JP2010080118A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電に伴い放電容量が低下し難い非水電解質電池を提供する。
【解決手段】正極層11、負極層、及び固体電解質層を備えるリチウムイオン電池(非水電解質電池)であって、正極層11の固体電解質層側の表面にほぼ一方向に伸びるように並列されている複数の凸条11Cを有する。このリチウムイオン電池は、充放電を繰り返しても放電容量が低下し難い。凸条11Cの形状は、正極層11の断面を見たときに、のこぎり波状の輪郭線を有することが好ましい。特に、凸条11Cの頂点Pを挟む一方の斜辺E1と他方の斜辺E2とが次の関係を満たすことが好ましい。0.1μm≦E1≦0.5μm。0.1mm≦E2≦1mm。
【選択図】図2

Description

本発明は、非水電解質電池に関する。特に、正極層と、負極層と、これら両層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する固体電解質層とを備える非水電解質電池に関する。
携帯機器といった比較的小型の電気機器の電源に、非水電解質電池が利用されている。非水電解質電池として、リチウムイオン二次電池(以下、単にリチウムイオン電池と呼ぶ)がある。リチウムイオン電池は、正極層と負極層と、これらの層の間でリチウムイオンの伝導を媒介する電解質層とを備える。
近年、このリチウムイオン電池として、正・負極層間のリチウムの伝導に有機電解液を用いない全固体型リチウムイオン電池が提案されている。全固体型リチウムイオン電池は、電解質層として固体電解質層を使用しており、有機溶媒系の電解液を用いることに伴う問題、例えば、電解液の漏れによる安全性の問題、高温時に有機電解液がその沸点を超えて揮発することによる耐熱性の問題などを解消することができる。
特開2004−335455号公報
しかし、特許文献1のリチウムイオン電池を含む全固体型リチウムイオン電池では、一般的に、電池の充放電に伴い電池の容量が低下するという問題がある。
例えば、特許文献1のリチウムイオン電池では、正極層としてLiCoOやLiNiO、LiMnなどの、リチウムと遷移金属との酸化物の薄膜を使用している。この正極層は、電池の充放電に伴いリチウムイオンを吸蔵・放出して大きな体積変化を起こす。そのため、正極層と固体電解質層との界面に応力が作用して両者の接合を維持することができなくなることがあり、充放電サイクルに伴う容量の低下が顕著であった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、電池の充放電に伴い容量が低下し難い非水電解質電池を提供することにある。
(1)本発明の非水電解質電池は、正極層、負極層、及びこれら両電極層の間に配される固体電解質層を備える非水電解質電池であって、正極層の固体電解質層側の表面において、複数の凸条が並列された状態でほぼ一方向に伸びるように形成されていることを特徴とする。
上記本発明の非水電解質電池は、正極層の表面に凸条を有することにより、充放電を繰り返しても、放電容量が低下し難い。その理由は、定かではない。しかし、おそらくは、正極層の表面の凸条が、充放電に伴う正極層の体積変化により生じる応力を緩和しているからではないかと推察される。
なお、正極層と固体電解質層との間に、なんらかの中間層(例えば、正極層と固体電解質層との界面におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層(後段で詳述する)など)が存在してもよい。このような中間層が存在する場合であっても、本発明の効果は、正極層の表面の凸条に起因して奏される。
(2)本発明の非水電解質電池の一形態として、複数の凸条は、その延伸方向と直交する断面で見たときに、のこぎり波状の輪郭線を有し、各凸条における輪郭線の頂点を挟む一方の斜辺の長さE1と他方の斜辺の長さE2が以下の式を満たすことが好ましい。
0.1μm≦E1≦0.5μm
0.1mm≦E2≦1mm
凸条が、のこぎり波状の輪郭線を有する場合(後述する実施形態の図2を参照)、特にサイクル特性の向上効果が高い。のこぎり波状の凸条は、上記範囲に規定するように、その輪郭線における頂点を挟む一方の斜辺E1が他方の斜辺E2よりも極端に短く形成すると良い。その場合、凸条の断面形状は扁平な三角形となる。
(3)本発明の非水電解質電池の一形態として、正極層の凸条が形成されていない表面から凸条の最も突出している部分までの長さを正極層の厚みと規定したとき、正極層の平均厚みが8μm以上であることが好ましい。
