JP2010081851A - 穀粉含有生地ならびにその焼成品の製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
生地表面にカスタードクリームなどの焼き込み用フィリングを乗せて焼成した場合、フィリングが焦げてしまい、良好な製品が得られないという欠点がある。また、平面状の生地に、リンゴのシロップ漬けなど水分の多いフルーツを乗せて焼成する場合、焼成後は具材の重みで生地が落ち込み、また水分を吸うことによって生地が生っぽくなることがある。
【解決手段】
焼型を使わず上面に凹みを作り、焼き込み用フィリングを充填して焼成しても焦げることなく、水分の多い具材を載せて焼成しても生地が生っぽくならない成型方法を提供することにある。
【選択図】図1
生地表面にカスタードクリームなどの焼き込み用フィリングを乗せて焼成した場合、フィリングが焦げてしまい、良好な製品が得られないという欠点がある。また、平面状の生地に、リンゴのシロップ漬けなど水分の多いフルーツを乗せて焼成する場合、焼成後は具材の重みで生地が落ち込み、また水分を吸うことによって生地が生っぽくなることがある。
【解決手段】
焼型を使わず上面に凹みを作り、焼き込み用フィリングを充填して焼成しても焦げることなく、水分の多い具材を載せて焼成しても生地が生っぽくならない成型方法を提供することにある。
【選択図】図1
Description
本発明は、上面に凹みを有し、その凹みにフィリングを充填して焼成しても、フィリングが焦げず、フィリングの下の生地が生っぽくならない穀粉含有生地ならびに焼成品に関するものである。
本願でいうところの穀粉含有生地とは、一例としては、穀粉として小麦粉をもちいたドウ状(流動性を持たない)生地を呼称するものである。そして穀粉含有生地はそのまま焼成して喫食に供するものもあるが、他の具材と組み合わせる種類のものもある。
他の具材と組み合わせる場合その具材には、一例としては餡やクリーム、フィリング、果実のシロップ漬けやジャム、ペーストなどが挙げられるが、その中には半流動性であるとか、あるいは固形分をもつものの比較的それ自体に保形性の乏しいタイプのものがある。俗に言うあんぱんやクリームパンのように、餡やカスタードクリームなどのフィリングを包餡して焼成するものがある一方、リンゴなどのフルーツやカスタードクリームを使ったデニッシュなど、具材が表面に露出しているものもあり、一目でどのようなパンであるかを理解しやすく、視覚的に食欲をそそるという長所を有している。
他の具材と組み合わせる場合その具材には、一例としては餡やクリーム、フィリング、果実のシロップ漬けやジャム、ペーストなどが挙げられるが、その中には半流動性であるとか、あるいは固形分をもつものの比較的それ自体に保形性の乏しいタイプのものがある。俗に言うあんぱんやクリームパンのように、餡やカスタードクリームなどのフィリングを包餡して焼成するものがある一方、リンゴなどのフルーツやカスタードクリームを使ったデニッシュなど、具材が表面に露出しているものもあり、一目でどのようなパンであるかを理解しやすく、視覚的に食欲をそそるという長所を有している。
しかし、平坦な生地表面にカスタードクリームなどのフィリングを乗せて焼成した場合、フィリングなどが焦げてしまいがちであるとか、リンゴのシロップ漬けなど水分の多いフルーツを乗せて焼成する場合、焼成後は具材の重みで生地が落ち込み、また水分を吸うことによって生地が生っぽくなったり、保形性の乏しい具材や、熱によって流動性が大きくなる具材などは平坦な生地の上から流れ落ちてしまう、などといったように、品質良好な製品が得られないという欠点がある。
表面に乗せたフィリングなどが焦げたり、流れ落ちたりすることは、生地を焼型などに入れ、上面に凹みを作り、カスタードクリームなどを生地最上部よりも低くすることで対応されてきた。
また、生地が生っぽくなることは、水分を多量に含む具材の下にケーキクラムを敷くことにより、水分を生地ではなくケーキクラムに移行させることで対応されてきた。
また、生地が生っぽくなることは、水分を多量に含む具材の下にケーキクラムを敷くことにより、水分を生地ではなくケーキクラムに移行させることで対応されてきた。
しかし、通常生地上面にくぼみが生じるようにする為には生地を切り抜いたりするため、所謂「端生地」と呼ばれる、そのまま利用するにも形状が目的とするものではなく、また再度練り直しても元生地から見て品質的に劣る、のぞましくないこととなる。また焼型やケーキクラムを使用するとコストや手間がかかってしまうことが現実である。
これらの欠点を解決するためにはさまざまな考案がなされてきた。
可食性容器に類するものにより解消しようとしている例が多くあるものの、事前に可食性容器を焼成する必要があるもの、たとえば、小麦粉を主成分とした原料バッターを、雌雄両型を用いて挟み焼き上げる方式による逆円錐型可食性容器の製造方法において、小麦粉と固形油脂とを混合した流動性のない通常のパイ生地様の生地を、雌型の底部に相似した形の逆円錐型に予め成型し、これを予熱した雌型に入れ、次いで直ちに予熱した雄型を雌型に挿入し嵌合して前記生地を焼き上げることを特徴とする逆円錐型可食性容器の製造方法が提示されている(特許文献1)。
しかしながら、この逆円錐型可食性容器(コーンカップと称されることが多い)はフィリングと同時に焼成が出来ず、事前に可食性容器を焼成しておく必要があり、また焼成前の可食性容器は構造的に弱くフィリングを詰めて同時に焼成させることはできない。
