JP2010082789A - 工具ホルダ - Google Patents

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正博 田口
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英策 中井
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Abstract

【課題】コレットチャック本体と、コレットチャック本体先端部のテーパ穴に嵌合するテーパコレットと、コレットチャック本体先端部に螺合してテーパコレットをテーパ穴に押し付けることによりテーパコレットを縮径させる筒状のロックナットとを備えた工具ホルダにおいて、テーパコレットにチャッキングされる工具の先端に過大な横力が作用しても、工具の位置ずれを防止することができる工具ホルダを提供する。
【解決手段】テーパコレット21は、工具挿入孔23よりも外径側かつテーパ面22よりも先端側に形成された鍔部24を有する。ロックナット31は、コレットチャック本体11の先端部外周に形成された雄ねじ17に螺合するロックナット31の内周に設けられた雌ねじ32と、ロックナット31の先端側に設けられて鍔部24の外径縁を包囲する先端開口部33とを有する。先端開口部33の内径φD、および縮径しない自由状態の鍔部24の外径φdは、φd−0.03[mm]≦φD≦φdを満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、先端部内に形成されたテーパ穴を有するコレットチャック本体と、外周に形成されたテーパ面を有するテーパコレットと、コレットチャック本体の先端部外周に形成された雄ねじに螺合してテーパコレットをテーパ穴に押し付けることにより工具挿入孔を縮径させる筒状のロックナットとを備えた工具ホルダに関する。
コレットチャック本体と、外周に形成されたテーパ面を有するテーパコレットと、筒状のロックナットとを備えた工具ホルダとしては従来、例えば、特許第3899324号公報(特許文献1)に記載の工具ホルダが知られている。特許文献1に記載の工具ホルダは、ロックナットをコレットチャック本体に螺合することにより、テーパコレットがコレットチャック本体のテーパ穴に押し付けられて縮径する。これにより、テーパコレットの工具挿入孔に挿入された工具のチャック部をチャッキングするというものである。
特許第3899324号公報
しかし、上記従来のような工具ホルダにあっては、更なる改善の余地があることを本件発明者は見出した。この点につき、図12を参照しつつ説明すると、テーパコレットTのテーパ面Mがコレットチャック本体Bのテーパ穴Hから内径方向の押圧力を受けることにより、テーパコレットTは縮径してチャック部Cをチャッキングする。テーパコレットTの軸線方向部位のうちテーパ穴Hと嵌合して押圧力を受ける工具挿入側端を、以下、ゲージラインLという。
一方で、ゲージラインLよりも工具挿入側に位置するテーパコレットTの鍔部Gは、ロックナットNの先端開口部Kと隙間をもって対面するのみである。ここで、先端開口部Kの内径をφD、鍔部Gの外径をφdcとすると、鍔部Gの外周縁は、十分に大きな隙間(φD−φdc)/2を伴ってロックナットNと径方向に対向し、工具のチャッキングに何らの力も加わっていない。
このため従来の工具ホルダにおいて、工具の先端Pに対してワークから軸線方向に直角な横力が入力されると、ケージラインLよりもコレットチャック本体B側で横力を支持しなければならない。そうすると、工具に作用するモーメントが大きくなって、横力が殊更に大きい場合には工具の先端Pが軸線中心からずれてしまう虞がある。
本発明は、上述の実情に鑑み、横力に対してチャッキングされる工具の位置ずれを生じさせない工具ホルダを提供することを目的とする。
