JP2008281050A - 固定装置およびそれを備えた輸送機器 - Google Patents

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透 橘内
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Abstract

【課題】割り締め式の固定構造を有する固定装置における電食の発生を抑制する。
【解決手段】本発明による固定装置は、固定対象物に当接する内周面11aを有する当接部11と、マグネシウム合金から形成され、互いに締結されることによって当接部11を固定対象物に締め付ける一対の締め付け部12aおよび12bと、マグネシウム合金とは異なる金属材料から形成され、一対の締め付け部12aおよび12bを互いに締結するボルト20と、一対の締め付け部12aおよび12bの間に設けられ、空隙13をシールするシール部材30とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、固定装置およびそれを備えた輸送機器に関する。
自動二輪車のフロントフォークを固定するために、アッパーブラケットやアンダーブラケットと呼ばれる固定装置が用いられている。アッパーブラケットおよびアンダーブラケットの一例を図16(a)、(b)および図17に示す。
図16(a)および(b)に示すように、アッパーブラケット700およびアンダーブラケット701には、それぞれ複数の貫通孔1、2および3が形成されている。図17に示すように、両端部の貫通孔1および2にはフロントフォーク80が挿通され、中央部の貫通孔3にはステアリングシャフト90が挿通される。
図16(a)、(b)および図17に示すアッパーブラケット700およびアンダーブラケット701には、フロントフォーク80を固定するための構造として、割り締め式の固定構造が用いられている。以下、図18も参照しながらこの固定構造をより具体的に説明する。図18は、アッパーブラケット700およびアンダーブラケット701が有する割り締め式の固定構造を拡大して示す図である。
図16(a)および図18に示すように、この固定構造は、フロントフォーク80に当接する内周面11aを有する当接部11と、当接部11をフロントフォーク80に締め付けるための一対の締め付け部12aおよび12bと、締め付け部12aおよび12bを互いに締結するボルト20とを有している。当接部11の内周面11aの一部を切り欠くように間隙13が形成されており、締め付け部12aおよび12bは、この間隙13を介して互いに対向している。締め付け部12aおよび12bがボルト20によって互いに締結されることにより、締め付け部12aおよび12bに連続する当接部11がフロントフォーク80に対して締め付けられる。ボルト20の頭部と締め付け部12aとの間には、ワッシャー28が設けられている。このように、半割り状の当接部11を締め付けることによって固定が行われる。
従来、自動二輪車の軽量化のため、アッパーブラケットやアンダーブラケットの材料として、鋼よりも比重の小さいアルミニウム合金が用いられてきたが、近年では、アルミニウム合金よりもさらに比重の小さいマグネシウム合金の製造方法が開発されてきた。また、マグネシウム合金の強度や加工性を改善する技術も開発されてきた。そのため、アルミニウム合金に代えて、マグネシウム合金をアッパーブラケットやアンダーブラケットの材料として用いることが望まれる。マグネシウム合金の比重は、アルミニウム合金の比重の約2/3であるため、マグネシウム合金を用いると自動二輪車をさらに軽量化することができる。
しかしながら、割り締め式の固定構造を有するアッパーブラケットやアンダーブラケットの材料にマグネシウム合金を用いると、マグネシウム合金から形成された締め付け部と、鉄合金から形成されたボルトとの間に電食(異種金属接触腐食)が発生してしまう。これは、イオン化傾向の異なる金属材料の間に水分が介在すると、一種の電池が形成されてしまうからである。
この問題を解決するために、特許文献1には、鉄合金製のボルトの表面に絶縁コーティング層を形成することによってボルトと締め付け部とを絶縁する手法が開示されている。絶縁コーティング層の具体例としては、フッ素樹脂コーティング層が記載されている。
