JP2007169721A - 窒化シリコン膜の成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高分子樹脂基材上に内部応力の小さい窒化シリコン膜を成膜して、この窒化シリコン膜を含めて何層にも薄膜を重ねた場合にも内部クラックや膜の割れを発生させることがない成膜方法を提供すること。
【解決手段】デュアル・マグネトロンスパッタリング(DMS)を用い、そのマグネトロンカソードに周波数25kHz以下の正弦波電圧を印加して、基材上に窒化シリコンの薄膜を成膜する。周波数を25kHz以下にしているため、成膜された窒化シリコン膜の内部応力が低くなり、反りも起こらなくなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材に反りを発生させることなく窒化シリコン膜を成膜する方法に関する。
従来、ディスプレイの表示画面には主にガラス基材が用いられてきたが、ガラス基材は割れやすいためにその薄さに限度があり、したがって、軽量のガラス基材を利用することも困難である。このため、ガラス基材の代わりに高分子樹脂フィルムや高分子樹脂シートを用いる技術が着目されている。この高分子樹脂基材を用いる場合には、高分子樹脂基材がガスバリア性能や耐久性などの点でガラス基材より劣るため、各種薄膜を付与して改良方法が数多く提案されている。その中で、窒化シリコン膜は、半導体用パッシベーション膜や、酸素や水蒸気を遮断するガスバリア膜等の用途として応用されている(特許文献1参照)もので、高分子樹脂基材にこの窒化シリコン膜を成膜すると、そのガスバリア性能や耐久性などを改善することが可能である(特許文献2参照)。
この窒化シリコン膜は、各種真空成膜方法を用いて作製できるが、半導体関連ではプラズマCVD法が多く用いられておりシラン(SiH4)ガスにアンモニア(NH3)ガスまたは窒素(N2)ガス等を添加することによって分解・再結合を起こし基材上に成膜している。そのため、使用済みのシランガスを燃焼除却するための設備が必要とされ、半導体関連外の用途で新たに導入すると多くの費用がかかる。そのため、シランガスを使わない原料ガスの工夫やCVD以外のプロセスである反応性スパッタリングでの窒化シリコン膜の開発が進められている。
特開平6−232409号公報 特開2000−26139号公報
しかしながら、前記方法で成膜された窒化シリコン膜は内部応力が大きく、高分子樹脂基材はガラス基材に比べて曲げ易いため、薄膜の応力によって高分子樹脂基材が反ってしまうという問題点があった。なお、この内部応力は、基材が凹面の側に反るときは引張り応力と呼ばれ、逆に外側に反るときは圧縮応力と呼ばれている。
このような内部応力は、これが大きいほど反りは大きくなり、薄膜に対してストレスを与える。そして、高分子樹脂基材に、窒化シリコン膜を含めて何層にも薄膜を重ねた場合、そのストレスは増大してこれら薄膜に内部クラックや膜の割れを発生せしめる原因となる。
そこで、本発明は、内部応力の小さい窒化シリコン膜を成膜する方法を提供することを目的とするものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、スパッタリング室内に基材を設置し、2つの近接したマグネトロンカソードのそれぞれにシリコンターゲットを配置し、窒素元素を含むガスを導入しながら、前記マグネトロンカソードに周波数25kHz以下の正弦波電圧を印加して、前記基材上に窒化シリコンの薄膜を成膜することを特徴とする窒化シリコン膜の成膜方法である。
また、請求項2に記載の発明は、窒素元素を含むガスが窒素ガスを含むものであることを特徴とする請求項1記載の窒化シリコン膜の成膜方法である。
また、請求項3に記載の発明は、デュアル・マグネトロンスパッタリング(DMS)を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の窒化シリコン膜の成膜方法である。
また、請求項4に記載の発明は、前記基材が厚さ25〜188μmの高分子透明樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒化シリコン膜の成膜方法である。
本発明においては、マグネトロンカソードに周波数25kHz以下の正弦波電圧を印加して、前記基材上に窒化シリコンの薄膜を成膜するため、後述する実施例から分かるように、成膜された窒化シリコン薄膜の内部応力が小さく、このため、基材として高分子樹脂基材を使用しても反りが生じることがない。このため、この窒化シリコン薄膜を含む多層の薄膜を積層した場合にも、これら多層薄膜の機能を妨げることがなく、その信頼性を上げることができる。また、小さく切り出しても応力による自己巻取りが発生せず、ハンドリング適性にも優れている。
