JP2010083729A - 耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体 - Google Patents

耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体、その製造方法及び該アルミナ質焼結体よりなる熱処理用部材の提供。
【解決手段】(a)アルミナ含有量が99.5重量%以上からなるアルミナ質焼結体であって、(b)かさ密度が3.7g/cm以上であり、(c)平均結晶粒径が20〜70μmで、(d)焼結体のひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径が共に2.0以上であり、(e)ひとつの面とその面に垂直な面で結晶粒子の長径/短径が大きい方の面の長径/短径:R1と小さい方の面の長径/短径:R2の比:R1/R2が1.0〜2.0であることを特徴とする耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体、その製造方法及び該アルミナ質焼結体よりなる熱処理用部材。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体およびそれよりなる熱処理用部材に関する。
アルミナの結晶構造は板状からなる六方晶系であり、結晶軸はa軸とc軸とからなるが、a軸とc軸では熱膨張係数が異なる。結晶粒径が小さい場合には結晶粒形は粒状であるが、結晶粒子が大きくなると結晶粒形は板状が明確になるという特徴を有している。
アルミナは耐食性、耐熱性等に優れ、他のセラミックス材料と比べて、安価で取り扱いやすいものであることから、高温部材、熱処理用部材などの広い分野で使用されている。特に、最近のリチウム2次電池用正極材料をはじめとする電子材料や蛍光体材料は精密な組成制御が必要不可欠であるため、製造工程における不純物混入の抑制が図られている。また、それらの熱処理においては組成の変動を極力少なくするためや生産効率を高めるために急速な昇温・降温処理がなされている。このような使用条件では耐食性に加え、耐熱衝撃抵抗性並びに耐久性の高いアルミナ製熱処理用部材が要求されている。
これらの問題点を解決するために、アルミナ結晶を配向させることが検討されている。例えば、特許文献1には耐食性に優れたアルミナ質焼結体よりなる熱処理用部材として、アルミナ結晶粒子を大きく成長させて板状の粒子とし、かつ高い配向度の配向性アルミナ質焼結体が開示されている。しかしながら、このアルミナ質焼結体は耐食性には優れているものの、結晶粒子が大きいためアルミナ結晶のa軸とc軸の熱膨張差が顕著に表れる。従来のアルミナ質焼結体においても結晶粒形はほとんど粒状であるが、結晶粒子が大きくなるとa軸とc軸との熱膨張差が大きくなって、破壊靱性の向上に寄与し、耐熱衝撃抵抗性の向上に効果がある。しかしながら、本発明は結晶粒径が大きくなると同時に、一方向に結晶が配向しているため、熱膨張差により生じる歪みが大きく現れる。そのため、機械的特性の低下を招き、耐熱衝撃抵抗性の低下による急速な昇温・降温処理によるクラックの発生や割れ等の問題が発生する。また、加熱・冷却の繰り返しによりマイクロクラックの生成と成長が起こり、耐熱衝撃抵抗性の低下で見られるような割れの発生につながる問題を有している。また、該配向性アルミナ質焼結体は、粒成長を促進させ、結晶を配向させるため、板状アルミナ粒子と粒状アルミナ粒子粉体をある特定の比率で組み合わせる必要があり、厳選したアルミナ原料粉体が必要であるため高コストであるだけでなく、スラリーの分散状態が不安定で成形しにくく、収率が低いという問題もあった。
一方、特許文献2にはアルミナにジルコニアを微量添加することで結晶粒子の粒状化と結晶粒径の均一化を図り、高い耐熱衝撃抵抗性並びに耐食性を有するアルミナ質焼結体を開示している。しかしながら、加熱・冷却による熱疲労には優れているものの、耐熱衝撃抵抗性は最近の過酷な急速加熱冷却には対応できない場合があり、安定して使用できない。また、耐食性についてもさらなる向上が求められている。
特開平7−315915号公報 特開2001−114555号公報
本発明の目的は、耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体及びそれよりなる熱処理用部材を提供することにある。
