JP6770486B2 - エンジンの排気処理装置 - Google Patents

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本開示は、エンジンの排気処理装置に関し、特に、エンジンの排気中に含まれる粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集して除去するフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)を備える排気処理装置の制御に関する。
一般に、ディーゼルエンジンの排気通路には、排気中に含まれるPMを捕集して除去するフィルタと、フィルタの上流に配置される酸化触媒とを有する排気処理装置が設けられている。このような排気処理装置では、フィルタに堆積しているPMの残量(以下「PM残量」ともいう)が所定量を超えた場合、PM再生制御が行なわれる。PM再生制御とは、排気中に再生用の燃料噴射を行なうことによって、酸化触媒に未燃燃料を供給して酸化反応を生じさ、その酸化反応熱で排気温度を上昇させてフィルタの温度をPMが燃焼する温度以上かつフィルタが劣化(溶損等)する温度以下に保持する制御である。PM再生制御によって、フィルタに堆積したPMが燃焼除去されるため、PM残量が減少する。
PM再生制御は、通常、PM残量が予め定められた目標値に低下した場合に停止される。しかしながら、酸化触媒が劣化していたり、噴射弁の詰り等によって再生燃料噴射が異常であったりすると、排気温度が十分に上昇せず、その影響でPM残量が目標値に低下せずにPM再生制御が長時間継続してしまい、燃費が悪化することが懸念される。
この点に関連して、特開2005−291036号公報(特許文献1)には、PM再生制御の継続時間が予め定められた許容時間を超えた場合に、燃料が無駄に消費される異常状態であるとして、PM再生制御を停止することが開示されている。
特開2005−291036号公報
しかしながら、特許文献1のように、PM再生制御の継続時間が予め定められた許容時間を超えたか否かによってPM再生制御の異常の有無を判定する手法では、PM再生制御の異常の有無を精度よく判定することができないことが懸念される。具体的には、PM再生制御によるPM残量の減少量は、PM再生制御の異常の有無によって変化するだけでなく、エンジンの運転状態(エンジンが搭載される車両の走行パターンや環境等)によっても変化し得る。そのため、単にPM再生制御の継続時間を用いるだけでは、PM再生制御の継続が、PM再生制御の異常に起因するのか、それともエンジンの運転状態に起因するのかを適切に切り分けることができない。その結果、PM再生制御の異常の有無を精度よく判定することができないことが懸念される。
本開示は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、PM再生制御の異常の有無を精度よく判定することである。
(1) 本開示によるエンジンの排気処理装置は、エンジンの排気通路に設けられ、エンジンから排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、フィルタの周辺の温度を検出する少なくとも1つの温度センサと、エンジンの主燃料噴射後にエンジンの運転状態に応じた量の再生燃料噴射を行なうことによって、フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去する再生制御を実行可能に構成された制御装置とを備える。制御装置は、再生制御の実行が許容される再生制御モード中において、温度センサの検出値から算出されたフィルタの検出温度を用いてフィルタに堆積している粒子状物質の実残量を算出し、エンジンの運転状態によって決まる再生燃料噴射量の指令値から算出されたフィルタの推定温度を用いてフィルタに堆積している粒子状物質の推定残量を算出し、推定残量が目標値に低下し、かつ実残量が目標値に低下していない場合に、再生制御が異常であると判定する。
