JP2003191148A - 工具ホルダ - Google Patents
工具ホルダInfo
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- JP2003191148A JP2003191148A JP2001391854A JP2001391854A JP2003191148A JP 2003191148 A JP2003191148 A JP 2003191148A JP 2001391854 A JP2001391854 A JP 2001391854A JP 2001391854 A JP2001391854 A JP 2001391854A JP 2003191148 A JP2003191148 A JP 2003191148A
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- tool
- cutting
- cutting tool
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ホルダ本体からの切削液の漏れを容易にかつ
確実にし、併せて、シャンク部の径より刃部の径が大き
い切削工具及び該工具による切削箇所への切削液の供給
を確実にし、かつ切削液噴出方向を変更でき、切削工具
の突出方向のプリセットを容易にした。 【解決手段】 切削工具Tのシャンク部Tsと刃部Tc
との境界箇所に設けた段部Tdとチャック筒33の先端
面33bとの間に封止兼用のスペース部材50を介在す
ることにより、チャック筒先端面33bから切削工具T
の突出長さを一定に規制するとともにチャック筒33の
先端面33b及び切削工具Tのシャンク部Ts外周から
切削液の漏れを防止するように構成し、スペース部材5
0の前端面の外周寄り箇所に複数の流体噴出ノズル60
を揺動可能に設け、この各流体噴出ノズル60はスペー
ス部材50に形成された流体通路53を介してホルダ本
体30に設けた流体供給路用溝56に連通されるように
構成にした。
確実にし、併せて、シャンク部の径より刃部の径が大き
い切削工具及び該工具による切削箇所への切削液の供給
を確実にし、かつ切削液噴出方向を変更でき、切削工具
の突出方向のプリセットを容易にした。 【解決手段】 切削工具Tのシャンク部Tsと刃部Tc
との境界箇所に設けた段部Tdとチャック筒33の先端
面33bとの間に封止兼用のスペース部材50を介在す
ることにより、チャック筒先端面33bから切削工具T
の突出長さを一定に規制するとともにチャック筒33の
先端面33b及び切削工具Tのシャンク部Ts外周から
切削液の漏れを防止するように構成し、スペース部材5
0の前端面の外周寄り箇所に複数の流体噴出ノズル60
を揺動可能に設け、この各流体噴出ノズル60はスペー
ス部材50に形成された流体通路53を介してホルダ本
体30に設けた流体供給路用溝56に連通されるように
構成にした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リーマ,エンド
ミル等の切削工具によって被加工物を切削加工する場合
に、工作機械側から供給される適量のクーラント,切削
油等の切削液を切削工具及び切削箇所に確実に供給でき
るようにした工具ホルダに関するものである。
ミル等の切削工具によって被加工物を切削加工する場合
に、工作機械側から供給される適量のクーラント,切削
油等の切削液を切削工具及び切削箇所に確実に供給でき
るようにした工具ホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、刃物によって金属などの被加工材
料を切削加工する場合に、多量のクーラント,切削油等
の切削液を工具及び切削箇所に供給することで切削加工
性を向上させるようにしている。ところで、前記切削工
具は、工作機械の主軸に装着される工具ホルダにコレッ
トを介してチャッキングされ、工作機械側から供給され
る切削液を工具ホルダの供給穴及びコレットのスリ割り
部,或いは切削工具の軸方向に貫通する中心部に形成し
た給油穴を介して供給されるようになっている。前記切
削液を供給する流体通路を備えた工具ホルダは、数多く
開発され使用に供されているが、例えば、従来、この種
の工具ホルダとしては、図1,図2に示すものがある。
料を切削加工する場合に、多量のクーラント,切削油等
の切削液を工具及び切削箇所に供給することで切削加工
性を向上させるようにしている。ところで、前記切削工
具は、工作機械の主軸に装着される工具ホルダにコレッ
トを介してチャッキングされ、工作機械側から供給され
る切削液を工具ホルダの供給穴及びコレットのスリ割り
部,或いは切削工具の軸方向に貫通する中心部に形成し
た給油穴を介して供給されるようになっている。前記切
削液を供給する流体通路を備えた工具ホルダは、数多く
開発され使用に供されているが、例えば、従来、この種
の工具ホルダとしては、図1,図2に示すものがある。
【0003】この図1,図2に示す工具ホルダは、本願
出願人が先に特許第3035167号で提案したもので
あり、図中、1は一端部に工作機械の主軸に装着される
差込用のシャンク部2が設けられ、他端部にはチャック
筒3に嵌合される工具掴持用のコレット4等の工具保持
手段5が設けられた工具ホルダである。前記工具保持手
段5は、切削工具Tのシャンク部Tsを円筒形状のコレ
ット4を介して掴持できように構成されている。前記コ
レット4は、中心部に切削工具Tのシャンク部Tsを差
し込むための挿入穴6を有する円筒形状に形成され、先
端部には鍔部7を有し、先端寄りの外周部には前記挿入
穴6に至る軸方向のスリ割り部8が複数本形成されてい
る。前記コレット4の後端部側の内方には空胴部9が形
成されると共に、後端部開口10には、中央孔11を有
する尾部栓体12がねじ嵌合されており、尾部栓体12
の外周面には工具ホルダ1の内壁面に当接するOリング
13が設けられ、コレット4の外周面を通して切削液が
漏れないようになっている。
出願人が先に特許第3035167号で提案したもので
あり、図中、1は一端部に工作機械の主軸に装着される
差込用のシャンク部2が設けられ、他端部にはチャック
筒3に嵌合される工具掴持用のコレット4等の工具保持
手段5が設けられた工具ホルダである。前記工具保持手
