JP2010077854A - 排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パティキュレートフィルタの強制再生が必要となった場合に、強制再生処理が完了するまでの残り時間を精度よく求めることが可能な排気浄化装置を提供する。
【解決手段】ECU36は、手動強制再生制御を開始すると、パティキュレートが燃焼可能となる所定温度にフィルタ32の温度が達するまでの第1期間では、フィルタ32の温度を上記所定温度まで昇温するための残り時間と、フィルタ32の温度が上記所定温度に達してからパティキュレートの焼却が完了するまでの残り時間とに基づき、強制再生処理完了までの残り時間を表示ユニットに表示させる。またECU36は、フィルタ32の温度が上記所定温度に達してからパティキュレートの焼却が完了するまでの第2期間では、パティキュレートの焼却が完了するまでに要する残り時間に基づき、強制再生処理完了までの残り時間を表示ユニットに表示させる。
【選択図】図3

Description

本発明は排気浄化装置に関し、特にエンジンの排気中に含まれるパティキュレートを捕集するためのパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置に関する。
従来より、ディーゼルエンジン等のエンジンの排気通路にパティキュレートフィルタを設け、エンジンから排出された排気中に含まれるパティキュレートをパティキュレートフィルタで捕集し、大気中にパティキュレートが放出されないようにする技術が知られている。
このようなパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置では、例えばその上流側に酸化触媒が配置される。そして、この酸化触媒により排気中のNO(一酸化窒素)が酸化して生成されたNO(二酸化窒素)を酸化剤とし、パティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートを連続的に酸化除去する連続再生が行われるようになっている。しかしながら、エンジンの排気温度が低い運転状態が継続して酸化触媒によるNOの生成が十分に行われないなどの理由により、連続再生が良好に行われない場合がある。このような状態が継続すると、捕集したパティキュレートが堆積することによって次第にパティキュレートフィルタにおける排気流動抵抗が増大するため、堆積したパティキュレートを何らかの方法で強制的に焼却してパティキュレートフィルタを再生する、いわゆる強制再生を行う必要がある。
パティキュレートフィルタの強制再生では、例えば、エンジンの膨張行程や排気行程で気筒内に燃料を噴射する、いわゆるポスト噴射が行われる。このようなポスト噴射を行って排気通路に供給したHCを、パティキュレートフィルタ上流の酸化触媒で酸化させることにより、パティキュレートフィルタに流入する排気の温度を上昇させる。このような排気温度の上昇により、パティキュレートフィルタに堆積しているパティキュレートが燃焼し、パティキュレートフィルタから除去される。このようにして強制再生処理を実行することにより、パティキュレートフィルタに堆積していたパティキュレートの除去が完了すると、パティキュレートフィルタの強制再生が終了する。
パティキュレートフィルタの強制再生処理は、エンジンが強制再生処理を実行可能な運転状態にあるときに、必要に応じて自動的に開始されるようになっている。しかし、例えばエンジンが車両の動力源として用いられている場合、車両の運転形態などによっては、エンジンが強制再生処理を実行可能な運転状態とはなりにくい場合がある。そこで、このような状態が長期間継続して、強制再生処理が実行されないような事態を回避するため、パティキュレートフィルタの強制再生が必要である旨の表示が行われる。この場合、この表示に対応して車両の運転者などが強制再生処理を実行するための操作を行うことによって、パティキュレートフィルタの強制再生処理が手動により開始される。
このような手動により開始される強制再生処理は、パティキュレートフィルタの強制再生を確実に行うために車両停車時に実行されるのが一般的であり、車両の運転者はパティキュレートフィルタの強制再生が完了するまで待機状態となる。このため、運転者は強制再生が終了するまでにはどの程度の残り時間があるのかを把握する必要が生じる場合がある。
パティキュレートフィルタの強制再生に要する時間は、パティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートの堆積量によって変動することから、精度よく強制再生の所要時間を推定するためには、例えばパティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートの堆積量を精度よく求める必要がある。パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの堆積量を精度よく求めるようにした排気浄化装置は、例えば特許文献1によって提案されている。
特許文献1の排気浄化装置で求められるパティキュレートの堆積量は、パティキュレートフィルタの強制再生を実行する前の堆積量であり、求められた堆積量に基づき、強制再生処理の実施時間や排気温度などが定められるようになっている。特許文献1の排気浄化装置では、エンジンの回転数及び負荷などに基づいてエンジンからのパティキュレートの排出量を求めると共に、パティキュレートフィルタの温度及び排気流量などに基づいてパティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの燃焼量を求める。そして、パティキュレートの排出量から燃焼量を減じることにより、単位時間あたりのパティキュレートの堆積量を求め、これを積算することによりパティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの堆積量を求めている。
特開2005−54632号公報
特許文献1の排気浄化装置では、上述のようにして求められたパティキュレートの堆積量に基づき強制再生処理の実施時間が設定されるものの、この実施時間は単に強制再生処理開始前のパティキュレートの堆積量に基づいて設定されるものである。パティキュレートフィルタの強制再生では、上述のようにパティキュレートフィルタに流入する排気温度を、パティキュレートが燃焼可能な温度まで上昇させる必要があり、排気温度がこのような温度以上に上昇するとパティキュレートの燃焼が始まる。従って、単にパティキュレートの堆積量に基づいて強制再生処理の実施時間を求めるだけでは、パティキュレートフィルタの強制再生が必要となってから、その強制再生が完了するまでの時間を精度よく求めることはできない。
また、特許文献1の排気浄化装置では、パティキュレートフィルタの強制再生処理の開始から終了までの全体の時間を求めることはできても、強制再生処理が開始されてから後に、強制再生処理完了までの残り時間を求めることはできない。このため、求められた時間を例えば車両において表示するようにした場合、強制再生処理を開始してから終了するまでの全体の所要時間を把握することはできても、残りの時間があとどのくらいであるのかを把握することはできない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パティキュレートフィルタの強制再生が必要となった場合に、強制再生処理が完了するまでの残り時間を精度よく求めることが可能な排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、上記パティキュレートフィルタの強制再生が必要になると、上記パティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートが燃焼可能な所定温度以上に上記パティキュレートフィルタを昇温して上記パティキュレートフィルタを強制再生するための強制再生処理を実行する制御手段とを備え、上記制御手段は、上記強制再生処理を開始すると、上記パティキュレートフィルタを上記所定温度に昇温するまでの残り時間である昇温時間と、上記パティキュレートフィルタの温度が上昇して上記所定温度に達した後の上記パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの焼却を完了するまでの残り時間である再生時間とをそれぞれ推定し、推定した上記昇温時間及び再生時間に基づき、上記強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定することを特徴とする(請求項1)。
このように構成された排気浄化装置によれば、パティキュレートフィルタの強制再生が必要になると、制御手段は強制再生処理を実行する。この強制再生処理において制御手段は、パティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートが燃焼可能な所定温度以上にパティキュレートフィルタを昇温し、パティキュレートフィルタに堆積しているパティキュレートを燃焼させて、パティキュレートフィルタを強制再生する。
このとき制御手段は強制再生処理を開始すると、パティキュレートフィルタを所定温度まで昇温するまでの残り時間である昇温時間と、パティキュレートフィルタの温度が上昇して所定温度に達した後のパティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの焼却を完了するまでの残り時間である再生時間とをそれぞれ推定し、推定した昇温時間及び再生時間に基づき、強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定する。
また、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記強制再生処理を開始した後、上記パティキュレートフィルタの温度が上昇して上記所定温度に達するまでの第1期間では、上記パティキュレートフィルタを上記所定温度に昇温するまでの残り時間を上記昇温時間として繰り返し更新すると共に、更新された上記昇温時間と上記再生時間との和を求めることにより、上記残り時間を推定し、上記パティキュレートフィルタの温度が上昇して上記所定温度に達した後、上記パティキュレートフィルタの再生が完了するまでの第2期間では、上記パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの焼却を完了するまでの残り時間を上記再生時間として繰り返し更新し、更新された上記再生時間を上記残り時間とすることを特徴とする(請求項2)。
このように構成された排気浄化装置によれば、パティキュレートフィルタの温度が上昇して所定温度に達するまでの第1期間と、パティキュレートフィルタの温度が上昇して所定温度に達した後、パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートが焼却されて再生が完了するまでの第2期間とで、強制再生処理を完了するまでの残り時間の推定方法が切り換えられる。
即ち、第1期間ではパティキュレートが燃焼可能な温度までパティキュレートフィルタの温度が上昇しておらず、強制再生処理によるパティキュレートフィルタでのパティキュレートの燃焼は実質的に発生しない。従って、強制再生処理完了までの残り時間は、主としてパティキュレートフィルタの温度上昇に従って減少方向に変化することになる。制御手段は、これに対応し、パティキュレートフィルタをパティキュレートが燃焼可能な所定温度に昇温するまでの残り時間を昇温時間として繰り返し更新すると共に、更新された昇温時間と再生時間との和を求めることにより、強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定する。
