JP6702103B2 - ローラ耐久性の向上した車両用補機駆動装置 - Google Patents

ローラ耐久性の向上した車両用補機駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、車両用補機駆動装置に関するものである。
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この文献には、エンジン駆動時には、エンジンによりエアコンの圧縮機を駆動するとともに、モータにより発電を行い、エンジン始動時にはモータによりエンジンを始動し、エンジン停止時にはモータにより圧縮機を駆動するものが開示されている。エンジン、モータ、圧縮機はそれぞれの駆動軸に設けられたプーリにベルトが巻回されることにより、駆動力の伝達を行っている。
特開2002-201975号公報
ベルトテンションは、伝達する駆動力が最も大きいものに合わせて調整される。上記特許文献1の技術においてモータをエンジンスタータとしても使用しようとすると、エンジン始動時のクランキングトルクに応じてベルトテンションを調整することとなる。ベルトテンションを高めると、プーリとベルトとの間のフリクションが高くなり、エンジン始動時以外の状況においては、エネルギ効率が悪化する問題があった。
本発明は、上記問題に着目されたもので、その目的とするところは、エンジンスタータおよび発電機としてモータジェネレータを用いる場合にエネルギ効率を向上させるとともに、ローラの摩擦熱による劣化を回避して耐久性の向上した車両用補機駆動装置を提供することである。
外周面がモータジェネレータローラおよびエンジンローラの外周面に接触する方向に付勢された第一アイドラローラと、外周面がエンジンローラおよび回転ローラの外周面に接触する方向に付勢された第二アイドラローラと、外周面が回転ローラおよびモータジェネレータローラの外周面に接触する方向に付勢された第三アイドラローラと、を有し、モータジェネレータローラの外周面が、第一アイドラローラおよび第三アイドラローラのいずれの外周面よりも大きい硬度または弾性係数を有する材料で形成されており第一アイドラローラ、第二アイドラローラおよび第三アイドラローラの回転中心は、エンジンローラ、モータジェネレータローラおよび回転ローラの回転中心を結んだ領域の外側に配置するようにした。
よって本発明では、エネルギ効率とともにモータジェネレータローラの耐久性を向上することができるとともに、第一アイドラローラ、第二アイドラローラ、第三アイドラローラの交換が容易であり、車両用補機駆動装置の修理を容易にすることができる
実施例1の車両用補機駆動装置の概略システム図である。 実施例1の車両用補機駆動装置を示す概略図である。 実施例1の車両用補機駆動装置の模式図である。 実施例1の車両用補機駆動装置の模式図である。 実施例1のエンジン始動時の車両用補機駆動装置の各部材の動きを示す図である。 実施例1のエンジン始動後の車両用補機駆動装置の各部材の動きを示す図である。 比較例1のエンジン始動時の車両用補機駆動装置の各部材の動きを示す概略図である。 比較例1のエンジン始動後の車両用補機駆動装置の各部材の動きを示す概略図である。
1 車両用補機駆動装置
2 モータジェネレータ
3 エンジン
4 ウォータポンプ
5 モータジェネレータローラ
6 エンジンローラ
7 ウォータポンプローラ(回転ローラ)
8 第一アイドラローラ
9 第二アイドラローラ
10 第三アイドラローラ
〔実施例1〕
実施例1の車両用補機駆動装置1について説明する。図1は車両用補機駆動装置1の概略システム図である。図2は車両用補機駆動装置1を示す概略図である。
車両用補機駆動装置1は、エンジン始動時にはモータジェネレータ2からエンジン3にクランキングトルクを伝達する。このクランキングトルクにより、エンジン3を始動させる。車両用補機駆動装置1は、エンジン始動時にはモータジェネレータ2からウォータポンプ4に駆動トルクを伝達する。この駆動トルクによりウォータポンプ4が駆動され、ウォータポンプ4からエンジン3に冷却水が供給される。
車両用補機駆動装置1は、エンジン始動後はエンジン3からモータジェネレータ2に発電トルクを伝達する。この発電トルクによりモータジェネレータ2は発電し、バッテリまたは電気機器に電力を供給する。車両用補機駆動装置1は、エンジン始動後はエンジン3からウォータポンプ4に駆動トルクを伝達する。この駆動トルクによりウォータポンプ4が駆動され、ウォータポンプ4からエンジン3に冷却水が供給される。
車両用補機駆動装置1は、上記の駆動力の伝達をくさび効果を利用したフリクションドライブを用いて行っている。車両用補機駆動装置1は、モータジェネレータ2の駆動軸と一体に回転するモータジェネレータローラ5と、エンジン3のクランク軸と一体に回転するエンジンローラ6と、ウォータポンプ4の駆動軸と一体に回転するウォータポンプローラ7とを有している。
モータジェネレータローラ5とエンジンローラ6とウォータポンプローラ7は、エンジンローラ6の回転方向(図2において時計周り方向)に順に、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7、モータジェネレータローラ5となるように配置されている。