特開2005−180599号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているように絶縁コーティング層を形成したとしても、ボルトのねじ山が形成されている部分はボルトのねじ込みを行う際にどうしても擦れてしまうので、絶縁コーティング層が割れてしまう。そのため、絶縁が不完全となり、実際には電食が発生してしまう。
なお、絶縁を完全にするために、ねじ山部分に形成される絶縁コーティング層を厚くすることも考えられるが、ねじ山の表面に均一に絶縁コーティング層を形成することは非常に難しい。また、絶縁コーティング層を厚くすると、ねじ山の精度が低下するので、締結力を確保することが困難となる。
上述したような電食は、自動二輪車用のアッパーブラケットやアンダーブラケットのように、割り締め式の固定構造が外気に容易に触れる(つまり露出している)固定装置において大きな問題となる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、割り締め式の固定構造を有する固定装置における電食の発生を抑制することにある。
本発明による固定装置は、固定対象物に当接する内周面を有する当接部と、マグネシウム合金から形成され、互いに締結されることによって前記当接部を固定対象物に締め付ける一対の締め付け部と、マグネシウム合金とは異なる金属材料から形成され、前記一対の締め付け部を互いに締結するボルトと、前記一対の締め付け部の間に設けられ、前記空隙をシールするシール部材とを有する。
ある好適な実施形態において、前記シール部材は、弾性部材である。
ある好適な実施形態において、前記弾性部材は、ゴムまたは樹脂から形成されている。
ある好適な実施形態において、前記ボルトは、表面に形成された絶縁被覆層を有する。
ある好適な実施形態において、前記ボルトは、鉄合金、アルミニウム合金またはチタン合金から形成されている。
ある好適な実施形態において、前記一対の締め付け部には、前記ボルトが挿通される孔がそれぞれ形成されており、前記一対の締め付け部の一方に形成された前記孔は、前記ボルトのねじ山に螺合するねじ孔であり、且つ、有底孔である。
ある好適な実施形態において、前記固定装置は、前記ボルトのねじ山に螺合する少なくとも1つの袋ナットをさらに有する。
ある好適な実施形態において、本発明による固定装置は、輸送機器に搭載される輸送機器用固定装置である。
ある好適な実施形態において、本発明による固定装置は、自動二輪車用のアッパーブラケットまたはアンダーブラケットである。
ある好適な実施形態において、本発明による輸送機器は、上記構成を有する固定装置を備えている。
本発明による固定装置では、一対の締め付け部の間にシール部材が設けられているので、当接部の内周面の一部を切り欠くように形成された空隙への水分の侵入が防止される。そのため、マグネシウム合金から形成された締め付け部と、マグネシウム合金とは異なる金属材料から形成されたボルトとの間での電食の発生が抑制される。
シール部材は、弾性部材であることが好ましい。シール部材として弾性部材を用いると、その弾性力によって空隙が好適にシールされる。また、弾性部材はボルトが緩められたときにその形状が回復するので、整備等のために固定装置を一旦分解してもシール部材を交換する必要がない。
弾性部材の材料としては、ゴムまたは樹脂を好適に用いることができる。
ボルトの表面に絶縁性を有する被覆層(絶縁被覆層)を形成すると、電食の発生をより確実に防止することができる。
ボルトは、例えば、鉄合金、アルミニウム合金またはチタン合金から形成されている。鉄合金は、強度に優れ、安価であるという点で好ましい。また、アルミニウム合金やチタン合金は、軽量であるという点で好ましい。
一対の締め付け部には、ボルトが挿通される孔がそれぞれ形成されている。一方の締め付け部に形成された孔が、ボルトのねじ山に螺合するねじ孔で、且つ、有底孔であることにより、ボルトの先端部(頭部とは反対側の端部)を外部から隔絶させることができるので、ボルトの先端部での電食の発生を抑制することができる。
また、本発明による固定装置は、ボルトのねじ山に螺合する少なくとも1つの袋ナットを有することが好ましい。袋ナットによってボルトの端部を外部から隔絶させることにより、ボルトの端部での電食の発生を抑制することができる。
本発明は、割り締め式の固定構造を有する固定装置全般に広く用いられ、特に、輸送機器に搭載される輸送機器用固定装置に好適に用いられる。