一方、第2期間では既にパティキュレートフィルタの温度が上記所定温度以上に上昇しているので、パティキュレートフィルタを上記所定温度に昇温するまでの残り時間は存在しない。従って、強制再生処理を完了するまでの残り時間は、パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの燃焼が進行するのに従って減少方向に変化することになる。制御手段は、これに対応し、パティキュレートフィルタに堆積しているパティキュレートが焼却されて再生を完了するまでの残り時間を再生時間として繰り返し更新し、更新された再生時間を強制再生処理を完了するまでの残り時間とする。
また、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記第1期間において上記残り時間を推定する際には、予め設定された固定値を上記再生時間として用いることを特徴とする(請求項3)。
上述のように、第1期間においては、強制再生処理によるパティキュレートフィルタでのパティキュレートの燃焼は実質的に発生しない。また、パティキュレートフィルタの強制再生が必要となる場合には、パティキュレートフィルタにある程度の量のパティキュレートが堆積しており、強制再生処理の開始時にパティキュレートの堆積量が大きくばらつくことはない。従って、上記第1期間において強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定する際には、予め設定された固定値を再生時間として用いても、大きな誤差を生じることなく残り時間を推定することが可能となる。
或いは、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記第1期間において上記残り時間を推定する際には、過去に所定回数実行した上記強制再生処理において実際に要した上記再生時間の平均値を上記再生時間として用いることを特徴とする(請求項4)。
このように構成された排気浄化装置によれば、何らかの要因により実際の再生時間にばらつきが生じるようなことがあっても、過去に所定回数実行した強制再生処理において実際に要した再生時間の平均値を、第1期間における強制再生処理完了までの残り時間の推定の際に再生時間として用いるので、上記残り時間を精度よく求めることが可能となる。
或いは、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記第1期間において上記残り時間を推定する際には、上記パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量に基づき上記再生時間を求めることを特徴とする(請求項5)。
強制再生処理を開始する際に、パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量が強制再生処理を実行するごとに異なる場合、第1期間において強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定する際に用いる再生時間も、強制再生処理を実行するごとに異なるものとなる。このような場合であっても、第1期間において制御手段が、パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量に基づき再生時間を求めることにより、上記残り時間を精度よく求めることが可能となる。
具体的には上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記強制再生処理を開始した後、上記パティキュレートフィルタの温度を上記所定温度まで上昇させるために必要な温度変化幅を所定周期ごとに繰り返し求めると共に、上記パティキュレートフィルタの実際の温度変化率を上記所定周期ごとに繰り返し求め、上記温度変化幅を上記温度変化率で除することにより、上記昇温時間を求めることを特徴とする(請求項6)。
このように構成された排気浄化装置によれば、第1期間において強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定する際に、パティキュレートフィルタの実際の温度変化に対応して昇温時間を求めるので、求められた昇温時間の精度を高めることができる。
また具体的には上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記第2期間において上記残り時間を推定する際には、上記パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの残留量を所定周期ごとに繰り返し求めると共に、上記強制再生処理によるパティキュレートの燃焼速度を上記所定周期ごとに繰り返し求め、上記パティキュレートの残留量を上記燃焼速度で除することにより、上記再生時間を求めることを特徴とする(請求項7)。
このように構成された排気浄化装置によれば、第2期間において強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定する際に、パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの燃焼状態に対応して再生時間を求めるので、求められた再生時間の精度を高めることが可能となる。
更に具体的には上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記第2期間における上記パティキュレートフィルタへの単位時間あたりの酸素供給量を積算して求めた酸素供給量積算値に基づき、上記第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を求め、上記燃焼量を上記第2期間開始後の経過時間で除することにより、上記燃焼速度を求めることを特徴とする(請求項8)。
パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの燃焼量は、パティキュレートフィルタへの酸素供給量によって影響を受ける。従って、このように構成された排気浄化装置によれば、第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を精度よく求めることができるので、パティキュレートの燃焼量から求められるパティキュレートの燃焼速度の精度を高めることが可能となる。
具体的には上記排気浄化装置において、上記制御手段は、上記パティキュレートフィルタの強制再生処理を完了してから次回の強制再生処理が必要となるまでの間にわたり、上記エンジンからの単位時間あたりのパティキュレート排出量を積算することにより、上記次回の強制再生処理の開始時に上記パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量を開始時堆積量として求め、上記開始時堆積量から上記燃焼量を減じることにより上記パティキュレートの残留量を求めることを特徴とする(請求項9)。
パティキュレートフィルタの強制再生処理が完了した後に次回の強制再生処理が必要となるまでの間のエンジンの運転状態の変動などにより、強制再生処理の開始時にパティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量が、強制再生処理を実行するたびに異なる可能性がある。そこで、上述のようにして開始時堆積量を求めることにより、強制再生処理の開始時にパティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量が強制再生処理を実行するたびに異なったとしても、開始時堆積量を精度よく求めることができる。更に、第2期間におけるパティキュレートの燃焼量も、上述のように精度よく求めることができるので、第2期間においてパティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの残留量を精度よく求めることが可能となる。
また、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、推定した上記残り時間に基づく表示を行うための表示手段を有し、上記第1期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、上記残り時間に基づく表示に代えてメッセージを上記表示手段に表示させ、上記基準時間経過後に、上記残り時間に基づく表示を上記表示手段に行わせることを特徴とする(請求項10)。
このように構成された排気浄化装置によれば、制御手段は推定した強制再生処理完了までの残り時間に基づく表示を表示手段に行わせる。ここで、強制再生処理の開始により第1期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、残り時間に基づく表示に代えてメッセージを上記表示手段に表示させ、基準時間経過後に、残り時間に基づく表示を表示手段に行わせる。
また、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、推定した上記残り時間に基づく表示を行うための表示手段を有し、上記第2期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、上記第1期間における推定を引き続き行って求めた上記残り時間に基づく表示を上記表示手段に行い、上記基準時間経過後に、上記第2期間における推定を行って求めた上記残り時間に基づく表示を上記表示手段に行わせることを特徴とする(請求項11)。
このように構成された排気浄化装置によれば、制御手段は推定した強制再生処理完了までの残り時間に基づく表示を表示手段に行わせる。ここで、第1期間において推定した残り時間の表示から、第2期間において推定した残り時間の表示に切り換える際に、第2期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、第1期間における推定を引き続き行って求めた残り時間に基づく表示を表示手段に行い、基準時間経過後に、第2期間における推定を行って求めた残り時間に基づく表示を表示手段に行わせる。
また、上記排気浄化装置において、上記制御手段は、表示手段を有し、推定した上記残り時間に一次遅れフィルタ処理を施して得られた時間に基づく表示を上記表示手段に行わせることを特徴とする(請求項12)。
強制再生処理完了までの残り時間は、昇温時間或いは再生時間の推定によって求められるため、求められた残り時間に不規則なばらつきが生じる可能性がある。そこで、このように構成された排気浄化装置によれば、推定した上記残り時間に一次遅れフィルタ処理を施して得られた時間に基づく表示を表示手段に行わせるようにしたので、表示手段に表示される残り時間の不規則な変動が抑制され、表示手段による表示を見やすくすることができる。
また、上記排気浄化装置において、上記エンジンは車両に搭載され、上記制御手段は、上記車両の運転者により所定の操作がなされたときに上記強制再生処理を開始することを特徴とする(請求項13)。
このように構成された排気浄化装置によれば、パティキュレートフィルタの強制再生を行うために車両の運転者が所定の操作を行うと、制御手段が強制再生処理を実行する。従って、例えば制御手段が推定した強制再生処理完了までの残り時間を表示するようにした場合には、運転者が強制再生処理完了までの残り時間を精度よく確認することが可能となり、それまでの時間を有効に活用することができる。
