JP2010080601A - セラミック積層部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 2主面と4側面を有し、面取り加工されたセラミック積層部品であって、少なくとも1主面の4角に、焼成前にマークを備え、前記マークは焼成体の面取り加工後も一部が残存していることを特徴とするセラミック積層部品。
【選択図】 図1
Description
図6に特許文献1に示されている従来技術のマザー圧着体の周辺部に設けられた切断刃位置マークの例を示す。
特許文献2には、バレル研磨において、バレル研磨によって研削される領域を規制する規制パターンを設けて、研磨量を安定化する方法が提案されている。
即ち、本来切断工程直後に不良品として排除されるべきものが後工程に流れることで、無駄な費用が発生し、また、不良数が多い場合、再度必要数量の作製が必要となり、納期遅延の問題があった。
発明者は、マザー圧着体から個片への切断位置不良を感度良く検出するため、従来主に画像処理用に使用されていたマークに注目し、目視検査においても有効活用できないかを検討した。その結果、適当なマークを部品表面に備えることにより、切断位置不良を切断直後に目視で容易に検出できる方法を見出したものである。また、前記マークは、切断工程での不良品検知のみならず、マークの形状を最適化することで、後工程である面取り工程後の面取り量の不足や過剰の不良品検知でも非常に有効であることを見出したものである。
また、マークの形状は90度回転対称であり、対角線が切断ラインと重なるようにするのが好ましい。
更に、マークの形状は正4角形であり、対角線が切断ラインと重なるようにするのが好ましい。
位置に関して、マザー圧着体の行と列に対応した個片に対して、最初に各行または各列を端から順次切断した後、刃とマザー圧着体の相対角度を90度回転させて、同様に端から順次切断される。従って、マークの位置は、各行と各列が交差する位置を中心にするのが好ましい。
形状は、前述のように行と列で90度に、即ち直角に切断するため、90度の回転対称とするのが好ましい。
色調は、目視で明瞭に認識できるのが好ましい。具体的には、後述する実施例1に記載のように、積層部品を構成するセラミックス自体の色調が可視領域の吸収がほとんど無い場合は白色であるため、セラミックグリーンシートも白色に近い色調となる。従って、マーク用の印刷ペーストは、前記セラミックスを主成分として、ほぼ黒色を呈する、酸化鉄、酸化マンガン、酸化クロムなどの複合酸化物を混合して作製するのが好ましい。複合酸化物の粒径や混合量によって、セラミックグリーンシートとのコントラストを調整できる。複合酸化物の混合量が多くなるとコントラストが大きくなり好ましいが、混合量30重量%を超えると、焼成後の部品のセラミックスと焼成後のマーク用印刷ペースト材料との界面の接着力が低下して好ましく無い。従って、より好ましくは混合量10重量%以上25重量%以下である。ここで混合量とは、主成分のセラミックスと合計して100重量%となる量としている。
酸化物が複合であることで、セラミックスとの反応が少なく、呈する黒色が、焼成条件や混合量に関わらず安定して得ることができる。
面取り加工方法としては、湿式バレル研磨の他に、乾式の振動ミルやブラスト処理によっても可能である。
本発明は、2主面と4側面を有し、バレル研磨などで面取り加工されたセラミック積層部品であって、少なくとも1主面の4角に、焼成前にマークを備え、前記マークは焼成体の面取り加工後も一部が残存していて、目視確認可能であるセラミック積層部品である。
(実施例1)
セラミック材料として、酸化物重量換算で表1に示す組成を使用した。
先ず、仮焼後の組成が表1の組成になるようにAl2O3、SiO2、TiO2、Bi2O3、CuO、Mn3O4、SrCO3、Na2CO3、K2CO3の原料粉を秤量し、純水と一緒に、ボールミルで混合し、混合スラリーを得た。前記スラリーにPVAをスラリー重量に対して1重量%添加した後、スプレードライヤーにて乾燥し、平均粒径が約0.1mmの顆粒状の乾燥粉を得た。前記顆粒粉を、連続炉にて最高温度800℃にて仮焼し、目的とする組成の仮焼粉を得た。
次に、仮焼粉を、エタノール中に分散させてボールミルで平均粒径1.2μmまで粉砕し、更に、シート成形用のバインダーであるPVB(ポリビニルブチラール)を仮焼粉重量に対して12wt%、および可塑剤であるDOP(ジオクチルフタレート)7.5wt%を添加し、同一のボールミルにて、溶解・分散を行い、シート成形用のスラリーを得た。前期スラリーを減圧下で、脱泡および一部の溶剤の蒸発を行い、約10000mPa・sの粘度になるように調整した。粘度調整後、ドクターブレードにて、成形幅250mm幅でシート成形を行い、乾燥後約100μmの厚さのセラミックグリーンシートを得た。後工程のハンドリングのため、約200mmの正方形に裁断した。