上記構成によれば、フィルタの検出温度(温度センサの検出値)から算出される実残量とは別に、エンジンの運転状態によって決まる再生燃料噴射量の指令値から算出されるフィルタの推定温度を用いて推定残量が算出される。そして、エンジンの運転状態によって決まる推定残量が目標値に低下しているにも関わらず、実残量が目標値に低下していない場合には、エンジンの運転状態ではなく再生制御の異常によって実残量の減少遅れが生じていることが想定されるため、再生制御が異常であると判定される。その結果、再生制御の異常の有無を精度よく判定することができる。
(2) ある実施の形態においては、制御装置は、実残量が目標値に低下し、かつ推定残量が目標値に低下していない場合に、再生制御が正常であると判定する。
上記構成によれば、推定残量よりも早期に実残量が目標値に低下した場合には、実残量が目標値に低下した時点で再生制御が正常であると判定される。そのため、正常判定に要する時間が、エンジンの運転状態によって不必要に長期化することを抑制することができる。
(3) ある実施の形態においては、制御装置は、フィルタの温度とフィルタに堆積した粒子状物質の減少量との対応関係を示す対応情報を記憶する記憶部を有する。制御装置は、記憶部に記憶された対応情報を参照してフィルタの検出温度に対応する粒子状物質の第1減少量を算出し、第1減少量を用いて実残量を算出する。記憶部に記憶された対応情報を参照してフィルタの推定残量に対応する粒子状物質の第2減少量を算出し、第2減少量を用いて推定残量を算出する。
上記構成によれば、実残量の算出に用いられる対応情報が、推定残量の算出にも流用される。そのため、推定残量を算出するための専用の対応情報を作成することなく、推定残量を容易に算出することができる。
排気処理装置の全体構成図の一例を示す。 PM再生制御が正常である場合におけるPM実残量Adの変化の一例を模式的に示す図である。 PM再生制御が異常である場合におけるPM実残量Adの変化の一例を模式的に示す図である。 PM再生制御が正常である場合におけるPM実残量AdおよびPM推定残量Aeの変化の一例を模式的に示す図である。 PM再生制御が異常である場合におけるPM実残量AdおよびPM推定残量Aeの変化の一例を模式的に示す図である。 ECUの処理手順の一例を示すフローチャートである。 メモリに記憶されているPM生成量マップの一例を示す図である。 メモリに記憶されているPM減少量マップの一例を示す図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態による排気処理装置の全体構成図の一例を示す。この排気処理装置は、エンジン10の排気を浄化する装置であって、酸化触媒(排気浄化触媒)13と、フィルタ14と、燃料添加弁30と、電子制御装置(Electronic Control Unit、以下「ECU」という)100とを含む。
エンジン10は、一般的なディーゼルエンジンである。なお、エンジン10はガソリンエンジンであってもよい。エンジン10には、エンジン回転速度センサ50が設けられている。エンジン回転速度センサ50は、エンジン10の回転速度(以下「エンジン回転速度Ne」という)を検出し、検出結果をECU100に出力する。
エンジン10の各気筒には、燃料噴射弁20が設けられる。各燃料噴射弁20には、図示しない燃料ポンプによって燃料タンクからの燃料が供給されている。各燃料噴射弁20は、ECU100からの制御信号によって作動(開弁)し、各気筒に燃料を噴射する。
以下では、エンジン10に要求されるパワーをエンジン10から出力させるために各燃料噴射弁20から各気筒に燃料を噴射することを「主燃料噴射」と記載し、主燃料噴射によって各気筒に供給される燃料量を「主噴射量Fm」と記載する。主噴射量Fmは、ECU100から各燃料噴射弁20に送信される制御信号によって調整される。
エンジン10には、吸気通路11と排気通路12とが接続されている。吸気通路11には、エアフローメータ40が設けられる。エアフローメータ40は、吸気通路11を流通する吸気流量Gaを検出し、検出結果をECU100へ出力する。
排気通路12には、排気中の炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を酸化して浄化する酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)13が設けられている。また、排気通路12における酸化触媒13よりも下流の部分には、排気中のPMを捕集するフィルタ(DPF)14が設けられている。フィルタ14は、多孔質のセラミック構造体で構成されており、排気中のPMはこの多孔質の壁を通過する際に捕集される。
