JP5264471B2 - 赤外線検出器および赤外線固体撮像装置 - Google Patents

赤外線検出器および赤外線固体撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線検出器に関し、特に、赤外線反射膜を有し、赤外線吸収傘を有する赤外線検出器に関する。
従来の赤外線検出器では、基板に中空の凹部が設けられ、凹部の上には、基板の周辺部に接続された支持脚により、温度検知部が支持されている。温度検知部の上には、支持部により支持された赤外線吸収傘が設けられている。また、周辺部には、赤外線吸収傘の下方まで庇状に張り出した反射膜が設けられ、赤外線吸収傘を透過した赤外線は、赤外線吸収傘の下方の反射膜で反射され、再度、赤外線吸収傘に入射する。これにより、赤外線の検出効率を高くしている。
特開2001−215151号公報 特開2005−233671号公報
しかしながら、赤外線吸収傘は温度検知部の上に固定されるが、赤外線吸収傘と温度検知部との接合面積が大きいと、周辺部に設けられる反射膜の面積が小さくなり、赤外線の検出効率が低下する。一方、接合面積を小さくすると接合強度が低下し、赤外線検出器の構造信頼性や製造歩留まりが低下することとなる。
そこで、本発明は、赤外線の検出効率も高く、かつ構造信頼性や製造歩留まりの良好な赤外線検出器の提供を目的とする。
本発明は、検出部の温度変化を検知膜で検出する赤外線検出器であって、
周辺部と、周辺部に囲まれた凹部とを有する基板と、
該凹部上に、該基板の周辺部から支持脚で支持され、検知膜が設けられた検出部と、
その一部が該支持脚の上方を覆うように、該周辺部の上に設けられた第1の赤外線反射膜と、
該検出部の上に設けられ、複数の支持部を有するスペーサと、
該スペーサの上に設けられた第2の赤外線反射膜と、
該第1の赤外線反射膜の上方まで延びるように、該第2の赤外線反射膜の上に支持部で支持された赤外線吸収傘とを含む赤外線検出器である。
また、本発明は、
検出部の温度変化を検知膜で検出する赤外線検出器であって、
周辺部と、周辺部に囲まれた凹部とを有する基板と、
該凹部上に、該基板の周辺部から支持脚で支持された検出部であって、検知膜と第3の赤外線反射膜とが設けられた検出部と、
その一部が該支持脚の上方を覆うように、該周辺部の上に設けられた第1の赤外線反射膜と、
該検出部の上に設けられ、複数の支持部を有するスペーサと、
該第1の赤外線反射膜の上方まで延びるように、該スペーサの上に接合された赤外線吸収傘とを含む赤外線検出器でもある。
また、本発明は、上述の赤外線検出器をマトリックス状に配置した赤外線固体撮像装置でもある。
また、本発明は、
検出部の温度変化を検知膜で検出する赤外線検出器の製造方法であって、
基板を準備する工程と、
該基板上に、配線層と、該配線層に接続された検知膜とを含む絶縁膜を形成する工程と、
該絶縁膜上に、第1の犠牲層を形成する工程と、
該第1の犠牲層に第1孔部を形成し、該絶縁層を露出させる工程と、
該第1の孔部を埋め込むように、該第1の犠牲層上にスペーサを形成する工程と、
該スペーサ上に、第2の犠牲層を形成する工程と、
該第2の犠牲層に第2の孔部を形成し、該スペーサを露出させる工程と、
該第2の孔部を埋め込むように該第2の犠牲層上に赤外線吸収層を形成し、赤外線吸収傘とする工程と、
該第1および第2の犠牲層を除去する工程と、
該基板をエッチングして、該配線層を含む支持脚と、該支持脚に支持され、その上に該赤外線吸収傘を備えた検出部を形成する工程とを含む赤外線検出器の製造方法でもある。
このように、本発明にかかる赤外線検出器では、基板の周辺部から張り出した赤外線反射膜に加えて、温度検知部の上にも赤外線反射膜が設けられているため、赤外線の検出効率を低下させることなく、構造信頼性や製造歩留まりの良好な赤外線検出器の提供が可能となる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる赤外線固体撮像装置300の斜視図である。赤外線固体撮像装置300は、シリコン等の半導体から形成された基板301を含む。基板301の上には、赤外線検出器100をマトリックス状に配列した検出器アレイ502と、赤外線検出器100から出力された電気信号を処理して外部に出力する信号処理回路509が設けられている。赤外線検出器100と信号処理回路509は、垂直信号線302および水平駆動線303によって接続している。