次に、最上面となるグリーンシートには、部品の方向性確認用や、前記搭載部品の位置合わせ用、そして切断刃位置マーク用、更には切断位置確認用マーク用に、図2に示す形状が印刷されるように、スクリーンマスクを使用して、専用ペーストを用いて、マークを印刷した。専用ペーストは、セラミック材料80重量%に、酸化鉄と酸化マンガンが1:1の重量で反応した複合酸化物20重量%の粉末を混合し、前記合計100重量%に対して、以下添加量として、バインダーとして、エチルセルロースを10重量%、溶剤としてBCA(ブチルカルビトールアセテート)を60重量%添加し、混合した後、3本ロールで約10分混錬して作製した。
尚、実施例では切断刃位置マーク及び切断位置確認用マーク以外の個片の方向性等を確認できる他のマークや、部品表面に形成された電極について、本願発明を特定するものではないため省略している。
各層のグリーンシートの周辺部には、位置合わせ用に用いるパターンが形成させていて、このパターンをカメラで読み取り、画像処理し、位置合わせを行いながら順次積層し、全て層のグリーンシート積層後、温度85℃、圧力15MPaの条件で、10分保持することで熱圧着し、一体化させて、マザー圧着体を得た。
切断後の個片を確認すると、最上面の4角にマークを容易に目視確認できた。
切断した個片を、焼成セッター上にセットし、最高温度900℃、保持時間1.5時間の条件で焼成した。
焼成体を縦型遠心バレル研磨機でバレル研磨を行った。株式会社チップトン製の型式HS−1−4Vを用いて、1Lの樹脂製ポットにセラミック製の直径3ミリのメディア(型式HS−3:株式会社チップトン製)を1500g、個片を100g、水を1L入れて密閉し、200rpmで20分加工した。加工後、篩で個片を分別し、角の研磨量を投影機にて評価したところ、角のRは48〜53μmであった。
尚、個片100gは3.2mm×2.5mmの個片、約6000個に相当する量である。
主面の4角に形成したマークが角側から一様に研磨され、残存したマーク形状により容易に研磨量が一様であることを確認できた。斜視図を図3に示している。
最後に、無電解めっきにより、個片表面に形成されている焼成後のAg表面にNiとAu層を形成し、端子電極とした。
以下、切断位置確認用マークの形状のみ実施例1と異なる条件で作製した。
スクリーン印刷のマスクに、切断位置確認用マークとして、図4に示すマークが印刷されたマザー圧着体を作製し、個片に切断した。
切断後の位置を目視で容易に確認できた。更に、バレル研磨後の研磨量についても容易に目視確認できた。
以下、切断位置確認用マークの形状のみ実施例1と異なる条件で作製した。
スクリーン印刷のマスクに、切断位置確認用マークとして、図5に示すマークが印刷されたマザー圧着体を作製し、個片に切断した。
切断後の位置を目視で容易に確認できた。更に、バレル研磨後の研磨量についても容易に目視確認できた。
実施例4として、実施例1において、6個のマザー圧着体を作製した。1個のマザー圧着体には焼成後の個片サイズとして、3.2mm×2.5mmとなる個片が2,000個分含まれている。よって、合計で、12,000個の個片を作製し、切断後の目視検査の時間を測定した。比較例として、切断位置確認用のマークが形成されていないスクリーンマスクを用いて同様の個数の個片を作成し、この場合は目視で容易に切断位置の良否を判断できないので、めっき後の外観検査により切断位置の良否を判断し、検査時間を比較した。実施例4では、1分(約1ミリ秒/個)に対して、比較例では、8.0時間(2.4秒/個)と2,000倍を超える検査能力があることが分かった。
以下、バレル研磨条件のみ実施例1と異なる条件で作製した。
実施例5としてバレル研磨加工時間を10分とした個片を作製し、角の研磨量を評価したところ、Rは23〜26μmであった。また、残存したマーク形状により容易に研磨量が一様であることを確認できた。
実施例1で作製した個片1,000個に対して、実施例5で作製した個片200個を故意に混合した後、目視検査を行ったところ、残存したマーク形状により両者の差は明らかであり、分別可能であることを確認できた。
以下、バレル研磨条件のみ実施例1と異なる条件で作製した。
実施例6としてバレル研磨の水量を350gとして個片を作製し、角の研磨量を評価したところ、Rは75〜80μmであった。また、残存したマーク形状により容易に研磨量が一様であることを確認できた。
実施例1で作製した個片1,000個に対して、実施例6で作製した個片200個を故意に混合した後、目視検査を行ったところ、残存したマーク形状により両者の差は明らかであり、分別可能であることを確認できた。
2 マザー圧着体
3 切断位置確認用マーク
4 バレル研磨後の切断位置確認用マーク
5 焼成後の個片
Claims (3)
- 2主面と4側面を有し、面取り加工されたセラミック積層部品であって、少なくとも1主面の4角に、焼成前にマークを備え、前記マークは焼成体の面取り加工後も一部が残存していることを特徴とするセラミック積層部品。
- 前記マークの形状は90度回転対称であり、対角線が切断ラインと重なることを特徴とする請求項1に記載のセラミック積層部品。
- 前記マークの形状は正4角形であり、対角線が切断ラインと重なることを特徴とする請求項2に記載のセラミック積層部品。
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