本発明の排気浄化装置によれば、強制再生処理を開始したときに、パティキュレートフィルタを所定温度に昇温するまでの残り時間である昇温時間と、パティキュレートフィルタの温度が上昇して所定温度に達した後のパティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの焼却を完了するまでの残り時間である再生時間とをそれぞれ推定する。そしてこれら昇温時間及び再生時間に基づき、強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定するようにしたので、強制再生処理完了までの残り時間を精度よく求めることができる。
また、請求項2の排気浄化装置によれば、パティキュレートフィルタの温度が上昇して所定温度に達するまでの第1期間と、パティキュレートフィルタの温度が上昇して所定温度に達した後、パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートが焼却されて再生が完了するまでの第2期間とで、強制再生処理を完了するまでの残り時間の推定方法を切り換え、それぞれの期間において時間に変化を生じさせる要因に対応して残り時間を推定するようにしたので、強制再生処理完了までの残り時間を、強制再生処理の進行状況に合わせて精度よく求めることができる。
また、第1期間においては強制再生処理によるパティキュレートフィルタでのパティキュレートの燃焼は実質的に発生しない。また、パティキュレートフィルタの強制再生が必要となる場合には、パティキュレートフィルタにある程度の量のパティキュレートが堆積しており、強制再生処理の開始時にパティキュレートの堆積量が大きくばらつくことはない。従って、請求項3の排気浄化装置のように、第1期間において強制再生処理完了までの残り時間を推定する際に、予め設定された固定値を再生時間として用いるようにした場合も、大きな誤差を生じることなく強制再生処理完了までの残り時間を推定することが可能となる。また、この場合には、第1期間において強制再生処理完了までの残り時間を推定する際に、再生時間を求めるための演算が不要となるので、制御手段の演算負荷を軽減すると共に、再生時間を求めるための情報を記憶するための記憶装置の容量を低減することが可能となる。
また、請求項4の排気浄化装置のように、過去に所定回数実行した強制再生処理において実際に要した再生時間の平均値を、第1期間における強制再生処理完了までの残り時間の推定の際に再生時間として用いるようにした場合には、何らかの要因により実際の再生時間にばらつきが生じるようなことがあっても、上記残り時間を精度よく求めることが可能となる。
また、請求項5の排気浄化装置のように、第1期間において強制再生処理完了までの残り時間を推定する際に、パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの堆積量に基づき再生時間を求めるようにした場合には、パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの堆積量が強制再生を実行するたびに異なっていても、これに対応し、強制再生処理を完了するまでの残り時間を精度よく求めることが可能となる。
また、請求項6の排気浄化装置のように、パティキュレートフィルタの温度を所定温度まで上昇させるために必要な温度変化幅と、パティキュレートフィルタの実際の温度変化率とを用いて第1期間における昇温時間を求めるようにした場合には、第1期間において強制再生処理完了までの残り時間を推定する際に、パティキュレートフィルタの実際の温度変化に対応して昇温時間を精度よく求めることができ、結果として強制再生処理を完了するまでの残り時間を精度よく求めることが可能となる。
また、請求項7の排気浄化装置のように、パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの残留量と、強制再生処理によるパティキュレートの燃焼速度とを用いて第2期間における再生時間を求めることにより、第2期間においてパティキュレートの燃焼状態に対応して再生時間を精度よく求め、結果として強制再生処理を完了するまでの残り時間を精度よく求めることが可能となる。
また、請求項8の排気浄化装置のように、第2期間におけるパティキュレートフィルタへの単位時間あたりの酸素供給量の積算値から求めた、第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を用いて燃焼速度を求めるようにした場合には、パティキュレートの燃焼量に影響を及ぼす上記酸素供給量が演算に反映されることにより、第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を精度よく求めることができる。従って、パティキュレートの燃焼量に基づいて求められるパティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの燃焼速度の精度も高めることが可能となる。この結果、強制再生処理を完了するまでの残り時間を一層精度よく求めることが可能となる。
また、請求項9の排気浄化装置のように、エンジンからの単位時間あたりのパティキュレート排出量に基づき、強制再生開始時においてパティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量を開始時堆積量として求めるようにした場合には、エンジンの運転状態に変動があったとしても開始時堆積量を精度よく求めることが可能である。第2期間におけるパティキュレートの燃焼量も、上述のように精度よく求めることが可能であるので、この開始時堆積量から第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を減じて第2期間におけるパティキュレートの残留量を求めることにより、パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの残留量を精度よく求めることが可能となる。この結果、強制再生処理を完了するまでの残り時間をより一層精度よく求めることが可能となる。
また、強制再生処理が開始され、強制再生処理完了までの残り時間の推定を開始したときに、演算により精度よく残り時間を得るまでに時間を要する場合がある。そこで、請求項10の排気浄化装置のように、強制再生処理の開始により第1期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、残り時間に基づく表示に代えてメッセージを表示手段に表示させるようにした場合、第1期間の開始後、演算により適正な残り時間を得るまでに誤った残り時間に基づく表示が表示手段になされるのを確実に防止することが可能となる。
また、第1期間における強制再生処理完了までの残り時間の推定から、第2期間における強制再生処理完了までの残り時間の推定に移行した場合、演算により精度よく再生時間を得るまでに時間を要する場合がある。そこで、請求項11の排気浄化装置のように、第2期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、第1期間における推定を引き続き行って求めた残り時間に基づく表示を表示手段に行い、基準時間経過後に、第2期間における推定を行って求めた残り時間に基づく表示を表示手段に行わせるようにした場合、第2期間における演算により適正な再生時間を得るまでに誤った残り時間に基づく表示が表示手段になされるのを確実に防止することが可能となる。
また、請求項12の排気浄化装置のように、推定された強制再生処理完了までの残り時間に一次遅れフィルタ処理を施して得られた時間に基づく表示を表示手段に行わせるようにした場合には、推定された強制再生処理完了までの残り時間に不規則なばらつきが瞬間的に生じたとしても、表示手段に表示される残り時間の不規則な変動を抑制することが可能となり、表示手段による表示を見やすくすることができる。
また、請求項13の排気浄化装置によれば、車両の運転者が所定の操作を行うと、強制再生処理を実行するので、例えば制御手段が推定した強制再生処理完了までの残り時間を表示するなどして運転者に上記残り時間を告知すれば、運転者が強制再生処理完了までの残り時間を精度よく確認することが可能となり、強制再生処理が完了するまでの時間を有効に活用することができる。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る排気浄化装置が適用された、4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1を中心とするエンジンシステムの全体構成図である。本実施形態において、このエンジンシステムは車両に搭載されており、エンジン1は車両の動力源として用いられる。
エンジン1は各気筒に共通に設けられた高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料が、各気筒に設けられたインジェクタ4に供給され、各インジェクタ4からそれぞれの気筒内に噴射される。
吸気管6にはターボチャージャ8が装備されており、図示しないエアクリーナから吸入された吸気は、吸気管6からターボチャージャ8のコンプレッサ8aへと流入し、コンプレッサ8aで過給された吸気はインタークーラ10及び吸気制御弁12を介して吸気マニホールド14に導入される。吸気管6のコンプレッサ8aより上流側には、エンジン1に吸入される空気の質量流量を検出するための吸気量センサ16が設けられている。
一方、エンジン1の各気筒から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド18を介して排気管20に接続されている。なお、排気マニホールド18と吸気マニホールド14との間には、EGR弁22を介して排気マニホールド18と吸気マニホールド14とを連通するEGR通路24が設けられており、EGR弁22の開度を変更することにより排気マニホールド18から吸気マニホールド14への排気還流量を調整可能となっている。
排気管20は、ターボチャージャ8のタービン8bが介装されると共に、排気ブレーキとして作動する排気絞り弁26を介して排気後処理装置28に接続されている。タービン8bの回転軸はコンプレッサ8aの回転軸と機械的に連結されており、排気管20内を流動する排気を受けたタービン8bがコンプレッサ8aを駆動するようになっている。
排気後処理装置28には、酸化触媒30が収容されると共に、この酸化触媒30の下流側に、排気中のパティキュレートを捕集することによりエンジン1の排気を浄化するパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)32が収容されている。
この酸化触媒30は、流入する排気中に含まれるNOを酸化させてNOを生成し、このNOを酸化剤としてフィルタ32に供給する機能を有している。また、フィルタ32はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、それぞれ隣接する通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン1の排気が内部を流通することによって排気中のパティキュレートを捕集する。フィルタ32の上流側には、フィルタ32に流入する排気の温度を検出する排気温度センサ34が設けられている。