この目的のため本発明による工具ホルダは、先端部内に形成されたテーパ穴を有するコレットチャック本体と、内周に形成された工具挿入孔および外周に形成されたテーパ面を有しテーパ穴に嵌合するテーパコレットと、コレットチャック本体の先端部外周に形成された雄ねじに螺合してテーパコレットをテーパ穴に押し付けることにより工具挿入孔を縮径させる筒状のロックナットとを備える。そして、テーパコレットは、工具挿入孔よりも外径側かつテーパ面よりも先端側に形成された鍔部を有し、ロックナットは、コレットチャック本体の先端部外周に形成された雄ねじに螺合するロックナットの内周に設けられた雌ねじと、ロックナットの先端側に設けられて鍔部の外径縁を包囲する先端開口部とを有し、先端開口部の内径をφD、工具挿入孔が縮径しない自由状態の前記鍔部の外径をφdとして、φd−0.03[mm]≦φD≦φdを満たす。
かかる本発明によれば、先端開口部の内径をφD、縮径しない自由状態の鍔部の外径をφdとして、φd−0.03[mm]≦φD≦φdを満たすことから、縮径したチャッキング状態で鍔部と先端開口部との隙間が0ないし極僅かとなる。したがって、工具の先端に横力が作用する時に、ロックナットがゲージラインよりも工具挿入側にある鍔部を支持してテーパコレットの鍔部の動きを制約することが可能になる。この結果、工具の位置ずれを防止することができる。
ここで好ましくは、ロックナットは、先端開口部と雌ねじとの間に位置し先端開口部よりも内径方向に突出してテーパコレットにおけるテーパ面の工具挿入側端と鍔部との間に係合する突出部分を備え、突出部分における工具挿入側の端面は、内径側から外径側へ向かうにつれて先端開口部に近づくよう傾斜する。かかる実施形態によれば、突出部分における工具挿入側の端面は、内径側から外径側へ向かうにつれて先端開口部に近づくよう傾斜することから、テーパコレットの鍔部をロックナットに差し込んで両者を係合する作業、およびテーパコレットをロックナットから外す作業を容易に行うことが可能になり、作業効率が向上する。
本発明は一実施形態に限定されるものではないが、テーパコレットは、テーパ面の工具挿入側端に、軸線と直角な平坦面に形成されて突出部分からの押し付け力を受ける環状端面を有し、環状端面と突出部分との間に介在する金属製のリング盤をさらに備え、環状端面および突出部分と接触するリング盤の軸線方向両端面のうち少なくとも一方の軸線方向端面が低摩擦処理を施されていてもよい。かかる実施形態によれば、リング盤の軸線方向両端面のうち少なくとも一方の軸線方向端面が低摩擦処理を施されていることから、互いに接触する面同士の摩擦抵抗を大幅に低減することができる。その結果、ロックナットの締め付けによるテーパコレットへの押し込み力を均一にできるとともに、テーパコレットは傾くことなく、テーパ穴のテーパに倣ってテーパ穴内に確実に押し込むことができる。
好ましくは、ロックナットの先端開口部の先端側に螺合してテーパコレットの鍔部に対向しつつ先端開口部を封止する蓋部材をさらに備え、蓋部材は、工具のシャンク部が貫通する工具貫通孔と、蓋部材の鍔部側端面から工具挿入側端面まで延在し工具の先端方向に向けて切削液を噴出する切削液通路とを有する。かかる実施形態によれば、蓋部材の鍔部側端面から工具挿入側端面まで延在し工具の先端方向に向けて切削液を噴出する切削液通路とを有することから、切削液用貫通穴付工具を用いることなく、工具の先端に切削液を供給することが可能になり、工具および工具ホルダの温度上昇を回避し、ワークを加工する切削工具100の先端を効率よく冷却することができる。また、従来のようにスチールカバーを工具ホルダの先端に装着するという工数をかけることなく、工具ホルダの防塵機能を発揮させることができる。また、シャンク径が異なる工具に取り替える場合であっても、工具貫通孔の内径が異なる蓋部材を用いればよいことから、汎用性が高く経済的である。
あるいは、ロックナットの先端開口部の先端側に螺合してテーパコレットの鍔部に対向しつつ先端開口部を封止する蓋部材をさらに備え、蓋部材は、工具のシャンク部が貫通する工具貫通孔と、工具貫通孔の内周に装備されて工具貫通孔の内周および工具のシャンク部の外周間の隙間を閉じるシール部材とを有する。かかる実施形態によれば、蓋部材の工具貫通孔の内周に装備されて工具貫通孔の内周および工具のシャンク部の外周間の隙間を閉じるシール部材を有することから、切削液が工具貫通孔の内周および工具のシャンク部の外周間の隙間から先端へ向かって流出することがなく、シャンク部を液密に封止することが可能になる。したがって、切削液が流れる切削液用貫通穴を内部に備える切削液用貫通穴付工具をチャッキングして当該工具のシャンク部に切削液を供給するときに切削液の漏出を防止することができる。