なお、以下の実施の形態2〜4においても、赤外線固体撮像装置の外観は、図1に示す赤外線固体撮像装置300と同じである。図1では2画素×3画素の検出器アレイを示したが、言うまでもなくこれ以外のアレイサイズの形成も可能である。
図2は、赤外線検出器100を拡大した上面図である。わかりやすく説明するために、赤外線吸収傘507および赤外線反射膜501を省略してある。また、図3は、図2の赤外線検出器100の、A−A‘における断面図(赤外線検出器100の基板表面に垂直な方向の断面図)である。
図2、3に示すように、赤外線検出器100は、例えばシリコンからなる基板301を含む。基板301には、中空の凹部506が設けられている。凹部506の上には、基板301の周辺部510に接続された支持脚505により、温度検知部504が中空に支持されている。温度検知部504の上には、例えば酸化シリコンからなる支持部500により支持された赤外線反射膜501が設けられている。更に、赤外線反射膜501の上には、スペーサ520により支持された赤外線吸収傘507が設けられている。温度検知部504には、例えばアルミニウムからなる配線層304と感熱体200が設けられている。支持脚505にも配線層304が設けられ、信号処理回路509と感熱体200とを電気的に接続する。該感熱体200は、例えば、ボロメータ、PN接合ダイオード、サーミスタからなる。
このように、赤外線検出器100では、基板301の周辺部510から張り出した赤外線反射膜501に加えて、温度検知部504の上にも赤外線反射膜501が設けられているため、支持部を大きくしても赤外線反射膜501の総面積は略一定に保つことができる。これにより、赤外線の検出効率を低下させることなく、構造信頼性や製造歩留まりの良好な赤外線検出器の提供が可能となる。
次に、赤外線検出器100の温度検出原理について述べる。赤外線固体撮像装置300の撮像対象となる被写体が発した赤外線が、検出器アレイ502内の赤外線検出器100に入射すると、温度検知部504の温度が上昇する。このとき、温度変化に応じて感熱体200の電気特性が変化する。信号処理回路509で、赤外線検出器100ごとの電気特性の変化を読み取って外部に出力し、被写体の熱画像を得る。
基板301と温度検知部504は支持脚505によって接続されているため、支持脚505の熱コンダクタンスが小さいほど温度検知部504の温度変化が大きくなり、赤外線検出器100の検出感度が高くなる。
また、周辺部510に設けられた赤外線反射膜501と、赤外線吸収傘507とが、光学的共振構造を形成するように配置されている。これにより、赤外線吸収傘507は効率的に赤外線を吸収することができ、赤外線検出器100の温度感度が高くなる。
ここで、光学的共振構造について簡単に述べる。赤外線固体撮像装置300では、撮像対象となる被写体が発した赤外線は、赤外線検出器100の赤外線吸収傘507側から入射し、赤外線吸収傘507で吸収される。一方、赤外線吸収傘507を透過した赤外線は、赤外線吸収傘507の下方にある赤外線反射膜501で反射され、赤外線吸収傘507に裏面から入射して吸収される。赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501とは、赤外線が高効率で吸収されるような構造(以下、「光学的共振構造」という。)となっている。このような光学的共振構造では、赤外線の波長λと、赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501との間の光学距離Lとの間に、以下の数(1)の関係が成り立つ。
Figure 0005264471
ここで、mは奇数である。光学距離Lについて説明すると、屈折率nの媒質中を通る光の波長は、真空中の波長の1/nになる。このため、この光がこの媒質中を物理的な距離dだけ進むと、距離n・dを進むのと同じ位相変化を生じる。すなわち、光学距離Lは、n・dとなる。
