JPH1170611A - 透明ガスバリアフィルム - Google Patents

透明ガスバリアフィルム

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JPH1170611A
JPH1170611A JP9233914A JP23391497A JPH1170611A JP H1170611 A JPH1170611 A JP H1170611A JP 9233914 A JP9233914 A JP 9233914A JP 23391497 A JP23391497 A JP 23391497A JP H1170611 A JPH1170611 A JP H1170611A
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JP
Japan
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gas barrier
transparent
film
layer
silicon oxide
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Application number
JP9233914A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Ro
和敬 盧
Noritoshi Tomikawa
典俊 富川
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】黄褐色度が極端に低く、かつ高いガスバリア性
を有し、フレキシビリティと基材への密着性にも優れた
単一のガスバリア層を付着した透明性を有するガスバリ
アフィルムを提供することにある。 【解決手段】透明性を有する高分子材料からなる基材2
0の片面もしくは両面に無機化合物からなる透明ガスバ
リア層を積層した積層フィルムにおいて、該透明ガスバ
リア層が炭素5〜15%含有する酸化珪素薄膜層30で
あり、その透明ガスバリア層が、有機珪素化合物ガスお
よび酸素ガスを主原料としてプラズマCVD法によって
形成されてなる透明ガスバリアフィルム1としたもので
あって、前記酸化珪素薄膜層30の色が、無色透明であ
り、366nmの波長の光の光線透過率が75%以上で
ある透明ガスバリアフィルム10としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に食品、医薬
品、精密電子部品等の包装分野に用いられる包装フィル
ムに関するものであり、特に、透明性とガスバリア性に
優れた包装フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より,食品、医薬品、精密電子部品
等の包装に用いられる包装材料として、内容物を品質変
化させる原因となる酸素、水蒸気等の影響を防ぐために
ガスバリア性を有するアルミニウム箔層を設けた包装材
やアルミニウム蒸着フィルムが知られ、実用されてき
た。しかし、このような包装材は、安定したガスバリア
性が得られるものの、透明性に欠け内容物が見にくいと
いう問題点があった。
【0003】一方、透明なガスバリアフィルムとして、
ポリ塩化ビニリデンを塗布したフィルムや、エチレン・
ビニルアルコール共重合体の技術が開示されていた。し
かし、ポリ塩化ビニリデンを塗布したフィルムでは、塩
素を含むため、廃棄時の焼却処理において、有害ガスの
発生等による環境問題や焼却炉の腐食等による耐用期間
の短縮などの問題があった。また、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体のフィルムでは、水蒸気で酸素バリア
性が劣化しやすいという問題点があった。
【0004】そこで、これらの問題点を解消する包装材
料として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシ
ウム等の無機酸化物を高分子フィルム上に真空蒸着法や
スパッタリング法で付着させたものが開発され、透明性
およびガスバリア性の両者が付与された包装材料として
好適とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
酸化珪素薄膜等の無機酸化物形成技術においては、ガス
バリア性向上のために酸素の比率を低下させると、黄褐
色度が大きくなり、透明性が低下するという問題と、膜
厚を厚くするとフレキシブル性に欠けクラックが入り易
くなることと基材と酸化珪素薄膜との密着力が弱くなる
という問題があった。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
するものであり、その課題とするところは、黄褐色度が
極端に低く、かつ高いガスバリア性を有し、フレキシビ
リティと基材への密着性にも優れた単一のガスバリア層
を付着した透明性を有するガスバリアフィルムの提供に
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、透明性を
有する高分子材料からなる基材の片面もしくは両面に無
機化合物からなる透明ガスバリア層を積層した積層フィ
ルムにおいて、該透明ガスバリア層が炭素5〜15%含
有する酸化珪素薄膜層であることを特徴とする透明ガス
バリアフィルムとしたものである。
【0008】また、請求項2の発明では、前記透明ガス
バリア層が、有機珪素化合物ガスおよび酸素ガスを主原
料としてプラズマCVD法によって形成されてなること
を特徴とする透明ガスバリアフィルムとしたものであ
る。
【0009】また、請求項3の発明では、前記酸化珪素
薄膜層の色が、無色透明であり、366nmの波長の光
の光線透過率が75%以上である透明ガスバリアフィル
ムとしたものである。
【0010】上記の炭素を含む酸化珪素薄膜を形成する
有機珪素化合物は、テトラエトキシシラン(TEO
S)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、テト
ラメチルジシロキサン(TMDSO)、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキ
サン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、トリメチルエトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピル
トリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメ
トキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、デカメチルシクロペンタシ
ロキサンなどから選択でき、これらの有機珪素化合物の
うちの一つまたは複数からなることを特徴とするもの
で、好ましくは、TEOS、HSDSO、TMDSO、
オクタメチルシクロテトラシロキサンである。
【0011】また、上記本発明の透明性を有するガスバ
リアフィルムのガスバリア層は、有機珪素化合物の蒸気
と酸素に加えて、場合によっては不活性ガスを用いてプ
ラズマCVD(Chemical Vapor Dip
osition)法を用いて形成されるもので、透明性
が非常によく、緻密な連続層であり、酸素透過度は1c
c/m2 /day以下、水蒸気透過度は1g/m2 /d
ay以下である。そして炭素を5〜15%含むことによ
り、フレキシビリティと密着性も良好となるものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の透明性を有するガス
バリアフィルムの側断面を表す説明図である。
【0013】図1に示すように、本発明の透明性を有す
るガスバリアフィルム(10)の構成は、基材(20)
の表面に、炭素を含む酸化珪素薄膜層(30)が形成さ
れてなるものである。この酸化珪素薄膜層(30)に含
まれる炭素の含有率は5〜15%が好ましく、これより
少ないとフレキシビリティに欠け、酸化珪素薄膜層(3
0)が割れやすくバリア性を損なうおそれがある。ま
た、これより多いとガスバリアフィルム(10)が黄色
みを帯びて透明性に欠けるもので、炭素の含有率が5〜
15%ではさらに透明性が増し、非常に良好なフィルム
を得ることができるものである。
【0014】上記の基材(20)は、透明性を有する高
分子材料であり、ガスバリア層としての炭素を含む酸化
珪素薄膜層(30)の無色透明性を生かすために透明な
フィルムが望ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリ
エステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなど
のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポ
リアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカー
ボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポ
リイミドフィルムなどが用いられ、延伸、未延伸のいず
れでもよく、また、機械的強度や寸法安定性のあるもの
が良く、特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレン
テレフタレートが好ましい。
【0015】また、この基材(20)の表面に、周知の
種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止
剤、可塑剤、滑剤等が施されていてもよく、酸化珪素薄
膜層(30)との密着性をよくするために、前処理とし
てコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処
理等を施しておいてもよく、さらに、薬品処理、溶剤処
理などを施してもよい。また、基材(20)は単層であ
ってもよいが、2種類以上の高分子フィルムからなる多
層構造であってもよい。
【0016】上記基材(20)の厚みは、特に制限を受
けるものではないが、包装材料としての適性すなわちラ
ミネートや他の層の積層等を含めた加工適性を考慮する
と3〜200μmの範囲で、用途によっては6〜30μ
mとするのが好ましい。
【0017】また、炭素を含む酸化珪素薄膜層(30)
は、高分子材料からなる基材(20)の上に積層される
もので、この酸化珪素薄膜層(30)を設ける手段とし
ては有機珪素ガスおよび酸素ガスを主原料とするプラズ
マCVD法が適する。真空蒸着法等のドライプレーティ
ングも考えられるが、ドライプレーティングでは酸化珪
素薄膜中に任意の料の炭素を均一に含ませるのが困難で
あり、本発明の透明ガスバリアフィルム用の成膜には不
向きである。また、プラズマCVD法におけるプラズマ
励起源としては、高周波(HF)、ラジオ波(RF)、
マイクロ波(MF)等が用いられる。
【0018】上記の炭素を含む酸化珪素薄膜層(30)
の厚さは、一般的に100〜2000Åが好ましい。こ
れより薄いと厚さにムラが生じやすくバリア性が十分で
ないことがあり、また、これより厚い場合は柔軟性、経
済性の点で問題が生じ、好ましくは500〜1500Å
の範囲である。
【0019】さらに、この炭素を含む酸化珪素薄膜層
(30)上に他の層を積層することもできる。例えば、
印刷層やヒートシール層であり、印刷層は厚さ0.1〜
2μmが一般的である。
【0020】また、ヒートシール層は、袋状包装体など
を形成する際の接着部に利用されるものであり、ポリエ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸
共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体およびそれらの金属架橋物等の樹脂が
用いられる。この形成法としては、上記樹脂を溶融さ
せ、押し出し貼り合わせるエキストルーションラミネー
ト法や、フィルム状の樹脂をドライラミネート法やノン
ソルベントラミネート法により積層する方法等で、いず
れも公知の方法により積層される。その厚さは任意で目
的に応じて決定されるものであり、一般的には15〜2
00μmの範囲である。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに具体的に
説明する。 <実施例1>基材(20)として、厚さ12μmのポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムの一方の面
にテトラエトキシシラン(TEOS)を55℃で気化さ
せて、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、酸素:
アルゴン(TEOSを含む)=14:1よりなる混合ガ
スを原料ガスとして、RFプラズマ(13.56MH
