JP2010077461A - ガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜 - Google Patents

ガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜 Download PDF

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Abstract

【課題】有機材料の表面にプラズマCVDによってガスバリア膜を形成する際に、目的とするガスバリア性を有するガスバリア膜を、安定して形成することを可能にする。
【解決手段】第1のプラズマ放電圧力でガスバリア膜を形成し、その後、前記第1のプラズマ放電圧力よりも低圧力の第2のプラズマ放電圧力でガスバリア膜を形成することにより、前記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマCVDによるガスバリア膜の技術分野に関し、詳しくは、表面が高分子化合物等の有機材料からなる基板を用いて、ガスバリア性に優れるガスバリア膜を形成できるガスバリア膜の形成方法に関する。
光学素子、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、半導体装置、薄膜太陽電池等の各種の装置における防湿性を要求される部位や部品、食品、衣料品、電子部品等の包装に用いられる包装材料に、ガスバリア膜(水蒸気バリア膜)が利用されている。
ガスバリア膜は、酸化珪素や窒化珪素等のガスバリア性を発現する物質からなる膜であり、防湿性を要求される部位の表面に、例えば、スパッタリングやCVD等の気相成膜法(真空成膜法)によって形成される。また、高分子材料からなるフィルム(プラスチックフィルム)や金属フィルムの表面に、前記窒化珪素等からなるガスバリア膜を形成してなるガスバリアフィルムも、好適に利用されている。
ガスバリア膜の形成方法の1つとして、プラズマCVDが例示される。
例えば、特許文献1には、透明性を有する高分子材料からなる基板の表面に、炭素を5〜15%有する酸化珪素膜をガスバリア膜として形成してなるガスバリアフィルムにおいて、有機珪素化合物ガスおよび酸素ガスを反応ガスとして用いるプラズマCVDによって、前記ガスバリア膜を形成することが開示されている。
特開平11−70611号公報
前述のように、ガスバリア膜は、窒化珪素や酸化珪素等のガスバリア性を発現する材料からなる膜であり、プラスチックフィルム等の基板の表面に、例えばスパッタリングやCVDなどの気相成膜法によって形成される。
また、当然のことであるが、ガスバリア膜は、製品の用途に応じて、要求されるガスバリア性能を十分に満たすだけの膜厚が形成される。
ところが、前記特許文献1に開示されるような、プラスチックフィルムなどの有機材料からなる表面を有する基板に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成した際には、目的とする膜厚のガスバリア膜を形成したにも関わらず、膜厚に応じた目的とするガスバリア性能を得ることが出来ない場合が有る。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決することにあり、プラスチックフィルムなどの有機材料からなる表面を有する基板に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成する、ガスバリア膜の形成において、膜厚に応じた、目的とするガスバリア性能を発現でき、しかも経時安定性にも優れるガスバリア膜を、安定して形成することを可能にするガスバリア膜の形成方法、および、この形成方法で形成したガスバリア膜を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明のガスバリア膜の形成方法は、有機材料からなる表面を有する基板に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成するに際し、第1の放電圧力でガスバリア膜を形成し、その後、前記第1の放電圧力よりも低圧力の第2の放電圧力でガスバリア膜を形成することを特徴とするガスバリア膜の形成方法を提供する。