以下、図面を参照して本発明を説明する。本発明の目的物は、図1の断面説明図に示すように、基材1上に窒化シリコン薄膜2を成膜したものである。
本発明に係る基材1は任意のもので良いが、高分子樹脂基材を使用する場合本発明の利点が特に生かされる。例えば、高分子樹脂フィルムあるいは高分子樹脂シートである。その厚さは25〜188μmの範囲のものが望ましい。25μm厚以下では、熱応力の影響が大きく現れてしまうので反りが発生しやすい。特に50〜188μmの範囲の高分子樹脂フィルムあるいは高分子樹脂シートが好ましく使用できる。
また、ディスプレイの表示画面に適用する場合には、基材1として、透明な高分子樹脂基材を使用することが望ましい。このような透明高分子としては、例えば、ポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系高分子(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド系高分子(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリスチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、アクリル系高分子、セルロース系高分子(トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等)などが挙げられる。
また、本発明に係る窒化シリコン膜2は、窒化シリコン(SiNx)から構成されるものである。化学量論的にはSi34(xは1.333)であるが、透明性に問題なければ、xの範囲は1.333より低くても構わない。一般的にSiの比率が大きくなると窒化シリコン膜2に色が付き光線透過率が下がる傾向となる。また、窒化シリコン膜2の厚みは任意で良いが、窒化シリコン膜にガスバリア性能を求める場合には、5〜300nmの厚みでよい。好ましくは10〜200nmである。この厚みが薄すぎても厚すぎても良いガスバリア性能が得られない。また、300nmを超えると成膜する時間が長くなるので好ましくない。
この窒化シリコン膜2は、デュアル・マグネトロン・スパッタリング(DMS)を使用するスパッタリングによって基材1上に成膜される。すなわち、スパッタリング室内に、
極性反転電源に接続された2つのマグネトロンカソードを互いに近接して配置し、このマグネトロンカソードのそれぞれにシリコンターゲットを配置する。一方、このスパッタリング室内に、前記シリコンターゲットに対向させて前記基材を設置する。そして、このスパッタリング室内を真空吸引した後、窒素元素を含むガスを導入しながら、前記マグネトロンカソードに正弦波電圧を印加して、シリコンターゲットに負の自己バイアス電位を生じさせ、この電位勾配に従って電離した陽イオンをシリコンターゲットに衝突させる。そして、この衝突によってターゲットから生じたシリコン原子とガス中の窒素原子とを反応させ、生成した窒化シリコンを基材1上に付着させて成膜することができる。
なお、本発明において、前記正弦波電圧としては、放電周波数25kHz以下の正弦波電圧を用いる必要があり、このように25kHz以下の正弦波電圧を印加することによって、成膜される窒化シリコン膜の応力を少なくすることができる。
このような正弦波電圧は、発振回路6と、これに接続されたインピーダンス整合回路によって構成される極性反転電源によって発生させることができる。図2は極性反転電源を示すもので、発振回路6と、これに接続されたキャパシター4及びインダクターから構成されるLC共振回路からなるインピーダンス整合回路と、このインダクターを一部とするマッチングトランス3と、このトランス3の出力側のコイルに接続された2つのマグネトロンカソード5とから構成されている。そして、キャパシター4のキャパシタンスCやインダクターのインダクタンスLの値を変えることで正弦波電圧の周波数を変化させることができる。
また、導入するガスは、窒素元素を含むものである必要がある。このましくは、窒素元素を含むガスと不活性ガスの混合ガスである。窒素元素を含むガスは、ターゲットから飛び出したシリコンと反応して窒化シリコンを生成する。また、不活性ガスは正弦波電圧によって電離して陽イオンを生成し、この陽イオンがシリコンターゲットに衝突して前記シリコン原子がターゲットから飛び出すのである。窒素元素を含むガスとしては、アンモニア(NH3)ガスまたは窒素(N2)ガスが利用できるが、窒素ガスが好適である。また、不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)ガスが利用できる。
