JP2010078199A - コージェネレーションシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】熱電併給装置が長時間発電しない場合でも温水中のレジオネラ属菌の繁殖を抑制可能なコージェネレーションシステムを提供すること。
【解決手段】コージェネレーションシステム1は、発電する際に発熱する熱電併給装置20と、熱電併給装置20で発生した熱を、媒体水c、hを媒体として蓄える貯湯槽40と、熱電併給装置20と貯湯槽40との間で媒体水c、hを流す媒体水流路21、31と、媒体水流路31内の媒体水hを流動させる媒体水ポンプ32と、貯湯槽40に蓄えられている媒体水hを加熱する加熱手段46と、燃料電池20が発電を行っていない状態が第1の所定の時間継続したときに媒体水流路31内の媒体水hを、貯湯槽40を介して加熱手段46に導いて滅菌可能な所定の温度に加熱するように媒体水ポンプ32及び加熱手段46を制御する制御装置60とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】コージェネレーションシステム1は、発電する際に発熱する熱電併給装置20と、熱電併給装置20で発生した熱を、媒体水c、hを媒体として蓄える貯湯槽40と、熱電併給装置20と貯湯槽40との間で媒体水c、hを流す媒体水流路21、31と、媒体水流路31内の媒体水hを流動させる媒体水ポンプ32と、貯湯槽40に蓄えられている媒体水hを加熱する加熱手段46と、燃料電池20が発電を行っていない状態が第1の所定の時間継続したときに媒体水流路31内の媒体水hを、貯湯槽40を介して加熱手段46に導いて滅菌可能な所定の温度に加熱するように媒体水ポンプ32及び加熱手段46を制御する制御装置60とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明はコージェネレーションシステムに関し、特に熱電併給装置が長時間発電しない場合であっても温水中のレジオネラ属菌の繁殖を抑制することができるコージェネレーションシステムに関する。
昨今、総合エネルギ効率を高めるエネルギ供給システムとして、コージェネレーションシステムが注目されている。コージェネレーションシステムの一態様として、燃料電池を備える燃料電池システムがある。水素と酸素とを使用して、これらの電気化学的反応により発電する燃料電池は、発電の際に発熱する。燃料電池を備えるシステムのエネルギ利用効率を高めるため、燃料電池の発電の際に発生した熱を、媒体としての水に蓄えて任意の時間に利用することを可能にする貯湯槽と、燃料電池と貯湯槽との間の水を別系統とするために、燃料電池で発生した熱を奪う冷却水と貯湯槽に蓄熱する温水との熱交換を行う熱交換器とを備える燃料電池システムがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−012563(図1等)
熱交換器と貯湯槽との間を流れる温水は、燃料電池(熱電併給装置)で発生した熱を貯湯槽に運ぶ媒体であると共に、給湯や暖房等の熱需要において利用される。そして、熱電併給装置を長時間運転しない場合は、温水の温度が低下して温水中にレジオネラ属菌等の細菌類(以下単に「レジオネラ属菌」という。)が発生するおそれが生じることとなる。温水中にレジオネラ属菌が発生すると貯湯槽に蓄えられた温水を利用する際に感染する可能性が生じてしまう。
本発明は上述の課題に鑑み、熱電併給装置が長時間発電しない場合であっても温水中のレジオネラ属菌の繁殖を抑制することができるコージェネレーションシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、発電する際に発熱する熱電併給装置20と;熱電併給装置20で発生した熱を、媒体水c、hを媒体として蓄える貯湯槽40と;熱電併給装置20と貯湯槽40との間で媒体水c、hを流す媒体水流路21、31と;媒体水流路21、31内の媒体水c、hを流動させる媒体水ポンプ22、32と;貯湯槽40に蓄えられている媒体水hを加熱する加熱手段46と;熱電併給装置20が発電を行っていない状態が第1の所定の時間継続したときに媒体水流路31内の媒体水hを、貯湯槽40を介して加熱手段46に導いて所定の温度に加熱するように媒体水ポンプ32及び加熱手段46を制御する制御装置60とを備える。ここで「第1の所定の時間」は、典型的には、熱電併給装置における発電の停止から媒体水流路内の媒体水にレジオネラ属菌の発生が見られるようになる時間よりも短い時間であり、例えば、熱電併給装置における発電の停止から、媒体水流路内の媒体水にレジオネラ属菌の発生が見られるようになるまでの時間の半分の時間、又は媒体水流路内の媒体水中の残留塩素濃度が媒体水にレジオネラ属菌の発生が見られるようになる程に低下するまでに要する時間よりも短い時間である。また「所定の温度」は、典型的には、レジオネラ属菌を滅菌可能な温度以上の温度である。
このように構成すると、熱電併給装置が発電を行っていない状態が第1の所定の時間継続したときに媒体水流路内の媒体水を貯湯槽を介して加熱手段に導いて所定の温度に加熱するので、貯湯槽内の媒体水にレジオネラ属菌が発生することを防ぐことができる。
