JP2010078889A - 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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光 辻本
Ryozo Fukuzaki
僚三 福崎
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Abstract

【課題】光拡散性と光透過性とが共に優れた光学フィルム及び光学フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】基材2の表面に、透光性微粒子3と透明樹脂4とを含有するハードコート層1が形成され、透光性微粒子3が、そのアスペクト比が1.1以上2.0以下の異方性を有し、その長軸方向が基材2の表面と略平行になるように配置されている光学フィルムとする。透光性微粒子3は好ましくは基材2とハードコート層1との界面に偏在して配置されている。また、透光性微粒子3を含有する塗工液を基材2に塗布した後、前記塗工液中の溶媒を除去し、次いで透明樹脂4を含有する塗工液を塗布する工程を有する工程によりハードコート層1を形成して光学フィルムを製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム及び光学フィルムの製造方法に関するものであり、詳しくは、光拡散性及び光透過性に優れた光学フィルム及び光学フィルムの製造方法に関するものである。
従来、プラスチック基材の片面に樹脂と透光性微粒子とからなる光拡散性の層が形成された光学フィルムが知られている(例えば特許文献1及び2)。このような光学フィルムは、光拡散フィルムや防眩性フィルムとしてガラスや液晶ディスプレイなどの表面に用いられている。
図2は、従来の光学フィルムについての概略断面図を示している。この光学フィルムは、プラスチックフィルムからなる基材2と、基材2の表面に形成されたハードコート層1とからなり、ハードコート層1は透光性微粒子3を分散した透明樹脂4により形成されている。透光性微粒子3の形状については、例えば、特許文献1の段落0016には、球状、回転楕円体状、金平糖状、薄板状、針状等のものが開示されている。しかしながら、実用的には透光性微粒子3は、その形状が球状、特に真球状のものが一般的に使用されている。これは、真球状以外の形状の粒子を使用しても、透光性微粒子3の並び方(配向)がランダムとなり、結局は光拡散性が真球状と変わらないためである。また、真球状以外の形状の樹脂粒子を大量に安定して供給する製法が確立されていなかったこともその原因の一つとなっている。
特開平11−109113号公報 特開2001−311806号公報
前記のように従来の光学フィルムでは、透光性微粒子3の形状が真球状であるため、光拡散性を維持または向上させながら光透過性を向上するには限界があった。すなわち、光拡散性と光透過性とは両立が困難な関係にあることが知られ、光拡散性高めようとすると光透過性が低下して明るさが減少してしまい、逆に明るさを高めようとして光透過性を上げると光拡散性が低下してしまうといった問題があり、光拡散性と光透過性とが共に優れた光学フィルムを得ることは難しかった。
本発明は、以上の問題に鑑みて、光拡散性と光透過性とが共に優れた光学フィルム及び光学フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る光学フィルムは、基材2の表面に、透光性微粒子3と透明樹脂4とを含有するハードコート層1が形成された光学フィルムであって、透光性微粒子3が、そのアスペクト比が1.1以上2.0以下の異方性を有し、その長軸方向が基材2の表面と略平行になるように配置されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る光学フィルムは、上記構成に加え、透光性微粒子3が基材2とハードコート層1との界面に偏在して配置されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る光学フィルムの製造方法は、基材2の表面に、透光性微粒子3と透明樹脂4とを含有するハードコート層1が形成された光学フィルムの製造方法であって、ハードコート層1を形成する工程が、アスペクト比が1.1以上2.0以下の異方性を有する透光性微粒子3を含有する塗工液を基材2に塗布した後、前記塗工液中の溶媒を除去し、次いで透明樹脂4を含有する塗工液を塗布する工程を有することを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る光学フィルムによれば、異方性を有する透光性微粒子が、その長軸方向が基材の表面と略平行になるように配置されているので、高い光拡散性と高い光透過性とを共に実現することができる。
本発明の請求項2に係る光学フィルムによれば、透光性微粒子が基材とハードコート層との界面に偏在して配置されていることにより、透過性を下げる原因となる界面での反射光を拡散光にすることができるので、さらに高い光拡散性と高い光透過性とを共に実現することができる。
本発明の請求項3に係る光学フィルムの製造方法によれば、異方性のある透光性微粒子を基材とハードコート層との界面に、その長軸方向が基材の表面と略平行になるように配置させることができるので、光拡散性と光透過性を共に向上した光学フィルムを得ることができる。