このように本発明は、先端開口部の内径をφD、工具挿入孔が縮径しない自由状態の鍔部の外径をφdとして、φd−0.03[mm]≦φD≦φdを満たすことから、工具の先端に横力が作用する時に、ロックナットがゲージラインよりも工具挿入側にある鍔部を支持してテーパコレットの鍔部の動きを制約することが可能になる。したがって、工具の位置ずれを防止することができる。この結果、大きな横力が作用する切削加工や、テーパコレットの鍔部から工具の先端までの距離が大きい特殊な工具を用いる切削加工に有利である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、実施例1になる工具ホルダを示す全体図であり、図1の右側が断面図、図1の左側が側面図である。図2は、図1の工具ホルダを各部材に分解して示す図である。図3は、工具ホルダの一部材であるテーパコレットの側面図である。図4は、同実施例のテーパコレットをその先端からみて示す正面図である。
工具ホルダ10は、コレットチャック本体11と、テーパコレット21と、ロックナット31とを備える。これら11,21,31を組み立てた状態の工具ホルダ10は、切削工具100のシャンク部101を把持する。
コレットチャック本体11は、その中心に貫通孔12を有する。貫通孔12はコレットチャック本体11の先端から後端まで、一点鎖線で示す軸線に沿って延在する。コレットチャック本体11の外周には、軸線方向中程で外径方向へ突出した把持用フランジ部13が形成される。また、把持用フランジ部13から後端へ向かうにつれて小径となるテーパシャンク部14が形成される。工具ホルダ10は、把持用フランジ部13およびテーパシャンク部14で図示しない工作機械の主軸に装着される。
テーパシャンク部14とは反対側になるコレットチャック本体11の先端は、シャンク部101を把持する工具取付部15である。工具取付部15は環状段差16を伴う筒状である。工具取付部15の先端部外周には、コレットチャック本体11の中程よりも小径であり、雄ねじ17が形成される。工具取付部15の内周、すなわち貫通孔12の先端部は、先端に向かうにつれて大径となるテーパ穴18に形成される。
テーパ穴18には、筒状のテーパコレット21が嵌合する。すなわちテーパコレット21の外周は、先端側から後端側へ向かうにつれて小径となるテーパ面22になっている。また、テーパコレット21の内周は、工具挿入孔23になっている。工具挿入孔23はテーパコレット21の後端から先端まで軸線方向に貫通する。工具挿入孔23には先端側から切削工具のシャンク部101が挿入される。このため、以下、軸線方向先端側を工具挿入側ともいう。
テーパコレット21は、軸線と平行に延在するスリット状のスリ割り26を有する。スリ割り26は、テーパコレット21の工具挿入側端から中程まで延在するものと、テーパコレット21の後端から中程まで延在するものがある。いずれのスリ割り26も、周方向等間隔に配置される。スリ割りを押し縮めることによって、テーパコレット21はその径が変化可能である。
テーパ面22の先端には、軸線と直角な平坦面である基準端面27が形成される。テーパコレット21の外周は、基準端面27よりも先端側でテーパ面22の先端よりも小径になる。テーパコレット21の外周のうち、基準端面27よりも先端側には、鍔部24が形成される。べつな言い方をすると、鍔部24はテーパコレット21の先端に形成される。鍔部24は、工具挿入孔23よりも外径側に位置し、鍔部24およびテーパ面22間よりも外径側に突出する。テーパ面22に外方から何ら力が作用しておらずテーパコレット21が何ら縮径していない自由状態で、鍔部24の外径はφdである。鍔部24は、軸線方向の厚みを有し、円筒形状の外周側面を形成する。なお図3に示すように鍔部24の外周側面の先端側と先端側端面との境界には面取をリング状に設ける。また、鍔部24の外周側面の後端側と後端側端面との境界にも面取をリング状に設ける。