本発明は、例えば、自動二輪車用のアッパーブラケットまたはアンダーブラケットに好適に用いられる。自動二輪車は、屋外で使用されるので、割り締め式の固定構造に水分が付着することがあるが、本発明により、そのような水分に起因した電食の発生を抑制することができる。
本発明によると、割り締め式の固定構造を有する固定装置における電食の発生が抑制される。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、以下では、自動二輪車用のアッパーブラケット(「ハンドルクラウン」とも呼ばれる。)を例として説明を行うが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、アンダーブラケットにも用いられるし、また、割り締め式の固定構造を有する固定装置全般に広く用いられる。
図1、図2および図3を参照しながら、本実施形態におけるアッパーブラケット100の構造を説明する。図1(a)および(b)は、アッパーブラケット本体10を模式的に示す上面図および下面図であり、図2は、アッパーブラケット本体10を含むアッパーブラケット100を模式的に示す上面図である。また、図3は、アッパーブラケット100が有する割り締め式の固定構造を拡大して模式的に示す図であり、図2中の3A−3A’線に沿った断面図である。
アッパーブラケット本体10には、図1(a)および(b)に示すように、フロントフォークが挿通される貫通孔(フォーク孔)1および2と、ステアリングシャフトが挿通される貫通孔3とが形成されている。
アッパーブラケット本体10は、フォーク孔1および2のそれぞれの近傍に、固定対象物であるフロントフォークに当接する内周面11aを有する当接部11と、当接部11をフロントフォークに締め付けるための一対の締め付け部12aおよび12bとを有している。締め付け部12aおよび12bは、当接部11の内周面11aの一部を切り欠くように形成された空隙13を介して互いに対向している。
本実施形態におけるアッパーブラケット100は、上述した当接部11、締め付け部12aおよび12bに加えて、図2および図3に示すように、締め付け部12aおよび12bを互いに締結するボルト20を有している。締め付け部12aおよび12bには、ボルト20が挿通される孔がそれぞれ形成されている。図3に示すように、一方の締め付け部12bに形成された孔は、ボルト20のねじ山20aに螺合するねじ孔であり、且つ、有底孔である。ボルト20の頭部20bと他方の締め付け部12aとの間には、ワッシャー28が設けられている。ボルト20によって締め付け部12aおよび12bが互いに締結されることにより、締め付け部12aおよび12bに連続した当接部11がフロントフォークに締め付けられ、フロントフォークが固定される。なお、図3には、ボルト20を一本だけ示しているが、一対の締め付け部12aおよび12bは、2本以上のボルトによって締結されてもよい。
アッパーブラケット100は、さらに、締め付け部12aおよび12b間に設けられ、空隙13をシールするシール部材30を有している。シール部材30は、具体的には、締め付け部12aおよび12bが互いに締結されたときにその間で弾性変形するような弾性部材である。弾性部材は、例えば、ゴムまたは樹脂から形成されており、板状である。
一対の締め付け部12aおよび12bを含むアッパーブラケット本体10は、マグネシウム合金から形成されている。マグネシウム合金は、典型的には、マグネシウムの他にアルミニウムや亜鉛、カルシウムなどを含んでいる。マグネシウム合金としては、公知の種々の組成のマグネシウム合金を用いることができ、例えば、AZ31、AZX311、AZX911などを用いることができる。
一方、ボルト20は、マグネシウム合金とは異なる金属材料から形成されている。ボルト20は、例えば、鉄合金、アルミニウム合金またはチタン合金から形成されている。鉄合金は、強度に優れ、安価であるという点で好ましい。また、アルミニウム合金やチタン合金は、軽量であるという点で好ましい。ワッシャー28は、例えば、アルミニウム合金から形成されている。
本実施形態におけるアッパーブラケット100では、締め付け部12aおよび12b間に空隙13をシールするシール部材30が設けられているので、空隙13への水分の侵入が防止される。そのため、互いに異なる金属材料から形成された締め付け部12aおよび12bとボルト20との間での電食の発生が抑制される。