図1は、本発明の光学フィルムの一例についての概略断面図を示している。本発明の光学フィルムは、プラスチックの基材2と、基材2の表面に形成されたハードコート層1とにより構成されている。ハードコート層1は、透光性微粒子3と透明樹脂4とを有している。
基材2は、光学フィルムをフィルム状に形成している材料である。基材2としては、光学フィルムの基材2として用いられるものであれば、特に限定されるものではなく、透明性と適度な機械的剛性を有し、溶剤により軟化する公知のプラスチックフィルムもしくはシートを適宜用いることができる。具体的には、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート等のフィルムを挙げることができる。このうち、本発明においては、トリアセチルセルロース(TAC)が透明性に優れ光学的に異方性が小さいので好ましい。
透光性微粒子3は、光を透過する性質をもつ微粒子である。透光性微粒子3の形状は、アスペクト比1.1以上2.0以下の異方性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、任意の形状のものを使用することができる。具体的には、例えば、ラグビーボール状、レンズ状、扁平状、小判状、回転楕円体状、針状などの形状が挙げられる。透光性微粒子3のアスペクト比が1.1未満になると球形状に近づくために高い光拡散性と光透過性を得ることができなくなるおそれがある。一方、透光性微粒子3のアスペクト比が2.0を超えると光拡散性が発現しないおそれがある。
透光性微粒子3の粒径は、平均粒径1〜30μmであるのが好ましい。粒径が1μm未満であると、光学フィルムとして必要な最低限の光拡散性を与えることができなくなるおそれがある。一方、粒径が30μmを超えると、光拡散の均一性が悪化するおそれがある。透光性微粒子3の粒径は体積平均粒径を表し、市販の光散乱粒径測定装置(例えば大塚電子株式会社製:DLS−7000を挙げることができる)を用いて測定することができる。
なお、本発明において異方性とは、等方的ではなく粒子が物理的に方向性を有するという意味であり、すなわち、本発明における粒子の異方性は前記のアスペクト比になることを意味している。アスペクト比とは、外接長方形(粒子図形を長方形で囲んだときの最小長方形)の長さと幅の比のことである。アスペクト比は例えば粒度分布画像解析装置などにより測定することができる。
透光性微粒子3は、好ましくは樹脂により成形された微粒子である。このような透光性微粒子3を形成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、架橋アクリル樹脂、ポリ((メタ)アクリレート)樹脂、架橋ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、架橋ポリスチレン樹脂、架橋ポリ(アクリル−スチレン)樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂が挙げられる。本発明においては、透明性、耐光性、硬度の点からアクリル樹脂や架橋アクリル樹脂が好ましく用いられる。
透光性微粒子3の充填濃度は、光学フィルムの表面積(積層方向側から見た面積)に対する重量比として0.3〜30g/mであるのが好ましく、0.3〜2g/mであるのがさらに好ましい。このような充填濃度になることにより、光学フィルムの光拡散性と光透過性とを共に向上させることができる。透光性微粒子3の充填濃度がこの範囲未満であると十分な光拡散性を得ることができなくなるおそれがある。一方、透光性微粒子3の充填濃度がこの範囲を超えると、透光性微粒子3が基材に対して平行に配列しなくなり光拡散性と光透過性の両立が困難になってくるおそれがある。
透明樹脂4は、基材2をコーティングする樹脂である。透明樹脂4は、光透過性を有して光学フィルムとして使用できる樹脂であれば特に限定されるものではなく、紫外線硬化により鉛筆硬度H以上、光透過率90%以上の塗膜を与えるものであれば、任意に使用することができる。このような紫外線硬化型の透明樹脂4としては、例えば、アクリル樹脂やアクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等を挙げることができる。
この透明樹脂4には、前記の樹脂に加えてコーティング材料として用いることができる種々の成分を配合することができる。例えば、硬化剤、硬化促進剤、透光性の着色剤、安定化剤などが挙げられる。
ハードコート層1を形成するには、例えば、前記の樹脂が溶解され、適宜の成分が添加された塗工液を基材2の表面に塗工した後、乾燥などで溶媒を除去し、樹脂を硬化することにより行う。その際、透光性微粒子3は、樹脂の塗工液に分散されて塗工されてもよいし、樹脂の塗工液とは異なる透光性微粒子3の塗工液を調製し、この塗工液を基材2上に塗工することにより塗工されてもよい。
ハードコート層1は、好ましくは、透光性微粒子3を含有する塗工液を基材2に塗布した後、前記塗工液中の溶媒を除去し、次いで樹脂を含有する塗工液を塗布する工程を有して形成されるものである。すなわち、透光性微粒子3と溶媒(溶剤)とからなる塗工液を基材2に塗布し、乾燥により溶媒を除去する。それにより、溶媒が除去された透光性微粒子3は、溶媒中にバインダー等他の成分がないので、力学的により安定な状態になろうとしてその長軸方向が基材2の表面と略平行になるようにして基材2上に残る。そして、透光性微粒子3の残った基材2の上に樹脂の塗工液を塗布する。このような工程を有することにより、異方性のある透光性微粒子3を簡単に基材2とハードコート層1との界面に偏在して配置させると共に、その長軸方向が基材2の表面と略平行になるように配置させることができるので、光拡散性と光透過性とを共に向上した光学フィルムを容易に得ることができる。