したがって上述したテーパコレット21の外周のうち鍔部24とテーパ面22との間には、環状のくびれ部25が形成される。くびれ部25はテーパ面22の先端および鍔部24よりも小径である。テーパコレット21は、くびれ部25でロックナット31の工具挿入側端と相対回転可能に係合する。
ロックナット31は筒状であり、その内周には、中程から後端に向かって雌ねじ32が形成される。またロックナット31の先端になる工具挿入側の端部は内径側に突出し、鍔部24の外径縁を包囲する先端開口部33と、先端開口部33よりも後端側かつ雌ねじ32よりも先端側に位置し先端開口部33よりも内径方向に突出した突出部分34が形成される。先端開口部33の内径はφDである。先端開口部33は、好ましくは鍔部24の厚みよりも大きく形成されて、鍔部24全体を収容する。
突出部分34の後端側端面35は、軸線と直角なリング状の平坦面であって、工具ホルダ10を組み立てた状態で基準端面27と対向する。後端側端面35は、以下に述べるチャッキング中に基準端面27を押圧し、テーパコレット21をテーパ穴18に押し付ける。
次に、チャッキングの手順について説明する。
まず、ロックナット31の後端側開口にテーパコレット21の鍔部24を差し込み、鍔部24を縮径した状態でロックナット31の突出部分34に挿通する。その後、鍔部24が元の外径に復元することによりくびれ部25が突出部分34に係合し、テーパコレット21をロックナット31に相対回転可能に取り付ける。この状態で、先端開口部33の内径φDは鍔部24の外径φdと等しく、鍔部24の外周縁が先端開口部33の内壁と接触する。つまり鍔部24の外周縁と先端開口部33の内壁との隙間は0である。あるいは、組み立て前の状態で負隙間である。この他、鍔部24の外周縁は僅かな隙間(0〜0.01[mm])を介して先端開口部33の内壁と対面してもよい。
次に、テーパコレット21のテーパ面22をコレットチャック本体11のテーパ穴18内に挿入する。そして、ロックナット31の雌ねじ32をコレットチャック本体11の雄ねじ17に螺合してロックナット31をコレットチャック本体11に仮締めする。次いで、切削工具100のシャンク部101をテーパコレット21の工具挿入孔23に挿入する。ここでシャンク部101はロックナット31の先端側から挿入される。この仮締め状態ではテーパコレット21が全くまたは殆ど縮径していないので、シャンク部101を工具挿入孔23に容易に挿通することができる。
なお、シャンク部101の呼び外径と、縮径しない自由状態における工具挿入孔23の呼び内径とは一致すること勿論であるが、シャンク部101の実際の外径は呼び外径よりも小さく、すなわち公差が0〜マイナス0.02[mm]である。
次に、雌ねじ32および雄ねじ17をさらに相対回転(螺合)させてロックナット31をコレットチャック本体11に本締めする。これにより、テーパ面22がコレットチャック本体11のテーパ穴18内に押し込まれて、テーパコレット21が縮径し、切削工具100のシャンク部101をチャッキングする。このチャッキング状態で、鍔部24の外径は自由状態よりも僅かに(0〜0.03[mm])小さくなり、先端開口部33の内径φDよりも僅かに小さい(隙間0〜0.03[mm])。あるいは、鍔部24の外径は先端開口部33の内径φDと等しくなる(隙間0)。
このような実施例1の工具ホルダ10によれば、テーパーコレットが縮径しない自由状態における鍔部の外径φd、および先端開口部33の内径φDが、φd−0.03[mm]≦φD≦φdを満たすことから、切削工具100でワーク作業中、切削工具100の先端に横力が作用しても、ロックナット31の先端開口部33がテーパ穴18よりも先端側にある鍔部24の径方向の変位を規制することが可能になる。したがって、鍔部24を介して切削工具100の位置ずれを防止することができる。