このような本発明のガスバリア膜の形成方法において、前記第1の放電圧力が、前記第2の放電圧力の1.5倍以上であるのが好ましく、また、前記第1の放電圧力によって、3nm以上の膜厚となるまで膜形成を行なうのが好ましく、また、前記第1の放電圧力が80〜300Paであるのが好ましく、また、前記第2の放電圧力による成膜におけるプラズマ励起電力が、基板面積に対して0.8W/cm2以上であるのが好ましく、また、前記第2の放電圧力によるガスバリア膜の形成速度が、100nm/min以上であるのが好ましく、さらに、前記ガスバリア膜が、珪素の酸化物、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、珪素の酸窒化炭化物のいずれかを主成分とする膜であるのが好ましい。
また、本発明のガスバリア膜は、前記本発明のガスバリア膜の形成方法で形成したガスバリア膜である。
本発明のガスバリア膜の形成方法は、上述のように、プラスチックフィルムのような有機材料からなる表面を有する基板に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成するものであり、第1の放電圧力でガスバリア膜を形成し、その後、第1の放電圧力よりも低い圧力の第2の放電圧力によってガスバリア膜を形成する。
後に詳述するが、有機材料の表面に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成すると、最初は純粋なガスバリア膜が形成されることはなく、有機材料とガスバリア膜材料との混合層のような膜が形成され、その後、純粋なガズバリア膜が形成される。
この混合層は、純粋なガスバリア膜ほどのガスバリア性を有さない。従って、この混合層が厚い場合には、所定の膜厚だけガスバリア膜を形成しても、実質的なガスバリア膜の膜厚が少なくなってしまい、目的とするガスバリア性を有するガスバリア膜にならない。
これに対し、本発明のガスバリア膜の形成方法では、最初は、前記混合層が形成され難い高い放電圧力(第1の放電圧力)でガスバリア膜を形成し、この放電圧力で所定厚さのガスバリア膜を形成したら、その後、緻密で高いガスバリア性および優れた経時安定性を得ることができる低い放電圧力(第2の放電圧力)によってガスバリア膜を形成する。
そのため、本発明の形成方法では、混合層を大幅に低減して、かつ、経時安定性に優れ、しかも緻密でガスバリア性の高いガスバリア膜を形成できる。従って、本発明によれば、薄く、ガスバリア性に優れたガスバリア膜を得ることができ、また、ガスバリア膜の生産性も向上できる。
以下、本発明のガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜について詳細に説明する。
本発明のガスバリア膜の形成方法は、有機材料からなる表面を有する基板に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成するもので、放電圧力(成膜圧力)に特徴を有するものである。
具体的には、本発明の形成方法は、基板表面へのガスバリア膜の形成(成膜)の開始時には、第1の放電圧力(以下、第1の圧力とする)でプラズマCVDによってガスバリア膜を形成する。本発明では、この第1の圧力で所定の膜厚だけガスバリア膜の形成を行なったら、次いで、第1の圧力よりも低圧力である第2の放電圧力(以下、第2の圧力とする)で、プラズマCVDによって第1の圧力と同じガスバリア膜を形成する。
本発明のガスバリア膜の形成方法において、ガスバリア膜を形成する基板(基材)は、表面が、高分子材料(重合体/ポリマー)や樹脂材料などの各種の有機材料(有機物)からなるものである。
基板は、表面が有機材料で形成され、プラズマCVDによるガスバリア膜の形成が可能なものであれば、各種の物が利用可能である。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどの高分子材料からなる基板が、好適な一例として例示される。
また、本発明において、基板は、フィルム状物(シート状物)が好適であるが、これに限定はされず、レンズや光学フィルタなどの光学素子、有機ELや太陽電池などの光電変換素子、液晶ディスプレイや電子ペーパーなどのディスプレイパネル等、表面が有機材料からなる各種の物品(部材)も、基材として利用可能である。
