JP2010078449A - 赤外線撮像素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空構造体の機械的強度を向上することで、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板と、前記基板の上に、前記基板と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部と、前記赤外線吸収部と前記基板との間において、前記基板と離間し、かつ前記赤外線吸収部と接して設けられ、前記赤外線吸収部で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部と、前記熱電変換部を前記基板の上方に前記基板と離間して支持しつつ、前記熱電変換部から前記電気信号を伝達する支持体と、前記支持体からの前記電気信号を読み出すための配線と、を備え、前記赤外線吸収部は、その周縁に設けられ、前記基板に向けて突出した突出部を有することを特徴とする赤外線撮像素子を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、赤外線撮像素子及びその製造方法に関する。
近年、半導体基板上に中空構造体を形成した、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の研究開発が盛んに行われている。
このMEMSを応用したデバイスとして、赤外線撮像素子が挙げられる。なかでも、冷却機構を必要としない非冷却型の赤外線撮像素子は、小型化、オンチップ化が可能であり、広い応用分野に適用できるものとして、今後の発展が大きく期待されている。
このような赤外線撮像素子においては、入射赤外線を熱に変換する赤外線吸収部と、その熱を電気的信号に変換する熱電変換部と、を有する赤外線検出部が設けられる。この赤外線検出部を、周囲から熱的に分離し、熱電変換効率を向上することが、赤外線の検出感度向上のために重要である。
このため、赤外線撮像素子は、真空パッケージに実装されると共に、赤外線検出部の周辺の基板及び素子分離酸化膜をエッチングなどにより除去し、赤外線検出部の周囲を空洞化することにより、周囲への熱の拡散を抑える方法が取られる。
また、検出感度を高めるために、赤外線吸収部の全体に対する面積比率をできるだけ高め、入射する赤外線を効率良く吸収する構造が重要となる。
このような構造を有する赤外線撮像素子として、例えば、温度センサと、温度センサを支持する断熱支持脚と、温度センサに熱的に接触して形成された赤外線吸収層を備え、温度センサと断熱支持脚と赤外線吸収層とが、互いに空間的に分離した異なる平面内に形成される構造が開示されている(例えば特許文献1参照)。
一方、検出感度を高くするために、赤外線受光部に庇部を設ける技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これらの赤外線吸収層や庇部などの中空構造体において、高感度化のためにはその面積はできるだけ大きいことが望まれると共に、高速応答のためにはその体積はできるだけ小さい方が望まれるため、結果として、その厚みは薄く設計される。このため、赤外線吸収層や庇部の機械的強度が低下し、形状が変形し易くなる。従って、例えば、中空構造体形成時の内部応力やプロセス条件の変動により、中空構造体が変形し、中空構造体が、その周囲に配置されている基板や配線に癒着するスティッキングと呼ばれる現象が発生し、結果として赤外線撮像素子の検出感度が低下する。
特開2004−317152号公報 特開2005−43381号公報
本発明は、中空構造体の機械的強度を向上することで、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子及びその製造方法を提供する。
本発明の一態様によれば、基板と、前記基板の上に、前記基板と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部と、前記赤外線吸収部と前記基板との間において、前記基板と離間し、かつ前記赤外線吸収部と接して設けられ、前記赤外線吸収部で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部と、前記熱電変換部を前記基板の上方に前記基板と離間して支持しつつ、前記熱電変換部から前記電気信号を伝達する支持体と、前記支持体からの前記電気信号を読み出すための配線と、を備え、前記赤外線吸収部は、その周縁に設けられ、前記基板に向けて突出した突出部を有することを特徴とする赤外線撮像素子が提供される。
また、本発明の別の一態様によれば、基板と、前記基板の上に、前記基板と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部と、前記赤外線吸収部と前記基板との間において、前記基板と離間し、かつ前記赤外線吸収部と接して設けられ、前記赤外線吸収部で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部と、前記熱電変換部を前記基板の上方に前記基板と離間して支持しつつ、前記熱電変換部から前記電気信号を伝達する支持体と、前記支持体からの前記電気信号を読み出すための配線と、を備え、前記赤外線吸収部は、その中心部よりも厚みが厚い厚部を周縁に有することを特徴とする赤外線撮像素子が提供される。
また、本発明の別の一態様によれば、基板と、前記基板の上に、前記基板と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部と、前記赤外線吸収部と前記基板との間において、前記基板と離間し、かつ前記赤外線吸収部と接して設けられ、前記赤外線吸収部で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部と、前記熱電変換部を前記基板の上方に前記基板と離間して支持しつつ、前記熱電変換部から前記電気信号を伝達する支持体と、前記支持体からの前記電気信号を読み出すための配線と、を有する赤外線撮像素子の製造方法であって、前記基板の上に前記熱電変換部と前記支持体とを形成し、前記熱電変換部と前記支持体とを覆うように犠牲層を化学気相成長法により堆積し、前記犠牲層の上に、前記赤外線吸収部となる赤外線吸収膜を形成し、前記赤外線吸収膜の形状を加工し、前記犠牲層を除去することを特徴とする赤外線撮像素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、中空構造体の機械的強度を向上することで、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子及びその製造方法が提供される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る赤外線撮像素子の構成を例示する模式図である。