段5は、切削工具Tのシャンク部Tsを円筒形状のコレ
ット4を介して掴持できように構成されている。前記コ
レット4は、中心部に切削工具Tのシャンク部Tsを差
し込むための挿入穴6を有する円筒形状に形成され、先
端部には鍔部7を有し、先端寄りの外周部には前記挿入
穴6に至る軸方向のスリ割り部8が複数本形成されてい
る。前記コレット4の後端部側の内方には空胴部9が形
成されると共に、後端部開口10には、中央孔11を有
する尾部栓体12がねじ嵌合されており、尾部栓体12
の外周面には工具ホルダ1の内壁面に当接するOリング
13が設けられ、コレット4の外周面を通して切削液が
漏れないようになっている。
【0004】前記工具保持手段5は、コレット4を嵌め
込む外嵌チャック筒部3と、この外嵌チャック筒部3の
回りにリテーナ15に装着したベアリング16等を介し
て回転自在に配設された締付具17とから構成されてお
り、この締付具17を正転又は逆転操作することで、外
嵌チャック筒部3を介して切削工具Tを掴持したコレッ
ト4に縮径又は拡径動作を行わせるようになっている。
込む外嵌チャック筒部3と、この外嵌チャック筒部3の
回りにリテーナ15に装着したベアリング16等を介し
て回転自在に配設された締付具17とから構成されてお
り、この締付具17を正転又は逆転操作することで、外
嵌チャック筒部3を介して切削工具Tを掴持したコレッ
ト4に縮径又は拡径動作を行わせるようになっている。
【0005】また、前記コレット4には、その空胴部9
から鍔部7の端面に向けて貫通する複数の流体通路18
が形成されている。この各流体通路18は、前記空胴部
9及び尾部栓体12の中央孔11を含んでコレット4の
軸方向に貫通する構成となっており、前記工具ホルダ1
の中央穴である流体供給路19と連通可能になってい
る。
から鍔部7の端面に向けて貫通する複数の流体通路18
が形成されている。この各流体通路18は、前記空胴部
9及び尾部栓体12の中央孔11を含んでコレット4の
軸方向に貫通する構成となっており、前記工具ホルダ1
の中央穴である流体供給路19と連通可能になってい
る。
【0006】さらに、前記スリ割り部8には、前記外嵌
チャック筒部3の内壁面3aと、切削工具Tにおけるシ
ャンク部Tsの外周面とにそれぞれ当接すべく、スリ割
り部8内を横断するゴム,軟質樹脂などの弾性体で形成
された棒状の油止め具20が設けられ、切削液が前記空
洞部9からスリ割り部8を通って切削工具T差し込み側
の端部に流出するのを防止するようにしている。
チャック筒部3の内壁面3aと、切削工具Tにおけるシ
ャンク部Tsの外周面とにそれぞれ当接すべく、スリ割
り部8内を横断するゴム,軟質樹脂などの弾性体で形成
された棒状の油止め具20が設けられ、切削液が前記空
洞部9からスリ割り部8を通って切削工具T差し込み側
の端部に流出するのを防止するようにしている。
【0007】前記油止め具20は、流体供給路19から
供給される切削液がスリ割り部8内を通ってコレット4
の先端部に流出するのを阻止し、切削液が確実に流体通
路18から噴出するように規制するものである。また、
21は前記コレット4の先端部軸方向に形成された流体
通路18の先端開口部に取り付けられ、切削液の噴出角
度を変更可能とする球状の噴出口具であり、この噴出口
具21には、直径方向に貫通した噴出孔22が形成され
ている。そのため、切削液の噴出角度を、使用する切削
工具Tごとに、挿入穴6からの切削工具Tの突出長さ、
直径,先端刃部の形状,回転速度等に応じて適切に調節
することができるようになっている。
供給される切削液がスリ割り部8内を通ってコレット4
の先端部に流出するのを阻止し、切削液が確実に流体通
路18から噴出するように規制するものである。また、
21は前記コレット4の先端部軸方向に形成された流体
通路18の先端開口部に取り付けられ、切削液の噴出角
度を変更可能とする球状の噴出口具であり、この噴出口
具21には、直径方向に貫通した噴出孔22が形成され
ている。そのため、切削液の噴出角度を、使用する切削
工具Tごとに、挿入穴6からの切削工具Tの突出長さ、
直径,先端刃部の形状,回転速度等に応じて適切に調節
することができるようになっている。
【0008】
【発明が解決しよとする課題】以上のように構成された
従来の工具ホルダにおいては、工作機械側から供給され
る切削液の経路であるコレット4の流体通路18の製作
が極めて複雑となり、コレットの製作コストが高くなる
という問題がある。また、前記切削液が前記空洞部9か
らスリ割り部8を通って切削工具T差し込み側の鍔部7
を含めた端部に流出するのを防止するために装着した弾
性体からなる油止め具20は、永年の使用による経年変
化で劣化するため、切削液の流出を確実に防止すること
ができず、使用する切削工具Tごとに、挿入穴6からの
切削工具Tの突出長さや直径,先端刃部の形状,回転速
度等に応じて適切に調節して切削液を確実に供給するこ
とができないという問題がある。
従来の工具ホルダにおいては、工作機械側から供給され
る切削液の経路であるコレット4の流体通路18の製作
が極めて複雑となり、コレットの製作コストが高くなる
という問題がある。また、前記切削液が前記空洞部9か
らスリ割り部8を通って切削工具T差し込み側の鍔部7
を含めた端部に流出するのを防止するために装着した弾
性体からなる油止め具20は、永年の使用による経年変
化で劣化するため、切削液の流出を確実に防止すること
ができず、使用する切削工具Tごとに、挿入穴6からの
切削工具Tの突出長さや直径,先端刃部の形状,回転速
度等に応じて適切に調節して切削液を確実に供給するこ
とができないという問題がある。
【0009】この発明の目的は、ホルダ本体側に格別の
加工を施すことなくホルダ本体からの切削液の漏れを容
易にかつ確実に防止でき、併せて、シャンク部の径より
刃部の径が大きい切削工具及び該工具による切削箇所へ
の切削液の供給を確実にし、さらに切削箇所への切削液
噴出方向を自在に変更できるとともに、切削工具の突出
方向のプリセットを容易にした工具ホルダを提供するこ
とにある。
加工を施すことなくホルダ本体からの切削液の漏れを容
易にかつ確実に防止でき、併せて、シャンク部の径より
刃部の径が大きい切削工具及び該工具による切削箇所へ
の切削液の供給を確実にし、さらに切削箇所への切削液
噴出方向を自在に変更できるとともに、切削工具の突出