従って、この光学的共振構造では、赤外線の波長λと、赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501との間の物理的な距離dとの間には、以下の数(2)の関係が成り立つ。
Figure 0005264471
次に、図4を参照しながら、光学的共振構造の原理について説明する。赤外線検出器100では、入射した赤外線に対して赤外線反射膜501は固定端として働くため、かかる赤外線は赤外線反射膜501を節とした定在波を形成する。上記の数(1)が成立する場合、この定在波の腹が、ちょうど、赤外線吸収傘507の位置にくる。すなわち、数(1)を満たす波長を有する赤外線の振幅は、赤外線吸収傘507の位置において最大となり、赤外線吸収傘507で共鳴吸収される。赤外線反射膜501の赤外線に対する反射率Rは、Hagen−Rubensの関係と呼ばれる次の数(3)で表される。
Figure 0005264471
ただし、ωは赤外線の振動数、σは赤外線反射膜の電気伝導率である。
赤外線固体撮像装置300では、上記の数(3)の関係に基づき、波長が10μmの赤外線に対する反射率Rが0.9以上になるように、赤外線反射膜501の比抵抗を8.3×10−6Ω・cm以下としている。なお、赤外線反射膜501の材料は、数(3)の関係を満たす材料から任意に選択できる。また、赤外線に対する赤外線吸収傘507の吸収率が最大となるのは、赤外線吸収傘507のシート抵抗が、自由空間(真空)の特性インピーダンスZo
Figure 0005264471
となる場合と推測されている。なぜなら、自由空間を伝搬してきた電磁波が電波吸収体に入射する際に、吸収体表面のインピーダンスが自由空間の特性インピーダンスと異なると、吸収体表面で電磁波の反射が起こるからである。
赤外線固体撮像装置300では、かかる推測を基に、赤外線吸収傘507のシート抵抗を設定している。なお、赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501との間の層間膜の屈折率nが1より大きい場合は、数(1)と数(2)より、赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501との間の物理的な距離dは、光学距離Lよりも小さくなる。
ここまでは、従来の赤外線固体撮像装置と同じであるが、本実施の形態1にかかる赤外線検出器100では、従来の赤外線固体撮像装置とは異なり、温度検知部504上にも赤外線反射膜501を配置し、赤外線反射膜501上に赤外線吸収傘507を配置している。温度検知部504と赤外線反射膜501との間、および赤外線反射膜501と赤外線吸収傘507との間には、それぞれスペーサ520、支持部500を配置して、互いの距離を調節している。温度検知部504上の赤外線反射膜501は、温度検知部504および赤外線吸収傘507とは接続しているが、周辺部510にある赤外線反射膜501とは接続していない。ここで、温度検知部504上の赤外線反射膜501と、赤外線反射膜501上の赤外線吸収傘507とは、光学的共振構造を形成している。光学的共振構造により、温度検知部504は従来よりも効率的に赤外線を吸収することができ、赤外線検出器100の温度感度が従来構造よりも高くなる。
また、赤外線吸収傘507の支持部500が、従来構造よりも太くなっており、かつ、赤外線反射膜501のスペーサ520の支持部500の太さ(複数の支持部の間の距離)は、赤外線吸収傘507の支持部500の太さ(複数の支持部の間の距離)と同等もしくはそれよりも大きくなっている。このため、赤外線吸収傘507や赤外線反射膜501の支持部500が傾く可能性が小さくなる。
更に、赤外線吸収傘507と支持部500との接合部分から、赤外線吸収傘507の端までの距離が減少するので、内部応力による赤外線吸収傘507の反り上がり量や垂れ下がり量が減少する。このため、赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501が接触する可能性が小さくなって、温度検知部504から基板301への熱コンダクタンス不良が発生しにくくなる。更に、赤外線吸収傘507の変形によって、赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501との間の光学距離Lが変化し、赤外線の吸収率が減少するという不具合も発生しにくくなる。これらの結果、赤外線検出器の製造歩留りおよび構造信頼性が高くなる。