[実施例1]
基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ175μm、大きさ200mm×200mm)及びSiウェハを使用し、成膜装置としてデュアルマグネトロンスパッタを使用した。そして、Si(純度99.9%,直径3インチ,表面ミラー仕上げ)のターゲットをマグネトロンカソード5,5に配置し、スパッタリング室内を真空吸引した後、アルゴンガス(Ar)と窒素ガス(N2)の混合ガスを、Ar:N2=2:1となる配合比で導入した。圧力は5.3×10-1Paに調整し、インピーダンス整合用のコンデンサーを追加して放電周波数が23.1kHzとし、膜厚が50nmとなるように窒化シリコン膜の成膜を行った。
そして、まず成膜された窒化シリコン膜の膜厚を、X線反射率測定装置(理学電機(株)製ATX−G)により測定した。また、窒化シリコン膜のSi/Nの元素数比をX線光電子分光(ESCA)法によって測定した。
また、取り出したSiウェハを使用して、窒化シリコン膜の応力を測定した。すなわち、Toho Technology社 FLX−2320−Sを使用して、成膜前のSiウェハの反り(曲率半径)と成膜後の反りとを測定し、この両者を比較して窒化シリコン膜の応力を算出した。
また、窒化シリコン膜を成膜したポリエチレンテレフタレートフィルムを100mm×100mmの大きさに切り取り、反りの有無を確認した。
[実施例2]
基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm、大きさ200mm×200mm)を用いた以外すべて実施例1と同様の条件で50nmの窒化シリコン膜を成膜し、応力の測定、反りの有無を確認した。
[比較例1]
実施例1で使用したコンデンサーを取り除き、放電周波数が36.0kHzと設定した以外は実施例1と同様の条件でポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ175μm、200mm×200mm)とSiウェハに50nmの窒化シリコン膜を成膜し、応力の測定、反りの有無を確認した。
[比較例2]
キャパシタンスCの異なるコンデンサーを使用して、放電周波数が29.3kHzと設定した以外は実施例1と同様の条件でポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ175μm、200mm×200mm)とSiウェハに50nmの窒化シリコン膜を成膜し、応力の測定、反りの有無を確認した。
各実施例及び比較例において、測定された膜厚、元素数比(Si/N比)、窒化シリコン膜の応力、及びポリエチレンテレフタレートフィルムの反りの有無を表1に示す。なお、表中、応力の負の符号は圧縮応力を示している。
この結果から、本発明の成膜方法においては周波数を25kHz以下にしているため、成膜された窒化シリコン膜の内部応力が低くなり、反りも起こらなくなることが確かめられた。
Figure 2007169721
本発明の目的物の断面説明図。 本発明の実施例にて使用したプラズマ発生電源のインピーダンス整合回路部の回路図。
符号の説明
1 高分子透明樹脂フィルム
2 窒化シリコン膜
3 マッチングトランス
4 コンデンサー
5 マグネトロンカソード
6 発振回路

Claims (4)

  1. スパッタリング室内に基材を設置し、2つの近接したマグネトロンカソードのそれぞれにシリコンターゲットを配置し、窒素元素を含むガスを導入しながら、前記マグネトロンカソードに周波数25kHz以下の正弦波電圧を印加して、前記基材上に窒化シリコンの薄膜を成膜することを特徴とする窒化シリコン膜の成膜方法。
  2. 窒素元素を含むガスが窒素ガスを含むものであることを特徴とする請求項1記載の窒化シリコン膜の成膜方法。
  3. デュアル・マグネトロンスパッタリング(DMS)を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載の窒化シリコン膜の成膜方法。
  4. 前記基材が厚さ25〜188μmの高分子透明樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の窒化シリコン膜の成膜方法。
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