排気通路12における酸化触媒13よりも上流の部分には、燃料添加弁30が設けられる。燃料添加弁30は、図示しない燃料ポンプによって燃料タンクからの燃料が供給されている。燃料添加弁30は、ECU100からの制御信号によって作動(開弁)し、排気通路12における酸化触媒13よりも上流の部分に燃料を噴射する。
さらに、排気通路12には、3つの温度センサ60,70,80が設けられる。温度センサ60は、酸化触媒13の入口付近を流れる排気の温度Taを検出し、検出結果をECU100に出力する。温度センサ70は、フィルタ14の入口付近を流れる排気の温度(以下「フィルタ入口温度Tb」ともいう)を検出し、検出結果をECU100に出力する。温度センサ80は、フィルタ14の出口付近を流れる排気の温度(以下「フィルタ出口温度Tc」ともいう)を検出し、検出結果をECU100に出力する。
ECU100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、およびメモリ101を内蔵する。ECU100は、メモリ101に記憶された情報および各種センサからの情報などに基づいて、エンジン10に係る各種制御を実行する。
<PM再生制御>
ECU100は、フィルタ14に堆積したPMを燃焼除去させてフィルタ14の捕集機能を再生する処理(以下「PM再生制御」ともいう)を実行可能に構成される。
フィルタ14に堆積したPMを燃焼除去するためには、フィルタ14を通過する排気温度を適切な温度範囲(PMが燃焼する温度以上かつフィルタ14が劣化する温度以下)にすることが望まれる。これを実現するために、上述の燃料添加弁30が用いられる。具体的には、ECU100は、燃料噴射弁20による主燃料噴射後に、燃料添加弁30からPM再生用の燃料を噴射させる。燃料添加弁30から噴射された燃料が酸化触媒13で酸化反応することにより熱が発生され、その熱によりフィルタ14上流の排気温度が上昇する。高温の排気がフィルタ14に供給されることにより、フィルタ14に堆積したPMが燃焼除去され、フィルタ14の捕集機能が再生される。
以下では、PM再生用に燃料を噴射することを「再生燃料噴射」と記載し、再生燃料噴射によって噴射される燃料量を「再生噴射量Fs」と記載する。上述のように、本実施の形態においては、燃料添加弁30を用いて再生燃料噴射が行なわれるため、再生噴射量Fsは、ECU100から燃料添加弁30に送信される制御信号によって調整される。なお、再生燃料噴射は必ずしも燃料添加弁30を用いて行なうことに限定されず、たとえば再生燃料噴射を燃料噴射弁20を用いて行なうことも可能である。すなわち、燃料添加弁30を備えない構成においても、PM再生制御を実行可能である。
ECU100は、エンジン10の作動中において、温度センサ70,80の検出値を用いて、フィルタ14の検出温度(以下「DPF検出温度」ともいう)Tdを算出する。そして、ECU100は、エンジン回転速度Neおよび主噴射量Fmを用いてPMの生成量を算出するとともに、DPF検出温度Tdおよび吸気流量Gaを用いてPMの減少量を算出し、算出されたPMの生成量および減少量を用いてフィルタ14に堆積しているPMの残量(以下「PM実残量」という)Adを算出する。なお、PM実残量Adの算出手法については後に詳しく説明する。
ECU100は、算出されたPM実残量Adが許容値AUを超えると、エンジン10の制御モードを、PM再生制御の実行が許容されるPM再生モードに設定する。ECU100は、PM再生モード中において、所定の条件が成立すると、上述のPM再生制御を実行する。PM再生制御によって、フィルタ14に堆積したPMが燃焼除去されるため、PM実残量Adが減少する。
ECU100は、PM再生モード中においてPM実残量Adの算出を継続し、PM実残量Adが予め定められた目標値ALに低下した場合に、PM再生制御を停止してPM再生モードを終了する。
図2は、PM再生制御が正常である場合におけるPM実残量Adの変化の一例を模式的に示す図である。図2に示す例では、PM実残量Adが許容値AUに達した時刻t0にて、エンジン10の制御モードがPM再生モードに設定され、PM再生制御が開始されている。