本発明者らは優れた耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性を有するアルミナ質焼結体を得るべく、鋭意研究を重ねてきた。その結果、アルミナ結晶の結晶粒径、結晶粒子形状及び結晶の配向性を制御することで、耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体が得られることを見出した。アルミナ結晶粒子をある特定の範囲内の大きさで、かつ板状にし、配向させずにランダムにすることで、耐食性の向上だけでなく、強度及び破壊靱性の向上が同時に得られ、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れることを見出した。なお、本発明でいう耐久性とは加熱・冷却による割れ等が見られず、長寿命であることを言う。本発明は、アルミナ含有量及びかさ密度をある特定の範囲内で、アルミナ結晶粒子はある特定の大きさを有する板状に近い形状であるが、結晶の配向がほとんど無く(すなわちR1/R2が1.0〜2.0であること)、ランダムに分布していることが特徴である。
即ち、本発明の第1は、(a)アルミナ含有量が99.5重量%以上からなるアルミナ質焼結体であって、(b)かさ密度が3.7g/cm以上であり、(c)平均結晶粒径が20〜70μmで、(d)焼結体のひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径が共に2.0以上であり、(e)ひとつの面とその面に垂直な面で結晶粒子の長径/短径が大きい方の面の長径/短径:R1と小さい方の面の長径/短径:R2の比:R1/R2が1.0〜2.0であることを特徴とする耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結に関する。
本発明の第2は、請求項1記載の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体からなる熱処理用部材に関する。
本発明の第3は、アルミナ含有量が99.7重量%以上、平均粒子径が0.5〜3μmのアルミナ原料粉体に平均粒子径が25μm以下のフッ素化合物を0.03〜0.5重量%添加し、平均粒子径を2μm以下に粉砕混合し、成形し、大気中で1600〜1800℃で焼成することを特徴とする請求項1記載の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体の製造方法に関する。
なお、本発明でいう熱処理用部材とは、各種材料の熱処理のときに用いる被焼成物を収納する容器あるいは各種焼成炉や溶融炉などの内部や周辺部で使用する各種部材を意味する。具体的には、例えば、セラミックス粉末の仮焼合成用容器、ガラス溶解用容器、セッター、金属溶解用容器、単結晶育成用容器、蛍光体材料の熱処理用容器、管状炉用炉心管、ラジアントチューブ、ヒーターサポートチューブ、測温用保護管、ガス吹き込み管、ガス採取管、内張炉材などを示す。
以下に本発明の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体が充足すべき各要件について詳細に説明する。
(a)アルミナ含有量が99.5重量%以上であることについて
本発明において、アルミナ含有量が99.5重量%以上であることが必要であり、好ましくは99.7重量%以上である。アルミナ含有量が99.5重量%未満である場合、アルミナ結晶粒界にガラス相もしくは第2相が多く生成し、耐食性が低下するだけでなく、耐クリープ性の低下をきたすため好ましくない。さらに、アルミナ含有量が99.5重量%未満の場合、不純物が多く含有することとなり、結晶粒径、粒形等の微構造制御がしにくくなり好ましくない。尚、工業的には上限は99.8重量%程度である。
(b)かさ密度が3.7g/cm以上であることについて
本発明において、かさ密度は3.7g/cm以上であることが必要であり、3.8g/cm以上であることがより好ましい。かさ密度が3.7g/cm未満である場合、焼結体内部に気孔が多く存在することとなり、機械的特性が低下し、耐熱衝撃抵抗性や耐久性の低下だけでなく、高温での変形の原因となるので好ましくなく、また、気孔から腐食が進行しやすくなり、耐食性の低下を引き起こすので好ましくない。
(c)平均結晶粒径が20〜70μmであることについて