また、本発明の第2の態様に係るコージェネレーションシステムは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係るコージェネレーションシステム1において、貯湯槽40に蓄えられていた媒体水hが消費された分の水を貯湯槽40に補給する補給水ライン48と;貯湯槽40に水が補給されたことを検出する流水検出手段68とを備え;制御装置60が、媒体水流路31内の媒体水hを、貯湯槽40に導入してから第2の所定の時間にわたって流水検出手段68が貯湯槽40への水の補給を検出しないときに加熱手段46に導くように構成されている。ここで「第2の所定の時間」は、典型的には、第1の所定の時間を考慮して、貯湯槽内の媒体水にレジオネラ属菌の発生が見られるようになる時間よりも余裕分(例えば、レジオネラ属菌の発生を回避する措置を講じたときに、少なくとも措置を講じている間にレジオネラ属菌が発生することのない時間分)短い時間であり、余裕分は貯湯槽内の媒体水にレジオネラ属菌の発生が見られるようになるまでの時間の半分の時間としてもよい。
このように構成すると、加熱手段を作動させる間隔を延ばすことができ、加熱手段の寿命を延ばすことができると共に加熱するためのエネルギ消費量を削減することができる。
また、本発明の第3の態様に係るコージェネレーションシステムとして、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係るコージェネレーションシステム1において、媒体水流路が、熱電併給装置20に接続されているが貯湯槽40には接続されていない冷却水ライン21と、貯湯槽40に接続されているが燃料電池20には接続されていない排熱回収水ライン31とを含んで構成され;媒体水ポンプが、排熱回収水ライン31に配設された排熱回収水ポンプ32を含んで構成され;さらに、冷却水ライン21を流れる媒体水cと排熱回収水ライン31を流れる媒体水hとで熱交換を行わせる熱交換器30を備えるように構成されていてもよい。
このように構成すると、冷却水ラインと排熱回収水ラインとを別系統とすることができ、水質管理が容易になると共に、貯湯槽内の媒体水で置換する媒体水流路(排熱回収水ライン)内の媒体水の量を少なくすることができる。
本発明によれば、熱電併給装置が発電を行っていない状態が第1の所定の時間継続したときに媒体水流路内の媒体水を貯湯槽を介して加熱手段に導いて所定の温度に加熱するので、貯湯槽内の媒体水にレジオネラ属菌が発生することを防ぐことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。なお、図1中、破線は制御信号を表す。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る燃料電池システム1の構成について説明する。図1は、燃料電池システム1の模式的系統図である。コージェネレーションシステムの一形態である燃料電池システム1は、主要な機器として、熱電併給装置としての燃料電池20と、熱交換器30と、貯湯槽40と、加熱手段としての滞留水加熱器46と、昇温器としての電気ヒータ50と、制御装置60とを備えている。
燃料電池20は、水素と酸素との電気化学的反応により発電し発熱するものであり、典型的には固体高分子型燃料電池である。燃料電池20は、改質器(不図示)で生成された改質ガスgを導入する燃料極20aと、酸化剤ガスtを導入する空気極20cと、電気化学的反応により発生した熱を奪う冷却部20rとを含んで構成されている。改質器(不図示)は、原料とプロセス水とを導入し水蒸気改質反応により水素に富む改質ガスgを生成する機器である。原料は、典型的には、メタン、エタン、LPG等の鎖式炭化水素(天然ガスも含む)、あるいはメタノール、石油製品(灯油、ガソリン、ナフサ等)等の炭化水素を主成分とする混合物等の炭化水素系の原料である。改質ガスgは、水素を40%以上、典型的には75%程度含み、一酸化炭素濃度がおよそ10ppm以下程度のガスである。酸化剤ガスtは、典型的には空気である。燃料電池20は、図では簡易的に示されているが、実際には、固体高分子膜を燃料極20aと空気極20cとで挟んで単一のセルが形成され、このセルを冷却部20rを介し複数枚積層して構成されている。
燃料電池20では、燃料極20aに供給された改質ガスg中の水素が水素イオンと電子とに分解し、水素イオンが固体高分子膜を通過して空気極20cに移動すると共に電子が燃料極20aと空気極20cとを結ぶ導線を通って空気極20cに移動して、空気極20cに供給された酸化剤ガスt中の酸素と反応して水を生成し、この反応の際に発熱する。この反応で発生した熱は、冷却部20rに供給される媒体水としての冷却水cによって除去される。換言すれば、燃料電池20は冷却水cにより冷却される。また、この反応における、電子が導線を通ることにより、直流の電力を取り出すことができる。燃料電池20は、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナー(不図示)を介して、電気ヒータ50、商用電源98及び電力負荷99とそれぞれ電気的に接続されている。
熱交換器30は、燃料電池20を冷却する冷却水cと、燃料電池20で発生した熱を貯湯槽40に蓄える媒体である媒体水としての排熱回収水hとの間で熱交換を行う機器であり、典型的にはプレート型熱交換器が用いられる。熱交換器30は、冷却水cと排熱回収水hとが混合することがないように構成されている。熱交換器30は、燃料電池20から受熱して温度が上昇した冷却水cと冷却水cよりも温度が低い排熱回収水hとがカウンターフローにより熱交換し、燃料電池20で発生した熱を冷却水cから排熱回収水hに伝達するように構成されている。熱交換器30を用いて冷却水cと排熱回収水hとを別系統の流れとすることにより、冷却水c及び排熱回収水hの水質を個別に管理することが可能となる。