図5は、従来の赤外線吸収傘(左側)と、本実施の形態1にかかる赤外線吸収傘507(右側)を比較した図である。
(a)は赤外線吸収傘が反っていない場合であり、(b)は下方に反った場合、(c)は上方に反った場合、(d)は左方の傾斜した場合である。本実施の形態1では、2つの支持部500で赤外線吸収傘を支え、2つの支持部500の間隔を広くとるため、赤外線吸収傘が反った場合でも、反り量を小さく抑えることができる。
ここで、赤外線検出器の製造歩留りとは、製造した全ての赤外線検出器に占める、良品の割合を意味する。赤外線検出器100が良品であるためには、温度検知部504から基板301への熱コンダクタンス、および、赤外線の吸収率が正常である必要がある。製造歩留りは、赤外線吸収傘507の反りや傾きによる、赤外線吸収傘507と赤外線反射膜501との接触、および、赤外線吸収傘507の変形を防止することで改善できる。
また、赤外線検出器の構造信頼性とは、赤外線検出器の製造が完成した後、使用開始から寿命を迎えるまでの期間を通して、故障や性能の劣化が発生しないように、赤外線検出器の構造が経時変化しないという信頼性を意味する。
以上より、本実施の形態の赤外線固体撮像装置300において、赤外線検出器100では、赤外線吸収傘507の支持部を太くしても、即ち、支持部500の間隔を大きくしても、赤外線反射膜501の面積は減少しない。この結果、従来では両立し得なかった、赤外線検出器の温度感度が高く、かつ、赤外線検出器の製造歩留りおよび構造信頼性が高い赤外線固体撮像装置を提供することができる。
次に、本実施の形態1における赤外線検出器100の製造方法を説明する。図6は、赤外線検出器100の製造工程の断面図であり、図6中、図3と同一符号は、同一または相当箇所を示す。かかる製造方法は、以下の工程1〜7を含む。
工程1:図6(a)に示すように、例えばシリコンからなる基板301の上に、シリコン酸化膜層306、シリコン層402を順次積層し、いわゆるSOI基板とする。
工程2:図6(b)に示すように、LOCOS分離法もしくはトレンチ分離法によって、所定の位置に分離酸化膜(絶縁膜)306を形成する。次に、基板301にエッチング停止層307を形成する。更に、検出器アレイ502を形成する領域のシリコン層402に、例えばダイオードからなる感熱体200を形成する。
工程3:図6(c)に示すように、全面に絶縁膜306を堆積する。続いて、例えばアルミニウムからなる配線層304を形成する。配線層304の形成は、例えば蒸着技術やパターニング技術を用いて行われる。次に、再度、絶縁膜306を堆積して、配線層304を埋め込む。
工程4:図6(d)に示すように、絶縁膜306の所定の位置にエッチング孔を形成し、例えばシリコンからなる犠牲層308で埋め込むように犠牲層308を堆積する。続いて、犠牲層308の所定の位置に開口して、その上に絶縁層306を形成する。犠牲層には、多結晶シリコンやポリイミドが用いられる。
工程5:図6(e)に示すように、絶縁層306の上に赤外線反射膜501を形成する。赤外線反射膜501は、例えばアルミニウムからなる。次に、赤外線反射膜501と絶縁層306をパターニングして、スペーサ520を形成する。
工程6:図6(f)に示すように、再度、犠牲層308を堆積し、所定の位置に開口し、例えば酸化シリコンからなる支持部500を形成する。続いて、赤外線吸収傘507を形成する。赤外線吸収傘507は、例えば、金黒(ゴールドブラック)からなる。
工程7:図6(g)に示すように、エッチング孔508から、例えばフッ化キセノンなどのエッチャントを導入して、犠牲層308を除去する。更に、基板301の内部に凹部506を形成する。このとき、エッチング停止層307はフッ化キセノンなどのエッチャントでは除去できないので、エッチング停止層307が凹部506の側面となる。凹部506の下面の位置(深さ)は、エッチング時間により調整される。
以上の工程により、図3の示す赤外線検出器100が完成する。
実施の形態2.