さらに、基板は、プラスチックフィルムや有機材料からなる物品、金属フィルムやガラス板や、各種の金属製の物品などを本体(基材)として、その表面(ガスバリア膜の形成面)に、保護層、接着層、光反射層、遮光層、平坦化層、緩衝層、応力緩和層等の、各種の機能を得るための有機材料からなる層(膜)が形成されているものであってもよい。
本発明は、このような基板の表面に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成するものであり、前述のように、まず、第1の圧力でプラズマCVDによってガスバリア膜の形成(成膜)を開始する。この第1の圧力で、予め設定した所定膜厚までガスバリア膜の形成を行なったら、その後、第1の圧力よりも低圧力の第2の圧力でプラズマCVDによってガスバリア膜を形成する。
なお、本発明において、プラズマCVDは、CCP(Capacitively Coupled Plasma 容量結合プラズマ)−CVD法やICP(Inductively Coupled Plasma 誘導結合プラズマ)−CVD法など、公知のプラズマCVDが、全て利用可能である。
前述のように、プラスチックフィルム等の有機材料からなる表面を有する基板に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成すると、目的とする膜厚(要求されるガスバリア性に応じた所定膜厚)のガスバリア膜を形成したにも関わらず、目的とするガスバリア性を得られない場合が、多々、生じた。
本発明者らは、この原因について鋭意検討を重ねた結果、有機材料の表面にプラズマCVDによるガスバリア膜の形成を行なうと、有機材料とガスバリア膜の材料(成分)とが混合された状態の層が形成されてしまうことに、原因が有ることを見出した。
有機材料の表面にプラズマCVDによってガスバリア膜を形成すると、プラズマの生成開始時はプラズマのエネルギーが高いこともあり、基板に入射したプラズマの構成要素(ラジカル、イオン、電子等)が基板(有機材料)の内部に進入するような状態となってしまい、有機材料とガスバリア膜材料とが混在する状態の層(以下、便宜的に「混合層」とする)が形成されてしまう。混合層における有機材料の量は、ガスバリア膜の形成が進行するしたがって低減して、最終的には、有機材料が混在しない、純粋なガスバリア膜が形成される。
すなわち、有機材料の表面にプラズマCVDによってガスバリア膜を形成すると、基板とガスバリア膜との界面に、混合層が形成されてしまう。
ここで、この混合層は、純粋なガスバリア膜ほどのガスバリア性を有さない。そのため、ガスバリア膜が、気相成膜法によって形成される珪素化合物膜やアルミニウム化合物膜のように、ガスバリア性の発現に一定の膜厚を必要とする膜(ガスバリア性が膜厚に依存するガスバリア膜)である場合に、混合層が厚く形成されてしまうと、実質的なガスバリア膜の膜厚が薄くなってしまい、目的とするガスバリア性を得ることができない。
混合層が形成されることによるガスバリア性の低下分を見越して、ガスバリア膜を厚く形成すれば、目的とするガスバリア性を確保することはできる。しかしながら、この方法では、形成するガスバリア膜の膜厚が厚くなってしまい、材料コストや製造時間等の点で、生産性が低下してしまう。
本発明者らは、このような問題を解決するために、鋭意検討を重ねた。その結果、混合層は、プラズマCVDにおける放電圧力が高い方が、薄くできる(混合層の形成を抑制できる)ことを見出した。
一方で、経時安定性に優れ、かつ、緻密で高いガスバリア性を有するガスバリア膜を形成するためには、放電圧力を低くする方が有利であることも、見出した。
本発明は、上記知見を得ることによって成されたものであり、表面が有機材料である基板に、プラズマCVDでガスバリア膜を形成する際に、まず、第1の圧力で成膜を開始して、所定の膜厚までガスバリア膜を形成し、その後、第1の圧力よりも低圧力の第2の圧力でガスバリア膜を形成する。
すなわち、本発明のガスバリア膜の形成方法は、最初は、混合層が形成され難い高い圧力の第1の圧力で基板の表面にガスバリア膜を形成し、その後、優れた経時安定性に加えて高いガスバリア性が得られる低圧力の第2の圧力に切り換えてガスバリア膜を形成することで、混合層の生成を抑制し(混合層が薄く)、かつ、緻密なガスバリア膜を形成できる。