方向のプリセットを容易にした工具ホルダを提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、工作機械のスピンドルに挿着され
るシャンク部及び該シャンク部の一端に軸線を一致して
延設され、外周面に先端側に行くに従い径が小さくなる
テーパ面が形成されたチャック筒を有するホルダ本体
と、前記チャック筒を外周面側から締め付ける締付筒と
を備え、前記チャック筒を前記締付筒により縮径または
復元させて該チャック筒内に嵌挿された切削工具のシャ
ンク部を脱着可能に掴持する工具ホルダにおいて、前記
切削工具は、そのシャンク部と刃部との境界箇所にシャ
ンク部の径より大きい段部を有し、前記チャック筒の先
端面と前記段部との間に介在されることで前記切削工具
の前記チャック筒先端面からの突出長さを一定に規制す
るとともに前記チャック筒の先端面及び前記切削工具の
シャンク部外周に密着してこれら箇所からの切削液の漏
れを防止する封止兼用のスペース部材を備え、前記スペ
ース部材の前端面の外周寄り箇所には複数の流体噴出ノ
ズルが揺動可能に設けられ、前記各流体噴出ノズルは前
記スペース部材に形成された流路を介して前記ホルダ本
体に設けた流体供給路に連通されていることを特徴とす
る。
に請求項1の発明は、工作機械のスピンドルに挿着され
るシャンク部及び該シャンク部の一端に軸線を一致して
延設され、外周面に先端側に行くに従い径が小さくなる
テーパ面が形成されたチャック筒を有するホルダ本体
と、前記チャック筒を外周面側から締め付ける締付筒と
を備え、前記チャック筒を前記締付筒により縮径または
復元させて該チャック筒内に嵌挿された切削工具のシャ
ンク部を脱着可能に掴持する工具ホルダにおいて、前記
切削工具は、そのシャンク部と刃部との境界箇所にシャ
ンク部の径より大きい段部を有し、前記チャック筒の先
端面と前記段部との間に介在されることで前記切削工具
の前記チャック筒先端面からの突出長さを一定に規制す
るとともに前記チャック筒の先端面及び前記切削工具の
シャンク部外周に密着してこれら箇所からの切削液の漏
れを防止する封止兼用のスペース部材を備え、前記スペ
ース部材の前端面の外周寄り箇所には複数の流体噴出ノ
ズルが揺動可能に設けられ、前記各流体噴出ノズルは前
記スペース部材に形成された流路を介して前記ホルダ本
体に設けた流体供給路に連通されていることを特徴とす
る。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載の工具ホ
ルダにおいて、前記切削工具のシャンク部は、該シャン
ク部を掴持するコレットを介して前記チャック筒に嵌合
され、前記コレットは切削液の流路を兼ねたスリ割り部
を有することを特徴とする。請求項3の発明は、請求項
1記載の工具ホルダにおいて、前記切削工具の刃部はシ
ャンク部の径より大きい径を有し、前記スペース部材は
前記刃部の径より大きい径に形成され、このスペース部
材に設けられる前記流体噴出ノズルの箇所は、前記刃部
の径より外側に位置していることを特徴とする。
ルダにおいて、前記切削工具のシャンク部は、該シャン
ク部を掴持するコレットを介して前記チャック筒に嵌合
され、前記コレットは切削液の流路を兼ねたスリ割り部
を有することを特徴とする。請求項3の発明は、請求項
1記載の工具ホルダにおいて、前記切削工具の刃部はシ
ャンク部の径より大きい径を有し、前記スペース部材は
前記刃部の径より大きい径に形成され、このスペース部
材に設けられる前記流体噴出ノズルの箇所は、前記刃部
の径より外側に位置していることを特徴とする。
【0012】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れか1項に記載の工具ホルダにおいて、前記チャック筒
の先端面と前記スペース部材とが密着する面との間にシ
ール材が介在されていることを特徴とする。請求項5の
発明は、請求項1ないし4の何れか1項に記載の工具ホ
ルダにおいて、前記スペース部材に前記切削工具のシャ
ンク部が貫通する中央貫通孔が形成され、この中央貫通
孔の内周面と前記シャンク部の外周面とが密着する面と
の間にシール材が介在されていることを特徴とする。
れか1項に記載の工具ホルダにおいて、前記チャック筒
の先端面と前記スペース部材とが密着する面との間にシ
ール材が介在されていることを特徴とする。請求項5の
発明は、請求項1ないし4の何れか1項に記載の工具ホ
ルダにおいて、前記スペース部材に前記切削工具のシャ
ンク部が貫通する中央貫通孔が形成され、この中央貫通
孔の内周面と前記シャンク部の外周面とが密着する面と
の間にシール材が介在されていることを特徴とする。
【0013】請求項6の発明は、請求項1記載の工具ホ
ルダにおいて、前記スペース部材を介して前記切削工具
の段部を前記チャック筒の先端面に押し付けた状態で前
記締付筒を締め付けることにより前記切削工具を掴持す
るようにしたことを特徴とする。
ルダにおいて、前記スペース部材を介して前記切削工具
の段部を前記チャック筒の先端面に押し付けた状態で前
記締付筒を締め付けることにより前記切削工具を掴持す
るようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる工具ホルダ
の実施の形態について、図面を参照して説明する。図3
は本発明の実施の形態における工具ホルダの縦断側面
図、図4は図3の4−4に沿う横断平面図、図5は本発
明の実施の形態におけるスペース部材の底面図である。
の実施の形態について、図面を参照して説明する。図3
は本発明の実施の形態における工具ホルダの縦断側面
図、図4は図3の4−4に沿う横断平面図、図5は本発
明の実施の形態におけるスペース部材の底面図である。
【0015】この実施の形態に示す工具ホルダ100に
適用される切削工具Tは、図3に示す複合バニッシング
リーマのように、工具シャンク部Tsの径より大きい径
の刃部Tbを有し、このシャンク部Tsと刃部Tbとの
境界箇所には段部Tdが設けられている。
適用される切削工具Tは、図3に示す複合バニッシング
リーマのように、工具シャンク部Tsの径より大きい径
の刃部Tbを有し、このシャンク部Tsと刃部Tbとの
境界箇所には段部Tdが設けられている。
【0016】前記工具ホルダ100は、図3に示すよう