また、本実施形態におけるアッパーブラケット100では、さらに、一対の締め付け部12aおよび12bの一方12bに形成されたねじ孔が、有底孔である。図18に示した従来の固定構造のようにねじ孔が貫通孔であると、ボルトの先端部が外部に露出してしまい、露出した部分で電食が発生する可能性がある。これに対し、本実施形態のようにねじ孔を有底孔にすることにより、ボルト20の先端部(頭部20bとは反対側の端部)を締め付け部12bによって外部から隔絶させることができるので、そのような電食の発生を抑制することができる。
なお、シール部材30は、空隙13をシールでき、非導電性のものであればよく、必ずしも弾性部材である必要はない。例えば、一対の締め付け部12aおよび12bが互いに締結されたときにその間で塑性変形するような部材(例えば塑性変形する樹脂部材)であってもよい。シール部材30として弾性部材を用いると、その弾性力によって空隙13が好適にシールされる。また、弾性部材はボルト20が緩められたときにその形状が回復するので、シール部材30として弾性部材を用いると、整備のためにアッパーブラケット100を分解してもその都度シール部材30を交換する必要がない。弾性部材は、JIS K6301―10に準拠して70℃で22時間圧縮永久ひずみ試験を行ったときの圧縮永久ひずみが50%以下であることが好ましい。弾性部材の材料としては、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴムなどのゴムを好適に用いることができる。
また、電食の発生をより確実に防止するために、図4に示すように、ボルト20の表面に絶縁性を有する被覆層(絶縁被覆層)20sを形成することが好ましく、締め付け部12aおよび12bの表面やワッシャー28の表面にも、絶縁被覆層12s、28sを形成することがさらに好ましい。
図5を参照しながら、絶縁被覆層20s、12sおよび28sの具体例を説明する。図5は、図4に示した固定構造のねじ孔近傍を拡大して示す図である。
ボルト20が鉄合金製である場合、絶縁被覆層20sは、例えば図5(a)に示すように、ボルト20の表面上にZn−Ni合金から形成されためっき膜20s1と、化成処理を施されためっき膜20s1上に形成された樹脂塗装膜20s2とを含む有機複合めっき膜である。めっき膜20s1の厚さは、例えば5μmであり、樹脂塗装膜20s2の厚さは、例えば1μmである。上述した有機複合めっき膜は、形成方法の異なる複数の層で構成されているため、特許文献1に開示されているフッ素樹脂コーティング層に比べて絶縁性に優れる。
また、締め付け部12aおよび12bの表面上に形成された絶縁被覆層12sは、例えば陽極酸化膜である。陽極酸化膜である絶縁被覆層12sの厚さは、例えば3μmである。ワッシャー28がアルミニウム合金製である場合、ワッシャー28の表面上に形成された絶縁被覆層28sは、例えば陽極酸化膜である。
あるいは、締め付け部12aおよび12bの表面上に形成された絶縁被覆層12sは、図5(b)に示すように、陽極酸化膜12s1と、陽極酸化膜12s1上に形成された電着塗装膜12s2との積層膜であってもよい。電着塗装膜12s2の厚さは、例えば15μmである。
次に、上述した固定構造を有するアッパーブラケット100を実際に試作し、その耐電食性を評価した結果を説明する。
アッパーブラケット本体10は、押出し成形されたAZX911(アルミニウムを約9%、亜鉛を約1%、カルシウムを約1%含むマグネシウム合金)製の角柱を400℃で鍛造することによって作製した。また、ボルト20としては鉄合金製のものを用い、シール部材30としてはゴム板を用いた。上述したアッパーブラケット本体10、ボルト20およびシール部材30を用いてアッパーブラケット100を組み立て、JIS−Z2371に基づく塩水噴霧試験を行った。また、従来の固定構造を有するアッパーブラケットについても同様に塩水噴霧試験を行った。図6および図7は、従来のアッパーブラケットおよび本実施形態のアッパーブラケット100について、試験開始後96時間後の状態を示す写真である。
従来のアッパーブラケットでは、図6に示すように、締め付け部の間および締め付け部から露出したボルトの先端部で電食による腐食が生じた。これに対し、本実施形態におけるアッパーブラケット100では、図7に示すように、電食による腐食は発生しなかった。このように、シール部材30を設けることにより、電食の発生が抑制されることが確認された。
続いて、本実施形態のアッパーブラケット100に用いられる他の固定構造を説明する。図8に、他の固定構造の一例を示す。