従って、本発明によれば、大部分が実質的にガスバリア膜で、かつ、優れた経時安定性を有し、しかも、緻密で高いガスバリア性を有するガスバリア膜を形成できるので、目的とするガスバリア性を有するガスバリア膜を、安定して形成することできる。また、混合層の低減および膜の緻密性向上の相乗効果によって、ガスバリア膜の膜厚を薄くすることもでき、材料コストの低減や材料利用効率の向上、製造時間の短縮等、生産性を向上することもできる。
本発明のガスバリア膜の形成方法において、第1の圧力には、特に限定は無く、形成するガスバリア膜の種類(組成)、使用する反応ガスの種類、成膜レート、ガスバリア膜の膜厚、要求されるガスバリア性等に応じて、適宜、決定すればよい。好適な圧力として、80〜300Paが例示される。
第1の圧力を80〜300Paとすることにより、混合層の形成をより好適に抑制できる、混合層を薄くしつつ第1の圧力でも比較的高いガスバリア性を有するガスバリア膜を形成できる、第1の圧力によるガスバリア膜の形成における副反応(主に酸化)を抑制できる等の点で、好ましい結果を得ることができる。
また、第1の圧力は、第2の圧力の1.5倍以上の圧力とするのが好ましく、特に、3倍以上の圧力とするのが好ましい。
第1の圧力と第2の圧力との関係を、上記関係とすることにより、本発明の効果をより好適に発現することができ、その結果、より良好なガスバリア性を得ることができる等の点で、好ましい結果を得ることができる。
本発明のガスバリア膜の形成方法において、第1の圧力によるガスバリア膜形成時における電力(プラズマCVDにおけるプラズマ放電電力(プラズマ励起電力))には、特に限定は無く、形成するガスバリア膜の種類(組成)、使用する反応ガスの種類、成膜レート、ガスバリア膜の膜厚、要求されるガスバリア性等に応じて、適宜、決定すればよい。
第1の圧力で形成するガスバリア膜(混合層/ガスバリア膜)の膜厚には、特に限定はなく、目的とするガスバリア膜の膜厚等に応じて、適宜、設定すればよい。
ここで、本発明者らの検討によれば、第1の圧力でのガスバリア膜の形成は、第1の圧力による膜形成でのガスバリア膜の膜厚が、3nm以上となるまで行なうのが好ましい。特に、第1の圧力によるガスバリア膜の形成は、膜厚が5nm以上の膜厚となるまで行なうのが、より好ましい。
第1の圧力によって、膜厚が3nm以上、特に5nm以上となるまで膜形成を行なうことにより、混合層の形成をより確実に終了して、低圧力で混合層が形成され易い条件である、第2の圧力での膜形成における混合層の生成を、より確実に防止できる。
なお、第1の圧力によって形成するガスバリア膜の膜厚制御は、予め実験やシミュレーションで調べた成膜レートを利用する方法、レーザ変位センサ等を用いて実際に形成された膜の厚さを測定する方法等、気相成膜法で利用されている、公知の膜厚制御方法が、全て利用可能である。
同様に、第1の圧力で形成するガスバリア膜の膜厚の上限にも、特に限定は無い。
しかしながら、第1の圧力より、第2の圧力によって形成されるガスバリア膜の方が、緻密でガスバリア性に優れるのは、前述のとおりである。すなわち、本発明においては、目的とする膜厚のガスバリア膜において、第2の圧力によって形成されるガスバリア膜が厚い程、ガスバリア性の点で有利である。
以上の点を考慮すると、第1の圧力で形成するガスバリア膜の膜厚は、30nm以下、特に、15nm以下とするのが好ましい。
本発明のガスバリア膜の形成方法において、第2の圧力にも、特に限定はなく、第1の圧力よりも低圧力であればよく、形成するガスバリア膜の種類、使用する反応ガスの種類、成膜レート、ガスバリア膜の膜厚、要求されるガスバリア性等に応じて、適宜、決定すればよい。
第2の圧力の好適な範囲として、10〜60Paが例示される。第2の圧力を、10〜60Paとすることにより、より緻密で高いガスバリア性を有するガスバリア膜を形成できる、製造装置のコストを低く抑えることができる、被処理物(基板)の構造が破壊されるような過度の昇温を避けることができる等の点で、好ましい結果を得ることができる。
ここで、第2の圧力は、第1の圧力の1/1.5、特に、1/3以下とするのが好ましいのは、前述のとおりである。
また、第2の圧力によるガスバリア膜の形成時における電力(プラズマCVDにおけるプラズマ放電電力(プラズマ励起電力))にも、特に限定はなく、形成するガスバリア膜の種類、使用する反応ガスの種類、成膜レート、ガスバリア膜の膜厚、要求されるガスバリア性等に応じて、適宜、決定すればよい。