酸化触媒30で排気中のNOから生成されたNOはフィルタ32に流入し、フィルタ32に捕集されて堆積したパティキュレートに対して酸化剤として作用することにより、フィルタ32に堆積しているパティキュレートを酸化して除去し、フィルタ32を連続再生すると共にNやCOなどとなって大気中に排出される。
ECU36は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU36の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するため、上述した吸気量センサ16及び排気温度センサ34のほかに、エンジン1の回転数を検出する回転数センサ38、及びアクセルペダル(図示せず)の踏込量を検出するアクセル開度センサ40などの各種センサ類が接続されている。また、ECU36の入力側には、後述するフィルタ32の強制再生処理を手動により開始するための手動再生スイッチ42が接続されている。この手動再生スイッチ42は、車両の運転者が操作できるように運転席近傍に設けられている。
一方、ECU36の出力側には、演算した制御量に基づいて制御が行われる各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁12、EGR弁22及び排気絞り弁26などの各種デバイス類が接続されている。また、ECU36の出力側には、様々なメッセージや数値などの情報を表示可能な表示ユニット44が接続されている。この表示ユニット44は、運転席前方のメータユニット(図示せず)内に設けられ、車両の運転者が表示内容を確認することができるようになっている。
例えばECU36は、エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御を行う。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)は、回転数センサ38によって検出されたエンジン1の回転数とアクセル開度センサ40によって検出されたアクセルペダルの踏込量とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な燃料量が供給される。
更に、ECU36は、このような各気筒への燃料供給制御のほか、フィルタ32を強制再生して機能回復させるための制御も行う。
フィルタ32に捕集されて堆積したパティキュレートは、前述したように酸化触媒30によって生成されてフィルタ32に流入するNOを酸化剤とした連続再生によって酸化除去される。しかしながら、エンジン1のアイドル運転時などのように、排気温度が低い運転状態が長時間続いた場合などでは、このような連続再生だけでは堆積したパティキュレートが十分に酸化除去されない場合がある。このような状態が継続すると、フィルタ32内にパティキュレートが過剰に堆積し、フィルタ32が目詰まりを起こすおそれがあるため、フィルタ32を強制再生する必要がある。そこでECU36は、フィルタ32におけるパティキュレートの堆積状況に応じてフィルタ32を強制再生するための自動強制再生制御を実行する。
以下では、このような自動強制再生制御の詳細について、図2に基づき説明する。なお図2は、ECU36がエンジン1の運転中に所定の制御周期で繰り返し実行する自動強制再生制御のフローチャートである。
自動強制再生制御が開始されると、まずステップS1において、ECU36はフラグF1の値が1であるか否かを判定する。フラグF1はフィルタ32の強制再生が必要であるか否かを示すものであり、その値が1であると強制再生が必要であることを示し、値が0であると強制再生が不要であることを示す。自動強制再生制御開始時のフラグF1の初期設定値は0となっているので、自動強制再生制御開始後の最初の制御周期では、ECU36がステップS1からステップS2に処理を進める。
ステップS2において、ECU36はフィルタ32の強制再生が必要であるか否かの判定を行う。ECU36は、回転数センサ38によって検出されたエンジン1の回転数と、エンジン1の負荷に対応したエンジン1への燃料供給量とに基づき、エンジン1からの単位時間あたりのパティキュレート排出量を求め、フィルタ32の強制再生処理完了時を起点として、この単位時間あたりのパティキュレート排出量を積算することにより、フィルタ32におけるパティキュレート堆積量を求めている。ECU36は、このパティキュレート堆積量を開始判定値と比較することにより、フィルタ32の強制再生が必要であるか否かの判定を行う。即ち、パティキュレート堆積量が開始判定値に達すると、ECU36はフィルタ32の強制再生が必要であると判定する。
なお、強制再生が必要であるか否かの判定方法は、これに限定されるものではなく、様々な公知の手法を用いることができる。即ち、例えばフィルタ32の上流側と下流側とにそれぞれ設けた排気圧力センサの検出値の差が所定値以上となったときにフィルタ32の強制再生が必要であると判定するようにしてもよい。
ステップS2において、現時点でのフィルタ32の強制再生が不要であると判定した場合、ECU36はステップS3に処理を進めてフィルタ32の強制再生処理を停止状態とした後、この制御周期を終了する。
次の制御周期において、ECU36は再びステップS1から処理を開始するが、フラグF1の値は依然として0のままであるので、ECU36は再びステップS2でフィルタ32の強制再生が必要であるか否かの判定を行う。従って、ステップS2でフィルタ32の強制再生が必要ではないと判定する限り、ECU36は制御周期ごとにステップS1乃至S3の処理を繰り返し、フィルタ32の強制再生処理は行われない。
一方、パティキュレート堆積量が開始判定値に達し、ステップS2においてフィルタ32の強制再生が必要と判定した場合、ECU36はこの堆積量を、今回の強制再生処理開始時におけるフィルタ32のパティキュレート堆積量である開始時堆積量として記憶すると共に処理をステップS4に進め、フラグF1の値を1とする。
ECU36は、次のステップS5に処理を進めると、フィルタ32におけるパティキュレートの残留量を予め設定された終了判定値と比較することにより、フィルタ32の強制再生が完了したか否かを判定する。ここでの判定に用いられるパティキュレートの残留量は、上述した開始時堆積量を初期値として、自動強制再生制御において制御周期ごとに生じるパティキュレートの燃焼量を順次減じていくことによって求められる。制御周期ごとのパティキュレートの燃焼量は、後述するフィルタ32の昇温により、パティキュレートが燃焼可能な温度までフィルタ32の温度が上昇した後に、フィルタ32に単位時間あたりに供給された酸素供給量を制御周期ごとに積算して得られた酸素供給量積算値に基づき求めることができる。
こうして求められるフィルタ32におけるパティキュレートの残留量が終了判定値まで減少すると、ECU36はフィルタ32の強制再生が完了したと判定するが、強制再生処理が開始された当初はパティキュレートの残留量が終了判定値まで減少していないので、ECU36はフィルタ32の強制再生が完了していないと判定して処理をステップS6に進める。
ステップS6においてECU36は、エンジン1及び車両が、フィルタ32の強制再生処理を実行可能な運転状態にあるか否かを判定する。フィルタ32の強制再生処理では、フィルタ32をパティキュレートが燃焼可能な所定温度以上に昇温する必要があるため、エンジン1の運転や車両の走行に大きな影響を及ぼすことのない状態において強制再生処理を行う必要がある。そこでECU36は、このような判定をステップS6において行っている。具体的には、エンジン1の回転数が所定回転数領域にあると共にエンジン1の負荷が所定負荷領域にあり、且つ車両が所定車速以上で走行しているときに、ECU36はフィルタ32の強制再生処理が可能であると判定する。
ステップS6においてフィルタ32の強制再生処理が可能ではないと判定した場合、ECU36は処理をステップS3に進め、フィルタ32の強制再生処理を停止状態とした後に、この制御周期を終了する。従って、この場合にはフィルタ32の強制再生処理は行われない。一方、ステップS6においてフィルタ32の強制再生処理が可能であると判定した場合、ECU36は処理をステップS7に進める。
ステップS7においてECU36は、フィルタ32の強制再生処理を実行し、その制御周期を終了する。次の制御周期において、ECU36は再びステップS1から処理を開始するが、フラグF1の値は既に1となっているので、処理はステップS1から直接ステップS5に進むようになる。そして、ECU36はステップS5において、上述したようにしてフィルタ32の強制再生が完了したか否かを判定する。従って、ステップS5においてフィルタ32の強制再生が完了したと判定するまでは、処理がステップS1からステップS5を経てステップS6に進められ、強制再生処理が可能ではないと判定した場合には強制再生処理が停止される一方、強制再生処理が可能であると判定した場合にはフィルタ32の強制再生処理が実行される。
ステップS6で制御周期ごとに実行されるフィルタ32の強制再生処理の詳細は以下の通りである。まず、フィルタ32の強制再生処理が開始されると、ECU36は酸化触媒30が活性化しているか否かを判定する。酸化触媒30が活性化していない場合には、吸気制御弁12や排気絞り弁26の閉方向への制御と共に、各気筒の膨張行程においてインジェクタ4から第1の追加燃料噴射を行って、酸化触媒30を活性化温度まで昇温する。酸化触媒30が既に活性化している場合、或いはこのような昇温によって酸化触媒30が活性化すると、ECU36はフィルタ32に流入する排気の温度を、パティキュレートが燃焼可能な再生温度(例えば600℃)に維持するように、インジェクタ4から第2の追加燃料を排気行程で各気筒に噴射させる。このような噴射タイミングで第2の追加燃料が各気筒に噴射されることにより、第2の追加燃料は気筒内や排気マニホールド18内で燃焼することなく酸化触媒30に達し、酸化触媒30で酸化される。フィルタ32に流入する排気の温度は、この酸化によりパティキュレートが燃焼可能な再生温度まで上昇し、フィルタ32に堆積しているパティキュレートが燃焼してフィルタ32から除去される。
こうしてフィルタ32の強制再生処理が行われることにより、ステップS5において、パティキュレートの残留量が終了判定値まで減少してフィルタ32の強制再生が完了したと判定すると、ECU36は処理をステップS5からステップS8に進める。フィルタ32の強制再生が完了したことから、ECU36はステップS8でフラグF1の値を0とした後、ステップS3に処理を進めてフィルタ32の強制再生処理を停止する。
次の制御周期において、ECU36は再びステップS1から処理を開始するが、フラグF1の値は0に変更されているので、ECU36は処理をステップS2に進め、フィルタ32の強制再生が必要であるか否かの判定を行う。フィルタ32の強制再生が完了した当初は、開始時堆積量が開始判定値に達していない。このため、ECU36はフィルタ32の強制再生が不要であると判定して処理をステップS3に進め、引き続きフィルタ32の強制再生処理を停止状態とする。従って、再びフィルタ32におけるパティキュレート堆積量が開始判定値に達しない限り、ECU36は制御周期ごとにステップS1乃至S3の処理を繰り返し、フィルタ32の強制再生処理は行われない。
以上のようにしてECU36が自動強制再生制御を実行することにより、フィルタ32におけるパティキュレート堆積量が増大した場合に、フィルタ32に堆積したパティキュレートが焼却され、フィルタ32による排気浄化機能が良好に維持される。