貯湯槽40は、燃料電池20における電気化学的反応の際に発生した熱を、排熱回収水hを媒体として蓄える機器である。貯湯槽40は、典型的には鉛直方向に長く耐食性に富む容器で形成されている。鉛直方向に長く形成されていることにより、内部に貯留される排熱回収水hの温度が上部から下部に向かうにしたがって低くなる温度成層の形成が容易になる。なお、排熱回収水hを媒体として貯湯槽40に蓄えられた熱は、給湯や暖房機器(床暖房やファンコイルユニット等)などの熱需要(不図示)にて任意の時間に利用される。貯湯槽40には、蓄えられている排熱回収水hを温水として給湯や暖房機器などの熱需要に供給するための温水往管42が上部に、暖房機器等で熱が利用されて温度が低下した温水を導入する温水還管43が下部に、給湯等で消費された温水分の水を補充するために水(例えば市水等)を導入する補給水管48が下部に、それぞれ接続されている。温水往管42には、典型的には、熱需要に向けて供給される排熱回収水hを加熱昇温する不図示の加熱器(例えば追い焚き器)が配設されている。補給水管48には、貯湯槽40に水が補給されたことを検出する流水検出手段としての量水器68が設けられている。量水器68は、貯湯槽40に補充される水の量を計測する水量検出手段をも兼ねている。なお、温水往管42から導出された温水と補給水管48から導入される水の量とが同じになる場合は、量水器68を温水往管42に設けることとしてもよい。貯湯槽40には、貯湯槽40内の上部の排熱回収水hの温度を検出する温度センサ41Aと、貯湯槽40内の下部の排熱回収水hの温度を検出する温度センサ41Bとが設けられている。
また、貯湯槽40には、貯湯槽40下部の排熱回収水hを抜き出す下部抜出管44Aと、貯湯槽40上部の排熱回収水hを抜き出す上部抜出管44Bと、下部抜出管44A及び上部抜出管44Bから抜き出した排熱回収水hを貯湯槽40の上部に戻す戻し管44Cとが接続されている。下部抜出管44Aは、典型的には貯湯槽40の底部に接続されている。上部抜出管44Bは貯湯槽40の上部側面に接続されており、上部抜出管44Bの接続部の上端よりも上方の貯湯槽40内に、後述する排熱回収水ライン31の保有水量分の排熱回収水hが確保されるようになっている。戻し管44Cは、典型的には貯湯槽40の頂部に接続されている。下部抜出管44A、上部抜出管44B、及び戻し管44Cは、それぞれ三方弁47を介して相互に接続されている。三方弁47は、制御装置60と信号ケーブルで接続されており、制御装置60からの信号を受信して、下部抜出管44Aと戻し管44Cとを連通させるのと、上部抜出管44Bと戻し管44Cとを連通させるのとを電動で切り替えることができるように構成されている。
滞留水加熱器46は、戻し管44Cに配設されており、戻し管44C内を流れる排熱回収水hを所定の温度以上に加熱することができるように構成されている。滞留水加熱器46は、典型的には、ガスを導入し燃焼させて排熱回収水hを加熱するガス加熱器であるが、電気ヒータであってもよい。滞留水加熱器46は、制御装置60と信号ケーブルで接続されており、制御装置60からの信号を受信して発熱量を調節することができるように構成されている。戻し管44Cには、下部抜出管44A又は上部抜出管44Bを介して貯湯槽40から抜き出された排熱回収水hを再び貯湯槽40へと循環させる加熱ポンプ45が配設されている。加熱ポンプ45は、制御装置60と信号ケーブルで接続されており、制御装置60からの信号を受信して発停や回転数の調節が行われるように構成されている。また、加熱ポンプ45と三方弁47との間の戻し管44Cには、内部を流れる排熱回収水hの温度を検出する温度センサ49が設けられている。
燃料電池20の冷却部20rと熱交換器30とは、内部に冷却水cを流す媒体水流路としての冷却水ライン21で接続されている。燃料電池20と熱交換器30とが冷却水ライン21で接続されることにより、冷却水cがこれらの間を循環する循環流路が形成される。冷却水ライン21は、燃料電池20から熱交換器30へと冷却水cを流す第1冷却水ライン21Aと、熱交換器30から燃料電池20へと冷却水cを流す第2冷却水ライン21Bとを有している。以下、第1冷却水ライン21Aと第2冷却水ライン21Bとを特に区別する必要がない場合はこれらを総称して単に「冷却水ライン21」という。第1冷却水ライン21Aには電気ヒータ50が挿入配置されている。第2冷却水ライン21Bには冷却水cを循環させる媒体水ポンプとしての冷却水ポンプ22が挿入配置されている。なお、冷却水ポンプ22は第1冷却水ライン21Aに挿入配置されてもよいが、燃料電池20保護の観点から冷却部20rが負圧になることを回避するために第2冷却水ライン21Bに挿入配置されることが好ましい。
電気ヒータ50は、燃料電池20で発電した電力よりも電力負荷99における消費電力が小さいときに、燃料電池20で発電した余剰電力を消費する逆潮流防止電気ヒータとして機能する。また、電気ヒータ50は、商用電源98あるいは燃料電池20から電力の供給を受けて発熱し、冷却水ライン21を流れる冷却水cの温度を上昇させることもできる。電気ヒータ50は、燃料電池20から余剰電力が発生するときは燃料電池20から電力の供給を受けて発熱し、燃料電池20の発電がないときは商用電源98から電力の供給を受けて発熱することができるように、燃料電池20及び商用電源98と電気的に接続されている。
熱交換器30と貯湯槽40とは、内部に排熱回収水hを流す媒体水流路としての排熱回収水ライン31で接続されている。熱交換器30と貯湯槽40とが排熱回収水ライン31で接続されることにより、排熱回収水hがこれらの間を循環する循環流路が形成される。排熱回収水ライン31は、熱交換器30から貯湯槽40へと排熱回収水hを流す第1排熱回収水ライン31Aと、貯湯槽40から熱交換器30へと排熱回収水hを流す第2排熱回収水ライン31Bとを有している。以下、第1排熱回収水ライン31Aと第2排熱回収水ライン31Bとを特に区別する必要がない場合はこれらを総称して単に「排熱回収水ライン31」という。第1排熱回収水ライン31Aは、好ましくは貯湯槽40の上部で、より好ましくは貯湯槽40の頂部で貯湯槽40に接続されており、第2排熱回収水ライン31Bは、好ましくは貯湯槽40の下部で、より好ましくは貯湯槽40の底部で貯湯槽40に接続されている。このように接続されることで、貯湯槽40の内部に貯留される排熱回収水hの温度成層の形成が容易になる。第2排熱回収水ライン31Bには排熱回収水hを循環させる媒体水ポンプとしての排熱回収水ポンプ32が挿入配置されている。なお、排熱回収水ポンプ32は第1排熱回収水ライン31Aに挿入配置されてもよい。
