JP2010083682A - ニッケル複合酸化物の製造方法、該方法により得られるニッケル複合酸化物、該ニッケル複合酸化物を用いてなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物、該酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する固体酸化物型燃料電池用燃料極 - Google Patents

ニッケル複合酸化物の製造方法、該方法により得られるニッケル複合酸化物、該ニッケル複合酸化物を用いてなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物、該酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する固体酸化物型燃料電池用燃料極 Download PDF

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Abstract

【課題】発電時に、微細で且つ均質に分散したニッケルを有するニッケル複合酸化物を製造する方法等を提供する。
【解決手段】一般式Ni1−x(式中、AはBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Mn,La,Pr,Sm,Gd,Sc,Y,Ti,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、xは0.03〜0.13であり、yは0.98〜1.26である)で表されるニッケル複合酸化物の製造方法であって、ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液中のニッケルイオン及びAイオンの濃度をそれぞれ一定に維持しつつ、ニッケル塩及び前記Aの塩を連続的に供給することにより、前記水溶液中で一般式Ni1−x(OH)2y(式中、A、x及びyは前記と同じ)で表されるニッケル複合水酸化物を析出させ、加熱処理する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケル複合酸化物の製造方法、該方法により得られるニッケル複合酸化物、該ニッケル複合酸化物を用いてなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物、該酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する固体酸化物型燃料電池用燃料極に関する。
従来から、固体酸化物型燃料電池の燃料極は、酸化ニッケルと酸素導電体として結晶構造の安定化された酸化ジルコニウムや酸化セリウムとを混合することにより製造されている。このとき、電極特性の観点から、形成された燃料極においてニッケルが微細且つ均一に分散していることが求められている。
電極中に存在する酸化ニッケルは、燃料である水素ガスによってニッケル(ニッケルメタル)へと還元され、電子を効率よく伝導する役割と、水素ガスの分解触媒としての2つの役割を担う。その際にニッケルを微細化し、かつ電極内部における分布状態を均一にすること、すなわちニッケルの分散性を向上させることは、触媒として寄与可能な比表面積が増大することに繋がり、また燃料の反応場として知られる酸化ニッケル−安定化ジルコニア−空孔の界面、すなわち三相界面の数の向上に繋がり電気化学反応が促進され出力特性が向上する。
固体酸化物型燃料電池の燃料としては、メタン、プロパン等の炭化水素ガスが用いられる。前記炭化水素ガスは燃料改質を経て水素ガスを生成する。水素ガスの生成反応は燃料極中に存在するニッケルの表面で起こる。従って、ニッケルの比表面積が小さい場合、炭化水素燃料の水素への改質効率が悪くなり、燃料ガス中の水素分圧が低下する。その結果、出力特性が低下するおそれがある。
出力特性の向上を目的として、酸化ニッケルと結晶構造の安定化された安定化ジルコニアをボールミル等のメディアミルを用いて粉砕混合して燃料極材料を製造する技術が知られている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の方法により得られた燃料極は、ニッケルの比表面積が低く、出力特性等の点で未だ改善の余地がある。
ニッケルの比表面積が低い原因としては、発電における高温環境(600〜1000℃)下でニッケル同士が熱凝集することにより、発電前に比べ、ニッケルの比表面積が減少することが考えられる。前記熱凝集は、燃料極が、大きな触媒面積が取れるような微細なニッケルを含有する場合により一層促進される傾向がある。
なお、前記問題を解決するために、燃料ガス(炭化水素ガス)を燃料極に供給するのに先立って、予め炭化水素ガスを改質器で処理することも考えられるが、改質器で処理した後も未改質の炭化水素燃料が微量ながら存在し、電池の出力特性へ影響を及ぼすものと考えられる。また、改質器を別途設けるため、コストがかかる。
さらに、特許文献2には、燃料極にルテニウム触媒を含有させることにより、炭化水素ガスの改質を促進させ、出力特性を向上させることが提案されている。しかしながら、ルテニウムは高価な貴金属であるため、特許文献2の技術は、原料コストの点で問題がある。
一方、非特許文献1では、硝酸ニッケルと硝酸マンガンとを溶解させた水溶液をスプレードライすることによりニッケル−マンガン複合化合物を調製した後、該複合化合物を焼成する方法が提案されている。また、非特許文献2では、硝酸ニッケルと硝酸マグネシウムとの混合溶液を蒸発乾固した後に焼成する方法が提案されている。これらの方法によれば、添加したマンガン又はマグネシウムが粒子内に分布した酸化ニッケルが得られる。前記酸化ニッケル中のマンガン又はマグネシウムは、発電時に酸化物として粒子内に分相して析出する。その結果、ニッケル同士の間にマンガン酸化物又はマグネシウム酸化物が存在し、該酸化物がスペーサーとなることによりニッケル同士の焼結造粒(熱凝集)が抑制される。また、酸化ニッケルが発電時にニッケルへと還元される際に、分相した前記酸化物によってニッケルが微細化され、ニッケルの表面積(触媒反応面積)が大きくなり、燃料極に炭化水素燃料ガスを供給しても高い出力特性を発揮できる。
しかしながら、非特許文献1及び2の方法では、金属塩類の溶媒に対する溶解度が前記酸化ニッケルの析出速度に直接影響を与えるため、完全に均質なニッケル酸化物が得られるとは言い難い。また、非特許文献1及び2の方法は、大量生産には不向きである。さらに、硝酸塩が熱分解する際に多量の酸性ガスが発生するため環境保全の観点から問題がある。
また、非特許文献3には、ニッケル塩とランタン塩を固相混合し、得られた混合物を焼成することによりランタンを含有する酸化ニッケルを製造する方法が報告されている。この方法によれば、ランタンは焼成の際に近傍のニッケルと複合酸化物を形成するが、粒子同士の接触する表面部分が優先的に固相反応するために酸化ニッケル粒子内部にまでランタンが均一分布するとは言い難い。また、非特許文献3の方法は、非特許文献1及び2の方法と同様に、酸性ガスが発生するという問題がある。
