JP2010084812A - マグネシウム合金部材の締結構造 - Google Patents

マグネシウム合金部材の締結構造 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、マグネシウム合金部材を鋼製ボルトによって相手部材に締結するマグネシウム合金部材の締結構造において、マグネシウム合金部材への電食の発生を効果的に抑制できる締結構造を提案することである。
【解決手段】本発明のマグネシウム合金部材の締結構造10は、鋼製ボルト16とマグネシウム合金部材12との間に、このマグネシウム合金部材12よりも電位的に卑なマグネシウム又はマグネシウム合金ワッシャ18を介在させて締結することを特徴とする。ワッシャ18の厚さtは2mm以上、鋼製ボルト16の座部16aからのワッシャ18の突出長さdを3mm以上にするとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、マグネシウム合金部材をこの部材とは異種の金属からなる締結部材で相手部材に締結する締結構造に関する。
近年自動車産業においては、環境問題への関心が高まるにつれて更なる燃費向上が要望されるようになってきている。このような要望に対応するために、自動車産業では、車両の軽量化の検討が必要となり、実用合金のなかで軽量なマグネシウム合金を部材として使用することが多くなってきている。
しかしながら、マグネシウム合金は電位的に最も卑な実用合金であるため、鉄やアルミニウムといった異種金属と締結する場合に、電解質を含む水分の存在下において電食(異種金属接触腐食)が発生しやすいという問題がある。特に自動車のエンジンルーム内や足回り部分においては、雨水や融雪塩などに含まれる電解質の働きによって電食が著しく促進され、電食部を基点とする割れの発生や外観不良といった不具合を生じることがある。
このような問題に対して、鋼製ボルトにガラス被膜などを形成して電気的に絶縁対策を施す方法(特許文献1)や、鋼製ボルトとマグネシウム合金部材との間にアルミニウムワッシャや陽極酸化を施したアルミワッシャを介在させて締結する締結構造(特許文献2)などが提案されている。
特開2001−263314号公報 特開平5−125567号公報
しかし、前者の方法では、ガラス被膜などの絶縁材で鋼製ボルトを被覆したとしても、経年劣化によってガラス被膜に割れが生じたり、完全に鋼製ボルトを被覆することは事実上不可能であることなどから、マグネシウム合金部材への電食の発生を完全に防止することはできない。
また、マグネシウム材料とアルミニウム材料との間には標準電極電位に差があり、マグネシウム材料はアルミニウム材料に比べて電位的に卑である。このため、後者の場合には、アルミニウムワッシャよりもマグネシウム合金部材の方が電食により優先的に浸食されてしまうことになる。また、アルミニウムワッシャに陽極酸化を施すにしても、充分に緻密な被膜を形成するには著しくコストが嵩むために実際には困難である。このため、マグネシウム合金部材への電食の発生を完全に防止することはできない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、マグネシウム合金部材を鋼製ボルトによって相手部材に締結するマグネシウム合金部材の締結構造において、マグネシウム合金部材への電食の発生を効果的に抑制できる締結構造を提案することである。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造は、鋼製ボルトとマグネシウム合金部材との間に、このマグネシウム合金部材よりも電位的に卑なマグネシウム又はマグネシウム合金ワッシャ(以後、マグネシウムワッシャと称する)を介在させて締結することを特徴とする。
本発明の締結構造は、鋼製ボルトとマグネシウム合金部材との間にマグネシウムワッシャを介在させて締結する構造であるので、結露又は被水した場合などには、マグネシウム合金部材よりも電位的に卑な金属である例えば純マグネシウム製のワッシャが、マグネシウム合金部材に優先して溶出する犠牲陽極となる。その結果、マグネシウムワッシャのみに電食が発生し、マグネシウム合金部材に生じる電食を抑制することができる。また、マグネシウム合金部材への電食の発生を抑制することができるので、電食部を起点とする亀裂の発生を防止することができる。