図2に示すように、PM実残量Adは、PM再生制御によって徐々に減少していく。そして、PM実残量Adが目標値ALに低下した時刻t1にて、ECU200は、PM再生制御を停止してPM再生モードを終了する。
<PM再生制御の異常判定>
上述のように、PM再生制御は、PM実残量Adが目標値ALに低下した場合に停止される。ところが、酸化触媒13が劣化していたり、燃料添加弁30の噴孔の詰り等によって再生燃料噴射が異常であったりすると、酸化触媒13での酸化反応が十分に行われず、排気温度が十分に上昇しない状態となる。このようなPM再生制御の異常が生じると、DPF検出温度Tdが十分に上昇せずPM実残量Adの減少が想定よりも遅れて目標値ALになかなか低下しないため、PM再生制御が長時間継続してしまい、燃費が悪化することが懸念される。
図3は、PM再生制御が異常である場合におけるPM実残量Adの変化の一例を模式的に示す図である。図3に示す例では、PM実残量Adが許容値AUに達した時刻t0にてPM再生制御が開始されている。しかしながら、PM再生制御の異常によって、PM実残量Adの減少が遅れてしまい、目標値ALに低下せず、PM再生制御が長時間継続してしまっている。このような状態が継続すると、不必要に燃費が悪化することが懸念される。
そのため、PM再生モード中において、PM再生制御の異常の有無を判定し、異常である場合にはその旨をユーザに警告する等の対応をとることが望ましい。
しかしながら、たとえば単純にPM再生制御の継続時間が許容時間を超えたか否かによってPM再生制御の異常の有無を判定する手法では、PM再生制御の異常の有無を精度よく判定することができないことが懸念される。具体的には、PM再生制御によるPM残量の減少量(以下、単に「PM減少量」ともいう)は、PM再生制御の異常の有無によって変化するだけでなく、エンジン10の運転状態(エンジン10が搭載される車両の走行パターンや環境等)によっても変化し得る。そのため、単にPM再生制御の継続時間を用いるだけでは、PM再生制御の継続が、PM再生制御の異常に起因するのか、それともエンジン10の運転状態に起因するのかを適切に切り分けることができない。その結果、PM再生制御の異常の有無を精度よく判定することができないことが懸念される。
上記の点に鑑み、本実施の形態によるECU100は、PM再生モード中において、DPF検出温度Td(温度センサ70,80の検出値)を用いて算出される上述の「PM実残量Ad」とは別に、エンジン10の運転状態から推定されるDPF推定温度Teを用いて「PM推定残量Ae」を算出し、PM実残量AdおよびPM推定残量Aeを用いてPM再生制御の異常の有無を判定する。
以下、PM実残量AdおよびPM推定残量Aeを用いてPM再生制御の異常の有無を判定する具体的な手法の一例について説明する。
図4は、PM再生制御が正常である場合におけるPM実残量AdおよびPM推定残量Aeの変化の一例を模式的に示す図である。図4に示す例では、PM推定残量Aeよりも早期にPM実残量Adが目標値ALに低下している。この場合には、PM実残量Adの減少遅れは生じていないと想定される。そのため、ECU100は、PM推定残量Aeよりも早期にPM実残量Adが目標値ALに低下した時点(時刻t1)で、PM再生制御が正常であると判定し、PM再生制御を停止する。
図5は、PM再生制御が異常である場合におけるPM実残量AdおよびPM推定残量Aeの変化の一例を模式的に示す図である。図5に示す例では、PM実残量Adよりも早期にPM推定残量Aeが目標値ALに低下している。この場合には、エンジン10の運転状態ではなく、PM再生制御の異常によってPM実残量Adの減少遅れが生じていることが想定される。そのため、ECU100は、PM実残量Adよりも早期にPM推定残量Aeが目標値ALに低下した時点(時刻t2)で、PM再生制御が異常であると判定する。なお、図5に示す例では、PM再生制御が異常であると判定された時刻t2以降もPM再生制御を継続しているが、時刻t2でPM再生制御を停止するようにしてもよい。
図6は、ECU100の処理手順の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、エンジン10の作動中に所定の演算サイクルで繰り返し実行される。
