JP2010078102A - プーリー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベアリング10は圧入するのでなく、力を加えなくとも嵌まるサイズに作ってすんなり嵌める。そのためベアリング10には歪みを生じることがなく、異常な音や熱が発生することがない。ベアリング10のベアリング外周エッジ12Eに切欠部17を施しておき、プーリー本体1の壁面を加締めて出来るかしめ部6を、切欠部17に食い込ませる。この食い込みにより、温度変化があってもベアリング10が弛むことがなく、空回りしたり抜け落ちたりすることがない。
【選択図】図1
Description
図6は、自動車エンジンにおける補機ドライブ機構を示す図である。図6において、20はエンジン、21はクランクシャフトプーリー、22はベルト、23A,23B,23C,23Dは補機用プーリー、24A,24B,24Cはアイドラプーリーである。
図6で言えば、まずクランクシャフトの回転が、クランクシャフトプーリー21に取り出される。クランクシャフトプーリー21と補機用プーリー23A,23B,23C,23D及びアイドラプーリー24A,24B,24Cとの間には、図示の如くベルト22が掛け渡される。
補機用プーリー23A,23B,23C,23Dは、ベルト22により回転させられているが、その回転力は各補機(図示せず)を作動させる必要が生じた時点で、各補機の回転軸に伝えられるようにされている。一方、アイドラプーリー24A,24B,24Cは、単にそれ自身が回転させられるだけである(何か駆動すべきものが接続されているわけではない。)。アイドラプーリーの配置,位置調節により、ベルトの張力調節やベルトの方向調整,方向転換がなされる。
これらのプーリーは、中央部にベアリング構造を有している。
図4は、従来のプーリー(アイドラプーリー)を示す図である。図4において、1はプーリー本体、2は留め部、3は中央円筒開口、4は内壁、5は外周面、9はアイドラプーリー、10はベアリング、11はボール転動体、12は外輪体、13はシール、14は内輪体、15は軸孔、16は保持器である。図4(1)はプーリー本体1の正面図、図4(2)は(1)のプーリー本体1のX−X断面図、図4(3)はベアリング10の側面図、図4(5)はアイドラプーリー9の正面図、図4(4)は(5)のアイドラプーリー9のY−Y断面図である。
図4(4)は圧入が完了し、アイドラプーリー9が完成された状態を示しており、図4(5)はその正面図である。
(1)ベアリング10が中央円筒開口3から抜け落ちないこと
(2)ベアリング10が中央円筒開口3の周方向に空回りしないこと
そのような要求を満たすためには、ベアリング10の外周と中央円筒開口3の内壁4との摩擦接触力を大にする必要があるが、そのために、上記の圧入は強力な力で行われている。
前記したような従来のプーリーには、次のような問題点があった。
第1の問題点は、プーリー本体1に強力な力でベアリング10が圧入されるため、ベアリング10に歪みが生じ、回転時に異常音を発生したり、摩擦熱が大となって寿命が短くなったりするという点である。
第2の問題点は、使用環境の温度が大きく変化した場合、プーリー本体1とベアリング10とでは膨張・収縮の度合が異なり、両者の結合力が弱くなってベアリングが空回りしたり、抜け落ちたりすることがあるという点である。
まず第1の問題点について説明する。プーリー本体1の加工精度とベアリング10の加工精度とを比べた場合、プーリー本体1の加工精度の方が格段に粗い(例えば、ベアリング10の加工精度が誤差0.01mm位であるのに対し、プーリー本体1の加工精度の誤差は0.2mm位というような場合があるが、この場合、20倍も粗い。)。そのため、加工誤差によりプーリー本体1の中央円筒開口3が予定より小さくなっている場合、それに圧入されたベアリング10に歪みが生ぜしめられることがある。そのとき、以下のような理由により、回転時に異常音が発生したり摩擦熱が大となったりする。
ところが、圧入時にベアリング10が歪まされ、例えば、外輪体12が内方に向かって変形され、Sの大きさが適正値よりも小にされると、ボール転動体11の転動は窮屈となる。そのため、高速回転時には異常音を発生したり、摩擦熱が異常に大となったりする。これらが生ずると、ベアリング10の寿命は短くなってしまう。
本発明は、以上のような問題点を解決することを課題とするものである。
なお、上記プーリーにおいて、中央円筒開口の形状が、ベアリング挿入方向の奥側端部に内方へ直角に曲げられた留め部が設けられた形状とされ、該留め部に当接する側とは反対側のベアリング外周エッジに切欠部が施されているようにしてもよい。
また、中央円筒開口の形状が、いずれの端部にも留め部が設けられていない形状とされ、両方のベアリング外周エッジに切欠部が施されているようにしてもよい。