モータジェネレータローラ5とエンジンローラ6との間には、両者の外周面に接触する第一アイドラローラ8が設けられている。第一アイドラローラ8は回転中心部にベアリング8aを介して回動自在に支持されている。第一アイドラローラ8は、モータジェネレータローラ5とエンジンローラ6の外周面に接触する方向に付勢部材8bによって付勢されている。
エンジンローラ6とウォータポンプローラ7との間には、両者の外周面に接触する第二アイドラローラ9が設けられている。第二アイドラローラ9は回転中心部にベアリング9aを介して回動自在に支持されている。第二アイドラローラ9は、エンジンローラ6とウォータポンプローラ7の外周面に接触する方向に付勢部材9bによって付勢されている。
ウォータポンプローラ7とモータジェネレータローラ5との間には、両者の外周面に接触する第三アイドラローラ10が設けられている。第三アイドラローラ10は回転中心部にベアリング10aを介して回動自在に支持されている。第三アイドラローラ10は、ウォータポンプローラ7とモータジェネレータローラ5の外周面に接触する方向に付勢部材10bによって付勢されている。
付勢部材8b,9b,10bによる第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10のモータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7に対する付勢力は、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10と、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7とが離れることがない程度であれば良い。
第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10は、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の回転中心が、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の回転中心を結ぶ三角形Aの外に位置するように設けられている。
モータジェネレータローラ5の外周面は、これに接触する第一アイドラローラ8および第三アイドラローラ10の外周面よりも大きい硬度または弾性係数を有する材料により形成されている。材料の硬度あるいは硬さを表す1つのパラメータとしてヤング率(縦弾性係数)がある。ヤング率は、フックの法則が成立する弾性範囲における、同軸方向のひずみと応力の比例定数であり、機械的試験法、共振法、超音波パルス法などの種々の測定方法が知られている(例えば、JIS G0567Jに基づく引張試験やJIS Z2280に基づく共振法および超音波パルス法などがある)。
より好ましくは、第一アイドラローラ8の外周面は、エンジンローラ6及びモータジェネレータローラ5のいずれの外周面よりも小さい硬度または弾性係数を有する材料で形成され、第三アイドラローラ10の外周面は、ウォータポンプローラ7およびモータジェネレータローラ5のいずれの外周面よりも小さい硬度または弾性係数を有する材料で形成されている。
実施例1における具体的な態様において、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の外周面は鉄系金属によって形成されている。第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面は樹脂によって形成されている。
第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面を形成する樹脂の硬度は、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の外周面を形成する鉄系金属の硬度よりも小さいものを用いる。
第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面を形成する樹脂の強度は、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の外周面を形成する鉄系金属の強度よりも小さいものを用いる。
第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面を形成する樹脂は、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の外周面と、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面との間の動摩擦係数は0.3以上となる素材が用いられている。このような樹脂材料(例えば、ゴム)を選択することにより、後述するくさび効果を発生させてローラ間で駆動力を伝えることができる。