特開2004−327278 特許3317523号 第16回SOFC研究発表会講演要旨集p76−79 Solid State Ionics, Volume 177, Issues 15-16, 15 June 2006, p1371-1380 Lucerne FUEL CELL FORUM 2008 CONFERENCE AGENDA A0516
本発明は、発電時に、微細で且つ均質に分散したニッケルを有するニッケル複合酸化物を製造する方法、該方法により得られるニッケル複合酸化物等、該ニッケル複合酸化物を用いてなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物、該酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する固体酸化物型燃料電池用燃料極を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定の操作を行うことにより上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、下記のニッケル複合酸化物の製造方法、該方法により得られるニッケル複合酸化物、該ニッケル複合酸化物を用いてなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物、該酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する固体酸化物型燃料電池用燃料極に係る。
1. 一般式
Ni1−x(1)
(式中、AはBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Mn,La,Pr,Sm,Gd,Sc,Y,Ti,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、xは0.03〜0.13であり、yは0.98〜1.26である)
で表されるニッケル複合酸化物の製造方法であって、
1)ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液中のニッケルイオン及びAイオンの濃度をそれぞれ一定に維持しつつ、下記i)及びii)の操作を行う工程、
i)ニッケル塩及び前記Aの塩を連続的に供給することにより、前記水溶液中で一般式
Ni1−x(OH)2y (2)
(式中、A、yは前記と同じ)
で表されるニッケル複合水酸化物を析出させる操作、
ii)操作i)で析出させたニッケル複合水酸化物(2)を前記水溶液から連続的に取り出す操作
並びに、
2)工程1)で取り出したニッケル複合水酸化物(2)を加熱処理することにより、ニッケル複合酸化物(1)を得る工程
を含むニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
2. 前記Aが、Mg,Mn,La,Pr,Gd,Y,Sc,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素である上記項1に記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
3. 前記ニッケル塩及び前記Aの塩が伴に、硫酸塩、硝酸塩、塩化物及びオキシ塩化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩である上記項1又は2に記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
4. 前記水溶液中のニッケルイオン及びAイオンのモル比(ニッケルイオン/Aイオン)が、6.69〜32.3である上記項1〜3のいずれかに記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
5. さらに、前記水溶液に錯化剤を供給する上記項1〜4のいずれかに記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
6. 前記水溶液のpH値が10〜13.5である上記項1〜5のいずれかに記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
7. アルカリ金属水溶液を前記水溶液に供給することにより、前記水溶液のpH値を調整する上記項5に記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
8. 上記項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって得られるニッケル複合酸化物(1)。
9. 上記項8に記載のニッケル複合酸化物(1)と安定化ジルコニアとを複合化してなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物。
10. 上記項9に記載の酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する固体酸化物型燃料電池用燃料極。
ニッケル複合酸化物(1)の製造方法
本発明のニッケル複合酸化物の製造方法は、一般式
Ni1−x(1)
(式中、AはBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Mn,La,Pr,Sm,Gd,Sc,Y,Ti,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、xは0.03〜0.13であり、yは0.98〜1.26である)
で表されるニッケル複合酸化物の製造方法であって、
1)ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液中のニッケルイオン及びAイオンの濃度をそれぞれ一定に維持しつつ、下記i)及びii)の操作を行う工程、
i)ニッケル塩及び前記Aの塩を連続的に供給することにより、前記水溶液中で一般式
Ni1−x(OH)2y (2)
(式中、A、x及びyは前記と同じ)
で表されるニッケル複合水酸化物を析出させる操作、
ii)操作i)で析出させたニッケル複合水酸化物(2)を前記水溶液から連続的に取り出す操作
並びに、
2)工程1)で取り出したニッケル複合水酸化物(2)を加熱処理することにより、ニッケル複合酸化物(1)を得る工程
を含む。
本発明の製造方法によれば、発電時に、微細で且つ均質に分散したニッケルを有するニッケル複合酸化物を製造することができる。本発明の製造方法では、工程1)でニッケル複合水酸化物を析出させる水溶液中において、ニッケルイオン及びAイオンの濃度が一定に保たれた状態(定常状態)下で、結晶成長させることにより、酸化ニッケル及びAの酸化物が均一に分散された同質のニッケル複合酸化物結晶が得られる。本発明の製造方法により得られるニッケル複合酸化物(1)は、Aの酸化物が該複合酸化物内に均質に分散しており、発電時に該複合酸化物内に分相して析出する。その結果、ニッケル間にAの酸化物が均質に存在し、該酸化物がスペーサーとなることによりニッケル同士の焼結造粒(熱凝集)を防止又は抑制できる。また、前記Aの酸化物がスペーサーとなることにより、発電時に酸化ニッケルがニッケルへと還元される際に、ニッケルが微細化され、その結果、ニッケルの比表面積(触媒反応面積)が向上する。