に、ホルダ本体30を有し、このホルダ本体30は、図
示省略した工作機械のスピンドルに挿着されるテーパシ
ャンク部31と、このテーパシャンク部31の大径側端
部に形成した掴持用のフランジ32と、このフランジ3
2の反テーパシャンク部側の端面からテーパシャンク部
31と反対の方向に該テーパシャンク部31の軸線と一
致して延設され、外周面にフランジ32から先端に行く
に従い径が小さくなるテーパ面33aが形成された円筒
形状のチャック筒33とを備えている。
に、ホルダ本体30を有し、このホルダ本体30は、図
示省略した工作機械のスピンドルに挿着されるテーパシ
ャンク部31と、このテーパシャンク部31の大径側端
部に形成した掴持用のフランジ32と、このフランジ3
2の反テーパシャンク部側の端面からテーパシャンク部
31と反対の方向に該テーパシャンク部31の軸線と一
致して延設され、外周面にフランジ32から先端に行く
に従い径が小さくなるテーパ面33aが形成された円筒
形状のチャック筒33とを備えている。
【0017】また、図3において、34は前記チャック
筒33の外周に遊嵌されるローラ保持筒であり、このロ
ーラ保持筒34は、チャック筒33のテーパ面33aと
ほぼ同様なテーパ角度で先端に行くに従い径が小さくな
る筒体から形成されている。また、このローラ保持筒3
4は、チャック筒33の先端部外周に設けた止めリング
35によってチャック筒33から抜け落ちないように保
持されている。
筒33の外周に遊嵌されるローラ保持筒であり、このロ
ーラ保持筒34は、チャック筒33のテーパ面33aと
ほぼ同様なテーパ角度で先端に行くに従い径が小さくな
る筒体から形成されている。また、このローラ保持筒3
4は、チャック筒33の先端部外周に設けた止めリング
35によってチャック筒33から抜け落ちないように保
持されている。
【0018】前記ローラ保持筒34には、該ローラ保持
筒34の軸線に対して円周方向に所定の角度傾斜させて
嵌め込んだニードルローラ36が円周方向に多数配設さ
れている。また、各ニードルローラ36はローラ保持筒
34の肉厚寸法より大きい径に形成され、これにより、
ローラ保持筒34の内周面側へ突出する各ニードルロー
ラ36をチャック筒33のテーパ面33aに当接させ、
ローラ保持筒34の外周面側へ突出する各ニードルロー
ラ36を後述する締付筒37の内周面に当接させる構成
になっている。
筒34の軸線に対して円周方向に所定の角度傾斜させて
嵌め込んだニードルローラ36が円周方向に多数配設さ
れている。また、各ニードルローラ36はローラ保持筒
34の肉厚寸法より大きい径に形成され、これにより、
ローラ保持筒34の内周面側へ突出する各ニードルロー
ラ36をチャック筒33のテーパ面33aに当接させ、
ローラ保持筒34の外周面側へ突出する各ニードルロー
ラ36を後述する締付筒37の内周面に当接させる構成
になっている。
【0019】前記締付筒37は、チャック筒33を縮径
させて目的の工具を緊密に掴持するものであって、チャ
ック筒33の外周にローラ保持筒34で保持されたニー
ドルローラ36を介して嵌合される。この締付筒37の
内周面は、フランジ32と対向する端部から先端に行く
に従い径が小さくなるテーパ付き円筒面に構成されてい
る。また、締付筒37のフランジ32側の基端部内周に
は、シール兼用の抜け止めリング38が装着されてお
り、このシール兼用の抜け止めリング38はチャック筒
33の外周面に当接することによりシール機能を発揮
し、また、ローラ保持筒34の端面に当接することで締
付筒37のチャック筒33からの抜け落ちを防止してい
る。
させて目的の工具を緊密に掴持するものであって、チャ
ック筒33の外周にローラ保持筒34で保持されたニー
ドルローラ36を介して嵌合される。この締付筒37の
内周面は、フランジ32と対向する端部から先端に行く
に従い径が小さくなるテーパ付き円筒面に構成されてい
る。また、締付筒37のフランジ32側の基端部内周に
は、シール兼用の抜け止めリング38が装着されてお
り、このシール兼用の抜け止めリング38はチャック筒
33の外周面に当接することによりシール機能を発揮
し、また、ローラ保持筒34の端面に当接することで締
付筒37のチャック筒33からの抜け落ちを防止してい
る。
【0020】図3及び図4において、40は前記ホルダ
本体30のチャック筒33に切削工具を掴持して嵌合さ
れる外周面がストレートのコレットで、このコレット4
0には、その両端部40a,40bから軸方向に延在す
る複数のスリ割り部41,42が円周方向に等角度離し
て形成され、このスリ割り部41,42は請求項に記載
した流路を兼用している。
本体30のチャック筒33に切削工具を掴持して嵌合さ
れる外周面がストレートのコレットで、このコレット4
0には、その両端部40a,40bから軸方向に延在す
る複数のスリ割り部41,42が円周方向に等角度離し
て形成され、このスリ割り部41,42は請求項に記載
した流路を兼用している。
【0021】また、図3及び図5において、50はチャ
ック筒33の先端面33aと前記段部Tdとの間に介在
されることで切削工具Tのチャック筒33の先端面33
aからの突出長さを一定に規制するとともにチャック筒
33の先端面33a及び切削工具Tのシャンク部Tsの
外周に密着してこれら箇所からのクーラントその他の切
削液の漏れを防止する封止兼用のスペース部材であり、
このスペース部材50は前記コレット40の鍔部43の
前面に対向する平板部50aと鍔部43の外周面に対向
する側壁部50bを備えている。前記スペース部材50
の平板部50aの中央には前記切削工具Tのシャンク部
Tsが貫通する貫通孔51が同心に形成されている。
ック筒33の先端面33aと前記段部Tdとの間に介在
されることで切削工具Tのチャック筒33の先端面33
aからの突出長さを一定に規制するとともにチャック筒
33の先端面33a及び切削工具Tのシャンク部Tsの
外周に密着してこれら箇所からのクーラントその他の切
削液の漏れを防止する封止兼用のスペース部材であり、
このスペース部材50は前記コレット40の鍔部43の
前面に対向する平板部50aと鍔部43の外周面に対向
する側壁部50bを備えている。前記スペース部材50
の平板部50aの中央には前記切削工具Tのシャンク部
Tsが貫通する貫通孔51が同心に形成されている。