但し、上述したように、自動強制再生制御で実際にフィルタ32の強制再生処理が行われるためには、エンジン1及び車両がフィルタ32の強制再生処理を実行可能な運転状態になければならない。しかしながら、車両の運転形態などによっては、フィルタ32の強制再生が必要となったにもかかわらず、長い期間にわたってエンジン1及び車両がフィルタ32の強制再生処理を実行可能な運転状態とならない場合が起こりうる。
このような場合を想定し、ECU36は上述した自動強制再生制御のステップS2において、フィルタ32の強制再生が必要であると判定したときに、表示ユニット44にフィルタ32の強制再生が必要となった旨の表示を行う。車両の運転者は、このような表示を確認することにより、フィルタ32の強制再生が必要であることを認識し、手動再生スイッチ42を操作することによって、手動でフィルタ32の強制再生処理を開始することができるようになっている。この場合、運転者は一旦車両を停車させた上で、手動再生スイッチ42を操作すると、ECU36が手動強制再生制御を開始する。
手動再生スイッチ42の操作により手動でフィルタ32の強制再生処理を開始するようにした場合においても、ECU36が行う手動強制再生制御によるフィルタ32の強制再生処理の手順は、上述した自動強制再生制御によるフィルタ32の強制再生処理と同様である。即ち、手動によりフィルタ32の手動強制再生制御が開始されると、酸化触媒30を活性化温度まで昇温した上で、フィルタ32に流入する排気の温度を、パティキュレートが燃焼可能な再生温度(例えば600℃)に維持し、フィルタ32に堆積しているパティキュレートを燃焼させてフィルタ32から除去する。
また、手動で開始されたフィルタ32の強制再生処理の完了判定も、自動強制再生制御と同様にして行われる。即ち、前述したようにECU36は、強制再生処理完了時を基点として積算されたエンジン1からのパティキュレート排出量をフィルタ32おけるパティキュレートの堆積量として求めており、手動により強制再生処理が開始されたときのパティキュレート堆積量を手動強制再生制御における開始時堆積量とする。そして、この開始時堆積量から強制再生処理におけるパティキュレートの燃焼量を減じることによって、フィルタ32におけるパティキュレートの残留量を求め、求められたパティキュレートの残留量が予め設定された終了判定値まで減少したときに、ECU36はフィルタ32の強制再生が完了したと判定し、手動強制再生制御を終了してフィルタ32の強制再生処理を停止する。
運転者による手動再生スイッチ42の操作によって開始されるフィルタ32の強制再生処理は以上のようにして行われるが、この場合の強制再生処理は、上述したように車両を停車した状態で行われる。このため、その車両の運転者はフィルタ32の強制再生処理が完了するまで待機状態となる。そこで、ECU36は手動で開始された強制再生処理が完了するまでの残り時間を表示ユニット44に表示し、フィルタ32の強制再生が完了するまでの時間を運転者が有効に活用できるようにしている。
以下では、ECU36がこのような表示を行うために実行する強制再生時間表示制御について、図3に基づき詳細に説明する。図3は、ECU36がエンジン1の運転中に所定の制御周期で繰り返し実行する強制再生時間表示制御のフローチャートである。
強制再生時間表示制御が開始されると、ECU36はステップS11で手動により開始されたフィルタ32の強制再生処理を実行中であるか否かを判定する。そして、手動により開始されるフィルタ32の強制再生処理が実行されていない場合、ECU36は処理をステップS12に進め、タイマTM1及びTM2をそれぞれリセットする。これらタイマTM1及びTM2は、後述する表示切り換えの際に使用されるものであって、ここではその際の使用に備えてリセット状態とされる。
次にECU36は処理をステップS13に進めてフラグF2の値を0とした後、ステップS14でフラグF3の値を0とする。フラグF2は、その値によりタイマTM1が作動中であるか否かを示すものであり、フラグF3は、その値によりタイマTM2が作動中であるか否かを示すものである。即ち、フラグF2の値が0のときにはタイマTM1がリセット状態にあることを示し、値が1のときにはタイマTM1がカウント中であることを示す。また同様に、フラグF3の値が0のときにはタイマTM2がリセット状態にあることを示し、値が1のときにはタイマTM2がカウント中であることを示す。上述のように、タイマTM1及びTM2はいずれもリセット状態にあるので、フラグF2及びF3は、いずれも値が0とされる。
次のステップS15に処理を進めると、ECU36は強制再生処理完了までの残り時間tcを0(分)とする。処理がステップS15に進んだ場合、手動により開始される強制再生処理が行われていないので、残り時間tcの値は0とされる。ECU36は、このようにして値が0とされた残り時間tcを、ステップS16において表示ユニット44に表示させ、その制御周期を終了する。
次の制御周期においても、ECU36はステップS11から処理を開始し、依然として手動により開始される強制再生処理が実行されていない場合には、上述したようにステップS12乃至S16の処理が行われる。従って、手動により開始される強制再生処理が実行されていない状態では、ステップS11乃至S16の処理が繰り返され、表示ユニット44には強制再生処理完了までの残り時間tcとして0(分)が表示される。
手動再生スイッチ42が操作されることにより、手動でフィルタ32の強制再生処理が開始されると、ECU36はステップS11で手動により開始されたフィルタ32の強制再生を実行中であると判定し、処理をステップS17に進める。
ステップS17においてECU36は、排気温度センサ34が検出したフィルタ32に流入する排気の温度Tfが所定の基準温度To以上となったか否かを判定する。本実施形態では、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfをフィルタ32の温度と見なしており、この基準温度Toは、フィルタ32に堆積しているパティキュレートが燃焼可能なフィルタ32の下限温度として予め求められている所定温度に相当する。従って、ECU36は排気温度Tfが上昇して基準温度Toに達することにより、フィルタ32の温度が上記所定温度に達したと判定する。
手動再生スイッチ42の操作によって強制再生処理が開始された当初は、排気温度が十分上昇しておらず、排気温度Tfは基準温度Toに達していないので、ECU36はステップS17の判定により処理をステップS18に進める。
ステップS18においてECU36は、フラグF2の値が1であるか否かを判定する。このときフラグF2の値は0となっているので、ECU36は処理をステップS19に進め、タイマTM1のカウントをスタートさせる。
タイマTM1のカウントがスタートしたので、ECU36はステップS20においてフラグF2の値を1とし、更に次のステップS21において、タイマTM1がカウントした時間tm1が第1基準時間ts1に達したか否かを判定する。タイマTM1がカウントした時間tm1が第1基準時間ts1に達していない場合、ECU36は処理をステップS22に進め、演算中である旨のメッセージを表示ユニット44に表示する。
ECU36は、ステップS22による処理の後にその制御周期を終えると、次の制御周期においてステップS11から再び処理を開始する。このとき、既に手動により開始された強制再生処理が実行されているものの、依然として排気温度Tfが基準温度Toに達していない場合、ECU36は処理をステップS18に進め、フラグF2の値が1であるか否かを判定する。
フラグF2の値は既に1となっているので、ECU36は処理をステップS18からステップS21に進め、タイマTM1がカウントした時間tm1が第1基準時間ts1に達したか否かを判定する。そして、タイマTM1がカウントした時間tm1が第1基準時間ts1に達していない場合、ECU36は処理をステップS22に進める。従って、手動により強制再生処理が開始された後、タイマTM1がカウントした時間tm1が第1基準時間ts1に達するまでの間は、ステップS24の処理によって、演算中である旨のメッセージが表示ユニット44に表示されることになる。
タイマTM1がカウントした時間tm1が第1基準時間ts1に達すると、ECU36はステップS21における判定により処理をステップS23に進め、フィルタ32の強制再生処理完了までの残り時間trを求めるための演算処理Bを実行する。
上述のように、手動により強制再生処理が開始されるとタイマTM1のカウントが開始されることから、タイマTM1がカウントした時間tm1は、手動により強制再生処理が開始された後に経過した時間を表すことになる。手動により強制再生処理が開始された当初はステップS23における演算処理Bの実行に必要な情報量が十分に得られず、強制再生処理完了までの残り時間trを精度よく求めることができない。このため、手動により強制再生処理が開始された直後から、演算処理Bによって求められた強制再生処理完了までの残り時間trに基づく表示を、後述する方法によって表示ユニット44に行ってしまうと、誤った残り時間が表示ユニット44に表示されるおそれがある。
そこで、手動により強制再生処理が開始されてから第1基準時間が経過するまでの間、即ち演算処理Bによる演算が適正に行われるようになるまでの間、上述のように演算処理Bにより求められた残り時間trに基づく残り時間に代えて演算中である旨のメッセージを表示ユニット44に表示することにより、誤った残り時間が表示ユニット44に表示されるのを防止している。そして、手動により強制再生処理が開始された後、タイマTM1がカウントした時間tm1が第1基準時間ts1に達すると、ステップS23において、フィルタ32の強制再生処理完了までの残り時間trを求めるための演算処理Bを実行する。
ステップS23で演算処理Bを実行する場合には、手動により強制再生処理が開始されたものの、排気温度Tfは基準温度Toに達していないので、フィルタ32において強制再生処理によるパティキュレートの燃焼は実質的に発生していない状態にある。従って、手動による強制再生処理が開始されてから、排気温度Tfが基準温度Toに達するまでの期間である第1期間においては、強制再生処理完了までの残り時間は主として排気温度の上昇によるフィルタ32の昇温の進行と共に減少していくことになる。
そこで、ステップS23で行われる演算処理BにおいてECU36は、排気温度Tfを基準温度Toまで上昇させてフィルタ32を上記所定温度に昇温するまでの残り時間を昇温時間として求めると共に、フィルタ32に堆積しているパティキュレートが燃焼を開始してからパティキュレートの焼却が完了するまでの残り時間として再生時間を求め、これら昇温時間と再生時間の和を、強制再生処理完了までの残り時間trとして求める。
ここで昇温時間の求め方について更に具体的に説明すると、まずECU36は基準温度Toと、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfとの偏差を、フィルタ32の温度を上記所定温度まで昇温するのに必要な温度変化幅として求めると共に、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfに基づき、排気温度Tfの変化率ΔTfを求める。次にECU36は、基準温度Toと排気温度Tfとの偏差である温度変化幅を排気温度Tfの変化率ΔTfで除することにより昇温時間を求める。このようにして第1期間における昇温時間を求めることにより、フィルタ32の実際の温度変化に対応し、昇温時間を精度よく求めることが可能となる。
次に、ステップS23の演算処理Bにおける再生時間の求め方について、以下に具体的に説明する。