すなわち、同図(a)は、模式的斜視図であり、同図(b)は平面図であり、同図(c)は、同図(a)及び(b)のA−A’線断面図である。
図1に表したように、本発明の第1の実施形態に係る赤外線撮像素子10は、基板110と、赤外線吸収部150と、熱電変換部120と、支持体130と、配線140と、を備える。
赤外線吸収部150は、基板110の上に、基板110と離間して設けられ、赤外線を吸収する。
熱電変換部120は、赤外線吸収部150と基板110との間において、基板110と離間して設けられ、赤外線吸収部150で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する。赤外線吸収部150から熱電変換部120への熱伝導を良好にするために、例えば、赤外線吸収部150と熱電変換部120とは接触して設けられる。
熱電変換部120には、シリコンpn接合ダイオードを用いることができ、これにより、低ノイズで高感度に、熱の変化を電気信号に変換することができる。なお、これ以外にも、熱電変換部120には、抵抗素子やトランジスタなどを用いることもできる。
支持体130は、熱電変換部120を基板110の上方に基板110と離間して支持しつつ、熱電変換部120から電気信号を伝達する。熱伝導をできるだけ低くするために、支持体130には低熱伝導率の材料が用いられ、また、支持体130は、設計上可能な範囲で、より細く、より長く配置されることが望ましい。例えば、同図(b)に表したように、本具体例では、支持体130がスパイラル状の形状を有することによって、より細く、より長く配置されている。
赤外線吸収部150、熱電変換部120及び支持体130は、基板110から離間して設けられており、基板110に対しての熱伝導が低くなるようにされる。これら赤外線吸収部150、熱電変換部120及び支持体130は、中空に保持されている。以下では、赤外線吸収部150を特に中空構造体と呼ぶことにする。
支持体130の一端は、熱電変換部120に接続され、他端は、熱電変換部120の周囲に設けられている配線140に接続されている。
配線140は、支持体130からの電気信号を読み出す。
赤外線吸収部150、熱電変換部120及び支持体130が1つの赤外線検出素子であり、画素となる。
この画素が、例えばマトリクス状に複数設けられ、赤外線撮像領域を形成する。そして、それぞれの画素の間において、配線140が格子状に設けられており、それぞれの画素における熱電変換部120の出力が、支持体130及び配線140を介して、赤外線撮像領域の外に引き出され、各画素で検出された赤外線の強度が出力される。
なお、同図中、線A1及び線A2の間の領域が、1つの画素領域である。
赤外線吸収部150は、例えば、熱電変換部120及び支持体130と、配線140の一部と、を覆うように設けられ、できるだけ、不感領域を狭くするように設計される。
なお、同図に例示した構造体が、図示しないパッケージに真空封止される。
ここで、赤外線吸収部150の基板に対向する面を下面150dと呼び、赤外線吸収部150の下面150dとは反対の面を上面150uと呼ぶことにする。
そして、本実施形態に係る赤外線撮像素子10においては、赤外線吸収部150は、赤外線吸収部150の周縁150aに設けられ、基板110に向けて突出した突出部150pを有する。突出部150pは、例えば、赤外線吸収部150の周縁150aに沿って設けられる。
すなわち、突出部150pにおける下面150dは、突出部150pの周りの下面150dよりも、基板110の側に突出している。
なお、本具体例では、突出部150pにおける下面150dは、赤外線吸収部150のうち熱電変換部120に接している部分における下面150dよりも、基板110からみて上方(基板からみて離間する方向)に配置されている。
そして、熱電変換部120の基板110と反対の側の面は、支持体130の基板と反対の側の面よりも高い。
そして、本具体例では、この突出部150pに対応する部分の上面150uは、突出部150pの下面150dに略連動する形状となっている。すなわち、赤外線吸収部150は、赤外線吸収部150の基板110の側と逆側の面(上面150u)において突出部150pの裏側に設けられ、基板110の側に向けて後退した溝部150qをさらに有する。すなわち、突出部150pにおける赤外線吸収部150の断面形状は、「Y字」の形状を有している。突出部150pが、例えば周縁部150aに沿って設けられる場合には、溝部150qは突出部150pに沿って設けられる。すなわち、溝部150qは、周縁150aに沿って設けられる。
この突出部150p及び溝部150qが、赤外線吸収部150の周縁150aに沿って設けられることにより、赤外線吸収部150の機械的強度が向上する。
このように、本実施形態に係る赤外線撮像素子10によれば、中空構造体の機械的強度を向上することで、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
なお、同図に表したように、突出部150p及び溝部150qの部分における赤外線吸収部150の膜厚は、赤外線吸収部150の中心部150cにおける赤外線吸収部150の膜厚よりも厚い。すなわち、赤外線吸収部150は、赤外線吸収部150の周縁150aに設けられ、赤外線吸収部150の中心部150cよりも厚みが厚い厚部150tを有する。厚部150tは、例えば、赤外線吸収部150の周縁150aに沿って設けられる。これにより、中空構造体の機械的強度を向上し、赤外線吸収効率を上げるすることで、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
