JP2010083894A - ワインラクトン及びその中間体の製造法並びにその応用 - Google Patents

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峰子 尾本
Chiyoki Yukawa
千代樹 湯川
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Abstract

【課題】香料において、ボディ感が不足したり、特にフルーツ系香料の場合は果汁感が損なわれたりすることを解消する技術を提供する。
【解決手段】(3S,3aS,7aR)-テトラヒドロ-3,6-ジメチル-2-(3H)-ベンゾフラノンを、特定濃度含有する香料組成物とすることで、果汁感やボディ感だけでなく、香料の起源物質の香りがよく再現されリアリティー感も付与される。
さらに、飲食品などに上記物質を特定量添加することにより、元々の飲食品の風味を引き立て、果汁入り飲料などでは、果汁感やボディ感を付与することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ワインラクトンの製造法及びワインラクトンを製造するのに極めて有効な中間体の製造方法並びにその応用に関する。
ワインラクトン(化合物名:(3S,3aS,7aR)-テトラヒドロ-3,6-ジメチル-2-(3H)-ベンゾフラノン)は、天然中に存在する物質として、1975年I.A.Southwellにより、コアラの代謝物として単離され、1996年白ワインより発見されたことより、「ワインラクトン」と命名された化合物である。ワインラクトンの立体異性体は8種類存在し、1996年H.Guthにより全ての立体異性体が合成され、キラル分析により、天然に存在する化合物は(3S,3aS,7aR)体であることが確認された(下記、化合物(6)非特許文献1:Helv.Chim.Acta,79,1559,(1996).)。

従来のワインラクトンの合成法の方法は、H. Guthらによる(非特許文献1:Helv.Chim.Acta,79,1559,(1996).)全立体異性体を合成する方法、Diels-Alder反応による6員環形成反応、ワインラクトンの3a位のメチル基と同じ立体化学を有するリモネンを出発物質として用いる方法があるが、Diels-Alder反応を用いた反応では酸化反応の収率が悪く、最終生成物の分離は非常に困難である。ワインラクトンの3a位のメチル基と同じ立体化学を有するリモネンを出発物質として用いる方法では3位の立体異性体の混合物が得られ、それらの分離も困難であるといった問題点があった。
次に、P. A. Bartlett, C. F. Pizzoらによる方法は(非特許文献2: J. Org. Chem., 46, 3869-3900 (1981).)光学活性体アルコールから転位反応を用いて3a位の立体化学を完全に制御できるため、数ある立体異性体から選択的に合成できるという点では優れた方法であるが、出発物質である光学活性アルコールの入手が非常に困難であり、工業的に量産できる方法ではない。
更に、E. J. Bergner, G. Helmchenらによる方法によると(非特許文献3: Eur. J. Org. Chem., 419-423 (2000).)光学活性配位子を用いたパラジウムによるマロン酸エステルの付加反応を行い、天然型ワインラクトンのみを得ているが、ラクトン化-ラクトン開裂-再環化という段階があり、工程数が多くなるため、収率が低くなるといった問題点があった。
また、S. P. Chavanらによる方法は(非特許文献4:Tetrahedron Asymmetry, 12, 2985-2988 (2001).)天然型ワインラクトンの3a位と同じ立体化学を持つリモネンの変換によって合成するものであるが、3位のメチル基の立体混合物が得られるので、立体異性体が副生し収率が悪くなるという問題点があった。
Helv.Chim.Acta,79,1559,(1996) J. Org. Chem., 46, 3869-3900 (1981) Eur. J. Org. Chem., 419-423 (2000) Tetrahedron Asymmetry, 12, 2985-2988 (2001)
本発明者は上述した如き課題に鑑みて、鋭意研究を重ねた結果、ワインラクトンの製造工程において、化合物(2)に、オキサザボロリジンを不斉触媒として使用し、カルボニル基の還元反応を行い化合物(3)を得る工程を採ることにより、ワインラクトンの8種類の立体異性体のうち、選択的に天然型のワインラクトン(化合物名:(3s,3aS,7aR)-テトラヒドロ-33,6-ジメチル-2-(3h)-ベンゾフラノン)のみを高収率で製造できることを見出した。また、ワインラクトンの香料及び食品への使用用途も見いだし、ここに本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の合成法及び合成中間体を提供するものである。
項1.次の工程(B)を含む化合物(3)の製造法。