次に本発明の実施例2を説明する。図5は実施例2のロックナット41を示す縦断面図であり、図6は、組み立ての様子を示す図である。この変形例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。実施例2のロックナット41も、上述したようにテーパコレット21と係合してコレットチャック本体11と螺合する。ロックナット41は、先端開口部33よりも雌ねじ32側に位置し先端開口部33よりも内径方向に突出してテーパコレット21におけるテーパ面22の工具挿入側端と鍔部24との間に係合する突出部分42を備える。突出部分42は周方向に延在する突条であって、テーパコレット21をロックナット41に取り付けたときにテーパコレット21のくびれ部25に位置する。そして、突出部分42における工具挿入側の端面は、先端に向かうにつれて大径となるテーパ穴43になっている。かかるテーパ穴43の先端側は筒状の先端開口部33の後端側と接続する。
このような実施例2のロックナット41によれば、図6に矢印で示すように、ロックナット41の後端側にテーパコレット21の鍔部24を軸線に対し斜め方向に差し込み、テーパコレット21をロックナット41に取り付ける際、取り付けが容易になる。また、ロックナット41からテーパコレット21を取り外す際も、鍔部24がテーパ穴43によって縮径されることから、テーパコレット21の取り外しが容易になる。
なお突出部分42の先端側の端面は、内径側から外径側へ向かうにつれて先端開口部33に近づくよう傾斜する形状であればよく、テーパ穴43は一実施形態にすぎない。テーパ穴以外の他の形態であってもよい。
次に本発明の実施例3を説明する。図7は実施例3のロックナット51を示す縦断面図である。この変形例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。実施例3のロックナット51も、上述したようにテーパコレット21と係合してコレットチャック本体11と螺合する。ロックナット51は、金属製のベアリングワッシャ52を備える。
ベアリングワッシャ52は基準端面27と後端側端面35との間に介在されて、螺合における両接触面の摩擦抵抗を低減するためのものであり、ロックナット51の内周径に対応した外径を有するリング盤状を呈し、このベアリングワッシャ52の両面52s,52k、すなわち基準端面27および後端側端面35と接触する各面には、基準端面27および後端側端面35との摩擦抵抗を低減するためのイオン窒化処理、DLC(Diamond Like Carbon)コーティング処理、TiNコーティング処理及び鏡面状ラッピング処理のいずれかの低摩擦処理層が施されている。また、このようなベアリングワッシャ52は、保持手段53によりロックナット51内に着脱可能に保持されている。
雌ねじ32と後端側端面35との間に設けられた保持手段53は、ベアリングワッシャ52を後端側端面35に接触した状態に保持するようにロックナット51の内周面に形成されたリング状の保持溝54を有する。この保持溝54は、後端側端面35と、ロックナット51の内周面に後端側端面35からベアリングワッシャ52の厚さに対応する所定の間隔離してリング状に形成された突条部55とにより区画される。この突条部55の後端側端面は、内径側から外径側へ向かうにつれて雌ねじ32に近づくよう傾斜する面56であり、具体的にはテーパ穴である。
突条部55に傾斜面56を設ける理由は、ベアリングワッシャ52の外周縁部をロックナット51の保持溝54に係合する時の保持溝54への挿入を容易にするためである。
実施例3のロックナット51を用いた工具ホルダによれば、テーパコレット21の基準端面27とロックナット51の後端側端面35との間にはベアリングワッシャ52が介在され、しかも、基準端面27および後端側端面35と接触するベアリングワッシャ52の両面52k,52sが低摩擦処理を施されていることから、この互いの接触面間の摩擦抵抗を大幅に低減できる。これにより、ロックナット51の締め付けによるテーパコレット21への押し込み力は均一になるとともに、テーパコレット21にロックナット51の回転に伴うねじり力は伝達されない。その結果、テーパコレット21のテーパ面22は、傾くことなくテーパ穴18のテーパに倣ってテーパ穴18内に確実に押し込むことができるとともに、ロックナット51の締付時におけるテーパコレット21のねじれがなくなる。