(比較例)
図2は、比較例の赤外線撮像素子の構成を例示する模式的断面図である。
すなわち、同図(a)は第1の比較例の赤外線撮像素子19aの構造を例示し、同図(b)は第2の比較例の赤外線撮像素子19bの構造を例示している。
図2(a)に表したように、第1の比較例の赤外線撮像素子19aでは、赤外線吸収部150の形状が本実施形態に係る赤外線撮像素子10のものとは異なっている。すなわち、赤外線撮像素子19aにおける赤外線吸収部150は、例えば、特許文献2に開示されている庇状の形状を有している。
すなわち、赤外線吸収部150の周辺領域は、基板110から離間した庇状の部分を有しているが、平坦な断面構造を有しており、基板110に向けた突出部150pや溝部150qが設けられていない。そして、赤外線吸収部150の膜厚も中心部150cから周縁150aにかけて実質的に均一であり、厚部150tが設けられていない。このため、赤外線吸収部150の機械的強度は低く、例えば、内部応力やプロセス条件の変動により、中空構造体が変形し、中空構造体が、その周囲に配置されている基板や配線に癒着するスティッキング現象が発生し、感度が低下する。
また、図2(b)に表したように、第2の比較例の赤外線撮像素子19bにおいても、赤外線吸収部150の形状が本実施形態に係る赤外線撮像素子10のものとは異なっている。すなわち、赤外線撮像素子19aにおける赤外線吸収部150は、赤外線撮像素子19aにおける庇状の形状が、周縁150aで基板110の方向に屈曲している形状である。
すなわち、この場合も、基板110に向けた突出部150pや溝部150qが設けられていない。そして、赤外線吸収部150の膜厚も中心部150cから周縁150aにかけて実質的に均一であり、厚部150tが設けられていない。このため、この場合も、赤外線吸収部150の機械的強度は低く、例えば、内部応力やプロセス条件の変動により、中空構造体が変形し、中空構造体が、その周囲に配置されている基板や配線に癒着するスティッキング現象が発生し、感度が低下する。
これに対し、本実施形態に係る赤外線撮像素子10では、周縁150aに沿って突出部150pが設けられるので、機械的強度が弱い周縁150aの強度が向上する。そして、突出部150pの部分においては、赤外線吸収部150の膜厚が厚くなり、厚部150tが設けられ、これにより機械的強度が向上する。この時、突出部150pに対応する位置に溝部150qを設けることで、突出部150pが設けられることによる赤外線吸収部150の体積の増加を抑制でき、全体の熱容量を低い状態に可及的に維持できる。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る変形例の赤外線撮像素子の構成を例示する模式図である。
図3(a)に表したように、本実施形態に係る変形例の赤外線撮像素子10aでは、赤外線吸収部150に、突出部150p及び溝部150qが設けられているが、溝部150qの形状が赤外線撮像素子10の場合と異なっている。すなわち、図1に例示したように、赤外線撮像素子10の場合は、赤外線吸収部150の溝部150qは、V字の形状を有しており、溝部150qには、基板110の主面に対して略平行な面が設けられていない例である。
一方、図3(a)に例示したように、赤外線撮像素子10aでは、赤外線吸収部150の溝部150qには、基板110の主面に対して略平行な底面が設けられている。
溝部150q及び突出部150pの断面形状は、熱電変換部120と配線140との間の距離や、それらの間に設けられる支持体130の構造によって変化する。このように、溝部150q(及び突出部150p)の断面形状は、任意である。
なお、赤外線撮像素子10aの場合も、赤外線吸収部150の膜厚は突出部150p及び溝部150qの部分において厚い。すなわち、溝部150qの底面の部分における膜厚は、中心部150cと余り差はないが、溝部150qの壁面の部分では、膜厚が厚い。すなわち、本具体例においては、厚部150tは、溝部150qの壁面の部分である。
このように、溝部150qが基板110の主面に平行な底面を有する場合も、機械的強度が弱い周縁150aに沿って、突出部150p及び溝部150qが設けられているので機械的強度が向上でき、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
図3(b)に表したように、本実施形態に係る変形例の赤外線撮像素子10bでは、赤外線吸収部150に、突出部150pが設けられているが、溝部150qの深さが、赤外線撮像素子10の場合に比べて浅い。なお、この場合も、厚部150tが設けられている。この場合も、機械的強度が向上でき、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
さらに、この溝部150qの深さを浅くして、実質的に溝部150qを設けなくても良く、その場合も、機械的強度は向上できる。ただし、既に説明したように、突出部150pを設け、溝部150qの深さを極端に浅くする、または、溝部150qを設けない場合には、赤外線吸収部150の体積が増加し、熱容量が大きくなるので、適切な深さの溝部150qを設けることが望ましい。ただし、突出部150pの突出量や幅と、赤外線吸収部150の膜厚や総面積と、の関係によっては、必ずしも溝部150qを設けず、突出部150pのみを設けても良い。
図3(c)に表したように、本実施形態に係る変形例の赤外線撮像素子10cでは、赤外線吸収部150に、突出部150pが設けられているが、突出部150pは、周縁150aに連結して設けられている。すなわち、上記の赤外線撮像素子10、10a及び10bにおいては、突出部150pは、周縁150aの近傍において周縁150aに沿って設けられており、突出部150pの基板110に対向する部分の下面150dは、周縁150aにおける下面150dよりも、基板110の側に位置している。これに対し、赤外線撮像素子10cにおいては、突出部150pの基板110に対向する部分の下面150dの基板110に対する位置(高さ)は、周縁150aにおける下面150dとほぼ同じ位置(高さ)に配置している。