1.プーリー本体にベアリングを強力な力で圧入することはしないので、ベアリングに歪みが生ぜしめられることがない。そのため、ボール転動体と外輪体(や内輪体)との間の隙間は常に適正な値に保たれ、高速回転しても異常な音や熱を発生することがなく、それらによりベアリングの寿命が短縮されることはない。それに伴い、プーリーの寿命が短縮されることもない。
2.ベアリング外周エッジに設けた切欠部に、プーリー本体のかしめ部が食い込まされることにより、固定されている。そのため、ベアリングが空回りしたり抜け落ちたりすることがない。
図1は、本発明のプーリーの1例を示す図である。符号は図4のものに対応し、6はかしめ部、12Aは外輪体外周面、12Bは外輪体端面、12Eはベアリング外周エッジ、17は切欠部である。
図1(1)はプーリー本体1の正面図、図1(2)は(1)のプーリー本体1のX−X断面図、図1(3)はベアリング10の側面図、図1(5)はアイドラプーリー9の正面図、図1(4)は(5)のアイドラプーリー9のY−Y断面図である。
図1(3)に示すように、本発明に使用するベアリング10のベアリング外周エッジ12Eには、切欠部17を設ける。ここでベアリング外周エッジ12Eとは、外輪体外周面12Aと外輪体端面12Bとが交叉する部分を言うことにする。また、切欠部17の切欠は、山と谷とが小刻みに刻まれたものを言うことにする。
図2は、そのような切欠部17を設けたベアリング10の斜視図である。
ベアリング10の嵌め方をとまり嵌めとすると、ベアリング10の外輪体12が歪められることがない。そのため、ボール転動体11と外輪体12(や内輪体14)との隙間Sも適正な値に保たれるので、高速回転しても異常な音や熱を発生することがなく、プーリーの寿命が短くされてしまうこともなくなる。
しかし、ベアリング10のベアリング外周エッジ12Eに設けた切欠部17に対し、プーリー本体1の壁面を加締めて出来るかしめ部6を食い込ませておくと、抜け落ちも空回りも阻止することが出来る。
なお、かしめ部6の切欠部17への食い込みによる抜け落ち防止や空回り防止の作用は、たとえ使用環境の温度が大幅に変化して材質の膨張があったとしても失われるものではないから、空回りや抜け落ちは依然として有効になされる。
かくして、従来のプーリーが有していた問題点(異常な音や熱の発生、ベアリングの空回りや抜け落ち)をすべて解消したプーリーを得ることが出来る。
Claims (3)
- プーリー本体とベアリングとを組み合わせて成るプーリーにおいて、
該プーリー本体は、その中央に中央円筒開口を有する形状とされ、
前記ベアリングは、そのベアリング外周エッジに切欠部が施された形状とされ、前記中央円筒開口にとまり嵌めで嵌められ、且つ前記プーリー本体の壁面を加締ることによって出来るかしめ部を前記切欠部に食い込ませて固定されている
ことを特徴とするプーリー。
- 中央円筒開口の形状が、ベアリング挿入方向の奥側端部に内方へ直角に曲げられた留め部が設けられた形状とされ、
該留め部に当接する側とは反対側のベアリング外周エッジに切欠部が施されている
ことを特徴とする請求項1記載のプーリー。
- 中央円筒開口の形状が、いずれの端部にも留め部が設けられていない形状とされ、
両方のベアリング外周エッジに切欠部が施されている
ことを特徴とする請求項1記載のプーリー。
Priority Applications (1)
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JP2008249447A JP2010078102A (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | プーリー |
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JP2008249447A JP2010078102A (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | プーリー |
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JP2008249447A Pending JP2010078102A (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | プーリー |
Country Status (1)
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- 2008-09-29 JP JP2008249447A patent/JP2010078102A/ja active Pending
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