記熱源ユニットと前記分岐ユニットとの間を接続する部分からなる低圧ガス冷媒連絡管(10)とが接続されることによって構成されている、請求項1に記載の空気調和装置(1)。
  3. 前記液冷媒合流管(91)の前記熱源ユニット(2)に含まれる部分には、冷媒の気液分離を行う熱源側気液分離器(34)が設けられており、
    前記熱源側気液分離器には、前記熱源側気液分離器において分離されたガス冷媒を前記後段側の圧縮要素に戻すための熱源側インジェクション管(35)が接続されている、
    請求項2に記載の空気調和装置(1)。
  4. 前記利用側インジェクション管(94)は、前記液冷媒合流管(91)のうち前記分岐ユニット(6)に含まれる部分に接続されている、請求項3に記載の空気調和装置(1)。
  5. 前記液冷媒合流管(91)のうち前記利用側インジェクション管(94)が接続された位置と前記利用側気液分離器(61)との間の部分には、第1液管開閉機構(68)が設けられている、請求項4に記載の空気調和装置(1)。
  6. 前記液冷媒合流管(91)のうち前記熱源ユニット(2)に含まれる部分には、前記熱源側気液分離器(34)をバイパスして前記後段側の圧縮要素に前記利用側気液分離器(61)において分離されたガス冷媒を戻すための気液分離器バイパス管(37)が設けられている、請求項5に記載の空気調和装置(1)。
  7. 前記液冷媒合流管(91)のうち前記気液分離器バイパス管(37)が接続された位置と前記熱源側気液分離器(34)との間の部分には、第2液管開閉機構(39)が設けられている、請求項6に記載の空気調和装置(1)。
  8. 前記圧縮機構(21)は、臨界圧力を超える圧力まで冷媒を圧縮する、請求項1〜7のいずれかに記載の空気調和装置(1)。
  9. 前記冷媒は、二酸化炭素である、請求項8に記載の空気調和装置(1)。
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