このように、突出部150pが周縁150aに連結して設けられている場合も、赤外線吸収部150のなかで機械的強度が弱い周縁150aを突出部150pで補強することができ、赤外線吸収部150の機械的強度が向上でき、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
なお、この場合も、溝部150qは設けられなくても良いが、上記のように、溝部150qが設けられる方が望ましい。また、赤外線撮像素子10cの場合には、厚部150tは突出部150pが設けられた部分に相当する。
本実施形態に係る赤外線撮像素子10、10a、10b及び10cにおいて、突出部150p及び溝部150qは、赤外線吸収部150の周縁150aに沿って設けられることが望ましい。さらに、突出部150p及び溝部150qは、赤外線吸収部150の周縁150aよりも内側の中心部150cを取り囲むように連続的に設けられることが望ましい。これにより、赤外線吸収部150の周縁150aの強度がさらに向上する。
周縁150aの機械的強度が弱いので、それを補強するためには、突出部150p及び溝部150qは、できるだけ周縁150aに近い部分に設けられることが望ましい。
また、同様に、本実施形態に係る赤外線撮像素子10、10a、10b及び10cにおいて、厚部150tは、赤外線吸収部150の周縁150aに沿って設けられることが望ましい。さらに、厚部150tは、赤外線吸収部150の中心部150cを取り囲むように連続的に設けられることが望ましい。これにより、赤外線吸収部150の周縁150aの強度がさらに向上する。
ただし、本発明は、これに限らず、突出部150p、溝部150q、及び厚部150tは、赤外線吸収部150の周縁150aに沿って設けられていれば良く、例えば、赤外線吸収部150の周縁150aの辺の一部やコーナーの一部において、断続的に設けられていても良い。
(第1の実施例)
図4は、本発明の第1の実施例に係る赤外線撮像素子の構造を例示する模式的断面図である。
図4に表したように、本実施形態の第1の実施例に係る赤外線撮像素子11は、図1に例示した赤外線撮像素子10の構造を有する。
赤外線撮像素子11においては、画素のピッチ、すなわち、線A1から線A2までの幅W1は30μmである。また、熱電変換部120の幅W2は20μmであり、支持体130の幅W3は1.0μmであり、支持体130と熱電変換部120との幅(距離)W4は0.5μmである。なお、支持体130と配線140との距離も0.5μmである。
また、配線140の高さt1(基板110からの高さ)は4.3μである。また、熱電変換部120の基板110と反対の側の面と、支持体130の基板の反対の側の面との距離t2は2.0μmである。また、赤外線吸収部150の突出部150pにおける下面150dと支持体130との距離t3は3.0μmである。
上記のように、支持体130の基板の反対の側の面は、熱電変換部120の基板110と反対の側の面よりも、基板110の側に近づいており、段差がある。すなわち、熱電変換部120の基板110と反対の側の面は、支持体130の基板110と反対の側の面よりも高い。これにより、後述するように、熱電変換部120と支持体130とを覆うようにこれらの上に犠牲層を設けた場合に、この段差によって、犠牲層の高さが変化して、その結果、犠牲層の上に形成される赤外線吸収部150に突出部150pや溝部150qを設けることができる。
また、本具体例における赤外線吸収部150は、例えば、シリコン窒化膜からなる下側吸収層151(第1赤外線球種層)と、下側吸収層151に対向して設けられシリコン窒化膜からなる上側吸収層153(第2赤外線吸収層)と、下側吸収層151と上側吸収層153との間に設けられSi膜からなる中間吸収層152(第3赤外線吸収層)と、の積層構造を有している。シリコン窒化膜は約9μmの波長領域に吸収ピークを有しており、一方、Si膜は約13μmの波長領域に吸収ピークを有している。すなわち、両者は光吸収波長領域が異なる。これにより、本具体例のように、赤外線吸収部150を異なる材料の積層構造とすることで、広い波長範囲に対して高い吸収特性を有することができ、赤外線の感度が向上する。
なお、異なる材料を積層する場合において、下側吸収層151と上側吸収層153とに同じ材料を用い、中間吸収層152にそれらと異なる材料を用いる構造を採用すると、異種材料間で発生する内部応力が相殺できるので望ましい。なお、下側吸収層151と上側吸収層153とに用いる材料と、中間吸収層152に用いる材料の組み合わせは、赤外線の吸収特性、機械的強度、製造プロセスの適合性などに基づいて適切に設定される。
このような構造を有する赤外線撮像素子11も、機械的強度が弱い周縁150aを突出部150p及び厚部150tで補強し、また、溝部150qで赤外線吸収部150の体積の増加を抑制し、赤外線吸収部150の機械的強度が向上でき、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
以下、本実施例の赤外線撮像素子11の製造方法について説明する。
図5は、本発明の第1の実施例に係る赤外線撮像素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。なお、熱電変換部120であるpn接合ダイオード、及び支持体130、配線140内の構造は、図示を省略する。
図6は、図5に続く工程順模式的断面図である。
図7は、図6に続く工程順模式的断面図である。
図8は、図7に続く工程順模式的断面図である。
図5(a)に表したように、まず、単結晶シリコン支持基板101の上に埋め込みシリコン酸化膜層102及び単結晶シリコン層103が順次積層される。すなわち、SOI基板が形成される。なお、単結晶シリコン支持基板101が基板110に相当する。