本発明において、平均結晶粒径が20〜70μmであることが必要であり、好ましくは30〜70μm、より好ましくは30〜60μmである。平均結晶粒径が20μm未満である場合は、高温において変形しやすくなり、耐熱性の低下を生じると共に、耐食性も低下するため好ましくない。70μmを超える場合は、アルミナ結晶の結晶面間の熱膨張率の違いにより、焼結体の歪みが大きくなり、機械的特性が低下するだけでなく、耐熱衝撃性及び耐久性が低下し、熱処理用部材としての実用性に劣るため、好ましくない。但し、平均結晶粒径が本発明の範囲内にあっても、結晶粒子の形状が著しく不均一であると、耐食性、耐熱性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性が低い場合がある。尚、平均結晶粒径はアルミナ質焼結体のひとつの面及びその面に垂直な面を鏡面研磨し、熱エッチングを施した後、走査電子顕微鏡により観察し、インターセプト法により10点平均から、下式よりひとつの面及びその面に垂直な面の値を各々求め、その値の平均値を用いた。
D=1.5×L/n
[D:平均結晶粒径(μm)、L:測定距離(μm)、n:長さL当たりの結晶の数]
(d)焼結体のひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径が共に2.0以上であることについて
本発明において、焼結体のひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径が共に2.0以上であることが必要で、より好ましくは2.5以上であることが必要である。長径/短径が2.0未満の場合は、結晶粒形が球状に近いことを意味するため、破壊靱性の向上に寄与せず、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性の低下をきたすので好ましくない。なお、長径/短径の上限は5程度である。なお、長径/短径の測定は、上記結晶粒径の測定方法と同様にして結晶粒子を走査電子顕微鏡により観察し、結晶粒子の長径と短径を50ヶ測定し、長径/短径の平均値を求めた。
(e)焼結体のひとつの面とその面に垂直な面で結晶粒子の長径/短径が大きい方の面の長径/短径:R1と小さい方の面の長径/短径:R2の比:R1/R2が1.0〜2.0である点について
本発明において、ひとつの面とその面に垂直な面で結晶粒子の長径/短径が大きい方の面の長径/短径:R1と小さい方の面の長径/短径:R2の比:R1/R2が1.0〜2.0であることが必要で、好ましくは1.0〜1.5である。本発明では長径/短径の比は結晶粒子の配向性を示しており、この比が大きいほど配向が顕著であることを示している。また、長径/短径の比が1.0とは、どの面においても結晶粒径の長径/短径が同じであることを示している。長径/短径の比が2.0を超える場合は、結晶粒子の配向があることを示しており、その結果、焼結体の歪みが大きくなって機械的特性の低下をきたし、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性の低下を示すので好ましくない。
なお、配向がある、あるいは配向しているとは、“焼結体のひとつの面”と“焼結体のその面と垂直な面”の結晶粒子の形状が大きく異なることを指すものである。例えば、図5に示すように、配向している場合はひとつの面は細長い粒子がたくさんあり、その面に垂直な面には丸い粒子がたくさんあるケースであり、配向していない場合は、ひとつの面もその面に垂直な面も同じ様な形状の結晶粒子があるケースである。
配向性の数値化は、“焼結体のひとつの面”と“焼結体のその面と垂直な面”の結晶粒子の長径/短径を50ヶ測定して平均値を求め、値が大きい方をR1、小さい方をR2とし、R1/R2で表わす。配向している場合はR1とR2の差が大きくなり、R1/R2が2.0より大きくなる。また、配向していない場合はR1とR2の差がほとんど無くなるので1.0〜2.0の範囲内になる。
本発明の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体の製造方法について説明する。
使用するアルミナ原料粉体は、アルミナ含有量が99.7重量%以上が好ましく、より好ましくは99.9重量%以上であり、平均粒子径が0.5〜3μm、好ましくは0.5〜2μmであることが必要である。尚、アルミナ原料粉体のフッ素含有量は100ppm以下であることが好ましい。また、使用するフッ素化合物は純度99.7重量%以上が好ましく、より好ましくは99.9重量%以上であり、平均粒子径は25μm以下が好ましく、より好ましくは15μm以下である。尚、フッ素化合物は1次粒子が細かく、凝集しやすいため、ここでいう平均粒子径はフッ素化合物の凝集体をレーザー回折法で測定した値である。アルミナ原料粉体で耐火物用などの原料は水酸化アルミニウムを焼成してアルミナにする場合にフッ素化合物を添加してアルミナ結晶粒子の成長を促進させることがなされているが、本発明においてはアルミナ原料粉体とフッ素化合物を焼成により反応させることが必要で、予め水酸化アルミニウム原料粉体にフッ素化合物を添加して作製したアルミナ原料粉体を用いた場合には焼結性が低いという欠点だけでなく、本発明の微構造からなるアルミナ質焼結体が得られない。