第1排熱回収水ライン31Aと、排熱回収水ポンプ32よりも上流側の第2排熱回収水ライン31Bとは、バイパスライン35で接続されている。バイパスライン35は、第1排熱回収水ライン31Aを流れる排熱回収水hを、貯湯槽40に流入させずに(貯湯槽40をバイパスして)第2排熱回収水ライン31Bへ導く流路である。第1排熱回収水ライン31Aとバイパスライン35との接続部分には、第1排熱回収水ライン31Aを流れる排熱回収水hを貯湯槽40に流入させるのと、貯湯槽40をバイパスして第2排熱回収水ライン31Bに流入させるのとを切り替える切替手段としての三方弁62が配設されている。三方弁62は、三方弁62と貯湯槽40との間の距離ができるだけ短くなるように配設されていることが好ましい。三方弁62は制御装置60からの信号を受信して電動で流路を切り替えることができるように構成されている。第1排熱回収水ライン31Aには、三方弁62の直近上流に、排熱回収水hの温度を検出する温度検出器としての温度センサ65が設けられている。
制御装置60は、燃料電池システム1の運転を制御する。制御装置60は燃料電池20と信号ケーブルで接続されており、燃料電池20が発電を行っているか否かの信号を受信できるように構成されている。また、制御装置60は加熱ポンプ45と信号ケーブルで接続されており、加熱ポンプ45の発停や回転数を制御することができるように構成されている。また、制御装置60は滞留水加熱器46と信号ケーブルで接続されており、信号を送信して滞留水加熱器46における発熱量を調節することができるように構成されている。また、制御装置60は電気ヒータ50と信号ケーブルで接続されており、電気ヒータ50への通電の有無を制御できるように構成されている。また、制御装置60は冷却水ポンプ22及び排熱回収水ポンプ32とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、冷却水ポンプ22及び排熱回収水ポンプ32の発停や回転数をそれぞれ制御することができるように構成されている。また、制御装置60は三方弁47及び三方弁62とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、信号を送信して三方弁47及び三方弁62の流路をそれぞれ切り替えることができるように構成されている。また、制御装置60は温度センサ41A、41B、49、65とそれぞれ信号ケーブルで接続されており、温度センサ41A、41B、49、65から温度信号をそれぞれ受信することができるように構成されている。また、制御装置60は量水器68と信号ケーブルで接続されており、量水器68から水量信号(流水検出信号)を受信することができるように構成されている。また、制御装置60は、時間を計測することができるタイマー61を有している。
引き続き図1を参照して、燃料電池システム1の作用を説明する。まず、燃料電池システム1の定常時(レジオネラ属菌の繁殖を抑制する制御を行わない時)の作用について説明する。電力負荷99において電力需要が発生すると、制御装置60は燃料電池20が発電を行うように燃料電池システム1を制御する。このとき燃料電池20には、燃料極20aに改質ガスgが導入され、空気極20cに酸化剤ガスtが導入されて、燃料電池20では改質ガスg中の水素と酸化剤ガスt中の酸素との電気化学的反応により発電が行われる。燃料電池20で発電された電力は直流電力であるため、パワーコンディショナー(不図示)にて交流電力に変換された後に電力需要99に供給される。制御装置60は、典型的には電力需要99における消費電力よりも所定の容量(例えば100w)だけ少ない電力を燃料電池20で発電するように燃料電池20に導入される改質ガスg及び酸化剤ガスtの流量を制御する。電力需要99が燃料電池20から電力の供給を受けてなお不足する電力は、商用電源98から供給を受けることで補われる。燃料電池20は、その性質上、電力需要の急峻な変動に追従することが困難であるため、電力需要99における消費電力よりも所定の容量だけ少ない電力を発電することにより、燃料電池20で発電した電力が商用電源系統に逆潮流することを防いでいる。なお、仮に燃料電池20における発電電力が電力需要99の消費電力を上回った場合、制御装置60は上回った分の電力(余剰電力)を電気ヒータ50に通電し、熱に変換することで余剰電力を逆潮流させずに消費させる。
燃料電池20は、発電が行われるのに伴い熱が発生する。制御装置60は、改質ガスg及び酸化剤ガスtが燃料電池20に導入されたら、冷却水ポンプ22及び排熱回収水ポンプ32を起動する。また、制御装置60は、三方弁62に信号を送信して、当初は排熱回収水hがバイパスライン35を流れるように三方弁62の通水方向を設定し、温度センサ65で検出された温度が熱需要で利用可能な温度(例えば45〜50℃の任意の温度)以上のときは貯湯槽40に流入するように三方弁62の通水方向を切り替える。冷却水ポンプ22が起動されることにより冷却水cが冷却水ライン21を循環する。これにより、燃料電池20の冷却部20rに導入された冷却水cは燃料電池20から熱を奪って温度が上昇し、他方、燃料電池20は冷やされる。燃料電池20は、冷却水cで冷却されることにより発電に適した温度(典型的には60℃〜80℃)に維持される。燃料電池20の熱を奪って温度が上昇した冷却水cは、熱交換器30で排熱回収水hと熱交換して燃料電池20を冷却可能な程度に温度が低下し、他方、排熱回収水hの温度は上昇する。温度が低下した冷却水cは、再び冷却部20rに導入されて燃料電池20で発生した熱を奪う、というように冷却水ライン21を循環する。なお、燃料電池20で発電した電力に余剰電力が発生した場合は、その余剰電力は電気ヒータ50に通電されることとなり、燃料電池20で温度が上昇した冷却水cが電気ヒータ50で受熱してさらに温度が上昇した後に熱交換器30に導入される。