したがって、コレットチャック本体11の軸線に対しテーパコレット21が傾くことなくチャッキングすることができ、テーパコレット21に把持された切削工具100の振れ回転をなくし得るほか、小型コレットを用いた工具ホルダに好適となり、工作物の切削加工精度を損なう問題を解消できる。したがって、テーパコレット21の振れ精度を向上できる。
次に本発明の実施例4を説明する。図8は実施例4のロックナット61を分解して示す縦断面図であり、図9は、蓋部材を先端側からみた状態を示す正面図である。この変形例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。実施例4のロックナット61も、上述したようにテーパコレット21と係合してコレットチャック本体11と螺合する。実施例4の工具ホルダは、ロックナット61の先端開口部33の先端側に取り付けられて鍔部24を覆う蓋部材62をさらに備える。
ロックナット61は、先端開口部33からさらに先端側に延び、先端開口部33よりも先端側の内周面に設けられた雌ねじ63と、雌ねじ63よりも先端側に形成されて雌ねじ63よりも大径の凹部64を有する。円形の凹部64は、ロックナット61の先端端面65よりも所定深さの環状段差66を伴って窪んでいる。
蓋部材62は、後端面から先端面まで貫通する工具貫通孔67を有する筒状体であって、先端には外径方向に突出したフランジ部68を有し、後端部の外周には雄ねじ69を有する。工具貫通孔67には先端側から工具100のシャンク部101が挿入される。フランジ部68は凹部64よりも若干小さい外径である。工具貫通孔67はシャンク部101よりも若干大きい内径である。また工具貫通孔67の内壁面には、切削液を噴出するための溝70が設けられている。溝70は、蓋部材62の後端から先端まで軸線方向に延在し、周方向等間隔に設けられている。またフランジ部68の先端面には、この蓋部材62を回転操作する治具を差し込むための治具係合穴71が設けられている。
次に、チャッキングの手順について説明する。
まず、ロックナット61の後端側開口にテーパコレット21の鍔部24を差し込み、鍔部24を縮径した状態でロックナット61の突出部分34に挿通する。その後、鍔部24が元の外径に復元することによりくびれ部25が突出部分34に係合し、テーパコレット21をロックナット61に相対回転可能に取り付ける。この状態で、先端開口部33の内径φDは鍔部24の外径φdと等しく、鍔部24の外周縁が先端開口部33の内壁と接触する。つまり鍔部24の外周縁と先端開口部33の内壁との隙間は0である。あるいは、組み立て前の状態で負隙間である。この他、鍔部24の外周縁は僅かな隙間(0〜0.01[mm])を介して先端開口部33の内壁と対面してもよい。
次に、蓋部材62の雄ねじ69をロックナット61の雌ねじ63に螺合して締め付け、蓋部材62をロックナット61に取り付けることにより、蓋部材62のフランジ部68がロックナット61の凹部64を液密に封止する。また、蓋部材62の後端は鍔部24と隙間を介して対向する。
次に、テーパコレット21のテーパ面22をコレットチャック本体11のテーパ穴18内に挿入する。そして、ロックナット61の雌ねじ32をコレットチャック本体11の雄ねじ17に螺合してロックナット61をコレットチャック本体11に仮締めする。次いで、切削工具100のシャンク部101を蓋部材62の工具貫通孔67に貫通させるとともにテーパコレット21の工具挿入孔23に挿入する。この状態ではテーパコレット21が全くまたは殆ど縮径していないので、シャンク部101を工具挿入孔23に容易に挿通することができる。また、溝70はシャンク部101の外周面に覆われて、後述する切削液通路を形成し、スリ割り26と連通する。