ここで、第2の圧力によるガスバリア膜の形成時における電力[W]は、基板面積(ガスバリア膜形成面の面積)[cm2]に対して0.8W/cm2以上、特に、2W/cm2以上とするのが好ましい。
本発明者の検討によれば、プラズマCVDでガスバリア膜を形成する際には、電力が高い方が、緻密で良好なガスバリア性を有するガスバリア膜を形成することができ、特に、基板面積に対する電力を、0.8W/cm2以上とすることにより、良好なガスバリア性を有するガスバリア膜を形成することができる。
その反面、高電力な程、前述の混合層が形成され易く、特に、基板面積に対して上記0.8W/cm2以上のような高電力でプラスチックフィルム等の有機材料の表面にガスバリア膜を形成すると、混合層が、非常に厚く形成されてしまう。また、混合層が厚く形成されると、目的とするガスバリア性を得るためには、ガスバリア膜の膜厚を厚くする必要が有るのは、前述のとおりである。
しかしながら、本発明のガスバリア膜の形成方法では、第2の圧力によるガスバリア膜の形成に先立ち、第1の圧力によってガスバリア膜を形成しており、前述のように、この第1のガスバリア膜の形成によって、混合層の形成は終了(殆ど終了)している。従って、第2の圧力において、混合層が形成され易い高電力でガスバリア膜を形成しても、混合層が形成されることは無い(あるいは、極めて少ない)。また、混合層が少ないので、膜厚に応じたガスバリア性を発現でき、膜厚が薄くても、良好なガスバリア性が得られる。
すなわち、第2の圧力によるガスバリア膜の形成時における電力を、基板面積に対して0.8W/cm2以上、特に2W/cm2以上とすることにより、本発明の効果および特徴を、より好適に発現して、よりガスバリア性に優れたガスバリア膜を、低い材料コストで形成することができる。
第2の圧力によって形成するガスバリア膜の膜厚は、第1の圧力による膜厚、目的とするガスバリア膜の膜厚(最終的に形成するガスバリア膜の膜厚)、ガスバリア膜の種類、要求されるガスバリア性、ガスバリア膜(これ形成した基板)の用途に応じて、適宜、設定すればよい。
例えば、ガスバリア膜として窒化珪素膜や酸化珪素膜を形成する場合であれば、ガスバリア膜の膜厚は20〜1000nm程度が好ましい。
なお、本発明においては、一例として、第1の圧力によるガスバリア膜の形成と、第2の圧力によるガスバリア膜の形成とによって、目的とする膜厚のガスバリア膜を形成すればよい。例えば、前記窒化珪素膜であれば、第1の圧力+第2の圧力で、合計膜厚が20〜1000nmであるガスバリア膜を形成すればよい。
あるいは、第1の圧力によるガスバリア膜の形成と、第2の圧力によるガスバリア膜の形成とに加え、さらに、形成条件を変更した任意の条件でガスバリア膜を形成して、目的とする膜厚のガスバリア膜を形成してもよい。例えば、前記窒化珪素膜であれば、第1の圧力+第2の圧力+その他の条件で、合計膜厚が20〜1000nmであるガスバリア膜を形成すればよい。
すなわち、本発明においては、まず、有機材料からなる基板の表面に、第1の圧力によるガスバリア膜の形成を行い、その後、第1の圧力によるガスバリア膜の上に、第2の圧力によるガスバリア膜の形成を行なえば、それ以降は、任意の形成条件でガスバリア膜を形成すればよい。
ここで、本発明のガスバリア膜の形成方法においては、第2の圧力によるガスバリア膜の形成速度(成膜速度(成膜レート))が、100nm/min以上であるのが好ましく、特に300nm/min以上であるのが好ましい。
生産性や生産効率等を考慮すれば、ガスバリア膜の形成においても、形成速度が速い方が好ましいのは、もちろんである。
ここで、100nm/min以上のような高い形成速度で、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成する際には、良好なガスバリア性を得るためには、放電圧力を低くする必要が有る。ところが、成膜圧力が低い程、前述の混合層が形成され易く、特に、100nm/min以上のような形成速度でも良好なガスバリア性が得られるような低い放電圧力では、プラスチックフィルム等の有機材料の表面にガスバリア膜を形成すると、混合層が、非常に厚く形成されてしまう。また、混合層が厚く形成されると、目的とするガスバリア性を得るためには、ガスバリア膜の膜厚を厚くする必要がある。