【0022】前記スペース部材50の平板部50aの外
周寄り箇所には、この平板部50aから前方へ突出する
複数の流体噴出ノズル60が、該流体噴出ノズル60か
らのクーラント等の切削液の噴出方向を調節できるよう
に揺動可能に設けられている。また、スペース部材50
の平板部50aには、各流体噴出ノズル60と前記コレ
ット40のスリ割り部41,42(流体通路)との間を
連通する流体通路53が形成されている。
周寄り箇所には、この平板部50aから前方へ突出する
複数の流体噴出ノズル60が、該流体噴出ノズル60か
らのクーラント等の切削液の噴出方向を調節できるよう
に揺動可能に設けられている。また、スペース部材50
の平板部50aには、各流体噴出ノズル60と前記コレ
ット40のスリ割り部41,42(流体通路)との間を
連通する流体通路53が形成されている。
【0023】また、前記スペース部材50が前記コレッ
ト40の先端部に装着された時に前記チャック筒33の
先端面33bとの気密または液密性を確保するために、
チャック筒33の先端面33bと相対向するスペース部
材50の側壁部50bの端面50cには、図1に示すよ
うに、Oリング等のシール材70が装着されている。こ
のシール材70は、チャック筒33の先端面33bとス
ペース部材50における側壁部50bの端面50cとの
気密または液密性を確保して、両者の隙間からクーラン
ト等の切削液が漏れ出ないようになっている。また、前
記切削工具Tのシャンク部Tsが貫通するスペース部材
50の中央貫通孔51の内周面には、図1に示すよう
に、工具シャンク部Tsの外周面との密着性を確保する
Oリング等のシール材71が装着されている。このシー
ル材71は、シャンク部Tsの外周面と中央貫通孔51
の内周面との気密または液密性を確保して、両者の隙間
からクーラント等の切削液が漏れ出ないようになってい
る。
ト40の先端部に装着された時に前記チャック筒33の
先端面33bとの気密または液密性を確保するために、
チャック筒33の先端面33bと相対向するスペース部
材50の側壁部50bの端面50cには、図1に示すよ
うに、Oリング等のシール材70が装着されている。こ
のシール材70は、チャック筒33の先端面33bとス
ペース部材50における側壁部50bの端面50cとの
気密または液密性を確保して、両者の隙間からクーラン
ト等の切削液が漏れ出ないようになっている。また、前
記切削工具Tのシャンク部Tsが貫通するスペース部材
50の中央貫通孔51の内周面には、図1に示すよう
に、工具シャンク部Tsの外周面との密着性を確保する
Oリング等のシール材71が装着されている。このシー
ル材71は、シャンク部Tsの外周面と中央貫通孔51
の内周面との気密または液密性を確保して、両者の隙間
からクーラント等の切削液が漏れ出ないようになってい
る。
【0024】なお、前記スペース部材50の側壁部50
bの高さは、前記コレット40の鍔部43の厚さより大
きく形成されている。また、スペース部材50は切削工
具Tの刃部Tbの径より大きい径に形成され、このスペ
ース部材50に設けられる流体噴出ノズル60の箇所
は、刃部Tbの径より外側に位置するようになってい
る。また、前記ホルダ本体30のチャック筒32の内壁
面には、複数の所定深さの切削液供給路となる溝56が
軸方向に延在して形成されており、このことにより、工
作機械側から供給される切削液の供給路として利用する
と共に、締付筒37によるチャック筒33の縮径方向へ
の弾性変形を更に容易にしている。
bの高さは、前記コレット40の鍔部43の厚さより大
きく形成されている。また、スペース部材50は切削工
具Tの刃部Tbの径より大きい径に形成され、このスペ
ース部材50に設けられる流体噴出ノズル60の箇所
は、刃部Tbの径より外側に位置するようになってい
る。また、前記ホルダ本体30のチャック筒32の内壁
面には、複数の所定深さの切削液供給路となる溝56が
軸方向に延在して形成されており、このことにより、工
作機械側から供給される切削液の供給路として利用する
と共に、締付筒37によるチャック筒33の縮径方向へ
の弾性変形を更に容易にしている。
【0025】このように構成された本実施の形態にかか
る工具ホルダにおいて、切削工具Tを掴持する場合は、
まず、スペース部材50の中央貫通孔51に切削工具T
のシャンク部Tsに差し込んでスペース部材50を切削
工具Tに組み付ける。その後、この切削工具Tのシャン
ク部Tsにコレット40を嵌合し、このコレット40ご
と切削工具Tのシャンク部Tsをチャック筒33の円筒
穴内に挿入する。そして、スペース部材50を介して切
削工具Tの段部Tdをチャック筒33の先端面33bに
押し付けた状態に保持する。
る工具ホルダにおいて、切削工具Tを掴持する場合は、
まず、スペース部材50の中央貫通孔51に切削工具T
のシャンク部Tsに差し込んでスペース部材50を切削
工具Tに組み付ける。その後、この切削工具Tのシャン
ク部Tsにコレット40を嵌合し、このコレット40ご
と切削工具Tのシャンク部Tsをチャック筒33の円筒
穴内に挿入する。そして、スペース部材50を介して切
削工具Tの段部Tdをチャック筒33の先端面33bに
押し付けた状態に保持する。
【0026】かかる状態で、締付筒37を時計回り方向
に回転すると、締付筒37のテーパ付き円筒面と当接す
る各ニードルローラ36は自身の軸線に直角な方向に自
転しながらチャック筒33の外周面を螺旋状に公転転動
するため、ローラ保持筒34はチャック筒33の先端側
からフランジ32の方向へニードルローラ34の公転に
伴い回転しつつ移動し、同時に締付筒37もフランジ3
2の方向へ移動する。これにより、締付筒37のテーパ
付き円筒面とチャック筒33の外周テーパ面間の間隔が
減少するため、締付筒37は各ニードルローラ36を介
してチャック筒33を外周から内周方向へ全周面から強
圧し縮径させることになる。その結果、チャック筒33
の円筒穴内に挿入された切削工具Tのシャンク部Tsは
コレット40を介して締め付けられ、掴持される。
に回転すると、締付筒37のテーパ付き円筒面と当接す
る各ニードルローラ36は自身の軸線に直角な方向に自
転しながらチャック筒33の外周面を螺旋状に公転転動
するため、ローラ保持筒34はチャック筒33の先端側
からフランジ32の方向へニードルローラ34の公転に