このような締結構造において、マグネシウムワッシャは、このマグネシウムワッシャに当接する鋼製ボルトの座部の全周に亘ってその座部の側面から3mm以上突出していることが望ましい。これにより、締結されるマグネシウム合金部材への電食の発生をより確実に抑制することができる。
また、マグネシウムワッシャの厚さは、少なくとも2mm以上であることが好ましい。マグネシウムワッシャの厚さを2mm以上にすることにより、締結されるマグネシウム合金部材への電食の発生をさらに確実に抑制することができる。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造によれば、電食発生に際して、高価なマグネシウム合金部材そのものを交換する必要はなく、電食したマグネシウムワッシャのみを交換すればよいので、メンテナンスコストの低減を図ることができる。
本発明の一実施の形態を図1に示す。図1は、締結構造10の構成を説明する断面模式図である。マグネシウム合金部材12は、マグネシウムワッシャ18を介して鋼製ボルト16によって相手部材14に締結されている。マグネシウム合金部材12やマグネシウムワッシャ18を形成する材料としては、純マグネシウムやAZ91、AM60、AM100などのマグネシウム合金を例示することができる。本実施形態において、マグネシウムワッシャ18は、その材料がマグネシウム合金部材12よりも電位的に卑なものである。例えば、マグネシウム合金部材12がAZ91(電極電位:−1.50V)で形成されている場合には、マグネシウムワッシャ18には純マグネシウム(電極電位:−1.60V)を用いるとよい。すなわち、部材12とワッシャ18との電極電位を測定して部材12よりもワッシャ18の方が低い電位(卑)であることが重要である。
なお、鋼製ボルト16には特に制限はなく、一般に市販されているものを使用することができる。しかし、鋼製ボルト16は裸材でもよいが、表面にクロムめっきとカチオン電着塗装を施して絶縁対策としたものを用いることが好ましい。
以上のような締結構造では、図2に示すように雨水や結露などによる水滴20が、鋼製ボルト16の頭部16aから座部16bとマグネシウムワッシャ(以後、単にワッシャともいう)18とを内包してマグネシウム合金部材(以後、単に部材ともいう)12の表面を覆うように付着することがある。このため、異種金属の接触による接触腐食(電食)22が鋼製ボルト16のボルト座部16b近傍に発生しやすい。従って、ワッシャ18の外径を鋼製ボルト16の座部16bの側面から所定長さdだけ突出するように形成することが望ましく、この突出長さdは少なくとも3mm以上にするとよい。突出長さdが3mm未満では部材12に対するワッシャ18の犠牲陽極効果が小さい。なお、突出長さdを必要以上に長くしてもそれ以上の効果は期待できない。従って、突出長さdの上限は5mm程度とすることができる。
また、電食による孔食22は、ワッシャ18の厚さ方向に進行しやすい。従って、ワッシャ18の厚さtが薄い場合には、孔食22の進行に伴って腐食孔が部材12にまで到達して部材12を浸食する虞がある。このためワッシャ18の厚さtは少なくとも2mm以上にするとよい。ワッシャ18の厚さtが2mm未満では、ボルト座部16b近傍に電食が発生しやすく、また、腐食孔が短時日で部材12にまで到達してしまうおそれがある。なお、厚さtを必要以上に厚くしてもそれ以上の効果は期待できない。従って、厚さtの上限は5mm程度とすることができる。
ワッシャ18を上記のように形成することにより、ワッシャ18の犠牲陽極効果がより効果的に発揮されるので、締結されるマグネシウム合金部材12への電食の発生をより確実に抑制することができる。
次に、図3〜6に示す実施例と比較例とによって本発明をさらに詳細に説明する。図3〜6は図2における左半分の断面に対応している。また、図3〜6において、図2と同様の部分には同一の番号を付した。
(実施例1)
Mg合金AZ91からなるマグネシウム合金部材(表面処理:なし)12を、純マグネシウムからなるワッシャ(厚さt:2mm、突出長さd:2mm、表面:生地)18を介して、鋼製ボルト(材質:SS41、表面:生地)16で相手部材へ締結し、図1に示す締結構造10とした。この締結構造体を30℃に保持された5%NaCl噴霧の塩水噴霧試験槽内に暴露し、48時間経過後の腐食発生況を目視観察した。結果を図3に示す。
