JP2010084694A - 尿素水添加装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】尿素水を貯える尿素水タンク21と排気へ尿素水を添加するインジェクタ22とを接続する尿素水管部23は、尿素水通路26を形成する内周壁が撥水性を有している。そのため、エンジン11の停止後に尿素水ポンプ24によって尿素水通路26に存在する尿素水を尿素水タンク21側へ吸い戻すとき、尿素水通路26を形成する尿素水管部23には尿素水が付着しにくく、尿素水の残留が低減される。これにより、残留する尿素水を原因とする凍結や固体成分の析出が抑えられ、インジェクタ22の目詰まりや閉弁不良などが低減される。
【選択図】図1
Description
請求項3記載の発明では、尿素水管部は撥水層を有している。そのため、尿素水通路を形成する尿素水管部の内壁は撥水性を有している。その結果、尿素水ポンプで尿素水通路に存在する尿素水を吸い戻すとき、尿素水通路への尿素水の残留を低減することができる。
請求項8記載の発明では、請求項7記載の発明のようにインジェクタの近傍における尿素水の残留を許容する場合、外気温によってはインジェクタの近傍の尿素水も凍結し、解凍が困難になるおそれがある。このような場合、尿素水ポンプは、インジェクタの近傍側からも尿素水を吸い戻す。したがって、より確実に尿素水の凍結を低減することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による尿素水添加装置を適用したディーゼルエンジンの排気浄化システムを図1に示す。
排気浄化システム10は、内燃機関としてのディーゼルエンジン(以下、「エンジン」と省略する。)11および尿素水添加装置12を備えている。エンジン11は、ディーゼルエンジンに限らず、例えばガソリンエンジンやガスタービンエンジンであってもよい。排気浄化システム10は、尿素水添加装置12で添加された尿素水を用いてエンジン11の排気管部13を流れる排気に含まれるNOxを分解する。排気管部13は、一方の端部がエンジン11に接続している。排気管部13は、エンジン11と反対側の端部が大気に開放されている。排気管部13は、筒状であり、内部に排気通路14を形成している。エンジン11から排出された排気は、排気管部13が形成する排気通路14を流れる。排気浄化システム10は、排気通路14においてエンジン11側から順にDPF(Diesel Particulate Filter)15および酸化触媒16と、SCR触媒17と、アンモニアスリップ触媒18とを備えている。DPF15および酸化触媒16は、一体に構成されている。DPF15は、排気に含まれる微少な炭素粒子を捕集する。酸化触媒16は、排気に含まれるHCやCOの水(H2O)や二酸化炭素(CO2)への酸化を促進する。SCR触媒17は、尿素水添加装置12で添加された尿素水を用いて排気に含まれるNOxの還元を促進する。アンモニアスリップ触媒18は、SCR触媒17を通過した排気に含まれる余剰のアンモニアの酸化を促進する。
また、制御装置53は、リリーフ弁51および開閉弁52に接続している。リリーフ弁51および開閉弁52は、いずれも制御装置53によって開閉される電磁弁で構成されている。そのため、制御装置53は、リリーフ弁51および開閉弁52へ電気信号を出力することにより、リリーフ弁51および開閉弁52の開閉を制御する。
制御装置53は、図示しないイグニションスイッチがオフになったか否かを判断する(S101)。例えばエンジン11が車両に搭載されている場合、制御装置53は車両のイグニションスイッチがオフになったか否かを判断する。制御装置53は、イグニションスイッチがオフになるまで待機する。図6においてイグニションスイッチがオフになったときを、t0とする。制御装置53は、イグニションスイッチがオンの間、すなわちエンジン11が運転状態にあるとき、エンジン11の負荷、排気中のNOxの量およびNH3の量などに基づいて、所定量の尿素水を排気に添加する。この場合、制御装置53は、尿素水ポンプ24に通電して尿素水タンク21に貯えられている尿素水をインジェクタ22へ供給するとともに、インジェクタ22の図示しない電磁弁に通電して尿素水の噴射を断続する。制御装置53は、エンジン11が運転している間、すなわちイグニションスイッチがオンの間、インジェクタ22への尿素水の供給およびインジェクタ22からの尿素水の噴射を制御する。
制御装置53は、S103において吸引時間T1を設定すると、インジェクタ22への通電を停止する(S104)。そして、制御装置53は、リリーフ弁51に通電するとともに(S105)、開閉弁52にも通電する(S106)。制御装置53からインジェクタ22への通電が停止されているとき、インジェクタ22は全閉となり、尿素水の噴射を停止している。一方、制御装置53からリリーフ弁51へ通電すると、リリーフ弁51は開弁して尿素水通路26を大気に開放する。また、制御装置53から開閉弁52へ通電すると、開閉弁52は尿素水通路26を閉鎖する。
以上説明したように第1実施形態では、尿素水通路26を形成する尿素水管部23は撥水性を有している。そのため、エンジン11の停止後に尿素水ポンプ24によって尿素水通路26に存在する尿素水を尿素水タンク21側へ吸い戻すとき、尿素水通路26を形成する尿素水管部23には尿素水が付着しにくく、尿素水の残留が低減される。すなわち、尿素水管部23に撥水性を付与することにより、尿素水ポンプ24による尿素水通路26に存在する尿素水の吸い戻しが容易になる。したがって、尿素水通路26への尿素水の残留を低減することができる。そして、尿素水の残留が低減されることにより、残留する尿素水を原因とする凍結や固体成分の析出が抑えられ、インジェクタ22の目詰まりや閉弁不良などを低減することができる。