一般式(1)中、前記Aとしては、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Mn,La,Pr,Sm,Gd,Sc,Y,Ti,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素であればよいが、Mg,Mn,La,Pr,Sm,Gd,Y,Sc,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素が好ましく、Mg,Mn,La,Pr,Gd,Y,Sc,Zr又はCeがより好ましい。
一般式(1)中、xは0.03〜0.13程度であればよいが、特に0.05〜0.12程度が好ましい。
一般式(1)中、yは0.98〜1.26程度であればよいが、特に1.00〜1.20程度が好ましい。
本発明の製造方法によれば、特に、一般式(1)で表されるニッケル複合酸化物として、1〜3種類のA元素を含有するニッケル複合酸化物が好適に得られる。
1種類のA元素を含有するニッケル複合酸化物としては、例えば、Ni1−xMg、Ni1−xLa、Ni1−xPr、Ni1−xZr、Ni1−xTi等(式中、x及びyは前記と同じ)で表されるニッケル複合酸化物が挙げられる。
2種類のA元素を含有するニッケル複合酸化物としては、例えば、Ni1−x1−x2Zrx1x2、Ni1−x1−x2Cex1Gdx2等(式中、x1及びx2はそれぞれ前記xと同じであり、yは前記と同じである)が挙げられる。
3種類のA元素を含有するニッケル複合酸化物としては、例えば、Ni1−x1−x2−x3Zrx1Scx2Cex3等(式中、x1、x2及びx3はそれぞれ前記xと同じであり、yは前記と同じである)が挙げられる。
前記ニッケル複合酸化物の形状は、特に限定されないが、球状であることが好ましい。
前記複合酸化物が球状である場合、該複合酸化物の平均粒子径は、特に限定されず、後述する燃料極への加工容易性等をふまえて適宜設定すればよい。
前記ニッケル複合酸化物のかさ密度は、2.00〜4.00g/cm程度が好ましく、2.50〜3.70g/cm程度がより好ましい。かさ密度が2.00〜4.00g/cm程度である場合、前記ニッケル複合酸化物が高い流動性を示すため、後述する酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を製造する際、ハンドリング上有利である。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
工程1)
工程1)では、ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液中のニッケルイオン及びAイオンの濃度がそれぞれ一定になるように下記i)及びii)の操作を行う。
本発明の製造方法では、ニッケルイオン及びAイオンの濃度がそれぞれ一定の水溶液中でニッケル複合水酸化物を調製することにより、ニッケル同士の間にA元素の水酸化物を均質に存在させることができ、結果、ニッケル同士の間にA元素の酸化物が均質に存在するニッケル複合酸化物が得られる。
具体的に、ニッケル複合水酸化物を析出させる水溶液に供給されるニッケルイオン及びAイオンの量と、該水溶液から取り出すニッケル複合水酸化物を構成するニッケルイオン及びAイオンの量とが等しい状態(定常状態)下で、ニッケルイオン及びAイオンを所定のモル比で該水溶液に一定速度で連続供給することにより、ニッケル同士の間にA元素の水酸化物を均質に存在させることができる。これにより、ニッケル同士の間にA元素の酸化物が均質に存在するニッケル複合酸化物が得られる。
操作i)
操作i)では、ニッケル塩及び前記Aの塩を連続的に供給することにより、前記水溶液中で一般式
Ni1−x(OH)2y (2)
(式中、A、x及びyは前記と同じ)
で表されるニッケル複合水酸化物を析出させる。
すなわち、操作i)では、ニッケルイオン及びAイオンを共沈させることによりニッケル複合水酸化物(固溶体)を析出させる。
一般式(2)中、Aとしては、Mg,Mn,La,Pr,Sm,Gd,Y及びZrからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素が好ましく、Mg,Mn,La,Pr,Gd,Y,Zr又はCeがより好ましい。
一般式(2)中、xとしては0.03〜0.13程度の実数が好ましい。
一般式(2)中、yとしては0.98〜1.26程度の実数が好ましい。
具体的に、前記ニッケル複合水酸化物(2)としては、A元素の水酸化物が粒内に均一に分散したニッケル複合水酸化物が好ましい。
前記ニッケル複合水酸化物(2)としては、β型のニッケル複合水酸化物が好ましい。β型ニッケル複合水酸化物は、α型ニッケル複合水酸化物に比べ層間距離が短いため、層間に不純物(アニオン系の不純物)がインターカレートしにくい。前記不純物は、後述する加熱処理工程(酸化物の生成工程)において、酸性ガスとして層間から脱離する傾向がある。従って、設備面及び環境面からニッケル複合水酸化物はβ型であることが望ましい。本発明の製造方法では、β型のニッケル複合水酸化物を後述する工程2)に適用することにより、発電時に、ニッケルが均質に分散したニッケル複合酸化物を好適に得ることができる。
前記ニッケル複合水酸化物(2)の形状は、特に限定されないが、球状が好ましい。
前記ニッケル複合水酸化物(2)が球状物である場合、平均粒径は1〜20μm程度が好ましく、4〜15μm程度がより好ましい。
前記ニッケル塩としては、水溶液中でニッケルイオンが好適に得られるものであればよく特に限定されないが、硫酸塩、硝酸塩、塩化物及びオキシ塩化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩が好ましい。
前記Aの塩としては、水溶液中でAイオンが好適に得られるものであればよく特に限定されないが、硫酸塩、硝酸塩、塩化物及びオキシ塩化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩が好ましい。
操作i)では、前記ニッケル塩及び前記Aの塩を供給することにより、該ニッケル塩及び該Aの塩が溶解したニッケルイオン及びAイオンを含む水溶液を得る。
前記水溶液中におけるニッケルイオン及びAイオンの濃度は、本発明の効果を妨げない範囲であればよく特に限定されない。
前記水溶液中におけるニッケルイオン及びAイオンのモル比(ニッケルイオン/Aイオン)は、6.69〜32.3程度が好ましく、7.33〜19程度がより好ましい。ニッケルイオン及びAイオンのモル比(ニッケルイオン/Aイオン)が、7.33〜19程度である場合、ニッケル間にA元素の酸化物を均質に存在させることができ、結果、ニッケル同士の焼結造粒(熱凝集)を効果的に防止しつつ、ニッケルを均一に分散させることができる。