このような平均厚みを有していれば、正極層に占める凸条の割合が大きくなりすぎず、平均厚さが8μm未満のものよりもサイクル特性を向上させる効果が高い。また、正極層における凸条の割合が大きすぎないため、凸条を形成し易い。ここで、正極層の平均厚さは、異なる複数箇所(10箇所以上、好ましくは50箇所以上)において測定した値を平均した値とすれば良い。
(4)本発明の非水電解質電池の一形態として、電池に備わる正極層が、気相法により形成されていても良い。
気相法は薄膜を形成する手法の一つであり、7μm以下の膜を形成するために用いられるのが通常である。しかし、本願発明者らの検討の結果、気相法により正極層を形成する場合、成膜条件を操作することで容易に凸条を形成できることを見いだした。例えば、後述する実施例に示すように、気相法の一つであるパルスレーザーデポジション法を使用する際、レーザーエネルギーを一定以上にすると共に、敢えて正極層を厚く形成することを試みた。その結果、正極層の表面に本発明が特定するような、ほぼ一方向に伸びるように並列される複数の凸条が形成されること見出した。なお、パルスレーザーデポジション法に限らず、他の気相法、例えば、スパッタリング法によっても、本発明が特定する凸条を形成できる。
(5)本発明の非水電解質電池の一形態として、正極層は、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも一種の元素とリチウムとを含む酸化物を活物質として含有することが好ましい。
上記元素とリチウムとを含む酸化物を正極層の活物質とすれば、放電容量が高く、サイクル特性の優れた非水電解質電池とすることができる。
(6)本発明の非水電解質電池の一形態として、電池に備わる負極層は、Liを活物質として含有するように気相法により形成されることが好ましい。
負極層の形成に気相法を利用することにより、薄い負極層を形成できる。また、負極層がLiを含有することにより、負極層を薄く形成しても放電容量の大きな非水電解質電池とすることができる。
(7)本発明の非水電解質電池の一形態として、電池に備わる固体電解質層がリチウムイオン伝導性の硫化物固体電解質を含有する場合がある。このような場合、この固体電解質層と正極層との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層を備えることが好ましい。
酸化物を含有する正極層と硫化物を含有する固体電解質層とが隣接していると、これら両層の界面近傍にリチウムイオンの偏りに起因する空乏層が形成される。ここで、正極層と固体電解質層との間に緩衝層が存在すると、上記空乏層の形成が抑制され、電池の放電容量が低下し難くなる。
(8)本発明の非水電解質電池の一形態として、電池に備わる硫化物固体電解質は、LiSとPを含有することが好ましい。
上記化合物は、リチウムイオン伝導性が高いため、非水電解質電池の特性を向上させることができる。
本発明の非水電解質電池は、一方向に並列される複数の凸条を有することで、充放電を繰り返しても放電容量が低下し難い。すなわち、本発明の非水電解質電池は、サイクル特性の点で優れる。
≪全体構成≫
図1は、本実施形態におけるリチウムイオン電池(非水電解質電池)の縦断面図である。このリチウムイオン電池100は、正極1、負極2、および、両電極間に配置される固体電解質層(以下、SE層とする)31を備える。正極1は、正極層11と正極集電体12とからなり、負極2は、負極層21と負極集電体22とからなる。さらに、この電池100は、SE層31が硫化物から構成される場合、正極層11とSE層31との間にリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層41を備える。以下、電池100に備わる各層の構成を詳細に説明する。
≪各構成部材≫
(正極層)
正極層11は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う正極活物質を含む層である。例えば、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiCoNi1−y、LiCo1−y、LiNi1−y、LiMn、LiMn2−y、LiαPO、LiαPOFなどのリチウムと遷移金属との酸化物が挙げられる。ここで、式中のαは、Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb及びBのうち少なくとも一種(遷移金属以外の元素は単独で選択されない)であり、x=0〜1.2、y=0〜0.9、z=2.0〜2.3である。また、xの値は充放電が開始される前の値であるから、xの値は充放電に伴って変化する。なお、正極活物質としては、これらの混合物も使用されうる。
