JP2010077328A - 紫外線硬化型樹脂組成物及び防眩性フィルム - Google Patents

紫外線硬化型樹脂組成物及び防眩性フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 指紋が目立ちにくく、防眩性を有するフィルムを得る。
【解決手段】 化1で表される構造を有するフッ素変性樹脂と多官能(メタ)アクリレートを混合した紫外線硬化型樹脂組成物を用い、透光性微粒子と、レベリング剤を配合する。多官能(メタ)アクリレート、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの樹脂固形分100重量部に対し、フッ素変性樹脂の添加量は、1〜10重量部とする。レベリング剤は樹脂硬化物表面のゆず肌を防止するとともに耐指紋性を向上させる効果がある。レベリング剤の種類としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル系の内2種類以上を併用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は紫外線硬化型樹脂組成物及び防眩性フィルムに関する。
パーソナルコンピューター、プラズマテレビ、液晶テレビ、カーナビゲーションシステム、タッチパネル、モバイル機器、携帯電話、ポータブルゲーム機などに用いられているディスプレイでは、太陽光や蛍光灯などの光が表示画面に映り込み、画面が見にくくなる現象が起こる。この現象が生じると、画面が見にくくなるだけでなく、この画面を長時間にわたり見続けることにより、視力低下につながる場合がある。その為、この映り込み現象を抑制する為に防眩フィルムが提供されている。このフィルムをディスプレイに貼付することにより、この現象が低減する。
特開2008−074945号公報 特開2007−314608号公報
しかしながら、表面に指紋が付着すると、付着した指紋の表面で光が乱反射し、透明感が損なわれる問題が発生している。特に、蛍光灯や外光の映りこみを防止する防眩性フィルムにおいては、表面が白く見えたり、透明に見えたりするため、画像の視認性が悪化する問題があった。
本発明は上記の課題を解決するために検討されたものであり、化1で表される構造を有するフッ素変性樹脂と、多官能(メタ)アクリレートと、透光性微粒子と、レベリング剤2種類以上が混合されてなることを特徴とする耐指紋性紫外線硬化型樹脂組成物である。
但し
X=Cl、F
R=アルキル基、アルキレン基、水酸基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アルコキシシリル基
mは整数。
nは整数。
を示す。
化1で表される構造を有するフッ素変性樹脂を配合することにより、樹脂組成物を塗工した塗膜の親油性が向上し、指紋が目立ちにくいフィルムを得ることができる。また、透光性微粒子と、レベリング剤2種類以上を配合することにより防眩性を有するフィルムとなる。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明ではバインダー成分として、主にラジカル反応性が非常に高く、速硬性と高硬度の点から優位性がある(メタ)アクリレートモノマーが用いられる。具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは、単独、または混合して使用しても良い。また、粘度調整や官能基付与の点で単官能(メタ)アクリレートを付与することもできる。
本発明に係るフッ素変性樹脂としては、化1で示されるフッ素変性樹脂が挙げられる。紫外線硬化できる官能基としてアルコキシシリル基および(メタ)アクリロイル基、エポキシ基を導入した樹脂が好ましく、特にラジカル重合が可能な(メタ)アクリロイル基を導入した樹脂が好ましい。
但し、
X=Cl、F
R=アルキル基、アルキレン基、水酸基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アルコキシシリル基
mは整数。
nは整数。
を示し、mおよびnともに好ましくは10〜300であり、さらに好ましくは50〜200である。
フッ素変性樹脂の添加量は、(メタ)アクリレートの樹脂固形分100重量部に対し、25重量部以下が望ましく、さらに望ましくは1〜10重量部である。フッ素変性樹脂の添加量が25重量部を超えると耐擦傷性が低下し、十分なハードコート性能を発揮することができない。
本発明に係る透光性微粒子は防眩性フィルムのヘイズが3〜30%の範囲内となるものであれば良く、透光性微粒子の種類、添加量、平均粒子径、粒子形状は特に限定されるものではない。ヘイズが3%以下では指紋が付着した際に白く見えてしまい、ヘイズが30%以上では指紋が付着した際に透明に見えてしまい、視認性が低下する。
透光性微粒子としては、有機微粒子のものでは、スチレンビーズ、メラミンビーズ、アクリルビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、シリコーンビーズなどが挙げられ、中でも、入手性の点でスチレンビーズ、アクリル−スチレンビーズが好ましい。また、無機微粒子としては、Si02、Al−Si02、Ge02が挙げられ、中でも入手性の点でSi02が好ましい。平均粒子径は紫外線硬化型樹脂の塗工膜厚にも依存するが、塗工適性に優れるという点で0.5〜10μmが好ましい。
レベリング剤は、樹脂硬化物表面のゆず肌を防止するとともに耐指紋性を向上させる効果がある。レベリング剤の種類としては、フッ素系、シリコーン系、アクリル系の内2種類を併用することが望ましく、少なくともアクリル系1種類を含み、2種類以上併用することで樹脂硬化物表面の水接触角を75〜90°、オレイン酸接触角を10〜20°に調整し、指紋視認性及び指紋拭き取り性の効果が発現する。レベリング剤の添加量としては上記接触角の範囲内であれば特に指定されるものではない。市販品としては、共栄化学社製、商品名、ポリフローNo.55が挙げられる。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物にはラジカル型重合開始剤や、カチオン型重合開始剤を添加するが、ラジカル型重合開始剤としては特に制限はなく各種公知のものを使用することができる。