前記水溶液を得る方法としては、例えば、a)前記ニッケル塩及び前記Aの塩を直接水中に供給する方法、b)前記ニッケル塩を溶解させた水溶液及び前記Aの塩を溶解させた水溶液を混合する方法、c)前記ニッケル塩を溶解させた水溶液及び前記Aの塩を溶解させた水溶液をそれぞれ水中に供給する方法、d)前記ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液を水中に供給する方法等が挙げられる。この中でも特にc)及びd)の方法が好ましく、d)の方法がより好ましい。
以下、d)の方法を代表例として、操作i)についてさらに具体的に説明する。
方法d)では、前記ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液1を水中に供給することにより、水溶液2を得る。具体的に、図1を例にとると、まず、前記ニッケル塩及び前記Aの塩をそれぞれ管9及び管10を通じて原液調製槽6に供給し、該槽6中で前記水溶液1を調製する。次いで、調製した水溶液1を管7を通じて水の入った反応槽3に供給することにより水溶液2を得る。
前記ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液1の供給速度は、反応装置の規模等に応じて適宜設定すればよいが、例えば容積が4Lの反応槽に該水溶液1を供給する場合、該水溶液1の供給速度は、通常1〜10ml/分程度であり、好ましくは2〜6ml/分程度である。
前記水溶液2には、本発明の効果を妨げない範囲で、公知の添加剤をさらに含有させてもよい。特に、前記添加剤として錯化剤を含有させることが好ましい。錯化剤を含有させることにより、ニッケル複合水酸化物(2)の結晶成長速度を好適に制御することができる。そのため、例えば、得られるニッケル複合水酸化物(2)をハンドリング性の高い球状に制御したり、粒子サイズの分布を狭めつつ、粒子サイズを適度な範囲に制御できる。
前記錯化剤としては、例えば、アンモニウムイオン供給体、ヒドラジン、エチレンジアミン四酢酸、ニトリト三酢酸、ウラシル二酢酸、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセトン、グリシン等が挙げられる。これらの錯化剤は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特に、アンモニウムイオン供給体が好ましい。アンモニウムイオン供給体としては、例えば硫酸アンモニウム等が挙げられる。
前記錯化剤の添加方法としては、例えば、該錯化剤を水に溶解させて水溶液とした後、該水溶液を図1の管8を通じて反応槽3に供給する方法が挙げられる。
水溶液2のpH値は、10〜13.5程度が好ましく、11.5〜13.0程度がより好ましい。水溶液2のpH値が10未満の場合、前記水溶液2におけるニッケル塩及び前記Aの塩の過飽和度が不足し、反応が十分に完結しないおそれがある。水溶液2のpH値が13.5を超える場合、アルカリ濃度が高すぎることが原因で水溶液2を入れた反応槽の洗浄が困難である。特に、本発明の製造方法では、前記水溶液2のpH値を11.5〜13.0程度とすることにより、β型のニッケル複合水酸化物が効率的に得られる。また、前記水溶液2のpH値を11.5〜13.0程度とすることにより、球状のニッケル複合水酸化物を好適に得ることができる。球状のニッケル複合水酸化物を後述する工程2)に適用することにより、球状のニッケル複合酸化物が得られやすくなる。
前記pHの調整方法としては、特に限定されないが、アルカリ金属化合物を前記水溶液2に添加する方法が好ましい。前記アルカリ金属化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を組み合わせて使用できる。前記アルカリ金属化合物の添加量は、特に限定されず、水溶液2のpH値が所望の値になるように適宜調整すればよい。
前記アルカリ金属化合物の添加方法としては、例えば、該アルカリ金属化合物を水に溶解させて水溶液とした後、該水溶液を図1の管4を通じて反応槽3に供給する方法が挙げられる。
前記pH値は、例えば図1に示すようなpHセンサー5を用いて確認できる。
反応温度(水溶液2)の温度は、特に限定されないが、30〜100℃程度が好ましく、40〜80℃程度がより好ましい。
前記ニッケル複合水酸化物(2)は、非常に速い生成速度で析出するため、供給されるニッケルイオン及びAイオンの全てが実質的に該ニッケル複合水酸化物(2)の生成に供される。
前記反応は、反応効率の観点から、撹拌下で行うことが好ましい。撹拌方法としては限定的ではなく、例えば図1に示す攪拌機1を使用できる。
操作ii)
操作ii)では、操作i)で析出させたニッケル複合水酸化物(2)を前記水溶液から連続的に取り出す。すなわち、操作i)で連続的に析出させたニッケル複合水酸化物(2)を連続的に取り出すことにより、前記水溶液2中のニッケルイオン及びAイオンの濃度をそれぞれ一定に保ちながら、本発明の製造方法を連続的に行う。
前記ニッケル複合水酸化物(2)を連続的に取り出す方法としては、図1を例にとると、析出したニッケル複合水酸化物(2)を反応槽3からオーバーフローさせ、オーバーフローパイプ2を通じて容器11に入れる方法が挙げられる。
工程2)
工程2)では、工程1)で取り出したニッケル複合水酸化物(2)を加熱処理することにより、ニッケル複合酸化物(1)を得る。
焼成温度は、800〜1200℃程度が好ましい。焼成温度が800℃未満の場合、後述する酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を用いて燃料極を製造するうえで、該複合酸化物を固体電解質に焼き付ける際、固体電解質との熱収縮が合わずはがれる可能性がある。また、1200℃を超える場合、酸化ニッケルが粗大化し導電率が悪くなる傾向がある。
焼成時間は、特に限定されず、焼成温度等に応じて適宜設定すればよい。
焼成雰囲気は、特に限定されず、例えば、酸素存在下、不活性ガス(例えば窒素ガス)存在下等が挙げられる。
焼成には、公知の焼成炉を用いればよい。公知の焼成炉としては、例えば、電気炉(マッフル炉)、ガス炉等が挙げられる。
焼成後、得られた複合酸化物を必要に応じて粉砕してもよい。粉砕方法としては、前記粉砕混合方法を採用できる。
酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物
本発明の製造方法により得られたニッケル複合酸化物(1)と安定化ジルコニアとを複合化することにより酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を得ることができる。得られる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物は、ニッケルと安定化ジルコニウムとが微細且つ均一に分布している。