アルミナ原料粉体及びフッ素化合物の純度が99.7重量%未満の場合は、耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体に含有する不純物量が多くなり、アルミナ結晶粒界にガラス相もしくは第2相を形成するため、耐食性だけでなく、高温下で負荷加重による変形が起こりやすくなるため好ましくない。アルミナ原料粉体の平均粒子径が0.5μm未満の場合は、粉体の凝集が起こりやすく、成形性等の低下をきたすので好ましくない。一方、アルミナ原料粉体の3μmを超える場合は、所定の粉砕・分散時間が長くなり、結果的に粉砕機からの摩耗粉の混入により不純物量が増加するため好ましくない。フッ素化合物の平均粒子径が25μmを超える場合は、凝集が強いため分散性に劣り、その結果、アルミナ原料粉体とフッ素化合物の均一混合分散性が劣り、焼成で十分に反応せず、アルミナ結晶粒子の形状が不均一になり、耐食性、耐熱衝撃抵抗性および耐久性が劣るため好ましくない。
以上の原料を用い、かつフッ素化合物が0.03〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.3重量%になるように添加し、原料の組成が所定の割合となるように配合し、湿式でボールミルやアトリッションミルを用い、粉砕・分散を行う。フッ素化合物が0.03重量%未満の場合はフッ素化合物添加による微構造制御ができず、0.5重量%を超える場合には焼結性の低下だけでなく、ガラス相もしくは第2相を結晶粒界に多く形成し、耐食性及び機械的特性の低下をきたすので好ましくない。
なお、本発明において、使用するフッ素化合物としてはフッ化マグネシウム、フッ化カルシウムがあげられる。
さらにジルコニア粉体の添加は焼結助剤として効果があるが、その添加量は0.1重量%未満であることが好ましく、0.1重量%を超える場合には結晶粒子が粒状になりやすくなるため好ましくない。また、アルミナ質焼結体に比し、ジルコニア質焼結体は耐食性が低いため、熱処理用部材として用いた場合、被処理物により腐食され、ジルコニア成分が被処理物中に混入する等の問題を有するので好ましくない。
粉砕・分散後の平均粒子径は、粉砕・分散時の粉体濃度、使用するボール径や処理時間の調整によりコントロールする。尚、粉砕・分散後の平均粒子径は2μm以下が好ましく、より好ましくは1.5μm以下である。平均粒子径が2μmを超える場合は、成形体密度が大きくならず、焼結性が低下し、気孔率が増加することから耐食性が低下するため好ましくない。下限は0.3μm程度とする。
成形方法としては通常のセラミックスの成形法が採用でき、プレス成形、ラバープレス成形、冷間等方圧成形(CIP)等が採用される。得られた粉砕・分散スラリーに必要により公知の成形助剤(例えばワックスエマルジョン、PVA、アクリル系樹脂等)を加え、スプレードライヤー等の公知の方法で乾燥させて成形粉体を作製し、これを用いて成形する。
得られた成形体は大気中1600〜1800℃、好ましくは1650〜1750℃で焼成する。焼成温度が1600℃未満の場合は、焼結が不十分なため気孔が増加し、耐食性が低下するため好ましくなく、1800℃を超える場合は、焼結性は向上するが、異常粒成長及び粒界に気孔が発生しやすくなるので、好ましくない。
本発明の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体は、下記の如き優れた性質を有するものである。
(1)耐食性に優れているために、被熱処理物を汚染することを防止できる。
(2)高温特性に優れているため、高温での変形等が少ない。
(3)耐熱衝撃抵抗性に優れているため、加熱、冷却の繰り返しに十分に耐えることができる。