また、紡錘形状パンの製造を、適宜な形状にパン生地をカットして、カットされたパン生地の角度を回動させることにより、従来の装置を用いて、自動的に生産するための紡錘形状パンの成型方法が提示されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法では紡錘形状のパンはできるが、カスタードクリームなどの具材を入れる場所がないため、具材をいれて焼成することができない。
可食性容器に類するものにより解消しようとしている例が多くあるものの、事前に可食性容器を焼成する必要があるもの、たとえば、小麦粉を主成分とした原料バッターを、雌雄両型を用いて挟み焼き上げる方式による逆円錐型可食性容器の製造方法において、小麦粉と固形油脂とを混合した流動性のない通常のパイ生地様の生地を、雌型の底部に相似した形の逆円錐型に予め成型し、これを予熱した雌型に入れ、次いで直ちに予熱した雄型を雌型に挿入し嵌合して前記生地を焼き上げることを特徴とする逆円錐型可食性容器の製造方法が提示されている(特許文献1)。
しかしながら、この逆円錐型可食性容器(コーンカップと称されることが多い)はフィリングと同時に焼成が出来ず、事前に可食性容器を焼成しておく必要があり、また焼成前の可食性容器は構造的に弱くフィリングを詰めて同時に焼成させることはできない。
また、紡錘形状パンの製造を、適宜な形状にパン生地をカットして、カットされたパン生地の角度を回動させることにより、従来の装置を用いて、自動的に生産するための紡錘形状パンの成型方法が提示されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法では紡錘形状のパンはできるが、カスタードクリームなどの具材を入れる場所がないため、具材をいれて焼成することができない。
総じて、現行の技術では生地と具材を同時に焼成できてなおかつ上記欠点を克服した穀粉含有生地ならびに焼成品を得ることは困難であり、一方、他の具材と組み合わせた穀粉含有生地、そしてその焼成物は市場からの要望が強いものであった。
本発明は焼型を使わず上面に凹みを作り、焼き込み用フィリングを充填して焼成しても焦げることなく、水分の多い具材を載せて焼成しても生地が生っぽくならない成型方法を提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、生地を短辺から長辺の方向へ巻き込み、立てることで、生地上面に凹みができる成型方法を発明するに至った。
即ち、本発明は、(1)としては、展延した生地を一端から巻き込んだ際に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持つ穀粉含有生地の製造法であり、(2)としては、展延した生地が略短冊形であり、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、短辺S2(長さ:s2(cm))の関係がs1/l1<1であり、且つs2/s1<1であり、短辺S2から短辺S1の方向に巻き込んでいくことを特徴とする(1)記載の穀粉含有生地の製造法(但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2である)であり、(3)としては、展延した生地が略三角形であり、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、の関係がs1/l1<1であり、角Bから短辺1の方向に巻き込んでいくことを特徴とする(1)記載の穀粉含有生地の製造法(但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2であり、角Bは長辺L1と長辺L2が交わってできる角とする)であり、(4)としては、(2)記載の略短冊形生地または(3)記載の略三角形生地の長辺L1が巻き込んだ際に同一平面上に位置する穀粉含有生地の製造法であり、(5)としては、(1)ないし(4)の何れかによって製造された穀粉含有生地焼成品である。
即ち、本発明は、(1)としては、展延した生地を一端から巻き込んだ際に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持つ穀粉含有生地の製造法であり、(2)としては、展延した生地が略短冊形であり、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、短辺S2(長さ:s2(cm))の関係がs1/l1<1であり、且つs2/s1<1であり、短辺S2から短辺S1の方向に巻き込んでいくことを特徴とする(1)記載の穀粉含有生地の製造法(但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2である)であり、(3)としては、展延した生地が略三角形であり、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、の関係がs1/l1<1であり、角Bから短辺1の方向に巻き込んでいくことを特徴とする(1)記載の穀粉含有生地の製造法(但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2であり、角Bは長辺L1と長辺L2が交わってできる角とする)であり、(4)としては、(2)記載の略短冊形生地または(3)記載の略三角形生地の長辺L1が巻き込んだ際に同一平面上に位置する穀粉含有生地の製造法であり、(5)としては、(1)ないし(4)の何れかによって製造された穀粉含有生地焼成品である。