上述したように、演算処理Bが行われる第1期間では、排気温度Tfが基準温度Toに達しておらず、フィルタ32において強制再生処理によるパティキュレートの燃焼は実質的に生じていない。従って、この場合にはフィルタ32におけるパティキュレートの燃焼状態に基づき再生時間を求めることができない。一方、パティキュレートの焼却を完了するのに要する時間は、フィルタ32におけるパティキュレートの堆積量と密接な関係がある。即ち、パティキュレートの堆積量が多い場合には、パティキュレートの燃焼速度が速まるものの、焼却されるパティキュレートの総量が多いため、パティキュレートの焼却を完了するためには比較的長い時間がかかる。一方、パティキュレートの堆積量が少ない場合には、パティキュレートの燃焼速度が低下するものの、焼却されるパティキュレートの総量が少ないため、パティキュレートの焼却を完了するためには比較的短い時間ですむ。
このようなパティキュレートの堆積量と、焼却の完了に要する時間である再生時間との関係が予め実験などにより求められており、求められた関係に基づいてパティキュレートの堆積量に対応する再生時間が設定された再生時間マップをECU36が記憶している。図4は、このようなパティキュレートの堆積量と再生時間との関係の一例を示すグラフである。
ECU36は、自動強制再生制御において説明したように、フィルタ32の強制再生が必要であるか否かの判定を行うために、回転数センサ38によって検出されたエンジン1の回転数と、エンジン1の負荷に対応するエンジン1への燃料供給量とに基づき、エンジン1からの単位時間あたりのパティキュレート排出量を求め、前回のフィルタ32の強制再生処理完了時を基点とし、単位時間あたりのパティキュレート排出量を積算している。このパティキュレート排出量の積算値は、その時点のフィルタ32におけるパティキュレートの堆積量に相当するので、ECU36はこの積算値を用い、再生時間マップから対応する再生時間を読み出す。
このように、第1期間においてフィルタ32に捕集されているパティキュレートの堆積量に基づき再生時間を求めるようにした場合には、フィルタ32に捕集されているパティキュレートの堆積量が、手動によって強制再生処理を開始するたびに異なっていても、再生時間を精度よく求めることが可能となる。
こうしてステップS23における演算処理Bにより、強制再生処理完了までの残り時間trを求めると、ECU36は処理をステップS24に進め、ステップS23で求められた残り時間trに一次遅れフィルタの処理を施し、残り時間tr’を求める。ステップS23の演算処理Bによって求められる残り時間trは、上述のように主に排気温度Tfの上昇に対応して変化していく。このとき、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfは排気の流動状態などによって影響を受けるので、この排気温度Tfに基づいて求められる残り時間trについても、瞬間的に値が不規則にばらつく可能性がある。そこで、演算処理Bで求められた残り時間trに対し、下記式(1)で表されるような一次遅れフィルタの処理を施すことにより、残り時間trに瞬間的に生じる不規則なばらつきによる表示の乱れを抑制するようにしている。
tr’=(1−a)・tr’n−1+a・tr ・・・ (1)
なお、上記式(1)において、添字nは今回の制御周期における値を示し、添字n−1は前回の制御周期における値を示す。また係数aは予め実験などによって設定される重み付け係数であり、0より大きく1より小さい所定値(例えば0.8)に設定される。
また、表示する残り時間の不規則なばらつきを防止する方法は、このような一次遅れフィルタの適用に限定されるものではなく、様々な手法を適用することが可能である。例えば、演算処理Bで求められた残り時間trの増大時と減少時とでヒステリシスを持たせ、離散化処理を施すことによって残り時間tr’を求めるようにしてもよい。
ECU36はステップS24において、残り時間trに一次遅れフィルタの処理を施すことにより残り時間tr’を求めると、ステップS25に処理を進めて残り時間tr’を整数化し、表示用の残り時間tcを求める。本実施形態では、表示ユニット44による残り時間の表示を分単位で行っており、整数で残り時間を表示するために、ステップS25において残り時間tr’の整数化を行う。
次にECU36は処理をステップS16に進め、ステップS25で求められた残り時間tcを表示ユニット44に表示して、その制御周期を終了する。
次の制御周期においてECU36は、再びステップS11から処理を開始し、手動により開始された強制再生処理を実行中であることから処理をステップS17に進める。そして、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfが依然として基準温度Toに達していない場合、ECU36は処理をステップS18に進め、上述したようにステップS21の処理を経てステップS23で演算処理Bを実行する。従って、手動によりフィルタ32の強制再生が開始されてから排気温度センサ34が検出した排気温度Tfが基準温度Toに達するまでの間、即ち第1期間のうち、この第1期間が開始してから第1基準時間ts1が経過した後においては、ステップS23における演算処理Bによって求められた強制再生処理完了までの残り時間trに基づき、表示ユニット44による残り時間tcの表示が行われる。
手動強制再生制御によってフィルタ32の昇温が進み、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfが基準温度Toに達すると、ECU36はステップS17からステップS26に処理を進め、フラグF3の値が1であるか否かを判定する。このときフラグF3の値は0となっているので、ECU36は処理をステップS27に進め、タイマTM2のカウントをスタートさせる。
タイマTM2のカウントがスタートしたので、ECU36はステップS28においてフラグF3の値を1とし、更に次のステップS29において、タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2に達したか否かを判定する。タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2に達していない場合、ECU36は処理をステップS23に進め、上述した演算処理Bを行うことによって、強制再生処理完了までの残り時間trを求める。
この場合、既に排気温度Tfが基準温度To以上となっているので、演算処理Bにおける昇温時間は0(分)となる。従って、このときに演算処理Bで求められる残り時間trは、再生時間マップからパティキュレートの堆積量に対応して読み出された再生時間となる。
ECU36は、こうしてステップS23の演算処理Bにより強制再生処理完了までの残り時間trを求めると、上述したようにしてステップS24におけるフィルタ処理及びステップS25での整数化を実行して残り時間tcを求めた後、この残り時間tcをステップS16で表示ユニット44に表示する。
ECU36は、こうしてステップS16による処理を行った後にその制御周期を終えると、次の制御周期においてステップS11から再び処理を開始する。この場合、既に手動により開始された強制再生処理が実行されていて排気温度Tfが基準温度To以上となっているので、ECU36は処理をステップS26に進め、フラグF3の値が1であるか否かを判定する。フラグF3の値は既に1となっているので、ECU36は処理をステップS26からステップS29に進め、タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2に達したか否かを判定する。
タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2に達していない場合、ECU36は処理をステップS23に進める。従って、排気温度Tfが基準温度To以上となった後、タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2に達するまでの間は、ステップS23の演算処理Bによって求められた強制再生処理完了までの残り時間trに基づき求められた残り時間tcが、表示ユニット44に表示されることになる。
そして、タイマTM2のカウントが進み、タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2に達すると、ECU36は処理をステップS29からステップS30に進め、残り時間trの演算を演算処理Bから演算処理Aに切り換える。
上述のように排気温度Tfが基準温度Toに達してからタイマTM2のカウントが開始されることから、タイマTM2がカウントした時間tm2は、排気温度Tfが基準温度Toに達した後に経過した時間を表すことになる。
排気温度Tfが基準温度Toに達した場合には、パティキュレートの燃焼が可能となる所定温度以上となる温度へのフィルタ32の昇温が完了しており、フィルタ32におけるパティキュレートの燃焼が始まっているので、上述したようなステップS23における演算処理Bによる残り時間の演算は実情に合致しなくなる。このため、ECU36は演算処理Bとは異なる演算処理Aによる残り時間の演算に切り換えるが、排気温度Tfが基準温度Toに達した直後は演算処理Aによる残り時間の演算が精度よく行えない場合がある。
そこで、排気温度Tfが基準温度Toに達した後に経過した時間が第2基準時間ts2に達するまでの間、即ち演算処理Aによる演算が適正に行われるようになるまでの間は、上述したように演算処理Aによって求められた残り時間trに基づく残り時間tcの表示に代えて、第1期間のときに用いた演算処理Bを引き続き行うことによって求められた残り時間trに基づく残り時間tcの表示を行うことにより、誤った残り時間が表示ユニット44に表示されるのを防止するようにしている。そして、排気温度Tfが基準温度Toに達した後、タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2に達すると、ステップS30において、フィルタ32の強制再生処理完了までの残り時間trを求めるための演算処理Aを実行する。
ステップS30で演算処理Aを実行する場合、既に排気温度Tfが基準温度To以上となることにより、フィルタ32においてパティキュレートが燃焼している。従って、排気温度Tfが基準温度To以上となってフィルタ32におけるパティキュレートの燃焼が開始してから、パティキュレートが焼却されてフィルタ32の強制再生処理が完了するまでの期間である第2期間においては、強制再生処理完了までの残り時間はフィルタ32におけるパティキュレートの燃焼の進行と共に減少していくことになる。
そこで、ステップS30で行われる演算処理AにおいてECU36は、フィルタ32に堆積しているパティキュレートの焼却が完了するまでの残り時間として再生時間を求め、これを、強制再生処理完了までの残り時間trとする。
ここで再生時間の求め方について具体的に説明すると、前述したようにECU36は、前回の強制再生処理完了時を基点として積算されたエンジン1からのパティキュレート排出量をフィルタ32におけるパティキュレートの堆積量として求めており、前回の強制再生処理完了後、最初にステップS11で手動により開始されたフィルタ32の強制再生処理を実行中であると判定したときのパティキュレートの堆積量を手動強制再生制御における開始時堆積量とする。ECU36は、この開始時堆積量を初期値として、手動強制再生制御において制御周期ごとに生じるパティキュレートの燃焼量を順次減じていくことにより、フィルタ32におけるパティキュレートの残留量を求める。更にECU36は、こうして求められたパティキュレートの残留量を手動強制再生制御によるパティキュレートの燃焼速度で除することによって再生時間を求める。