正極層11は、そのSE層31側の表面に複数の凸条を有する。この凸条を正極層11に形成することで、リチウムイオン電池100の充放電を繰り返した場合でも、正極層11とSE層31との接合が長期にわたって維持される。その結果、リチウムイオン電池100のサイクル特性を向上させることができる。
正極層の一表面に形成される複数の凸条は、隣接する凸条間に実質的に隙間がないように規則的に並列される。また、各凸条の延伸状態は、ほぼ一方向に直線状に伸びている。ほぼ一方向に伸びるという意味で、凸条は直線に近い円弧状であっても良い。ここで、凸条の数は多い方がサイクル特性を向上させる効果が高いが、その数が少ない場合であっても本発明の効果を奏しないわけではない。
また、各凸条の形状は特に限定されないが、その延伸方向に一様な形状とすることが好ましい。また、各凸条の形状同士も実質的に同一であることが好ましい。形成される複数の凸条全体の形状としては、凸条の延伸方向と直交する断面から見たときに凸条全体が形作る輪郭線が、のこぎり波状に形成されていることが好ましい。
図2は、のこぎり波状に形成された凸条11Cを有する正極層11の概略構成図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)の横断面図である。この凸条11Cの輪郭線は、頂点Pを有するのこぎり波状であり、その頂点Pを挟む一方の斜辺E1が、他方の斜辺E2よりも極端に短い。なお、図2では、斜辺E1の長さを実際よりも長く記載している。
この凸条11Cの斜辺E1は0.1μm以上0.5μm以下、斜辺E2は0.1mm以上1mm以下であることが好ましい。斜辺E1と斜辺E2との長さの比率は、1:200〜1:10000程度とすると良い。のこぎり波状の凸条11Cにおける斜辺E1と斜辺E2とのなす角は、直角でも鋭角でも鈍角でも良い。
上記凸条11Cを有する正極層11の平均厚さTは、8μm以上とすることが好ましい。正極層11の平均厚さTは、正極層11の正極集電体12側から各凸条11Cの最も突出している部分(図2では頂点P)までの長さを複数箇所(10点以上、好ましくは50点以上)で測定し、その平均値として求めれば良い。
正極層11の形成方法としては、成膜条件を限定した気相法を好適に使用できる。例えば、後述する実施例に示すように、パルスレーザーデポジション(PLD)法で正極層11を形成する場合、レーザーエネルギーを調節すると共に、正極層11を8μm以上の厚さにすることで、図2に示すようなのこぎり波状の凸条11Cを正極層11の表面に形成することができる。
なお、後述する実施例の結果から、電池100のサイクル特性の向上は正極層11の凸条11Cに起因すると推察されるので、気相法とは異なる方法で形成された正極層11であっても、その正極層11が凸条11Cを有する場合には、サイクル特性を向上する効果を発揮すると考えられる。
(正極集電体)
正極集電体12としては、Al、Ni、これらの合金、ステンレスから選択される1種が好適に利用できる。上記正極層11を形成する際は、正極集電体12を基板として気相法を利用して正極層11を形成すれば良い。
(負極層)
負極層21には、Li金属及びLi金属と合金を形成することのできる元素よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物又は合金が好適に使用できる。Liと合金を形成することのできる元素としては、Al、Si、C、Sn、Bi、及びInよりなる群より選ばれる少なくとも一つが良い。その他、LiとTiの複合酸化物や、Si,Sn,Vの酸化物などを利用することもできる。さらに、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行うことができる炭素材料が好適に使用される。炭素材料の具体例としては、例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)及び人造黒鉛等に代表される黒鉛類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック及びサーマルブラック等に代表されるカ−ボンブラック類、コークス、熱分解炭素類、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛化メソフェーズ小球体、気相成長炭素、ガラス状炭素類、炭素繊維(ポリアクリロニトリル系、ピッチ系、セルロース系、気相成長炭素系)、不定形炭素、有機物の焼成された炭素材料、球状炭素、及び非晶質炭素等が挙げられる。負極活物質は、これらの負極活物質を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
負極層21の平均厚さは、0.3〜100μmとすることが好ましい。負極層21が薄すぎる場合、十分な放電容量を確保できなくなる虞がある。逆に、厚すぎると、正負極間の短絡の原因となる虞がある。このような負極層21は、気相法により形成することが好ましい。