そして、次に、STI(Shallow Trench Isolation)により素子分離を行う。すなわち、フォトリソグラフィ技術により素子分離領域を規定し、素子分離領域の単結晶シリコン層103を、RIE(Reactive Ion Etching)によりエッチング除去した後に、素子分離シリコン酸化膜(図示しない)をCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)により埋め込み、CMP(Chemical Mechanical Polishing)で平坦化する。このとき、支持構造である領域も素子分離領域として定義され、素子分離シリコン酸化膜が埋め込まれる。
そして、熱電変換部120となるpn接合ダイオードを形成する。この際、例えば、フォトリソグラフィ技術によりn電極領域を規定し、イオン注入により単結晶シリコン層103の表面に近い領域にn拡散層領域を形成し、次に、単結晶シリコン層103の深い領域にp電極領域を形成し、単結晶シリコン層103の表面に存在するコンタクト拡散層領域とp電極領域を連結する拡散層配線領域を形成する。
次に、ポリシリコン層を形成し、フォトリソグラフィとRIEによって支持体130を形成する。なお、この工程で、周辺回路に使用するMOSトランジスタのゲート電極などを同時に形成することができる。
次に、CVD法を用いて第1の層間絶縁膜を形成する。この後、pn接合ダイオードのn/p層領域上、及び、電極支持構造を構成するポリシリコンとAl配線とのコンタクト部分に、RIE等によりコンタクトホールを形成した後、スパッタ法とCMPを行うことにより、プラグを埋め込む。この後、第1の金属配線として、アルミニウム合金をスパッタ法により堆積し、パターンニングする。この後、後述するように、MOSトランジスタ等のパッシベーションと赤外線吸収部150となる層として、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とが積層して形成される。
次に、図5(b)に表したように、熱電変換部120、支持体130、配線140及び埋込みシリコン酸化膜層102を、ドライプロセスにてエッチバックする。この後、犠牲層104として、350℃のCVD法(化学気相成長法)にてアモルファスシリコン膜を3μmの厚さで堆積する。
次に、図5(c)に表したように、犠牲層104の上に、レジスト105を形成し、フォトリソグラフィ技術により所定の形状に加工する。この時、レジスト105の端部105aと、熱電変換部120の端部120aと、の距離、すなわち、レジスト105と熱電変換部120とのオーバーラップδ1は、0μmよりも大きく、1μmよりも小さく設定される。
次に、図6(a)に表したように、熱電変換部120の上面の犠牲層104であるアモルファスシリコン膜を、RIEにより除去する。
次に、図6(b)に表したように、レジスト105を剥離する。
次に、図6(c)に表したように、赤外線吸収部150の下側吸収層151となるSi膜106をCVDにより成膜する。
次に、図7(a)に表したように、上記のSi膜106の上に、赤外線吸収部150の中間吸収層152となるSiO膜107をCVDにより成膜する。
次に、図7(b)に表したように、赤外線吸収部150の上側吸収層153となるSi膜108をCVDにより成膜する。
次に、図7(c)に表したように、レジスト109を形成し、フォトリソグラフィ技術によりレジスト109を所定の形状に加工する。この時、赤外線の不感領域を減じる目的で、レジスト109の端部109aと、配線140の端部140aと、の距離、すなわち、レジスト109と配線140とのオーバーラップδ2は、0μmよりも大きく、配線140の幅の半分よりも小さく設定されるのが望ましい。
次に、図8(a)に表したように、Si膜108、SiO膜107、及びSi膜106をRIEにより除去する。
次に、図8(b)に表したように、レジスト109を剥離し、下側吸収層151、中間吸収層152及び上側吸収層153が形成される。
次に、図8(c)に表したように、TMAH(Tetra-Methyl-Ammonium-Hydroxide)により、犠牲層104と、単結晶シリコン支持基板101の上面の一部と、が異方性ウエットエッチングにより除去され、単結晶シリコン支持基板101(基板110)の上方に中空構造が形成され、本実施例の赤外線撮像素子11が作成される。
この時、赤外線撮像素子11の熱電変換部120、支持体130及び配線140の設計により、赤外線吸収部150の突出部150p、溝部150q及び厚部150tの構造が制御できる。
本具体例においては、熱電変換部120の基板110と反対の側の面と、支持体130の基板の反対の側の面と、の距離t2が2.0μmであるので、突出部150pにおける突出の量は距離t2と同様に2.0μm程度となる。一方、犠牲層104であるアモルファスシリコン膜の厚さが3.0μmであるので、赤外線吸収部150の突出部150pにおける下面150dと支持体130との距離t3は、3.0μmとなる。
ただし、後述するように、赤外線撮像素子11の熱電変換部120、支持体130及び配線140の設計により、また、犠牲層104の成膜時の被覆性により、距離t2や距離t3は変化する。
(第2の実施例)
図9は、本発明の第2の実施例に係る赤外線撮像素子の構成を例示する模式図である。 すなわち、同図(a)は、模式的斜視図であり、同図(b)は、同図(a)のA−A’線断面図である。
図9に表したように、本発明の第2の実施例に係る赤外線撮像素子12は、支持体130が折れ曲がったミアンダ状の構造を有している。この場合も赤外線吸収部150は、周縁150aに沿って設けられた突出部150p及び溝部150q、並びに厚部150tを有している。
これにより、機械的強度が弱い周縁150aを突出部150p及び厚部150tで補強し、また、溝部150qで赤外線吸収部150の体積の増加を抑制し、赤外線吸収部150の機械的強度が向上でき、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
本実施例に係る赤外線撮像素子12のように、熱電変換部120と、1つの配線140との間に、支持体130の折れ曲がり部が2つ設けられる場合には、支持体130の設計によっては、突出部150pの幅が広がり、また、溝部150qの幅も広がる。この時、例えば、溝部150qは、基板110の主面に対して略平行な底面を有する構造になり易い。さらに、支持体130の設計によっては、突出部150p、溝部150q及び厚部150tの少なくともいずれかが、赤外線吸収部150の1つの辺に、周縁150aに沿って略平行に複数設けられることもある。