前記安定化ジルコニアの安定化元素としては、Mg、Ca、Y、Sc及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素が好ましい。前記酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物中において、前記安定化元素は、通常、酸化物として存在する。前記複合酸化物中に含まれる安定化元素の酸化物としては、イオン導電性の高い燃料極が好適に得られる点で、MgO、CaO、Y、Sc及びCeOからなる群から選ばれる少なくとも一種の酸化物が好ましい。特に、本発明の複合酸化物は、安定化ジルコニアとして、イットリア安定化ジルコニア及び/又はスカンジア安定化ジルコニアを用いることが好ましい。前記イットリア安定化ジルコニアとしては、結晶相がキュービック相であるものが好ましい。結晶相がキュービック相であるイットリア安定化ジルコニアとしては、例えば、イットリア8mol%がジルコニウムに固溶してなるものが挙げられる。前記スカンジア安定化ジルコニアとしては、イオン導電性の高い燃料極を好適に得られる点で、例えば、酸化スカンジウム10mol%と酸化セリウム1mol%とがジルコニウムに固溶してなるものが好ましい。
ニッケル複合酸化物(1)と安定化ジルコニアとの複合化は、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、ニッケル複合酸化物(1)と安定化ジルコニアとを湿式粉砕した後、得られたスラリーを乾燥することにより複合化させる方法が挙げられる。
前記酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の形状は、特に限定されないが、球状であることが好ましい。
前記酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物が球状物である場合、該複合酸化物の平均粒子径は、特に限定されず、後述する燃料極への加工容易性等をふまえて適宜設定すればよい。
前記酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物中におけるニッケルと安定化ジルコニウムとの重量比は、酸化物換算で、酸化ニッケル/安定化ジルコニア=1/9〜9/1程度が好ましく、4/6〜8/2程度がより好ましい。
固体酸化物型燃料電池用燃料極
本発明の固体酸化物型燃料電池用燃料極は、前記酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する。本発明の燃料極は、前記複合酸化物を含有することにより、発電時に優れた電子伝導性、イオン伝導性を発揮し、優れた出力特性を示すことができる。発電時において、前記複合酸化物内のニッケルは、高い比表面積を有し、且つ、均一に分散された状態にあるため、優れた出力特性を発揮できる。特に、本発明の燃料極に炭化水素燃料を水素ガスに改質せずに直接導入した場合であっても、該燃料極は高い出力を発揮できる。
本発明の燃料極は、前記複合酸化物を含有する以外は、公知の燃料極と同じ構成を採用できる。
前記燃料極中における前記複合酸化物の含有量は、特に限定されないが、80〜100重量%程度が好ましい。前記燃料極には、本発明の効果を妨げない範囲内で前記複合酸化物以外の公知の添加剤等が含まれていてもよい。
前記燃料極の製造方法は、特に限定されず、前記複合酸化物を用いる以外は、公知の方法と同様の方法を採用できる。例えば、固体電解質表面に、前記複合酸化物を分散させた分散液をスクリーン印刷した後、焼き付ける方法が挙げられる。前記分散液中における前記複合酸化物の含有量は、特に限定されず、燃料電池の規模等に応じて適宜調整すればよい。焼き付け条件は、特に限定されず、燃料極が好適に形成されるよう公知の条件に準じて適宜調整すればよい。
本発明の製造方法によれば、発電時に、微細で且つ均質に分散したニッケルを有するニッケル複合酸化物を製造することができる。本発明の製造方法では、酸化ニッケル及びAの酸化物が均一に分散された同質のニッケル複合酸化物結晶が得られる。その結果、発電時に、ニッケル同士の焼結造粒(熱凝集)を防止又は抑制できる。また、発電時に酸化ニッケルがニッケルへと還元される際に、比表面積が大きい微細なニッケルが前記複合酸化物内で生成する。
また、本発明の製造方法は、酸性ガスの発生が防止又は抑制されているため、安全且つ簡便にニッケル複合酸化物を製造できる。
本発明の製造方法により得られるニッケル複合酸化物と安定化ジルコニアとを複合化してなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物は、固体酸化物型燃料電池の燃料極を構成する材料として好適に使用できる。前記材料により形成された燃料極を有する固体酸化物型燃料電池は、優れた出力特性を発揮できる。特に、前記燃料極に炭化水素燃料を水素ガスに改質せずに直接導入した場合であっても、該燃料極は高い出力を発揮できる。また、ニッケルを被毒して出力低下させることで知られる硫黄が燃料ガスに残存している場合であっても、高い出力特性を維持できる。
以下、本発明の特徴を実施例によりさらに詳述する。ただし、本発明はこれら実施例の範囲に限定されない。
実施例1
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
図1(模式図)の反応装置を用いてニッケル複合水酸化物を調製した。
まず、攪拌機1とオーバーフローパイプ2を備えた有効容積5Lのステンレス製(SUS304)円筒型反応槽3に水を4L入れた。
次いで、前記水のpHが12.6になるまで30%水酸化ナトリウム水溶液を加え、電熱ヒーター(図示せず)にて温度を50℃に保持した。
そして、ニッケルイオンが1Lあたり100g含まれている硫酸ニッケル水溶液を管9を通じて原液調製槽6に入れ、ニッケルイオンに対するマグネシウムイオンのモル比(ニッケルイオン/マグネシウムイオン)が19.0になるように、硫酸マグネシウムを管10を通じて該水溶液に溶解させた。そして、得られた水溶液を4cc/分の一定速度で前記反応槽3に連続供給した。また、アンモニウムイオン1Lあたり100g含まれている硫酸アンモニウム水溶液を管8を通じて1cc/分の一定速度で前記反応槽3に連続供給した。さらに前記反応槽3内の溶液がpH12.6に保持されるように30%水酸化ナトリウム水溶液を管4を通じて断続的に加えた。なお、前記pH値は、pHセンサー5を用いて調整した。
これにより、ニッケル−マグネシウム複合水酸化物(Ni0.95Mg0.05(OH)2.0)粒子を形成させた。
反応槽3内の溶液が定常状態になった48時間後に、前記複合水酸化物粒子をオーバーフローパイプ2を通じて24時間連続的に容器11に採取した。
採取した複合水酸化物粒子を水洗し、濾過した後、大気雰囲気下、1000℃で3時間焼成することにより、平均粒径7.8μmのニッケル複合酸化物(Ni0.95Mg0.051.0)粒子を得た。得られた粒子の断面を電子プローブ微量分析(EPMA)した写真を図2に示す。