本発明により、焼型などを使わず、端生地を必要以上に発生させず、上面に凹みを作り、焼き込み用フィリングを充填して焼成しても焦げることなく、水分の多い具材を載せて焼成しても生地が生っぽくならないパンを製造可能になったものである。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本願でいうところの穀粉含有生地とは前出の通り、穀物粉を含有しているドウ状(流動性を持たない)生地を呼称するものである。穀物粉の種類は特に限定はされないものの、由来の穀物は米、大麦、ライ麦などが挙げられ、その代表的なものとしては小麦由来のものが広く使われている。また穀粉にする際の処理方法としても特に限定はされないが、一例としては小麦粉や全粒粉が挙げられる。
本願でいうところの穀粉含有生地とは前出の通り、穀物粉を含有しているドウ状(流動性を持たない)生地を呼称するものである。穀物粉の種類は特に限定はされないものの、由来の穀物は米、大麦、ライ麦などが挙げられ、その代表的なものとしては小麦由来のものが広く使われている。また穀粉にする際の処理方法としても特に限定はされないが、一例としては小麦粉や全粒粉が挙げられる。
また、その穀粉含有生地の穀粉以外の原料としては特に限定はされず、公知の菓子パン生地またはパイ・デニッシュ等のペストリー生地配合を用いることが可能である。一例としては、油脂、全卵、乳製品、食塩、砂糖、イースト、水、膨化剤等が例示できる。
また、生地自体は成型段階で塑性はあるが流動性まではない、所謂ドウ状である必要があり、小麦粉を水で溶いた流動性の高い、一例としてはお好み焼きのような液状の生地は用いることができない。
また、生地自体は成型段階で塑性はあるが流動性まではない、所謂ドウ状である必要があり、小麦粉を水で溶いた流動性の高い、一例としてはお好み焼きのような液状の生地は用いることができない。
穀粉含有生地(以降、特に断わらない場合は、穀粉含有生地を単に「生地」と称する)はこれらの原料を常法に準じて調整した菓子パン生地、あるいは従来公知の折り込み方法に準じて調整したペストリー生地を展延することで得られる。
展延の生地の厚みは特に限定されないが、本願発明は生地を巻き込む必要があるため、平坦である必要がある。生地の厚みの上限は、望ましくは2cm以下、さらに望ましくは1cm以下、さらに望ましくは0.7cm以下、下限は望ましくは0.05cm以上、さらに望ましくは0.1cm以上、さらに望ましくは0.3cm以上であることが好ましい。2cmを越える厚さの場合は、十分な凹みをもつ程度まで巻き込む(後述)と、巻き込み成型した生地が大きくなりすぎ、喫食用途に用いにくく、また喫食に適した大きさに収まる程度の巻き込み数では凹みの大きさが不十分だったり、形がいびつになりがちである。またが0.05cmを下回ると成型をした生地が十分な大きさの凹みを有する程度まで巻き込むと生地が長大になり、巻き込みの手間がかかったり、逆に手間のかからない程度の巻き込みで成型すると、巻き込み成型した生地が小さくなり、これも喫食用途に用いにくい。
展延の生地の厚みは特に限定されないが、本願発明は生地を巻き込む必要があるため、平坦である必要がある。生地の厚みの上限は、望ましくは2cm以下、さらに望ましくは1cm以下、さらに望ましくは0.7cm以下、下限は望ましくは0.05cm以上、さらに望ましくは0.1cm以上、さらに望ましくは0.3cm以上であることが好ましい。2cmを越える厚さの場合は、十分な凹みをもつ程度まで巻き込む(後述)と、巻き込み成型した生地が大きくなりすぎ、喫食用途に用いにくく、また喫食に適した大きさに収まる程度の巻き込み数では凹みの大きさが不十分だったり、形がいびつになりがちである。またが0.05cmを下回ると成型をした生地が十分な大きさの凹みを有する程度まで巻き込むと生地が長大になり、巻き込みの手間がかかったり、逆に手間のかからない程度の巻き込みで成型すると、巻き込み成型した生地が小さくなり、これも喫食用途に用いにくい。
展延した生地はどのような形状であってもかまわないが一端から巻き込んだ際に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持つ必要がある。凹んだ形状を持たないとその凹みにフィリングを充填することも出来ず、フィリングを乗せて焼成しても、フィリングが焦げたり、フィリングの下の生地が生っぽくなりがちであり、従来の穀粉含有生地の焼成品と差異が無い。
展延した生地を一端から巻き込んだ際に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態は典型的な例としては図1・図2が挙げられる。また、中心部がその周囲に比べ凹んでさえすれば、中央部に比べその周辺部が突出したあと、さらにその外周部が下がっていても(例えば図3)特にかまわない。
展延した生地を一端から巻き込んだ際に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態は典型的な例としては図1・図2が挙げられる。また、中心部がその周囲に比べ凹んでさえすれば、中央部に比べその周辺部が突出したあと、さらにその外周部が下がっていても(例えば図3)特にかまわない。
展延した生地を一端から巻き込んだ際に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持つためには望ましくは略短冊形、または略三角形にカットする。
展延した生地の形状は以下の条件を満たしていることが望ましい。
展延した生地の形状である略短冊形とは、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、短辺S2(長さ:s2(cm))の関係がs1/l1<1であり、且つs2/s1<1である。(但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2である。)(図4参照)