ローラ外周面でのすべり摩擦は、凝着摩擦、掘り起こし摩擦及び弾性ヒステリシス損失による摩擦に大別される。凝着摩擦は、固体の二面が接触すると表面の凸部同士が結合(凝着)し、この凝着部をせん断する力のことである。掘り起こし摩擦は、硬い固体表面の凸部が軟らかい相手面を掘り起こすことによって起こる。これらを併せて「純すべり摩擦」ともいう。一方、ヒステリシス摩擦はローラの変形によるところが大きく、硬度を小さくしてローラを大きく変形させることにより高いヒステリシス摩擦効果を得ることができる。動摩擦係数が大きいほど摩擦力が大きくなり、これに応じて発生する摩擦熱によりローラの耐久性も低下する。
[くさび効果について]
実施例1の車両用補機駆動装置1では、アイドラローラが接する二つのローラの間に食い込む方向に力が作用することでくさび効果を生じさせ、二つのローラ間で駆動力の伝達を行うようにしている。以下ではくさび効果を生じる際の各ローラの動きについて説明する。
図3は車両用補機駆動装置1の模式図である。図3では第一ローラ20の駆動力をアイドラローラ21を介して第二ローラ22に伝達する様子を示している。第一ローラ20とアイドラローラ21の接線Bと、アイドラローラ21と第二ローラ22の接線Cとは点Dにおいて交わっている。接線Bと接線Cとが成す角の大きさを2αとする。
第一ローラ20の駆動力はアイドラローラ21に伝達される。図3において第一ローラ20が左回転すると、第一ローラ20に接するアイドラローラ21は右回転する。このとき、アイドラローラ21は第一ローラ20との接点において第一ローラ20の回転方向に押される。アイドラローラ21には、第一ローラ20との接点において第一ローラ20の回転方向と同じ方向に力が作用する(力F1)。
アイドラローラ21の駆動力は第二ローラ22に伝達される。図3においてアイドラローラ21が右回転すると、アイドラローラ21に接する第二ローラ22は左回転する。このとき、第二ローラ22はアイドラローラ21との接点においてアイドラローラ21の回転方向に押される。アイドラローラ21には、第二ローラ22との接点において第二ローラ22を押圧する方向とは反対方向に反作用力が作用する(力F2)。
力F1と力F2により、アイドラローラ21には点Dに向かう方向に力が作用する。そのためアイドラローラ21の第一ローラ20および第二ローラ22に対する接触荷重が増加し、第一ローラ20からアイドラローラ21を介して第二ローラ22に駆動力を伝達することができる。
第二ローラ22の負荷が大きくなるほど(第一ローラ20から第二ローラ22に伝達する駆動力が大きくなるほど)、アイドラローラ21に作用する点Dに向かう方向の力は大きくなる。第一ローラ20とアイドラローラ21との間の摩擦力F、またはアイドラローラ21と第二ローラ22との間の摩擦力Fは次の式(1)で求めることができる。
F = τ × A (1)
ここでτは、第一ローラ20とアイドラローラ21との間のせん断応力、またはアイドラローラ21と第二ローラ22との間のせん断応力である。Aは第一ローラ20とアイドラローラ21との接触面積、またはアイドラローラ21と第二ローラ22との接触面積である。
せん断応力τは、第一ローラ20とアイドラローラ21との接触面の素材、アイドラローラ21と第二ローラ22との接触面の素材によって決まる。接触面積Aは、アイドラローラ21の外周面に前述の樹脂を用いた場合、アイドラローラ21の第一ローラ20および第二ローラ22に対する接触荷重と相関性が高く、接触荷重が大きくなるほど接触面積Aは大きくなる。
図4は車両用補機駆動装置1の模式図である。図4では第二ローラ22から第一ローラ20への駆動力の伝達が遮断されている様子を示している。
第二ローラ22の駆動力はアイドラローラ21に伝達される。図4において第二ローラ22が左回転すると、第二ローラ22に接するアイドラローラ21は右回転する。このとき、アイドラローラ21は第二ローラ22との接点において第二ローラ22の回転方向に押される。アイドラローラ21には、第二ローラ22との接点において第二ローラ22の回転方向と同じ方向に力が作用する(力F3)。
アイドラローラ21の駆動力は第一ローラ20に伝達される。図4においてアイドラローラ21が右回転すると、アイドラローラ21に接する第一ローラ20は左回転する。このとき、第一ローラ20はアイドラローラ21との接点においてアイドラローラ21の回転方向に押される。アイドラローラ21には、第一ローラ20との接点おいて第一ローラ20を押圧する方向とは反対方向に反作用力が作用する(力F4)。
力F3と力F4により、アイドラローラ21は点Dから離れる方向に力が作用する。そのため第一ローラ20および第二ローラ22に対するアイドラローラ21の接触荷重が減少する。これにより、第二ローラ22からアイドラローラ21への駆動力の伝達、およびアイドラローラ21から第一ローラ20への駆動力の伝達はほとんどされなくなる。
上記のようなくさび効果を発生させるためには、第一ローラ20、アイドラローラ21、第二ローラ22の位置関係は次の式(2)を満たす必要がある。
μ>tanα (2)
ここでμは、第一ローラ20とアイドラローラ21との間の動摩擦係数およびアイドラローラ21と第二ローラ22との間の動摩擦係数である。
[補機駆動装置の動作]
(エンジン始動時)
図5はエンジン始動時の車両用補機駆動装置1の各部材の動きを示す図である。エンジン始動時にはモータジェネレータ2の駆動力によって、エンジン3のクランキングを行う。