このように、本実施形態に係る赤外線撮像素子においては、突出部150p、溝部150q及び厚部150tの数は任意である。
本実施形態及び実施例に係る赤外線撮像素子10、10a、10b、10c、11及び、12において、既に説明したように、溝部150qを設けることにより、突出部150p及び厚部150tによる、赤外線吸収部150の周縁150aの機械的強度を向上させつつ、赤外線吸収部150の体積の増加を抑制し、熱容量の上昇を抑制して感度を向上させる効果がある。さらに、溝部150qを設けることで、以下に説明するように、この体積の増加の抑制効果以外の効果により感度を向上させることができる。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る赤外線撮像素子の特性を例示するグラフ図である。
すなわち、同図は、図4に例示した第1の実施例の赤外線撮像素子11の構造において、犠牲層104の厚さ、すなわち、赤外線吸収部150の突出部150pにおける下面150dと支持体130との距離t3を変えた時の赤外線の吸収光量比RAをシミュレーションした結果を例示している。
この時、図4に例示した、赤外線吸収部150の熱電変換部120と接していない領域の幅(ウイング幅)W5は6μmで一定とし、犠牲層104の厚さを反映して形成される距離t3を変えて、赤外線の吸収光量比を計算した。この時、赤外線吸収部150の周辺部の断面形状は単一の半径を有する円弧の形状とし、距離t3の変化に伴って突出部150p及び溝部150qの個数も変化する構成とした。なお、赤外線吸収部150の厚さは1.0μm一定とした。同図の横軸は距離t3を表し、縦軸は赤外線吸光比RAを表す。赤外線吸光比RAは、図2(a)に例示した第1の比較例の赤外線撮像素子19aのように、周縁領域において断面形状が平坦な赤外線吸収部150の場合を1とし、それに対する比率とした。
図10に表したように、距離t3が大きくなるに従って、赤外線吸光比RAが上昇する。
同図において、距離t3が0.5μmのデータは、犠牲層104の厚さが0.5μmである時に対応し、赤外線吸収部150の周辺部において、円弧状の突出部150pと溝部150qの組み合わせが3つ形成される場合に相当する。
また、距離t3が1.0μmのデータは、犠牲層104の厚さが1.0μmである時に対応し、赤外線吸収部150の周辺部において、円弧状の突出部150pと溝部150qの組み合わせが2つと、最外周が基板側に曲がる形状で形成される場合に相当する。
また、距離t3が2.5μmのデータは、犠牲層104の厚さが2.5μmである時に対応し、赤外線吸収部150の周辺部において、円弧状の突出部150pと溝部150qの組み合わせが1つ形成される場合に相当する。
このように、距離t3が0.5μm、1.0μm、2.5μmと増大するに従って、赤外線吸光比RAが増大する。そして、赤外線吸光比RAは、距離t3が2.5μm程度でほぼ飽和する。
このように、距離t3を長くすることで赤外線吸光比RAは上昇する。これは、距離t3を長くすることにより、溝部150qの深さが深くなり、それに連れて溝部150qの壁面において、入射する赤外線に対する赤外線吸収部150の実効的な厚さが増大し、吸光効率が向上することが原因である。
このように、犠牲層104の厚さ、すなわち、赤外線吸収部150の突出部150pにおける下面150dと支持体130との距離t3を大きくすることで、赤外線吸光比RAが向上できる。
ここで、支持体130どうしの間に突出部150pが生成されるときに溝部150qが形成される条件は、以下である。すなわち、突出部150における基板110の側の面と基板110との距離をDとする。そして、熱電変換部120と支持体130との距離、支持体130と隣り合う支持体130との距離(支持体130どうしの距離)、及び、支持体130と配線140との距離、の少なくともいずれかをLとする。そして、赤外線吸収部150の平坦領域の膜厚をTとする。このとき、以下の式(1)を満足するときに溝部150qが形成される。

L>(2D+2T) (1)

本具体例では、この条件は、

W4>(2×t4+2×t1+2T) (2)

である。
また、支持体130の上方に突出部150pが形成されるときに溝部150qが形成される条件は、以下である。すなわち、熱電変換部120の基板110と反対の側の面は、支持体130の基板110と反対の側の面よりも高く、かつ、熱電変換部120と配線140との距離を距離lとし(図4参照)、突出部150pにおける基板110の側の面と支持体130との距離をBとし、赤外線吸収部150の平坦領域の膜厚をTとしたとき、以下の式(3)を満足するときに、溝部150qが形成される。

l>(2B+2T) (3)

本具体例では、この条件は、

W4>(2×t3+2T) (4)

である。
式(3)及び式(4)は、図5〜図8に例示した方法で突出部150p及び溝部150qを形成する場合(すなわち、熱電変換部120と支持体130との間の距離W4の間隔を設けた後に、熱電変換部120と支持体130との間に段差(距離t2)を設けた上で、それらの上に犠牲層104を設ける場合)に、溝部150qが形成される条件に相当する。
なお、上記の式(1)〜式(4)は、犠牲層104が略等方的に堆積する場合において、溝部150qが形成される条件である。
式(1)〜式(4)を満足しない場合は、例えば、犠牲層104が厚すぎて、犠牲層104の上面は、熱電変換部120及び配線140と支持体130との間の間隙を反映せず、平坦化してしまい、赤外線吸収部150の溝部150qが形成されないかその深さが浅くなる。
なお、赤外線吸収部150の突出部150pにおける下面150dと支持体130との距離t3は、犠牲層の厚さdとほぼ一致するので、式(3)は以下の式(5)のようになる。

l>(2d+2T) (5)