まず、ECU100は、エンジン回転速度Neおよび主噴射量Fmを用いて、前回演算時から今回演算時までの期間におけるPM生成量B(エンジン10の各気筒で生成されるPMの量)を算出する(ステップS10)。ECU100は、メモリ101に予め記憶されているPM生成量マップを参照して、エンジン回転速度Neおよび主噴射量Fmに対応するPM生成量Bを算出する。
図7は、メモリ101に記憶されているPM生成量マップの一例を示す図である。PM生成量マップには、エンジン回転速度Neおよび主噴射量Fmをパラメータとして、これらのパラメータとPM生成量との対応関係が予め実験等によって求められて記憶されている。ECU100は、図7に示すPM生成量マップを参照して、エンジン回転速度Neおよび主噴射量Fmに対応するPM生成量を求め、そのPM生成量を「PM生成量B」とする。
次いで、ECU100は、温度センサ70,80の検出値(フィルタ入口温度Tbおよびフィルタ出口温度Tc)を用いて、上述のDPF検出温度Tdを算出する(ステップS11)。DPF検出温度Tdは、フィルタ14の前後に配置された温度センサ70,80の検出値を用いて算出される、実際のDPF温度を示す値である。したがって、DPF検出温度Tdは、PM再生制御の異常が生じていると、その影響を受けて低下する値である。
なお、本実施の形態においては2つの温度センサ70,80の検出値を用いてDPF検出温度Tdを算出するが、DPF検出温度Tdの算出に用いられる温度センサは、2つであることに限定されない。たとえば、温度センサ70,80の検出値に加えて温度センサ60の検出値を用いてDPF検出温度Tdを算出するようにしてもよい。また、温度センサ70,80のどちらか一方の検出値を用いてDPF検出温度Tdを算出するようにしてもよい。
次いで、ECU100は、ステップS11で算出されたDPF検出温度Td、およびエアフローメータ40によって検出された吸気流量Gaを用いて、前回演算時から今回演算時までの期間におけるPM実減少量Cdを算出する(ステップS12)。
ECU100は、メモリ101に記憶されているPM減少量マップ(対応情報)を参照して、DPF検出温度Tdおよび吸気流量Gaに対応するPM実減少量Cdを算出する。
図8は、メモリ101に記憶されているPM減少量マップの一例を示す図である。PM減少量マップには、DPF温度および吸気流量Gaをパラメータとして、これらのパラメータとPM減少量との対応関係が予め実験等によって求められて記憶されている。このPM減少量マップにおいては、DPF温度が高いほど、また、吸気流量Gaが大きいほど、PM減少量(燃焼除去されるPMの量)が大きくなるように設定されている。なお、吸気流量Gaは、排気ガス流量を示す値として用いられる。ECU100は、図8に示すPM減少量マップを参照して、DPF検出温度Tdおよび吸気流量Gaに対応するPM減少量を求め、そのPM減少量を「PM実減少量Cd」とする。
次いで、ECU100は、PM実残量Adを次式(1)によって算出する(ステップS13)。
Ad今回値=Ad前回値+B−Cd …(1)
式(1)において、「Ad今回値」は今回の演算で算出されるPM実残量Adであり、「Ad前回値」は前回の演算時に算出されたPM実残量Adであり、「B」は今回の演算でステップS10において算出されたPM生成量Bであり、「Cd」は今回の演算でステップS12において算出されたPM実減少量Cdである。
PM再生制御中においては、通常、B<Cdとなり式(1)の「B−Cd」は負の値となるため、PM実残量Adは徐々に減少される。
次いで、ECU100は、エンジン10の運転状態(エンジン10が搭載される走行パターン等)によって決まるPM再生噴射量Fsの指令値を用いて、DPF推定温度Teを算出する(ステップS16)。具体的には、ECU100は、目標DPF温度と現在の排気の温度(たとえばフィルタ出口温度Tc)との温度差を算出し、算出された温度差と吸気流量GaとからPM再生噴射量Fsの指令値を算出する。ここで、排気の温度および吸気流量Gaはエンジン10の運転状態によって決まるため、PM再生噴射量Fsの指令値はエンジン10の運転状態に応じて変化する値となる。そして、ECU100は、PM再生噴射量Fsの指令値に応じて酸化触媒13における発熱量を推定し、推定された発熱量からDPF推定温度Teを算出する。したがって、DPF推定温度Teは、エンジン10の運転状態に応じて変化するが、仮にPM再生制御の異常が生じていたとしても、その影響は受けない。