図2から、本実施例では、マグネシウムの元素分布が均一であるニッケル複合酸化物が得られたことがわかる。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
得られたニッケル複合酸化物粒子と平均粒径0.5μmのスカンジウム安定化ジルコニア(第一稀元素化学製)とをボールミルにて20時間湿式粉砕し、得られたスラリーを乾燥することにより、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粉末を得た。
実施例2
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するマグネシウムイオンのモル比(ニッケルイオン/マグネシウムイオン)を9.0になるように、硫酸マグネシウムを前記水溶液に溶解させた以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径6.2μmのニッケル複合酸化物(Ni0.9Mg0.11.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例3
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するマンガンイオンのモル比(ニッケルイオン/マンガンイオン)が19.0になるように、硫酸マンガンを前記水溶液に溶解させ、且つ、大気雰囲気下ではなく窒素雰囲気(窒素ガスを1L/分で供給)下で焼成した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径7.5μmのニッケル複合酸化物(Ni0.95Mn0.051.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例4
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するマンガンイオンのモル比(ニッケルイオン/マンガンイオン)が9.0になるように、硫酸マンガンを前記水溶液に溶解させた以外は、実施例3と同様の方法により平均粒径5.1μmのニッケル複合酸化物(Ni0.9Mn0.11.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例5
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するランタンイオンのモル比(ニッケルイオン/ランタンイオン)が19.0になるように、硝酸ランタン水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径6.0μmのニッケル複合酸化物(Ni0.95La0.051.08)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例6
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するランタンイオンのモル比(ニッケルイオン/ランタンイオン)が9.0になるように、硝酸ランタン水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径4.8μmのニッケル複合酸化物(Ni0.9La0.11.15)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例7
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するプラセオジウムイオンのモル比(ニッケルイオン/プラセオジウムイオン)が19.0になるように、硝酸プラセオジウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径5.4μmのニッケル複合酸化物(Ni0.95Pr0.051.08)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例8
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するプラセオジウムイオンのモル比(ニッケルイオン/プラセオジウムイオン)が9.0になるように、硝酸プラセオジウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径5.0μmのニッケル複合酸化物(Ni0.9Pr0.11.15)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例9
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するジルコニウムイオンのモル比(ニッケルイオン/ジルコニウムイオン)が19.0になるように、オキシ塩化ジルコニウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径5.2μmのニッケル複合酸化物(Ni0.95Zr0.051.1)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例10
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するジルコニウムイオンのモル比(ニッケルイオン/ジルコニウムイオン)が9.0になるように、オキシ塩化ジルコニウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径4.9μmのニッケル複合酸化物(Ni0.9Zr0.11.2)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例11
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するジルコニウムイオン並びにイットリウムのモル比(ニッケルイオン/(ジルコニウムイオン+イットリウムイオン)が16.0かつジルコニウムイオンに対するイットリウムイオンのモル比(ジルコニウムイオン/イットリウムイオン)が5.75になるように、オキシ塩化ジルコニウム水溶液および塩化イットリウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径5.4μmのニッケル複合酸化物(Ni0.941Zr0.050.0091.1)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例12
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するジルコニウムイオン並びにイットリウムのモル比(ニッケルイオン/(ジルコニウムイオン+イットリウムイオン)が7.51かつジルコニウムイオンに対するイットリウムイオンのモル比(ジルコニウムイオン/イットリウムイオン)が5.75になるように、オキシ塩化ジルコニウム水溶液および塩化イットリウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例5と同様の方法により平均粒径9.6μmのニッケル複合酸化物(Ni0.883Zr0.10.0171.2)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例13