しかしながら、本発明のガスバリア膜の形成方法では、第2の圧力によるガスバリア膜の形成に先立ち、第1の圧力によってガスバリア膜を形成しており、前述のように、この第1のガスバリア膜の形成によって、混合層の形成は終了(殆ど終了)している。従って、第2の圧力において、上記形成速度で良好なガスバリア性が得られるような低い放電圧力でガスバリア膜を形成しても、混合層が形成されることは無い(あるいは、極めて少ない)。また、混合層が少ないので、膜厚に応じたガスバリア性を発現でき、膜厚が薄くても、良好なガスバリア性が得られる。
すなわち、第2の圧力によるガスバリア膜の形成時における形成速度を、100nm/min以上、特に300nm/min以上とすることにより、本発明の効果および特徴を、より好適に発現して、良好なガスバリア性を有するガスバリア膜を、低い材料コスト、高い生産効率で形成することができる。
本発明において、形成するガスバリア膜には、特に限定はなく、有機材料の表面にプラズマCVDによって形成可能であれば、公知のガスバリア膜が全て利用可能である。
特に、本発明の効果を好適に発現できる等の点で、酸化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、および酸窒化炭化珪素などの、珪素化合物(シリコン化合物)からなるガスバリア膜が好ましい。中でも特に、窒化珪素は、好適に例示される。
ガスバリア膜、特に珪素化合物からなるガスバリア膜をプラズマCVDによって形成する際に、ガスバリア性などの膜質を低下させる一因として、膜形成における副反応(主に酸化)が挙げられる。
この副反応は、放電圧力が高いほど、生じ易い。また、副反応は、主たる反応が酸化であるので、窒化物が、最も副反応による悪影響を受ける。
前述のように、本発明は、まず、第1の圧力でガスバリア膜を形成し、その後、第1の圧力よりも低圧力の第2の圧力でガスバリア膜を形成する。従って、本発明によれば、第2の圧力での膜形成の方が、より副反応を抑制することができる。また、通常は、第1の圧力に比して、第2の圧力の方が、形成する膜厚が大きい。
そのため、本発明を、窒化珪素からなるガスバリア膜の形成に利用することにより、前記本発明の特性に加え、副反応に起因する膜質低下も大幅に低減することができる。その結果、窒化珪素膜によって、目的とするガスバリア性を有するガスバリア膜を安定して形成することができる。すなわち、本発明をガスバリア膜としての窒化珪素膜の形成に利用することにより、本発明の効果を、より顕著に発現することができ、好ましい。
本発明のガスバリア膜の形成方法において、ガスバリア膜を形成するため用いる反応ガズにも、特に限定はなく、形成するガスバリア膜に応じた公知の反応ガスが、全て利用可能である。
例えば、ガスバリア膜として窒化珪素膜を形成する場合であれば、反応ガスとして、シランガスと、アンモニアガスおよび/または窒素ガスとを用いればよく、酸化珪素膜を形成する場合であれば、反応ガスとして、シランガスと酸素ガスとを用いればよい。
なお、本発明の形成方法においては、必要に応じて、反応ガスに加え、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス、ラドンガスなどの不活性ガス等の各種のガスを併用してもよい。
本発明のガスバリア膜の形成方法では、プラズマCVDによって、第1の圧力と、第2の圧力とで、同じガスバリア膜を形成する。
すなわち、ガスバリア膜として窒化珪素膜を形成する場合には、第1の圧力によるガスバリア膜の形成と、第2の圧力によるガスバリア膜の形成とで、共に、窒化珪素膜を形成し、ガスバリア膜として酸化珪素膜を形成する場合には、第1の圧力によるガスバリア膜の形成と、第2の圧力によるガスバリア膜の形成とで、共に、酸化珪素膜を形成する。
また、本発明においては、第1の圧力によるガスバリア膜の形成と、第2の圧力によるガスバリア膜の形成とで、放電圧力(成膜圧力)が第2の圧力の方が低ければ、反応ガスの流量、反応ガスの流量比、プラズマ放電電力、プラズマ放電電力の周波数、膜形成温度(基板温度)、成膜レートなど、ガスバリア膜の形成条件(成膜条件)は、通常のプラズマCVDによるガスバリア膜の形成と同様でよい。
従って、ガスバリア膜の形成条件は、ガスバリア膜や反応ガスの種類、要求される成膜レート、目的とする膜厚、目的とするガスバリア性等に応じて、適宜、設定すればよい。