伴い回転しつつ移動し、同時に締付筒37もフランジ3
2の方向へ移動する。これにより、締付筒37のテーパ
付き円筒面とチャック筒33の外周テーパ面間の間隔が
減少するため、締付筒37は各ニードルローラ36を介
してチャック筒33を外周から内周方向へ全周面から強
圧し縮径させることになる。その結果、チャック筒33
の円筒穴内に挿入された切削工具Tのシャンク部Tsは
コレット40を介して締め付けられ、掴持される。
【0027】切削工具Tがホルダ本体30に掴持された
状態では、スペース部材50の側壁部50bの端面50
cはシール材70を介してチャック筒33の先端面33
bに密着されるため、両者間の気密性または液密性が確
保され、その隙間からクーラント等の切削液が漏れ出す
のを防止することができる。また、スペース部材50の
中央貫通孔51の内周面はシール材71を介して工具シ
ャンク部Tsの外周面に密着されているため、両者間の
気密性または液密性は確保され、その隙間からクーラン
ト等の切削液が漏れ出すのを防止できる。
状態では、スペース部材50の側壁部50bの端面50
cはシール材70を介してチャック筒33の先端面33
bに密着されるため、両者間の気密性または液密性が確
保され、その隙間からクーラント等の切削液が漏れ出す
のを防止することができる。また、スペース部材50の
中央貫通孔51の内周面はシール材71を介して工具シ
ャンク部Tsの外周面に密着されているため、両者間の
気密性または液密性は確保され、その隙間からクーラン
ト等の切削液が漏れ出すのを防止できる。
【0028】次に、本実施の形態における工具ホルダに
掴持された切削工具Tへの切削液供給動作について説明
する。図3に示すように、図示しない工作機械側から供
給される切削液は、ホルダ本体30の中央穴30aを通
してチャック筒33の内壁面に形成した複数の流体供給
路である溝56に供給され、この溝56からコレット4
0のスリ割り部41を経由してコレット40の先端とス
ペース部材50との空間内に集まり、更にスペース部材
50の流体通路53から各流体噴出ノズル60に供給さ
れる。そして、図3の矢印に示すように、各流体噴出ノ
ズル60から切削工具Tの刃先方向に噴出された切削液
を切削工具Tの外周面に沿って刃部Tb及び被加工物の
切削箇所に確実に供給することができる。
掴持された切削工具Tへの切削液供給動作について説明
する。図3に示すように、図示しない工作機械側から供
給される切削液は、ホルダ本体30の中央穴30aを通
してチャック筒33の内壁面に形成した複数の流体供給
路である溝56に供給され、この溝56からコレット4
0のスリ割り部41を経由してコレット40の先端とス
ペース部材50との空間内に集まり、更にスペース部材
50の流体通路53から各流体噴出ノズル60に供給さ
れる。そして、図3の矢印に示すように、各流体噴出ノ
ズル60から切削工具Tの刃先方向に噴出された切削液
を切削工具Tの外周面に沿って刃部Tb及び被加工物の
切削箇所に確実に供給することができる。
【0029】なお、締め付け状態にある締付筒37を前
述した操作と逆の反時計回り方向に回転すると、ローラ
保持筒36がチャック筒33の先端側へ移動すると共に
締付筒37も同一方向に移動する。このため、縮径され
ていたチャック筒33は元の径に復元し、工具Tへの掴
持力が解除される結果、工具Tの抜き取り、あるいは交
換が可能になる。
述した操作と逆の反時計回り方向に回転すると、ローラ
保持筒36がチャック筒33の先端側へ移動すると共に
締付筒37も同一方向に移動する。このため、縮径され
ていたチャック筒33は元の径に復元し、工具Tへの掴
持力が解除される結果、工具Tの抜き取り、あるいは交
換が可能になる。
【0030】このような本実施の形態によれば、チャッ
ク筒33の内壁面に所定の間隔で溝56を形成し、この
溝56を流体供給路としたことにより縮径方向へ弾性変
形し易くなる。また、本実施の形態によれば、切削工具
Tの段部Tdとチャック筒33の先端面33bとの間に
スペース部材50を介在することにより、切削工具Tの
突出方向のプリセットが容易になり、切削工具Tのホル
ダ本体30からの突出長さを一定に規制することができ
る。そして、スペース部材50の側壁部50bの端面5
0cをチャック筒33先端面33aにシール材70を介
して密着させるとともに、スペース部材50の中央貫通
孔51の内周面はシール材71を介して工具シャンク部
Tsの外周面に密着されているため、切削液の漏れを確
実に防止できるとともに、切削液を無駄なく切削工具の
先端刃部及び切削箇所に供給することができ、従来のよ
うに切削供給路を複雑な形状としたコレット40とする
ことがなくコレット40の製作が容易に且つ安価に提供
できる。さらに、加工時の切削液が締付筒の先端部から
ニードルローラ部へ侵入すること、および塵埃が溝内に
侵入することを確実に防止できる。なお、プリセット長
は、図3に示したように、チャック長(A)+スペーサ
長(B)+刃物の長さ(C)により、決定される。
ク筒33の内壁面に所定の間隔で溝56を形成し、この
溝56を流体供給路としたことにより縮径方向へ弾性変
形し易くなる。また、本実施の形態によれば、切削工具
Tの段部Tdとチャック筒33の先端面33bとの間に
スペース部材50を介在することにより、切削工具Tの
突出方向のプリセットが容易になり、切削工具Tのホル
ダ本体30からの突出長さを一定に規制することができ
る。そして、スペース部材50の側壁部50bの端面5
0cをチャック筒33先端面33aにシール材70を介
して密着させるとともに、スペース部材50の中央貫通
孔51の内周面はシール材71を介して工具シャンク部
Tsの外周面に密着されているため、切削液の漏れを確
実に防止できるとともに、切削液を無駄なく切削工具の
先端刃部及び切削箇所に供給することができ、従来のよ
うに切削供給路を複雑な形状としたコレット40とする
ことがなくコレット40の製作が容易に且つ安価に提供
できる。さらに、加工時の切削液が締付筒の先端部から
ニードルローラ部へ侵入すること、および塵埃が溝内に
侵入することを確実に防止できる。なお、プリセット長
は、図3に示したように、チャック長(A)+スペーサ
長(B)+刃物の長さ(C)により、決定される。
【0031】また、この実施の形態によれば、各流体噴