塗工液に用いる溶媒としては、コーティング用の塗工液として使用できるものであればよく、任意のものを用いることができる。そのようなものとして、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等を用いることができる。
塗工液中の透光性微粒子3の濃度は1〜20重量%であるのが好ましい。塗工液中の透光性微粒子3の濃度がこの範囲未満であると、十分な光散乱性を付与するのが困難となるおそれがある。一方、塗工液中の透光性微粒子3の濃度がこの範囲を超えると、粒子の凝集による光学フィルムの外観の悪化を招くおそれがある。
ハードコート層1の塗工方法としては、塗工液により基材2の表面をコーティングするための任意の方法を用いることができ、例えば、グラビアコータ、バーコータ等を用いた方法が挙げられる。また、樹脂を硬化させる方法としては、熱硬化や光硬化等の任意の方法を用いることができるが、その中でも紫外線を使用して硬化するのが好ましく、その場合、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源を利用することができる。
ハードコート層1内において、異方性を有する透光性微粒子3は、その長軸方向が基材の表面と略平行になるように配置されている。透光性微粒子3がこのように配置されていることにより、透光性微粒子3に入射する光が多くなる状態となるので、高い光拡散性と高い光透過性とを共に実現することができる。なお、透光性微粒子3は、基材2の表面とは略平行ではあるが、基材2の略平行な面内においては、ランダムな方向性を示している。これにより、ハードコート層1の面方向においては透光性微粒子3の方向性がなくなるので、角度によらず均一な光拡散性と光透過性を得ることができる。
さらに、この透光性微粒子3は、基材2とハードコート層1との界面に偏在して配置されているのが好ましい。これにより、透光性微粒子3が、光学フィルムの材質が変化して光が屈折しやすい界面において、その長軸方向が基材の表面と略平行になるように配置されているので、屈折光を拡散及び透過することができ、さらに高い光拡散性と高い光透過性とを共に実現することができる。
ハードコート層1の厚みは、平均膜厚1〜20μmであるのが好ましい。平均膜厚が1μm未満になるとフィルムに十分な耐摩耗性を与えることができなくなるおそれがある。一方、平均膜厚が20μmを超えるとフィルムがカールするおそれがある。
以上のように、本発明の光学フィルムはハードコート層1と基材2により構成されるものであるが、本発明はそれに限られず、ハードコート層1の表面にさらにコーティング層を設けたり、基材2とハードコート層1の間に中間層を設けたりしてもよい。
次に本発明について、実施例によりさらに具体的に説明する。言うまでもなく本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
光学フィルムの材料として次のものを用いた。
・透光性微粒子3:扁平状粒子;樹脂、MCB−H1(日清紡(株)製、平均粒径5μm、アスペクト比1.5)
・塗工溶媒:MEK(メチルエチルケトン)とPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)との混合溶剤(重量混合比1:1)
・基材2:TACフィルム:FT‐TD80UL‐H(パナック(株)製、厚さ80μm)
・透明樹脂4:アクリル・エポキシ混合樹脂;KRX620‐3(紫外線硬化性、(株)アデカ製)
扁平状粒子を混合溶剤に表1記載の濃度で混合溶剤に分散し、透光性微粒子3の塗工液を調製した。また、アクリル・エポキシ混合樹脂(40重量部)を混合溶剤(60重量部)に溶解し、透明樹脂4の塗工液を調製した。まず、基材2の表面に透光性微粒子3の塗工液をバーコータにより濡れ厚さ約15μmになるよう塗布し、塗工層を80℃で1分間乾燥した。次に、その上に透明樹脂4の塗工液をバーコータにより濡れ厚約20μmになるよう塗布し、塗工層を80℃で5分間乾燥した。そして、塗布面に紫外線を照射して塗工層を硬化させることにより、ハードコート層1が形成された光学フィルムを得た。この光学フィルムにおける透光性微粒子3の充填濃度は0.5g/mであった。
[実施例2]
透光性微粒子3の塗工液として表1記載の濃度のものを用いた。その他は実施例1と同様の方法で光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.8g/mであった。
[実施例3]
透光性微粒子3として次のものを用いた。
・レンズ状粒子:L-XX-03N(アスペクト比1.2〜1.8、平均粒径6μm、積水化成品(株))
その他は実施例1と同様の方法で光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.5g/mであった。
[実施例4]