上記の式(1)〜式(5)の少なくともいずれかを満足することで、溝部150qが形成され、赤外線吸光比RAを上昇させ、そして、既に説明したように、突出部150p及び厚部150tによる、赤外線吸収部150の周縁150aの機械的強度を向上させつつ、赤外線吸収部150の体積の増加を抑制し、熱容量の上昇を抑制して感度を向上することができる。
一方、支持体130どうしの間に厚部150tが形成される条件は以下である。すなわち、厚部150tにおける基板110の側の面と基板110との距離をDとする。熱電変換部120と支持体130との距離、支持体130とそれと隣り合う支持体130との距離(支持体130どうしの距離)、及び、支持体130と配線140との距離の少なくともいずれかをLとする。そして、赤外線吸収部150の平坦領域の膜厚をTとしたとき、2D<L<(2D+2T)となるときに厚部150tが形成される。本具体例では、この条件は、(2×t4+2t1)<L<(2×t4+2×t1+2T)である。
また、支持体130の上方に厚部150tが形成される条件は、以下である。すなわち、熱電変換部120の基板110と反対の側の面は、支持体130の基板110と反対の側の面よりも高く、かつ熱電変換部120と配線140との距離をlとし、突出部150pにおける基板110の側の面と支持体130との距離をBとした時、2B<l<(2B+2T)となるときに、支持体130の上方に厚部150tが形成される。本具体例では、この条件は、2t3<l<(2×t3+2T)である。
(第2の実施の形態)
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る赤外線撮像素子の製造方法を例示するフローチャート図である。
本実施形態に係る赤外線撮像素子の製造方法は、基板110と、基板110の上に、基板110と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部150と、赤外線吸収部150と基板110との間において、基板110と離間し、かつ赤外線吸収部150と接して設けられ、赤外線吸収部150で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部120と、熱電変換部120を基板110の上方に基板110と離間して支持しつつ、熱電変換部120から電気信号を伝達する支持体130と、支持体130からの電気信号を読み出すための配線140と、を有する赤外線撮像素子の製造方法である。
そして、本実施形態に係る赤外線撮像素子の製造方法においては、まず、基板110の上に熱電変換部120と支持体130とを形成する(ステップS110)。
そして、熱電変換部120と支持体130とを覆うように犠牲層104をCVD法により堆積する(ステップS120)。
例えば、図5に関して説明したように、犠牲層104にはアモルファスシリコンを用いることができる。そして、CVD法を用いることにより、熱電変換部120の表面形状、支持体130の表面形状、及び、熱電変換部120と支持体130との間の表面形状に、適度に追従しながら、熱電変換部120及び支持体130を覆うことができる。そして、犠牲層104の上に形成される後述の赤外線吸収部150に、突出部150p及び溝部150qを形成し易くなる。
なお、この後、図6(a)に例示したように、犠牲層104の上にレジスト105を設けて、犠牲層104を所定の形状にする。
すなわち、熱電変換部120と支持体130とを覆うように犠牲層104をCVD法により設ければ良く、犠牲層104の形状加工の方法は任意である。
そして、ステップS120の後、犠牲層104の上に、赤外線吸収部150となる赤外線吸収膜を形成し、その赤外線吸収膜の形状を加工する(ステップS130)。これには、図6〜図8に関して説明した方法を採用することができる。
そして、犠牲層104を除去する(ステップS140)。
これにより、赤外線吸収部150の周縁に沿って突出部150p及び溝部150qを設けることができ、また、厚部150tを設けることができ、赤外線吸収部150の機械的強度を向上することで、スティッキングを抑制し、高感度の赤外線撮像素子を提供できる。
この時、上記の式(1)〜式(5)を満たすように設定することで、溝部150qを適切に形成することができる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、赤外線撮像素子及びその製造方法を構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した赤外線撮像素子及びその製造方法を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての赤外線撮像素子及びその製造方法も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施形態に係る赤外線撮像素子の構成を例示する模式図である。 比較例の赤外線撮像素子の構成を例示する模式的断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る変形例の赤外線撮像素子の構成を例示する模式図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線撮像素子の構造を例示する模式的断面図である。 本発明の第1の実施例に係る赤外線撮像素子の製造方法を例示する工程順模式的断面図である。 図5に続く工程順模式的断面図である。 図6に続く工程順模式的断面図である。 図7に続く工程順模式的断面図である。 本発明の第2の実施例に係る赤外線撮像素子の構成を例示する模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る赤外線撮像素子の特性を例示するグラフ図である。 本発明の第2の実施の形態に係る赤外線撮像素子の製造方法を例示するフローチャート図である。
符号の説明
10、10a、10b、10c、11、12、19a、19b 赤外線撮像素子
101 単結晶シリコン支持基板
102 シリコン酸化膜層
103 単結晶シリコン層
104 犠牲層
105 レジスト
105a 端部
106、108 Si
107 SiO
109 レジスト
109a 端部
110 基板
120 熱電変換部
120a 端部