モータジェネレータ2を駆動し、図5においてモータジェネレータローラ5を右回転させる。モータジェネレータローラ5により第一アイドラローラ8を左回転させ、第一アイドラローラ8によりエンジンローラ6を右回転させる。このとき、第一アイドラローラ8にはモータジェネレータローラ5とエンジンローラ6との間に食い込む方向に力が作用する。これによりモータジェネレータ2の駆動力が第一アイドラローラ8を介してエンジン3に伝達される。
モータジェネレータローラ5からの駆動力により、エンジンローラ6が右回転する。エンジンローラ6により第二アイドラローラ9を左回転させ、第二アイドラローラ9によりウォータポンプローラ7を右回転させる。このとき、第二アイドラローラ9にはエンジンローラ6とウォータポンプローラ7との間に食い込む方向に力が作用する。これによりモータジェネレータローラ5からエンジンローラ6に伝達された駆動力の一部が、第二アイドラローラ9を介してウォータポンプローラ7に伝達される。
モータジェネレータローラ5により第三アイドラローラ10を左回転させ、第三アイドラローラ10によりウォータポンプローラ7を右回転させる。このとき、第三アイドラローラ10にはモータジェネレータローラ5とウォータポンプローラ7との間から離れる方向に力が作用する。これにより第三アイドラローラ10を介してモータジェネレータローラ5からウォータポンプローラ7へ駆動力はほとんど伝達されない。
(エンジン始動後)
図6はエンジン始動後の車両用補機駆動装置1の各部材の動きを示す図である。エンジン始動後にはモータジェネレータ2はエンジン3の駆動力によって発電を行う。
エンジン3の駆動力により、図6においてエンジンローラ6を右回転させる。エンジンローラ6により第二アイドラローラ9を左回転させ、第二アイドラローラ9によりウォータポンプローラ7を右回転させる。このとき、第二アイドラローラ9にはエンジンローラ6とウォータポンプローラ7との間に食い込む方向に力が作用する。これによりエンジンローラ6の駆動力が第二アイドラローラ9を介してウォータポンプローラ7に伝達される。
エンジンローラ6からの駆動力により、ウォータポンプローラ7が右回転する。ウォータポンプローラ7により第三アイドラローラ10を左回転させ、第三アイドラローラ10によりモータジェネレータローラ5を右回転させる。このとき、第三アイドラローラ10にはウォータポンプローラ7とモータジェネレータローラ5との間に食い込む方向に力が作用する。これによりエンジンローラ6からウォータポンプローラ7に伝達された駆動力の一部が、第三アイドラローラ10を介してモータジェネレータローラ5に伝達される。
エンジンローラ6により第一アイドラローラ8を左回転させ、第三アイドラローラ10によりモータジェネレータローラ5を右回転させる。このとき、第一アイドラローラ8にはエンジンローラ6とモータジェネレータローラ5との間から離れる方向に力が作用する。これにより第一アイドラローラ8を介してエンジンローラ6からモータジェネレータローラ5へ駆動力はほとんど伝達されない。
[作用]
速度効率は弾性変形によって生じるので運転トルクが大きいと速度効率は低下しローラに回転数差が生じる。図5では、モータジェネレータローラ5から第一アイドラローラ8を介してエンジンローラ6に伝達された駆動力の一部が、第二アイドラローラ9を介してウォータポンプローラ7に伝達され、モータジェネレータローラ5とウォータポンプローラ7の速度差が生じるが、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6およびウォータポンプローラ7の外周面は、いずれも第一アイドラローラ8および第二アイドラローラ9の外周面よりも大きな硬度または弾性係数を有するためヒステリシス効果による発熱は小さい。このとき、第三アイドラローラ10は、モータジェネレータローラ5の駆動力をほとんど伝えないからヒステリシス損失が少なく、摩擦による発熱は純すべりによる効果のみと考えられる。
図6では、エンジンローラ6から第二アイドラローラ9を介してウォータポンプローラ7に伝達された駆動力の一部が、第三アイドラローラ10を介してモータジェネレータローラ5に伝達され、エンジンローラ6とモータジェネレータローラ5の速度差が生じるが、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6およびウォータポンプローラ7の外周面は、いずれも第二アイドラローラ9および第三アイドラローラ10の外周面よりも大きな硬度または弾性係数を有するためヒステリシス効果による発熱は小さいと考えられる。
このとき、第一アイドラローラ8は、エンジンローラ6の駆動力をほとんど伝えないからヒステリシス損失が少なく、摩擦による発熱は純すべりによる効果のみと考えられる。