なお、第1の圧力によるガスバリア膜の形成と、第2の圧力によるガスバリア膜の形成
とでは、放電圧力が第2の圧力の方が低ければ、それ以外の形成条件は、同じでも、異なってもよい。
また、本発明のガスバリア膜の形成方法は、単体の基板(複数でも可)にガスバリア膜を形成する、いわゆるバッチ式の装置に利用してもよく、あるいは、いわゆるロール・トゥ・ロール(Roll to Roll)の装置に利用してもよい。
ロール・トゥ・ロールの装置とは、長尺な基板をロール状に巻回してなる基板ロールから基板を送り出して成膜室に搬送し、成膜室において、基板を長手方向に搬送しつつ成膜を行って、成膜室から排出し、成膜済の基板を、再度、ロール状に巻回する装置である。
本発明をバッチ式の装置に利用する場合には、一例として、1つのプラズマCVD装置(チャンバ)で、第1の圧力で所定厚さのガスバリア膜を形成したら、放電圧力を第1の圧力から第2の圧力に切り換えて(放電圧力を第1の圧力から第2の圧力に変更して)、ガスバリア膜を形成してもよく、あるいは、第1の圧力で所定厚さのガスバリア膜を形成したら、基板をプラズマCVD装置から取り出して、他のプラズマCVD装置において、第2の圧力によるガスバリア膜の形成を行なってもよい。
また、本発明をロール・トゥ・ロールの装置に利用する場合には、一例として、1つの成膜室に、独立して圧力を調節可能なプラズマCVDによる成膜空間を、基板の搬送方向に、複数、形成し、基板搬送方向の最上流の成膜空間において、第1の圧力でガスバリア膜を形成し、その直下流の成膜空間において、第2の圧力でガスバリア膜を形成すればよい。
あるいは、基板の搬送方向に複数のプラズマCVDによる成膜室を設け、最上流の成膜室において、第1の圧力でガスバリア膜を形成し、その直下流の成膜室において、第2の圧力でガスバリア膜を形成するようにしてもよい。
以上、本発明のガスバリア膜の形成方法およびガスバリア膜について詳細に説明したが、本発明は、上述の例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行なってもよいのは、もちろんである。
以下、本発明の具体的実施例を挙げて、本発明について、より詳細に説明する。
[実施例1]
CCP−CVD法による成膜を行なう一般的なCVD装置を用いて、基板に、ガスバリア膜として窒化珪素膜を形成した。
基板は、厚さ188μmのポリエステル系のフィルム(東レフィルム加工株式会社製のポリエチレンテレフタレートフィルム「ルミナイス」)を用いた。なお、基板の面積は300cm2とした。
基板を真空チャンバ内の所定位置にセットして、真空チャンバを閉塞した。
次いで、真空チャンバ内を排気して、圧力が0.01Paとなった時点で、反応ガスとして、シランガス、アンモニアガス、および、窒素ガスを導入した。なお、シランガスの流量は50sccm、アンモニアガスの流量は100sccm、窒素ガスの流量は500sccmとした。
さらに、真空チャンバ内の圧力が後述する第1の圧力となるように、真空チャンバ内の排気を調整した。
次いで、電極に周波数13.56MHzで600Wの高周波電力を供給して、基板の表面に窒化珪素膜の形成を開始した。
5nmの窒化珪素膜を形成した後、一時的に高周波電力の供給を停止して、真空チャンバ内の圧力を第1の圧力から50Pa(第2の圧力)に変更し、チャンバ内の圧力が50Paで安定したら、再度、高周波電力の供給を再開して、45nmの窒化珪素膜を形成して、合計で50nmの窒化珪素膜を形成した。基板面積が300cm2であるので、第2の圧力による成膜におけるプラズマ放電電力は、基板の表面積に対して2W/cm2である。
なお、第1の圧力によるガスバリア膜の膜厚(すなわち第1の圧力と第2の圧力との切り換えタイミング)、および、ガスバリア膜の膜厚50nmは、予め実験によって調べた成膜レートによって制御した。
このような第1の圧力による5nmの窒化珪素膜の形成、および、第2の圧力である50Paによる45nmの窒化珪素膜の形成による、計50nmの窒化珪素膜の形成を、第1の圧力を、50Pa(圧力変更無し)、70Pa、100Pa、150Pa、および200Paに変更して行い、5種類のガスバリア膜を形成した(すなわち、PETを基板として、ガスバリア膜として窒化珪素膜を形成したガスバリアフィルムを作製した)。