次いで、ECU100は、メモリ101に記憶されている上述の図8に示すPM減少量マップを参照して、DPF推定温度Teおよび吸気流量Gaに対応するPM推定減少量Ceを算出する(ステップS17)。すなわち、図8に示すPM減少量マップは、PM実減少量Cdの算出に用いられるだけでなく、PM推定減少量Ceの算出にも流用される。ECU100は、図8に示すPM減少量マップを参照して、DPF推定温度Teおよび吸気流量Gaに対応するPM減少量を求め、そのPM減少量を「PM推定減少量Ce」とする。
次いで、ECU100は、PM推定残量Aeを次式(2)によって算出する(ステップS18)。
Ae今回値=Ae前回値+(B−Ce)×α …(2)
式(2)において、「Ae今回値」は今回の演算で算出されるPM推定残量Aeであり、「Ae前回値」は前回の演算時に算出されたPM推定残量Aeであり、「B」は今回の演算でステップS10において算出されたPM生成量Bであり、「Ce」は今回の演算でステップS17において算出されたPM推定減少量Ceである。
PM再生制御中においては、通常、B<Ceとなり式(2)の「(B−Cd)」は負の値となるため、PM推定残量Aeは徐々に減少される。
式(2)において、「α」は、PM推定残量Aeの減少速度を調整するための係数である。α=1である場合、PM推定残量Aeは、PM再生制御が正常である場合のPM実残量Adとほぼ同じ減少速度で減少することになる。また、0<α<1である場合、PM再生制御が正常である場合のPM実残量Adよりも遅い減少速度で減少することになる。たとえば、係数αをエンジン10の運転状態あるいは燃費に応じて調整することで、PM再生制御の異常判定レベル(異常判定時間)を調整することができる。本実施の形態においては、係数αは、0から1までの範囲のいずれかの値に設定される。
次いで、ECU100は、PM再生モード中であるか否かを判定する(ステップS30)。
PM再生モード中でない場合(ステップS30にてNO)、ECU100は、ステップS13で算出されたPM実残量Adが許容値AUよりも大きいか否かを判定する(ステップS40)。PM実残量Adが許容値AUよりも小さい場合(ステップS40にてNO)、ECU100は、以降の処理をスキップしてリターンへと処理を移す。PM実残量Adが許容値AUよりも大きい場合(ステップS40にてYES)、ECU100は、PM再生モードを実行する(ステップS42)。
一方、PM再生モード中である場合(ステップS30にてYES)、ECU100は、ステップS13で算出されたPM実残量Adが目標値ALに低下し、かつステップS18で算出されたPM推定残量Aeが目標値ALに低下していないという正常判定条件が成立しているか否かを判定する(ステップS50)。
正常判定条件が成立している場合(ステップS50にてYES)、ECU100は、PM再生制御が正常であると判定し(ステップS52)、PM再生モードを終了する(ステップS54)。
一方、正常判定条件が成立していない場合(ステップS50にてNO)、ECU100は、ステップS18で算出されたPM推定残量Aeが目標値ALに低下し、かつステップS13で算出されたPM実残量Adが目標値ALに低下していないという異常判定条件が成立しているか否かを判定する(ステップS60)。
異常判定条件が成立している場合(ステップS60にてYES)、ECU100は、PM再生制御が異常であると判定し(ステップS62)、PM再生制御が異常である旨を音声あるいは警告ランプ等の視覚手段によってユーザに警告する処理を行なう(ステップS64)。なお、警告とともに、燃料消費を抑制するためにPM再生モードを異常終了するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態によるECU100は、PM再生モード中において、DPF検出温度TdからPM実残量Adを算出するとともに、エンジン10の運転状態によって決まるPM再生噴射量Fsの指令値からDPF推定温度Teを算出する。そして、PM推定残量Aeが目標値ALに低下し、かつPM実残量Adが目標値ALに低下していないという異常判定条件が成立した場合には、エンジン10の運転状態ではなくPM再生制御の異常によってPM実残量Adの減少遅れが生じていることが想定されるため、ECU100は、PM再生制御が異常であると判定する。その結果、PM再生制御の異常の有無を精度よく判定することができる。