・工程(B):化合物(2)に、光学活性オキサザボロリジンを不斉触媒として使用して、カルボニル基の還元反応を行い化合物(3)を得る工程;
項2.光学活性オキサザボロリジンが、(R)-5,5-ジフェニル-2-メチル-3,4-プロパノ-1,3,2-オキサザボロリジンである、項1に記載の化合物(3)の製造法。
項3.次の工程(A)〜(E)を含む化合物(6)の製造法。
・工程(A):化合物(1)に、アルキル付加反応を行い化合物(2)を得る工程
・工程(B):化合物(2)に、オキサザボロリジンを不斉触媒として使用して、カルボニル基の還元反応を行い化合物(3)を得る工程
・工程(C):化合物(3)のエステル部の加水分解を行い化合物(4)を得る工程
・工程(D):化合物(4)をDCCによる環化反応を行い化合物(5)を得る工程
・工程(E):化合物(5)のメチル化反応により化合物(6)を得る工程
項4.工程(B)中、オキサザボロリジンが、(R)-5,5-ジフェニル-2-メチル-3,4-プロパノ-1,3,2-オキサザボロリジンである、項3に記載の化合物(6)の製造法。
更に本発明は、ワインラクトンの香料及び食品への使用用途に関する。
項5.化合物(6)を10-7〜104ppb含むことを特徴とする香料組成物。
項6.化合物(6)を10-10〜102ppb含むことを特徴とする飲食品。
まず、本発明は、ワインラクトンを製造するための中間体である、化合物(3)を製造する際、化合物(2)に、光学活性オキサザボロリジンを不斉触媒として使用して、カルボニル基の還元反応を行い化合物(3)を得る工程(〔工程B〕)を採ることである。
〔工程B〕オキサザボロリジンを用いたカルボニル基の還元反応
本発明〔工程B〕において、(1)のアルキル付加体である式(2)で表される化合物(6-(カルボエトキシメチル)-3-メチル-2-シクロヘキセン-1-オン)に、光学活性オキサザボロリジンを不斉触媒として反応させ、式(2)のカルボニル基を還元して式(3)のアルコール体((1R,6s)-6-(カルボエトキシメチル)-3-メチル-2-シクロヘキセン-1-オール)とすることが特徴である。
不斉触媒として使用する光学活性オキサザボロリジンは、式(A)の構造を有する化合物であり、式(A)中のR2が、水素或いは、メチル基、好ましくは、(R)-5,5-ジフェニル-2-メチル-3,4-プロパノ-1,3,2-オキサザボロリジンである。
前述の通り、光学活性オキサザボロリジンを不斉触媒として使用することにより、カルボニル基を還元して生成するアルコール体の立体化学を制御することができる。最終的にワインラクトンを合成する場合には、アルコール体(3)の立体構造を有することが有効であるため、(R)-5,5-ジフェニル-2-メチル-3,4-プロパノ-1,3,2-オキサザボロリジンを使用することが好ましい。
この還元反応は、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性雰囲気下、より好ましくはアルゴンガス雰囲気下で行われ、反応温度や反応時間に特別な限定はないが、通常、反応容器に本発明の不斉触媒及び溶媒を加え、式(2)の化合物を溶媒に溶解して加えて、-30〜30℃程度に冷却し、5〜60分程度攪拌することにより行われる。また、式(2)の化合物1molに対し、不斉触媒を0.05〜0.5mol、好ましくは、0.05〜0.1mol用いられる。また、還元剤としては、ボラン−テトラヒドロフラン錯体が好ましく用いられ、溶媒には、エーテル系溶媒が好ましく用いられ、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどが用いられる。
また、本発明で使用する不斉触媒は公知の方法により回収して、再利用することができる。
次に、本発明は、次の工程(A)〜(E)を含むワインラクトン(化合物(6))の製造法に関する。
工程(A):化合物(1)に、アルキル付加反応を行い化合物(2)を得る工程
工程(A)は、化合物(1):3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オンに、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、ハロゲン化酢酸アルキル:式(B)を反応させてアルキル付加を行い、化合物(2)のアルキル付加体を生成する反応である。この際、溶媒にヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)を添加しておくのが好ましい。
工程(B):化合物(2)に、オキサザボロリジンを不斉触媒として使用して、カルボニル基の還元反応を行い化合物(3)を得る工程
工程(B)は、前述の通りである。工程(B)により、化合物(3)=アルコール体が生成するが、化合物(3)の立体異性体である化合物(3')が副生する。
工程(C):化合物(3)のエステル部の加水分解を行い化合物(4)を得る工程
工程(C)は、工程(B)によって得られた化合物(3)=ヒドロキシエステル体のエステル部を常法により加水分解を行う工程である。化合物(3')も加水分解され、化合物(4')が副生する。