図3に示した固定構造では、締め付け部12aおよび12bの一方にねじ孔として有底孔が形成されている。これに対し、図8に示す固定構造では、一対の締め付け部12aおよび12bの両方にボルト20が挿通される貫通孔が形成されており、さらに、ボルト20のねじ山20aに螺合する袋状のナット(「袋ナット」と呼ばれる。)22が、締め付け部12bの貫通孔から露出したボルト20の先端部を覆っている。袋ナット22と締め付け部12bとの間には、ボルト20の頭部20bと締め付け部20aとの間と同様に、ワッシャー28が配置されている。
図8に示す固定構造においても、締め付け部12aおよび12b間には空隙13をシールするシール部材30が設けられているので、空隙13への水分の侵入に起因した電食の発生が抑制される。また、図8に示す固定構造では、袋ナット22によってボルト20の先端部(頭部20bとは反対側の端部)が外部から隔絶されるので、ボルト20の先端部での電食の発生が抑制される。
あるいは、図9に示すように、頭部がなく、両端部にねじ山20aが形成されたスタッドボルト20’を用い、2つの袋ナット22によってスタッドボルト20’の両端部(締め付け部12aおよび12bの貫通孔から露出した両端部)を覆ってもよい。このような構成を採用することにより、スタッドボルト20’の両端部における電食の発生が抑制されるので、優れた耐電食性が得られる。
さらに、図10に示すように、袋ナット22でスタッドボルト20’の一端部を覆い、ねじ孔として有底孔が形成された締め付け部12bでスタッドボルト20’の他端部を覆ってもよい。このような構成を採用しても、スタッドボルト20’の両端部における電食の発生が抑制されるので、優れた耐電食性が得られる。
図11に、本実施形態におけるアッパーブラケット100を備えた自動二輪車500を示す。図11に示すように、車体の前部において、アッパーブラケット100およびアンダーブラケット101によってフロントフォーク80が固定されている。アンダーブラケット101は、アッパーブラケット100と同様に、シール部材を含む固定構造を有している。
図11に示した自動二輪車500は、上述したようにシール部材を含むアッパーブラケット100およびアンダーブラケット101を備えているので、割り締め式の固定構造に水分が付着しても電食の発生が抑制される。
なお、本発明は、上述したような自動二輪車用のアッパーブラケットやアンダーブラケットに限定されるものではない。本発明は、割り締め式の固定構造を有する固定装置全般に広く用いられ、特に、輸送機器(当然屋外でも使用され、水分が付着しやすい。)に搭載される輸送機器用固定装置に好適に用いられる。
本発明が用いられる固定装置は、例えば、図12に示すような自動二輪車用のフロントアクスルブラケット102や、図13に示すような自動二輪車用のハンドル103であってもよい。フロントアクスルブラケット102は、前輪の車軸を固定する。また、ハンドル103は、フロントフォークに直付けされるタイプであり、フロントフォークを固定することによってハンドル103自体がフロントフォークに据付けられる。
あるいは、本発明が用いられる固定装置は、図14に示すような自動二輪車用のシフトアーム104であってもよいし、図15に示すようなスノーモービル用のハンドルホルダー105であってもよい。シフトアーム104は、変速機のシフト軸の一端部を固定し、ハンドルホルダー105は、スノーモービルのハンドルを固定する。
本発明によると、割り締め式の固定構造を有する固定装置における電食の発生を抑制できる。本発明による固定装置は、耐電食性に優れているので、各種の輸送機器に好適に用いられる。
(a)および(b)は、本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットが有するアッパーブラケット本体を模式的に示す上面図および下面図である。 本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットを模式的に示す上面図である。 本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットが有する割り締め式の固定構造を拡大して示す図であり、図2中の3A−3A’線に沿った断面図である。 ボルト、締め付け部およびワッシャーの表面に絶縁被覆層が形成された構成を示す断面図である。 (a)および(b)は、絶縁被覆層の具体例を説明するための図である。 