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するジルコニウムイオン、スカンジウム並びにセリウムのモル比(ニッケルイオン/(ジルコニウムイオン+スカンジウムイオン+セリウムイオン)が15.2かつジルコニウムイオンに対するスカンジウムイオンのモル比(ジルコニウムイオン/スカンジウムイオン)が4.45になるように、またジルコニウムイオンに対するセリウムイオンのモル比(ジルコニウムイオン/セリウムイオン)が89.0になるように、オキシ塩化ジルコニウム水溶液、塩化スカンジウム、塩化セリウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径6.5μmのニッケル複合酸化物(Ni0.937Zr0.05Sc0.012Ce0.0011.1)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例14
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するジルコニウムイオン、スカンジウム並びにセリウムのモル比(ニッケルイオン/(ジルコニウムイオン+スカンジウムイオン+セリウムイオン)が7.09かつジルコニウムイオンに対するスカンジウムイオンのモル比(ジルコニウムイオン/スカンジウムイオン)が4.45になるように、またジルコニウムイオンに対するセリウムイオンのモル比(ジルコニウムイオン/セリウムイオン)が89.0になるように、オキシ塩化ジルコニウム水溶液、塩化スカンジウム、塩化セリウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径8.6μmのニッケル複合酸化物(Ni0.875Zr0.1Sc0.023Ce0.0021.2)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例15
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するセリウムイオン、ガドリニウムイオンのモル比(ニッケルイオン/(セリウムイオン+ガドリニウムイオン)が17.0かつセリウムイオンに対するガドリニウムイオンのモル比(ジルコニウムイオン/ガドリニウムイオン)が9.0になるように、塩化セリウム水溶液、硝酸ガドリニウム水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径6.6μmのニッケル複合酸化物(Ni0.944Ce0.05Gd0.0061.1)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
実施例16
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硫酸マグネシウムの代わりに、ニッケルイオンに対するチタンイオンのモル比(ニッケルイオン/チタンイオン)が19.0になるように、四塩化チタン水溶液を前記水溶液に混合した以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径6.9μmのニッケル複合酸化物(Ni0.95Ti0.051.1)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
比較例1
(酸化ニッケルの製造)
硫酸マグネシウムを添加しない以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径8.6μmの酸化ニッケル粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
ニッケル複合酸化物粒子の代わりに、本比較例で得られた酸化ニッケルを用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
比較例2
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するマグネシウムイオンのモル比(ニッケルイオン/マグネシウムイオン)を4.0になるように、硫酸マグネシウムを前記水溶液に溶解させた以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径3.2μmのニッケル複合酸化物(Ni0.8Mg0.21.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
比較例3
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するマグネシウムイオンのモル比(ニッケルイオン/マグネシウムイオン)を99.0になるように、硫酸マグネシウムを前記水溶液に溶解させた以外は、実施例1と同様の方法により平均粒径9.1μmのニッケル複合酸化物(Ni0.99Mg0.011.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
比較例4
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するマンガンイオンのモル比(ニッケルイオン/マンガンイオン)が4.0になるように、硫酸マンガンを前記水溶液に溶解させた以外は、実施例3と同様の方法により平均粒径6.1μmのニッケル複合酸化物(Ni0.8Mn0.21.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
比較例5
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
ニッケルイオンに対するマンガンイオンのモル比(ニッケルイオン/マンガンイオン)が99.0になるように、硫酸マンガンを前記水溶液に溶解させた以外は、実施例3と同様の方法により平均粒径10.5μmのニッケル複合酸化物(Ni0.99Mn0.011.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本実施例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
比較例6
(ニッケル複合酸化物(A)の製造)
硝酸ニッケル水溶液に硝酸マグネシウムを、ニッケルイオンに対するマグネシウムイオンのモル比(ニッケルイオン/マグネシウムイオン)が9.0になるように、硫酸マグネシウムを該溶液に溶解させた。次いで、得られた溶液をマイクロミストドライヤー(藤崎電機製、型式:MDL−050B)を用い、100L/分のエアが供給されたノズルを用いて液流量50ml/分で霧状にしつつ入口温度200℃の乾燥機内へと供給した。得られた乾燥粉を実施例1と同様の条件で焼成することで、平均粒径8.2μmのニッケル複合酸化物(Ni0.9Mg0.11.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本比較例で得られた酸化ニッケルを用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