(負極集電体)
負極集電体22は、Cu、Ni、Fe、Cr、及びこれらの合金から選択される1種が好適に利用できる。なお、負極層21が導電性の高い部材で構成される場合、負極集電体22を省略することができる。
(SE層)
SE層31は、リチウムイオン伝導性を有する酸化物や硫化物の固体電解質である。このSE層31は、リチウムイオン伝導度(20℃)が10-5S/cm以上であり、かつLiイオン輸率が0.9以上であることが好ましい。また、SE層31は、電子伝導度が10-8S/cm以下であることが好ましい。SE層31の材質としては、例えば、Li、P、S、OからなるLi−P−S−Oや、LiSとPとからなるLi−P−Sのアモルファス膜あるいは多結晶膜などで構成することが好ましい。
SE層31の平均厚さは、0.3〜10μmとすることが好ましい。SE層31が厚すぎると、電池の内部抵抗が増加し、逆に薄すぎると正負極間の絶縁を確保することが難しくなる。
(緩衝層)
緩衝層41は、SE層31が硫化物の場合に、SE層31と正極層11との界面におけるリチウムイオンの偏りを緩衝するための層である。緩衝層41の材質としては、Liと、Ti,Nb,La,TaおよびSiの少なくとも一種とを含有する複合酸化物であることが好ましく、具体的には、LixLa(2−X)/3TiO(X=0.1〜0.5)、Li7+XLaZr12+(X/2)(−5≦X≦3)、LiTi12、Li3.6Si0.60.4、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO、Li1.8Cr0.8Ti1.2(PO、LiNbO,LiTaOまたは、Li1.4In0.4Ti1.6(POなどを単独あるいは組み合わせて使用できる。なお、SE層31が酸化物から構成される場合、緩衝層41を省略できる。
緩衝層41の平均厚さは、5〜100nmとすることが好ましい。緩衝層41の厚さが厚すぎると、リチウムイオン電池の内部抵抗が増大し、電池の出力が低下する。逆に、厚さが薄すぎると、リチウムイオンの偏りを緩衝できなくなる。
実施形態において説明した構成のコイン型のリチウムイオン電池を作製した。そのリチウムイオン電池の充放電に伴う容量維持率を評価した。
<試料1>
正極集電体12として、厚さ100μmのSUS316Lからなる薄板を用意した。この薄板は、各層を支持する基板の役割も兼ねる。
PLD法により、正極集電体12の上にLiCoOからなる正極層11を形成した。正極層の厚みが8μm以上となるように正極層11の厚みを成長させた。正極層11の形成にあたってはレーザー出力を2J/cm以上とした。
正極層11の表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、のこぎり波状の凸条11Cが一様に認められた(図2参照)。さらに詳しく凸条11Cの形状を観察したところ、のこぎり波状の凸条11Cには頂点Pがあり、その頂点Pを挟んで短い斜辺(一方の斜辺E1)と長い斜辺(他方の斜辺E2)が観察できた。各凸条11Cについて異なる10箇所以上の断面でこれらの斜辺の長さを測定したところ、斜辺E1の長さは、0.1〜0.5μmの範囲に、他方の斜辺E2の長さは0.1〜1mmの範囲に収まっていた。また、斜辺E1の長さを平均すると、0.3μm、斜辺E2の長さを平均すると、0.5mmであった。また、斜辺E1と斜辺E2とのなす角(頂点の角度)の平均は、およそ90°であった。
また、正極層11における凸条11Cの存在する位置での厚さを10箇所以上測定し、全測定値を平均して正極層11の平均厚さを算出したところ、10μmであった。これを正極層11の厚さTとする。
エキシマレーザーアブレーション法により、正極層11の上に、LiNbOを蒸着することで緩衝層41を形成した。緩衝層41の厚さは、20nmであった。
エキシマレーザーアブレーション法により、緩衝層41の上に、Li−P−S組成のSE層31を形成した。SE層31の形成の際は、硫化リチウム(LiS)及び五硫化リン(P)を原料とし、SE層31におけるLi/Pのモル比が2.0となるように調整した。SE層31の厚さは、5μmであった。
抵抗加熱蒸着法により、SE層31の上に、LiとSiからなる負極層21を形成した。負極層21の厚さは、1μmであった。なお、試料1のリチウムイオン電池100では、負極集電体22の形成を省略し、負極層21が負極集電体22を兼ねる構成とした。
以上のようにして作製した発電要素をコイン型容器に仕込んで、リチウムイオン電池を完成させた。完成したリチウムイオン電池について充放電試験を行った。
<試料2>