工程(D):化合物(4)をジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)による環化反応を行い化合物(5)を得る工程
工程(D)は、工程(C)によって得られた化合物(4)=ヒドロキシ酸にジシクロヘキシルカルボジイミドを反応させラクトン化させ、化合物(5)を得る工程である。化合物(4')もラクトン環化し、化合物(5')が副生するが、ここでカラムクロマトグラフィーなどの常法により、化合物(5)と化合物(5')は簡単に分離することができる。
工程(E):化合物(5)のメチル化反応により化合物(6)を得る工程
工程(E)は、分離した化合物(5)をハロゲン化メチルによりメチル化して、化合物(6)であるワインラクトンを得る工程である。
前述の工程(B)以外の工程(A)、工程(C)、工程(D)、工程(E)は、既知の反応であるが、これら反応を組み合わせ、工程(A)〜(E)の反応を行うことにより、各種光学異性体のうちから天然型のワインラクトンのみを選択的に生成することができるものである。
次に、本発明は化合物(6)(ワインラクトン)を10-7〜104ppb、より好ましくは、10-6〜103ppb含むことを特徴とする香料組成物に関するものである。香料は合成香料はもとより、天然物由来の香料であっても、ボディ感が不足したり、フルーツ系香料の場合は果汁感が損なわれたりすることが問題となっていたが、本発明により、これら果汁感やボディ感だけでなく、香料の起源物質の香りがよく再現されリアリティー感も付与されることが判った。
本発明の香料組成物は、香料成分、ワインラクトンの他には、通常香料に含有する添加剤を含有することができ、例えば、エタノールやプロピレングリコール等の溶剤等を含有することが出来る。
更に、本発明は、化合物(6)(ワインラクトン)を10-10〜102ppb、より好ましくは、10-9〜10ppb含むことを特徴とする飲食品に関する。例えば、飲料、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓、ゼリー、プリン、水ようかん、くずきり等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューインガム、まんじゅう等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム、フラワーペースト等のフィリング類、ラムネ、タブレット、錠菓類等が挙げられ、特に飲料が好ましく、果汁入り飲料、果汁入り炭酸飲料等に好ましく用いられる。
これら飲食品に上記量添加することにより、元々の飲食品の風味を引き立て、果汁入り飲料などでは、果汁感やボディ感を付与することができる。なお、飲食品以外に、歯磨き、マウスウオッシュ、リップクリーム、口紅等の口腔用組成物やその他石鹸、香水、芳香剤、シャンプーなどの化粧品、香粧品等にも適応することが出来る。
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1:ワインラクトンの合成
・工程(A):アルキル付加反応
ジイソプロピルアミン(16.8ml, 0120mmol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解して0℃に冷却し、n-ブチルリチウム(1.56mol/l)を76ml滴下した。3-メチル-2-シクロヘキセン−1−オン(11.3ml, 100mmol)を滴下し、ヘキサメチルホスホルアミド50mlを加え、ブロモ酢酸エチル(16.6ml, 150mmol)を滴下し、1.5時間反応を行った。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで抽出を行った。油層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を除去した。その残渣を蒸留により精製を行い、沸点101-105℃/0.1mmHgの留分を集め、アルキル付加体のケトエステル(2)(51.7mmol, 収率52%)を得た。
アルキル付加体(2)
1H-NMR (CDCl3) : d=1.27 (3H, t, J=7.1Hz), 1.79 (1H, qd, J=11.7, 4.9Hz),1.96 (3H, s), 2.12 (1H, dtd, J=12.4, 4.9, 2.7Hz), 2.27 (1H, dd, J=16.1,7.6Hz), 2.26-2.32 (1H, m), 2.41-2.50 (1H, m), 2.72-2.79 (1H, m), 2.89 (1H, dd, J=16.1, 5.4Hz), 4.16 (2H, qd, J=7.1, 2.0Hz), 5.88 (1H, s).13C-NMR (CDCl3) : d =14.11, 24.12, 28.40, 30.95, 34.49, 42.50, 60.37, 125.9, 162.0, 172.6, 199.1.