略短冊形は一方に長い形状で、s1/l1<1と一方の対向する辺の対が残余の辺より短い。
特にs1/l1値は1未満であれば限定されないが、望ましくは0.8以下、さらに望ましくは0.6以下であることが好ましい。生地の厚さにもよるが、1に近いと巻き込んで成型した形状は縦(高さ)が大きいわりに径が小さく、フィリングを詰めにくい。下限は特にないが望ましくは0.1以上、さらに望ましくは0.2以上であることが好ましい。これも生地の厚さにもよるが、巻き込んで成型した形状は径が大きいものの、縦が小さいため凹みが浅く、凹みのない平坦な生地にフィリングを載せたものと差が少ない。
展延した生地の形状は以下の条件を満たしていることが望ましい。
展延した生地の形状である略短冊形とは、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、短辺S2(長さ:s2(cm))の関係がs1/l1<1であり、且つs2/s1<1である。(但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2である。)(図4参照)
略短冊形は一方に長い形状で、s1/l1<1と一方の対向する辺の対が残余の辺より短い。
特にs1/l1値は1未満であれば限定されないが、望ましくは0.8以下、さらに望ましくは0.6以下であることが好ましい。生地の厚さにもよるが、1に近いと巻き込んで成型した形状は縦(高さ)が大きいわりに径が小さく、フィリングを詰めにくい。下限は特にないが望ましくは0.1以上、さらに望ましくは0.2以上であることが好ましい。これも生地の厚さにもよるが、巻き込んで成型した形状は径が大きいものの、縦が小さいため凹みが浅く、凹みのない平坦な生地にフィリングを載せたものと差が少ない。
短辺はs2/s1<1すなわち、短辺の片方が短いことが望ましい。S1/S2=1の場合は巻き込んでいく際に長辺L1が同一平面上に位置する(後述)場合は長辺L2側に凹みが発生しないためフィリングを充填することが出来ず、また長辺L1が同一平面上に位置しない場合は凹みが発生するが凹みが発生した逆の長辺側が突出し、フィリングを凹み側に充填できるが底面の形状が不安定であるため好ましくない。s2/s1値は1未満であれば限定されないが、望ましくは0.9以下、さらに望ましくは0.7以下であることが好ましい。生地の厚さにもよるが、1に近いと凹みが小さく凹みのない平坦な生地にフィリングを載せたものと差が少ない。s2/s1値が小さいほど大きな凹みが発生するため下限は特になく0であってもかまわない。なお0の場合が、生地が略三角形の場合である(後述)。
S1/S2<1であるため、より短い短辺であるS2の方からS1の方向に巻き込んでいくことがのぞましい。長い短辺であるS2から巻き込むと、凹みが発生せず、中央部が突出した形状になるためフィリングをつめることが出来ない。
また、長辺L1が同一平面上に位置するように巻き込むことが望ましい。L1が同一平面上に位置しないと、前述のようにたとえ凹みが上面に発生しても、底面の形状が不安定であるため好ましくない。
上記のような条件を満たした略短冊形の生地を巻き込んで形成した生地は一例としては、図1に示されたような形状になる。
また、長辺L1が同一平面上に位置するように巻き込むことが望ましい。L1が同一平面上に位置しないと、前述のようにたとえ凹みが上面に発生しても、底面の形状が不安定であるため好ましくない。
上記のような条件を満たした略短冊形の生地を巻き込んで形成した生地は一例としては、図1に示されたような形状になる。
展延した生地の形状である略三角形とは、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、の関係がs1/l1<1である(図5参照)略短冊形における短い方の短編であるS2の長さs2が0になってs2/s1=0になったケースである。
s1/l1値は略短冊形の場合と同じく、1未満であれば限定されないが、望ましくは0.8以下、さらに望ましくは0.6以下であることが好ましい。生地の厚さにもよるが、1に近いと巻き込んで成型した形状は縦(高さ)が大きいわりに径が小さく、フィリングを詰めにくい。下限は特にないが望ましくは0.1以上、さらに望ましくは0.2以上であることが好ましい。これも生地の厚さにもよるが、巻き込んで成型した形状は径が大きいものの、縦が小さいため凹みが浅く、凹みのない平坦な生地にフィリングを載せたものと差が少ない。
s1/l1値は略短冊形の場合と同じく、1未満であれば限定されないが、望ましくは0.8以下、さらに望ましくは0.6以下であることが好ましい。生地の厚さにもよるが、1に近いと巻き込んで成型した形状は縦(高さ)が大きいわりに径が小さく、フィリングを詰めにくい。下限は特にないが望ましくは0.1以上、さらに望ましくは0.2以上であることが好ましい。これも生地の厚さにもよるが、巻き込んで成型した形状は径が大きいものの、縦が小さいため凹みが浅く、凹みのない平坦な生地にフィリングを載せたものと差が少ない。
長辺L1と長辺L2が交わってできる角である角Bから短辺S1の方向に巻き込んでいくことがのぞましい。(但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2である。)
S2から巻き込むと、凹みが発生せず、中央部が突出した形状になるためフィリングをつめることが出来ない。