従来のアッパーブラケットについて塩水噴霧試験を行って耐電食性を評価した結果を示す写真であり、試験開始後96時間後の状態を示す写真である。 本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットについて塩水噴霧試験を行って耐電食性を評価した結果を示す写真であり、試験開始後96時間後の状態を示す写真である。 本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットに用いられる他の固定構造を模式的に示す断面図である。 本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットに用いられる他の固定構造を模式的に示す断面図である。 本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットに用いられる他の固定構造を模式的に示す断面図である。 本発明の好適な実施形態におけるアッパーブラケットを備えた自動二輪車の一例を示す側面図である。 自動二輪車用のフロントアクスルブラケットを模式的に示す斜視図である。 自動二輪車用のフロントフォーク直付けタイプのハンドルを模式的に示す斜視図である。 自動二輪車用のシフトアームを模式的に示す斜視図である。 スノーモービル用のハンドルホルダーを模式的に示す斜視図である。 (a)および(b)は、従来のアッパーブラケットおよびアンダーブラケットの例を示す斜視図である。 従来のアッパーブラケットおよびアンダーブラケットの例を示す斜視図である。 従来のアッパーブラケットおよびアンダーブラケットが有する割り締め式の固定構造を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1、2 フロントフォークが挿通される貫通孔
3 ステアリングシャフトが挿通される貫通孔
10 アッパーブランケット本体
11 当接部
11a 内周面
12a、12b 締め付け部
12s 絶縁被覆層
12s1 陽極酸化膜
12s2 電着塗装膜
13 間隙
20 ボルト
20’ スタッドボルト
20a ねじ山
20b 頭部
20s 絶縁被覆層
20s1 めっき膜
20s2 樹脂塗装膜
22 袋ナット
28 ワッシャー
28s 絶縁被覆層
30 シール部材
80 フロントフォーク
100 アッパーブラケット
101 アンダーブラケット
102 フロントアクスルブラケット
103 フロントフォーク直付けタイプのハンドル
104 シフトアーム
105 ハンドルホルダー
500 自動二輪車

Claims (10)

  1. 固定対象物に当接する内周面を有する当接部と、
    マグネシウム合金から形成され、互いに締結されることによって前記当接部を固定対象物に締め付ける一対の締め付け部と、
    マグネシウム合金とは異なる金属材料から形成され、前記一対の締め付け部を互いに締結するボルトと、
    前記一対の締め付け部の間に設けられ、前記空隙をシールするシール部材と、を有する、固定装置。
  2. 前記シール部材は、弾性部材である請求項1に記載の固定装置。
  3. 前記弾性部材は、ゴムまたは樹脂から形成されている請求項2に記載の固定装置。
  4. 前記ボルトは、表面に形成された絶縁被覆層を有する請求項1から3のいずれかに記載の固定装置。
  5. 前記ボルトは、鉄合金、アルミニウム合金またはチタン合金から形成されている請求項1から4のいずれかに記載の固定装置。
  6. 前記一対の締め付け部には、前記ボルトが挿通される孔がそれぞれ形成されており、
    前記一対の締め付け部の一方に形成された前記孔は、前記ボルトのねじ山に螺合するねじ孔であり、且つ、有底孔である請求項1から5のいずれかに記載の固定装置。
  7. 前記固定装置は、前記ボルトのねじ山に螺合する少なくとも1つの袋ナットをさらに有する請求項1から6のいずれかに記載の固定装置。
  8. 輸送機器に搭載される輸送機器用固定装置である請求項1から7のいずれかに記載の固定装置。
  9. 自動二輪車用のアッパーブラケットまたはアンダーブラケットである請求項1から8のいずれかに記載の固定装置。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の固定装置を備えた輸送機器。
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