・工程(B):オキサザボロリジンを用いたカルボニル基の還元反応
窒素雰囲気下、反応容器に(R)-5,5-ジフェニル-2-メチル-3,4-プロパノ-1,3,2-オキサザボロリジン(277mg, 1mmol)、テトラヒドロフラン1mlを入れ、ボラン-テトラヒドロフラン錯体(1.13mol/l)を2ml滴下し、ケトエステル(2)(3.92g,20mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10.6ml)を加えた。0℃に冷却し、ボラン−テトラヒドロフラン錯体(8.6ml)を滴下した。反応溶液を15分間攪拌した後、メタノールを3ml加え、塩化水素で飽和したジエチルエーテルを0.4ml滴下し、30分間攪拌した。減圧下溶媒を除去し、ベンゼン10mlを加えてさらに減圧下濃縮を行い、これを2回繰り返した。ジエチルエーテルを20ml加え、0℃に冷却した後、析出してくる白色結晶をろ過し、ろ液を飽和食塩水、飽和炭酸ナトリウム水溶液、
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸水素ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を除去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製を行い、 (3)+(3')の混合物であるヒドロキシエステル(12.5mmol, 収率63%)を得た。
アルコール体(3)
13C-NMR (CDCl3) : d =14.13, 23.01, 26.35, 29.25, 35.98, 37.92, 60.36, 71.37, 124.5, 137.2, 173.6.
アルコール体(3')
13C-NMR (CDCl3) : d =14.13, 23.29, 23.33, 30.01, 36.32, 39.04, 60.26, 65.89, 123.0, 139.0, 173.6.
・工程(C):エステル部の加水分解
(3)+(3')の混合物であるヒドロキシエステル(250mg, 1.26mmol)をメタノール5mlに溶解し、30%-水酸化ナトリウム水溶液を2ml加えた。10分後、30%-塩酸で酸性にし、ジエチルエーテルで抽出を行った。油層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を除去し、ヒドロキシ酸(4)+(4')の混合物の粗生成物を次の反応に用いた。
・工程(D)DCCによるラクトン化反応
ヒドロキシ酸(4)+(4')の混合物(約1.26mmol)をベンゼン5mlに溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC, 287mg, 1.39mmol)を加え、20℃で15時間攪拌した。反応終了後、n-ヘキサンを加え、析出する固体をろ過し、ろ液を1N-塩酸、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製を行い、ラクトン(5)(0.64mmol, 収率51%)およびラクトン(5')(0.17mmol, 13%)を得た。
ラクトン(5)
1H-NMR (CDCl3) : d =1.44-1.54 (1H, m), 1.72-1.76 (1H, m), 1.78 (3H, s),2.02 (2H, t, J=4.9Hz), 2.29 (1H, dd, J=17.1, 3.4Hz), 2.46-2.54 (1H, m),2.72 (1H, dd, J=17.1, 8.1Hz), 4.80 (1H, t, J=4.4Hz), 5.62 (1H, m).13C-NMR (CDCl3) : d =23.92, 24.13, 28.02, 33.09, 35.49, 76.94, 117.7, 143.1, 176.9.