本実施例では、ワッシャ18に電食22aが生じており犠牲陽極効果は認められるものの、突出長さが短いためにマグネシウム合金部材12にも軽度の電食22bの発生が認められた。
(実施例2)
ワッシャ18の厚さtを1mm、鋼製ボルト16の座部16bの側面からの突出長さdを3mmとした以外は、実施例1と同様の締結構造として、塩水噴霧試験後の目視検査を行った。結果を図4に示す。
本実施例では、ワッシャ18に電食22aが生じており犠牲陽極効果は認められるものの、ワッシャの厚さが薄いためにマグネシウム合金部材12にも軽度の電食22bが発生しているのが認められた。
(実施例3)
ワッシャ18の厚さtを2mm、鋼製ボルト16の座部16aの側面からの突出長さdを3mmとした以外は、実施例1と同様の締結構造として、塩水噴霧試験後の目視検査を行った。結果を図5に示す。
図5から分かるように、本実施例においては、電食22はワッシャ18には認められるものの、マグネシウム合金部材12の表面には全く認められなかった。
(比較例1)
ワッシャ18をアルミニウム合金(材質:5052、厚さt:2mm、突出長さd:3mm、表面:生地)製のものとした以外は、実施例1と同様にして締結構造10を得、同様にして目視検査を行った。結果を図6に示す。
アルミニウム合金である5052の電極電位は−0.75Vであるので、ワッシャ18はマグネシウム合金部材12(電極電位:−1.50V)よりも電位的に貴である。図6において、ワッシャ18にも電食22aが認められるものの、マグネシウム合金部材12のほうがより激しく電食されている(22b)ことが分かる。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造は、マグネシウム合金部材よりも電位的に卑なマグネシウム材料からなるワッシャを鋼製ボルトとマグネシウム合金部材との間に介在させて相手部材に締結する締結構造である。これ故、ワッシャがマグネシウム合金部材の犠牲陽極となって、マグネシウム合金部材への電食発生を効果的に抑制することができる。従って、電食発生時には、高価なマグネシウム合金部材を交換する必要はなく、ワッシャのみを交換すればよいのでメンテナンスコストを大幅に低減することが可能となる。
本発明のマグネシウム合金部材の締結構造は、自動車のクランクケース、ギヤボックス、インレットハウジングなどのエンジンルーム内に配設されるマグネシウム合金部材、あるいは、ホイールなどの足回り部分に配置されるマグネシウム合金部材を相手部材に締結する締結構造として好適である。
実施形態の締結構造を示す断面模式図である。 水滴の付着と電食発生状況とを説明する断面模式図である。 実施例1の塩水噴霧試験後の左半分の断面模式図である。 実施例2の塩水噴霧試験後の左半分の断面模式図である。 実施例3の塩水噴霧試験後の左半分の断面模式図である。 比較例1の塩水噴霧試験後の左半分の断面模式図である。
符号の説明
10:締結構造 12:マグネシウム合金部材 14:相手部材 16:鋼製ボルト 16a:ボルト頭部 16b:ボルト座部 18:マグネシウムワッシャ 20:水滴 22:電食 t:厚さ d:突出長さ

Claims (3)

  1. マグネシウム合金部材を鋼製ボルトによって相手部材に締結するびマグネシウム合金部材の締結構造において、
    前記鋼製ボルトと前記マグネシウム合金部材との間に該マグネシウム合金部材よりも電位的に卑なマグネシウム又はマグネシウム合金ワッシャを介在させて締結することを特徴とするマグネシウム合金部材の締結構造。
  2. 前記マグネシウム又はマグネシウム合金ワッシャは、該マグネシウム又はマグネシウム合金ワッシャに当接する前記鋼製ボルトの座部の全周に亘って該座部の側面から3mm以上突出している請求項1に記載のマグネシウム合金部材の締結構造
  3. 前記マグネシウム又はマグネシウム合金ワッシャは、2mm以上の厚さを有する請求項1又は2に記載のマグネシウム合金部材の締結構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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