また、長辺L1が同一平面上に位置するように巻き込むことが望ましい。L1が同一平面上に位置しないと、前述のようにたとえ凹みが上面に発生しても、底面の形状が不安定であるため好ましくない。
上記のような条件を満たした略三角形の生地を巻き込んで形成した生地は一例としては、図2に示されたような形状になる。
S2から巻き込むと、凹みが発生せず、中央部が突出した形状になるためフィリングをつめることが出来ない。
また、長辺L1が同一平面上に位置するように巻き込むことが望ましい。L1が同一平面上に位置しないと、前述のようにたとえ凹みが上面に発生しても、底面の形状が不安定であるため好ましくない。
上記のような条件を満たした略三角形の生地を巻き込んで形成した生地は一例としては、図2に示されたような形状になる。
また上記略短冊形又は略三角形を長辺L1に対して線対称の形状の生地を短辺S2又はBに相当する辺又は角から巻き込んでいくことで、上記略短冊形又は略三角形を単独で巻き込んだ場合にL1に相当する面で向かい合わせに接合した形状の生地を作製しL1に相当する部位で切断することでより平易に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持つ生地を作製することが可能である。
こうして得られた生地は上面に凹みを有するよう設置し、発酵・焼成することで巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持つ穀粉含有生地の焼成品を製造することができる。
発酵・焼成は常法に準じて適宜条件を選択できるが、一例としては、発酵30℃〜40℃で30分〜70分間、焼成は上火220℃、下火200℃にて10〜15分といった条件が挙げられる。
発酵・焼成は常法に準じて適宜条件を選択できるが、一例としては、発酵30℃〜40℃で30分〜70分間、焼成は上火220℃、下火200℃にて10〜15分といった条件が挙げられる。
本願発明においてフィリングや具材等は特に限定はされないが、フィリングとは、ジャム、餡、カスタード、チーズ、チョコレート、ホイップクリーム、バタークリームなどが、また具材とは、リンゴ、さつまいも、かぼちゃ、コーン、たまごなどを・半調理・または調理したものが挙げられる。
フィリングや具材等の充填は焼成前でも焼成後でもかまわないが、充填後に焼成する必要のある場合の方がより本願発明の効果が得られやすい。充填されたフィリング等は水分をもっていることが多く、その下にある生地は膨張が抑制される傾向があるため、焼成終了時にはより凹みがより助長されることが多い。また充填が焼成前の場合はフィリングや具材等は焼成耐性があるものを用いることが望ましい。その点ではホイップクリームやバタークリームは焼成耐性が弱いものが多いため、焼成後の充填の方が望ましい。
従来の平坦な生地上にフィリングを乗せる方法では、焼成時に直接火に当たる部位が大きく、フィリングが焦げたりしがちであるが、本願発明の場合は、生地中にフィリングが半ば埋没しているため焦げにくく、また従来法では水分を含むフィリングの下の生地が焼成不足で生っぽいものになりがちなものが、本願発明の場合は下の生地自体が薄いため、生地にも、そしてフィリング自体にも火が通りやすい。
フィリングや具材等の充填は焼成前でも焼成後でもかまわないが、充填後に焼成する必要のある場合の方がより本願発明の効果が得られやすい。充填されたフィリング等は水分をもっていることが多く、その下にある生地は膨張が抑制される傾向があるため、焼成終了時にはより凹みがより助長されることが多い。また充填が焼成前の場合はフィリングや具材等は焼成耐性があるものを用いることが望ましい。その点ではホイップクリームやバタークリームは焼成耐性が弱いものが多いため、焼成後の充填の方が望ましい。
従来の平坦な生地上にフィリングを乗せる方法では、焼成時に直接火に当たる部位が大きく、フィリングが焦げたりしがちであるが、本願発明の場合は、生地中にフィリングが半ば埋没しているため焦げにくく、また従来法では水分を含むフィリングの下の生地が焼成不足で生っぽいものになりがちなものが、本願発明の場合は下の生地自体が薄いため、生地にも、そしてフィリング自体にも火が通りやすい。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
<実施例1>
強力粉90部、薄力粉10部、上白糖12部、食塩1.4部、脱脂粉乳2部、全卵10部、イースト4部、イーストフード0.1部、油脂(製品名:デリソフト、不二製油株式会社製)10部、水54部をミキサーボールに入れ混捏し、ドウを調整した。この時の捏ね上げ温度は26℃であった。
これを27℃、78%に保った恒温機にて第一次発酵を60分間行った。次に、発酵後の生地を−20℃で1時間冷却した後、折り込み油脂を粉100部に対して40部、3つ折りを2回行うことで折り込んだ。
さらに、−7℃で1時間冷却した後、3つ折りを1回行い、生地厚0.35cmに調節、−7℃で30分冷却した元生地1を得た。
得られた元生地1をカットし、長辺L1(l1=24cm)、短辺S1(s1=7cm)、短辺S2(s2=1cm)、の台形にカットし(生地重量40g)、短辺S2から短辺S1に向けて巻き込んだ。ただし、長辺L1は巻き込んだ際に同一平面上に存在した。
これを32℃、78%の恒温機にて第2次発酵を1時間行い、凹みにカスタードを絞ってリンゴを乗せた後、窯で上火220℃・下火200℃にて13分間焼成し穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例2〜比較例2>
元生地1を用いて表1の寸法と巻き込み方法にて成型したのち、実施例1と同様の設定で発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