130 支持体
140 配線
140a 端部
150 赤外線吸収部
150a 周縁
150c 中心部
150d 下面
150p 突出部
150q 溝部
150t 厚部
150u 上面
151 下側吸収層(第1赤外線吸収層)
152 中間吸収層(第3赤外線吸収層)
153 上側吸収層(第2赤外線吸収層)

Claims (12)

  1. 基板と、
    前記基板の上に、前記基板と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部と、
    前記赤外線吸収部と前記基板との間において、前記基板と離間し、かつ前記赤外線吸収部と接して設けられ、前記赤外線吸収部で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部と、
    前記熱電変換部を前記基板の上方に前記基板と離間して支持しつつ、前記熱電変換部から前記電気信号を伝達する支持体と、
    前記支持体からの前記電気信号を読み出すための配線と、
    を備え、
    前記赤外線吸収部は、その周縁に設けられ、前記基板に向けて突出した突出部を有することを特徴とする赤外線撮像素子。
  2. 前記赤外線吸収部は、前記突出部の前記基板と反対面側に設けられ、前記基板の側に向けて後退した溝部をさらに有することを特徴とする請求項1記載の赤外線撮像素子。
  3. 前記突出部及び前記溝部は、前記赤外線吸収部の周縁に沿って、前記赤外線吸収部の前記周縁よりも内側の中心部を取り囲むように連続的に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の赤外線撮像素子。
  4. 前記突出部における前記基板の側の面と前記基板との距離をDとし、前記熱電変換部と支持体との距離、前記支持体どうしの距離、及び、前記支持体と前記配線との距離、の少なくともいずれかの距離をLとし、前記赤外線吸収部の平坦領域の膜厚をTとしたとき、前記D、前記L及び前記Tは、L>(2D+2T)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の赤外線撮像素子。
  5. 前記熱電変換部の前記基板と反対の側の面は、前記支持体の前記基板と反対の側の面よりも高く、かつ前記熱電変換部と前記配線との距離をlとし、前記突出部における前記基板の側の面と前記支持体との距離をBとし、前記赤外線吸収部の平坦領域の膜厚をTとしたとき、前記l、前記B及び前記Tは、l>(2B+2T)を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の赤外線撮像素子。
  6. 基板と、
    前記基板の上に、前記基板と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部と、
    前記赤外線吸収部と前記基板との間において、前記基板と離間し、かつ前記赤外線吸収部と接して設けられ、前記赤外線吸収部で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部と、
    前記熱電変換部を前記基板の上方に前記基板と離間して支持しつつ、前記熱電変換部から前記電気信号を伝達する支持体と、
    前記支持体からの前記電気信号を読み出すための配線と、
    を備え、
    前記赤外線吸収部は、その中心部よりも厚みが厚い厚部を周縁に有することを特徴とする赤外線撮像素子。
  7. 前記厚部は、前記赤外線吸収部の周縁に沿って、前記中心部を取り囲むように連続的に設けられることを特徴とする請求項6記載の赤外線撮像素子。
  8. 前記赤外線吸収部は、第1の材料からなる第1赤外線吸収層と、前記第1赤外線吸収層に対向して設けられ、前記第1の材料からなる第2赤外線吸収層と、前記第1赤外線吸収層と前記第2赤外線吸収層との間に設けられ、前記第1の材料とは異なる光吸収波長領域を有する第2の材料からなる第3赤外線吸収層を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の赤外線撮像素子。
  9. 前記熱電変換部は、シリコンpn接合ダイオードを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の赤外線撮像素子。
  10. 基板と、前記基板の上に、前記基板と離間して設けられ、赤外線を吸収する赤外線吸収部と、前記赤外線吸収部と前記基板との間において、前記基板と離間し、かつ前記赤外線吸収部と接して設けられ、前記赤外線吸収部で吸収された赤外線による温度変化を電気信号に変換する熱電変換部と、前記熱電変換部を前記基板の上方に前記基板と離間して支持しつつ、前記熱電変換部から前記電気信号を伝達する支持体と、前記支持体からの前記電気信号を読み出すための配線と、を有する赤外線撮像素子の製造方法であって、
    前記基板の上に前記熱電変換部と前記支持体とを形成し、
    前記熱電変換部と前記支持体とを覆うように犠牲層を化学気相成長法により堆積し、
    前記犠牲層の上に、前記赤外線吸収部となる赤外線吸収膜を形成し、前記赤外線吸収膜の形状を加工し、
    前記犠牲層を除去することを特徴とする赤外線撮像素子の製造方法。
  11. 前記突出部における前記基板の側の面と前記基板との距離をDとし、前記熱電変換部と前記支持体との距離、前記支持体どうしの距離、及び、前記支持体と前記配線との距離、の少なくともいずれかの距離をLとし、前記赤外線吸収部の平坦領域の膜厚をTとしたとき、前記D、前記L及び前記Tは、L>(2D+2T)を満足することを特徴とする請求項10記載の赤外線撮像素子の製造方法。
  12. 前記熱電変換部の前記基板と反対の側の面は、前記支持体の前記基板と反対の側の面よりも高く、かつ前記熱電変換部と前記配線との距離をlとし、前記犠牲層の厚さをdとし、前記赤外線吸収部の平坦領域の膜厚をTとしたとき、前記l、前記d及び前記Tは、l>(2d+2T)を満足することを特徴とする請求項10記載の赤外線撮像素子の製造方法。
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