なお、シャンク部101の呼び外径と、縮径しない自由状態における工具挿入孔23の呼び内径とは一致すること勿論であるが、シャンク部101の実際の外径は呼び外径よりも小さく、すなわち公差が0〜マイナス0.02[mm]である。
次に、雌ねじ32および雄ねじ17をさらに相対回転(螺合)させてロックナット61をコレットチャック本体11に本締めする。これにより、テーパ面22がコレットチャック本体11のテーパ穴18内に押し込まれてテーパコレット21が縮径し、切削工具100のシャンク部101をチャッキングする。このチャッキング状態で、鍔部24の外径は自由状態よりも僅かに(0〜0.03[mm])小さくなり、先端開口部33の内径φDよりも僅かに小さい(隙間0〜0.03[mm])、あるいは、鍔部24の外径は先端開口部33の内径φDと等しくなる(隙間0)。
このような工具ホルダが工作機械の主軸に装着された状態において、主軸の内部を通じて工具ホルダに供給される切削液は、コレットチャック本体11の貫通孔12と、テーパコレット21のスリ割り26と、溝70とを順次通過して、蓋部材62の先端から切削工具100の先端方向に向けて噴出する。
実施例4のロックナット61を用いた工具ホルダによれば、先端開口部33の先端側に螺合して鍔部24に対向しつつ先端開口部33を封止する蓋部材62をさらに備え、蓋部材62は、シャンク部101が貫通する工具貫通孔67と、蓋部材62の鍔部側端面から工具挿入側端面まで延在し切削工具100の先端方向に向けて切削液を噴出する溝70とを有することから、切削工具100が切削液用貫通穴を具備しない一般的な工具の場合、ワークを加工する切削工具100の先端を効率よく冷却することができる。また、従来のようにスチールカバーを工具ホルダの先端に装着するという工数をかけることなく、工具ホルダの防塵機能を発揮させることができる。また、切削工具100をシャンク部101の外径が異なる工具に取り替える場合であっても、工具貫通孔67の内径が異なる蓋部材62を用いればよいことから、汎用性が高く経済的である。
なお溝70に代えて、図示はしなかったが、蓋部材62は、蓋部材62の鍔部24側の端面から工具挿入側の端面まで延在する貫通孔など、切削工具100の先端方向に向けて切削液を噴出する切削液通路を有してもよい。
次に本発明の実施例5を説明する。図10は実施例5のロックナットを分解して示す縦断面図であり、図11は、実施例5の蓋部材を先端側からみた状態を示す正面図である。この変形例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。実施例5のロックナット61は、上述した実施例4のロックナット61と同一であるが、蓋部材62は溝70に代えてシール部材72を有する。
シール部材72は、工具貫通孔67の内周に装備されたOリングであり、シャンク部101の外周と密に接触し、工具貫通孔67の内周およびシャンク部101の外周間の隙間を閉じる。
実施例5のロックナットを用いた工具ホルダによれば、蓋部材62の工具貫通孔67の内周および切削工具100のシャンク部101の外周間の隙間を閉じるシール部材72を有することから、切削液が工具貫通孔67の内周および切削工具100のシャンク部101の外周間の隙間から先端へ向かって流出することがなく、シャンク部101を液密に封止することが可能になる。したがって実施例5の工具ホルダは、切削工具100が切削液用貫通穴を内部に具備する切削液用貫通穴付工具の場合、有利に適用される。切削液用貫通穴は、工具の内部に設けられてシャンク部から工具先端まで延び工具先端に切削液を供給するところ、実施例5の蓋部材62によれば、シャンク部101が切削液が液密に封止され、切削液が隙間から漏出することなくシャンク部101に切削液を供給することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