よって、実施例1では、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6およびウォータポンプローラ7の外周面が鉄系金属によって形成され、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9および第三アイドラローラ10の外周面が樹脂によって形成されているため、大きなヒステリシス発熱と純すべりを同時にうけるローラが存在しない。このため、硬度または弾性係数の小さい外周面を有する第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9および第三アイドラローラ10の耐久性が有利となる。
図7および図8は、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6およびウォータポンプローラ7の外周面が樹脂によって形成され、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9および第三アイドラローラ10の外周面が鉄系金属によって形成されている比較例1の車両用補機駆動装置1を示す概略図である。
速度効率は弾性変形によって生じるので運転トルクが大きいと速度効率は低下しローラに回転数差が生じる。図7では、モータジェネレータローラ5から第一アイドラローラ8を介してエンジンローラ6に伝達された駆動力の一部が、第二アイドラローラ9を介してウォータポンプローラ7に伝達され、モータジェネレータローラ5とウォータポンプローラ7の速度差が生じる。このとき、モータジェネレータローラ5の外周面は、第一アイドラローラ8の外周面よりも小さな硬度または弾性係数を有する樹脂であるためヒステリシス効果による発熱は大きいと考えられる。一方、第三アイドラローラ10は、モータジェネレータローラ5の駆動力をほとんど伝えないが、モータジェネレータローラ5とウォータポンプローラ7の速度差により、純すべり摩擦熱が発生する。このとき、モータジェネレータローラ5の外周面は、第一アイドラローラ8との間で生じるヒステリシス発熱と、第三アイドラローラ10との間で生じる純すべり摩擦熱の両方の影響を受けることとなる。
図8では、エンジンローラ6から第二アイドラローラ9を介してウォータポンプローラ7に伝達された駆動力の一部が、第三アイドラローラ10を介してモータジェネレータローラ5に伝達され、エンジンローラ6とモータジェネレータローラ5の速度差が生じる。このため、モータジェネレータローラ5が,トルク付与によるヒステリシス発熱だけでなく、エンジンローラ6とモータジェネレータローラ5の速度差が生じることによる純すべりの両方を受けてしまうことになる。発電運転は負荷が大きく長時間なため、モータジェネレータローラ5は最も小径で耐力が厳しい。
そこで実施例1では、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6およびウォータポンプローラ7の外周面が鉄系金属によって形成され、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9および第三アイドラローラ10の外周面が樹脂によって形成されるようにした。
これにより、ヒステリシス発熱と純すべりを同時にうける樹脂素材ローラが存在しないため、ローラ耐久性が向上する。
また実施例1では、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面を形成する樹脂の強度は、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の外周面を形成する鉄系金属の強度よりも低いものを用いるようにした。
[効果]
(1) エンジン3のクランク軸と一体に回転するエンジンローラ6と、モータジェネレータ2の回転軸と一体に回転するモータジェネレータローラ5と、エンジン3またはモータジェネレータ2により駆動されるウォータポンプ4の回転軸と一体に回転するウォータポンプローラ7(回転ローラ)と、外周面がモータジェネレータローラ5およびエンジンローラ6の外周面に接触する方向に付勢された第一アイドラローラ8と、外周面がエンジンローラ6およびウォータポンプローラ7の外周面に接触する方向に付勢された第二アイドラローラ9と、外周面がウォータポンプローラ7およびモータジェネレータローラ5の外周面に接触する方向に付勢された第三アイドラローラ10と、を有し、モータジェネレータローラ5の外周面が、第一アイドラローラ8および前記第三アイドラローラ10のいずれの外周面よりも大きい硬度または弾性係数を有する材料で形成されるようにした。
よって、エンジン始動後の発電中におけるモータジェネレータローラ5の摩擦による発熱を小さくできエネルギ効率の低下を抑制するとともにモータジェネレータローラ5の耐久性を向上することができる。
(2) 第一アイドラローラ8の外周面は、エンジンローラ6及びモータジェネレータローラ5のいずれの外周面よりも小さい硬度または弾性係数を有する材料で形成され、第三アイドラローラ10の外周面は、ウォータポンプローラ7およびモータジェネレータローラ5のいずれの外周面よりも小さい硬度または弾性係数を有する材料で形成されるようにした。
よって、純すべりによる摩擦とヒステリシス損失による摩擦を別々のアイドラローラで担うことにより摩擦による発熱を小さくしてローラ耐久性を向上することができる。