強力粉90部、薄力粉10部、上白糖12部、食塩1.4部、脱脂粉乳2部、全卵10部、イースト4部、イーストフード0.1部、油脂(製品名:デリソフト、不二製油株式会社製)10部、水54部をミキサーボールに入れ混捏し、ドウを調整した。この時の捏ね上げ温度は26℃であった。
これを27℃、78%に保った恒温機にて第一次発酵を60分間行った。次に、発酵後の生地を−20℃で1時間冷却した後、折り込み油脂を粉100部に対して40部、3つ折りを2回行うことで折り込んだ。
さらに、−7℃で1時間冷却した後、3つ折りを1回行い、生地厚0.35cmに調節、−7℃で30分冷却した元生地1を得た。
得られた元生地1をカットし、長辺L1(l1=24cm)、短辺S1(s1=7cm)、短辺S2(s2=1cm)、の台形にカットし(生地重量40g)、短辺S2から短辺S1に向けて巻き込んだ。ただし、長辺L1は巻き込んだ際に同一平面上に存在した。
これを32℃、78%の恒温機にて第2次発酵を1時間行い、凹みにカスタードを絞ってリンゴを乗せた後、窯で上火220℃・下火200℃にて13分間焼成し穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例2〜比較例2>
元生地1を用いて表1の寸法と巻き込み方法にて成型したのち、実施例1と同様の設定で発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
実施例1〜実施例3は焼成後もカスタードの部位の生地が凹んだ状態であり、充填されたカスタードも周辺の盛り上がった生地が障壁となり焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生焼けぽくならない、良好なデニッシュが得られた。ただ、実施例1、実施例2、実施例3とs2/s1値が1に近づくにつれ、凹みは小さくなり、充填されるカスタードが少なくなっていき、またカスタードの底部にあたる生地の焼成が十分でなくなる傾向にあった。それはs2/s1値が1である比較例1では顕著で、カスタードを充填する凹みがない為、平坦な生地の上に載っただけの状態であるため、火が入りすぎた表面は焦げ、また周囲と同じ厚さのカスタードの底部にあたる生地は焼成が不十分であり、生焼けっぽい食感で、その部分の膨化が妨げられた形状となった(そのため、焼成後は一見、凹んだ形状にカスタードが充填されたような形状となった。)
実施例4はs2が0になった状態で生地は三角形であるが、特に中央部、カスタードが充填された底部は薄いものの、漏出はなくもっとも大きい凹みが生じ、カスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生焼けぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
比較例2は実施例1と同じ寸法の生地をS2ではなくS1から巻き始めたものであり、中央部が突出しているため、カスタードを絞ることが出来なかった。
実施例4はs2が0になった状態で生地は三角形であるが、特に中央部、カスタードが充填された底部は薄いものの、漏出はなくもっとも大きい凹みが生じ、カスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生焼けぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
比較例2は実施例1と同じ寸法の生地をS2ではなくS1から巻き始めたものであり、中央部が突出しているため、カスタードを絞ることが出来なかった。
<実施例5〜実施例7>
元生地1を実施例1と同じ寸法にカットしたものを、実施例5は巻き込み時のL1が同一平面上にない、即ち、上面の凹みは実施例ほど大きくないが存在し、一方底にも凹みが存在している状態に、実施例6はL2が同一面になる、即ちL2が底になりL1側が上となって凹みが生じる状態に、実施例7は、元生地1を実施例1のL2の形状を山なりに上に盛り上がった形状(図6参照)にカットしたものを、実施例1と同様に巻き込んだ状態に、それぞれ形成したのち、実施例1と同様の設定で発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
表2に各実施例の寸法と巻き込み方法を示す。
元生地1を実施例1と同じ寸法にカットしたものを、実施例5は巻き込み時のL1が同一平面上にない、即ち、上面の凹みは実施例ほど大きくないが存在し、一方底にも凹みが存在している状態に、実施例6はL2が同一面になる、即ちL2が底になりL1側が上となって凹みが生じる状態に、実施例7は、元生地1を実施例1のL2の形状を山なりに上に盛り上がった形状(図6参照)にカットしたものを、実施例1と同様に巻き込んだ状態に、それぞれ形成したのち、実施例1と同様の設定で発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
表2に各実施例の寸法と巻き込み方法を示す。
実施例5成型時に上下に生じた凹みの上部にカスタードを充填したが、本来のL1の凹みほど大きくなく、また底部に出来た凹みの影響でやや不安定な状態ではあったが、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
実施例6は巻き込まれた生地の最外周部が斜めに下がっている以外は実施例1とほぼ同程度の凹みが生じ、実施例1と同程度のカスタードを充填でき、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