熱交換器30で冷却水cと熱交換することにより温度が上昇した排熱回収水hは、その後貯湯槽40の上部に流入する。他方、貯湯槽40の下部からは、熱交換器30に導入される冷却水cよりも温度が低い排熱回収水hが導出される。貯湯槽40の下部から導出された排熱回収水hは、熱交換器30に導入され、冷却水cと熱交換を行って温度が上昇する。貯湯槽40には温度が高い排熱回収水hが上部から導入されることにより、温度成層が形成される。なお、形成された温度成層をできるだけ乱さないようにする観点から、貯湯槽40に導入される排熱回収水hの動圧はできるだけ小さい方がよい。
貯湯槽40に蓄えられた温度が高い排熱回収水hは、温水往管42を介して給湯や暖房機器(床暖房やファンコイルユニット等)などの熱需要(不図示)に温水として供給される。温度センサ41Aで検出される温度(熱需要に供給される温水の温度)が熱需要において利用される温度よりも低下している場合は、加熱器(不図示)で加熱される。熱需要に供給された温水は、例えば、暖房機器等の熱を利用して物質としての水を消費しない場所に供給された場合は、暖房機器等において熱が利用されて温度が低下した後に温水還管43を介して貯湯槽40の下部に戻される。給湯等の物質としての水の消費を伴う場所に供給された場合は、給湯等に利用されて消費された分の水が補給水管48を介して貯湯槽40の下部に補充される。これらにより、貯湯槽40の下部から流出する排熱回収水hは、熱交換器30に導入される冷却水cよりも温度が低くなる。貯湯槽40に補給された水量の情報は、信号として制御装置60に送信される。
電力負荷99の消費電力が燃料電池20の最低発電電力(例えば300w)を下回ると、制御装置60は、燃料電池20への改質ガスg及び酸化剤ガスtの導入を停止させて燃料電池20が発電を行わないようにする。また、制御装置60は、冷却水ポンプ22及び排熱回収水ポンプ32を停止して、冷却水ライン21中の冷却水cの循環及び排熱回収水ライン31中の排熱回収水hの循環を停止させる。冷却水c及び排熱回収水hの循環が停止すると、冷却水c及び排熱回収水hの熱が大気に放熱され、時間経過にしたがって冷却水c及び排熱回収水hの温度が低下していく。排熱回収水hが排熱回収水ライン31中に長時間滞留したまま温度が低下すると、排熱回収水h中にレジオネラ属菌が繁殖するおそれがある。燃料電池システム1は、レジオネラ属菌が繁殖するおそれが生じる程度の長時間にわたって燃料電池20の発電が行われない場合であってもレジオネラ属菌の繁殖を抑制するため、以下のような制御を行う。
図2は、排熱回収水h中のレジオネラ属菌の繁殖を抑制する制御を説明するフローチャートである。制御装置60は、燃料電池20が発電を行わなくなると燃料電池20から停止信号(発電を行わなくなった信号)を受信し、タイマー61をリセットして時間の計測を開始する(ST1)。そして、制御装置60は、燃料電池20の発電が行われていない状態が第1の所定の時間継続したか否かを判断する(ST2)。ここで「第1の所定の時間」は、典型的には、燃料電池20の発電の停止から排熱回収水ライン31内の排熱回収水hにレジオネラ属菌の発生が見られるようになる時間よりも短い時間である。これは、燃料電池20を長時間運転しない場合は、冷却水c及び排熱回収水hの温度が低下してレジオネラ属菌が発生するおそれが生じることに鑑み、特に給湯や暖房等の熱需要において温水として消費される可能性がある排熱回収水hについては、その中にレジオネラ属菌が発生するおそれが生じる前に対策を講じる意図によるものである。
第1の所定の時間としては、例えば、燃料電池システム1が設置される地域の水質(特に残留塩素濃度)を考慮して、燃料電池20の発電の停止から排熱回収水ライン31内の排熱回収水hにレジオネラ属菌の発生が見られるようになるまでの時間の半分(1/2)の時間あるいは1/5の時間とすることができる。具体例としては、燃料電池20の発電の停止から排熱回収水ライン31内の排熱回収水hにレジオネラ属菌の発生が見られるようになるまでの時間が100時間である場合には、第1の所定の時間は50時間(1/2)あるいは20時間(1/5)となる。又は、燃料電池20の発電の停止から排熱回収水ライン31内の排熱回収水h中の残留塩素濃度が排熱回収水h中にレジオネラ属菌の発生が見られるようになる程に低下するまでに要する時間よりも、少なくても後述の対策を講ずるのに要する時間分短い時間としてもよい。
燃料電池20の発電が行われていない状態が第1の所定の時間継続したか否かを判断する工程(ST2)において、第1の所定の時間継続していないときは再度燃料電池20の発電が行われていない状態が第1の所定の時間継続したか否かを判断する工程(ST2)に戻る。他方、第1の所定の時間継続しているときは、制御装置60は排熱回収水hが貯湯槽40に流入するように三方弁62を切り替える(ST3)。すでに排熱回収水hが貯湯槽40に流入する方向に三方弁62が切り替えられている場合は、その状態を維持すればよい。