ラクトン(5')
1H-NMR (CDCl3) : d =1.60-1.69 (1H, m), 1.70 (3H, s), 2.03-2.08 (1H, m),2.11-2.21 (2H+1H, m), 2.27 (1H, dd, J=13.4, 15.9Hz), 2.54 (1H, ddd, J=15.9, 6.1, 1.0Hz), 4.41-4.44 (1H, m), 5.82 (1H, m).13C-NMR (CDCl3) : d =22.90, 23.62, 30.80, 35.73, 42.12, 82.50, 120.0, 137.9, 176.9.
・工程(E)ラクトン(5)のメチル化反応
ジイソプロピルアミン(0.1ml, 0.71mmol)をテトラヒドロフラン1mlに溶解して0℃に冷却し、n-ブチルリチウム(1.56mol/l)を0.46ml滴下した。前記ラクトン(5)(90mg, 0.59mmol)をテトラヒドロフラン1mlに溶解したものを反応容器に滴下し、ヨウ化メチル(0.05ml, 0.71mmol)を滴下した。20分後に水によって反応を停止し、ジエチルエーテルで抽出を行った。油層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を除去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製を行い、天然型ワインラクトン化合物(6)(0.45mmol, 収率76%)を得た。
ワインラクトン化合物
1H-NMR (C6D6) : d =0.98 (3H, d, J=7.3Hz), 1.16-1.21 (2H, m), 1.41 (3H, s), 1.46-1.56 (2H, m), 1.56-1.61 (1H, m), 2.03 (1H, dq, I=1.5, 7.3Hz), 4.45 (1H, dq, J=6.6, 1.5Hz), 5.32 (1H, m).13C-NMR (C6D6) : d =14.01, 22.16, 23.47, 25.70, 37.33, 40.24, 74.63, 119.6, 139.9, 178.3.
実施例2:グレープフルーツ香料
実施例1で製造した天然型ワインラクトン化合物(6)を用いて下記処方通り配合し、常法にてグレープフルーツ香料を調製した。
グレープフルーツフレーバー処方
グレープフルーツフレーバーに上記の処方のようにワインラクトンを添加すれば、ワインラクトンを添加しない香料Bと比較して、よりみずみずしい果汁感のあるナチュラルなグレープフルーツの特徴が強調された香料Aが得られた。
実施例3:グレープフルーツジュース
下記表2のグレープフルーツジュース処方に従い、常法によりグレープフルーツジュースを調製した。
グレープフルーツジュース処方
ワインラクトンが添加されているフレーバーAを使用した飲料Aは、添加していないフレーバーBを使用した飲料Bに較べて、天然グレープフルーツ様のボディ感や果汁感が向上した飲料が得られた。
実施例4:天然型ワインラクトンの100%組成物と立体異性体混合物との比較
下記表3のグレープフルーツジュース処方に従い、常法によりグレープフルーツジュースを調製した。
グレープフルーツジュース処方
天然体ワインラクトンのみが添加されている飲料Cは甘さやジューシー感があるといったみずみずしい果汁感のある飲料であるのに対し、天然体ワインラクトンとその異性体である(3R, 3aR, 7aS)-テトラヒドロ-3,6-ジメチル-2-(3H)-ベンゾフラノンの1:1混合物が添加されている飲料Dは飲料Cに比べるとみずみずしい果汁感が損なわれ、不快な重たさが加わった飲料となった。
















Claims (2)

  1. (3S,3aS,7aR)-テトラヒドロ-3,6-ジメチル-2-(3H)-ベンゾフラノン(化合物(6))を10-7〜104ppb含むことを特徴とする香料組成物。
  2. (3S,3aS,7aR)-テトラヒドロ-3,6-ジメチル-2-(3H)-ベンゾフラノン(化合物(6))を10-10〜102ppb含むことを特徴とする飲食品。




























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