実施例7は凹みが幾分小さいものの実施例5同様、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
実施例6は巻き込まれた生地の最外周部が斜めに下がっている以外は実施例1とほぼ同程度の凹みが生じ、実施例1と同程度のカスタードを充填でき、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
実施例7は凹みが幾分小さいものの実施例5同様、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
<実施例8>
実施例1の生地のL1を軸に線対称となる生地を合わせた生地(L1は接合したままの状態、図7参照)をL1で切断された場合にS2となる辺から同S1となる辺に向けて巻き込んだ。ただし、同L1は巻き込んだ際に同一平面上に存在した。巻き込んだ後にL1で切断し実施例1と同形状のものと鏡像体の形状のもの2つを作り、実施例1と同様の発酵・焼成工程をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例9>
実施例4の生地のL1を軸に線対称となる生地を合わせた生地(L1は接合したままの状態、図8参照)をL1で切断された場合にBとなる辺から同S1となる辺に向けて巻き込んだ。ただし、同L1は巻き込んだ際に同一平面上に存在した。巻き込んだ後にL1で切断し実施例4と同形状のものと鏡像体の形状のもの2つを作り、実施例1と同様の発酵・焼成工程をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例10>
元生地1を用いて表3の寸法と巻き込み方法にて成型したのち、実施例1と同様の設定で発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例11>
元生地1と同配合ながら生地厚0.7cmに調節した元生地2を用いる以外は実施例1と同様の設定でカット・発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
実施例1の生地のL1を軸に線対称となる生地を合わせた生地(L1は接合したままの状態、図7参照)をL1で切断された場合にS2となる辺から同S1となる辺に向けて巻き込んだ。ただし、同L1は巻き込んだ際に同一平面上に存在した。巻き込んだ後にL1で切断し実施例1と同形状のものと鏡像体の形状のもの2つを作り、実施例1と同様の発酵・焼成工程をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例9>
実施例4の生地のL1を軸に線対称となる生地を合わせた生地(L1は接合したままの状態、図8参照)をL1で切断された場合にBとなる辺から同S1となる辺に向けて巻き込んだ。ただし、同L1は巻き込んだ際に同一平面上に存在した。巻き込んだ後にL1で切断し実施例4と同形状のものと鏡像体の形状のもの2つを作り、実施例1と同様の発酵・焼成工程をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例10>
元生地1を用いて表3の寸法と巻き込み方法にて成型したのち、実施例1と同様の設定で発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
<実施例11>
元生地1と同配合ながら生地厚0.7cmに調節した元生地2を用いる以外は実施例1と同様の設定でカット・発酵・焼成をし、穀粉含有生地焼成品を得た。
実施例8、実施例9も生地を巻き込んでカットした時点では、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持っており、それぞれ実施例1、実施例4と片方は鏡像体ではあるがまったく同じ形状のものが2つ出来上がる。カスタードを充填した物は実施例1、実施例4と同様の高い評価であり、かつ実施例1、実施例4に比べ巻き込み工程を一回したものをカットするだけで2つ分の成型生地が得られる利点がある。
実施例10はL1が実施例1の半分しかない為、巻き込みが不足して細長い円柱状となり、凹みが小さいもののカスタードを充填でき、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
実施例11は厚みが実施例1の倍である為、焼成後いびつな形となりやや安定が悪いし、凹みが小さいもののカスタードを充填でき、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
実施例10はL1が実施例1の半分しかない為、巻き込みが不足して細長い円柱状となり、凹みが小さいもののカスタードを充填でき、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
実施例11は厚みが実施例1の倍である為、焼成後いびつな形となりやや安定が悪いし、凹みが小さいもののカスタードを充填でき、充填されたカスタードは焦げず、またカスタードの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。
<実施例12>
実施例1と同じ元生地、同じ寸法・成型方法で巻き込み、さらに同様の発酵を行ったものにリンゴプレザーブ(ダイスカット)を20g凹み部位に充填して、実施例1と同じ条件で焼成を行った。充填されたリンゴプレザーブは十分に火が通り、焦げず、またリンゴプレザーブの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。(図9参照)