図7は、全体が110で表される、本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器の断面図である。図7は、図3と同一部分における断面図であり、図7中、図3と同一符号は、同一または相当箇所を示す。
本実施の形態2にかかる赤外線検出器110では、上述の赤外線検出器100ではスペーサ520の上に設けられていた反射膜504の代わりに、温度検知部504に設けられている配線層304が反射膜を兼ねている。
また、スペーサ520の上には反射膜が設けられず、直接、赤外線吸収傘507が接続されている。
ここで、温度検知部504内部の配線層(反射膜)304と、スペーサ520上の赤外線吸収傘507とは、光学的共振構造を形成している。光学的共振構造により、温度検知部504は従来よりも効率的に赤外線を吸収することができ、赤外線検出器110の温度感度が従来構造よりも高くなる。
また、赤外線吸収傘507の支持部が、従来構造よりも太くなっており、かつ、スペーサ520の支持部500の太さ(複数の支持部の間の距離)は、赤外線吸収傘507の支持部の太さ(複数の支持部の間の距離)と同等もしくはそれよりも大きくなっている。このため、赤外線吸収傘507の支持部やスペーサ520の支持部500が傾く可能性が小さくなる。
このように、本実施の形態2にかかる赤外線検出器110では、赤外線吸収傘507の支持部を太くしても赤外線反射膜501の面積は減少せず、逆に、赤外線反射膜501の面積を広げても赤外線吸収傘507の支持部は細くならず、強度は低下しない。この結果、従来構造では両立し得なかった、赤外線検出器の温度感度が高く、かつ、赤外線検出器の製造歩留りおよび構造信頼性が高い赤外線固体撮像装置を提供することができる。
次に、図8を用いて、本実施の形態2にかかる赤外線検出器110の製造方法について説明する。かかる製造方法は、以下の工程1〜7を含む。
工程1:図8(a)に示すように、例えばシリコンからなる基板301の上に、シリコン酸化膜層306、シリコン層402を順次積層し、いわゆるSOI基板とする。
工程2:図8(b)に示すように、LOCOS分離法もしくはトレンチ分離法によって、所定の位置に分離酸化膜(絶縁膜)306を形成する。次に、基板301にエッチング停止層307を形成する。更に、検出器アレイ502を形成する領域のシリコン層402に、例えばダイオードからなる感熱体200を形成する。
工程3:図8(c)に示すように、全面に絶縁膜306を堆積する。続いて、例えばアルミニウムからなる配線層304を形成する。配線層304は、感熱体200の上にも形成され、反射膜を兼ねる。次に、再度、絶縁膜306を堆積して、配線層304を埋め込む。
工程4:図8(d)に示すように、絶縁膜306の所定の位置にエッチング孔を形成し、犠牲層308で埋め込むように犠牲層308を堆積する。続いて、犠牲層308の所定の位置に開口して、その上に絶縁層306を形成する。
工程5:図8(e)に示すように、絶縁層306の上に、赤外線反射膜501を形成する。赤外線反射膜501は、例えばアルミニウムからなる。次に、赤外線反射膜501と絶縁層306をパターニングして、スペーサ520を形成する。ここでは、スペーサ520の上には赤外線反射膜501を形成しない。
工程6:図8(f)に示すように、再度、犠牲層308を堆積し、所定の位置に開口し、例えば金黒(ゴールドブラック)からなる赤外線吸収傘507を形成する。赤外線吸収傘507は、スペーサ520の上に直接形成される。
工程7:図8(g)に示すように、エッチング孔508から、例えばフッ化キセノンなどのエッチャントを導入して、犠牲層308を除去し、更に、基板301の内部に凹部506を形成する。以上の工程により、図7の示す赤外線検出器110が完成する。
実施の形態3.