ラジカル型重合開始剤としては、ベンゾフェノン及び他のアセトフェノン、ベンジル、ベンズアルデヒド及びo−クロロベンズアルデヒド、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、9,10−フェナントレンキノン、9,10−アントラキノン、メチルベンゾインエーテル、エチルベンゾインエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、α,α−ジエトキシアセトフェノン、α,α−ジメトキシアセトフェノン、1−フェニル−1,2−プロパンジオール−2−o−ベンゾイルオキシム及びα,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン等が挙げられる。市販品としては、イルガキュア−184、イルガキュア−651(チバ・ジャパン株式会社製、商品名)、ダロキュア−1173(メルク社製、商品名)などの光開始剤を使用することができる。また、カチオン型重合開始剤としてヨードニウム塩系カチオン重合開始剤、スルホニウム塩系カチオン重合開始剤を併用しても良い。市販品としては、イルガキュア−250(チバ・ジャパン株式会社製、商品名)、CPI−100P(サンアプロ株式会社製、商品名)などの光開始剤が挙げられる。添加量は重合性多官能モノマーの樹脂固形分100重量部に対して1〜10重量部である。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物が塗布される基材の材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ナイロン、アクリル樹脂等、いずれも公知のものを用いることができる。形状としては、フィルムでも板でもよい。
本発明の紫外線硬化型樹脂組成物のフィルムへの塗布方法、塗布厚みについては特に制限はなく、公知の方法、例えばグラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法などを用いることができ乾燥後塗膜の厚みを20μm以下となるように塗布する。20μmを越えると基材との密着性が悪化するなどの問題がある。より好ましくは、2〜5μmである。
電子線を照射する場合は、走査型あるいはカーテン型の電子線加速器を用い、加速電圧1000keV以下、好ましくは100〜300keVのエネルギーを有する電子線を、紫外線を照射する場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い、100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域で、100〜800mJ/cmのエネルギーを有する紫外線を照射する。また、必要に応じて窒素雰囲気下にて硬化させてもよい。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げてより詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製 商品名A−DPH 固形分100%)100重量部に対し、化1中、Rがアルコキシシリル基、mが約100、nが約100であるフッ素変性樹脂(富士化成工業株式会社製 商品名ZX−058 固形分30% 溶剤種;酢酸ブチル/イソプロピロピルアルコール)を固形分で1重量部、透光性微粒子として、
シリカを10重量部(東ソー・シリカ(株)製 商品名Nipgel AZ−204)、シリコーン系とアクリル系の2種類の成分が含まれるレベリング剤(共栄社化学(株)製 商品名 ポリフローNo.55)を0.1重量部、開始剤としてイルガキュア184(チバ・ジャパン株式会社製)およびイルガキュア250(チバ・ジャパン株式会社製)を加え、希釈溶媒としてメチルエチルケトンを用い固形分30%の紫外線硬化型樹脂組成物を得た。次いで、得られた紫外線硬化型樹脂組成物を、厚み100μmの易接着処理PETフィルム(ポリエチレンテレフタレート:東レ株式会社製 商品名ルミラーU34)に、硬化後の樹脂膜厚が5μmとなるように塗工・乾燥し、紫外線照射機を用いて1500mW/cmの照射強度で、仕事量が300mJ/cmの紫外線処理を行い、防眩性フィルムを得た。
実施例1において、フッ素変性樹脂の配合量を10重量部に変更した以外は同様に実施した。
実施例1において、フッ素変性樹脂の配合量を20重量部に変更した以外は同様に実施した。
実施例2において、シリカの配合量を15重量部に変更し、硬化後の樹脂膜厚を3μmに変更した以外は同様に実施した。
実施例2において、シリカの配合量を5重量部にし、硬化後の膜厚を7μmに変更した以外は同様に実施した。
実施例2において、レベリング剤の配合量を0.01重量部に変更した以外は同様に実施した。
実施例2において、レベリング剤の配合量を0.2重量部に変更した以外は同様に実施した。
実施例2において、(メタ)アクリレートをジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(A−DPH)から3官能アクリレート(トリメチロールプロパントリアクリレート、商品名TMPTA、会社名ダイセル・サイテック(株))に変更した以外は同様に実施した。
実施例2において、(メタ)アクリレートをジペンタエリスリトールヘキサアクリレートからペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名UA−306H、共栄社化学(株))に変更した以外は同様に実施した。
実施例2において、透光性微粒子をシリカからアクリル系微粒子(ガンツ化成(株)製 メタクリル酸メチルとスチレンの共重合体、商品名ガンツパールGSMX−0453S)に変更した以外は同様に実施した。
参考例1
実施例2において、シリカの配合量を1重量部にし、硬化後の樹脂膜厚を7μmに変更した以外は同様に実施した。
参考例2
実施例2において、シリカの配合量を20重量部にし、硬化後の樹脂膜厚を3μmに変更した以外は同様に実施した。
参考例3
実施例1において、フッ素変性樹脂の配合量を25重量部に変更した以外は同様に実施した。
比較例1
実施例2において、レベリング剤をシリコーン系1種類(ビックケミー(株)製BKK−310)に変更した以外は同様に実施した。
比較例2
実施例2において、レベリング剤をアクリル系1種類(共栄社化学(株)製 ポリフローNo.55)に変更した以外は同様に実施した。
比較例3
実施例2において、レベリング剤を配合しなかった以外は同様に実施した。
比較例4
実施例2において、フッ素変性樹脂を配合しなかった以外は同様に実施した。
比較例5
実施例2において、フッ素変性樹脂とレベリング剤を配合しなかった以外は同様に実施した。