(4)本発明の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体は、以上のように優れた耐熱性および耐食性を有するものであり、この様な優れた性質を利用して、リチウム2次電池正極材料の合成、蛍光体材料の合成、セラミックスコンデンサー、圧電体および誘電体の様な電子部品熱処理用部材として有効に用いることができる。さらに、金属および合金の溶解用ルツボとしても有効である。また、優れた耐熱衝撃性を有するため、各種熱処理用炉心管、高温搬送用ローラ、サポートチューブ、ラジアントチューブ、ガス吹込管、ガス採取管に有効である。特に還元、真空および不活性雰囲気下での使用に有効である。
以下、実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例(試料No.1〜5)、比較例(試料No.1〜6)
実施例No.1〜3及び比較例No.5、6は、原料として純度が99.8重量%、平均粒子径が0.8μmからなるアルミナ原料粉体を用い、実施例No.4、5及び比較例2、3は原料として純度が99.8重量%、平均粒子径が1.5μmからなるアルミナ原料粉体を用い、比較例No.1は、純度が99.88重量%、平均粒子径が3μmの板状粒子からなるアルミナ原料粉体と純度99.89重量%、平均粒子径0.5μmの粒状粒子からなるアルミナ原料粉体を重量比で8:2で混合して使用し、比較例No.4は純度が99.85重量%、平均粒子径が3.5μmからなるフッ素含有量が170ppmのアルミナ原料粉体を使用した。また、実施例No.1〜5及び比較例No.2〜5は、純度が99.9重量%、平均粒子径が15μmからなるフッ化カルシウムを用い、比較例No.6は純度が99.9重量%、平均粒子径が45μmのフッ化カルシウムを用いた。
表1に示す通り、所定量になるようにアルミナ原料粉体とフッ化カルシウム粉体を配合し、アルミナ製ボール及びポットミルを用い、溶媒として水を用いて粉砕・分散・混合し、スラリーを作製した。得られたスラリーの粉砕粉体の平均粒子径を表1に示す。得られたスラリーを石膏型により鋳込成形し、1550℃〜1800℃で焼成して、φ6×45mmのアルミナ質焼結体を得た。得られたアルミナ質焼結体の特性を表2に示す。実施例試料No.1〜5は本発明の範囲内(実施例)のアルミナ質焼結体であり、比較例試料No.1〜6は本発明の要件を少なくとも一つ以上満足していない(比較例)アルミナ質焼結体である。
なお、表1における「粉砕粉体」は「アルミナ原料粉体、フッ化カルシウム粉体(フッ素化合物)を所定量になるように配合し、粉砕・分散・混合処理し、得られたスラリーの粉砕粉体」の平均粒子径を指す。
本発明の範囲内である実施例試料No.4の走査電子顕微鏡写真を図1に示す。さらに本発明の範囲外の走査電子顕微鏡写真について、比較例試料No.1を図2に、比較例試料No.3のものを図3、比較例試料No.6のものを図4に示す。
耐食性試験は各焼結体の上にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)成形体をのせ、電気炉中に1250℃で5時間熱処理した後にPZT成形体の成分であるPbOの浸食深さを測定した。尚、浸食深さは、焼結体断面をエネルギー分散形X線分析(EDX)により分析して決定した。その結果を表2に示す。
熱衝撃試験は電気炉中に試料を入れ、180℃で30分間加熱し、20℃の水中に落下させるテストを行い、テスト後の試料を蛍光探傷によるクラックの有無により評価した。また、耐久性試験は、上記と同試料を150℃で30分加熱し、20℃の水中に落下させるテストを10回繰り返し行い、蛍光探傷でクラックの発生の有無により評価した。その結果を表2に示す。
図1〜3の左と右の図面は、図5が示すように「焼結体のひとつの面」と「その面に垂直な面」を並べている。つまり、各焼結体のひとつの面(左)とその面に垂直な面(右)のSEM写真である。
本発明の焼結体は、前記表2より明らかなように、高い耐食性を有しつつ、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れている。例えば、実施例(試料No.4)の焼結体は、図1の写真1に示すようなひとつの面と、写真2に示すその面に垂直な面の長径/短径の平均値は表1に示した通り共に2.0以上と本発明範囲内である。しかも、ひとつの面とその面に垂直な面で結晶粒子の長径/短径が大きい方の面(写真1)の長径/短径:R1と、長径/短径が小さい方の面(写真2)の長径/短径:R2の比:R1/R2を表1に示すが、1.04と本発明の範囲内である。しかしながら、本発明の要件を少なくとも一つ以上を満足していない焼結体は耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性のいずれか一つ以上が劣っており、熱処理用部材として満足できるものではなかった。