透光性微粒子3として実施例3と同じものを用い、塗工液の濃度を表1記載のものとした。その他は実施例1と同様の方法で光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.8g/mであった。
[比較例1]
透光性微粒子3として次のものを用いた。
・真球状粒子:MX‐500(平均粒径5μm、綜研化学(株)製)
その他は実施例1と同様の方法で光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.5g/mであった。
[比較例2]
透光性微粒子3として比較例1と同じものを用い、塗工液の濃度を表1記載のものとした。その他は実施例1と同様の方法で光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.8g/mであった。
[比較例3]
透光性微粒子3として実施例1で使用した扁平状粒子を用い、その他の材料は実施例1と同じものを用いて、透光性微粒子3がハードコート層1内においてランダムに配向した光学フィルムを作製した。まず、扁平状粒子(3重量部)とアクリル・エポキシ混合樹脂(40重量部)とを混合溶剤(60重量部)に分散・溶解して、透光性微粒子3と透明樹脂4とを含有する塗工液を調製した。次に、この塗工液を基材2の表面にバーコータにより濡れ厚さ約20μmになるよう塗布し、塗工層を80℃で乾燥した。そして、塗布面に紫外線を照射して塗工層を硬化させることにより、ハードコート層1を形成して光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.5g/mであった。
[比較例4]
塗工液中の透光性微粒子3の濃度を表1記載のものとした。その他は比較例3と同様の材料及び方法で、透光性微粒子3がランダムに配向した光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.8g/mであった。
[比較例5]
透光性微粒子3として実施例3で使用したレンズ状微粒子を用い、その他の材料は実施例1と同じものを用いて、透光性微粒子3がハードコート層1内においてランダムに配向した光学フィルムを作製した。まず、レンズ状微粒子(3重量部)とアクリル・エポキシ混合樹脂(40重量部)とを混合溶剤(60重量部)に分散・溶解して、透光性微粒子3と透明樹脂4とを含有する塗工液を調製した。次に、この塗工液を基材2の表面にバーコータにより濡れ厚さ約20μmになるよう塗布し、塗工層を80℃で乾燥した。そして、塗布面に紫外線を照射して塗工層を硬化させることにより、ハードコート層1を形成して光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.5g/mであった。
[比較例6]
塗工液中の透光性微粒子3の濃度を表1記載のものとした。その他は比較例3と同様の材料及び方法で、透光性微粒子3がランダムに配向した光学フィルムを得た。光学フィルムの透光性微粒子3の充填濃度は0.8g/mであった。
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜6の光学フィルムについて、そのヘイズ(Hz)及び全光線透過率(TT)をヘイズメーター(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。光拡散性はHz(ヘイズ)により、光透過性は全光線透過率(TT)により評価することができる。結果を表1に示す。
Figure 2010078889
実施例の光学フィルムは、同じ粒子分散濃度の比較例の光学フィルムに対して、ヘイズと全光線透過率とにおいて共に高い値を示した。比較例1及び2は、粒子が真球状であるために透過率が低くなったものと考えられる。比較例3〜6は、異方性を有する透光性微粒子3を用いてはいるものの、その粒子の配向がランダムであるために透過率が低くなったものと考えられる。
このように本発明によれば、異方性を有する透光性微粒子3が、その長軸方向が基材の表面とほぼ平行になるように、ハードコート層1内に設けられていることにより、優れた光拡散性と光透過性とを両立することができる。
本発明の光学フィルムの一例を示す概略断面図である。 従来の光学フィルムの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 ハードコート層
2 基材
3 透光性粒子
4 透明樹脂

Claims (3)

  1. 基材の表面に、透光性微粒子と透明樹脂とを含有するハードコート層が形成された光学フィルムであって、透光性微粒子が、そのアスペクト比が1.1以上2.0以下の異方性を有し、その長軸方向が基材の表面と略平行になるように配置されていることを特徴とする光学フィルム。
  2. 透光性微粒子が、基材とハードコート層との界面に偏在して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
  3. 基材の表面に、透光性微粒子と透明樹脂とを含有するハードコート層が形成された光学フィルムの製造方法であって、ハードコート層を形成する工程が、アスペクト比が1.1以上2.0以下の異方性を有する透光性微粒子を含有する塗工液を基材に塗布した後、前記塗工液中の溶媒を除去し、次いで透明樹脂を含有する塗工液を塗布する工程を有することを特徴とする光学フィルムの製造方法。

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