(3) モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の外周面は鉄系金属によって形成され、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面は樹脂によって形成されるようにした。
これにより車両用補機駆動装置1の最弱部を第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10とすることができる。第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10は、補機に接続されているものではない。また第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10は、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7と接触するように付勢されているが、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の取り付け位置精度はさほど高くはなくとも良い。さらに、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の回転中心を三角形Aの外に配置されている。したがって、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10は、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7よりも交換が容易であり、車両用補機駆動装置1の修理を容易にすることができる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施するための形態を、図面に基づく実施例により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
実施例1では図2に示すように、モータジェネレータローラ5、エンジンローラ6、ウォータポンプローラ7の外周面は鉄系金属によって形成され、第一アイドラローラ8、第二アイドラローラ9、第三アイドラローラ10の外周面は樹脂によって形成されさているが、本発明で用いる材料は、その硬度または弾性係数が上記所定の関係を有する限り、金属材料であるかゴムや高分子組成物などの樹脂材料であるかを問わない。すべてのローラの外周面を金属材質で形成してもよく、その金属の硬度が上記所定の関係を満たすように金属の材質をローラごとに適宜選択することができる。
ようにしても良い。
あるいは、すべてのローラの外周面を樹脂で形成してもよく、その樹脂の弾性係数が上記所定の関係を満たすように樹脂の材質をローラごとに適宜選択することができる。

Claims (3)

  1. エンジンのクランク軸と一体に回転するエンジンローラと、
    モータジェネレータの回転軸と一体に回転するモータジェネレータローラと、
    前記エンジンまたは前記モータジェネレータにより駆動される補機の回転軸と一体に回転する回転ローラと、
    外周面が前記モータジェネレータローラおよび前記エンジンローラの外周面に接触する方向に付勢された第一アイドラローラと、
    外周面が前記エンジンローラおよび前記回転ローラの外周面に接触する方向に付勢された第二アイドラローラと、
    外周面が前記回転ローラおよび前記モータジェネレータローラの外周面に接触する方向に付勢された第三アイドラローラと、
    を有し、
    前記モータジェネレータローラの外周面が、前記第一アイドラローラおよび前記第三アイドラローラのいずれの外周面よりも大きい硬度または弾性係数を有する材料で形成されており
    前記第一アイドラローラ、前記第二アイドラローラおよび前記第三アイドラローラの回転中心は、前記エンジンローラ、前記モータジェネレータローラおよび前記回転ローラの回転中心を結んだ領域の外側に配置する、
    ことを特徴とする車両用補機駆動装置。
  2. 請求項1に記載の車両用補機駆動装置において、
    前記第一アイドラローラの外周面が、前記エンジンローラ及び前記モータジェネレータローラのいずれの外周面のよりも小さい硬度または弾性係数を有する材料で形成され、前記第三アイドラローラの外周面が、前記回転ローラ及び前記モータジェネレータローラのいずれの外周面よりも小さい硬度または弾性係数を有する材料で形成されている
    ことを特徴とする車両用補機駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用補機駆動装置において、
    前記エンジンローラ、前記モータジェネレータローラおよび前記回転ローラの外周面が鉄系金属によって形成され、前記第一アイドラローラおよび前記第二アイドラローラの外周面が樹脂によって形成される
    ことを特徴とする車両用補機駆動装置。
JP2016176077A 2016-09-09 2016-09-09 ローラ耐久性の向上した車両用補機駆動装置 Active JP6702103B2 (ja)

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