本発明の第2実施形態による排気浄化システムの作動のタイムチャートを図7に示す。
第2実施形態では、制御装置53は、尿素水の吸い戻しの途中で吸い戻し動作を終了する。インジェクタ22は、図示しないハウジングの内部をニードルが往復移動する構成である。そのため、インジェクタ22の内部では、ハウジングとニードルとの間には微少な隙間が形成され、尿素水が残留しやすい。そこで、第2実施形態では、積極的に吸い戻し動作を途中で終了し、リリーフ弁51とインジェクタ22との間の尿素水通路26およびインジェクタ22への尿素水の残留を許容している。
本発明の第3実施形態による排気浄化システムを図8に示す。
第3実施形態では、図8に示すように尿素水タンク21とインジェクタ22との間は単純に尿素水管部23によって接続されている。尿素水管部23は、第1実施形態と同様に撥水性のある材料で形成、または撥水層もしくは撥水性の内管部材を有している。また、尿素水管部23は、リリーフ弁や開閉弁などが設けられていない。このように、尿素水タンク21とインジェクタ22とを接続し尿素水通路26を形成する尿素水管部23に撥水性を付与するだけで、エンジン11の停止後に尿素水ポンプ24を逆方向へ回転させると、尿素水通路26への尿素水の残留は低減される。したがって、尿素水通路26に残留する尿素水の凍結を低減することができる。
以上説明した第1実施形態および第2実施形態では、図6および図7に示すように尿素水の吸い戻し作動を実施するとき、インジェクタ22は通電が停止、すなわち噴孔25が閉じられている例について説明した。しかし、制御装置53は、リリーフ弁51および開閉弁52に連動してインジェクタ22を開閉する構成としてもよい。具体的には、リリーフ弁51が尿素水通路26を大気に開放し、開閉弁52が尿素水通路26を遮断しているとき、インジェクタ22は通電が停止すなわち噴孔25が閉じられる。そして、リリーフ弁51が尿素水通路26と大気との間を閉鎖し、開閉弁52が尿素水通路26を開放しているとき、インジェクタ22は通電すなわち噴孔25が開放される。このように、リリーフ弁51が閉じ、開閉弁52が開いているとき、尿素水ポンプ24によって尿素水通路26は減圧される。噴孔25の開口面積は微少であるため、インジェクタ22の噴孔25を開放すると、インジェクタ22に残留する尿素水は噴孔25から噴射されることなく、尿素水通路26側へ流れる。そして、インジェクタ22の噴孔25からは、排気通路14の空気が導入される。これにより、インジェクタ22に残留する尿素水は、噴孔25から導入された空気とともに尿素水通路26側へ吸い戻される。その結果、インジェクタ22に残留する尿素水をより低減することができる。
Claims (8)
- 内燃機関の排気通路を流れる排気に尿素水を添加する尿素水添加装置であって、
尿素水を貯える尿素水タンクと、
前記排気通路を形成する排気管部に設けられ、前記排気通路を流れる排気に尿素水を噴射するインジェクタと、
前記尿素水タンクと前記インジェクタとを接続し、前記尿素水タンクと前記インジェクタとの間で尿素水が流れる尿素水通路を形成し、少なくとも内周壁が撥水性を有する尿素水管部と、
前記尿素水管部に設けられ、前記尿素水通路を経由して前記尿素水タンクから前記インジェクタ側へ尿素水を供給、または前記尿素水タンクよりも前記インジェクタ側の前記尿素水通路に存在する尿素水を前記尿素水タンク側へ吸い戻す尿素水ポンプと、
を備えることを特徴とする尿素水添加装置。 - 前記尿素水管部は、撥水性の材料で形成されていることを特徴とする請求項1記載の尿素水添加装置。
- 前記尿素水管部は、前記尿素水通路を形成する内周壁に撥水性の撥水層を有することを特徴とする請求項1記載の尿素水添加装置。
- 前記尿素水管部は、撥水性の樹脂からなり前記尿素水通路を形成する内管部材と、金属からなり前記内管部材の外周側を覆う外管部材とを有することを特徴とする請求項1記載の尿素水添加装置。
- 前記尿素水ポンプと前記インジェクタとの間の前記尿素水管部に設けられ、前記尿素水通路と大気との間を開閉するリリーフ弁をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の尿素水添加装置。
- 前記リリーフ弁と前記インジェクタとの間の前記尿素水管部に設けられ、前記リリーフ弁の開または閉に連動して前記リリーフ弁と前記インジェクタとの間の前記尿素水通路を閉または開する開閉弁をさらに備えることを特徴とする請求項5記載の尿素水添加装置。
- 前記尿素水ポンプは、前記尿素水タンクよりも前記インジェクタ側の前記尿素水通路に存在する尿素水を前記尿素水タンク側へ吸い戻すとき、前記リリーフ弁よりも前記尿素水ポンプ側に存在する尿素水を前記尿素水タンクへ吸い戻すとともに、前記リリーフ弁よりも前記インジェクタ側に存在する尿素水を前記リリーフ弁と前記インジェクタとの間の尿素水通路に残留させることを特徴とする請求項5または6記載の尿素水添加装置。
- 前記尿素水ポンプは、前記リリーフ弁と前記インジェクタとの間の尿素水通路に残留する尿素水に凍結のおそれがあるとき、その尿素水を前記尿素水ポンプへ吸い戻すことを特徴とする請求項7記載の尿素水添加装置。
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