実施例1の工具ホルダを示す全体図である。 同実施例の工具ホルダを各部材に分解して示す図である。 同実施例のテーパコレットの側面図である。 同実施例のテーパコレットをその先端からみて示す正面図である。 実施例2のロックナットを示す縦断面図である。 同実施例における組み立ての様子を示す図である。 実施例3のロックナットを示す縦断面図である。 実施例4のロックナットを分解して示す縦断面図である。 同実施例の蓋部材を先端側からみた状態を示す正面図である。 実施例5のロックナットを分解して示す縦断面図である。 同実施例の蓋部材を先端側からみた状態を示す正面図である。 従来の工具ホルダ先端を示す縦断面図である。
符号の説明
10 工具ホルダ、11 コレットチャック本体、12 貫通孔、15 工具取付部、17 雄ねじ、18 テーパ穴、21 テーパコレット、22 テーパ面、23 工具挿入孔、24 鍔部、25 くびれ部、26 スリ割り、27 基準端面、31 ロックナット、32 雌ねじ、33 先端開口部、34 突出部分、35 後端側端面、41 ロックナット、43 テーパ穴、51 ロックナット、52 ベアリングワッシャ、53 保持手段、54 保持溝、55 突条部、56 傾斜面、61 ロックナット、62 蓋部材、63 雌ねじ、64 凹部、67 工具貫通孔、68 フランジ部、69 雄ねじ、70 溝、72 シール部材、100 切削工具、101 シャンク部。

Claims (5)

  1. 先端部内に形成されたテーパ穴を有するコレットチャック本体と、内周に形成された工具挿入孔および外周に形成されたテーパ面を有し前記テーパ穴に嵌合するテーパコレットと、前記コレットチャック本体の先端部外周に形成された雄ねじに螺合して前記テーパコレットを前記テーパ穴に押し付けることにより前記工具挿入孔を縮径させる筒状のロックナットとを備え、
    前記テーパコレットは、前記工具挿入孔よりも外径側かつ前記テーパ面よりも先端側に形成された鍔部を有し、
    前記ロックナットは、前記コレットチャック本体の先端部外周に形成された雄ねじに螺合するロックナットの内周に設けられた雌ねじと、ロックナットの先端側に設けられて前記鍔部の外径縁を包囲する先端開口部とを有し、
    前記先端開口部の内径をφD、前記工具挿入孔が縮径しない自由状態の前記鍔部の外径をφdとして、
    φd−0.03[mm]≦φD≦φdを満たす、工具ホルダ。
  2. 前記ロックナットは、前記先端開口部と前記雌ねじとの間に位置し先端開口部よりも内径方向に突出して前記テーパコレットにおける前記テーパ面の工具挿入側端と前記鍔部との間に係合する突出部分を備え、
    前記突出部分における工具挿入側の端面は、内径側から外径側へ向かうにつれて前記先端開口部に近づくよう傾斜する、請求項1に記載の工具ホルダ。
  3. 前記テーパコレットは、前記テーパ面の工具挿入側端に、軸線と直角な平坦面に形成されて前記突出部分からの押し付け力を受ける環状端面を有し、
    前記環状端面と前記突出部分との間に介在する金属製のリング盤をさらに備え、
    前記環状端面および前記突出部分と接触する前記リング盤の軸線方向両端面のうち少なくとも一方の軸線方向端面が低摩擦処理を施されている、請求項1または2に記載の工具ホルダ。
  4. 前記ロックナットの先端開口部の先端側に螺合して前記テーパコレットの鍔部に対向しつつ先端開口部を封止する蓋部材をさらに備え、
    前記蓋部材は、工具のシャンク部が貫通する工具貫通孔と、蓋部材の鍔部側端面から工具挿入側端面まで延在し工具の先端方向に向けて切削液を噴出する切削液通路とを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の工具ホルダ。
  5. 前記ロックナットの先端開口部の先端側に螺合して前記テーパコレットの鍔部に対向しつつ先端開口部を封止する蓋部材をさらに備え、
    前記蓋部材は、工具のシャンク部が貫通する工具貫通孔と、該工具貫通孔の内周に装備されて工具貫通孔の内周および工具のシャンク部の外周間の隙間を閉じるシール部材とを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の工具ホルダ。
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