<実施例13>
強力粉100部、上白糖18部、食塩1部、脱脂粉乳3部、全卵10部、イースト3部、イーストフード0.1部、油脂(製品名:デリソフト、不二製油株式会社製)10部、水54部をミキサーボールに入れ混捏し、ドウを調整した。
この時の捏ね上げ温度は26℃であった。これを27℃、78%に保った恒温機にて第一次発酵を60分間行った。次に、発酵後の生地を−20℃で1時間冷却した後、空折り(4つ折り)を行い、−7℃で30分冷却した元生地3を得た。
得られた元生地3を実施例12と同様にカットし、同じ寸法・成型方法で巻き込み、実施例1と同じ条件で発酵・焼成を行った。実施例12と生地の組成がことなるものの充填されたリンゴプレザーブは十分に火が通り、焦げず、またリンゴプレザーブの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好な菓子パンが得られた。
実施例1と同じ元生地、同じ寸法・成型方法で巻き込み、さらに同様の発酵を行ったものにリンゴプレザーブ(ダイスカット)を20g凹み部位に充填して、実施例1と同じ条件で焼成を行った。充填されたリンゴプレザーブは十分に火が通り、焦げず、またリンゴプレザーブの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好なデニッシュが得られた。(図9参照)
<実施例13>
強力粉100部、上白糖18部、食塩1部、脱脂粉乳3部、全卵10部、イースト3部、イーストフード0.1部、油脂(製品名:デリソフト、不二製油株式会社製)10部、水54部をミキサーボールに入れ混捏し、ドウを調整した。
この時の捏ね上げ温度は26℃であった。これを27℃、78%に保った恒温機にて第一次発酵を60分間行った。次に、発酵後の生地を−20℃で1時間冷却した後、空折り(4つ折り)を行い、−7℃で30分冷却した元生地3を得た。
得られた元生地3を実施例12と同様にカットし、同じ寸法・成型方法で巻き込み、実施例1と同じ条件で発酵・焼成を行った。実施例12と生地の組成がことなるものの充填されたリンゴプレザーブは十分に火が通り、焦げず、またリンゴプレザーブの底部にあたる生地自体も生っぽくならない、良好な菓子パンが得られた。
本発明により、上面に凹みを有するパンを簡単に作ることが出来、その結果、充填するフィリングが焦げることなく、またその重みで生地が生っぽくなることを防ぐことができる。また、三角形の生地を頂点から巻き、中央でカットする方法を使えば、工場での大量生産も容易になる。
以上より、スーパーやコンビニで見た目、食感共に良好なパンを提供できるようになったものである。
以上より、スーパーやコンビニで見た目、食感共に良好なパンを提供できるようになったものである。
L1:長辺L1、L2:長辺L2、S1:短辺S1、S2:短辺S2、B:長辺L1と長辺L2が交わってできる角
Claims (5)
- 展延した生地を一端から巻き込んだ際に、巻き込みの中心部がその周辺に比べ凹んだ形態を持つ穀粉含有生地の製造法。
- 展延した生地が略短冊形であり、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、短辺S2(長さ:s2(cm))の関係がs1/l1<1であり、且つs2/s1<1であり、短辺S2から短辺S1の方向に巻き込んでいくことを特徴とする請求項1記載の穀粉含有生地の製造法。但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2である。
- 展延した生地が略三角形であり、長辺L1(長さ:l1(cm))、短辺S1(長さ:s1(cm))、の関係がs1/l1<1であり、角Bから短辺1の方向に巻き込んでいくことを特徴とする請求項1記載の穀粉含有生地の製造法。但し長辺L2(長さ:l2(cm))とした場合、l1≦l2であり、角Bは長辺L1と長辺L2が交わってできる角とする。
- 請求項2記載の略短冊形生地または請求項3記載の略三角形生地の長辺L1が巻き込んだ際に同一平面上に位置する穀粉含有生地の製造法。
- 請求項1ないし請求項4の何れかによって製造された穀粉含有生地焼成品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008253661A JP2010081851A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 穀粉含有生地ならびにその焼成品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008253661A JP2010081851A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | 穀粉含有生地ならびにその焼成品の製造法 |
Publications (1)
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JP2010081851A true JP2010081851A (ja) | 2010-04-15 |
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2008
- 2008-09-30 JP JP2008253661A patent/JP2010081851A/ja active Pending
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