配合、評価結果を表1、2に示す。

試験・評価方法
(1)ヘイズ値(Hz)の測定
JIS K 7136(2000年版)の規定に基づきヘイズメータ(株式会社東洋精機製作所製、商品名ガードII)により測定した
(2)接触角の測定
表面接触角測定装置(協和界面化学株式会社製CA−X型接触角計)を用いて水とオレイン酸の接触角を測定した。
(3)指紋視認性
(○;ΔHz=0〜2.0、△;ΔHz=2.1〜10.0、×;ΔHz=10.1以上)
(4)指紋付着部をキムワイプ(登録商標)でラビングし(500g荷重)、指紋が目視にて確認できなくなる回数により、指紋の拭き取り性を判定した。(○=5往復以内、×=5往復以上)
(5)耐擦傷性:○荷重2kgで傷なし、△荷重2kgで傷有り、1kgで傷なし、×1kgで傷有り。

Claims (2)

  1. 多官能(メタ)アクリレートと、化1で表される構造を有するフッ素変性樹脂と、透光性微粒子と、レベリング剤2種類以上が混合されてなることを特徴とする紫外線硬化型樹脂組成物。

    但し
    X=Cl、F
    R=アルキル基、アルキレン基、水酸基、カルボキシル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、アルコキシシリル基
    mは整数。
    nは整数。
    を示す。
  2. 請求項1記載の紫外線硬化型樹脂組成物をプラスチック基材上に塗布・硬化し、樹脂硬化物のヘイズが3〜30%、水接触角が75〜90°、かつオレイン酸接触角が10〜20°であることを特徴とする防眩性フィルム。
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