このように、フィルタ32におけるパティキュレートの残留量と、手動強制再生制御によるパティキュレートの燃焼速度とを用いて第2期間における再生時間を求めることにより、第2期間における再生時間をパティキュレートの燃焼状態に対応して精度よく求めることが可能となる。
また、エンジン1からの単位時間あたりのパティキュレート排出量に基づき、手動強制再生制御における開始時堆積量を求めることにより、エンジン1の運転状態に変動があったとしても開始時堆積量を精度よく求めることが可能である。
なお、このような再生時間の演算で用いられる制御周期ごとのパティキュレートの燃焼量は、前述したように、パティキュレートが燃焼可能な温度までフィルタ32の温度が上昇した後、即ち第2期間において、フィルタ32に単位時間あたりに供給された酸素供給量を1制御周期の間に積算して得られた酸素供給量積算値に基づき求めることができる。
このようにして第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を求めることにより、パティキュレートの燃焼量に影響を及ぼす酸素供給量が演算に反映され、第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を精度よく求めることが可能となる。
更に、エンジン1の運転状態に変動があったとしても上述のように開始時堆積量が精度よく求められると共に、第2期間におけるパティキュレートの燃焼量も精度よく求められるので、第2期間においてパティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの残留量についても、これらに基づき精度よく求めることが可能となる。
また、手動強制再生制御によるパティキュレートの燃焼速度は、上述のようにして第2期間において求められる制御周期ごとのパティキュレートの燃焼量を積算し、これを第2期間開始後に経過した時間で除することにより求められる。
上述のように、フィルタ32に供給された酸素供給量に基づき、精度よく第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を求めることができるので、結果として、このパティキュレートの燃焼量に基づくパティキュレートの燃焼速度についても精度よく求めることが可能となる。
このようにしてステップS30における演算処理Aにより強制再生処理完了までの残り時間trを求めると、ECU36は処理をステップS24に進め、ステップS30で求められた残り時間trに対し、前述したようにして一次遅れフィルタの処理を施すことにより、残り時間tr’を求める。ステップS30の演算処理Aによって求められる残り時間trについても演算によって求められるものであるため、何らかの理由により瞬間的に残り時間trの不規則なばらつきが生じる可能性がある。そこで、演算処理Aによって求められる残り時間trについても同様に、ステップS24において一次遅れフィルタの処理を施すことにより、残り時間trの瞬間的なばらつきによる表示の乱れを抑制するようにしている。
ECU36はステップS24において残り時間trに一次遅れフィルタの処理を施して残り時間tr’を求めると、ステップS25に処理を進め、残り時間tr’を整数化し、表示用の残り時間tcを求める。次にECU36は処理をステップS16に進め、ステップS25で求められた残り時間tcを表示ユニット44に表示して、その制御周期を終了する。
次の制御周期においてECU36は再びステップS11から処理を開始し、手動により開始された強制再生処理を実行中であることから、処理をステップS17に進める。そして、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfは既に基準温度To以上となっており、フラグF3の値は1となっているので、ECU36は処理をステップS17からステップS26を経由してステップS29に進める。
ステップS29でECU36は、タイマTM2がカウントした時間tm2が第2基準時間ts2以上となったか否かを判定するが、前述のように時間tm2は既に第2基準時間ts2以上となっているので、ECU36は処理をステップS30に進め、上述のようにして演算処理Aによる残り時間trの演算を行う。
従って、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfが基準温度Toに達した後、即ち第2期間においては、ステップS30における演算処理Aによって求められた強制再生処理完了までの残り時間trに基づき、表示ユニット44による残り時間tcの表示が行われる。但し、第1期間から第2期間に切り換わってから第2基準時間ts2が経過するまでの間は、前述したように第1期間にあるときに用いられる演算処理Bを引き続き行って求められた強制再生処理完了までの残り時間trに基づき、表示ユニット44による残り時間tcの表示が行われる。
手動強制再生制御が行われることによってフィルタ32に堆積しているパティキュレートが焼却され、前述のようにパティキュレートの残留量が予め設定された終了判定値まで減少すると、ECU36はフィルタ32の強制再生が完了したと判定し、フィルタ32の強制再生処理を停止する。この結果、ステップS11においてECU36は、手動によって開始されたフィルタ32の強制再生処理を実行中ではないと判定し、処理をステップS12に進める。
ステップS12でECU36は、次回手動により開始される強制再生処理に対応して行われる表示の切り換えに備えてタイマTM1及びTM2をリセットする。また、これらタイマTM1及びTM2のリセットに対応し、ECU36は次のステップS13においてフラグF2の値を0とすると共に、ステップS14でフラグF3の値を0とする。更にECU36は、上述のように手動により開始されたフィルタ32の強制再生処理が完了したことから、ステップS15で強制再生処理完了までの残り時間tcを0(分)とする。
次にECU36は、ステップS16で残り時間tcを表示ユニット44に表示し、その制御周期を終了する。従って、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfが基準温度Toに達してから、手動により開始されたフィルタ32の強制再生処理が完了するまでの第2期間においては、上述のように第2基準時間ts2が経過するまでの間を除き、強制再生処理完了までの残り時間が、演算処理Aで求められた再生時間に基づいて表示ユニット44に表示され、フィルタ32の強制再生処理が完了すると、表示ユニット44には0(分)が表示される。
次の制御周期においても、ECU36はステップS11から処理を開始し、依然として手動による強制再生処理が開始されていない場合には、上述したようにステップS12乃至S16の処理が行われる。従って、次に手動によるフィルタ32の強制再生処理が開始されるまでの間は、ステップS11乃至S16の処理が繰り返され、表示ユニット44には強制再生処理完了までの残り時間tcとして0(分)が表示される。
以上のようにしてECU36が強制再生時間表示制御を行うことにより、手動によってフィルタ32の強制再生処理を開始したときに、フィルタ32の温度が上昇してパティキュレートが燃焼可能な所定温度に達するまでの第1期間においては、フィルタ32を上記所定温度まで昇温するのに要する昇温時間と、フィルタ32の温度が上記所定温度に達した後にパティキュレートが焼却されるのに要する再生時間との和に基づき求められた強制再生制御完了までの残り時間を表示ユニット44に表示するようにしたので、第1期間にあるときのフィルタ32の強制再生処理完了までの残り時間を、実際の手動強制再生制御の進行に合わせて精度よく表示することができる。
また、フィルタ32の温度が上昇してパティキュレートが燃焼可能な所定温度に達してから、フィルタ32に堆積しているパティキュレートの焼却が完了するまでの第2期間においては、フィルタ32におけるパティキュレートの残留量をパティキュレートの燃焼速度で除することにより求めた再生時間に基づき求められた強制再生処理完了までの残り時間を表示ユニット44に表示するようにしたので、第2期間にあるときのフィルタ32の強制再生処理完了までの残り時間についても、実際の手動強制再生制御の進行に合わせて精度よく表示することができる。
更に、第1期間と第2期間とで強制再生処理を完了するまでの残り時間の演算方法を切り換え、それぞれの期間において所要時間に変化を生じさせる要因に対応して残り時間を求めるようにしたので、強制再生処理完了までの残り時間を、手動強制再生制御の進行状況に合わせて精度よく求め、表示ユニット44に表示させることができる。
従って、運転者は手動により開始したフィルタ32の強制再生処理が完了するまでの残り時間を精度よく確認することが可能となり、この強制再生処理が完了するまでの時間を有効に活用することが可能となる。
また、手動による強制再生処理の開始により第1期間が開始してから第1基準時間ts1が経過するまでの間は、演算処理Bにより求められた残り時間trに基づく表示に代えて、演算中である旨のメッセージを表示ユニット44に表示するようにしたので、演算処理Bにおいて適正な残り時間が得られるようになるまでに誤った残り時間に基づく表示が表示ユニット44になされるのを確実に防止することができる。
更に、第1期間に対応した演算処理Bによる強制再生処理完了までの残り時間の演算から、第2期間に対応した演算処理Aによる強制再生処理完了までの残り時間の演算に移行する場合に、第2期間が開始してから第2基準時間ts2が経過するまでの間は、第1期間に対応した演算処理Bを引き続き行うことによって求められた残り時間trに基づく残り時間tcを表示ユニット44に表示するようにしたので、演算処理Aによる演算において適正な再生時間が得られるようになるまでに誤った残り時間に基づく表示が表示ユニット44になされるのを確実に防止することができる。
更に、演算処理A或いは演算処理Bによって求められた強制再生制御完了までの残り時間trに一次遅れフィルタ処理を施して得られた時間tr’に基づいて、表示ユニット44に強制再生処理完了までの残り時間tcを表示させるようにしたので、演算処理A或いは演算処理Bにおける演算結果に不規則なばらつきが生じるようなことがあっても、表示ユニット44に表示される残り時間の不規則な変動を抑制し、表示ユニット44による残り時間の表示を見やすくすることができる。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、演算処理Bにより第1期間において強制再生処理完了までの残り時間を求める際、上記実施形態においては、単位時間あたりのパティキュレート排出量の積算値を、その時点のフィルタ32におけるパティキュレートの堆積量とし、この積算値に対応する再生時間を再生時間マップから読み出すようにした。しかしながら、第1期間において強制再生処理完了までの残り時間を求めるために使用する再生時間としては、予め設定された固定値を用いるようにしてもよい。
この場合には、手動により強制再生処理を開始する際のパティキュレートの堆積量が強制再生処理を開始するたびに異なる場合に、残り時間の精度が低下するものの、上述したような演算を行う必要がないので、ECU36の演算負荷を軽減すると共に、再生時間マップを記憶するためのメモリ容量を低減することが可能となる。また、手動により強制再生処理を開始する必要が生じる場合には、前述したようにフィルタ32にある程度のパティキュレートが堆積し、フィルタ32の強制再生処理を行う必要がある状態にあるので、第1期間において再生時間を固定とした場合にも、求められる残り時間に大きな誤差を生じることはない。