形成した5種のガスバリア膜について、モコン法によって水蒸気透過率[g/(m2・day)]を測定した。なお、水蒸気透過率がモコン法の測定限界を超えたサンプルについては、カルシウム腐食法(特開2005−283561号公報に記載される方法)によって、水蒸気透過率(作製直後)を測定した。
結果を下記表1に示す。また、第1の圧力と水蒸気透過率との関係を、図1に示す。
Figure 2010077461
上記表1および図1に示されるように、基板表面に第1の圧力で窒化珪素膜(ガスバリア膜)を形成し、その後、第1の圧力よりも低い圧力である第2の圧力(本例においては50Pa)で窒化珪素膜を形成した本発明のガスバリア膜の形成方法によれば、一定圧力で窒化珪素膜を形成した場合に比して、非常に良好なガスバリア性を得ることができる。
特に、第1の圧力を第2の圧力の1.5倍以上とし、また、第1の圧力を80〜300Paとすることにより、非常に優れたガスバリア性を得ることができる。
[実施例2]
第1の圧力を150Pa、第2の圧力を50Paに固定し、また、第1の圧力によって形成する窒化珪素膜の膜厚を、0nm(すなわち、第2の圧力のみで窒化珪素膜を形成)、3nm、5nm、10nm、および、50nm(すなわち、第1の圧力のみで窒化珪素膜を形成)となるように、第1の圧力から第2の圧力への切り換えタイミングを変更した以外は、前記実施例1と全く同様にして、厚さ50nmの5種類のガスバリア膜を形成した(すなわち、PETを基板として、ガスバリア膜として窒化珪素膜を形成したガスバリアフィルムを製造した)。
形成したガスバリア膜について、前記実施例1と全く同様にして、作製直後、および、1000時間経過後の水蒸気透過率を測定した。
結果を下記表2に示す。また、第1の圧力で形成した窒化珪素膜の膜厚と水蒸気透過率との関係を、図2に示す。
Figure 2010077461
上記表2および図2に示されるように、最初は第1の圧力ガスバリア膜を形成し、その後、第1の圧力よりも低い圧力の第2の圧力でガスバリア膜を形成する本発明によれば、全てを第1の圧力もしくは第2の圧力で形成した従来のガスバリア膜に比して、非常に優れたガスバリア性を有し、また、1000時間後も優れたガスバリア性を維持しており、優れた経時安定性を有している。特に、第1の圧力によって形成したガスバリア膜の膜厚を5nm以上にした本発明例においては、いずれも水蒸気透過率が0.002以下[g/(m2・day)]と、非常に優れたガスバリア性を有する。
以上の結果より、本発明の効果は、明らかである。
本発明の実施例の結果を示すグラフである。 本発明の実施例の結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 有機材料からなる表面を有する基板に、プラズマCVDによってガスバリア膜を形成するに際し、
    第1の放電圧力でガスバリア膜を形成し、その後、前記第1の放電圧力よりも低圧力の第2の放電圧力でガスバリア膜を形成することを特徴とするガスバリア膜の形成方法。
  2. 前記第1の放電圧力が、前記第2の放電圧力の1.5倍以上である請求項1に記載のガスバリア膜の形成方法。
  3. 前記第1の放電圧力によって、3nm以上の膜厚となるまで膜形成を行なう請求項1または2に記載のガスバリア膜の形成方法。
  4. 前記第1の放電圧力が80〜300Paである請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア膜の形成方法。
  5. 前記第2の放電圧力による成膜におけるプラズマ励起電力が、基板面積に対して0.8W/cm2以上である請求項1〜4のいずれかに記載のガスバリア膜の形成方法。
  6. 前記第2の放電圧力によるガスバリア膜の形成速度が、100nm/min以上である請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア膜の形成方法。
  7. 前記ガスバリア膜が、珪素の酸化物、珪素の窒化物、珪素の酸窒化物、珪素の酸窒化炭化物のいずれかを主成分とする膜である請求項1〜6のいずれかに記載のガスバリア膜の形成方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかのガスバリア膜の形成方法で形成したガスバリア膜。
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