図9は、全体が120で表される、本発明の実施の形態3にかかる赤外線検出器の断面図である。図9は、図3と同一部分における断面図であり、図9中、図3と同一符号は、同一または相当箇所を示す。
本実施の形態3にかかる赤外線検出器120では、支持脚505、温度検知部504の厚みを、上述の赤外線検出器100より薄くしている。このため、支持脚505の熱コンダクタンスが小さく、かつ、温度検知部504の熱容量が小さくなり、赤外線検出器120の検出感度を高く、かつ、熱時定数を小さくできる。他の構造は、赤外線検出器100と同じである。
次に、図10を用いて、本実施の形態3にかかる赤外線検出器120の製造方法について説明する。かかる製造方法は、工程1〜7を含む。
工程1:図10(a)に示すように、例えばシリコンからなる基板301の上に、シリコン酸化膜層306、シリコン層402を順次積層し、いわゆるSOI基板とする。
工程2:図10(b)に示すように、LOCOS分離法もしくはトレンチ分離法によって、所定の位置に分離酸化膜(絶縁膜)306を形成する。次に、基板301にエッチング停止層307を形成する。更に、検出器アレイ502を形成する領域のシリコン層402に、例えばダイオードからなる感熱体200を形成する。
工程3:図10(c)に示すように、全面に絶縁膜306を堆積した後、周辺部510を形成する領域を除き、支持脚505および温度検知部504を形成する領域の絶縁膜をエッチングにより薄くする。配線層304を形成する。続いて、例えばアルミニウムからなる配線層304を形成する。配線層304は、感熱体200の上にも形成され、反射膜を兼ねる。次に、再度、絶縁膜306を堆積して、配線層304を埋め込む。
工程4:図10(d)に示すように、絶縁膜306の所定の位置にエッチング孔を形成し、犠牲層308で埋め込むように犠牲層308を堆積する。続いて、犠牲層308の所定の位置に開口して、その上に絶縁層306を形成する。
工程5:図10(e)に示すように、絶縁層306の上に、例えばアルミニウムからなる赤外線反射膜501を形成する。次に、赤外線反射膜501と絶縁層306をパターニングして、スペーサ520を形成する。
工程6:図10(f)に示すように、再度、犠牲層308を堆積し、所定の位置に開口し、例えば酸化シリコンからなる支持部500を形成する。続いて、赤外線吸収傘507を形成する。赤外線吸収傘507は、例えば、金黒(ゴールドブラック)からなる。
工程7:図10(g)に示すように、エッチング孔508から、例えばフッ化キセノンなどのエッチャントを導入して、犠牲層308を除去し、更に、基板301の内部に凹部506を形成する。以上の工程により、図9の示す赤外線検出器120が完成する。
実施の形態4.
図11は、全体が130で表される、本発明の実施の形態4にかかる赤外線検出器の断面図である。図11は、図3と同一部分における断面図であり、図7中、図3と同一符号は、同一または相当箇所を示す。
本実施の形態4にかかる赤外線検出器130では、支持脚505、温度検知部504の厚みを、上述の赤外線検出器110より薄くしている。このため、支持脚505の熱コンダクタンスが小さく、かつ、温度検知部504の熱容量が小さくなり、赤外線検出器130の検出感度を高く、かつ、熱時定数を小さくできる。他の構造は、赤外線検出器110と同じである。
次に、図12を用いて、本実施の形態2にかかる赤外線検出器130の製造方法について説明する。かかる製造方法は、以下の工程1〜7を含む。
工程1:図12(a)に示すように、例えばシリコンからなる基板301の上に、シリコン酸化膜層306、シリコン層402を順次積層し、いわゆるSOI基板とする。
工程2:図12(b)に示すように、LOCOS分離法もしくはトレンチ分離法によって、所定の位置に分離酸化膜(絶縁膜)306を形成する。次に、基板301にエッチング停止層307を形成する。更に、検出器アレイ502を形成する領域のシリコン層402に、例えばダイオードからなる感熱体200を形成する。
工程3:図12(c)に示すように、全面に絶縁膜306を堆積した後、周辺部510を形成する領域を除き、支持脚505および温度検知部504を形成する領域の絶縁膜をエッチングにより薄くする。配線層304を形成する。続いて、例えばアルミニウムからなる配線層304を形成する。配線層304は、感熱体200の上にも形成され、反射膜を兼ねる。次に、再度、絶縁膜306を堆積して、配線層304を埋め込む。
工程4:図12(d)に示すように、絶縁膜306の所定の位置にエッチング孔を形成し、犠牲層308で埋め込むように犠牲層308を堆積する。続いて、犠牲層308の所定の位置に開口して、その上に絶縁層306を形成する。