その後、制御装置60は、排熱回収水ポンプ32を起動する(ST4)。すると、排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hは貯湯槽40にその上部から流入し、貯湯槽40の下部から流出した排熱回収水hは排熱回収水ライン31に流入する。次いで制御装置60は、加熱ポンプ45及び滞留水加熱器46を起動する(ST5)。このとき、滞留水加熱器46は、排熱回収水hを所定の温度以上に加熱することができるように燃焼させるガスの量(電気ヒータの場合は出力)が調節される。ここで「所定の温度」は、典型的には、レジオネラ属菌を滅菌可能な温度(例えば75℃)である。また、三方弁47は、上部抜出管44Bと戻し管44Cとが連通する方向に切り替えられている。加熱ポンプ45が起動すると貯湯槽40上部の排熱回収水hが上部抜出管44B及び戻し管44Cを介して滞留水加熱器46に導かれる。滞留水加熱器46に導かれた排熱回収水hは、所定の温度以上に加熱された後、貯湯槽40の上部に戻される。この排熱回収水hの循環加熱は、上部抜出管44Bよりも上方の貯湯槽40内に貯留されている排熱回収水hに対して行われる。これは、排熱回収水ポンプ32の起動(ST4)によって貯湯槽40に導入させた、排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hを加熱するためである。このようにすると、貯湯槽40内の排熱回収水hのうち必要最低限の排熱回収水hを加熱することになるので、エネルギ消費量を低減することができる。
そして、制御装置60は、排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hが、貯湯槽40内の排熱回収水hの一部と入れ替わって貯湯槽40内に導入されたか否かを判断する(ST6)。貯湯槽40内に導入されたか否かは、例えば、排熱回収水ポンプ32の起動により排熱回収水ライン31内を流れる排熱回収水hの流速に基づいて、排熱回収水hが貯湯槽40の下部から出て排熱回収水ライン31を流れ貯湯槽40へ上部から流入するまでに要する時間をあらかじめ求めておき、その時間が経過したか否かにより判断することができる。導入が完了していない場合は、再び排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hが貯湯槽40内の排熱回収水hの一部と入れ替わって貯湯槽40内に導入されたか否かを判断する工程(ST6)に戻る。他方、導入が完了した場合は、制御装置60は、排熱回収水ポンプ32を停止する(ST7)。
制御装置60は、排熱回収水ポンプ32を停止したら、上部抜出管44Bよりも上方の貯湯槽40内に貯留されている排熱回収水hが所定の温度に加熱されたか否かを判断する(ST8)。加熱が完了したか否かは、温度センサ49で検出された排熱回収水hの温度が所定の温度以上になっているか否かにより判断することができる。あるいは、上部抜出管44Bよりも上方の貯湯槽40内に貯留されている排熱回収水hの量及び加熱ポンプ45の吐出流量をあらかじめ求めておき、加熱ポンプ45の稼働時間から見て加熱ポンプ45の吐出量が加熱すべき排熱回収水hの量(上部抜出管44Bよりも上方の貯湯槽40内に貯留されている排熱回収水hの量)に達したか否かにより判断してもよい。加熱が完了していない場合は、再び加熱が完了したか否かを判断する工程(ST8)に戻る。他方、加熱が完了した場合は、制御装置60は、加熱ポンプ45及び滞留水加熱器46を停止する(ST9)。
以上の図2を参照して説明したレジオネラ属菌の繁殖を抑制するフローの各工程において、電力需要が発生する等により燃料電池20の発電が開始された場合は、このレジオネラ属菌の繁殖を抑制する制御がリセットされる。燃料電池20の発電の開始に際し燃料電池システム1が起動して、排熱回収水hの滞留状態が解除されるからである。以上、図2に示した制御により、燃料電池システム1は、レジオネラ属菌が繁殖するおそれが生じる程度の長時間燃料電池20の発電が行われない場合であってもレジオネラ属菌の繁殖を抑制することができる。
図3に、排熱回収水h中のレジオネラ属菌の繁殖を抑制する制御の別の実施の形態のフローチャートを示す。図3のフローチャートで示す別の実施の形態は、滞留加熱器46を作動させる間隔を延ばすことができ、滞留加熱器46の寿命を延ばすことができると共に滞留加熱器46におけるエネルギ消費量を削減できるものである。この別の実施の形態は、排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hを、貯湯槽40内の排熱回収水hの一部と入れ替えて貯湯槽40内に導入した後、直ちに滞留加熱器46で加熱を行わずに、燃料電池20の発電の停止から排熱回収水hにレジオネラ属菌の発生が見られるようになるまでの時間(例えば健康に影響を与える程にレジオネラ属菌が増殖することが懸念される時間)の範囲内で、滞留加熱器46の作動を遅らせることとしている。
図3のフローチャートで示す別の実施の形態においても、燃料電池20から停止信号(発電を行わなくなった信号)を受信し、タイマー61をリセットして時間の計測を開始する工程(ST11)から、排熱回収水ポンプ32を起動する工程(ST14)までは、図2のフローチャートにおける発電を停止して時間計測を開始する工程(ST1)から排熱回収水ポンプ32を起動する工程(ST4)までと同様の制御が行われる。そして、制御装置60は、排熱回収水ポンプ32を起動した後に、排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hが、貯湯槽40内の排熱回収水hの一部と入れ替わって貯湯槽40内に導入されたか否かを判断する(ST15)。この工程は、図2のフローチャートにおける工程ST6と同じ内容の工程である。導入が完了していない場合は、再び排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hが貯湯槽40内の排熱回収水hの一部と入れ替わって貯湯槽40内に導入されたか否かを判断する工程(ST15)に戻る。他方、導入が完了した場合は、制御装置60は、排熱回収水ポンプ32を停止する(ST16)。