また、固定値を用いる場合よりも演算誤差を低減する方法として、それまでに実施した手動強制再生制御により、実際に発生した再生時間、即ち排気温度Tfが基準温度Toに達してからパティキュレートの焼却が完了するまでに実際に要した時間をECU36が記憶し、過去の所定回数分(例えば3回分)の実際の再生時間の平均値を、今回の第1期間における残り時間の演算で再生時間として用いるようにしてもよい。このようにすることにより、何らかの要因により実際の再生時間にばらつきが生じるようなことがあっても、第1期間において強制再生処理完了までの残り時間を精度よく求めることが可能となる。
また、上記実施形態では、求められた強制再生処理完了までの残り時間を表示ユニット44に表示するようにしたが、例えばフィルタ32の強制再生と連携して制御される機器の制御などに、情報として用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図3のステップS24において、演算処理Bまたは演算処理Aによって求められた残り時間trに一次遅れフィルタ処理を施した上で、表示ユニット44に表示するようにしたが、表示の際に値の瞬間的なばらつきの発生が許容される場合や、演算処理B及び演算処理Aにより大きなばらつきを生じることなく残り時間trを求めることが可能な場合などには、一次遅れフィルタ処理を省略するようにしてもよい。同様に、ステップS25の整数化についても、表示ユニット44の仕様などに応じて省略してもよい。特に整数化については、求められた残り時間を他の機器の制御など、表示以外の目的で用いる場合には、省略するのが好ましい場合もある。
また、上記実施形態では、手動により強制再生処理が開始された後、第1基準時間ts1が経過するまでは演算中である旨のメッセージを表示ユニット44に表示するようにしたが、例えば演算処理Bの演算を、手動による強制再生処理の開始後に直ちに精度よく実行可能である場合などでは、演算中である旨の表示を省略し、直ちに演算処理Bによって求められた残り時間trに基づく残り時間tcを表示ユニット44に表示するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、演算処理Bによって求められた残り時間trに基づく表示から、演算処理Aによって求められた残り時間trに基づく表示に切り換える際に、第2基準時間ts2が経過するまでは、引き続き演算処理Bを実行することにより求められた残り時間trに基づき、表示ユニット44に残り時間tcを表示するようにしたが、例えば演算処理Aによる演算を、第2期間の開始後に直ちに精度よく実行可能である場合などでは、直ちに演算処理Aによって求められた残り時間trに基づく残り時間tcの表示に切り換えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、排気温度センサ34が検出した排気温度Tfが基準温度Toに達したときに、パティキュレートが燃焼可能な温度の下限値である所定温度にフィルタ32の温度が達したと判定するようにしたが、異なる部分の温度、或いは温度以外の情報により、フィルタ32の温度が上記所定温度に達したと判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、インジェクタ4からの追加燃料噴射で燃料を供給することにより排気を昇温させてフィルタ32の強制再生を行うようにしたが、フィルタ32の強制再生の方法については、これに限定されるものではなく、様々な公知の方法を適用することが可能である。
また、上記実施形態では、エンジン1を4気筒のディーゼルエンジンとしたが、エンジン1の形式及び気筒数については、これに限定されるものではなく、強制再生を必要とするフィルタ32を備えたエンジンであれば、様々なエンジンを用いることができる。
本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用されたエンジンシステムの全体構成図である。 ECUが行う自動強制再生制御のフローチャートである。 ECUが行う強制再生時間表示制御のフローチャートである。 パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの堆積量と、堆積したパティキュレートを焼却するのに要する再生時間との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
1 エンジン
32 パティキュレートフィルタ
36 ECU(制御手段)
44 表示ユニット(表示手段)

Claims (13)

  1. エンジンの排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、
    上記パティキュレートフィルタの強制再生が必要になると、上記パティキュレートフィルタに捕集されたパティキュレートが燃焼可能な所定温度以上に上記パティキュレートフィルタを昇温して上記パティキュレートフィルタを強制再生するための強制再生処理を実行する制御手段とを備え、
    上記制御手段は、上記強制再生処理を開始すると、上記パティキュレートフィルタを上記所定温度に昇温するまでの残り時間である昇温時間と、上記パティキュレートフィルタの温度が上昇して上記所定温度に達した後の上記パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの焼却を完了するまでの残り時間である再生時間とをそれぞれ推定し、推定した上記昇温時間及び再生時間に基づき、上記強制再生処理を完了するまでの残り時間を推定することを特徴とする排気浄化装置。
  2. 上記制御手段は、
    上記強制再生処理を開始した後、上記パティキュレートフィルタの温度が上昇して上記所定温度に達するまでの第1期間では、上記パティキュレートフィルタを上記所定温度に昇温するまでの残り時間を上記昇温時間として繰り返し更新すると共に、更新された上記昇温時間と上記再生時間との和を求めることにより、上記残り時間を推定し、
    上記パティキュレートフィルタの温度が上昇して上記所定温度に達した後、上記パティキュレートフィルタの再生が完了するまでの第2期間では、上記パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの焼却を完了するまでの残り時間を上記再生時間として繰り返し更新し、更新された上記再生時間を上記残り時間とすることを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 上記制御手段は、上記第1期間において上記残り時間を推定する際には、予め設定された固定値を上記再生時間として用いることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  4. 上記制御手段は、上記第1期間において上記残り時間を推定する際には、過去に所定回数実行した上記強制再生処理において実際に要した上記再生時間の平均値を上記再生時間として用いることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  5. 上記制御手段は、上記第1期間において上記残り時間を推定する際には、上記パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量に基づき上記再生時間を求めることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  6. 上記制御手段は、上記強制再生処理を開始した後、上記パティキュレートフィルタの温度を上記所定温度まで上昇させるために必要な温度変化幅を所定周期ごとに繰り返し求めると共に、上記パティキュレートフィルタの実際の温度変化率を上記所定周期ごとに繰り返し求め、上記温度変化幅を上記温度変化率で除することにより、上記昇温時間を求めることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  7. 上記制御手段は、上記第2期間において上記残り時間を推定する際には、上記パティキュレートフィルタにおけるパティキュレートの残留量を所定周期ごとに繰り返し求めると共に、上記強制再生処理によるパティキュレートの燃焼速度を上記所定周期ごとに繰り返し求め、上記パティキュレートの残留量を上記燃焼速度で除することにより、上記再生時間を求めることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  8. 上記制御手段は、上記第2期間における上記パティキュレートフィルタへの単位時間あたりの酸素供給量を積算して求めた酸素供給量積算値に基づき、上記第2期間におけるパティキュレートの燃焼量を求め、上記燃焼量を上記第2期間開始後の経過時間で除することにより、上記燃焼速度を求めることを特徴とする請求項7に記載の排気浄化装置。
  9. 上記制御手段は、上記パティキュレートフィルタの強制再生処理を完了してから次回の強制再生処理が必要となるまでの間にわたり、上記エンジンからの単位時間あたりのパティキュレート排出量を積算することにより、上記次回の強制再生処理の開始時に上記パティキュレートフィルタに捕集されているパティキュレートの堆積量を開始時堆積量として求め、上記開始時堆積量から上記燃焼量を減じることにより上記パティキュレートの残留量を求めることを特徴とする請求項8に記載の排気浄化装置。
  10. 上記制御手段は、推定した上記残り時間に基づく表示を行うための表示手段を有し、上記第1期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、上記残り時間に基づく表示に代えてメッセージを上記表示手段に表示させ、上記基準時間経過後に、上記残り時間に基づく表示を上記表示手段に行わせることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  11. 上記制御手段は、推定した上記残り時間に基づく表示を行うための表示手段を有し、上記第2期間が開始してから所定の基準時間が経過するまでは、上記第1期間における推定を引き続き行って求めた上記残り時間に基づく表示を上記表示手段に行い、上記基準時間経過後に、上記第2期間における推定を行って求めた上記残り時間に基づく表示を上記表示手段に行わせることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  12. 上記制御手段は、表示手段を有し、推定した上記残り時間に一次遅れフィルタ処理を施して得られた時間に基づく表示を上記表示手段に行わせることを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
  13. 上記エンジンは車両に搭載され、
    上記制御手段は、上記車両の運転者により所定の操作がなされたときに上記強制再生処理を開始することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012097681A (ja) * 2010-11-04 2012-05-24 Tadano Ltd Dpfの制御装置

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