例えば、比較例(試料No.1)は、図2が示すように、ひとつの面とその面に垂直な面の長径/短径の大きい方の面(写真3)の長径/短径:R1は表1に示す通り本発明の範囲内であるが、長径/短径の小さい方の面(写真4)の長径/短径:R2及びR1/R2が本発明の範囲より外れており、耐久性に劣ったものとなった。比較例(試料No.2)は、平均結晶粒径の点で本発明の範囲より外れており、耐食性及び耐熱衝撃抵抗性に劣ったものとなった。比較例(試料No.3)は、図3の写真5、6が示すように、ひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径が共に2.0以上の点で本発明の範囲より外れており、耐熱衝撃抵抗性に劣ったものとなった。比較例(試料No.4)は、かさ密度の点で本発明の範囲より外れており、耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に劣ったものとなった。比較例(試料No.5)は、ひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径の大きい方の面の長径/短径:R1は本発明の範囲内であるが、平均結晶粒径、ひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径の小さい方の面の長径/短径:R2及びR1/R2の点で本発明の範囲より外れており、耐久性に劣ったものとなった。比較例(試料No.6)は、図4の写真7が示すように、ひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径の大きい方の面の長径/短径:R1は本発明の範囲内であるが、写真8に示す長径/短径の小さい方の面の長径/短径:R2が本発明の範囲より外れており、更に結晶粒子の形状が著しく不均一であったため、耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に劣ったものとなった。
本発明のように板状の結晶粒子からなる焼結体は、結晶粒子の並び方に二通りがある。図5(A)が示すように、配向している場合は、板状の結晶粒子が規則正しく一定方向に配列している。一方、図5(B)が示すように、配向していない場合は、板状の結晶粒子が不規則で色々な方向を向いている。つまり、両焼結体の微構造を「ひとつの面」と「その面に垂直な面」で観察すると図5のようになる。
本発明の範囲内(実施例)である試料No.4の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の範囲外(比較例)である試料No.1の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の範囲外(比較例)である試料No.3の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の範囲外(比較例)である試料No.6の走査電子顕微鏡写真である。 (A)は結晶粒子が配向している場合の1例を示す図であり、(B)は結晶粒子が配向していない場合の1例を示す図である。

Claims (3)

  1. (a)アルミナ含有量が99.5重量%以上からなるアルミナ質焼結体であって、(b)かさ密度が3.7g/cm以上であり、(c)平均結晶粒径が20〜70μmで、(d)焼結体のひとつの面とその面に垂直な面の結晶粒子の長径/短径が共に2.0以上であり、(e)ひとつの面とその面に垂直な面で結晶粒子の長径/短径が大きい方の面の長径/短径:R1と小さい方の面の長径/短径:R2の比:R1/R2が1.0〜2.0であることを特徴とする耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体。
  2. 請求項1記載の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体からなる熱処理用部材。
  3. アルミナ含有量が99.7重量%以上、平均粒子径が0.5〜3μmのアルミナ原料粉体に平均粒子径が25μm以下のフッ素化合物を0.03〜0.5重量%添加し、平均粒子径を2μm以下に粉砕混合し、成形し、大気中で1600〜1800℃で焼成することを特徴とする請求項1記載の耐食性、耐熱衝撃抵抗性及び耐久性に優れたアルミナ質焼結体の製造方法。
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