試料2として、凸条を有さない正極層を備えるリチウムイオン電池を作製した。正極層が凸条を有しないようにするためには、PLDのレーザー出力を2J/cm未満とすれば良い。作製した正極層の表面を観察したところ、一方向に伸びる並列された凸条は観察されなかった。また、この凸条のない正極層について10箇所以上で厚みを測定し、その平均を求めたところ、試料1と同様に、10μmであった。この凸条を有さない正極層を使用して、試料1の場合と同様にリチウムイオン電池(試料2)を完成させた。
なお、正極層11の厚みを8μm以上としない場合には、PLDのレーザー出力の大きさによらず、本発明が特定する凸条11Cは形成されない。
<評価>
以上のように作製されたリチウムイオン電池について、充放電サイクル試験をおこなった。充放電試験の条件は、カットオフ電圧;3.0V−4.2V、電流密度;0.05mA/cmとした。この条件の下、50サイクルをおこなった。そして、サイクル後の容量維持率(50サイクル時の放電容量/サイクル試験中の最大放電容量)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2010080118
表1の結果から、表面に凸条11Cを有する正極層11を備えた試料1の容量維持率は、表面に凸条を有しない正極層を備えた試料2のそれより、大きかった。以上から、正極層の表面に凸条11Cを有することが、サイクル特性の向上に寄与していることが明らかとなった。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能である。例えば、正極層、SE層、負極層の配置が図1に示すリチウムイオン電池とは異なる電池、例えば、電池を平面視したときに正極層と負極層の一部が重なる部分積層型の電池などがある。このような場合においても、正極層として本発明が特定する正極層を使用すれば良い。
本発明の非水電解質電池は、携帯機器などの電源として好適に利用することができる。
実施形態に係るリチウムイオン電池の縦断面図である。 のこぎり波状に形成された凸条を有する正極層の概略構成図であって、(A)は斜視図、(B)は(A)の横断面図である。
符号の説明
100 リチウムイオン電池
1 正極 11 正極層 12 正極集電体
2 負極 21 負極層 22 負極集電体
31 SE層
41 緩衝層
11C 凸条
P 頂点
E1 一方の斜辺
E2 他方の斜辺
T 正極層の厚さ

Claims (8)

  1. 正極層、負極層、及びこれら両電極層の間に配される固体電解質層を備える非水電解質電池であって、
    前記正極層の固体電解質層側の表面において、複数の凸条が並列された状態でほぼ一方向に伸びるように形成されていることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記複数の凸条は、その延伸方向と直交する断面で見たときに、のこぎり波状の輪郭線を有し、
    各凸条における輪郭線の頂点を挟む一方の斜辺の長さE1と他方の斜辺の長さE2が以下の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
    0.1μm≦E1≦0.5μm
    0.1mm≦E2≦1mm
  3. 前記正極層の凸条が形成されていない表面から凸条の最も突出している部分までの長さを正極層の厚みと規定したとき、正極層の平均厚みが8μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質電池。
  4. 前記正極層が気相法により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の非水電解質電池。
  5. 前記正極層は、Mn、Fe、CoおよびNiからなる群から選択される少なくとも一種の元素とリチウムとを含む酸化物を活物質として含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解質電池。
  6. 前記負極層は、気相法により形成され、Liを活物質として含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解質電池。
  7. 前記固体電解質層が、リチウムイオン伝導性の硫化物固体電解質を含有し、
    この固体電解質層と正極層との間に、これら両層の界面近傍におけるリチウムイオンの偏りを緩衝する緩衝層を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の非水電解質電池。
  8. 前記硫化物固体電解質は、LiSとPを含有することを特徴とする請求項7に記載の非水電解質電池。
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