z)によるプラズマCVD法により、炭素を含む酸化珪
素薄膜層(30)を約500オングストロームの厚さに
形成し、本発明の透明性を有するガスバリアフィルム
(10)を得た。このフィルムの組成を島津製作所社製
のESCA(Electron Spectrosco
py for Chemical Analysis)
を用いて測定したところ、約6%の炭素が含まれてい
た。
【0022】<実施例2>炭素を含む酸化珪素薄膜層
(30)を約1000Åにした以外は、実施例1と全く
同様の材料および方法・条件で透明性を有するガスバリ
アフィルム(10)を得た。
【0023】<実施例3>ヘキサメチルジシロキサン
(HMDSO)を4℃で気化させて、キャリアガスを流
さず、酸素:HMDSO=30:1よりなる混合ガスを
原料ガスとした以外は、実施例1と全く同様の材料や方
法で透明性を有するガスバリアフィルム(1)を得た。
このフィルムの組成をESCAで同様に測定したとこ
ろ、約12%の炭素が含まれていた。
【0024】<実施例4>炭素を含む酸化珪素薄膜層
(30)を約1000Åの厚さにした以外は、実施例3
と全く同様の材料や方法・条件で透明性を有するガスバ
リアフィルム(10)を得た。
【0025】<比較例1>原料混合ガスの酸素量をOS
CCM(Standard Cubic Centim
eter/Minute つまり酸素は流さないこと)
にした以外は、実施例1と全く同様の材料や条件で酸化
珪素薄膜を形成した。このフィルムの組成をESCAで
測定したところ、約45%の炭素が含まれていた。
【0026】<比較例2>従来の真空蒸着法により、酸
化珪素薄膜を厚さ12μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルム上に形成した。この酸化珪素薄膜
中には炭素は含まれていない。
【0027】実施例1〜4および比較例1、2で得られ
た積層フィルムを評価するため、フィルムの酸素透過率
(cc/m2 /day)、水蒸気透過率(g/m2 /d
ay)をMOCOM社製のOXTRANおよびPARM
TRANで測定した。さらに、得られた積層フィルムの
透明性を評価するために、目視による色および光線透過
率(%−366nm)を測定した。その結果を表1に示
した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、透明性を有する高分子材料
からなる基材に無機化合物からなる透明ガスバリア層を
積層した積層フィルムにおいて、その透明ガスバリア層
としての酸化珪素ガスバリア層に炭素を5〜15%含有
させることにより、他のフィルムとのラミネートや印刷
などの後加工を施さなくとも酸素透過度が1cc/m2
/day以下、水蒸気透過度1g/m2 /day以下と
ガスバリア性に優れた効果を有する。
【0030】また、酸化珪素ガスバリア層内の炭素は珪
素や酸素と相互に結合しており、有機系高分子に類似し
ているため、フレキシビリティが良好になる効果があ
る。
【0031】さらに、透明ガスバリアフィルムと他のフ
ィルムとの密着強度も350gf/15mm幅以上と、
包装用積層フィルムとして十分な強度を有する包装用積
層フィルムの提供ができる。
【0032】また、炭素含有量を15%以下に抑えるこ
とにより、本来の酸化珪素薄膜のもつバリア性を保持
し、酸化珪素の結晶性を損なうことなく緻密で黄色味を
帯びない非常に透明なフィルムを形成することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す透明ガスバリアフ
ィルムの側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
10‥‥ガスバリアフィルム 20‥‥基材 30‥‥酸化珪素薄膜層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明性を有する高分子材料からなる基材の
    片面もしくは両面に無機化合物からなる透明ガスバリア
    層を積層した積層フィルムにおいて、該透明ガスバリア
    層が炭素5〜15%含有する酸化珪素薄膜層であること
    を特徴とする透明ガスバリアフィルム。
  2. 【請求項2】前記透明ガスバリア層が、有機珪素化合物
    ガスおよび酸素ガスを主原料としてプラズマCVD法に
    よって形成されてなることを特徴とする請求項1記載の
    透明ガスバリアフィルム。
  3. 【請求項3】前記酸化珪素薄膜層の色が、無色透明であ
    り、366nmの波長の光の光線透過率が75%以上で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の透明ガス
    バリアフィルム。
JP9233914A 1997-08-29 1997-08-29 透明ガスバリアフィルム Pending JPH1170611A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002370722A (ja) * 2001-06-19 2002-12-24 Toppan Printing Co Ltd バリア容器
US8273419B2 (en) 2008-09-24 2012-09-25 Fujifilm Corporation Method of forming gas barrier layers including a change in pressure, a gas barrier layer formed by the method, and a gas barrier film
JP2014518947A (ja) * 2011-05-25 2014-08-07 エージーシー グラス ユーロップ 低圧pecvdによってガラス基板上に層を蒸着するための方法
JP2016078372A (ja) * 2014-10-20 2016-05-16 凸版印刷株式会社 透明ガスバリアフィルム

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JP2017095801A (ja) * 2011-05-25 2017-06-01 エージーシー グラス ユーロップAgc Glass Europe 低圧pecvdによってガラス基板上に層を蒸着するための方法
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