比較例7
(ニッケル複合酸化物の製造)
ニッケルイオンに対するマンガンイオンのモル比(ニッケルイオン/マンガンイオン)が19.0になるように、酸化ニッケル粒子並びに酸化マンガン粒子を乳鉢で混合し、得られた混合粉を、実施例3と同様の方法により平均粒径8.2μmのニッケル複合酸化物(Ni0.95Mn0.051.0)粒子を得た。
(酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物の製造)
本比較例で得られたニッケル複合酸化物粒子を用いる以外は、実施例1と同様の方法により、酸化ニッケル−スカンジウム安定化ジルコニア複合酸化物粒子を得た。
試験例1(固体酸化物型燃料電池の作製)
下記条件下で、固体酸化物型燃料電池を作製した。
なお、燃料極(アノード)については、実施例1〜16及び比較例1〜7で得られた酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を一種類ずつ用いて23種類作製した。
セル形状
セル直径;15mmφ
電解質厚さ;500μm
各電極の直径;0.64cm
電解質;8YSZ(東ソー製 TZ−8YSB)
カソード;LSM−80F(第一稀元素化学製)と10Sc1CeSZ(第一稀元素化学製)を重量比1:1で混合
セル製造条件
1)電解質
1)−1 成形;プレス成型の後CIP処理 (CIP圧;1.3t/cm
2)−2 焼成;1500℃×2hr
3)−3 加工;上下面→平面研削 外径→円筒研削
2)アノード
・スクリーンマスク ST#165 乳剤厚20μm
・印刷回数 2回
・ 焼き付け温度 1300℃×2hr
3)カソード
・スクリーンマスク ST#165 乳剤厚20μm
・印刷回数 2回
・焼き付け温度 1200℃×2hr
<発電評価>
作製した固体酸化物型燃料電池を測定冶具にセットし、それを電気炉内に設置した後、電気炉を1000℃まで昇温させた。1000℃に達したら窒素ガスを150(ml/分)10〜20分フローさせ、その後アノード側にH:N=5:95の混合ガスを150(ml/分)、カソード側にAirガスを150(ml/分)フローさせ、単セルの起電力が安定するまで保持した。その後、電気炉を800℃に降温し、アノードへ供給する燃料ガスを窒素で希釈した3%加湿メタンガス(窒素とメタンガスとの体積比=10:90)へと切り替えた後に、I−V(電流-電圧)測定を実施した。I−V測定は、ガルバノスタットを用いて電流値を目標値(400mA/cm)まで制御した後、その電流値を30分間維持した後の端子電圧を読み取った。読み取った電圧値(mV)を、比較例1の酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を用いて作製した電池の前記I−V測定結果(電圧値(mV))で除することにより得られた値(%)を表1に示す。
Figure 2010083682
図1は、本発明の製造方法で用いる反応装置の模式図を示した図である。 図2は、実施例1で得られたニッケル複合酸化物粒子の断面のEPMA写真を示した図である。
符号の説明
1・・・攪拌機
2・・・オーバーフローパイプ
3・・・反応槽
4、7、8、9、10・・・管
5・・・pHセンサー
6・・・原液調製槽

Claims (10)

  1. 一般式
    Ni1−x(1)
    (式中、AはBe,Mg,Ca,Sr,Ba,Mn,La,Pr,Sm,Gd,Sc,Y,Ti,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を示し、xは0.03〜0.13であり、yは0.98〜1.26である)
    で表されるニッケル複合酸化物の製造方法であって、
    1)ニッケル塩及び前記Aの塩を溶解させた水溶液中のニッケルイオン及びAイオンの濃度をそれぞれ一定に維持しつつ、下記i)及びii)の操作を行う工程、
    i)ニッケル塩及び前記Aの塩を連続的に供給することにより、前記水溶液中で一般式
    Ni1−x(OH)2y (2)
    (式中、A、yは前記と同じ)
    で表されるニッケル複合水酸化物を析出させる操作、
    ii)操作i)で析出させたニッケル複合水酸化物(2)を前記水溶液から連続的に取り出す操作
    並びに、
    2)工程1)で取り出したニッケル複合水酸化物(2)を加熱処理することにより、ニッケル複合酸化物(1)を得る工程
    を含むニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
  2. 前記Aが、Mg,Mn,La,Pr,Gd,Y,Sc,Zr及びCeからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素である請求項1に記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
  3. 前記ニッケル塩及び前記Aの塩が伴に、硫酸塩、硝酸塩、塩化物及びオキシ塩化物からなる群から選ばれる少なくとも一種の塩である請求項1又は2に記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
  4. 前記水溶液中のニッケルイオン及びAイオンのモル比(ニッケルイオン/Aイオン)が、6.69〜32.3である請求項1〜3のいずれかに記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
  5. さらに、前記水溶液に錯化剤を供給する請求項1〜4のいずれかに記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
  6. 前記水溶液のpH値が10〜13.5である請求項1〜5のいずれかに記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
  7. アルカリ金属水溶液を前記水溶液に供給することにより、前記水溶液のpH値を調整する請求項5に記載のニッケル複合酸化物(1)の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法によって得られるニッケル複合酸化物(1)。
  9. 請求項8に記載のニッケル複合酸化物(1)と安定化ジルコニアとを複合化してなる酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物。
  10. 請求項9に記載の酸化ニッケル−安定化ジルコニア複合酸化物を含有する固体酸化物型燃料電池用燃料極。
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