特に、ECU100は、PM再生制御の異常によってPM実残量Adが目標値ALに低下しない場合であっても、エンジン10の運転状態から算出されたPM推定残量Aeが目標値ALに低下した時点でPM再生制御が異常であると判定する。そのため、異常判定に要する時間をエンジン10の運転状態に応じて可変とすることができ、異常判定に要する時間がPM再生制御の異常によって不必要に長期化することを抑制することができる。
また、ECU100は、PM実残量Adが目標値ALに低下し、かつPM推定残量Aeが目標値ALに低下していないという正常判定条件が成立した場合に、PM再生制御が正常常であると判定する。そのため、正常判定に要する時間が、エンジン10の運転状態に応じて不必要に長期化することを抑制することができる。
さらに、本実施の形態においては、図8に示すPM減少量マップが、PM実減少量Cdの算出に用いられるだけでなく、PM推定減少量Ceの算出にも流用される。そのため、PM推定残量Aeを算出するためのPM推定減少量Ceを算出するための専用のPM減少量マップを作成する必要がなくなるため、PM推定残量AeをPM実残量Adと同様のロジックで容易に算出することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 エンジン、11 吸気通路、12 排気通路、13 酸化触媒、14 フィルタ(DPF)、20 燃料噴射弁、30 燃料添加弁、40 エアフローメータ、50 エンジン回転速度センサ、60,70,80 温度センサ、100 ECU、101 メモリ。

Claims (3)

  1. エンジンの排気処理装置であって、
    前記エンジンの排気通路に設けられ、前記エンジンから排出される排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、
    前記フィルタの周辺の温度を検出する少なくとも1つの温度センサと、
    前記エンジンの主燃料噴射後に前記エンジンの運転状態に応じた量の再生燃料噴射を行なうことによって、前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去する再生制御を実行可能に構成された制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記再生制御の実行が許容される再生制御モード中において、
    前記温度センサの検出値から算出された前記フィルタの検出温度を用いて前記フィルタに堆積している粒子状物質の実残量を算出し、
    前記エンジンの運転状態によって決まる再生燃料噴射量の指令値から算出された前記フィルタの推定温度を用いて前記フィルタに堆積している粒子状物質の推定残量を算出し、
    前記推定残量が目標値に低下し、かつ前記実残量が前記目標値に低下していない場合に、前記再生制御が異常であると判定する、エンジンの排気処理装置。
  2. 前記制御装置は、前記実残量が目標値に低下し、かつ前記推定残量が前記目標値に低下していない場合に、前記再生制御が正常であると判定する、請求項1に記載のエンジンの排気処理装置。
  3. 前記制御装置は、前記フィルタの温度と前記フィルタに堆積した粒子状物質の減少量との対応関係を示す対応情報を記憶する記憶部を有し、
    前記制御装置は、
    前記記憶部に記憶された前記対応情報を参照して前記フィルタの検出温度に対応する前記粒子状物質の第1減少量を算出し、前記第1減少量を用いて前記実残量を算出し、
    前記記憶部に記憶された前記対応情報を参照して前記フィルタの推定残量に対応する前記粒子状物質の第2減少量を算出し、前記第2減少量を用いて前記推定残量を算出する、請求項1または2に記載のエンジンの排気処理装置。
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