排熱回収水ポンプ32を停止すると、制御装置60は、第1の所定の時間の計測をリセットし(ST17)、新たに第1の所定の時間の計測を開始する(ST18)。これは、排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hが貯湯槽40内の排熱回収水hの一部と入れ替わり、新たに排熱回収水ライン31に導入された排熱回収水hを、第1の所定の時間にわたって排熱回収水ライン31に滞留したか否かを判断する(ST12)対象としたものである。また、制御装置60は、、排熱回収水ライン31内の排熱回収水hが貯湯槽40に導入されたことを記憶し、タイマー61を作動させて第2の所定の時間の計測を開始する(ST19)。第2の所定の時間の計測が開始されると、制御装置60は、貯湯槽40内に市水が補給されたか否かを量水器68の流水検出の有無により随時判断する(ST20)。貯湯槽40内に水が補給されたことを検出したときは、排熱回収水ライン31に滞留していて貯湯槽40内に導入された排熱回収水hが給湯等で消費されて新鮮な水(残留塩素のある水)が貯湯槽40に流入しているので、第2の所定の時間の計測をリセットして(ST21)、第1の所定の時間にわたって排熱回収水hが排熱回収水ライン31に滞留したか否かを判断する工程(ST12)に戻る。なお、排熱回収水ライン31に滞留していた排熱回収水hを給湯等の熱需要(不図示)に向けて温水往管42を流す際に、温水往管42に配設された加熱器(不図示)により昇温して所定の温度以上に加熱してもよい。
他方、貯湯槽40内に水が補給されたか否かを検出する工程(ST20)において補給水を検出しないときは、排熱回収水ライン31内の排熱回収水hが貯湯槽40内に導入されてから第2の所定の時間が経過したか否かを判断する(ST22)。ここで「第2の所定の時間」は、典型的には、第1の所定の時間を考慮して、貯湯槽40内の排熱回収水hにレジオネラ属菌の発生が見られるようになる時間よりも余裕分短い時間である。例えば、燃料電池20の発電の停止から排熱回収水ライン31内の排熱回収水hにレジオネラ属菌の発生が見られるようになるまでの時間が100時間であり、第1の所定の時間を50時間とした場合は、第2の所定の時間は50時間(100時間−第1の所定の時間)よりも余裕分短い時間である。余裕分は、例えば、少なくともレジオネラ属菌の発生を回避するための措置を講じるのに要する時間であり、安全を見て措置を講じるのに要する時間よりも長くとることが好ましい。つまり、余裕分は、レジオネラ属菌の発生を回避するための措置を講じている間にレジオネラ属菌が発生することがないように、前もってレジオネラ属菌の発生を回避するための措置を講じるための時間である。第2の所定の時間としては、例えば、貯湯槽40内の排熱回収水hにレジオネラ属菌の発生が見られるようになるまでの時間の半分の時間(例えば50/2=25時間)としてもよい。
排熱回収水hの貯湯槽40への導入が行われてから第2の所定の時間が経過したか否かを判断する工程(ST22)において、第2の所定の時間が経過していないときは再度排熱回収水hの貯湯槽40への導入が行われてから第2の所定の時間が経過したか否かを判断する工程(ST22)に戻る。他方、第2の所定の時間が経過しているときは、制御装置60は、加熱ポンプ45及び滞留水加熱器46を起動する(ST23)。以降、上部抜出管44Bよりも上方の貯湯槽40内に貯留されている排熱回収水hが所定の温度に加熱されたか否かを判断する工程(ST24)、並びに加熱ポンプ45及び滞留水加熱器46を停止する工程(ST25)は、図2のフローチャートに示す工程ST8及び工程ST9における制御とそれぞれ同様の制御が行われる。なお、排熱回収水hの貯湯槽40への導入が行われてから第2の所定の時間が経過したときに、上部抜出管44Bよりも上方の貯湯槽40内に貯留されている排熱回収水hだけを加熱するのではなく、三方弁47を下部抜出管44Aと戻し管44Cとが連通するように切り替えて、貯湯槽40内の排熱回収水hのすべてを所定の温度に加熱することとしてもよい。このようにすると、燃料電池20が発電を行わなくなってから(第1の所定の時間の計測を開始(ST11)してから)貯湯槽40内の排熱回収水hを滞留水加熱器46で加熱する(ST23)までにわたって、貯湯槽40内の排熱回収水hが給湯等で消費されずに新鮮な水(残留塩素のある水)が貯湯槽40内に流入していなくても、貯湯槽40内の排熱回収水hのすべてをレジオネラ属菌が発生することがない水にすることができる。この場合、貯湯槽40内の排熱回収水hのすべてを所定の温度に加熱することが完了したか否かを、温度センサ41Bで検出された温度が所定の温度以上になっているか否かにより判断することができる。
以上の説明では、熱電併給装置が燃料電池20であるとしたが、エンジン駆動式の発電機等の、燃料電池20以外の装置であってもよい。また、コージェネレーションシステムが燃料電池20を備える燃料電池システム1であるとしたが、エンジン駆動式の発電機等の熱電併給装置を備えるシステムであってもよい。
以上の説明では、燃料電池20が固体高分子型燃料電池であるとしたが、りん酸型燃料電池等の固体高分子型燃料電池以外の燃料電池であってもよい。しかしながら、固体高分子型燃料電池とすると、比較的低温で運転することができ、装置を小型化できるので、一般家庭等に設置するのに適している。