工程5:図12(e)に示すように、絶縁層306の上に、赤外線反射膜501を形成する。赤外線反射膜501は、例えばアルミニウムからなる。次に、赤外線反射膜501と絶縁層306をパターニングして、スペーサ520を形成する。ここでは、スペーサ520の上には赤外線反射膜501を形成しない。
工程6:図12(f)に示すように、再度、犠牲層308を堆積し、所定の位置に開口し、例えば金黒(ゴールドブラック)からなる赤外線吸収傘507を形成する。赤外線吸収傘507は、スペーサ520の上に直接形成される。
工程7:図12(g)に示すように、エッチング孔508から、例えばフッ化キセノンなどのエッチャントを導入して、犠牲層308を除去し、更に、基板301の内部に凹部506を形成する。以上の工程により、図11の示す赤外線検出器130が完成する。
本発明の実施の形態1にかかる赤外線固体撮像装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器の上面図である。 本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器の断面図である。 本光学的共振構造の原理を説明する図である。 赤外線吸収傘の変形を示す断面図である。 本発明の実施の形態1にかかる赤外線検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器の断面図である。 本発明の実施の形態2にかかる赤外線検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる赤外線検出器の断面図である。 本発明の実施の形態3にかかる赤外線検出器の製造工程の断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる赤外線検出器の断面図である。 本発明の実施の形態4にかかる赤外線検出器の製造工程の断面図である。
符号の説明
100、110、120、130 赤外線検出器、200 感熱体、300 赤外線固体撮像装置、301 基板、302 垂直信号線、303 水平駆動線、304 配線層、305 分離酸化膜、306 絶縁膜、307 エッチング停止層、308 犠牲層、402 シリコン層、500 支持部、501 赤外線反射膜、502 検出器アレイ、504 温度検知部、505 支持脚、506 凹部、507 赤外線吸収傘、508 エッチング孔、509 信号処理回路、520 スペーサ。

Claims (5)

  1. 検出部の温度変化を検知膜で検出する赤外線検出器であって、
    周辺部と、周辺部に囲まれた凹部とを有する基板と、
    該凹部上に、該基板の周辺部から支持脚で支持され、検知膜が設けられた検出部と、
    その一部が該支持脚の上方を覆うように、該周辺部の上に設けられた第1の赤外線反射膜と、
    該検出部の上に設けられ、複数の支持部を有するスペーサと、
    該スペーサの上に設けられた第2の赤外線反射膜と、
    該第1の赤外線反射膜の上方まで延びるように、該第2の赤外線反射膜の上に支持部で支持された赤外線吸収傘とを含む赤外線検出器。
  2. 上記スペーサが有する支持部の間の距離は、上記第2の赤外線反射膜の上の支持部の間の距離と同等またはそれ以上であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線検出器。
  3. 検出部の温度変化を検知膜で検出する赤外線検出器であって、
    周辺部と、周辺部に囲まれた凹部とを有する基板と、
    該凹部上に、該基板の周辺部から支持脚で支持された検出部であって、検知膜と第3の赤外線反射膜とが設けられた検出部と、
    その一部が該支持脚の上方を覆うように、該周辺部の上に設けられた第1の赤外線反射膜と、
    該検出部の上に設けられ、複数の支持部を有するスペーサと、
    該第1の赤外線反射膜の上方まで延びるように、該スペーサの上に接合されていて、支持部を有する赤外線吸収傘とを含み、
    該赤外線吸収傘と該第1の赤外線反射膜の光学距離と、該赤外線吸収傘と該第3の赤外線反射膜の光学距離とが等しい赤外線検出器。
  4. 上記スペーサが有する支持部の間の距離は、上記赤外線吸収傘の支持部の間の距離と同等またはそれ以上であることを特徴とする請求項3に記載の赤外線検出器。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の赤外線検出器をマトリックス状に配置した赤外線固体撮像装置。
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