出ノズル60のスペース部材50への設置箇所を工具刃
部Tbの径より外側に位置させるとともに、この各流体
噴出ノズル60はスペース部材50に揺動可能に設けら
れているので、複合バニッシングリーマのように、工具
シャンク部Tsの径より大きい径の刃部Tbを有する切
削工具Tであっても、その刃部及び切削箇所への切削液
の供給を確実に行うことができ、しかも、各流体噴出ノ
ズル60からの切削液の噴出方向を切削工具Tの突出長
さ,直径,先端刃部の形状,回転速度等に応じて適切に
調節することができる。
出ノズル60のスペース部材50への設置箇所を工具刃
部Tbの径より外側に位置させるとともに、この各流体
噴出ノズル60はスペース部材50に揺動可能に設けら
れているので、複合バニッシングリーマのように、工具
シャンク部Tsの径より大きい径の刃部Tbを有する切
削工具Tであっても、その刃部及び切削箇所への切削液
の供給を確実に行うことができ、しかも、各流体噴出ノ
ズル60からの切削液の噴出方向を切削工具Tの突出長
さ,直径,先端刃部の形状,回転速度等に応じて適切に
調節することができる。
【0032】なお、上記実施の形態では、チャック筒3
3先端面33bとスペース部材50の側壁部50bの端
面50cとの間のシール機構、及びスペース部材50の
中央貫通孔51と工具シャンク部Tsとの間のシール機
構は、実施例に示すシール材70、71に限らず、ラビ
リンスパッキンなどを用いてもよい。また、上記実施の
形態では、コレット40をストレートのものについて説
明したが、チャック筒33の内壁面がテーパ付きのもの
である場合は、ストレートコレットに代えてテーパ付き
のコレットにも適用できることは勿論である。また、上
記実施の形態では、切削工具Tのシャンク部Tsをコレ
ット40を介してチャック筒33に嵌合する場合につい
て説明したが、本発明はこれに限らず、コレット40を
省略した直付けでも、スペース部材50の各流体噴出ノ
ズル60から切削液を噴出できる。また、本発明におい
ては、チャック筒33先端面33aとスペース部材50
の側壁部50bの端面50c、及びスペース部材50の
中央貫通孔51の内周面と工具シャンク部Tsの外周面
を高精度に研磨して密着性をよくすれば、実施の形態に
示すシール材70,71を省略できる。
3先端面33bとスペース部材50の側壁部50bの端
面50cとの間のシール機構、及びスペース部材50の
中央貫通孔51と工具シャンク部Tsとの間のシール機
構は、実施例に示すシール材70、71に限らず、ラビ
リンスパッキンなどを用いてもよい。また、上記実施の
形態では、コレット40をストレートのものについて説
明したが、チャック筒33の内壁面がテーパ付きのもの
である場合は、ストレートコレットに代えてテーパ付き
のコレットにも適用できることは勿論である。また、上
記実施の形態では、切削工具Tのシャンク部Tsをコレ
ット40を介してチャック筒33に嵌合する場合につい
て説明したが、本発明はこれに限らず、コレット40を
省略した直付けでも、スペース部材50の各流体噴出ノ
ズル60から切削液を噴出できる。また、本発明におい
ては、チャック筒33先端面33aとスペース部材50
の側壁部50bの端面50c、及びスペース部材50の
中央貫通孔51の内周面と工具シャンク部Tsの外周面
を高精度に研磨して密着性をよくすれば、実施の形態に
示すシール材70,71を省略できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明の工具ホルダ
によれば、切削工具のシャンク部と刃部との境界箇所に
設けた段部とチャック筒の先端面との間に封止兼用のス
ペース部材を介在することにより、切削工具のチャック
筒先端面からの突出長さを一定に規制するとともにチャ
ック筒の先端面及び切削工具のシャンク部外周から切削
液の漏れを防止するように構成し、さらにスペース部材
の前端面の外周寄り箇所には複数の流体噴出ノズルを揺
動可能に設け、この各流体噴出ノズルはスペース部材に
形成された流路を介してホルダ本体に設けた流体供給路
に連通されるように構成にしたので、切削液の漏れ防止
を確実に行うことができ、切削液を無駄なく切削工具の
先端刃部及び切削箇所に供給することができると共に、
切削工具の突出方向のプリセットが容易になり、切削工
具のホルダ本体からの突出長さを一定に規制することが
できる。
によれば、切削工具のシャンク部と刃部との境界箇所に
設けた段部とチャック筒の先端面との間に封止兼用のス
ペース部材を介在することにより、切削工具のチャック
筒先端面からの突出長さを一定に規制するとともにチャ
ック筒の先端面及び切削工具のシャンク部外周から切削
液の漏れを防止するように構成し、さらにスペース部材
の前端面の外周寄り箇所には複数の流体噴出ノズルを揺
動可能に設け、この各流体噴出ノズルはスペース部材に
形成された流路を介してホルダ本体に設けた流体供給路
に連通されるように構成にしたので、切削液の漏れ防止
を確実に行うことができ、切削液を無駄なく切削工具の
先端刃部及び切削箇所に供給することができると共に、
切削工具の突出方向のプリセットが容易になり、切削工
具のホルダ本体からの突出長さを一定に規制することが
できる。
【0034】また、本発明によれば、各流体噴出ノズル
のスペース部材への設置箇所を工具刃部の径より外側に
位置させるとともに、この各流体噴出ノズルはスペース
部材に揺動可能に設けられているので、工具シャンク部
の径より大きい径の刃部を有する切削工具であっても、
その刃部及び切削箇所への切削液の供給を確実にでき、
しかも、各流体噴出ノズルからの切削液の噴出方向を切
削工具の突出長さ,直径,先端刃部の形状,回転速度等
に応じて適切に調節することができる。
のスペース部材への設置箇所を工具刃部の径より外側に
位置させるとともに、この各流体噴出ノズルはスペース
部材に揺動可能に設けられているので、工具シャンク部
の径より大きい径の刃部を有する切削工具であっても、
その刃部及び切削箇所への切削液の供給を確実にでき、
しかも、各流体噴出ノズルからの切削液の噴出方向を切
削工具の突出長さ,直径,先端刃部の形状,回転速度等
に応じて適切に調節することができる。
【図1】従来における切削油の供給機構を備えた工具ホ
ルダの断面図である。
ルダの断面図である。
【図2】従来における切削油の供給機構を備えた工具ホ