以上の説明では、昇温器が電気ヒータ50であるとしたが、ガス等の燃料を燃焼させて生じた熱により水温を上昇させる機器(例えば湯沸かし器)であってもよい。しかしながら、電気ヒータ50とすると、構成がシンプルになるし、逆潮流防止ヒータと兼用することができるので装置の小型化を図ることができるので好ましい。
以上の説明では、下部抜出管44Aと上部抜出管44Bと戻し管44Cとが三方弁47で接続されているとしたが、それぞれをチーズ等の継手で接続し、下部抜出管44A及び上部抜出管44Bにそれぞれ制御装置60と信号ケーブルで接続された二方弁を挿入配置することにより、下部抜出管44Aを流れる排熱回収水hを戻し管44Cに流入させるのと、上部抜出管44Bを流れる排熱回収水hを戻し管44Cに流入させるのとを切り替えるように構成してもよい。
以上の説明では、切替手段が三方弁62であるとしたが、バイパスライン35の接続点よりも下流側の第1排熱回収水ライン31Aとバイパスライン35とにそれぞれ制御装置60と信号ケーブルで接続された二方弁を挿入配置することにより、第1排熱回収水ライン31Aを流れる排熱回収水hを貯湯槽40に流入させるのと、貯湯槽40をバイパスして第2排熱回収水ライン31Bに流入させるのとを切り替えるように構成してもよい。
以上の説明では、温度検出器65が排熱回収水ライン31に設けられているとして説明したが、冷却水ライン21(好ましくは熱交換器30の出口付近の冷却水ライン21)に設けられていてもよい。温度検出器65が冷却水ライン21に設けられていても、電気ヒータ50や熱交換器30の特性をあらかじめ把握しておくことにより、排熱回収水hの温度を推定することができる。
以上の説明では、媒体水流路が冷却水ライン21と排熱回収水ライン31とに分かれていることとしたが、熱交換器30を介さずに燃料電池20と貯湯槽40とを1系統のラインで接続することとしてもよい。しかしながら、熱交換器30を設けて冷却水系統と排熱回収水系統とを別系統とすると水質管理が容易になり好適である。
1 燃料電池システム
20 燃料電池
21 冷却水ライン
22 冷却水ポンプ
31 排熱回収水ライン
32 排熱回収水ポンプ
40 貯湯槽
46 滞留水加熱器
48 補給水ライン
60 制御装置
68 水量検出手段
c 冷却水
h 排熱回収水
20 燃料電池
21 冷却水ライン
22 冷却水ポンプ
31 排熱回収水ライン
32 排熱回収水ポンプ
40 貯湯槽
46 滞留水加熱器
48 補給水ライン
60 制御装置
68 水量検出手段
c 冷却水
h 排熱回収水
Claims (2)
- 発電する際に発熱する熱電併給装置と;
前記熱電併給装置で発生した熱を、媒体水を媒体として蓄える貯湯槽と;
前記熱電併給装置と前記貯湯槽との間で前記媒体水を流す媒体水流路と;
前記媒体水流路内の前記媒体水を流動させる媒体水ポンプと;
前記貯湯槽に蓄えられている前記媒体水を加熱する加熱手段と;
前記熱電併給装置が発電を行っていない状態が第1の所定の時間継続したときに前記媒体水流路内の前記媒体水を、前記貯湯槽を介して前記加熱手段に導いて所定の温度に加熱するように前記媒体水ポンプ及び前記加熱手段を制御する制御装置とを備える;
コージェネレーションシステム。 - 前記貯湯槽に蓄えられていた前記媒体水が消費された分の水を前記貯湯槽に補給する補給水ラインと;
前記貯湯槽に水が補給されたことを検出する流水検出手段とを備え;
前記制御装置が、前記媒体水流路内の前記媒体水を、前記貯湯槽に導入してから第2の所定の時間にわたって前記流水検出手段が前記貯湯槽への水の補給を検出しないときに前記加熱手段に導くように構成された;
請求項1に記載のコージェネレーションシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008245235A JP2010078199A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | コージェネレーションシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008245235A JP2010078199A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | コージェネレーションシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=42208859
Family Applications (1)
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JP2008245235A Pending JP2010078199A (ja) | 2008-09-25 | 2008-09-25 | コージェネレーションシステム |
Country Status (1)
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2004263912A (ja) * | 2003-02-28 | 2004-09-24 | Noritz Corp | 貯湯式給湯装置及びその給湯再開時制御方法 |
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JP2008190751A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 燃料電池コージェネレーションシステム |
-
2008
- 2008-09-25 JP JP2008245235A patent/JP2010078199A/ja active Pending
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