ルダに使用されているコレットの斜視図である。
ルダに使用されているコレットの斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態における工具ホルダの縦断
側面図である。
側面図である。
【図4】図3の4−4線に沿う横断平面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるスペース部材の底
面図である。
面図である。
30 工具ホルダ本体
31 シャンク部
32 フランジ
33 チャック筒
33a 先端面
34 ローラ保持筒
36 ニードルローラ
37 締付筒
40 コレット
41,42 スリ割り部
43 鍔部
50 スペース部材
51 中央貫通孔
51a 平板部
51b 側壁部
53 流体通路
56 溝
60 流体噴出ノズル
70,71 シール材
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 釘宮 弘英
大阪府東大阪市元町1丁目6番53号 株式
会社日研工作所内
Fターム(参考) 3C011 EE06 EE09
Claims (6)
- 【請求項1】 工作機械のスピンドルに挿着されるシャ
ンク部及び該シャンク部の一端に軸線を一致して延設さ
れ、外周面に先端側に行くに従い径が小さくなるテーパ
面が形成されたチャック筒を有するホルダ本体と、前記
チャック筒を外周面側から締め付ける締付筒とを備え、
前記チャック筒を前記締付筒により縮径または復元させ
て該チャック筒内に嵌挿された切削工具のシャンク部を
脱着可能に掴持する工具ホルダにおいて、 前記切削工具は、そのシャンク部と刃部との境界箇所に
シャンク部の径より大きい段部を有し、前記チャック筒
の先端面と前記段部との間に介在されることで前記切削
工具の前記チャック筒先端面からの突出長さを一定に規
制するとともに前記チャック筒の先端面及び前記切削工
具のシャンク部外周に密着してこれら箇所からの切削液
の漏れを防止する封止兼用のスペース部材を備え、前記
スペース部材の前端面の外周寄り箇所には複数の流体噴
出ノズルが揺動可能に設けられ、前記各流体噴出ノズル
は前記スペース部材に形成された流路を介して前記ホル
ダ本体に設けた流体供給路に連通されていることを特徴
とする工具ホルダ。 - 【請求項2】 前記切削工具のシャンク部は、該シャン
ク部を掴持するコレットを介して前記チャック筒に嵌合
され、前記コレットは切削液の流路を兼ねたスリ割り部
を有することを特徴とする請求項1記載の工具ホルダ。 - 【請求項3】 前記切削工具の刃部はシャンク部の径よ
り大きい径を有し、前記スペース部材は前記刃部の径よ
り大きい径に形成され、このスペース部材に設けられる
前記流体噴出ノズルの箇所は、前記刃部の径より外側に
位置していることを特徴とする請求項1記載の工具ホル
ダ。 - 【請求項4】 前記チャック筒の先端面と前記スペース
部材とが密着する面との間にシール材が介在されている
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載
の工具ホルダ。 - 【請求項5】 前記スペース部材に前記切削工具のシャ
ンク部が貫通する中央貫通孔が形成され、この中央貫通
孔の内周面と前記シャンク部の外周面とが密着する面と
の間にシール材が介在されていることを特徴とする請求
項1ないし4の何れか1項に記載の工具ホルダ。 - 【請求項6】 前記スペース部材を介して前記切削工具
の段部を前記チャック筒の先端面に押し付けた状態で前
記締付筒を締め付けることにより前記切削工具を掴持す
るようにしたことを特徴とする請求項1記載の工具ホル
ダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001391854A JP2003191148A (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 工具ホルダ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001391854A JP2003191148A (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 工具ホルダ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003191148A true JP2003191148A (ja) | 2003-07-08 |
Family
ID=27599323
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---|---|---|---|
JP2001391854A Pending JP2003191148A (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 工具ホルダ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003191148A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008018486A (ja) * | 2006-07-12 | 2008-01-31 | Fuji Seiko Ltd | フライス加工方法およびフライス工具装置 |
CN104551847A (zh) * | 2014-12-30 | 2015-04-29 | 宁波三峰机械电子有限公司 | 用于ocv阀的切屑液喷出装置 |
CN107363632A (zh) * | 2017-08-02 | 2017-11-21 | 四川明日宇航工业有限责任公司 | 一种油雾喷射铣削的自动跟靶方法 |
JP2018508372A (ja) * | 2015-02-05 | 2018-03-29 | イスカル リミテッド | 冷却溝の配置された回転チャック |
-
2001
- 2001-12-25 JP JP2001391854A patent/JP2003191148A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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